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1.少子化対策について

(1)少子化対策推進基本方針及び新エンゼルプランについて

 少子化対策については、従来から様々な取組を行ってきたが、平成12年の合計特殊出生率が1.36となるなど、依然として低い水準で推移し、人口を維持するのに必要な水準を大幅に下回る状況となっており、少子化対策の推進は引き続き重要な課題となっている。
 このため、こうした少子化に対応するために、平成11年末に、中長期的かつ総合的な少子化対策の指針として「少子化対策推進基本方針」を策定し、またその基本方針に沿った具体的な実施計画として、「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画」、いわゆる「新エンゼルプラン」を策定し、これらに基づき、総合的な少子化対策を推進しているところである。
 平成14年度予算(案)においては、全体として新エンゼルプランを大幅に前倒しした積極的な内容となっており、新エンゼルプラン関連経費として、3,304億円(対前年比151億円増)を計上しているので、積極的な取組をお願いしたい。

(2)地方版エンゼルプランについて

 少子化対策推進基本方針には、「地方公共団体においては、本基本方針の策定趣旨、内容を踏まえ、少子化対策の計画的な推進を図るなど、地域の特性に応じた施策を推進するものとする」とされている。少子化対策を有効かつ適切に推進していくには、地方公共団体の計画的な取組が極めて重要であり、地域の実情に応じた、きめ細やかな対応が必要不可欠である。
 地方公共団体においては、関係部局・関係機関とも連携をとりながら、地域住民のニーズに対応した効果的な施策を検討、推進していただくとともに、地方版エンゼルプランの策定・見直しについて、幅広い住民の計画策定への参加などを含めた積極的な取組をお願いしたい。

(3)少子化対策への取組について

(1) 少子化への対応を推進する国民会議について
 少子化への対応の推進に当たっては、政府の施策のみならず、社会全体の取組として国民的理解と広がりをもって子育て家庭を支援することが求められている。
 このため、内閣総理大臣の主宰の下で各界関係者が参加する「少子化への対応を推進する国民会議」を設置し、国民会議の活動を含め、少子化への対応に関し、広く国民に向けた情報発信を行うこととしている。
 平成14年度においては、13年度に引き続き、社会福祉・医療事業団の子育て支援基金を活用して、「少子化への対応についての全国キャンペーン」を実施する予定である。具体的には、地域における子育て支援をテーマに中央フォーラムを長崎県佐世保市で、また、地方フォーラムを5か所で開催するなどの取組を行うこととしているので、その取組に対する支援及びご協力をお願いしたい。
(2) 少子化対策臨時特例交付金について
 少子化対策臨時特例交付金については、平成13年度末まで事業を実施できることとされており、基金を設置した市区町村においては、当該年度末までに基金を解散し、この時点において基金に残余財産が生じたときは、国庫に納付しなければならないとされていることから、都道府県におかれては、管内市区町村に対し、その趣旨を十分踏まえ、適正な処理について周知方よろしくお願いしたい。
 また、今年度、会計検査院より、一部において、本交付金の交付対象である事業を実施していない事例について指摘を受けたことは誠に遺憾であり、管内市町村に対し、事業実施状況報告書の審査確認事務の適正化を図るよう、周知をお願いしたい。

(4)NPO等を活用した地域の子育て支援(つどいの広場事業)について

 家庭や地域の子育て支援機能の低下が問題となっている中で、子育て中の親が、子育てに対する悩みや負担感を増大させており、その解消を図ることが重要な課題となっている。
 このため、平成14年度予算(案)において、主に乳幼児(0〜3歳)を抱える子育て中の親たちが、気軽に集い、うち解けた雰囲気の中で交流したり、悩みを語り合う場を提供する事業として、「つどいの広場事業」を新規に盛り込んだところである。
 具体的には、公共施設内のスペースや商店街の空き店舗などの社会資源を活用して、全国に65か所設置し、その運営に要する費用などに対して補助することとしており、事業の実施について、管内市区町村とも連携を図り、積極的な取組をお願いしたい。
 また、本事業の実施主体は、市区町村(人口規模は問わない)であるが、地域で子育て支援活動を積極的に展開しているNPO団体や株式会社などへの委託を可としている。今後とも、子育て支援の担い手として、地域に根ざした活発な活動が期待される子育てNPO等の活用を図られるよう特段の配慮をお願いしたい。


2.児童虐待防止対策について

 児童に対する虐待の防止施策については、これまで、発生予防、早期発見・早期対応、被虐待児童への適切な保護など、一貫した施策の充実に努めているところであるが、児童相談所における児童虐待の相談件数は増え続けており、悲惨な死亡事件が相次ぐなど、状況は深刻・複雑化してきている。
 このため、平成12年に施行された「児童虐待の防止等に関する法律」等の適正な運用を図るとともに、平成14年度予算案においても児童虐待防止対策の充実に必要な費用を確保したところである。
 ついては、児童相談所の体制強化、保健と福祉の連携による対応、児童の保護と保護者等への指導体制の充実などに留意の上、総合的な取組を推進いただくようお願いする。

(1)児童相談所の体制整備等について

(1) 地方交付税における児童福祉司等の配置について
 児童相談所において児童虐待等の対応の中心となる児童福祉司については、各自治体において積極的な配置に努めて頂いているところであるが、地方交付税積算基礎の基準に満たない自治体も見受けられるので、該当する自治体におかれては児童相談体制について検討を行い、必要な措置を講じて頂くことをお願いする。
 なお、平成13年度の地方交付税積算基礎における児童福祉司の員数は標準団体当たり2人増の19人であり、さらに、平成14年度についても増員の要望を行っているので御了知願いたい。

(2) 児童福祉司及び児童相談所長の任用資格の取扱について
ア 児童福祉法及び児童福祉法施行規則の改正
 児童福祉司及び児童相談所長の任用資格の厳格化については、児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)附則第3条に基づき児童福祉法が改正され、平成14年4月1日から施行(平成12年政令第516号)されることとなっている。
 この改正に基づき、「児童福祉法施行規則の一部を改正する省 令」(平成13年厚生労働省令第125号)が、平成13年5月23日付けで公布され、平成14年4月1日より施行されることとなっているので、その運用に遺漏のなきようお願いする。

イ 児童福祉司任用資格の通信制講習会
 前述の任用資格の厳格化に対応できるよう、平成13年度より児童福祉司の任用資格認定講習会(児童福祉法第11条に規定する厚生労働大臣の指定する講習会)を通信制により開設しているので、職員の受講について御配意をお願いする。募集等については、通信教育を実施する全国社会福祉協議会中央福祉学院より、募集要項を送付するので御了知願いたい。

(3) 一時保護所への主任児童指導員の配置について
 一時保護所は、虐待等の様々な理由のある児童を一時的に生活させる施設であり、保護人員の多い所は、それぞれの児童の問題が相乗的に増幅されるため細やかな対応が難しい状況である。
 このため、平成14年度予算案では、一時保護児童が平均11人以上の一時保護所にベテランの児童指導員を配置し、被虐待児童等に対する個別指導等を行える体制を新規に整備をすることとしているので事業実施に向けた積極的な取組をお願いする。

