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2018年4月20日 第7回労働政策審議会労働政策基本部会

政策統括官付労働政策担当参事官室

○日時

平成30年4月20日(金) 15:00~17:00

 

○場所

厚生労働省 省議室

○出席者

(委員)

岩村氏、大竹氏、大橋氏、川崎氏、古賀氏、後藤氏、佐々木氏、長谷川氏、守島部会長、御手洗氏、山川氏
 

(補足説明者)

鎌田 耕一様 (東洋大学大学院法学研究科客員教授)
 

(事務局)

藤澤政策統括官(総合政策担当)、本多総合政策・政策評価審議官、増田労働基準局監督課長、大隈労働基準局労働関係法課長、岸本雇用環境・均等局総務課長、元木雇用環境・均等局在宅労働課長、奈尾労働政策担当参事官、岡雇用環境・均等企画官

○議題

(1)時間・空間・企業に縛られない働き方について
  ・テレワーク、副業・兼業について
  ・雇用類似の働き方について
(2)その他

○議事

 

 

○守島部会長 そろそろ定刻になりましたので、ただいまから第7回「労働政策審議会労働政策基本部会」を開催いたします。皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席をいただき、まことにありがとうございます。

 

 それでは、カメラ撮りはここまでとさせていただきたいと思います。

 

 本日は所用により、石山委員、入山委員、武田委員、冨山委員が御欠席でございます。川崎委員はごらんのとおり、テレビ会議での出席となっております。大橋委員は、所用で16時前に御退席の御予定でございます。

 

 また、本日は委員の皆様方のほかに、本日の議題に関する補足説明のために、東洋大学大学院法学研究科客員教授の鎌田様に来ていただいております。よろしくお願いいたします。

 

 それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は「時間・空間・企業に縛られない働き方について」となっており、その中で「テレワーク、副業・兼業について」及び「雇用類似の働き方について」の2つのテーマを扱っていきたいと思います。

 

 本日の進め方について御説明させていただきます。

 

 まず最初に、事務局より、第6回のヒアリング概要についての御説明をいただいた後、1つ目のテーマである「テレワーク、副業・兼業について」、資料を使い35分程度で御説明いただきます。その後、その内容について25分程度自由討議を行いたいと思います。

 

 それに引き続きまして、事務局より、2つ目のテーマである「雇用類似の働き方について」の内容で20分程度御説明いただいた後、雇用類似の働き方に関する検討会の座長である鎌田様より、15分程度で補足説明をしていただきたいと思います。その後、その内容について15分ほど自由討議を行いたいと思います。

 

 それでは大分説明が長くなりましたけれども、議題に移りたいと思います。最初に事務局より、第6回のヒアリング概要について説明をお願いいたします。

 

○奈尾労働政策担当参事官 資料1をごらんいただきたいと思います。

 

 前回、第6回の当部会におきます大橋委員からのヒアリング概要ということで、簡単にまとめさせていただいてございます。

 

 資料1、1枚でございますが、まず、OECDデータ上から見ても、日本は他国と比較して労働生産性が低いことが知られています。

 

 労働生産性の中身でありますが、3つ目の●ですけれども、アウトプットと労働(L)、それからアウトプットに影響を与えるのはLのみではなくて資本(K)といった要素もあるわけでありますが、Lに加えて、KなどといったY(アウトプット)に与える生産要素の影響を除いた結果として得られるAが全要素生産性(TFP)であるということでございます。

 

TFPの伸び率でありますが、世界的にこの伸び率は低下している。同時に、日本の低下率は他国と比較してそれほど悪くないと言われているということでございます。

 

TFP低下の仮説でありますが、主に3つ。一つがイノベーションの枯渇、もう一つがIT投資の減少、3つ目として不完全なデータの3つでございます。

 

 まず仮説1、イノベーションの枯渇については、これだけで説明できないのではないか。例えば、資源配分を最適化するだけで、大幅にTFPが上昇したという例もございますので、これだけでは説明が難しいというのが1つ目。

 

 仮説2でありますけれども、労働生産性の変化率とブロードバンドの普及などの関係を見ると、ほとんど相関がないというのが2つ目であります。

 

 3つ目でありますけれども、仮説3、不完全なデータでありますが、消費者余剰が生産性に反映されていない。消費者余剰は分散は大きいものの無視し得ないほどの値であるということでありますけれども、反映されていない。アウトプットデータによって、消費者余剰が捕捉されていなければ、指標から漏れていることになるということであります。

 

 それから、TFPは推定上の誤差項に相当する点です。ややテクニカルな論点も含めての御紹介でございましたが、モデルや推定手法の精度等が向上し、生産関数で説明できないものが少なくなれば、この誤差は少なくなるということであります。

 

 下から3つ目の●でありますけれども、価格Pの扱いということでありまして、付加価値額を使うと、価格Pが上昇すると生産性も上昇するので、この価格Pについては議論があるということかと思います。

 

 下から2つ目でありますが、過去の論文の含意としては、IT投資と生産要素は必ずしも代替関係ではなく、補完関係もあります。

 

 一番下でありますけれども、労働市場を流動化させることの負の側面としては、雇用者側における職業訓練への投資誘因の減退可能性がある。積極的に自己投資する労働者があらわれる反面、そうでない者も存在するといったあたりでございます。

 

 事務局なりの要約ですが、以上でございます。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 続いて、本日の議題の1つ目のテーマである「テレワーク、副業・兼業について」に移りたいと思います。

 

 これも最初に事務局から説明をお願いいたします。

 

○元木雇用環境・均等局在宅労働課長 私は雇用環境・均等局在宅労働課の元木と申します。よろしくお願いいたします。

 

 私のほうからは、テレワークの関係について御説明をさせていただきたいと思います。

 

 資料2をお開きいただければと思います。まず、表紙を開いていただきまして、働き方改革実行計画が出ております。働き方改革実行計画の柱の5ということで、柔軟な働き方がしやすい環境整備と書かれておりますが、この中にテレワークの関係と副業・兼業の関係が入っておりまして、ここに基づいて、雇用型テレワークのガイドラインの改正、自営型テレワークのガイドラインの改正、副業・兼業としているところでございまして、まず最初に雇用型テレワークについて御説明させていただきたいと思います。

 

 2ページ目の「(1)雇用型テレワークのガイドライン刷新と導入支援」でございますが、雇用型テレワークというのは(1)の1行目にございますとおり、事業者と雇用契約を結んだ労働者が自宅等で働くテレワークを雇用型テレワークと言っております。

 

 雇用型テレワークにつきましては、従来から普及促進を図っておりまして、実は平成16年に在宅勤務の適切な導入及び実施のためのガイドラインというものを策定いたしまして、周知を図っていたところではございますけれども、最近、このテレワークにつきましては、在宅勤務だけではなくてサテライトオフィス勤務とかモバイル勤務というものも出てきておりますので、それに対応したものにせよという形になっております。

 

 それから、(1)の真ん中あたりにありますけれども、テレワークの導入に当たっては労働時間の管理を適切に行うことが必要であるということで、企業によりましては、このテレワークを導入するに当たって、時間管理の仕方がよくわからないというようなことで導入をためらっていらっしゃるようなところもあるものですから、これまでのガイドラインよりも、より具体的に労働時間管理をしていただくということで、例えば、育児や介護などで仕事を中抜けする場合の労働時間の取り扱い、それから半日だけテレワークする際の移動時間の取り扱い方法などが、前のガイドラインでは明らかにされていなかったので、そういったことを明らかにしていくということと、一方で、一番最後の行なのですけれども、テレワークというのはともすると、自宅で仕事をしていますと長時間労働になる可能性もあるということで、長時間労働を防止するため、深夜労働の制限や深夜、休日のメール送付の抑制等の対策例を推奨すると実行計画には書かれているところでございます。

 

 3ページ目は、工程表で同じことが書かれておりますので、ここは省かせていただきまして、4ページがガイドラインの概要でございます。繰り返しにはなりますけれども、上のほうの2つ目に雇用型テレワークについて長時間労働を招かないよう、労働時間管理の仕方などを整理、在宅勤務以外の形態(モバイル・サテライト)についても対応ということで、今回、改正をさせていただきました。

 

 話が前後になりまして申しわけございませんけれども、実はこの改正に当たりまして、昨年10月から柔軟な働き方に関する検討会を開催させていただいて、そこで雇用型テレワークのガイドライン、自営型テレワークのガイドライン、副業・兼業につきまして、どういったものにするかということを先生方に御議論いただきまして、12月末に報告書をいただいて、その報告書に基づいて、ことし2月にガイドラインということで、局長通達ということで労働局に通知をしているということでございます。

 

 ガイドラインでございますけれども、特に大きく変わったところについて、主要なところについて御説明をさせていただきたいと思います。

 

 「労働基準法の適用に関する留意点」でございますが、先ほど、労働時間の管理の仕方などについて整理と実行計画のほうに書かれておりましたので、「労働時間制度の適用と留意点」ということで、まず一つは労働時間の適正な把握をする責務を有すると書かせていただいた上で、いわゆる中抜けの時間がどういうことであるとか、通勤時間や出張旅行中の移動時間中のテレワークについての労働時間の考え方、それから勤務時間の一部をテレワークする際の移動時間ということで、例えば午前中がテレワークで午後が出勤という方の移動時間の考え方などについて、テレワークをするに当たって生じやすい事象を取り上げまして、具体的にどのような取り扱いにするのかということをガイドラインで明らかにさせていただいたところでございます。それと、フレックスタイム制につきましてもテレワークが使えますよということ。

 

 事業場外みなし労働制の場合なのですが、事業場外労働時間制については、使用者の具体的な指揮監督が及ばず、労働時間を算定することが困難なときは、みなし労働時間制が適用になるのですが、この使用者の具体的な指揮監督が及ばず労働時間を算定することが困難なときとはどういうことかということが具体的に書かれてございます。

 

