5-1  清潔について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
  1.できる 2.一部介助 3.全介助
 ア.口腔清潔(はみがき等) 1 2 3
 イ.洗顔 1 2 3
 ウ.整髪 1 2 3
 エ.つめ切り 1 2 3
着眼点
日頃からその行為を自分で行っているかどうかに着目して評価する。
生活習慣、施設の方針、介護者の都合等によって、通常行っていない場合や、独居のために必要な介助が行われていない場合は、例外的に対象者の能力を総合的に勘案して判断し、判断の理由を「特記事項」に記載する。
対象者が自身の清潔保持に関心が乏しいため介助が必要な場合も含まれる。
ア. 「口腔清潔」(はみがき等)
口腔清潔(はみがき等)の一連の行為を自分で行っているかどうかを評価する。
一連の行為とは、歯ブラシやうがい用の水を用意する、歯磨き粉を歯ブラシにつける等の準備、義歯をはずす、うがいをする等の行為も含まれる。
 口腔洗浄剤を使用している等の場合は、口腔清潔ができているかどうかで判断し、判断した内容を「特記事項」に記載する。同様に義歯の場合も、義歯の清潔保持と口腔清潔(うがい等)ができているかどうかで判断し、判断した内容を「特記事項」に記載する。
イ. 「洗顔」
洗顔の一連の行為を自分で行っているかどうかを評価する。
一連の行為とは、タオルの準備、蛇口をひねる、衣服の濡れの確認、タオルで拭く等の行為も含まれる。
ウ. 「整髪」
整髪の一連の行為を自分で行っているかどうかを評価する。
一連の行為とは、くしやブラシの準備等の行為も含まれる。頭髪がない又は短く刈っている場合は、頭を拭いたり整髪に関する類似の行為について判断し、判断した内容を「特記事項」に記載する。
エ. 「つめ切り」
つめ切りの一連の行為を自分で行っているかどうかを評価する。
一連の行為とは、つめ切りを準備する、切ったつめを捨てる等の行為も含まれる。
日頃、やすり等の他の器具を用いている場合は、日頃の状況に基づいて能力を判断し、判断した内容を「特記事項」に記載する。
四肢の全指を切断している等のため、切るつめがない場合は、全指があった場合を想定し、本人の能力を総合的に勘案して判断し、判断した内容を「特記事項」に記載する。
「留意点」
(1)  できたり、できなかったりする場合は、対象者が最も頻度の高い行為の状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(2)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から清潔に対する関心や意識がない等により介助を受けている状況により判断する。この場合は、「意欲の低下により、清潔に対する意識がなく、訴えることもない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っている場合をいう。
2.一部介助」
(ア) 一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。見守りや確認が必要であったり、行われている場合も含まれる。
 ●口腔
(イ) はみがき中の見守り等、みがき残しの確認が必要な場合も含まれる。
(ウ) 義歯の出し入れはできるが、義歯を磨く動作は介護者が行っている場合も含まれる。
 ●洗顔
(エ) 洗顔中の見守り等、衣服が濡れていないかの確認等が必要な場合も含まれる。
(オ) 蒸しタオル等で顔を拭くことはできるが、手で顔を洗うことができない場合も含まれる。
 ●つめ切り
(カ) 見守りや確認が必要な場合も含まれる。
(キ) 左右どちらか片方の手のつめのみ切れる、手のつめはできるが足のつめはできない等の場合も含まれる。
3.全介助」
(ア) 一連の行為全てに介助が行われている場合をいう。
(イ) 介助が行われていないが、明らかに能力がない場合も含まれる。
(ウ) 口腔清潔(はみがき等)、洗顔で、介護者が本人の行った箇所を含めて全てをやり直す場合も含まれる。また、口をゆすいで吐き出す行為だけしかできない場合及び顔をぬらすだけの場合も含まれる。
(エ) 総義歯で、義歯洗浄は全介助の場合も含まれる。

