ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第59回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2024年7月5日)
2024年7月5日 第59回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
○日時
令和6年7月5日(金) 14:00~16:00
○場所
AP虎ノ門(オンライン会議場)
C会議室
東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル(日本酒造虎ノ門ビル)
○出席者
出席構成員
新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、北風構成員、 |
康構成員、崔構成員、田村(直)構成員、中村構成員、松本構成員、 |
宮川構成員、村島構成員、柳原構成員、山口構成員、横谷構成員、渡邊構成員 |
出席参考人
宮崎参考人、米盛参考人 |
○議題
要望の医療上の必要性に係る検討状況等について
開発要請を行った要望に係る検討状況等について
医療上の必要性に係る専門作業班(WG)の評価について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
ドラッグロス解消に向けた取組について
その他
○議事
○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第59回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
本日もウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承、お願いいたします。
構成員の先生方におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、誠にありがとうございます。
会議を開始するに当たって、注意事項を御説明させていただきます。
オンラインで御参加の場合、発言の場合は挙手ボタンを押していただき、座長に指名された後にミュートを解除して御発言をお願いいたします。御発言されない際には、マイクはミュートにしておいていただきますようお願いいたします。
また、会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載の連絡先に御連絡いただきますようお願いいたします。
会議に先立ちまして、今年度より新たに本会議の構成員として御参画いただくメンバーについて御紹介させていただきます。
まず初めに、錦秀会阪和病院・阪和記念病院統括院長・総長 北風政史先生でございます。
○北風構成員 よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、埼玉県立小児医療センター血液腫瘍科科長兼小児がんセンター長 康勝好先生でございます。
○康構成員 康です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究開発監理部開発企画主幹 中村秀文先生でございます。
○中村構成員 中村でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、杏林大学医学部精神神経科学教室教授 渡辺衡一郎先生でございます。
○渡辺構成員 渡辺です。よろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
以上4名の先生方に新たに御参画いただいておりますので、よろしくお願い申し上げます。
本日の出席状況でございますが、戸高構成員、平林構成員、田村研治構成員より御欠席との御連絡をいただいているところでございます。
現在のところ17名の先生方に御出席いただいておりますことを御報告申し上げます。
本日の専門ワーキンググループの検討状況の報告に当たりまして、抗がんワーキンググループから米盛参考人に、それから抗菌・抗炎症ワーキンググループから宮崎参考人に御参加いただいております。
また、事務局に人事異動がございましたので、御挨拶をさせていただきます。
大臣官房審議官医薬担当 佐藤大作でございます。
○佐藤審議官 佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 また、私、医薬局医薬審査管理課の浦と申します。
それでは、以後の進行につきまして座長の大江先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員から申し出いただきました学会執行部への所属状況について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
事前に送付した資料を御用意いただきますようお願いいたします。電子ファイルは1つにまとめて、右下に通し番号を振っております。本日の資料の一覧を2ページ目にお示ししておりますので、御確認いただければと思います。
まず、議事次第、配布資料一覧。
3ページから資料1として、検討会の進め方の資料。
5ページから資料2のシリーズ、資料2-1と2-2がございますけれども、これまでの本検討会の検討状況の概要をお示ししたものになってございます。
続きまして、資料3から4が、本日御議論いただく内容となっております。
