ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第52回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2022年8月31日)

 
 

2022年8月31日 第52回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和4年8月31日(水) 15:00~17:00

 

○場所

フクラシア八重洲(オンライン会議場)
F会議室
東京都中央区八重洲2-4-1 住友不動産八重洲ビル(旧ユニゾ八重洲ビル)

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊豆津構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、大久保構成員
小川構成員、落合構成員、崔構成員、田村(研)構成員、田村(直)構成員、平林構成員、松本構成員、
宮川構成員、村島構成員、山口構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

花岡参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○事務局 お待たせいたしました。定刻になりましたので、ただいまより第52回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催させていただきます。
今回も、新型コロナウイルス感染防止の観点から、ウェブ会議形式での開催とさせていただいております。
また、本会議は公開であることから、ウェブ会議の様子をYoutubeにてオンライン配信しております。御了承のほど、よろしくお願いいたします。
委員の先生方におかれましては、大変お忙しい中、本日、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
会議を開始するに当たりまして、事務的な注意事項を御説明させていただきます。
発言される際は、画面のマイクのボタンを押してミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後、御発言をお願いいたします。また、発言されないときはマイクをミュートにしていただきますようお願いします。オンラインで御参加の先生におかれましては、発言の場合、「挙手ボタン」を押していただき、座長に指名された後に御発言をお願いいたします。会議中に接続トラブル等、何かございましたら、事前にお送りしました事務局の連絡先まで御連絡をお願いいたします。
本日の委員の出欠状況ですけれども、柳原構成員より御欠席、また落合構成員、横谷構成員が遅れての御参加と承っております。また、小川構成員からは、本日16時までの御参加と伺っております。また、山口構成員におかれましても、現在参加が遅れていると伺っております。ということで、現時点で参加されておられるのが、会場とオンラインを合わせまして16名となっておりますので、御報告いたします。
また、ワーキンググループでの検討状況を報告するに当たりまして、代謝・その他ワーキンググループのメンバーから花岡参考人に、抗がんワーキンググループから米盛参考人にそれぞれ御参加いただいておりますので、よろしくお願いします。
また、会議に先立ちまして、事務局側に人事異動がございましたので、この場を借りて紹介させていただきます。
まず、医薬・生活衛生局長が鎌田から八神敦雄に交代しております。
 
○八神医薬・生活衛生局長 医薬・生活衛生局長の八神と申します。どうぞよろしくお願いいたします。大変恐縮ですが、今日、途中で退席させていただきます。先生方におかれては、忌憚のない御意見をどうぞよろしくお願いいたします。
 
○事務局 続きまして、医政局研究開発政策課長の荒木裕人でございます。
 
○荒木研究開発政策課長 医政局の研究開発振興課から研究開発政策課と名前が変わっております。着任しました荒木と申します。よろしくお願いいたします。
 
○事務局 それでは、本日の以降の進行は座長の大江先生にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 
○大江座長 まず、本日の会議資料の確認、及び各構成員からお申し出いただきました学会執行部への所属状況について事務局から説明をお願いいたします。
 
○事務局 資料につきましては、事前に送付した資料を御用意ください。電子ファイルについては、全てを1つのファイルにまとめて、右下に通し番号を振っております。
まず、資料を開いていただきまして、2ページに本日の資料一覧をお示ししておりますので、御確認をお願いいたします。
議事次第。配付資料一覧。資料1が検討の進め方。資料2、幾つか枝番がございますが、こちらがこれまでのワーキンググループの検討状況の概要。それから、資料3も幾つかございますが、本日御議論いただきます個別の開発要望の医療上の必要性に関するワーキンググループの評価結果。今回は全部で4件ございます。それから、資料4は公知申請への該当性に関するワーキンググループの報告書(案)でございまして、今回3件ございます。資料5については、開発の進捗状況について、企業から提出された開発工程表の概要等をお示ししております。資料6については、開発公募を行った医薬品のリスト。資料7は、ドセタキセル水和物の要望について。また、資料8は、ゲムシタビン塩酸塩の要望についてになります。以上の資料を1つのPDFファイルとして配付させていただいております。
また、参考資料のファイルとしまして、開催要綱、構成員の名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、こちらも1つのファイルにまとめてつけさせていただいておりますので、必要に応じて御参照をお願いします。これらの資料に基づいて、本日審議を進めていただきます。
続きまして、各構成員からお申し出をいただきました学会執行部への所属状況について御報告いたします。参考資料のファイルを開いていただきまして、15ページに参考資料7として、構成員の方々が執行部に所属されている学会の一覧をお示ししております。本会議の公平性を確保する観点から、当面の間、構成員のうち学会の執行部、これは理事の方々を想定しておりますけれども、その執行部に在籍する方につきましては、当該学会からの開発要望について、要望に係る背景事情等の説明は行っていただきますが、議決には参加しないことにしております。
この資料は現時点の内容に更新させていただいておりますが、誤り等がもしございましたら、この時点でお申し出いただければと思います。特にお申し出がないということのようですので、このとおりで進めさせていただきます。本日、報告予定のいずれの議題につきましても、議決に参加しない委員は該当ございませんので、以上、御報告をさせていただきます。
 
