ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 社会保障審議会(児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会)> 第28回 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(第54回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会【合同開催】) 議事録(2018年3月2日)
2018年3月2日 第28回 小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会(第54回 厚生科学審議会 疾病対策部会 難病対策委員会【合同開催】) 議事録
○日時
平成30年3月2日(金)13:30~15:30
○場所
TKP赤坂駅カンファレンスセンターホール14A
○議事
○田中難病対策課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまから第54回厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会・第28回社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会の合同委員会を開会いたします。委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。本日は、前回に引き続き難病対策委員会と、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会を合同開催し、データベースの利活用の在り方につき、御議論を頂きたいと思っております。本日の委員の出欠状況は、渥美委員、大澤委員、本田麻由美委員、及川委員、笹井委員から欠席の御連絡を頂いております。なお、羽鳥委員については御出席の予定です。また、事務局から出席予定でした川野難病対策課長ですが、公務のため、遅れての出席となりますことを御了承いただきたいと思います。本日は、参考人として、一般財団法人医療情報システム開発センター理事長の山本隆一先生に御出席いただいております。どうぞよろしくお願いいたします。カメラの撮影は、ここまでとさせていただきます。
それでは、以降の議事進行については、千葉委員長にお願いいたします、
○千葉委員長 それでは、資料の確認をお願いします。
○田中難病対策課長補佐 お手元の資料です。1枚目から議事次第、難病対策委員会委員名簿、小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会委員名簿、参考人名簿、座席表となっております。続いて本体資料として、資料1-1は前回(平成30年2月1日)の合同委員会における主な御意見、資料1-2は指定難病データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの利活用の在り方に係る検討スケジュール(案)と当面の利活用の在り方に係る論点(案)について、資料1-3は指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの利活用の在り方について(一般財団法人医療情報システム開発センター理事長の山本隆一先生御提出資料)となっております。最後に、参考資料として、指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの概要とその調査項目について資料をまとめております。資料の不足等がありましたら、事務局までお申し出でください。以上になります。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。今日は前回に引き続いて、データベースの利活用の在り方についての合同委員会です。まず、参考人の方から御報告いただいた後、両委員会の先生方に御議論を頂きたいと思います。まず、前回の合同委員会における主な意見について、事務局から説明をお願いします。
○田中難病対策課長補佐 それでは、前回、平成30年2月1日の合同委員会における主な御意見について、事務局より御説明させていただきます。資料1-1を御覧ください。
前回、非常に活発に御議論いただき、多くの御意見を頂きました。こちらを事務局のほうで、2つの項目に整理させていただいております。➀として、中長期的な検討が必要な事項。その内容として、指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの統一化を検討してはどうか、医療等IDなどを用いて難病に関連する各種データベースを連結する方策を検討してはどうか、現在のOCRを見直し、Webで登録できるようにしてはどうか、自治体の事務負担を軽減する方策を検討してはどうか、軽症者にも登録してもらうための方策を検討してはどうか、臨床調査個人票や医療意見書を記載する医師へのインセンティブを付与するための方策を検討してはどうか、小児の成長に対応した同意の取り方を検討してはどうか、最後に、患者により分かりやすい同意書に変更してはどうか、という点について御意見を頂きました。これらについて、中長期的に検討が必要な事項として事務局として整理させていただいております。
また、今回のこの委員会の目的である、この秋以降に利用が可能になるデータベースのデータの提供に当たり検討が必要な事項を、➁としてまとめさせていただいております。当面のデータの提供に当たり検討が必要な事項として、個人情報の保護の在り方を中心に検討してはどうか、研究利用への情報提供に当たり、審査会や第三者委員会を国で設置してはどうか、情報の提供先は公的機関に限定してはどうか、研究利用の内容や成果について患者にも分かりやすく伝える方策を検討してはどうか、また情報提供先を明示してはどうか、情報漏洩等がないように安全対策に万全を期した体制を検討してはどうか、このような御意見を頂いております。前回の御意見をまとめさせていただきました。以上になります。
○千葉委員長 前回のディスカッションについて、大きく2つに分けていただいて、1番の中長期的に検討が必要な事項、2番の当面のデータの提供に当たり検討が必要な事項とに分けていただいておりますが、今日は2番目の検討となります。これについては、資料1-2にスケジュールが一応書いてあります。お話がありましたように、現在、取得しているデータについては、平成30年度後半から提供可能になるということです。2020年には大きく見直しというか、全体を合わせて見直すということが行われますので、中長期的というのはどちらかというと、2020年の時点での施行後5年での大きな見直しというか、そういうものに該当すると。それに対して、本日ディスカッションしていただくのは、この秋から提供可能になるデータについて、当面どのようにしていくのかという論点を今日は議論をしたいということです。
前回の意見ですので、特に大きなディスカッションはないと思いますが、これは前回に出た意見として、何か特に追記とか、あるいは特に話しておきたい点がありましたら、この資料1-1について御意見を頂ければと思います。
○石川委員 日本医師会の石川でございます。1つだけ確認したいことがあります。今年の秋からの提供が可能になるということの法律ですが、これは昨年5月30日施行の改正個人情報保護法の前後で変わるといったことはあるのかないのかということですが、どうでしょうか。
○遠藤難病対策課長補佐 この後、資料1-2で説明させていただこうと思っておりましたが、この構築しているデータベースは、行政機関で保有する個人情報ということに当たるかと思います。従いまして、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律がかかってくることになるかと思っております。
○石川委員 そうしますと、提供というのは、提供先というのをもう少しきちんと明記しないと、その話というのはおかしくなるのではないでしょうか。
○遠藤難病対策課長補佐 そうですね、それも含めまして、今後、皆さんの御議論も頂きまして、検討していきたいと思います。
○石川委員 これから議論をするということ。
○遠藤難病対策課長補佐 はい。
○千葉委員長 正にそこが今日の議論の1つのポイントになろうかと思います。どこに提供するのか、後の説明にも恐らく書かれてあったと思いますが、ということになろうかと思います。ほかによろしいでしょうか。
○鶴田委員 資料1-1の➀の4、5番目で、自治体の事務負担を軽減する方策、軽症者にも登録してもらう方策について、担当者に聞いて意見がありましたので述べたいと思います。
まず、自治体の事務負担に関しては、静岡県では平成28年度新規申請が3,500件ありました。以前は特定疾患調査解析システムに、一次診断機能が付与されていましたが今はないので、それをまた何らかの形で、330疾患ではなくても、上位疾患でも付けてもらえば、事務の簡素化につながるという意見がありました。一次診断機能が付与されれば、全体の6割を処理できるということでした。
2番目の軽症者の問題については、平成29年度12月31日で経過措置が終了したときに、約2万2,000人の審査をして、うち約2,500人が軽症により不承認となりました。軽症で却下されると再申請の際に診断書の文書料が5,000円程度掛かることから、症状が悪化するまで再診しないとのことです。昔は難病指定受給証の代わりに、軽症者の登録証というのがあったみたいですから、そういう方法を考えられるかどうか項目として検討していただきたい。
○千葉委員長 この点について、何か厚労省のほうで特にありますか。
○田中難病対策課長補佐 1つ目の一次診断機能については、現在、事業を委託している基盤研に、そちらの機能が今どのような形で公表されているかについて確認をさせていただき、回答させていただきたいと思います。
また、2番については、今回、私どもも軽症者の方たちのデータ登録の重要性は感じているところですので、先ほど千葉先生からもお話がありましたように、5年以内の見直し等で、是非、議論をしてまいりたいと思っております。
○千葉委員長 特に後者の点については、ずっとここでも議論されてきたことですけれども、なかなか一概に解決できない面がいろいろあるという印象を私も受けておりますが、これは研究班等でも検討がなされている事項ですので、それこそ、中長期的なということで、施行5年後の見直しのところできちんと議論して、固めていくという理解でよろしいですね。ほかによろしいでしょうか。
