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2020年12月9日 第43回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和2年12月9日(水) 15:00~17:00

 

○場所

フクラシア東京ステーション(オンライン会議場)
6C会議室(6階)
東京都千代田区大手町2-6-1 朝日生命大手町ビル

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、大江構成員、大森構成員、岡部構成員
落合構成員、小川構成員、合田構成員、田村構成員、平林構成員、堀田構成員
宮川構成員、村島構成員、柳原構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

小早川参考人、戸高参考人、中村参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

 

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 事務局です。それでは、定刻となりましたので、ただいまより、「第43回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。今回も、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、Web会議の形式での開催とさせていただきます。このWeb会議の様子ですが、本会議は公開の会議でありますので、YouTubeにてオンライン配信しておりますので、御了承をお願いいたします。
 委員の皆様方におかれましては、大変お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 Web会議を開始するにあたって、注意事項を御説明します。発言される際は、画面のマイクのボタンを押して、ミュートを解除した上でお名前をおっしゃってください。座長に指名された後に御発言いただきますようお願いいたします。また、発言されないときはマイクをミュートにしておいていただければと思います。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りいたしましたWeb会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
 本日、岩田構成員、大久保構成員、山口構成員から御欠席との連絡を頂いておりまして、現在のところ、17名の先生方に御出席いただいております。また、ワーキンググループの検討状況の報告にあたりまして、ワーキンググループのメンバーから小早川参考人、戸高参考人、中村参考人、米盛参考人に御出席いただいております。
 それでは、堀田座長に、以降の議事進行をお願いいたします。

〇堀田座長
 皆様こんにちは。それでは、ただいまから始めます。まず、本日の会議資料の確認を事務局から行ってください。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 事務局です。事前に送付しました資料を御用意ください。電子ファイルは1つにまとめて通し番号を振っております。本日の資料ですが、議事次第、配布資料一覧に続いて、資料1が検討の進め方、通し番号の5ページ以降、資料2のシリーズが、これまでのワーキンググループの検討状況の概要等、資料3、通し番号の25ページからが、個別の開発要望の医療上の必要性に関するワーキンググループの評価、今回は1件のみです。通し番号27ページからが資料4のシリーズで、公知申請の該当性に関するワーキンググループの報告書、今回は4件あります。資料5のシリーズが、通し番号117ページからですが、開発の進捗状況である企業から提出された開発工程表の概要等。その後ろの資料6が開発公募を行った医薬品のリスト。一番最後の221ページが資料7、オファツムマブに関する開発要望の説明資料です。以上の資料をPDFで1つにまとめて配布しております。また、開催要綱ですとか構成員の名簿などは1つづりで「参考資料」としてまとめておりますので、適宜御参照ください。
 続いて、参考資料の15ページを御覧ください。こちらは、参考資料7として、構成員が執行部に所属されている学会に関する資料を付けております。本会議の公平性の観点から、当面、構成員のうち、学会の執行部に在籍する方につきましては、当該学会からの開発要望については、要望に係る背景事情等の説明等は行うものの、議決には参加しないことにしております。本資料は現時点の内容に更新しておりますが、誤り等がありましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
 これらの資料に基づいて本日の審議を進めていただきたいと思います。以上です。

〇堀田座長
 ありがとうございました。それでは、前回会議は9月16日に、同様にWeb会議形式で開催しておりますが、その後の進捗状況につきまして、事務局から説明をお願いします。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 事務局です。資料2を御覧ください。通し番号の5ページからになります。まず、何回かに分けて要望を頂いているのですが、2015年6月以前に御要望をいただいた、第I~III回要望までの進捗をこちらにまとめております。前回の会議までの資料はかなり細かいものでしたので、今回、その要点をまとめた資料を御用意しております。3つ表がありますが、右の表を御覧ください。832件の要望を頂いておりまして、ワーキンググループにおいて、医療上の必要性を検討中の案件は今、10件となっております。こちらは前回と変わりありません。
 6ページは、当会議で医療上の必要性が高いと認められた345件の状況を示しているものです。中央の表が前回の会議以降の状況です。ワーキンググループで公知の該当性を検討中だった14件のうち3件について「公知申請が妥当」というワーキンググループの結論が出ましたので、本日御審議いただきます。
 11ページ、資料2-2になります。こちらが、2015年7月以降、現在に至るまでの第IV回要望募集で、御要望いただいた品目に関する状況です。中央の表が前回会議後の状況です。前回の会議後に4件の新規要望を頂きまして、さらに1件が取下げ・再要望となりました。要望数は5件増えまして、左の表の118から123件となっています。
 ワーキンググループで医療上の必要性を検討中の案件は、この新規の4件分を加えて40件となりました。また、前回9月の会議で、10件の要望について「医療上の必要性が高い」という御了解を頂いておりますので、中央の表の一番下の本会議、緑の所ですが、検討済み、必要性高いとされているものが39件から49件に増えております。その後、一番上の40件、ワーキンググループにおいて検討中の40件のうち1件について医療上の必要性が高いという結論が出ておりますので、本日御審議いただきます。
 12ページの第IV回要望の公知該当性に関する資料を御覧ください。こちらは、第IV回要望の123件のうち、医療上の必要性が高いとされた49件に関する状況を示しています。前回会議の後に、開発要請を行った8件を含む24件についてワーキンググループで公知該当性を検討中でした。真ん中の表の一番上の段になりますが、これが検討中の24件なのですが、そのうち1品目2件について、ワーキンググループで公知申請が妥当とされましたので、本日御審議いただきます。また、前回会議後に2件について開発公募をしております。このため、一番左の表の開発企業を公募の8件が10件と増えております。
 検討中の各品目の詳細については13ページ以降にあります。黄色く塗られている所が前回からの変更点になります。なお、この会議を経て開発されているものの状況については、後ほど資料5を用いて御説明します。以上です。

