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2020年2月12日 第40回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和2年2月12日(水) 15:00~17:00

 

○場所

AP新橋 Aルーム(3階)
東京都港区新橋1-12-9 A-PLACE 新橋駅前

○出席者

出席構成員

新構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員、大森構成員、岡部構成員
小川構成員、落合構成員、合田構成員、佐藤構成員、田村構成員
平林構成員、堀田構成員、村島構成員、山本構成員、横谷構成員
 

出席参考人

石川参考人、内場参考人、宮崎参考人、米盛参考人

○議題

第I~III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 定刻となりましたので、ただいまより第40回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を開催いたします。本日は長島構成員、平安構成員、柳原構成員より御欠席との連絡を頂いております。五十嵐構成員については、こちらに向かっているところだと思います。現在のところ、16名の先生に出席いただいております。また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たり、各ワーキンググループのメンバーから、石川参考人、宮崎参考人、米盛参考人に御出席いただいております。また、資料3-3に関する御説明で、内場参考人に御出席いただいております。

 続いて、事務局についてですが、医薬品審査管理課長及び研究開発振興課長については、所用がございまして欠席の可能性がございます。申し訳ございません。

 続きまして、事務局の人事異動について御報告いたします。大臣官房審議官(医薬担当)の山本です。医薬品審査管理課長の吉田が着任しましたが、先ほど御案内したとおりです。カメラ撮影はここまででお願いいたします。それでは、以降の議事進行を堀田座長にお願いいたします。

 

○堀田座長

 皆さん、こんにちは。実は一度、先回はパスになりましたので、久々のお集まりですが、本日はどうぞよろしくお願いいたします。まず、本日の配布資料の確認を事務局からお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料についてはペーパーレス化を実施しております。各委員におかれましては、お手元のタブレット端末で資料を御確認ください。タブレット端末は、議事次第を画面に表示した状態で配布されております。他の資料を画面に表示するためには、画像の左上のマイプライベートファイルをタップしていただければと思います。

 本日の資料として、マイプライベートファイルに表示されているファイルがございますが、上から順に、当日配布資料1「前回会議資料4の訂正について」、当日配布資料2「モルヒネ塩酸塩水和物にかかる開発方針について」です。以降は、従前の資料と同様に、資料0の議事次第から始まり、資料1「検討会議概要」、資料2-1から資料2-3が「専門作業班の検討状況と第Ⅳ回の要望一覧について」です。資料3-1から資料3-3が「医療上の必要性の評価」、資料4「公知申請への該当性に係る報告書」、資料5「企業から提出された開発工程表」及び「開発工程表の概要等」、資料6「公募医薬品のリスト」、資料7Cytarabine liposomalの要望について」となっています。以上の資料を配布しております。

 参考資料については、「参考資料」というPDFファイルがございますので、そちらで示してあります。その中の参考資料6については、執行部に所属している学会について毎回まとめていますが、前回の会議資料を現時点の内容に更新して示しています。本会議の公平性の観点から、当面は、構成員のうち、当該学会の執行部に在籍する方は、当該要望に係る背景事情等の説明は行うものの、議決には参加しないこととなっております。本資料の内容に誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。プライベートファイルのファイル一覧では、最後に座席表のファイルが入っております。本日の審議については、こちらの内容に基づいて進めさせていただきます。タブレットの不具合、その他がございましたら、事務局までお申し付けいただければと思います。

 

○堀田座長

 それでは、タブレットのほうは大丈夫でしょうか。途中で不都合がありましたら手を挙げていただければ、担当の方がサポートに入られると思います。よろしくお願いします。

 では、前回の会議は826日でしたが、事務局から、その後の進捗状況についての説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 それでは、マイプライベートファイルに戻っていただきまして、資料1を御覧ください。1枚目のスライドの右下のほうに、各回の開発要請の件数等をお示ししているところです。本年1月末までに、新たに開発要請、開発企業募集を行った品目がありましたので、件数を更新しています。企業に開発要請を行ったものについて、第Ⅳ回要望について、前回は20件と報告しておりましたが、26件に更新しております。それに関しては、他の同様の記載がある部分は、併せて変更しております。それ以外の箇所については変更はございません。資料1については以上です。

 

○堀田座長

 では、資料1について、何か御質問がありましたらお願いいたします。いかがでしょうか。これについては、特に問題はないでしょうか。それでは、引き続きまして、第Ⅰ回から第Ⅳ回の未承認薬・適応外薬の開発要望について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料2-1を御覧ください。第Ⅰ回から第Ⅲ回までの要望については、今回の検討会議から一括して御報告させていただくこととして、資料の構成を変更しております。第Ⅰ回から第Ⅲ回の要望について、前回会議までの状況は、1ページの左側の表の右上の「合計欄」になりますが、未承認薬が95件、適応外薬は250件、合計345件については医療上の必要性が高いとの評価を頂いてきたところです。前回会議時点で、検討中のものが10件ございましたが、当該品目については、今回の会合までに新たな進捗はございませんので、引き続き検討中という状況です。医療上の必要性に関して検討中である品目については、この資料2-1の別添1(3ページ目から5ページ目まで)に、一覧として取りまとめております。

 続いて、2ページを御覧ください。こちらは開発要請又は開発企業の募集を行った品目の状況を示しています。資料の左側の下の表ですが、前回会議時点で、検討中のものとして14件がございましたが、当該品目については今回会議までの進捗はなく、引き続き検討中という状況です。こちらの品目の個別の詳細の状況については、この資料の6ページから7ページにある別添2に一覧として取りまとめております。資料2-1の説明については以上です。

 マイプライベートファイルに戻っていただきまして、資料2-2を御覧ください。資料2-2は平成2741日から平成31430日までの第Ⅳ回要望についての進捗状況を取りまとめたものです。1ページの左側の表の右上の合計欄の数字ですが、第Ⅳ回要望については、前回会議までに、未承認薬で8件、適応外薬で19件、迅速実用化スキームに関するものが5件、合計32件については医療上必要性が高いとの評価を頂いております。前回会議時点で検討中であった34件については、これまで検討を行っていたところですが、右側の表になります。抗がん剤のワーキンググループで1件、生物ワーキンググループにおいて1件が、医療上の必要性が高いと評価されており、これらについては資料3-2及び資料3-3で御報告させていただきます。また、前回会議時点で検討中であった品目のうち、1件については治験届が提出されたことから、この検討会議の検討対象外となりました。詳細については、資料2-28ページにまとめております。医療上の必要性に関して、検討中の品目のその他の詳細については、この資料の3ページから7ページの別添1に、一覧として取りまとめております。これが医療上の必要性に関する検討状況です。