5-2  衣服着脱について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
  1.できる 2.見守り等 3.一部介助 4.全介助
 ア. 上衣の着脱
1 2 3 4
 イ. ズボン、パンツ等の着脱
1 2 3 4
着眼点
普段着用している衣服について、衣服(上衣、ズボン・パンツ)の着脱を自分で行っているかどうかに着目して評価する。衣服の種類(ボタンの有無、ゴム付きのフリーサイズズボン等)や大小(短パン、7分ズボン、大きめサイズ等)は問わない。
下着や靴下は含めない。
時候に合った服装の準備、必要な枚数だけ衣服を出すこと、衣服を手渡すこと、着脱を促すための声かけ等着脱までの行為は含まれない。
「留意点」
(1)  できたり、できなかったりする場合は、対象者のより頻回な状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(2)  生活習慣、施設の方針、介護者の都合等によって、通常行っていない場合や、独居のために必要な介助が行われていない場合には、例外的に対象者の能力を総合的に勘案して判断し、その判断の理由を「特記事項」に記載する。
(3)  障害の状況により介助されている場合は、その介助されている障害の状況に応じて判断し、その判断の理由を「特記事項」に記載する。
(4)  日常的に頻回に着用している衣服の状況に基づいて判断する。
例:トレーナーやTシャツなどボタンのない衣服を日常的に着用している場合等)
(5)  時間がかかる場合は、その詳細を「特記事項」に記載する。
(6)  補装具等を使用して着脱を行っている場合は、使用の状況に基づいて判断し、その詳細を「特記事項」に記載する。
(7)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から着脱の介助を受けている状況により判断する。この場合は、「意欲の低下により、着脱を促しても反応がなく、着替えようともしない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
 ●上衣の着脱
1.できる」
(ア) 介助、見守り等なしに自分で上衣を着脱している場合をいう。
(イ) 装具等を使って行っている場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 介助なしに自分で上衣の着脱をしているが、見守り等が行われている場合をいう。
(前後を時々間違えるために、見守りし声かけが必要な程度等)
3.一部介助」
(ア) 着脱に何らかの介助が行われている場合をいう。
(イ) 手を回せないために介護者が常に上衣を持っていなければならなかったり、麻痺側の腕のみ着せる場合等も含まれる。
4.全介助」
(ア) 上衣の着脱の行為全てに介助が行われている場合をいう。
 ●ズボン、パンツ等の着脱
1.できる」
(ア) 介助、見守り等なしに自分でズボン・パンツを着脱している場合をいう。
(イ) 装具等を使って行っている場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 介助なしに自分でズボン・パンツの着脱をしているが、見守り等が行われている場合をいう。 (前後を時々間違えるために、見守りし声かけが必要な程度等)
3.一部介助」
(ア) ズボン・パンツの着脱に何らかの介助が行われている場合をいう。
(イ) 麻痺側の足のみ着せる場合等も含まれる。
(ウ) 自分で行っていても最後に介護者がシャツをズボン・パンツ等に入れ直す場合等も含まれる。
4.全介助」
(ア) ズボン・パンツの着脱の行為全てに介助が行われている場合をいう。

