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2021年9月13日 第47回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和3年9月13日(月) 14:00~16:00

 

○場所

フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
6C会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、大久保構成員、大森構成員
岡部構成員、落合構成員、合田構成員、田村構成員、平林構成員、堀田座長、宮川構成員
村島構成員、山本構成員
 

出席参考人

戸高参考人

○議題

要望品目の医療上の必要性について
その他

○議事

 

○文調整官 それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第47回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
今回も、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Web会議形式での開催とさせていただきます。また、本会議は公開の会議であることから、Web会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承ください。
委員の皆様におかれましては、大変お忙しい中御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
会議を開始するに当たって注意事項を御説明いたします。発言される際は、画面のマイクボタンを押してミュートを解除した上で、お名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようお願いいたします。また、発言されないときはマイクをミュートにしておいてください。
会議中に接続トラブル等ございましたら、事前にお送りしました連絡先に御連絡ください。
本日は、小川構成員、山口構成員より御欠席、岡部構成員より、15時半までの御参加、また、田村構成員、横谷構成員より遅れて参加するとの御連絡をいただいており、現在のところ、16名の先生に御出席いただいております。
また、WGの検討状況の報告に当たりまして、循環器WGのメンバーから、戸高参考人に御出席いただいております。
それでは、堀田座長に以降の議事進行をお願いいたします。

○堀田座長 堀田でございます。皆様、こんにちは。
今日も、先月に引き続いての会議になりますけれども、よろしくお願いいたします。本日の会議は、レギュラーなものとは違いまして、特に不妊治療に関するまとめた議論をお願いすることになりますので、通常の報告等はありません。では、よろしくお願いします。
まず、本日の会議資料の確認を事務局からお願いします。

○文調整官 事前に送付した資料を御用意ください。電子ファイルは1つにまとめて右下に通し番号を振っております。本日の資料の一覧を2ページにお示ししておりますので、御確認ください。
議事次第、配付資料一覧。
資料1が検討の進め方、資料2が今回御審議いただく不妊治療に係る要望のリスト、資料3が個別の開発要望の医療上の必要性に関するWGの評価となっております。
以上の資料を一つのPDFファイルとして配付しております。
なお、今回はWGの検討状況の概要と企業から提出された開発工程表の概要、また開発公募を行った医薬品のリストに関する資料については、変更がございませんので、割愛いたします。
別ファイルに、開催要綱、構成員名簿、WGメンバーの名簿、評価基準等を一つづりで参考資料としております。また、今回は参考資料8として「不妊治療における診療の流れ」に関する資料を追加しております。
なお、参考資料8について、差し替えがございますので、本日、構成員宛てのメールで共有させていただきました。直前の差し替えとなり、申し訳ございません。
また、資料8の下部にあります出典から一部改変したものになっております。
参考資料の15ページに、参考資料7として構成員が執行部に所属されている学会に関する資料をつけております。
本会議の公平性の観点から、当面、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方は当該学会からの開発要望については要望に係る背景事情等の説明は行うものの、議決には参加しないこととしています。
本資料は現時点の内容に更新しておりますが、誤り等ございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
これらの資料に基づいて、本日の審議を進めていきたいと思います。

○堀田座長 ありがとうございました。それでは、ただいまの資料について、特に問題はないでしょうか。
よろしければ進めたいと思います。最後の差し替えの参考資料8でありますけれども、これを私が今日直前になって無理にお願いしてつくっていただきました。本当に御対応ありがとうございました。皆さんもそれぞれの医薬品の位置づけが分かりやすいのではないかと思ってお願いした次第であります。
それでは、本日の進め方について、事務局から御説明をお願いします。

○文調整官 今回の議題についてですけれども、WGにおいて7件の要望が医療上の必要性が高いと評価されましたので、本日はこの7件の要望について御審議いただきます。

○堀田座長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明のとおり、7件の要望を今日御審議いただきます。不妊治療において使用される医薬品については、来年4月、すなわち令和4年4月から保険適用に向けて、その取扱いについて前回のこの検討会議で事務局から説明していただきました。その中で学会から要望された要望事項に基づいて薬事手続を進める方法として、学会からの要望について条件に当てはまるものについては本会議で検討を行うことになってまいります。そこで、専門WGの議論が終了しました7件の要望につきまして今回御審議をいただくことになります。
それでは、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について御説明をお願いいたします。循環器WGの戸高先生に資料3に基づいて御報告をお願いいたします。
なお、この7件それぞれに似通ったものをまとめて、幾つかに分けて御審議をお願いしたいと思います。戸高先生、よろしくお願いします。