 続いて、2ページ目を御覧ください。こちらは開発要請又は開発企業募集を行った品目の状況をお示ししています。資料右側の4.「前回検討会議から本会議までの開発要請と公知申請の妥当性の確認に係る進捗状況について」の1つ目ですが、前回会議で医療上の必要性が高いと評価された6品目については令和元年919日に開発要請を行っています。前回会議時点で検討中のものは、この資料の左側の下の表に記載していますが、12件です。検討中の品目は、この6件を含めて合計18件でしたが、このうち1件については公知申請が妥当であると評価され、もう1件については既に開発に着手しているものとなりましたので、引き続き検討中のものは16件という状況です。公知申請が妥当であると評価された1件については資料4で御報告させていただきます。既に開発に着手しているものということで御紹介した1件については、11ページ目に状況が示されています。検討中のものの詳細については、この資料の9ページから10ページの別添2に一覧としてまとめております。灰色で示した部分が、前回会議からの変更箇所ということになります。これが第Ⅳ回要望に関する医療上の必要性や開発に関する状況です。

 続いて、資料2-3を御覧ください。こちらは令和元年51日から令和2131日までの第Ⅳ回要望を取りまとめたものです。この期間中は、未承認薬が2件、適応外薬が15件、合計17件の要望がありました。このうち、抗菌・抗炎症ワーキンググループにおいて、2件が医療上の必要性が高いと評価されており、こちらについては資料3-1で御報告させていただきます。今後については、頂いた要望を引き続き個別に検討を進めさせていただければと思います。説明は以上です。

 

○堀田座長

 ただいま第Ⅰ回から第Ⅳ回要望の対応状況について説明いただきましたが、何か御意見、御質問はございますでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようであれば、続いて要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について御説明をお願いします。抗菌・抗炎症ワーキンググループから宮崎先生に来ていただいていますので、御報告をお願いいたします。

 

○宮崎参考人

 それでは、報告させていただきます。資料3-1を御覧ください。アナキンラについて、日本リウマチ学会、日本小児リウマチ学会及び厚生労働科学研究「自己免疫疾患に関する調査研究」研究班から、要望番号Ⅳ-80として成人スチル病、Ⅳ-81として全身型若年性特発性関節炎に関する2要望が提出されております。2ページを御覧ください。備考欄の1)に記したとおり、成人スチル病と全身型若年性特発性関節炎は類似した疾患ですので、2つの要望の医療上の必要性を併せて検討させていただきました。以降の説明は、1ページの成人スチル病に係る資料に基づいてさせていただきますが、全身型若年性特発性関節炎に関しても同様の評価となっておりますので、3ページを御覧いただき、適宜御確認いただければと思います。

 まず、適応疾患の重篤性についてです。成人スチル病及び全身型若年性特発性関節炎は39度以上の発熱や皮疹、慢性関節炎等を有する疾患であり、死に至るような重篤な転帰をたどる場合があることから、いずれの要望とも、「ア」の生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)に該当すると判断いたしました。

 続いて、医療上の有用性についてです。本剤は、イギリス、ドイツ、フランスにおいて、成人スチル病及び全身型若年性特発性関節炎の効能・効果で承認されております。米国リウマチ学会の診療ガイドラインでは、副腎皮質ステロイドやNSAIDs(非ステロイド型消炎鎮痛剤)では効果不十分な患者に対して、本邦で既に承認されている他の生物製剤に先んじて投与される位置付けと記載されております。以上のことから、本剤は海外において標準的な治療として位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待されるというように判断いたしました。そのことから、いずれの要望とも「ウ」に該当すると判断しております。

 なお、最初に申し上げましたが、本剤は未承認薬であります。現時点では、本邦における臨床試験成績が存在しておりません。学会等から要望されている用法・用量の適切性や安全性は、今後、適当な方法で検討される必要があると考えております。抗菌・抗炎症WGからは以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまのワーキンググループからの報告について、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。このアナキンラは、個人輸入等で、国内での使用実績はあるのでしょうか。

 

○宮崎参考人

 他の疾患でも、クリオピリンの周期性の熱といったものに対しての研究報告のようなものは、10例とか20例程度ですが、出ております。

 

○堀田座長

 クリオピリン関連周期性熱症候群に対する抗炎症性の薬剤として本検討会の最初の頃、ここでも随分議論のあったケースもありますが、今回は対象が違うということです。今のこの位置付けですと、アナキンラは成人スティル病と全身型若年性特発性関節炎に対してトシリズマブよりも前に使うという位置付けで必要性が高いという報告ですが、いかがでしょうか。特に、御関係の先生はいかがでしょうか。

 

○田村構成員

 今IL1の阻害薬としてはカナキヌマブがございまして、それは家族性地中海熱等、先ほどのクリオピリン等が適応になっているのですが、これはアナキンラということなのですが、カナキヌマブではなくてアナキンラであるのは、多分こちらのほうが薬価の問題などがあるのかもしれないのですが、その辺に関しては何かありますか。

 

○宮崎参考人

 今回は特段比較はしておりませんで、出された要望について、海外で承認されていて、標準的なものかどうかという点でのみの評価として出しています。

 

○田村構成員

 ありがとうございます。多分、海外ではこちらのほうが標準的ということなのだと思います。

 

○宮崎参考人

 そのような記載がたくさんございまして、調査をしてもらったのですが、そういうことでした。

 

○田村構成員

 ありがとうございます。

 

○堀田座長

 村島構成員からは何かございますか。

 

○村島構成員

 カナキヌマブは適応は通っていないのでしたか。

 

○宮崎参考人

 通っていないです。

 

○村島構成員

 そういう意味での田村先生の御意見だと思います。この領域で比較的使われているカナキヌマブが、まだ適応が通っていない中で、アナンキラが先に俎上に上がったということについての疑問だと思うのですが、カナキヌマブは要望にも出ていないのですね。

 

○田村構成員

 そうですね。お話にあったように、多分海外でこちらが一般的だということで、こちらのほうが多分古くからある薬剤なので、それでこちらで要望が上がっているということだと思います。

 

○村島構成員

 私自身より、田村先生のほうがこの領域の最新の治療に詳しいと思うのですが、選択肢が増えるという意味では大変ありがたい御判断かなと思うのですが、そうですよね。

 

○田村構成員

 はい、非常に。やはり一部の患者にはIL-6でも効果が不十分な方もいますので、このIL-1の阻害薬が適応になるというのは、有り難いことだというように思います。

 

○村島構成員

 カナキヌマブが、もしも適応が通っていなくて要望が出ていないとすれば、学会で今後それも出していくべきと思うのですが。

 

