ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第44回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2021年3月11日)

 
 

2021年3月11日 第44回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和3年3月11日(木) 13:00~15:00

 

○場所

フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
A会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、大森構成員
岡部構成員、落合構成員、小川構成員、合田構成員、平林構成員、堀田構成員
宮川構成員、村島構成員、柳原構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

花岡参考人、勝野参考人、金澤参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第44回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。 今回も、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ウェブ会議形式での開催とさせていただきます。 また、本会議は公開の会議であることから、ウェブ会議の様子をYouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承お願いいたします。 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。 ウェブ会議を開催するに当たって、注意事項を御説明いたします。 発言される際は、画面のマイクのボタンを押して、ミュートを解除していただいた上で、お名前をおっしゃっていただき、座長に指名された後に御発言いただきますようお願いいたします。また、発言されないときは、ミュートにしておいていただけるとありがたいです。 会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたウェブ会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。 本日は、大久保構成員、田村構成員、山口構成員より御欠席との御連絡をいただいております。現在のところ、16名の先生に御出席いただいております。
また、ワーキンググループの検討状況の報告に当たりまして、各ワーキンググループのメンバーから花岡参考人、勝野参考人、金澤参考人、米盛参考人に御出席いただいております。
それでは、堀田座長に以降の議事進行をお願いいたします。

○堀田座長 皆様、こんにちは。堀田でございます。本日は、お忙しい中、御参集いただきまして、ありがとうございます。
前回に引き続いてのウェブ会議になりますけれども、どうぞ御協力をお願いいたします。
それでは、まず、本日の会議資料の確認を事務局からお願いします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございます。
事前に送付いたしました資料を御用意ください。電子ファイルは一つにまとめて、右下に通し番号を振っております。
本日の資料は、順に、議事次第。 配付資料一覧。 資料1が、検討の進め方。
5ページからの資料2のシリーズが、これまでのワーキンググループの検討状況の概要等。
24ページからが、資料3になりますけれども、個別の開発要望の医療上の必要性に関するワーキンググループの評価。今回は6件ございます。
39ページからが、資料4のシリーズで、開発の進捗状況である、企業から提出された開発工程表の概要等となります。
138ページ以降が、資料5、開発公募を行った医薬品のリストとなります。
以上の資料を一つにまとめて、PDFファイルとして配付しております。
また、その後ろに、開催要綱、構成員名簿、ワーキンググループメンバーの名簿、評価基準等を一つづりで「参考資料」としてまとめています。適宜御参照いただければと思います。
参考資料の最後の15ページに、参考資料7としまして、執行部に所属されている学会に関する資料をつけています。通し番号ですと155ページになります。
本会議の公平性の観点から、当面、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方は、当該学会からの開発要望については、要望に係る背景事情等の説明を行うものの、議決には参加しないこととしております。
本資料は、現時点での内容に更新しておりますけれども、誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
これらの資料に基づきまして、本日の審議を進めていただきたいと思います。
以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
前回は、12月9日にウェブ会議形式で開いておりますが、その後の進捗状況につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございます。
では、5ページからになりますけれども、資料2-1を御覧ください。
まず、第I回から第III回要望に係る検討状況ですけれども、上に表が3つございますが、右側の表を御覧ください。上に「要望数」とありますけれども、832件の要望をいただいております。この中で、ワーキンググループで検討して、検討済みで必要性が高いとされたものが345件ございました。また、ワーキンググループで検討中の案件は10件で、前回と変わりはございません。
次のページに行っていただければと思います。6ページは、当会議で医療上の必要性が高いと認められた345件の状況を示しているものです。
中央の表ですが、開発要請を行ったものが11件、122件、165件とありますけれども、合わせて298件になります。また、40件については、開発企業を公募しているという状況にございます。
その下にオレンジ色で進捗を書いておりますけれども、公知申請が妥当とされた要望について、前回の本会議で3件が公知申請が妥当と評価されておりますので、こちらが全部で122件となっています。
続きまして、資料2-2なのですけれども、11ページを御覧ください。2015年7月以降、現在に至るまでの第IV回の要望募集について、御要望いただいた品目に関する状況でございます。
左の表が、前回会議前の状況ですけれども、123件の要望をいただいていました。オレンジ色で書いていますけれども、前回会議後に3件の新規要望を受け付けておりまして、中央の表の一番上にありますように、要望数としては126件となっています。
また、同じく中央の表になりますけれども、前回会議で1件の要望を医療上の必要性が高いと評価しておりますので、本会議で検討済みで、必要性が高いとされているものが50件となっています。
次に、右の表になりますけれども、現時点の状態になります。ワーキンググループにおいて、5件の要望が医療上の必要性が高い、1点の要望については高くないと評価されていますので、合計6件の要望について、今回御審議をいただくことになります。
12ページを御覧ください。現在のワーキンググループの検討状況になります。既に医療上の必要性が高いとされた126件の要望のうち、医療上の必要性が高いと認められた50件の状況になります。
前回の本会議で医療上の必要性が高いと評価された1件の要望について、開発要請を行っておりまして、また、前回の本会議で2件の要望について公知申請が妥当と評価されておりますので、それぞれ赤字で進捗を記載しています。
説明は以上になります。
また、本会議を経た後の各品目の開発状況につきましては、後ほど資料4で御説明いたします。

