生活衛生課 |
1 生活衛生関係営業の振興
(1)旅館・ホテルにおける生きがい対応型デイサービス
「旅館・ホテルにおける生きがい対応型デイサービス」とは、旅館・ホテルを活用して、家に閉じこもりがちな高齢者、要介護状態になるおそれのある高齢者等に対し、通所による各種サービスを提供することにより高齢者の社会的孤立感の解消、自立生活の助長及び要介護状態になることの予防を目的とする事業である。この事業については、平成13年9月10日健衛第94号生活衛生課長通知「旅館・ホテルにおける生きがい活動支援通所事業の実施について」により運用に当たっての実施要綱を定め、関係機関への周知及び積極的な支援についてお願いしたところである。
厚生労働省としては、平成14年度税制改正の重点項目として当該事業を行う旅館・ホテルに係る固定資産税の減免について要望したところであるが、今般、「各市町村の自主的な判断により減免することができる」旨が総務省開催の都道府県の税制担当者会議において周知されることとなったので、当該事業の実施に関しては、都道府県・市町村の福祉部局のみならず市町村の税制担当部局とも連携の上、積極的な御支援をお願いする。
(2)標準営業約款の登録普及促進
標準営業約款は、現在、理容・美容・クリーニングの3業種について定められており、全国生活衛生営業指導センターにおいて、平成元年度から毎年11月を「標準営業約款普及登録促進月間」と定め、特にこの期間におけるキャンペーンを実施しているところである。
本制度の普及促進のため、ホームページや広報誌への掲載等による広報を行っているところであるが、都道府県、保健所設置市及び特別区においても、約款登録の普及促進のため、地域広報誌への掲載、関係団体への協力依頼等を積極的に実施されるよう御配慮をお願いする。特に、消費者に最も身近な市町村レベルでの広報の活用は、本制度の普及促進にとって効果的であるので、市町村等への要請方御配慮願いたい。
なお、標準営業約款推進協議会を未だ設置していない都道府県においては早急に設置するようお願いする。
(3)振興指針
平成13年度は、飲食店営業(一般飲食業、中華料理業、料理業及び社交業)及び喫茶店営業の振興指針を改正することとし、今後、所要の手続を経た後、官報告示することとしている。
各生活衛生同業組合が作成する振興計画の認定の事務は、今年度から地方厚生局に移管されたところであり、都道府県においては、地方厚生局と連携の上、当該事務が円滑に実施されるよう御協力方お願いする。
(4)国民生活金融公庫の融資制度
資料を参照されたい。
(5)平成14年度税制改正
平成14年度における生活衛生関係営業に関連する税制改正の概要は以下のとおりである。
(2) 公害防止用設備に係る特別償却制度の適用期限の延長(所得税、法人税)
テトラクロロエチレン排出防止装置を備えたドライクリーニング装置及び既存のドライクリーニング装置に装着する活性炭吸着式回収装置を取得した場合、16%の特別償却が認められているが、その適用期限を2年間延長する。
(3) 公害防止用設備に係る課税標準の特例措置の適用期限の延長(固定資産税)
イ テトラクロロエチレン等を含む地下水の水質を浄化する装置について、固定資産税の課税標準が1/3に減額されているが、この適用期限を2年間延長する。
(5) 中小企業新技術体化投資促進税制(メカトロ税制)について(所得税、法人税)
メカトロ税制(対象設備を取得した場合、30%の特別償却又は7%の税額控除が認められているもの。)は廃止されるが、引き続き、中小企業投資促進税制により同様の税制措置の適用を受けられることとなった。
(6) 生きがい対応型デイサービスを実施する旅館・ホテルに係る固定資産税の軽減措置
前述のとおり。
(6)平成14年度生活衛生関係営業経営実態調査
生活衛生関係営業経営実態調査については、生活衛生関係営業の健全な育成、経営者に対する指導等を行うため、地方公共団体の協力を得て昭和39年から実施してきたところであるが、平成14年度以降は、委託先を各地方公共団体から全国生活衛生営業指導センターに変更して実施することとしているので御了知願いたい。
平成14年度におけるこの調査は、一般公衆浴場、氷雪販売業、そば・うどん店の3業種を対象とし、前年同様の7月の実施を予定している。この調査の結果については、取りまとめ次第提供する予定としている。
(1)シックハウス対策
近年、住宅等の室内で、建材等から放散する化学物質を原因とした室内空気汚染等による健康への影響、いわゆる「シックハウス症候群」が問題となっている。これに対しては、平成12年4月に、シックハウス対策関係省庁連絡会議(厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、文部科学省及び環境省により構成)を設置し、関係省庁間で情報交換や政策協議等を行っている。
シックハウスの問題については、様々な要因が複雑に関係していると考えられることから、「原因分析」「健康基準値と測定法の基準」「防止対策」「相談体制整備」「医療・研究対策」「汚染住宅の改修」の6つの柱からなるシックハウス総合対策を関係省庁が連携して推進しているところである。このうち、厚生労働省の主な取組は、以下のとおりである。
これまでにホルムアルデヒド等11物質の室内濃度指針値とTVOC(総揮発性有機化合物)の暫定目標値のほか、「室内空気中化学物質の測定マニュアル」及び「室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き」が策定されているところである。