○田村構成員

 そうですね。ひょっとしたらカナキヌマブはかなり高額な薬剤ということもあるので、そういうようなこともあるのかもしれません。

 

○村島構成員

 いずれにしても有り難い結論だと思います。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 構成員の先生方に情報提供をさせていただきます。まず、カナキヌマブの適応ですが、全身性若年性特発性関節炎について、効能・効果を持っています。今回のアナキンラと、例えばトシリズマブの違いということですが、御承知のとおり、カナキヌマブやトシリズマブは抗体製剤でして、今回のアナキンラはタンパク製剤ではありますが、IL1に結合して拮抗するタンパク質で、交代よりももう少し分子量としては小さい医薬品です。

 

○村島構成員

 よく理解できました。だから、カナキヌマブのほうは、若年性のほうでは適応が通っているけれども成人発症のスチル病では、まだということですね。それについては学会が今後、要望を出すかどうかを考えなければいけないことかなと思いました。よく理解いたしました。ありがとうございます。

 

○堀田座長

 大分状況が分かってまいりました。成人スチルと若年性特発性関節炎が、今回は学会からの要望ということなので、これについての必要性があるかどうかということで判断いただいたということです。このワーキンググループの報告は御了承いただけますでしょうか。どうもありがとうございました。これは御了解いただたいたということにしたいと思います。

 続きまして、抗がんワーキンググループから米盛先生、御報告をお願いいたします。

 

○米盛参考人

 よろしくお願いいたします。抗がんWGです。資料3-2を御覧ください。要望番号Ⅳ-71、要望者名は日本血液学会、要望されている薬品はトレチノインです。要望内容は、効能・効果として急性前骨髄球性白血病。用法・用量は、通常、成人にはトレチノイン160mgから80mg(45mg/m2)を、2回又は3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するとされております。

 まず、適応疾病の重篤性の該当性について報告いたします。急性前骨髄球性白血病は致死的な疾患であり、適応疾病の重篤性は「ア」に該当すると判断しております。医療上の有用性についての該当性は、欧米等の承認内容並びに診療ガイドライン及び教科書の記載内容、海外臨床試験成績等から、トレチノインと他の抗悪性腫瘍剤との併用投与及びトレチノインの単独投与は、急性前骨髄球性白血病に対する寛解導入後療法として、欧米等において標準的治療の1つに位置付けられていると考えております。また、当該併用投与及び単独投与に関する国内臨床試験成績等が報告されており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が高いと考えられております。したがって、WGでは「ウ」に該当すると判断しております。以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは、ただいまの報告について御質問、御意見を頂きたいと思います。トレチノインについては、添付文書によると、効能・効果について、成人の寛解導入療法と規定されているのですね。その限定的な記載を削るという要望かと理解していますが、そのような理解でよろしいですか。導入療法と地固め療法若しくは維持療法にも使うと、そういう意味合いですか。

 

○米盛参考人

 はい。加えて、用法・用量で、「3回に分けて」というところを、「2回」も許容するということになっています。

 

○堀田座長

 ということで、これは急性前骨髄球性白血病には、ファーストラインで欠くべからざる薬でありますので、使い方を国際標準に合わせるということだと思います。いかがですか。特に問題ないでしょうか。

 ありがとうございます。それでは、トレチノインについては、WGの報告を了解したいと思います。ありがとうございました。

 続いて、生物WGです。石川先生にお願いしたいと思います。

 

○石川参考人

 生物WGから報告いたします。資料は、3-3です。1ページですが、乾燥人フィブリノゲンについて、日本産婦人科学会から、産科危機的出血、心臓血管外科手術に伴う後天性低フィブリノゲン血症による出血傾向の改善に係る適応外要望が提出されております。なお、少し下になりますが、要望内容の備考欄のとおり、凝固障害のために止血困難が認められ、フィブリノゲン値が150mg/dLを切る場合に、適応とすることが要望学会より提案されております。

 適応疾病の重篤性についての該当性については、産科危機的出血及び心臓血管外科手術に伴う大量出血は死に至る場合があることから「ア」に該当すると判断いたしました。医療上の有用性についての該当性については、要望されている適応について、まず1つは、主要6か国ではドイツのみですが、ドイツを含め海外では18か国で承認されているということ。もう1つは、適応外のガイドラインにおいて、フィブリノゲン製剤の投与を推奨又は考慮できるとされていること。3つ目は、複数の非介入研究及び非対照試験の結果から、フィブリノゲン製剤の投与による血中フィブリノゲン値の上昇が確認されていること、また、フィブリノゲン製剤の投与による出血量や輸血量の減少が示唆されている報告もあること。このようなことから、要望された適応に対して、速やかにフィブリノゲン補充可能な薬剤として有用性が期待できると判断いたしました。以上から、本要望の医療上の必要性は高いと判断しております。

 なお、要望内容の備考欄には、産科危機的出血を引き起こす病態として、羊水塞栓症、弛緩出血、常位胎盤早期剥離等、また、心臓血管外科手術が行われる状況として、大動脈瘤手術、心臓再手術が記載されております。これらについては、評価書末尾の備考欄のとおり、WGとしては一例として示されているものと考えて、WGにおける検討では、これらの病態等に限らずに、産科危機的出血及び心臓血管外科手術に伴う大量出血時の乾燥人フィブリノゲン製剤の投与について、医療上の必要性の評価を行っております。これらを適応対象として明記することの適切性を含め、本剤の投与対象及び投与条件については、今後も慎重な検討が必要と考えております。また、効能・効果及び用法・用量の具体的な記載は、関連する注意事項も含めて今後調整する必要があると考えております。生物WGからの報告は以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。それでは多少、専門的な部分もありますので、ここで、今日は参考人として内場先生にお越しいただいていますので、内場先生から補足説明をお願いいたします。

 

○内場参考人

 フィブリノゲンの値が低くなる病態、産科的な出血、外科的な出血ですが、どちらも緊急性は非常に複雑な病態であって、フィブリノゲンが下がっているときには確かに止血困難になりますけれども、それが全て原因とはまだ結論が出ていない状態です。というのは、これは他の疾患と違って、そういうような状況になったときに、それから前向き検討とかは不可能ですので、実質上は経験的なところでフィブリノゲンが下がっているときは出血している、フィブリノゲンを入れたら止まったという報告があることは間違いないようです。ただし、一部前向き検討とかのマスデータでやろうとすると、どうしても緩い症例が入ってくるためもあるかもしれませんが、海外国際治験としては、うまくいっていない、結果がまだ出ていないという状況が正しいところだと思います。