○堀田座長 ありがとうございました。
ただいま、要望を第I~III回、第IV回を分けて、それぞれ医療上の必要性と、公知申請の妥当性といったものを一覧にして説明していただきました。大変分かりやすい説明になったと思いますが、ここまでで何か御意見や御質問はございますでしょうか。
どうぞ。

○伊藤構成員 香川の伊藤です。
要望書の20ページのオンダンセトロンなのですけれども、73と89の違いがよく分からないのです。

○堀田座長 事務局のほうでそれの対応はできますか。20ページ。

○伊藤構成員 73と89の違いで、どうして2つ書いてあるのかがよく分からないのです。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございます。
分かりにくい書き方をしてしまって、申し訳ございません。これは要望をいただくたびに番号を振って管理しているのですけれども、オンダンセトロンに関しましては、成人に使うケースと小児で使うケースでそれぞれ御要望いただいておりますので、分かれているというところでございます。

○伊藤構成員 ただ、要望者が日本小児麻酔学会で、小児側から成人のほうを要望したのですね。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 はい。小児麻酔学会からご要望いただいているという状況です。

○伊藤構成員 分かりました。

○堀田座長 今の問題点は、成人の適応を要望しているということなのですか。

○吉田審査管理課長 両方です。

○堀田座長 両方を小児のほうから出した。

○吉田審査管理課長 そうです。

○伊藤構成員 だから、小児の適応があった場合「○」を打つだけの話であって、成人の場合はそもそも書いてあるのですか。

○堀田座長 先生がおっしゃるのは、小児麻酔学会のほうに「○」がついていないからという意味ですか。

○伊藤構成員 そうではなくて、同じものが2つあるような感じがして、どうして2つあるのかなと思って聞いたわけです。

○堀田座長 なるほど。

○伊藤構成員 書いてある内容も同じですね。

○堀田座長 そうですね。この辺は分かりやすく整理していただくことにして、これは結局、別の学会から出ているということで、今まで要望がそれぞれ別だという整理になっているのですね。しかし、そこは同じもので、同じ適応であればまとめるということも可能性としてはある。

○伊藤構成員 これは同じ学会です。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 本件に関しては、同じ学会です。

○吉田審査管理課長 片方が成人で、片方が小児です。同じ学会ということです。わざわざ分ける必要があるのかという問題です。

○堀田座長 なるほど。そういう意味ね。分かりました。

○吉田審査管理課長 ちょっと工夫させてもらいます。

○堀田座長 そうなってくると、何で成人は成人として出さないのかなという感じになりますね。
分かりました。ここは御指摘の問題もあると思います。ありがとうございました。
そのほかにいかがですか。よろしいでしょうか。
それでは、次に行きましょうか。資料3ですね。今度は、医療上の必要性に係る基準に該当する専門の作業班の説明をお願いしたいと思いますが、まずは代謝・その他ワーキングから花岡先生がいらしていますか。報告をお願いいたします。

○花岡参考人 それでは、代謝・その他ワーキングから御報告させていただきます。千葉大学の花岡でございます。
先生方、資料3-1を御覧いただきたいと思います。
今回、ドキシラミンコハク酸とピリドキシン塩酸塩の医療上の必要性の評価について、資料を御覧いただきたいと思います。
本剤は、公益社団法人日本産科婦人科学会から要望されたヒスタミンH1受容体阻害薬であるドキシラミンコハク酸塩と、ビタミンB6誘導体であるピリドキシン塩酸塩を含有する配合剤です。
要望された効能・効果は、妊娠時の悪心・嘔吐です。
重篤性について、妊娠初期の悪心・嘔吐は、妊婦の50~80%に生じ、症状が重い場合は、症状の増悪による全身状態の悪化、QOL低下等を招き、日常生活に著しい影響を及ぼします。したがって「ウ」の基準に該当すると判断いたしました。
また、有用性については、本剤は、米国、カナダ及び英国で妊娠時の悪心・嘔吐を効能・効果として承認されております。また、米国産婦人科学会の診療ガイドラインにおいて、本剤が標準的療法として記載されています。したがって「ウ」の基準に該当すると判断しました。
以上より、ワーキングにおける検討結果、医療上の必要性が高いと判断いたしました。
説明は以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございました。
ただいまの花岡先生の報告に対して、何か御質問や御意見はございますでしょうか。
私から確認ですけれども、これは妊婦に対しては安全性が保証されていないという添付文書上の記載が何かあるのですか。

○花岡参考人 はい。この薬剤は、我が国での承認についてはまだされていなくて、現在未承認でございます。
ただ、一方で、安全性については、かつて米国等でいろいろと議論があった薬剤でございます。特に催奇形性について議論があった薬剤でございますが、現在では様々なエビデンスの下、それについては問題ないということで、2013年にFDAでこの配合剤が承認されているところでございます。ですので、この点については、こういう経過があるという薬剤でございます。