〇堀田座長
 ありがとうございました。前回以降の変化について、今、御説明いただいたわけですが、要望第I~III回と第IV回は別の表にしてあります。それと、医療上の必要性の問題と公知申請の妥当性、こういう分け方になっていますが、いかがでしょうか。少し前よりは見やすくなったと思いますが、何か御質問、御意見がありましたらよろしくお願いします。特によろしいですか。第IV回については、まだ進行中ですので、要望件数も少しずつ増えています。そのようなことになっております。
 それでは、よろしければ、続いて、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について説明をお願いしたいと思います。まずは、循環器ワーキンググループから戸高先生にお願いしたいのですが、戸高先生、よろしくお願いします。

〇戸高参考人
 循環器ワーキンググループから御報告します。資料3を御覧ください。通しのページ番号で25ページの裏表1枚の資料です。今、共有していただいているようなのが全てです。日本外科学会から要望がありまして、インドシアニングリーンの該当性に関する評価を行いました。適応と言いますか、使用目的というのは、赤外線照射時の蛍光による肝外胆管の描出に関する要望です。本要望内容の適応疾病の重篤性について御説明します。本薬は、肝外胆管をリアルタイムに可視化することが可能な体内診断薬であり、肝胆道手術中の胆管損傷の回避等を目的に使用されます。胆管損傷が生じた場合には、結果として、胆道ドレナージチューブの長期留置等、日常生活に著しい影響を及ぼすことがありますので、重篤性について、「ウ その他日常生活に著しい影響を及ぼす疾患」に該当すると判断しました。
 続いて、医療上の有用性についてです。本薬は、米国及びカナダにおいて、赤外線照射時の蛍光による肝外胆管の描出に係る効能・効果で承認されています。国内では、肝外胆管を可視化するための既存の方法として、X線を用いた通常の造影法がありますが、これは、蛍光造影法と異なりリアルタイムということではありませんので、全く一致するものではないということで、「ア 既存の療法が国内にない」、この場合は診断法ですが、これに該当すると判断しました。循環器ワーキンググループからは以上です。

〇堀田座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの報告について、御意見、御質問を頂きたいと思います。いかがでしょうか。インドシアニングリーンは、ほかの循環器等では既に適用になっておりますが、今回は肝外胆管の描出ということで、術中に実施するのですね、これは。いかがでしょうか。どうぞ、宮川委員。

〇宮川構成員
 日本医師会の宮川です。今までの造影剤に関する表現の中に、描出という言葉は今までなかったように思います。実際に臨床上において、放射線学的な言い方で描出ということは頻回に使います。臨床上使うのですが、こういう薬事的なところで描出という言葉は今までなかったような記憶があります。別にこれが問題だということではなくて、これでよろしいのかという確認のためにお聞きしました。以上です。

〇堀田座長
 今の点について、事務局等、事務局サイドから何かありますか。用語の問題だと思いますが。

〇戸高参考人
 インドシアニングリーンについて、ほかのCABG等の適応を持っているのですが、同様の表現がしてあったのではないかと記憶するのですが、ちょっと持ち帰らせていただいて表現をチェックさせていただければと思います。すみません、今すぐに正確な記憶がありませんで、申し訳ございません。

〇宮川構成員
 結構です。確認のためですので、ありがとうございます。

〇戸高参考人
 よろしくお願いします。

〇堀田座長
 ありがとうございます。何か分かりましたら、議事の途中でもお願いします。そのほかいかがでしょうか。実際に、これによって安全に手術ができるということであれば、それは医療上の必要性が高いという判定になるのだろうと思いますが、特に異存ありませんか。
 ありがとうございます。それでは、この医療上の必要性については、ワーキンググループの報告を承認したいと思います。戸高先生、ありがとうございました。
 続いて、公知申請の該当性に係る報告書(案)について説明をお願いします。代謝・その他ワーキンググループから資料4-1に基づいて、小早川先生にお願いしたいと思います。小早川先生、よろしいですか。