 ですので、文書の所で、3ページの上ですかね、減少が示唆されている報告もあるというような曖昧な書き方になっているのは、実はがっちりとしたエビデンスがあるというわけではないというところです。ですから、一部症例としては確かにフィブリノゲンが下がっていますから、補充することによって止血可能な症例もあるかと思いますが、全ての症例において完全に効くかどうか十分に分かっていないことも含めて、今後もう少し突き詰めていく。本当に必要な、どのような症例を使うべきか、例えばフィブリノゲンの値が150mgの妥当性があるかということについては、まだ検討していただく必要があるかなと、私は考えます。

 

○堀田座長

 それでは、ただいまのお二方の報告あるいはコメントを踏まえて、大森構成員、どうぞ。

 

○大森構成員

 大森です。非常に丁寧な説明をどうもありがとうございました。1つ薬学的な観点というか、今、内場先生がおっしゃってくださったような緊急で使うということを前提にして話をしますと、これは2ページになるのでしょうか、備考の最後の2ポツの所の内容は非常に重要です。即断、即決ということですので、対象、条件、効能・効果とか、そういうことについては、具体的に瞬時に判断ができるような形で結論を出していただけるようにお願いいたします。必須であるということで、私は大変難しいことを言っているのだと思うのですが、瞬時にそういう判断をして処方する、処方を受けた側も、きちんとした投与方法また適応になっているという判断ができるようにするためには、そういう情報も必要であろうかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

○堀田座長

 そういったことも含めて、今後は検討が必要だということだと思います。そのほか、いかがでしょうか。

 

○小川構成員

 小川です。ここに記載されているとおり、特に心臓外科で出血が止まらないようなことは、まれにですが、あります。その場合、これが使えないと非常に困るということを現場からの意見としても聞いておりますので、是非、前向きに検討していただきたいと思っています。おっしゃったとおり、なかなか前向き試験とか、そういうきちんとしたエビデンスをなかなか出しにくい領域だとは思うのですが、先ほどの御説明にもありましたように、解釈も少し含めて考えていただきたいと思っております。少しではなくて、強く考えていただきたい、そのように思っております。

 

○堀田座長

 そのほかはいかがですか。落合先生、何かありますか。

 

○落合構成員

 産科の立場から申し上げます。ここに書いてあるような病態が大量出血を起こすというのは、教科書的にも知られた事実ではあるのです。しかし実際には、単一の原因というより、むしろ複合的な要因で出血しているということが多いので、これをを十分理解した上で、フィブリノゲン使用という選択肢があるというのは、現場では非常に有り難いと思います。人フィブリノゲンに関しては、ここでも何回か検討してきたことです。今、小川先生からもお話がありましたが、心臓外科手術時の大量出血もある意味では、非常に似た病態で、瞬時に判断して投与する必要があります。ということで今回の承認いただけるということは、臨床現場では本当に助かると思います。

 ただ、今後、症例をきちんと解析していく上でも、情報を集めて、なるべく正しい情報の下で使用できるような環境を作っていくということも大切だと思います。承認後の検討に関しても是非、言及していただけたら有り難いと思います。

 

○堀田座長

 医療現場では、緊急性のあるケースで非常に待たれていると思うのですが、このお薬に関しては、かつての歴史的ないろいろな問題もあり、やはり適正な使用ということが重要なポイントでもありますので、今後そこも含めて詰めていっていただければと思います。医療上の必要性の判断ということについては、ただいまのWG及び内場先生のコメントで了承いただけますか。

 特に問題がなければ、これは了承とさせていただきます。ありがとうございました。

 続いて、公知申請の該当性に係る報告書()ですが、資料4に基づいて小児WGから、これも石川先生から御報告をお願いいたします。

 

○石川参考人

 恐れ入ります。それでは、続いて小児のWGから御報告をしたいと思います。オクトレオチドについては、資料4を御覧ください。本要望は、日本小児内分泌学会からのジアゾキシド不応性先天性高インスリン血症に伴う低血糖症状の改善の効能追加に係る要望です。要望内容に関する医療上の必要性については、1ページ下の2番を御覧ください。適応疾患の重篤性に関しての該当性については、高度の低血糖の持続により、重篤な中枢神経後遺症に至る場合があること等から、「ウ」と判断しております。医療上の有用性に関しての該当性については、ジアゾキシドに不応の先天性高インスリン血症、ちょっと長いのでこの後はCHIと呼ばせていただきますが、これに対して承認されている薬剤は現状ではないということから、「ア」に該当すると判断し、本要望について開発要請が行われているところです。

 公知該当性について説明いたします。35ページの(2)に当たりますが、欧米等6か国での標準的使用状況についての項を御覧ください。本要望の効能・効果では、欧米等6か国のいずれにおいても残念ながら承認されておりませんが、米国及び英国のガイドラインではCHIに対する治療として、フランス、オーストラリアのガイドラインでは、ジアゾキシドに不応のCHIに対する治療として、オクトレオチドが記載されております。

 6ページのSCORCH試験の部分を御覧ください。生後2週以上12か月未満のジアゾキシドに不応のCHI患者を対象に、これは先進医療Bの枠組みで臨床研究が実施されております。用法・用量は、オクトレオチドとして5μg/kg/日から開始することとされ、25μg/kg/日を上限として、持続皮下投与をされております。有効性について、投与開始前24時間と、オクトレオチド投与開始48時間での平均血糖値が評価されて、平均血糖値が50mg/dL以上の上昇が認められた患者を有効例、平均血糖値の上昇が50mg/dL未満の患者については、持続的血糖上昇が得られて、かつ1週間以内のブドウ糖輸液が減量可能となった患者を臨床的有効例といたしました。オクトレオチド投与前と比較して持続的な血糖上昇が認められ、オクトレオチドが有効と判断された患者は5例中3例でした。

 安全性については、因果関係が疑われた事象は、嘔吐、白色便、アルカリホスファターゼ増加、リンパ球増加症、好酸球増加症、脱毛(1)が出ておりました。

 続いて1516ページの項を御覧ください。(1)要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における有効性の総合評価についての項です。ジアゾキシドに不応のCHI患者に対するオクトレオチド投与に関する症例報告及び症例集積が国内外で100報以上認められます。また、先ほど述べたSCORCH試験と同時期に、レトロスペクティブな調査としてSCORCHレジストリが国内で実施され、国内ガイドラインで推奨されている用法・用量で血糖上昇効果が確認されております。さらに、国内外の複数の教科書、ガイドライン及び総説で、ジアゾキシドに不応のCHIに対するオクトレオチドの投与が推奨されています。