○坂上委員 今後、議論していくに当たって教えていただきたいことがあります。小慢と特定疾患には、一応、今までのデータベースというか、蓄積したものがあると思いますが、これは今まで外部に情報提供というのは、研究班も含めてあったのでしょうか。そのときに基準とか、それを審査する部署というのはあったのでしょうか。
○千葉委員長 これは事実関係ですので、厚労省から御説明いただきたいと思います。
○遠藤難病対策課長補佐 特定疾患の頃は、WISHのシステムで情報を集めていましたが、提供先は難病の研究班に限っておりました。大体、年10~20件ほどの利用の申請があって提供しておりました。小児慢性特定疾患のほうは、国立成育医療研究センターのほうにデータの解析等を依頼して、そちらのほうで活用していただいていました。集計データは公表し、研究用データセットは厚労科研の研究班に限って提供していました。
○坂上委員 研究班が使う分には、厚労省としてはデータは、ある意味スルーでそのまま出している。その利用目的がどうかというのは別に審査しているわけではなかったということですか。
○遠藤難病対策課長補佐 26年度までの特定疾患のデータ提供にあたっては、難病対策課内で審査しておりました。
○坂上委員 今までこれを基に二次調査、このデータの人をもう一回調査するとか、そういうことも行われていたりするものなのでしょうか。
○遠藤難病対策課長補佐 特定疾患のデータではありませんでした。
○坂上委員 ありがとうございます。
○千葉委員長 今までは、正におっしゃられたように厚労省の中で判断されて、データ提供がなされていたという理解で、別の委員会とか審査会が設置されていたわけではないという理解でよろしいかと思います。特に、私も多少関わらせていただいてきたわけですけれども、はっきりと二次データを更に調査するといったようなことは余り今まではなかったように思っております。
ほかに何か特にありますでしょうか。今のお話は、今日の話とも、正に絡んでくる話です。それを今後どうしようかといった話になりますので、重要なポイントだと思います。よろしいでしょうか。一応、前回の御意見は、中長期的と、今回検討すべき問題とに分けていただいてお話を頂きました。では、続いて、資料1-2について、事務局より説明をお願いします。
○遠藤難病対策課長補佐 資料1-2を御覧ください。先ほど千葉委員長から少し説明いただきましたが、指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの利活用の在り方に係る検討スケジュール(案)、それから2ページ目以降は、当面の利活用の在り方に係る論点(案)です。
1ページ目です。先ほどの御説明のとおり、2015年1月1日から難病法、それから改正児童福祉法施行後のデータ収集が始まっております。このデータに関しては、2018年度後半から研究への提供が可能となる見込みです。したがって、この図の絵の中段になりますが、このデータ提供に関して、今後、集中的に検討いただければと思っております。
また、一番下の段になりますが、全体の方向性の見直しと、その結果を踏まえた新たなデータ収集と提供に関しては、法施行後5年以内に見直しの議論をするとなっておりますので、そちらにおいても、引き続き検討することとしてはどうかと考えております。
2ページ目、当面のデータ提供に当たり、検討しなければならないと思われる論点案を、1~4まで挙げさせていただきました。まず1番は、先ほど御指摘のありました情報の提供先をどこまで認めるかという論点になります。今までは、➀の厚生労働省又は厚生労働省が補助を行う研究班に限定しておりました。それを➁大学等、公的な研究機関まで認めたほうがいいのか、➂企業等も研究内容によっては認めるのか。
2番は、情報の範囲についてどう考えるかです。研究利用への同意書では「個人情報の保護に十分配慮し」と現在記載があります。情報を提供するとき、➀のように個人が特定されない情報のみを提供するのか、それとも、➁のそもそも希少性から個人が特定されやすいこの領域特有の性質に配慮して、原則として、名前や住所といった情報は削除した上で、研究内容から判断して必要最小限の情報を提供してよいのか。また、その際、研究機関における情報の管理方法・体制や研究成果の公表方法等が個人情報保護の観点から適正かどうか審査するとするか。
3番は、利活用の目的についての論点です。難病、小児慢性特定疾病の研究利用への同意書の中では、研究の基礎資料として使用すると記載があります。この文言のとおり、基礎資料の使用に限定すべきか、それとも、もう少し広く臨床研究等への利活用まで認めるのか。なお、基礎資料、臨床研究等の定義がやや曖昧ですが、本日の参考資料の「指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの概要と調査項目」を御覧いただければと思います。
参考資料の2ページに、難病データベースに登録される項目として臨床調査個人票の項目の例が載っております。基礎資料とは、一般的に、患者数や治療内容、検査数値などを指しますので、例えば、2番の医療費支給審査項目、3番の研究班の調査項目、4番の人工呼吸器装置の有無といったデータになるかと思います。また、臨床研究等への利活用の例としては、この臨床調査個人票で調査している項目単独だけではすぐには難しいと思いますが、例えば、指定医の情報を利用して、指定医を介した、新たな研究への患者さんをリクルートするために、そういう情報を活用するといった例があるかと思います。
資料1-2に戻っていただきまして、最後の論点4番です。1~3番のような論点を審査して、情報を提供するに当たり、➀審査会を設置すべきか、それとも、➁一部は審査会を省略してよいとするか、又は➂運用基準を明確化して審査会を設置しない方針でよいとするか、このような論点について、本日、また御意見を頂ければと思います。
3ページ以降には、参考として、先ほど少し御説明させていただきました、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律との関係を整理させていただいております。この法律の中で、利用目的、利用及び提供の制限、安全確保の措置といったことが第4条や第6条及び第8条で書いてあります。第4条は、個人情報を取得するときは「あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない」とあります。これは難病・小児慢性特定疾病の研究利用への同意書に当たります。したがって、この同意書で明示している範囲では利活用が可能です。第8条ですが、1項では、この利用目的以外には提供してはならないとありますが、2項では、その例外として、1号で、本人の同意があるとき、又は本人に提供するとき、2、3号では、行政機関等が法令の定める所掌事務を行うとき、それから、4号として、専ら統計の作成又は学術研究の目的のために提供するときは例外として提供してよいとあります。したがって、同意書で明示している範囲と、第8条2項に記載のある例外の範囲では、法律上、利活用が可能です。この範囲での利活用に当たり、詳細な運用方針を検討していくこととなります。
また、4、5ページ目には、難病・小児慢性特定疾病で、現在集めているデータに関して、それぞれの研究利用への同意書を掲載しております。こちらも御参考いただければと思います。事務局からの説明は、以上となります。
○千葉委員長 これからの流れと、その次のページには、特に今回検討するポイントが1~4と、もちろんこれ以外もあるかもしれませんし、御意見を頂ければいいのですが、主な論点として4つ挙げていただいています。これらを考慮するに当たって、その次のページの参考として、先ほど御指摘がありました個人情報保護に関する法律があります。その次には、これは指定難病患者の臨床調査個人票を書く際に、同意書としてこのような同意内容で同意取得を頂いているというのが現状です。それから、最後のページは、小児慢性特定疾病のデータベースの研究利用に係る同意書ということで、これは小児慢性特定疾病の同意書ということです。読んでいただいくと、ちょっと微妙に違うところもあって、ここら辺もどうするのかというのは、論点になろうかと思います。取りあえずは、今の御説明、その後、参考人の方にお話をお伺いしますが、ここで参考人の方のお話をお伺いしてから、本格的な議論をしたいと思います。今の時点で、この説明について何か質問等々ありますでしょうか。
○石川委員 先ほど聞いたことなのですが、資料1-2の3ページ目に、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、先ほど御指摘されたのはこれだと思うのですけれども、これに、例えば今の説明の中で、いろいろな検査情報といったもので、遺伝情報とかが入っているわけなのですが、いわゆる、5月30日以降は、医療情報が「要配慮情報」という形になったということについて、ここでは何か問題がないだろうかということをお聞きしたかったわけなのです。
○千葉委員長 いかがでしょうか。
○遠藤難病対策課長補佐 その点に関しては、事務局でも検討がまだしていなかったところです。次回までに少し整理させていただいて、また御説明させていただきたいと思います。
○石川委員 これはすごく大事なことで、そこがちゃんとしないと、そもそも議論していること自体がおかしくなってしまうので、これは参考人の先生の御発言、回答にも出てくるかもしれないので、それはすごく大事なことだということだけ指摘しておきたいと思います。
○千葉委員長 そこについては、解釈も含めて、非常にリジッドなものではないような印象を私自身も受けていて、どうしていくのかということについては、特に皆さんに御議論を頂ければと考えております。ほかはよろしいでしょうか。
それでは、参考人の先生に御意見を頂きたいと思います。本日は参考人として、一般財団法人医療情報システム開発センターの山本先生に御出席いただいております。資料1-3について、山本先生から御説明いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本参考人 一般財団法人医療情報システム開発センターの山本でございます。本日はこういうお話をさせていただく機会を頂きまして、どうもありがとうございます。資料1-3を基にお話をしたいと思います。1ページおめくりください。厚生労働省が情報収集して、管理、提供しているデータベースとしては最も古くからあるものとして、National Recept Databaseと言われている電子化されたレセプト、特定健診、特定保健指導のデータを全件収集して、それを医療費適正化計画に用いるというのが本来の趣旨ですが、それ以外に様々な学術用途、調査用途に、申請があった場合に適切な申請であれば提供するというガイドラインを、石川先生たちの御指導を頂きながら作成し、実際に審査をして提供するという有識者会議の座長を8年していまして、その経験を基に、あるいはそれ以外のデータベースに関しても多少関与しておりますので、その経験を基に少しお話をさせていただきたいと思います。
