ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第38回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2019年5月29日)

 
 

2019年5月29日 第38回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

令和元年5月29日(水) 15:00~17:00

 

○場所

厚生労働省専用第15会議室(中央合同庁舎5号館12階)
東京都千代田区霞が関1-2-2

○出席者

出席構成員

新構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、大江構成員
大森構成員、落合構成員、合田構成員、佐藤構成員、田村構成員
長島構成員、平林構成員、堀田構成員、村島構成員、柳原構成員、横谷構成員
 

出席参考人

勝野参考人、水上参考人、米盛参考人

○議題

第I回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第IV回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
開発要請品目の公知申請への該当性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事


○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 定刻より少し早めでございますが、構成員の先生方が皆様お集りになられましたので、もし差し支えなければ議事を開始したいと思いますが、いかがでしょうか。
 
○堀田座長
 ワーキンググループの方も御出席ですか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 はい。
 
○堀田座長
 それでは始めてもよろしいですか。では、お願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 それではどうぞよろしくお願いいたします。ただいまより第38回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を開催いたします。
 会議に先立ちまして、本検討会議の構成員に変更がございましたので、新たに御参画いただくことになりました構成員の先生を御紹介申し上げます。国立がん研究センター中央病院副院長(教育担当)・呼吸器内科長の大江裕一郎委員です。長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・診断学(臨床検査医学)教授の柳原克紀委員です。
 本日は、岡部構成員、小川構成員、平安構成員、山本構成員より御欠席との御連絡を頂いております。現在のところ16名の先生に御出席いただいております。また、本日はワーキンググループの検討状況を御報告するに当たり、各ワーキンググループのメンバーから勝野参考人、水上参考人、米盛参考人に御出席いただいております。なお、本日は他の用務の関係で大臣官房審議官(医薬担当)の森は欠席させていただいております。何とぞ、御容赦いただければと思います。カメラ撮影につきましてはここまででお願いいたします。それでは、堀田座長に以後の議事進行をお願いいたします。
 
○堀田座長
 皆さんこんにちは。本年度最初の検討会ですけれども、新しいメンバーお二人に参加していただいて、また新たに出発したいと思います。まず、本日の配布資料の確認を事務局からお願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 資料につきまして、ペーパーレス化を進めておりまして、各委員のお手元のタブレット端末で資料を御確認いただければと思います。まず左上のマイプライベートファイルを指でタップしていただいて、資料一覧の画面を表示していただければと思います。本日の資料としてマイプライベートファイルに表示されている上から順番に、議事次第配布資料一覧、資料1が検討会議概要、資料2-1~資料2-4が第I回から第IV回の要望に係る専門作業班の検討状況について、資料2-5が第IV回の要望一覧で今回新たに追加されるもの、資料3-1と資料3-2が医療上の必要性の報告、資料4が公知申請への該当性に係る報告書(案)、資料5-1が企業から提出された開発工程表について、資料5-2~資料5-5が第I回から第IV回の要望の企業から提出された開発工程表の概要、資料6が公募医薬品のリスト、資料7がアプレピタントの要望に関する内容です。以上の資料を配布しております。
 また、参考資料につきましては、ひとつづりにしております。開催要綱や構成員の名簿、ワーキンググループの設置、ワーキングメンバーの名簿、医療上の必要性の評価の基準、開発を要請した企業の指定の考え方、人道的見知から実施される治験の制度該当性基準について、あと執行部に所属している学会についてという内容になっております。恐れいりますが、参考資料6を開けてください。一番最後の「執行部に所属している学会について」の所ですが、各先生方からの情報提供を踏まえ、前回の会議資料から現時点の内容に更新させていただいております。本会議の公平性の観点から、当面は構成員のうち当該学会のうち執行部、理事会メンバー以上の方を想定しておりますが、そちらに在席する方は当該要望に係る背景事情の説明は行うものの、議決には参加しないこととしております。資料の内容等に誤り等がありましたら、この時点でお知らせいただければと思います。
 あともう1つ残りました資料は座席表です。本日の審議につきましては、こちらの内容に基づいて進めていただければと思います。タブレットの不具合、その他資料に何かありましたら事務局までお申し付けください。
 
○堀田座長
 よろしいでしょうか。タブレットの不具合等がありましたら、途中でも手を挙げていただきますと担当者が伺いますので、よろしくお願いいたします。
 前回の会議は2月6日に開催しておりますけれども、その後の進捗状況について、事務局から説明をお願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 資料1を御覧ください。前回から変更しました部分を御説明いたします。資料の最初のスライドの右下の開発要請について、本年の4月末までに新たに開発要請、開発企業の募集を行った品目がありますので、件数を更進いたしました。企業に開発要請を行ったものについて、第IV回要請の件数を前回15件と御報告しておりましたが、17件に更新されました。それ以外の箇所については変更はございません。2ページについても同様に変更しております。資料1は以上です。
 