都道府県等においては、これらを参考として、住民等に対する指導・相談等に当たり御配慮願いたい。
(2) 室内空気中の化学物質による健康影響等に関する研究
平成13年度においては、疫学調査による実態の把握及び原因究明、健康影響の診断治療法等に関する研究を実施している。
(3) シックハウスに関する情報収集、普及啓発及び相談体制の充実
防止対策を推進するため、平成13年6月にシックハウス対策小委員会を設置し、現在、普及啓発のためのパンフレットを作成しているところであり、年度内に自治体等に配布する予定である。また、シックハウスに関する普及啓発及び相談体制の充実を図るため、都道府県等の担当者を対象とした会議を年度内に実施する予定である。
都道府県等においては、保健所におけるシックハウスに関する情報収集、普及啓発及び相談体制の充実について特段の御配慮をお願いする。
平成14年度予算においては、以上に係る経費の他、いわゆる「シックハウス症候群」が疑われる患者の鑑別診断、カウンセリング等を行えるよう、公的医療機関に環境調整室(クリーンルーム)を整備する場合について、新たに補助金を支出することとし ている(医療施設等設備整備費補助金、医療施設等施設整備費補助金。国庫補助率は 1/3。対象の施設整備は1億円程度のものを想定。)。近々に建替えを予定している公的 医療機関やいわゆる「シックハウス症候群」やその類似症候群対策に重点を置く公的医療機関に関してこの補助金が活用されるよう、公的医療機関関係者との相談協議について意を用いられたい。
(2)建築物における防除作業の安全管理
平成12年6月に、ねずみ、こん虫等の防除作業の実施後に建築物の使用者が咳、発熱等の症状を訴えた事例が発生し、その原因は防除作業に農薬を使用したことではないかと指摘されている。このような事態の再発を防止するため、平成13年8月22日健発第855号医薬発第909号健康局長及び医薬局長連名通知「建築物におけるねずみ、こん虫等の防除における安全管理について」により、防除作業における安全管理の徹底について、特定建築物維持管理権原者等に対する指導をお願いしたところである。
同通知の主な内容は以下のとおりであり、適切な防除作業が行われるよう引き続き関係者に対する指導をお願いする。
(2) 殺そ殺虫剤を使用する場合には、薬事法上の承認を受けた医薬品又は医薬部外品を使用すること。
(3) 医薬品又は医薬部外品の容器、被包等に記載された「用法・容量」及び「使用上の注意」を遵守すること。
(4) 防除作業終了後は、必要に応じ強制換気や清掃等を行うことにより、屋内に残留した薬剤を除去し、建築物の使用者又は利用者の安全確保の徹底を図ること。
(3)遊泳用プールの衛生確保
遊泳用プールの衛生確保の基準については、平成13年7月24日健発第774号健康局長通知「遊泳用プールの衛生基準について」により改正を行ったので、本年の本格的な利用の時季までに周知広報や関係者への指導を行い、利用者が安心して新しい基準に従った衛生的かつ快適なプールを利用できるよう対応をお願いする。
なお、改正の主な内容は以下のとおりである。
水質基準: | 濁度及び大腸菌群の基準強化、一般細菌の基準設定、総トリハロメタンの暫定目標値の設定 |
施設基準: | 排水口等における吸い込み防止対策の強化、循環ろ過装置の出口における濁度の測定のための採水栓の設置 |
維持管理基準: | 遊離残留塩素濃度の測定回数の増加、気泡浴槽等におけるレジオネラ属菌の定期的な測定 |
(4)公衆浴場等におけるレジオネラ症防止対策
公衆浴場及び旅館業におけるレジオネラ症の発生の防止を図るため、平成12年12月に衛生管理要領を改正し、レジオネラ症の発生防止が図られるよう営業者に対する指導をお願いしているところであり、引き続き、指導の継続をお願いしたい。なお、指導に当たっては、「新版レジオネラ症防止指針」(平成11年11月)、「循環式浴槽におけるレジオネラ症防止マニュアル」(平成13年9月)等を活用されたい。
(5)試験・許認可等
理容師及び美容師の厚生労働大臣試験が平成12年4月から実施されており、その事務は財団法人理容師美容師試験研修センターに委託しているところであるが、この大臣試験を円滑に実施するためには都道府県の御協力が不可欠であり、今後とも格別の御協力方よろしくお願いする。
(2) 理容師・美容師養成施設
理容師・美容師養成施設の指定等の事務については、平成13年1月6日以降は、地方厚生局において実施されていることから、都道府県においては、地方厚生局と連携の上、当該事務が円滑に実施されるよう御協力方よろしくお願いする。
また、近年、新たに養成施設を設立する者が増加していることにより、関係者から需給調整の観点から新設を抑制するようにとの意見が寄せられることがあるが、そのような観点に立った処分は行政の裁量を超えるものであり、許可・不許可の判断に当たっては指定基準に即して審査することとなっているので、都道府県においては、この趣旨を御理解の上事務の取進め方お願いする。
なお、第3回の理容師国家試験及び美容師国家試験から養成施設別の合格者数及び合格率を取りまとめているので、各養成施設に対する指導に活用願いたい。
(3) クリーニング師の研修受講等の促進
クリーニング師の研修及び業務従事者の講習は、近年のクリーニング技術の高度化等に対応し、クリーニング所の業務に従事するクリーニング師等の資質の向上、知識の習得及び技能の向上を図るため実施されているところである。
都道府県においては、受講の促進につきより一層の御配慮をお願いする。