○大江座長 ありがとうございました。
続きまして、資料2のワーキンググループの検討状況の概要について、前回会議以降の進捗状況について事務局から説明をお願いいたします。
 
○事務局 資料2-1、通し番号で言うと5ページになります。こちらのファイルを御覧ください。
まず、2015年6月以前に要望いただきました第I回から第Ⅲ回までの要望についての進捗状況です。5ページ、医療上の必要性の検討状況についてですが、今回、代謝・その他ワーキンググループにおいて、第Ⅲ回要望から2件の要望につきまして医療上の必要性が高いと評価されましたので、中央の列のワーキンググループで検討中の11件が2件減っております。右側の列で9件となっております。
また、抗がんワーキンググループにおいて、過去に医療上の必要性が高いと評価された1件の要望につきまして再度評価を行い、医療上の必要性が高くないと評価し直されましたので、右側の列のワーキンググループにおきまして必要性が高くないとされた件数が1件増え、187件となっております。
以上から、右側の列のワーキンググループで必要性が高いと評価され、検討済みの要望数は2件増加と1件の減少を反映しまして、合計346件となっております。本日は、これらの要望について御審議をお願いいたします。
続いて、6ページを御覧ください。6ページ、公知該当性ですけれども、前回の会議で1件の要望について公知申請が妥当と評価されましたので、中央の列の本会議で公知申請が妥当と評価された要望数が1件増えて125件となっております。
続きまして、11ページの資料2-2を御覧ください。こちらは、2015年7月以降、現在に至るまでの第Ⅳ回の要望で御要望いただいた品目に関する状況をお示ししております。中央を御覧ください。新たに6件の新規要望、それから、1件の取下げがございましたので、要望数の総数が188件。また、ワーキンググループで検討中が60件、検討対象外のうち、取下げ等が37件に変更となっております。また、前回会議で1件の要望について医療上の必要性が高いと評価されましたので、本会議で検討済みの必要性が高いの件数が73件へと変更となっております。
続いて、右側の列ですけれども、今回ワーキンググループにおいて4件の要望が医療上の必要性が高いと評価されましたので、本日、この4件について御審議いただきます。
続きまして、12ページ、これは公知該当性の検討状況です。中央の列を御覧ください。前回の会議で医療上の必要性が高いと評価された1件に加えて、本日、資料7と8で御報告させていただきますが、新たに2件の要望取下げがございましたので、これらを集計しますと、ワーキンググループで公知該当性を検討中の件数は17件、取下げ等の件数を3件にそれぞれ変更しております。また、前回の会議で、3件の要望が医療上の必要性が高いと評価されましたので、本会議で公知申請が妥当と評価された件数は30件に増えております。
右側の列を御覧ください。今回ワーキンググループにおいて3件の要望について公知申請が妥当と評価されておりますので、本日はこの3件について御審議をお願いいたします。
なお、本検討会議を経た後の各品目の開発状況につきましては、後ほど資料5を用いて説明させていただきます。
以上です。
 