〇小早川参考人
 お願いします。それでは、資料4-1のミコフェノール酸 モフェチルの公知申請の妥当性に関して御報告いたします。右下の通し番号27ページから始まる資料4-1を御覧ください。代謝・その他ワーキンググループから、MMFと略しますが、ミコフェノール酸 モフェチルについての報告を行います。本要望は、日本造血細胞移植学会からの造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制の効能・効果追加に関わる要望です。なお、本要望における抑制は予防と治療の両方を含んでおります。要望内容に関する医療上の必要性については、資料4-1の1ページを御覧ください。適応疾病の重篤性についての該当性。造血幹細胞移植における移植片対宿主病(以下、「GVHD」)は、移植関連死の主要な一因であることから、「ア」と判断しております。
 医療上の有用性についての該当性。要望効能・効果は、欧米等6か国における承認はありませんが、海外のGVHDの診療ガイドラインに記載、国内の臨床試験報告、国内の使用実態調査及び国内診療ガイドラインの記載から「ウ」に該当すると判断し、本要望について開発要請が行われています。
 次に、公知申請の妥当性について説明します。15ページの(4)、学会又は組織等の診療ガイドラインへの記載状況の項を御覧ください。欧州造血細胞移植学会及び欧州白血病ネットワークが公表しているガイドラインでは、MMFは、シクロスポリンとの併用で、GVHDの予防として標準治療であることと、急性及び慢性GVHDの治療に関する選択肢の1つであることが記載されております。国内の診療ガイドラインでは、GVHDの抑制に対する選択肢の1つとして、MMFの経口投与について記載されております。
 有効性について、20ページの(1)、要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価についての項を御覧ください。海外で実施された無作為化比較試験において、MMFはGVHDの予防効果を有することが示されております。本邦では、成人の造血幹細胞移植患者を対象とした国内臨床試験において、MMFの経口投与によるGVHDの抑制に対する有用性が報告されております。また、成人及び小児の国内使用実態調査において、GVHDの抑制に対するMMFの使用実態が確認されております。
 次に安全性について、20ページの(2)、要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価を御覧ください。国内外の臨床試験、国内使用実態調査で報告されている安全性に関する内容は、いずれもMMFの既承認の効能・効果において添付文書上で注意喚起されており、新たに問題となるような有害事象は認められていないことを確認しました。以上より、成人及び小児のGVHDに対するMMFの有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断しました。
 次に効能・効果について、21ページの8.効能・効果及び用法・用量等の記載の妥当性についての(1)、効能・効果についてを御覧ください。国内外の診療ガイドライン、公表文献の記載内容等から、「造血幹細胞移植における移植片対宿主病の抑制」を効能・効果として設定することは妥当と考えました。
 用法・用量についてを御覧ください。海外臨床試験の設定、海外の診療ガイドラインの記載、本邦における使用実態調査の結果、既承認の効能・効果における用法・用量の記載を踏まえ、報告書(案)に、記載の用法・用量を設定することが妥当と考えました。説明は以上です。

〇堀田座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまのワーキンググループの報告について、質問や御意見がありましたらよろしくお願いします。御発言の場合は、ミュートを外していただいて意思表示をしていただきますよう、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。これは、先ほどの報告の中にもありますが、腎移植後には既に承認されているもので、同種骨髄移植後にも臨床実態としては結構使われている状況があると思っております。これは、移植後のGVHDの予防と治療の両方含まれるという理解でよろしいのですね、そこはよろしいですか。皆さんそのように御理解いただければと思います。その他、何か御意見、御質問はありませんか。Webで参加の先生方も、何かありましたら御発言をお願いします。よろしいでしょうか。
 それでは、ただいまのMMFについてはワーキンググループの報告を承認したいと思います。ありがとうございました。小早川先生、どうもありがとうございました。
 それでは続きまして、抗がんワーキンググループから、資料4-2に基づいて米盛先生から御報告を頂きます。米盛先生、お願いします。

〇米盛参考人
 抗がんワーキンググループの米盛です。よろしくお願いします。抗がんワーキンググループからは、ブスルファンの公知申請への該当性に係る報告書について御報告いたします。資料4-2を御覧ください。要望内容について、1ページを御覧ください。小児に対するブスルファン1日1回投与の要望が提出されております。欧米6か国の承認状況等については、2ページ以降に記載しております。3~5ページに記載のとおり、オーストラリアでは小児に対するブスルファンの1日1回投与が承認されております。小児に対するブスルファン1日1回投与に関する公表論文などの内容については、5ページ以降に記載いたしました。また、14ページ以降に記載のとおり、総説や教科書においても、小児に対するブスルファンの1日1回投与が可能である旨が記載されております。
 本邦の臨床使用実態調査については、16ページ以降を御覧ください。小児に対するブスルファンの1日1回投与の使用実態が確認され、要望内容及びオーストラリアと同一の用法・用量での投与が確認されました。有効性については、当該使用実態調査では生着等が確認されております。また、安全性について、当該使用実態調査において、新たな注意喚起が必要な有害事象は認められておりません。
 公知申請の妥当性の判断については、17ページ以降を御覧ください。まず、有効性については、海外臨床試験成績、本邦臨床使用実態、国際的な教科書及び診療ガイドラインの記載内容並びに小児におけるブスルファンの薬物動態に明確な国内外差は生じていないと考えられていることを踏まえ、小児に対して要望された用法・用量における本薬の有効性は、医学薬学上公知と判断しております。
 次に、安全性について、国内外の臨床試験等における有害事象の発現状況については、18ページ以降に記載しております。これらの報告において、1日4回投与と比較して、1日1回投与で安全性プロファイルが明確に異なる傾向は認められず、新たな注意喚起が必要な事象は認められておりませんでした。
 以上に加え、成人に対するブスルファン1日1回投与及び1日4回投与、並びに小児に対するブスルファンの1日4回投与の主な有害事象、当該有害事象の管理など、日本人患者に対する一定の安全性情報は蓄積されていることを考慮すると、造血幹細胞移植の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師により、有害事象の観察や管理等の適切な対応がなされるのであれば、小児に対して要望されたブスルファンの1日1回投与の用法・用量は忍容可能と判断しております。以上の検討を踏まえ、要望された小児に対するブスルファンの1日1回投与の用法・用量の臨床的有用性は、医学薬学上公知と判断しております。
 効能・効果については、20ページに記載のとおり、既承認の効能・効果から変更する必要はないと考えております。以上になります。

〇堀田座長
 米盛先生、ありがとうございました。ただいまのワーキンググループからの報告、ブスルファンの用法・用量の変更についての報告について、御審議いただきたいと思います。御意見、御質問のある方はよろしくお願いします。

〇大森構成員
 私はブスルファンの幼児への投与をかなり経験しているのですが、患児の身体状況によって、かなり血中濃度、少なくともトラフの状態がふれているということを経験していまして、用法・用量を1日1回はいいのですが、その際に、TDMの必要性とか、そういうものは議論されたのでしょうか。

