ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第45回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2021年7月12日)

 
 

2021年7月12日 第45回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和3年7月12日(月) 14:00~16:00

 

○場所

フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
6G会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル

○出席者

出席構成員

新構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、大久保構成員、大森構成員、岡部構成員
落合構成員、小川構成員、合田構成員、田村構成員、平林構成員、堀田構成員、宮川構成員
村島構成員、柳原構成員、山口構成員、山本構成員
 

出席参考人

小早川参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

 

○柳沼課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第45回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。
 今回も、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、ウェブ会議形式での開催とさせていただきます。
 また、本会議は公開の会議でありますことから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承お願いいたします。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 会議を開始するに当たって、注意事項を御説明いたします。
 発言をされる際は、画面のマイクのボタンを押して、ミュートを解除した上でお名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようお願いします。また、発言されないときは、マイクをミュートにしておいてください。
 会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしました連絡先に御連絡いただければと思います。
 本日は、五十嵐構成員より御欠席、小川構成員より15時までの御参加、また、落合構成員、横谷構成員より遅れて参加するとの御連絡をいただいております。現在のところ、17名の先生方に御出席いただいております。
 なお、医薬・生活衛生局長及び医薬担当審議官については、公務のため欠席いたします。申し訳ございません。
 また、ワーキンググループの検討状況の報告に当たりまして、各ワーキンググループのメンバーから、米盛参考人、小早川参考人に御出席いただいております。
 それでは、堀田座長に、以後の議事進行をお願いいたします。

○堀田座長 堀田でございます。皆様、お集まりいただきましてありがとうございました。
 今回もウェブ会議という形が基本になっておりますけれども、私は会場で参加させていただいております。本日は、何かと不都合があるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず、本日の会議資料の確認を事務局からお願いします。

○柳沼課長補佐 事務局でございます。
 事前に送付いたしました資料を御用意ください。電子ファイルは一つにまとめておりまして、右下に番号を振っております。
 2ページに本日の資料の一覧を示しておりますので、御確認ください。
 議事次第。
 配付資料一覧。
 資料1が、検討の進め方。
 資料2のシリーズが、これまでのワーキンググループの検討状況の概要等。
 資料3のシリーズが、個別の開発要望の医療上の必要性に関するワーキンググループの評価の結果。
 資料4のシリーズが、公知申請への該当性に係るワーキンググループの報告書になります。
 また、資料5のシリーズが、開発の進捗状況である、企業から提出された開発工程表の概要等。
 資料6が、開発公募を行った医薬品のリストになります。
 また、このファイルとは別に、参考資料としまして、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を一つづりでまとめております。こちらも適宜御参照いただければと思います。
 参考資料の最後の15ページに、参考資料7としまして、構成員が執行部に所属されている学会に関する資料をつけております。
 本会議の公平性の観点から、当面、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方につきましては、当該学会からの開発要望については、要望に係る背景事情等の説明は行っていただくものの、議決には参加しないということとしております。
 本資料は現時点の内容に更新しておりますけれども、誤り等がございましたら、事務局までお知らせいただければと思います。
 これらの資料に基づきまして、本日の審議を進めていただければと思っております。
 以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、前回の会議は3月11日に同様にウェブ会議形式で開催しておりますけれども、その後の進捗状況について、事務局から説明をお願いします。