(4) 児童虐待機関連携強化事業について
 児童相談所、福祉事務所、保健機関(保健所、市町村保健センター)等は、虐待の予防、発見、援助の全ステージを通じて、単なる情報の共有にとどまらず、それぞれの役割と機能を果たしながら協同で事例に対処することが求められる。
 しかしながら、現状においては、リスクアセスメントや介入の判断の基準が機関の間であらかじめ調整されていないことなど、現場の行動レベルでの連携の構築が重要な課題となっている。
 このため、平成14年度予算案では、それぞれの自治体において、それぞれの地域の社会資源の状況を踏まえた上で、関係機関が共有して用いるマニュアルを作成する事業を新規に実施することとしているので、積極的な取組をお願いする。

(5) 保護者へのカウンセリングの充実について
 虐待等不適切な養育を行う保護者に対し、児童相談所において、精神科医の助言・指導を得て効果的なカウンセリングを行うカウンセリング強化事業を実施しているところであるが、平成14年度予算案では実施か所数を拡大したので、未実施の自治体におかれては積極的な取組をお願いする。

(6) 児童虐待への適切な対応の徹底について
 児童虐待に対しては、児童相談所が中心となって迅速かつ適切に対応しなければならないが、対応に当たって、昨年の厚生労働関係部局長会議でもお示しした、
1.迅速な対応
2.子どもの安全確保の優先
3.組織的な対応
4.機関連携による援助
5.家族の構造的問題としての把握
の基本的留意事項が遵守されているかどうか、改めて点検をお願いする。

(2)保健と福祉の連携について

(1) 健やか親子21について
 平成12年11月にとりまとめられた「健やか親子21」では、主要課題の一つである「子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減」において、児童虐待対策を母子保健の主要事業の一つとして明確に位置づけ、児童虐待の早期発見及び再発予防には、地域保健と地域医療の協力した取組を進めるとともに、児童相談所や情緒障害児短期治療施設など福祉関係機関等との連携を積極的に図ることが重要であるとしている。
 ついては、都道府県、市町村における一層の積極的な取組をお願いする。

(2) 乳幼児健診における育児支援強化事業について
 1歳6か月児及び3歳児健康診査において、母親等の心理相談や親子が参加する集団指導等を実施する事業を平成13年度に創設したところである。育児不安等を抱える母親等の増加や児童虐待への対応の強化を図るため、同事業の積極的な実施について、引き続き管内市町村に対する指導をお願いする。

(3) 児童虐待機関連携強化事業について(再掲)

(3)家庭訪問等身近な地域での支援事業の実施

(1) 家庭訪問支援事業について
 児童虐待、ひきこもりなどの問題は、家庭内で発生する問題で、当事者が積極的に対人接触を図ろうとしない特徴が見られるため、これまでの通所型支援では限界があることも指摘されている。
 このため、軽度な被虐待経験等の問題を抱える家庭に対し、訪問などによる育児相談・支援等を行う子ども家庭支援員制度を創設し、地域における子育てセーフティ・ネットの推進を図ることとしたので、積極的な取組をお願いする。

(2) 児童家庭支援センターの拡充について
 児童家庭支援センターの早急な設置促進を図るため、児童福祉施設への付置要件を緩和(「同一敷地内に」を「連携のとれる範囲」まで緩和)することとしている。
 また、虐待に関する相談など、地域における孤立化した家族に対する継続的な関わりや調整機能に関しては市町村事業として位置づけ(一時保護や入所措置、指導の委託の決定など強い行政権限が必要な部分はこれまでどおり都道府県が担うこととする)、児童虐待防止施策を重点的に推進する中核市等を指定し、地域と密着した相談支援・心理的ケア等を予算事業としてモデル的に実施することとしたので、積極的な取組をお願いする。
(4)里親制度の充実について

 里親制度は、養育に欠ける児童を温かい愛情と正しい理解を持った家庭の中で養育する、児童の健全育成を図る上で大変有意義な制度である。
 このため、平成14年度予算案において、家庭での濃密なスキンシップ関係を必要とする被虐待児等に対する専門的な援助技術をもった専門里親(仮称)制度を創設する。専門里親に対し通信教育などによる研修を実施し、専門的技能をもった里親に一定期間(原則として2年以内)子ども(軽・中度の被虐待経験のある概ね10歳以下の乳幼児・児童で、2人以内)の養育を委託し、施設では不可能な家庭的な援助を行うことにより、早期の家庭復帰を目指す。また、一時的休息のための援助(レスパイト・ケア)を行う。
 さらに、専門里親希望者及び養育里親に対する研修や里親に対する養育相談を行う里親支援事業を実施することとしたので、積極的な取組をお願いする。

(5)乳児院への個別対応職員の配置について

 近年、乳児院への措置理由として目立っているものに、虐待を受けた乳幼児、未婚や未成年の母親から生まれた乳児があげられる。また、乳児院から新規に里親委託される場合、子育て経験のない里親の例も多い。こうした乳幼児について家庭復帰又は里親委託した場合に、母親又は里親は、乳幼児の育て方がわからず、育児ノイローゼなどから、育児放棄や虐待につながり、施設へ再入所となるケースもある。
 このため、虐待を受けて入所した乳児等をできるだけ早く家庭に帰し、家庭で適切な養育が受けられるよう乳児院に個別対応職員を配置し、保護者等に対して育児指導や相談等を実施し、併せて里親の新規開拓や養子縁組の推進を図ることとしたので、積極的な取組をお願いする。

(6)情緒障害児短期治療施設の設置促進等について

 情緒障害児短期治療施設は、現在、全国に19か所が設置されているが(平成14年4月に2か所開設予定)、被虐待児などへの専門的な心理ケアが必要なことから、「健やか親子21」においても、全都道府県に設置するとの目標を立てているところである。しかしながら、医師の確保が困難であるため設置が進まないとの指摘もあることから、平成 14年度において、医師の専門科目の要件を緩和することにより施設の設置促進を図ることとしたので、積極的な取組をお願いする。
 また、平成13年度第2次補正予算案及び平成14年度予算案において、情緒障害児短期治療施設の居室面積を児童養護施設並びに改善し、入所者の処遇の向上を図ることとしたので、積極的な対応を図られたい。
 * 1人当たりの面積 28.6平方メートル → 30.7平方メートル

(7)虐待・思春期問題情報研修センターについて

 虐待・思春期問題情報研修センターは、深刻化する児童虐待問題や非行等の思春期問題への対策の一環として、インターネット等を利用した情報の収集・提供、児童相談所や児童家庭支援センターなどの専門機関からの電話等による専門的な相談、虐待問題等対応機関職員の研修及び児童福祉施設における臨床研究と連携した研究などを通じて、関係機関職員の専門性の向上を図ることを目的として設置される。(実施主体:社会福祉法人横浜博萌会)
 現在、平成14年度の開設に向けて準備を進めているところであり、児童相談所や児童福祉施設等関係機関職員の研修への参加のための特段の配慮及び社会福祉法人等への指導をお願いしたい。