5-3  薬の内服について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
 1.できる  2.一部介助  3.全介助
着眼点
薬の内服にかかる一連の行為について自分で行っているかどうかに着目して評価するものであり、インスリン注射、塗り薬の塗布等、内服薬以外のものは含まれない。
一連の行為とは、薬を飲む時間や飲む量を理解する、薬や水を手元に用意する、薬を口に入れる、飲み込むという行為をいう。これらの行為は、現在の状況でその行為について介助を受けているか否かに基づいて判断する。
「留意点」
(1)  投薬を受けていても、飲むことを忘れる、飲むことを避ける場合には、その対応に基づいて判断し、その対応について「特記事項」に記載する。
(2)  投薬を受けていない場合は、対象者の能力を総合的に勘案して判断し、その判断について「特記事項」に記載する。
(3)  経管栄養(胃ろうを含む)などのチューブから内服薬を注入する場合の一連の行為も含まれる。
(4)  施設入所者で施設によって一括して管理されているため、自己管理の機会がない場合は、本人が自己管理した場合を総合的に勘案して判断し、その判断について「特記事項」に記載する。
(5)  服薬の必要性を認識しない、あるいは副作用を過度に心配するといった状況のため服薬の介助が必要な場合も含まれる。
(6)  服薬の状況が判断できない場合は、家族や介護者等から聞き取った内容を踏まえて判断する。
(7)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から服薬の介助を受けている状況により判断する。この場合は、「意欲がない、または意欲の低下により、服薬を促しても反応がなく、飲もうともしない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 薬を飲む時間や飲む量を理解し、介助なしに自分で内服薬を服用している場合をいう。
(イ) 経管栄養(胃ろうを含む)の準備、後かたづけ等を自分で行っており、また薬の注入も全て自分で行っている場合も含まれる。
2.一部介助」
(ア) 障害等の理由により、薬を飲む際の見守り、飲む量の指示や確認等が行われている、あるいは、飲む薬や水を手元に用意する、オブラートに包む、介護者が分包する等、何らかの介助が行われている場合をいう。予め薬局で分包されている場合は含まれない。
(イ) 重度の障害者で、薬の量や飲む時間は理解しており、介護者に指示して薬を用意してもらい、飲ませてもらっている場合も含まれる。
(ウ) 薬の管理はできないが、手渡された後、水と共に服薬する行為を自分で行っている場合も含まれる。
(エ) 経管栄養(胃ろうを含む)で、自分が介護者に指示して薬を注入してもらっている場合も含まれる。
(オ) 薬の量や飲む時間は理解しているが、介護者が指示しないと失念しがちな場合も含まれる。
3.全介助」
(ア) 障害等の理由により、飲む時間を忘れたり、飲む量もわからない、あるいは、重度の障害により手指の麻痺・障害等により自分では飲めないために、薬の内服にかかわる行為全てに介助が行われている場合をいう。
(イ) 薬を飲む時間や飲む量を理解しておらず、介護者が薬を口の中に入れることにより、対象者は飲み込むのみの場合も含まれる。
(ウ) 薬を飲む時間や飲む量を理解しているが、服薬に抵抗があり、服薬するように介護者が長時間の働きかけをする場合も含まれる。

5-4  金銭の管理について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
 1.できる  2.一部介助  3.全介助
着眼点
自分の所持金(預金通帳や小銭)の支出入の把握、管理、出し入れする金額の計算を自分で行っているかどうか及びそれが適切であるか否かに着目して評価するものであり、現在の状況で介助を受けているかどうかに基づいて判断する。
「留意点」
(1)  実際に自分で金銭の出し入れに関する行為を行っているかどうかは問わない。(例:金融機関等に行けなくても、誰かに頼んで出し入れを行ってもらっていても、金銭管理、金銭の計算ができる場合も含まれる。
(2)  基本的に施設や家族等が管理を行っている場合は、対象者の身の回りの物品の管理状況、計算能力に基づいて総合的に判断し、その判断について「特記事項」に記載する。
(3)  金銭管理の状況が判断できない場合は、家族や介護者等から聞き取った内容を踏まえて判断する。 この場合は、「収入と支出の理解、観念がなく、借金してでも使うため、金銭管理はできない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 自分の所持金(預金通帳や小銭)の支出入の把握や管理を自分で行っている、出し入れする金額の計算を介助なしに自分で行っている場合をいう。
例:銀行に行けなくても、誰かに頼んで出し入れを行ってもらっているが、金銭管理、金銭の計算ができる場合も含まれる。)
2.一部介助」
(ア) 金銭の管理に何らかの介助が行われている、あるいは、小遣い銭として少額のみ自己管理している場合をいう。
3.全介助」
(ア) 金銭の管理について全てに介助が行われている場合をいう。
(イ) 1日の必要額を家族が準備し、その必要額の管理も自分で行えない場合も含まれる。

5-5  電話の利用について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
 1.できる  2.一部介助  3.全介助
着眼点
電話の利用にかかる一連の行為を自分で行っているかどうかに着目して評価するものであり、電話の置いてある場所までの移動に係る評価は含まれない。
一連の行為とは、電話をかけたり、受けたりする操作、電話の内容を理解して話す、必要な伝言をする等の行為も含まれる。
「留意点」
(1)  身体の状況等により、必要に応じて数字部分を大きくした電話機や拡声装置などの補助具を使用しているものも含まれる。
(2)  電話を利用する機会がない場合又は、緊急通報システム、あんしん電話等(必要時に受話器を上げる必要もなく、要件を伝えなくても問題解決のために訪問してもらえるもの)を利用している場合は、対象者の日頃の能力を総合的に勘案して判断し、その判断について「特記事項」に記載する。
(3)  ファクシミリ、拡声装置、短縮ダイヤル等を利用している場合は、その利用に関する介助の状況で判断し、その判断について「特記事項」に記載する。
(4)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から電話の利用の介助を受けている状況により判断する。この場合は、「意欲の低下により、電話をかけること(受けること)等を促しても反応がない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っている場合をいう。
(イ) ファクシミリ、短縮ダイヤル等を用いて自分で一連の行為を行っている場合も含まれる。
2.一部介助」
(ア) 一連の行為に部分的に介助が行われている場合をいう。
(イ) 緊急通報システム、あんしん電話等(必要時に受話器を上げる必要もなく、要件を伝えなくても問題解決のために訪問してもらえるもの)を利用している場合に、一連の行為を代替している部分がある場合も含まれる。
(ウ) 見守り等が行われている場合も含まれる。  
(エ) 視覚障害者や知的障害者等で、誰かがダイヤルすれば、相手と話せる場合も含まれる。
3.全介助」
(ア) 一連の行為全てに介助が行われている場合、または「電話」というものの理解がない場合をいう。

