ア. |
物を盗られたなどと被害的になることが
実際は盗られていないものを盗られたという等、被害的な場合をいう。 |
イ. |
作話をし周囲に言いふらすことが
作話を不特定多数に言ってまわる場合をいう。作話をしても、特定の人にのみ話をする場合は該当しない。自分に都合のいいように事実と異なる話をすることも含まれる。 |
ウ. |
実際にないものが見えたり、聞えることが
錯覚、幻視、幻聴などにより、何かが見えたとか、聞こえたと話したり、手で追い払うなどの場合をいう。飛蚊症は該当しない。 |
エ. |
泣いたり、笑ったり感情が不安定になることが
些細なきっかけで悲しんで涙ぐんだり、不安や恐怖から感情的にうめくなど、明らかに感情が不安定になる場合をいう。また、突然、笑い出したり、怒り出す場合も含まれる。 |
オ. |
夜間不眠あるいは昼夜の逆転が
夜間不眠の訴えが何日間か続いたり、明らかに昼夜が逆転するなどし、そのために日常生活に支障を生じている場合をいう。不眠の原因は問わない。睡眠薬等の投与により睡眠がうまくコントロールされていれば「1.ない」と判断する。 |
カ. |
暴言や暴行が
発語的暴力(暴言)と物理的暴力(暴行)のいずれか、あるいは両方が現れる場合をいう。 |
キ. |
しつこく同じ話をしたり、不快な音を立てることが
絶えず独語や同じ話をくり返したり、口や物を使って周囲に不快な音を立てる場合をいう。 |
ク. |
大声をだすことが
周囲に迷惑となるような大声を出す場合をいう。日常会話で声が大きい場合等は含まれない。 |
ケ. |
助言や介護に抵抗することが
対象者と介護者との人間関係的要素も含まれるが、明らかに介護者の助言や介護に抵抗し、介護に支障がある場合をいう。単に助言しても従わない場合(言っても従わない場合)は含まれない。 |
コ. |
目的もなく動き回ることが
歩き回る、車いすで動き回る、床やベッドの上で這い回るなど、その目的が周囲のものに理解しがたい行動をとり続ける場合をいう。 |
サ. |
「家に帰る」等と言い落ち着きがないことが
施設等で「家に帰る」と言ったり、外に出ようとしたり、自宅にいても自分の家であることがわからず「家に帰る」等と言って落ち着きがなくなる場合をいう。単に「家に帰りたい」と言うだけで状態が落ち着いている場合は含まれない。 |
シ. |
外出すると病院、施設、家などに1人で戻れなくなることが
居室や居住棟から出て自室や自宅に自力では戻れなくなる場合をいう。 |
ス. |
1人で外に出たがり目が離せないことが
周囲の制止に従わず、外に出たがり、目が離せない場合をいう。環境上の工夫等で外に出ることがなかったり、または歩けない場合等は含まれない。 |
セ. |
いろいろなものを集めたり、無断でもってくることが
いわゆる収集癖の場合をいう。周囲の迷惑とならない、ひもや包装紙などを集める等の趣味は含まれない。 |
ソ. |
火の始末や火元の管理ができないことが
たばこの火、ガスコンロなどあらゆる火の始末や火元の管理ができない場合をいう。環境上の工夫等で、火元に近づくことがなかったり、周囲の人々によって火元が完全に管理されている場合は含まれない。 |
タ. |
物や衣類を壊したり、破いたりすることが
物を壊したり、衣類を破いたりする行動によって日常生活に支障が生じる場合をいう。壊れるものを周囲に置いていなかったり、破れないように工夫している場合は含まれない。衣類等を捨ててしまう行為により、物や衣類を壊したり破いたりするのと同様の支障が出る場合も含まれる。 |
チ. |
不潔な行為を行う(排泄物を弄ぶ)ことが
弄便(尿)など排泄物を弄ぶ、尿を撒き散らす場合をいう。身体が清潔でないことは含まれない。
室内や廊下等で排泄した排泄物がそのままになっており、気づかずに踏んだりしても、弄んでいるわけではないので含まれない。
単に衣服に便が付いていたり、尿失禁で汚れた衣類を交換しない、また、そのために身体が清潔でないことは含まれない。 |
ツ. |
食べられないものを口に入れることが
異食行動をいう。異食しそうなものを周囲に置かない場合等は含まれない。完全に飲み込まなくても口の中に入れれば異食行動に含める。「3..ほぼ毎日ある」を選んだ場合は、その頻度を特記事項に記載する。 |
テ. |
ひどい物忘れが
ひどい物忘れがあるために、日常生活に支障が生じる場合をいう。 |
ト. |
特定の物や人に対する強いこだわりが
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で特定の考え、物、人などに対する強いこだわりがあるために、日常生活に支障が生じる場合をいう。こだわりがあっても日常生活に支障がない場合は「ない」とする。 |
