ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会(1))> 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2018年10月10日)
2018年10月10日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録
○日時
平成30年10月10日(水)10:00~
○場所
新橋8E会議室(8階)
○出席者
出席委員(19名) 五十音順
◎荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、 石 井 明 子、○一 色 高 明、 |
梅 津 光 生、 北 澤 京 子、 後 藤 雄 一、 小 西 郁 生、 |
齋 藤 知 行、 正 田 良 介、 田 島 優 子、 長 島 公 之、 |
中 島 康 雄、 中 谷 武 嗣、 蓜 島 由 二、 濱 口 功、 |
福 山 哲、 桃 井 保 子、 渡 邉 和 久 |
(注)◎部会長 ○部会長代理 |
他参考人1名 |
欠席委員(3名)五十音順
塩 川 芳 昭、 寺 崎 浩 子、 村 上 輝 夫 |
行政機関出席者
宮 本 真 司(医薬・生活衛生局長) |
森 和 彦(大臣官房審議官) |
中 井 清 人(医療機器審査管理課長) |
関 野 秀 人(医薬安全対策課長) |
矢 守 隆 夫(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長) |
森 口 裕(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監) |
木 下 勝 美(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役) 他 |
○議事
○医療機器審査管理課長 それでは、定刻になりましたので薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催いたします。委員の先生方におかれましてはお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございます。現時点で医療機器・体外診断薬部会委員22名のうち、18名に御出席いただいております。田島委員には後ほどお越しいただけると聞いております。定足数を満たしていることを御報告申し上げます。
まず、鈴木委員、菱田委員の後任として本部会から御参加いただくことになりました先生を2名、御紹介申し上げます。公益社団法人日本医師会常任理事の長島公之委員でございます。
○長島委員 長島です。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 続きまして、独立行政法人国民生活センター商品テスト部テスト第1課の福山哲委員でございます。
○福山委員 福山です。よろしくお願いします。
○医療機器審査管理課長 事務局の方で人事異動がございましたので、紹介させていただきます。厚生労働省医薬安全対策課長の関野でございます。
○厚生労働省医薬安全対策課長 関野でございます。よろしくお願いします。
○医療機器審査管理課長 医薬品医療機器総合機構審査マネジメント部長の美上でございます。
○医薬品医療機器総合機構審査マネジメント部長 美上です。よろしくお願いいたします。
○医療機器審査管理課長 また本日欠席しておりますが、鈴木審議役と丈達再生医療製品等審査部長も新たに着任しております。
続きまして、部会を開始する前に、事務局から所属委員の薬事分科会規程第11条の適合状況の確認結果について御報告させていただきます。第11条においては、「委員、臨時委員又は専門委員は、在任中、薬事に関する企業の役員、職員又は当該企業から定期的に報酬を得る顧問等に就任した場合には、辞任しなければならない」と規定しております。今回、全ての委員の先生方より第11条に適合している旨を御申告いただいておりますので、報告させていただきます。委員の先生方におきましては会議開催の都度、書面において御提出を頂いており、御負担をお掛けしておりますが、何とぞ御了解いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
○事務局 続いて、本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議題1と2については会議を公開で行い、3以降の議題については、医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容などが含まれるため、非公開とさせていただきます。これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでといたします。御協力のほど、よろしくお願いします。
続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。まず、お手元、左側に配付資料がございまして、議事次第、座席表、配付資料一覧の順に載っています。以降、配付資料一覧に沿って説明させていただきます。配付資料一覧の下に左上ホチキス留めの資料1、資料2がございまして、その後、左側でひも留めされている資料3、4、5がございます。それから、さらにその下に左上ホチキス留めの資料6、資料7-1、7-2、資料8、そして参考資料がございます。御確認のほどよろしくお願いいたします。また、向かって右側には当日配付資料といたしまして、まとめて左上でホチキス留めされた1冊の冊子があると思いますので、御確認のほどよろしくお願いします。何か不足がありましたら事務局までお知らせください。それでは以降の進行につきまして、荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 おはようございます。資料はよろしいでしょうか。よろしければ議題1、次世代評価指標(案)についてを始めさせていただきます。まずは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題1、次世代評価指標(案)について御説明させていただきます。