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1 遺骨収集等慰霊事業について

(1) 遺骨収集

ア ソ連抑留中死亡者の遺骨収集

 ※重点事項参照

イ 南方地域等における戦没者の遺骨収集

 平成14年度においては、これまでの間に寄せられた残存遺骨情報に基づき、2地域において遺骨収集を実施するほか、旧ソ連地域と同様の場合には、応急派遣団を派遣することとしている。

(2) 墓参及び慰霊巡拝

ア ソ連抑留中死亡者の埋葬地墓参

 埋葬地があるすべての地域(州、地方等)において計画的に墓参を実施しているところであり、平成13年度までに延べ458か所について実施したところである。
 平成14年度においては、4地域について実施することとしている。

イ 南方地域等慰霊巡拝

 旧主要戦域となった地域における遺族を対象として慰霊巡拝を実施しているところであり、平成14年度においては、フィリピン等6地域について実施することとしている。

(3) 慰霊友好親善事業

 財団法人日本遺族会への委託・補助事業として実施している「戦没者遺児による慰霊友好親善事業」については、平成14年度においても前年度と同規模(10地域、参加募集人員720人)で実施することとしている。

(4) 慰霊碑の建立

ア ソ連抑留中死亡者の小規模慰霊碑

 平成12年度以降、旧ソ連邦において遺骨収集の概ね終了した地域や遺骨収集が事実上実施できない地域について、小規模な慰霊碑を建立することとしており、平成14年度においては、3地域に建立することを予定している。

イ 戦没者慰霊碑の補修

 既に建立している海外戦没者慰霊碑については、それぞれの建立地の相手国関係機関等と維持管理の委託契約を締結し、維持管理を行っているところであるが、年月の経過とともに補修の必要が生じている。平成14年度においては、「ボルネオ戦没者の碑」及び「沖縄戦没者墓苑」の補修並びに「中部太平洋戦没者の碑」の補修調査を行うこととしている。

(5) 戦没者等遺骨のDNA鑑定に係る検討会の実施

ア 戦没者遺骨の身元の特定にDNA鑑定を一般的な方法として採用するためには、(1)戦没者遺骨の身元判明にとってDNA鑑定がどこまで有効かという技術的な問題、(2)戦没者本人の尊厳やプライバシーをどのように保護していくかという倫理上の問題、などの課題について、専門的分野から検討・整理を行うことが必要であり、平成13年度から有識者による検討会を設け、鋭意検討を行っているところである。

イ 平成14年度においては、これらの検討を踏まえ、遺骨と遺族のDNA鑑定を試験的に実施するとともに、DNA鑑定を円滑に実施するためのルールづくりの検討・整理を行うこととしている。

(6) 千鳥ヶ淵戦没者墓苑の改修

 千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、竣工当時の六角堂の地下納骨室の残余容積が僅少となったことから、平成2年度及び平成11年度に六角堂の奥正面に納骨室の増設を行っているところであるが、増設納骨室の構造等に関して、種々要望が寄せられていることもあり、関係遺族等の要望を踏まえ、国立施設として必要な改善を行うこととしている。


2 戦傷病者関連施策について

(1) 戦傷病者に対する旅客会社等の無賃乗車船制度に係る運用の弾力化について

 現在、乗車券引換証については、年度当初に戦傷病者の希望により甲種(介護者同行用)又は乙種(戦傷病者単身用)のいずれかを選択して交付を受けることとなっているが、戦傷病者の高齢化が進行し、年度途中において介護者の同行の要否が変更となる場合が多々あるという実態にかんがみ、平成14年度から年度当初における甲種と乙種とを組み合わせた乗車券引換証の交付及び年度途中における他の種別の乗車券引換証への変更について、都道府県の判断により行うことができることとしたので、戦傷病者の方々への周知、請求指導及び乗車券引換証の交付等につきよろしくお願いしたい。
 なお、本年2月上旬に、JR乗車券発行システム研修会を開催することとしているので、乗車券引換証交付事務の円滑な運用を図るために御活用いただきたい。

(2) 戦傷病者等の労苦継承に係る調査検討の実施について

 戦後半世紀以上が経過し、戦傷病者及びその妻の高齢化が進み、これらの者が体験した戦中・戦後の労苦の記憶が風化されつつあることから、戦傷病者等の労苦を後世代に伝えることを目的とした戦傷病者等労苦継承事業(仮称)を実施するに当たり、平成13年度から、その具体的かつ効果的な事業の在り方の調査検討を(財)日本傷痍軍人会へ委託し、これまで、継承すべき労苦、戦傷病者等の実態及び生活体験、国内外関連事業等の基礎調査を実施しているところである。
 平成14年度においては、平成13年度における基礎調査を踏まえ、事業を具体的に実施するに当たっての事業形態等の基本計画案を策定するための調査検討を実施する予定である。
 ついては、都道府県には調査の実施に当たり種々御協力を頂くことも考えられるので、よろしくお願いしたい。


3 昭和館について

 平成11年3月27日に開館した昭和館は、戦中・戦後の国民生活上の労苦を後世代に伝えようとするものであり、実物資料の陳列、図書資料等の閲覧、関連情報提供事業、特別企画展の開催を行っている。開館以来、事業は順調に推移しており、平成13年12月末までの総入館者数は、459,242人となっている。
 戦中・戦後の国民生活上の労苦を後世代に継承するためには、若い世代の来館を促進することが重要であるため、教育委員会と連携するなど、各都道府県の御協力を御願いしたい。
 また、今年度から地方在住の方々の便宜を考慮し、昭和館の幅広い広報活動の一環として、地方においても特別企画展を開催することとしており、昨年10月には大阪府大阪市で開催し、平成14年10月には宮城県仙台市で開催することとしている。
 この機会に多くの地方在住の方々に御来場いただきたく、別途、宮城県及び周辺各県に来場促進について依頼する予定であるので、その際には関係機関等に広報等の協力をしていただけるようお願いしたい。

(1)施設の概要

ア 場所  東京都千代田区九段南1−6−1
イ 各階構成  7階、6階 常設陳列室(戦中・戦後の生活用品等約800点を陳列)
 5階     映像・音響室(検索用ブース、ビデオブースを整備)
 4階     図書室(約10万3千冊の図書を収蔵)
 3階     研修室、会議室
 2階     広場
 1階     総合案内、事務室
ウ ホームページ  http://www.showakan.go.jp

(2)運営

 財団法人日本遺族会


4 中国残留邦人等に対する援護施策について

(1) 中国帰国者支援・交流センター

 ※重点事項参照

(2) 中国残留孤児の肉親調査と集団一時帰国

 平成12年度からは、集団による訪日調査に代えて、肉親に関する情報が得られた者についてのみ訪日対面調査を行うこととし、肉親情報がない者については、訪日調査を経ずに帰国できる方法に改め、これらの者に対しては、訪日の機会がないまま永住帰国する弊害を少なくするため、「帰国のためのオリエンテーション」を組み込んだ集団一時帰国を実施している。
 平成13年度は、訪日対面調査と集団一時帰国を連続した日程で実施し、新たに孤児と認定した20名のうち19名が訪日して4名が対面調査を行い、3名の身元が判明した。なお、訪日対面調査の実施に当たっては、各都道府県に対して孤児のリーフレット及びビデオを配布し、これを基に、肉親情報の収集に御協力いただいたところである。
 訪日対面調査は、平成14年度においても同様に実施する予定であり、肉親に関する情報の収集等について、今後ともよろしく御協力願いたい。なお、ビデオについては、国の調査時期に合わせて広報するなど、積極的な活用をお願いしたい。



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