「パートタイム労働者」
パートタイム労働法(「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」)の対象である「短時間労働者(パートタイム労働者)」は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。
例えば、「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」など、呼び方は異なっても、この条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」としてパートタイム労働法の対象となります。
ここでいう、「通常の労働者」とは、事業所において社会通念にしたがい「通常」と判断される労働者をいいます。この「通常」の判断は、業務の種類ごとに行い、「正社員」、「正職員」など、いわゆる正規型の労働者がいれば、その労働者をいいます。例えば、労働契約の期間の定めがない、長期雇用を前提とした待遇を受ける賃金体系である、など雇用形態、賃金体系などを総合的に勘案して判断することになります。
事業所に同種の業務に従事するいわゆる正規型の労働者がいない場合は、フルタイムの基幹的な働き方をしている労働者がいれば、その労働者が通常の労働者となり、その労働者より1週間の所定労働時間が短い労働者がパートタイム労働者となります。
職務の内容 とは、
実際に従事している業務 と、その業務に伴う責任の程度 まで含めて考えますので、
「パートタイム労働者と通常の労働者の職務の内容が同じかどうか?」
を判断する際には、パートタイム労働者と通常の労働者について、
それぞれの
<中核的業務> |
を取り出し、中核的業務について、「実質的に同じかどうか?」を判断します。
※個々の作業が一致しているかをみるのではなく、当該職務に必要な知識や技術の水準などの観点から、その業務の性質や範囲の同一性を比較します。
また、責任の程度につていては
◆ 与えられている権限の範囲 |
などを総合的に比較し、著しく異ならないかを判断します。
人材活用の仕組みと運用など とは、
人事異動の有無や範囲を指します。
「パートタイム労働者と通常の労働者の人材活用の仕組みや運用などが同じかどうか?」
を判断する際には、パートタイム労働者と通常の労働者について、
実際に配置転換や昇進したかどうか、だけでなく、将来にわたって配置転換や昇進をする見込みがあるかどうか、について、事業所の就業規則や慣行などをもとに判断します。
配置転換や昇進をする場合は、
「配置転換の範囲も同じかどうか?」を比較します。
どちらも配置転換があっても、一方は全国転勤、一方はエリア限定の転勤、という場合は、転勤の範囲が異なるため、「人材活用の仕組みや運用などは異なる」と判断します。
なお、配置転換や昇進というかたちをとらない場合でも、1つの事業所に雇われている間に経験する職務経験の範囲がパートタイム労働者と通常の労働者との間で異なっていれば、両者の「人材活用の仕組みや運用などは異なる」と判断します。