1枚目の紙は、今申し上げましたレセプトと特定健診のデータベースをどう集めるか、どう扱っているかというお話です。これは2006年にこのデータベースを作るということが決められまして、その後はかなり激しい議論があったのですが、本来、行政手続として収集するのであれば、個人情報のまま集めて特に問題はないのですが、特に安全を考慮してというか、Fail Safe、つまり何かあっても安全なようにということで、この図では上がレセプト、下が特定健診ですけれども、レセプトは医療機関から審査支払機関に行って、それから保険者に行くというルートを取ります。その審査支払機関の所で、このデータベースへデータを転送するのですが、その際、個人が直接識別できるような情報、名前、保険の記号番号あるいは生年月日といった情報をハッシュ化しております。「ハッシュ化」というのは難しい言葉ですが、数学的な言葉で、一方向的に記号に変換し、逆には戻らないという性質を持つ変換をしています。これによって何ができるかと言うと、同じ人の情報は同じハッシュ値になるので、同じ人のレセプトを結び付けることはできますが、誰のレセプトかは直接は分からないというような処理をしています。一種の変換をするわけですが、これを1回やるだけだと、例えばこの審査支払機関では前後の値を持っていれば対応表を持つことになります。そのままでは審査支払機関にとっては分かってしまうということになるので、NDBに入る前にもう一回ハッシュ化をしています。これによって、厚生労働省側も審査支払機関も、どちらも誰のレセプトかは分からなくなります。しかし、ものすごく僅かな例外はありますが、同じ人のレセプトをつなぐことができる。つまり、保険が変わらないとかそういう条件が要りますが、ある人の医科レセプトが年に2回出てくるとすると同じ人のレセプトだということが分かるということになっています。特定健診もほぼ同じ手続で、同じ人のデータは分かるのですが、誰かは分からないという形で収集しています。広い意味で言う匿名化をしているわけで、厳密な匿名化となると少し意味が違ってきますし、今の個人情報保護法で言う匿名加工情報であるとか、先ほど御提示のあった行政機関個人情報保護法でいう行政機関非識別加工情報とは少し違いますけれども、少なくとも直接は分からない状態になっています。
次のページが利活用の説明です。1つは、このデータベースを作った法律が高齢者の医療の確保に関する法律で、ここで医療費適正化計画を作るということが目的に定められています。これは法律で定められている利用ですので、特段、何か審査をするというわけではなくて、この利用目的のためにこのデータベースを活用するということが行われています。
それから、この法律に基づいた医療費適正化計画は厚生労働省又は都道府県が行うわけですが、そうではない、例えば疫学の研究者、市町村といった、本来高齢者の医療の確保に係る法律で利用が認められていない利用者が、医療費の適正化や日本の医療制度の最適化、ある疾病の調査などに用いるために、公益的な目的であることが大前提ですが、利用申請をしていただくと、その利用目的に十分な公益性があるか、研究計画が合理的であるか、つまり合研究の目的に応じた情報を要求しているか、研究の過程あるいは発表のときに、患者さんに迷惑をかけないか、つまり個人が識別できて、何らかの差別を受けるといったことは起こらないか、また、こういった情報を提供しているのはもともと医療機関ですので、その医療機関に対して不当な差別が起こるようなことがないかというような点を有識者会議で審査しております。最近は年に4回審査を行っていますが、そこで審査をして、特段問題がなければ提供、少し問題があった場合には継続審議にして、修正していただいて提供する、あるいは全く提供できないといったことを判断して、厚生労働大臣に助言をします。その助言に基づいて、大臣が提供を決定して、情報提供することにしております。
その次のページを御覧ください。提供の可否の判断基準としてガイドラインを作成しています。このガイドラインの中で提供を要求できる立場がどういう人か、あるいは何をすればいいのかということが書かれています。公表されていて、提供を申し出る人は、このガイドラインを参照して研究計画を立てて申請されます。
ガイドラインの中身ですが、一応利用者は限定しています。国、都道府県、研究開発独立行政法人、ただし研究開発独立行政法人ではありませんけれども、PMDAを含めています。それから医師会等、歯科医師会、薬剤師会、国の研究助成金を受けているものとしています。それから、公益性を確認しています。研究ですから失敗することはありますが、少なくとも、公益を目指して行われている研究であることを確認します。その次が非常に大事ですけれども、その研究を行っていく上で必要最小限のデータであることを確認しています。その次も非常に重要ですが、公表ルールを決めています。基本的に研究者自身は信用できる、つまり不正な利用は行わないという前提にたっています。もちろん提供の契約では、違反した場合には名前を公表するなどの罰則規定はあるのですが、公表された、あるいは漏洩した情報は全くコントロールができなくなります。そのときに2つの場合があって、それがこの後ろの2つです。1つは、論文、学会発表等で公表する場合で、厳密な安全性がないといけないということで、原則として、レセプト件数が10以下になった場合、医療機関数で3以下に限定される場合については、公表をお認めしないということにしています。場合によってはもう少し厳しく基準が上がることがあります。例えば市町村別に調査をするときには、市町村の中には人口2万人以下の場合は最少のレセプト件数20以下に増ます。さらに人口2000人以下の町村で、そもそもデータを提供しないということになっています。
2つ目の基準が、この研究者からデータが盗まれたあるいは漏洩した場合です。盗まれてしまうと、やはりまったくコントールできません。したがって、データは盗まれては、あるいは漏洩してはいけないというのが、申請のルールになっています。具体的に言いますと、提供するデータに関しては、十分に安全に管理していただかないといけない。そのためには、例えばネットカフェで研究してはいけないとか、そういったことは当然になるわけですが、忙しいときは例えば空港のラウンジで一生懸命データを扱うというような人が出てきてはいけませんので、研究室に研究する場所を作っていただいて、データは安全に保管していただき、人が出入りする場合は入退室を記録をするなど、かなり細かい規則があります。この規則を守っていただくことになります。
一般の研究者にとっては情報セキュリティ対策はなかなか難しくて、できないという方がいらっしゃるので、レセプト等のデータベースには、3か所のオンサイトセンターを設けています。オンサイトセンターは利用を申請していただくと、オンサイトセンターに来て研究をしていただきます。オンサイトセンターは物理的なセキュリティもネットワーク的なセキュリティも厳密に対策されていて、セキュリティをあまり気にしなくても研究を行うことができます。東京大学、京都大学、春日にあります。少し窮屈な部屋で、ラジオもテレビもなくて、時計もないという部屋に入っていただいて、用事が済むまで出られないというような、監禁状態になるような余り気持ちのいい環境ではありませんが、知りたいことを知るためにはやるという方が使っていただくということになっています。
その次のページにNDBの現状を書いています。レセプトは今120億件ありまして、2億件の特定健診が入ってきています。今レセプトの電子化率は、全ての医科、歯科、薬科を合わせて90%を超えていますので、ほぼ日本全体の医療のおおよそのことが分かるというデータベースになっています。
先ほど示しましたように提供の条件がかなり厳しいので、もう少し条件を緩くして、使いやすくするために、安全性を高めたデータセットを幾つか作っています。典型的なものがサンプリングデータセットと言われるもので、これは外来の1%、入院の10%をランダムサンプリングしています。基本的に1か月分のデータだけで、医科、薬科の連結データだけは2か月分で。これを1年に4回作っています。出現頻度0.1%の病名、医療行為は出さなくて、「ダミー」に置き換えています。0.1%の頻度とはどれぐらいになるかと言うと、全病名の90%ぐらいになります。だから、99.9%は全病名の10%ぐらいの病名なのです。医療行為もほぼ同じような状況です。サンプリングデータセットは個人が特定される可能性はほとんどないデータセットになっていますので、安全管理基準はほとんど満たさなくても提供できます。ただし、あくまでもサンプリングですので、あくまでも傾向を見るだけにはなってしまいます。
ただ、ベーシックデータセットがあり、まだ余り使われていませんが、これは同じくサンプリングデータで患者を縦にひも付けた状態、時系列にひも付けた状態でサンプリングをして、提供しています。既に、査読付き学術論文は100以上出ていますし、2016年からはオープンデータも提供しています。これは全国のデータを都道府県別、あるいは5歳刻みの性・年齢階層別に集計したデータで、もちろん先ほどの公表ルールに従って、これを下回るところはマスキングしていますが、毎年公表されています。これは厚労省のホームページから誰でもダウンロードできるということで、利用していただいています。
その次のページはMid-netで、平成30年度から本格運用が開始されます。Mid-netは厳密な意味ではデータベースではなく、データはそれぞれの医療機関にあります。それを共通の標準化された形式に変換して、各医療機関に置います。それに対して、共通に利用できる統計処理言語あるいは検索言語を用意しておりまして、それを各医療機関に投げることによって、それぞれの医療機関で検索統計処理をしたその結果だけが返ってくると。これは米国のFDAが中心になって構築しているSentinel Projectの日本版です。医薬品の安全に関わるデータを主に収集するための情報で、NDBと違って電子カルテの情報が入っています。つまり、検査結果が入っていますので、お薬を投与した結果、例えば肝酵素が上がってきた場合に捉えることができるわけです。それを各病院から回ってきた情報を収集して、右側の下に「多施設統合処理系」というのがありますが、ここにその結果が出てきます。ものによっては、どうしても元の情報が見たいということがありますので、その場合は各医療機関の許可を得て、もちろん匿名化はしていますが、そのデータを頂いてそこで収集をすることになります。操作ができるのは一種のオンサイトセンターであるPMDAのデータ処理室です。またデータを提供している病院では同じような仕組みを作って利用することができます。今年度から、いわゆる第三者提供が始まることになっています。
