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2022年12月21日 第53回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和4年12月21日(水) 13:00~15:00

 

○場所

フクラシア八重洲(オンライン会議場)
F会議室
東京都中央区八重洲2-4-1 住友不動産八重洲ビル(旧ユニゾ八重洲ビル)

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊豆津構成員、岩田構成員、大江構成員、大久保構成員
小川構成員、落合構成員、崔構成員、田村(研)構成員、田村(直)構成員、平林構成員、
宮川構成員、村島構成員、柳原構成員、山口構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

中村参考人、宮崎参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第53回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
 今回も新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブでの会議とさせていただいております。
 また、本会議は公開でありますので、ウェブ会議の様子はYoutubeでオンライン配信しておりますので、御了承のほど、よろしくお願いいたします。
 委員の先生方におかれましては、年末の大変お忙しい中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
 まず最初にオンライン会議における注意事項を御説明いたします。
 オンラインで御参加の構成員におかれましては、発言される際は挙手ボタンを押していただき、座長に指名いただいた後に御発言をお願いいたします。また、発言されない間はマイクはミュートでお願いいたします。会議中にもし接続トラブル等が発生いたしましたら、事前にお送りいたしました事務局の連絡先まで御連絡をお願いいたします。
 本日の出席状況ですけれども、伊藤構成員より御欠席との連絡をいただいております。その他の構成員18名の皆様に御出席いただいております。
 また、ワーキンググループからの検討状況の報告に当たりまして、小児ワーキンググループのメンバーから中村参考人に、抗菌・抗炎症ワーキンググループのメンバーから宮崎参考人に、また、抗がんワーキンググループのメンバーから米盛参考人にそれぞれ御参加いただいております。
 それでは、以降の進行は座長の大江先生、よろしくお願いいたします。