○堀田座長
 よろしいですか。ちょっと字が小さい所がありますから、こうやって親指と人差し指で拡げていただければ拡大できますので、皆さんスマホを使っておられる方はよく分かっていらっしゃると思いますが、特に問題はないですか。それではよろしくお願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 それからタブレットを横にしていただいくと少し文字が大きくなるかなと思います。資料2-1を御覧ください。第I回の要望について進捗の状況を取りまとめたものになります。第I回の要望に係る剤については、今回の会議で治験の状況等に特段の変更はございませんので、引き続き開発企業が治験相談の実施を検討しているところです。第I回の要望に係るWGの検討状況の概要は以上です。
 資料2-2は、第Ⅱ回の要望に係る専門作業班の検討状況の概要です。1ページの左側の表の右上の合計欄ですが、前回会議までに未承認薬が26件、適応外薬が78件の計104件について、医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。こちらについて、資料の2ページ目に進んでいただければと思います。現在、実施が必要な試験や公知申請の妥当性について検討中のものが5件残っておりますけれども、今回の会議までには進捗はなく引き続き検討中という状況で、特段の変更はありませんでした。個別の剤の詳細については、3ページ以降の表に取りまとめられておりますので御覧いただければと思います。以上、資料2-2の説明です。
 資料2-3に進ませていただきます。第Ⅲ回の要望に係る専門作業班の検討状況の概要です。1ページ目の左側の表の右上の合計欄を御覧いただければと思います。前回会議までに未承認薬で13件、適応外薬43件の合計56件については医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。赤枠の所ですが、このうち前回の会議時点で、検討中が10件残っていましたが、こちらについて今回の会議では引き続き検討中ということで変更はございませんでした。個別の剤の状況については、この資料の3ページ~5ページに(別添1)として一覧にしておりますので必要に応じて御覧いただければと思います。
 2ページ目に進みます。こちらは開発要請と開発企業の募集を行った品目の状況を示しております。資料の左側の下の表ですが、前回の会議時点で検討中のものが10件残っておりました。こちらの検討については今回の会合までで特段の進捗はなく引き続き検討中ということで、変わらず10件という状況です。こちらの検討中の状況については6ページ~8ページに(別添2)として個別の剤の状況について取りまとめております。第Ⅲ回の要望についての説明は以上です。
 資料2-4について状況を説明いたします。平成27年7月1日から平成30年9月30日までの第Ⅳ回要望について進捗を取りまとめたものになります。第Ⅳ回の要望については、1ページ目の左上の表の右上の合計欄ですが、前回の会議までに未承認薬で6件、適応外薬で12件、迅速実用化スキームに関係する要望について5件の合計23件については医療上の必要性が高いとの評価を頂いております。前回会議時点で検討中であったこれら40件については、今回右側の表に示しますとおり精神・神経WGで1件、抗がんWGで2件については医療上の必要性が高いとの評価をされております。これらについて本日資料3-1と3-2で御報告を頂くこととなっております。また前回の会議時点で検討中であった品目のうち、1件については要望者から要望を取り下げられ検討対象外となったものが、代謝・その他WGで1件の報告があります。こちらは資料7で御説明いたします。医療上の必要性に関して現在検討中の品目の詳細については、3ページ~9ページの(別添1)に一覧で取りまとめておりますので必要に応じて御参照いただければと思います。
 2ページ目に進みます。こちらは開発要請と開発企業の募集を行った品目の状況について示しております。資料の右側の「4.前回検討会議から本会議までの開発要請と公知申請の妥当性の確認に係る進捗状況について」の所の1つ目になりますが、前回会議で医療上の必要性が高いと評価された2品目について、平成31年2月28日に開発要請を行っております。前回の会議時点で検討中のものは、左側の下の表の赤枠の所ですが、10件でした。この検討中の品目は、先ほどの2件と10件を合わせた12件について開発要請又は公知申請の妥当性の検討を行っているところですが、そのうちの1件について公知申請が妥当であると評価され、今回の会合の資料4で御報告させていただきます。もう1件については治験が実施されており、既に開発に着手しているものとして整理させていただいております。引き続き検討が必要なものは10件となっております。これら検討中のものの詳細については、10ページ~11ページの(別添2)に一覧として取りまとめております。先ほど申しました既に開発に着手しているものについては、この資料の最後12ページの所に、灰色で示しております。以上が資料2-4の説明となります。
 続きまして資料2-5を御覧ください。平成30年10月1日から平成31年4月30日までで、第Ⅳ回の要望として、各団体等から頂きましたものを取りまとめたものです。この期間中については、未承認薬に関する要望1件、適応外薬に関する要望4件、迅速実用化スキームに関わるものが4件、合計9件の要望がありました。これらの合計9件については要望の検討が必要な剤として追加し、今後、各ワーキンググループで検討を進めさせていただくことになります。長くなりましたが説明は以上です。
 
○堀田座長
 ただいま第I回から第Ⅳ回までのそれぞれの要望について、その後の進捗について報告いただきました。また、第Ⅳ回については、4月30日までに新たに要望のあったもの一覧を示されております。ここまでで何か御質問や御意見はありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは続いて、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について御説明いただきますが、まずは、精神・神経WGから、勝野先生に御報告をお願いします。
 
