ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第54回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2023年2月15日)

 
 

2023年2月15日 第54回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和5年2月15日(水) 14:00~16:00

 

○場所

フクラシア八重洲(オンライン会議場)
K会議室
東京都中央区八重洲2-4-1 住友不動産八重洲ビル(旧ユニゾ八重洲ビル)

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、小川構成員、
崔構成員、田村(研)構成員、田村(直)構成員、平林構成員、松本構成員、
宮川構成員、山口構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

花岡参考人、戸高参考人、中村参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○事務局 お待たせいたしました。それでは、第54回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催させていただきます。
 今回も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブ会議の形式で開催とさせていただきます。
 また、本会議は公開の会議でありますので、ウェブ会議の様子はYouTubeにてオンライン配信しております。御了承のほど、よろしくお願いいたします。
 委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 会議の開催に当たりまして、注意事項を申し上げます。
 オンラインで参加されている構成員におかれましては、発言をされる場合は、まず挙手ボタンを押していただきまして、座長に指名された後、御発言をお願いいたします。また、発言をされない間は、マイクはミュートでお願いいたします。また、会議中に接続トラブル等発生いたしましたら、事前にお送りしております事務局の連絡先まで御連絡をお願いいたします。
 本日の出欠状況ですが、村島構成員と柳原構成員より御欠席との連絡をいただいています。また、田村直人構成員が遅れての御参加、落合構成員におかれては15時20分までの御参加、また、岩田構成員より途中退席されるとの御連絡を事前にいただいております。また、そのほか、出席予定で、まだ接続されてない方が数名いらっしゃいますが、現時点におきまして、14名の構成員の先生方に御出席いただいております。
 また、ワーキンググループでの検討状況について御報告いただくため、代謝・その他ワーキンググループのメンバーから花岡参考人に、循環器ワーキンググループのメンバーから戸高参考人に、また、小児ワーキンググループのメンバーから中村参考人にそれぞれ御参加いただいております。
 それでは、以降の進行につきましては、座長の大江先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○大江座長 よろしくお願いいたします。
 まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員から申し出いただきました学会執行部への所属状況について事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 説明をさせていただきます。
 資料につきましては、事前に送付しております資料をお手元に御用意ください。電子ファイルとして、会議資料全体を一つのPDFにまとめております。
 会議資料のファイルを開いていただきまして、右下に通し番号の記載がございます。228分の幾つという形でページを振っておりまして、以降、この数字でページを説明させていただきます。
 それでは、2ページを御覧いただけますでしょうか。配付資料の一覧をお示ししております。
 まず、資料1、3ページからになりますが、これがいつもと同じですが、検討の進め方に関する資料。資料2、枝番が2つありますけれども、こちらがこれまでのワーキンググループの検討状況の概要です。資料3、枝番が3つございますが、こちらが本日御議論をいただきます公知申請への街頭性に関するワーキンググループの報告書(案)となっております。本日は3件ございます。それから、資料4のシリーズですが、開発の進捗状況について、企業から提出された開発工程等の概要をお示ししております。最後、資料5ですが、開発公募を行った医薬品のリストをおつけしております。
 また、別のファイル、参考資料という名前のファイルは、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、また、評価基準等を参考資料としてまとめてつけておりますので、必要に応じて御参照をお願いいたします。
 これらの資料に基づきまして、本日の審議はお願いいたします。
 続きまして、各構成員からお申し出をいただきました学会執行部への所属状況について御報告させていただきます。参考資料を開いていただきまして、参考資料の一番最後15ページになりますけれども、こちらに参考資料7として、各構成員が執行部に所属されている学会に関する資料をつけております。本会議における審議の公平性の観点から、構成員のうち学会の執行部に在籍する方におかれましては、当該学会からの開発要望につきまして、要望に関する背景の事情等の説明はしていただくことができますが、議決には参加を御遠慮いただいております。本資料は現時点の内容に更新しておりますが、もし誤り等ございましたら、この場で御指摘をいただければと思います。
 特に誤りないようでしたら、各構成員からのお申出の状況に基づきまして、本日審議をいたします資料3-1リツキシマブに関する日本リウマチ学会からの要望につきましては、田村直人構成員におかれては、議決に参加をされないという形にさせていただきます。
 説明は以上となります。