○堀田座長 分かりました。ありがとうございます。
そうしますと、適応外ではなくて、未承認薬だということなのですね。ですから、もちろん妊婦はまだ承認されていないという状況ですが、よろしいでしょうか。
どうぞ。

○宮川構成員 「1日目は、1日1回就寝時」と書いてありますが、妊婦の悪心・嘔吐はいつ起こってもおかしくありません。1日目は必ず夜まで我慢させるというわけではないのでしょうが、少し様子を見て、就寝時から始めるということなのでしょうか。
1日目の取扱いについて、悪心・嘔吐は朝から起こってもおかしくないと思います。夜中から起こって、朝にどうしても気持ち悪いという訴えがある場合には、どのような投与方法がよろしいのかということで、お聞きしたいと思います。
以上です。

○花岡参考人 ありがとうございます。
現在、海外で認められている用法については、先生がおっしゃるように、1日1回、就寝時に2錠で、効果が不十分な場合は1日4回で、朝1錠、午後1錠、就寝時2錠となっているところでございます。ですから、日本で使用するに当たっては、その点を踏まえた上で検討が必要かと存じます。

○堀田座長 よろしいでしょうか。

○宮川構成員 ありがとうございました。

○堀田座長 そのほかの御意見、御質問はございませんか。よろしいでしょうか。
それでは、この品目につきましては、ワーキンググループの報告を了承したいと思いますが、よろしいか。
では、了承とさせていただきます。
続きまして、精神・神経ワーキンググループから、勝野先生にお願いしたいと思います。

○勝野参考人 名古屋大学の勝野でございます。資料3-2、26ページを御覧ください。精神・神経ワーキングにおいて、今回、検討が終了したものが1品目ございまして、医療上の必要性の基準に該当すると判断しております。
今、共有されております27ページでございますけれども、日本ペインクリニック学会より、リドカインの帯状疱疹後神経痛に伴う疼痛の緩和について、要望が提出されております。
医療上の必要性に関するワーキングの評価の欄を御覧ください。まず、適応疾患の重篤性については「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」と評価いたしました。
帯状疱疹後神経痛は、致死的な疾患あるいは病気の進行が不可逆的な疾患には該当しないものの、患者において認められる痛みの程度は、日常生活(特に睡眠)に著しい影響を及ぼすほど激しいことが多く、期間も2年以上に及ぶことがあることから「ウ」と判断いたしました。
次に、医療上の有用性については「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」と評価いたしました。
帯状疱疹後神経痛に対するリドカインの局所療法について、米国、欧州及び豪州では、貼付剤が承認されており、国際疼痛学会の治療ガイドラインにおいても使用が推奨され、特に抗鬱剤やプレガバリン等の副作用が懸念される高齢者等では第一選択になり得るとされております。
一方、今般要望された品目はゲル剤でありまして、欧米等において、帯状疱疹後神経痛に対して承認されていないものの、欧州神経学会及びカナダ疼痛学会の治療ガイドラインにおいて、剤形の指定なくリドカインの局所療法が帯状疱疹後神経痛に対して推奨されていること、国際疼痛学会が発行しています帯状疱疹後神経痛に関する総説においても、貼付剤が使用できない場合の選択肢としてゲル剤が記載されていることを踏まえると、ゲル剤も含めてリドカインの局所療法は、欧米等における標準的療法の一つと位置づけられていると考えられます。
本邦では、帯状疱疹後神経痛に対するリドカインの局所療法は承認されておりませんが、帯状疱疹後神経痛に対してゲル剤を含むリドカインの塗布剤が院内製剤として調剤されているという実態がございまして、これらの院内製剤を用いた臨床研究において、例えば胸部神経痛患者を含む帯状疱疹後神経痛患者にリドカインのゲル剤を投与したとき、70%以上に除痛効果が認められ、重篤な副作用は認められなかった等、その有用性が報告されています。
以上から、要望されたリドカインのゲル剤について、帯状疱疹後神経痛に対する有用性が期待できるため「ウ」と判断いたしました。
なお、本邦では、リドカイン塩酸塩を含むリドカインを単一の有効成分とする局所皮膚適用製剤として、テープ剤、スプレー剤、ゼリー剤等が承認されていますが、さきに述べましたとおり、いずれの製剤も帯状疱疹後神経痛に伴う疼痛の緩和に係る効能・効果では承認されておりません。
要望者は、今回、剤形としてゲル剤を要望した理由として、1つ目は、湿度の高い本邦において、貼付剤のように同一部位に長時間貼付する場合には、発汗等により皮膚障害を生じやすく、治療中止に至る可能性も考えられること。
2点目として、ゲル剤であれば、短時間で乾燥するため、上記のような皮膚障害が生じにくいと考えられることを説明しております。
精神・神経ワーキングからの報告内容は、以上となります。よろしくお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、ただいまの勝野先生の御報告につきまして、御質問や御意見がありましたら、意思表示をして、名前を言っていただけますでしょうか。