 続いて16ページの(2)ですが、要望内容に係る外国人におけるエビデンス及び日本人における安全性の総合評価についての項を御覧ください。ジアゾキシドに不応のCHI患者にオクトレオチドを投与した際の主なリスクとして、消化器症状、肝機能障害、胆石、QT延長、壊死性腸炎、成長障害等が国内外のガイドライン、総説等で記載されておりますが、いずれの事象もCHI患者にオクトレオチドを投与する際に広く知られている事象で、現行の添付文書における注意喚起、新しく小児に対する適切な注意喚起を行うことで管理が可能であると考えております。以上のことから、ジアゾキシドに不応のCHIに対するオクトレオチド酢酸塩の有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断いたしました。

 次に、効能・効果については17ページの8.効能・効果及び用法・用量の記載の妥当性についての(1)効能・効果についての項を御覧ください。臨床試験成績、国際的な教科書及び国内外のガイドラインの記載内容等を踏まえて、オクトレオチドの既承認の効能での注意喚起の表現及びジアゾキシドにおける注意喚起の内容も考慮して、効能・効果及び効能・効果に関連する使用上の注意を、ここに記載しているように設定することが妥当と判断いたしました。

 最後に、17ページの(2)用法・用量についての項を御覧ください。SCORCH試験の規定、本邦のガイドライン、教科書及び総説を踏まえて、用法・用量及び用法・用量に関連する使用上の注意を、ここに記載しているように設定することが妥当と判断しております。説明は以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。先天性の高インスリン血症に対するお薬が、今は適応となるものがないという現状の中で、必要性はもちろんあるわけですが、公知と言えるかどうか、ここのところの議論だと思います。報告書ではSCORCH試験の、国内の試験でありますが、これが極めて重要な位置付けになるということかと思いますが、いかがでしょうか。海外では、臨床試験とか治験とかという形にはなっていないということですね。要するに、経験を元にしたガイドラインとか、そういったものはあると言うことかと思います。

 

○石川参考人

 おっしゃるとおり、各国でガイドラインというものはできているのですが、実際のデータとして適応を取るというところにまでは至っておりません。やはり、どうしても症例数が多くないものですから、そこまでには至っていないと思っております。

 

○堀田座長

 伊藤構成員、どうぞ。

 

○伊藤構成員

 新生児の使用はどうなっているのでしょうか。

 

○石川参考人

 今、私のほうでは今データを持ち合わせてはいないのですが、事務局でお持ちですか。

 

○横谷構成員

 日本小児内分泌学会で長らく関与してきましたが、現在、執行部からは外れておりますので、まず情報提供をさせていただきたいと思います。新生児への使用に関しても、SCORCHのレジストリで、日齢の中央値が18日だったと思うので、十分に、レジストリの中に新生児への使用が含まれているので、そこで安全性等も検討されていると。

 

○伊藤構成員

 壊死性腸炎の発症がどのぐらいだったかなと。

 

○横谷構成員

 その数字に関しては、報告を見てみないと分からないのですが、全体から見ると、この薬剤の必要な効果、期待される効果と、予測される有害事象に対する対応とのバランスを見たときに、この薬剤を使用するということに関して、そのほうが臨床的には価値があるという判断をそれぞれがしていたと理解しておりますけれども、数字まではちょっと記憶していないです。

 

○伊藤構成員

 それは理解していますが、やはり新生児にも有用な薬だと思います。ただ、この報告書で新生児の所の壊死性腸炎が問題であるということを強調していますので、開発の時に、どのような書きぶりをするかという方向性を含めて聞いたわけです。だから、日本でのデータがある程度分かったら、それも入れるのがいいのかなと思いました。

 

○堀田座長

 ほかにいかがでしょうか。これは少数例とはいえ、日本で先進医療Bで行った試験を元にしているというのがとても意味があるのではないかと考えます。海外が認めたからというだけではなくて、能動的に日本で、データを用いて公知申請ができるという1つの道筋ができてきたと評価したいと思います。先生、何かありますか。

 

○横谷構成員

 審議に参加するのは微妙なので、後で結論が出た後でコメントさせていただければと思います。

 

○堀田座長

 ほかに、よろしいでしょうか。では、ジアゾキシド不応性先天性高インスリン血症に伴う低血糖症状に対するオクトレオチドの公知申請の妥当性についてはWGの報告を了承いただけますでしょうか。

 ありがとうございます。それでは横谷先生、お願いいたします。

 

○横谷構成員

 この薬剤は、小児内分泌学会が要望した薬剤で、2011年の第Ⅰ回要望から始まっており、20123月の第11回の本会議において、各国で記載されているガイドラインの根拠に十分な根拠がないということと、用法・用量が設定できないといったことから、有用性までは認められないという判断になったものです。その後、堀田座長もおっしゃったように、先進医療Bの枠組みを使った臨床研究が国内で行われて、先進6か国では承認のなかったものが公知申請の妥当性の評価に値するというところまで到達したということで、大変有り難い話だと思いますし、今後このような希少な疾患に関する筋道としてもあり得るものだということで、こういった例が出てくることは大変意味があるものだと思います。

 先進6か国でも、もし日本で承認が得られて国内で使えるようになりましたというときには、先進6か国の他でも承認がないので、そのようにこういったデータあるいは承認の議論を諸外国にも波及できるようになるならば、この検討会の在り方としても非常に有り難いことではないかなと思っております。以上です。

 

○堀田座長

 大変貴重なコメントを頂きました。海外のガイドラインとか、そういうところにも、こういったデータが反映されるということは喜ばしいことだと思います。伊藤構成員、どうぞ。

 

○伊藤構成員 1点だけです。この報告書を見ていると、静注をした例もあるというのが書いてありましたね。だから、例えば急性期のときに、なかなか普通の治療で効かなくて急性期のときに使いたいときに、静注があったらいいような気がするのですが、その議論はなかったでしょうか。

 

○横谷構成員

 日本小児内分泌学会が主に用法・用量について設定をしてきて、多くの方々がそれに従ってくださったので、それについての議論は、私自身は聞いていないです。そのときにはブドウ糖を大量に投与して、なかなか効きは悪いですが、ブドウ糖をとにかく投与しながら持続皮下注で効果を待つというやり方を、標準的なやり方として進めるという考えだと思います。

 

○伊藤構成員

 ありがとうございました。

 