そのスキームが次のページの「主な利活用の流れと利活用ルール」ということで、申出があって、ここもやはり有識者会議による事前検査が行われて、オンサイトセンターに来られて、一定の処理をして安全な形の中間ファイルになったら、それを持ち出すことが可能で、御自身の研究室に持ち帰って、それを解析する、論文にするという形で公表します。これも公表時に審査をして、公表基準を満たさないと公表できないということになります。この基準はレセプトとほぼ同じです。検討事項はその横に書いていますが、こういったことを約1年掛けて検討してまいりました。
その次のページが事前審査です。これもやはりガイドラインを公表しているのですが、このガイドラインに従って、こういったことが審査されます。利用目的に合致しているか、利活用の内容が目的を逸脱せずとんでもないことをやろうとしていないか、期間が適切か、必要最小限の情報しか要求していないか、余分な情報がいっていないか、利活用する利用者の環境が安全かどうか、これもそのオンサイトセンターを使う場合は、これはオンサイトセンターでカバーするのですが、安全性を高めた中間ファイルではありますが、情報を持ち出すことがありますので、その場合の安全性を確認する、それから公表内容です。データを申請するときに、公表内容が完全に分かるわけではありません。ですから、一応こういう形で公表を予定しているということを出していただいて、実際に公表するときにはもう一度その時点で審査をします。それから利益相反は当然ですが、管理されているかということです。
審査に通れば、研究の中身のアイディアに触れる部分はもちろん公表しませんが、こういった提供がされているということはその都度ホームページに公開するということになっています。
その次のページですが、ここで議論されている難病・小慢データベースから少し逸脱するかもしれませんが、昨年の4月に国会を通過して、今年の5月に施行が予定されている次世代医療基盤法のスキームです。改正個人情報保護法で、要配慮情報はオプトアウトによる第三者提供ができないことになっています。オプトインで同意を取ると、大体10%ぐらいしか同意が得られないが、オプトアウトで拒否される方というのは、大体10%ぐらいだ、と多くの国の調査で言われています。オプトアウトだと90%の方のデータを使うことができて、オプトインだと10%のデータしか使えないということになります。もちろん、研究によってはそんなことは関係なくオプトインでないといけないのですが、後ろ向きのデータを利用する研究で、なおかつ結果が全く御本人に迷惑が掛かる可能性がない状態で、しかも公益性が十分あるというデータに関しては、オプトアウトで研究できるような環境を作ることが必要ではないかという議論がありまして、この法律が制定されたのです。
オプトアウトと言っても、クレジットカードの契約書のように、わざと薄くて小さな字で書いてあって、誰も読まないようにして、読まなくて何も言わなかったら同意だと見なしますというオプトアウトはふさわしくなく、個人情報保護法のオプトアウトでは「通知又は公表」と書いてありますが、この法律は「通知」しか書いていません。したがって、御本人に間違いなく見ていただき、その上でオプトアウトされない、つまり拒否されない情報だけが利用できることになります。提供先も限定されていまして、認定匿名加工医療情報作成事業者、長い名ですので「認定事業者」と言いますが、認定事業者にしか提供できません。この認定事業者は、匿名加工医療情報を作ることができる十分な能力を持っているということと、提供された情報を安全に管理できる能力を持っていて、さらに広い意味での公益目的の利用目的であることを審査できる、この3つの条件を満たした事業者が、政府から認定を受けてこの事業をするということがスキームになっています。
次のページを見てください。個人情報保護法と、この次世代医療基盤法の場合は要配慮情報である医療情報しか扱わないわけですから、こちらのほうが厳しくなるのは当然なのですが、「匿名加工」という言葉が出てきます。これは難しい言葉ですが、いわゆる匿名化とは少し違います。匿名化というのは、本当に何をやっても絶対に個人が特定できない情報で、通常は統計情報になります。匿名加工情報というのは個票情報で、患者ごとのデータですが、個人情報保護委員会の匿名加工情報基準というのは、一般人基準と言われていまして、一般の人が見て、誰か分からない情報、これが匿名加工情報になります。この次世代医療基盤法でいう匿名加工医療情報は、扱う情報が医療情報ですから、一般人ではなくて一般の医療従事者、医学研究者を基準にして、個人が特定できない情報と定義しています。ですから、個人情報保護委員会の匿名加工基準に少し強化をしています。実際のやり方は10ページ目にあるように、PDCA cycleのようにリスク評価をして加工をして、リスクが残っていたらまたそれを繰り返すことになります。「フォローアップ」が一番下に書いてありますが、これが非常に重要で、匿名加工情報というのは、その人にとっては分からない情報ですけれども、盗まれてものすごく精力的に分析されると、誰か分かるかもしれないというリスクがあります。したがって、「盗まれない」というのが条件になるのですが、渡してしまってそれきりだと、盗まれたか盗まれないか分かりません。渡した後も、目的どおりに使われて、使い終わったら消去されるということを確認しなければいけません。このような規定になっています。匿名加工の方法の詳細は説明を省略いたしますが、幾つかの医療情報を分類して、それぞれに対して処理の仕方が提案されています。
ゲノム情報は、今回のデータベースとも関係してくる話だと思います。ゲノム情報は、去年の5月に施行された改正個人情報保護法で、ゲノム情報は個人識別符号、一定の条件を満たす場合は個人識別符号、個人識別符号というのはその情報だけで個人が識別できる情報で、個人識別符号は匿名加工できない、削除するか置き換えるしかないという性質の情報になります。一方で、ではゲノム情報を全部削除したら、疾患の研究はできるのかといっても、それはちょっと難しいわけですから、やり方としては同意を頂く、同意ベースで研究をするというのが1つです。
それから、後ろ向きの研究で、現在ある様々なゲノム情報のデータを活用して何とかするという場合は、完全に同意を頂くのはかなり難しくて、もう亡くなった方もいらっしゃいますでしょうし、そもそも医療機関に来られない方もいらっしゃいますから、そういったものに関しては、四角の中に書いてあるのが個人情報保護法の基準ですけれども、この基準に入ってしまうと、個人識別符号になり、消去医するか無関係の記号に置き換えるしかないのですが、この基準に入らない状態のゲノム情報の場合は、それなりに処理をして匿名加工をして使うことができるということになります。
少しポイントからずれましたが、13ページが、先ほど事務局からから御紹介があった本日の論点1、2、3、4が挙げられています。これは全く同じスライドです。
その次の14ページのスライドが、参考人として「こう考えたらどうでしょうか」という私の提案です。まず、情報提供先ですが、これは行個法(行政機関個人情報保護法)の制限がありますので、その範囲の中できちんと運用規則を定めて提供する先を決めていけばいいと思います。ただし、厚生労働省だけの補助に限るというより、やはり国の補助としておいたほうが範囲が適切ではないかと思います。それから、たとえ補助がなくても公益的な研究を主に行うような施設に関しては、提供できるようにするほうがいいのではないかと考えています。
提供する情報の範囲です。これがなかなか難しくて、データベースの特徴を次のページで述べますが、ものによっては匿名加工できない、つまり症例数が非常に少ない情報がありますので、その場合は匿名加工しないで渡す、あるいは不十分な匿名加工で提供しなければならないということが起こり得ます。それを前提に考えていかなければいけないと思います。利活用の目的についても、次のスライドで説明をしたいと思います。
それから、審査会は私は個人的には設置したほうが、同意を頂いた患者への説明責任を果たすという意味でも適切かと考えています。行政機関個人情報保護法の第44条、先ほど第8条まであって、この法律は実はもっとたくさんあって、40条を超えてあるわけですが、第44条とは何かと言いますと、行政機関非識別加工情報、つまり匿名加工情報なのです。匿名加工して提供する場合の提案があった場合に検討しなければならないという項目なのです。ここで法律の中で、対象人数が何人以上何人以下というのが決まっていて、1,000人とされています。1,000人以下の情報は出せないとなっています。1,000人以下の場合は、非識別加工、つまり匿名加工して出すことはできなくなりますので、不十分な匿名加工をして出すということになって、それを前提に考えていかないといけないということになります。
最後のページは、このデータベースを私はそんなによく知っているわけではないのですが、こういった特徴があるので、ここの特殊性を考慮しながら提供の在り方を考えていくべきだろうということを列挙しています。まず、症例数の少ない疾患が含まれます。ただ、収容している疾患に関してはかなり網羅性が高いのではないかと想像しています。それから、遺伝性疾患が含まれます。個人情報保護法制と遺伝というのは余り相性がよくありません。個人情報保護法というのは1者、2者、3者しかなくて、1者は本人、2者は情報をもらう人、3者はそれ以外です。遺伝する疾患の場合、何かが起こって被害を受ける、差別を受ける人は本人とは限らないわけです。本人の親の場合もあるし兄弟の場合もあるし子供の場合もあります。これらは全て第三者に当たりますので、個情法だけを考慮していたのでは具合が悪いこともあります。日本の場合は、ここに関する法律がまだ十分にはできていませんので、法律をあてにはできませんので、この提供の在り方の中で考えていく必要があるだろうと思います。それから、当然ですけれども小慢から難病に移行する人があります。したがって、この2つのデータベースは症例によっては結合する必要があるでしょう。結合することを前提として提供の在り方を考える必要があると思います。