資料1-1を御覧ください。資料1-1、3ページに次世代評価指標に関する御説明がございます。次世代評価指標とは、最先端の技術を使った医療機器の開発促進を目的としたものです。今はまだ承認申請されていないもので、技術の発展から早期に開発が見込まれる医療機器や再生医療等製品に着目して、それらを承認審査する際に評価すべき点を検討し、評価指標としてあらかじめ公表するものです。評価指標と言いますのは、それを満たしていれば承認できるといったような基準や、それをやっていれば承認できるといったようなガイドラインではないのですけれども、こういったことを明らかにしておくべき、ここを評価しておくべきということを明らかにしたものになります。審査の際に評価するべき点を明らかにすることで、開発側にとってはどういったデータを集めればいいのかが分かりやすく、開発を効率的に進めることができます。また、審査側にとっては、実際に審査をする際のポイントが分かっているため、スムーズに審査を進めることができ、開発期間の短縮、費用削減や審査期間の短縮につながるものと考えております。これまで、このような評価指標を30件ほど作成してきておりまして、現在も毎年2~4テーマを選定し、評価指標を策定しています。
今回、御報告する評価指標は3件ございます。1ページにお戻りください。生体由来材料を利用した新規機能を有する医療機器に関する評価指標、マイクロ流体チップを利用した診断装置に関する評価指標、2ページにございます血流シミュレーションソフトウェアに関する評価指標となります。生体由来材料を利用した医用機器とマイクロ流体チップを利用した診断機器については平成27年から平成28年度、血流シミュレーションソフトウェアについては平成28年度から平成29年度に評価指標を検討し、パブリックコメントを経て、近日中に公表を予定しております。
概要について御説明をいたします。生体由来材料を利用した新規機能を有する医療機器に関する評価指標、詳細は5ページからございます。こちらの概要についてですが、生体の組織構造を保ったまま脱細胞化することで、従来の乾燥組織や成分抽出によって製造される材料よりも優れた治療効果を企図する機器について、評価指標を検討しました。その製品の特性により、脱細胞化の過程や脱細胞化による製品の有効性・安全性・安定性に関する評価や、最後には自己吸収をされることを目的とした機器であるため、吸収過程を評価することなどが重要な評価指標としてまとめられました。
次に、マイクロ流体チップを利用した診断装置に関する評価指標については、詳細は15ページからございます。マイクロ流体チップを使い、極微量の検体を用いて測定できる測定機器について、評価指標を検討しました。微量の検体を用いることから、チップ表面の微細な構造が検査に影響し、ロットごとの違いが影響することを踏まえた精度管理や、チップの加工精度や表面処理等、微量検体特有の性能評価項目について検討し、評価指標をまとめております。
次に血流シミュレーションソフトウェアに関する評価指標につきまして、詳細は29ページに付けております。血流シミュレーションを行うソフトウェアにつきましては、プログラムでやるため、一見すると誰でも使えてしまう一方、正しく使用し、結果を正しく解釈することが重要であることから、性能や効果等を明確に規定することや、理論やアルゴリズムの明確化、使用方法の明確化等を重要な評価指標として取り上げました。説明は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。今後、新しい機器を早期に承認して導入していく過程で大事な指標となるものですが、新たな三つの指標について説明していただきました。今の説明につきまして委員の方から御質問等はいかがでしょうか。冒頭に説明がありましたが、これで何かを判断するというものではなくて、これを指標にして申請する企業等はデータを収集する、また、ジャッジする側も基本的な考え方としてこれを指標に評価する、そういう評価の基軸になる考え方の案と捉えればよろしいかと思います。よろしいですか。特に御意見がございませんでしたら、これで議題1を終了させていただき、引き続き、議題2に進ませていただきます。議題2、承認基準の改正についてを始めさせていただきます。まずは事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題2、医療機器の認証基準の改正についてを御説明いたします。左上に資料2-1と書かれた資料を御用意ください。3ページからが資料2-2、7ページからが資料2-3となっております。今回、改正を予定している認証基準は、頭蓋計測用X線診断装置に関するものとなっております。頭蓋計測用X線診断装置は、人の頭部の視覚化と寸法測定のために使用する目的で設計された診断用X線装置で、歯科X線撮影に使用されます。今回の改正の背景としましては、現行の認証基準告示にて引用しているJIS規格の改正に伴い、当該装置の認証基準として引用する適切なJIS規格が存在しなくなることから、認証基準の改正を行うというものです。具体的には、7ページから始まる基準を、厚生労働省医薬・生活衛生局長が定めるものとして認証基準を定めるものです。改正後の認証基準告示及び局長通知で定めようとする主要評価項目と基準は、現行の認証基準告示で引用しているJIS規格の内容と同等となっております。説明は以上になります。
○荒井部会長 ありがとうございます。これはどちらかと言うと、中身は余り変わってないのですが、元としていたJISの規格がなくなったので新たに定めたということです。御質問や御意見、よろしいでしょうか。ありがとうございます。特に御意見もございませんので、これで議題2を終了させていただきます。今後の議論は非公開となりますので、傍聴の皆様は御退室ください。お願いいたします。準備が整いましたら、再開させていただきます。
-傍聴人退室-
○医療機器審査管理課長 準備が整いましたので、医療機器・体外診断薬部会を再開いたします。