(8)児童虐待防止市町村ネットワーク事業について

 住民に身近な市町村域において、児童虐待に対する取組を進めるため、保健、医療、福祉、教育、警察、司法等の関係機関、団体等のネットワークを整備する児童虐待防止市町村ネットワーク事業を平成12年度より実施しているところである。
 ついては、なお一層積極的な取組が図られるよう、管内市町村及び関係機関、団体等への指導をお願いする。

(9)つどいの広場事業(再掲)

 児童虐待の発生予防においては、地域の子育て支援活動の拡充等を通じて、子育て中の親の子育てに対する悩みや負担感を解消していくことが重要である。
 保育所等の地域子育て支援センター事業の推進等の他、平成14年度予算案においては、子育て中の親子に対する交流・集いの場の提供を行う「つどいの広場事業」を創設することとしているので、積極的な取組をお願いする。


3.配偶者からの暴力(ドメスティック・バイオレンス)対策について

 近年、配偶者からの暴力が大きな社会問題となっており、平成12年度における婦人相談所及び婦人相談員の受けた来所による相談件数54,835件のうち、夫等の暴力を主訴とするものが9,176件あり相談理由の16.7%を占めている。このような状況も背景として、平成13年4月6日に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(以下「DV法」とする。)が成立、同年10月13日に施行となったところである。平成14年4月1日の法の全面施行に向けて、婦人相談所の機能強化等、平成14年度予算案においても必要な経費を確保しているところであり、関係機関との連携等を含め、配偶者からの暴力の被害者の適切な保護について総合的な取組の推進をお願いする。

(1)配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律について

 DV法の主な内容は以下のとおり。

(1) 定義
 「配偶者からの暴力」、「被害者」
(2) 国及び地方公共団体の責務
(3) 配偶者暴力相談支援センター等
・都道府県は、婦人相談所その他の適切な施設において、当該各施設 が配偶者暴力相談支援センターとしての機能を果たすようにするも のとする。
・同センターでは、被害者(被害者に準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を受けた者を含む。)に対し、相談、カウンセリング、一時保護、自立して生活することを促進するための情報提供、シェルター(被害者等を居住させ保護する施設)の利用についての情報提供等を行うものとする。
・前項の一時保護は婦人相談所が自ら行い又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとする。
・婦人相談員は、被害者の相談に応じ、必要な指導を行うことができる。
(4) 被害者の保護
 通報等、配偶者暴力相談支援センター及び警察官による保護
(5) 保護命令
・裁判所は、被害者の申立により、配偶者に対し6月間の接近禁止 又は2週間の住居からの退去を命ずる
・違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
(2)婦人相談所等における相談体制の強化について
(1) 休日及び夜間相談体制の強化について
 配偶者からの暴力についてはいつ発生するかわからず、被害者からの緊急相談への迅速な対応が求められているが、婦人相談所の閉庁する休日及び平日退庁後の夜間が手薄となっていることから、婦人保護事業経験者等による電話相談員(非常勤)を配置し、休日及び夜間の相談体制の強化を図ることとしたので、積極的な対応をお願いする。

(2) 一時保護所及び婦人保護施設への心理療法担当職員の配置について
 被害者の心理的特徴として、自尊心の欠如、無力感、現実からの逃避等があげられ、繰り返される暴力の中でPTSD等の障害を抱えることも多い。このため、被害者や同伴者が保護される一時保護所、婦人保護施設(婦人相談所との併設を除く。)に心理療法の技術を有する職員を配置し、心理的回復を支援することとしたので、事業実施に向けた体制の整備をお願いしたい。

(3) 婦人保護施設等の基準面積の改善について
 DV法において、被害者の同伴する家族も保護する規定が設けられたことに伴い、個室及び家族で過ごすことのできる世帯部屋の設置が可能となるよう、平成13年度補正予算案及び平成14年度予算案において補助基準面積を改善することとしたので、被害者保護の向上に向けた施設の充実をお願いしたい。
・婦人保護施設の基準面積
 26.3平方メートル→35.4平方メートル(1人当たり)
・婦人相談所の基準面積
 330.6平方メートル(1施設当たり)→30.9平方メートル(1人当たり)
 (定員20人の場合 619.2平方メートル)

(4) 婦人相談所職員等への専門研修会の実施について
 婦人相談所等には、直接被害者からの相談を受ける職員がおり、ケースに応じて、関係機関と連携をとることとなっている。ドメスティックバイオレンスの特性と理解、ドメスティックバイオレンスと法律等について、地方公共団体における関係機関職員への専門研修を実施することとしたので、積極的な対応をお願いする。

(5) 婦人相談所の職員の配置
 婦人相談所の経常経費は社会福祉事業費として交付税措置されており、婦人相談所の職員については、標準団体で所長、判定員など7名分の給与費等が計上されている。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行など婦人相談事業の高度、専門化を踏まえた婦人相談所職員の適正な配置をお願いする。

(3)一時保護委託制度の創設について

 DV法において、一時保護は、婦人相談所が、自ら行い、又は厚生労働大臣が定める基準を満たす者に委託して行うものとされたところである。家族同伴、配偶者からの追跡など被害者の状況に応じた適正な保護が可能となるよう、厚生労働大臣が定める基準(平成13年7月23日厚生労働省告示第254号)を満たす民間施設(民間シェルター)や公的施設等の積極的な活用をお願いしたい。委託に係る単価、手続等の具体的な内容については、追ってお示しする。
 なお、現在、民間シェルターに対する資金援助等を独自に行われている自治体におかれては、被害者保護を今後とも推進するためのご配慮をお願いする。

(4)婦人相談所と関係機関との連携について

 被害者の保護支援については、相談の受付、保護、自立支援に向けて、福祉、医療、保健、警察、司法等の関係機関の連携が必要である。婦人相談所と福祉事務所をはじめとする関係機関との連絡会議を開催し、また、事例検討会議を開催して事例集を作成するなど、関係機関とのネットワークの整備について積極的な対応をお願いする。


4.総合的な母子家庭等自立支援策と児童扶養手当制度の見直しについて

(1)総合的な母子家庭等自立支援対策について

 母子家庭等対策のあり方については、昨年の秋以降、政府部内で検討するとともに、与党各党において母子家庭対策に係る小委員会・部会等の場で検討が行われてきた。昨年12月に、各党において母子家庭等対策についての各党の基本的な方針がとりまとめられた。
 この方針においては、戦後50年の歴史を持つ母子家庭等対策を根本的に見直し、「きめ細かな福祉サービス」の展開と「自立・就労」の支援に主眼をおいた改革を実施することとされた。具体的には、母子家庭等の自立が一層促進されるよう、(1)子育てや生活支援策、(2)就労支援策、(3)養育費確保策、(4)児童扶養手当を含めた経済的支援策などについて総合的に母子家庭等自立支援策を行うものとされた。この方針を踏まえ、児童扶養手当制度などについて平成14年度から一部、制度の見直しを行うこととしている。
 さらに、今後、この方針を踏まえつつ、引き続き与党において御議論いただきながら、次期通常国会に向けて法改正を検討することとしている。