ナ. |
多動又は行動の停止が
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で特定の物や人に対する興味関心が強く、思うとおりにならないと落ち着かなくなり多動になったり、その対象(対象が明確でない場合も含む。)にこだわって動かなくなってしまう場合をいう。 |
ニ. |
パニックや不安定な行動が
知的障害や自閉症等の行動障害で予定や手続きの変更が受け入れられず大声を出して泣き叫ぶ等のパニックや行動が不安定になる場合をいう。
精神障害で、不安、恐怖、焦燥等にかられて衝動的な行動がある場合も含まれる。 |
ヌ. |
自分の体を叩いたり傷つけたりするなどの行為
知的障害や自閉症等の行動障害で自ら傷跡が残るほど自分の体に傷をつけたりするような行為がある場合をいう。
精神障害で、手首を切る、頭髪を抜くなど、自ら自分の体を傷つける行為がある場合も含まれる。 |
ネ. |
叩いたり蹴ったり器物を壊したりなどの行為が
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で他人を叩く、髪の毛を引っ張る、蹴る等の行為や壁を壊したりガラスを割ったりするなどの行為がある場合をいう。 |
ノ. |
他人に突然抱きついたり、断りもなく物を持ってくることが
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で興味や関心が優先したり、適切な意思表示ができないなどにより他人に突然抱きついたり、断りもなく物を持ってきてしまう行為がある場合をいう。(例:急に他人をのぞき込む。急に他人に接近する。急に他人の服についているゴミを取る。等) |
ハ. |
環境の変化により、突発的に通常と違う声を出すことが
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で本人の欲求が受け入れられなかったり、制止されたりした時や、非常に興味関心の強い物や人を見たときに起こる場合をいう。 |
ヒ. |
突然走っていなくなるような突発的行動が
知的障害、精神障害や自閉症等での行動障害で興味や関心が強い物や人を見つけたら、断りもなくそちらへ走っていってしまう等の場合をいう。興味の対象が不明の場合も含まれる。 |
フ. |
過食、反すう等の食事に関する行動が
知的障害、精神障害や自閉症等の行動障害で食に関する異常な行動、あるいは複数の行動が認められる場合をいう。 |
ヘ. |
気分が憂うつで悲観的になったり、時には思考力も低下することが
抑うつ気分により、ひどく悲観的であったり考えがまとまらないため、日常生活に支障をきたす場合をいう。時に死にたいと言ったそぶりを示し、危険を防止するために誰かがそばについているなどの配慮が必要とされる場合をいう。 |
ホ. |
再三の手洗いや、繰り返しの確認のため、日常動作に時間がかかることが
ある考えに固執したり、特定の行為を反復したり、あるいは儀式的な行為にとらわれることで、日常生活に支障をきたす。たとえば、必要以上に手を洗う・施錠を確認するなどの行為がある場合をいう。 |
マ. |
他者と交流することの不安や緊張のため外出できないことが
人に会うと緊張したり、恥ずかしく思ったり、危害を加えられるのではないかという不安が強く、外出ができない場合をいう。長期にわたって引きこもり状態も含まれる。 |
ミ. |
一日中横になっていたり、自室に閉じこもって何もしないでいることが
行動を計画したり実行したりする意欲が乏しいため、周りから言われないと何もしないでいる場合をいう。行動を促す他者からの働きかけがあっても動かない場合も含まれる。 |
ム. |
話がまとまらず、会話にならないことが
話の内容に一貫性がない、話題を次々と変える、質問に対して全く意図しない反応が返ってくる、などにより会話が成立しない場合をいう。興奮したときに一時的に話がまとまらないものは除く。 |
メ. |
集中が続かず、言われたことをやりとおせないことが
集中が持続せず、家庭内やその他の生活の場での役割や課題を最後までやり遂げられない場合をいう。 |
モ. |
現実には合わず高く自己を評価することが
現実にはそぐわない特別な地位や能力が自分にあると信じてそれを主張する場合をいう。 |
ヤ. |
他者に対して疑い深く拒否的であることが
他者を信頼しない態度で、相手の善意を疑い、話し合いや本人のためになされた提案を受け入れない場合をいう。 |