○事務局 当日配付資料を御用意ください。1ページより当日配付資料1があり、競合企業、影響企業リストが24ページまでございます。本日の審議事項に関する競合企業として、当日配付資料1に示す企業について、委員の皆さまから寄付金、契約金等の収受状況についてお伺いしましたところ、薬事分科会規程第12条の審議不参加の基準に基づく審議に参加できない委員はいらっしゃいませんでした。また、参加規程第13条に基づき、議決に参加できない議員としまして、議題3と5につきまして小西委員が該当しております。なおこの際、退室していただく必要はございません。
また、議題6につきましても、小西委員、齋藤委員より、寄付金、契約金等の収受の申告がありましたが、これは薬事分科会参加規程第18条の個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で公開することをもちまして、審議及び議決に加わることができることになっております。以上御報告いたします。
○荒井部会長 ただいまの事務局からの報告について、特に御意見はよろしいですか。よろしければ、これから議題を始めさせていただきます。
議題3、医療機器「UroLiftシステム」の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について始めます。本議題につきましては、参考人として、東京都リハビリテーション病院泌尿器科副院長であられる鈴木康之先生にお越しいただいております。よろしくお願いいたします。
○鈴木参考人 よろしくお願いします。
○荒井部会長 事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題3について、事務局から御説明いたします。資料3を御覧ください。1枚目が諮問書です。本議題では、医療機器UroLiftシステムの高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定、特定保守管理医療機器の指定の要否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いします。
まず、“一般的名称の新設について”というタブをお引きください。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しては、部会の御意見を聞いて新たに一般的名称を新設することとなっています。新設を予定する一般的名称は、「植込み型前立腺組織牽引システム」です。尿道の開存性を維持するため、前立腺組織を牽引するインプラントを経尿道的に留置するシステムを言い、縫合糸及び金属等からなるインプラントと、それを送達するためのデリバリーデバイス等から構成されます。1.のとおり、副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、高度管理医療機器に指定し、2.のとおり、保守点検、修理その他の管理を必要とするものではないと考えられるため、特定保守管理医療機器として指定しないことが適切と考えております。
審議品目及び審査の概要につきましては、総合機構より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器総合機構より御説明いたします。まず、当日配付資料2の本品目の専門協議委員一覧を御覧ください。本審査に当たり、資料にお示する3名の専門委員の御意見を頂きました。
初めに、本品の概要を御説明いたします。資料3の審査報告書のタブ、5ページ及び6ページの図1を御覧ください。本品は前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療に用いられます。前立腺に留置されるインプラントと、インプラントを経尿道的に前立腺に送達するデリバリーデバイスから構成されます。デリバリーデバイスには6ページの図1、上段でお示しのとおり、デリバリーハンドルとインプラントカートリッジに分かれており、インプラントカートリッジの先端にインプラントがあらかじめ装填されています。本品を用いた治療手順について、7ページの図3を用いて御説明いたします。まず図3の2.のように、デリバリーデバイスを経尿道的に挿入し、3.のようにデリバリーデバイスの先端部で前立腺組織を物理的に押さえます。デリバリーデバイスのハンドル部分を操作することにより、3.から5.にお示しのとおり、デリバリーデバイスの先端からニードルが出て、インプラントが肥大した前立腺組織を索引し留置されることで、尿道の圧迫を和らげます。
次に、本品の開発の経緯について御説明いたします。8ページ(1)開発の経緯を御覧ください。前立腺肥大症は肥大した前立腺により、尿道が閉塞し、頻尿や尿閉などの下部尿路症候群を引き起こすことがあります。本邦の前立腺肥大症治療においては、関連学会より男性下部尿路症状・前立腺肥大症診療ガイドラインが定められております。このガイドラインによると、前立腺肥大症による下部尿路症状に対する第一選択の治療法として、行動療法や薬物による治療が行われます。これらの治療の効果が不十分である場合、第二選択として外科的な治療が選択されます。既存の標準的な外科的治療としては、経尿道的前立腺切除術があります。この術式においては、前立腺組織自体を取り除くことから、治療効果は高いとされていますが、侵襲性が高く、切除後に尿失禁や尿道狭窄、男性性機能障害などの合併症を伴うことが報告されています。その他の外科的な治療法として、レーザーを用いた前立腺核出術やマイクロ波やニードルアブレーションによる温熱療法などがありますが、これらも経尿道的前立腺切除術と同様に、侵襲性が高く、同様の合併症が報告されています。
このような前立腺肥大症の外科的な治療の現状にかんがみて、本品は第一選択である薬物による治療の効果が不十分な患者に対する新たな治療の選択肢の一つとして、低侵襲かつ前立腺組織の温存を可能とする医療機器として開発されました。本品は埋植されたインプラントが肥大した前立腺組織を物理的に牽引して、その結果、閉塞した尿道が押し広げられることで、下部尿路症状に対する即効性の高い治療効果が期待できます。また、前立腺組織を温存できることから、男性性機能を含む前立腺の機能維持も期待できると考えられています。