○宮川構成員 宮川ですけれども、よろしいでしょうか。
教えていただきたいのは、1日3回、適量塗布というところなのですが、3回というのはどのような根拠でこの形になるのでしょうか。
例えば帯状疱疹後における神経痛だと、一日中という形になりますが、3回塗布なのか、適宜という形なのか。3回としてしまうと、限定されるような気もするのですが、教えていただければ幸いです。

○勝野参考人 ありがとうございます。
少しだけ確認させていただきますので、ちょっとだけお時間をいただけますでしょうか。申し訳ありません。

○宮川構成員 はい。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございますが、もしよろしければ、発言してよろしいでしょうか。

○堀田座長 どうぞ。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 海外のガイドラインなどで1日3回という記述がございまして、今回、要望内容のところにはそのように記載させていただいたところでございます。この書いたことの根拠は、その海外の状況ということになります。

○宮川構成員 もともと帯状疱疹後の神経痛の痛みの起源は、皮膚そのものではないはずです。例えば皮膚の場合、患者さんを実際によく見ると、潰瘍になっていたり、皮膚の表面に少し雑菌がついて感染を起こします。そういう意味での発赤を起こしたり、化膿していたりということで、逆にリドカインのようなものを使うことによって、皮膚の表層を少し保護するということも含めて、痛みが取れたという形になるのでしょうか。それは実際のリドカインの除痛作用なのか、それとも表皮を覆ったということに対しての除痛効果なのか、そのような意味で御質問させていただいたというのが趣旨でございます。

○堀田座長 ありがとうございました。
そういう実際の用法・用量の細かいことは、承認に向けての議論になって、ここでは有用性があるかどうかという議論に絞っていきたい。ありがとうございます。
そのほかの御意見はいかがでしょうか。
お願いします。

○大森構成員 この要望されている医薬品の1番目は分かるのですけれども、これをゲル化するという剤形化するということに関して、ゲル剤にしたときの安全性、安定性等々についての情報はどのぐらいあって、どのように認められているのでしょうかということなのですが、確認です。

○勝野参考人 ありがとうございます。
現在は、テープ、スプレー、ゼリー等しか承認されておりませんので、御指摘のとおり、ゲル剤になったときの安定性等は、有効性、安全性も含めて、今後、開発の中でそこは見ていく必要があろうかとは思います。

○大森構成員 特に、塗布することになりますので、皮膚への侵襲並び刺激等々については、非常に気をつけなければいけないものであるし、そういう副作用も重要な情報になってきますので、そのような意味も含めて検討して、認めていただくということをお願いしたいと思います。
以上です。

○勝野参考人 ありがとうございます。

○堀田座長 ありがとうございます。開発ではそういった点も気をつけていただくことにしたいと思います。
そのほかに何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ただいまのワーキンググループの報告につきまして、リドカインについては了承させていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、次に参りたいと思います。抗菌・抗炎症ワーキンググループから、資料3-3に基づきまして、アセトアミノフェンについて、金澤先生から御報告をいただきたいと思います。
なお、本件につきましては、日本リウマチ学会から要望が提出されておりますので、村島構成員におかれましては、議決には参加しないことになります。御発言は、こちらから指名すればできるということであります。
よろしくお願いいたします。

○金澤参考人 それでは、抗菌・抗炎症ワーキングからの報告をいたします。資料3-3を御覧ください。画面に出ております。
1ページですけれども、要望番号IV-43として、日本リウマチ学会からアセトアミノフェンの関節リウマチに対する鎮痛に関する要望が提出されています。
適応疾患の重篤性ですが、関節リウマチは、関節炎を主徴とする慢性炎症性疾患で、関節破壊等により引き起こされる慢性的な疼痛は、生活の質を著しく低下させることから「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断しました。
続きまして、医療上の有用性ですが、アセトアミノフェンは、欧米等6か国全部において、一般薬としてではありますが、リウマチ性疼痛または関節炎の疼痛の適応で承認され、関節リウマチ患者における標準的な疼痛治療薬として使用されています。また、海外の診療ガイドラインにおいて、関節リウマチの疼痛治療に用いることが推奨されています。
本邦においても、教科書等において、関節リウマチ患者における疼痛治療薬として本薬の使用が記載されています。
以上のことから「ウ 欧米において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断しました。
続きまして、3ページを御覧ください。要望番号IV-55として、日本麻酔科学会からアセトアミノフェンの術後疼痛に対する鎮痛に関する要望が提出されています。
まず、適応疾患の重篤性ですが、術後疼痛自体が患者の生活の質を低下させるだけでなく、疼痛で体動が制限され、術後の回復が遅れることによっても患者の生活の質を大きく低下させることが考えられることから「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断しました。
続きまして、医療上の有用性ですが、アセトアミノフェンは、欧米等6か国において、術後疼痛という効能・効果での承認はございません。
しかしながら、海外の多くの教科書やガイドライン等では、術後疼痛管理上において、オピオイドに過度に依存せず、バランスの取れた多様式鎮痛法を図ることが推奨されており、軽度から中等度の疼痛緩和などの効能・効果で承認されているアセトアミノフェンは、多様式鎮痛法を構成する鎮痛薬として記載されています。
また、本邦の教科書でも、術後疼痛管理において、本薬静注剤とともに本薬経口剤が記載されており、消化管障害等の副作用により、NSAIDsの使用に懸念がある高齢者等の患者に対しても有用であることが示されています。
以上のことから「ウ 欧米等において標準的療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断しました。
なお、要望番号IV-43及び今回のIV-55の備考欄に記載しましたが、今後も要望内容に関する開発方針についての検討を行う際に、現在の効能・効果をより分かりやすくする記載への整備も同時に検討できればと考えています。
引き続いて、5ページを御覧ください。要望番号IV-37。