26ページ目から資料3といたしまして、「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門作業班(ワーキンググループ)の評価となっておりまして、本日は2品目・2件の要望がございます。
それから、30ページ目から資料4といたしまして、公知申請への該当性に係る報告書案ということで、こちらは1品目・1件を御提示さしあげているところでございます。
続きまして、51ページ目から資料5のシリーズといたしまして、5-1から5-6までございまして、開発の進捗状況である、企業から提出された開発工程表の概要等の資料になっております。
続きまして、165ページ目から資料6といたしまして、開発公募を行った医薬品のリスト。
168ページ目から資料7といたしまして、ドラッグロス解消に向けた取組についての資料を添付しているところでございます。
以上の資料につきまして1つのPDFファイルとして配付しているところでございます。
また、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を一つづりで参考資料としてまとめておりますので、適宜御参照いただきますようお願いいたします。
続きまして、各構成員からお申し出いただいた学会執行部への所属状況について御報告をさしあげます。
参考資料15ページに、参考資料7といたしまして、構成員が執行部に所属されている学会に関する資料を添付しているところでございます。本会議の公平性の観点から、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方、理事会メンバー以上を想定しているところでございます。こちらにつきまして、当該学会からの開発要望については、要望に係る背景事情等の説明というのは行っていただいて差し支えないところでございますけれども、当該品目の議決には参加しないということでお願いしているところでございます。
本資料につきましては、現時点の内容として更新をしておりますけれども、誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
続きまして、各構成員からのお申し出状況に関しまして御説明いたします。資料4「アダリムマブ(遺伝子組換え)に関する「日本脊椎関節炎学会及び日本リウマチ学会」からの要望」に関しまして、議決に参加しない構成員としまして、田村直人構成員ということになっております。
本日は、これらの資料に基づいて審議をお進めいただきたいと思っております。
説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
続きまして、資料2のワーキンググループの検討状況の概要等について、前回会議以降の進捗状況について事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
資料2-1、5ページ目を御覧いただければと思います。こちらは、学会や患者団体等から提出された要望のうち、医療上の必要性に係る検討状況というのを一覧表としてお示ししているものになります。
新規要望として3件受理しておりますので、要望の総数の合計が1056件となっていることを御報告申し上げます。
専門ワーキンググループで検討中の品目といたしましては、新規要望の3件、それから専門ワーキンググループで検討が終了した要望というのが2件ございましたので、全体として1件増えるという形で、67件ということになっております。
専門ワーキンググループで必要性が高いと評価されたものとしましては、本日御審議いただく2件がございますので、全体としては441件という形になってございます。
また、前回の本検討会議で医療上の必要性が高いと評価されたものが4件ございました。このため、全体として439件という数字になってございます。
次のページから、別添として個別品目の状況を掲載しているところでございます。新規の追加要望ですとか、前回からの更新情報というのを黄色でハイライトしておりますので、御参照いただけますと幸いです。
続きまして、資料2-2、20ページを御覧いただければと思います。こちらは、先ほど御報告さしあげた医療上の必要性が高いと判断された要望のうち、企業に開発要請を行った要望に係る検討状況についてお示しした資料になります。
前回会議で評価後に開発要請がされたものが4件ございましたので、総数は377件となっております。
今回、専門ワーキンググループで公知申請が妥当と判断されております品目が1件ございますので、検討中につきましては、全体としてプラス3件という形で、合計30件という数字になっております。専門ワーキンググループで公知申請が妥当と判断された1件につきましては、本日の会議で御審議をお願いしたいと考えております。
また、前回の会議で審議いただいた品目が3件ございましたので、本検討会議で公知申請が妥当と判断されたものは合計169件という数字になってございます。
その次のページから、別添といたしまして個別品目について掲載しているところでございます。新規のものについては、黄色でハイライトしているところでございます。
また、本検討会議を経た後の各品目の開発状況につきましては、後ほど資料5を用いて御説明さしあげたいと思います。
資料2の説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して何か御質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは「医療上の必要性に係る基準」への該当性に関する専門ワーキンググループの評価に移らせていただきたいと思います。