(2)児童扶養手当制度の見直しについて

 児童扶養手当制度については、このような基本的方針を踏まえ、また平成14年8月に児童扶養手当認定等の事務が、都道府県から福祉事務所設置自治体へ委譲されることとなっていることと併せ、以下のような見直しを行う。

(1) 所得制限等の見直し(平成14年8月実施)
 就労による自立を一層促進する観点から、就労等による収入の増加が総収入の増加につながるよう、所得額と手当額との関係を見直すとともに、養育費を所得の範囲に含めるなど所得の範囲についても見直しを行う。

〈本人(2人世帯)の場合〉
全部支給
42,370円(月額)
一部支給
 就労等による年間収入額の増加に応じて手当額を加えた総収入額がなだらかに増加するよう、手当額を42,360円(月額)から10,000円(月額)まできめ細かく設定。

(2) 事務取扱交付金の単価設定等(平成14年8月実施)
 児童扶養手当認定等の事務に係る権限が、平成14年8月1日に都道府県から都道府県、市及び福祉事務所設置町村(以下「市等」という。)へ委譲されることに伴い、都道府県及び市町村に交付する事務費について、市等の単価を設定するとともに、適正化等事務費については、その補助対象を市等に拡大することとなるので、円滑な実施に向けて準備方お願いしたい。

〈政令に定める事務費単価〉

[委譲前] [委譲後]
都道府県分 @1,060円 都道府県分
市等分
@1,060円
@1,430円
市町村分 @ 430円 町村分 @ 430円

(3) 物価スライドの特例(平成14年4月実施)
 平成13年の消費者物価指数の下落が見込まれるが、平成14年度の手当額は前年度と同額とする。

(13年度予算) (14年度予算案)
全部支給 42,370円 同額
一部支給 28,350円
*一部支給については、平成14年4月〜7月分まで。

(3)母子家庭等の自立促進について

(1) 就労支援対策について
 母子家庭の自立のためには、雇用の確保が極めて重要であることから、従来から就労支援対策を推進してきたところである。
 母子家庭の母を取り巻く雇用環境は、現在、極めて厳しい状況下にあることから、各都道府県等におかれては、就業促進ための講習会の開催や関係機関の連携強化等による総合的な就労支援体制の整備を図る「就業支援対策事業」への積極的な取組をお願いしたい。
 平成14年度予算案においては、就業支援講習会受講者の就業支援を図る観点から、就業に関する相談や情報提供等を行う者の活動経費を新たに計上したところであるが、市町村、公共職業安定所等関係機関とも十分連携を図りながら事業を推進して頂きたい。
 また、従来の就業支援対策事業に加え、就業相談から技能講習、就業情報の提供等に至るまでの一貫した就労支援サービスを提供する事業をモデル的に全国10カ所で実施することとした。
 当事業においては、年間を通じた職業カウンセリング等の実施やセミナーの開催経費、比較的高度の就業講習会の実施、事業主への情報提供・情報収集等を総合的に実施することとしているので、労働部局との連携、関係団体の活用等を含め、事業への取組をお願いする。
(2) 母子家庭介護人派遣等事業について
ア 母子家庭等介護人派遣事業
 平成14年度予算案については、従来の都道府県事業に加え、市町村事業に対して都道府県が補助する事業についても助成を行うこととした。
 また、介護人派遣単価の引き上げ、利用者負担の軽減等を図ることとしている。
イ ひとり親家庭生活支援事業
 平成14年度予算案については、事業の全てのメニューについて父子、母子とも対象とする事業とした。
 また、介護人派遣事業と同様に市町村事業に対して都道府県が補助する事業についても対象とすることとしている。
 本事業の実施にあたっては、市町村との連携、母子福祉団体等の活用等も併せ、地域の母子家庭等への周知と必要なときに利用できるよう、きめの細かい配慮をお願いする。
(3) 母子寡婦福祉貸付金について
 平成14年度予算案においては、
ア 母子家庭の母等の就業を促進する観点から、技能習得のために一時的に多額の経費が必要になる場合の一時貸付の充実、
イ 前記(2)の児童扶養手当制度の見直しに伴い影響を受ける者に対する児童扶養資金の拡充(平成14年8月施行)、を図ることとし、必要な貸付原資を追加としたところである。
 本貸付金が、母子家庭の経済的自立のために効果的に活用されるよう、市町村はもとより、修学資金等については、教育委員会とも連携し、学校関係者へも十分な周知を願いたい。
 なお、必要な時期に貸付が行われるよう事務処理について一層のご努力と償還促進について引き続きお願いする。

(4) 母子生活支援施設について
ア 母子家庭の有する問題の複雑・多様化に伴い、母子生活支援施設 の機能強化が、これまでにも増して重要となってきており、施策の充実を図ってきているところである。
 本年度には、夜間警備体制の強化や虐待や暴力を受け心に深い傷を被っている母子に対し、カウンセリング等の心理療法により心の傷を癒すための心理療法担当職員の配置する経費を計上したが、心理療法担当職員の配置について、必ずしも十分な取組がされていないので、その推進に努められたい。
イ 平成14年4月1日から「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護の関する法律(以下「DV法」という。)が全面施行される。
 DV法に基づく婦人相談所の一時保護の委託先として母子生活支援施設も想定されるところであるが、その実施に当たっては、関係機関と十分連携をとられるとともに、可及的速やかに入所利用に変更するなど被害者への適切な処遇の確保、経費の適正な執行等に努められたい。
ウ 母子生活支援施設の充実強化を図っているにも拘わらず、一部施設では職員の適正配置がなされず、単なる住居の提供にとどまり、母子家庭の自立に向けその生活を支援していくという本来の施設機能を果たしていないところも見受けられるが、こうした施設に対しては、民間活力の導入や施設の統廃合等の検討も含め適正な施設運営について厳正なる指導をお願いする。
(5) 相談指導体制の整備について
 母子家庭に対する自立促進のための相談・指導体制の一層の充実強化を図るためには、母子相談員や母子生活支援施設、母子福祉団体等の果たす役割は極めて重要であり、母子相談員については、母子寡婦福祉貸付金の業務に限らず、自立のための就労支援や近年社会問題になっているドメスティック・バイオレンスなど個々のケースについての各種相談への対応と自立支援が必要であり、その積極的な活用と適正な配置についてご配慮願いたい。
 特に、平成13年度からは、地方交付税算定基礎の中で非常勤職員の配置人数が1名増員されているところであり、母子家庭等の相談体制の強化を図られたい。

(6) 子育て支援短期利用事業
 本事業は、保護者が疾病、出産、残業等の事由により、家庭での養育が一時的に困難な児童や夫の暴力などにより緊急一時的に保護を必要とする母子を児童福祉施設等で養育・保護する事業であるが、平成14年度予算案においては、利用実態等を勘案して補助単価の見直し(補助基準額の引き下げ)を実施することとしている。
 また、低所得者世帯については、現行制度上も徴収金の負担軽減措置を講じているが、市町村民税非課税世帯のうちひとり親世帯については、利用者からの徴収金全額を免除することとしている。
 さらに、ショートスティ事業では、緊急一時的に保護を必要とする母子等を補助対象者としているところであるが、DV法に基づく被害者の一時保護が行われる場合は本事業の対象とはならないので、関係機関との調整・連携を図り適正な執行がなされるようお願いする。
 なお、母子家庭等対策の総合的な見直しの一環として、子育て支援短期利用事業(短期入所生活援助事業及び夜間養護等事業)について、(第2種)社会福祉事業に位置付けることを検討しているところ。
(7) 父子家庭への支援について
 父子家庭に対しては、従来から父子家庭等支援事業、介護人派遣事業、特別相談等事業、生活指導講習会事業などの支援の対象者としているが、各都道府県等におかれては、母子家庭対策と併せ父子家庭支援に係るこれら事業について、積極的な活用をされるようお願いする。


