ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会(1))> 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2019年1月11日)

 
 

2019年1月11日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成31年1月11日(金)13:00~

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)

○出席者

出席委員(18名) 五十音順

◎荒 井 保 明、 石 井 明 子、○一 色 高 明、 梅 津 光 生、
  北 澤 京 子、 齋 藤 知 行、  塩 川 芳 昭、 正 田 良 介、
  田 島 優 子、 寺 崎 浩 子、  長 島 公 之、 中 島 康 雄、
  中 谷 武 嗣、 蓜 島 由 二、  福 山    哲、 村 上 輝 夫、
  桃 井 保 子、 渡 邉 和 久
 (注)◎部会長 ○部会長代理
  他参考人2名
 

欠席委員(4名)五十音順

  荒 川 義 弘、 後 藤 雄 一、 小 西 郁 生、 濱 口    功
 

行政機関出席者

宮 本 真 司 (医薬・生活衛生局長)
山 本    史 (医薬品審査管理課長)
中 井 清 人 (医療機器審査管理課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
森 口    裕 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
木 下 勝 美 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)
 

  

○議事

 

○医療機器審査管理課長 ただいまより、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催させていただきます。お忙しい中、御出席いただきましてどうもありがとうございました。現在、梅津先生が遅れることと、長島先生が別の所でレクがあるということなので、若干遅れて参られるということを聞いています。現在、定足数は達していることを御報告申し上げます。
続きまして、部会を開催する前に事務局より、所属委員の分科会規程第11条の適合状況の確認結果について報告をします。第11条、毎回でありますけれども委員、臨時委員又は専門委員は在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならないと規定されています。今回、全ての先生方より薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告いただいております。また、毎回のことではありますけれども、先生方に御負担をお掛けしますことを何卒よろしくお願い申し上げます。
1月から、機構の医療機器ユニットというのが4部1室体制で発足しています。4部というのは、医療機器審査一部、審査二部、体外診断薬審査室、医療機器調査・基準部、医療機器品質管理・安全対策部ですけれども、本日、新たに医療機器品質管理・安全対策部部長に就任いたしました高橋でございます。それから新たに医療機器調査・基準部長に就任にいたしました小野寺でございます。以上です。
続きまして、事務局よりお願いいたします。
○事務局 次に本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日の議題については全て医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため非公開とします。
これより議事に入ります。本日の会議ですが、ペーパーレスで行いますので、お手元のタブレットに沿って配布資料の確認をさせていただきます。最初にお示ししていました画面を本日、配布資料一覧と呼ばせていただきます。資料一覧で【資料1】から【資料4】の資料が、本日の審議事項で使用する資料となります。
議題1、議題2については、最初の説明は資料1(通し)、資料2(通し)と付いた資料でそれぞれ説明いたします。審査報告書などの個別の資料を格納したファイルが、資料ごとのフォルダの中に入っておりますので、質疑応答の際など適宜御使用ください。また、下の方に委員名簿、座席表、当日配布資料、薬事分科会審議参加規程、議事次第、配布資料一覧がありますので、必要に応じて適宜御覧ください。議事次第、座席表、委員名簿、それから当日配布資料のうちの議題1に関する正誤表は、机の上に紙面でも配布しています。資料に関する説明は以上です。またタブレットに関して不具合がありましたら、お手を挙げて事務局までお知らせください。
続いて、本部会の利益相反について御報告します。当日配布資料のファイルをお開きください。下から四つ目になると思います。目次の下に1枚スライドしていただいて、当日配布資料の2ページからが、当日配布資料1として競合企業・影響企業リストがあります。通し番号で4ページまでです。まず通し番号2ページの「WATCHMAN左心耳閉鎖システム」ですが、非弁膜症性心房細動に伴う左心耳由来の血栓生成を防ぐ目的で、左心耳を閉鎖する品目として、同様の効能・効果等を有する品目として、資料に掲げる品目を競合品目と選定しています。
続いてその下の通し番号3ページ、「Ovation腹部ステンドグラフトシステム」ですが、腹部大動脈瘤に対するステンドグラフト内挿術を行う品目として、同様の効能・効果等を有する製品として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しています。
通し番号4ページ、「DuraGen人工硬膜」ですが、硬膜欠損部の補綴に用いる吸収性人工硬膜として、同様の効能・効果等を有する製品として、資料に掲げる品目を影響品目として選定しています。
本日の審議事項に関する競合企業として、こちらの資料にお示しした企業について委員の皆様から寄附金・契約金等の受取状況をお伺いしたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の審議不参加の基準に基づく審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。以上、御報告いたします。
それでは、以降の進行について荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 まずは、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。今の事務局からの説明について、何か御意見や御質問等はありますか。よろしいですか。よろしければ、早速ですが議題の1を始めさせていただきます。
議題1、「医療機器WATCHMAN左心耳閉鎖システムの高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」を始めさせていただきます。本議題の審議に当たり参考人として、近畿大学医学部附属病院の心臓血管センター教授であられる栗田隆志先生にお越しいただいています。栗田先生、よろしくお願いいたします。
○栗田参考人 よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局です。議題1について、事務局から御説明します。資料1についてですが、先ほど申し上げましたようにタブレットでは資料1通しと書かれたPDFのファイルと、資料1資料ごとと書かれた青色のフォルダがあります。青色のフォルダの中には、個別の資料ごとに収納されています。事務局からの説明では、資料1通しと書かれたPDFのファイルに沿って説明させていただきますので、表示をお願いいたします。
1ページが、諮問書です。本議題では、医療機器WATCHMAN左心耳閉鎖システムの高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いいたします。
2ページを御覧ください。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しては、部会の御意見を聞いて新たに一般的名称を新設することとなります。新設を予定する一般的名称は、「心臓内補綴材」です。血栓塞栓症を低減する目的で、心臓内の血流を遮断するために留置する人工器具をいいます。1ポツのとおり、高度管理医療機器に指定し、2ポツのとおり特定保守管理医療機器として指定しないことが適切と考えています。審議品目及び審査の概要については、総合機構よりお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 よろしくお願いします。医薬品医療機器総合機構より御説明します。まず事前に配布した資料に修正がありますので、タブレットの当日配布資料に戻っていただき、下から四つ目の6ページ、新旧対照表にてお示ししています。おわび申し上げます。また、当日配布資料5ページ、専門協議委員一覧を御覧ください。本審査に当たりまして、資料にお示しする5名の専門委員の御意見を頂きました。