〇米盛参考人
 報告書の17ページに記載しております。TDMに関する議論については、報告書の21ページを御覧ください。小児の患者のうち、特に2歳以下の患者でTDMの必要性が高いということを考え、使用実態調査結果を確認したところ、2歳以下の患者で、必ずしもTDMが実施されているわけではないことを確認しております。
 また、TDMの実施の有無で安全性に明確な差は生じていないという結果でした。以上の内容を踏まえて、TDMを必須とすることの実施の可能性、また、小児の1日4回投与でTDMの実施が必須となっていないこと、臨床現場では患者の状態を踏まえていると思いますが、柔軟に対応されていることを踏まえて、本要望におけるTDMの実施は必須ではないということで忍容可能であろうと考えております。

〇堀田座長
 大森委員、今のお答えでよろしいですか。

〇大森構成員
 1点よろしいでしょうか。

〇堀田座長
 はい。

〇大森構成員
 かなり血中濃度が低くて生着しなかったという、移植後の生着率が思うようにいかなかったということも経験しているものですから、実際に生着率等の移植の成功の可否ということも含めると、そういうことも議論してほしかったなと思いますが、これは今回の1日1回投与のこととは趣旨が異なりますので、これからもそういうような臨床例をモニタリングしていっていただけたらと思います。

〇堀田座長
 ただいまの意見も今後反映させていただくとして、今回の公知申請に係る議論につきましては、この用法・用量で有効性及び安全性に特に大きな問題はなく、公知申請が可能という判断ですが、よろしいでしょうか。

〇宮川構成員
 それにつきまして、付随している事項ではないのですが、血中濃度曲線が少しでも分かるものがあれば、資料として一番良いのではないかと思います。それについては、今すぐではなくて、例えば公知申請から薬事承認の間に、そのような曲線が提示されるということになれば、わかりやすくなりますので、時間を掛けても追加していただければ有り難いなと思うのですが、いかがでしょうか。

〇堀田座長
 これはどなたが答えられますか。

〇大森構成員
 私も2年ぐらい前に、日本人の臨床例を調べたのですが、1例か2例ぐらいしかなかったのです。ですから、今、宮川構成員がおっしゃってくれたことは本当に重要なことなので、そういうようなことも含めて、よろしくお願いしたいと思います。宮川構成員の意見に賛成です。

〇堀田座長
 それでは、今後、公知申請は妥当として、これを薬事承認に持っていく間には、そういったデータも集めていただきたいということになろうかと思いますが、よろしいですか。よろしくお願いいたします。
 そのほかの御意見はいかがでしょうか。特になければ、小児での1回投与法の公知申請を妥当とするワーキンググループの報告を了承したいと思います。公知申請妥当にしたから必ず承認されるとは限りませんので、必要な作業を鋭意やっていただきたいと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 続きまして、小児ワーキングになりますが、資料4-3と資料4-4について、中村先生からお願いいたします。