○戸高参考人 戸高でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、資料3に基づきまして御説明を開始したいと思います。まずは、今、堀田座長から御説明がありましたように、不妊症の治療に用いる医薬品ほかのものでございます。要望内容は、体内で授精する治療、一般不妊治療と呼ばれるものと、体外で授精する治療、生殖補助医療に大別され、これらの治療、患者背景等を踏まえて選択されますが、いずれの治療が選択される場合、段階であっても、不妊症としての重篤性には変わりがないものと判断しておりますので、各要望の疾患の重篤性については同一の評価といたしました。
まず最初に、Ⅳ-123、通し番号で7ページになるかと思います。日本生殖医学会からの御要望のあるヒト絨毛性性腺刺激ホルモンですね。と書いてしまうと分かりにくいのですが、アルファベットでいうとhCGと呼ばれるもので、そちらのほうが通りやすいかもしれません。それについて、生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化に関する要望について御説明いたします。
まず、適応疾病の重篤性についてです。不妊症については、生殖年齢の男女が妊娠を要望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立を見ない場合とされています。挙児を希望するにもかかわらず、妊娠成立や児の獲得に至らない状況は日常生活に著しい影響を及ぼすと考えられますことから、「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断いたしました。
それから、本品目の医療上の有用性について説明いたします。生殖補助医療における卵胞成熟及び黄体化について、本薬は、英国、ドイツ、フランスにおいて要望効能・効果が筋肉内投与で承認されており、欧米の診療ガイドラインの記載内容等から、皮下投与を含め要望内容が標準的治療に位置づけられております。
加えて、本邦の産婦人科診療ガイドライン、日本生殖医学会の解説書の記載内容から、本邦において生殖補助医療における卵胞成熟・黄体化を目的とした本薬の投与が一般的に行われていると判断できることから、「ウ 欧米等において標準的治療に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
以上を踏まえて、医療上の必要性が高いと判断いたしました。
引き続きまして、非常に似通った要望ですので、2品目目に移らせていただきたいと思います。2品目目は、通し番号の9ページ、Ⅳ-124、ヒト絨毛性性腺刺激ホルモンについてでございます。品目はhCGで同じではございますが、要望内容は、今度は一般不妊治療になります。一般不妊治療における排卵誘発及び黄体化と呼ばれるものになります。
適応疾病の重篤性については、不妊症に応用するものであるから、先ほどと全く同じ説明となりますので、以下、同一のものとして割愛させていただきます。
医療上の本件の有用性について説明いたします。本一般治療、不妊治療における排卵誘発及び黄体化について、本薬は、米国、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアで排卵障害における排卵誘発及び黄体化に係る効能・効果で承認されており、米国のガイドラインにおいて原因不明不妊における子宮内への精子注入等の人工授精を実施する場合の本薬の投与が推奨されております。また、国内の産婦人科診療ガイドライン及び日本生殖医療学会編集の解説書の記載内容に加え、本邦において排卵誘発及び黄体化に係る効能・効果で承認されている遺伝子組換えヒト絨毛性性腺刺激ホルモンであるコリオゴナドトロビンアルファの承認申請時に提出された国内第Ⅲ相試験の対照薬と本薬がされております。ということを踏まえますと、排卵誘発及び黄体化を目的とした本薬の投与は、本邦においても一般的に行われていると判断できます。
以上を踏まえまして、「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると、前要望と同様に判断いたしました。
一旦ここで御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。

○堀田座長 戸高先生、ありがとうございました。
それでは、これから審議に移りますけれども、この2品目は薬剤としては似通ったものですが、適応の部分といいますか、使い方が違いまして、今日配布の差し替え資料のイメージ図によりますと、123番はこの下の段ですね。卵巣刺激から、採卵の前にこれを使って排卵を促進する。もう一つのほうは上段のほうですね。どちらかというと疾患等の原因があってのところで、そこにhCGを投与するということで、使い方の違いがございます。それでは、皆様から御質問、あるいはコメントいただければと思います。
落合先生、どうぞ。