○柳沼課長補佐 それでは、資料2-1、5ページを御覧ください。まず、2015年6月以前に御要望いただいた、第I回要望から第III回要望までの進捗でございます。
 右の表を御覧ください。「832」とありますけれども、832件の要望をいただいておりまして、ワーキンググループにおいて医療上の必要性が高いとされたものがそのうちの345件でございました。
 また、ワーキンググループで検討中の案件は10件となっておりまして、こちらは前回と変わりございません。
 続きまして、6ページですけれども、当会議で医療上の必要性が高いと認められた345件の状況について示しております。こちらも前回と変わりはございません。
 次に、資料2-2、少し飛びますが、11ページを御覧ください。2015年7月以降、現在に至るまでの第IV回要望募集で御要望いただいた品目に関する状況です。
 中央の表を御覧ください。前回会議までに126件の要望をいただいていたのですけれども、前回会議後に13件追加の要望がございまして、139件となっております。これに伴いまして、検討中のところも13件増えて49件となっています。
 中央の表の下ですけれども「本会議・検討済み」とあるところですが、前回の会議で5件の要望を医療上の必要性が高いと評価しておりますので、55件となっております。
 続いて、その右の表になりますけれども、現時点の状況です。ワーキンググループにおきまして、2件の要望が医療上の必要性が高いと評価されましたので、本日、この2件について御審議いただきます。
 次のページを御覧ください。12ページになります。
 中央の表を御覧ください。こちらは第IV回要望の139件の要望のうち、本会議で医療上の必要性が高いと認められた55件の状況を示しておるものです。
 前回の会議で医療上の必要性が高いと評価された5件の要望のうち、3件について開発要請、2件について開発企業の公募を行っておりまして、数字がそれぞれ23から26、10から12と増えております。これが前回会議後の状況になります。
 右の表が、今回の会議の前の状況ですけれども、ワーキンググループで検討中でありました2品目3件につきまして、公知申請が妥当とワーキンググループで評価されましたので、本日御審議いただきます。
 また、この会議を経て開発されている品目の状況につきましては、後ほど資料5で御説明いたします。
 以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、ここまでの進捗状況につきまして、皆様から御意見、御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。
 いかがでしょうか。
 第I回から第III回までの要望につきましては、あまり動きはないのですけれども、第IV回につきましては、今日の議題にもなりますが、医療上の必要性あるいは公知申請への該当性について御審議いただく件を今、紹介してもらいました。よろしいですか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 それでは、特に御意見はないようですので、続きまして、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況についての説明をお願いしたいと思います。
 まずは、資料3のチオテパについて、抗がんワーキンググループから、米盛先生にワーキンググループの御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○米盛参考人 米盛です。よろしくお願いします。
 抗がんワーキンググループにおいて検討した品目について御説明させていただきます。資料3を御覧ください。
 1~2ページを御覧ください。中枢神経系リンパ腫に対するチオテパの要望です。
 適応疾病の重篤性について、中枢神経系リンパ腫は、致死的な疾患であることから「ア」と判断しております。
 また、医療上の有用性について、欧米等の診療ガイドライン及び教科書の記載内容、海外臨床試験成績などから、中枢神経系原発リンパ腫に対する大量メトトレキサート、高用量シタラビン、リツキシマブ及びチオテパの併用投与、MATRixレジメンと言わせていただきますが、欧米などにおいて標準治療の一つとして位置づけられていることから、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても、国内における有用性は期待できると考えております。以上より、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しました。
 ただし、以下に申し上げます点を考慮すると、医療上の有用性が期待できると判断する範囲については、中枢神経系リンパ腫に対するチオテパ30mg/m2でのMATRixレジメンに限定することが適切と考えております。
 1つ目は、中枢神経系原発リンパ腫以外の中枢神経系リンパ腫に対するMATRixレジメンについては、欧米などの一部の診療ガイドラインにおいて記載が認められるものの、臨床研究において実施されることが望ましいという記載にとどまっております。
 また、海外診療ガイドラインにおいて引用されているPCNSLに対するMATRixレジメンに関する公表論文では、チオテパの用量は30mg/m2と記載されております。
 また、MATRixレジメン以外のチオテパを含む併用レジメンについては、海外診療ガイドラインにおいて推奨されている旨の記載が認められておりません。
 以上になります。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのワーキンググループの報告につきまして、御質問、御意見がありましたら、お願いいたします。
 チオテパについては、一時期販売中止になっておりましたけれども、数年前に造血幹細胞移植の前処置として、悪性リンパ腫と小児悪性固形腫瘍に対する前処置としての適応が認められた。ですから、これは適応外という形で今回の提案になっていると思っております。条件として、MATRix療法の一部としてということに限定するという提案ですけれども、いかがでしょうか。
 大江先生、何か御発言は。大丈夫ですか。

○大江構成員 はい。大丈夫です。

○堀田座長 この件に関して、ほかに何か御質問や御意見はございませんでしょうか。
 そうしましたら、これは海外のガイドライン等もありますので、ここの記載に書かれている用法・用量でもって、この対象は、中枢性の悪性リンパ腫と限定するということで、御承認いただけますでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 特になければ、これを了承としたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、続きまして、サリドマイドに関してでありますが、これも米盛先生に御報告をお願いしたいと思います。