○大江座長 ありがとうございました。
何か質問ございますか。質問があればお願いいたします。よろしいですか。
質問もないようですので、それでは、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況についてですが、資料3-1について代謝・その他ワーキンググループから、花岡先生、御報告をお願いいたします。
 
○花岡参考人 それでは、代謝・その他ワーキンググループから資料3-1について御報告させていただきます。資料3-1、バシリキシマブの医療上の必要性の評価について、資料を御覧いただきたいと思います。
まず、バシリキシマブ(以下、「本剤」)は、日本移植学会から要望されました、IL-2受容体を介したT細胞の活性化及び増殖を抑制する免疫抑制剤であり、要望された効能・効果は、肝移植後の急性拒絶反応の抑制です。重要性について、肝移植後に急性拒絶反応が発現し、移植肝機能の悪化が不可逆となり、廃絶した場合には致死的となることから、「ア」の基準に該当すると判断しました。
また、有用性についてですが、本日は要望された適応に対する欧米6カ国における承認はないものの、以下の理由から「ウ」の基準に該当すると判断しました。
まず、第1に、海外の診療ガイドラインにおいて、腎機能障害を有する患者等に対する治療選択肢として本剤が記載されていること。
第2に、海外の臨床試験等から、肝移植後の急性拒絶反応に対する本剤の有用性が報告されており、本邦においても本剤の使用経験が報告されていることでございます。
以上より、ワーキングにおける検討の結果、医療上の必要性が高いと判断いたしました。
なお、備考欄に記載いたしましたように、本要望は肝移植に関わるものでございますが、要望者は、肝移植以外の臓器移植、すなわち成人及び小児の心臓、肺、小腸及び膵移植に係る開発についても希望しております。肝移植に関する国内外の情報収集・整理に加え、それ以外の臓器移植についても同様に情報の収集・整理を行い、開発の可能性について検討することが望ましいと考えます。
説明は以上でございます。
 
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、何か御質問等ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ただいまのワーキンググループからの報告は御了解いただけたということでよろしいでしょうか。それでは、了解されたものと認めさせていただきます。
次の要望について、引き続き花岡先生、御報告をお願いいたします。
 
○花岡参考人 それでは、続けて資料3-1、3ページを御覧いただきたいと思います。シクロホスファミド水和物の医療上の必要性の評価についてでございます。
シクロホスファミド水和物、本剤は、一般社団法人日本造血・免疫細胞療法学会から要望された免疫抑制剤であり、要望された効能・効果は、血縁者間同種造血細胞移植(HLA半合致移植)時の移植片対宿主病(以下、「GVHD」)の抑制でございます。
重要性についてですが、造血幹細胞移植におけるGVHDは、移植関連死の主要な一因であることから、「ア」の基準に該当すると判断いたしました。
また、有用性についてですが、本剤に要望された適応に対する欧米6カ国における承認はないものの、以下の理由から、この基準に該当すると判断いたしました。
第1に、海外の診療ガイドライン及び国内の診療ガイドラインにおいて、移植後シクロホスファミドを用いたHLA半合致移植が記載されていること。
第2に、国内外の臨床試験等から、同様にHLA半合致移植のGVHDに対する移植後シクロホスファミドの有用性が報告されていることでございます。
以上より、ワーキングにおける検討結果は、医療上の必要性が高いと判断いたしました。
説明は以上でございます。
 
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの説明に対して、何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただけたと判断させていただきます。どうもありがとうございました。
それでは、次の要望について、引き続き花岡先生、よろしくお願いいたします。
 
○花岡参考人 続けて、資料3-1の4ページを御覧いただきたいと思います。メトトレキサートの医療上の必要性の評価についてでございます。
メトトレキサート、本剤は、これも先ほどと同様でございますが、日本造血・免疫細胞療法学会から要望された免疫抑制剤であり、要望された効能・効果は、同種造血細胞移植時の移植片対宿主病(GVHD)の抑制です。
重要性についてですが、造血幹細胞移植におけるGVHDは、移植関連死の主要な一因であることから、「ア」の基準に該当すると判断いたしました。
また、有用性ですが、本剤は要望された適応に対する欧米6カ国における承認はないものの、以下の理由から「ウ」、基準に該当すると判断いたしました。
第1に、海外の診療ガイドラインにおいて、本剤とシクロスポリンの併用はGVHDの標準的予防法とされており、本剤とタクロリムスの併用についても効果は同等と考えられると記載されていること。
第2に、国内の診療ガイドラインにおいて、本剤とカルシニューリン阻害薬(シクロスポリン又はタクロリムス)の併用はGVHDの標準的予防法とされていること。
そして、第3に、国内外の臨床試験等から、GVHDに対する本剤の有用性が報告されていることでございます。
以上より、ワーキングにおける検討結果は医療上の必要性が高いと判断いたしました。
説明は以上でございます。
 