次に、本品の海外における使用状況について御説明いたします。9ページ(2)外国における使用状況を御覧ください。米国では本品の前世代品である「UL400」という製品が、2013年9月に認可され使用されています。前世代品UL400は、デリバリーシステムがインプラントカートリッジ込みの一体型という点で本品と違いがありますが、インプラント自体は同一で、手技の違いもありません。海外の使用実績は米国のほか、欧州、カナダ、オーストラリアなどで2018年7月までに約〇〇〇個販売されています。デリバリーハンドルとインプラントカートリッジが分離し交換可能である本品についても、米国で2017年から販売を開始しており、〇〇〇個ほどの使用経験があります。
次に、本申請に添付された試験成績について御説明いたします。非臨床試験の概略は10ページから14ページに記載しておりますが、特段問題はございませんでしたので、臨床試験の成績について御説明いたします。本申請には三つの臨床試験が添付されておりますが、このうち、ピボタル試験及びMedLift試験の二つについて御説明いたします。
まずは16ページ下段(2)ピボタル試験を御覧ください。ピボタル試験は前立腺肥大症に伴う排尿障害を有する患者206例を対象に、米国、カナダ、オーストラリアの19施設で行われた多施設共同無作為化比較試験です。患者206例は、本品での治療を行う本品群140例と、膀胱鏡検査のみの偽手技が行われた対照群66例に割り付けられました。また3か月後に盲検が解除された対照群においては、新たに本品又はほかの手技による治療が行われました。18ページ下段及び19ページ表6にお示しのとおり、ピボタル試験においては、被験者1人当たり平均で4.9本のインプラントが留置されました。
まず、有効性について御説明いたします。19ページ、1)有効性評価を御覧ください。有効性評価項目として、IPSSという国際前立腺症状スコアの改善が設定されました。IPSSとは、尿路症状に関する質問項目に対して、患者自身が回答することで得られるスコアです。合計点数がより高い方が前立腺肥大の重症度が高くなり、最大で35点になります。ピボタル試験における有効性の主要評価項目として、二つの項目が設定されました。一つ目は、ベースラインから3か月目までのIPSSの変化量を本品群と対照群とで比較するものです。19ページ下段マル1有効性主要評価項目1についてに記載のとおり、本品群ではベースラインの50%である平均11.1ポイント改善しており、対照群の平均5.9ポイントと比べると、本品群において有意に症状が改善することが示されました。もう一つの有効性主要評価項目は、本品治療後12か月目のIPSSの改善率です。20ページ、マル2有効性主要評価項目2についてに記載のとおり、12か月目の時点でベースラインからスコアが平均で45.5%減少し、症状の改善と治療効果の継続が示されました。また21ページ表10にお示しのとおり、手技後60か月経過後もIPSSの改善は持続しており、本品の長期の有効性が保たれていることが確認されました。
次に、安全性についてです。21ページ、2)安全性評価を御覧ください。本品群における60か月目までの機器又は手技に関連のある有害事象のうち、比較的多く見られた事象として、排尿困難や血尿などが挙げられますが、大半の症状は軽度又は中等度であり、手技後7日以内に一過性に発現し回復したことが確認されました。このうち、重篤な有害事象として、23ページ上段に記載のとおり、尿路結石や血尿などが報告されましたが、これらの転帰は処置等により経過良好であったことが確認されております。インプラントを留置したことに起因する尿路結石については、その原因と対策を後ほど製造販売後の安全対策において御説明いたします。
ピボタル試験の安全性主要評価項目について、23ページ中段を御覧ください。安全性主要評価項目として、術後の7日間を超えた長期の尿路カテーテル挿入を必要とした患者の割合について評価され、該当する症例は140例中2例のみでした。その他、副次評価項目として、本品治療後の男性性機能障害の発生についても評価されましたが、性機能不全が新たに生じた被験者はいませんでした。
次に、本品の適用範囲を追加するために実施されたMedLift試験について御説明いたします。24ページ下段から記載のある(3)MedLift試験を御覧ください。MedLift試験は、中葉肥大を有する前立腺肥大症への適応拡大を目的に、アメリカの9施設において被験者45例を対象に行われた多施設共同非無作為化単群試験です。中葉肥大とは、ピボタル試験の組入れ対象と異なり、前立腺肥大が膀胱の出口付近に発生し、前述のピボタル試験の患者と同様に排尿障害を呈している状態を指します。25ページ中段に記載のとおり、中葉肥大への処置は、尿道周囲の肥大への処置の後に追加で実施する処置であることから、このMedLift試験におけるインプラントの留置本数はピボタル試験での留置本数よりも多く、被験者1人当たり平均6.16本でした。MedLift試験の有効性について、25ページ下段、1)有効性評価 表15を御覧ください。有効性の主要評価項目として6か月目におけるIPSSの改善率が評価され、57.7%減少と良好な結果であることが確認されました。
次に、MedLift試験の安全性について、26ページ中段、2)安全性評価を御覧ください。MedLift試験において発現した有害事象は、ピボタル試験で確認されたものと同様の内容であり、新たな有害事象の発生は認められませんでした。安全性の主要評価項目について、28ページを御覧ください。表21にお示しのとおり、安全性の主要評価項目として、あらかじめ設定された6項目の重篤な合併症の総発現率について、全ての項目の発現率が0%という良好な結果が得られました。その他、MedLift試験においても男性性機能について評価され、性機能不全が新たに生じた被験者はピボタル試験同様いませんでした。
