III. 認定調査票の記入方法

 次ページ以降に、基本調査の各項目について、項目の着眼点、留意点及び選択肢の判断基準を説明します。
 認定調査は、公平公正かつ正確に行う必要があることから、これらの点については十分に理解するとともに、疑義がある場合は事前に確認してください。



認定調査票

1-1  麻痺等の有無について、あてはまる番号すべてに○印をつけてください。(複数回答可)
特記事項⇒1
 1.ない  2.左上肢  3.右上肢  4.左下肢  5.右下肢  6.その他
着眼点
 対象者が可能な限り努力して動かそうとしても動かない、あるいは、動きがあっても日常生活に支障があるかどうかの観点からのみ判断する。また、日常生活に支障があるかどうかは調査時の状況のみから判断するのではなく、対象者、家族等の介護者から聞き取った普段の生活状況を踏まえて判断する。
「留意点」
(1)  複数の部位に麻痺等がある場合(右上下肢と左下肢麻痺の場合は、「3.右上肢」「4.左下肢」「5.右下肢」の複数を選択する。
(2)  手指の麻痺により日常生活に支障がある場合、四肢の欠損がある場合、握力がかなり弱い場合等は「6.その他」を選択し、必ず部位や状況等について具体的に「特記事項」に記載する。
(3)  麻痺等があっても、日常的に自助具・補装具などを使用することにより日常生活に支障がない場合は該当しない。この場合、「1.ない」を選択し、「自助具・補装具等を使用することで日常生活に支障がない」等内容を「特記事項」に記載する。
(4)  「麻痺等」には、筋力の低下、その他様々な原因による筋肉の随意的な運動機能の低下が含まれる。例:(筋力の低下による立ち上がりの不安定、歩行のふらつき、伝い歩き、杖歩行等及び、寝たきり・脳性麻痺等の筋緊張、筋強剛、不随運動や意識障害で自分の意思で四肢等を十分に動かせない等が含まれる。)
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。(例:{6.その他}を選択し、「自宅にこもり、意欲が無く動こうとしない。」「意欲が低下し、筋力がかなり低下している。」等内容を「特記事項」に記載する。)

1-2  関節の動く範囲の制限の有無について、あてはまる番号すべてに○印をつけてください。(複数回答可)
⇒1
 1.ない  2.肩関節  3.肘関節  4.股関節  5.膝関節  6.足関節  7.その他
着眼点
 対象者が可能な限り力を抜いた状態で他動的に関節を動かしたときに、関節の動く範囲が著しく狭くなっているかについて着目する。また、日常生活に支障があるかどうかは調査時の状況のみから判断するのではなく、対象者、家族等の介護者から聞き取った普段の生活状況を踏まえて判断する。
「留意点」
(1)  関節リウマチ等による疼痛のために関節の動く範囲に制限がある場合も含まれる。
(2)  肩関節が動かせないために、衣服等の着脱に支障がある、あるいは、股関節が動かせないためにおむつや下着の交換・着脱の時に痛がり支障がある場合も含まれる。
(3)  動く範囲に制限があっても、日常的に器具・器械等を使用することにより日常生活に支障がない場合は該当しない。
(4)  手指や手・足首の関節等の範囲に制限があるために、日常生活に支障がある場合や四肢の欠損等がある場合は、「7.その他」を選択し、必ず部位や状況等について具体的に「特記事項」に記載する。
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、運動機能低下により、関節等動く範囲に制限が生じている場合も含まれる。この場合は、該当する関節部位を選択し、その詳細を「特記事項」に記載する。

2-1  寝返りについて、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.つかまらないでできる  2.何かにつかまればできる  3.できない
着眼点
 寝返りが自分でできるかどうか、あるいはベッド柵、サイドレールなど何かにつかまればできるかどうかに着目し、きちんと横向きにならなくても、横たわったまま左右のどちらかに向きを変えられるかを評価する。
「留意点」
(1)  布団等を掛けない時の状況で判断する。
(2)  仰向けに寝ること(仰臥位)が不可能な場合は、横向きに寝た状態(側臥位)から、うつぶせ(腹臥位)に向きを変える行為も寝返りとする。
(3)  できたりできなかったりする場合、より頻回な状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(4)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.つかまらないでできる」
(ア) 何にもつかまらないで、寝返り(片側だけでもよい)が1人でできる場合をいう。
(イ) 意欲がない等の理由で普段は行っていないが、声かけ等をすれば自分で寝返りをする場合も含まれる。
2.何かにつかまればできる」
(ア) ベッド柵、ひも、サイドレール等何かにつかまれば寝返りができる場合をいう。
(イ) 介護者が対象者の手を持ってベッド柵等を持たせると自分で寝返りをする場合も含まれる。
3.できない」
(ア) 介助なしでは、一人で寝返りできない等、寝返りに何らかの介助が必要な場合をいう。
(イ) 何かにつかまっても自分では寝返りできない等、寝返りに何らかの介助が必要な場合をいう。
(ウ) 息苦しさ等のために一定の体位のみしか取れない場合も含まれる。