5-6  日常の意思決定について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒5
 1.できる  2.特別な場合を除いてできる  3.日常的に困難  4.できない
着眼点
毎日の暮らしにおける課題や活動を実際にどの程度判断しているかという、日常の意思決定を行うための認知判断能力に着目して評価するものであり、対象者自ら決めているのか、決断が出来ず混乱していないか、対象者にはできるはずだという思いこみはないかという観点から判断する。
意思決定とは、服を選ぶ、起床や食事すべき時間がわかる、自分にできることとできないことがわかる、必要時に援助を求める、外出の仕方がわかるなどをいう。
「留意点」
(1)  対象者が普段とは異なる状況(旅行、レストラン、知人宅など)においても、食事メニューを注文する、目的地を告げて切符を買ってもらう、尿意・便意によるトイレ誘導などの援助をお願いするなど、周囲の人に必要な援助を依頼するなど、適切な意思決定ができるかどうかを含めて調査する。
(2)  日によって、妥当な判断ができるときとできないときがある場合には、原則としてより頻回な状況を家族や介護者等から聞き取った内容を踏まえて判断する。
(3)  対象者に能力があるにもかかわらず、知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から意思決定をしていない場合や、意思決定を介護者が行っている場合等は、その能力について介護者等から状況を聞き取った内容を総合的に踏まえて判断する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 判断が首尾一貫して理にかなっており、妥当な場合をいう。
(イ) 自分で判断できない課題や判断に迷う場面では、自分から他者に助言、援助を求めることができる場合も含まれる。
(ウ) 自分で妥当に判断しているが、独居等により援助を求めることができない場合も含まれる。
2.特別な場合を除いてできる」
(ア) 慣れ親しんだ日常生活状況のもとでは、妥当な判断をするが、新しい課題や状況(旅行先やレストラン、知人宅など普段と異なる状況において、食事メニューを注文したり、知らない人と会話をしたり、電話をかけるなど)に直面したときに、指示や合図を必要とする。
3.日常的に困難」
(ア) 慣れ親しんだ日常生活状況のもとでも、決断が出来ず混乱したり、妥当でない意思決定判断をすることがある。
4.できない」
(ア) 意思決定を全くできない又はまれにしかしない。

6-1  視力について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1. 普通(日常生活に支障がない)
 2. 約1m離れた視力確認表の図が見える
 3. 目の前に置いた視力確認表の図が見える
 4. ほとんど見えない
 5. 見えているのか判断不能
着眼点
見えるかどうかのみに着目して評価するものであり、見えているものの名称を正しく表現する能力や理解等の知的能力を問うものではない。
(別添視力確認表を1m離して提示し「何本に見えますか。」と聞きます。)
「留意点」
(1)  見えるかどうかを判断するには、会話のみでなく、手話、筆談等や対象者の身振りに基づいて確認する。
(2)  日常眼鏡やコンタクトレンズ等を使用している場合は、使用している状況で判断する。その他の視覚に関する障害については、「特記事項」に記載する。
(3)  認知症、知的障害者等の場合でも、見えるかどうかを評価するものであり、例えば、別添視力確認表を「指」「手」「1本」と応えても見えていると判断する。
(4)  調査する場所の照明は十分であることが必要です。
(5)  広い意味での視力を問う質問であり、視野欠損等も含まれる。
選択肢の判断基準
1.普通(日常生活に支障がない)」
(ア) 新聞、雑誌などの字が見え、日常生活に支障がない程度の視力を有している場合をいう。
(イ) 新聞、雑誌などの字が読めない等の障害により、見えているか判断がつかないが、日常生活に支障がない程度の視力を有している場合をいう。
2.約1m離れた視力確認表の図が見える」
(ア) 新聞、雑誌などの字は見えないが、約1m離れた視力確認表の図が見える場合をいう。
3.目の前に置いた視力確認表の図が見える」
(ア) 約1m離れた視力確認表の図が見えないが、目の前に置けば見える場合をいう。
4.ほとんど見えない」
(ア) 目の前に置いた視力確認表の図が見えない場合をいう。
5.見えているのか判断不能」
(ア) 知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由により意思疎通ができず、見えているのか、日常生活に支障があるのか判断できない場合をいう。