○勝野参考人
 資料3-1を御覧ください。精神・神経WGにおいて、今回検討が終了したものが1品目ありまして、医療上の必要性の基準に該当すると判断しております。1ページ目を御覧ください。日本眼科学会より、マイトマイシンCの緑内障、高眼圧症に対する手術時の使用について要望が提出されております。
 まず、医療上の必要性に関するWGの評価の欄を御覧ください。適応疾患の重篤性については、「イ」病気の進行が不可逆で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患と評価しました。手術が必要な緑内障は不可逆的な視神経、視野の障害を生じる疾患であることから、「イ」と判断しております。
 次に、医療上の有用性についてです。「ウ」欧米等において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられると評価いたしました。要望された品目は、米国において緑内障手術の補助剤として承認されております。線維柱帯切除術に関しては、本邦、米国及び英国のガイドライン等において、当該切除術の施行時に、術後の瘢痕化を抑制する目的で広く使用される薬剤として、マイトマイシンCが記載されております。また、チューブシャント手術に関しては、国内外ともに上記のガイドラインにマイトマイシンCの使用に関する明確な記載はないものの、マイトマイシンCを使用した場合の線維柱帯切除術施行時とチューブシャント手術施行時の有用性を比較した国内外の臨床試験において、術後の経過観察期間における平均眼圧等は同程度であったということが報告されております。以上から、線維柱帯切除術施行時及びチューブシャント手術施行時のいずれについても、マイトマイシンCの使用による有用性が期待できることから、「ウ」と判断いたしました。
 なお、要望の効能・効果においては、緑内障手術時に使用するとされておりますが、以上の国内外のガイドラインや臨床試験成績を踏まえますと、マイトマイシンCの使用の対象となる手術の範囲を緑内障手術全般ではなく、線維柱帯切除術及び緑内障治療用インプラントを用いたチューブシャント手術に限定することが適切と考えております。精神・神経WGからは以上となります。よろしくお願いいたします。
 
○堀田座長
 ありがとうございました。ただいまのWGからの報告につきまして、御意見、御質問がございましたら、よろしくお願いします。よろしいでしょうか。私からですが、このマイトマイシンCの、この用途に使う規格と言いますか、キットといったものは特別にあるのか、これから開発しなければいけないのか、それはどうなっていますか。
 
○勝野参考人
 キットとしてはないものだと思いますので、通常、臨床では用時調製して使用している所が多いかとは思います。
○堀田座長
 欧米などでは専用の規格というものはあるのですか。
 
○勝野参考人
 米国にはございます。
 
○堀田座長
 局所で使うものですから、用量は抗がん剤とは全然違いますよね。通常の静脈内投与とは違うので、そういった新たな規格、適応外の規格が必要になるのだろうと思います。これは医療上の必要性が承認されたら、その次の段階という話で、今ここで議論することではないですね。何か御質問はございますか。
 
○佐藤構成員
 今お話を伺っていまして、チューブシャント手術の方は標準治療かどうかというのはよく分からなかったような気がいたしますので、審議いただくときにチューブシャント手術の方の評価をしっかりとしていただきたいと思います。
 
○勝野参考人
 御指摘のとおりで、チューブシャント手術においてマイトマイシンCがあり、なしでの比較は十分にはされていないと思いますので、そこは検討させていただきます。
 
○堀田座長
 そのほかはよろしいでしょうか。そうしましたら、このマイトマイシンCの緑内障手術時の使用に関する適応につきましては、WGの報告を承認いただけますでしょうか。
                                    (了承)
 
○堀田座長
 ありがとうございます。それでは承認とさせていただきます。続いて、要望品目の抗がんWGから、米盛先生に御報告を頂きます。なお、ドセタキセル水和物、あるいはゲムシタビン塩酸塩につきましては、日本臨床腫瘍学会からの要望ですので、大江構成員は議決には参加できません。ただ、ディスカッションにコメントを求めた場合は参加できますので、よろしくお願いいたします。
 
○米盛参考人
 抗がんWGにおいて検討した品目について御説明いたします。資料3-2を御覧ください。悪性軟部腫瘍に対するドセタキセル水和物及びゲムシタビン塩酸塩の併用投与に関する要望です。WGでは、これら2件の要望をまとめて評価いたしました。
 重篤性について、悪性軟部腫瘍は致死的な疾患であることから、「ア」に該当すると判断いたしました。医療上の必要性については、要望内容は欧米など6か国では承認されておりません。一方、欧米などの診療ガイドライン及び教科書の記載内容、並びに海外臨床試験成績などから、悪性軟部腫瘍に対するゲムシタビン塩酸塩とドセタキセル水和物との併用投与は、欧米などにおいて標準的治療の1つに位置付けられていると考えられました。
 また、要望されたドセタキセル水和物の用法・用量は、欧米などの診療ガイドラインにおける用法・用量と異なっているものの、当該併用投与に関する国内臨床研究結果などが報告されており、国内外の医療環境の違いなどを踏まえても国内における有用性が期待できると考えております。以上により、医療上の有用性は「ウ」に該当すると判断いたしました。説明は以上です。
 
○堀田座長
 ありがとうございます。これはゲムシタビンとドキタキセルの両方を合わせて審議ということでよろしいですね。ただいまのWGからの報告につきまして、御質問、御意見がありましたらお願いいたします。悪性軟部腫瘍という、希少がんに分類されるもので、もともと多くの抗がん剤で適応のない領域ですので、こういったものが要望として出てくるのは、ある意味で必然的なものと思います。よろしいでしょうか。大江構成員からはよろしいですか。
 
○大江構成員
 結構です。
 
○堀田座長
 それでは、このドセタキセル水和物、ゲムシタビン塩酸塩については、WGの報告のように了承してよろしいでしょうか。
                                     (了承)
 
○堀田座長
 ありがとうございます。それでは、御了解いただけたものとして扱いたいと思います。続いて、公知申請の該当性に係る報告書(案)、資料4について循環器WGから、水上先生に御報告をお願いいたします。
 