○堀田座長 ちょっと待ってください。アセトアミノフェンのところで一区切りさせてください。

○金澤参考人 分かりました。

○堀田座長 それでは、ただいまのアセトアミノフェンについて、2つの適応について要望がございました。これにつきまして、皆様からの今のワーキンググループの報告に御質問、御意見があれば、よろしくお願いいたします。
どうぞ。

○伊藤構成員 一つは、この評価に対しては問題ないと思いますけれども、要望書を見たのですが、これは小児のところにチェックがなかったです。その場合、小児に対しては、検討の項目に入らないということなのでしょうか。どうでしょうか。

○堀田座長 そこはどういう扱いにいたしましょう。事務局サイドは何か御意見はありますか。
今の御意見について、そこは備考欄にあるような形で、今後、まとめて整理するという中に入ってきますか。

○伊藤構成員 要するに、病態は小児にも発症するものと思いますけれども、それに対してどう思われておられるでしょうかということなのです。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございます。
これは複雑なのですけれども、例えば既存の承認されているアセトアミノフェンですと、成人と小児の効能・効果の書き方が若干異なっておりまして、小児のほうは比較的広く解熱、鎮痛に用いられると読める形ですので、小児ですと今も術後疼痛等に使うことが可能であろうということがありまして、このような書き方になったものです。最後にあったように、そもそも今回の効能・効果の記載の整備についての検討ということで御指示いただいておりますので、そういったものの中で検討してまいりたいと思っております。

○伊藤構成員 適応外にならないようによろしくお願いいたします。

○堀田座長 ありがとうございます。小児は、むしろ今の書き方でも含まれているという判断もあるということですね。
そのほかの御意見、御質問はございますか。
どうぞ。

○岡部構成員 今さらこういう質問をするのも申し訳ないのですけれども、僕が知らないだけかもしれないのですが、要望された医薬品は、一般名がアセトアミノフェンで、会社名があゆみ製薬株式会社になりますけれども、これは一般的にアセトアミノフェンについて、こういう適応になっていくという考えでよろしいのでしょうか。

○金澤参考人 そのように理解しています。

○岡部構成員 ありがとうございます。

○堀田座長 商品名でなくていいということですね。
そのほかに御質問や御意見はいかがですか。
もともとアセトアミノフェンは、例えば変形性関節症の痛みに対して適応が既にある分、関節リウマチでないというのは何となく変な感じなのですが、あるいは抜歯後の疼痛に対しても適応があるということからいいますと、今後、逐一痛みについて適応を取り上げていかなければいけないかどうかというのを整理するといった趣旨かと思います。

○金澤参考人 それと、備考欄の整理。

○堀田座長 どうぞ。

○村島構成員 リウマチ学会を代表してというわけではないのですが、痛みの最たる病気として、一番代表的なとてもつらい病気ですので、当然のように入っているかと思いましたら、入っていなかったので、今回、適応という意味で俎上にのったのは大変喜ばしいとは思うのですけれども、堀田先生がおっしゃるように、まさに鎮痛薬としてもうちょっと広く捉えてもいいお薬なのかなと。これを全部やっていくと、しらみ潰しにいろいろな痛みの一つ一つを潰していかなければいけなくなると思いますので、その辺も含めて、今後、御検討いただければと思います。

○堀田座長 ありがとうございました。貴重な御意見で、最後の備考に書いてあるものもそういったことをある程度含んで書いてあると思いますが、今後の検討をよろしくお願いいたします。
よろしいでしょうか。
それでは、金澤先生、次のメトトレキサートについて、お願いします。

○金澤参考人 5ページを御覧ください。要望番号IV-37として、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会などからメトトレキサートのサルコイドーシスに関する要望が提出されています。
適応疾患の重篤性ですが、サルコイドーシスは全身性肉芽腫性疾患で、呼吸不全や心不全で死に至る場合もある一方で、自然寛解する例も多く認められます、多様な病勢を示す疾患です。病変が発現する臓器や進行の程度は様々であるものの、病変の発現により臓器機能が低下することにより、日常生活に著しい影響を及ぼすことがあることから「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患に該当する」と判断しました。
続きまして、医療上の有用性ですけれども、メトトレキサートは、欧米6か国のいずれにおいても、本要望に関わる効能・効果では承認されておりません。また、国内外のガイドラインにおいて、第一選択薬の副腎皮質ステロイドに不耐性のサルコイドーシス患者や、ステロイド投与量を減らす目的で本薬の使用に関する記載もありますが、一部の臓器病変を対象とした少数例の臨床試験及び非盲検非対照試験に基づくものであり、現時点での情報からは、ア~ウのいずれにも該当しないと判断しました。
以上、抗菌・抗炎症ワーキングからの報告です。