6-2  聴力について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1. 普通
 2. 普通の声がやっと聞き取れる
 3. かなり大きな声なら何とか聞き取れる
 4. ほとんど聞えない
 5. 聞えているのか判断不能
着眼点
聞こえるかどうかのみに着目して評価するものであり、耳で聞いた内容を理解しているかどうか等の知的能力を問うものではない。
「留意点」
(1)  普通に話しても聞こえない対象者には、耳元で大声で話すなどで聴力を確認する。
(2)  日常補聴器等を使用している場合は、使用している状況で判断する。
(3)  失語症や構音障害、知的障害者等で音に対する反応に障害があっても、声や音が聞こえているかどうか、日頃対象者の反応に詳しい介護者の助言を求めて判断し、どういう反応であった等「特記事項」に記載する。
(4)  対象者の反応が確認できないような、大きな雑音や気が散るようなテレビや音楽、他の人などの調査に適さない環境での調査は避ける。
選択肢の判断基準
1.普通」
(ア)  日常生活における会話において支障がなく、普通に聞き取れる場合をいう。
2.普通の声がやっと聞き取れる」
(ア)  普通の声で話すと聞き取りにくく、聞き間違えたりする場合をいう。
3.かなり大きな声なら何とか聞き取れる」
(ア)  耳元で大きな声で話したり、耳元で大きな物音を立てると何とか聞こえる、あるいは、かなり大きな声や音でないと聞こえない場合をいう。
4.ほとんど聞こえない」
(ア)  ほとんど聞こえないことが確認できる場合をいう。
5.聞こえているのか判断不能」
(ア)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由により意思疎通ができず、聞こえているのか判断ができない場合をいう。

6-3-ア  意思の伝達について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1. 調査対象者が意思を他者に伝達できる
 2. ときどき伝達できる
 3. ほとんど伝達できない
 4. できない
着眼点
対象者が意思を伝達できるかどうかのみに着目して評価するものであり、ここでいう意思の伝達とは、受け手に自分の意思を表示し、伝わることをいう。
意思伝達の手段や、伝達できる相手が誰か、また背景疾患は問わない。
意思伝達の手段には、手話、筆談、身振り、携帯電話のメールやEメール、トーキングエイド等も含まれる。
「留意点」
(1)  失語症(発声器官や聴覚に障害がないのに言葉を使用できない、もしくは理解できなくなる病的状態をいう。)が原因で会話が成立しなくても意思疎通が図れる場合は、それが会話によるものか、身振り等によるものかは問わない。伝達手段について特記すべきことがある場合は、要点を「特記事項」に記載する。
(2)  意思の伝達に変動がある場合は、もっとも頻回に表出される状況を介護者等から聞き取り、総合的に判断し、その判断した内容を「特記事項」に記載する。
(3)  家族等の介護者がいない場合は、対象者の状況をよく知る人等から聞き取り総合的に判断し、その判断した内容を「特記事項」に記載する。
(4)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由により意思の伝達をしない、あるいは考えがまとまらない又は混乱しているために相手に意思が伝わらない場合も含まれる。
選択肢の判断基準
1.対象者が意思を他者に伝達できる」
(ア)  手段を問わず、常時だれにも意思の伝達ができる場合をいう。
(イ)  ほぼ確実に意思が伝達できる場合も含まれる。
2.ときどき伝達できる」
(ア)  通常は、対象者が家族等の介護者に対して意思の伝達ができるが、その内容や状況等によってはできる時とできない時がある場合をいう。この場合の頻度は「特記事項」に記載する。
3.ほとんど伝達できない」
(ア)  通常は、対象者が家族等の介護者に対しても意思の伝達ができないが、あることがらや特定の人に対してであれば、まれに意思の伝達ができる場合をいう。
4.できない」
(ア)  重度の知的障害や精神障害等又は意識障害等によって、意思の伝達ができない、あるいは、意思の伝達ができているかどうか判断できない場合をいう。