〇中村参考人
 小児ワーキングの中村でございます。資料4-3を御覧ください。日本小児循環器学会及び日本小児麻酔学会より、ニトロプルシドナトリウム水和物(以下、「本薬」)の小児のうっ血性心不全に関する要望が提出されております。
 2ページ目、通しで78ページを御覧ください。本要望内容の医療上の必要性について説明いたします。新生児、小児におけるうっ血性心不全の原因は主として先天性疾患に基づく血行動態異常であり、重症例では急激な血圧上昇や血行動態異常を呈し生命に重大な影響を及ぼしますので、「ア 生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性についてですが、本薬は小児のうっ血性心不全に関して、米国、豪州で承認されており、国内外の代表的な教科書及びガイドラインでも、小児の急性のうっ血性心不全に使用する薬剤と位置付けられておりますから、「ウ 欧米等において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断いたしました。
 次に、本要望の公知該当性についてです。通しで91ページ、15ページを御覧ください。国内外で急性心不全の小児患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験は行われておりませんが、外国人小児の急性心不全患者を対象とした非盲検非対照試験や日本人小児の急性心不全患者を対象とした臨床研究において、本薬の有効性が確認されております。また、国内外のガイドラインや海外の教科書においても、本薬は小児における急性心不全の治療選択肢の1つと位置付けられています。加えて、先般実施されました国内使用実態調査で、本薬を投与されたほとんどの症例で急性心不全の症状が改善したということが報告されています。以上より、小児の急性心不全患者に対する本薬の有効性は示されていると判断いたしました。
 同じく、同じページの下になりますが、安全性についてです。国内外の文献や企業が収集した副作用報告から、小児の急性心不全の患者への本薬の投与によって、本薬の薬理作用に起因する血圧低下や心拍数増加や特徴的な副作用として知られるシアン中毒が生じる可能性が示されています。加えて、既承認の使用法では認められていないものの、要望内容の特に投与速度が早い条件下で使用した際に、一酸化炭素ヘモグロビン血症が生じる可能性が示唆されています。しかしながら、既知の副作用であるシアン中毒は、これまでと同様のモニタリングで管理可能と考えられること、一酸化炭素ヘモグロビン血症は基本的には本薬中止により速やかに回復することから、適切なモニタリングと異常時の迅速な対応で管理可能と考えられること、血圧低下や心拍数増加は本薬が緊急時に適切な対応がとれる施設において、循環器や救急医療に熟知した医師が連続的に循環動態を観察しながら投与される薬剤であり、対応は可能と考えられることを踏まえまして、ワーキンググループは日本人小児の急性心不全患者に本薬を投与する際に発現する副作用は、臨床使用において管理可能なものと判断いたしました。
 効能・効果についてですが、17ページ、通しで93ページを御覧ください。要望者からは、「小児におけるうっ血性心不全の治療」という形で要望されておりますが、「抗心不全薬の臨床評価方法に関するガイドライン」、薬食審発0329第18号、平成23年3月29日付けですが、基本的に「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」又は「慢性心不全」を効能・効果とするとされていること、類薬であるニトログリセリンの効能・効果が「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」であることから、「急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)」とし、小児における用法・用量を既存の用法・用量に加えて設定することが適切と判断いたしました。
 用法・用量については、95ページ以降に記載がございます。まず、開始投与速度ですが、要望された開始投与速度は0.5μg/kg/minは、米国及び豪州で承認内容は、実は0.3μg/kg/minで異なります。しかしながら、国内外の臨床試験等における開始投与速度はおおむね0.5μg/kg/minとなっております。国内外のガイドラインや教科書で示された最低投与速度や推奨されている開始投与速度も、おおむね0.5μg/kg/minでした。さらに、国内使用実態調査の結果、0.5μg/kg/minで投与された患者の割合が高かったことなども踏まえまして、開始投与速度は、通常0.5μg/kg/minとすることが妥当と判断しました。
 なお、海外添付文書では、できるだけ低速から投与を開始すべきであると記載されていること、国内使用実態調査で0.5μg/kg/min未満で投与された症例がいたことも踏まえ、開始用量に「年齢、症状により適宜減量する」との規定を設けることが妥当と判断いたしました。
 次に、維持投与速度についてですが、要望された維持投与速度は、米国及び豪州で承認されている平均有効投与速度及び海外ガイドラインで一般的に十分な効果が得られると記載されている投与速度とおおむね同一です。国内外臨床試験等において本薬による有効性が得られた投与速度が確認できる報告でも、おおむね3μg/kg/min以下の投与速度であったこと、及び国内使用実態調査でも、ほとんどの患者で主たる維持投与速度が3μg/kg/min以下とされていたことを踏まえまして、本薬の維持投与速度については、現在の成人の用法・用量における投与の目安となる維持投与速度の記載方法を踏襲しまして、「通常、3.0μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血行動態が得られ、それを維持できる」と記載することが妥当と考えました。
 最後に最高投与速度についてです。要望された最高投与速度の10μg/kg/minは米国及び豪州の承認内容、国外ガイドラインの推奨内容と同じでございます。国内の成人の既承認の用法・用量の最高投与速度は3μg/kg/minですが、国内使用実態調査において最高速度が3~10μg/kg/minの範囲でも認められ、当該速度で投与された症例において、本薬の減量や投与中止が必要となるような有害事象は認められておりません。また、本薬は緊急時に適切な対応を取れる施設において循環器や救急医療に十分な知識及び経験のある医師の下で、連続的に循環動態を観察しながら、状態に応じて徐々に増量される薬剤であるということも踏まえて、最高投与速度を10μg/kg/minと設定することが可能と考えました。
 なお、要望者から、一時的に高い投与速度での投与が必要とされる場合があるものの、基本的には3μg/kg/min以下で循環動態の管理が可能であると説明されていること、及び米国添付文書において最高投与速度で10分を超えて投与しない旨の注意喚起がなされていることを踏まえまして、3μg/kg/minを超える投与速度での投与は必要最小限にとどめるよう注意喚起する必要があると考えました。用法・用量、19ページ、通しの95ページの真ん中にある、ただいま説明した内容と同じですが、用法・用量は、ここに示した内容にすることが適切と判断いたしました。以上のように、本要望に係る効能・効果と用法・用量が設定できると考え、本要望内容は医学薬学上公知と判断いたしました。