○落合構成員 123番、これは特に生殖補助医療にこのhCGを使うということで、実際には、普通これは診療でも行われていることなのですが、今回特に保険適用ということでの卵胞成熟、黄体化ということに使うという意味と解釈してよろしいのでしょうか。

○堀田座長 それでよろしいのですね。適応外になるので、これを保険適用に持っていくために。

○吉田審査管理課長 最終的にはそうですね。

○落合構成員 もう一点は、その124番のほうですが、これは不妊症という、本来疾患に対して、例えば排卵障害のある方には、今までも普通に保険で用いられている、保険診療の範囲で用いられているという理解をしておるのですが、それはそれでよろしいでしょうか。

○堀田座長 その辺どうですか。添付文書上の適応の中にはないから要望としてここに出てくるのですね。

○戸高参考人 それに関しては、実は少し議論があったのですけれども、もう現在の添付文書の効能・効果や、それから55年通知等を使えば適応内と読み込めるという話があったのですが、今回、不妊症の一連のこういった薬が、適応外のものが多いのですが、それがきちんとした形で薬事承認を取るに当たって、1つだけこれを取り残すことは好ましくないのではないかということから、その辺りは、読み込むというよりも、きちんとした適応として承認をいただく方向で進めようということになりました。

○落合構成員 私の理解ですと、これは昔から、不妊症、排卵障害で排卵を誘発する場合に日常診療の中で長年使われてきたもので、逆にいうと、123番の要望はよく理解できるのですが、124のほうに関してはちょっと違和感があるなあと思っておりました。そういう意味で、今、委員の中でもいろいろと御意見があったということを伺いましたので、分かりました。

○堀田座長 落合先生、ありがとうございました。恐らく、普通に今保険で認められているので、今さらと思うのかもしれないけれども、これはきちんと薬事承認を通すということを前提に進めるという建前でいきたいということですね。それでよろしいですか。
では、岡部先生、どうぞ御発言ください。

○岡部構成員 岡部です。どうもありがとうございます。
私、専門外なので、これは伺う限りは承認については別に異議はないのですけれども、予防接種の領域ですと、接種経路で、筋注なのか皮下投与なのかというのはよく問題になっていて、今回の新型コロナに対しては、一斉に筋注であるということが容認されたというか、実際に行われているわけですね。今日のを拝見すると、この123、最初に御発表いただいたほうは、用法・用量のところでは筋注または皮下投与になっているのですね。次も同じように、筋注または皮下投与になっているのですが、123のほうは欧米では筋注でと書いてあるのですが、2番目のほうは特にそこのところに記載がないのですが、この投与経路というのは、筋注は問題ないと思うのですけれども、皮下投与もこの中に加えたというのは何か治験とかそういうところのやり方であったのでしょうか。統一しても別に問題はないのではないかと思ったのですけれども。
以上です。

○堀田座長 これはどなたにお答えいただきましょうか。戸高先生、よろしいですか。

○戸高参考人 はい、すみません。私ももちろん、循環器WGの座長ですので本当は専門外なのですけれども、伺った話ですと、まず前提として、本日の議論は、こういった品目をこういった領域で使うことが有用性あるかという大まかなところをお決めいただくというふうに理解しております。先生御指摘のように、皮下注、筋注というのは、場合によっては非常に大きく違う場合もございますので、こういった投与の方法とか、あるいは投与の用量とかも含めて、今後、品目ごとにその影響を定めていくときに議論を深めていくというふうに思っております。ですので、まだそこは、すみません、少し先送りした状態になっております。
それと、皮下投与に関しては、そういった御要望が一応国内ではあると伺っております。例えばそのスケジュールが土日に及ぶとか、そういったときにより投与がしやすい方法を一応可能性として残しているということで、そういった要望が上がってきていると理解しております。あくまで、繰り返しになりますけれども、今後詰めていく問題だと思っております。よろしくお願いします。

○堀田座長 ありがとうございました。岡部先生、よろしいですか。

○岡部構成員 ありがとうございました。もちろん、今後できるだけ整理したほうがいいと思うのと、これ、どっちでもいいということなので実際上は問題ないと思うのですが、効果の上でどういう違いがあるのかとかその辺は、もちろん今日の課題ではないのですけれども、将来的なものとして検討していただければと思います。
以上です。ありがとうございました。