6-3-イ  本人独自の表現方法を用いた意思表示について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1. 独自の方法によらずに意思表示ができる。
 2. 時々、独自の方法でないと意思表示できないことがある。
 3. 常に、独自の方法でないと意思表示できない。
 4. 意思表示ができない。
着眼点
 知的障害や精神障害等で重度のコミュニケーション障害を有している場合の意思表示の仕方を問う項目であり、日常生活や外出時において独自の表現(本人独特のジェスチャーや仕草)などを使用し意思表示する場合をいう。
「留意点」
 普段本人と接している家族等に限らず、外出等も含めて、本人の日常生活上において、意思表示する場合を総合的に判断する場合も含まれる。
選択肢の判断基準
1.独自の方法によらず意思表示ができる。」
(ア)  日常生活や外出中において、本人独自の方法によらず言葉や言葉以外の方法により必要な意思を相手に伝えることができる場合をいう。
2.時々、独自の方法でないと意思表示できないことがある。」
(ア)  日常生活や外出中において、時々、頭をぶつけたり、腕をつかんだり等通常とは違う行動でしか自らの意思を表現できないことがある場合をいう。「3」の常時必要な場合以外はこの項目となる。
3.常に、独自の方法でないと意思表示できない。」
(ア)  日常生活や外出中において、頭をぶつけたり、腕をつかんだり等通常とは違う行動でしか自らの意思を表現できない場合をいう。
4.意思表示ができない。」
(ア)  本人独自の方法を用いても意思表示できない場合をいう。

6-4-ア  介護者の指示への反応について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1.介護者の指示が通じる  2.介護者の指示がときどき通じる  3.介護者の指示が通じない
着眼点
家族、施設等の職員、在宅サービス提供者等が各種サービスを行う上で必要である指示に対して、その意味を理解して何らかの反応ができるかどうかに着目して評価する。
指示を守るかどうか又は背景疾患を問うものではない。
「留意点」
(1)  対象者が介護者の指示を理解して何らかの言葉や態度、行動の変化を起こすことをいう。反応の伝達手段は問わない。
(2)  補聴器を使用している場合は、使用時の状況に基づいて判断する。
(3)  在宅の対象者で、介護者がいない場合は、調査員の指示により判断するが、対象者が理解できるような指示を出すよう心掛ける。反応に時間がかかる場合は、十分時間をかけて試みる。
(適切な反応がみられない場合は、その反応の状況により「2.介護者の指示がときどき通じる」または、「3.介護者の指示が通じない」と判断する。)
選択肢の判断基準
1.介護者の指示が通じる」
(ア)  介護者の指示を理解し、それに対して適切に反応する場合をいう。
(イ)  介護者の指示を理解した上で、「嫌だ」と答える場合も含まれる。
(ウ)  介護者の指示に対して、対象者が聞こえない振りをしても、反応していることが明らかな場合も含まれる。
2.介護者の指示がときどき通じる」
(ア)  介護者の指示に対し、その時によって反応したり、反応しなかったりする場合をいう。この場合の頻度は「特記事項」に記載する。
3.介護者の指示が通じない」
(ア)  知的障害又は精神障害等によって介護者の指示に反応しない、あるいは、失語症がないにもかかわらず反応がない場合をいう。
(イ)  対象者の状態により、指示が通じているかの判断ができない場合も含まれる。