5.児童健全育成対策について

(1)放課後児童健全育成事業について

 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)については、平成13年7月「仕事と子育ての両立支援策の方針について」が閣議決定され、平成16年度までに全国で15,000か所とすることとされており、これを踏まえ、新エンゼルプランに上乗せをし、平成14年度には、800か所増の10,800か所に拡大することとしている。
 また、上記閣議決定を踏まえ、放課後児童クラブの設置促進を図るため、平成13年度第1次補正予算において「子育て支援のための拠点施設」の設置要件を緩和したところである。平成13年度第2次補正予算案にも所要の額を計上しているので、第1次補正予算と合わせ、積極的な取組をお願いしたい。
 なお、平成14年度予算案において、次の2点について、改善を図ることとしている。

(1) 小規模クラブ(10人以上20人未満)に対する補助対象の拡大を図ることとし、現行の過疎地等の補助要件を撤廃する。
(2) 学校週5日制に対応するため、土、日曜日、祝日の開設日数が、年間で一定の基準を超えて開設する放課後児童クラブに対して補助額の加算を行う。

(2)児童委員及び主任児童委員について

(1) 児童福祉法の一部改正について
 児童虐待等の問題が増加するなど、児童を取り巻く環境の変化を踏まえ、地域において児童が安心して健やかに成長することができるよう、児童委員活動の活性化を図るため、主任児童委員の法定化、児童委員の職務の明確化及びその資質の向上等を図ることなど、児童福祉法が一部改正されたところである。地域住民に対し児童委員制度の周知を図るとともに、児童委員活動の一層の振興を図られたい。

(2) 児童委員・主任児童委員の研修について
 平成13年12月に行われた一斉改選後の全員の児童委員を対象に虐待防止活動のための研修会の実施をお願いすることとしている。
 この実施に当たっては、児童委員が地域の状況によりよく対処できるよう、単なる知識の伝達等にとどまらず、具体的な事例をもとに、児童委員の実践的な活動方法や技法等を習得するための研修となるような内容についてご配慮をお願いしたい。
 また、厚生労働省において、主任児童委員に対し、保育や虐待に関する専門的な研修会を予定しており、実施にあたってのご協力方よろしくお願いしたい。


6.保育対策等について

(1)待機児童ゼロ作戦の推進について

 都市部を中心に待機児童の解消や多様な保育需要の対応など、地域の実情に応じた対応が求められているところであるが、国においても、「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(平成13年7月6日閣議決定)等に基づき、「待機児童ゼロ作戦」を進めることとしている。
 このことについては、「待機児童ゼロ作戦の推進について」(平成13年9月6日雇児保第35号通知)等によりお示ししているところであるが、以下の点に留意の上、待機児童の解消や多様な保育需要への対応について特段のご配慮を願いたい。
 また、待機児童ゼロ作戦等を計画的に推進していくためには、国、地方公共団体双方における密接に連携した取組が必要であることから、待機児童解消に向けた取組等についての調査を行うとともに、待機児童が多い市区町村に対してのヒアリングを実施したいと考えており、おってご連絡するのでご協力をお願いしたい。

(1) 待機児童ゼロ作戦推進のための予算措置について
ア 保育所運営費について
 平成14年度予算案においては、待機児童ゼロ作戦を推進するため、保育所受入れ児童数を4.8万人増加させる予算計上を行っている。
 また、運営費の計上に当たっては、保育士の格付け見直しの最終年分等を織り込んでいるところである。

イ 保育所の整備について
 保育所の整備については、平成13年度補正予算及び平成14年度予算案において、保育所受入れ児童数の増大を図るための十分な予算枠を確保しているところであり、待機児童解消に向けた保育所の創設、増築、分園の設置等を図るほか、新エンゼルプランに基づく多機能保育所の整備等、保育所整備について積極的な対応を図られたい。

ウ 待機児童解消のための新たな取組等について
 平成14年度予算案においては、待機児童解消に向けた新たな取組等として、送迎保育ステーション事業、駅前保育サービス提供施設等設置促進事業及び認可化移行促進事業の創設、家庭的保育事業の促進を行うこととしているので、積極的な取組を図られたい。
(2) 新エンゼルプラン推進のための予算措置について
 新エンゼルプラン関連経費についても、低年齢児受入れの拡大を図るほか、延長保育や休日保育、一時保育等の前倒し的実施を図るなどの予算計上を行っているところである。各地方公共団体においても、それぞれの地域のニーズを的確に把握し、計画的にサービス提供体制の整備に努め、地域の需要に応えることができるよう保育施策を推進されたい。

(2)児童福祉法の改正(認可外保育施設、保育士関係)について

 児童福祉法の一部を改正する法律(平成13年法律第135号)が昨年11月に成立し、認可外保育施設に対する指導監督の強化、保育所整備促進のための公有財産の貸付け等の推進、保育士資格の法定化が図られたところであり、その内容は以下の通りである。

(1) 認可外保育施設については、施設設置時の届出及び毎年の運営状況報告が義務付けられ、認可外保育施設の効率的な把握が行われることになった。併せて、認可外児童福祉施設について改善勧告及び勧告に従わない場合の公表が法定され、指導監督が強化された。また、認可外保育施設へ入所の際にはその契約内容を書面で交付することが義務付けられる等事業者自身による情報提供が義務付けられたほか、都道府県は毎年の運営状況報告等で得た情報を公表することとされ、保護者による適切な施設選択が図られることとなる。
 認可外保育施設に関する部分の施行は本年10月頃を目処としている。
(2) 認可外保育施設に関する問題の背景には、保育所の不足があることから、保育需要が増大する市町村においては、市町村自らの公有財産の貸付け等により、社会福祉法人等多様な民間事業者による保育所の設置運営を効率的かつ計画的に促進することとされた。各地方公共団体におかれては、この趣旨を踏まえ、待機児童対策に努めて頂きたい。保育所の整備促進の規定については公布と同時に施行されている。
 また、平成13年度第1次補正予算より、民間事業者へ貸与する目的で地方公共団体が保育所を整備する場合やPFI方式を活用して保育所を整備する場合について、整備費補助を行うこととしたところであるので、積極的に活用されたい。
(3) 認可外保育施設における保育士資格詐称や地域の子育て支援の中核を担う専門職として保育士の重要性が高まっていること等を背景に、保育士が名称独占資格として整備された。保育士以外の者が保育士と称することが禁止されたほか、業務の定義、都道府県知事による試験・登録事務等の規定が整備されている。保育士資格に関する部分の施行は来年11月頃を目処としている。