 裁量労働制でもテレワークは利用が可能であるとか、休憩時間、時間外・休日労働についての労働時間管理が書かれておりまして、もう一つ、先ほど申し上げた長時間労働になりがちでございますので、それのために、例えば長時間労働等を防ぐ手法として、メール送信の抑制、システムへのアクセス制限、テレワークを行う際の時間外・休日・深夜労働の原則禁止、長時間労働等を行う者への注意喚起など、これを書くに当たりまして、いろいろな企業にヒアリングをして、その中で長時間労働対策をとっていらっしゃる会社の例をここに挙げさせていただいたところでございます。

 

 ガイドラインの主な内容につきましては以上でございますが、統計的なことを少しだけ御紹介させていただきます。5ページでございます。

 

 テレワークにつきましては、実は政府目標が2つございまして、一つはテレワーカー人口についてでございます。平成32年までに、制度等に基づく雇用型テレワーカーの割合を平成28年度比で倍増させる。平成28年度が7.7%ですので、平成32年に15.4%。

 

 それからもう一つ、導入企業の割合の目標がございまして、平成32年までにテレワーク導入企業を平成24年度比で3倍ということで、平成24年度というのが11.5%ですので、それを34.5%まで持ってくるというのが目標となっております。

 

 テレワークに関しましてのメリット、デメリットを書いているところでございますが、実施のメリットについては、従業員調査では仕事の生産性・効率性が向上するというのが一番多くなっておりますし、企業調査では、これは在宅勤務、部分在宅、モバイルで分けてアンケートをしているところなのですけれども、定型的業務の効率・生産性の向上、移動時間の短縮・効率、従業員の家庭生活を両立できるというメリットが聞かれたところでございます。

 

 7ページがデメリットでございます。総括して労務管理等が難しいというところなのですが、労働者からのデメリットとしての声は、仕事と仕事以外の切り分けが難しいというのが多くなっているところです。

 

 企業側につきましては、労働時間管理が難しいとか、情報セキュリティーの確保が難しいというような声が聞こえたというところでございます。

 

 テレワークにつきましては、厚生労働省だけで普及促進を図っているのではなくて、国土交通省とか総務省、経産省と4省庁連携で普及促進を図っておりまして、目標値につきましても、4省庁でその目標達成に向けて周知広報と対策をとっているところでございます。

 

 雇用型テレワークについては以上でございまして、次いで、自営型テレワークについて、資料3をお開きいただければと思います。

 

 2ページ目になりますが、5番の柱の枠は先ほどの雇用型テレワークと同じことが書いてありまして、同じところに基づいて、自営型テレワークのガイドラインの改正の検討を行ったところでございます。

 

 働き方改革実行計画上は、非雇用型テレワークという言い方をしておりますけれども、ガイドライン上では自営型テレワークとしておりまして、意味の違いはございません。非雇用型テレワーク、自営型テレワークについては、事業者と雇用契約を結ばずに仕事を請け負い、自宅等で働くテレワークが非雇用型テレワークということでございます。

 

 実は、自営型テレワークにつきましても、平成12年から在宅ワークのガイドラインを周知しておりまして、それを改正することにしております。その改正の趣旨は、先ほどの雇用型テレワークと同じように、必ずしもテレワークのあり方が在宅だけではないということと、これまでの在宅ワークのガイドラインは、発注者とワーカーの間だけの契約等についてガイドラインで書いていたところなのですが、最近、クラウドソーシングというものが出てまいりまして、仲介業者が大きなものになってきているところでございますので、このガイドラインにおきましても、発注者とワーカーだけではなくて、仲介事業者についても何かお願いすることがあるのではないかということで改定せよということが、この実行計画上、書かれているところでございます。

 

 これも3ページ目は工程表でございますので飛びまして、ガイドラインの中身、4ページ目、5ページ目になります。まず、自営型テレワークは、委託を受けて行う就労であり、基本的に労働関係法令が適用されません。自営型テレワークの契約に係る紛争を未然に防止し、かつ、自営型テレワークを良好な就業形態とするために必要な事項を示すものということで、これは従前の在宅ワークのガイドラインと同じように労働法が適用されないので、よくトラブルになるのは、お互いの契約上、紛争が起こることがあるものですから、そういうことで就業環境が悪化してはいけないということで、紛争を未然に防止して、良好な就業形態とするということでできたガイドラインでございまして、それは新しい自営型テレワークのガイドラインも同じスタンスをとっているところでございます。

 

 これにつきましても、変わったところにつきまして、主なところについて二、三、お話をさせていただきたいと思います。

 

 まず、一つは定義のところでございまして、自営型テレワークということで定義をさせていただいております。注文者から委託を受け、情報通信機器を活用して主として自宅又は自宅に準じた自ら選択した場所において、成果物の作成又は役務の提供を行う就労というところでございます。

 

 ここで変わりましたのは、自宅に準じた自ら選択した場所というところを設けました。先ほど申し上げたとおり、在宅という形だけではないということと、それから自宅に準じたという言葉をつけましたのは、事業者性の弱いものを対象としているので、こういった言葉をつけたところでございます。

 

 これまでも、在宅ワークにつきまして、事業者性の弱いものについて対象としていましたので、それも今回の新しいガイドラインで引き続いていこうということで、このような定義にしているところでございます。

 

 それから、仲介事業者について、改めてきちんと定義をしたということでございます。仲介事業者につきましてもいろいろな形がございまして、3つあるのではないかということで、➀、➁、➂と決めております。他者から業務の委託を受け、当該業務に関する仕事を自営型テレワーカーに注文する行為を業として行う者、我々はいわゆる再発注型と言っておりますけれども、そういった仲介事業者。2番目として、自営型テレワーカーと注文者との間で、自営型テレワークの仕事のあっせんを業として行う者、いわゆるあっせん的な仲介をされているもの。3番目がいわゆるクラウドソーシングといった形の仲介事業者ということで、定義をさせていただきました。

 

 2番目に、関係者が守るべき事項で主なものを書かせていただきましたが、この中で一番大きく変わったというか新しくつけ加えましたのが、(1)募集のところでございます。募集の募集内容の明示のところでございますが、これまでは、こういったことはガイドライン上書かれていなかったのですが、先ほどはクラウドソーシングが非常に大きくなっているというところで、クラウドソーシングだと、サイトの画面に仕事の内容とかを明示されるわけですが、その明示内容がまちまちであったりして、ワーカーの方にちゃんとした情報が伝えられていないような場合もございます。ですので、➀から➅に関するものについては、ぜひこのように書いていただきたいということで、ガイドライン上明示をさせていただいたところでございます。

 

 もう一つ、仲介事業者についてもお願いしたいということで、具体的には読み上げませんけれども、斜体で書かれているところとか、ところどころ仲介事業者はという形で、仲介事業者にお願いをしたいということで書かせていただいたものがあるということです。これまでは、こういった仲介事業者にお願いすることは書いていなかったのですが、そういったものを明示させていただいたというところでございます。

 

 以上がガイドラインの概要でございまして、数字的なものをまた御紹介させていただきたいと思います。6ページ目、自営型テレワーカーの仕事の内容で、ワーカーがこの1年間で最も多く行った仕事の内容ということで、この調査ではなぜかコンサルティングが多くなっているのですが、一般的には、文書入力とかデータ入力、ウエブサイトの作成、プログラミングといったものが、こういった仕事の形態として多いのかなと思っているところでございます。

 

 7ページは、企業側からワーカーに発注している業務ということで、これもウエブサイト、プログラミング、ウエブデザインのグラフィックというものが多くなっているところでございます。

 

 8ページで、トラブルについてというところなのですが、依頼者との間で問題・トラブルを抱えたことはないという回答が約9割ではあったのですが、依頼者との間に問題・トラブルを抱えた場合の対処方法ということで、依頼者と電話で交渉したとか、電子メールなどで交渉したとか、それから依頼者側に直接会って交渉したという回答がワーカー側からは多かったというところでございます。

 

 逆に、企業側について、ワーカーとのトラブルについて聞いたものが9ページになりますが、これもトラブルはないと答えた発注者側は5割超えとなっております。トラブルの内容については、仕事の品質との回答が3割超えと最も多くて、次に仕事の納期という形で回答が続いておりまして、解決方法については直接会ったというのが4割弱、電話で交渉したものが2割超えとなっているところでございます。

 

 数字的なものにつきましては以上でございまして、雇用型テレワークについても自営型テレワークについても、柔軟な働き方に関する検討会の委員の皆様からの御指摘は、このガイドラインについて知らない人も結構いるということで、参考資料でお配りしておりますけれども、それぞれパンフレットをつくらせていただいて、周知啓発を図っているところでございます。

 

 テレワークにつきましては、以上でございます。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 大隈課長、お願いします。

 

○大隈労働基準局労働関係法課長 それでは、引き続きまして、資料4に基づきまして、副業・兼業について御説明させていただきます。労働基準局労働関係法課長でございます。

 

 資料4の1ページは、データをつけさせていただいております。副業・兼業の現状で、働き手側のデータですけれども、左側の棒グラフで、副業を希望する方は年々増加傾向、ただ、その下のところで、副業をしている就業者は減少傾向ということで、これは総務省の就業構造基本調査で最新のものが2012年ということで少し古いのですけれども、こういう傾向があるというのが一つ。それから、右下は中間所得者層の副業割合は低いということで、これは本業の所得階層別で見た副業されている方の割合ということで、本業が1,000万円以上の方で一つの山があって、100万円未満のところにもう一つの山があるといった傾向がございます。

 

 2ページですけれども、今度は企業側の副業・兼業の現状ということで、これは働き方改革の会議などでも言われておりましたけれども、副業を認めてない企業は85.3%ということで、円グラフですけれども、中小企業庁の調査でそのような数字が出ております。

 

 ただ、下の棒グラフですが、企業側が課題とか懸念と考えているところのもので、本業がおろそかにならなければ認めるとか、情報漏えいのリスクがなければ認めるとか、競業とか利益相反でなければ認めるといったことが挙げられております。

 

 3ページ目は、先ほどのテレワークと同様に、働き方改革実現会議で議論されて、働き方改革実行計画の中に位置づけられております。

 

