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2023年8月30日 第56回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議
○日時
令和5年8月30日(水) 14:00~16:00
○場所
AP虎ノ門(オンライン会議場)
D会議室
東京都港区西新橋1-6-15 NS虎ノ門ビル(日本酒造虎ノ門ビル)
○出席者
出席構成員
新構成員、五十嵐構成員、伊藤(進)構成員、伊藤(美)構成員、岩田構成員、 |
大江構成員、落合構成員、崔構成員、田村(研)構成員、田村(直)構成員、 |
戸高構成員、宮川構成員、山口構成員、山本構成員、横谷構成員 |
出席参考人
宮崎参考人、米盛参考人、土田参考人 |
○議題
第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
企業から提出された開発工程表等について
その他
○議事
○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第56回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催させていただきます。
本日もウェブ会議で実施しております。
また、本会議は公開の会議でありますので、ウェブ会議の様子はYouTubeにてオンラインの配信をしておりますことを御了承いただきますようお願いいたします。
委員の皆様におかれましては、大変御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
会議の開始に当たりまして、注意事項を御説明申し上げます。
オンラインで御参加されている委員におかれましては、発言される場合には、まず挙手ボタンを押していただき、座長に指名された後、ミュートを解除して御発言をお願いいたします。
また、発言されないときは、マイクはミュートでお願いいたします。
会議中に接続トラブル等、発生いたしましたら、事前にお送りしております事務局の連絡先まで御連絡をお願いいたします。
本日の出欠状況ですけれども、平林構成員と村島構成員、柳原構成員より御欠席との御連絡をいただいております。また、出席予定の構成員のうち、4名ほどが今、少し参加が遅れているようですが、順次参加されるものかと思います。現在のところ11名の先生に御出席いただいております。
また、ワーキンググループの検討状況を報告いただくため、抗菌・抗炎症ワーキンググループから宮崎参考人、抗がんワーキンググループから米盛参考人、また小児ワーキンググループから土田参考人にそれぞれ御参加いただいております。
続きまして、事務局に本年7月1日付または7月4日付で人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
まず、医薬・生活衛生局長の城克文が着任しております。
○城局長 城でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、大臣官房審議官(医薬担当)に吉田易範が着任しておりますが、今、少し遅れているところでございます。
続きまして、医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長の中井清人でございます。
○中井医薬品審査管理課長 中井です。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、同じく医薬品審査管理課企画官の美上憲一でございます。
○美上企画官 美上です。よろしくお願いいたします。
○事務局 続きまして、医政局研究開発政策課長 中田勝己でございます。
○中田研究開発政策課長 中田と申します。よろしくお願いいたします。
○事務局 同じく研究開発政策課治験推進室室長 飯村康夫でございます。
○飯村治験推進室長 飯村と申します。よろしくお願いいたします。
○事務局 事務局の人事異動につきましては、以上でございます。
それでは、以降の進行につきましては、座長の大江先生、よろしくお願いいたします。
○大江座長 まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員から申し出いただきました学会執行部への所属状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、配付資料について御説明いたします。事前にお送りしております資料をお手元に御用意ください。
電子ファイルにつきましては、本体の資料と参考資料の2つにまとめて、それぞれ右下に通し番号を振っております。
まず、本日の資料一覧ですけれども、本体の資料の2ページに資料の一覧を掲載しておりますので、御確認をお願いいたします。
まず、資料1が検討の進め方。
資料2のシリーズが、これまでのワーキンググループの検討状況の概要。
資料3が、本日御議論いただきます要望品目について、医療上の必要性に関するワーキンググループの評価結果となりまして、こちらが計5件となります。
続きまして、資料4のシリーズですが、開発の進捗状況である、企業から提出されました開発工程表の概要等です。
資料5は、開発公募を行った医薬品のリストでございます。
最後、資料6が、アルデスロイキンの要望についての資料となっております。
以上を1つのPDFとしてまとめているところでございます。
また、別のファイルですけれども、参考資料として、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を1つのファイルにまとめておりますので、必要に応じて御参照いただければと思います。
続きまして、各構成員からお申し出をいただきました学会執行部への所属状況について御報告いたします。