2-2  起き上がりについて、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.つかまらないでできる  2.何かにつかまればできる  3.できない
着眼点
 寝た状態から上半身を起こす行為であり、ベッド柵やサイドレールなど何かにつかまればできるかどうかを評価する。
「留意点」
(1)  布団等を掛けない時の状況で判断する。
(2)  起き上がりの過程及び状態は問わない。(例:一度横向きになって起き上がる場合やうつ伏せ(腹臥位)になってから起き上がる場合等。また、上体を起こし終わった時の足の位置は、ベッド上に足を伸ばした状態(長座位)か、ベッドに腰掛けた状態かは問わない。)
(3)  できたりできなかったりする場合、より頻回な状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(4)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.つかまらないでできる」
(ア) 何にもつかまらないで1人で起き上がることができる場合をいう。習慣的にベッド上に軽く手や肘をつきながら起き上がる場合も含まれる。
(イ) 意欲がない等の理由で普段は行っていないが、声かけ等をすれば自分で起き上がる場合も含まれる。
2.何かにつかまればできる」
(ア) ベッド柵、ひも、サイドレール等何かにつかまれば起き上がることができる場合をいう。
(イ) ベッド柵、ひも等以外に、介護者の手などにつかまって起き上がる場合も含まれる。
(ウ) ベッド柵等の代替として、自分の足等をつかんで起き上がる場合を含まれる。
3.できない」
 介助なしでは1人で起き上がることができない等、完全に介護が必要な場合または起き上がりに何らかの介助が必要な場合をいう。途中まで自分でできても最後の部分で介助が必要である場合も含まれる。

2-3  座位保持について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1. できる
 2. 自分の手で支えればできる
 3. 支えてもらえればできる
 4. できない
着眼点
 寝た状態から座位に至るまでに介助が必要かどうかにかかわりなく、上半身を起こして座位の状態を保持できるかどうかを評価する。(この場合の「座位」は、いす(車いす)に座った状態もしくはベッドに座った状態でベッドサイドに足を下げて座る状態をいう。)
「留意点」
(1)  座位保持の目安は、10分間程度とする。(知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で、多動により、10分間座位保持できない場合で、座位が行動障害を除けば可能であると判断した場合は、座位は「1.できる」とする。)
(2)  足が車いすのフットレストや床についているかどうかは問わない。
(3)  日常生活において、畳上での生活が中心のため、いすに座る機会が全くなく、いすでの座位を確認できない場合は、能力を勘案して判断する。
(4)  できたりできなかったりする場合、より頻回な状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(5)  見守りが必要な場合は、「特記事項」に記載する。(例:「知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で、多動によりじっとしていない。」等、「特記事項」に記載する。)
(6)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 背もたれや介護者の手による支えがなくても、座位の保持が1人でできる場合をいう。
(イ) 下肢が欠損しているが、日頃から補装具を装着すれば座位保持ができる場合も含まれる。
2.自分の手で支えればできる」
(ア) 背もたれは必要ないが、自分の手で支える必要がある場合をいう。
(イ) 物につかまったり、膝に手や肘をついたりすればできる場合も含まれる。
3.支えてもらえばできる」
(ア) 背もたれがないと座位が保持できない、あるいは、介護者の手で支えていないと座位が保持できない場合をいう。
(イ) 座布団等で常に両側面や前面から支えていないと、倒れるなど座位の保持ができない場合をいう。
4.できない」
(ア) 背もたれを用いても座位が保持できない場合をいう。
(イ) 拘縮等のために臥位と立位しかとれない場合も含まれる。

2-4  両足での立位保持について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.支えなしでできる  2.何か支えがあればできる  3.できない
着眼点
 立ち上がるまでに介助が必要かどうかにかかわりなく、平らな床の上で、立位を保持できる(平衡を保てる)かを評価する。
「留意点」
(1)  立位保持の目安は、10秒間程度とする。
(2)  片足が欠損しており、義足を使用していない人や、拘縮等で床に片足がつかない人については、片足での立位保持の状況で判断する。
(3)  義足や補装具等を装着している場合は、その状況に基づいて判断する。
(4)  立ち上がるまでに介助が必要かどうかは問わない。
(5)  できたりできなかったりする場合、より頻回な状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(6)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.支えなしでできる」
(ア) 何にもつかまらないで立っていることができる場合をいう。
2.何か支えがあればできる」
(ア) 壁、手すり、いすの背、杖等何かにつかまると立位保持が可能な場合をいう。
(イ) 壁や手すり等の代替として、膝につかまるなど自分の体につかまれば立位保持ができる場合をいう。
3.できない」
(ア) 寝たきりで明らかに立位をとれない場合をいう。
(イ) どのような状況であってもまったく立位保持ができない場合をいう。
(ウ) 自分では物につかまっても立位を保持できないが、介護者の手で常に身体を支えれば立位保持できる場合をいう。