それから、病気によっては臨床研究として既に十分な情報を格納しているコホート研究がある場合があります。そういった場合とこの網羅性の高いデータベースをうまく結合させることによって、全体状況を類推しやすくなるということもありますから、他のデータベースとの結合というのを状況によっては考えないといけないデータベースだと思います。ただし、結合することによって場合によってはリスクは高まります。本人が特定できる可能性は高まる可能性もありますので、十分に危険性を審査して提供すべきだろうと思っております。少し散漫な意見になりましたが、私の意見は以上です。どうもありがとうございました。
○千葉委員長 ありがとうございます。非常に丁寧に、分かりやすく御説明していただいたのですが、専門的なお話も結構含まれていましたので、難しいところがあったのではないかと思います。議論をする前に、質問と言いますか、ディスカッションというよりも、今、頂いたお話に対して質問事項等々ありましたら、まず先生お願いします。
○五十嵐委員長 1つ質問させていただきたいと思います。NDBで患者さんの年齢はそのまま提供されるのですか。
○山本参考人 ガイドラインでは原則5歳刻みで、85歳以上はトップコーディングすると決めていますが、あくまでも原則で、例えば、高齢者医療の研究をされる場合は100歳まで、5歳刻みにすることは、目的によってはお認めします。
○五十嵐委員長 逆に小児の場合は何箇月という単位まで出すことも例外的には可能ということですね。
○山本参考人 そうですね。例外としてはお認めできます。
○五十嵐委員長 ありがとうございます。
○千葉委員長 ほかはいかがですか。今のお話について、ナショナルデータベースは、当然ですが、かなり法律に準拠してやっていただいていて、非常に参考になったと思います。質問等についてはよろしいですか。
このようなナショナルデータベースが既に運用されているというところで、これは非常に参考になると思いますので、それをある程度基にしてと言いますか、参考にしながら話を進めていただいたらよろしいのかと思います。石川委員が先ほど言われた点について、私も十分キャッチアップできていないので、もう一度、先生の論点をお話いただけますか。
○石川委員 今の山本先生の御説明の中に、結構入っていたので、特に、ゲノムが入るところで、これがもっとより慎重なものが必要なので、行個法の中だけでいいのかどうなのかという論点です。これは今後話し合っていく必要があると思います。
○千葉委員長 そうですね。正にその点をポイントアウトしていただいていましたね。それでは、資料1-2の厚労省に出していただいている「指定難病患者データベースと小児慢性特定疾病児童等データベースの当面の利活用の在り方に係る論点」という、このタイトルですが、今のお話の配布資料にも、後ろから3ページ目に同じものを出していただいていて、それに対する山本先生の私案と言いますか、御意見がその次のページに御提案として出されていたわけですが、この順番に沿って話を進めたいと思います。
まず最初に、石川委員からも御指摘がありました情報の提供先についてどう考えるかということですが、ここに➀、➁、➂とあって、データとしては厚労省が保有しているわけですが、それの使用については厚労省又は厚労省が補助を行う研究班に限定するというのが1つの案です。➁は、それに加えて公共の機関と言いますか、都道府県、大学、国立研究開発法人、国立研究所、研究の実施に要する費用を国の行政機関から補助されているもの、これは➀の研究班とダブりますが、そういったようなものに広げるか。➂は、薬剤開発や医療開発というようなものに関わってくると、これはAMEDでも検討されているわけですが、実際に薬物を開発する企業等にもこれを提供するのかという辺りが論点になるかと思います。この辺について御意見を頂きたいのですが、いかがですか。
○石川委員 日本医師会の石川です。実は小慢と難病のデータベースですが、基本的には申請の段階で患者さんの登録をすることが基本になってくると思うのです。例えば、これが1年ごとに更新するとしても、そのときの経過という形で見ていくと思うのです。1回目の議論のときに、もっと病状や経過についても、このデータベースに載せたいということを事務局でおっしゃっていたので、それでは、どういう形でデータベースを構築していくのか、その細かな項目などの内容が一つ疑問になるのです。そのデータベースの有り様によっては、それを利用したい人、例えば研究者が利用したいのかとか、国が利用したいのかとか、そういうことが決まってくるので、データベースの有り様も最初に議論しておかないと、この提供先もそれによるのです。
今日は山本先生の御説明の中にはなかったのですが、NDBやMID-NETについては、発出している医療機関があるわけです。レセプトだと医療機関が保険請求するわけですから。ところが、医療機関の場所などについてはNDBは原則分からないようになっているのです。医療機関コードは原則公表しないことになっているのです。例えば、このデータベースで、患者さんがどこの地域に住んでいるのかということまでデータベースに載せるかどうかということも、非常に大事な内容になってくるのです。そういうデータベースの項目内容なども併せて議論しないと、提供先はなかなか難しいというのが私の意見です。
○千葉委員長 この点について、現時点で厚労省のほうで何か御意見等ありますか。
○田中難病対策課長補佐 データベースの概要と調査項目というのが参考資料の2ページ目にあります。このデータベースには、完全に個人が識別できる情報が現在入っております。データベースの中には、既に名前や住所は入っている状況です。
一方、それを出すかどうかというところの議論なので、そのデータベースがどうあるべきかというところについては、既に情報を格納しているということです。
○石川委員 それでは参考資料の2ページにあるようなものがデータベースの内容ということで考えてよろしいのですか。
○田中難病対策課長補佐 左様でございます。
○石川委員 そうすると、これはかなり大変機密性が高いということになりますね。
○田中難病対策課長補佐 そうです。
○石川委員 分かりました。
○千葉委員長 経年的なデータベースについては、これは正に議論がなされているところで、やはり、要望としては、先生がおっしゃるように、患者さんの経過などを今後データとしては集積すべきであるという意見が非常に一方で強くあって、それは患者さんの動向とか、特に指定難病をいろいろ見直していくときに、どの程度が軽症化していくのか、あるいはどの程度が重症化していくのかといったことが、特に行政側のデータとしては非常に重要になりますので、そこは今後の検討課題としても現在検討されていると私自身は理解していて、それが入ってきますと、それを踏まえてどうするのかというところが今後は論点になるかと思います。
○石川委員 先生が今、御指摘されたことは、これは完全にオプトインで、患者さんにこういうふうに経過をもらいたいということで、きちんとオプトインでやるしかないと思うのです。
もう1つ加えてみれば、医療機関情報が2ページ目にありますが、これは基本的にはこの医療機関の情報にもなりますので、これも医療機関の了承が必要になります。やはり、難病や小慢でデータベースを構築して、そこまでやるときには、基本的にはオプトインでいくしかないということになるのではないかと思いますが、いかがですか。
○千葉委員長 その点については何かありますか。私個人的には、それはそういうふうに思いますが、皆さんからその点の御意見はありますか。よろしいですか。その論点は取りあえず置いておきまして、結局、➀、➁、➂について、大筋としてどのように考えるか御議論を頂きたいのですが、いかがですか。
○井田委員 私は先天代謝異常学会の理事長をしております。学会でも患者さんのデータの把握が必要な場合もあると思います。➁に学術団体が入っていないので、学会も対象としてはどうでしょうか?
○千葉委員長 いかがですか。これは当然私も含めるべきだと思います。どうですか。やはり、少なくとも➁までは、多くの方がほぼ同じような御意見をお持ちではないかと。実際に先ほどのナショナルデータベースについても、基本的にはそういう形でされておられると理解しましたが。
○坂上委員 読売新聞の坂上です。これまでに特定疾患等のデータベースは研究班に渡しているということでしたが、今の話ですと、全て個票で名前が入ったものを渡しているわけではないのですね。
○田中難病対策課長補佐 今までは統計データしか、提供しておりません
○坂上委員 数字的なものが出ているものだけで使っているということですか。
○田中難病対策課長補佐 例えば患者数等限られた情報のみの提供となっております。
○坂上委員 分かりました。
○千葉委員長 ➀、➁辺りまでは、皆さんは御賛同されると思いますが、➂については、医療開発という所で非常に重要なポイントですが、それこそ極めて慎重でなければならないわけで、いきなりというのはなかなか難しそうだなと。提供先について、3の利活用の目的の所で、いわゆる臨床研究等への利活用ということになるわけで、この場合は臨床調査個人票の項目の基本情報とありますが、結局は、各症例の患者さんにたどり着かないといけないということになります。つまり、薬剤開発のときに、患者さんの御協力を頂いたり、リクルートするような場合に、直接というよりは、各医療機関を介して、あるいは医師を介して患者さんにたどり着くという意味での、臨床研究等への利活用の情報というわけですが、そこの話と重なってくるわけです。そういうことで、➀➁と➂の所ではかなり大きなギャップがあるということですが。
○井田委員 千葉先生がおっしゃったように、➂に関してはかなり慎重に扱ったほうがいいと思います。新薬の開発は医師、学会を通してある程度話が進んでくると思うのです。ですので医師や学会が情報を把握していれば、リクルートや登録が始まるので、ダイレクトに企業にデータ渡すのは少し危険だと思います。ある程度アカデミックなレベルで1回チェックを掛けて、その上で新薬研究等に進むという方向性がよいと思います。
○賀藤委員 成育の賀藤です。資料1-2の最後のページ、「小児慢性特定疾病児童等データベースの研究利用にかかる同意書」とあります。これを読んでいただければ分かるように、これは完全に、「児童等の健全育成に資する調査及び研究を推進するための基礎資料として、研究に利用されることに同意します」とあります。これ以外ないのです。これだけではっきりしていて、もう企業はない。これは企業だと別次元。これは完全に企業は想定していることではないので、これで取った現状のデータは企業に出すことはまずできないと考えていますので。