○水上参考人
 資料4の「リツキシマブ(遺伝子組換え)の公知申請への該当性に係る報告書(案)」について、循環器WGより御報告させていただきます。1ページ目を御覧ください。日本血液学会から要望されたリツキシマブ(遺伝子組換え)(以下、「本薬」)の血栓性血小板減少性紫斑病(以下「TTP」)について説明いたします。
 本要望内容の医療上の必要性について説明いたします。TTPは、血小板減少、溶血性貧血に加え、血小板血栓による脳梗塞や心筋梗塞等を合併する致死的な疾患であることから、「ア」の生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)に該当すると判断いたしました。
 医療上の有用性について、本薬は欧米等6か国において、TTPの効能・効果では承認されておりませんが、米国では保険償還されていること、並びに英国及び本邦の診療ガイドラインでTTP治療での使用が推奨されていることから、「ウ」の欧米等において標準的療法に位置付けられており、国内外の医療環境の違い等を踏まえても国内における有用性が期待できると考えられるに該当すると判断いたしました。
 なお、日本血液学会からの要望では、要望効能・効果は「TTP」とされておりますが、本薬の作用機序や国内外の診療ガイドライン等を踏まえると、本要望における検討対象に先天性TTPを含まないことが適切であると、第35回の未承認薬等検討会議にて判断され、後天性TTPについて開発要請がなされたことから、後天性TTPについて公知該当性を検討いたしました。
 次に、本要望の公知該当性について説明いたします。有効性については13ページを御覧ください。外国人の後天性TTP患者を対象とした臨床試験のうちの3試験では、主要評価項目である寛解がほぼ全例で得られ、観察期間中の再発が認められていません。他の1試験においては、ヒストリカルコントロール群と比較して再発率が低かったことが確認されています。これらの試験成績に基づき、海外のガイドライン等で再発又は難治の後天性TTPについて本薬の投与が推奨されています。また、日本人の後天性TTP患者を対象とした国内臨床試験や症例報告では、血小板数の回復、臨床症状の改善及び血漿交換の中止が認められていることが確認できており、その点から有効性が示唆されております。以上から、後天性TTPに対する本薬の有効性は本邦において医学薬学上公知であると判断いたしました。
 安全性について13ページを御覧ください。国内外の臨床試験で認められた有害事象は、ほとんどが既承認の効能・効果で使用した際にも発現することが知られているinfusion reactionに関連する事象や感染症に関連する事象でした。国内外の副作用報告においても、既承認の効能・効果で投与した際に発現することが知られている事象であり、現行の使用上の注意に記載がない事象についても、原病の悪化と考えられる事象、他の要因が指摘されている事象などでした。以上を踏まえると、後天性TTP患者における本薬の投与に際し、既承認の効能・効果と比較して安全性上の懸念が高まる可能性は低く、後天性TTP患者における本薬投与時の安全性は管理可能と判断いたしました。
 効能・効果については15ページを御覧ください。海外の臨床試験成績及び国内の使用実績から、主に再発又は難治の後天性TTP患者の治療における本薬の有用性が示唆されており、国内外の教科書及びガイドラインでは再発又は難治の後天性TTP患者への使用が推奨されていること等から、効能・効果を後天性TTPとし、効能・効果に関連する注意に再発又は難治の場合にのみ使用を考慮する旨の注意喚起を行うことが妥当と判断いたしました。
 用法・用量について、15ページを御覧ください。要望された用法・用量は、海外の臨床試験成績及び国内の使用実績で有用性が示唆されており、国内外のガイドラインでも推奨されていることから、通常、成人には、リツキシマブ(遺伝子組換え)として、1回量375mg/m2を1週間間隔で4回点滴静注することが妥当と判断いたしました。
 これらの検討の結果、循環器WGは本要望について、提示された情報から本邦における本薬の有効性及び安全性並びに用法・用量は、医学薬学上公知と判断できることから、公知申請されることが妥当と判断いたしました。循環器WGからの報告は以上です。よろしくお願いします。
 
○堀田座長
 ありがとうございました。ただいまの公知申請に係るWGからの報告について、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。
 
○佐藤構成員
 何度も蒸し返して申し訳ないのですが、やはりこれは公知で申請するというのは非常に抵抗があるのです。確かに、欧米では標準的とは言わないまでも、ガイドラインに記載されているというのは分かるのですが、公知として申請する以上は、やはり国内外の医療環境の違い等を踏まえても、「国内において有用性が期待できる」という文言がどうしても付いてしまうわけです。
 ところが、国内の臨床成績を見ると、6名の試験でプライマリーエンドポイントに達していないわけです。それでもって有用性が判断できるというのは、やはりロジックとして大分無理があるような気がするのです。
 以前から、こういう希少疾病が増えていますので、別な公知申請ではないトラックで申請できるようなものを作れないかということをお願いしていたのですが、どうも制度上、それは難しいということを以前に伺ったことがあって、そうだとすると公知の意味を変えないと、これを公知といって承認申請に持っていってしまって承認されると、今までの公知のトラックと同じような公知で承認されているというのは誤解を受けるのではないかということを非常に懸念しているのです。
 それから、承認条件を付けるのは多分、部会だと思うのですが、日本人の6名で有効性がきちんとは確認されていないので、承認するのであれば、何か市販後の臨床試験のような承認条件を付けるとか、そういった条件を付けるようなことをしていただかないと、このまま公知で申請するというのは難しいのではないかと思っています。
 