初めは、抗がんワーキンググループより、米盛参考人、御報告をお願いいたします。
○米盛参考人 抗がんワーキンググループにおいて検討した品目について説明させていただきます。
27ページ、資料3を御覧ください。イマチニブメシル酸塩になります。隆起性皮膚線維肉腫(以下、「DFSP」)に対するイマチニブメシル酸塩(以下、「イマチニブ」)の投与に関する要望です。
適応疾病の重篤性について、DFSPは致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しました。
医療上の有用性について、欧米等において切除不能、再発又は遠隔転移を有するDFSPに対してイマチニブが承認されております。また、海外診療ガイドライン及び海外における教科書の記載内容、並びに海外臨床試験成績から、イマチニブは、切除不能、再発又は遠隔転移を有するDFSPに対して、欧米等において標準的治療の一つに位置付けられていると考えられ、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられます。以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、何か御質問ございますでしょうか。
すみません、私もあまり聞いたことがない疾患なのですけれども、これは海外ではイマチニブが標準的に使われているという理解ですね。
○米盛参考人 そのとおりです。
○大江座長 ありがとうございます。
それでは、特に御質問、御異議なければ、本報告書案について御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、了解いただけたものと認めたいと思います。
○大江座長 続きまして、ゲムシタビンについて、こちらも抗がんワーキンググループから、米盛参考人、よろしくお願いいたします。
○米盛参考人 ゲムシタビン塩酸塩です。次に、28ページを御覧ください。上咽頭癌、局所進行上咽頭癌に対する根治治療前後の補助化学療法、及び再発又は転移を有する上咽頭癌に対する化学療法に対するゲムシタビン塩酸塩(以下、「ゲムシタビン」)の投与に関する要望です。
適応疾病の重篤性について、上咽頭癌は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しました。
医療上の有用性について、海外診療ガイドライン及び海外における教科書の記載内容、並びに海外臨床試験成績から、局所進行上咽頭癌患者に対する根治治療前の補助化学療法(以下、「導入化学療法」)として、ゲムシタビンとシスプラチンの併用投与、再発又は遠隔転移を有する上咽頭癌に対する化学療法として、ゲムシタビンとシスプラチンとの併用投与またはゲムシタビンの単独投与は、欧米等において標準治療の一つに位置付けられていると考えられ、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えらます。以上より、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
なお、要望されている効能・効果のうち、「局所進行上咽頭癌に対する根治治療前後の補助化学療法」について、根拠となる公表論文の内容を踏まえると、医療上の有用性が期待できると判断できるのは「局所進行上咽頭癌に対する根治治療前の補助化学療法」、つまり導入化学療法に限定されると判断しました。
説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、どなたか質問、コメントございますか。よろしいでしょうか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということで、特に御意見なければ認めたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、「公知申請への該当性に係る報告書案」の審議に移らせていただきます。アダリムマブのX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎について、抗菌・抗炎症ワーキンググループから、宮崎参考人、御報告をお願いいたします。
○宮崎参考人 抗菌・抗炎症ワーキングの宮崎です。よろしくお願いいたします。
抗菌・抗炎症ワーキングで、今回、公知申請の該当性を検討した要望について資料4に沿って説明いたします。
通し番号194分の30ページを御覧ください。要望番号IV-155、日本脊椎関節炎学会、日本リウマチ学会及び日本AS友の会から要望されているアダリムマブ(遺伝子組換え)のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に関して、公知申請への該当性の評価を行いました。以降、アダリムマブ(遺伝子組換え)を「本薬」、体軸性脊椎関節炎を「axSpA」、強直性脊椎炎を「AS」、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を「nr-axSpA」と呼ばせていただきます。本要望は、令和5年8月に開催された第56回の本会議におきまして、医療上の必要性があると御判断いただいております。
2ページの3.欧米等6カ国の承認状況についてに記載のとおり、本薬は欧州において、nr-axSpAに対する治療薬としての承認を受けております。