では、はじめに本品の概要について御説明しますので、先ほどの上から二つ目の資料1通しにお戻りください。右下にあります通し番号で9ページ、1.審議品目の概要を御覧ください。本品は、血栓塞栓症発症リスクの高い非弁膜症性心房細動、以降NVAFと呼ばせていただきますが、NVAF患者の左心耳内血栓に起因する虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制を目的として開発されたシステムです。本品は図1に示すように、左心耳内に留置される閉鎖デバイス、これを送達するためのデリバリーシステムとアクセスシステムから構成されます。
治療の流れを右下の通し番号で10ページ、図2にお示ししました。まず大腿静脈からアクセスシステムを挿入し、心房中隔に穴を開け、その後、左心房まで運びます。デリバリーシステムを挿入し、閉鎖デバイスを左心耳まで運び、経食道心エコー図下にて、左心耳を覆うように留置します。閉鎖デバイスの内皮化が行われるまでの45日間は、ワルファリンの内服が必要になります。
続きまして、開発の経緯を御説明します。右下の通し番号で11ページ、中段の(1)開発の経緯の2段落目を御覧ください。本品の対象となるNVAF患者では、心房内の血流が停滞して血栓形成が起こりやすい状態にあるため、心原性脳塞栓症や全身性塞栓症を発症するリスクが高くなり、NVAFに起因する虚血性脳卒中の年間発症率は、平均5%と推定されています。そのため血栓塞栓リスクの高いNVAF患者に対しては、抗凝固療法の実施が必要になります。ただし、抗凝固療法の標準薬として使用されるワルファリンは、定期的なモニタリングにより投与量を調節する必要があること、飲食物との相互作用があること、出血リスクの上昇などの懸念があるとされています。近年、ワルファリンとは異なり、血中モニタリングが不要で飲食物との相互作用も少ない新しい経口抗凝固薬、以降DOACと呼ばせていただきますが、DOACが承認されています。しかしながら、DOACにおいても出血のリスクを完全には避けられず、特に年齢、体重、腎機能等により出血のリスクが上昇する懸念があることから、抗凝固療法の代替治療として非薬物療法の必要性が高まっています。
申請者はNVAFによって、心房内に形成される血栓の90%以上は左心耳内で形成されることから、これを経皮的に閉鎖できる医療機器として本品を開発しました。なお、本品は日本心臓病学会、日本不整脈心電学会、日本循環器学会の3学会から早期導入に関する要望書が提出され、早期導入すべき医療機器に指定されています。
通し番号で12ページ、(2)外国における使用状況について、御説明します。欧州では初回承認として、2005年にCEマークを取得し、米国では2015年にPMAを取得しています。2015年から2018年で、本品は前世代品を合わせると約〇〇本の販売実績があります。
本品の非臨床試験については、特段の問題は認められませんでしたので、臨床試験成績について御説明します。通しの番号で20ページの下段、ヘ.提出された資料の概要を御覧ください。NVAF患者を対象に、本品の前世代品を用いた左心耳閉鎖療法の有効性及び安全性を評価するため、ワルファリン治療を対照群とした仮説検証試験であるPROTECT AF試験及びPREVAIL試験、並びに国内臨床試験であるSALUTE試験成績に関する資料が提出されました。
通し番号の21ページ、(1)PROTECT AF試験の3段落目から御覧ください。主要有効性評価項目である脳卒中、心血管死及び全身性塞栓症の複合イベントの発現率において、本品群は2.2%、ワルファリン群は3.7%でした。非劣性及び優越性に関する事後確率が、事前に設定された基準を満たしたことから、本品群のワルファリン群に対する非劣性及び優越性が示されました。
使用安全性評価項目である生命を脅かす有害事象の発現率では、本品群3.5%、ワルファリン群3.2%と相対リスク1.08を示し、本品群はワルファリン群にも劣らないことが示唆されました。しかし留置7日以内の留置手技、又は被験機器関連事象については、心タンポナーデを伴う心嚢液貯留が2.4%、心穿孔が1.5%と重篤なものを含む周術期の有害事象が7.3%確認されました。このように本品群の周術期における安全性上の懸念等があったことから、PREVAIL試験が行われました。
通し番号で25ページ、上段(2)PREVAIL試験の2段落目を御覧ください。PREVAIL試験では、PROTECT AF試験を補完するため周術期の安全性を含む三つの主要評価項目が設定され、それぞれに統計学的仮説も設定されました。主要評価項目1である虚血性脳卒中、出血性脳卒中、全身性塞栓症及び心血管死の複合イベントの18か月時点での発現率、及び主要評価項目2である無作為化割付け後7日以内を除く虚血性脳卒中又は全身性塞栓症の18か月時点での発現率については、事前に設定された基準を満たさずワルファリン群に対する非劣性は示されませんでした。
周術期の安全性に関する主要評価項目3である無作為化割付け時点から留置手技後7日以内又は退院のいずれか遅い方までに発現した、次に示すいずれかの事象を発現した被験者の発現率については、事前に設定された基準を満たしました。
通し番号28ページ、中段(3)SALUTE試験の2段落目を御覧ください。周術期の安全性に関する主要評価項目1については、発現率が0.0%、主要評価項目2である留置後6か月までの虚血性脳卒中、出血性脳卒中、全身性塞栓症、心血管死を合わせた複合イベントの発現率は2.4%、主要評価項目3の留置手技後45日、6か月の左心耳有効閉鎖率はいずれも100.0%と非常に良好な成績でした。
これより総合機構における審査の概要を説明します。PREVAIL試験の主要評価項目1及び2が非劣性基準を達成できなかった理由について、通し番号35ページ、上から2段落目を御覧ください。ワルファリンのTTR、すなわちPT-INRが指摘範囲内にある期間を考慮しますと、PROTECT AF試験や他の抗凝固薬の臨床試験成績と比較してPREVAIL試験のワルファリン群における全ての脳卒中及び全身性塞栓症の発症率は、著しく低かったことに加え、PREVAIL試験のサンプルサイズでは95%信用区間の幅が大きくなり、更に非劣性マージンを厳しく設定したため、PREVAIL試験では事前に設定した仮説を検証できなかったと考えられました。
通し番号で27ページの下段、表14を御覧ください。こちらは、PREVAIL試験の主要評価項目1の項目ごとの結果になります。虚血性脳卒中及び全身性塞栓症については本品群の方が高い傾向にはありますが、出血性脳卒中と心血管死については本品群の方が低い傾向にあり、信用区間の上限値も1.75を下回っており、非劣性であることが示唆されています。これは仮説が検証されたPROTECT AF試験と同様の傾向でした。
以上のことから、PREVAIL試験では事前に設定された仮説は達成できなかったものの、より多くの症例数で5年間という、より長期の評価を行ったPROTECT AF試験における本品の有効性を否定するものではないと考えました。
通し番号の37ページ、下段マル3を御覧ください。本品の周術期の合併症は、PROTECT AF試験では7.3%と高かったもののトレーニング等の工夫により、PREVAIL試験では2.2%と事前に設定された成功基準を満たしました。この成功基準は本品と同じく心房細動を有する患者に現在、広く行われている心臓カテーテルアブレーション治療における合併症の発生率を基に算出されていることから、PREVAIL試験で示された本品の周術期の安全性は、臨床的に許容できると判断しました。
通し番号38ページ、上段のマル4の下の段落を御覧ください。総合機構は、本品は虚血性脳卒中又は全身性塞栓症に対しては、ワルファリンほどの抑制効果は認められていないものの重篤な出血のリスクなどの理由により、長期的な抗凝固療法が実施できない患者にとっては本品による出血リスクを低減しながら、血栓塞栓症も一定程度、抑制することが可能となることから、これらの対象患者における本品のベネフィットはリスクを上回ると判断し、新たな治療法として医療現場へ提供することの臨床的意義はあると考えています。
通し番号42ページ、下段2)対象患者の妥当性についてを御覧ください。適正使用の観点からも、本品が適応となる患者像をより明確化する必要があると考え、次のページの図8に示すPROTECT AF試験及びPREVAIL試験を合わせたプールデータによる主要有効性評価項目の層別解析結果が提出されました。黒い太枠で囲っている部分ですが、統計学的には有意ではないものの、出血リスクが高いと考えられているHAS-BLED、3点以上の患者集団において本品群で特に有効性が期待できる結果が示されました。
以上より、通し番号の44ページ、中段に記載されている使用目的が適切と判断しました。なお、本品の対象患者の考え方については、現在、日本循環器学会を中心に策定中の適正使用指針を参考とする旨を、添付文書で注意喚起することとしました。