〇堀田座長
 資料4-4は対象が違いますが、別々のほうがよろしいでしょうか。

〇中村参考人
 一緒でもよろしいと思います。

〇堀田座長
 では、続けてお願いいたします。

〇中村参考人
 疾患が違っていましても、ごく一部違うだけで、ほとんど同じ説明になります。少しだけ違っております。ほんのちょっと用量の所などが違うのです。議事録にも残りますので、ちゃんと説明させていただければと思います。
 資料4-4を御覧ください。日本小児循環器学会及び日本小児麻酔学会より、高血圧性緊急症に関する要望でございます。
 2ページ目で医療上の必要性について説明しております。高血圧性緊急症は標的器官への障害の徴候を示す重症高血圧で、標的器官障害には、高血圧性脳症、肺水腫を伴う急性左室不全、心筋虚血、急性大動脈解離、腎不全があります。これらの障害が急速に進行し、重症例では致死的な疾患であることから、「ア 生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」に該当すると判断いたしました。
 また、医療上の有用性についてですが、本薬は米国、加国、豪州において、高血圧性緊急症に係る小児の用法・用量が承認されており、また国内外の教科書及びガイドラインにおいて、小児の高血圧性緊急症の標準的療法に使用すべき薬剤と位置付けられておりますので、「ウ 欧米等において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられる」に該当すると判断しました。
 続きまして、公知申請の妥当性です。12ページ、通しで110ページを御覧ください。国内外で高血圧性緊急症の小児患者を対象とした無作為化二重盲検比較試験は行われていないものの、外国人小児の高血圧性緊急症患者を対象とした臨床試験において、本薬の有効性が確認されています。また、国内外のガイドライン及び教科書において、本薬は小児における高血圧性緊急症の治療選択の1つとして位置付けられています。加えて、先般実施した国内使用実態調査の結果から、本薬を投与された全ての症例で高血圧性緊急症の症状が改善したことが報告されていることから、小児の高血圧性緊急症患者に対する本薬の有効性は示されていると判断しました。
 安全性については、同じく12ページを御覧ください。海外臨床試験や企業が収集した副作用報告から、小児の高血圧性緊急症患者への本薬の投与によって、本薬の薬理作用に起因する血圧低下や心拍数増加や本薬の特徴的な副作用として知られるシアン中毒が生じる可能性が示されております。ここからしばらく同じ文章なので、先ほど説明したのと同じ理由によりまして、ワーキンググループとしましては、日本人小児の高血圧性緊急症患者に本薬を投与する際に発現する副作用は、臨床使用において管理可能なものと判断いたしました。
 効能・効果については14ページ、通しで112ページを御覧ください。要望者から、「小児における高血圧性緊急症の治療」と表記する要望がなされていましたが、効能・効果には疾患名を表記することが通常であることから、効能・効果は「高血圧性緊急症」とし、小児に用いる用法・用量を既存の用法・用量に加えて設定することが適切であると判断いたしました。
 用法・用量についても、112ページ以降3ページにわたりますが、まず開始投与速度についてです。ここも先ほどの説明と一緒でございます。要望された開始投与速度の0.5μg/kg/minが米国及び豪州の承認内容とは異なりますが、カナダの承認用量の最低投与速度と同じです。また、国内外のガイドラインや海外の教科書で示された最低投与速度も、おおむね0.5μg/kg/minです。国内使用実態調査の結果も、0.5μg/kg/minで投与された患者の割合が高かったことを踏まえて、開始投与速度は通常0.5μg/kg/minとすることが妥当と判断いたしました。海外添付文書では、できるだけ低速から開始すべき、国内でも0.5μg/kg/min未満で投与された症例もあったことを踏まえ、開始用量は、「年齢、症状により適宜減量する」と設定することが妥当と判断されます。
 維持投与速度についてですが、米国、豪州で承認されている平均有効投与速度、カナダで承認されている平均投与速度並びに国内ガイドラインに記載されている投与速度と、おおむね同一です。また、海外臨床試験において本薬による有効性が得られた投与速度が確認できる報告では、おおむね3μg/kg/min以下の投与速度であったこと、及び国内使用実態調査において、ほとんどの患者で主たる維持投与速度が3μg/kg/minであったことを踏まえ、本薬の維持投与速度については、現在の成人の用法・用量における投与の目安となる維持投与速度の記載方法を踏襲しまして、先ほどと同じく、「通常3.0μg/kg/分以下の投与速度で目的とする血行動態が得られ、それを維持できる」とすることが妥当と考えられます。
 最後に、3)最高投与速度です。要望された最高投与速度10μg/kg/minは、カナダで承認されている最高投与速度とは異なりますが、米国及び豪州の承認内容及び国内外ガイドライン及び教科書の推奨内容と同一です。国内の成人の既承認の用法・用量の最高投与速度は3μg/kg/minですが、国内使用実態調査において、最高投与速度が3~10μg/kg/minの範囲でも認められ、当該速度で投与された症例において、本薬の減量や投与中止が必要となるような有害事象は認められませんでした。また、本薬は緊急時に適切な対応が取れる施設において、循環器や救急医療に十分な知識及び経験のある医師の下で、連続的に循環動態を観察しながら、その状態に応じて除々に増量されるというものですので、最高投与速度を10μg/kg/minと設定することは可能と考えます。
 なお、要望者から、ここは先ほどと一緒なのですが、一時的に高い投与速度での投与が必要とされる場合があるものの、基本的には3μg/kg/min以下で循環動態の管理が可能であると説明されていることと、米国、カナダの添付文書で、最高投与速度で10分を超えて投与しない旨の注意喚起がなされていることを踏まえまして、3μg/kg/minを超える投与速度での投与は必要最小限にとどめるような注意喚起をする必要があると考えました。したがいまして、用法・用量、16ページ、通しで114ページですが、ここに書いてあるとおりの用法・用量が適切であると考えました。以上のように、本要望に係る効能・効果と用法・用量が設定できると考え、本要望内容は医学薬学上公知と判断いたしました。

〇堀田座長
 ありがとうございました。それでは、ただいまの資料4-3、資料4-4について、一括でお願いしたいと思いますが、対象疾患が違いますので、特に先天性小児疾患のうっ血性心不全という、いわゆる慢性型のものと、高血圧性緊急症ということで対象は少し違いますが、基本的に使い方はほぼ同じだと思います。いかがでしょうか。

〇小川構成員
 これは内科のほうでは30年以上使っている薬ですし、非常に安全性も確立していますし、先ほど申しましたシアン中毒ですが、そんなに長期に使うことはございませんので、小児で当然に使われていい薬ではないか、必要な薬ではないかと思っております。

〇堀田座長
 そのほかはいかがでしょうか。

〇五十嵐構成員
 小児科のほうとしては、私も医者になった直後に、海外から輸入して使っておりました。非常に有効ですし安全だと思います。肝不全あるいは腎不全のときに血中濃度が上がりますので、少し注意が必要だと思いますけれども、この度、これが認められることは大変うれしいことだと思います。

〇堀田座長
 そのほかによろしいでしょうか。これは現在では代替薬というのはないのでしたか。いろいろあるけれども、これがよく使われているということですか。

〇中村参考人
 今、五十嵐先生がおっしゃいましたように、極めて、小児科でも必要時に使っていると認識しております。

〇堀田座長
 逆に言うと、30年も前に内科で使われているのに、小児で使われていないというのはどういうことなのでしょうか。

〇中村参考人
 それはお役所の方に聞いていただいてもよろしいかと思うのですが、そのような薬がほかにもままありますので。

〇堀田座長
 分かりました。五十嵐先生、それでよろしいですか。

〇五十嵐構成員
 結構です。ありがとうございます。

〇小川構成員
 とにかくかなり昔から使っていました。30年はたっていると思います。

〇堀田座長
 というわけで、安全性あるいは有効性には特に問題なく、必要だということでありますので、公知申請を皆さんで御承認いただけますでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、今までを通して、何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 続きまして、企業から提出された開発工程表等について、事務局から御説明をお願いします。

