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2018年7月13日 平成30年度第4回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会

医薬・生活衛生局 医薬安全対策課

○日時

平成30年7月13日(金)16:00~

 

○場所

田中田村町ビル8階8E会議室
(東京都港区新橋2-12-15)

○議事

 

○医薬安全対策課長 定刻になりましたので、平成30年度第4回医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催いたします。本日御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、またお暑い中お集まりを頂きまして、ありがとうございます。本日の調査会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解と御協力をお願いいたします。傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など、留意事項の遵守をお願いいたします。
本日の委員の出欠状況です。佐藤委員より欠席の旨御連絡を頂いており、6名中5名の委員の御出席を頂いておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告いたします。また、本日は山縣参考人におかれましては17時30分頃、山口参考人におかれましても17時50分頃に御退室の御予定とお伺いしておりますので、よろしくお願いいたします。
今回の調査会から、遠藤委員の後任として亀田総合病院薬剤管理部長の舟越先生に委員として御参画を頂くこととなりましたので、御紹介いたします。舟越先生、一言御挨拶を頂きたいと思います。お願いいたします。
○舟越委員 今回から参加させていただきます、亀田総合病院の舟越と申します。中小病院や東大病院を含めて、病院薬剤師を18年やってきましたので、現場の意見として発言ができたらと思います。よろしくお願いいたします。
○医薬安全対策課長 さらに遠藤委員には座長代理を引き受けていただいておりましたが、御退任に伴い、改めて座長の五十嵐先生より、座長代理の指命を頂ければと思います。
○五十嵐座長 それでは、望月委員に代理をお願いしたいのですが、よろしいでしょうか。
○望月委員 承ります。
○医薬安全対策課長 では望月委員に座長代理をお願いできればと思います。望月委員、一言御挨拶を頂ければと思います。
○望月座長代理 遠藤委員の後ということで、私で務まるか少し不安なところもありますが、謹んでお引き受けいたします。
○医薬安全対策課長 引き続き、本日御参画を頂いております参考人の先生方を御紹介いたします。国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部部長の石井先生、日本薬剤師会副会長の乾先生、福岡看護大学基礎・基礎看護部門基礎・専門基礎分野教授の岡田先生、川崎市健康安全研究所所長の岡部先生、日本医師会常任理事の釜萢先生、日本小児科学会から、国立成育医療研究センター臨床研究センター開発企画主幹の中村先生、東京大学大学院医学系研究科教授の水口先生、自治医科大学名誉教授、両毛整肢療護園の桃井先生、山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座教授の山縣先生、ささえあい医療人権センターCOML理事長の山口先生に御出席を頂いております。どうぞ、よろしくお願いいたします。
また、本日御欠席の参考人ですが、日本大学医学部精神医学系主任教授の内山先生、木原記念横浜生命科学振興財団理事長の大野先生、東京医科歯科大学大学院器官システム制御学講座心肺統御麻酔学教授の槇田先生にも、事前に資料の御確認を頂いております。本日は参考人の先生方にも、前回の調査会と同様に、委員、参考人の区別なく自由に御発言を頂き、議論に参加いただくこととしておりますので、御協力をよろしくお願いいたします。
それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事進行は五十嵐座長にお願いいたします。
○五十嵐座長 では早速議事に入ります。初めに事務局から、審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いいたします。
○事務局 議事参加について御報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金等の受取状況を御報告いたします。本日の議題に関して、競合品目・競合企業については、事前にリストを各委員にお送りして確認を頂いておりますが、柿崎委員より、塩野義製薬株式会社より50万円以下の受取、舟越委員より、中外製薬株式会社及び第一三共株式会社より50万円以下の受取、望月委員より、中外製薬株式会社より50万円以下の受取、岡田参考人より、塩野義製薬株式会社及び第一三共株式会社より50万円以下の受取、岡部参考人より、第一三共株式会社より50万円以下の受取、中村参考人より、第一三共株式会社より50万円以下の受取、山口参考人より、中外製薬株式会社及びグラクソ・スミスクライン株式会社より50万円以下の受取と御申告いただいたほかは、受取の御申告がありませんでした。よって、全ての委員におかれまして意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、全ての参考人におかれましても意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。
続いて、所属委員の薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果について、御報告いたします。薬事分科会規程第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨御申告いただいておりますので、御報告いたします。委員の皆様には、会議開催の都度、書面を御提出いただいており、御負担をお掛けしておりますが、引き続き御理解、御協力を賜りますよう何とぞよろしくお願い申し上げます。審議参加に関する遵守事項の説明、薬事分科会規程第11条への適合状況の確認結果の御報告は以上です。
○五十嵐座長 ただいまの御説明について、何か御質問等はありますか。よろしいでしょうか。では、競合品目・競合企業の妥当性を含めて、皆様の御了解を頂いたものと理解いたします。ありがとうございました。
事務局から、今日の配布資料の説明をお願いいたします。
○事務局 議事次第の裏面を御覧ください。配布資料一覧がありますので、こちらを御確認ください。資料1~5まで配布しております。また傍聴の皆様には配布しておりませんが、机上に参考資料1~3、資料4の報告書で示した案に関する文献等を、ドッジファイルにまとめて配布しております。以上ですが、漏れ、乱丁等がありましたら、お申し出ください。
○五十嵐座長 皆さん、よろしいですか。では議題1に入ります。「抗インフルエンザウイルス薬の安全対策について」について、審議いたします。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。
○事務局 今回の議題、抗インフルエンザウイルス薬の安全対策については、本年5月16日に開催をいたしました安全対策調査会において、1度御審議を頂いたところです。その御議論を踏まえ、今回の調査会では具体的な安全対策の在り方を中心に御議論を頂きたいと考えております。
資料1を御覧ください。資料1の表には、抗インフルエンザウイルス薬の安全対策に関する経緯を記載しております。裏面には、5月の調査会での議論の方向性等を書かせていただいておりますので、簡単に説明いたします。表の「経緯」を御覧ください。1つ目の○は、先生方は御存じかと思いますが、平成19年にタミフルを服用した中学生の転落死が大きく報道をされました。それを受けて、タミフル服用と異常行動との因果関係は不明であるものの、異常行動の発現のおそれについて、医療機関へ注意喚起を行いました。また併せて、添付文書の警告欄に予防的措置として、10代患者への原則使用差し控え措置というものを記載いたしました。それを受けて、平成21年にタミフルの服用と異常行動等との関係に関して、この安全対策調査会及びその下に設置されたワーキンググループにおいて、報告書を取りまとめました。その結果、やはりタミフルと異常行動との関係に明確な結論を出すことは困難とされ、タミフルの10代患者への原則使用差し控え措置は継続されております。
一方、タミフル以外の抗インフルエンザウイルス薬(リレンザ、ラピアクタ、イナビル)には、現状10代の患者に対する原則使用差し控え措置はなく、異常行動の発現のおそれに関する注意喚起のみが添付文書の重要な基本的注意の項目に記載されているということで、タミフルのほうが他の抗インフルエンザウイルス薬よりもより強い注意喚起が行われているのが現状です。