6-4-イ  言葉以外のコミュニーケーション手段を用いた説明の理解について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 1. 日常生活においては、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いなくても説明を理解できる。
 2. 時々、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いないと説明を理解できないことがある。
 3. 常に、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いないと説明を理解できない。
 4. 言葉以外の方法を用いても説明を理解できない。
着眼点
 知的障害や精神障害等で重度のコミュニケーション障害を有している場合の説明に対する理解を問う項目であり、日常生活や外出時において言葉以外の表現(ジェスチャーや絵カード等)を使用し説明する場合をいう。
「留意点」
(1)  家族など普段接している人が説明をする場合に限らず、全く知らない人が説明する場合も含まれる。
選択肢の判断基準
1.日常生活においては、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いなくても説明を理解できる」
(ア)  習慣化されていない日常生活上の行為や外出中の行為においてだけ、言葉以外の方法を用いる必要がある場合も含まれる。
2.時々、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いないと説明を理解できないことがある」
(ア)  習慣化された日常生活や外出時の行為について、言葉以外の方法を時々使用する場合をいう。
3.常に、言葉以外の方法(ジェスチャー、絵カード等)を用いないと説明を理解できない」
(ア)  習慣化された日常生活や外出時の行為について、言葉以外の方法を常に使用する必要がある場合をいう。
4.言葉以外の方法を用いても説明を理解できない」
(ア)  説明に対して、応答はしているが理解できているかどうか判断できない場合をいう。

6-5  記憶・理解について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒6
 ア. 毎日の日課を理解することが
 1.できる  2.できない
 イ. 生年月日や年齢を答えることが
 1.できる  2.できない
 ウ. 面接調査の直前に何をしていたか思い出すことが
 1.できる  2.できない
 エ. 自分の名前を答えることが
 1.できる  2.できない
 オ. 今の季節を理解することが
 1.できる  2.できない
 カ. 自分がいる場所を答えることが
 1.できる  2.できない
着眼点
ア. 毎日の日課を理解する
日課を理解するとは、食事、活動、介護サービスの提供、施設におけるプログラム等について、おおよそのスケジュールを理解していることをいう。
調査日当日の過ごし方(その日の予定を含む)を質問し、判断してもよい。
寝たきり・引きこもり等により特に日課がない場合は、食事の時間を理解しているか等の質問によって代用して判断する。
イ. 生年月日や年齢を答える
生年月日が答えられない場合は年齢のみでも、いずれか一方を答えることができればよい。生年月日の数日のずれ、満年齢か数え歳かによって年齢のずれがあってもよい。
ウ. 面接調査の直前に何をしていたか思い出す
面接調査日の調査直前にしていたことについて、把握しているかどうかを問う。
エ. 自分の名前を答える
旧姓等を問わず、自分の姓もしくは名前のどちらかを答えることができるかどうかを問う。
オ. 今の季節を理解する
面接調査日の季節を答えることができるかどうかを問う。季節に多少のずれがあってもよい。(例:1月であれば、「冬」あるいは「春の初め」と回答するなど)
カ. 自分がいる場所を答える
ここでいう「いる場所」とは、自宅の場合の居室(居間、座敷、自分の部屋など)や居住地のいずれでも、施設の場合の居室、施設名、施設の所在地のいずれでもよい。
施設入所者で施設名が答えられないが、施設にいるということが分かっている場合は、施設の所在地や施設内の場所など他の状況をどのように理解しているかを含めて判断する。
「留意点」
(1)  記憶や理解度について問うものであるので、意思疎通が困難な対象者については、聞き取り可能な介護者にできるだけ同席してもらい、介護者への聞き取りによっても判断する。
(2)  対象者や家族に不愉快な思いを抱かせないよう、質問に留意が必要である。
(3)  独居等の場合は、回答の正誤が確認できるよう質問のしかたを工夫する。(聞き方によっては、違う答えが返ってくる場合は、本人のみしか知り得ない内容については、その正誤を質問の仕方を変えたりして確認する。)……対象者の回答のみでなく、対象者のおかれている状況を照らし合わせて総合的に勘案して判断する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア)  いつでも、ほぼ正確な回答ができる場合をいう。
(イ)  数日のずれがある、あるいは、日課、季節、調査直前にしていたことなどについておおむね把握している、姓を聞いても名前を思い出す等の場合も含まれる。
(ウ)  時間がかかっても答えることができる場合も含まれる。
(エ)  言語等の障害で言葉が不明瞭で筆記もできないが、対象者の反応から理解していると判断される場合も含まれる。
2.できない」
(ア)  質問されたことについて正しく回答できない、あるいは、全く回答できない場合をいう。
(イ)  できたりできなかったりする場合や回答の正誤が確認できない場合も含まれる。
(ウ)  調査員が質問したときには回答できても、家族からの聞き取りによると忘れていることが多い場合も含まれる。

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