○大江座長 まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員から申し出いただきました学会執行部への所属状況について事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 資料につきましては、事前にお送りしております資料をお手元に御用意いただければと思います。電子ファイルにつきましては、本体の資料一式と参考資料をそれぞれ1つのPDFファイルとしてお送りさせていただいております。
 本体の資料のほうをお開きいただけますでしょうか。2ページに本日の資料一覧をお示ししております。
 配付資料といたしまして、3ページからになりますが、資料1、検討の進め方。
 資料2は、2-1と2-2の枝番がございますが、5ページからになりまして、これまでのワーキンググループの検討状況です。
 資料3、これは枝番が1から3までございます。26ページからなりますが、本日御議論いただきます個別の要望品目について、医療上の必要性に関するワーキンググループの評価の概要でございます。今回は全部で10件ございます。
 資料4は、枝番が1から6までございますが、42ページからになります。こちらは開発の進捗状況について、企業から提出されました開発工程表の概要等について御説明をするものです。
 資料5、152ページからになりますが、開発公募を行った医薬品のリストを示しております。
 資料6、155ページになりますが、サリドマイドの要望について取下げが出されておりますので、その資料をおつけしております。
 以上を1つのPDFファイルとした上で、ページ番号につきましては、右下に155分の幾つという形でページをお示ししておりますので、この後の説明ではこちらのページ番号を使って資料の該当箇所をお示ししたいと思います。
 また、参考資料のファイルにつきましては、開催要綱、構成員の名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を1つのファイルとしてまとめておりますので、必要に応じて御参照をお願いいたします。
 続きまして、各構成員からお申し出をいただきました学会執行部への所属状況について御報告いたします。参考資料の15ページ、参考資料7を御覧いただけますでしょうか。こちらは各構成員の皆様からどの学会の執行部に所属されているかを一覧表としておつけしております。本会議では、審議の公平性を確保する観点から、構成員のうち学会の執行部に在籍する方につきましては、当該学会から提出された開発要望につきましては、要望に関する背景事情等の説明は行っていただく場合がありますが、議決には参加をしないということとさせていただいております。今、御覧いただいております参考資料7は、現時点での所属状況を皆様からのお申出状況に基づいて記載しております。もし内容に誤り等がございましたら、この場でお知らせいただければと思います。
 特にないようでしたら、本日は各構成員からのお申出状況に基づきまして、議題の1つである資料3-1、ミコフェノール酸モフェチルに関する日本呼吸器学会及び日本リウマチ学会からの要望につきまして、田村直人構成員が議決には参加されないということとなります。
 事務局からの説明は以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 続きまして、資料2のワーキンググループの検討状況の概要について、前回会議以降の進捗状況について事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料2-1、5ページを御覧ください。第I回から第III回までの要望についての進捗状況です。まずは医療上の必要性の検討状況ですけれども、中央の列を御覧ください。赤字で記載しているところが前回からの変更箇所となります。本会議の状況ですけれども、本会議において医療上の必要性が高いと判断されたものが346件と、1件増えております。また、必要性が高くないとされたものが187件で、こちらも1件増えております。
 こちらの内訳ですけれども、その表の少し下にオレンジ色で書かせていただいておりますとおり、前回の会議におきまして、バシリキシマブに関する2件の要望について、医療上の必要性が高いと評価をいただきましたので、その点からプラス2となるのですが、一方で、別の1件の要望につきまして、医療上の必要性の高くないと再評価をされましたので、そちらがマイナス1となりまして、足し合わせると必要性が高いと判断されたものがプラス1件。今、申し上げました再評価の結果、必要性が高くないと判断されたものがプラス1件となります。
 続きまして、6ページを御覧ください。こちらは公知の該当性に関する進捗状況です。同じく赤字が従来からの変更点となります。ワーキンググループで公知該当性を検討中とされているものが9件と、2件増えております。これは先ほど申し上げました、前回親会議で必要性が高いと判断されましたバシリキシマブに関する2件が増えております。
 それから、「開発企業を公募」と書かれているところが39件と、前回より1件減っております。これは先ほど再評価の結果、医療上の必要性が高くないと判断されたものが該当いたしますが、具体的には3-ヨードベンジルグアニジンという医薬品に関する要望が、必要性が高くないと判断された結果、1件減少しております。
 なお、ここで資料の訂正をさせていただきたいと思いますが、今、申し上げた再評価されたものにつきましては、もともと公募をかけていたのですけれども、その後、ある企業が別の効能・効果でこの成分の製造販売の承認を取得いたしましたので、その企業に対して本年1月に開発要請を行いました。従来公募となっていたのですが、本年1月から開発要請を切り替えましたので、本来であれば、その時点でこの公募の欄にカウントするのではなく、開発要請のほうでカウントすべきでしたが、その点が反映されておりませんでした。その点を、過去の資料になりますけれども、この場で報告をさせていただきます。結果といたしまして、医療上の必要性が高くないとしてこの表からは除かれましたので、結果として齟齬は解消されている状態です。
 続きまして、資料2-2、11ページを御覧願います。こちらは第Ⅳ回の要望に関する進捗状況です。まず、医療上の必要性につきまして、中央の列を御覧ください。前回の会議におきまして4件の要望について、医療上の必要性が高いと評価をいただきました。これはシクロホスファミドに関する2件とメトトレキサートに関する2件です。その結果、下が本会議の必要性が高いというところですが、こちらが4件増えまして77件となっております。
 それから、上がワーキンググループのところですけれども、新たに9件の新規の要望がございました。一方で、4件の取下げがございました。ですので、差引き5件。検討中のところが5件増えて61件となっております。
 先ほど申し上げた取下げが4件ございましたので、対象外の取下げのところが37件から4件増えて41件となっております。
 右の列を御覧ください。今回御審議いただくものに関わるところですが、ワーキンググループのオレンジ色の四角で枠を囲ったところでございます。10件の要望が出されておりまして、それぞれ必要性が高い、もしくは高くないという判断がされております。この10件につきまして本日御審議をいただくこととなります。
 続きまして、12ページをお願いいたします。こちらは第Ⅳ回に関する公知該当性の検討状況です。中央の列を御覧いただきますと、前回の会議で医療上の必要性が高いと評価された4件。それに加えまして、新たに治験を開始したものが1件。それとは別に要望の取下げがあったものが1件ございます。以上を足し合わせますと、ワーキンググループで公知該当性検討中のものがプラス2件、治験開始済みのものがプラス1件、検討対象外の取下げがプラス1件となっております。なお、この取下げについては、後ほど資料6で御説明をさせていただきます。
 それから、本会議のところが3件増えて33件となっておりますけれども、これは前回の会議におきまして、FOLFOXに関する3件の要望について公知申請が妥当と評価いただきましたので、それが反映されているところでございます。
 以上でございます。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して何か質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況についてですが、資料3-1について、抗菌・抗炎症ワーキンググループから、ミコフェノール酸モフェチルに関しまして2件続けて御報告いただきます。宮崎先生、よろしくお願いいたします。