次に総合機構における審査の概要について御説明します。審査における主な論点は三つございます。まず、一つ目の論点として、29ページ(1)から30ページにかけて記載のある、海外臨床試験成績の本邦への外挿性について御説明いたします。日本人の前立腺肥大症患者の前立腺の容積の平均値が欧米集団の値に包含されていることから、解剖学的な人種の差が手技に影響を与えないこと。前立腺肥大症に対する診断や治療の方針について、日本国内と海外とで診療ガイドラインが類似しており、大きな差がないこと。本品による経尿道的な治療を実施するに当たって、手術に際しての麻酔やシース挿入などの周辺の処置などに関する手技が、日本国内と海外とで同等であること。これらを踏まえ、総合機構は、海外の臨床試験の成績を本邦における評価に用いることは可能であると判断いたしました。
次に、二つ目の論点として、30ページ中段(2)から33ページ中段にかけて記載のある、本品の有効性及び安全性について御説明いたします。いずれの海外臨床試験の有効性評価項目においても、IPSSの改善が確認され良好な結果が得られました。なお、ピボタル試験の5年間の追跡調査において、本品による治療後に外科的な再介入治療を必要とした症例の割合は、31ページに記載のとおり、13.6%でしたが、これは既存の外科的な治療後における再介入率6~18%と同程度であり、臨床使用上問題ないと判断いたしました。また、有害事象についても、発現する有害事象は一般的な経尿道的な手技においても発現する事象でした。血尿の発生がありますが、その重症度は軽度から中等度であり、また33ページ上段に記載のとおり、前立腺切除術などの既存の外科的な治療の方がより侵襲度が高く、本品の血尿に関するリスクは既存治療に比べて高いものではなく、リスクベネフィットの観点から問題ないと判断いたしました。その他、男性性機能についても、本品による治療の前後で問題なく維持されることが確認されました。以上のことから、本品についてはベネフィットがリスクを上回り、有効性及び安全性について特段の問題がないと判断いたしました。
次に三つ目の論点は、製造販売後の安全対策についてです。33ページ(3)製造販売後の安全対策についてを御覧ください。本品は本邦において類似品や類似の手技が存在しません。前立腺組織にインプラントを留置するに当たっては、周辺の組織を損傷しないために、ニードルを刺す角度に十分注意する必要があります。また、ピボタル試験の結果から、インプラントが膀胱に露出するように留置されてしまうと、インプラントの金属部分が尿に接触し続けてしまうことから、石灰化やそれに伴う尿路結石の発生が認められました。これらのことから、本品は膀胱に露出しないような適切な位置に正確に留置しなくてはなりません。そのため、本品の留置位置については、添付文書にて適切に注意喚起するとともに、製造販売後トレーニングなどにおいても徹底して確認する必要があります。また、本品による治療においては、臨床試験における患者の選択基準及び除外基準にかんがみた適切な患者選択や尿路閉塞の的確な診断、手技後の有害事象として排尿困難や血尿などが発生した際の適切な対応が必要です。以上のことから、総合機構は、関連学会と連携し、症例選択基準、実施医及び施設要件などを含めた適正使用指針を策定した上で、製造販売後トレーニングなどによる本品の適正な使用を徹底する必要があると判断しました。そのため、本品の使用に当たっては、適正使用指針の遵守を義務付けるため、承認条件を付すことが妥当と判断いたしました。
最後に、本品の使用成績評価について御説明いたします。34ページの表22を御覧ください。本品は本邦における実臨床の経験がないこと、本品特有の手技上の特徴があること、さらに本品のインプラントは長期又は永久埋植医療機器であること。これらのことから、本品については、本邦での臨床使用実態下における長期の有効性及び安全性を確認する必要があると判断いたしました。使用成績評価としては、症例数を200例とし、ピボタル試験のフォローアップ期間を踏まえ、追跡調査期間を60か月とした上で、準備期間12か月、登録期間9か月、解析期間3か月を含めた計7年とすることが妥当と判断いたしました。
以上の審査を踏まえ、総合機構は、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。本品は生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断いたしました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。総合機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。それでは、審議を始めるに当たり、まずは参考人としてお越しいただいております鈴木先生から、追加の御発言をお願いしたいと思います。
○鈴木参考人 御指名ありがとうございます。参考人の鈴木です。私は、泌尿器科の専門医であり、また、排尿障害を専門とする者です。
まず、前立腺肥大症についてお話を申し上げますが、これは一般の方でもよく御存じの一般的な疾患です。ただ、残念ながら何をもって前立腺肥大症とするという定義はなく、いわゆる中高年の男性が排尿障害を示した場合には、前立腺肥大症ということになっております。ですから、失礼ながら、ここにいらっしゃる方々のうち男性の方は50歳以上であれば、広義には自分も前立腺肥大症というようにお考えいただいてもいいのではないかと思います。ただ、前立腺肥大症は、多くの方は治療を要さない段階にあります。しかし、尿というのは体の老廃物であって、これを確実に体外に排出するということが、人間が生きる上においては最も重要なことになってまいります。前立腺が大きくなり下部尿路を閉塞するなど膀胱の排尿筋、要するに膀胱の筋肉の収縮力が低下して、おしっこがしっかり出ないということになると、治療が必要になってくるわけです。
ファーストチョイスとしては、薬物療法が行われます。特に日本においては、α遮断薬やPDE5阻害薬というものが一般的に使われてそれなりの良い効果を示すのですが、薬物療法は低侵襲ですので、より閉塞が強い方や症状が強い方の場合には、侵襲を持ったいわゆる手術療法が必要になってくるわけです。