○大江座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料2のワーキンググループの検討状況の概要について、前回会議以降の進捗状況について事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、会議資料のファイルの5ページ、資料番号は資料の2-1を御覧ください。こちらは第I回から第III回までの要望についての進捗状況をお示ししております。まず、5ページは医療上の必要性についての検討状況ですけれども、こちらについては前回から変更はございません。
 続いて、6ページを御覧ください。6ページは公知該当性についての検討状況です。こちらは赤字の部分が前回からの変更点となります。まず右側の表を見ていただきますと、今回の会議までに1件の要望、これはリツキシマブですけれども、こちらについてワーキンググループで公知申請が妥当であると評価をしていただきました。したがいまして、赤字で書いてあるところですけれども、ワーキンググループで検討中の要望は1件減りまして8件となっております。逆に、公知申請が妥当とされたものが1件増えて126件となっております。本日は、この1件について御審議をお願いする予定です。
 続きまして、11ページ、資料番号2-2を御覧ください。こちらは2015年7月以降に受け付けております第IV回の要望についての進捗状況となります。同じく、赤字部分が変更点ですが、中央の表を御覧ください。まず、新たに1件の新しい要望を受け付けましたので、要望の総数は、1件増えて198件となっております。また、これに伴いまして、ワーキンググループ検討中のものも1件増えて52件となっております。
 一方で、前回の本会議におきまして、6件の要望について医療上の必要性が高いと評価をしていただきましたので、本会議で検討済みのもののうち必要性が高いと評価されたものが6件増えて83件となっております。また、前回会議で、4件の要望につきましては医療上の必要性が高くないと評価をいただきましたので、必要性が高くないと判断されたものが4件増えて14件となっております。右側の表については、今回は、変更はございません。
 続いて、12ページをお願いいたします。公知該当性のほうですけれども、中央の表を御覧ください。前回の本会議におきまして、6件の要望が医療上の必要性が高いと評価されましたので、公知該当性をワーキンググループで検討中の件数は、その6件が増えて22件となりました。
 また、右の表を御覧いただきますと、今回の会議までに2件の要望。具体的には、インドシアニングリーンとメチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムの2件につきまして、ワーキンググループで公知申請が妥当と評価をいただきましたので、ワーキンググループで検討中の要望は、2件減りまして20件に、また、公知申請が妥当と判断されたものは、2件増えて35件となっております。本日は、この2件のワーキンググループの検討結果について御審議をお願いいたします。
 なお、この検討会議を経た後の各品目の開発状況につきましては、後ほど、資料5を用いて御説明をさせていただきます。
 以上でございます。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明につきまして、何か質問あればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、公知申請の妥当性に係る報告書(案)について、最初は代謝・その他のワーキンググループから、花岡先生に御報告をお願いいたします。

○花岡参考人 それでは、資料3-1、リツキシマブの公知申請への該当性に係る報告書について、御報告をさせていただきます。
 まず、資料3-1を御覧ください。代謝・その他ワーキンググループから、リツキシマブの公知申請の妥当性に係る報告をいたします。
 本要望は、日本リウマチ学会からの既存治療で効果不十分なループス腎炎に関する効能追加の要望です。要望内容に関する医療上の必要性については、報告書の1ページを御覧いただきたいと思います。全体としては、28/228ページでございます。
 適応疾患の重篤性に関する該当性については、ループス腎炎は全身性エリテマトーデスの主要な臓器病変の中でも、高頻度で発現し、難治性の高い、難知性の場合には生命予後を左右する場合があることから、「ア」に該当すると判断しております。
 医療上の有用性に関する該当性については、本剤は、欧米等6か国のいずれにおいても、ループス腎炎について承認されていませんが、既存治療抵抗性のループス腎炎に関する有効性を報告した公表文献等があり、海外の診療ガイドラインでは、ステロイド及び免疫抑制剤による治療が奏功しない場合には、本剤仕様を考慮する旨が記載されています。
 以上より、「ウ」に該当すると判断し、本薬について開発要請が行われています。
 次に、公知該当性について説明いたします。報告書46ページを御覧いただきたいと思います。有効性について「(1)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価について」の項を御覧ください。
 既存治療で効果不十分な成人及び小児ループスに対する本剤有効性が国内外で報告されており、海外の診療ガイドラインに治療選択肢として記載されています。また、国内使用実態調査において、本剤の既存治療で効果不十分なループス腎炎に対する使用実態が確認され、当該調査結果を踏まえ、ループス腎炎に対して本剤を使用する際の留意点をまとめた学会ステートメントが公表されています。
 安全性については、47ページの「(2)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について」の項を御覧ください。
 国内外の臨床試験等で認められた主な有害事象は、現行の添付文書で既に注意喚起されており、ループス腎炎に十分な経験・知識を持つ医師の下で、現行の添付文書に準じて使用されるのであれば、既存治療で効果不十分な成人及び小児ループス腎炎に対する本剤の安全性は許容可能と考えました。
 以上より、既存治療で効果不十分な成人及び小児ループス腎炎に対する本剤の有用性は、医学薬学上公知であると判断しました。
 次に、効能・効果について、資料47ページ「(1)効能・効果について」の項を御覧ください。
 効能・効果として、既存治療で効果不十分なループス腎炎と設定することは妥当と判断しました。
 また、【効能・効果に関連する注意】として、既存治療で十分な効果が得られない場合に、投与を考慮する旨、診療ガイドライン等の最新の情報を参考にする旨の設定をすることが適切と判断しました。
 用法・用量につきましては、48ページ「(2)用法・用量について」の項を御覧ください。
 国内使用実態調査、当該調査の結果を根拠として策定された学会ステートメントの結果を踏まえ、用法・用量として、1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注すると設定することを妥当と判断しました。
 また、用法・用量に関する注意として、ステロイドとの併用、本剤の再投与に関する注意喚起を記載することが適切と判断いたしました。
 説明は以上でございます。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、何か質問があればお願いいたします。
 よろしいでしょうか。
 それでは、特に御質問ございませんので、ワーキンググループからの御報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。