通し番号47ページ、下から5行目を御覧ください。総合機構は、本品には既存品とは異なる手技上の特徴があり、日本人における有効性と安全性が評価された国内治験の症例数は限られていることから、国内臨床使用下において一定症例に達するまでは、全例を対象として情報を収集し、本品の安全性及び有効性、対象患者の適切性を確認した上で、必要に応じて追加のリスク低減化措置を講ずる必要があると判断しました。申請者が計画している使用成績調査案500例の全例調査、調査期間5年は妥当と考え、これを承認条件の2としました。
通し番号48ページ、4.総合評価(1)本品の有効性及び安全性についてを御覧ください。海外臨床試験の結果、虚血性脳卒中や全身性塞栓症について、本品はワルファリンほどの効果を示すことができませんでしたが、出血性脳卒中や心血管死についてはワルファリンに対する有効性が確認されました。また、PROTECT AF試験とPREVAIL試験の層別解析の結果、高出血リスクを有する患者においては、特に本品の効果を期待できることが示唆されました。血栓塞栓症に対する抗凝固療法が必要にもかかわらず、出血リスクによりこれを長期間実施できない患者に対しては、現在、ほかに有効な治療方法がないことから、これらの患者における本品を用いた治療のベネフィットは、そのリスクを上回ると考え、ワルファリンの長期内服が困難なNVAF患者に対して本品を用いた治療は、新たな治療方法となり得ると判断しました。
同じページ、(2)本品の市販後安全対策についての上から4行目を御覧ください。対象患者における本品のリスクベネフィットバランスを最大とするためには、トレーニングやプロクター制度等により必要な技術を修得した上で、本品を用いた治療の特徴を十分に理解し、長期間の抗凝固療法を実施できない患者に本品が適切に使用されることが最も重要と考えます。また、本品や留置手技に関連する合併症に対する適切な対応も必要となることから、本品を用いた治療はAF治療に関する内科的及び外科的治療の十分な経験を有し、対応が可能となる医師及び施設で実施されることが必要と判断し、承認条件の1としました。
以上の結果を踏まえて、総合機構は通し番号の49ページ、下段に記載されている使用目的で承認して差し支えないと判断し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議を頂くことが適切と判断しました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと考え、また使用成績評価の対象として指定し、使用成績評価の調査期間は5年とすることが妥当と判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しています。総合機構からの報告は以上になります。御審議のほどよろしくお願いします。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは早速ですが、参考人としてお越しいただいています栗田先生から何か追加の御発言を頂けますでしょうか。
○栗田参考人 近畿大学の栗田でございます。先ほどプレゼンテーションがありましたように、心房細動の最大の重篤な合併症は全身性塞栓、特に脳塞栓です。これをいかにして予防するかということが極めて大きな命題として掲げられているわけでありまして、昨今脳卒中、心臓病、その他の循環器病対策基本法も国会を通り成立しました。これもこのような心房細動の患者の脳塞栓、これをいかに予防するかということも非常に大きな目的の一つとして挙げられている、国家的な大きな問題であることも御承知のところだろうと思います。
従来はこのような心房細動の脳塞栓の予防には、ワルファリンという薬がずっと数十年にわたって使われてきたわけですが、やはりワルファリンは出血リスクを大変高くしますので、常に抗凝固療法と出血リスクの表裏一体の関係というのはなかなか切り離すことができなかったわけです。もちろん新しい直接経口抗凝固薬DOACというものも登場して、多少は安全性が改善されたということもありますが、やはり新規の薬を飲みましても、年間2%、10年から20年飲みますと20、40%の患者に重大な出血リスクが生じます。小さな出血を加えるとそれがまた大変高い確率で出血事象を起こしてしまうという、非常に大きなジレンマの中で私たちは患者の治療を行っているということです。特に日本人においては、ワルファリンに関して出血のリスクが高い、特に頭蓋内出血が非常に高い。欧米人に比べると数倍高いことがほぼ確実に言われており、出血リスクを少なく、そして塞栓を減らすことを非常に大きな、特に我が国の患者において大きな目的であると考えます。
このような出血リスクが高い患者に関しては、出血リスクと塞栓の予防リスクが同等、あるいは逆に出血リスクの方が大きくなってしまう逆転現象というものも生じてきて、そのような患者は必ず一定の割合存在するわけです。そのような患者に対しては、どのような治療をしたらいいのかを日頃臨床の場では悩みながら患者の診療をしているという状況です。
したがって、本品は先ほどもプレゼンテーションがありましたけれども、脳梗塞の予防、脳塞栓の予防効果、これはほぼワルファリンと同等であり、安全性についても、特に出血リスクを増やさないということについてもほぼ証明されたと判断しております。もちろん侵襲的な治療を伴うものですので、手術の色々な合併症、先ほどもありましたが、心タンポナーデ、心穿孔は非常に問題が起こってくる可能性があります。これについては、PROTECT AF、それからPREVAIL、臨床試験の経過から見ても、ランニングカーブと言いますか、出血リスクその他の合併症は激減しています。ましてや日本で行われたSALUTE試験において、そのような合併症は0%で、過去の経験に基づいた安全な手技が確立されつつあるという状況ですので、そういう問題点も徐々に改善されるだろうと思っております。日本においては各専門家、私どものような不整脈専門医、それからインターベンションのCVITの専門医、それからエコーの専門医、そして脳卒中の専門医、こうした四つの専門医が在籍しているという条件の下に、このような治療が行われるということですので、安全性についても高く担保されるものと考えております。
今まで示されましたPROTECT AF、それからPREVAILですが、これはワルファリンも飲める患者が対象になっています。ダブルブラインドしますので、ワルファリンも飲める患者が含まれた臨床試験においての結果です。しかしながらこのWATCHMANはより出血リスクの高い患者をターゲットにして臨床の現場で使われる治療法ですので、そういう大規模臨床試験で示されたよりも、より高い出血リスクの減少効果が見込めると思いますので、これらの臨床試験よりもっと高い安全性、この治療の重要性が発揮されるのではないかと期待されます。実際に私どもが患者を見ている中で、本当にこのWATCHMANは待ちに待った臨床の治療機器ですので、是非とも日本の患者のためにこの機器を認めていただきたいと希望する次第でございます。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、委員の皆さまから御意見、御質問等、いかがでしょうか。
○長島委員 これの適応になれそうな患者の数は、おおよそどれぐらいと想定されていますでしょうか。
○栗田参考人 実際の数は試算されていましたか。
○医薬品医療機器総合機構 企業から言われた人数にはなるのですが、おおよそ年間〇〇程度と計算されています。
○齋藤委員 2点お聞かせ願いたいのですが、1点はこの治療効果は半永久的と考えてよろしいのでしょうか。
○栗田参考人 私から答えさせていただきます。このWATCHMANは動物実験によりますが、左心耳を閉鎖しますと約45日でほとんど内皮化されます。したがって金属の露出は恐らく数か月でほとんどなくなってしまうということですので、ほぼ永久的に塞栓予防効果というものが発揮されると考えてよろしいかと思います。
○齋藤委員 もう一点は実施される施設の要件についてお聞かせください。循環器の内科医と外科医がいる包括的な循環器病のセンター的な施設で行われる必要があるという印象を持ったわけですが、施設要件は今後どのように設定されるのかをお聞かせください。
○栗田参考人 それについては総合機構からお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 御説明いたします。一覧に戻っていただき、資料1資料ごとですが、そのとおりで、そういった合併症等に対応できるような、承認条件に記載していますけれども、きちんとそうした心タンポナーデ、心穿孔に対応できるような施設で行うようにしております。
○荒井部会長 資料の中にそれは何か記載がありますか。
○事務局 今すぐに追加します。
○荒井部会長 そうですか。追加というのは、ここに急に追加されるのですか。では、少しそれは待ちましょう。ほかの御質問はいかがでしょうか。