 今回の法改正に伴う、政令・省令の改正は本年4月を目処としている。また、法の施行は、別添関連資料のスケジュールのとおりであり、法の円滑な施行に向けてご協力願いたい。
 なお、今回の法改正については、「児童福祉法の一部を改正する法律等の公布について」(平成13年11月30日雇児発第761号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)及び昨年12月26日の全国児童福祉主管課長会議においても説明させて頂いたところであるので、十分留意されたい。

(3)保育所の規制緩和について

 保育所については、これまで、定員の弾力化、短時間勤務保育士の導入、分園方式の導入、設置主体制限の撤廃、最低定員の引き下げ、賃貸方式の認容等の規制緩和を行い、保育需要に柔軟に応じられる体制の整備に努めてきたところである。
 今後とも、待機児童解消に向けた必要な措置を講ずることとしており、各地方公共団体においては、規制緩和の趣旨を御賢察の上、地域の事情を勘案して待機児童の解消等のための積極的な対応をお願いしたい。

(4)児童福祉施設に係る第三者評価の普及啓発について

 児童福祉施設における福祉サービスの第三者評価基準、評価の方法、評価結果の公表等については、「児童福祉施設等評価基準検討委員会」で検討を進め、平成13年度中を目処に最終報告を取りまとめる予定であり、平成14年度からは、第三者評価事業の実施を推進してまいりたい。
 また、第三者評価事業は、新たな取り組みであることから、事業者、利用者などの関係者に十分に周知を図ることが重要であることから、国においては、この一環として、1月28日(大阪)及び2月4日(東京)に「児童福祉施設等評価基準検討委員会公開シンポジウム」を別添関連資料のとおり行う予定であるので、関係者の出席について御配意いただきたい。

(5)i−子育てネットについて

 全国の保育所情報、市町村情報、都道府県情報、子育て関連情報等については、財団法人こども未来財団の運営によるインターネットを活用した「i−子育てネット」として平成13年2月から情報を広く提供しているところであるが、情報の入力に当たっては、各地方公共団体及び保育所のご協力を賜り厚く御礼申し上げる。
 しかしながら、一部の市町村及び保育所においては、情報が入力されていない部分も見られることから、情報の入力についての協力方をよろしくお願いしたい。
 また、インターネットによる情報提供等については、今後も利用者の増大とともに利用者に応えた情報の提供や情報の更新が求められることから、重ねて協力をお願いしたい。

(6)ファミリー・サポート・センター事業について

 ファミリー・サポート・センター事業は、急な残業など臨時的、一時的な保育ニーズに対応するため、会員制で地域における育児に関する相互援助活動を行う市町村に対して、労働者の仕事と家庭の両立を支援するという雇用対策としての観点から補助を行っていたものである。
 平成13年度からは、仕事と家庭の両立支援に加えて、児童の福祉という目的をも併せて果たすため、援助を受けられる者の対象を専業主婦等に拡大するとともに、支部を設置するなど、地域の子育て支援機能の強化に向け、総合的に事業を推進しているところである。
 平成14年度予算案においては、以下のとおり、箇所数の増加等を行うこととしている。
 本事業は、現在、保育関係部局が担当している市町村が多いが、今後ニーズが更に高まることが予想されるので、労働関係部局とよく連携し、市町村に対するセンターの設置促進や保育所との連携等に御尽力いただくようお願いする。

(1) ファミリー・サポート・センターの拡大

  平成13年度 平成14年度
本部 182か所 286か所

(2) 大都市圏での設置促進
 大都市圏において、設置当初の円滑な運営の確保のための支援
 本部 64か所
(3) 保育所等との連携
・ 支部を地域子育て支援センター等に併設し、育児相談等と一体的にサービス提供
・ 保育所との連絡システムの整備


7.母子保健対策について

(1)健やか親子21について

 我が国の母子保健は、既に世界最高水準にあるが、妊産婦死亡や乳幼児の事故死について改善の余地があるなどの残された課題や思春期における健康問題、親子の心の問題の拡大などの新たな課題が存在する。また、小児医療や地域母子保健活動の水準の低下を防止することも重要である。
 このような中、平成12年11月に「健やか親子21」がとりまとめられたところであるが、昨年は、「健やか親子21推進協議会」が設置され、年末には加入団体数が70となったところである。
 また、主要4課題である、(1)思春期の保健対策の強化と健康教育の推進、(2)妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援、(3)小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備、(4)子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減、について関係する団体による幹事会を開催し、意識の高揚、積極的な取組に努めたところである。
 厚生労働省としても、引き続き、全国大会の開催等により国民的な運動の展開を図っていくこととしているが、都道府県、市町村においても自主的・積極的な取組をお願いする。

(2)母子健康手帳の改正について

 母子健康手帳については、昨年9月に「母子健康手帳改正に関する検討会」を設置し、その様式の改正等について検討を行ってきたところである。
 検討会においては、平成12年に実施された「乳幼児身体発育調査」の調査結果や、最新の医学的知見、社会情勢の変化等を踏まえた検討が行われ、昨年11月30日に、検討会としての母子健康手帳の様式の改正等についての報告をとりまとめたところである。
 今回の母子健康手帳の様式の改正については、母子保健課長通知等により、各都道府県等にその内容等をお知らせするとともに、管内市区町村への周知をお願いしたところであるが、今回の改正のうち、省令様式に係る部分については、全国統一様式であることから、平成14年4月1日からの改正後の省令様式にそった新たな母子健康手帳の交付に向け、管内市区町村に周知徹底を図るなど準備方よろしくお願いする。
 また、作成例として示している省令様式以外の部分についても、検討会の報告を参照の上、平成14年4月1日から交付する母子健康手帳に、適宜、その内容を反映させるよう、周知方よろしくお願いする。

(3)小児慢性特定疾患治療研究事業の見直しについて

 医療費の自己負担部分を全額補助する制度である小児慢性特定疾患治療研究事業は、事業創設以来4半世紀が経ったところであり、制度を今後とも安定的に維持・運営するため、昨年9月に「小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会」を設置し、本事業のあり方について検討を行っているところである。
 事業の見直しは、具体的には、(1)対象疾患・対象者の見直し、(2)他の医療費公費負担制度との均衡を考慮した一定の自己負担の導入、(3)併せて必要な福祉サービスの導入、を現在想定しているが、詳細は検討中である。(検討状況については、厚生労働省HP参照)
 見直しを行う場合、その実施は、早くて平成15年度となる見込みである。
 今後も適宜状況をお知らせしたいと考えており、御協力をお願いしたい。

(4)周産期医療ネットワークの整備について

 妊産婦死亡、周産期死亡等のさらなる改善により安心して出産できる体制を整備するため、新エンゼルプランにおいて、総合周産期母子医療センターを中核とした周産期医療ネットワーク(システム)の整備を計画的に進めているところである。
 地域医療計画の改訂に際しては、周産期医療について計画に盛り込むとともに、新エンゼルプランに基づき、平成16年度までに原則として各都道府県に1か所の総合周産期母子医療センターを整備し、これを中心とした地域周産期母子医療センター及び一般産科との母体及び新生児の搬送体制をはじめとする連携体制の整備をお願いする。