○大江座長 ありがとうございます。
ただいまの御説明に関して、何か質問、コメントございますでしょうか。
備考欄に用法・用量のことが若干書かれていますけれども、そこも含めて検討するということでよろしいですか。
 
○花岡参考人 そのように考えております。
 
○大江座長 よろしいですか。
それでは、御了解いただけたと判断させていただきます。
続きまして、資料3-2について、抗がんワーキンググループから、米盛先生、御報告お願いします。
 
○米盛参考人 抗がんワーキンググループの米盛です。
抗がんワーキンググループにおいて検討した品目について御説明させていただきます。資料3-2を御覧ください。ヨードベンジルグアニジンになります。
32~34ページを御覧ください。甲状腺髄様癌に対する3-ヨードベンジルグアニジンについての要望です。この要望については、2012年12月26日に開催された第14回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において、適応疾病の重篤性が「ア」、医療上の有用性は「ウ」に該当し、医療上の必要性は高い旨が報告され、開発要請がなされております。
今般、開発要請時から医療環境の変化があったことなどを踏まえ、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬の要望対象の拡大についてに関する通知の第2の5における規定に基づき、富士フィルム富山化学株式会社より、医療上の必要性の再検討の依頼がなされたため、医療上の必要性の再検討を行っております。
適応疾病の重篤性について、甲状腺髄様癌は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断しております。
医療上の有用性については、これから述べます3点などを考慮すると、本要望については「ア」~「ウ」のいずれの基準にも該当しないことから、「エ」に該当すると判断しております。
1点目が、本邦において、要望内容に関連して、要望以降にバンデタニブ、レンバチニブメシル酸塩、ソラフェニブトシル酸塩及びセルペルカチニブが承認されていること。
2点目が、甲状腺髄様癌に対して、欧米等の臨床試験において、有効性・安全性等が既存の療法に比して明らかに優れていることを示す成績が得られていないこと。
3点目が、甲状腺髄様癌患者において、バンデタニブ及びカボサンチニブリンゴ酸塩が、RET遺伝子変異陽性の甲状腺髄様癌患者に対してセルペルカチニブがそれぞれ複数のガイドラインにおいて推奨されていること。
開発要請後に公表された一部の診療ガイドラインにおいて、3-ヨードベンジルグアニジンにおける治療は甲状腺髄様癌患者に対して有効性が認められず、放射線同位体に基づく治療は臨床試験等の限られた状況のみにおいて考慮されるべきであることが記載されており、その他の診療ガイドラインにおいても3-ヨードベンジルグアニジン投与を推奨する旨の記載がなかったことを踏まえると、現時点で海外において標準的治療法に位置づけられているとは判断できないことになります。
説明は以上です。
 
○大江座長 どうもありがとうございました。
ただいまの御説明に何か御質問、コメントございますでしょうか。10年たって、いろいろ薬も出てきて、状況が大分変わったという理解かなと思います。よろしいですか。
特に御意見なければ、今のワーキンググループの報告は了解されたと判断させていただきます。
それでは、続きまして、公知申請への該当性に係る報告書(案)について、抗がんワーキンググループから、米盛先生、御報告をお願いいたします。
 