○千葉委員長 今の小児慢性特定疾患の同意書については、そのポリシーがきちんとそういう形で書かれているという御指摘でしたが、これは指定難病になりますと、1枚戻りますと、「なお、この同意は添付された臨床調査個人票を疾病研究の基礎資料として活用することに対する同意であり」ということです。今の話と重なるわけですが、「臨床調査研究班で行われる臨床研究等の実施に関して協力を求める場合は、改めてそれぞれの研究者から指定医を介して説明が行われ、同意を得ることとされています」ということです。ここも小児と同じように、今お話のあった➂の部分については、「してはならない」という書き方ではないけれども、そういう理解にはならないというようにに思われます。現行の同意書で行くのであれば、まず、➁までになるかと思います。
あとこれは、山本先生の御提案の中で、厚労省の補助に限ることについては慎重な議論が必要というのを、もう一度、先生の論点を。
○山本参考人 皆様の御議論のように、1の所で➁であれば全く問題ないと思いますが、厚生労働省の補助だけというのは、少し学問の平等性からも若干それ以外の道も広げておくほうがいいかと考えた次第です。
○千葉委員長 ですから、先ほど御指摘のあった学会ということになりますと、そこも含むということですね。
○山本参考人 はい。例えば、文科省の研究でやってもいいでしょうという話です。学会は、NDBのときにも議論になったのですが、一応含めなかったのです。それは学会も本当にいろいろあって、「学会」と一言で括ってしまうと括りきれない所があるので、恐らく学会の先生方の中には、少なくとも一部は大学に属した方がいらっしゃいますので、大学の立場で研究申請をしていただいて、結果について学会で議論していただくという形で御承知願えないかと考えて、一応、学会は外したのです。
○千葉委員長 おっしゃるようにいろいろな学会があって、これは難病制度そのものとも関わる問題ですが、日本医学会との関わりということも含めて、きちんと議論がなされないといけないということでしょうね。ほかに何かありませんか。
○小林委員 難病のこども支援全国ネットワークの小林です。今の議論の続きになるかもしれませんが、どこまで出すかということになってくると、例えば私たちの場合には、患者さんたちから特に生活状況についての相談がたくさん寄せられてきて、その患者さんのいろいろな情報を提供しているわけです。今のお話からいくと、もともとの情報は患者の情報ですから、患者の情報が、患者が全然分からないというのもまたおかしな話で、こういうのに加えていただくべきではないかとは思います。
一方で、今お話にあったように、やはりこれは研究ベースということで、その出口を絞ってするのは賛成できます。ですから、私の言いたいことは、企業もというのは、やはり外すべきではないのか。一般にいろいろな基準がない中で、企業も含め、今、学会の話が出ましたが、ある程度絞った形で出す先を決めておくべきではないかと思います。そうでないと、本来の患者さんたちの情報が、患者さんの知らないところでどんどん流れていく恐れもあり得るかもしれません。そういうことを申し上げたかったのです。
○千葉委員長 ありがとうございます。患者さんの立場からという理解をしましたが。
○本間委員 あせび会の本間です。今の小林委員とある意味で相矛盾するかもしれませんが、難病は希少難病になればなるほど情報は非常に少ないのです。患者家族は自分の病気のことは分かるのですが、全国にどれぐらいの人がいて、どのような症状の人がいて、今、どのような生活状況をしているかというのは非常に情報が少ない。それを集めるのが学会でもありますし、ある意味、患者会なのです。
例えば、患者会が医療相談会やセミナーを開くときに、担当の学会の先生にお出でいただいて状況を聞くという集まりはよくあるのです。うちのあせび会もよくやっているのですが、そういう場を通じて、このデータを公表してもらうというのは駄目なのですか。個人的にはそこまで広げてもらったほうが、患者さんのためにはいいのではないかと思うのですが。その辺はむしろ医療側の先生方のお考えを聞きたい、あるいは行政の意見も聞きたいと思っているのですが。そういう発想は今の提案の中にはないような感じです。
○千葉委員長 そこは非常に大きな論点で、先ほどから話が出ていますが、これは2の論点に関係するわけです。いわゆる患者数が非常に少ない疾患の場合に、先ほどNDBでは1,000人でしたか、2,000人でしたか、それ以下のものは採用しないというお話がありましたが、それと同じように、非常に患者数が少ない場合は特定されることがあり得るということで、厚労省という公の機関がそこに立ち入るのはなかなか難しいという理解になると思うのです。
ですから、そこのところを例えば患者会という個人と言いますか、厚労省という公の場ではない所でという、そういうことはあり得るかなということで、そこは実際にかなり具体的な話として非常に大きな問題になると思うのです。それは論点としてポイントアウトしておきたいと思います。
○小幡委員 上智大学の小幡です。私も以前は医療、ゲノム情報の個人情報保護とかをやっていた時期があるのですが、法律的には、個人情報保護法、行政機関個人情報保護法の中で、なかなか医療の研究を進めるには難しいところがあって、そこで先ほど山本先生から新しい法律、ビッグデータのための次世代医療基盤法ができたりしたのですが、まずは確認ですが、今回のデータベースはそれとは別の話で、あちらはビッグデータの問題なので、難病のような希少的なものなどは、今回の法律のデータベースには馴染まないので別次元だと思いますが、いずれにせよ、そういう個人情報保護の観点からの研究の難しさがあるというところから、この新しい法律ができているということの認識は必要かと思います。
個人情報については、何よりやはり患者さん御本人の情報なので、自分がきちんとコントロールできるかということで、自分の知らない所に流れたり、漏洩されたりしないかという心配があるというのはもちろんのことです。他方で、研究を進めていくためには、やはり、その研究に必要なものはデータとして使えたほうがよいというのはもっともで、それは最終的には患者さんの利益にもなりますので、そこの兼ね合いが法律的には難しいということは、皆さんよく御存じだと思います。
その中で、難病・小慢のデータベースですが、どう匿名化してもなかなか完全な匿名化は難しいところがあるので、かなり慎重な扱いをするということでできていると思います。ただ、先ほどから議論がありますように、例えば学会にもいろいろあるのですが、真面目に研究している所はどうするのかとか、利用させる情報の範囲をどうするかということについては、できるだけ慎重にしなければいけないのですが、しかし、必要なものは使わせたほうが研究に有益である。そうすると次の議論かもしれませんが、「審査会の設置」がありますが、このように非常に難しいデータベースですので、先ほど山本先生のお話にもありましたように、やはり、審査会をきちんと設置して、そこで一つ一つ具体的に検討するという仕組みが必要なのではないかという感じがしております。それを設置することによって、多少受入れの可能性の幅を広くしても、個々の審査で認めるか認めないかという判断ができることになるので、そのほうが、最終的には患者様の利益にも資するところがあるのではないかと思っております。
○千葉委員長 ある程度原則を決めておいた上で、個々の事例に対しては、4にあります審査会ですね、これは、それこそナショナルデータベースでもされているわけですけれども、そういう所できちっとやるべきであるという御意見だったかと思いますが、よろしいですか。
○石川委員 日本医師会の石川です。今の意見にとても似ているのですが、私、先ほどオプトインでなければ駄目なのではないかと言ったのは、このデータベースに登録される項目が、先ほどの山本先生のお話のNDBとは非常に違うのです。NDBというのは非常に限界のあるデータでして、それを集めて120億だとか、それで研究に利活用するための、要するに有識者会議をやっているということなのです。これも、必ず利活用という面であれば、その研究者がどういう研究をするのかということが問題になりますが、私も、学会に一様にオープンにするのは反対です。というのは、NDB、私も大体足掛け8年ですか、山本先生とずっと御一緒に有識者会議をやってきましたが、世の中にはとんでもないような、ちょっと想像できないような御研究をされる、あるいは申請する方もいるのです。ですから、私は、学会というように一概に許可しますというのはNOだと。特に、このような機微性の強い項目で、遺伝的なものがあれば、これは、例えば街で、本当に希少疾患の方があらわになってしまうようなデータの使い方などはとてもできませんので。
ですから、やはり有識者会議できちんと、例えば1番と2番に鍵をかけて、そこもきっちりと有識者会議で、どのような研究に使うのですか、どの項目が中心ですかみたいなこともお聞きして、それで出すということであれば、全部、例えば、厳重に、その患者さんから、「大丈夫ですか、これはオプトインで行くしかないのですよ」などということを言わなくてもいいかもしれない。オプトインで御説明しても、患者さんにもその重要性が分からないかもしれないのです。ですから、それでないとこのデータベースの利用ができないというと、もう全くできなくなってしまうので、どの項目を御利用される研究なのかということも含めて、有識者会議で厳重に鍵をかければ大丈夫かと思います。
まずは試行からやっていったらいいと思います。NDBのときもそうだったのですが、手挙げで幾つかの組織の方から、このような研究に使いたいということで、実際に手挙げしてもらって、こういう使い方があるのですね、ではこれでやってみましょうということで幾つかやってもらって、試行の上で慎重にやったほうがいいというのが私の提案です。
○千葉委員長 ありがとうございます。したがって、1の➁の所については、余り広げすぎるのはという御意見が1つと、やはり審査会を作ってしっかり議論をしましょうということと、それからもう1つは、まず試行を、患者さんも最初にやっていって積み重ねていくというか、そういう方向性がいいのではないかという御意見だったように思いますが。
○賀藤委員 委員長、よろしいでしょうか。MID-NETの小児版を厚労省の事業として成育医療研究センターは運用しています。今回、そのデータベースの利活用を今策定中です。1つは、データの出し方ですが、これは、うちの事業をやっているデータの担当部署が必要に応じて加工します。そのまま出すことはない。そこはちょっとMID-NETと違うのかもしれません。まず加工して出す。当然、第三者の審査委員会を付けます。ですので、第三者の審査会を付けるのは当然のことで、そこできちっとして、それで改めて加工したデータを出すということにしていますので、どういう出し方をするかということの議論をしないと、小児、特に小児慢性はなかなか難しいです。ですので、審査会を作るのはそれは当然のことで、あとは出し方で、そしてどのくらい加工するのかということも含めてやらないと、小児慢性は少し難しいかと思っています。