参考資料のファイルを開いていただきまして、その通し番号15ページ、参考資料7を御覧いただければと思います。本会議におきましては、公平性の観点から、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方におかれましては、当該学会からの開発要望については、要望に係る背景事情等の説明は行っていただく場合がございますが、議決には参加しないということとさせていただいております。今、御覧いただいております参考資料7につきましては、現時点での学会所属状況をまとめておりますが、もし誤りがございましたら、この場でお知らせいただければと思います。
特にないようでしたら、こちらに従って本日は進めさせていただきます。
本日におきましては、構成員からのお申し出状況に基づきまして、資料3-1のアダリムバブに関する日本脊椎関節炎学会及び日本リウマチ学会からの要望につきましては、議決に参加されない構成員として、田村直人構成員が該当いたします。
事務局からは以上となります。
○大江座長 ありがとうございました。
続きまして、資料2のワーキンググループの検討状況の概要について、前回会議以降の進捗状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 引き続き、事務局から説明させていただきます。
本体資料のつづりのうち、資料2-1をお開きいただければと思います。通し番号は5ページでございます。
検討の進捗状況について、これまでも毎回会議において報告させていただいておりましたが、今回より資料のレイアウトを変更しておりますので、まず、その点も含めて説明させていただきます。今、御覧いただいている資料2-1につきましては、学会や患者団体等から提出された要望のうち、医療上の必要性に関する検討状況をまとめたものでございます。
まず、1番上の欄が学会・患者団体からの要望の総数ということで、要望を募集しました第Ⅰ回から第III回の832件と、第IV回の207件で分けて記載してございます。こちらが合計1039件となっております。赤字で第IV回要望のところがプラス1となっておりますが、これは5月31日に開催しました前回の会議からの変更点を赤字で示しております。すなわち、前回の会議以降に新たに1件の要望が提出されたということを意味しておりまして、一番右側の列に前回からの変更理由、今、申し上げた「新規要望を受理(+1件)」というところを記載してございます。
続きまして、表を下のほうに矢印に向かって進んでいただきますと、提出された要望について、専門ワーキンググループでの検討状況を次に記載しております。検討中と検討済に分けておりまして、検討済のうち必要性が高いと判断されたものを見ていただきますと、第Ⅰ回からIII回要望のところが1件増えて347件、第IV回要望のところが4件増えまして88件、合計435件となっております。すなわち、前回の会議以降、ワーキンググループにおいて新たに5件につきまして医療上の必要性が高いと御判断いただきました。この5件につきまして、本日御審議いただくこととなります。
なお、検討中のところが合計55件となっておりまして、前回からマイナス4件となっております。これは、今、申し上げたワーキンググループで検討が終了した5件が減った上で、さらに先ほど申し上げた1件の新しい要望が参りましたので、差し引きマイナス4件となっております。
続きまして、その表の専門ワーキンググループの欄のさらに下の矢印に進んでいただきますと、本会議における検討状況を記載してございます。こちらも必要性が高いと判断されたものと、高くないと判断されたものに分けてございますが、前回からの変更点としましては、必要性が高いと判断されたものが1件増えておりまして、合計430件となっております。この1件は、前回の会議におきまして医療上の必要性が高いと御評価いただいたものとなります。
また、一番下ですけれども、対象外の欄としまして、既に開発中のもの、それから要望の取下げ等があったものを別枠で記載しております。
続きまして、通し番号17ページ、資料2-2を御覧いただければと思います。こちらも似たようなレイアウトの表になっておりますが、こちらは医療上の必要性が高いと御判断いただいた要望のうち、企業に開発要請を行った要望についての検討状況をまとめたものでございます。
まず、一番上の行ですが、開発要請した要望総数は、第Ⅰ回から第IV回まで合計しまして368件でございます。第IV回のところがプラス1件となっておりますが、これは前回のこの会議におきまして医療上の必要性が高いと御判断いただきました1件について、新たに要請を行ったということを意味しております。
開発要請した要望につきましては、専門ワーキンググループにおいて公知申請の妥当性等について検討いただく流れになっております。こちらについては、検討中のところがプラス1件増えて27件となっております。このプラス1件は、今、申し上げた、前回会議で評価いただいたものについて、現在、ワーキンググループのほうで議論を進めていただいているところです。
検討済のところにつきましては、前回から変動はございません。したがいまして、公知該当性につきまして本日御審議いただく案件はございません。
一番下、本会議で検討済のところですけれども、公知申請が妥当と判断されたものが2件増えて、合計163件となっております。こちらは、前回会議において、この2件について評価いただいたものを反映しているところでございます。
資料について説明は以上となります。
本会議の検討を経た後の各品目の開発状況については、後ほど資料5を用いて事務局から別途説明させていただく予定です。
以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況についてですが、抗菌・抗炎症ワーキンググループから、宮崎先生、御報告をお願いします。
○宮崎参考人 よろしくお願いいたします。抗菌・抗炎症ワーキングの宮崎です。
それでは、資料3-1、通し番号24ページを御覧ください。要望番号IV-70です。日本エイズ学会から、エムトリシタビン及びテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩のHIV感染症の予防に関する要望が提出されております。