○栗田参考人 口頭で簡単に申し上げますと、日本循環器学会専門医が2名以上在籍、不整脈専門医が1名以上、日本心臓血管インターベンションCVITの認定する治療専門医が1名以上、日本超音波学会の専門医それに同等するエコーの専門家、脳卒中学会の専門医が1名以上、心臓血管医が2名以上の在籍で緊急手術の開胸手術ができるということ、このようなメンバーを含めたチームが手術適応から手技、及び術前術後管理に当たり、協議して機能していること。循環器学会の研修関連施設であること、不整脈の専門医研修施設であること、CVITの認定あるいは関連施設であること、そういうことが書かれています。
○齋藤委員 全国的には何施設ぐらいあるのでしょうか。
○栗田参考人 総合機構からお願いします。
○医薬品医療機器総合機構 大体100施設いかないぐらいかと考えられています。
○事務局 先ほどは資料に関して大変失礼いたしました。資料1の資料ごとフォルダの中に今設置しましたので、画面の下にある更新ボタンを押していただくと、「参考資料WATCHMAN左心耳閉鎖システム適正使用指針」が追加されるかと思います。問題等はありませんでしょうか。大変失礼いたしました。
○医薬品医療機器総合機構 13ページにその基準が記載されています。
○一色部会長代理 私から二つほど質問です。今の臨床の現場では多くの症例にDOACが処方される状況にありますが、先ほどの説明の中でもおっしゃいましたけれども、本事案ではDOACとの比較試験が行われておりません。通しの42ページにはコメントが記載されているところですが、有効性の解釈の妥当性について改めて説明をお願いします。まずそれが1点です。
○医薬品医療機器総合機構 確かにおっしゃるとおりDOACと直接比較したRCTはありませんが、審査報告書に記載してあるとおり、DOACを飲んでいても出血等の理由によって、やはり飲めない人が2~3割近くいるということですので、こうした患者に対しても直接比較した試験はないものの、こういう人にWATCHMANを使えば、ベネフィットがリスクを上回ると考え、当該患者も適応に含めました。
○一色部会長代理 もう一つは、このWATCHMANのデバイスを入れた後に、抗凝固薬の併用を継続しなければならないケースがあるように耳にしています。そうなるとこのデバイスのメリットは少なくなってしまうように思うのですが、いかがでしょうか。
○栗田参考人 これはWATCHMANを適応した後も45日間のワルファリンの投与、それから留置後6か月まではDAPT、以降はSATこれが義務付けられております。その後どうなるかということですが、EWOLUTIONという新しい臨床試験がヨーロッパの方で出まして、かなり抗血栓薬を中止している患者さんにも塞栓率はほとんど変わらず年間1%強が示されていますので、当面はそういう抗血栓薬を継続して投与することが通常の方法になると思いますが、将来的にはもう少しそういう抗血栓薬を止めてもいいという時代が来る可能性はあるかと思います。
もう一つは、このWATCHMANを入れた後も脳塞栓が起こる患者は年間1%いるわけで、そういう患者をどうするかですが、脳梗塞、心房細動の脳塞栓というのは全て左心耳から発生するわけではなくて、ほかの部位から散ってできてしまうことがあると、そういう方の場合は、DOACなりの併用療法をせざるを得ないことになろうかと思います。ただWATCHMANで左心耳を閉鎖できるということは、ほとんどの多くの患者にとって有効な手立てになります。一部の患者でそれでは無効な場合もあるかとは思いますが、そういう患者についても慎重な抗凝固をすること。あるいはそういう患者は恐らくは共通して左心耳にも血栓ができやすいといった、そういう状況の患者だと思いますので、そういう患者についても当然WATCHMANを適応しないよりも塞栓のリスクというのは明らかに減らせているのではないかと判断もできますので、もちろん100%防げるわけではありませんが、これはかなり効果が高い医療機器であることはこれまでの結果からも明らかだろうと考えております。
○荒井部会長 そのほか、御意見はいかがでしょうか。
○村上委員 左心耳を閉鎖することで、何か影響はないのでしょうか。
○栗田参考人 左心耳というのは洞調律中には左心房から左室への血液駆出には比較的重要な意義を持っているものですが、心房細動はこの適応になる患者のほとんどが永続性の心房細動でして、もう洞調律に戻すことがほとんど不可能な患者が適応になってきますので、基本的に心房の機能は完全になくなっていますので、左心耳を閉鎖すること自体によって心機能が低下することは普通、まず考えにくいと思っていただいていいと思います。
○村上委員 はい、ありがとうございます。
○中谷委員 適応のところですが、アブレーションはしたけれど、あるいはアブレーションはできないということが余り触れられていないような感じがしたのですが、アブレーションによりAFがなくなれば全く話は変わるのですね。
○栗田参考人 そうですね。
○中谷委員 余りその辺のことは触れられてなかったので、一つ疑問に思った点なのです。これをやってしまうとアブレーションが、ほとんどできなくなるだろうし、しにくくなりますよね。
○栗田参考人 この治療の後ですか。
○中谷委員 はい。
○栗田参考人 そういう順番は少ないと思います。
○中谷委員 そう思うのですが、その辺の適応のところでの基本的な考え方といいますか、栗田先生が言われているけれども、これをやっても完ぺきではないというのはAFが残っているからですか。
○栗田参考人 そうです。
○中谷委員 AFがあるから、どうしても左心耳以外のところへの影響もあるからその分のリスクは残っている。ただし、大きなところはこれで閉鎖されてしまうので、リスクは大きく下がるという位置付けであるというような説明が全くないのが少しおかしいような気がします。そういうふうに説明してしまえば、これの持っている位置付けがよく分かるし、抗凝固できない人に対しては、これをすることによってかなりのところ抗凝固に近い治療効果が得られること、手術のリスクはあるけれども血栓症のリスクは減るという意味で選択肢が増えるという形の位置付けではないかと思うのです。何か今回の説明の仕方では、これができてこれでもうばんばんざいのような言い方と思うのです。実際にAFでの脳血栓は、元気だった人に突然重篤な神経障害を起こしますから、いかに予防するかはすごく大事で、出血があって抗凝固療法が行えない人に対しての治療では、ジレンマに陥っているわけです。その辺のところの位置付けをもっと明確にした方が、逆にうまく理解して使われるのではないかと思うのです。
○栗田参考人 そうですね。私も基本的には同じ考えでありまして、洞調律化ができる患者については、ほとんどこの治療機器は適応にならないと思います。どんなアブレーションをしてもうまくいかない患者もアブレーションが適応にならない非常に長期的な永続するような心房細動について、アブレーションも限界がありますので、そういう患者が基本的には適応になってくるものだろうと判断しております。したがって施設基準にも不整脈の専門医がおりますし、アブレーションで洞調律化ができる可能性がある場合は、やはりそちらを優先して、それが不可能な場合、施行できない場合あるいはフェイリュアに終わった場合、次のオプションとしてこういう治療機器があるというのは先生がおっしゃるとおりだと思います。
○荒井部会長 そのほかいかがですか。
○寺﨑委員 報告書で探せないのですが、ワルファリンを飲めない人に治療適応があるということですが、飲んでいた人は前日に止める、あるいは1週間前に止めるなど、どうなるのですか。
○栗田参考人 これは止めません、継続したままで、手術のことですね。
○寺﨑委員 はい。
○栗田参考人 手術ではワルファリンは止めずに、そのまま継続したままで治療をする、WATCHMANを埋め込むということです。
○寺﨑委員 それはどこかに書いてあるのですか。そうすると前日にアスピリンを投与すると書いてありますが、バイアスピリンですか。
○栗田参考人 原則としてはワルファリンとアスピリンの併用が抗血栓薬治療の原則となっています。
○寺﨑委員 添付文書には、バイアスピリンではなくて「アスピリン」を投与すると書いてありまして、ワルファリンを投与したまま低容量のアスピリンを投与して、術中はヘパリンを使って、術後はそのままワルファリンを継続するということですか。
○医薬品医療機器総合機構 おっしゃるとおりです。45日まではそのアスピリンとワルファリンで、その手技の時はそれに加えてヘパリンが加わるという御理解で正しいと思います。
○寺﨑委員 バイアスピリンではなくてアスピリンなのですね。
○医薬品医療機器総合機構 確認し、寺﨑委員に改めてご回答させていただきます、申し訳ありません。