○宮崎参考人 抗菌・抗炎症ワーキングの宮崎です。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、資料3-1、通し番号27ページを御覧いただけますでしょうか。要望番号のIV-40として、日本呼吸器学会及び日本リウマチ学会からミコフェノール酸モフェチルの強皮症に伴う間質性肺疾患の増悪抑制、改善に関する要望が提出されております。
 まず、疾患の重篤性についてですが、全身性強皮症は皮膚の硬化、間質性肺疾患、消化管病変、腎病変等の症状を呈する疾患で、要望された効能・効果である全身性強皮症に伴う間質性肺疾患は、肺組織の過剰な線維化による不可逆的な肺構造の破壊が起こって、患者さんの15%程度が酸素療法や肺移植を必要とする末期肺病変へと進行し、呼吸困難により死に至ることがございます。判定としては、「ア 生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断いたしました。
 次に、医療上の有用性についてですが、ミコフェノール酸モフェチルは、欧米等6か国において要望された効能・効果に係る承認は得てはおりませんが、英国のガイドラインでは国内外で既存薬とされていますシクロホスファミドの代替療法、あるいは不応例に対する療法として記載がございます。また、海外で実施された無作為化二重盲検比較試験の結果でもシクロホスファミドに対する本薬の優越性検証はされておりませんが、副作用の発現率等が低かったことを踏まえて、近年、本薬は海外の総説及び治療アルゴリズムに関する論文、海外の教科書、国内ガイドライン等において、シクロホスファミドと同様に全身性強皮症に伴う肺病変の初期治療に用いる薬剤として記載がございます。また、総投与量と発がん性リスクとの関係が示唆されているシクロホスファミドよりも忍容性に優れていると評価されていることからも、「ウ 欧米等において標準的治療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
 続いて、通し番号29ページを御覧ください。要望番号IV-86及び88として、日本小児リウマチ学会及び日本リウマチ学会からミコフェノール酸モフェチルの治療抵抗性のリウマチ性疾患に関する要望が提出されております。
 要望された効能・効果の詳細は、要望内容の効能・効果の欄を御覧ください。
 疾患の重篤性についてですが、本要望効能・効果の疾患は、いずれも自己免疫疾患に属し、成人・小児の区別なく、多臓器にわたる重篤な症状を呈する疾患であります。適切な治療により寛解に至る患者さんも存在しますが、再燃を繰り返す患者さん、あるいはステロイド薬及び既存の免疫抑制薬で効果不十分又は不耐な患者さんでは、致死的となる場合があることから、「ア 生命に重大な影響がある疾患」に該当すると判断いたしました。
 次に、医療上の有用性ですけれども、1、本邦において、要望された効能・効果に対する薬剤としてアザチオプリン及びシクロホスファミドが承認されております。2、今、報告いたしました全身性強皮症に伴う間質性肺疾患を除いては、要望された効能・効果に対して本薬の有効性や安全性及び用法・用量が検討された臨床試験というのが、本実薬の対照ランダム化を行った非盲検比較試験のみでして、この試験成績からは、要望された効能・効果全般に対する本薬の有効性や安全性等は、既存の療法と比べて明らかに優れていると判断することは困難と判断いたしました。
 3、本薬は欧米等6か国のいずれにおいても要望効能・効果では承認されておらず、国内外の診療ガイドラインにおける推奨度も必ずしも高くないと判断いたしました。
 以上の3点から、「ア」~「ウ」のいずれにも該当しないとワーキングでは今回判断したところです。
 以上となります。よろしくお願いします。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 ただいま2件続けて御説明いただきましたが、ただいまの御説明に関して何か質問、御意見があればよろしくお願いいたします。田村構成員、お願いします。