(5)不妊専門相談センター事業の整備について

 不妊に悩む方々に的確な情報を提供し、専門的な相談に応じられる体制を地域において整備することが重要であることから、平成8年度から「生涯を通じた女性の健康支援事業」の一環として、不妊専門相談センター事業を実施しているが、平成14年度予算案においては、30か所から36か所に補助対象の増を図ることとしている。
 本事業については、新エンゼルプランの中で計画的に整備すべき重点施策として位置づけられていることから、引き続き都道府県等の積極的な実施をお願いする。

(6)乳幼児健康支援一時預かり事業について

 乳幼児健康支援一時預かり事業については、新エンゼルプランを着実に推進するため、275市町村から350市町村に拡大するために必要な予算を確保することとしたので、各市町村の積極的な取組について指導をお願いする。
 なお、施設整備については、平成13年度より保育所等の児童福祉施設に加え、医療機関で本事業を実施するための部屋の整備を医療施設等施設整備費により行うこととしているので、平成14年度においても積極的に取り組まれるようお願いする。

(7)生殖補助医療について

 精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療(非配偶者間の生殖補助医療)のあり方については、旧厚生科学審議会先端医療技術評価部会の下に設置された「生殖補助医療技術に関する専門委員会」において検討いただいていたところである。 同専門委員会は、計29回の議論を経て、平成12年12月に、インフォームド・コンセント、カウンセリング体制の整備、親子関係の確定のための法整備等の必要な制度整備が行われることを条件に、代理懐胎を除く精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を認めるとともに、必要な制度整備を3年以内(平成15年中)に行うことを求める報告書をとりまとめたところである
 この報告書の要請を踏まえ、報告書の内容に基づく制度整備の具体化の検討を行うため、昨年6月に、厚生科学審議会の下に「生殖補助医療部会」を設置したところであり、同部会においては、本年中の検討終了を目途に、検討が進められているところである。
 なお、同部会においては、検討すべき課題を、(1)非配偶者間の生殖補助医療を受ける条件、精子・卵子・胚を提供する条件等、(2)インフォームド・コンセント、カウンセリング、実施医療施設の基準等、(3)公的管理運営機関、実施医療施設等の監督体制等、に分けて議論を行うこととしており、現在は、非配偶者間の生殖補助医療を受ける条件、精子・卵子・胚を提供する条件等について検討が行われているところである。


8.児童福祉施設等の整備及び運営について

(1)児童福祉施設等の整備について

(1) 施設整備費については、平成13年度第2次補正予算(案)において1,513億円、さらに平成14年度予算(案)として1,247億円、合わせて2,760億円を予算計上し、特別養護老人ホーム等の介護関連施設、待機児童解消のための保育所緊急整備、障害者プラン等にかかる施設整備の着実な推進を図ることとしている。
 平成13年度第2次補正予算(案)については、政府の保有資金を最大限活用し、「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」(昭和62年法律第86号)等を改正し、無利子貸付事業として行うものである。
 この貸付金の償還期間は5年以内で、償還時に償還金に相当する金額を国庫補助金として交付することとなるものである。
 また、無利子貸付事業に係る貸付要綱等については、追って通知することとしているが、貸付対象とならない設備整備費等一部を除き、対象施設及び基準単価等については、国庫負担(補助)金交付要綱と同様の内容とする予定である。
 なお、補正予算(案)計上分に係る地方財政措置については、別途所要の措置が図られる予定であると承知しており、財政当局との調整を密にし遺漏の無いよう願いたい。
(2) 国庫補助基準単価の改定
 国庫補助基準単価については、公共工事コスト縮減の実績や建設単価の動向等を総合的に勘案し、平成13年度第2次補正予算(案)から改定する。
 ただし、円滑な事業執行の観点から平成13年度の事業として協議するものなどについては経過措置等の対応を予定している。

(3) 設備整備費については、施設整備量に対応した必要な額を確保した。
(4) 平成14年度の整備方針等
 平成14年度においては,次の事項を基本として整備を図ることとしているが、限られた財源を効率的かつ有効に活用する見地から、施設整備の事業内容を十分吟味した上で、必要な整備を行うこととしている。
 各都道府県市におかれては、来年度に予定している整備計画の十分な精査を行い、真に必要と認められる整備について厳選した対応に努められたい。
 また、「社会福祉法人の認可について(平成12年12月1日障第890号、社援第2618号、老発第794号、児発第908号)」、「社会福祉法人の認可等の適正化並びに社会福祉法人及び社会福祉施設に対する指導監督の徹底について(平成9年3月28日社援企第 68号)」等を踏まえ、協議対象施設の選定及び法人審査についても 万全を期されたい。
 なお、平成13年度第2次補正予算(案)については、平成14年度予算(案)と併せ一体的な執行を図ることとしていることから、無利子貸付事業においても基本的整備方針については同様の取り扱いとされたい。

ア 保育所の整備については、「仕事と子育ての両立支援策の方針」(平成13年7月6日閣議決定)に基づく「待機児童ゼロ作戦」の推進を図り保育所受入れ児童数の増大を図ることとし、待機児童解消を図るための保育所の創設、増築や低年齢児の受入れ拡大を図るための乳児室・ほふく室等の整備や内部改修工事、余裕教室等を活用した改築整備の促進、保育所分園の整備の促進を図るとともに、「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画」(新エンゼルプラン)を踏まえて老朽化している保育所の改築に併せて、地域における子育て支援のための子育て支援相談室等の整備、一時保育事業のための保育室等の整備、乳幼児健康支援一時預かり事業のための保育室等の整備など、地域の実情に応じつつ創意工夫を重ねて、積極的かつ効果的な整備を推進する。

イ 放課後児童クラブ等を実施することを目的とした子育て支援のための拠点施設の整備については、「仕事と子育ての両立支援策の方針」(平成13年7月6日閣議決定)に基づき大都市周辺部を中心に、放課後児童の受入れ体制を平成16年度までに全国で15,000か所とするよう整備を推進する。

ウ 婦人保護施設及び婦人相談所の整備については、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」の施行に対応するため、被害者及びその同伴する家族を受入れるための整備等、入所者の処遇改善を推進する。
 また、児童養護施設や乳児院において家庭復帰後の健やかな親子関係を育む訓練を行うための「親子生活訓練室」の整備を図るとともに、被虐待児童受入れのため、児童養護施設及び情緒障害児短期治療施設の整備を推進する。
 なお、入所児童等の安全性と快適な居住空間の確保についても推進する。