○荒井部会長 私から一つ。私も専門ではないのですが、薬物療法自体も、頻度が低いですが、出血のリスクは必ずあるわけですよね。先ほど予想される患者の数はそんなに多くないと伺ったわけですが、この適応の所の2番目の、「長期のワルファリン投与が適さない患者さん」という部分ですが、そこの判断が揺らぐと、結果として「片っ端からまず、これを入れてしまう」という話にいく可能性があるように思います。そこに関しては、専門の先生方のジャッジにかなりクリアな基準があるのでしょうか。どういう患者でもワルファリンを飲んでいれば出血のリスクは普通より高いという話になって、なし崩し的に流れてしまうのは好ましくないと思うのですが、その辺に関しての議論はいかがなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 先ほど示しました適正使用指針に詳しく書いているのですけれども、お開きいただけますか。12ページです。こちらに考え方が記載されており、特に四角で囲んだ部分です。適応についてはこうした患者を一応想定しています。適正使用指針の12ページの(1)選択基準の箇所に適応患者の詳細が記載されています。3ポツの下以降四角で囲んでいる部分になりますが、具体的な患者というのはこういった患者を想定しております。一応これらの判断というのが、その次のページに記載していますこの施設、例えば脳卒中専門医や不整脈医など、そういう複数の医師によって総合的に判断して決めるという形を取っています。
○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか何か御質問等はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。議論がグレーに見えたところは、先ほど栗田参考人から御説明頂きましたが、比較試験をやってはいますが、ここでの適応が「長期のワルファリン投与が適切ではない患者」という設定に対し、比較試験は一般的な症例も含め全てランダム化しているからということで、齟齬といいますかデータの解釈にずれがあった訳です。意見はよろしいですか。それでは特に意見がありませんでしたら、議決に入らせていただきます。
医療機器WATCHMAN左心耳閉鎖システムについて、本部会として高度管理医療機器に指定し、承認を与えて差し支えないものとし、特定保守管理医療機器として指定しないこと、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定を不要としてよろしいでしょうか。また、成績評価には期間を5年と指定してよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。
この結果につきましては部会にて報告をさせていただきます。これで議題の1を終了いたします。栗田先生、どうもありがとうございました。
-栗田参考人退出-
○荒井部会長 それでは、議題2「医療機器Ovation腹部ステントグラフトシステムの生物由来製品又は、特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」に入ります。本議題の審議に当たりましては、参考人として関西医科大学附属病院血管外科善甫宣哉先生に御出席いただいております。よろしくお願いします。まずは事務局より説明をお願いします。
○事務局 議題2について事務局より御説明いたします。資料2はタブレット画面で、一番上の左のプロジェクト領域、審議会資料情報欄という画面の上から3番目の資料2の資料ごと、上から4番目の資料2通し、この二つが、次の議題の医療機器の資料となっております。事務局からの説明では、この資料2の通しと書かれたPDFファイルに沿って御説明いたします。
1枚目は諮問書類になっております。本議題では、医療機器Ovation腹部ステントグラフトシステムの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について御審議をお願いいたします。それでは、審議品目及び審査の概要については総合機構より御説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 それでは、医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。開いていただいたところで恐縮ですが、一度ファイルを戻っていただき、一覧の所の下から四つ目の当日配付資料を開いていただけますでしょうか。その最後のページの通し番号7ページの所です。皆様よろしいでしょうか。本審査に当たり、こちらにお示しする2名の専門委員の先生から御意見を頂きました。戻っていただいて大変恐縮ですが、先ほど開いていただいた資料2の通し、医療機器「Ovation腹部ステントグラフトシステム」を開いていただき、その右下にある通し番号で全て御説明いたします。その8ページの図1を御覧ください。よろしいでしょうか。
本品は腹部大動脈瘤治療用のステントグラフトシステムです。ステントの拡張力により、血管への圧着性を得るステントグラフトは、本邦において既に9品目存在しますが、本品は図1の左上に記載しております、1)メインボディの中間部に配置されたポリマー充填リングにポリマーを充填することにより、血管への密着性を得る点で新規性を有しております。
次に、本品を用いた治療の概要を御説明いたします。本品の特徴を御理解いただくために、動画を用いて御説明いたしますので、先生方から向かって左手のスクリーンを御覧ください。まず、足の付け根部分からカテーテルを挿入し腹部大動脈瘤付近まで送達させます。次にメインボディの位置を合わせるために、こちらに長いX線不透過マーカーがありますので、それを左側に寄せるようにカテーテルを回転させます。調整が完了した後、シースを手前に引くことによりメインボディを展開させます。そして、一つ目のリリースワイヤを引き抜くことにより、プロキシマルステントの半分を展開させます。
次に、腎動脈をグラフト部分が塞がないようにするために、グラフトの上にあるX線不透過マーカーが腎動脈より下に位置するように調整いたします。血管造影を行い、最終的な位置を確認した後に、二つ目のリリースワイヤを引き抜き、プロキシマルステントを完全に展開させます。
次に、ポリマー充填作業を行います。ポリマー充填キットを用いてポリマーを20回混合した後、シリンジをカテーテルに装着し、オートインジェクタにより注入を行います。ポリマーはオートインジェクタにあるバネの力によりメインボディの末梢側から中枢側のポリマー充填リングに注入されていきます。本品には硬化時間の異なる2種類のポリマーがあり、ポリマーの硬化までに14分又は20分かかりますので、その間に左足のリムを留置します。メインボディと同じように、左足の付け根からカテーテルを挿入し腹部大動脈まで送達させます。その後、メインボディの内部に重なるようにリムを留置します。留置が完了した後にデリバリーカテーテルを回収します。ポリマー充填から14分又は20分経過後に、カテーテルの回収を行います。三つ目のリリースワイヤをハンドルから引き抜き、カテーテルとメインボディを切り離します。その後、デリバリーカテーテルを回収します。最後に、先ほどと同様に、もう片方のリムを留置し、その後、デリバリーカテーテルを回収します。最終的に血管造影を行い、適切な位置に留置されたことを確認し手技の完了となります。
次に、開発の経緯を御説明いたしますので、お手元の資料にお戻りください。では、お手元の資料の通し番号11ページ中段、(1)開発の経緯を御覧ください。腹部大動脈瘤は、大動脈が正常径の1.5倍以上に拡大した状態であり、65歳以上の男性の約5%において発症するとされ、最大瘤径が55mmを超えた場合、3年間の破裂率は80%を上回るとされております。そのため、破裂回避を目的に国内外において患者の状態等を考慮した上で、外科的開腹術又はステントグラフト治療が選択されております。
一方、既承認品のステントグラフトでは、治療が困難な解剖学的条件を有する症例が存在します。例えば、ステントグラフトが血管への圧着性を得るために必要である腎動脈から腹部大動脈瘤までの瘤化していない血管の長さを以降、中枢ネック長といいます。その中枢ネック長が既承認品では少なくとも10mmは必要とされており、その長さが短い症例や中枢ネック部分に石灰化病変等が存在する症例です。
また、既承認品のデリバリーシステムの外径は16Fr、5.3mm以上であり、カテーテルを挿入する血管の径が細い症例等においては、挿入困難や無理な挿入による血管損傷のリスクがあります。本品はこのような医療実態を踏まえ、先ほど御説明いたしましたように、ポリマーの充填により、血管の性状に合わせてポリマー充填リングを拡張させ、血管への密着性を高める設計となっており、既承認品に比べ中枢ネック長をほとんど必要としません。また、ポリマーを充填する機構を採用したことにより、デリバリーカテーテル外径が最大で2Fr細径化されており、挿入血管のより細い症例にも対応可能となっております。
続いて、通し番号13ページ中段、(2)外国における使用状況を御覧ください。本品は米国及び欧州にて、2012年に腹部大動脈瘤治療用として適応を取得しており、現在までに約〇〇〇本の販売実績があります。本品の非臨床試験については特段の問題は認められませんでしたので臨床試験成績について御説明いたします。通し番号25ページ中段、中核試験の概要を御覧ください。米国、ドイツ、チリの36施設において、多施設共同単群試験として中核試験が実施されました。本治験は腹部大動脈瘤を有し、かつ本品留置に必要な解剖学的要件を有する症例161例が登録されました。