 このページの上半分の5は、先ほどのテレワークと同じ部分なのですけれども、副業・兼業について2行目から、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効だといった狙いが書かれておりまして、長時間労働を招いては本末転倒だというところは、副業についても書かれているところです。

 

 その下に(3)という箱がございます。働き方改革の実行計画で求められたこととして、ガイドラインの策定、改定版モデル就業規則の策定がまずございます。テレワークについては、これまで既存のガイドラインがあった中で、それを見直すという作業でしたけれども、副業・兼業についてはこれまでガイドラインは特に何もない状態でしたので、新しくガイドラインを策定したというのが一つ。

 

 モデル就業規則については、既に副業・兼業に関する規定がありましたけれども、これを副業・兼業促進という観点で見直すというのがもう一つでございます。

 

 この箱の一番最後の段落で「さらに」というところですが、制度的な検討も進めるということで、これは複数の事業所で働く方の保護等の観点と、副業を促進させるという両方の観点から、雇用保険、社会保険、労働時間管理、労災保険等について、あり方について検討を進めるということが盛り込まれております。

 

 4ページがガイドラインで、テレワークと同様に昨年10月から12月までの検討会の報告を踏まえて、ことし1月に策定したものでございます。

 

 ガイドライン概要の2番目のところに方向性が記載されてございます。業種・職種によって仕事の内容、収入等もさまざまな実情があるということですけれども、自身の能力を、一つの企業にとらわれずに幅広く発揮したいといった希望を持つ労働者が、幅広く副業・兼業を行える環境を整備することが重要ということで、あわせて長時間労働を招かないように留意しつつといった留意事項も書いてございます。

 

 ここの趣旨ですけれども、希望する労働者がということで、これはあくまでも働く方が望む場合に、働き方の選択肢として位置づけるべきものということですので、もちろん働く方は副業・兼業しなければならないという趣旨ではないということでございます。

 

 その後、3番、企業の対応ということですけれども、原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当としつつ、ただ、その次のところですが、労務提供上の支障とか企業秘密の漏えい等がないか。それから、長時間労働を招くものとなっていないかということを確認する観点から、労働者から届出などをさせることが考えられるということと、あわせて、就業時間とか健康管理の把握などについての留意事項を記載してございます。

 

 労働者の対応につきましても、まず、勤めている企業の副業・兼業に関するルールを確認して、労働者が希望される場合には、ルールに照らして業務の内容とか就業時間が適切な副業・兼業を選択する必要があるといったことを記載しているものでございます。

 

 5ページですけれども、モデル就業規則でございます。このページは平成30年1月改定以前のものということで、10人以上の従業員を雇用する使用者は就業規則を作成しなければならないということですが、厚労省でモデル就業規則というものを定めているところでございます。これの規定が下のところに、改定以前のものは11条に、労働者の遵守事項として、許可なく他の会社等の業務に従事しないことというものが書かれてございました。これを先ほどの働き方改革実行計画の観点から見直すという議論を昨年の検討会で行いまして、その結果、改定したのが6ページでございます。

 

 これが、先ほどのモデル就業規則11条の副業・兼業の部分を削除して、新たに67条という規定を設けたところです。労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事することができる。労働者は、事前に所定の届け出を会社に行うとした上で、ただ、第1項の業務に従事することによって、➀から➃に該当する場合は、会社は禁止または制限することができるということで、ここに労務提供上の支障と企業秘密の漏えいといったような場合を列挙しております。これは、これまでも幾つか副業・兼業をめぐって裁判になった例がございまして、会社側が副業禁止あるいは制限できる場合として、裁判例で出ているようなものがここに書かれているものでございます。

 

 7ページが今後の検討についての時系列の資料でございます。左側に閣議決定文書等ということで書いておりますけれども、一番左の上の働き方改革実行計画が昨年3月でございまして、閣議決定としては、その後の経済対策等で昨年6月、12月とそれぞれ労働者の健康確保に留意しながら、副業・兼業の促進ということが書かれております。

 

 それを受けて、厚労省の動きとして右側でございますけれども、柔軟な働き方に関する検討会を昨年10月から12月まで開催して、これは終了しておりますけれども、ここで副業・兼業のガイドライン、モデル就業規則の改定について御議論をいただいたところでございます。

 

 それを踏まえて、先ほどのガイドラインとモデル就業規則を出しておりますが、この2つについては今、周知のステージに入っておりますので、厚労省でパンフレットをつくって周知しているというのがまず一つでございます。

 

 もう一つ、副業・兼業にかかる制度的課題ということで、労働時間とか労災保険などの課題がございまして、これは順次検討を進めていくということでございます。雇用保険については専門家の検討会がことし1月に立ち上がって、第1回が開かれたところですが、それ以外の課題についても現在、準備中というところでございます。

 

 以上でございます。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 それでは、続いて自由討議に移らせていただきたいと思います。ただいまの御説明について、何か御意見、御質問等がある方は、挙手をお願いしたいと思います。

 

 まず、御手洗委員、お願いします。

 

○御手洗委員 御説明をいただき、どうもありがとうございました。

 

 私からは、雇用型テレワークについて1点と、自営型テレワークについて2点、思うところがありまして発言させていただきます。

 

 まず、雇用型テレワークについてなのですけれども、基本的に対応が業務時間のコントロールとなっていましたけれども、これは長時間労働、働き過ぎにならないようにするためには、業務量のコントロールが必要になってくるのではないかと思っています。

 

 といいますのも、例えば実際、こうした雇用型テレワークを希望される方は子育てをしていらっしゃる方なども多いかと思うのですけれども、お風呂に入れて、子供の寝かしつけをして、夜になってからもう一回仕事をしたいとなった場合、しばらく夕方から夜にかけては仕事をしていないけれども、深夜にメールを返すことになるとか、そういったことが発生すると思います。その場合、長時間労働にならないための対策として、深夜はメールを送付できないようにするなどの対応を企業がしてしまっていると、その時間、仕事ができない。そうすると、本来、家のことに時間を使いたかったときに、仕事をしなくてはならないという本末転倒なことになるのかなと思います。

 

 見えてないところで、例えば家で夜中の3時に1通だけメールを送ったのを、それまで仕事をしていたと言い張るか、それは違うよねと言うかみたいなことは、もめごとになりやすいことだと思うので、どちらかというと、例えばフルタイムの人であれば、会社にフルタイムでいるときに仕事ができる業務量を渡して、それ以上にならないようにするというような、業務量とかアウトプットのところを企業側がしっかり見ることが重要ではないかと思いました。

 

 それから、次の点なのですけれども、自営型テレワークについてです。これは先日、元木さんからお話を伺ったときにもお話しさせていただいた点なのですけれども、自営型テレワーク、4ページ目で定義が、注文者から委託を受け、情報通信機器を活用してというところから始まっています。情報通信機器を使う人が自営型テレワークというところが一つ要件になっています。

 

 これはどういうことかというと、多分、家内労働法と重複するのを避けるためなのだと思うのですけれども、例えば赤ペン先生が採点をして、クラウド上に結果を上げる。そうすると、自営型テレワークになる。でも、採点した紙を封筒で送ると多分、家内労働法になるのだと思うのです。

 

 あと、例えば翻訳をして、USBに入れて納品すると家内労働法になって、メール添付すると自営型テレワークになるみたいなことがあるのだと思います。

 

 ですので、業務を定義する際に、デバイスは何を使っているかではなくて、業務内容を考える必要があるのかなと思います。

 

 もう一つ、自営型テレワーカーについて考慮すべき点は、労働者に近い人と事業者に近い人がいて、しかもそれはよく見ると、契約ベースでは同じであるという点かと思います。例えば、カメラマンで売れっ子の人は、個人事業主ではあるけれども、1回の撮影で100万とか200万の請求書を書く。一方で、まだまだ全然駆け出しで売れない人は、この雑誌の仕事がなくなったら大変と思って、日給3,000円ぐらいでもずっと仕事を受け続けているような人もいるでしょう。

 

 後者はかなり従属的な働き方になるので、労働者に近いかと思うのですけれども、一見すると、契約書とか業務発注とかの形態だけを見ていると、その両者はとても似ており、単に請求金額や、クライアントに対する交渉力が違うだけだったりします。ですので、ここも自営型テレワーカーとは何かとか、どのように守っていくのかとか、きちんと考えるべきかと思います。

 

 例えば、うちの編み手さんの場合では、毛糸を受け取って、家で編んでいる。こうすると、労働者に近い働き方に見えるのですけれども、その仕事をしながらおうちでフラワーアレンジメントの教室を開催して、生徒を集めて月謝を取っている。すると、それは自営業っぽくもあります。そうした方は、収入のポートフォリオとして、お教室の分と編み代の2事業を自分で持っているような感覚です。

 

 これは事業者型なのか労働者型なのか、難しい判断だと思います。単に情報通信機器を利用してやる人は自営型テレワーカーで、労働者に準じるというのはちょっと定義が雑かなと思いますので、そこからの見直しが要るのではないかと思います。

 

 長々と失礼いたしました。以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 次に、大竹さんお願いします。

 

○大竹委員 働き方改革を進めていく手法として、規制でがんじがらめに変えていく、罰則で変えていくのではなく、こういう形でガイドラインやモデル就業規則を使っていくというのは、すごく上手なやり方だと思います。

 

 誰もがその方向に行きたいというように合意が出ているときは、これを制定するだけで自然に社会規範が変わり、働き方が変わっていくのでうまくいきます。つまり、この制度を使いたい人が使えるようになり、使いたくない人は使わないですむということです。ただし、経営者あるいは労働者でも、そういう方向の働き方が望ましいという合意がまだできていないときに、これを変えただけでは社会規範がなかなか変わらないと思うのです。

 

 今後、手法で働き方改革を進めていくためには、啓蒙活動が結構大事かなと思います。私たちは具体的に大学でそういう経験をしています。現在、大学間でクロスアポイントメントという複数の大学に所属するという兼業を進めているのですが、今までに幾つか失敗しています。クロスアポイントメントとは、本務校が100%だったものを90%にして、新たに大阪大学で10%の割合で働くという契約をするというものです。大阪大学側では、規定ができています。ところが、幾つかの私立大学の先生に大阪大学とのクロスアポイントをお願いしたところ、本人もやりたいし、学部レベルでも問題ないということでしたが、大学のトップからの承諾を得る段階で、兼業禁止となっていることを理由にストップしてしまった事例があります。