手術療法は昔から、医師の方はよく御存じかと思いますが、経尿道的前立腺切除、いわゆるTURPがスタンダードとして行われてきたわけです。このTURPというのは非常に良い治療法ですが、手術ですので侵襲を伴います。私はそのTURPをもう数百例を行ったと思いますが、その中でただお一人なのですけれども、術後に心筋梗塞を起こした方がいらっしゃいました。ですから、決して低侵襲ではないのです。もちろん、閉塞を物理的に取り除きますから非常に良いものではありますが、やはりリスクも伴うということで、諸刃の剣という状況です。
それに対して、本品であるUroLiftは低侵襲で行えるということです。このメリットは、インディケーションが非常に広がることです。インディケーションが広がるということは、おしっこが出なくて困っている方や困っている方のみならず、手術もできない、薬物療法でもうまく尿を排出できないという場合にも適応がひろがるということです。これができないとカテーテル留置になります。カテーテルを長期に留置することは100%複雑性尿路感染症を伴うのです。どんなに無菌的に入れても1週間以内に複雑性尿路感染症が起きてきて、抗菌薬の投与でも菌交代現象が起こるだけで、最後にはカビが生えてくるなどというとんでもない状況になってきます。患者さん本人としては、まず管につながれているという不快感、そのほかに、尿路感染症ですから尿素を分解してアンモニアが出て非常に臭いのです。QOLが非常に悪くなる状況となります。
現在、高齢者が非常に増えています。がんも随分治る時代になってきました。少し言葉は悪いですけれども、がんが治った後、元気なお年寄りが残るのではなくて、機能が悪くなったお年寄りが残るわけです。その人たちも生きていくにおいては、尿を確実に出さなければいけないということになる中で、手術ができる人がどのぐらいいるかということです。手術ができない場合には留置カテーテルになる、それを救うのが今回のUroLiftであります。効果としては、やはり手術の方が勝るのですが、UroLiftで下部尿路を広げてあげるとおしっこが出るようになる。これが一番のメリットです。
本品、合併症がやはり一番の問題かと思います。治療をやる上においては、効果は出なくても合併症がないというのはやはり一番です。では、どのぐらいリスクがあるかですけれども、幸いなことに本品は長期の臨床成績があります。私は今年の春にアメリカ泌尿器科学会へ行って、この手術手技を見ることができました。工場にも行ったら、1日〇〇〇個作っているそうです。ということは、1日〇〇人ぐらいの方々がこの治療を受けているというのが現実で、論文でも重大合併症が起きてどうのということはないのです。特にアメリカのような訴訟社会において、こういうインプラントを置いても裁判や大きな問題になっていないというのは、特出すべき点ではないかと考えます。
最後に、私個人としては、日本もこういう良い機械を出して世界に売っていただきたいと思いますし、なんでアメリカはこのような良いのを作ってと、少し癪ではあるのですけれども、良い点というのは認めないといけないと考える次第です。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、委員の方々から御意見、御質問等はいかがでしょうか。
○長島委員 教えていただきたいのですが、まずこれは、麻酔はどのような麻酔でされて、入院は必要になるのでしょうか。
○鈴木参考人 麻酔ですけれども、表面麻酔若しくは脊椎麻酔なのですが、私が見た患者さんは表面に、あと前立腺に注射、局所麻酔でやっておりました。入院はせずに、ただ、実際に日本で最初に行う際には、1泊ぐらい入院してもいいのではないかと思います。アメリカの場合は、どうしても医療費が高いこともあって、外来で患者さんが来られて手技をしてそのままお帰りになりました。留置カテーテルもなく、手技が終わっておしっこが出たよと言って帰っていったのです。そのぐらい低侵襲であるということです。
○長島委員 従来の経尿道的な切除術に比べて、医療費はかなり抑制できるということでしょうか。
○鈴木参考人 そのように考えます。実は、薬物療法の場合には、もうよく御存じかと思いますが、薬をずっと飲まなければいけないわけです。要するに、尿排出の機能は加齢とともに低下しますから、例えば薬を1週間飲んで治すということにはならない。前立腺肥大症の場合はずっと飲み続けなければならないという点からすると、これは大変なメリットがあると考えます。
○長島委員 安全性ということで、実際の操作そのものは内視鏡、膀胱鏡視下で行われるのでしょうか。
○鈴木参考人 そうですね。ここに出ているシステムを、中に内視鏡を突っ込んで行うというものです。
○長島委員 とすると、直視管理ができるので、かなり安全であると考えてよろしいでしょうか。
○鈴木参考人 そうですね。要するに、ここに打ち込んではいけないという箇所がわかります。内視鏡を見て、上方に打ち込むと恥骨に当たりますし、下方に打ち込むと直腸に当たるので、それはやってはいけない。その基本的なところを守ればまず問題はありません。
○長島委員 その方向や深さ等、デバイスそのものできっちり設置しておくと割と安全にできると考えてよろしいのでしょうか。それとも、その場の雰囲気でやるのか。入れる際に事前に、何時の方向になるので、こちらには打ち込まないようにする安全装置のようなものを働かせるということは可能なのでしょうか。
○鈴木参考人 例えば、12時や6時の方向に打ち込めないような安全装置は、ございません。ただ、実は内視鏡は泌尿器科医も頻繁に行っているのです。血尿の患者さんが来たら内視鏡をする、特に硬性鏡は非常に扱いやすいものですし、操作がしやすいものですので、タクシーの運転手が運転するぐらいの一般的なものでして、泌尿器科医として膀胱鏡はよく行っていますから、12時や6時は絶対にやるなと言ったらやらないものでありますし、実際にそういう所に打ち込んでどうのということはないと聞いております。
○長島委員 十分に拡張したというのを視覚的に内視鏡で見て判断するということですか。
○鈴木参考人 そうです。内視鏡で視覚的に見て、それで1回打ち込んでどのぐらい開いたかと。前立腺の大きさにもよるのですけれども、小さい場合には2回打ち込むぐらいで大丈夫だと思います。ただ、一般的には手術適応になるものとなれば、やはり4~5回打ち込むことになるかと思います。