次に、本治験の結果について御説明いたします。通し番号29ページ上段、(3)試験結果を御覧ください。本治験における有効性の主要評価項目は、術後1年における治療成功と設定され、本品群の治療成功率は99.3%であり、既承認品の臨床試験成績を基に設定した達成基準を満たしました。また、安全性については同じページの中段、表12を御覧ください。安全性の主要評価項目である術後30日以内に主要有害事象を発生した患者の割合は、2.5%であり、事前に設定した達成基準を満たしました。
次に、本品の審査における主な四つの論点について御説明いたします。一つ目の論点は、本品の安全性、特にポリマー漏出及びそれに伴う一過性低血圧の原因と対策についてです。通し番号33ページ、上から4行目、i)ポリマー漏出とそれに伴う一過性低血圧の発生状況についてを御覧ください。これまでにポリマー充填中にポリマーが血中へ漏出する事象が本治験で1例、市販後に20例確認されており、市販後の1例を除いた20例に一過性低血圧が生じております。
ポリマー漏出の原因として本治験の途中で、メインボディとデリバリーカテーテルの接合部品の破損が確認されたため、接合部品の改良が行われております。その後、引き続き行われた本治験では、改良後の製品が115例に使用されておりますが、当該事象の発生は認められておりません。また、市販後では、製造工程中において、ポリマー充填リングの損傷が認められたことから、製造工程の見直しが2015年1月に行われております。製造工程の見直しにより、見直し前のポリマー漏出の発生率0.32%から0.04%まで低減されております。同じページ中段、ii)ポリマー漏出に関するリスク低減措置についてに記載しておりますとおり、申請者は当該事項に関する更なるリスク低減措置の一つ目として、ポリマー充填中のシリンジ残量の確認と、X線透視下においてポリマー充填状況の確認を徹底するように注意喚起をするとしております。
また、二つ目としてシリンジへのポリマー充填量を最小限とするように注意喚起を行う。三つ目としてポリマー漏出が認められた場合には、注入ポートをクランプし、シリンジからオートインジェクタを取り外すようにトレーニングを行うと説明しております。また、ポリマー漏出による一過性低血圧が発生した場合には、同じページの下段、iii)ポリマー漏出時の対応に記載しておりますとおり、抗ヒスタミン薬等による投薬治療を行うように、術者を含めた医療従事者に対して、対処方法に関するトレーニングを行うと申請者は説明しております。
これらの説明を踏まえた総合機構の判断について御説明いたします。次のページ、通し番号34ページ下段、「総合機構は」から始まる段落を御覧ください。ポリマー漏出とそれに伴う一過性低血圧は、本品特有のリスクであることから、慎重に評価を行う必要があります。一方、直近の一過性低血圧の発生率0.04%は、ポリマーの構成成分として含有されている本邦既承認品の造影剤である〇〇〇〇〇〇〇〇〇単体における本邦の使用成績評価での発生率0.05%と同程度であります。また、冒頭に御説明した本品の特徴であるカテーテル径が細いこと等の本品のベネフィット及び当該事象の発生時には、本邦の日常診療の範囲内で対処可能であるとの専門協議での議論も踏まえると、当該事象のリスクは、臨床上許容されると判断いたしました。
二つ目の論点は、本品の長期成績についてです。通し番号38ページ、上から6行目、本品の長期成績として評価すべき事項を御覧ください。総合機構は本品の特徴を踏まえ、本品の長期成績のうち、特にステントグラフトの性能評価として、ステントグラフトの移動、本品の血管への圧着不良による大動脈瘤への血液流入、いわゆるタイプIaエンドリーク、それに加えて本品による治療効果の評価として、大動脈瘤の破裂、瘤径の拡大及び瘤関連死亡を評価する必要があると考えております。
中核試験の症例を含む本品の術後5年までの長期観察を行っている継続長期試験の最大5年までの成績を確認したところ、瘤径拡大以外は良好な成績であり、現時点では当該成績は受入れ可能と判断いたしました。5mmを超える瘤径拡大については、術後3年から5年では約10%の発生率でしたが、その発生率は本邦既承認品の臨床試験成績と同程度であったことから、臨床上許容可能と判断しております。本治験を含む継続長期試験の成績については、経年報告により長期成績を確認し、必要に応じてリスク低減を図っていく必要があります。そのため、海外臨床試験の経年報告に関する承認条件2を付すことが妥当と判断しております。
三つ目の論点は、本品の使用目的についてです。通し番号44ページ、図3を御覧ください。図3は本治験で登録された症例の中枢ネック長の分布を示しており、横軸が中枢ネック長、縦軸が症例数です。ポリマー充填リングは、腎動脈から13mm末梢側の位置に留置されますが、その長さが13mm未満であった症例、つまり、ポリマー充填リングが瘤化した血管に留置された症例は全体の25%でした。また中枢ネック長の長さによる成績への影響を検討したところ、同じページの中段、表21にお示ししますとおり、中枢ネック長13mm未満の42例のうち、中枢ネック長11mmの1例のみが主要安全性評価項目を達成できておりませんでした。
更にポリマー充填リングの留置部位の血管性状について、第三者評価により詳細を調べた結果を同じページの下段、表22に示しております。その結果、全症例の中枢ネック部分には、石灰化又は血栓のいずれかの病変を有しており、約45%の症例は両方の病変を有しておりました。総合機構は、以上の病変背景を有する本治験症例において、主要有効性評価項目を含めた良好な成績を得られていたことを踏まえ、使用目的にポリマー充填リングが留置される血管の性状について制限を設ける必要はないと判断しております。一方、本治験において、メインボディの上部にあるプロキシマルステントの破損が認められたことを踏まえ、使用目的に当該ステントの留置血管に関する規定を追加する必要があると判断いたしました。
四つ目の論点は、市販後安全対策及び使用成績評価についてです。通し番号46ページ中段、「総合機構は」から始まる段落を御覧ください。総合機構は、本品の特徴であるポリマー充填手技とポリマー漏出発生時の対応及び、本品の構造を踏まえた留置計画の重要性について、重点的にトレーニングを実施する申請者のトレーニング案は妥当であると判断しております。
また、本品の使用に際しては、ポリマー充填リング周辺の血管性状等を含めた適切な患者選択が重要と考えております。この点については、同じページの2段落下、「既承認品と同様に」から始まる箇所を御覧ください。本邦でのステントグラフト治療が適切に実施されるように治療を行う医師や、施設の基準等を管理している関連学会により組織された日本ステントグラフト実施基準管理委員会の協力の下、当該委員会の基準に準じたプロクター制度、以降を指導医制度といいますが、その指導医制度を導入し、原則として本邦の医師が本品の指導医資格を取得するまでの少なくとも10症例は、本品の使用経験豊富な医師が留置計画等について助言を行う体制及び本邦への導入初期段階では、海外から指導医資格のある医師を招集し、術中の症例立会いを2例行う体制を構築することといたしました。
加えて、本品の使用に際しては、既承認品と同様にステントグラフト治療に対する経験や知識を有する医師や、合併症等が生じた場合の緊急対応が行われる施設にて本品が使用されることが重要であることから、実施医及び施設基準に関する承認条件1を付すことが妥当と判断しております。
最後に、使用成績評価についてです。通し番号47ページ下段、表24を御覧ください。総合機構は、先述の安全対策の充足性及び本邦の導入初期の臨床成績を確認することを目的として使用成績調査を実施する必要があると判断いたしました。症例数設定については、本治験で認められた追加治療を要したタイプIaエンドリークの発生率1.2%と同じ発生率の有害事象を95%の確率で検出するために必要な症例数249例に脱落率15%を加味し、予定症例数を290例と設定しております。また、評価期間については、長期的な安全性も確認するために、観察期間を5年として販売準備期間6か月、症例登録期間12か月、解析期間を6か月と想定し、計7年とすることが妥当と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、総合機構は本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外薬診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断しております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。総合機構からの御報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、まず、参考人としてお越しいただいています善甫先生から追加の御説明を頂けますでしょうか。