○田村(直)構成員 御検討いただきましてありがとうございます。
 強皮症の間質性肺炎は、なかなかほかによい治療薬がないのと、シクロホスファミドも副作用があって使えない場合もございますので、お認めいただければ、患者さんにとっても非常にメリットがあるかなと考えております。
 それから、後半の、以前アザチオプリンとかシクロホスファミドでお認めいただいたような形での適応ということですが、これも今、保険上はループス腎炎ということですけれども、他の病態等でも広く使っておりますし、できればというのはあったのですが、特に血管炎などもほかの薬が使えないような場合がありますので、というふうには思ったのですが、なかなかまとめては難しいという御判断かなと思いました。またちょっと疾患を絞ったりして御検討いただくことが必要なのかなと思いました。どうもありがとうございました。

○大江座長 ありがとうございました。
 ほかに何かございますか。村島構成員、お願いします。

○村島構成員 私はリウマチ領域の専門としての意見と、妊娠と薬情報センターからの意見ということで、一言申しあげます。後半のほうですけれども、この分野で盲検化ランダム試験というのは難しいのと、バックグラウンドをそろえての対照を置いた研究が本当に難しいので、このハードルを越えるのはなかなか大変かなというのが一つの感想です。
 もう一つは、臨床現場ではかなりミコフェノール酸モフェチルの手応えを感じておりまして、副作用も比較的少ないです。シクロホスファミドは卵巣機能障害という歴然とした障害がありますので、若くして発病した患者さんに本薬はたいへん有用性が高いという実感を持っております。従いまして、田村構成員がお話ししましたように、今後どうやったら適応が取れるかということを相談しながら、いい方向に持っていっていただければと思います。
 以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 ほかはいかがですか。
 恐らく将来的にもうちょっとデータがどこかで出てきて、ガイドライン等に記載されてくると、状況が少し変わってくるのかなという気はいたしますけれども。
 ほかに御意見はよろしいですか。
 では、今、御意見がありましたが、最初のIV-40、ミコフェノール酸モフェチルの強皮症に伴う間質性肺疾患の増悪抑制、改善に対する効能・効果ということに関しては、ワーキンググループの今の御報告、承認するということでよろしいですか。特に御異議がなければ、この件は承認したいと思います。
 では、続いて、IV-86、88、同じくミコフェノール酸モフェチルですけれども、治療抵抗性の下記のリウマチ性疾患という形で、今、御意見はいただきましたが、このワーキンググループの判断に関して、これを承認するということでよろしいか、決をいただきたいのですが、反対の方はいらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。特に御異議がなければ、このワーキンググループの判断を承認したいと思います。
 では、御異議がないというふうに判断させていただきましたので、了解いただいたものとさせていただきます。
 続きまして、3-2について、抗がんワーキンググループから、米盛先生、よろしくお願いいたします。