2-5  歩行について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.つかまらないでできる  2.何かにつかまればできる  3.できない
着眼点
 自分で歩けるか、何か支えが必要かどうかを評価する項目である。ここでいう歩行とは、立った状態から歩くこと(歩幅や速度は問わない)をいい、方向感覚や合目的な歩行と関連しない。
「留意点」
(1)  屋内と屋外などに係わらない。
(2)  歩行距離の目安は、5m程度以上とする。
(3)  日頃から義足や補装具等を装着している場合は、装着時の状況に基づいて判断する。
(4)  見守り等が必要な場合は、「特記事項」に記載する。
(5)  できたりできなかったりする場合や日内変動がある場合は、普段の状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(6)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.つかまらないでできる」
(ア) 支えや日常的に使用する器具・器械なしに自分で歩ける場合をいう。   
(イ) 義足や装具を装着して歩くことができる場合も含まれる。
(ウ) 片足を欠損している場合でも、片足で飛び跳ねるように移動することも含まれる。
(エ) 視覚障害者が、身体を支える目的ではなく、方向を確認する目的で杖(それに代わる物)を用いている場合、または室内の障害物や不安を避けるためにつたい歩きする動作も含まれる。
2.何かにつかまればできる」
(ア) 杖や手すり、歩行器などを使用すれば歩ける。
(イ) 壁、家具調度などを頼りにすれば歩ける場合も含まれる。
(ウ) 片方の腕を介護者が支える、または介護者に対象者がつかまれば歩行できる場合も含まれる。
(エ) 腰が曲がっているため、自分の膝につかまらないと歩けない場合も含まれる。
3.できない」
(ア) 何かにつかまったり支えられても歩行が不可能で、車いすを使用しなければならない、あるいは、どのような状況であっても歩行できない場合をいう。
(イ) 寝たきり等で歩行できない場合をいう。
(ウ) 歩行可能であるが、医療上の必要により歩行制限が行われている場合をいう。
(エ) 何かにつかまったり支えられても5m以上歩行できない場合をいう。
(オ) 下肢の欠損により歩行できない場合も含まれる。

2-6  移乗について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
 移乗にあたって、実際に見守りや介助が行われているかを着目するもので、移乗とは「ベッドから車いす(いす)へ」「車いすからいすへ」「ベッドからポータブルトイレへ」「車いす(いす)からポータブルトイレへ」「畳からポータブルトイレへ」等乗り移ることを評価する。
「留意点」
(1)  精神的な状況、対象者の意欲低下の理由から移乗に見守りや介助が必要な場合でも、移乗の際に実際に見守りや介助が行われているかどうかに基づいて判断する。
(2)  在宅で畳中心の生活である等により、ベッド、いす、車いすを使用していない場合は、這ったり、いざりなど両手をついて布団からポータブルトイレや洋式トイレに移乗できる程度の腰を浮かせる行為ができるかを判断する。
(3)  義足や装具等を装着している場合は、装着時の状況に基づいて判断する。
(4)  移乗の種類(ベッドから車いす等)により、状況が異なる場合や状況に変動がみられる場合は、対象者の移乗頻度の高い状況に基づいて判断する。
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 介助、見守りなしで移乗できる場合をいう。
(イ) 這ったり、いざりなどの動作で移乗できる場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 介助なしで移乗できるが、見守り等を行っている場合をいう。
(イ) 精神面の不安定等により、常に移乗についての見守りが必要な場合をいう。
(ウ) 移乗する際に、対象者が安全に乗り移ることができるよう、一連の移乗動作に合わせて介護者が車いす等をでん部(お尻)の下に挿し入れるような場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 自分一人では移乗ができないが、介護者が手を添える、体を支えるなどの一部的な介助が行われればできる場合をいう。
(イ) 知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたし、一部介助が行われている場合も含まれる。この場合は、その詳細を「特記事項」に記載する。
4.全介助」
(ア) 自分では移乗がまったくできないため、介護者が抱える、運ぶ等の全面的な介助が行われている場合をいう。
(イ) 知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたし、全面的な介助が行われている場合も含まれる。この場合は、その詳細を「特記事項」に記載する。