○米盛参考人 よろしくお願いします。
 次に、3~4ページを御覧ください。未治療の多発性骨髄腫に対するサリドマイドに関する要望です。
 適応疾病の重篤性について、多発性骨髄腫は致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しております。
 また、医療上の有用性について、欧米などの診療ガイドライン及び教科書の記載内容、並びに海外臨床試験成績から、サリドマイドと他の抗悪性腫瘍薬との併用投与は、欧米等において未治療の多発性骨髄腫に対する標準治療の一つと位置づけられております。また、当該併用投与に関する国内臨床試験成績などが報告されており、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても、国内における有用性が期待できると考えております。したがって、当該併用投与については「ウ」に該当すると判断しました。
 一方、サリドマイドの単独投与については、欧米などにおいて未治療の多発性骨髄腫に対する治療法としての承認及び診療ガイドラインの記載はいずれも確認されなかったことから「エ」に該当すると判断しております。
 以上により、医療上の有用性が期待できると判断する範囲は、未治療の多発性骨髄腫に対するサリドマイドと他の抗悪性腫瘍薬剤の併用投与に限定することが適切と判断しております。
 説明は以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまのサリドマイドの報告につきまして、何か御質問、御意見がございましたら、よろしくお願いします。いかがでしょうか。
 欧米ではかなり一般的に使われるようになってきておりますけれども、日本ではいろいろな薬害の歴史もあり、慎重に扱ってきたということが背景にありまして、未治療例への適応に上がるまできておりません。
 今回、海外等のエビデンスに基づいて、これは医療上の必要性が高いに該当するとワーキンググループの判断もいただいたわけですが、限定をしている。併用療法でという話ですが、いかがでしょうか。
 どうぞ。

○大森構成員 大森ですけれども、確認させていただきたいと思います。
 サリドマイドは、今、座長がおっしゃったように、薬害の歴史等もあり、取扱いに非常に注意が必要だということで、いろいろとステップを踏まなくてはいけないということになっているのですけれども、これにつきましてもきちんとした管理がなされるということで、問題はないのかなという懸念があります。
 というのは、使用する臨床医の方々の枠が広がっていくと、管理がちょっとルーズになる場合もありますので、その辺のところを確認させていただきたいのですが、同じように説明と書類等のやり取りがあって使われるという認識でよろしいのでしょうか。

○堀田座長 その点に関しまして、事務局に確認しますけれども、現在はTERMSという薬剤管理システムをかなり徹底してやっておられると私は思っておりますが、事務局のほうで何か説明がありましたら、よろしくお願いします。

○柳沼課長補佐 まずはワーキンググループのほうにお答えいただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。

○堀田座長 そうですね。
 では、米盛先生、ただいまの件に関して、ワーキンググループとしての見解をお願いできますか。

○米盛参考人 サリドマイドについては、国内で承認されて、臨床で使用されるに至った経緯があり、TERMSの非常に厳しい管理の元使用されているところと思います。
 今回の要望についても抗がんワーキンググループで検討しますが、薬剤の慎重な管理や投与についても併せて重要な課題として認識しております。
 以上です。ありがとうございます。

○堀田座長 何か事務局のほうで追加はありませんか。

○柳沼課長補佐 事務局でございます。
 今、米盛先生から御説明がございましたけれども、現状におきまして、TERMSという処方医とか薬剤師、もしくは患者の登録をしてきっちり管理していくシステムが出来上がっておりまして、今、それで回っておりますので、本品が実用化になるということになれば、同様に厳しい管理をしていくことになるものと考えています。
 以上です。

○大森構成員 TERMSのシステムに沿って使用がなされるようになるという認識でよろしいということですね。

○堀田座長 そういうことです。
 もちろん、これまでも適切にやってきましたけれども、これが未治療も対象になるということで、どのぐらい処方医の範囲が広がるかというと、ほぼ変わらないと私は思っていますが、いずれにしてもきちんとした管理体制をしっかりと確認する必要はあるかと思います。
 その点は、大森先生、いかがですか。よろしいでしょうか。