○米盛参考人 抗がんワーキンググループから米盛が報告いたします。
 検討しました品目について説明いたしますので、資料3-2を御覧ください。32~33ページを御参照ください。成人及び小児の転移・再発・難治性骨肉腫に対するレゴラフェニブに関する要望です。
 適応疾病の重篤性については、転移・再発・難治性骨肉腫は致死的な疾患であるということから、「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について、欧米等の診療ガイドライン及び教科書の記載内容、海外臨床試験成績等から、転移・再発・難治性骨肉腫に対するレゴラフェニブは、成人及び小児共に欧米等で標準的な治療に位置づけられているということから、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられます。
 以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
 続きまして、34~36ページになりますが、中枢神経系原発性リンパ腫に対する大量メトトレキサート、高用量シタラビン、リツキシマブ及びチオテパの併用投与に関する要望です。以下、これらの併用投与を「MATRixレジメン」と略します。MATRixレジメンのうち、チオテパに関する要望については、令和3年7月12日に開催された第45回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、適応疾病の重篤性は「ア」、医療上の有用性は「ウ」に該当し、医療上の必要性が高い旨が報告されております。
 本検討会議では、MATRixレジメンのうちメトトレキサート、シタラビン及びリツキシマブの医療上の必要性について御説明いたします。なお、これら3剤の医療上の必要性に関する判断は同一であることから、34ページに示すメトトレキサートの報告書を基に御説明いたします。
 適応疾病の重篤性について、中枢神経系原発リンパ腫は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しております。
 医療上の必要性について、欧米等の診療ガイドライン及び教科書の記載内容、海外臨床試験成績等より、中枢神経系原発リンパ腫に対するMATRixレジメンは、欧米などにおいて標準治療の一つに位置づけられていることから、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性は期待できると考えられます。以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しております。
 続きまして、37~38ページを御覧ください。再発又は難治性のIDH2変異陽性の急性骨髄性白血病に対するEnasidenibの要望になります。
 適応疾病の重篤性については、再発又は難治性のIDH2変異陽性の急性骨髄性白血病は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しました。
 医療上の有用性について次の3点を考慮すると、本要望については「ア」~「ウ」のいずれの基準にも該当しないことから、「エ」と判断しております。
 まず、1つ目ですけれども、本邦において再発又は急性骨髄性白血病(AML)に対しては、IDH2変異の有無にかかわらず、アザシチジン、高用量又は中用量のシタラビンなどの薬物治療法が承認されております。
 2つ目ですが、再発・難治性のIDH2変異陽性のAML患者さんを対象とした海外第III相試験において、主要評価項目とされた全生存期間において、対照群に対するEnasidenib群の優越性が検証されなかったことを踏まえると、有効性・安全性等が既存の療法に比べて明らかに優れていることを示す成績は得られていないこと。
 3つ目は、欧米等の承認状況及び欧米等の診療ガイドラインの記載について、いずれの診療ガイドラインにおいてもEnasidenibは再発又は難治性のIDH2変異陽性のAMLに対する治療選択肢の一つとして位置づけられるという記載にとどまっており、Enasidenib投与を推奨する旨の記載は認められなかったこと等を踏まえると、現時点で海外において標準的治療に位置づけられるとは判断ができないことを上げております。
 説明は以上になります。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 今、まとめて御説明いただきましたけれども、今の御説明に関して何か質問、コメントございますか。まず最初、レゴラフェニブに関して、何か御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。どうぞ。

○事務局 事務局からですけれども、本日御欠席されている伊藤構成員のほうから「レゴラフェニブについて、ワーキンググループでの検討の内容を支持します」と御連絡をいただいておりますので、御紹介をさせていただきます。
 以上です。

○大江座長 ありがとうございます。
 ほかに何か質問、御意見ございますでしょうか。
 ないようですので、レゴラフェニブに関しては、IV-106、IV-111、両方とも了解いただいたものと判断させていただきたいと思います。
 続いて、メトトレキサート、シタラビン、リツキシマブに関して何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
 この件に関しても特に御質問、御意見がないようですので、これも御了承いただけたものと判断させていただきたいと思います。
 最後がEnasidenibですけれども、これに関して何か御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいですか。
 では、こちらも特に御意見等ございませんので、御了解いただけたと判断させていただきたいと思います。
 続きまして、資料3-3について、小児ワーキンググループから中村先生、御報告をお願いいたします。