2-7  移動について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒2
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
 日常生活(食事、排泄、着替え、洗面、入浴又は訓練等を含む。)において、必要な場所への移動にあたり、対象者の精神的な状況、意欲等の理由から移動に見守りや介助が必要な場合でも、移動に際して実際に見守りや介助が行われているかに着目して評価する。
「留意点」
(1)  対象者の生活全体における移動行為が日常的かどうかで判断する。ただし、通院等により日常的ではないが、定期的に外出する場合は、その頻度等を「特記事項」に記入する。
(2)  訓練や買い物、趣味等で日常的に外出している場合は、その外出行為も含まれる。
(3)  移動の手段は問わない。
(4)  移動に際して、義足や装具等を装着することにより移動が可能であるかどうかも判断する。
(5)  車いす等へ移乗した後及び義足・装具装着後の移動であり、移乗や装着に伴う行為や準備は含まれない。
(6)  屋内と屋外では状況が異なる場合、移動の頻度がより多い状況に基づいて判断する。
(7)  医療上の必要により制限が行われている場合は、制限されている内容により判断する。
(8)  移動手段により、状況が異なる場合や状況に変動がみられる場合は、対象者の移動の頻度の高い状況に基づいて判断する。
(9)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、筋肉の随意的な運動機能の低下をきたしている場合も含まれる。この場合は、「必要な場所への移動がわからない。」「意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 介助、見守り等なしで移動できる場合をいう。
(イ) 車いすや電動車いす及び義足・装具等、日頃使用している器具・器械を用いて、見守り等や介助を受けず、自分で移動できる場合も含まれる。
(ウ) 声掛けのみで日常的な移動ができる場合も含まれる。(「ごはんですよう」で食堂に来る。等)
2.見守り等」
(ア) 介助なしで移動できるが、しばしば転ぶなどで、助言や見守りが必要な場合をいう。
(イ) 介助なしで移動できるが、場面の変化等においての不適応行動等に対しての一時的な声掛けや見守りが必要な場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 自分一人では移動ができないため、部分的に介助が行われている場合をいう。
(イ) 介護者が必要な場所へ移動するために手を添えたり、体幹を支えたり、敷居などの段差で車いすを押す等の介助が行われている場合も含まれる。
4.全介助」
(ア) 自分では移動が全くできない場合をいう。(例:自分では移動が全くできないために、常に車いすを押す、介護者が抱えて必要な場所へ移動する等の日常生活における全場面で介助を必要とする場合をいう。)
(イ) 目的もなく屋内・屋外の徘徊や多動があり、日常生活における全場面で介助を必要とする場合も含まれる。
(ウ) 医療上の必要により移動を禁止されている場合も含まれる。

3-1  立ち上がりについて、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒3
 1.つかまらないでできる  2.何かにつかまればできる  3.できない
着眼点
 いすやベッド、車いす等に座っている状態(目安として膝がほぼ直角に屈曲している状態)から立ち上がる行為を行う際に、ベッド柵や手すり、壁等につかまらないで立ち上がることができるかどうかを着目し、評価する。
「留意点」
(1)  畳のみの生活で、ベッドやいすがない場合は、ベッドやいすを想定して判断する。
(2)  義足や装具等を装着している場合は、装着時の状況に基づいて判断する。
(3)  障害等により動作が緩慢であるなど、見守り等が必要である場合は、「特記事項」にその状態を記載する。
(4)  できたりできなかったりする場合や日内変動がある場合は、普段の状況に基づき判断する。また、対象者が調査に対して緊張したために、日頃の状況と異なっていると考えられる場合は、日頃の状況を家族等から聞き取った状況で判断する。
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から立ち上がりに介助が必要な場合でも、実際に介助がなされているかどうかに基づいて判断する。この場合は、「声をかけても反応がない。」「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.つかまらないでできる」
(ア) いすやベッド、車いす等に座っている状態から立ち上がる際に、ベッド柵や手すり、壁等何にもつかまらないで立ち上がることができる場合をいう。習慣的に手を軽くついて立ち上がる場合も含まれる。
2.何かにつかまればできる」
(ア) ベッド柵、手すり、壁、家具調度等及び介護者の身体(腕など)につかまれば立ち上がることができる場合をいう。
(イ) 介護者が引き上げるほどの程度ではなく、支えがあれば基本的に自分で立ち上がることができる場合も含まれる。
(ウ) 手すり等の代替として、自分の膝等を手でつかめば立ち上がることができる場合も含まれる。
3.できない」
(ア) 自分ではまったく立ち上がることができない場合をいう。
(イ) 身体の一部を介護者が支える、介護者の手で引き上げるなど、介助がないとできない場合も含まれる。

