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(看護課)

1.看護職員の需給見通しについて

 昨年12月に開催された「看護職員の需給に関する検討会」において、平成13年から17年までの新たな看護職員の需給見通しが取りまとめられたところである。各都道府県においては、短期間での需給見通し策定作業に御尽力いただき、厚くお礼を申し上げる。
 全国の需給については、平成13年には供給が需要を約3万5千人下回っているが、平成17年には130万人前後で概ね均衡するものと見込まれている。
 なお、平成17年においても、特に需要数が供給数を大きく上回る都道府県にあっては、特段の看護職員確保対策に取り組んでいただくようお願いする。
 また、検討会からは、需給を巡る課題や需給見通しの策定方法も含め様々な意見をいただいたところであり、今後とも各般の取り組みを進めていくこととしており、各都道府県においても引き続き御協力方お願いしたい。


2.看護職員確保対策について

(1)国民に良質で適切な保健・医療サービスを提供していくためには、資質の高い看護職員を十分に確保していくことが不可欠である。
 このため、「看護婦等の人材確保の促進に関する法律」及び同法に基づく「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」を基盤として、「看護職員需給見通し」(平成3年12月策定)の達成に取り組んできたところであるがさらに、21世紀初頭における看護職員の計画的かつ安定的な確保を図るため、新たな看護職員需給見通しが策定されたところである。

(2)平成13年度予算(案)においては、厳しい財政状況の中、少  子高齢化の進展、医療の高度化・専門分化など看護をめぐる状況の変化に対応し、より資質の高い看護職員の養成・確保を図る ため、離職の防止、養成力の確保、再就業の支援を行うなど、 115億7千万円を計上している。
 特に、医療法の一部改正の円滑な実施に向けた看護職員の養成・確保に重点をおき、新規事業として看護職員就労確保総合支援事業やへき地等の地域における看護婦等養成所に対する支援などの予算を計上しているところである。

主なものとしては、

ア.看護職員就労確保総合支援事業
看護職員の確保が困難な医療機関に対して、専門家による調査、相談等に取り組むなど、看護職員の就労確保に向けた総合的な支援を実施することとしており、地域性、医療機関等の個別性に焦点を当てた看護職員確保対策の一環であることから、各都道府県のより積極的な取り組みをお願いしたい。

イ.看護婦等養成所運営費
看護婦確保に困難を来しているへき地等の地域における看護婦等養成所に対する重点的支援を実施するとともに、准看護婦養成所のカリキュラム変更及び看護婦課程に切換を図る准看護婦養成所に対する支援を実施することとしている。
 また、看護婦等養成所運営費補助金の算定方法の適正化については、看護課長通知(平成11年6月16日看第26号)等に基づき、引き続き補助金の事務の適正化に努められたい。

ウ.看護職員資質向上推進事業
本事業については、看護教員養成講習会、実習指導者講習会、看護職員実務研修事業など資質の高い看護職員の養成に資するための事業であり、より一層積極的な取り組みをお願いしたい。
 また、メディカル・フロンティア戦略の一環として、がん、心筋梗塞、脳卒中、痴呆、骨折患者に専門的な看護ケアを提供するため、新たに専門的看護ケア研修事業を実施することとしている。

 なお、新設の看護婦等養成所等に対する国庫補助の採択に当たっては、各都道府県の看護職員需給見通しの達成状況や看護職員確保対策への取組み状況等を総合的に勘案することとし、採択できない場合もあることを了知されたい。
 具体的な国庫補助採択方針については、別途お知らせする予定で ある。

(3)「看護の心」の普及啓発については、平成3年に制定した「看護の日」及び「看護週間」等を通じ取り組んでいるところである。
 平成13年度の中央行事は、東京都で行う予定であり、各都道府県においても、積極的な取り組みをお願いしたい。


3.准看護婦問題について

 准看護婦問題については、平成8年12月に准看護婦問題調査検討会報告書において、「21世紀初頭の早い段階を目途に、看護婦養成制度の統合に努める」とともに、「一方、具体的な検討を行うに当たっては、地域医療の現場に混乱を生じさせないこと等、国において広く関係者との十分な協議を重ねながら行うこと」が提言されたところである。
 これを受けて、平成10年3月に二つの検討会を発足させ、1年余りの検討を経て、それぞれの報告を得たところである。

◎「准看護婦の資質の向上に関する検討会」報告(11.6.24)
○カリキュラム総時間数を現行の1,500時間から1,890時間とする。
○専任教員数を現行の2人から5人(当分の間3人)とする。

◎「准看護婦の移行教育に関する検討会」報告(11.4.21)

○就業経験10年以上の准看護婦が看護婦になるための移行教育 を5年間に限って実施する。
○国は、移行教育の開始時期について、関係者と十分に協議する。

 これらの検討会報告を受け、准看護婦養成の新カリキュラム等については、平成11年12月に保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則の改正を行ったところであり、平成14年度から施行することとしている。
 また、移行教育については、その修了者に看護婦国家試験の受験資格を与えることから、保健婦助産婦看護婦法の改正が必要であり、その開始時期について、引き続き関係者と調整しているところである。



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