○中村参考人 小児ワーキンググループの中村でございます。
 要望番号IVS-19、大建中湯の医療上の必要性の評価について御報告申し上げます。資料3-3を御覧ください。40ページ上の部分ですが、大建中湯については、日本小児外科学会から提出されたヒルシュスプルング病並びに類縁疾患患者における術後腸管麻痺、イレウスに関する要望でございます。
 重篤性についてでございますが、ヒルシュスプルング病、類縁疾患は、腸閉塞等を引き起こす疾患で、術後の腸管麻痺やイレウスが発症した場合には日常生活に著しい影響を及ぼしますので、「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしました。
 (2)の医療上の有用性についてですけれども、要望された疾患に関しましては、既承認の効能・効果は、41ページの下のほうに2つの大建中湯の製剤についての適応が書いてございますが、既承認の効能・効果の範囲内で使用可能でございます。したがいまして、新たに開発が必要が状況ではないと考えられると判断しました。
 また、要望された疾患を対象とした臨床試験成績がなく、要望された疾患に限定した効能・効果の必要性が示されていないこと、小児を対象とした試験成績がなく、小児に対する用法・用量を設定することも困難でございますので、本要望に基づく効能・効果及び用法・用量の追加が適切とは判断できず、医療上の有用性としての基準は「エ:該当しない」と判断いたしました。
 説明は以上でございます。

○大江座長 ただいまの御説明に関して何か質問、コメントはございますでしょうか。
 では、私から1ついいですか。この病名としては適応はないですけれども、症状からして使用することに関しては問題ないという説明かと思いますが、ただ、用量に関して、小児と成人の違いとか、その辺はどういうふうになるのでしょうか。

○中村参考人 この疾患についての用法・用量というのは判断が困難でございますけれども、そもそもが既存の適応の中で小児に使われているものと判断しますので、その中で御使用いただくというふうに認識しております。
 すみません。事務局、何か補足できることがあったらお願いしていいでしょうか。

○大江座長 用法・用量で「年齢、体重、症状により適宜増減する」ということなので、その範囲でという理解でよろしいですか。

○中村参考人 と理解しております。すみません。添文の内容が今、手元にないので、確認ができないです。申し訳ないです。

○大江座長 資料の41ページのところに。

○中村参考人 そうです。資料41ページ、要望内容が「年齢、体重、症状により適宜増減」でございますので。

○大江座長 これは要望内容ですね。失礼しました。そうすると。

○中村参考人 なので、新たに小児の用法・用量を設定して、この疾患について認めることが困難であるという判断でございます。

○大江座長 よろしいですか。
 ただいまのワーキンググループの報告に関して特に御意見がなければ、そのように了解したいと思いますが、よろしいでしょうか。どうぞ。

○事務局 事務局ですけれども、こちらにつきましても、御欠席の伊藤構成員より「ワーキンググループの検討内容を支持します」と御連絡をいただいております。
 以上です。

○大江座長 ありがとうございます。
 どうぞ。

○中村参考人 一応、補足させていただきますが、今、添付文書を確認しましたけれども、「年齢、体重、症状により適宜増減する」。それから、いつもですが、「小児に対する安全性は確立していない」という記載はございますが、それはそれとしまして、現状で使われているという状況かと判断しますので、そこのところはそのままといいますか、この検討会議での検討の基準で考えますと、この適応では医療上の有用性については「エ」という判断でございます。

○大江座長 分かりました。
 それでは、このワーキンググループの報告を了解したいと思います。
 どうもありがとうございました。
 続きまして、企業から提出されました開発工程表について、事務局から御説明をお願いいたします。