 

 本来、大学などはこのテーマにちょうどよく、新しい働き方の一番やりやすい分野にもかかわらず、就業規則を変えていくということが、事務的になかなか進まないのです。この仕組みを進めようとして、モデル就業規則も変わりましたし、本人もやりたい。それで一番やりやすい分野である大学でも進まないというのが現状なので、余程うまくプッシュして、この方向でやっていくと、より生産性が上がるのだという価値の共有ができるところまで進まないと、つまり同時にやらないと難しいかなというのが感想です。

 

 もう一点だけ。テレワークのところで、長時間労働の対策のガイドラインがうまくできているのですけれども、これはテレワークだけではなくて、一般の就業についてのガイドラインにもうまく取り入れていけるような話かなと思いました。

 

 以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 ほかにどなたか。

 

 後藤委員、お願いします。

 

○後藤委員 後藤でございます。ありがとうございます。

 

 副業・兼業について、何点か意見を申し上げたいと思います。

 

 資料4の1ページで、副業を行っている者の所得階層は、1,000万円以上と300万円未満とで二極化していることが見て取れます。

 

 今、大竹委員からお話がありましたように、例えば大学教授などの高度な専門知識や能力を持っている方は、社会の公器たる人材として社会全体に能力を還元していくという役割も期待されます。よって、高所得者層の中には、いま申し上げたような方で副業・兼業を希望する人が多くいるのだろうと思います。しかし、所得の低い人で副業・兼業をしている方というのは、幾つか兼業しないと生活していけないという方であると思います。こうした生活のために兼業せざるを得ない人たちもいるということは、しっかりと認識すべきなのではないかと思います。

 

 例えば最初に申し上げた、社会の公器的な役割を期待される人物であるとすると、個社の事例となりますが、かつて当社では国際電話のオペレーターがおりました。その方々は英語が堪能で、昔は英語が堪能な人材というものは非常に少なかったそうで、育児や介護とは関係なく短時間正社員という制度を設けて、就労して貰っていました。1日4時間だけの勤務時間に限定して、週3日制、4日制、5日制という形で幾つかのパターンの中から選択して就業していただいて、残りの時間は、例えば銀行や商社といった他の企業で仕事をすることを認めるといったような時期もありました。現在はそのような副業をしている方は居ないのですけれども、社会全体に能力を還元していくような人材の副業・兼業を促進することはあり得るのではないかとは思います。

 

しかし、資料に書いてありますけれども、所定労働時間外は労働者の自由を保障すべき時間です。その中で政府が所定労働時間外でほかの仕事もしなさいと促進することが、働いている側からすると、違和感があります。

 

 また、資料にも書いてありますけれども、副業・兼業のモデル就業規則は整えたけれども、労働時間の通算や社会・労働保険等の整理がまだ十分にできていないということですので、そちらの課題を整理しない限り、闇雲に副業・兼業を促進することで、結果として労働者の健康を害することになってしまうことはあってはならないと思います。就業者保護の観点からはこれらの制度もしっかりと議論をしていくべきです。

 

 以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 ほかにございますか。

 

 大橋委員、お願いします。

 

○大橋委員 どうもありがとうございます。

 

 今、後藤委員に示していただいた資料4の1ページ目の所得階層のものですけれども、必ずしも大学教員でこんなにもうけている人は稀で、実はすごい薄給。必ずしもここが大学教員に当てはまるとは限らなくて、他の職種なのかなと思っています。

 

 私自身問題と思っているのは、後藤委員と同じ表ですけれども、100万未満とかのところにいらっしゃる方で、恐らく契約を不本意な形で受け入れざるを得ないような方々、そうしたワーカーをちゃんと守ってやるというのは一つ重要な視点で、そういうところはきちんとやらないと、副業・兼業を進める上で社会的にどうなのだろうという気は若干思います。

 

 だから、制度に漏れがあれば、そういうところはしっかり議論していくことが重要なのだろうと思います。

 

 みんながみんな副業・兼業をやり始めると、結構、組織としてどうかなってしまうというのは恐らくあって、一定程度、組織にコミットする人がいないと、組織はもたないと思うのです。だから、これは100%を目指しているのではないだろうなとは思っているのですけれども、他方で、典型的な例として、雇用型のテレワークのところで、政府としてのテレワーカー人口とか導入企業の目標値はつくられているのですけれども、これはどういう根拠でこういう数をつくられたのか、この背景にある考え方があれば教えていただければと思って、コメントと質問を織りまぜてですけれども、よろしくお願いします。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 どうされますか。少しまとまったところで、また御回答いただきたいと思います。

 

 佐々木委員、お願いします。

 

○佐々木委員 ありがとうございます。

 

 まず私も、例えば年収が300万円など、一定の条件を決めた人たちに対象を絞るような形で考えていかないと、さまざまな仕事や年収の人たちに向けて、そして、これから将来いろいろな働き方が考えられたり、ITもどんどん進んでいって、今、想像できないような働き方が生まれてくるかもしれない中で、全部をまとめていくのは大変難しいだろうと思ったので、テレワーク、副業に関して、ある程度、守らなければならない対象の人たちということを限定して考えていくのがいいのではないかと思った次第です。

 

 もう一つは、ガイドラインというものがどういう位置づけなのか。ガイドラインというのは、つまり守らなければならない法律ではないなら、ガイドラインという位置づけがどういうものなのかということを明確にして、提示しなければならないと思います。例えば300万、250万というある年収以下の人たちに対しては、もう少し強い意味を持たせるように動いていくのかなど、言葉と対象のところは議論をしていきたいと思いました。

 

 その中で、書いていく内容に関しましては、今の状況だとちょっと細かく書き過ぎな感じがして、つまり、定義とかも先ほどの事例がありましたが、USBで渡したり、封筒に入れて送るとどちらで、メールであればどちらみたいなことに、細かく書けば書くほど疑問が生まれてくるので、ガイドラインであれば、ある意味、もう少しざっくりした感じのほうがよいのではないか。

 

 ですから、ターゲットと全体の位置づけによって書き方と検討する内容が変わると思います。

 

201311月に、私どもの会社のサイトで公開議論をしている働く人の円卓会議というコーナーで、労働時間の長さで給与が決まることについて、賛成ですかという調査をしましたら、2013年の時点で89%が反対、労働時間の長さで給与が決まるのが良いと言った人は11%という議論がありました。意外といろいろな人たちが、今の働き方を変えたいと思っていると思うので、きょうはテレワーク・副業というタイトルですが、根本的にはこれからの働き方改革全体がどういうイメージで、どういう評価で、どのように給与が払われて、働いていきたいのかということだと思うので、もとに戻りますが、対象者をもう少し限定する、それから、ガイドラインとは一体何ぞやと。どう使うものなのかということを明確にする。そして、大きいガイドラインは少しざっくりと書くということが必要なのではないかという考えです。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 大橋委員の時間もありますので、お答えいただければありがたいです。

 

○元木雇用環境・均等局在宅労働課長 先ほどの政府目標の関係なのですけれども、テレワーカー人口については28年度比で倍増、要するに2倍にするということで、導入企業については平成24年の3倍というところなのですが、それがなぜ2倍なのか、3倍なのかというところについては、余り承知をしないところであります。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 質問に関しては、佐々木委員からガイドラインの役割みたいなことについて御質問があったように思います。

 

○岸本雇用環境・均等局総務課長 佐々木先生から、ガイドラインの役割について御質問がございました。

 

 今回、雇用型テレワーク、自営型テレワーク、兼業・副業の3つのガイドラインを御説明申し上げましたが、いずれも法的に根拠を持っているものではございませんので、雇用型、自営型のテレワークをより円滑に普及する、あるいは取り組む人が無用なトラブルに巻き込まれないように、ベースになる考え方を周知するというものでございます。

 

 ターゲットとして、特に所得層の低い、高いということで分けてはおりませんが、おのずからこういうガイドラインが出て、これまで取引の中で困っていたことの役に立ったと考える人たちがどの層にいるかはある程度、重点は分かれてくるだろうと思います。

 

 そういう意味では、使っていただく側で、このガイドラインをどのように使っていただくかを考えていただくという面もある。そういうガイドラインですので、ある種、幅のある使い方を許容していると思います。

 

 また、大きなガイドラインなので、余り細かく書き過ぎないほうがというお話もございました。大体、最初につくったときは骨から書いていって、改定するたびに細かくなっていくということが傾向としてはございますが、どこまで細かく参照していただくかも、現場の方々が、ここは細かいけれども役に立つと思えば使っていただければいいというものだと思います。

 

 また、先ほど御手洗先生から、家内労働法の関係だろうとおっしゃっていただいて、USBで送るのか、メールで送るのか、郵便で送るのかということがございましたが、これは御指摘のとおり、家内労働法の今の適用範囲との関係で、かつてはそこで微妙なケース分けが生じるとは思わない時代につくった法律なわけですけれども、微妙なケース分けが生じている。そういう中で、できるだけ家内労働法の無理のない解釈で、救済できるものは救済しようということで今の解釈ができているわけですけれども、さらに実態が先に進んでいるということで、その点は次の議題でもございます雇用類似の働き方に対する法的な枠組みをどうするかという議論の中で、より大きな議論をしていかなければいけないと思っております。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 ほかにどなたか。

 

 どうぞ。

 

○岩村委員 余り考えがまとまっているわけではないのですけれども、最初に御手洗委員がおっしゃっていた雇用型のテレワークの、例えばお子さんがいらっしゃる女性のケースは、女性の方が雇用という形で仕事を続けるという意味では、テレワークは結構有用性があるだろうと思うのですが、他方で難しいのは、雇用だということが前提になっているので、したがって、ガイドラインというか説明の中にもありましたけれども、事業場外労働で労働時間の把握ができないという話であればみなしになってしまうのですが、メールといった通信手段でどういうときに使っているかがわかってしまう状態だと、結局みなしが使えないということになり、就業規則上、始業時刻と終業時刻を決めなければいけないので、実際にはそれがそのまま適用になってしまうということだと思います。