(首肯する構成員あり)

○大江座長 ありがとうございました。御了解いただけたものとさせていただきます。

○花岡参考人 どうもありがとうございます。

○大江座長 それでは続きまして、循環器ワーキンググループから、戸高先生、御報告をお願いいたします。

○戸高参考人 戸高から、インドシアニンググリーン(ICG)に関して御報告申し上げます。資料3-2、通し番号の81ページを御覧ください。
 インドシアニンググリーンの肝外胆管の描出の公知申請の該当性について御説明いたします。
 有効性について、92ページを御覧ください。
 本薬は、米国及びカナダにおいて、肝外胆管の可視化に係る効能・効果で承認されてございます。また、海外公表論文では、本薬を用いた蛍光胆道造影に関して、手術中に肝外胆管をリアルタイムで可視化できること、及び造影非使用またはX線胆道造影(これは別途になります)と比較して、高い割合で総胆管等を同定するものであること等が報告されており、海外における胆嚢摘出術に関するガイドラインでは、蛍光胆道造影を白色光源下での胆道観察時に補助的に使用することが提案されています。
 また、国内の教科書及び公表論文等から、本邦においても、海外と同様に、肝外胆管の同定が可能であり、胆管総損傷の回避に関する一定の有効性が得られている状況にあると判断いたしました。
 ICGは何回もこういった形で出てきておりますが、実際の使用イメージをつかんでいただくために、参考とされた公表論文から2つ図を提示いたします。
 参考画像1ですが、これは正常解剖の腹腔鏡下手術の例で、パネルAですね。左上の右側の図ですけれども、黄色い脂肪に埋もれて分かりにくい胆嚢管、及び総肝管が左側のリアルタイムの赤外蛍光像により矢印で示すように、明確に区別できております。
 次の図をお願いいたします。参考画像2は、解剖に変異がある例が示されています。パネルAにおいては、矢印で示すところの副肝管(accessory hepatic duct)が存在していたもの。3番目のパネルCにおいては、三角で示す総肝管の前を矢印で示す胆嚢管が並行して走っているという症例になります。いずれも、こういった蛍光像がなければ、左側に示す白色肉眼像では同定できずに、誤って切断などに至った可能性があると思われます。
 以上より、本薬を用いた蛍光胆道造影の有効性は、医学薬学上公知と判断いたしました。
 次に、安全性については93ページを御覧ください。
 国内外の公表論文では、いずれにおいても、有害事象、副作用または合併症は特に認められなかった旨が報告されており、企業が収集した副作用報告においても、本薬を、要望効能・効果で使用した際の副作用は報告されていません。
 また、本用法の用量は、既承認の用量を超えるものではありません。
 以上より、要望内容である肝外胆管の造影を目的とした本薬の使用に関して、既承認の効能・効果での使用上を上回る安全性上の懸念は示唆されておらず、本薬を用いた蛍光胆道造影の安全性は許容可能と判断いたしました。
 次に、効能・効果については、同じく93ページを御覧ください。
 以上の有効性及び安全性の検討を踏まえ、効能・効果は肝外胆管の造影を設定することは妥当と判断いたしました。
 用法・用量については、次の94ページを御覧ください。
 用量は、海外の承認用法・用量、国内外の臨床試験、教科書、海外のメタ・アナリシス及び国内の使用実態に係る報告を踏まえ、要望のとおり2.5mgとすることが妥当と判断いたしました。
 投与時期については、米国及びカナダでの承認用法・用量では、手術の45分前までに投与することとされていますが、国内外の臨床試験、総説、メタ・アナリシス、教科書及び本邦での使用実態からは、本薬は、手術の24時間前から術中まで様々な時期で投与され、いずれにおいてもそういう要請が確認されてございます。
 また、本薬を用いた蛍光胆道造影の機序及び本薬が血中から速やかに消失して、肝臓を含む組織に移行するという本薬の薬物動態学的性質から、本薬の投与時期は術中または術前を問わず、肝外胆管の造影の成否に影響を及ぼすものではないと考えられることから、本薬の用法・用量として、投与時期としては特別に規定せず、医師の判断により適切な時期に投与できるものとすることが適切と判断いたしました。そのため、用法・用量は94ページに記した内容とすることが適切と判断いたしました。
 以上のように、国内外にある情報を基に、本要望に係る効能・効果と用法・用量は設定できると考え、本要望内容は、医学薬学上公知と判断いたしました。
 私からは以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明について、何か御質問、コメントございましたら、お願いいたします。