3-2  片足での立位保持について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒3
 1.支えなしでできる  2.何か支えがあればできる  3.できない
着眼点
 立ち上がるまでに介助が必要か否かにかかわりなく、平らな床の上で、自分で左右いずれかの片足を上げた状態のまま立位を保持できる(平衡を保てる)かどうかを評価する。
「留意点」
(1)  ここでの立位保持の目安は1秒間程度とする。
(2)  義足や補装具等を装着している場合は、その状況に基づいて判断する。
(3)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から片足での立位保持に介助が必要な場合でも、実際に介助がなされているかどうかに基づいて判断する。この場合は、「声をかけても反応がない。」「意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.支えなしでできる」
(ア) 何もつかまらないで、いずれか一側の片足で立っていることができる場合をいう。
(イ) 下肢が欠損しているが、日頃から補装具を装着しているためにできる場合も含まれる。
2.何か支えがあればできる」
(ア) 壁や手すり、いすの背など、何かにつかまるといずれか一側の片足で立っていることができる場合をいう。
3.できない」
(ア) どのような状況であってもまったく片足で立つことができない場合をいう。
(イ) 自分では片足を上げられない場合も含まれる。
(ウ) 自分の手で支えるのではなく、介護者によって支えられた状態でなければ片足を上げられない場合も含まれる。
(エ) 下肢の欠損により補装具等も無く、片足での立位が不可能な場合も含まれる。

3-3  洗身について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒3
 1.できる  2.一部介助  3.全介助  4.行っていない
着眼点
 入浴時に自分で身体を洗うか、身体を洗うのに介助が行われているかどうかを評価する。ここでいう洗身とは、浴室内(洗い場や浴槽内)で、スポンジやタオル等に石けんやボディシャンプー等を付けて洗うことをいい、洗髪行為と洗顔行為は含まれない。
「留意点」
(1)  ここでの洗身は、浴槽の出入りは含まれない。
(2)  浴室以外(居室等)で体を拭く「清拭」行為は含まれない。
(3)  日によって入浴の方法・形態(一般浴、シャワー浴、訪問入浴、入浴介助、器械浴)が異なる場合は、対象者の入浴頻度がより多い状況に基づいて判断する。
(4)  入浴環境(自宅・施設)の別は問わない。
(5)  能力があっても介助が行われている場合は、実際に行われている介助の程度や対象者の能力を総合的に勘案して判断する。(例:前の部分は洗身できるが、手の届かない背面はできそうにない等)
(6)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から洗身に介助が必要な場合でも、実際に介助がなされているかどうかに基づいて判断する。この場合は、「声をかけても反応がない。」「意欲がない、または意欲が低下し、筋力及び運動能力がかなり低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 一連の洗身(浴室内で、スポンジやタオル等に石けんやボディシャンプー等を付けて全身を洗うこと)のすべてを介助なしに自分で行っている場合をいう。
2.一部介助」
(ア) 介護者が石鹸等を付けて、体の一部を洗う等の場合をいう。見守り等が行われている場合も含まれる。
(イ) 自分では十分に洗身できないために、洗身を手伝ってもらっている場合も含まれる。
(ウ) 自分で一連の洗身を行っても、介護者が部分的に洗い直しをする場合も含まれる。
(エ) 能力があるにもかかわらず意欲の低下等から自分では十分に洗身しないために、介護者が声掛けをしながら付いていれば洗身する場合も含まれる。
3.全介助」
(ア) 洗身の全てを介護者が行っている場合をいう。
(イ) 「洗身」という行為の目的がわからないため、自分で一連の洗身を行っても、介護者が全て洗い直しをする場合も含まれる。
4.行っていない」
(ア) 日常的に洗身を行っていない場合をいう。(洗身が嫌な場合も含まれる。)
(イ) 清拭のみ行っている場合も含まれる。