○堀田座長
 ときに触れて、佐藤構成員からは、この問題は指摘されているところであり、従来の意味での公知というのとは少し意味合いが違うとのご意見です。余りにも希少な疾患で、国内で実績も積み上げられないけれども医療現場で必要な医薬品であるというものの取扱いはどうするかといった点です。言ってみれば、公知に準ずるというような形にするのか、こういったケースに、改めて別のトラックを作るかどうかということでいえば、現状は公知申請の中で扱っているというような状況だと思います。
 確かに、国内での使用実績は得られない状況で、今後どうするかということについて、例えば公知申請での承認後のフォローアップをやっていただいて一定のデータを出すというようなことも、条件として付けていくという方法の検討もあるかもしれません。今のことについていかがですかね。
 
○伊藤構成員
 この疾患というのは、小児慢性特定疾患にも入っていますよね。だから、小児に関してはもっとハードルは高いと思うのですが、それも考えながらやっていただかないと取り残される可能性がありますから。要するに、この薬自体を使った場合に、承認された範囲に入るかどうかが問題になると思いますから、そこら辺も考えてやっていただきたいと思います。
 
○堀田座長
 そのほか、今のことについてコメントはありますか。
 
○水上参考人
 今回検討させていただいたのは通常成人で、小児では要望がございませんでしたので、小児科の先生には申し訳ないのですが。
 
○伊藤構成員
 以前は、要望がなくても小児についても検討するとなったはずなのです。以前に、そういう取組があったと思います。小児に疾患がなければいいのですが、小児である疾患に関しては加味してやるということは決まったはずだと思うのですが。
 
○堀田座長
 この辺について、事務局はどういう扱いにしているのですか。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 まず、佐藤先生からの公知の該当性というところですが、既承認の医薬品に関して効能・効果を追加する際の公知の該当性は、過去に発出した通知に基づいて判断しておりますが、国内外で医療における相当の使用を行う際に承認が必要かどうかという観点では考え方が違うところもあろうと思います。日本での臨床試験での成績は、確かに御指摘のとおりのところはあろうかとは思いますけれども、日本での臨床使用の実績という観点では、教科書での使用や記述であったり、あるいは学会に協力いただいた使用実績等を踏まえて総合的に判断していかざるを得ないのではないかとは思っております。
 あと、小児の用法・用量に関する部分を自動的に考えることができるのかというところですが、今回いただきました要望には、小児に関する用法・用量が入っておらず情報がないものですから、基本的には、データに基づいて判断をする必要はあるのではないかと思っています。もし仮に今回この剤を公知性をお認めいただけるのであれば、小児での使用については医薬品部会で再度議論する機会はございますが、改めてその過程の中で検討せざるを得ないとは思います。
 
○堀田座長
 という見解ですが、よろしいですか。
 
○伊藤構成員
 放っておかないでくださいと言っているだけです。
 
○堀田座長
 念頭に入れて、必要なものはきちんと小児も含めて検討するということで、一律にというわけにもいかないと思いますので、そこはまた、部会のほうで議論していただきたいと思います。今回は日本血液学会から出ていますので、成人を中心ということで出てきましたが、今こういった御指摘があったように、小児にも適応を取るべきものも当然あるわけですから、それはまた議論していきたいと思います。
 それから、用法としてはTTPということですが、後天性ということに限定してということで、この辺もよろしいですか。作用機序はもともと違うので、免疫が絡んでいるという意味では後天性に限定するということでよろしいかと思いますが、よろしいでしょうか。
                                  (了承)
 
○堀田座長
 それでは、ただいまの公知申請に係るWGの報告を了承したいと思います。ありがとうございました。続きまして、企業から提出された開発工程表について、事務局から御説明をお願いします。
 