○伊藤構成員 香川の伊藤ですが、いいですか。

○大江座長 どうぞ。

○伊藤構成員 実際に使用されている例の年齢層はどうなのでしょうか。報告例の年齢層。

○戸高参考人 すみません。PMDAさんにちょっと対応していただいているところです。
 適応になるような中年層から高齢層にかけての報告等が多いのではないかと想像はいたしますが、今、ちょっと確認しております。
 先生の御質問の御趣旨としては、例えば小児の適応をどうするのかとか、そういった御趣旨でございますでしょうか。

○伊藤構成員 投与量が決まっていますから、何歳ぐらいからされたときにそれをどうするのかなという素朴な疑問です。

○大江座長 すぐ出ますでしょうか。

○PMDA新薬審査第二部 PMDA新薬審査第二部でございます。こちらから御説明さしあげてよろしいでしょうか。

○大江座長 お願いいたします。

○PMDA新薬審査第二部 大変お待たせいたしまして、申し訳ございません。PMDA新薬審査第二部でございます。
 先生方に御覧いただいております公知該当性報告書、全体の資料ですと、84ページの海外における臨床試験等の(1)の文献を例に御説明させていただきます。
 こちらの試験では、報告書には記載されておりませんけれども、元の文献で、平均で48.4歳の患者が組み入れられていたという状況でございます。ただ、最低と最高のラインが分からないのですけれども、そこまで大きなばらつきがあるものとも思えませんので、恐らくは、先ほど戸高先生から少し御説明させていただいたとおりの年齢の患者さんが組み入れられていたものではないかと推測しております。
 以上でございます。

○大江座長 ただいまの説明ですけれども、伊藤先生よろしいですか。

○伊藤構成員 要するに、日本でなされているのが、一番低いのは何歳ぐらいかなと思ってお聞きいたしました。
 以上です。

○大江座長 実際には、小児外科などでも使われているという理解でよろしいですか。

○PMDA新薬審査第二部 PMDA新薬審査第二部でございます。
 日本での使用実態は、今すぐちょっと確認できないのですけれども、米国の承認されている年齢は、成人及び12~17歳の小児患者とされております。
 以上です。

○大江座長 よろしいですか。

○伊藤構成員 いいです。

○大江座長 ありがとうございます。
 ほか何か御意見・御質問ございますか。
 よろしいですか。
 それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。

(首肯する構成員あり)