4-1  じょくそう(床ずれ)等の有無について、あてはまる番号に○印をつけてください。
⇒4
 ア. じょくそう(床ずれ)がありますか
 1.ない  2.ある
 イ. じょくそう(床ずれ)以外で処置や手入れが必要な皮膚疾患等がありますか
 1.ない  2.ある
着眼点
 じょくそう(床ずれ)の有無、並びにじょくそう以外で処置や手入れが必要な皮膚疾患の有無のみについて評価する。じょくそう以外の皮膚疾患等(口腔を含まない)とは、水虫や疥癬、開放創等を含む処置や手入れを必要とする状況をいう。
「留意点」
(1)  じょくそうについては、大きさ、程度及び処置や手入れの有無については問わない。
(2)  一定期間(調査日より14日以内に遡って)の状況を総合的に勘案して判断する。
(3)  再発性の場合に限り、調査日より14日以内に遡って症状がない場合でも、過去1ヶ月の状況について「特記事項」に記載する。(例:「じょくそうは改善されているが、1ヶ月前は仙骨部にじょくそうがあった。」など)
(4)  医療機関受診の有無を問わず、又は医学的判断が不明であっても、対象者又は家族の訴えがあり、調査員が確認した場合は「2.ある」と判断する。
選択肢の判断基準
「ア. じょくそう(床ずれ)の有無」
じょくそう(床ずれ)の程度や範囲、原因、経過や予後等について特記すべき事項があれば要点を「特記事項」に記載する。(例:仙骨部に発赤がみられる。)
処置の手入れの有無については問わない。
「イ. じょくそう(床ずれ)以外の皮膚疾患」
程度や範囲、原因、経過や予後等について特記すべき事項があれば、要点を「特記事項」に記載する。(例:右足親指に爪白癬がみられる。)
実際に処置や手入れをしているかどうかにかかわらず、処置や手入れが必要な皮膚疾患があることが確認できれば「2.ある」と判断し、「右足親指に爪白癬が見られる。」等「特記事項」に記載する。
【じょくそう以外の皮膚疾患に該当する例】
水虫や疥癬、開放創等
気管切開部、胃ろう、人工肛門、脱肛などで、その周囲に炎症等の手入れが必要な皮膚疾患があることが確認できた場合をいう。
【じょくそう以外の皮膚疾患に該当しない例】
目薬の点眼処置
外耳炎や中耳炎の耳だれ(耳漏)
人工肛門の周囲に炎症等がなく、単にパウチ交換だけの場合をいう。
気管切開部、胃ろう、脱肛であるが、周囲に炎症等がなく、処置や手入れが必要な皮膚疾患がない場合をいう。

4-2  えん下について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒4
 1.できる  2.見守り等  3.できない
着眼点
 咀しゃく(食べ物を噛む)とは異なり、えん下(飲み込む)という行為ができるかどうかのみに着目して評価する。咀しゃく力、口腔内の状況(歯がない等)、えん下と関連する精神面の問題(飲み込む意思がない等)の有無等について評価する項目ではない。
「留意点」
(1)  食物を口に運ぶ行為については、「4.3食事摂取」で判断する。
(2)  固形物か液体かどうか等、食物の形状(普通食、きざみ食、ミキサー食、流動食)によって異なる場合は、日頃の状況に基づいて判断し、「特記事項」に内容を記載する。
(3)  経管栄養(胃ろうを含む)、中心静脈栄養(IVH)を行っていても、食物の経口摂取を行っている場合は、その状態に基づいて判断し、その詳細を「特記事項」に記載する。
(4)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から飲み込もうとしないなど、実際に介助がなされているかどうかに基づいて判断する。この場合は、「飲み込みを促しても反応がない。」「意欲がない、まやは意欲が低下している。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
えん下することに問題がなく、自然に飲み込める場合をいう。
2.見守り等」
(ア) 飲み込む際に見守り等が行われている場合であって、「できる」「できない」のいずれにも含まれない場合をいう。体位により可能な場合を含まれる。
(例 :えん下はできるが、口にいっぱい入れて、むせやすいため見守りが必要。体位を食べやすい、飲み込みやすい位置に調節すれば、自分で飲み込めることがある場合は「特記事項」に記載する。
(イ) 食物の形状により、えん下ができたりできなかったりする場合も含まれる。
3.できない」
えん下ができないために、経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)等が行われている場合をいう。

4-3  食事摂取について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒4
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
通常の食事の介助が行われているかどうかを着目する評価である。(自助具等の使用の有無、要する時間や対象者の能力にはかかわらない)
食事の介助とは、スプーンフィーディングや食卓上できざみながら口に運ぶ場合又は食べこぼしの掃除等を想定する。
「留意点」
(1)  朝昼夕で状態が異なる場合は、対象者の食事摂取が頻回に行われる場面を想定して判断する。
(2)  時間がかかる場合、落ち着いて食事に集中しないなどの場合は、その状態を「特記事項」に記載する。
(3)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から食事摂取の介助を受けている場合はその状況に基づき判断する。この場合は、「食事を促しても反応がなく、口に運ぶと口を開け食べる。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 介助、見守り等なしに自分で食事が摂れている場合をいう。
(イ) 箸やスプーンのほかに、自助具等を使用すれば自分で食事が摂れている場合も含まれる。
(ウ) 視覚障害者で、配膳の際におかずの種類や配列を知らせると自分で摂取できる場合も含まれる。
(エ) 経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)を行っているが、準備を含めて一連の行為を全て自分で行っている場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 介助なしに自分で摂取しているが、見守り等が行われている場合をいう。
(イ) 他人の食事を食べないようにするため見守り等をしている場合も含まれる。
(ウ) 食事を摂るように促すなど、声かけ・見守り等をしている場合も含まれる。  
(エ) 視覚障害者で、配膳の際のおかずの種類や配列を知らせても、器の高低により、ひっくり返す等がよくあり、見守り等が行われている場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 食事の際に、食卓上で小さく切る、ほぐす、皮をむく、魚の骨をとる等、食べやすくするために何らかの介助が行われている場合をいう。
(イ) 特定の食品を極端に摂取する等により、何らかの介助を必要とする場合も含まれる。  
(ウ) 視覚障害者で、配膳の際のおかずの種類や配列を知らせても理解しにくく、特定の食品を摂取するため、何らかの介助を必要とする場合も含まれる。
4.全介助」
(ア) 能力があるかどうかにかかわらず、現在自分では全く摂取していない場合をいう。
(イ) 介助なしに自分で摂取できるが、早食い等で自分で摂取させると健康上の問題があるなどの判断で、全て介助している場合も含まれる。
(ウ) 経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)で全て介助を受けている場合も含まれる。