○医政局研究開発振興課治験推進室長
 それでは、左上のマイプライベートファイルを一度開けていただき、資料5-1、「企業から提出された開発工程表について」というタイトルの資料を開けてください。この「開発工程表の提出状況について」ですが、これまで提出されておりました第I回要望の開発工程表183件、第Ⅱ回要望の開発工程表93件、第Ⅲ回の開発工程表45件及び第Ⅳ回の開発工程表19件について、開発要請先の企業から、令和元年5月10日時点の更新版が提出されております。
 前回からの変更点ですが、「第Ⅱ回要望」については、前回会議の結果を受けて、1件要望の取下げがありましたので94件から93件となっております。また、第Ⅳ回の要望19件の所ですが、前回の第8回に開発要請がありましたので、2件追加になって17件から19件に増えております。
 続いて、マイプライベートファイルをもう一度開けていただき、資料5-2、企業から提出された開発工程表の概要等(第I回)というファイルを開けてください。まず1ページ目ですが、これは第I回要望募集の分です。治験計画届の提出済みが、前回3件から4件と1件増加しております。また、治験計画届提出予定が、それに伴って1件から0件になっており、合計では治験計画届提出済みが4件というところが変更点です。また、第4回の開発要請にて追加した2品目以外の現状残っている品目については、全て承認申請済み、若しくは治験届の提出済みということになっております。続いて、具体的な品目の紹介をいたします。少し先の23ページです。2つ目の表です。ペグアスパラガーゼは、3月に治験届が提出されているところです。
 続いて、資料5-3、企業から提出された開発工程表の概要等(第Ⅱ回)というタイトルの資料を開けてください。これについては、承認済みが82件と1件増加しております。それに伴い、承認申請済みは2件から1件に減少しております。また、公知申請予定が8件から7件と1件減少となっており、合計としては94件から93件で1件減少としております。これは開発要望の取下げが1件増加して、4件から5件になっているということです。
 具体的な品目を紹介いたします。まず11ページの1つ目の表の一番最後です。番号Ⅱ-266、リツキシマブ遺伝子組換え、これが前回は承認申請中でしたが、今回は承認となっております。続いて17ページに飛んでください。17ページの表ですが、Ⅱ-215、Ⅱ-216、ベンジルペニシリンベンザチン、これについては治験が終了し、承認申請の準備中となっております。続いて25ページに飛んでください。25ページの表の一番最後、Ⅱ-127、チオペンタールナトリウムです。これは前回会議の結果を受けて要望の取下げとなっております。
 続いて資料5-4、企業から提出された開発工程表の概要等(第Ⅲ回)というファイルを開けてください。これについては承認済みが、前回の21件から4件増加して25件となっております。また、承認申請済みは、4件から3件となっております。これは4件減って、また3件増えましたので、差引き1件の減ということです。また、治験計画届提出済みが11件から8件で3件の減少となっています。
 具体的な品目を紹介します。まず7ページを開けてください。最初の表の下の2つです。Ⅲ-③-10、アザチオプリンです。これについては前回は承認申請済みでしたが、今回は承認という形になっております。8ページの3つ目の表です。Ⅲ-③-54、Ⅲ-④-22、テモゾロミドは、前回は承認申請済みでしたが、今回は承認という形になっております。同じく5番目の表のⅢ-③-12、メトトレキサート、これも前回は承認申請済みでしたが、今回は承認という形になりました。
 続いて、9ページのⅢ-①-18、Ⅲ-①-19、A型ボツリヌス毒素です。これは前回は治験計画届の提出済みでしたが、今回は承認申請済みというカテゴリーになっております。また、10ページのⅢ-①-80、レボチロキシンナトリウムです。これについても前回は治験計画届提出済みでしたが、今回は承認申請済みとなっております。また、12ページの最初の表です。Ⅲ-①-76.1、Ⅲ-①-76.2、リツキシマブ(遺伝子組換え)は、治験が終了し、現在、承認申請の準備中となっております。続いて、20ページの3つ目の表のⅢ-③-19、フルダラビンリン酸エステルです。これについては使用実態調査が実施中という形になっております。
 次に、資料5-5、企業から提出された開発工程表の概要等(第Ⅳ回)というタイトルの資料を開けてください。これは第Ⅳ回の要望募集分です。承認済みが前回の2件から今回は4件になっています。それに伴って、承認申請済みは前回の3件から1件に減っています。また、治験計画届の提出済みは、前回の0件から1件に増えています。公知申請予定が前回の9件から11件になり、2件の増加になっています。
 具体的な品目の進捗状況ですが、まず2ページを開けてください。ⅣS-2、ⅣS-7のタウリンです。これは前回承認申請済みでしたが、今回は承認となっております。この品目については、本会議の第Ⅳ回の要望から行っております迅速実用化スキームの承認としては初の品目となっております。同じく2ページの次の表ですが、Ⅳ-1、ホスカルネットナトリウム水和物、前回は承認申請済みだったのが、今回は承認となっております。
 また、5ページを開けてください。Ⅳ-66のブスルファン、そしてⅣS-15のオクトレオチド酢酸塩、これらについては前回の結果を受けて開発要請が行われております。
 また7ページを開けてください。Ⅳ-48のフルダラビンリン酸エステル、またⅣ-50及びⅣ-53のレノグラスチム及びフィルグラスチム、これら全体で、5つの要請について、現在、使用実態調査実施中となっているところです。
 次に、資料6、公募医薬品のリストというタイトルの資料を開けてください。これは開発募集を行った医薬品の進捗状況であり、まず第I回要望募集分の表ですが、10番の亜セレン酸ナトリウムは「承認済」ということで、承認取得となっております。
 続いて次のページ、第Ⅱ回要望募集の表を御覧ください。8番のジメチルスルホキシドの開発状況が、前回は治験実施中でしたが、承認申請準備中と変わっております。同じく9番のペガデマーゼは、承認を取得して、「承認済」となっております。また、表の一番最後、14、15番のチオテパですが、悪性リンパ腫に対する適応に関して「承認申請中」となっております。また小児固形腫瘍については「承認済」ということで、承認を取得しております。
 次の第Ⅲ回要望募集の表を御覧ください。4番のイベルメクチンです。これについては前回まで2社の公募に対する手上げがあり、それぞれ企業名未公表、開発状況未公表とされておりました。今般、片方の会社について開発状況の進捗があり、企業名を公表したい旨の連絡がありましたので、資料のとおり科研製薬が企業名を公表化、また開発状況は「開発計画検討中」ということで表示しております。
 一方、その進捗を受け、ライセンス先との競合が起きた関係で、もう1社については開発を断念したいという申出がありましたので、状況を総合的に勘案し、公募対応企業からは削除としております。資料の説明は以上です。
 