○堀田座長 落合先生。

○落合構成員 ちょっと追加で、岡部先生の御質問に、答えになるか分からないのですが、実際的には両方とも効果にはそんなに変わりないです。ただ、hCGはLH作用を期待して打つわけですけれども、ある種の、例えば多嚢胞性卵巣の排卵などに使う場合、自己注射をすることがありまして、やはり皮下注という部分はこの製剤の場合に残しておかないといけないと思っております。というわけで、皮下注、筋注という2つの選択肢がある、しかも、効果にそんなに差がないということで、私はこのままでよろしいのではないかと考えています。

○堀田座長 コメントありがとうございました。今、戸高先生御指摘のように、医療上の必要性の議論が今日のメインでありますから、用法・用量とか、そういったことは今後の、これが有用性あるとなったその次のステップで詰めていただきたいと思います。ありがとうございました。そのほか御意見。
岩田先生。

○岩田構成員 岩田です。
今の議論ですけれども、これは、添付文書上は筋肉注射というようにはっきり書かれているのですけれども、そこのところは踏まえた上で筋注または皮下注と書かれているのでしょうか。

○堀田座長 どうぞ、吉田課長さん。

○吉田審査管理課長 すみません。今、座長からも何度もお話があったかと思いますが、今回御議論いただくのは、このようなものにつきまして、医療上の必要性があるのかどうか、今後のステップに進めていいのかどうかという全体論で御議論いただいているということでございます。戸高先生もおっしゃられたように、今後は、今回、有用性があるとなった場合には、投与経路も含めてなった場合には、それを企業のほうに検討してもらって、それをまたまとめてもらって、実際の薬事のほうにどうつなげていくのかという形になります。その際に、投与経路が筋注なのか皮下注なのかというのをもう一回整理した上で、再度、それがどうなのかというのを御議論いただく形になりますので、その次のステップで投与経路のことについては再度御確認いただければよろしいのではないかなと思っております。
ですから、今回の要望については学会のほうから要望いただいているということでございますので、現在の承認されている用法・用量と同じ場合とかずれている場合とかあろうかなと思いますので、その辺りも含めまして、その細かい用法・用量等々については次のステップということで、恐らくそれが公知申請的な、医学薬学上公知的な扱いになるのかどうかというところで詳しく御議論いただければと思いますので、一応そういう整理でございます。御理解いただければと思います。

○堀田座長 ありがとうございました。よろしいですか。いろいろありますけれども、医療上の必要性というところで今日御審議いただくということでよろしくお願いいたします。
それでは、この2品目、123と124については御了解いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 特に異議はないようですので、この2品目を了承とさせていただきます。
続きまして、戸高先生に次お願いいたします。

○戸高参考人 それでは、資料の11ページを御覧ください。125番でございます。ヒト下垂体性性腺刺激ホルモン、アルファベットで書くとhMGということになります。不妊症の重篤性については先ほど申し上げたとおりです。
医療上の有用性について。生殖補助医療における調節卵巣刺激について、本薬は、米国、英国、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアにおいて要望内容で承認されており、本邦では日本生殖医学会編集の解説書に、生殖補助医療における調節卵巣刺激法に用いるゴナドトロビン製剤として本薬が記載されております。また、産婦人科学会が行う生殖補助医療のオンライン登録データにおいては新鮮周期の調節卵巣刺激法に用いた薬剤の内訳に本薬を用いた周期も含まれていると判断されます。
以上より、本薬が本邦において一般的に用いられているものと判断できることから、「ウ 欧米等において標準的医療法に位置づけられており、有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
続きまして、これも似通った要望でございますので、126番に移らせていただきたいと思います。精製下垂体性性腺刺激ホルモン。こうやって日本語で言うと非常に分かりにくいのですが、アルファベットで言いますとuFSHと呼ばれる製剤でございます。
本品の有用性については、生殖補助医療における調節卵巣刺激ということで同じですが、本薬は、米国、イギリス、フランス及びカナダで承認されております。また、日本生殖医学会編集の解説書に、生殖補助医療における調節卵巣刺激法に用いるゴナドトロピン製剤として本薬が記載されており、日本産婦人科学会が行う生殖補助医療のオンライン登録データからも、本邦で本薬が標準的に用いられているものと判断できることから、やはり「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
この2品目について有用性の判断の御議論をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○堀田座長 ありがとうございました。それでは、皆さんの御意見、御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。
特によろしいですか。
中身は、粗製品か精製品かという違いですよね。用途は同じということでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 特に御意見がなければ、この2品目についても医療上の有用性を承認とさせていただきます。ありがとうございました。
戸高先生、それでは続いてお願いできますでしょうか。