エ ア〜ウのほか、原則として、次の内容のものを優先的に整備する。
・ 施設利用者に対するサービス提供にとどまらず、広く地域に開かれた在宅福祉の推進拠点としての機能を果たすもの。
・ 施設入所者等の居住環境、保健衛生等、処遇の一層の向上を図るため、大部屋解消等の整備を図るもの。
・ 土地の有効活用等を図るもの。
 特に、都市部における用地取得の困難性から施設の高層化、複合化を図るなど高齢者等が利用する社会福祉施設を中心市街地等の利用しやすい場所に整備を図るものや、文教施設等の利用も含め各種施設の合築、併設を行うもの。
・ 過疎、山村、離島等において、適切な入所者処遇と効率的な施設運営が確保できるもの。
・ 地すべり防止危険か所等危険区域に所在する施設の移転改築整備を行うもの。
・ 木材の積極的活用を図るもの
 入所者等の精神的なゆとりと安らぎのある生活環境づくりや資源循環型社会の構築に寄与していくため、施設の木造化、内装等への木材の利用や木製品の利用等その積極的な活用を行うもの。

(5) 社会福祉施設整備業務の再点検について 平成9年3月31日に取りまとめた「施設整備事業等の再点検のための調査委員会報告書」で明らかにしたとおり、各都道府県市が行う契約手続きに準拠、一括下請負の禁止などを補助金の交付の条件とすること等建設工事の適正化、補助金交付対象施設の明確化等の措置を講じ周知徹底を図っているところである。
 各都道府県市におかれては、施設整備業務のさらなる再点検、都道府県部課長会議等での指導の徹底や未然防止策の検討など再発防止対策に万全を期されたい。
(6) 社会福祉施設の防災対策について ア 社会福祉施設の防災対策の取り組み
 社会福祉施設の防災対策については、入所児童等の安全確保の観点から、「社会福祉施設における防火安全対策の強化について」(昭和62年9月18日社施第107号社会局長、児童家庭局長連名通知)等の趣旨を踏まえ、管内社会福祉施設に対し指導を願っているところである。施設の運営上、入所児童等の安全確保は最重要課題であることを再認識いただき、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備の整備及び夜間防火管理体制の整備など、施設における具体的、効果的な防災対策に万全を期すよう管内社会福祉施設に対する指導の一層の徹底に努められたい。
 施設整備費においても、入所児童等の防災対策、処遇改善の観点から、防災対策に配慮した整備を優先的に採択することとしており、また、防災対策に関する事業の拡充等を図っており、積極的な活用を図られたい。
 また、措置費においても、地域住民との連携による合同避難訓練や避難用具の整備等を行う総合防災対策強化事業を施設機能強化推進費のメニュー事業として算入しているところであり、これらの制度の積極的な活用を図り、社会福祉施設の防災対策の充実をお願いしたい。

イ 地すべり防止区域等に所在する社会福祉施設の防災対策について
 地すべり防止区域等災害発生のおそれがあるとして指定されている地域等に所在している社会福祉施設については、「災害弱者関連施設に係る土砂災害対策の実施について(平成11年1月29日社援第212号)」をもって、関係省庁と連携して、社会福祉施設の立地状況を踏まえた総合的な土砂対策を講じるよう通知しているところであるが、各都道府県市におかれても、関係部局との連携を強化し、指定区域等に所在する社会福祉施設の防災対策に留意されたい。
 また、昨年4月に「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」が施行され、新たに土砂災害警戒区域等の指定が行われることになっており、これら区域に係る社会福祉施設の防災対策及び施設の設置についても留意されたい。
ウ 被災施設の早期復旧
 社会福祉施設等災害復旧事務の取扱いについては、「社会福祉施設災害復旧費国庫負担(補助)の協議について」(平成7年3月30日社援施第76号社会・援護局長、老人保健福祉局長、児童家庭局長連名通知)により、災害発生後速やかに福祉基盤課に報告をお願いするとともに、災害復旧事業の早期整備を図り、施設運営に支障が生じないよう指導の徹底をお願いしたい。
(2)児童福祉施設等の運営について

(1) 適正な運営管理の推進
 児童福祉施設等の運営費の運用及び指導については、従来から適正な指導をお願いしているところであるが、運営費の不正使用などの不祥事により社会福祉施設に対する国民の信頼を損なうことのないよう、指導監査の結果を踏まえた運営の指導にあたる等、指導監査担当課等との連携を図り、適正な施設運営について引き続き指導を願いたい。
(2) 安全管理及び事故防止等について
 児童福祉施設等における児童の安全確保については、従来より種々ご尽力頂いているところであるが、昨年、大阪府内の小学校において児童が殺傷されるという痛ましい事件が発生したことに関連し、あらためて児童の安全の確保に関するお願いをしたところである。ついては、児童福祉施設等におけるこのような事件の発生予防や発生した場合の迅速かつ的確な対応が図られるよう「児童福祉施設等における児童の安全の確保について」(平成13年6月15日雇児総発第402号)により引き続き管内市町村及び児童福祉施設等に対する指導をお願いするととともに平成13年度及び平成14年度の特例措置とした「児童福祉施設等の安全管理に関する緊急対策と財政支援について」(平成13年10月18日雇児発第685号、社援発第1837号)による適切な対応を図られたい。
 また、昨年、近年の公園等に設置される遊具での事故報告を踏まえ、児童福祉施設等に設置している遊具での事故について調査を実施し、「児童福祉施設等に設置している遊具での事故の調査結果について」(平成13年10月26日雇児総第49号)により、その結果と留意事項をご連絡したところであるが、引き続き遊具の安全点検の実施を行うほか必要な措置を講じるよう努められたい。
(3) 感染症予防対策について
 児童福祉施設等における感染症予防対策については、従来より特段の指導をお願いしているところであるが、今後も引き続き十分な対応を図ることが必要である。
 特に、インフルエンザの対応については、毎年冬季に流行を繰り返し、患者数の多さや、症状の重篤性から国民の健康に対して大きな影響を与えている感染症であり、さらに、近年は、乳幼児における脳炎・脳症の問題が指摘されているところであり、児童福祉施設等においても十分な注意が必要とされているところである。
 ついては、昨年11月7日に施行された予防接種法の一部を改正する法律を踏まえた「社会福祉施設等における今冬のインフルエンザ総合対策の推進について」(平成13年11月12日社援基発第41号)をはじめ、「社会福祉施設等における結核感染の予防について」(平成11年10月15日社援施第40号)、「社会福祉施設におけるレジオネラ症防止対策について」(平成11年11月26日社援施第47号)等によって、引き続き管内に対して適切な指導を願いたい。
 また、児童福祉施設等における衛生管理及び食中毒予防の徹底についても従来よりお願いしているところであるが、特に乳幼児については腸管性大腸菌等に感染しやすく、また重症化しやすいことから、引き続き特段のご配慮をお願いしたい。

(4) 入所児童等からの苦情への対応について

 児童福祉施設最低基準においては、その行った処遇に関する入所している児童及びその保護者等からの苦情に迅速かつ適正に対応するために、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講じなければならないとされており、これについては、平成13年度予算より、苦情解決対策のための経費として第三者委員会の開催に係る経費を措置費等に計上しているところである。
 今後ともその適正な実施について指導願いたい。

(5) 児童福祉行政指導監査について

 児童福祉行政指導監査については、児童の最善の利益や権利擁護を踏まえた処遇の確保及び不詳事件等の未然防止の観点から、法人及び施設運営の適正化に十分配慮した指導監査を実施する等により、常時その実態を把握し、不詳事件等の発生防止に努められたい。


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