○大江座長 ありがとうございます。御了解いただけたものと認めたいと思います。
 続きまして、小児ワーキンググループ中村先生、御報告をお願いいたします。

○中村参考人 資料3-3、100ページからになります。メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウムの川崎病の急性期の公知申請の該当性について説明します。
 有効性について、113ページを御覧ください。
 本薬は、欧米等6か国で、要望内容では承認されておりませんけれども、国内外の教科書、ガイドライン等の記載内容及び国内の使用実態から、国内外のいずれにおいても静注用免疫グロブリン(以下、「IVIG」)に不応または不応と予測例とされる川崎病急性期の患者で、本薬による治療が標準的に行われていると判断しました。
 また、国内の無作為化比較試験において、本薬が要望内容の有効性を有することが示されております。
 安全性について、同じく113ページでございます。IVIG不応または不応と予測される川崎病患者を対象とした国内外の臨床試験で報告された主な副作用は、低体温、徐脈及び高血圧でございました。これらの副作用は、本薬の添付文書では、川崎病急性期治療のガイドラインにおいて周知の事象であり、既承認の効能・効果での使用時と同様の関与がなされるのであれば、要望効能で使用するに注意喚起な点はなく、現時点で日本人の川崎病の急性期患者に本薬を投与した際の安全性について、大きな問題はないと判断いたしました。
 以上より、IVIG不応または不応と予測される川崎病急性期に対する本薬の有用性は、医薬薬学上、公知と判断しております。
 効能・効果についてですが、115ページを御覧ください。
 本薬は、川崎病の急性期、重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合の効能・効果で承認されているプレドニゾロンと同じ位置づけで川崎病治療に用いられていることから、本薬の効能・効果は、プレドニゾロンと同様にすることが妥当であると判断しました。
 また、要望内容に係る本薬の有効性が示された臨床試験は、いずれもIVIG不応または不応と予測される川崎病患者が対象とされていること等から、プレドニゾロンと同様に、効能・効果に関連する注において、IVIG不応または不応が予測される場合でも、使用を考慮するように注意喚起することが妥当と判断しました。
 次に、用法・用量でございますが、116ページでございます。
 本薬の用法・用量は、米国のガイドラインでは、IVIG不応例に対しては20~30mg/kgを3日間投与することとされております。英国のガイドラインでは、IVIG不応または不応予測例に対して、0.8mg/kgを1日2回、5~7日間もしくはCRPが正常化するまで投与、または、10~30mg/kgを1日1回、3日間投与することとされています。
 一方、国内外の臨床試験の用法・用量は、IVIG不応例は、大半が30mg/kgを3日間投与、IVIG不応予測例では、いずれも30mg/kgの3回投与の単回投与でした。国内外のガイドラインでも、初回はIVIGとの併用では30mg/kgを1回投与、IVIG不応例には、同量を1日1回、1~3日間投与とした報告が多い旨、記載されております。
 以上より、本薬の用法・用量は、1日1回30mg/kg静脈内投与とすることが妥当であり、投与期間に関しては、IVIGへの反応性、患者の状態等に応じて、医師が3日間を上限として判断することが妥当と考えました。
 また、本薬の既承認効能・効果において、用法・用量が30mg/kg/日である場合の1日最大投与量が1000mgとされていることを踏まえまして、要望されたこの効能・効果につきましても、1日最大投与量を1000mgとすることが妥当と判断いたしました。
 小児ワーキンググループからの報告は以上でございます。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して、何か御質問、コメントがあれば、お願いいたします。

○伊藤構成員 伊藤ですが、いいですか。

○大江座長 お願いいたします。

○伊藤構成員 投与方法に関して、この20~30mg/kgをどのような方法で、何時間かけて入れるとかいうのは決まっているのでしょうか。

○中村参考人 ちょっとお待ちください。用法・用量のところには、そこまで細かく書いておりません。ちょっと確認します。
 お待たせしました。
 腎疾患、膠原病では、メチルプレドニゾロンを20~30mg/kgを1日1回を、2~3時間かけて点滴静注という記載がございます。これが標準的であるという記載がございます。

○伊藤構成員 一番問題になるのは、速いスピードで入れると薬剤がそのまま早く尿に出てしまいますから、非常に投与法が問題になると思いますから、その辺を検討よろしくお願いします。

○大江座長 今の点は、記載に追加したほうがよろしいでしょうか。今のお話だと、少し重要かなと思ったのですけれども、用法・用量の部分ですね。

○PMDA新薬審査第二部 PMDA新薬審査第二部でございます。
 メチルプレドニゾロンのパルス療法というところに関しましては、比較的一般的な用法で、既承認の内容と同等の内容かと思いますので、この効能・効果に関して、特別何か使用上の詳細を書き込む必要まではないと判断をしております。