○堀田座長

 それでは、公知申請の妥当性についてはここまでにさせていただいて、続いて企業から提出された開発工程表等について、事務局から説明をお願いいたします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 では、説明いたします。プライベートファイルを開けていただきまして、資料5-1、企業から提出された開発工程表についてというファイルを開けてください。1ページ目の最初の○に書いてあります。企業に対して開発要請を行っている要望(第Ⅰ回要望183件、第Ⅱ回要望93件、第Ⅲ回要望44件、第Ⅳ回要望27)について、開発要請先企業から令和元年731日時点の更新版が提出されています。未提出企業はありません。前回からの変更点ですけれども、第Ⅲ回要望は、前回報告した内容から1件の取り下げがありましたので45件から44件になっています。第Ⅳ回要望ですが、第10回の開発要請で4件追加になりましたので23件から27件に増えているということです。

 プライベートファイルに戻っていただき、資料5-2を開けてください。資料5-21ページ目です。これは第1回要望分ということです。開発状況ですけれども、前回からの進捗状況の変化を御紹介しますと、承認申請済みの所が前回から1件増えて2件になっています。また、治験計画届提出済みが前回から1件減って3件ということで、合計183件という状況です。

 また、個別品目の状況を御紹介します。22ページの最初の表です。要望番号200番、日本臓器製薬のトラマドール塩酸塩、現在は承認申請という形になっています。前回は治験届提出済みということでした。

 次に、23ページを見てください。23ページの最初の表の要望番号182番、エーザイの「ONTAK」で、成分はデニロイキン、ジフチトクス(遺伝子組換え)ですが、治験が終了して申請準備中となっています。

 プライベートファイルに戻っていただき、資料5-3を開けてください。資料5-3は第2回要望分です。これにつきましては開発状況について前回からの進捗の変化はございません。また、一部の内容についてはワーキンググループにおける申請予定の変化等の状況がございますけれども実質的な変更はございませんので説明は割愛させていただきます。

 プライベートファイルに戻っていただき、資料5-4を開けてください。資料5-4は第3回の要望分です。1ページですが、開発状況について御説明します。承認済みの所が前回から3件増えて28件となっています。承認申請済みが前回から2件減って1件となっています。治験計画届提出済みが前回から1件減って7件となっています。治験計画届提出予定が前回から1件減って0件になっています。そして合計が1件減って44件という状況です。また、取り下げは1件増えて7件となっているところです。

 具体的な品目を御紹介しますと、6ページを御覧ください。6ページの表です。要望番号Ⅲ--18とⅢ--19、グラクソ・スミスクラインのA型ボツリヌス菌毒素、これが201912月に承認となっています。次に、8ページの2つ目の表です。要望番号Ⅲ--80、あすか製薬のレボチロキシンナトリウム、これが令和21月に承認されています。また、10ページの要望番号Ⅲ--41、大塚製薬のトルバブタン、これが承認申請になっています。

 11ページを御覧ください。11ページの3つ目の表です。要望番号Ⅲ--3、シャイアー・ジャパンのミダゾラム、これは予定される販売名として、「ブコラム口腔用液」というものに更新されています。21ページまで飛んでください。21ページの最初の表です。要望番号Ⅲ--10、セルジーンのレナリドミド水和物、これにつきましては前回報告しましたとおり、取り下げとなっています。

 続きまして、プライベートファイルに戻っていただきまして資料5-5を開けてください。資料5-51ページ目です。前回からの進捗を御紹介しますと、承認申請済みが前回から2件増えて2件、治験計画届提出済みが前回から1件増えて2件、公知申請予定が前回から1件減って13件、その他が前回から3件増えて5件、合計5件増加で27件という状況です。

 具体的な品目の状況を御紹介しますと、3ページを開けてください。3ページの最初の表です。要望番号Ⅳ-46、全薬工業のリツキシマブ(遺伝子組換え)、これが前回は公知申請予定でしたが、承認申請というステータスに変わっています。その次の表です。Ⅳ-66、大塚製薬のブスルファン、これにつきましても前回は公知申請予定でしたが、承認申請というステータスに変わっています。

 4ページを御覧ください。4ページの最初の表です。要望番号Ⅳ-27、藤本製薬のケノデオキシコール酸、これにつきましては前回はその他でしたが、今回、治験計画届を提出というステータスになっています。5ページの要望番号Ⅳ-51、Ⅳ-52、中外製薬のミコフェノール酸 モフェチル、これについては前回会議後の開発要請を踏まえ、公知申請を予定しているということになっています。次に、10ページの要望番号Ⅳ-44、Ⅳ-45、また、要望番号Ⅳ-60とⅣ-61、それぞれファイザー製薬株式会社のソマトロピン(遺伝子組換え)、及びダニ媒介脳炎ウイルスワクチン、これにつきましては前回会議後の開発要請を踏まえ、治験準備中というステータスになっています。

 続きまして、プライベートファイルに戻っていただき、資料6を御覧ください。資料6は開発企業の募集を行った医薬品の進捗状況です。まず、2ページの第Ⅲ回要望募集の表の№4のイベルメクチン、対象疾病がアタマジラミ症(小児)ですが、これは前回治験準備中でしたが、治験実施中というステータスに変わっています。

 3ページの第Ⅳ回要望募集の№4のβ-グルクロニダーゼ、対象疾病がムコ多糖症Ⅶ型に見られる諸症状の改善ですが、これは前回、口頭で御説明しましたが、アミカス・セラピューティクス株式会社が企業名を公表し、また、開発状況を治験実施中としています。その下の№5のコール酸、対象疾病が先天性胆汁酸代謝異常症ですが、これにつきましては新たに開発企業の手挙げが行われました。企業名も公表可能としておりまして、株式会社レクメドという会社になり、開発状況は治験準備中ということです。

 なお、1ページ目の第1回公募の№14のモルヒネ塩酸塩水和物につきましては、この後、御説明する事項がございますので、追って当日配布資料のほうで御説明したいと思います。以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。企業への開発要請の品目につきましての報告ですが、何か御質問や御意見はございますか。よろしいですか。対応が難しいケースも残っていて、要望ⅠからⅢまではなかなか進んでいない部分もありますけれども、Ⅳについては粛々と動いているという印象です。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、この報告は了承としたいと思います。引き続き、資料7につきまして事務局からお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 資料7Cytarabine liposomalの要望について御説明させていただきます。ファイルを開けていただければと思います。品目はCytarabine liposomalで、日本リンパ網内系学会及び日本血液学会より、悪性リンパ腫に伴う髄膜播種で要望があったものです。こちらにつきましては、平成251228日から平成26630日までに実施した、第Ⅲ回第二期開発要望募集に対して要望書が提出されたもので、開発企業の公募を行っているところです。当該品目については、本剤の製造を行っていた企業が本剤の製造を中止したこと等から、要望学会から要望の取り下げの申出がございましたので、それを御報告させていただきます。説明は以上でございます。

 