○戸高参考人 続きましても、2品目御紹介させていただければと思います。15ページの128からでございます。ナファレリン酢酸塩水和物ということでございます。
要望の効能・効果は、生殖補助医療における早発排卵の防止でございます。この適応につきまして、本薬は、ゴナドトロピン放出ホルモン受容体アゴニスト、いわゆるGnRHアゴニストでございますが、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリアにおいて要望内容で承認されてございます。
また、日本生殖医学会編集の解説書において、GnRHアゴニストの一定期間の投与において、下垂体のGnRH受容体をダウンレギュレーションさせ、内因性の卵胞ホルモン及び黄体化ホルモンの分泌を抑制し、意図しない時期での排卵を防止する。いわゆるGnRHアゴニスト法として最もポピュラーな方法である旨が記載されてございます。
それに加えまして、本邦の調査研究から、生殖補助医療における早発排卵防止に本薬が使用されている実態が確認できますことから、「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
続きまして、129番、ブセレリン酢酸塩でございます。これにつきましても、全く同じ生殖補助医療における早発排卵の防止でございます。
本効能につきまして、本薬はGnRHアゴニストであり、英国において要望内容で承認されております。前項と同じく、日本生殖医学会編集の解説書において、GnRHアゴニスト法は意図しない時期の排卵を防止する最もポピュラーな方法である旨が記載されていることに加えまして、本邦の調査研究から、生殖補助医療における早発排卵防止に本薬が使用されている実態が確認できますことから、同じく「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
以上の2品目につきまして、有用性の御議論をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございました。それでは、この2品目につきまして御質問、御意見があればよろしくお願いいたします。
これまではどちらかというと刺激のほうでしたけれども、今度は早期排卵を防止するという、作用的機序としては異なったものでありますが、同じところがターゲットにはなっていますね。

○宮川構成員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。

○堀田座長 どうぞ。

○宮川構成員 お尋ねしたいのですけれども、これは2品目とも同様の形なのでしょうけれども、この使い分け。多分、値段等含めて違いがあるということはある程度認識しておるのですけれども、現場ではそのような感覚で使われていたということで、両方とも同様な薬ですけれども、2種類あったほうが現場としてはある程度ハンドリングがしやすいということで出てきているものなのかということが1点と、それから、ナファレリンのほうは、従来の使い方であれば、1回当たり片方のところ、先ほどの使い方になってしまうのですけれども、だったのですが、今回の申請では左右1噴霧ずつという形で、欧米のほうではこちらのほうが主流と伺っているのですが、その辺のところについてちょっと教えていただければと思います。

○堀田座長 それでは、これは戸高先生、あるいは落合先生か、どちらかにお願いします。

○戸高参考人 すみません。まず、戸高のほうから。
私が伺っているところでは、その2者の使い分けというのは特別ないようにはお聞きしております。もちろん専門の先生から御回答いただいたほうがよいかと思いますので、よろしくお願いします。

○堀田座長 落合先生、続いて、両方要るのか、あるいは現場ではどう使われているのか、どうですか。

○落合構成員 ナファレリンとブセレリンと使い分けというか、これは選択肢が2つあったほうがいいだろうと思いますが、用量の、片方でいいか両方で、つまり、倍量投与になるわけですけれども、患者さんの体重や何か、かなり太った方にはやはり両方使ったほうがよろしいようですし、そういった使い分けはあるようだと思います。