○大江座長 ありがとうございます。
 伊藤先生、今の回答でよろしいですか。

○伊藤構成員 ありがとうございます。
 ただ、投与時間の設定が本当に効果と関係あるかどうかということの検討がされているかどうか、文献的でもいいですからしっかり検討していただけたら良いと思います。

○大江座長 それでは、その点の検討をよろしくお願いいたします。
 ほか御意見、コメント等ございますか。
 もしなければ、このワーキンググループからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。

(首肯する構成員あり)

○大江座長 ありがとうございます。では、御了解いただけたものと認めさせていただきます。
 続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。

○野村治験室長 それでは、119ページを御覧ください。資料4-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。
 最初の○に記載がありますとおり、現在、開発を実施している全ての開発要請先の企業から、令和5年1月20日時点の状況を踏まえた最新の開発工程表が提出されております。件数としましては、括弧内にございますが、第I回要望分として183件、第II回が94件、第III回47件、第IV回として79件となっております。
 詳細につきましては、次の資料で御説明をさせていただきます。122ページを御覧ください。資料4-2となっております。こちらは各企業から提出された開発工程表の進捗をまとめたものとなります。詳細な進捗などにつきましては、資料4-3から4-6で御確認をいただければと存じますが、こちらの資料を用いて、進捗状況に関する主な変更点について御報告をいたします。
 まず初めに、「1.開発要請の件数」についてですが、こちらは第IV回の要望につきまして6件の追加、1件の取り下げがございまして、開発要請の件数としては79件となっております。
 続いて、次の123ページを御覧ください。「2.開発工程表における進捗」について、要請回数ごと、その進捗順に御紹介をいたします。
 第I回及び第II回の開発要請につきましては、前回の報告からの変更はございません。
 第III回の開発要請につきましては、要望番号III-(3)-23の日本歯科薬品のメピバカイン塩酸塩が承認されました。
 また、要望番号III-(4)-21の武田薬品工業のrecombinant humanparathyroid hormoneは、治験計画届提出済みからその他となっております。この結果、承認済み品目が1件増え39件、その他品目が1件増え4件となっております。
 124ページにお移りください。「第IV回開発要請」についてです。
 要望番号IV-30の協和キリンのマイトマイシンC、それから、IV-74のユーシービージャパンのレベチラセタムは、2022年12月に承認されました。
 続いて、要望番号IV-63、ヤクルト本社のオキサリプラチン、及び65のファイザーのレボホリナートカルシウム水和物が、公知申請予定から承認申請済みとなっております。
 また、要望番号IVS-18のサンファーマのイソトレチノインが治験準備中でしたが、治験計画届提出済みとなっております。
 このほか、前回御審議をいただきましたIV-40の中外製薬のミコフェノール酸モフェチル、106及び111のバイエル薬品のレゴラフェニブ水和物、160のファイザーのメトレキサート、161の日本新薬のシタラビン、162の全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)の計6件が、1月に開発要請を発出し、集計時点においては開発工程表の作成を行っています。
 最後に、前回御報告いたしましたIV-69の藤本製薬のサリドマイドですが、開発要請取り下げとなっております。
 この結果、承認済み品目が2件増え42件、承認申請済み品目が2件増え6件に、治験届提出済み品目が1件増え10件に、その他品目が6件増え7件、開発要請が取り下げられたものが1件増え3件となっております。
 以上で、開発要請品目の御報告を終えさせていただきます。
 続きまして、少しページが飛びますけれども、226ページの資料5を御覧いただければと思います。こちらは、開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況となってございまして、一番最後の228ページを御覧いただければと思います。
 第IV回要望募集のサンファーマのイソトレチノインが治験実施中となっております。
 当課からの御説明は以上となります。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの説明で、何か御質問等ございますか。
 よろしいですか。
 ありがとうございました。
 それでは、そのほか、事務局から何かございますか。

○事務局 ありがとうございます。
 本日も長時間にわたりまして御審議いただき、ありがとうございました。
 次回の検討会議ですけれども、日程や開催形式につきましては、決定次第、構成員の皆様に御連絡をさせていただきます。御多用のところ、引き続き御出席のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 それでは、これをもちまして、第54回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了したいと思います。
 どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発政策課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4229)

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