平成21年以降も、毎年、前年のインフルエンザ流行シーズン中の異常行動などの副作用報告状況、あるいは岡部先生に行っていただいている疫学調査の結果なども踏まえ、1年ごとに安全対策の在り方をこの調査会で審議をしてまいりました。しかし、タミフルの10代患者への原則使用差し控え措置を含めた安全対策措置は、継続という結論になっておりました。一方、その間に約10年分の知見も蓄積してまいりましたので、抗インフルエンザウイルス薬の総括的な議論も必要だという御意見も頂いていたところです。
こういった経緯を踏まえ、平成21年に1度取りまとめた報告書以降の知見を整理し、前回5月16日の安全対策調査会にて抗インフルエンザウイルス薬の今後の安全対策の在り方について御議論を頂いたところです。
裏面は、実際、前回5月16日の安全対策調査会でどのような議論がなされたかを文字に起こしたものが、2番になります。1つ目は、平成21年以降の知見を総括して、以下2点について分かりました。タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係があるとは言えないということを確認されました。具体的には、抗インフルエンザウイルス薬全ての種類にかかわらず、また飲む、飲まないにかかわらず、インフルエンザ罹患時には異常行動が発現するということ。それから、タミフル、また他の抗インフルエンザウイルス薬ともに、発現頻度は10代と、それよりも小さい子たちとでも、明確な差はないであろうというような御意見を頂いております。
続いて、2つ目の○です。こういった状況を鑑みれば、タミフルを含め、異常行動との因果関係の否定は困難であり、因果関係はいまだ不明という状況ではありますが、タミフルのみに積極的に10代患者への原則使用差し控えの措置を取るという必要性は乏しいのではないかという御意見を頂きました。
3つ目の○、今後の注意喚起の在り方ですが、タミフルの10代患者のみに強い注意喚起をするということではなく、全ての薬剤に共通して、インフルエンザ罹患時の患者全般に異常行動のリスクがあるということを注意喚起するということで、より一層医療関係者、あるいは保護者の皆様への周知徹底を図るべきというような御議論を頂いたところです。
その際に、全ての抗インフルエンザウイルス薬で整合性のある注意喚起とすべきという意見を頂いております。その理由としては、タミフルのみに強い注意喚起を行っているという状況が、他の薬剤がタミフルよりも安全だという誤った認識を持たれる懸念があるのではないかというのが1点目です。2点目は、学会のガイドライン等でも、重篤な患者さんにはタミフルの必要性が指摘されていることから、治療機会の損失につながるのではないかというような御意見も頂きました。
3番の「今後の予定」です。今説明しました5月の調査会の議論を踏まえ、今回のこの調査会では、具体的な対応案を御議論いただきたいと思っております。その結果を踏まえ、できればこの冬のインフルエンザ流行シーズンには、見直し後の注意喚起が徹底されるように準備を進めてまいりたいと思っております。具体的な対応案として、本日御議論いただきたい点は、大きく2点あります。1点目は、添付文書の具体的な改訂案です。後ほど、具体的な内容は説明いたします。2点目が、異常行動に関するインフルエンザ罹患時の注意喚起の方策です。前回も学会等の協力の下、注意喚起をするということを御指摘いただいておりましたので、本日は日本小児科学会の中村先生にもお越しいただいておりますが、そういった学会の協力の下、注意喚起資材を作成するに当たって、どのような文案がよいかというようなところを、本日御議論を頂きたいと思っております。
続いて、具体的な添付文書、あるいは注意喚起の資材の議論に入る前に、前回の調査会で御指摘を頂いた点を踏まえ、資料4の報告書を事務局で修正をしております。前回頂いた御意見として、各論文の著者の見解と、調査会としての判断の切り分けが明確でなかった、あるいは、各論文の記載の方法が統一されていないというようなことが御指摘としてありましたので、それを資料4のように修正をさせていただいております。資料4は修正を反映したバージョンになっておりますが、委員、参考人の先生方には参考資料2として、前回からの修正履歴付きのものもお示しをしております。この報告書案については、事前に先生方にも御確認を頂いておりますので、詳細な説明は省略いたします。
○五十嵐座長 まず資料1については、経緯と、抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論(5月16日)の方向と、今後の予定をまとめていただきましたが、これについてはいかがでしょうか。これでよろしいでしょうか。
○水口参考人 10代の患者のみに強い注意喚起を行う状況は、10代を特別扱いしてはよくないということです。しかし、一般の異常行動が全て生命の危険を伴うわけではなくて、やはり問題になるのは飛び降り、飛び出しといった生命の危険を伴う重度の異常行動であって、それが10代の男性に多いということは間違いないのです。特に事故の予防の点からは、この点を重視すべきであって、異常行動一般の議論と生命の危険を伴う重度の異常行動の話をごっちゃにして、余り重度の10歳代の男性に関する知識の啓発なり警告が薄まってしまうことは、事故予防の観点からよくないのではないかと思いますので、そこはある程度アクセントが付くようなまとめ方が必要だと考えます。
○五十嵐座長 具体的に言いますと、どこをどのようにしたらよろしいですか。この経緯と方向性。
○水口参考人 インフルエンザ罹患時の患者全般に幅広く異常行動のリスクがある旨の注意喚起を強め、というのは、いいのです。しかし、その中でも特に10代男性が危険であるということが、いろいろな患者や医療従事者に対することの中で、そのことが明確に記載されているような形にすべきだと考えます。
○五十嵐座長 そのような意見を頂きました。実際、岡部先生のレポートですと、確かに10歳代の男の子に多いのですが、8、9歳の方も多かったですよね。
○水口参考人 もちろんそうですが。
○岡部参考人 発生としては、小学校入学前後ぐらいから始まっているので、私はむしろ注意喚起が今までの影響で、その年齢層にいかないと、放っておくとやはり小学校の子どもたちも異常行動から重大事故に結び付く可能性があると思います。つまり、事象としては同じような事象が低年齢層でも起きているのですが、結果として10代のほうが重くなっていると私は思うので、そうであるならば、やはり10代だけではなくて、注意喚起としては、異常が起こりやすい年齢層全般に注意をしたほうがいいのではないかと思います。
○水口参考人 重い軽いの違いなのか、実際に一言に異常行動と言うけれども、幾つかのヘテロジニアスな異なるものが混じっているという可能性は十分考えられます。いわゆる幼児期に多い熱せん妄といわれるものと、10歳代に起きる飛び出し、飛び降りが同じ病気とは思えませんので、単なる程度の違いとは考えにくいですし、やはり明らかな性差は10代ではありますし、幼児期にはないわけです。もう1つは、幼児が熱せん妄になったからといって死亡に至るようなことはまずないわけですが、飛び降り、飛び出しのほうは生命の危険に直結するわけですから、やはりこれらの違いが余り不明確になると、10歳代の男性と2歳の女の子とが同じ程度に気をつければいいというものではないので、そこはある程度特に危ないポピュレーションがはっきりする方向に記載すべきだと考えます。
○岡部参考人 多分、注意をするという到達点は同じことを言っているのだと思うのですが、先生、幼児とおっしゃいましたが、幼児は違うのです。ただし、10代ではなくて、小学校に入る6、7歳辺りから起きるということなので、幼児は私もある程度外していいと思うのですが、10代だけに限定すると小学校の前半部が落ちてしまうので、そういう意味での注意喚起は必要だろうと考えております。
○水口参考人 ですので表現としては、10代にこだわりませんので、小学生から高校生ぐらいと書いていただいても結構ですが、そこは線の引き方はあれですが、少なくとも全年齢で同じであるというような印象を与えるのはよくないと思います。
○桃井参考人 資料2に関わってもよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 結構です。どうぞ。
○桃井参考人 今のことと関わりますが、実際に目に触れるのが資料2の添付文書ですので、そこで「なお異常行動については小児・未成年者の男性で報告が多いこと」と書いてあります。実際に異常行動で、結構走り出したりする男女比は3対1ですが、それが大きな生命に関わるリスクにつながってしまうのは、圧倒的に男性が多いです。ここは読む方にとって、いや、女の子は余り起きないのだなどという誤解を招いてもいけませんので、「飛び降りなどの生命に関わる重度の異常行動については」などの説明が必要かと思います。それをお書きいただくと、小児・未成年者の男性で報告が多いということに注意が喚起されてよろしいかと思います。
もう1つ、この添付文書についてですが、資料1ではきちんとなっていたのですが、抗インフルエンザウイルス薬の種類又は服用の有無にかかわらずというよりも、この文書を読みながら、頭の中でスッと理解するためには、「抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は薬の種類にかかわらず」が適切であろうと思います。ここが全部逆になっているので、まず人がこれを聞いて種類を思い浮べて、どれを飲んでも起きるのだ、飲まなくても起きるのだという理解よりは、ここが逆のほうが、単純に頭の中に入って正しく理解されやすいと思いました。