○大森構成員 非常に有用性の高い薬剤でありますので、不適切な使用によって要らぬマイナスの部分をつくってしまうということがないようによろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
 そのほかに何か御質問や御意見はございますでしょうか。
 大江構成員。

○大江構成員 今回、この要件だと、他の抗悪性腫瘍剤との併用と書いてあるのですけれども、他の抗悪性腫瘍剤は特に規定がないということで、何と併用してもいいという理解でよろしいですか。

○米盛参考人 併用の薬剤については、今後のワーキンググループで適応症を含め、検討し進めていくことになります。

○大江構成員 ありがとうございます。

○堀田座長 そこは、これからの部分も含まれるという話でしたが、そのほかの御意見、御質問はいかがでしょうか。
 そうしましたら、サリドマイドにつきまして、未治療の多発性骨髄腫に対するWGの報告を了としてよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、これを了解としたいと思います。
 ただし、今の併用療法の相手につきましては、どこまで踏み込めるかは別にして、今後、ワーキンググループで詰めていただくことにしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは。
 今のは医療上の必要性についてでありました。これからが公知申請の話になります。
 本日は、代謝・その他ワーキンググループから、資料4-1、資料4-2のオンダンセトロンとグラニセトロンにつきまして、小早川先生に御報告をお願いしております。よろしくお願いします。

○小早川参考人 小早川です。どうぞよろしくお願いします。
 では、まず、資料4-1を御覧ください。代謝・その他ワーキンググループから、グラニセトロン塩酸塩の公知申請への該当性に関わる御報告をいたします。
 本要望は、日本麻酔科学会からの術後の悪心、嘔吐、以下PONVと約しますが、PONVに関する効能・効果の要望です。
 要望内容に関する医療上の必要性については、資料4-1の1ページを御覧ください。
 適応疾患の重篤性に関する該当性について、PONVは、患者にとって非常に大きな苦痛を伴い、術後の回復を遅らせる要因にもなることから「ウ」と判断しております。
 医療上の有用性に関する該当性について、グラニセトロンの静注製剤は、米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアにおいてPONVに関わる効能・効果で承認されており、国内外の教科書・ガイドラインにおいて、PONVに対する治療薬として記載されています。以上より「ウ」に該当すると判断し、本要望について開発要請が行われています。
 次に、公知該当性について説明いたします。
 有効性について、11ページの「(1)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価について」の項を御覧ください。国内外で実施された臨床試験において、グラニセトロンのPONV予防・治療効果が示されています。また、国内外の教科書・診療ガイドラインにおいて、PONVの予防・治療における選択肢の一つとしてグラニセトロンが記載されています。
 安全性について「(2)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について」の項を御覧ください。国内外の臨床試験で認められた有害事象は、既承認の効能・効果において添付文書で既に注意喚起されている内容と比較して、新たに問題になるようなものではないことを確認しました。
 以上より、成人のPONVに対するグラニセトロンの有効性は、医学薬学上公知であると判断しました。
 次に、効能・効果について、12ページの「(1)効能・効果について」の項を御覧ください。既承認の効能・効果の記載も踏まえて「術後の消化器症状(悪心、嘔吐)」と設定することが妥当と判断しました。
 用法・用量については、13ページの「(2)用法・用量について」の項を御覧ください。海外承認用量、国内外の診療ガイドラインの記載、国内臨床試験の結果を踏まえ、報告書案に記載の用法・用量を設定することが妥当と判断しました。
 なお、投与タイミングについては、各国の承認内容、診療ガイドラインの記載内容は様々であること、患者背景や手術の状況により適切な投与タイミングが異なると考えられることから、投与時期を規定する必要はないと判断いたしました。
 説明は以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございます。
 いいですか。
 それでは、続いてお願いいたします。