○野村治療推進室長 それでは、42ページを御覧ください。資料4-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。最初の丸に記載のとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から、令和4年11月15日現在の開発工程表が提出されております。件数といたしましては、括弧に記載がございますとおり、第I回要望分として183件、第II回が94件、第III回が47件、第IV回として74件となっております。詳細につきましては、次の資料で説明をさせていただきます。
 続きまして、45ページの資料4-2を御覧ください。こちらは各企業から提出されました開発工程表の進捗をまとめたものになります。詳細な進捗などにつきましては、資料4-3から4-6で御確認いただければと存じますが、こちらでまとめておりますので、こちらの資料をもちまして進捗状況に関する主な変更点を御報告いたします。
 まず初めに1、開発陽要請の件数についてです。第II回要望につきましては1件の取下げがございまして、開発要請の件数としては95件から94件となっています。第III回につきましては2件の追加がございまして、開発要請の件数として45件から47件となっております。IV回要望につきましては2件の追加、2件の取下げがございまして、件数としては変わりなく、47件となっております。
 続いて、46ページを御覧ください。こちらは、2、開発工程における進捗状況について、要請回数ごと、その進捗順に御紹介をさせていただきます。まず、(1)第I回の開発要請については、前回御報告時から変更はございません。
 (2)第II回開発要請につきましては、前回会議にて御報告をさせていただきましたとおり、要望番号II-7のPDRファーマの3ヨードベンジルグアニジンの開発要請が取り下げられております。
 (3)第III回の開発要請につきましては、要望番号III-(3)-23、日本歯科薬品のメピバカイン塩酸塩が承認申請をされました。
 また、III-(1)-49、50のバシリキシマブ(遺伝子組換え)が新たに開発要請を行い、進捗状況としては使用実態調査中となっております。この結果、承認申請済みが1件増えて1件、その他品目が2件増え3件となっております。
 47ページを御覧ください。(4)第IV回開発要請でございます。不妊治療の関係の品目がIV-123~136の21件ございまして、いずれも本年8月または9月に承認をされております。これが49ページまで続いておりまして、49ページ一番下のIV-64の協和キリンのフルオロウラシル、次のページの要望番号IV-43及び55のあゆみ製薬のアセトアミノフェンの3件が承認申請をされております。
 また、要望番号IV-5の丸石製薬のミタゾラムについて、治験届が提出されました。
 続きまして、IV-94及び141の塩野義製薬のシクロホスファミド水和物、IV-112及び140のファイザーのメトトレキサートが新たに開発要請を行いまして、進捗状況としては公知申請予定となっております。
 最後に、要望番号IV-67のサノフィのドセタキセル水和物、その次のIV-68の日本イーライリリーのゲムシタビン塩酸塩が、前回報告を差し上げたとおり、開発要請の取下げを行っております。この結果、承認済み品目が21件増えまして40件、承認申請済み品目が3件増え5件、治験届提出済み品目が1件増え9件、公知申請予定品目が2件増え18件、その他品目が1件増え4件、開発要請が取り下げられたものが2件増え2件となっております。
 以上で開発要請品目の進捗の御報告を終えさせていただきます。
 続きまして、152ページ、資料5を御覧ください。こちらは開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況になりますが、こちらにつきましては前回御報告時点からの更新はございません。
 当課からの御説明は以上になります。

○大江座長 ありがとうございました。
 ただいまの御説明に関して何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、続きまして「その他」の事項として資料6について事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 それでは、資料6、155ページを御覧ください。こちらは要望の取下げに関するものです。サリドマイドでございますが、第IV回の要望に対して要望が提出されまして、開発要請をこれまで行っているところです。こちらの未治療の多発性骨髄腫に対する適応について要望がなされていたのですが、今般取下げがなされました。その理由としましては、2番に記載がされていますように、未治療の多発性骨髄腫に対しまして、新たな薬剤等が承認されたということで、治療体系や医療環境に変更が生じたためとされております。
 御報告は以上です。

○大江座長 ありがとうございました。
 そのほか事務局から何かございますでしょうか。

○事務局 特段報告事項はございませんが、本日も長時間にわたりまして御議論いただき、誠にありがとうございました。
 次回の検討会議の日程、開催の形式につきましては、追って御連絡をさせていただきたいと思います。
 御多用のところ引き続き恐縮ですが、来年も何とぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

○大江座長 どうもありがとうございました。
 参加の先生から全体を通して御意見とかございますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、本年もどうもありがとうございました。
 これで第53回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4221)

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