○五十嵐座長 例えば今の御指摘を踏まえますと、水口先生、資料2の「飛び降りなどの重度の障害を来す異常行動については、小児・未成年者の男性で報告が多いこと」という記載でよろしいですか。先生のおっしゃっている10代、あるいは小学生以上が危険だという御指摘があったわけですが、ここに先生の思いを。
○水口参考人 いや、6歳から10歳代の男性でというようなことで、よろしいのではないですか。
○五十嵐座長 そのように、もう少し詳しく書いたほうがいいということですね。
○水口参考人 はい。異常行動についてはというのを、ただの異常行動ではなくて、やはり。
○五十嵐座長 飛び降りなどの重度障害という語句を加えるようにと、桃井先生から御指摘いただいています。委員の先生方、いかがですか。そのような修正を加えたほうがいいかもしれないということですが、よろしいですか。ありがとうございます。では、資料1は少し修正をすることを考えたいと思います。その反映は、資料2で後ほど御討議いただきたいと思います。資料1の思いを資料2に反映することを考えたいと思います。それから資料4については、前回の報告書に対していろいろと御意見を頂きました。それを修正したものとして、今日、資料4が出ておりますが、これについて御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。既に事前に見ていただき、詳しく評価を頂いておりますが、委員の先生方はよろしいですか。では、修正した資料4については、これで御了解を頂きました。ありがとうございました。今日は資料1のまとめを踏まえ、情報提供の在り方や情報提供の内容について、この調査会で御議論を頂きたいと考えています。引き続き、事務局から説明をお願いいたします。
○医薬安全対策課長 資料2の説明の前に、先ほどの資料1の修正部分について、この場で確認を頂いたほうがよろしいかと思いますので、事務局から修正する内容について読み上げます。資料1の裏面の2、抗インフルエンザ薬と異常行動の議論の方向性の○の3つ目「今後は」で始まる部分です。「今後は、タミフルの10代の患者のみに強い注意喚起を継続するのではなく、いずれの薬剤の服用も含め」のあとですが、「生命に関わる重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年の男性での報告が多いことを踏まえ、インフルエンザ罹患時の患者全般に広く異常行動のリスクがある旨の注意喚起を強め、より一層医療関係者、保護者への周知徹底を図るべきである」という形に修正させていただいてはいかがでしょうか。
先ほど、桃井先生から御指摘を頂いた資料2の添付文書の修正については、このあと添付文書の議論をさせていただきますので、その際に修正内容を確認させていただきます。
○五十嵐座長 2の3つ目の○の2行目の「服用時も含め」のあとに、今の言葉が挿入されましたが、それでよろしいですか。では、そのように修正いたします。ありがとうございました。
既に少し議論が始まっているのですが、資料2の添付文書の改訂と、資料3の情報提供資材の案について、御説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料2の「添付文書の改訂(案)」の資料の見方ですが、一番左に添付文書の中の項目、どの項目に書くかを記載しており、真ん中のカラムがタミフルに関する記載、その右側がタミフル以外の抗インフルエンザウイルス薬の記載ということで御覧いただければと思います。
まず、現状、タミフルの10代への原則使用差し控え、あるいは異常行動の注意喚起が記載されている警告欄については、全ての抗インフルエンザウイルス薬で関連記載を削除する案としております。
それから、次のタミフル以外の抗インフルエンザウイルス薬で、異常行動の注意喚起が現状記載されている重要な基本的注意の項目です。まず、1つ目として先ほど桃井先生から御指摘を頂きましたので、その修正を反映して読み上げたいと思いますが、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無、又は薬の種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されているということで、インフルエンザにかかったときの注意喚起というものをここに記載しております。
次に「異常行動による」から始まる所ですが、これは現状も記載をしておりましたけれども、現状の記載では「少なくとも2日間、保護者等は子供を1人にしないこと」というような書きぶりになっており、その部分が現実的ではないという御指摘も頂いておりましたので、修正案としては「保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること」としております。
最後の所で、これが前回報告書の中でも出てきた、この10年間の知見から得られた情報ということで、異常行動の起こりやすい所を記載しておりますが、先ほどの議論も踏まえると、例えば、「就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多い」と記載し、後半は「発熱から2日間以内に発現する傾向がある」ということを記載させていただければと思っております。
それから、重大な副作用の項目です。タミフルに関しては、現状、既に、異常行動を含む精神・神経症状について重大な副作用の所に記載があります。これについては、異常行動に関して因果関係は不明であるという結論を前回いただいたという認識をしておりますので、異常行動は因果関係が不明だということが、明確になるような形で、「因果関係が不明であるものの、転落等に至るおそれのある異常行動が現われることがある」と記載を整備しております。
隣のカラム、リレンザ、ラピアクタ、イナビル、ゾフルーザ、アビガンですが、これは現状、重大な副作用に関連記載はありませんが、今回、タミフルのほうで異常行動に関する記載を整備し、前回の御議論でも全ての抗インフルエンザウイルス薬で整合性のある注意喚起とすべきというような御意見を頂きましたので、ここにも異常行動に関する注意喚起を同じ書きぶりで記載することを御提案しております。
そして最後、一番右のアマンタジンについては、少し特殊な書き方になっておりますが、もともと効能がインフルエンザに限らないものですので、少し書きぶりが異なっておりますけれども、今回御議論いただいているのは、インフルエンザにかかったときということですので、A型インフルエンザウイルス感染症に本剤を用いる場合に関してという留保を付けた上で、先ほどの、ほかの剤と同じ異常行動に関する注意喚起を記載しております。
続いて裏面です。重大な副作用(類薬)という項目については、現状はラピアクタとアビガンのみにタミフルを類薬として見た精神・神経症状、異常行動を含む精神・神経症状の記載があります。先ほど御提案したとおり、全ての抗インフルエンザウイルス薬で異常行動を本薬の記載のほうに移しますので、こちらの類薬の記載は異常行動を削除させていただければと思っております。
最後、その他の注意の項目です。タミフルのみに記載する文言を御提案しておりますが、前回の調査会で水口先生から御意見を頂いていたかと思いますが、報告書の中にも記載しております2017年の福島先生の論文の内容を記載しており、インフルエンザに罹患した日本人の18歳未満の患者(28名)を対象として行われた自己対照研究において、発熱から2日間の期間と重複するものの、タミフル投与の初回投与から最高血中濃度到達時間までの期間内で、投与しない部分に比べ異常行動の発現リスクが高いという報告がありましたので、その内容をその他の注意に記載しております。
続いて、資料3です。資料3の表は医療従事者向けの情報提供資材のイメージで、裏が患者さんあるいは御家族の方への情報提供資材のイメージです。前回の調査会の中で、情報提供をするに当たり、こういった調査会のような場で、中身の文言はコンセンサスを得た上で、それを基に製造販売業者なり、学会なりから周知をしていただくのがよろしいであろうという御意見を頂いておりましたので、今回、文字だけの情報にはなりますけれども、最終的には製造販売業者あるいは学会なりからデザイン等も付けた上で、皆さんに情報提供をしていただくというようなイメージで見ていただければと思います。
内容ですが、まず、表の医療従事者のほうですが、一番最初に異常行動による転落等の事故を予防するためのお願いということで、ここも先ほどの桃井先生の御指摘を踏まえると順番を逆にすべきかと思いますけれども、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や薬の種類にかかわらず、異常行動に関連すると考えられる転落死等が報告されているということを書かせていただいた上で、添付文書にも記載した異常行動の起こりやすい所、①②と記載しております。その下に異常行動の具体的な例を記載した上で、最後の所に対策、添付文書で転落等の事故に対する防止対策を講じると書いておりますので、それの具体的な対策も含めた記載をしております。