○善甫参考人 はい。よろしくお願いいたします。本邦では、2015年の段階で約60%の腹部大動脈瘤がこの腹部ステントグラフト内挿術で行われております。現在では恐らく更に80~90%の症例でステントグラフト治療が行われていると推察されます。しかしながら、患者さんのフレイルティが高いにもかかわらず、解剖学的条件、つまり中枢側ネックが非常に短い、若しくは高度屈曲、若しくは、アクセス不良のためステントグラフト治療ができない患者さんがおられます。一般的には両側の大腿動脈をカットダウンして、そこからカテーテルを入れていくわけですけれども、動脈硬化性の狭窄、若しくは閉塞の症例がございまして、ハイリスク症例、フレイルティ高い症例でも開腹手術を選択せざるを得ない患者さんがおられるのも事実であります。
この本品は二つ特徴がございます。一つは今、機構から御説明があったと思いますけれども、14Fr、私は内径だと思ったのですけれども、14FrI.Dのデリバリーシステムで留置可能です。従来の既存品は全て内径16Frまででしたけれども、更に細い径のデリバリーシステムで留置可能であります。
もう一つは、従来のステントグラフトは全てステントという金属のばねで、中枢側並びに末梢側の人工血管を固定しているわけではありますけれども、このOvationステントグラフトは中枢側に長いベアステントがございまして、一番下端のところは若干、中枢側のシーリングにステントは寄与していると思いますけれども、腎動脈から13mm末梢側にポリマー充填リングが二つありまして、そのポリマーを注入することによって中枢側を固定するという、従来品とは全く違うコンセプトで開発されたものです。したがって従来、ストレートでは長さが最低10mm、屈曲した場合は15mm、中枢側のシーリングの長さが必要であったのですけれども、この症例では7mmでシール可能ということになっております。
さらに、形状が基本的には、中枢側のシーリングゾーンというのは、心臓から離れるにしたがってテーパリングしていくのが普通ですけれども、大きな動脈瘤になりますと横方向へ広がるのみならず、縦方向も広がってきますので中枢側のシーリングの長さが短くなりまして、更にリバーステーパーといいまして末広がりの形になります。そういう症例では、この中枢側のシーリングリングがあって、ポリマー注入によってそこがシールされますので、従来のステントのシールとは違ったコンセプトでシールが期待されるのではないかなと思います。
実際、1年までの早期の成績ですけれども、プライマリーエンドポイントもきちんと達成されていますし、有害事象も従来品と全く変わらない成績になっておりますので、そういう意味でこのOvationステントグラフトはある一定のニーズはあるのではないかなと思います。しかしながら、色々なこの本品特有の有害事象というか、合併症もございまして、全ての動脈瘤にこの本品が適応になるわけではないと思っております。アクセスが悪いという患者さんは現在、今、16Fr内径までのシステムでアクセスが悪いからステントの留置できなかったという腹部ステントグラフトの場合、本当に数パーセントではないかなと思います。しかしながら、中枢側のネックが短いという症例は結構多くありまして、そういう症例にはこの本品は有用なデバイスではないかなと考えております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは委員の方々から御意見、御質問いかがでしょうか。
○中島委員 今、先生も御説明いただいていたように、プロキシマルネックが非常に短いケース、あるいは石灰化があるケース、エンドリークが必発だと思われるようなケース、それから腸骨動脈等が細いケース、など適応基準のようなものは明確にされるのか。もう一つはこういうような良いデバイスであれば、通常のステントグラフトはこちらの方に移行していく可能性もあると学会等では議論がされているのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 本品の使用目的に関しては、既承認品とほぼ同じ使用目的で承認を与えることを考えております。先生がおっしゃってくださったように、タイプIaエンドリークが多い症例について、どのように使うのかについてはプロクター制度を導入しますので、少なくとも10症例に関しては本品に使っていいのかどうなのかというところも含めて指導医制度の中で、本品の適応を判断していくというところで薬事上としては考えています。
○善甫参考人 一つ追加させていただきますと、今、先生が御質問になりましたような従来の既承認品で、このデバイスが全て置き換わるというデバイスはないと思います。と言いますのは、これは、すごくロープロファイルで、シーリングも良好ですけれども、中枢側に4cm近い長いステントがありまして、一般的に日本人の高齢者の場合、腎動脈上の大動脈は著明に屈曲している症例も多くございまして、頻度は低いのですけれどもそのステントがフラクチャーする可能性がありますので、全てこのデバイスが従来の既承認品に置き換わるものではないと思っています。
あと、メインボディと脚に、肋骨のようなポリマーを注入して固定し、メインボディの形を保持するような構造になっておりますので、従来の全長にわたって人工血管にステントが組み込まれるのとは機構が違いまして、メインボディと脚の間がキンクしまして、閉塞する症例も頻度は少ないですけれどもありますので、従来品が全てこのデバイスで置き換わるとは考えておりません。適応に関しましては、先ほどの資料にございましたようなネックの長さが7mmというのが従来品とは若干違い、よりショートネックでも使用可能と考えます。
○中島委員 その辺のリミテーションを明確にしていく意味でもプロクター制度をなさると、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○善甫参考人 最初は海外からプロクターを導入してきまして、最低2例経験して、本邦で10症例以上経験した指導医を作ってやってきたのですけれども、メーカー側にも負担が掛かりますし、私たちも負担が掛かります。現在は指導医2機種を持っていれば、新たなプロクターが来なくても新しいステントグラフトは導入可能であったのですけれども、この機種に関しましては、そのステントグラフトのシーリングの機構が違いますし、ポリマーを注入するという全く今までとは違う機構でできておりますので、海外からプロクターを導入して行うということになっていると思います。
○荒井部会長 その他は御意見いかがですか。
○齋藤委員 ポリマーの充填の件で2点お聞かせ願いたいのですが、一つはポリマーのリーク、漏れというのはかなり大量に出て初めて分かるようなものなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 20例発生はしているのですけれども、どれくらい漏れていったのかという正確な数字はないです。その代わり、先ほども御説明したようにポリマーの中に造影剤が混ぜてありますので、漏れていればよくよく見れば、その造影剤と共に漏れているのは確認できるかとは理解しております。
○齋藤委員 その際、漏れた場合に、例えばオートインジェクタを止めて、マニュアルでゆっくり入れていくと固まってくるなど、そのような対処をしていくということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 オートインジェクタによるポリマーの注入は数分で完了しますので、その後、マニュアルでというよりは、もうクランプしてしまってというところだと思います。
○齋藤委員 そうですか。それでポリマーが漏れた際、そのリングの固定性が効かないケースというのは出てくるのでしょうか。その際には、このデバイスにはどのように対処するのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。海外の症例では、充填した後にバルーンで後から拡張する後拡張の手技であったり、ステントをリングのところに追加留置をする症例で対応しています。
○齋藤委員 では、そのようなトラブルケースに対しては、対応する手段があるということなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そのとおりです。
○齋藤委員 分かりました。
