事業主・人事労務担当者のみなさま
従業員への説明ポイント
従業員ごとの状況にあったポイントを用いて、
説明内容を整理・準備しましょう。
取組を行った場合に社会保険に加入した従業員の割合
JILPT「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(2024)をもとに作成
前回の適用拡大(2024年10月)では、加入対象者に対して説明会等の取組を行った企業のうち、7割以上の企業で対象者の半数以上が社会保険に加入し、そのうち約5割の企業で全員が社会保険に加入しまし、労働力を確保することに繋がりました。
- 加入対象者への取組例
-
・
個別の相談、問合せに対応
・概要等についての説明資料を配布
・加入意向についてのアンケートや聴き取りを実施
・社労士等に相談
・適用拡大の概要等の説明会の実施 等
従業員への説明内容のポイント
「チラシ・パンフレット・説明動画」のページに掲載している「社会保険加入のメリット」チラシを使って、対象となる従業員への周知・コミュニケーションを行ってみてください。従業員の状況に応じて説明のやり方を変えてみることも効果的です。
若年層の従業員
- ケガや病気で一定期間働けず会社を休んだ時に「傷病手当金」が受け取れる点や、産前産後休業期間中に「出産手当金」が受け取れる点を説明してみましょう。
- 具体的に受け取れる金額イメージも併せて伝えてみることも効果的です。
高齢層の従業員
- ガンなどの病気やケガで一定期間働けず会社を休んだ時に「傷病手当金」が受け取れる点を説明してみてください。
- 将来受け取ることができる「年金」が増額する点を説明してみてください。
- 具体的な年金額の増額イメージを従業員に持っていただけるよう、「年金額の増額例」を用いて、社会保険(厚生年金保険)に加入すると増える年金額の目安について表を用いて伝えてみてください。
- 医療・年金給付の充実の観点から社会保険加入を説明しましょう。
全従業員(特に加入を迷われている方)
- 社会保険に加入することで、医療・年金のメリットはありますが、一方で社会保険料が新たに発生し、手取りが減ることをデメリットに感じる方もいます。
- 手取りかんたんシミュレーターや公的年金シミュレーターを活用して、社会保険加入による手取りの変化や将来受け取る年金額の変化について試算を勧めてみましょう。「社会保険加入を考える3ステップ」チラシも併用すると効果的です。
「チラシ・パンフレット・説明動画」のページに掲載している「社会保険加入を考える3ステップ」チラシを使って、社会保険に加入した場合と、しなかった場合の手取り額の変化や受け取れる給付(医療・年金)の金額について確認することを従業員に案内してみましょう。
「手取りかんたんシミュレーター」や「公的年金シミュレーター」も活用ください。
Step1
社会保険加入による手取り額(概算/月額)
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社会保険に加入するかしないかで、給料から引かれる保険料が異なるため、手取り額に変化が生じる点を従業員へ伝えましょう。
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社会保険加入前後の手取り額の違いについて、従業員へ「手取りかんたんシミュレーター」を用いて試算してみることを案内してみましょう。社会保険に加入した場合の手取り額の変化を見た上で、今後の働き方の希望確認をすると効果的です。
Step2
社会保険加入による保障の違いについて考えてみましょう。
Step3
ご家族や周りの方にも相談して働き方を考えましょう。
- 配偶者やご家族が勤務されている会社において、「家族手当」や「配偶者手当」等が支給されている場合、社会保険加入により支給対象外となる可能性があるため、該当する手当の支給基準について、配偶者やご家族の勤務先の人事担当まで問い合わせしてもらうよう、従業員へ伝えることが重要です。
従業員説明の実施方法の紹介

- 従業員がアクセス可能な社内のイントラネット、従業員との連絡によく使用するコミュニケーションツール、給与明細等、従業員がよく見る・普段使うツールや文書を活用し、いつでも自由に確認できる、かつ、確認しやすい状況をつくる方法です。
- 従業員の理解度やアクセス状況の確認・分析が難しいこともあるため、コミュニケーションツールによる周知だけでなく、個別面談等、他の周知方法とも組み合わせて実施することで、より周知効果を高めることができます。

- 対象となる従業員向けに、オンラインもしくは対面で直接説明する場を設ける方法です。
- 人事労務担当者や支社・支店の人事労務担当者が企画・実施するほか、社外の専門家(社会保険労務士)に講師を依頼して実施するケースもあります。
- パート・アルバイトの方は労働時間中の説明会参加が難しいケースや、労働時間にもばらつきがあることから、全員が参加できないことを前提に工夫をする必要があります。例えば、オンラインと対面両方の形式で開催する、対面で実施した説明会の様子を後日動画で配信する、動画を事前収録して従業員が視聴したいときに合わせて視聴できる環境を整えるなど他の周知方法と組み合わせて実施するといった工夫が考えられます。

- 個別面談を通じて従業員と直接コミュニケーションをとる方法です。他の従業員の前では個別の事情等で話づらいこともあるため、個別面談を実施することが効果的です。
- また、個別面談では、対象となる従業員が社会保険への加入を希望しているか、希望する理由・しない理由等を確認するケースが多くみられます。その際、従業員が会社でどのように働いていきたいかについて、現在の希望と中長期的なキャリアの希望を確認し、従業員にどのように働いてほしいかについて、対話する機会とすることもできます。
- 対話の内容を踏まえて、企業等としてどのように働いてもらうことが可能か(労働時間・雇用形態等)従業員へ選択肢として提示してみることも検討してみましょう。
従業員の加入事例を参考に、
説明のヒントにしましょう。
長い目でみて、自身のキャリア及び
家計にもプラスになると考え加入を決定
POINT1
社会保険未加入だった非常勤スタッフが、適用拡大を契機に、常勤へ雇用形態を変更し、社会保険加入した。
POINT2
社会保険に加入した場合としなかった場合の手取り額の変化を試算すると、1・2年の短期的には世帯収入が減少することが分かったが、子供が今後成長していくことや、自身のキャリア上、同社にて長く働きたいという思いもあり、長期的な視点に立って、社会保険に加入した。
給与明細とチラシ及び案内文書を
同封して、従業員へ周知
POINT1
従業員へ必ず配布する「給与明細」と、社会保険加入に関する案内文書、厚生労働省が作成したチラシを同封し、対象となる従業員全員へ案内。
POINT2
会社から配布される文書のうち、給与明細はパートタイマーがよく見ているため、目に触れる機会の向上に寄与した。
従業員から寄せられた質問を
社会保険労務士に確認のうえ、従業員へ回答
POINT1
従業員から寄せられた質問のうち、人事担当者において回答内容の検討が難しいものや判断ができないものについて、表計算ツール(Excel等)で一覧化し、顧問の社会保険労務士へ回答いただくよう依頼。社会保険労務士から回答内容が記載された表計算ツール(Excel等)を返送いただき、当該内容を人事担当者から従業員へ返答するという取り組みを推進。
POINT2
専門的な知見が必要な部分については、社会保険労務士の支援を活用し対応することで、円滑に従業員からの質問について回答を行った。