4-4  飲水について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒4
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
通常の飲水(飲水量が適正量かどうかの判断も含む)の介助が行われているかどうかに着目して評価する。
「留意点」
(1)  実際に行ってもらう場合、誤えんの危険があると判断した場合は、決して無理に試みるようなことはしない。
(2)  飲水量は、1回のえん下する量が適正量かどうかで判断する。
(3)  経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)の場合であっても、飲水の介助の程度により判断し、その状態を「特記事項」に記載する。
(4)  増粘剤(水分にトロミをつける材料)を使用している場合であっても、介助を受けている状況により判断し、その詳細を「特記事項」に記載する。
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況または意欲低下等の理由から対象者が自ら飲水をしない、あるいは一度に過剰な飲水をする場合でも、実際に介助がなされているかどうかに基づいて判断する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 自分で水道やペットボトル等から水、お茶、ジュース等をコップや茶わんに入れて適正量を判断し飲める場合をいう。
(イ) 経管栄養(胃ろうを含む)や中心静脈栄養(IVH)を行っているが、準備を含め飲水の行為を自分で行っている場合も含まれる。
(ウ) 増粘剤を使用し、介助なしで自分でできる場合も含まれる。
(エ) ペットボトル等を手の届く範囲においてもらって、自分で適正量を判断して飲める場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 茶わん、コップ、吸い呑みに入れられた物を手の届く範囲におけば、自分で飲める場合をいう。
(イ) 適正量を調整するために、介護者等が茶わん、コップ、吸い呑み等を手の届く範囲におく必要がある場合も含まれる。
(ウ) 服薬等で、コップや茶わんに適正量の水が用意されていれば自分で飲める場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 茶わん、コップ、吸い呑みを手渡すか、口元まで運ぶ等の介助が行われている場合をいう。
(イ) 自分で摂取することができても、口渇感が乏しい場合や、一回の飲水量が多い場合又はコントロールできず、声かけ(注意)や制止があれば止める等の場合は一部介助とする。
4.全介助」
(ア) 自分では全く飲水していない場合をいう。
(イ) 医療上の必要により飲水を禁止されている場合も含まれる。
(ウ) 自分でえん下量を判断できないため、介護者が一回のえん下量を勘案して介助を行っている場合も含まれる。
(エ) 自分で摂取することができても、全く口渇感を訴えない場合や、一回の飲水量が多い場合又はコントロールできず、声かけ(注意)や制止をしても止めない場合も含まれる。