○小早川参考人 引き続きまして、オンダンセトロン塩酸塩水和物の報告に参ります。
 最初に、資料4-2に誤字がございましたので、説明いたします。
 資料4-2の29ページの上から3段目におきまして「成人及び小児におけるPONVの予防及び治療に関するグラニセトロンの」と記載されておりますが、この「グラニセトロン」が「オンダンセトロン」の間違いでございました。修正いたします。
 それでは、説明に参ります。資料4-2を御覧ください。代謝・その他ワーキンググループから、オンダンセトロン塩酸塩水和物の公知申請への該当性に関わる御報告をいたします。
 本要望は、日本小児麻酔学会、小児治験ネットワークからのPONVに関する効能・効果の要望です。
 要望内容に関する医療上の必要性については、資料4-2の1ページを御覧ください。先ほど御報告したグラニセトロンと同様に、適応疾患の重篤性に関する該当性、医療上の有用性に関する該当性は、共に「ウ」に該当すると判断し、本要望について、開発要請が行われています。
 次に、公知該当性について説明いたします。
 有効性について、28ページの「(1)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価について」の項を御覧ください。国内外で実施された臨床試験において、オンダンセトロンのPONV予防・治療効果が示されています。また、国内外の教科書、診療ガイドラインにおいて、成人及び小児のPONVの予防・治療における標準治療としてオンダンセトロンが記載されております。
 安全性について、29ページの「(2)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価について」の項を御覧ください。国内外の臨床試験で認められた有害事象は、既承認の効能・効果において添付文書で既に注意喚起されている内容と比較して、新たに問題となるようなものはないことを確認しました。
 また、日本人小児PONV患者を対象とした試験成績はないものの、既承認の効能・効果である「抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」では小児に対する用法・用量が承認されており、日本人小児への投与経験はあることで、既承認の効能・効果と比較して、PONVに対する安全性は懸念が認められないこと踏まえると、日本人小児PONV患者においてもオンダンセトロンの安全性は許容可能と考えました。
 以上より、成人及び小児のPONVに対するオンダンセトロンの有用性は、医学薬学上公知であることを判断いたしました。
 次に、効能・効果について、30ページの「(1)効能・効果について」の項を御覧ください。既承認の効能・効果の記載も踏まえて「術後の消化器症状(悪心、嘔吐)」と設定することが妥当と判断しました。こちらは、先ほど報告したグラニセトロンと同様の記載としております。
 用法・用量については、30ページの「(2)用法・用量について」の項を御覧ください。海外承認用量、国内外の診療ガイドラインの記載を踏まえ、報告書案に記載の用法・用量を設定することが妥当と判断しました。
 なお、投与タイミングについては、各国の承認内容、診療ガイドラインの記載内容は様々であること、患者背景や手術の状況により適切な投与タイミングは異なると考えられることから、投与時期を規定する必要はないと判断いたしました。
 説明は以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、ただいまの公知申請に係るワーキンググループの報告につきまして、御審議いただきたいと思います。
 御質問、御意見はございますでしょうか。
 大江構成員。

○大江構成員 専門外なので変なことを言うかもしれませんけれども、海外、国内の試験でプラセボをコントロールにされていますが、これは何かの制吐剤がベースにあって、それに上乗せのプラセボとオンダンセトロン、グラニセトロンを比べられたのか、ほかに効く薬が全くないので、プラセボを全く何もしないのと比較したかというのは、いかがでしょうか。

○小早川参考人 いろいろな試験成績があるのですけれども、既存薬に使われたものがベースに入った上で使われた試験もございます。いろいろなパターンの試験がございます。

○大江構成員 ありがとうございます。

○堀田座長 そのほかにいかがですか。
 恐らく、今までも何かしらの対応はしてきたのだと思いますけれども、これが比較的有効だということが海外のデータからも示されているというところで、公知申請への妥当性を判断していただいていますが、グラニセトロンのほうは成人で、オンダンセトロンは小児のほうからの要望が出ていますが、対象としてはほぼ同じと考えていいということですか。

○小早川参考人 そういうことになります。

○堀田座長 そうですね。
 ということで、術後の悪心、嘔吐は、体験する人は結構きついので、それが緩和されることはいいことかもしれません。
 どうでしょう。ほかに御意見、御質問は。よろしいでしょうか。
 特に御意見がないようであれば、グラニセトロン、オンダンセトロンの術後の悪心、嘔吐に対する適応につきまして、公知申請は妥当と判断したいと思います。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