それから裏面、患者さん御家族向けです。この資料については、事前に小児科学会あるいは小児科医会にも御相談しており、そのときに頂いた御意見として文字が多いと読んでくれない患者さんも多いということで、一番最初により注意喚起をすべき所を3行のメッセージにまとめております。そこには、インフルエンザにかかったときは飛び降りなどの異常行動を起こすおそれがある。特に発熱から2日間は注意するようにという記載を書いた上で、具体的な対策として窓の鍵を確実に掛けるなど、対策を徹底してくださいという記載をしております。その下の内容については、基本的には医療従事者向けと同じ内容になっております。以上で御説明を終わります。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。今回、この資料5がありますが、これは日本小児科学会から抗インフルエンザウイルス薬の安全対策に関する見解を頂き、会長の高橋先生からの見解がここにまとめられています。今、御説明いただいた資料3の情報提供の内容については、この日本小児科学会と日本小児科医会から御協力を頂いて作成されたものです。今日は参考人として小児科学会を代表して中村先生にお出でいただきました。情報提供の内容と資料5の学会としての見解等について御説明を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
○中村参考人 資料5を御覧ください。高橋会長名で安全対策課長佐藤様宛てに出された見解ですが、小児科学会の中で薬事委員会のみならず、予防接種感染症対策委員会でも併せて検討し、正式な手続を経て発出されたものです。この見解の上の2段落は過去の経緯ですので割愛させていただき、3段落目に日本小児科学会としては、タミフルの10代の患者に対する原則使用差し控えは必要性に乏しく、他の抗インフルエンザウイルス薬と同様の注意喚起に備えるべきという意見に賛同すると。その理由は、10代においても手技的あるいは機能的な理由等により吸入が困難な患者が存在し、ドライシロップという剤型のあるタミフルの小児における必要性は高いということ。もう1つは、インフルエンザによる異常行動があるのは事実であることから、投与の有無、種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には異常行動に対するより一層の注意喚起が必要であり、医療関係者及び保護者等に対する周知のための情報提供の在り方を検討すべきという意見に賛同するということで、学会としても、情報提供資材の作成に専門的立場から協力するというものであります。
その前の資料ですが、特に小児科医会の先生方にかなり細かく見ていただいており、やはり忙しい外来の場で明確なメッセージを伝えるために、ブレットポイントで出したほうがいいだろうということで、それを踏まえてこういった形になっていると理解しております。医療現場で医療従事者から説明する場合と、それ以外の配布資料というのは少し内容を変えたほうがいいのではということで、この2種類になっていると理解しております。以上です。
○五十嵐座長 どうもありがとうございました。ではまず、この添付文書の改訂(案)の資料2に基づいて、もう既に御指摘も頂いておりますけれども、改めて御議論いただきたいと思います。いかがでしょうか。では水口先生、先に。
○水口参考人 先日、厚労省の方が事前の説明にお見えになったときにも、お話はしたのですが、この添付文書の重大な副作用の真ん中の欄のリレンザ、ラピアクタ、イナビル、ゾフルーザ、アビガンの上段のリレンザ、ラピアクタ、イナビルについてはこれで全く同意ですが、ゾフルーザとアビガンに関しては、まだ発売されたばかりの薬で、実際にこういう異常行動は現れたことはないと思いますので、このままの文書でいいのかというのが、表現をもうひと工夫する必要があるのではないかと感じました。その点は御検討いただければと思います。
○五十嵐座長 そういう意見ですがいかがでしょうか。それについてどうぞ。
○事務局 よろしいですか。今いただいた御意見についてですが、まずゾフルーザについては、多少は前のインフルエンザシーズンに既に使われており、実際に重篤ではないものの、異常行動という事象が起きているという状況です。
○水口参考人 転落等に至るおそれのある異常行動ではない。
○事務局 そこまでは至っていませんが、それに類するような異常行動は起きているという状況です。それから確かに御指摘のとおりアビガンについては使用されておりませんので、そこは実際に出ていないという状況かと思います。
○五十嵐座長 先生、どうぞ。
○岡部参考人 まず1つは同じことを申し上げようと思ったのですが、ノイラミニダーゼ阻害薬ではないゾフルーザでも異常行動の報告が出ているということは、正に薬の種類・有無にかかわらず発生があるという所に関わると思うのです。ただ、このときに言いたいことは、主語がないのが問題です。主語というのかな、タイミングが書いていないので、これはインフルエンザ罹患時には、こういうことが起きるからという一項が多分消えているので、そこの誤解が出てくるのではないかと思います。
○五十嵐座長 そうすると「インフルエンザ罹患時には」という言葉を入れたほうがいいという、そういう御指摘ですか。
○岡部参考人 はい、そうです。リレンザ、ラピアクタ、イナビル、ゾフルーザ、アビガンと書いてありますが、「異常行動:」とあり「インフルエンザ罹患時には因果関係は不明であるものの、これこれの異常行動があるので注意すべきである」というような書き方のほうが今までのデータから言えば、より正確ではないかと思うのです。
○五十嵐座長 それではどうですか、それについて水口先生。
○水口参考人 それだったらインフルエンザ罹患時には薬剤の服用の有無にかかわらずともう書いてしまったほうが、むしろ。
○五十嵐座長 種類にかかわらずですね。
○水口参考人 ええ、でも、それを重大な副作用という欄に書くのがいいのかどうか、少し矛盾を感じるのですが。
○山口参考人 今のお話ですが、重要な基本的注意に、既にその文言が入っているのに、再び重大な副作用で繰り返すというのは、おかしいように思いました。
○五十嵐座長 そうですね。2度説明する必要があるかどうかですね。どうぞ。
○岡部参考人 先生がおっしゃるように、通常は添付文書の重大な副作用の所は薬に関係するか、あるいは関係するかもしれないことを書くのですけれども、これは非常にユニークな書き方なので例外的だと思うのです。ただ、今までの歴史的なというか、この10年間の経緯を踏まえれば、こういった書き方もやむを得ないだろうと思い、私は承知をしたのです。
○五十嵐座長 いかがでしょうか。事務局はどう思いますか。
○医薬安全対策課長 ありがとうございます。確かに、御指摘のように「重要な基本的注意」に服用の有無や種類にかかわらずと書いてはあるのですが、岡部先生の御趣旨も理解できるところではありますので、アマンタジンなどの他の薬剤もあり、全体に記載に統一感を持たせ、「インフルエンザ罹患時には」を入れることによって、分かりやすくなるということであれば、通常はないですが、重大な副作用の所に「異常行動:」があった後に、「インフルエンザ罹患時には因果関係は不明であるものの、転落等に至るおそれのある異常行動が現われることがある」という形で、この「因果関係は不明であるものの」の前に、「インフルエンザ罹患時には」を挿入することで、事務局的にはよろしいのではないかと御提案いたします。
○五十嵐座長 ありがとうございます。そういう意図でここに残したいということですけれども、よろしいですか。
                                   (異議なし)
○五十嵐座長 はい、ありがとうございます。続けてどうぞ。
○桃井参考人 裏面のその他の注意です。前回、議論があったことは承知しておりますが、この論文の最も大きな問題は方法論であって、セルフ・コントロール・ケース・スタディという方法を使って薬と異常行動の頻度や関連性について述べたもので、結論を出すには、基本的に不適切な方法論を使っていると思うのですが、そういう意味で筆者が出したかった結論に関してのエビデンスレベルの非常に低いものを、ここにわざわざ一論文挙げなければいけない必然性は特にないように思うのです。
特に2日ということに関しては、一番最初の重要な基本的な注意に書いてありますので、このレベルの論文をここに掲載する必然性が私には理解できないのです。
○五十嵐座長 そのことですね、はい、どうぞ。
○山口参考人 私も今の所で、筆者御自身が確か因果関係が明確でないなど否定されるようなことをおっしゃっているというか、書かれていると聞いていますので、筆者自らがおっしゃっていることを添付文書という影響力の強い所にわざわざ書くということは、避けたほうがいいのではないかと思います。このその他の注意は削除したほうがいいのではないかと思っております。
○五十嵐座長 ありがとうございます。福島先生の論文をあえて掲載しないほうがいいという御指摘です。どうぞ。
○水口参考人 でも、データそのものは嘘ではないはずで、この添付文書というものは因果関係が確実かどうかということは別として、今まで出てきたことは記載するというのが原則と理解していますので、多少、この論文に関する評価を書き加えてもいいとは思いますが、でも、書くことは悪くないのではないか、ここに書くべきではないかと考えます。
○五十嵐座長 はい、委員の先生方はいかがですか。どうぞ。