○堀田座長 ありがとうございました。
ただいまのサルコイドーシスに対するメトトレキサートの適応についての報告につきまして、医療上の必要性の評価はいかがでしょうか。何か御発言はございますでしょうか。
実際、これの国内の使用実態はかなりあるのでしょうか。
金澤先生、いかがですか。

○金澤参考人 サルコイドーシス自体が、最近、必ずしも増加しているとは言えない中で、非常に特殊な状況でメトトレキサートを使わなければいけないというケースは多くないと理解しています。

○堀田座長 ありがとうございます。
そのほかはよろしいでしょうか。
それでは、メトトレキサートにつきましては、医療上の必要性については、必ずしも高くないというワーキンググループの報告を承認したいと思いますが、よろしいか。
ありがとうございます。
続きまして、抗がんワーキングから、資料3-4に基づきまして、米盛先生からの御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。

○米盛参考人 抗がんワーキンググループにおいて検討した品目について御説明させていただきます。
資料3-4を御覧ください。脳腫瘍に対するロムスチンに関する要望になります。
適応疾患の重篤性について、脳腫瘍は、致死的な疾患であることから「ア」に該当すると判断しております。
続きまして、医療上の有用性についてですが、欧米等の承認内容、海外診療ガイドライン及び海外における教科書の記載内容、並びに海外臨床試験成績から、ロムスチンの単独使用または他の抗悪性腫瘍薬との併用投与は、脳腫瘍に対する術後補助療法、放射線治療後の化学療法などとして、欧米等において標準的治療の一つに位置づけられており、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても、国内における有用性が期待できると考えられました。
以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断しております。
なお、欧米などにおける承認用法・用量は同一でないこと、また、参考として提出された海外臨床試験間でも用法・用量に差異が認められることから、他の抗悪性腫瘍薬剤との併用の有無も含め、本邦において開発すべき用法・用量については要望者とも連携を取りながら慎重に検討する必要があると考えております。
説明は以上になります。

○堀田座長 ありがとうございます。
ただいまの米盛先生の報告につきまして、何か御質問、御意見はありますでしょうか。
堀田ですが、私から少し質問をさせてください。
ロムスチン(CCNU)は、海外では古くから使われている薬でありますが、日本では承認がないという状況で、一方、日本ではACNUが一般的に使われて、これは日本で開発された薬なので、ある意味ローカルドラッグという形でずっと来たのですが、こういったニトロソウレア系の抗がん剤は、脳血液関門を通りやすいということもあって、そういう性質なんかは共通でして、環境的に欧米ではCCNU、日本ではACNUという感じですみ分けてきたのが、ここに来てCCNUも必要だと言うためには、ACNUではないものが何か補われるということがあるのか、それとも国際的にいろいろなエビデンスをつくっていくためには、CCNUをリファレンスにしないと、なかなか欧米に浸透しないということがあるのか、その辺の判断はいかがでしょう。

○米盛参考人 ありがとうございます。
堀田座長から御指摘いただきましたとおり、国内ではACNUを使うPAV療法がよく行われておりました。国際的には、ロムスチン(CCNU)とプロカルバジン、ビンクリスチンとの併用のPCVという治療法になるのですが、海外の比較臨床試験において、OSなどの延長も示されており、海外の診療ガイドラインや教科書でも強く推奨されている治療法です。
一方で、御指摘いただいたPAV療法、ACNUを使うものについては、日本独自の代替療法であって、PCV療法との同等性が検証されていない旨が教科書、がん治療エッセンシャルガイドなどにも記載されております。
したがって、PCV療法、国際的にエビデンスの高い治療法が国内でも使用可能になれば、まず、PCV療法が使われると思われますし、様々な医薬品の開発における臨床試験における比較アームとして、国際的に通用する治療法を国内でもできることが試験への参加においても重要ではないかと推察しております。

○堀田座長 ありがとうございました。そのような背景があって、こういった薬も必要だということで、必ずしもACNUとCCNUはどちらが優れているという話ではないということのようです。国際的な標準に近づけるという意味かと思います。
逆に言うと、せっかく日本で開発したACNUは、国際戦略品目になっていないというのが問題と思いますが、今さらそれを言ってもしようがないということかと思います。
いかがでしょうか。
そういった背景の中で、CCNUも疾患の重篤性あるいは有用性については十分あるので、有用性があるという評価をしていただきましたが、それでよろしいでしょうか。
特に御意見がなければ、ワーキンググループの報告を了承したいと思います。ありがとうございました。
それでは、続いて行ってよろしいでしょうか。
続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から御説明をお願いします。