○千葉委員長 今の話から派生と言いますか、関連した話で、結局、4番の話が入ってきているわけです。この2番の所、これ1番、2番、3番はずっと連関しているのですが、今、皆さんのお話をお伺いすると、やはり、1番、2番、3番の議論はともかくとして、個々の事例に対して、やはり審査会というものを作って、その審査会においてチェックするという機構を設けるべきであるというのは、ほぼ、皆さんの共通した御意見だったように思います。それは、4番の議論になっていくわけですが、例えば、全件について審査会で審査する。それから、「厚生労働省が補助を行う研究班に個人が特定されない情報のみを提供する場合など、審査会を省略できる場合も設ける」、これはいいかと思います。➂の、「運用基準を明確化して個別の審査は行わない」、この運用基準を明確化するということは、先ほどのナショナルデータベースにあった、何か規定みたいなものですね、そういうものをある程度作って、それで審査会で検討するということだろうと思います。そういう流れが私もより適切かと思いますが、いかがですか。
○井田委員 審査をするのはもちろん非常に重要なことだと思います。話が少し戻ってしまうのですが、1の➁に学会を入れていただきたいと思います。私が理事長をしている代謝異常学会は希少疾患を扱っています。本間委員が患者さんもデータを知りたいとおっしゃっていましたが、各医師では全部の情報はまとめきれないのです。ですから、学会を入れていただいて、それを審査するステップを構築するのが私の意見です。
NDBはビッグデータを扱っていますが、難病という希少疾患を扱うのとは、少し意味合いが違うので、学会を1の➁に入れていただいて、審査会を設置してそこできちんと精査をしていただくという形にしていただくと助かります。4の➂については、審査会を設置しないといけないと思います。個別の案件というのがあるので、基準を明確にしても難しいのではないかと思います。ケースバイケースがかなりあるので、やはりこれはきちんと審査会を作ってやらないと難しいと思います。
○千葉委員長 そうですね。今、おっしゃられた御意見については、どちらも非常によく分かると言いますか、おっしゃっておられる趣旨は理解できるわけです。ですから、そこのところは、やはりもう少し煮詰めて検討する必要があるかと思います。4のことにつきましては、先生がおっしゃられたように、これはもうナショナルデータベースにほぼ準拠して、やはりガイドラインのようなものを作って、それを基盤として審査会で審査するという、そういう流れをこの難病のほうにも持ち込むというのが適切かと思います。この点はよろしいですか。
そのガイドライン等々を決めていくとか、その他の問題も、今も学会をどうするかといった問題もありますが、そこら辺については、多分、この難病対策委員会で御議論を頂いたことを参考にしながら、やはりワーキンググループのようなものも作って、少数の方々でしっかりもんでいただいてガイドラインのようなものを作るとか、そういった一定の制度というものを作り上げていくことが必要ではないかと思います。その点についてはよろしいですか。
ちょっと元に戻って、1番目は提供先ですが、2番の論点の、情報の範囲ということは、もう既に今のお話の中で議論されてきたと思いますが、そのまま読みますと、➀として「個人が特定されない情報のみを提供する」、これは当然のことだと思いますが、その方策をどうするかが論点になるかと思います。➁は「希少性から個人が特定されやすいという難病、小児慢性特定疾病特有の性質に配慮しつつ、原則として、匿名化した上で、研究内容等から判断して必要最小限の情報提供をする。その際、研究機関における情報の管理方法・体制や研究成果の公表方法等が個人情報保護の観点から適正かどうか審査する」ということですが、この審査につきましては、先ほどの審査会ということになるかと思います。
ここで1つ、先ほどの論点としてあったのは、難病の場合には患者さん10名以下とかいうような非常に少ない難病があって、先ほどのお話のように、その場合には非常に患者さんが特定されやすいという懸念があります。一方で、本間委員が出されたように、むしろ患者さん側から、これはしっかり活用してもらうべきであるという御意見も頂いているわけです。ここら辺、いわゆるナショナルデータベースの何千人という話と、ここでは数人という話と、小児慢性の場合にはそれにまた加えて「小児」という問題がかかってくるので、いろいろより複雑になるのですが、何かその点で御意見はありますか。
○森委員 患者団体JPAの森です。私たちは臨床調査個人票を申請のときに提出をして同意している段階で、これは私たちの治療に役立つために研究に生かされると思って同意をしているわけですので、できるだけ早くに研究開発にいかしていただきたいと思います。いまだにまだ、対症療法すらない疾病も多くありまして、1日も早く患者としては治療法が確立することを望んでいます。
その上で、やはり今、議論いただいていますように、安全性というのは一番気になるところです。しっかりと匿名化もして、個人が特定されないという形は必要だと思いますし、情報の範囲と中身について、また提供先というところも関連して考えていかないといけないと思うのです。研究していただくためには希少な疾患もしっかりと研究していただきたいので、必要なデータは研究者にはきちんと安全を確保した上で渡せるような形にしていただき、今、ガイドラインのほうで、公表する場合にかなり厳しく決められておりましたが、学会ですとか論文等で、どこから見ても分かるようなところで公表してしまうというところを、更にしっかりと守っていただける形で、研究していただくときのデータと、またそれを公表するときの公表の仕方というのは、しっかりとその間で考えていただけると、研究も進めるのかとも思います。
○千葉委員長 ありがとうございます。その研究に活用してほしいという御意見と、個人情報保護という点、これは正に両立する極めて重要なところなのですが、そこをしっかり押さえていただきたいという御意見だったと思います。
○小林委員 よろしいでしょうか。難病ネットの小林です。私の場合は子供が難病で、患者が100人か150人ぐらいしかいなかった病気で患者会をやっていたのですが、よく厚労省の研究班の会議にお招きいただいて行くわけです。何人かで行くと、先生方が、やはり研究の成果を発表するわけです。日本中の患者の6割、7割がもう当時会員に入っていましたから、そこで発表される患者、この患者にはどうだったこうだったという話なのですが、もうほとんど分かるのです。あのA君だなとかB君だなとか、はっきり分かりますが、では仲間たち、それは厚労省の研究班ですから、仲間たちはどう言うかというと、発表してくれてよかったなと。多くは、ほとんどの人はやはりそう言います。
今の話ではないですが、そうやって、もう真面目に研究に反映されていくことがはっきりしているわけで、やはりそういう活用というものが患者もそこに行けば分かるわけです。ですから、先ほど井田先生からちゃんとした会だと。それからいい加減な会もあるということですから、そういう情報の出方とか出され方、あるいは患者さんたちの集まりに私たちもよくそういう研究班の先生をお招きして、そういう研究の成果を発表、みんなに報告していただいたりしているわけですが、そういう使われる場とか、使われ方がやはり大事なのだろうと思うわけです。何かもう、みんな規制をかけてしまうのも大事ですが、ある場では、患者たちは、自分たちの患者の情報がこのように出てきてもそれほど抵抗は感じないということを申し上げたかったわけなのです。その辺でまた御検討を頂ければと。
○千葉委員長 ありがとうございます。貴重な御意見だったと思います。
○井田委員 森委員と小林委員の非常に有り難いお言葉に感謝を申し上げます。
○安達委員 明星大学の安達です。すみません、ちょっと場違いの質問をするかもしれません。例えば希少疾患等で、全国的にも数名の、数例という症例もあるかと思うのです。そのときに、例えば成育医療センターが核になって最先端の医療機関が共同研究をするような例も多々あるかと思うのですが、そのような場合に、例えば、成育医療センターのほうで各共同研究をする医療機関等に、匿名化とかいろいろな指示と言ったらいいのか、個人が特定できないような形での指示、あるいは当然同意も取るとは思うのですが、そのような形をやっているのでしょうか。
○賀藤委員 まず少数の場合は、こういう目的でこういうデータを取らせていただきますということで、逆にもう完全に同意を得ることになると思います。それは主治医の先生を介してという形になります。ですので、こういうデータベースを用いて何かということはまずなくて、井田先生も御存じの、希少疾患ほど、ドクターにお願いすると大抵はもう患者さんとつながっていますので、目的と得るデータに関しては、完全にその患者さん、その保護者の方に同意を得るということから始まります。ですので、こういうデータベースはまず、希少疾患ほど研究とかに使用するときにはそういうことになると思います。治験の場合は、これはうちは小児治験ネットワーク、中央IRBを持っている所がありますので、各加盟している、契約している、参加している病院に、こういう病気の方はいらっしゃいますか、何人いますかということを病院に情報を求めることから始まって、それでもって、企業と、治験に参加しますかどうかということから始まっていくことになりますので、ちょっとまた別かと思っております。
○安達委員 そうしますと、そのときに、各病院の治験うんぬんというところは、各病院の、例えば倫理委員会とか、そういう所を経た上でという形になるのですか。
○賀藤委員 いえ、これは完全に中央IRBですので、これは完全に契約をして、そういうIRB関係も契約をしてそういう形を取っていますので、成育医療センターの小児治験のネットワークのIRBで審査をします。その審査を介して、これはもうそういう前提で契約をしていますので、各施設と。ですので、企業側も1回の審査で済むことがメリットとかになっています。ただ、患者さんに対しては、各病院で実際に主治医となっている先生方から同意を頂くことになります。