○石井参考人 その他の注意に、この論文を加えることについてですが、私も桃井先生、山口先生と同じく、必要はないと考えております。本日の資料4の17ページに論文の要旨が引用されていますが、そこでは「Fukushimaらは、異常行動がタミフル初回服用からTmaxまでの期間に約30倍発現しやすいことが示されたが、この期間は高熱が観察されるインフルエンザの初期と重なっていること、インフルエンザの発症経過の影響を制御する有用な方法がないことから、インフルエンザ自体による異常行動を否定できないとし、SCCS(自己対照ケースシリーズ)手法は、タミフルと異常行動との関連を評価する適切な方法ではないとしている」と論文の結論が書かれています。
論文を確認しましたが、確かにそのような結論が書かれています。この論文で示されている解析結果自体は有用なものだと思いますが、わざわざこの一報をここに引用する必要は、あえてないと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。委員の先生方はいかがですか。どうぞ。
○望月委員 私もあえてその他の注意に書く必要はないという意見です。ただもし、あえて書くとしたら、著者本人もお認めになられているように、このスタディがかなりの課題のあるデザインのスタディであったという事実が伝わるようにデザインも含めて書く必要があると思います。基本的には今回のこのケースでは書かなくてもよろしいのではないかと思います。
○五十嵐座長 はい、ほかにいかがですか、先生方。どうぞ。
○伊藤委員 私も先生方の御意見と同じですが、服用してからTmaxが4、5時間ということで、それまでの期間と区切られているのですが、吸収されて一番血中濃度が高くなるまでの時間と、それ以降の時間とで比較したときに、もし本当に吸収されるまでの時間に異常行動が多いとすれば、それは少し不自然な感じもしますので、そういう意味でもこの記述だけ見たときに少し、何となく違和感を感じるように思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。その他はいかがですか。参考人の先生方は何か御意見はありますか。そうしますと、この論文は確かにタミフルのみ危険であるように見えることや著者自身も投与と異常行動の因果関係を議論できるデザインにはもともとないと述べているという点から、あえてここに出さないで削除したほうがいいという御意見が多いようです。削除してもよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○五十嵐座長 よろしいですか。では、タミフルに関するその他の注意は削除したいと思います。ありがとうございました。では、添付文書の改訂案の議論は。どうぞ。
○岡部参考人 もう1つなのですが、1枚目の重要な基本的注意の②の所で、自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、防止対策を講じることとありますが、これはいつからかが不明確なので、これは書いておいたほうがいいのではないかと思います。一方では後で議論になるとは思いますが、資料3は逆に「少なくとも」が抜けたりしているので、そこは統一を図ったほうがいいと思います。
○五十嵐座長 この点は医療機関を受診してからですか、それとも発熱が始まってから、どちらでしたか。どうぞ。
○岡部参考人 私たちの調査成績でお示ししたのは発熱から2日間です。
○五十嵐座長 発熱から。
○岡部参考人 ただ、その2日間でスパンと切れているわけではないので、3日間でも出るときもありますし、極端なことを言うと4日目で出ることもあるけれど、割合があくまで1、2日目に集中しているということなので、その辺の表現を入れていただかないと、2日間たったらもういいんだというわけでもないので、一番リスクのある所を気を付けるという意味では、「少なくとも」発熱から2日間が正しいと私は思います。
○五十嵐座長 どうぞ。
○山口参考人 私たち電話相談を受けているグループでもあるのですが、実際に今、いつから2日ですかという相談が複数届いており、それを入れていただくことは、とても重要だと私も思います。
○五十嵐座長 そうすると、発熱の出現からという言葉を入れたほうがいいということですね。出現から少なくとも2日間と修正したほうがいいという御意見ですが、これについてはいかがですか。参考人の先生方あるいは委員の先生方、それでよろしいですか。
                                   (異議なし)
○五十嵐座長 はい、では御指摘いただいたように、ここについては「発熱の出現から少なくとも2日間」という文章に修正したいと思います。それでよろしいでしょうか。
                                   (異議なし)
○五十嵐座長 はい、ありがとうございました。どうぞ。
○岡田参考人 それ以外のことでもよろしいですか。
○五十嵐座長 結構です。資料2全般について御意見を戴きます。
○岡田参考人 異常行動という単語ですが、何も前に修飾語の付いていない異常行動と転落に至るおそれのある異常行動というのが、全体の文章の中でも混在しているような気がします。転落に至るおそれのあるような異常行動が、水口先生も最初に言われたように、重篤な死亡に至るようなものを異常行動として書かれているのであれば、異常行動の前に枕詞を付けないと、混乱が起きそうな気がします。ご検討ください。
○五十嵐座長 どうぞ。
○医薬安全対策課長 どうもありがとうございます。先ほどの資料1の所で修正をした所と関係するのですが、例えば、この重要な基本的注意の中で、異常行動を裸で使っている所が何箇所かありますが、その異常行動を説明している所で、このなお書き以降の部分で、今、「なお、異常行動については」、先ほど説明したように、就学以降の小児・未成年と御説明しておりますが、この「なお」の後ろに、生命に関わる重篤な異常行動についてはという形で、異常行動の重篤なものであり、その転落等に至る生命に関わるようなものというのを明確に書いたほうが今の御趣旨には合っているのではないかと思いますので、そのように修正させていただくということでいかがでしょうか。
○五十嵐座長 これは先ほど桃井先生からそのように御指摘を頂いているので、この点については修飾語が付いているわけですが、ほかの所は一般的な異常行動と理解していいわけですね。例えば、重大な副作用の異常行動、下線部が引いてあります。それから、リレンザについても異常行動(頻度不明)、アマンタジンも異常行動(頻度不明)、これは一般的な異常行動と理解すればよろしいですね。
○医薬安全対策課長 一般的な全般の異常行動と、特に2日間注意を要するような重要な基本的注意に書く、より重篤かつ注意を要するものという所を二段階に書いているような形になるのだろうと思います。
○岡田参考人 そのほうが分かりやすいと思います。そういう意味では資料2の重要な基本的な注意の下線を引いてある、「なお、異常行動については」というのは、これは水口先生が御指摘のように枕詞が必要だと思います。
○五十嵐座長 ありがとうございます。
○医薬安全対策課長 という形で修正させていただきます。
○五十嵐座長 はい、ありがとうございました。そのほか資料2についてはよろしいですか。はい、それでは引き続き、資料3について御議論いただきたいと思います。どうぞ。
○水口参考人 資料3は明らかに転落等の事故予防のためのパンフレットなので、ここで言う異常行動は、先ほどから問題になっている、生命に危険を及ぼし得る重度の異常行動です。長くてあれなのですが、少なくとも重度の異常行動ということを明確にしないと、異常行動という言葉が出る場所によって意味がどちらかに変わっているというのは、混乱を招くので良くないと思います。少し長くなり字が増えますが、ここには重度の異常行動であるということを示すべきだと考えます。
そう思って見たときに、資料3の異常行動の例で、上のほうの突然立ち上がって部屋から出ようとする以下の幾つかは明らかに生命に危険を及ぼし得るものですが、だんだん下のほうにくると、「突然笑い出し階段を駆け上がろうとする」「自宅から出て外を歩いていて話し掛けても反応しない」「変なことを言い出し、泣きながら部屋の中を動き回る」という、この下の3つはどうかと思ってしまいました。岡部参考人のスタディーでは、この辺りも重度の異常行動に含めていらっしゃったのでしょうか。
○岡部参考人 重度には分類しておらず、こういう報告があるということです。ただし、重度の場合でも軽症のものを含めても、その傾向に変わりないということがあります。しかし、これは重度のほうには入れていません。あくまで、重度は放っておくと危ない、というものです。ただ、放っておくと危ないという判断はその先生がおやりになっているので、客観的に本当に危ないかどうかということは分かりません。
○中村参考人 医薬安全対策課から小児科医会の神川先生に説明に上がった際に、神川先生の御意向を一緒にお聞きしました。とにかく忙しい中で分かりやすく家族に説明したいと。例えば、重度という文言が入ると、軽い症状にはどういうものがあるということを一人一人の患者に説明しないといけなくなるような、できるだけ、簡単に簡潔に、かつ、リスクが高いことを説明したいという御趣旨です。医会の先生方がみんなで御覧になってこういう内容になったと理解しております。添付文書の中での記載ぶりの整合性と、これは1枚、1枚、忙しく何十人も何百人も患者を診る中で、さっと説明したいという御趣旨があるのかと理解しています。