○堀田座長
 企業から提出された開発工程表でありますけれども、第Ⅲ回、第Ⅳ回を中心に着々とフェーズが進んでいるとは思いますし、最終的には承認になったものがどのぐらいあるかというような話になるのですが、それも逐次、進んでいるかと思います。まず全体を通して、この進捗に関して何か御意見、御質問がありましたらお願いします。よろしいでしょうか。それでは、特に御意見がなければ資料7について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 それでは資料7を開けてください。「アプレピタントの要望について」です。品目はこちらに記載のありますとおりで、アプレピタントは、日本麻酔科学会より、術後の悪心、嘔吐の治療で御要望を頂いていたものです。こちらについては平成27年7月から募集している第Ⅳ回の開発要望募集に対しての要望書が提出されていたものですが、現在、専門作業班にて「医療上の必要性に係る基準」への該当性を検討していたところです。当該品目については、要望者である日本麻酔科学会から、現在の国内外での使用状況や代替製品があることなどを鑑みて、再度検討を行った結果、要望学会より要望の取下げの申出を頂いたものです。説明は以上です。
 
○堀田座長
 というわけで、アプレピタントにつきましては、第Ⅳ回で要望されていたのですが、諸般の事情で学会のほうから取下げという申請が出たということです。これにつきまして、いかがでしょうか。これは自主的なものですので、これはこのまま受けたいと思いますが、よろしいですか。
                                   (異議なし)
 
○堀田座長
 ありがとうございます。そうしますと、今日、予定した議題はここまでですけれども、今日は森審議官はいらっしゃいませんが、せっかく局長がいらっしゃいますので、急に振って申し訳ないのですけれども、何か情報提供なり、あるいはご意見などでも結構ですから、よろしくお願いいたします。
 
○医薬・生活衛生局長
 それでは、座長から発言の機会を頂きましたので簡単に。1つは御案内のとおり、現在、医薬品、医療機器等法等の一部改正する法律案を国会に提出させていただいております。まだ衆議院が、今国会では非常に日程的に厳しい問題がありまして、本数を絞って厚生労働省から法案を出しておりますけれども、全部で5本の法案を出しておりまして、薬機法は多分、5番目の審議順番となっております。
 ただ、4番目の法案が児童虐待と、これまた非常に重たい内容を持っておりますし、つい昨日、非常に不幸な事件が川崎で起こりましたし、先行するような事件が、だんだん捜査等が進むことによって、ますますいろいろな課題があるということが明らかになりつつあります。その中での法案審議ということで、ちょっと時間が掛かるかなと思っております。何とかこの国会の会期中に、薬機法につきましても成立に向けた取組、努力をこれからもしていかなければいけないと思っております。
 この検討会では、実は私ども、きちんと法案の内容を説明していないですね。既に御案内の先生もいらっしゃるかもしれませんけれども、法案の中身につきましては、大きくは3つの柱になっておりまして、ざっくり申し上げますと、1つは、合理的な承認審査安全対策の制度に見直すということ。それから2番目が、薬局・薬剤師さんたちの役割の強化。それから3番目は、前回の薬機法改正から、ほぼ5年ほどたちましたが、この間、様々な不適正違法事案などがありましたので、それに対する法律上の対応を考えていくということでございます。
 1番目に関しますと、既に実施しております条件付き早期承認制度ですとか、先駆け審査指定制度を法制化するということが、その中での項目の1つでございます。通知でもできるのですけれども、やはり開発される企業の皆さんから御覧になりますと、そこに課長がいますが、課長の一片の通知で実施するものというのは、課長の一片の気持ちの変化で、いつなくなるか分からないと。そのようなことでは、制度が安定していないと、やはりそれを前提とした開発をやりづらいという御意見などもありますし、昨今、御案内のとおり、治験が国際的に共同治験という形でされる中で、メーカーの方々はどこの規制当局の制度が一番合理的に承認まで持っていけるのかということを、かなりドライに見ていらっしゃいますので、そういう点で、取りあえず今のところ評価をされております先駆けとか条件付き早期承認といったものが、国内外で安定的に運営され、より患者さんへの新しい医薬品のアクセスを保証するといいますか、促すという意味で、これを法律化するというのは1つでございます。
 先ほど、本日、小児の医薬品のお話もございましたが、FDAのように用量設定については、成人の用量設定に合わせて小児の用量などについても、義務付けてしまうことができている国もありますが、日本でそれをやってしまうと、いろいろまた別のハレーションも気になるところですので、そこまで今回はやっておりませんが、実は優先審査の項目の1つに、特定用途の医薬品というものを1つ入れております。
 これは優先審査として、現時点におきましてはオーファンしかありませんが、今、申し上げました先駆けとか条件付き承認は、その枠組みの中に1つ入れておくわけですけれども、もう1つのカテゴリーとしまして、厚生労働省令で定める特定用途の医薬品については優先審査の対象にする。現在考えておりますのは、正に小児の用量設定をするような、そういう研究は優先審査の対象にする。あるいは、今後、可能性があるかなと思っているものとしては、やはり耐性菌の問題であるとか、NTDs(Neglected Tropical Diseases)というのですが、そういったものが、ある意味で先端の医薬品については製薬企業の皆さんも、それから研究者の方々も着目していただけると思うのですが、それから漏れてしまって、ベクトルの向きがちょっとずれてしまいますと、医薬品開発から取り残されてしまって、医療上のアンメットメディカルユーズがどうしても残ってしまうようなところについて、何とか手を打てないかなということを考えて、そのようなものを用意しているということでございます。
 それから、薬局・薬剤師は、もっと地域の皆さん、あるいは抗がん剤も、最近は経口で、在宅で抗がん剤の服用をされる方も増えておりますので、健康寿命の延伸といった観点から、地域における薬物治療をかかりつけ医の先生と連携する形で、どう形成していくのかという問題意識からの薬局と薬剤師のあり方の問題。
 それから3つ目は、これまでいろいろと不適正事例などがあったということで、固有名詞は避けますけれども、組織ぐるみでの調査、あるいは立入検査に対する隠蔽工作であるとか、あるいは虚偽誇大広告などがありましたので、ガバナンスを強化し、そのガバナンスの体制ができているかどうかそのものを、改善命令の対象にできるようにしてしまうとか、課徴金制度といいまして、虚偽誇大広告で売上げがもしあるとするならば、そこで発生する利益は国に返していただくというような制度なども導入し、一種の抑止効果を期待したいと考えているわけでございます。
 これから特に、1点目の承認、あるいはその安全対策、安全対策につきましては、少し漏らしましたけれども、添付文書につきましても、一箱一箱、最大でA4が8ページぐらいですか、その薄い紙を折り畳んで、メーカーで一生懸命詰めておりますけれども、医療機関から御覧になりますと、同じものが何十枚も出てくる。あるいは、詰めるとか改定するといった作業、あるいはタイムリーな情報になっているかといった観点から考えますと、もはや紙の時代というよりも、今後は電子媒体、あるいは電子的な方法による添付文書の提供といったことに切り替えていくという制度も盛り込んでおります。
 その他、リアルワールドデータの活用等もございます。そういうものをやっているということで、余り反対する御意見は頂いていないのかなと思っておりますけれども、今国会はいろいろな事情があって少し遅れているということで気掛かりではありますが、そういったことをやっているということを御承知置きいただき、また何かお気付きの点などありましたら、今のところ骨格部分は法律によって定めておりますけれども、その詳細につきましては、省令であるとか、あるいは通知といった解釈といったことで、良いものにしていかなければなりませんので、現場の立場で、あるいは研究者の立場でお気付きの点などありましたら、いろいろな御意見も頂ければと思っております。
 特に小児については、この間、国会で私は、ここで要請した医薬品の進捗状況はどうなっているかという厳しい御質問を受けまして、ちょっと反省しています。要請して、その後もフォローアップをもう少しきちんとやらなければいけないなと思っておりますので、担当課にはちゃんとそう言ったつもりですので、担当課長はちゃんとやってくれると思います。
 やはり小児を中心にして、なかなか治験が難しいもので、据え置かれてしまうものが多いと思っておりますが、せっかく受けていただけるということであるならば、ここで御審議いただいたことをいかに早く実現するかという観点なども頭に置きながら、頑張ってまいりたいと思っております。
 取りとめもない話で恐縮ですが、最低限のことだけは申し上げさせていただきました。また引き続き、御指導いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 
○堀田座長
 ありがとうございました。薬機法の改正が、この国会にも掛かるということで、その行方はよく分かりませんけれども、重要な変化があると思われますので、その情報にも注視していただきたいと思います。引き続き、また御指導を頂きますように、よろしくお願いいたします。せっかくですから、質問とか全体的な御意見があれば伺いますが、いかがですか。よろしいでしょうか。
 