○堀田座長 そのほか御意見いかがですか。
吉田課長、お願いします。

○吉田審査管理課長 前段の現場の使い分けみたいな話ですけれども、そこは私も詳しくは存じ上げませんが、今回につきましては、今回、学会のほうから上がってきているものについては、ここにもございますとおり、いろんな実態調査ですね。そのようなものを行っていただいて、広く使われている、かつ、今回の不妊治療の最終的な保険適用に当たって必要だと学会のほうで一応御判断、整理していただいたものが上がってきていると認識していますので、恐らく、一定の何らかの患者さんごとの使い分けがあるという判断のもと、学会のほうから要望が来ていると理解しておりますので、そのような形で御理解いただいた上御検討いただけばありがたいかと思います。
以上です。

○堀田座長 説明ありがとうございました。それでは、宮川先生、よろしいですか。

○宮川構成員 はい。

○堀田座長 というわけで、似通ったものではありますけれども、現場のニーズとしては両方ともあったほうがいいということです。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 それでは、この2品目についても特に御異論がないようですから、承認とさせていただきます。
それでは、戸高先生、最後の134番についてお願いします。

○戸高参考人 最後の134番、レトロゾールですね。これに関しましては、多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発ということで、あくまでも不妊症の治療の一環としての治療になると思います。
御存じのように、多嚢胞性卵巣症候群というのは不妊の原因となり得ます。本要望における適応、多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発について、本薬は、欧米等6カ国において、要望内容では承認はされてはおりません。しかしながら、国際的なガイドラインにおいて、多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発を目的とした本薬の投与が推奨されてございます。また、本邦の産婦人科診療ガイドラインにおいても、同患者での排卵誘発において本薬の使用が考慮されると記載されているなどのことから、「ウ 欧米等において標準的治療法に位置づけられており、有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
また、若干この本薬の非臨床試験、ラット等において胎児死亡及び催奇形性並びに分娩障害が観察されており、本薬の添付文書では妊娠又は妊娠している可能性のある婦人への投与は禁忌とされております。もともと使用目的はアロマターゼインヒビターですので、こういったことが除外されているということもあります。
しかしながら、多嚢胞性卵巣症候群のガイドラインでは、本薬投与時の先天異常の発現率の増加は見られていないと記載されており、国内ガイドラインでは、排卵誘発についてはクロミフェンとの比較で児の先天異常の発現には差がないと報告されている。加えて、用法・用量が妊娠成立する前でありますことから、本薬の生殖発生毒性が当該要望内容の有用性を必ずしも否定するものではないと判断いたしております。
もちろん、当該要望内容での投与における妊娠や児の先天異常への影響及びそれを踏まえた注意喚起については開発後にさらに詳細に検討すべきと考えております。
WGからは以上のような見解でございます。よろしく御議論をお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございました。今までの薬とは少し違って、一定の疾患に基づいている状況で排卵の誘発をするということで、これは乳がんの治療薬として使われているアロマターゼインヒビターですよね。このレトロゾールについて多嚢胞性卵巣症候群の排卵誘発という目的で適応外使用するということですが、御意見、御質問いただけますでしょうか。
これも落合先生、コメントいただけますか。

○落合構成員 はい。落合です。
多嚢胞性卵巣症候群のいろいろな病態生理を考えてみますと、アロマターゼインヒビターをうまく使うことによって排卵誘発が可能になると考えられておりましたし、これが実際に臨床に使えるようになりますと大変有用ではないかなと思います。やはり不妊のほうの治療にも当然つながってくるということになろうと思いますので、ぜひお認めいただけたらと思います。

○堀田座長 添付文書上は、閉経前の方に用いるのは一応禁忌という範疇に今のところ入っています。それは妊娠の可能性のある場合に児への影響といったことが問題になっているのだと思いますけれども、そのような懸念は、データ上はほぼないだろうということのようであります。

○落合構成員 あと、もともとやはり不妊の方で妊娠を希望される方の排卵障害に用いるということで、これを常に妊娠成立後も使い続けるという薬ではございませんので、そういった懸念はないのではないかなと思います。

○堀田座長 そうですね。ありがとうございます。実際、これは乳がんの患者さんに使うときは何年も継続して使うのですね。そういったシチュエーションが随分違うと思います。
大江先生、抗腫瘍薬をこういったところに使うということについて何か懸念はありませんか。