疾患の重篤性についてですが、現在、本邦ではほぼ全てのHIV患者さんに対して、抗レトロウイルス療法などの適切な治療が行われていて、治療が成功している現状にございます。しかし、HIVに感染すると、抗レトロウイルス療法などが行われたとしても、HIVを体内から完全に駆逐することは容易ではなく、事実上、生涯にわたり治療を継続する必要がございます。このことから、疾患の重篤性については「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしております。
医療上の有用性についてです。本邦においては、HIV感染症の予防を効能・効果として承認されている薬剤はないことから、「ア 既存の療法が国内にない」に該当するとワーキングで判断いたしました。
Ⅳ-70に関しては以上となります。御審議お願いいたします。
○大江座長 ありがとうございました。
何か質問があれば、お願いいたします。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございました。それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
次の要望について、引き続き宮崎先生、御報告をお願いいたします。
○宮崎参考人 では、通し番号26ページを御覧ください。要望番号IV-155として、日本脊椎関節炎学会、日本リウマチ学会及び日本AS友の会からアダリムバブ(遺伝子組換え)のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎に関する要望が提出されております。
本疾病の重篤性についてです。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎は、脊椎関節炎のうち、体軸関節病変を主体とする全身性の慢性炎症性疾患である体軸性脊椎関節炎の分類の一つであり、進行により不可逆的な骨化、体軸関節の強直、可動域の制限、関節破壊等の身体的障害が認められることから、「イ 病気の進行が不可逆的で、日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしました。
また、医療上の有用性についてですが、海外で実施されているプラセボ対照無作為化二重盲検比較試験の成績を基に、欧州で要望効能・効果及び用法・用量の承認を得ております。海外ガイドラインにおいても、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者に対し、TNF阻害薬における治療が推奨されております。また、国内で実施された体軸性脊椎関節炎患者の全国疫学調査においても、同疾患患者に本薬を用い、有効であったとの報告もあることから、「ウ 欧米等において標準的治療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当するとワーキングで判断いたしました。
抗菌・抗炎症ワーキングからの報告は以上となります。御審議お願いいたします。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、何か質問とか追加のコメントがございましたらお願いしたいと思いますが、よろしいですか。
田村直人先生、何かございますか。
○田村(直)構成員 ありがとうございます。
強直性脊椎炎は仙腸関節の骨変化がある程度進まないと診断できなくて、海外では、むしろその前の時点から治療を開始して進行を防ごうということで、体軸性脊椎関節炎という概念で、このX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎と強直性脊椎炎を併せて、同じ疾患概念として捉えております。そういったわけで、ほかの治療薬に関しても、この両者に、強直性脊椎炎だけではなくて、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎にも承認されているといった背景があります。日本でもIL-17阻害薬に関しては両者に適応が通っておりますので、ぜひこのTNF阻害薬であるアダリムバブに関しても同様の承認をいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大江座長 ありがとうございました。
ほかに何か質問、コメントございますか。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただいたということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
続きまして、抗がんワーキンググループから米盛先生、御報告をお願いいたします。
○米盛参考人 抗がんワーキンググループの米盛です。抗がんワーキンググループにおいて検討した品目について説明させていただきます。
29ページの資料3-2を御覧ください。小児のCD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫(以下、「B-NHL」)に対するリツキシマブ(遺伝子組換え)(以下、「リツキシマブ」)と、他剤との併用投与に関する要望です。
本要望については、備考欄に記載のとおり、2013年に要望書が提出されており、当時のリツキシマブの承認内容を踏まえた要望内容が記載されております。
抗がんワーキンググループでは、どの薬剤との併用投与を中心に評価すべきか議論を重ねていましたが、2021年12月にリツキシマブとLMBレジメンと呼ばれる多剤併用化学療法との併用投与が海外で承認されたため、本要望では、LMBレジメンとの併用投与に限定して評価を行いました。
また、LMBレジメンとの併用投与に限定して開発要請することについて、要望者にも了承いただいております。
適応疾病の重篤性について、B-NHLが致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しております。
医療上の有用性について、欧州及び米国では、18歳未満の高リスク成熟B-NHL患者等を対象に、LMBレジメンに対するリツキシマブの上乗せ投与の有効性及び安全性を検討することを目的とした海外第III相試験に基づき、小児B-NHLに対するリツキシマブとLMBレジメンとの併用投与が承認されております。