○五十嵐座長 そうすると、資料3は添付文書と少し表現が違ってもいいという御意向ですね。
○中村参考人 私は個人的にそうなのかと理解しています。
○五十嵐座長 そうすると、例えば、生命に危険を及ぼす可能性のある異常行動とか、重度のという言葉を使わないということですね。
○釜萢参考人 先ほど、医会の神川先生からのお話もありましたが、これが、重度の異常行動なのか重度でないのかというのは分からないですよね。そこを区別しようとするのは医療現場としては余り現実的ではありません。今まで見られなかったことが出れば、結果的に重度でなくても大変気になる異常行動だと感じます。余り、そこを厳密に分けるということについては、少し違和感を感じますが、いかがでしょうか。
○水口参考人 そうなのですが、結局、そのように軽度のものまで全部含めて同じように心配しなければいけないのかということ。これは事故の予防のためのパンフレットですので、余りにも広げすぎて、2歳の子供がライオンが見えたと騒いでいるものまで重度になり、区別できないようになってしまっても困ると思います。先ほど、指摘した3つに関しては境界例だと思ったのですが、もっと軽いものまでここに含めてしまうというのは、やはり趣旨からしてよろしくないかと考えます。
○山口参考人 今のことに関係してです。特に家族向けのところで言うと、文字が多いとなかなか読もうとしないし、頭に入ってこないと思います。ここに異常行動の例が6つあります。特に、先ほどおっしゃっている前半の3つくらいはイラストで表記するようにしてはどうでしょうか。業者に発注するときに、これは是非イラストで目を引くようにしてほしいというところを重要な所に持ってきて、それ以外にも異常行動としてこういうものがあるということを、言葉で書いておくという分け方はできるのではないかと思います。
それから、その下の防止する方法です。これも見た目の分かりやすさということで、図にして「あ、こういうことをすればいいんだな」ということが一目瞭然で分かるようにする必要があると思います。特にイラストで分けるということを、業者に出すのでしょうか。できればここはイラスト化してほしいとか、そのように使い分けることでいかがでしょうか。
○五十嵐座長 ありがとうございました。あるいは、例えば、異常行動の例の上の3つは太字で示すという手もあるかもしれないです。
○乾参考人 将来ある子供たちが事故をしないための方策ということで、やはり、今、山口参考人がおっしゃったように非常に分かりやすくするということが大事です。軽度なことかも分かりませんが、自宅から出て外を歩いて話し掛けても反応しないとか、こういうことは親御さんにとっては非常に心配なことだと思いますので、やはり、こういうことが起こるということは、確かに文字は増えますが周知するということは必要ではないかと思います。
また、こういうパンフレット、リーフレットを地域の薬局、薬剤師まで必ず届けて患者に渡すことができるように、行政としてしっかり指導していただきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。
○水口参考人 患者向けのリーフレットに関しては先生方の御意見とほぼ同じです。一方、医療従事者に対するリーフレットに関しては、じっくり深く理解していただきたい内容でもあり、また、同じ医療従事者が添付文書などを併せて読むということも多いと思います。例えば、異常行動という言葉の使い方が、この2つの間で変わってしまうというのは非常にまずいと思います。こちらは字の数を省略するということではなく、正確な事実を、しかも、なるべくデータをたくさん載せるべきだと考えます。なので、患者向けと医療従事者向けに関しては、扱いを変えたほうがよいと思います。
もう1つは、医療従事者向けは長くてもいいと考えています。例えば、こういう事故予防対策に関しては、どういうデータがあり、それに基づいてこういう予防策を出しているのだということを明確にすべきだと思います。そういう意味では、異常行動の四角で囲ってある小児、未成年者の男性で報告が多いとか、発熱から2日間以内に発現する傾向があるということは確かにそのとおりなのですが、これをもっと詳しく調べたい人は参考文献に簡単にたどり着けるようにすべきですし、さらに、先ほど添付文書から削ったタミフルを飲んだ人では、初回のタミフル投与から最高血中濃度に達するまでの時間に異常行動の発現リスクが高いということも、同じ字の大きさで書く必要はないかもしれませんが、この下にそこにたどり着けるように情報として示すべきだと思います。
これは、因果関係に関する議論は別として、一部の患者ではそういうことがあったということは事実です。数少ない貴重なデータで、しかも、2日間以上ずっと均等に注意しなければいけないということではなくて、その中で、特に危ない時間がありそこに集中して注意すべきである、あるいは、できるということになりますので、やはり、事故予防に関しては努力が少ないほど効果が高いというのは大原則ですので、2日以上よりも数時間に集中できるほうがよいに決まっています。そういう意味でも、その下に先ほどの情報を注として入れるべきではないかと考えます。
○岡部参考人 こういうパンフレットは簡便でないと読んでいただけないので、できるだけシンプルにいきたいと思います。先生がおっしゃるように、文献集や何かを引きたいというのであれば、例えば、下のほうに、この委員会で出てきた報告書について引用したURLを書いて、いつでもここを見てくださいとしておけばいいのであり、ここに文献をざっと出すと、それだけを出すのではなくて報告書のどれそれを出さなくてはということになりパンフレットが厚い論文集になってしまうので、言い方は極端ですが、きちんと引用先が明解になっていればいいのではないかと思います。
○中村参考人 この間、神川先生とお話したときの資料3の表裏のイメージなのですが、表は先生方や看護師がこの書類を見て説明する、もう1つの裏のものは、例えば、薬局であるとか、あるいは置いておくとか、そういうイメージだと理解していましたので、どちらも短いほうがいいということ。
それから、先ほど、その他の注意の所にあった論文は添付文書には載せないという話になっていたと思います。私は小児臨床薬理学会の運営委員長をさせていただいておりまして、この書きぶりは、先ほど、伊藤先生がおっしゃったようにTmaxになる前が高いというのは、むしろ、薬の効果が出る前に悪いということで、もし本当に薬の影響であればTmaxになった後のほうが高いわけで、少し後ろのほうではないかと。
そういう意味でも信頼性が低いので、これを医療従事者や患者向けの説明文書に入れると、どのようにしたらいいのかという話になってきます。最初の2日間が危ないという、よりローバストなデータに基づいて岡部参考人がおっしゃったような情報と、それから、少数のデータに基づく本当かどうか分からないデータを一緒に書くと、かえって、現場で医療者と患者がすごく混乱するのではないかということを心配いたします。
○水口参考人 今、私が問題にしているのは因果関係に関する議論ではなくて、時間的にたまたまタミフルを飲んだ直後の数時間が多かったという事実について、これが余り因果関係に結び付いたり、あるいは、タミフル以外の薬であれば安全だという誤解に結び付かないような工夫をした上で、1つのデータですので、見たい人は見られるように道を付けておくべきではないかと思います。
これがどういう形で出されるのか、紙媒体だと確かにどんどん枚数が増えてしまいますので、ネット上に出るようなものであれば、比較的にそういう情報を入れやすいと思います。もし、インターネットなどを通じて配るものであれば、こういうものを組み込むことは比較的に簡単かと思いますので、是非、入れていただければと思います。
○中村参考人 私がいろいろ言える立場ではないのですが、報告書の中に記載があるので、資料4の報告書をレファレンスとしている中で、その中の並んだ情報として見ていただくのであればいいと思います。これだけを取り上げてどこかに書いてしまうと、むしろ、2日間よりもそちらのほうが重要に見られてしまいますので、すぐにアクセスできるように、この報告書がレファレンスとして載るということでいかがでしょうか。
○五十嵐座長 少なくとも医療従事者の皆様へのほうに。水口参考人のおっしゃるような方向でいくと長文になり、かえって読んでいただけなくなるのではないかと思います。資料4の報告書は必ず出ると思いますので、少なくともそれを最低限レファレンスとして載せることはしたいと思いますが、いちいち異常行動の①②で根拠となる文献を挙げるということまですると、かえって読みにくくなるのではないかという気がしますので、できるだけ簡単な方向でいきたいと思います。
もう1つ、確認したいのですが、先ほどの御議論だと、異常行動に生命に危険を及ぼす可能性があるという語句を入れたほうがいいという御意見もありましたが、これはどうでしょうか。先ほど、イラストで示すとか、あるいは、異常行動の例の上の3つに関しては太字にするというやり方もあると申し上げましたが、生命に危険を及ぼす可能性があるという言葉を入れたほうがいいでしょうか。