4-5  排尿について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒4
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
自分で排尿にかかる一連の行為を行っているかどうかに着目して評価する。
一連の行為には、尿意、トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗、排尿動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ・尿器への排尿)、排尿後の後始末が含まれる。
排尿後の後始末には、ポータブルトイレや尿器等の掃除、抜去したカテーテルの後始末等も含まれる。
「留意点」
(1)  時間帯や日によって受けている介助の状況が異なる場合は、対象者が最も頻度の高い排尿の状況により判断する。
(2)  集尿器を使用、蓄尿袋(ストマ)を使用、おむつを使用、尿カテーテルを留置している場合は、実際の介護を受けている状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(3)  昼間は介助なく自分で排尿にかかる一連の行為を行っているが、夜間のみおむつを使用していたり、ポータブルトイレを使用している場合には、日頃の対象者が最も頻度の高い排尿の状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(4)  人工透析を行っている場合は、介助を受けている状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(5)  知的障害者や精神障害者等の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から排尿の介助を受けている場合はその状況に基づき判断する。この場合は、「意欲の低下により、尿意の反応がなく、訴えることもない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
(6)  知的障害者や精神障害者や自閉症等の行動障害で、「トイレ以外の特定の場所に固執して排尿する。」等、障害特有の行動により、特別な介助が必要な場合は「4.全介助」とし、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っている場合をいう。
(イ) 集尿器の使用、蓄尿袋(ストマ)を使用、おむつ(尿とりパット等)を使用、尿カテーテルを留置している場合であって、自分で準備、後始末等できる場合も含まれる。
(ウ) 尿意はないが、自分で時間を決めるなどして排尿にかかる一連の行為を行っている場合も含まれる。
(エ) 人工透析を行っている場合で、排尿が全くない場合も含まれる。
(オ) 腹膜灌流の場合であって、自分で準備、後始末等ができる場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っているが、見守り等が行われている場合をいう。
(イ) 一連の行為を介助なしに自分で行っているが、集中性に欠けるなど声掛けが必要な場合も含まれる。
(ウ) 一連の行為を介助なしに自分で行っているが、声かけしないとトイレ以外の場所で排尿する場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 一連の行為のうち、以下の1項目のみ該当する場合をいう。
 ・ トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗に介助が必要
 ・ 排尿動作に介助が必要
 ・ 排尿後の後始末に介助が必要
4.全介助」
(ア) 一連の行為のうち、以下の2項目以上に該当する場合をいう。
 ・ トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗に介助が必要
 ・ 排尿動作に介助が必要
 ・ 排尿後の後始末に介助が必要
なお、以下の場合のいずれか1項目以上に該当する場合も含まれる。ただし、自分で準備、後始末等を行っている場合を除く。
 ・ 集尿器を使用している場合
 ・ おむつを使用している場合
 ・ 介護者により間欠導尿が行われている場合
 ・ 尿カテーテルを留置している場合

4-6  排便について、あてはまる番号に一つだけ○印をつけてください。
⇒4
 1.できる  2.見守り等  3.一部介助  4.全介助
着眼点
自分で排便にかかる一連の行為を行っているかどうかに着目して評価する。
一連の行為とは、便意、トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗、排便動作(ズボン・パンツの上げ下げ、トイレ・便器への排便)、排便後の後始末が含まれる。
排便後の後始末には、ポータブルトイレや便器等の掃除、人工肛門等の後始末等も含まれる。
「留意点」
(1)  時間帯や日によって受けている介助の状況が異なる場合は、対象者が最も頻度の高い排便の状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(2)  蓄便袋(ストマ)を使用、おむつを使用、人工肛門を造設している場合は、実際の介護を受けている状況により判断し、その内容を「特記事項」に記載する。
(3)  知的障害者や精神障害者の経過の中で、精神的な状況又は意欲低下等の理由から排便の介助を受けている状況により判断する。この場合は、「意欲の低下により、便意の反応がなく、訴えることもない。」等、その詳細を「特記事項」に記載する。
(4)  知的障害者や精神障害者や自閉症等の行動障害で、「トイレ以外の特定の場所に固執して排便する。」等、障害特有の行動により、特別な介助が必要な場合は「4.全介助」とし、その詳細を「特記事項」に記載する。
選択肢の判断基準
1.できる」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っている場合をいう。
(イ) 蓄便袋(ストマ)を使用、おむつ(尿とりパット等)を使用、人工肛門を造設している場合であって、自分で準備、後始末等を行っている場合も含まれる。
(ウ) 便意はないが、自分で時間を決めるなどして排便にかかる一連の行為を行っている場合も含まれる。
2.見守り等」
(ア) 一連の行為を介助なしに自分で行っているが、見守り等が行われている場合をいう。
(イ) 一連の行為を介助なしに自分で行っているが、集中性に欠けるなど声掛けが必要な場合も含まれる。
(ウ) 一連の行為を介助なしに自分で行ってるが、声掛けしないとトイレ以外の場所で排便することがある場合も含まれる。
3.一部介助」
(ア) 一連の行為のうち、以下の1項目のみ該当する場合をいう。
 ・ トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗に介助が必要
 ・ 排便動作に介助が必要
 ・ 排便後の後始末に介助が必要
4.全介助」
(ア) 一連の行為のうち、以下の2項目以上に該当する場合をいう。
 ・ トイレまでの移動あるいは、ポータブルトイレへの移乗に介助が必要
 ・ 排便動作に介助が必要
 ・ 排便後の後始末に介助が必要
 なお、以下の場合のいずれか1項目以上に該当する場合も含まれる。ただし、自分で準備、後始末等を行っている場合を除く。
 ・ おむつを使用している場合
 ・ 介護者により浣腸、摘便が行われている場合

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