 

 ですから、雇用型を前提とすると、何らかの形で、テレワークで働く従業員についての就業規則上の労働時間のカウントの仕方についての扱いを考えるとか、そういった工夫をしていくことになると思います。

 

 ただ、その場合、結局のところ、夜中の2時まで働いて、その後に子供が起きるので、もう7時には起きてということになると、なかなか難しい問題が発生するだろうという気はいたします。

 

 それから、兼業・副業ですけれども、細かい話はもう省略します。基本的にはそもそも労働者というのは契約した労働時間の中でしか労務提供義務がないので、したがって、なぜ企業がそもそも労働時間、勤務時間が終わった後あるいは勤務時間が始まる前に、兼業・副業を規制できるのかというのは大問題なのです。

 

 そういう意味で、従来、企業はいろいろな理由から規制をかけていて、それが今回の改定されたモデル就業規則にある意味、反映されているということだとは思うのです。

 

 ただ問題は、一つは副業・兼業をいろいろやることによって、プラスもあるけれども弊害もあり得るということで、私がもしずる賢い経営者だったら、兼業・副業は大いに結構、やってくださいと言うと同時に、うちは給料はそんなに上げられないので、足りない部分はどんどん兼業をやって稼いでくださいという方向に行くかなという気はします。

 

 もう一つは、先ほど後藤委員が触れられたように、今のところ兼業・副業の場合のいろいろなリスクについての制度が余り整備できていない。しかも、その整理が結構難しいというのが一つの大きな問題かと思います。

 

 かつ、制度だけでは解決できないようないろいろな法律問題が発生しそうで、その辺のところも含めてどう考えていくかというのは、今後検討していく必要はあるのかなという気はします。そうしないと、多分副業・兼業をよかれと思ってやった労働者の人が、こんなはずではなかったというリスクに直面することが起きてしまう可能性があるようには思っております。

 

 以上でございます。ありがとうございました。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 川崎さん、お願いします。

 

○川崎委員 兼業、副業の件で1つコメントをしたいと思います。

 

 まず、今、企業の中ではワークライフバンスの観点から働き方改革ということもあって、時間外労働を削減していくといった努力を重ねています。その中で、一方、兼業・副業というものを推し進めていく。その意味合いは理解するものの、労働者にとっての総労働時間を削減していく流れの中でどう捉えていくのかというところは、いろいろ課題も多いのではないかと思っています。

 

 先ほど何名かの委員からも御発言がありましたけれども、実際、兼業・副業を進めていくに当たって、よかれと思ってやってみたものの、実際、健康被害が起きてきたりとか、長時間労働といったものが起きてきたときに、どうやって労働者自体を守っていくのかというところの観点が、ある一定以上の整理がなされないと、積極的に推し進めていくというところは、ネガティブな面の影響も多いのかと考えています。

 

 あと、もう一つ、兼業・副業の場合、企業に雇用される場合もあるかと思いますけれども、企業だけではなくてフリーランスの形で、複数副業を持っていくケースも考えられますので、そのようなときに本業先の企業と副業との整理をどのようにしていくのかというような、ある程度ガイドラインは複数のケースを想定したものも検討が必要ではないのかと思っています。

 

 以上になります。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 もう少しありますので、ほかの方はどうでしょうか。大丈夫ですか。

 

 それでは、一応この議題はこれで終わりにさせていだたいて、次に2つ目のテーマである「雇用類似の働き方について」に移りたいと思います。

 

 最初に事務局より説明をお願いいたします。

 

○元木雇用環境・均等局在宅労働課長 今度は「雇用類似の働き方に関する検討会」ということで御説明したいと思います。

 

 資料5-1でございます。表紙を開いていただきまして、検討の経緯等というところがございますが、これも実は働き方改革の実行計画の中に書いてあるところでございまして、近年、個人の働き方が多様化して、雇用関係によらない働き方が注目されておりまして、その雇用類似の働き方の保護等のあり方について、中長期的に検討することということで、実行計画のほうに書かれているとところですが、雇用と自営の中間的な働き方をする社員については、実は十分にまだ把握できていない状況でございまして、そもそも雇用類似の働き方が何かも含めて、実態や課題の整理が必要だと。それを目的といたしまして、昨年「雇用類似の働き方に関する検討会」というものを、本日御出席の鎌田先生に座長になっていただき開きまして、3月末に報告書をまとめたところでございます。

 

 その実態の把握や課題の整理なのですが、まず、本検討会で把握した実態ということで、その方法を簡単に下の枠に書かせていただきました。

 

 本検討会では、雇用類似の働き方に関しまして4団体、ここに個別の名前が書いてありますが、これは御了解を得て書かせていただいているものでございます。4団体及び1人の就業者、フリーランスのテレビディレクターの方からヒアリングを行いました。

 

 もう一つはJILPTのほうで「独立営業者の就業実態と意識に関する調査(ウエブ調査)」を行いました。8,256件の有効回答の中での調査結果でございます。

 

 それから、厚生労働省のほうで20人ぐらいの方にヒアリングを行った結果でございます。それぞれの結果につきましては、参考資料のほうにつけておりますので、それを御参照いただければと思います。

 

 海外の最近の動きにつきましても、検討会のほうにお呼びしてお話を聞いたこととか、古い調査ではありますけれども、JILPT2006年の関係の比較法の研究について、参考にして報告をまとめたところでございます。

 

 ページをめくりまして、いろいろな方法で把握した限りにおいて「本検討会で把握した雇用類似の働き方に関する現状」ということで、2ページ目にまとめさせていただいたところでございます。

 

 ただ、下のほうにただし書きで書いてございますけれども、本報告書で把握した実態は、調査も含め、対象者の幅が広いことに留意が必要ということで、基本的にまだ一部の調査であろうということで、これで全体の傾向であるという決めつけはなかなかできないと考えているところでございます。

 

 まず「(1)就業状況等」ですが、就業状況は業界や職種、仕事の内容によって異なっているし、仕事の内容も多岐にわたります。

 

 契約期間のパターンについてお聞きしたのですが、全く契約期間がないという方も多い一方で、契約期間の定めがある場合には比較的短期間で働く。例えば2日から10日とか、1日以下である方も多くなっております。特に副業でやっていらっしゃる方については、10日未満の方が多いという傾向にございました。

 

 満足度について、単に一般的に満足ですかという聞き方ではなくて、仕事の内容や質、就業時間とか働きがい、やりがい、働きやすさとか、仕事全体について満足かどうかについてお聞きしたのですが、全体的には満足度は高かったところでございます。

 

 「(2)契約書の作成、重視する内容等」ですが、これも業界によって違うところなのですけれども、契約条件を文書等で明示していないケースが多くあると考えられるというところです。調査上では明示しているというところが54.9%。明示していないと回答された方が45.1%となっております。

 

 これはヒアリングからの声だったのですけれども、あらかじめ報酬額を明確化していないため、仕事が終わってからトラブルが生じてしまったというお声も聞きました。

 

 「(3)契約条件の決め方、交渉等」ですが、一概には言えないのですけれども、仕事がなくなる等の恐れから、ワーカー側からの契約条件の交渉が難しい旨の声もあって、いわゆる交渉力の格差というものの存在が考えられるところでございます。

 

 これもヒアリングでお聞きしたのですけれども、そもそも自分の報酬額が適切かわからずに引き受けてしまうというお声も聞いたところでございます。

 

 「(4)契約の相手先の数等」ですが、これも本当に業界によってそれぞれ違うようでございますが、ヒアリングから聞いたところなのですけれども、専業義務はなくとも仕事量等の関係から、複数の発注者と契約できずに、結果的に専属していると考えられるパターンが多かったのですけれども、調査結果を踏まえますと、一概に専属が多いともいえない。1社とお答えになる方が約4割いらっしゃって、それ以外は2社以上と契約をされているという方で、数値が出たところでございます。

 

 「(5)受注ルート等」ですけれども、仕事をどのように獲得してくるかというところなのですが、事後の営業活動、過去の取引先、知人等からの紹介などから仕事を得ている場合が多いと考えられます。

 

 「(6)仕事をする時間や場所等」ですけれども、調査のほうでは比較的指示されない方向で、要するに仕事の時間とか場所等を指示されないで、自分で決めていくという回答が多かったのですが、ヒアリングでは機材の都合とか他人の都合によるものについては、時間や場所を拘束されやすい傾向があると聞きました。

 

 「(7)トラブル・仕事上の悩み等」ですが、調査では約半数はトラブルの経験がないと回答されています。ですが、作業内容とか範囲、仕様や作業期間等についての一方的な変更、報酬等のトラブルについては比較的多かったところでございます。

 

 これは調査ではなくヒアリングからなのですけれども、ハラスメントの関係、事故、解約等に関するトラブルの声も聞こえたところでございます。

 

 最後に「(8)制度の希望等」ということでお聞きしました。まず、こういった働き方をしている問題点ということで多かったのが、収入が不安定、収入が低い、正規の雇用労働者ではある失業保険のようなものがない。それから、労災保険のようなものがないという調査結果になっておりまして、今後どのようなことを整備、充実すればいいのかということについては、特に必要な事項はないというのも多かったのですけれども、取引相手との契約内容の書面化の義務づけ、トラブルがあった場合に相談できる窓口やわずかな費用で解決できる制度、取引相手との契約内容の決定や変更の手続の明確化という順番で、回答が多かったところです。

 

 ヒアリングではいろいろなお声が聞けましたが、例えば能力開発とかキャリアアップなどについて御希望の声も聞かれたところでございます。

 

 「(9)クラウドソーシング等について」となっております。これはアンケートとかで聞いたということではなくて、一応クラウドソーシングの実態をお聞きするということで、クラウドソーシング協会の方に来ていただきましてお話を聞いたところ、このような内容だったわけなのですが、2番目の丸に、シェアリングエコノミーの分野については、サービスの提供を受ける者が一般消費者であるケースも多いと考えるため、発注者は誰と考えるか等の論点も考えられるというところで、報告書をまとめているところでございます。