○大江構成員 すみません。全く、ホルモンのほうは私も素人で、コメントありません。申し訳ありません。

○堀田座長 ほかの先生方、いかがでしょうか。
もとへ戻って、今日の7品目全体に関して、御質問、御意見いただいてもよろしいが、いかがですか。

○宮川構成員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。

○堀田座長 どうぞ。

○宮川構成員 この開発の会社、ある程度複数出ているわけですけれども、それに対してどのような配慮というか、どのような考慮というか、方向性をどのように主軸として見ているか。これは学会から投げかけるということなのでしょうけれども、どのように考えていくのか、ちょっと基本的なことをいただけますでしょうか。

○堀田座長 吉田課長、よろしく。

○吉田審査管理課長 宮川先生、どうもありがとうございます。今回におきましても、いろんな製品、それを扱っている会社、複数あろうかと思っております。この各社に対しまして、今回のものに関して言えば、今回、いろいろな施設があるというふうになりましたら、まずはこの検討会議として開発要請をかけるという形になりますので、その開発要請をかけた後は、企業のほうで御検討いただいて、その申請、公知申請というものも含めて念頭に起きつつ、その対応をしていただくという形になるだろうと思っております。
ですので、今回の該当品については一応この会の位置づけの中で正式に要請をかけて、要請をかけた際にはその枠組みの中で対応していただくという形になるだろうと思っております。
そのほかにも、不妊治療のお薬につきましては、前回御説明いたしましたとおり、この枠組みに必ずしも当てはまらないものもございます。そういったものについては一定のデータ上の配慮をしつつも、企業のほうで申請していただけるような形での通知を出して対応を促すようにはしておりますけれども、そのような配慮はさせていただいている中で、やはり企業のほうも一定の負担がかかるという状況でもございますので、その辺り、さらなる何か形ができないのかということについては引き続き対応を考えていくのかなあと思っているところでございます。
一応以上でございます。

○宮川構成員 ありがとうございました。了解しました。なるべく早くしっかりと開発できるようなというか、そういうのを考えなければいけないということですね。

○吉田審査管理課長 はい。総合的に見て、開発といいますか、申請していただく必要がございますので、申請が進むような方向で、考えられる手だてはいろいろと対応を考えさせていただいていると、そういう状況でございます。

○宮川構成員 ありがとうございました。

○堀田座長 そのほか御意見。
伊藤先生。

○伊藤構成員 循環器WGでされていますが、この要件に関して作業が大変ではないかなと思うのですけれども、WGの皆さん、どうなのでしょうか。それを解決するためには、誰か加えたりなんかして、もう少しこの分野を専門とする産婦人科の人が多くなってされないと大変ではないですか。

○落合構成員 それに対して私のほうからちょっと説明させていただきますと、WGは、循環器と言っていますけれども、泌尿器とか産婦人科もこのグループの中に入っていて、専門家も入っています。恐らく、特別なときには参考人という形で専門家がさらに追加して入られるのではないかということで、戸高先生はWGの座長としてここに来られ報告をしていただいているという関係になっています。

○伊藤構成員 座長として来られても、やはり自分の分野でないところを討議するのは非常に大変と思いますので、補佐する人も来られて討議しないと、この問題に関しては大変ではないかなと思って発言させていただきました。

○落合構成員 戸高先生からその御要望があればまた考えさせていただきます。伊藤先生の御懸念、御配慮、ありがとうございます。

○吉田審査管理課長 戸高先生とも御相談させていただきつつ、この場での扱いについても含めてどうするか考えさせていただければと思います。ありがとうございます。

○堀田座長 私も実は、事前に説明を受けたときに、大丈夫かと担当者に聞いたところでありました。ありがとうございます。そのほかいかがですか。
よろしいでしょうか。
それでは、本日はこの7品目について、不妊治療に関する要望についてそれぞれ医療上の必要性が高いと判断することにさせていただきます。今後の取扱いについてはどのようになるのでしたか。

○吉田審査管理課長 吉田でございます。
これも、先ほどちょっと御説明しましたが、参考資料の4/20のところを御覧いただければと思いますけれども、この検討会議で現在どこにあるのかといいますと、医療上の必要性の評価を検討会議で行っていただいて、それで基準に該当すると本日御判断いただいたという形になるのだろうと思っていますので、したがいまして、今後のステップとしましては、これから企業のほうに開発要請をさせていただいて、左のほうにも聞きまして、そこから、企業のほうから、今後どうするのか、どのようにまとめていくのかという見解をいただいて、またこの検討会議で御議論いただくという形になるのだろうと思っております。その際、繰り返しになりますが、医学薬学上公知に該当するのかどうかということも含めて御検討いただくということを想定しているところでございます。今後については、また、まとまり次第御相談、この場に御説明させていただく形になると思います。
以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。通常のここの検討会の審議の流れに沿うということですね。