〇医政局研究開発振興課治験推進室長
 通し番号で紹介させていただきます。まず、117ページを御覧ください。資料5-1、「企業から提出をされた開発工程表について」の資料です。最初の○を御覧いただければと思います。順次要望を行っておりますが、第I回の183件、第II回の93件、第III回の44件、それから第IV回の40件について、全ての開発要請先企業から、令和2年11月16日時点の更新版が提出されております。前回からの変更点は、先ほどもございましたが、第IV回の要望について、第13回の開発要請において10件の追加がございましたので、もともと30件だったところを、今回40件とさせていただいております。
 続きまして、121ページを御覧ください。資料5-2、第I回の要望に関する資料です。前回からの変更について御紹介いたします。承認済みの所、右端に179件となっておりますが、これは前回から2件増えておりまして179件となっています。具体的な品目について御紹介いたします。少し飛びますが134ページを御覧ください。変わったところ、要望番号について青で着色をしています。要望番号の200、日本臓器製薬のトラマドール塩酸塩ですが、2020年9月に承認となっています。それから、141ページの要望番号80、塩野義製薬のオキシコドン塩酸塩です。こちらは2020年10月に承認になっているものです。第I回要望については以上です。
 続きまして、通し番号153ページを御覧ください。資料5-3、第II回要望に関する資料ですが、こちらは前回からの進捗はないということです。
 続きまして、179ページを御覧ください。資料5-4、第III回要望に関する資料ですが、こちらも承認済みですが、右端に30件となっており、前回より1件増えていることになります。またその2つ下の治験計画届提出済みですが、前回から1件減った結果として、今3件ということです。こちらも具体的な品目の御紹介をさせていただきます。186ページまで飛んでいただければと思います。要望番号III-マル4-3、武田薬品工業のミダゾラムですが、2020年9月に承認となっています。また、189ページ、要望番号III-マル1-11ですが、テデュグルチド(遺伝子組換え)ですが、こちらは第1回開発要請分として治験計画届提出済みと記載されていましたが、承認申請済みに移行したものになっております。
 続きまして、203ページを御覧ください。第IV回の要望に関する資料で、要望そのものの数が10件増えているというものですが、前回からの進捗を御紹介しますと、承認済みが8件となっており、前回から1件増えております。またその次の承認申請済み、こちらは0件となっていますが、前回から1件減っております。治験計画届提出済みが5件となっていますが、前回から2件増えております。そして公知申請予定ですが、9件増えて、結果として24件となっております。具体的な品目の状況について御紹介いたします。205ページを御覧ください。要望番号IVS-15、ノバルティスファーマのオクトレオチド酢酸塩ですが、こちらが2020年8月に承認となっております。次に、208ページを御覧ください。要望番号IV-44、それから45と続きですが、ファイザーのソマトロピン(遺伝子組換え)が治験計画届提出済みになっております。
 最後に資料6の関係です。217ページからとなっていますが、こちらの219ページを御覧ください。開発企業の募集を行った医薬品に係る進捗状況についての資料ですが、9と10、イソトレチノインとAngiotensinIIについて、前回の会議で御審議いただいた結果を受けて公募への追加がなされております。このうち、イソトレチノインについては並行して検討依頼にかけさせていただいているということで、同じページの下にございます。以上です。

〇堀田座長
 ただいまの開発工程表に係る取組の説明につきまして、何か御質問、御意見はございますでしょうか。比較的粛々と進めるべきものは進んでいるという状況かと思いますが、よろしいでしょうか。特に問題がなければ了承としたいと思います。また開発企業の募集を行ったリストがあって、これはずっと最初からのものから一覧になっておりますけれども、前回以降で開発状況が進んだのは今のところ、この1件ということです。品目が追加になってまいりますので、少し増えつつあるということですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは最後に、資料7について事務局から御説明をお願いします。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 事務局です。資料7、最後の221ページになりますけれども、こちらの資料を御覧ください。「オファツムマブの要望について」ということで、中ほどに要望の概要とありますが、リンパ腫の患者団体である「グループ・ネクサス・ジャパン」から御要望いただいたものです。上の文章の1パラの中ほどを御覧ください。平成24年4月6日に「慢性リンパ性白血病」を効能・効果とする開発要請を行ったところですが、この後、「再発又は難治性のCD20陽性の慢性リンパ性白血病」について、平成25年3月に製造販売承認を取得したということになっています。要望内容、開発要請内容、最終的に承認が取れたもので、若干表現に違いがございますけれども、こちらについて要望者から、既に承認されている効能・効果で要望が満たされているものと判断するという申出がありましたので、本要望の開発要請は既に対応がなされたものというように処理したいと思います。説明は以上です。

〇堀田座長
 オファツムマブの要望が満たされているということで、一応この段階で取り下げるという形ですか。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 対応されたということです。

〇堀田座長
 取り下げではなくて、もう対応済みという理解ですね。いかがでしょうか。確かに、オファツムマブはCD20に対するヒト型モノクローナル抗体で、CD20陽性でないと効かないということだから、陽性例に限定付きには基本的になるわけですね。この要望には特に記載されていないけれども、この中に含まれるという解釈であるということでよろしいかと思います。よろしいでしょうか。ということで、要望については既に満たされているということで了承したいと思います。ありがとうございました。
 これで一応、予定した議題はここまでになりますが、少し時間もありますし、これまでを通して、何か御発言、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。Webの先生方も、何かこの際御発言、御意見はございませんか。