7ページ、4.要望内容について企業側で実施した海外臨床試験成績についてを御覧いただくと、欧州での承認の根拠となった臨床試験の概要を、また、10ページの5.要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について、(4)学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載状況に、ガイドラインにおける推奨状況をそれぞれ示しております。
また、15ページの6.本邦での開発状況(経緯)及び使用実態についてに記載のとおり、axSpA患者を対象とした第1回全国疫学調査によって、国内におけるnr-axSpAに対する本薬の使用実態が確認されております。
有効性につきましては、16ページに記載のとおり、海外で実施された試験成績を踏まえた海外での承認状況、海外ガイドラインでの推奨状況、国内の使用実態に加え、本薬はnr-axSpAと同一の疾患スペクトルと考えられているASに対して本邦で承認されていることを踏まえ、nr-axSpA患者に対する本薬の有効性は、医学薬学上公知と判断できると考えております。
安全性については、16から17ページに記載しておりますが、海外臨床試験等において、nr-axSpA患者特有の有害事象は認められておらず、要望されている用法・用量は本邦におけるASに対する基本用法・用量であることを踏まえると、nr-axSpA患者に対する本薬の安全性は、ASと同様、安全対策を行うことで管理可能と考えました。
効能・効果については、17から18ページに記載しておりますが、欧州で承認されている効能・効果、注意喚起等を踏まえ、効能・効果を既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎と設定した上で、効能・効果に関連する注意として、過去の治療において既存治療薬(非ステロイド性抗炎症薬)等による治療が、治療を適切に行っても疾患に起因する明らかな臨床症状及び炎症の客観的兆候が認められる場合に投与する旨を注意喚起することが適切と判断いたしました。
用法・用量につきましても、18から19ページに記載のとおり、欧州での承認用法・用量及び注意喚起、本邦におけるASの基本用法・用量及び注意喚起を踏まえて、要望された用法・用量のとおり、通常、成人にはアダリムマブ(遺伝子組換え)として40mgを2週に1回、皮下注射すると設定し、用法・用量に関連する注意として、本剤による治療反応は、通常、投与開始から12週以内に得られる。12週以内に治療反応が得られない場合は、現在の治療計画の継続を慎重に再考する旨を注意喚起することが適切と判断いたしました。
IV-155に関する報告内容は以上となります。御審議のほどお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
質問、コメント、どなたかございますでしょうか。
すみません、ちょっと基本的なことになって恐縮ですけれども、X線基準を満たさないというふうに断り書きが書いてあるということは、X線基準を満たす体軸性脊椎関節炎に関しては、既にアダリムマブが使えるような状況にあるという理解でいいのですか。
○宮崎参考人 それで結構だと思います。
○大江座長 そうすると、全ての体軸性脊椎関節炎に使えるようになるということですか。
○宮崎参考人 はい。
○大江座長 ありがとうございます。
何か質問、コメントございますか。
はい。
○新構成員 ここに、12週以内に適切な効果が得られない場合には慎重にということが記載されていますけれども、これは先生方の御意見として、やめることをお勧めするのか、効果がなくてももうしばらく我慢しろという意味なのか、ちょっと教えていただければと思います。
○宮崎参考人 ありがとうございます。
極めて難しい質問だと存じますが、12週投与しまして明らかな改善がなくても、例えば炎症マーカーの改善があるとか、何らかの改善傾向が見られる場合も実臨床ではあるかと存じます。また、反応につきましては、必ずしも一定でなく、個人差があることも可能性として考えられますので、現場のほうで慎重に判断いただくというふうに理解しております。それでよろしいでしょうか。
○新構成員 ありがとうございます。
○大江座長 ほか、何か質問、御意見ございますか。よろしいですか。
それでは、本報告書案について御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
特に御異議ないようですので、御了解いただけたものと認めたいと思います。
引き続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。
○飯村治験室長 研究開発政策課でございます。
資料の51ページを御覧ください。資料5-1、企業から提出された開発工程表についての資料でございます。
最初の○に記載のとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から、2024年5月31日時点の状況を踏まえた最新の工程表が提出されております。これまでに提出された件数としましては、第I回要望分として183件、第II回要望分として94件、第III回要望分として47件、第IV回要望分として87件となっております。詳細につきましては、次の資料で説明させていただきます。
続きまして、54ページを御覧ください。資料5-2になります。こちらは、各企業から提出されました開発工程表の進捗をまとめたものになります。詳細な進捗等につきましては、資料5-3から5-6で御確認いただければと存じますが、こちらの資料5-2を用いて進捗状況に関する前回会議からの主な変更点を御報告いたします。