また、欧米等の診療ガイドラインにおいて、当該試験成績が引用されております。
以上により、リツキシマブとLMBレジメンとの併用投与は、欧米などにおいて標準的治療の一つとして位置づけられており、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられます。
以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しております。
説明は以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、何か質問、それからコメントございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。御了解いただけたものと認めたいと思います。
続きまして、小児ワーキンググループから土田先生、御報告をお願いいたします。
○土田参考人 小児ワーキンググループの土田と申します。よろしくお願いいたします。
資料3-3、通し番号の32ページを御覧ください。ミコフェノール酸モフェチルについて、日本小児腎臓病学会から提出されました難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)に対するリツキシマブ治療後の寛解維持療法に関する要望です。
重篤性についてです。小児特発性ネフローゼ症候群に対しては、第1選択薬として副腎皮質ステロイド剤が使用されますが、頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す難治性のネフローゼ症候群では、特に小児で成長障害、骨粗鬆症、眼合併症などのステロイドの副作用が問題となっていることから、「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしました。
次に、医療上の有用性についてです。
(1)難治性のネフローゼ症候群に対しては、リツキシマブ(遺伝子組換え)が承認されておりますが、再発を防ぐための新たな治療が必要とされていること。
(2)先進医療Bとして実施された再発抑制に関するプラセボ対照試験で、主要評価項目では統計学的な有意差が認められなかったものの、treatment failure発生リスクの約40%の低下が認められ、追加解析結果や副次評価項目の解析結果からも本剤の有効性が示唆されたこと。
(3)当該試験の結果を踏まえて、国内診療ガイドラインが改定され、寛解維持に本剤の使用が推奨されていることから、「イ 国内外の臨床試験において有効性・安全性等が既存の療法と比べて明らかに優れている」に該当すると判断いたしました。
以上より、ワーキンググループにおける検討の結果、ミコフェノール酸モフェチルの難治性のネフローゼ症候群(頻回再発型あるいはステロイド依存性を示す場合)に対するリツキシマブ治療後の寛解維持療法については、医療上の必要性が高いと判断いたしました。
説明は以上でございます。
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、何か質問、コメントございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、御了解いただけたものと認めたいと思います。
それでは、次の要望について、引き続き、土田先生、御報告をお願いいたします。
○土田参考人 資料3-3、通し番号34ページを御覧ください。日本小児神経学会、日本てんかん学会、日本てんかん協会より、レベチラセタムのてんかん重積状態の小児用量の追加について要望が提出されております。
適応疾病の重篤性についてです。てんかん重積状態は、てんかんの発作停止機構の破綻、または異常に遷延するてんかん発作を引き起こす機構が惹起された状態です。けいれん発作が30分以上持続すると脳機能障害等の後遺障害を残す可能性が指摘されており、日常生活に著しい影響を及ぼすことが想定されるため、「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」と判断いたしました。
次に、医療上の有用性についてです。レベチラセタムは、欧米等6か国においててんかん重積状態の効能・効果で成人及び小児用量ともに承認されておりません。本邦では、成人用量については、2021年に開催された第46回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で医療上の必要性が高いと判断され、2022年に開催された第51回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議で公知申請に該当すると判断され、現在承認されております。
てんかん重積状態に対する小児への使用について、海外臨床試験において、その有効性が確認されております。加えて、イギリス、フランス、カナダ及び欧州の診療ガイドラインでは、小児に対しても、てんかん重積状態に対してレベチラセタムが選択肢として挙げられていることも踏まえますと、海外において標準的治療に位置づけられていると考えます。
また、本邦の診療ガイドラインの記載内容が海外と同様であることを踏まえますと、国内における有用性が期待できると考えます。
したがいまして、医療上の有用性は「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」と判断いたしました。
以上より、ワーキンググループにおける検討の結果、レベチラセタムの小児のてんかん重積状態に対しては、医療上の必要性が高いと判断いたしました。なお、要望用法・用量のうち、1回用量として30mg/kgを超える用量については、国内におけるレベチラセタムの有効性及び安全性に関する情報が確認できておりません。また、レベチラセタムの部分発作に係る小児用量は、年齢区分によって異なる用量が設定されております。以上を踏まえ、本要望内容についても年齢区分によって異なる用量を設定する必要がないかも含め、用法・用量については、開発要請後に引き続き検討が必要であると考えております。