○堀田座長

 途中で開発企業が生産しないことになったことによって、必然的に学会のほうから取り下げ要望があったということですが、これについてはいかがでしょうか。今後は当面、見通しがないということですかね。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 もともとの製造を行っているほうの企業が、製造を中止してしまったという経緯でございまして、なかなか同じものをということは困難であるという背景と聞いております。

 

○堀田座長

 いかがでしょうか。開発企業の公募を行っていたけれども、その企業自体が、今、製造していないという状況から応募のしようがないということですかね。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 元となる企業が生産をやめてしまったので、導入することができないという状態です。

 

○堀田座長

 ということで、学会のほうから自主的に取り下げという形になりましたけれども、これはよろしいですね。特に異論はないかと思います。それでは、続きまして、当日配布資料に移りたいと思います。当日配布資料1につきまして事務局から御説明を頂きます。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 マイプライベートファイルから、当日配布資料1の「前回会議資料4の訂正について」を開けていただければと思います。前回の会議資料4、公知申請の該当性に係る報告書()の効能・効果の記載につきまして、「自家造血幹細胞」と記すべきところを、「自家幹細胞」と記している所がございましたので、訂正させていただくものです。なお、この訂正による公知申請の該当性に係る結果の変更はございません。説明は以上です。

 

○堀田座長

 というわけで、「造血」という文字が抜けていたことの訂正ですが、特に問題ないですね。よろしいでしょうか。それでは、これは了承としたいと思います。続きまして、当日配付資料2に移りたいと思います。事務局からよろしくお願いします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 説明いたします。プライベートファイルに戻っていただきまして、当日配付資料2、上から2つ目です。「モルヒネ塩酸塩水和物にかかる開発方針について」というファィルを開けてください。よろしいでしょうか。このモルヒネ塩酸塩水和物にかかる下記の要望につきましては、第Ⅰ回要望におきまして医療上の必要性が高いと判断されており、開発企業の公募を行い、開発の意思の申し出を示す企業があったことから、開発の進捗の確認を行ってきたところです。具体的には、対象疾病として、「中等度から高度の疼痛をともなう各種癌における鎮痛及び難治性慢性疼痛に対する鎮痛における体内植え込み型薬剤投与ポンプを用いた脊髄くも膜下腔内持続投与」ということです。これにつきまして、これまで開発を行ってきた企業から次のような開発方針にかかる申し出がありましたので、今後の進め方について確認をお願いできればと思っています。

 申入れ内容につきましては、まず最初のポツです。開発を行ってきた企業は、武田薬品工業株式会社です。当該要望についてはこれまで、体内植え込み型薬剤投与ポンプによる持続投与に適した製剤開発による新規製剤の承認取得を目指し、開発を進めてきております。

 しかしながら、これまでの検討により製剤開発に伴う開発の長期化が懸念されたことから、開発方針を転換し、以下のとおり開発を進めることで、医療現場の要望が早期に実現するように対応を進めたいということでした。まず、製剤については新規開発を行わず、局方モルヒネ注を製剤として用いるということ。2つ目として、体内植え込み型薬剤投与ポンプについて、局方モルヒネ注の持続投与に用いることのできることを保証する医療機器の承認を取得するということです。

 この医療機器につきましては、医療機器の製造販売業をもつ別企業、具体的には日本メドトロニック株式会社が承認取得を目指すことになりますが、武田としましては、モルヒネ注に関する情報を共有しつつ、開発を進めることとしたいということです。また、両社から要望者に対して、今、説明しました方針について相談を行いまして、この方針で開発を進めることで差し支えない旨を確認済みです。

 2ページです。これを受けまして、本検討会議としての進め方の御提案です。1つ目の○ですが、開発企業から申し出があった開発の方針については、医薬品としての新規承認が生じないことになりますので、本検討会議のスキームとは違ってしまうのですが、一応、要望者の了解の上、医療現場における早期の導入が見込まれることから、妥当であると、事務局では考えております。

 2つ目の〇ですが、医療機器としての承認が行われることについては、本検討会議における議論の結果を、実は未承認医療機器に関しては、未承認医薬品に係る本会の枠組みと同じような枠組みとして、「医療ニーズの高い医療機器の早期導入にかかる検討会」というものが別途ありますので、こちらのほうに報告をして、同検討会における医療ニーズの高い医療機器として扱うことについて検討を依頼したいと考えております。これらについて御検討いただければと思います。以上です。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。といいうわけで、このモルヒネ塩酸塩につきましては、開発品目が変わって局方品となると、それ自体は開発の対象ではないこととなります。。一方で、機器として開発は残るので、今後は機器開発の検討会のほうに、この課題を移行させたいといった提案ですけれども、いかがでしょうか。特に異論はありませんか。局方品でやれるということになれば、それはそれで新規の薬剤ではないので、通常に機器のほうだけでやっていただければいいとなりますね。向こうは向こうで、これは医薬品としてのコンバインとして扱うのですか。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 こちらのほうの状況、これまで集めた情報等を提供した上で、議論していただく形になるかと思います。

 

○堀田座長

 分かりました。いかがでしょうか。大森委員、どうぞ。

 

○大森構成員

 確認ですが、これは、いわゆる局方モルヒネ注にするということは決定なのでしょうか。いろいろな情報があって、戻して、また製剤化をするとか、そういうふうなことが、もし起こるのであるならば、こちらでもきちんと頒価を取得しておかなくてはいけないものだと思いますので、その辺のところを御説明いただけたらと思います。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 武田薬品からの話で、基本的には局方モルヒネを使うことで開発を進めるということで、このような調整になっているということです。

 

○大森構成員

 また新たに剤形開発というふうに振られてくることはないわけですね。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

 現在では、特にそういうことは聞いておりません。

 

○堀田座長

 ということで、当面、この開発自体は局方品を使ってという話になるので、この検討会の対象からは外れるという理解で、よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは医療機器のほうに、これをバトンタッチさせていただきたいと思います。ありがとうございました。そうしますと、今日はいろいろ御意見を頂きましたけれども、大体これで予定のものは終わりますが、事務局から何かお伝えすることがありますか。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 事務局から、人事異動につきまして1件、冒頭に御紹介できなかった医薬品審査管理課長の吉田を紹介いたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課長

 吉田でございます。会の冒頭に参加できず申し訳ございません。どうぞよろしくお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 続きまして、今年度で委員を辞任される先生がおられますので御紹介させていただければと思います。平安構成員と佐藤構成員でございます。平安構成員は平成284月から4年間にわたり、検討会議に御参加いただきました。佐藤構成員につきましては平成287月から39か月にわたり、同じく構成員として本検討会議での検討に御参加いただきました。この場を借りまして厚く御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。