○堀田座長 ありがとうございます。
 それでは、事務局はそのように進めて下さい。

○小早川参考人 ありがとうございました。

○堀田座長 ありがとうございました。
 小早川先生、御苦労さまでした。
 よろしいでしょうか。
 続きまして、次の議題に移りたいと思いますが、企業から提出された開発工程表について、事務局から御説明をお願いします。

○野村治験推進室長 それでは、82ページを御覧ください。資料5-1「企業から提出された開発工程表について」です。
 最初の○に書いてございますとおり、企業に対して開発要請を行っている要望は、第I回が183件、第II回が93件、第III回が44件、第IV回が44件ございますけれども、全ての開発要請企業から令和3年6月15日時点での更新版が提出されております。
 続きまして、85ページを御覧ください。資料5-2でございます。前回から新たに御用意させていただいた資料になりますけれども、先ほど申し上げました開発工程表の進捗をまとめたものになります。詳細な進捗などにつきましては、資料5-3から資料5-6で御確認いただければと存じますが、会議ではこちらを用いて進捗状況を御報告いたします。
 「1.開発要請を行っている要望件数」でございます。第IV回要望で3件追加がございましたので、44件となっております。
 「2.開発工程表における進捗」についてです。要請回数ごと、その進捗順に御紹介させていただきます。
 第1回開発要請につきましては、要望番号182、エーザイのデニロイキン ジ フチトクス(遺伝子組換え)が本年3月に承認されています。この結果、承認済み品目が1件増えまして180件に、承認申請済み品目が1件減り0件となっております。
 第2回につきましては、変更はございません。
 続きまして、第3回開発要請につきましては、要望番号III-(1)-42及びIII-(1)-43、丸石製薬のニトロプルシドナトリウム水和物と要望番号III-(1)-60、大塚製薬のブスルファンが公知申請予定から承認申請済みとなっています。この結果、承認申請済み品目が3件増え4件に、公知申請予定品目が3件減り2件となっております。
 第4回開発要請につきましては、要望番号IV-12、マルホのメトロニダゾールが承認申請されました。要望番号IV-43及びIV-55、あゆみ製薬のアセトアミノフェン及び要望番号IV-62、日本メダックのロムスチンが前回検討会での結果を踏まえて、開発要請がなされ、公知申請予定となっております。この結果、承認申請済み品目が1件増え2件に、治験計画届提出済み品目が1件減り6件、公知申請予定品目が3件増え25件となっております。
 以上で、開発要請品目の進捗の報告を終えさせていただきます。
 続きまして、少し飛びまして、176ページ、資料6を御覧ください。開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況でございます。
 177ページの第II回の12番を御覧ください。富士フイルム富山化学の3-ヨードベンジルグアジニン(131I)が承認申請済みとなっております。
 178ページでございます。第IV回要望のうち、2つ表がございますが、上にございます1番の大原薬品工業のCarbidopa/levodopaにつきましては、開発計画検討中となりました。
 また、上の表の11番のDoxylamine succinate/Pyridoxine hydrochlorideについては、公募がなされています。
 12番のリドカインにつきましては、公募後に東洋製薬化成株式会社から開発意思の申出がありました。
 なお、リドカインにつきましては、下の検討依頼品目の表の11と12のとおり、別剤型を有する2社に対して並行して検討依頼をかけております。
 以上となります。

○堀田座長 ありがとうございました。
 ただいまの報告につきまして、何か御質問、御意見があれば、よろしくお願いします。
 いかがでしょうか。
 少しずつ前進していると思いますけれども、なかなか難しいものが残っているというのもあります。それぞれこういう形で進んでいるということでありますが、よろしいでしょうか。
 それでは、この報告につきましては、特に意見がないようでございます。
 今日は予想外に速く進んでしまいまして、間がもたないのですけれども、これもいいことだと思います。本日予定した議題はここまででありますが、事務局から何か御報告事項等はありますでしょうか。

○柳沼課長補佐 事務局でございます。
 本日も速やかな御議論をありがとうございました。
 次回検討会議の日程、開催形式につきましては、また決定次第、御連絡いたします。御多用のところ恐縮ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
 それでは、これで第45回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了いたします。
 本日もどうもありがとうございました。

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4221)

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