 

 3番目に諸外国の労働者の概念等に関する状況ということで、これにつきましては時間もあれですので詳しくは御紹介いたしませんが、雇用類似の働き方の者を考えるときに、現行法上の労働者との関係を考える必要があるかなということで、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツについての労働者概念について調べたところでございます。

 

 下段におきましては最近の動きということで、検討会にヒアリングでJILPTの方に来ていただきまして、お話を伺った内容を書かせていただきました。

 

 どこでも世界的にデジタルプラットフォームとかを活用した働き方が非常にふえてきて、既存の枠に当てはまらないものですから、それをどのように対応されているのかというようなお話を聞いたところをまとめてございます。

 

 そうした現状を踏まえまして、この検討会といたしましては「雇用類似の働き方に関する保護等の在り方及び今後の検討課題等」ということでまとめているところでございます。

 

 まず、1つ目の○ということで、今後、雇用類似の働き方について、事業者間取引としてのみ捉えるか、または労働者に準じる者として捉えるかといった点について、さらに議論を深めていくことが必要であるということです。

 

 議論を深めていくに当たっては、まず、安心・納得して働くことができるようにし、働く人にとっても経済社会全体の付加価値の源泉として望まれる働き方となるようにするためにはどうしたらよいかという観点が必要でありまして、そういった観点から雇用類似の働き方の者というのはどういうものか。それから、保護の内容をどのように考えるかということを並行して、精力的に議論を進めていくことが求められるとまとめております。

 

 仮に保護する必要があるとすれば、その方法として、例えばガイドラインの策定、労働者制の範囲の解釈の拡大、労働者概念の再定義、労働関係法令等の保護を拡張して与える制度等、いろいろな方法がありますけれども、その保護の必要性についても検討する中で、並行して議論していく必要があるのではないかというまとめになっております。

 

 その議論の中の一つで、雇用類似の働き方についてどのように捉えるかということの視点の御意見がございました。

 

 まず一つは、発注者から仕事の委託を受けるなどして、主として個人で役務の提供を行い、その対象として報酬を受ける者を対象としてはどうかという御意見がございました。

 

 ただ、もう一つの○なのですが、情報の質及び量の格差、交渉力の格差があること、発注者から委託を受けた仕事から得る報酬が生活の糧となることから、不本意な契約を受けざるを得ない状態である者が出てくると思うのですけれども、そういった方について、雇用類似の働き方の者とする視点が考えられるのではないかという御意見もあったところでございます。

 

 3つ目の○は、こうした雇用関係によらない働き方の者についてさまざまな課題が考えられますが、その課題に対応する保護の中で、対象者の具体的な要件が必ずしも、その保護の内容についてもみんな一緒というようにはならないのではないかという御意見もございました。

 

 最終的にここのまとめなのですが、本検討会では雇用関係によらない働き方の一部について把握したに過ぎず、現時点で雇用類似の働き方の者について画一的に定義することは困難である。保護の必要性も含め、保護の内容とともに、引き続き実態把握をしつつ、分析をしていくことが必要だとまとめているところでございます。

 

 雇用類似の働き方の者についてはそのような結論ですが、仮に保護するとすれば、どのようなものがあるかということで、課題の整理という意味でも、検討会で挙げられた保護の内容ということでまとめました。

 

 把握したワーカーの問題意識を以下のように課題等として整理いたしました。これらに対する労働政策に関する施策として、必要であるかないかも含めて、今後検討を進めていくことが考えられる。それから、その対策を考えるに当たっては、独禁法とか下請法などの経済法との関係も留意して、検討していく必要があるのではないかということで、一つには、先ほど契約期間がないなどということもあったのですが、契約条件の明示というもの、契約内容の決定・変更・終了のルールの明確化、契約の履行確保について、報酬額の適正化、スキルアップやキャリアアップ、出産、育児、介護等との両立、先ほどトラブルの中にもあったのですが、発注者からのセクハラ等の防止について、仕事が原因で負傷し、疾病にかかった場合に、仕事が打ち切られた場合等の支援、紛争が生じた場合の相談窓口、その他ということで、マッチングの支援とか社会保障等について、その必要性も含めて今後検討を進めていくことが考えられるというまとめになっております。

 

 この検討会の報告書の最後に、まだ一部しか把握していないということで、今後もさらに把握すべき事項ということで、何点か御示唆をいただいたところでございます。

 

 1点目は、雇用関係によらない働き方について、就業状況別や発注者との関係、専業兼業の状況、このような働き方の経験年数や選択した理由等も含め、さらに細分化して実態を見ていく必要性を指摘されました。

 

 そう申しますのは、調査をいたしましたけれども、クロス集計等もされておりませんし、サンプルもそんなに多いというわけではございませんので、まださらに細分化して、実態を見ていく必要があるのではないかという御指摘です。

 

 それから、雇用類似の働き方の数の推計、いろいろなところで数は出ております。民間でやられていらっしゃるところで1,119万人という数字が先日出ておりましたけれども、いろいろなところでいろいろな数字が出ていますが、実際、本当にどれぐらいの数の方がいらっしゃるのかがわかりませんので、その推計値も含めて、雇用類似の働き方の者の全体像の把握についても検討が必要であるということ。

 

 一つ、シェアリングエコノミーの分野について、先ほども申し上げましたけれども、さらなる実態把握と検討が必要である。

 

 諸外国の制度の詳細、特に運用面です。法律や制度はこのようになっているのですけれども、実際にはどのような形で適用しているのかとか、法律であればどのように施行しているのかというようなことについても調査、把握が必要ということで、このような柱立てで御報告をいただいているところでございます。

 

 以上、この報告書を基本部会に御紹介させていただいて、基本部会のほうでまた御検討いただければと考えております。

 

 以上でございます。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 続いて、今の検討会の座長であられました鎌田様より補足説明をお願いしたいと思います。

 

○鎌田氏 今、御紹介いただきましたように、雇用類似の働き方に関する検討会の座長を務めましたことから、報告書の内容については今、元木課長から御説明があったところでありますけれども、私の問題意識などをお示ししながら補足をさせていただきたいと思います。

 

 雇用類似の働き方または雇用関係によらない働き方に関しては、この検討会が開催される以前から、さまざまな御指摘があり、議論があったところであります。

 

 我が国では、使用従属性があり、労働者に該当すれば労働関係法令が適用され、他方で、雇用関係によらない働き方をしている者には、基本的には労働関係法令の適用がなく、保護が受けられないということであります。

 

 これに対して、近年のように中間的な働き方が拡大する中で、労働者に類似する者も存在する中で、そのような者に対しては、労働者保護ルールを参考にした保護などを検討すべきではないかという考え方もあるところであります。

 

 現状においては今、申しましたように、労働者であるか、あるいは労働者ではないか。労働者であれば、現状では労災保険あるいは労働基準法に定める労働時間規制あるいは最低賃金などのあらゆる保護が労働者には適用されるが、これに対して、非労働者ということになると、適用がないということであります。

 

 余計なことかもしれませんけれども、私がかつて労働組合の方にヒアリングをしたときに、これは労災保険の適用を争った組合の方なのですけれども、労働者性を争うということが何を意味するかといったときに、その労働組合の方が、裁判で労働者性が認められれば、これは万馬券に当たったようなものだと。とにかく全てが得られる。負ければ、全て失う。かつては製造業などの労働者が中心であれば、それはおのずと社会の中で労働者性に一定の線引きがあったと思うのですが、現状において、こういったオールオアナッシングの仕組みが果たして妥当なのかということが、今後、大きな問題になるのではないかと思っております。

 

 一口に雇用類似の働き方といっても、就業実態、職種によりその形態は多種多様であるということであります。議論をする際には、論者によって、対象としてその論者が想定している事例がまま異なっている。その結果、雇用類似の働き方に関する課題を考える場合も、議論がすれ違ってしまうということがあり、課題の共有化ができない場合も見受けられるところであります。

 

 これも例ですけれども、例えば、先ほど来、話題になっておりますようなクラウドワーカーのような人たちを主に想定する方と、伝統的な、例えば建設の手間請け大工、車持ち込み運転手の方たちあるいは芸能実演家の方たちは、雇用類似、非雇用の働き方ということなのですけれども、抱える課題と実態はかなり違っている。そのどこにターゲットを置いて、議論するか。これは課題としても大きく変わってきている。

 

 そこで、こうした状況を踏まえまして、今、雇用類似にかかわる検討会は先ほど来、御紹介いただきましたようなJILPTの調査結果に基づいて、雇用類似の働き方の就業実態、課題をできるだけ広く把握し、共有化を図ろうとしたものであります。

 

 また、ヒアリングを行い、関係者の生の声を聞いて、こうした働き方をしている方が抱えている困難や彼らの要望を一部でありますけれどもすくい上げていこうというものであります。

 

 私としては、雇用類似の働き方に関する議論を今後する上で、検討会の報告書及びそれに添付されました参考資料は、今後の議論の土台になり得るものと考えております。

 

 さて、雇用類似の働き方といった場合に、どのような人を対象とするのだろうか。まず、実態調査を行う際に、どのような人たちを調査対象にするのかということが最初の問題でありました。JILPTの調査では、発注者からの委託を受けて、主として個人で役務を提供し、これに対して報酬を受け取るものを対象としておりますし、ヒアリングの関係者も、こうした観点から選んだつもりであります。

 

 労働者を雇って、みずからの計算のもとで事業活動を行う者は、雇用類似の働き方とは違うように思いますし、また、無償ボランティアのように報酬を得る目的がない働き方をする人も、また雇用類似ということとは違うように感じるわけであります。

 

 他方で、個人で役務を提供するといっても、使用者との間にいわゆる使用従属関係がある者は労働者に該当するわけでありますから、労働関係法令による保護がなされているということですので、雇用類似の働き方の対象ということにはならないのではないかと考えるわけです。