○荒井部会長 今のポリマーのところなのですが、これは造影剤が入っていますが、もともとのこれが溜まるシリコンの部分は透視下では見えないと思われます。結局、造影剤が溜まった結果として透視で見えるという訳ですよね。オートインジェクタを使っていますが、血管の径やステントの大きさにもよるでしょうが、全て一定量を入れればいいというわけではないと思われます。その辺は正にテクニカルなところで、トレーニングが必要なように思われます。多く入れれば良いというものでもないでしょうし、血管に密着はさせるがそこそこで止めなくてはいけない。その辺も今回のトレーニングの中に入っているのですか。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。もちろん、サイズごとにその充填量も決まっておりまして、資料2の資料ごとのOvationシステムを開いていただいて、もちろん添付文書等にトレーニングの量については記載しておりますし、ポリマーを混ぜるものにも、どれぐらい径ごとに必要かというのは書いてありまして、05の添付文書です。8分の4ページ、表2の所に径ごとに最低限この量は必要ですというのは書いてありますので、この量を使うというところです。あと、本品は先生もおっしゃってくださったように充填のところが一つポイントになりますので、トレーニングのところではハンズオンも実施しまして、初めの2症例に関しては、プロクターの指導医の先生が立ち合いを行って、適切に手技が行われるかというのを確認して、慎重に導入していくということを考えております。
○荒井部会長 ありがとうございます。いかがでしょうか。
○一色部会長代理 この製品の販売実績がアメリカ、ヨーロッパ、それぞれ〇〇〇、〇〇〇というと年間で大体、〇〇例ぐらいずつということで、この全体のステントグラフトの手技がどのぐらいの母集団のうちのこの数字なのか、把握できませんのでお尋ねします。現実にはそんなに多く売れてないというか、使われていないような印象なのですがかなり選ばれた症例に使うもので、通常は今までのステントグラフトでいけるという理解でよろしいのでしょうか。
○善甫参考人 私の予想でございますけれども、本品を選択するのは年間症例の〇%程ではないかなと思います。先ほど別の委員の先生から御質問いただきました、従来品を全て置き換えるデバイスはないと考えております。アクセスが悪い症例、若しくは中枢側のネックが短い症例、若しくはアクセス血管の性状が血栓や石灰化がある、若しくは両者があるような性状が悪い症例に限って、使われていくのではないかなと考えております。
○医薬品医療機器総合機構 補足させていただきます。私たちも先生と同じような疑問を持ちまして申請者に確認しましたところ、欧米ではやはりアクセス血管が細くて、アクセス困難な症例にメインに使われているということで、マーケットシェアとしては〇%というふうに聞いております。
○荒井部会長 その他、御意見いかがでしょうか。よろしいですか。この試験、実は3か国でやっているのですが、フォローアップCTが撮れてない、画像が不鮮明など、変な理由で落ちている症例が結構あります。少し疑問に感じるところもありますが、日本でやられた試験ではありませんし、これ以上突っ込みようがありませんね。そのほかよろしいですか。それでは特に意見がございませんでしたら、議決に入らせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。医療機器Ovation腹部ステントグラフトシステムにつきまして、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定を不要としてよろしいでしょうか。また、使用成績評価には期間を7年として、指定することとしてよろしいでしょうか。御異議ないようですのでこのように議決させていただきます。本件は分科会にて、また報告をさせていただきます。それでは、これで議題2を終了させていただきます。善甫先生、どうもありがとうございました。
○善甫参考人 ありがとうございました。
○荒井部会長 それでは引き続きまして、議題3、「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」を始めさせていただきます。まずは事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題3につきまして資料3に基づき御説明いたします。資料一覧から資料3をお選びください。よろしいでしょうか。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には、いずれのクラス分類に該当するかについて、又その保守管理に専門的な知識を要するものとして、特定保守管理医療機器に指定するか否かについて御審議いただいております。今回は医療機器の承認に際し、一般的名称の新設が必要なものが1品目ございます。
資料3、新設する一般的名称(案)について1枚目の資料を御覧ください。新設予定の一般的名称は、「コラーゲン使用吸収性人工硬膜」です。開放性頭部外傷や外傷性髄液瘻に続発して硬膜の欠損が生じた場合、あるいは開頭手術で硬膜の一部を切除する必要が生じた場合の硬膜補填、若しくは硬膜代用する身体に吸収される素材からなるコラーゲン使用人工膜を言います。本品はクラスIV、高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、本品は保守点検を行う必要のある医療機器ではないため不要と考えております。説明は以上となります。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。委員の方々からただいまの説明につきまして御意見、御質問よろしいですか。特にありませんでしたら議決に入らせていただきます。コラーゲン使用吸収性人工硬膜を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議がないようですのでこのように議決させていただきます。本件は部会での審議の結果を踏まえ、次の薬事分科会にて文書で報告することにしております。これで議題3を終了いたします。最後の議題4に移らせていただきます。事務局の方から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より議題4、医療機器の再審査結果について御報告いたします。資料一覧から資料4をお開きください。よろしいでしょうか。再審査は改正前の薬事法第14条の4に基づき、原則、新しい医療機器について再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせるもので、その調査資料に基づいて有効性及び安全性の再確認を行うことを目的とした制度です。今回は再審査結果の報告が1件ございます。資料4を御用意ください。販売名「ウイングスパンステント」です。申請者は日本ストライカー株式会社です。本品は頭蓋内動脈狭窄症に対するバルーン拡張式血管形成術用カテーテルを用いた経皮的血管形成術において、血管形成術時に生じた血管解離、急性閉塞若しくは切迫閉塞に対する措置又はほかに有効な治療法がないと判断される血管形成術後の再治療に使用する医療機器で、平成25年11月22日に承認されました。本使用成績調査では、本品の臨床使用実態下における医療機器の不具合発生状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、305例が評価対象となりました。医療機器の不具合発生、有効性及び安全性について調査したところ、特段の問題はありませんでした。このため、薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないこと、すなわち再審査結果の区分を効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がないカテゴリー1と判断しております。以上の報告については、事前に委員の先生方に資料をお送りさせていただいておりますので簡単な説明とさせていただきました。以上、御報告いたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。御意見、御質問いかがですか。よろしいですか。特に御意見ございませんでしたら、これで議題4を終了させていただきます。これで本日、予定されておりました議題は全て終了いたしました。事務局の方から何かありますでしょうか。
○医療機器審査管理課長 それでは次回の部会につきまして、3月7日、木曜日13時からの開催を予定してございます。また、委員の改選がございまして、本日、御出席いただいております石井先生、正田先生、塩川先生、寺﨑先生、村上先生におかれましては本当に長らくどうもありがとうございました。また、本日は御欠席でございますけれども、荒川先生、濱口先生についても今回の部会において御退任ということになっております。以上、報告を申し上げます。連絡事項は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それではこれをもちまして、本日の医療機器・対外診断薬部会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
 ( 了 )

備  考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室 室長 田中(内線4226)

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