○長島委員 長期的に見て、再び前立腺肥大が進んだ結果、また尿道が狭くなるという可能性はあるのでしょうか。
○鈴木参考人 閉塞の再発による再手術ということですね。実際に前立腺肥大症において、実はいわゆるTURPでコンプリートに切除しても、大体200人に1人ぐらいは再切除が必要になってきて、また大きくなってくるのです。なぜ前立腺が肥大するかは、基本的には分かっていないということもあります。ですから、先生のおっしゃるように、再手術が必要になってくる方というのはいらっしゃいます。その中でもう一回UroLiftを行ったという話は十分には聞けなかったのですが、1回UroLiftをして、それでも有効性がいまひとつであった、それから、また大きくなったという場合には、患者さんの体力さえ許せば手術療法に持っていけるということも、これのメリットです。これが入っていても普通の手術ができるということです。
○長島委員 要するに、手術の障害にはならないということですね。
○鈴木参考人 そうです。
○長島委員 ありがとうございました。
○荒井部会長 小西委員、どうぞ。
○小西委員 有効性と有用性はよく分かったのですが、一番気になる点は、やはり異物を留置すると、しかも、その異物の一部が外界につながる所にあって、慢性感染症を来さないかということであります。異物を残すとそこに異物巨細胞が現れて、必ず炎症反応が起こっているはずなのです。そういう所にバクテリア等が感染して慢性的な感染症を起こして、やはりもう一回それを取らないといけないという事態がどうしても発生してくるのではないかと。その場合に、どういう対処ができるかという気になるところがあります。
特に私たちは、婦人科と泌尿器科で一緒に、膀胱瘤や子宮脱に対してメッシュ手術というのを承認いたしまして、急速にアメリカでやられましたけれども、結局、異物が感染症を起こして出てくるということで、FDAがもう認めるのをやめて今後作らないとなったという苦い経験を持っております。やはり異物を残すということに対しては、結構慎重に評価しないといけない。慢性的なそういう、長年異物を残した結果による合併症はないかなどを慎重に評価する必要があるのではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○荒井部会長 機構の方からお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より申し上げます。本品のインプラントの素材ですけれども、尿道の方に置かれる金属のタブについては、〇〇〇〇〇〇の金属が使われております。糸については先ほどお見せさせていただいたかと思いますが、緑色の糸については〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇という素材でできています。また、前立腺組織の外側に留置される金属のタブは、〇〇〇〇〇という〇〇〇〇〇〇〇〇〇でできているものです。今申し上げた三つの原材料については、UroLiftで初めて出てきた原材料ではなくて、これまであらゆる医療機器、例えばステントやクリップ、いわゆる一般的な手術で使う縫合糸など、そういったものに数多く使用されている原材料です。それらの既存の原材料というのも、本品と同じ永久に埋植する医療機器として承認されているものがありますので、本品の原材料については特段そういった危険な原材料ではありません。
本品のインプラントそのものに対しても、生物学的安全性試験という試験を実施して、永久に埋植する医療機器として問題がないかどうかというのは、審査の中でも確認させていただきました。
○小西委員 尿道に出ている部分が埋もれていくのか、それともずっと出たままなのかという点に関してはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 前立腺肥大というのが、先ほど参考人の鈴木先生もおっしゃったように、進行性の疾患になりますので、そのまま置かれるか、若しくはどんどん前立腺が肥大していって、組織の中に少し埋もれていきます。
○荒井部会長 今の御質問は、糸の手前側の尿道側の金属の部分が、おしっこの流れ道に顔を出したままなのか、その後に埋もれていくのか、そこが一番問題だという御指摘ですが、そこはいかがでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そのままになっている場合もあれば、肥大が進行して少し埋もれていくケースもあると思います。
○荒井部会長 鈴木先生、そこのところをお願いいたします。
○鈴木参考人 実は、これは尿道の所に顔を出していて、その後に結石形成をすることがあります。これは、膀胱頸部に非常に近い所で留置した場合には、一部顔を出して結石形成をするというのがしっかり写真で出ております。先生もよく御存じだと思いますが、性器脱に対するメッシュというのは、尿路に顔を出してくるととんでもないことになるのです。どうしたら顔を出さないかというと、膀胱頸部から1.5cm以上手前で行えば顔を出しません。
尿道側では留置物は埋もれていくのだと思います。実は、UroLiftはホッチキスのようなものでガチャンと留めて、針金2本で押さえているようなものですから、決して表面積の広いものではなく針金状のものですので、埋もれていくのだと思います。実際の留置直後は、少し見えていたのですが、次第に見えなくなりました。尿路内の金属もカテーテル同様に常に異物が尿に接していると結石形成を起こしてきます。ただ、尿路においては、実は前立腺肥大症の治療手技としてステントを置くというのがあります。心臓のステントと同じようなものではないかと思うのですが、ステントを置くことがあるのです。これは、実際にその上に粘膜が張ってきて、長期に置いておけることが実証されておりますので、先生の御心配はよく分かるのですが、その点に対しては大きな問題はないとお考えいただいてよろしいかと思います。
○荒井部会長 よろしいですか。そのほか御質問はありますか。