○岡部参考人 私は山口参考人がおっしゃったような形で区別したほうがいいけれど、異常行動は必ずしも見ているときに危険なものになるかどうかという判断が付かないので、異常行動が起きるということ自体が注意喚起に結び付くと思います。ですから、具体的な例としてこういうことがあるということを幾つか書いておいていいと思います。そこの区別として太字やイラストはあったほうがいいと思います。
○五十嵐座長 ほかにいかがでしょうか。
○石井参考人 資材の中では異常行動という短い言葉のほうが分かりやすくていいのではないかと思います。理由は2つあります。まず1つは、資材の一番の目的は、対策をしてください、ということである点です。異常行動はいつどのような形で起こるのか分からないので、取りあえず対策をしてもらわないといけないと思います。軽度であろうが重度であろうが事前に対策を講じる必要性があるということは変わらないので、異常行動でいいかと思います。
もう1つは、普通の人は異常行動にどのようなものがあるのか知らないという点です。軽度から重度まで並べていただければ、どれが飛び出し等に関係しそうかというのは分かるので、今のような形で太字やイラストで危ない部分を補強する形にし、言葉は異常行動というシンプルな形のほうが良いのではないかと思います。
○岡部参考人 重ねるようなことなのですが、例えば、報告を頂いたときに、その辺りをうろうろ歩き始めた、そこで親御さんがぱっと押さえたので治まった。結果的には、悪くなるかもしれないのですが、事前に押さえていると思うのです。そういう意味のアナウンスは軽いものも含めてやったほうがいい。それから、急性脳症の場合も、最初はこういう症状で出ることがあります。やはり、全般の注意としては書いていただいたほうが、よりいいのではないかと思います。
○望月委員 少し違う観点になってしまいますが、インフルエンザの患者、家族、周囲の方々への説明文に関してです。今回のアナウンスは、異常行動による転落事故などを予防するということだと認識しています。四角で囲って情報を端的にきちんと理解していただくというのは、すごくいい方法だと思います。
そこで、その下に書かれている内容なのですが、この部分に用法・用量を守ること、主な副作用として○○があります、何か気になることがありましたら相談してくださいなどの記載が、この重要な情報のすぐ下にある必要があるのか疑問です。ここについては、検討していただいたほうがいいかと思いました。
○五十嵐座長 そうですね。あえて、ここに出さなければいけない理由はないのかもしれないです。なしでもいいかもしれないです。貴重な御意見ありがとうございました。
○伊藤委員 少し違うことなのですが、異常行動はという所で、②に発熱から2日間以内に発現する傾向があるということが、医療従事者と家族の両方にあります。先ほど、岡部参考人が少しおっしゃったことにも関係するのですが、言葉の捉え方かもしれないのですけれど、2日目以降はいいのだと思ってしまう可能性もあるかと思います。例えば、2日間以内の発現が多い傾向があるというほうが分かりやすいかと思いますが、いかがでしょうか。
○五十嵐座長 そうですね。
○岡部参考人 2日間以内に発現する傾向があるではなくて、発現することが多いとしておいていただくと、グレーの所を理解していただけるのではないかと思います。
今のことと関連して2日間のことなのですが、いつから2日間なのかということは、やはり、先ほど山口参考人もおっしゃっていましたが、患者にとっては重要な部分ではないかと思うので、メッセージは必要だと思います。そのことに関して、データで出ているのは発熱から2日間なので服薬からではありません。それから、もし服薬からだとすると、実際に良いか悪いか分からないけれど予防投薬をやってしまうことがあるので、そうすると、インフルエンザではない、熱のない人への投薬も2日間注意するのですかというような質問がきてしまうといけないので、ここは明確にしていただいたほうがいいと思います。
○中村参考人 今のお話に関連するのですが、2日以内に多いと書くと、親としては、その後いつまで用心したらいいのかということが気になると思います。そこは、何か書く必要はございますか。例えば、2日以内に発症することが多く、多くの例では4日くらいまでということを書くと親としても安心するのかと。その辺りは2日間だけでよろしいでしょうか。
○岡部参考人 圧倒的に多いのは2日以内なので、数日間というと数日はいつになりますかとなり、ぼんやり書きすぎると、インフルエンザの最中はずっと注意しなければいけないとか負担が掛かるので、一番多い2日間は特に注意してくださいという意味合いでいかがでしょうか。
○五十嵐座長 少しぼやかしているのですが、どうぞ。
○山縣参考人 今の議論は基本的に賛成です。タイトルに、医療従事者向けと患者、家族向けが微妙に違うところが、むしろ、それをよく表しているような気がしています。つまり、医療従事者に対しては、どういう異常行動か分からないけれど、それによって転落事故を予防するということをきちんと啓発してくださいと。患者に対しては、そういう異常行動を起こすことがあるのでとにかく気を付けましょうと。最初のキャッチをどのように置くかということも、パンフレットを作るときに非常に大切なメッセージだと思います。そういう意味では、一番上に書いてある両方は非常にいいのではないかと思っています。
○水口参考人 短いほうがいいというのは確かなのですが、軽いものも含めて異常行動の例を全部入れてしまうとなると、今度は、異常行動は小児・未成年者の男性で報告が多いという話とか、ここの記載は明らかに重度の異常行動に関する疫学的な話なので、その辺りがぼけてしまい誤解を招いてしまうと思います。やはり、最低限の重度のくらいは必要な所には残しておかないと、幾ら一般の方が対象としても、両方が混じってしまうのはまずい点があるのではないかと思います。
○岡部参考人 軽度の異常行動も小学校以上の男性に多いのです。軽度だから女の子に起きやすいということはなくて、重度の場合も軽症の場合も傾向は全く同じです。
○水口参考人 幼児もでしょうか。
○岡部参考人 幼児は別で、小学校以上です。多分、幼児はメカニズムが違うと思います。それから、こういうことをやっても異常行動をなくすことはできないと思います。異常行動をなくすのではなくて、異常行動に気が付いて早く重症な事例にならないように防ぐ。そこを親御さんに気が付いていただいて、そばに居るとか止めるとかということにつながると思うので、決して間違ったことは書いていないのではないかと思います。
○桃井参考人 先ほどから性別が気になっています。資料4の13ページで、「うち、突然走り出す、飛び降りのみ」で男女比が3対1です。3対1ということは女性が25%なので、うちの子は女の子だから大丈夫というように思われてしまう。確かに死亡者は男性のみなのですが、ここは3対1くらいのものを強調しなくてもいいのではないかと思います。実際に男性の死亡者が多いのは確実だし、力が強いのは男の子で走り出すのが早いのも男の子が多いのですが、うち突然走り出す、飛び降りのみで3対1ですので、少し疑問に思います。
○五十嵐座長 これはどのようにしたらよろしいでしょうか。表現の仕方について、男性で報告が多いという文章は間違いではないのですが、女性も起こりますということを追記したほうがいいという御意見でしょうか。
○岡部参考人 データですが、おっしゃるように軽度の場合、男性と女性は3対2くらいの割合です。それから、私は年齢が全く同じというようなことを申し上げましたが、軽度で言うならば年齢層が少し低くなり4、5歳からピークが出ています。恐らく、それは報告の仕方なので、必ずしも特定のものではなくバラエティーのあるものがいろいろ含まれている可能性はあると思います。ただ、いずれにしても軽症の場合は、結果的に重度に結び付いていないということがあります。
○山口参考人 報告されているものは結果が出ていることだと思います。これは結果が出る前の予防ということですので、結果を待ってうんぬんではなくて、傾向が出たときに保護者がどういうことに注意していないといけないのかということだと思います。結果を見てから厳重に書くというのとは少し質の違うもので、やはり、注意喚起ということが一番大事だと思います。そういうときは気を付けようという意識になるような内容になっているほうがいいと思います。
○水口参考人 ただ、実際に飛び降り、飛び出しにつながった例を見ると、軽症の意識障害で発症して、それが徐々に悪化して最終的に飛び出し、飛び降りに至ったという経過の人は少ないのではないでしょうか。いきなり初発症状が飛び出し、飛び降りだったという。
○岡部参考人 クエスチョンに対するアンサーとしては先生のおっしゃるようなことで、急激に飛び起きてそのまま走り出したというのがあります。ただ、異常行動の例で出しているような、自宅から外に出て歩いて反応しないというのは外で車にひかれる可能性があります。それから、変なことを言い出して泣きながらというのは、先ほど申し上げたように急性脳症でも同じようなことが出てきています。それから、階段を駆け上がろうとすれば、そこで引っ繰り返って骨を折ってしまうということもあります。
私は一般的にこういう症状のときは気を付けてくださいという意味では、症状が起きるか起きないかということではなくて、重くなるような事例を防ごうということですから、因果関係は別として、改めて、できるだけ事故を少なくするためにはこういうアナウンスは重要ではないかと思います。