〇宮川構成員
 宮川です、よろしいですか。薬機法の改正で、特定用途医薬品の指定制度というのが導入されて、小児の効能・効果も追加などという開発が非常に増えてくることが期待されております。本検討会の小児ワーキンググループの対象品目が多かったわけですけれども、今後そのワーキンググループの体制を強化かするとか、そこを手厚くするというか、そういう必要性があるのかどうか、検討御意見を頂きたいと思ったのですが、いかがでしょうか。

〇堀田座長
 これは中村先生に答えてもらうものではないと思います。厚労省側として、そういう体制強化について何かお考えはありますか。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長
 審査管理課吉田でございます。実際のワーキングの状況と言いますか、現時点の状況がどうなのかはちょっと掌握しておりませんけれども、ただ、御指摘のとおり、特定用途医薬品の関係についても、この検討会議で検討していただく形になっておりますし、そういったこともありますので、一定の予算的な措置と言いますか、そのことも検討させていただいている状況です。従いまして、その中で、ワーキングのメンバーについての体制強化が必要だということであれば、ちょっと考えさせていただきたいと思います。そこは先生方とか、あるいはPMDA、その辺とよく話し合って検討させていただければと思っております。

〇宮川構成員
 私としても、議題が終わったので、和やかにいろいろな相談をしようかと思って、強い要望ということではなく、件数が多くなってきたものですから提案させていただきました。そういう意味では、重要なことなのかなと考えております。

〇堀田座長
 確かに小児の薬剤の検討課題が多くはなってきていますので、それに見合った体制というのが必要だという認識だと思います。ありがとうございました。
 そのほかはいかがですか。よろしいですか。それでは今日は山本審議官、それから鎌田局長、お二人お揃いで出ていただいているので、時間もありますことから、何か最近の状況とか、話していただけるのであれば大変有り難いのですが、一言でもお願いします。

〇医薬・生活衛生局長
 御紹介いただきました鎌田でございます。3月末に着任して、何回かこの会議があったのですが、参加できずに失礼いたしました。今更ですが、今後ともよろしくお願いします。何かお話できることはないかということですが、正に3月末に来て、会議も参加できずにいた理由というのがコロナ対応でございます。コロナのことについては、もう既に皆さん大体御存じでございますし、私がやってきたのは正直、まだこの場でも話せないようなことですので、情報提供できることこは余りございません。最近の動きではないのですが、実は私、この会議には発足当初から非常に関心を持っておりました。すなわち、これまでの薬事制度、あるいは保険制度において、こういった医療ニーズ、あるいは患者さんのニーズをどう取り込んでいくのかということに対して出された一つの知恵で、それを果たしてこられたということで私は注目しておりました。
 特にこれまで私は、新薬創出加算とか、ドラッグラグの解消にも携わっていたので、非常に重要であり着目しておりました。やはり日本の医療制度、特に医療保険制度を背景として、日本的と言えばそうですが、どのように現場の課題に答えを出してきたのかということに関心を持っておりました。他方、その後、新薬創出加算制度が恒久化されたことによる企業の対応がどうなるか。時期的には、その前ですが、似たようなもので患者申出制度ができました。そういうものができ、あるいは制度が変わった後でも、この会議が変わらずあるということをここの局長になりましてからも注目していました。先ほど宮川先生から、特定用途医薬品指定制度についてございましたけれども、課長は責任があるので、もごもご言っていましたけれども、確か記憶では正に、私の着任前にこの法律ができたのですけれども、その施行を検討する過程において、では、この特定用途というのはどういった形で決めるのか、誰が決めるのかという議論をして、そういう意味ではこの検討会は一番近いだろうと。そうすると御指摘のような形での今後の体制というものもあるのだろうというように受け止めておりました。無責任に言える立場ではない課長なのであれでしょうけれども、そういう意味では雑談というより、評論家的なコメントで恐縮ですが、以前からこの会議というのは非常に重要で、またこれからも恐らく患者ニーズ、あるいは医療現場のニーズと薬事制度、さらに保険制度と調和していくという意味では必要ですので、引き続きよろしくお願いいたします。

〇堀田座長
 ありがとうございました。山本審議官、何か一言。

〇大臣官房審議官
 私も局長と同じでございまして、もしお時間をいただけるなら、小児のことを少し。局長に重ねてですが、制度も施行されて、この会議等を活用してどんどん現場でニーズがあるもの、特に先生方から、うん十年前から使っているというニーズがあって、よいものは何とか早く決着して薬事の中で然るべき使い方をしっかり定めて、現場に再度改めてお知らせできるようにしたいと思いますので、ワーキングが必要であればもちろん体制は整えていきますし、未承認薬のこの会議で、先生方が、小児がたくさんあると言っていただけたのがちょっとうれしいなと思っております。もっと悲鳴が上がるぐらい、案件が、課題となっているものがここで処理されていくことを本当に期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

〇堀田座長
 ありがとうございました。力強いお言葉を頂きましたので、今後ともいろいろ、この検討会も段々変遷しながら、新たな課題をそのときに合ったやり方で検討してきておりますので、今後とも皆様方の御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 事務局から何か、今後のこと等についてありましたらよろしくお願いします。

〇医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 事務局です。スムーズな議事進行をどうもありがとうございました。次回の検討会議ですけれども、来年になりますが、3月11日木曜日13時からを予定しております。開催形式につきましては、決定次第御連絡いたします。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

〇堀田座長
 これを持ちまして、「第43回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を終了いたします。ありがとうございました。
 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4165、4229)

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