○米盛参考人 よろしくお願いします。抗がんワーキンググループの米盛です。
フルオロウラシル、ホリナートカルシウム及びオキサリプラチンの併用投与(以下、「FOLFOX」)の公知申請への該当性に係る報告書について御説明いたします。資料4-1から4-3を御覧ください。
要望内容について、各資料の1ページを御覧ください。FOLFOXが治癒切除不能な進行・再発胃癌患者に対して要望されており、これら3剤の併用薬について要望書が提出されております。
以降は、公知申請への該当性の判断について、オキサリプラチンの報告書、資料4-1を基に説明させていただきます。
海外の状況について、資料4-1の2ページ以降に記載のとおり、海外での承認はございません。
海外診療ガイドラインでの記載について、3ページ以降に記載しており、NCCNガイドライン、ESMOガイドラインなどにおいてFOLFOXに関する臨床試験の論文が引用されております。
公表論文などの内容については、5ページ以降に記載いたしました。5~6ページにはFOLFOXと他のレジメンを比較した試験、6~11ページにはFOLFOXを対象群として、FOLFOXへの他剤の上乗せを検討した試験を記載しております。
日本人を対象とした臨床試験については、11ページ以降に記載しております。
また、14ページ以降に記載のとおり、総説や教科書においてもFOLFOXの臨床試験結果などが記載されております。
公知申請への該当性の判断については、16ページ以降に記載しております。
まず、有効性について、国内外臨床試験成績並びに国際的な教科書及び診療ガイドラインの記載内容を踏まえ、治癒切除不能な進行・再発胃癌に対するFOLFOXの有効性は、医学薬学上公知と判断しております。
次に、安全性については、18ページに記載しております。国内外の臨床試験において、新たな注意喚起が必要な事象は認められておりません。
以上に加え、要望された用法・用量は、既に本邦で承認されている用法・用量の範囲内であり、日本人の安全性に関する一定数のエビデンスが蓄積されていることを考慮すると、国内外の臨床試験成績などの内容を熟知し、がん化学療法に精通した医師により、有害事象の観察や管理などの適切な対応がなされるのであれば、治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対するFOLFOXは忍容可能と判断しております。
以上の検討を踏まえ、要望された治癒切除不能な進行・再発の胃癌に対するFOLFOXの臨床的有用性は、医学薬学上公知と判断しております。
各薬剤の効能・効果及び用法・用量については、以下のように考えております。
オキサリプラチンについては、資料4-1、ページ19に記載しておりますとおり、胃癌の効能・効果で既に承認されていることから、今般の公知申請に際し、効能・効果の変更は不要と判断しております。
用法・用量については、FOLFOXレジメンの用法・用量は、既に結腸・直腸癌などの用法・用量として承認されているA法に該当することから、胃癌の用法・用量としてA法を設定した上で、胃癌における術後補助療法でA法を使用した場合の有効性・安全性が確立していない旨を注意喚起することが妥当と判断しております。
フルオロウラシルについては、資料の4-2、ページ19に記載しておりますとおり、効能・効果として、治癒切除不能な進行・再発の胃癌と設定した上で、術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない旨を注意喚起することが適切と判断しました。
用法・用量については、FOLFOXレジメンの用法・用量は、既承認の適応と同一の用法・用量であることから、ページ19のとおり設定することが適切と判断しております。
ホリナートカルシウムについては、資料4-3、ページ19に記載しておりますとおり、効能・効果として、治癒切除不能な進行・再発の胃癌と設定することが適切と判断しました。
用法・用量については、FOLFOXレジメンの用法・用量は、既承認の適応と同一の用法・用量であることから、ページ19のとおり設定することが適切と判断しております。
説明は以上になります。
 
○大江座長 どうもありがとうございました。
ただいまの御説明に関して、何か御質問、コメントはございますでしょうか。
お願いします。
 
○田村(研)構成員 島根大学の田村でございます。
ワーキンググループの御説明のとおり、胃癌に対するFOLFOX療法は、エビデンスの面でも安全性の面でも公知申請に該当すると考えます。
以上です。
 