○水口参考人 一般論としては先生のおっしゃることでいいのですが、このパンフレットは、どう見ても飛び出し、飛び降りの対策にかなりフォーカスしております。急性脳症のことまで心配しているのならば、確かに2歳の子がライオンが見えると騒いでいるのも心配しなければいけません。そういう一般的なパンフレットなのかどうか、これは何のためにどのような対象でやるのかということを、もう一回考え直さないといけないかと思います。
○岡部参考人 それを最後に質問しようと思ったのです。このパンフレットは、恐らく、薬を使う人だけに渡すのではなくて、できればインフルエンザの患者さんおよびその保護者に渡していただきたい。インフルエンザは数が多すぎるので行き渡るか分かりませんが、これは薬を使う人ではなくてインフルエンザの患者にお渡しいただいて、いろいろな意味での重症化とアクシデントを防いでいただければと思います。そういう意味でも、医療従事者の皆様というところも、これは異常行動を防ぐものではないということがメッセージになっていいのではないかと思います。
○中村参考人 小児科学会の見解にもありますが、もともとインフルエンザによる異常行動があることをしっかり啓発するということ、プラスして特に異常行動がひどくなった場合には事故が起きるからそれを防ぐという2つの趣旨があると思います。私も岡部参考人の御意見に賛成です。
先ほど、桃井参考人がおっしゃったことを踏まえてなのですが、記載ぶりの所で、例えば、①の書き方を、小児・未成年で報告が多い、特に男性では死亡例が報告されているとか、事故での死亡例が報告されているという書き方ではいかがでしょうか。やはり、男性だから気を付けないといけないというわけではありません。ただ、男性の重篤例があるということを含めて書くのであれば、その表現が分かりやすいかと思いました。
○五十嵐座長 あるいは、長くしないのならば括弧して「女児でも生じる」と一言入れてもいいのかもしれないです。その辺りは、桃井参考人の御意見を考えて、男性だけではないということが分かるような文章に変えたいと思います。ほかはよろしいでしょうか。
○石井参考人 2日間に関わる記載です。患者向けの一番下のドットの所です。「服用開始後少なくとも2日間は」とあります。ここは「発熱から」としなくてよろしいでしょうか。
○五十嵐座長 入れることとしたいと思います。
○医薬安全対策課長 事務局からもこの修正を紹介しなければいけないと思っていたところです。今、石井参考人から御指摘いただいたように、「インフルエンザの患者さん・家族・周囲の方々へ」のパンフレットの一番下の黒丸の所の、今、「服用開始後少なくとも2日間は」になっている部分については、「発熱後少なくとも2日間は」に修正すべきだと思います。
あと、表の医療従事者向けは、非常に分かりにくい記載になっています。事故を防止するためにという真ん中のパラグラフの所です。「発熱から2日間」と書いているにもかかわらず、後段で「服用開始後少なくとも2日間」と二重に書いています。恐らく、後段の「服用開始後少なくとも2日間」の部分は削除したほうがメッセージとして分かりやすい格好になると思っております。この2点について、事務局から修正させていただくことを提案いたします。
○五十嵐座長 これは、発熱から少なくとも2日間という「少なくとも」は入れないと。
○医薬安全対策課長 「少なくとも」は必要です。それも入れていただくということです。
○五十嵐座長 では、例えば、資料3の表は、異常行動の前の生命に危険を及ぼす可能性のあるという言葉は入れないで、異常行動ということだけとしたいと思います。本文の「インフルエンザの患者さんでは」の所では、先ほど桃井参考人の御指摘のように、種類、服用の有無を変更させていただきたいと思っています。異常行動の四角の中は、文言を少し変えて、男性だけではなくて女性でも起こり得るという文章に変更したいと思います。2番目の発熱の出現から2日間以内に出現することが多いという文章に、傾向があるということではなくて、「ことが多い」と変えたいと考えています。異常行動の例については、イラストを示したり、あるいは、上の3つは太字にするなどのことも考慮したいと考えています。事故を防止するためにの所は、今、御指摘にあったように、発熱から少なくとも2日間、服用開始後少なくとも2日間の文章は削除するとしたいと思います。参考文献については、いちいち載せないで報告書、資料4を掲載することにとどめたいと考えています。
次の裏のページは患者向けですが、「○○は××の薬です」を含めた4行は削除することを考えたいと思っています。異常行動等は、表のページと同じように変えたいと思います。異常行動の例も同じようにしたいと思います。万が一の転落等の事故を防止するための文章は、服用開始ではなくて、「発熱出現後少なくとも2日間」という文章に変えたいと考えています。
そのような修正を考えて、私に引き取らせていただき、先生方にもう一度案をお示しするということにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○水口参考人 途中でかなり出てきた軽度の異常行動を強調して、そういうものに対する転落防止以外のウォーニングもここに含めるべき、もっと広げるべきなのかどうかという点については、結局、どのようなことになったのでしょうか。それをやるとかなり量が増えてしまいますので、やはり、これは決めておかないと、重度のほうにある程度フォーカスするのか、そうでなくても一般的なほうに広げてしまうのかということを決めておかないと、またおかしなことになるかと思います。
○五十嵐座長 これは、本来、転落等の事故を予防するということが目的でパンフレットを作ると理解しています。ただ、それ以外の比較的軽微と思われるようなものも書かないわけにはいかないので、今回は異常行動の例として書いていると私は理解しています。先生方はいかがでしょうか。それでよろしいでしょうか。
○岡部参考人 この程度はということで、ここから更に非常に軽いものまで書き加えようということは必要ないと思います。
○五十嵐座長 この程度までで収めておくということですね。水口参考人、それでよろしいでしょうか。
○水口参考人 はい。
○五十嵐座長 では、皆さん、これを作る意図を共有できたと思います。
○医薬安全対策課長 細かい所ですが、先ほど私が申し損ねた部分です。資料3の医療従事者向けの事故を防止するためにの所で、「服用後少なくとも2日間」は消させていただいたのですが、その前の「抗インフルエンザウイルス薬服用者は」の所も削除しないとおかしな話になりますので、ここも一緒に直させていただきます。
○五十嵐座長 分かりました。
○石井参考人 細かくて恐縮なのですが、患者向けの四角囲みの最後の3行目の所です。後半、「異常行動に対する対策を徹底してください」とあります。異常行動を起こさないようにしたり、起こった症状を抑えるようなことは保護者はできないと理解しています。ここを、異常行動に備えた対策とか異常行動に伴う事故を防止する対策、に修正して頂き、異常行動そのものを回避できるわけではないということが分かったほうが良いのではないかと思います。
○五十嵐座長 そうですね。そのほうが正確だと思います。それでは、いろいろ御意見を頂きましたので、先ほど申し上げたようにそれを反映したものを作り直して、そして、もう一度、先生方に見ていただきたいと思います。今後の手続について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 本日は、いろいろと御議論いただきありがとうございました。先ほど、座長に修正の部分をおまとめいただきましたが、座長と御相談の上、事務局で資料2及び資料3について修正させていただき、本日お集まりの委員、参考人の先生方にメールで修正案を御確認いただきたいと思っております。その後、最初にも申し上げましたが、この冬のインフルエンザシーズンには、見直し後の注意喚起が徹底できるように、添付文書の改訂、あるいは情報提供資材のひな形を、8月中を目途に製造販売業者、関連学会、関連団体等へ我々から通知を出したいと考えております。
なお、例年秋に、昨インフルエンザシーズンの副作用報告等を基に、次のインフルエンザシーズンに備えて、インフルエンザ対策全体の注意喚起の中の抗インフルエンザウイルス薬の情報提供の在り方を、この安全対策調査会で御議論いただいておりますが、今年も同様に開催する予定です。今回、御議論いただいた資料3の資材の注意喚起の内容についても、インフルエンザ対策全体の注意喚起のタイミングに合わせて、より効果的な周知ができるように我々も方策等を検討してまいりたいと考えております。
○五十嵐座長 それでは、そのように対応してください。よろしくお願いします。議題1は終了しましたが、その他について、事務局から何かありますか。
○事務局 その他は特にございません。次回以降の安全対策調査会は日程調整の上、また改めて連絡いたします。
○五十嵐座長 平成30年度第4回医薬品等安全対策部会安全対策調査会を閉会いたします。御協力どうもありがとうございました。

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