○医薬・生活衛生局長
 すみません、申し遅れて恐縮ですが、実はこの4月で、PMDAの理事長が交替いたしました。前理事長の近藤理事長は非常に長きにわたり、約11年御活躍いただいて大変感謝申し上げているところですが、今回、この4月で新しい第4期中期計画期間に入りましたということで、一つの区切りが着いたということと、さすがに少し御年齢等いろいろな問題などありますので、国内PMDAの内部的な改革、それから国外、アジア諸国を中心とした規制調和の活動といった点で、非常に多大な努力をしていただきましたが、一つの区切りということで御退任という御希望がありました。実は、がんセンターから、今度は藤原理事長を新理事長として迎えさせていただきまして、またPMDAそのものも、更に一つ上のステージに上がれるように、我々も期待しておりますし、PMDAと連携しつつ、ある意味では我々監督機関ですので、PMDAに対するいろいろな指導・監督なども手抜かりがないようにしながら、より国内における医薬品の承認審査安全対策が充実するように、副作用救済も含めて充実するように頑張りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。すみません、長くなりました。ありがとうございました。
 
○堀田座長
 ありがとうございました。藤原先生につきましては、皆さん御周知で、ここのメンバーでしたから、しっかり対応していただけると思っています。引き続き、よろしくお願いいたします。
 それでは、どうもありがとうございました。これで区切りとしたいと思いますので、事務局から何か報告事項がありましたらお願いします。
 
○医薬・生活衛生局医薬品審査管理課
 本日は御議論いただきまして、ありがとうございました。次回の検討会議ですけれども、8月26日(月)16時から18時を予定しております。御多用のところを恐縮でありますが、どうぞよろしくお願いいたします。
 
○堀田座長
 それでは、これで第38回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議を終了いたします。ありがとうございました。
 

 

 

(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課

  03-5253-1111(内線 4165、4229)

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