○千葉委員長 今、御質問のあった件については、患者さんの少ない難病の医療開発等については、今、お話がありましたように、基本的に、患者さんとドクター側のタイトな連携がありますし、厚労省がということではなくて、それぞれの研究についてきちんとした同意等々が取れた形で遂行されていると思います。ですから、実際にはそういう形で進んでいるというのは現状なわけですけれども、ただ、厚労省のデータというのは、一応、どんな病気も同じように同一に同意を頂いて、それがデータとして蓄えられていますので、今、お話のあったものはそれとして、厚労省の全体のデータとしてどのように解釈するのかという、そういう論点になるのだろうと思うのです。ですから、実際の医療について言えば、両方立てで考えていく必要があるわけですけれども、そこもちょっと、少し外れたと言いますか、追加の議論としては必要になろうかと思います。ほかにはよろしいですか。
3番の利活用の目的については、1番とほとんど連携していまして、➀の「難病、小児慢性特定疾病の研究の基礎資料としての利用に限定する」、それから➁は「➀に加えて、臨床研究等への利活用も認める」ということですが、現時点では現在の同意書の形、それから様々な現況を考慮すると、やはりここも1番の論点に合わせる、やはり3番目も➀のところで限定して、➁については今後の検討課題ということに現時点ではなるのだろうと思います。
○益子委員 川崎市宮前区役所保健福祉センターの益子です。利活用ですが、本当に希少性があるので、個人の匿名化というのは非常に大切だと思うのですけれども、個人が特定されない情報に関しては広く、要するに一般人の難病への理解を促進するためにも、特定されない情報については、NDBのオープンデータとは少し違っているかもしれないですけれども、やはりそのように国民に広く提供されるデータがあっていいのではないかと思います。
○千葉委員長 よろしいですか。厚労省のほうから何か。
○遠藤難病対策課長補佐 ご意見ありがとうございます。検討させて頂きます。なお、今、指定難病のほうは衛生行政報告例という形で、各都道府県ごとの患者数などは公表しているかと思います。
○千葉委員長 2つとも非常に重要なポイントですね。
○西澤委員 少し議論が前に戻ってしまうかもしれないのですけれども、データベースの内容について、先ほどちょっと議論が始まったかと思ったのですが、難病データベースに登録される基になる臨床調査個人票の信頼性について、もう少し検討が必要ではないかと思うのです。小児の場合には1ページか2ページと伺っています。指定難病の場合には、特にパーキンソン病などは8ページです。政策班がいろいろな情報を盛り込んで、正確な情報を取ろうとされて努力されていることは分かるのですけれども、現場で実際に診断書を書く医師は、とてもその8ページを埋めるという作業を、多数の患者さんについてはしていられないという声をよく聞きます。
ですから何をするかというと、昨年度の申請書をコピーペーストして出すということが実際に起きてしまっていますし、それから軽症者の情報が、やはり欠落してしまっています。どうしてもやはり申請者に対して、認めてもらうためにという項目でバイアスが掛かる。どこをどう書けば通るか通らないかということは、書く方には分かるわけですので、どうしてもそういうバイアスが入る。ですから、データベースとしてどんなにちゃんとしたものを作っても、そこに登録される基になる臨床調査個人票がそういう状況では、やはりデータの信頼性が担保できない。その議論をもう1回、やはりきちんとしていただく必要があろうかと思います。
○千葉委員長 非常に重要なポイントだと思いますが、今、お話がありましたように、軽症者のデータが抜けているというのは従来からいろいろ議論されてきたことですし、それから、臨床調査個人票のデータ取得について、余りにも疾患によって差があるとか、そういうことも指摘されてきたことで、そこら辺をきちんと見直して、データベースにするための取得データというものを、きちんと見直す必要があろうかという御意見だったと思います。
これについては最初の資料の1-1で御説明されたように、正に当面の、今日は当面の話をしたわけですけれども、1番の中長期的な検討というところで、5年経過後の見直しというところにかかってくると思うのです。ですから、今、正にそれに向かって臨床調査個人票をどうするのかという検討が、厚労省並びに研究班等々でなされているところであります。
それから同意書についても、難病の同意書については、これは特定疾患のところから継続しているのと一緒ですね。ですからかなり古い、ある意味で古いわけです。ですから難病法が制定されていろいろ変わってきているのだけれども、これはずっと継続されているというところで、この中長期的な検討が必要な事項の1番最後にありますように、「患者により分かりやすい同意書に変更してはどうか」という御意見を前回も頂いたわけです。これも今後、恐らく小児慢性と指定難病の同意書については、完全に一緒にはできないかもしれませんが、やはり整合性のあるものにしていく必要があるだろうと。それについては、先ほどから御議論がありますように、どこまできちんと同意書を取っておくのかという話とかぶってくるわけです。そこら辺は検討が必要かと思います。
少しまた戻りますが、どういう情報かということですが、先ほど遺伝情報について御意見がありました。遺伝情報については、参考人のお話にもありましたように、第三者が入ってくる、つまり御家族とか、親戚というようなことが入ってくるので、ちょっと複雑になってくるわけです。この辺について何か御意見はございますでしょうか。山本先生、何か追加の御意見と言いますか。
○山本参考人 今のところは、そういった性質を含めて慎重に判断するというぐらいしかないと思うのです。本来は、私は個人情報保護法だけではなくて、遺伝子情報に基づく、例えば、差別禁止法とか、そういったものが別にあったほうがいいとは思うのですけれども、今のところはないですので、そういう第三者への影響も含めて、提供の判断をするということ以外にちょっと思いつきません。
○井田委員 先天代謝異常症では、この遺伝情報は極めて重要です。代謝異常学会の基本的な方針としましては、一般的な情報と遺伝情報は切り離して登録する方式がよいと考えています。遺伝情報は非連結匿名化という形で、普通の登録とは別にするという方式を現在、理事会では検討しております。
○田中難病対策課長補佐 ゲノム情報につきましては、御存じのとおり、臨床調査個人票に入っているゲノム情報は、あくまで変異がどこにあるかという情報だけでございまして、山本先生のほうから御指摘のあった個人識別符号として規定されるような内容は全く含まれていないということは一つ、お伝えをさせていただきたいと思います。多分、御指摘の件については、例えば、基本情報の家族歴というところなどにも少し影響があるのだろうと思うのですが、御家族の方の同意を得られていないものについて、やはり家族歴はこの段階で集めているということも、ゲノム情報と併せて、情報提供の中では少し考えていくべき要素なのかと感じているところでございます。
あと、学会との連携につきましては、指定難病及び小児慢性については小児科学会が、指定難病につきましてもその申請の際に学会ときちんとすり合わせをしてくださいということをお願いをしております。全ての指定難病に関しまして、研究班だけの判断で申請がされているのではなく、学会のクレジットを入れていただくということをお願いをしているところでございまして、例えば、指定難病に係る学会につきましては、そういった研究班との連携があるものと事務局としては認識をしているところでございます。学会を全て認めるというのではなく、研究班を通じて学会と連携をすることは可能ではないかと考えているところでございます。
○千葉委員長 今の最初のところであります個人情報については、遺伝情報のみならず、家族歴とか、場合によっては生活状況といったようなことも絡んでくるわけです。ですからそこの取扱いということが1つのポイントになるのだろうと思います。時間が大分きてしまいましたけれども、このほかに何か特に、このデータベースについて御意見がおありでしたら。そうしましたらお二人。
○鶴田委員 今の議論を聞いていても、求める人が何を求めるかによって対応が大分違うような気がします。都道府県の立場で言うと、個人情報を理由に情報が来ないというのも、問題で我々が必要なのはどちらかと言うと個々人の情報でなくデータであり、こういう疾患の人がこのくらいいるといったデータです。そういう取扱いの大きな運用の指針や、実施要綱等を一旦作ってもらって、審査するときは、書類審査で終わるもの、迅速審査で終わるもの、精密審査が必要なものとかに分けて審査する等、少しそういうものを一旦作って、ここで議論するほうが現実的かなという気がしました。
○千葉委員長 はい。ありがとうございます。
○石川委員 私のほうは、この項目だとか、そういったデータベースを作るときに、項目のもう少し詳細な検討だとかというのは必要だと思いますので、これはまた別個のときに事務局のほうから提案をしていただいて、それを点検する必要があると思いますのでよろしくお願いします。今、遺伝子の問題も、あれでいいかどうかというのは大事だと思うのです。いらっしゃらなくなってしまいましたけれども、ちょっと私などは疑問符なので、学会でそういうふうに保存しているのをこのまま載せるのかどうなのかということも含めて、ちゃんとやったほうがいいと思います。
○千葉委員長 よろしいでしょうか。ですから、これは当面、どうしようかというのが今日の議論でありまして、その中でいろいろと中長期的な問題点もかなり御指摘があったと思います。それにつきましては先に、今後の見直しのところで、問題点として研究班とか、ワーキングとか、そういうものも場合によっては作っていただいて、検討して、最終的にはフィックスするという方向でお願いしたいというふうに思います。
当面の問題点としては、何となく意見としては集約されたかなという印象を受けておりますし、ガイドラインのようなものを作って、審査委員会を作って、それぞれについてきちんと対応しましょうということも御同意が頂けたように思っております。ということで、今日の議論を踏まえて、また、厚労省のほうでも御検討いただきたいと思います。最後に厚労省のほうから何かございますか。
○田中難病対策課長補佐 本日は活発な御議論をありがとうございました。事務局のほうで、次回には、今日頂いた御意見を踏まえて、骨子案のようなものを御提示できればと考えております。また、次回の委員会の日程でございますが、決定次第、御案内を申し上げます。事務局からは以上となります。
○千葉委員長 今日はいろいろと建設的な御意見を頂きまして、大変ありがとうございました。今後に是非、役立てられるように期待しまして終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
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