まず初めに「1.開発要請の件数」についてでございます。第IV回の要望につきましては、3件の追加がございまして、開発要請の件数としては87件となっております。
次の55ページを御覧ください。「2.開発工程表における進捗」についてでございまして、要請回ごとに進捗を御紹介いたします。
第I回から第III回の開発要請につきましては、前回の御報告時点からの変更はございません。
(4)の第IV回開発要請分について御覧ください。要望番号IV-60、61 ファイザーの組織培養不活化ダニ媒介性脳炎ワクチンが承認済みとなりました。
要望番号IV-84 ノバルティスファーマのエルトロンボパグオラミン、要望番号IV-85 協和キリンのロミプロスチム(遺伝子組換え)、要望番号IV-87 全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)、要望番号IV-97 クリニジェンのカルボプラチン、要望番号IV-70 ギリアド・サイエンシズのエムトリシタビン200mg及びテノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、こちらが公知申請予定から承認申請済みとなりました。
続いて、要望番号IV-117、118の第一三共のインドシアニングリーン、要望番号168、169の全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)が開発要請発出に伴いまして、公知申請予定という形に追加されております。
この結果、承認済み品目が2件増えまして55件、承認申請済み品目が5件増えまして6件、公知申請予定品目が3件増えて19件となっております。
以上が開発要請品目の進捗の御報告でございます。
続きまして、165ページを御覧ください。資料6になります。こちらは開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況になります。
167ページになりますが、第IV回要望募集の東洋製薬化成のリドカインが、治験の実施中になったということでございます。
以上がこの資料の説明でございます。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、質問、コメントございましたらお願いいたします。
なければ、続きまして、ドラッグロスの解消に向けた取組について、事務局から説明をお願いいたします。
○飯村治験室長 研究開発政策課でございます。
それでは、資料7、168ページを御覧ください。1枚目が我が国におけますドラッグラグ/ドラッグロスの実態についてでございます。こちらは、昨年6月に取りまとめました「医薬品の迅速・安定供給実現に向けた総合対策に関する有識者検討会報告書」における参考資料となります。2023年3月時点において、欧米では承認されていますが、日本では承認されていない、いわゆるドラッグロスである未承認医薬品のうち、承認申請がされておらず、国内での開発が未着手であるというものです。こうしたドラッグロスが生じている医薬品が86品目あるということが記載されております。
次のページを御覧ください。これら86品目のドラッグロスの解消に向けた、新たな取組について御説明させていただきます。
これまで、未承認薬・適応外薬検討会議における医療上の必要性の評価につきましては、図の左側にありますように、学会や患者会等からの開発要望を受けまして、その内容について本検討会議で評価を行っていただいております。いわば受け身で対応してきておりました。
今回、新たに設けますスキームでは、図の右側にありますように、欧米では承認されているが、日本では承認されていない医薬品のうち、国内開発未着手の医薬品86品目について、学会等からの要望を待つことなく、国が能動的に、本検討会議における医療上の必要性の評価を行うために必要な情報の整理を行うことで、本会議における評価、開発要請等の加速化を図ります。
具体的には、厚生労働科学特別研究事業におきまして、医薬品データの整理、関連学会へのニーズ調査、市場性の調査、開発の優先順位づけ等を実施することを検討しております。本検討会議で医療上の必要性が判断された場合には、これまでの学会等からの要望と同様に、企業に対して開発要請または開発企業の公募を行います。
また、開発企業を公募する品目のうち、市場性がないような品目につきましては、右下にございますように、関係学会と協力いたしまして、アカデミア主導での開発をAMED等を通じて支援を行いまして、薬事承認申請に活用可能なデータの取得を目指します。
次のページからは、昨年の9月の中医協における資料ですが、こちらが2023年3月時点でドラッグロスが生じている86品目の医薬品の詳細となります。
次ページ以降に各医薬品の情報が記載されていますけれども、内容の説明は省略させていただきます。
私からの説明は以上になります。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの説明に御質問、コメントございますか。
こちらから受け身ではなく、積極的に関与していくということで、非常にいい試みかなと思って聞いていましたが、先生、お願いいたします。
○中村構成員 中村でございますけれども、事務局から事前に御説明があったときにも同じことを聞いたのですけれども、AMEDの研究費で小児枠はあるものの、そこがコンペティションが結構厳しくて、先生方が開発したいものがなかなか治験のお金が取れない状況だと聞いていますので、ここにあるものが一気に上がっていくとパンクするといいますか、行政側の措置というものが、もし医師主導治験でやるならどうしてもということと。医師主導治験でやるのは結構大変なので、できるだけ医師主導治験は本当に必要なものだけにしていただかないと現場は厳しいかなと思います。