 

○堀田座長

 今、メンバーの御紹介等がありましたけれども、今日、冒頭にちょっとだけ御挨拶いただきました審議官と局長がここにいらっしゃいますので、最新の情報等がありましたら、また例によって無茶振りで申し訳ありませんが、情報提供いただければと思います。

 

○医薬・生活衛生局長

 局長でございます。いつもお世話になっています。私は去年の8月に次いで今日は2回目ということになります。

 まず何と言っても、実は今、本当に世の中全体が新型コロナウイルスの関係が耳目を賑わせているところでございます。検疫とか検査薬、あるいはその先のワクチン、治療薬の開発ということがいろいろ課題になっています。そうした関係で御相談させていただいている先生もいらっしゃると思いますし、これからお力を借りる先生もいらっしゃると思いますので、それにつきまして、まずお礼と、あらかじめお願いみたいなことを申し上げておきたいと思います。

 去年の8月から今までということで言いますと、何と言っても大きいのは薬機法の改正が、幸い去年の臨時国会におきまして1127日に成立し、124日に公布されています。薬機法の改正で、今回の改正は大きく分けて3つぐらい大きな内容があるかなと思っています。1つは承認審査の合理化で、今まで通知でやっていた先駆け審査とか条件付き審査、あるいは特定用途の医薬品に対する優先審査といったものを、法律上、きっちりと位置付けて、これが開発する企業のほうの予見性を増すことになろうと思います。我が国において優れた医薬品が1日も早く市場に出るように、そういうところでの承認審査の合理化を図る。

 2番目として、それと併せてということだと思いますし、私もいろいろな所で言うときにはこれを表裏と言っているのですが、そういう新しい薬が出てくることになりますし、また薬を使うほうも、例えば疼痛緩和などの話で、がんのお薬などもそうですが、在宅でお薬を服薬しながら、なかなか難しい病気あるいは慢性的な病気について治療をする患者さんが増えています。あるいは介護のサービスも受けながら服薬治療をする患者さんも増えています。

 そういう中で新しい薬、あるいは副作用が強いけれども、よく効く薬といったものをきちんと使っていただく。また、介護とか他の複数の診療科にかかっておられる方について、きちんと服薬していただくことをやっていくために地域連携薬局、それから専門医療機関連携薬局と、薬局を2つのカテゴリーに分けます。これは今までの薬局を無理やり分けるというのではなく、薬局の中からそういう看板を掲げて、それにふさわしい能力を持っている薬局ですということで、患者さんに選んでいただきやすくするということです。地域のかかりつけということで、いろいろな相談に応じられるとか、場合によっては在宅での介護なども合わせて、どういうふうに治療方針を持っていくかの相談にも応じられるということを狙った地域連携薬局と、高度な医療との連携です。例えば、治療方針を医療機関のお医者さんと薬剤師が共有しながら、しっかりと対応していくことも含めた専門医療機関連携薬局を作れるようにする。

 それと併せて、これは外から聞かれることが多いのですが、オンライン服薬指導です。診療は面と向かってではなくてもできると、法律上はなっていますが、服薬指導は薬機法上、面と向かってやりなさいと書いてあったものですから、ここを外しまして、オンライン服薬指導ができるようにするという改正をしています。ただ、これもオンライン診療と基本的に同じで、必ず1回は面と向かってということで、基本的にはオンライン診療に引き続くオンライン服薬指導を想定しているわけです。ただ、在宅訪問診療をされた場合にもオンライン服薬指導ができるようにということで、これはオンライン診療より少し広い使い道になると思いますが、そうした薬局と薬剤師関係、これが2番です。

 3番目としては、前回薬機法から5年の間にいろいろなことがありました。高血圧の薬の誇大広告もありました。それから作り方で、承認を取った製造方法と違う作り方で長年作っていたこともありました。また、偽薬を高く売っているケースもありましたので、こうしたことに応えるためのコンプライアンス、私は一言で、コンブライアンスをガバナンスにしてくださいという改正だと言っているのですが、企業の役員の中でそういうコンプライアンスを、しっかりと責任を持って行える人をつくってくださいということと、現場の責任者は何か気が付いたことがあったら、経営陣としっかりと情報共有して対応してくださいということを入れているところです。

 ノンペーパーでいろいろと喋りまして恐縮ですが、これは施行を法律公布後1年内、2年内、3年内で、それと今ので言うと1年内というのは承認審査のところですし、薬局の関係は2年内となっています。3年目の話としては、医薬品にバーコードを付けてくださいということを義務化する。これは3年目ということにしています。そんなようなことで、これから具体的な省令というレベルで決めることになると思いますが、この法律の内容を踏まえて細目を決める作業が、今年、残っていますから、これを順次、できるだけ早く省令の具体的内容について整理をして、パブコメ、その他の手続を経て施行できるようにしたいと思っているところです。また、これからいろいろなことでお知恵を頂戴することがあろうかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

 ありがとうございました。山本審議官、何かあればお願いします。

 

○大臣官房審議官(医薬担当)

 今、樽見局長から御説明申し上げたとおり法律の公布を受けて、これから施行に向けての作業が始まります。1つだけ付け加えるなら、今回、特定用途という分野を法律で作りまして、それは、お薬自体は承認されている。成人の用法・用量などは既に承認されているのですが、例えば、小児の用法・用量や剤形がまだ手付かずのままとか、そういったものについて新たに優先審査の対象とするものですので、是非、開発に着手をしていただきたいと考えています。特定用途医薬品の対象として、想定する分野としましては、現時点で、小児やAMRという部分を考えております。

 併せまして、これまで法律にありましたオーファンの開発助成とか税制優遇と同じように、特定用途に該当するようなものを開発される方々には開発助成を公的資金の中から幾ばくかをお出しする、また、一定条件に適合する場合には税制優遇策も活用していただけるといった政策パッケージを盛り込んだ法律改正になっております。そこら辺は、この未承認会議で御議論いただいているものも小児やAMRはかなりありますので、そういったこととリンクさせながら、この法律に盛り込まれた事項を実行していきたいと考えています。この未承認会議にも非常に関わり深くなってくると思います。また改めて御説明の機会は施行の前までに、どこかでいただこうと思っております。以上でございます。

 

○堀田座長

 これは質疑応答はなしということにしたいと思いますので、ありがとうございました。最後に、事務局から次回の予定等をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

 ありがとうございました。次年度から新しいメンバーをお迎えしての開催になろうかと思います。次回検討会議は、527()15時から17時を予定しております。御多用のところ恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

 それでは、第40回の検討会議をこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。


 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4165、4229)

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