 

 さらに、実態調査、ヒアリング結果を見ますと、今後、労働政策的な対象として雇用類似の働き方を考える場合には、もう少し絞って考えたほうがいいのではないかと考えるようになりました。報告書の6の(1)を御参照いただければと思いますが、記載にあるとおり、外形的に労働者に類似しているというだけではなく、情報の質及び量の格差や交渉力の格差があること、発注者から委託を受けた仕事から得る報酬が生活の糧となることから、契約内容が一方的に決定されて、ワーカーにとって不本意な契約となっていたり、契約内容が一方的に変更されても、それを許容してしまうような状況が一つのポイントになるように思っております。

 

 すなわち、発注者から委託を受け、個人で役務の提供を行い、その対象として報酬を受けている者の中でも、さらに不本意な契約を受け入れざるを得ない状態にある者について、雇用類似の働き方の者とする見方ができるのではないかと考えております。

 

 このように、不本意な契約を受け入れざるを得ない状態にあるということを経済的従属性と呼ぶことも考えられますので、報告書は、使用従属性と区別する意味で、経済的従属性という用語を用いております。

 

 ただし、この用語も多義的でありまして、さらに検討を加える必要があろうかと思っております。

 

 さて、雇用類似の働き方の者に対して、労働政策的にどのようなアプローチをしていくべきか。報告書は、先ほどの元木課長の御紹介にありましたように、さらに議論を深めていただきたいという問題提起をしております。そうした立ち位置であるということを前提にしながら、報告書は6の冒頭、39ページのところでありますが、議論を深めるに当たって、このような働き方をする者が安心・納得して働くことができるようにし、働く人にとっても経済社会全体の付加価値の源泉としても望まれる働き方となるようにするためにはどうしたらよいか、こういった基本的な観点を持って、この議論を進めていただきたいと考えているところであります。

 

 報告書の39ページの2段落目にありますが、仮に保護する必要があるとすれば、どのような視点が考えられるか。幾つかの選択肢を提示しております。これは今後の議論の中で検討していただきたいことでありますが、例えばガイドラインの策定あるいは労働者概念の再定義、雇用類似の働き方をする者に対する労働関係法令の一部の拡張など、さまざまな方法を可能性としてこの報告書の中にも提示しているところであります。

 

 ただ、これは保護の対象や内容の検討なしには結論は得られないものでありまして、今後、保護の必要性について検討する中で議論していただきたいと思っております。

 

 また、保護の内容については、先ほど元木課長から御説明がありましたように、さまざまな課題が提示されております。先ほどの例でいうと契約条件の明示や契約内容の決定等の契約ルール、けがや病気などの際の支援、マッチング支援など、さまざまな課題を挙げております。

 

 かなり幅広く、課題としてまとめておりますが、ヒアリングで、生の声として御発言のあったものについては、私としては広く課題としてまとめておいたほうがいいだろうという気持ちで、幅広く挙げておりますが、例えば、仕事が原因で負傷したり、仕事が打ち切られた場合の所得等の補塡のための方策として、雇用労働者については労災保険や失業保険がありますが、検討会の中では、民間でも保険サービスがあるのではないかといった指摘や、仕事を失う失職の可能性が異なるものを、同一制度の対象とすることが適当かといった点についても意見がありました。

 

 したがいまして、必ずしも、この幅広く掲げた課題全てについて、雇用労働者と同等の水準を求めるという声ばかりではありませんでした。いずれにしても、この報告書では、雇用労働者に適用される制度や現状、雇用関係によらない働き方の者に適用されている制度、家内労働法もその一つでありますが、検討会での意見等をまとめているものであります。

 

 検討に当たりましては、検討会としてのお願いということでもありますが、保護の内容と雇用類似の働き方をする者の範囲等を総合的に議論していただき、拙速に結論を出すのではなく、丁寧な議論をしていただくことを期待したいと思います。

 

 最後となりますが、雇用類似の働き方については、クラウドワーカーのように新しい働き方と同時に、昔からある旧来の働き方でもあります。これまで労働政策が踏み込んでこなかった領域でもあり、今般、厚生労働省において検討を行うことは、私としては重要かつ画期的な第一歩であると考えております。

 

 以上です。

 

○守島部会長 どうもありがとうございました。

 

 それでは、続いて、今のテーマについて自由討議に入りたいと思います。

 

 ただいまの事務局からの説明と鎌田様からの補足説明について、何か御意見とか御質問等がある方は挙手をいただきたいと思います。

 

 古賀委員、お願いします。

 

○古賀委員 鎌田先生をはじめとする検討委員会の皆様方のまとめに対する御努力に、まず心から敬意を表したいと思います。

 

 とりわけ、先生からございました、雇用類似の働き方は多種多様であり画一的に定義することは難しい、そしてつかみどころがなく広範囲に及ぶということは事実だと思います。

 

 しかし、残念ながら、現実はどんどん進んでいっているのです。海外でも雇用類似の働き方の法的保護についての課題が大きくなっています。したがって、しっかりと分析しながら議論のスピードを上げて、具体的にどのように保護するかということを検討していくべきです。これらのことは専門的な見地で検討すべき事項が非常に多くなると思うので、そういう意味では、基本部会ではなくむしろ労政審の専門的な部会で、具体的なことを詰めていただくことが必要ではないか。これが意見の1点目です。

 

 2点目は、あくまでも今回の報告書は、検討会の役割を踏まえれば当然といえば当然ですが、労働法制面での観点が中心となっています。しかし、例えば、年金や健康保険の課題なども、雇用類似の働き方を考える上では非常に大きな影響を与えるものだと思います。基本部会でも2回目か3回目にそういう議論になりましたけれども、この種のことは厚生労働省だけの縦割りではなく、政府全体として関係省庁が連携して総合的に政策を議論する。その必要性を改めて提示しておきたいと思います。

 

 最後に、3点目は、先ほどのテーマでも出ましたけれども、働き方が多様化する中で、今後どういった働き方が出てくるかがわからない。その中で、現在の労働者性概念だけでは整理できないことが今でも数多く起こっているわけです。したがって、労働者性の概念の整理をどこかできちんとしておかないとだめではないかと思えて仕方がありません。 これは大変難しい問題だと思いますけれども、現実が進行していく中で、後追いになるのではなく、スピードを上げた議論も片一方でしていく必要がある。このことを申し上げ、意見にかえさせていただきたいと思います。 以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 佐々木委員、お願いします。

 

○佐々木委員 ありがとうございます。

 

 今の古賀さんの考えに賛成でございます。

 

 また、先ほども申し上げましたけれども、どんどん変化していく中でのスピードアップをするために、いろいろな審議会、研究会があるわけですけれども、焦点を絞る必要があるのだろうと思います。

 

 前の資料でもありましたし今回も、基本的に90%くらいの人は問題なくうまくやっているわけです。副業もテレワークも、政府が呼び名をつけようとしているさまざまな呼び方のものの働き方の中で、資料を拝見して伺っていると、働き方もおおむね満足、収入もおおむね満足、90%問題ないと言っているというと、一般的に企業で働いている人たちよりもハッピー度は高いということがわかったということではないのか。

 

 ざっくりした言い方をすると、そういう意味では、放っておいてもどんどん新しい働き方を見つけて、自分の満足のいくライフスタイルをつかんでいる人たちがふえてきているということだと思うのです。なので私は、やらなくてはならないのは、2つに分けることだろうと思います。

 

 一つは今、古賀さんがおっしゃったように、今どのような現実で、どのようなスピードで、どのような働き方がふえているのかということを研究して、政府がきちんと把握しておかなくてはならないという意味で、日々、キャッチアップしていくというような研究です。それから、圧倒的に保護しなければならない人は何なのかということを見つけ出して、早く手当てをする。ですから、研究をして、今回もすばらしい報告書で、本当にいろいろ網羅していただいているのですけれども、保護する必要があれば検討するというところで終わるのではなくて、保護する人は誰なのかということを見つけに行く研究会をつくり、そして、保護する人はこの人だというカテゴリーを見つけたら、徹底的に一番早いスピードで、どういう保護をする政策をつくっていったらいいのかということを考える。というように、保護する人を決めて、先ほどのガイドラインではなく、もっと法律にするのかということで、きちんとやっていくのと、全く別の働き方がどうなってしまっているのかと。世の中がどのようになっているのかということを研究するということと、2つに分けたスピード感と目的で動かしていく必要があるのではないかと思いました。

 

 どうしても、今の法律というのは、出勤して、何時間か会社にいて、戻ってくるという人を想定してつくっている法律を、修正しようとしているので、大もとが成り立っていないというか、少なくなってきているところですから、先ほども始業と終業の時刻を決めなくてはならないというような、今では全く合わないものをもとにしているということを考えると、目的を分けた審議会と研究会を押さえてスピードアップしていきたいと思います。

 

 以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 大竹さんが先に手を挙げていらっしゃいました。どうぞ。

 

○大竹委員 法律によって雇用者を保護することで、雇用類似の働き方が増えてくるというのは、もとから可能性があったことなのですけれども、長期的には雇用の保護が進んでも、自営業といった雇用以外の働き方は減ってきていたわけです。それは、かつてはそういうコストを払ってでも雇用者として働いてもらったほうが、企業は得であったからです。雇用者保護が進んでも雇用者が増えたのは企業特殊熟練によるリターンが多かったからですが、企業特殊的熟練をそれほど必要としない仕事が増えてきたので、雇用保護ということによって雇用類似という形での仕事がふえてきたということが、最近の大きな流れだと思うのです。

 

 例えば、私たちの研究では、最低賃金を引き上げると、実は自営業が増えてきた、という結果が出てきています。そういうことが、かつてはあまり起こらなかったのですが、起こるようになってきた。そして、雇用類似の仕事で様々な問題が生じてきた。その問題の背景には、本日の報告書でも幾つか出ていますが、情報格差とか独占などがあるのですけれども、理由が何かということを明らかにしていかないと対策が違ってくるかと思います。

 