○野村治験推進室長 それでは、資料4-1を御覧ください。39ページになります。企業から提出された開発工程表でございます。
最初の○を御覧ください。企業に対し開発要請を行っている要望は、第I回から第IV回までございますけれども、現在開発を実施している全ての開発要請先の企業より、2021年2月15日現在の状況を踏まえた開発工程表が提出されているところです。
続いて、42ページの資料4-2を御覧ください。新たに出させていただいた資料ということで、資料4-3から資料4-6までの進捗について抜き出したものとなっております。先ほど申し上げました開発工程表の進捗をまとめたものということになっておりまして、こちらの資料で御説明させていただければと思います。
まず、開発要請を行っている要望の件数でございますけれども、第IV回の要望につきまして、2021年1月にインドシアニングリーンの要請を行っておりまして、40件から41件に増えております。
2番目の「開発工程表における進捗」についてです。
第Ⅰ回の開発要請につきましては、変更がございません。
第II回の開発要請については、II-215、II-216も先ほどございましたように、同じもので、成人と小児で要望番号が分かれているものになっておりますが、いずれも治験計画届出提出済みから承認申請済みということで、承認申請済み品目が2件増えて2件。それから、治験計画届出提出済みが2件減ってゼロ件ということで変更しております。
第III回の要請を御覧ください。
こちらにつきましては、III-(1)-76、リツキシマブにつきまして承認済み、また、III-(1)-72、ランレオチド酢酸塩についても承認済みということでございますので、承認済み品目が2品目増えて32件、承認申請済み品目が2件減って1件という形になっております。
第IV回の開発要請についてです。
IV-51とIV-52、ミコフェノール酸モフェチルにつきまして、承認申請済みとなっております。
IV-60のダニ媒介ウイルスワクチンも成人と小児で要望番号が分かれておりますが、こちらはその他から治験届出提出済みとなっております。
IV-82、インドシアニングリーンにつきましては、開発要請発出に伴って、公知申請予定として追加されております。インドシアニングリーンにつきまして、開発要請発出に伴って、公知申請予定として追加しております。
IV-67、IV-68のドセタキセル水和物、ゲムシタビン塩酸塩につきましては、公知申請予定としておりましたが、ワーキング側の検討によりまして、その他に変更しておるという状況になっております。
以上で、開発要請品目の進捗の報告を終えさせていただきます。
続きまして、少しページが飛びますけれども、138ページに資料5がございまして、こちらを御覧いただければと思います。今、画面で資料を出させていただきます。
こちらにつきましては、開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況となっておりまして、開発状況の色のついた部分について御紹介させていただきます。
第I回要望募集につきましては、13番のプロゲステロンが承認申請済み、14番のモルヒネ塩酸塩水和物について承認済みとなっております。
次のページで、第II回の募集につきましては、8番のジメチルスルホキシドが承認済み。
第III回につきましては、アナキンラが開発計画検討中となっております。アナキンラにつきましては、それぞれ対象疾患が別になっておりますが、第IV回の要望募集の6番と7番にも要望が出ておりまして、今、開発計画検討中となっております。
それから、ちょっと戻って1番、カルビドパ/レボドパにつきましては、治験準備中となっております。
以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございました。
ただいま、企業の開発工程表につきまして、説明いただきました。
今まで非常に膨大なものをめくって説明していただいたのが、前のほうでまとめていただいたので、非常に分かりやすくなりました。ありがとうございます。
ただいまの報告につきまして、何か御意見や御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
一つの薬でいろいろな適応で出てきているものがありますけれども、これは一括して開発するという方針ですね。

○野村治験推進室長 はい。まとめて検討いただくという形になると思います。

○堀田座長 ありがとうございます。
随分時間がかかったものもありますけれども、それぞれそれなりに問題があるのだろうと思いますが、こうやって少しずつ詰めていっているという状況かと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、今日の議題はここまでかと思いますけれども、全般を通して、これまでのところで何か言い足りなかったことや御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。
先ほど小児適応についても御意見いただきまして、ここの検討会は、もともと未承認薬から出発して、小児も含んでやってきておりますけれども、小児については、なるべく開発の最初から含んだ形で開発するようにというのが全体の方向性だと思いますが、これまでのものに関していえば、小児は必ずしもそこがはっきりしなかったので、今後、そこは整理しているというのが現状かと思います。小児も問題なければ、できるだけきちんと使えるようにぜひなってもらいたいと思います。
そのほかによろしいでしょうか。いいですか。
それでは、どうもありがとうございました。
本日は、1時間弱ぐらいのところで終了できますけれども、今後のことにつきましては、事務局からまた御説明いただくとして、今日は審議官がせっかくいらしていますので、何かありましたら、最近の情報を提供いただけませんか。