○吉田審査管理課長 はい、そうです。

○堀田座長 ということで、また公知申請の妥当性についてはお諮りすることがあるということですね。そのほかいかがでしょう。
それでは、この議論はここまでにさせていただきます。そのほか何かお伝えすることはありましたか。
それでは、せっかく、まだ時間あるようですから、恐縮ですが、局長さんもしくは審議官に、特にこの問題についてどういう政策的な議論があるのかというのをちょっと紹介していただければと思います。

○鎌田医薬局長 すみません。医薬局長の鎌田でございます。いつもお世話になっております。
既に皆さん御案内のとおり、この不妊治療については、菅内閣が発足して、これを従前の公的助成ではなく医療保険において使えるようにという方針が示されました。それで、役所は骨太の方針など、基本方針などについて位置づけて進めるわけですが、昨年は少子化対抗、そして今年の骨太の方針に位置づけることが示され、また、その時期については来年度からと、4月1日からということで示されておりますので、その方針とタイムラインに沿って、学会の皆さん、あるいは今日御出席の先生方の御指導、御協力いただきながら進めているというところでございます。
そして、今最後に審査課長から御説明いたしましたが、この会議ではまず医療上の必要性の評価をしていただき、その後また公知に該当するか否かという御議論をいただく、そういった流れにあるところでございます。
そこで、恐らく座長の御下問は、そうした形式的な説明ではなくて、昨今の事情を踏まえてどうなのかということではないかと忖度いたしますが、政治の季節に入ってきておりまして、何事もそうなのですが、我々、この方針を決めるに際して、きちんとした先生方の御指導、御助言をいただきながら方針を決め対応しておりますので、そうしたものにつきましては、その方針等に従い、政策実現するために粛々と進めるということとしております。したがいまして、この不妊治療の保険適用もそうでございます。
加えて、今日御出席の先生方の前で大変恐縮でございますが、申し上げますと、この件に限らず、医療、あるいは薬事というものについてはまさに科学的判断、あるいは医学薬学的な判断に基づくものでありまして、状況ですとか、あるいは、よくあるような圧力に関わりなく、科学的判断をしていただくことになろうかと思っております。したがいまして、この不妊治療につきましても、方針に基づきまして科学的に御議論いただくことになろうかと思います。
さらに、僣越ながらつけ加えて申し上げますと、薬事に関しましては、通常、治験が行われ、それで薬事審議会というところでの御議論、評価となるわけでございますが、この会議につきましては、そもそもの設置の経緯から、そうした公知ですとかのものについては、医療の実際の現場、そして今まで得られた科学的な知見を踏まえてこの会議において判断していただくということで、まさにこの会議が、その科学性、あるいは医学薬学的な判断からの根拠、源になるところでございます。そうした意味においては、常に先生方の日頃の御活動内容、あるいはこれまでの御知見というものに非常に負うところでございまして、そうした観点からも、政策的な方針に従いまして、皆様の科学的判断、御知見を踏まえてこの仕事を進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○堀田座長 この会の位置づけも含めて御説明いただきまして、ありがとうございます。
審議官は何かお話いただけますか。

○山本審議官 局長と同じでございますが、かなりの数、これからこの場に上がってくるかと思いますので、先生方のほうでの御検討をぜひよろしくお願いいたします。
簡単ではございますが、以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございました。突然に話を振るのがこの会の慣習みたいになって申し訳ありません。いろいろ最新の情報も踏まえつつ、私どもとしても必要な議論を進めてまいりたいと思います。
本日予定したのはここまでになります。
事務局から、今後の予定等を含めて御連絡事項をお願いします。

○文調整官 長時間にわたりまして御議論いただき、ありがとうございました。
次回の検討会議の日程、また開催形式につきましては、決定次第御連絡いたします。御多用のところ恐縮ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、これで本日の検討会議を終了といたします。ありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4221)

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