ニーズ調査が大事かと思われますし、そこで調べる側もかなり手間がかかると思いますので、その辺り、時間の余裕も十分に持ってやっていただければと思います。よろしくお願いします。
○飯村治験室長 事務局でございます。
御指摘ありがとうございます。おっしゃるとおりでございまして、この特別研究班におきましては、ニーズの調査、それから開発の優先順位づけについても御検討いただきたいと思っております。日本の国民にも、このロス品目をいち早く上市すべきだという品目に関しましては、優先順位が高いものとしまして、さらに開発・公募する企業がいないときには、アカデミア主導での医師主導治験を実施いただくようにお願いしたいと思っております。その際の必要なAMEDの予算に関しましては、現状では十分な予算が確保されていませんけれども、予算額の確保に向けた努力はしていきたいと思っております。
○大江座長 ありがとうございます。
今、アカデミアで医師主導治験というお話でしたけれども、どの程度の治験を求められているか。これは全て海外で有効性が認められて承認されている薬ですけれども、それを一から治験をやるというのも非現実的な感じがするのですが、例えば日本人の安全性だけ見ればいいのか、それから有効性まで見ていかなければいけないのかとか、その辺をざっくり教えていただけますか。
○事務局 医薬品審査管理課でございます。
今、ご質問いただいた点につきましては、個別品目ごとにデータを精査しながら判断していかなければいけないかなと思いますので、一概に言えるものではございません。ただし、おっしゃるとおり、海外での情報がどれだけあるのかということを十分に勘案しながら検討すべき事項かと考えているところでございます。
○大江座長 ありがとうございます。
ほか、何か質問、コメントありますか。
お願いします。
○松本構成員 ありがとうございます。
ドラッグロスの解消に向けて積極的に動いていただけるのは、本当にありがたいと思います。ただ、海外で実際に開発しているにもかかわらず、日本だけそうやって遅れてしまうには、それなりの理由があるのだと思います。それは例えば承認の手続の難しさなのか、あるいは市場での規模が小さいから、結局商売として成り立たないという判断なのか、いろいろな根拠があるかと思いますので、なぜ海外では開発しても、日本ではあまり積極的に企業側がなれないのかについても、公開しなくても構いませんので、その辺りもちょっと把握しておいていただいて、何が課題になっているのかをもう少し調べていただければと思います。よろしくお願いいたします。
○飯村治験室長 ありがとうございます。事務局でございます。
資料の168ページ、資料7の1枚目でございますけれども、こちらに86品目の内訳というのを記載させていただいております。その中で、市場性がないもの、オーファンが47%(40品目)、小児用医薬品が37%(32品目)ということで、これらに関しましては、恐らく市場性の観点から開発がなかなか着手されていないものと思います。
もう一つ、いわゆるスタートアップ、ベンチャー発の品目が56%で半分以上を占めていまして48品目になっています。主にアメリカでございますけれども、海外のスタートアップが開発した品目に関しましては、国内にそういったスタートアップの日本法人がないというような状況でございまして、スタートアップがそもそも日本に関して関心を持っていただけていないということも課題だと思っています。この点に関しましては、別途、今、PMDAのほうでも動いていただいていますけれども、日本の市場あるいは日本の薬事制度というものを、こういった海外のスタートアップとかにしっかりPRしていくという活動。それから、海外から国際共同治験を呼び込むという活動に関しましても、別の事業ではございますけれども、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○松本構成員 ぜひよろしくお願いいたします。
○大江座長 どうぞ。
○康構成員 埼玉県立小児医療センターの康です。
既に言われた御意見の追加なのですけれども、ここにお示しいただいていますように、小児領域が約3分の1ということで、市場性のところがかなり大きいだろうと思うのですね。そうすると、企業が開発に乗り出すためには、こういった市場の規模の小さな小児用医薬品を開発することに対する何らかのインセンティブがないとなかなか難しいと思いますので、そのこともぜひ御検討いただきたいなと思います。
それから、医師主導治験の件に関しましては、我々ももちろん必要な件に関しては取り組むのですが、中村先生がAMEDの予算のことをおっしゃいましたが、現在、1500万円が上限の研究費では、医師主導治験もなかなか難しくなっているということもございますので、そちらも御検討いただきたいなと思います。
それから、大江先生もおっしゃいましたが、どの程度の治験を求められているかということで、特に小児なんかの場合には症例のリクルートも非常に困難を伴いますので、もちろん海外にどの程度のデータがあるかによっても一概には言えないというのもよく分かっておりますけれども、できる限り必要最小限の治験で小児に持っていけるように御配慮いただければと思います。
以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
はい。
○宮川構成員 宮川でございます。