○山本大臣官房審議官 座長御恒例の。
機会をいただきまして、ありがとうございます。
先ほど座長がおっしゃったように、前回も発言させていただきましたが、小児の用途につきましては、この未承認薬の会議で議論して取り上げていくというこれまでに加えまして、薬機法のほうでも特定用途の制度をつくって、昨年施行したところでございますので、ここで御議論いただいて、必要だと言われたものについては、行政として、幾つかのインセンティブというか、いろいろな税制の措置もつけた上で後押しをしていきたいと思っておりますので、ぜひ各学会の先生方あるいは関係者の皆様は、小児の用法・用量とか剤形についての開発について、ぜひ御協力と乗り出していただきたい。毎回申し上げているように思いますが、ぜひお願いしたいと思います。
それから、最近の動きとしては、年末から第三波が来て、医療現場の先生方も、それ以外の方々も感染拡大を防止するという意味でお取り組みいただいております。ありがとうございます。それを何とか収めていきたいということで、厚生労働省としても取り組んでおるところでございます。
それから、その中で、報道でも出ておりますように、2月中旬に、日本としては1つ目の新型コロナのワクチンを特例承認いたしました。その後、すぐに先行接種グループということで、具体的な接種が始まっております。今、3月でございますが、今週ぐらいから優先順位である医療従事者の皆様の接種がかなり進みつつあるというところでございます。
今回、最初に承認したワクチンは、ファイザーのワクチンでございますが、メッセンジャーRNAをメインにして、それをミセルの中に封じ込めて投与するという、世界的に見ても新しい技術を使ったワクチンでございます。そういう意味で、承認審査に当たっては、精いっぱい審査して、審査報告書の形で今公表しているところでございますが、それを接種しようかどうか検討されている皆様に分かりやすくお届けしつつ、ベネフィットとリスクを分かっていただいた上で、接種しようかどうかの判断をしていただくべく、環境を整えていきたいと思っておりますし、接種が進めば、臨床試験の規模とは全く違う規模の数の方々が接種を受けることになりますので、いろいろな副反応も出てくると思います。現にアナフィラキシーをはじめ、いろいろなものが出てきておりますので、そういった市販後の副反応の発生状況、その中身なども分かりやすく、また、きちんと評価して、お示ししていきたいと思っております。
広く先生方にも関係する薬というか、ワクチンになりますので、先生方からもいろいろとお気づきの面があろうかと思いますので、4月以降、高齢者の方々などへの接種も始まってまいりますので、今段階で、あるいはこれからお気づきのことなどをぜひお寄せいただければありがたいと思っております。
簡単ではございますが、以上でございます。

○堀田座長 ありがとうございます。毎回急に振って申し訳ございません。
今日は、また追加でコメントをいただきたいのですが、今、ワクチンはこういう形で既に接種できるようになってきましたけれども、治療薬のほうがせっかく日本で開発された薬でアビガンあるいはイベルメクチンみたいなものはどうなのかという期待はあるのだけれども、そのエビデンスがしっかりしていないところがあって、なかなか難しいのかもしれないけれども、こういうところにも要望としては特に上がってきてはいないのだけれども、それはどうなのでしょう。
今、治験は進んでいるのでしたか。その辺のところはどんなふうでしょう。

○吉田審査管理課長 審査管理課の吉田でございますけれども、今、先生に御質問いただきましたアビガンとかイベルメクチンは、治療薬のほうについても、5月のレムデシビルの特例承認、それからデキサメタゾンというステロイド剤の適用の後、なかなか続いていないという状況ではございます。
今、御質問のありましたものにつきましては、アビガンにつきましては、これまで国内での治験を進めてきていた中で、昨年9月中旬に申請され、12月に薬食審のほうで御議論いただいたわけですけれども、残念ながら、その時点で出されたデータからは、その評価が有効性を示せるというところまではちょっと言えないという結果になったというわけでございまして、そちらについては、その部会での指摘を受けて、国内、海外でも治験とか臨床試験は行われているところでございますので、臨床的な有効性を示すことのできるようなデータを集めるべく、企業のほうで対応がなされているという状況かと思っております。
一方で、御指摘のあったイベルメクチンでございますけれども、これも国内でも、海外でも臨床試験あるいは治験等もいろいろと進んでいるという状況でございますが、その評価がいろいろと分かれるところでもございますので、一定の定まった方向性がなかなか出ていないというところでございます。国内の臨床試験とか治験については、いわゆるAMEDからも研究費で支援しているところでございますので、我々としては、そのデータがしっかりと集まってくれば、申請されればしっかりと審査をしていきたいという状況かなと思っております。
以上です。

○堀田座長 現状を教えていただいて、ありがとうございました。
日本でも進んではいるけれども、まだ十分にエビデンスが積み重なっていないというところで、もちろん、これは駄目という結論が出たわけではないですね。今後、もう少し時間をかけてエビデンスをつくり上げていくという段階かと思います。ありがとうございました。
余分な話をして申し訳ありませんが、せっかくのあれですので、情報共有ができればと思っています。
ありがとうございました。
それでは、議題はここまでといたしまして、事務局から御連絡がありましたら、お願いします。

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課 事務局でございます。
本日も御議論ありがとうございました。
次回の会議の日程、開催形式につきましては、また決定次第、御連絡いたします。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。

○堀田座長 ありがとうございました。
それでは、ここで第44回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」をこれで終了いたします。
ありがとうございました。
 


 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4165、4229)

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