○大江座長 ありがとうございます。
ほか、よろしいですか。それでは、ワーキンググループからの報告は御了解いただいたものとさせていただきます。
続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○野村治験推進室長 それでは、101ページを御覧ください。資料5-1「企業から提出された開発工程表について」でございます。
最初の○に記載しておりますとおり、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業から、2022年8月1日時点の状況を踏まえた開発工程表が提出されております。件数といたしましては、第I回要望分として183件、第II回95件、第III回45件、第IV回74件となっております。詳細については、次の資料で説明させていただきます。
続きまして、飛んでいただきまして、104ページの資料を御覧ください。資料5-2でございます。こちらは、企業から提出された開発工程表の進捗をまとめたものでございます。詳細な進捗等につきましては、資料5-3から5-6で御確認いただければと存じますが、こちらの資料を用いて進捗状況に関する主な変更点を御報告をいたします。
まず、1.開発要請の件数についてです。第IV回要望につきましては1件の追加がございまして、開発要請の件数としては73から74件となっております。
続きまして、105ページにお移りください。2.開発工程表における進捗について、要請回数ごと、それから、その進捗順に御紹介をいたします。
(2)第I回開発要請につきましては、協和キリン、日本セルヴィエのペグアスパラガーゼについて、承認申請済みとなっております。この結果、承認申請済み品目が1件増え、1件となっております。
第II回開発要請については、前回御報告時から変更ございません。
3.第III回開発要請につきましては、要望番号III-4-20の中外製薬のベバシズマブ(遺伝子組換え)及び要望番号III-3-19、サノフィのフルダラビンリン酸エステルが承認されました。この結果、承認済み品目が2件増え、38件となっております。
106ページを御覧ください。4.第IV回開発要請については、要望番号IV-12のマルホのメトロニダゾールが本年5月に承認されました。
また、要望番号IV-48のサノフィのフルダラビンリン酸エステル、IV-50及びIV-53の中外製薬のレノグラスチム(遺伝子組換え)、同じくIV-50、IV-53の協和キリンのフィルグラスチム(遺伝子組換え)の4品目が本年6月に承認されております。
また、要望番号IV-29のファイザーの抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリンにつきまして承認申請がされました。IV-2、全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)につきましては、治験計画届が提出されております。IV-97、ブリストル・マイヤーズスクイブのカルボプラチンが新たに開発要請を行い、進捗状況としては公知申請予定となっております。最後に、要望番号IV-62の日本メダックのロムスチンにつきましては、治験準備中となっております。この結果、承認済み品目が6件増え、19件に、その他品目が1件増え、4件となっております。以上で、開発要請品目の進捗の御報告を終えさせていただきます。
続きまして、少し飛びまして、右下205ページの資料6を御覧いただきます。こちらは開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況となっております。進捗に変更があったものとしましては、207ページを御覧いただければと思います。右が少しグレーアウトしておりますけれども、この第IV回の5番、レクメドのコール酸につきまして、承認申請済みとなりました。次に、同じページ、その下の開発に向けた検討依頼品目についてですが、5番の丸石製薬のオンダンセトロン塩酸塩が承認されましたので、6番、7番に※1として注釈を付しておりますけれども、今後、検討いただく必要がなくなりましたので、今後、開発状況の確認対象からは外させていただきます。
当課からの御報告は以上になります。
 
○大江座長 ありがとうございました。
ただいまの御説明について何か御質問ございますでしょうか。よろしいですか。
続きまして、「その他の事項」として、資料7、8について事務局より説明をお願いいたします。
 
○事務局 事務局より説明いたします。
ファイルの通し番号208ページと209ページ、資料7と資料8をまとめて報告させていただきます。こちらは、ドセタキセル水和物、ゲムシタビン塩酸塩の開発に関する要望が、平成27年7月1日から随時募集している第IV回開発要望の募集に対して、過去に要望書が提出され、開発要請を行っているところです。今般、これらの要望につきまして、要望を出されました日本臨床腫瘍学会、日本産婦人科学会、日本整形外科学会より、要望の取下げに関する申出が提出され、これを受理いたしましたので、御報告させていただきます。
以上です。
 
○大江座長 ありがとうございました。
何か御質問ございますか。よろしいですか。
それでは、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
 
○事務局 御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
次回の検討会議の日程、また開催の形式につきまして、決定次第、事務局より御連絡させていただきます。引き続き、御多用のところ恐縮ですけれども、御参加のほど、どうぞよろしくお願いいたします。事務局からは以上です。
 
○大江座長 どうもありがとうございました。
これにて本日の会議は終了したいと思います。どうもありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4221)

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