今、様々な議論から御懸念というものがたくさん出てきたわけですけれども、既に創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会で、その問題点についてはかなり深掘りをしてきた段階で、今回も検討事項として現れています。PMDAや日本の審査体制を含めて、広く海外に日本の状況というものを分かりやすく説明していって、日本の開発等が決して閉鎖的ではないことも含めて周知していくということは、そちらの会議で示されていることです。せっかく議論が行われてきたわけですから、もっと広く国内にも国外にも知ってもらう必要がありますが、なかなか情報が広がっていかない。
そのため、同じことに対してみんな御懸念が出てくるわけです。厚生労働省もPMDAも会議を繰り返すたびに同じ疑念が起こってくるというのは非常に不幸なことですので、もう少し広く周知していただきたいと思います。
この中で、資料7の168ページの冒頭でドラッグラグ/ドラッグロスと書いてありますけれども、日本においてはドラッグラグというのはほとんどなくなってきている状況の中で、ドラッグラグがいつまでも題名として上がってくるということは不幸な話ですので、これは題名も含めてしっかりと書いていただいて、ドラッグロスに関してどのような問題点があるのかということで、限定しながら議論を進めていくことが非常に重要なことかなと思っております。もちろん、ドラッグラグに関しては、海外と比べてほとんどないということも含めて、しっかりと周知徹底していただきたいと思っております。
以上でございます。
○大江座長 ありがとうございます。
先ほど康先生も言われましたように、市場性がなくて、市販されても企業の収益があまり上がらないというところが一番大きいのかなと思って聞いていたのですね。そうすると、仮に医師主導治験をやったとしても、医者が薬を造って売るわけではないので、企業の協力がないと絶対成り立たないはずなので、何らかのインセンティブみたいなものをしないとうまくいかないのかなと思って聞いていました。ここでの議論かどうか分かりませんが、そういうことも御検討いただければと思います。
ほか、よろしいでしょうか。取組全体としては、非常にいい取組かなと思って聞いております。
なければ、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日も御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の検討会議の日程、開催形式につきましては、決定次第、また御連絡をさしあげたいと思います。お忙しいところ大変恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○大江座長 それでは、全体を通して何か御意見等ございましたら、言っていただければと思いますが。
お願いします。
○田村(直)構成員 申し訳ありません。田村ですけれども、先ほどちょっとパソコンの調子が悪くて発言できなかったのですが、戻ってしまうのですけれども、公知申請のアダリムマブ、資料4、30ページです。
この用量が、アダリムマブ40mgを2週に1回、皮下注というふうになっていて、同じ疾患というふうに海外で考えられている強直性脊椎炎は、40mgで効果不十分な場合は80mgに増量できるというような用法・用量になっているのですけれども、こちらのX線基準を満たさない体軸性関節炎では80mgに増量というのはないと考えてよろしいのでしょうか。それとも、要望がこのような要望であったということなのか、そこだけちょっと確認させていただければと思うのですが。
○宮崎参考人 抗菌・抗炎症で発表しました宮崎から発言させていただきます。ありがとうございます。
今回、公知該当性の評価に当たりましては、X線基準を満たさない体軸性強直性脊椎炎に対しては、いわゆる硬直性脊椎炎と同様の増量規定の設定の可否に関しては、ワーキングでも検討いたしました。検討に際しまして、国内のX線基準を満たさない体軸性脊椎炎患者さんに対する本薬の使用実態を企業は調査したようですけれども、その結果では、確かに先生おっしゃるように、本薬80mgの隔週投与の使用実態も少数確認されております。
そうではあるのですけれども、本検討会議においては、公知該当性についてということで我々の前提となっていることとしまして、欧米等での承認・標準的使用状況を踏まえた上で、本邦の患者さんにおいても同程度の有効性及び安全性が期待できるかを評価していくことになっていまして、その点、既に承認を得ている用法・用量を前提として、今回は欧州での承認用法・用量と同量の40mgと提案させていただいているところです。
増量につきましては、御指摘のとおり、検討はしておるところですので、またこの点については、学会等からもし要望が出るようでしたら再検討することになろうかと考えております。
以上です。
○田村(直)構成員 ありがとうございます。
40mgで効果が不十分で、80にするといい患者さんもいらっしゃるので、できれば80mgが認められればと思いました。お時間いただいてありがとうございました。
○宮崎参考人 ありがとうございました。
○大江座長 ありがとうございます。
ほか、よろしいでしょうか。大丈夫ですか。
それでは、これで第59回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了いたします。どうもありがとうございました。
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