 情報格差で、労働者が賃金や契約料の相場を知らないということであれば、相場を形成してあげることが大事なのです。安い契約料で引き受けてしまったということであれば、相場は何かということをどうやって形成するかというのが対策になって、雇用類似の人たちに保護の手を差し伸べるというよりは、相場をどうやって形成するか、それは組合でもマネジメント会社でも何でもいいと思うのですが、そういうことをうまくやっていくというのが対策になります。

 

 それから、技能は別に企業特殊ではないのだけれども、地域にその仕事が限られているというケースは、地域独占のケースになってくるので、それは情報を幾ら提供したとしても、交渉力は上がらないです。そこについては、何かもう少し最低賃金に近いようなルールで交渉力をアップするというのが対策になってくると思うのです。それはひょっとすると、最低賃金の方向に行かなくて、独占禁止法みたいな事業者間の交渉力の確保という形で整理するのがいいと思うのですが、何かそういう理論をもう少しきちんと整理して、現状を明らかにするのも大事なのですけれども、理論面から対策を分けていくのが必要かなと感じました。

 

 以上です。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 それでは、御手洗委員、お願いします。

 

○御手洗委員 ありがとうございます。

 

 私も、古賀先生、佐々木先生、大竹先生が言われたことにおおむね賛成で、行政が介入すべき問題は何なのかというところを把握して、具体的に話を進めていくことが大事ではないかと思います。

 

 一歩入った中身の話になってしまうかもしれないですけれども、雇用類似にまつわる問題で、行政介入するときに注意すべきかなと思う点についてお話ししたいと思います。

 

 保護する対象と考えると、所得が低い人たちが保護対象になることが多いかと思うのですけれども、そもそも雇用類似の仕事の中には、定型業務を行ってアウトプットが画一的なものと、能力とか、向き不向きによってアウトプットに大きく差が出る業種があるかと思います。

 

 特に後者は、普通の会社の労働法の中では当てはまりにくいから外に出ていることがあると思うのです。例えば、私がイラストレーターになりたいと思って、絵はうまくないのですけれども、イラストレーターの名刺をつくって、仕事を受注しようとする。大して絵がうまくないから仕事をもらえず、どうかお願いですと雑誌社か何かにお願いして、しようがないなと挿絵を1,000円、2,000円とかで請け負うようになったりすると、これは所得が低いです。

 

 ただ、問題は、所得が低いので報酬を適正化しましょうということではなくて、恐らく私がその仕事に向いていないということもあるのだと思います。ですので、特に雇用類似については、職種的に、今まで労働法を見ているときは余り見なかったような、能力によってアウトプットに極端に差が出るような業態があることを念頭に置く必要があるかと思います。こうした職種では、所得が低い人に対する保護が、ただ報酬を上げるというだけだと、必ずしも状況が健全にならない。その人もそんなに幸せにならないと思うので、余り健全な打ち手ではないということがあるかなと思いました。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 山川先生、お願いします。

 

○山川委員 似たような話だと思うのですけれども、いろいろな働き方がありますね。自営業者の中でも、かなり従属性が高い、雇用的だという人たちを保護しなければならない。それは全く当たり前で、当然、考えていかなければならない部分があって、それと全く逆の話で、労働者なのにすごく自営的な人が昔はいなかったのに物すごくふえているのだと思います。

 

 私の顧客などだと、例えば年収が1億とかでも労働者ですと。残業代を払わなければいけません、解雇もできません、規制緩和してくれという会社もあるのです。だから、古賀先生がおっしゃっていた労働者概念の再整理というところと若干被ってくるのかなと思うのですけれども、より規制、保護しなければいけない人がいる一方で、どう考えても規制を緩和しなければいけないところもあって、そこが今、いろいろ問題になってしまっている高プロの時間であったりとか、いろいろあると思うので、両方を見ていかないと、規制ばかりをしていくと多分、その上の割と自営的な労働者は当然必要だし、そこにもうちょっとイノベーションの余地を残すためには、当然、規制緩和も必要になってくるかと思うので、そこも忘れないようにやっていかないと、バランスが悪くなるのかなと思いました。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 それでは、長谷川委員、お願いします。

 

○長谷川委員 検討会の報告書のとりまとめ、御苦労さまでした。久しぶりに、厚労省から出た検討会でいい報告書を読ませていただいたと思いました。

 

 雇用類似の働き方について、厚労省が働くということに着目して検討したということが、非常に画期的だと思うのです。これまでの厚労省は、どちらかといえば雇用労働者、使用されている労働者をどのように保護していくのかという観点で法律や制度をつくってきました。雇用就労形態の多様化が言われて随分長いことになるのですけれども、今回は、そういう意味では、雇用労働にとどまらず、「働く」ということに着目し、どういった働き方をしているのかということをヒアリングして、雇用類似の働き方に関する報告書をまとめたことはとてもよかったのではないか。今まで厚労省は、雇用類似の働き方は雇用労働者ではないため経産省ではないかという感じがあったわけですけれども、そこが払拭できたのはよかったと思います。

 

 その上で、報告書では今後の検討課題が整理されていますので、私はこれら課題について、専門家がきっちりと働き方の分析をして、その上で、どういう人たちを既存の労働法で保護するのか。それとも、別の法で保護するのかという議論が必要なのではないかと思います。

 

 厚労省は行政だから行政取締法規をつくるという選択肢しかないというわけではなく、労働契約法のように取締法規ではない民事法規もあるわけです。行政が取り締まり指導監督を行う根拠法とするのか、労働契約法のような民事法規で保護するのか、それとも他の選択肢があるのかも含めて、検討課題ではないかと思います。

 

 折角報告書がまとめられたので、余り時間を置かず直ちに、検討課題について専門家集団の皆さんにぜひ検討を開始していただきたいと思います。

 

 私の問題意識としては、労働基準法や労働安全衛生法、労災保険法といった労働保護法がありますが、ひとたび労働者性が認められないと、どんと飛んで民法に行ってしまうのです。この狭間を埋めながら、どのような働き方をしても、何かがあったときはこういう保護法やセーフティネットがあるということが必要なのではないかと思います。

 

 私は今、労災保険に携わっていますけれども、労働基準法の労働者に該当するかしないかという場面に遭遇します。その際、先生が先ほどおっしゃったように、労働者となったときは本当にラッキーで労働法の保護をすべて受けることが出来る。逆に労働者ではないといったときは何もないとなるわけです。そういう意味では、働き方の多様性、変化に対応した新しい法律をどのようにつくるかということは、専門家集団で検討していただければいいと思いますけれども、ぜひ作業を急いで欲しい。事務局に作業を急いでほしいと思います。

 

 今回の検討会報告書は非常によかったのではないかと思います。次はぜひ、労働法や労働経済の専門家集団で、ぜひ大竹先生の意見なども反映していただき検討していくことがいいのではないかと思います。

 

○守島部会長 ありがとうございます。

 

 それでは、岩村委員、お願いします。

 

○岩村委員 時間がないところでごめんなさい。ありがとうございます。

 

 きょうのこの報告書と鎌田先生の話は大変すばらしいものだと思いました。

 

 私も労働委員会などをやって、労働者そのものではないかもしれない人たちの事件を扱ったのですけれども、そういう方々は、実はもともとはハッピーだと思っているのです。ところが、ある日突然、条件を切り下げられたり、ある日突然、もうあなたとはさようならですと言われる。非常に不安定であるというところが一番の事の本質であるだろうという気がいたします。

 

 ですから、今、ハッピーだと答えているということが、それは問題ないということは余り意味しないだろうと私は思っています。

 

 他方で、労働者類似、雇用類似といっても、いろいろなバリエーションがあるだろうと思います。法律の話はともかくとしても、一番コアになるところは先ほど古賀委員とか長谷川委員がおっしゃったように、労基法上の労働者というのがあって、そこですと単に労働法上の保護だけではなくて、社会保障上の社会保険の保護とか、そういったものが全部ワンセットでくっついてくる。そこから外れたところに、実は労組法上の労働者が出てくる。労組法の労働者から外れてしまったところになると、これは恐らくほとんど現在の労働法の手が及ばない領域なので、現在でも実は幾つかのグレードが存在しているということかと思います。しかも、あるところからぱちんと切れているわけではない、かなり連続的なグレードなのです。そういった人たちに、どういう保護を与えていくのかということを考えた場合には、一つのモデルが提供できるわけではなく、この報告書でも触れられているように、いろいろなモデルがあり得るだろうと思います。

 

 いわゆる法律なり法令なりのような学問的に言ったらハードローでアプローチするのか、先ほどのテレワークとか何かのように、ガイドラインとかそういったもののようなソフトロー的なアプローチで行くのかというような手法の問題もありますし、どこにどれだけの保護を与えなくてはいけないかということも見きわめなくてはいけない。そういう意味では、かなりいろいろなことを実際には考えなければいけないだろうと思います。

 

 そうしますと、何となく私の感じでは、きょうプレゼンをいただいた報告書でも、もう少し詰めていろいろ調べてみないとわかりませんねということでもあるので、この基本部会で少し議論は詰めるにしても、どういうところをもう少し調べて、それを踏まえて法制化のほうに行くのか行かないのかというような、そういったことを考えていくのが一つの方向性としてはあるかなとは思った次第でございます。

 

 以上です。ありがとうございました。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 もし、どなたか最後に発言されたい方がいらっしゃれば。大丈夫ですか。

 

 それでは、そろそろ終了時刻ですので、このあたりで今回の議論は終了させていただきたいと思います。活発な御議論をどうもありがとうございました。

 

 最後に事務局から、次回の日程についてお願いします。

 

○奈尾労働政策担当参事官 次回の当部会の日程でございますけれども、5月22日の開催を予定しております。

 

 詳細につきましては、調整の上、改めて御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

 

○守島部会長 ありがとうございました。

 

 それでは、本日はこのぐらいで閉会とさせていただきたいと思います。

 

 本日の会議の議事録につきましては、本審議会の運営規定により、部会長である私のほか、2名の委員に御署名をいただくことになっております。つきましては、御手洗委員と古賀委員に署名人になっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 

 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。

 

 

(了)

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