説明は以上でございます。
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御報告に関して何か質問、コメントございましたら、よろしくお願いいたします。
山本先生、何かございますか。
○山本構成員 山本です。
レベチラセタムは、経口薬は10年以上前から使用されているのですけれども、静注薬も幾つかほかの治療法があるのですけれども、レベチラセタムはその中の有用な選択肢の一つとして欧米で受けられているので、この内容で問題ないと考えます。
以上です。
○大江座長 ありがとうございます。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけるということでよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、御了解いただけたものとしたいと思います。
続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。
○飯村治験推進室長 研究開発政策課でございます。
それでは、通しの36ページを御覧ください。資料4-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。
最初の○のところに記載しておりますとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から、令和5年7月31日時点での状況を踏まえた最新の開発工程表が提出されております。
これまでに提出された件数としましては、第I回要望分として183件、第II回要望分としては94件、第III回要望分としては47件、第IV回要望分としては80件となっております。
詳細につきましては、次の資料にて説明させていただきます。
続いて、通しの39ページになります。資料4-2を御覧ください。こちらは、各企業から提出された開発工程表の進捗をまとめたものになります。
詳細な進捗等については、資料4-3から4-6で御確認いただければと存じますが、こちらの資料を用いて、進捗状況に関する主な変更点を御説明させていただきます。
まず初めに「1.開発要請の件数」についてです。第IV回の要望につきましては、1件の追加がございまして、開発要請の件数としては80件となっております。
次の40ページを御覧ください。「2.開発工程表における進捗」についてです。要請回ごと、その進捗順に御紹介いたします。
まず、(1)第I回開発要請分につきましては、協和キリン日本セルヴィエのペグアスパラガーゼが承認されました。
また、要望番号173のサノフィのチフス菌Vi多糖体抗原ワクチンが治験計画提出済みから承認申請済みのフェーズに移っております。
この結果、承認済み品目が1件増えまして、181件となっております。承認申請済み品目が1件増えまして1件となっております。
続いて、(2)の第II回開発要請と(3)の第III回の開発要請分につきましては、前回御報告時からの変更はございません。
続いて、41ページを御覧ください。(4)第IV回開発要請分につきましては、要望番号IV-62の日本メダックのロムスチンが、その他から治験計画提出済みとなっております。
また、要望番号のIVS-21の第一三共のインドシアニングリーンが、開発要請発出に伴い、公知申請予定に追加されております。
この結果、治験計画に提出済みの品目数が1件増えまして7件、公知申請予定品目が1件増えて18件となっております。
以上で、開発要請品目の進捗の御報告を終わらせていただきます。
引き続きまして、143ページの資料5を御覧ください。こちらは、開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況の報告になります。
145ページを御覧ください。こちら、第IV回要望募集のNo.1の大原薬品工業のCarbidopa/levodopa,1:4(徐放性製剤)が治験の実施中となっております。
当課からの説明は以上になります。
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、何か質問、コメント等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
続きまして、他の事項として、資料6について、事務局より説明をお願いいたします。
○事務局 それでは、資料6、通し番号146ページを御覧ください。アルデスロイキンの要望について、取下げの申出が出ておりますので、御報告いたします。
アルデスロイキンにつきましては、悪性黒色腫に対する適応につきまして、平成21年の第Ⅰ回募集をした際に要望書が提出されておりました。
今般、要望者であります日本皮膚悪性腫瘍学会及び日本臨床腫瘍学会より、治療薬をめぐる医療環境が変化したとの理由から取下げの申出が提出されておりまして、こちら、受理しておりますので、御報告させていただきます。
以上です。
○事務局 ありがとうございます。
何か質問ございましたら、お願いいたします。
では、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日も御議論いただきまして、ありがとうございます。
次回の検討会議の日程等につきましては、決まり次第、事務局より構成員の皆様に御連絡をさしあげます。
引き続き、御多用のところ恐縮でございますが、御出席のほど、何とぞよろしくお願いいたします。
以上です。
○大江座長 ありがとうございました。
それでは、これで第56回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了したいと思います。どうもありがとうございました。
<照会先>
厚生労働省医政局研究開発政策課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
03-5253-1111(内線 4229) |
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