○齋藤委員 大変信頼できる機器で、早く導入していただければと思います。2点だけお聞かせください。一つは、前立腺の大きさの人種差についてです。アメリカ人と日本人で前立腺の大きさが違うということで、日本に導入される際は幾つかのサイズバリエーションを準備して、術前計画で最適なサイズのものを選んで使用するのか、その点についてお聞かせください。もう一点ですが、この治療成績に関して術後5年の経過が出されています。長期にわたり治療効果が持続されることをお伺いしたいのですが、この治療効果は半永久的と考えてよろしいのでしょうか。その2点についてお聞かせください。
○医薬品医療機器総合機構 御質問をありがとうございます。総合機構より申し上げます。まず、糸のサイズについてですけれども、先ほどサンプルで回させていただいたものですが、適当な所でカットしたものを御覧いただいておりまして、糸のサイズは全て一つのサイズのみになっています。本品のデリバリーシステムを尿道に挿入した後に圧迫して、その圧迫の程度で長さが決まりますので、あらかじめ何センチの糸、何センチの糸というバリエーションがあるわけではなくて、ある程度長い糸が中に入っていって、その人に応じた長さでカットされる仕組みになっています。ですので、アメリカに導入しているものと日本に導入しているもので何かサイズバリエーションを変えるなど、そういったことは行っておりません。
○齋藤委員 一つの糸で長さで調節ができるということですね。
○医薬品医療機器総合機構 そうですね、圧迫の程度によって、糸の長さを調節した上でカットするという。カットというのは、ハンドルを操作することによってカットできるというものになっています。
○齋藤委員 尿道鏡をで圧迫の程度を観察しながら、治療効果を確認できるということでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 そういうことです。挿入した後に膀胱鏡を見ながら閉塞している所を圧迫して、ここだという所で留めていくというものになります。
○齋藤委員 分かりました。
○医薬品医療機器総合機構 あと、後半で御質問いただいた半永久的な効果があるのかということなのですが、現時点で企業から示されているデータというのは5年間のものになっています。5年間のデータを見ると、おおむね特に問題はないような結果が出ておりまして、それ以上のデータというのは今のところ持ち合わせはないのですけれども、先ほどからお話もあるように、前立腺肥大症というのはどんどん進行してしまう症状になっていますので、例えば本品でもし効果がどんどんなくなっていってしまうような人がいたとしたら、また再治療を行うという形にはなるかと思います。
○齋藤委員 分かりました。
○荒井部会長 そのほかはいかがですか。
○中島委員 有効性と安全性についてはよく理解させていただきました。御説明では、この素材の中に〇〇〇〇〇と〇〇〇〇〇〇が入っています。前立腺肥大症の人で前立腺がんを検出するためにMRIは一般的に使われていると思います。MRIの画質に対する影響あるいは発熱などの症状はないのでしょうか。基本的に〇〇〇〇〇〇は非磁性体ですが、その辺について何か海外での知見があれば教えていただきたいのですが。
○鈴木参考人 まず、MRIが撮れるかどうかに関しては問題ありません。
○医薬品医療機器総合機構 総合機構より答えさせていただきます。今お話のあったMRIについては、本品のインプラントに対してMRIの検査が問題なくできるかどうかというのは確認がされております。資料3に青色のタブの添付文書(案)というのがあるのですが、そちらの別紙8-3と右肩に書いてあって、下に3ページと書いてある所の右下の使用上の注意の1.重要な基本的注意という項目の一番下の(6)という所から次のページの左上にかけて、このような条件であれば問題なくMRIの検査が実施できますということは記載させていただいております。
○荒井部会長 中島委員、よろしいでしょうか。
○中島委員 了解いたしました。3.0テスラでも大丈夫だということですね。
○医薬品医療機器総合機構 そういうことです。
○荒井部会長 そのほかは、よろしいでしょうか。
○一色部会長代理 非常に良いデバイスということで、導入が待たれるというお気持ちはすごく理解いたしました。低侵襲の埋植型デバイスは、下手をすると適正なインディケーションでなくオーバーユースになるリスクがあると常々考えておりまして、恐らく学会等との協力でそういう体制は作られていると思うのですが、それについてしっかりと管理をしていただきたいと思っているところです。もう一つは、もう〇〇個も使われていて今まで時間が掛かったのは、何か特別な理由があったのか、もし分かれば教えていただければと思います。
○医薬品医療機器総合機構 まず、前半の学会と適正に協力しながらという件については、冒頭でもお話させていただいたとおり、関連学会と連携して適正使用指針というものを策定する予定です。関連学会というのは日本泌尿器科学会及び日本排尿機能学会、こちらに御協力を頂いております。御懸念されていらっしゃるように、本品の手技が簡単に行えることもありますので、濫用を避けるために、しっかりとトレーニングを受講した医師のみが本品を使えるような形で進めているところです。
後半にコメントいただいた、米国で何年も前から使用されているにもかかわらず、日本ではなぜ導入されなかったのかという点についてなのですけれども、今回、本品を申請している企業というのが、NeoTract,Inc.というアメリカの会社になっています。このアメリカの会社が日本において製造販売業を取得しておりませんので、そういったケースですと、日本の企業と契約を結んで、選任製造販売業者という日本の企業を置きます。今回の場合はヴォーパル・テクノロジーズ株式会社に協力を頂いていたのですが、恐らく日本のどの企業と契約を結ぶかというのを捜していて、時間が掛かったのではないかなというところが推測されています。
○荒井部会長 よろしいですか。
○医薬品医療機器総合機構 お答えになっていますでしょうか。
○荒井部会長 そのほかは、よろしいですか。今の一色委員の指摘はとても大事なところです。先ほど鈴木先生のお話にもあったように、50歳を過ぎると前立腺肥大があるでしょと言われたら絶対ないと言い張れる人は結構少ない筈です。それなら、トレーニングもして安全にできるのなら、どんどんやっていいかというと、そういう話では決してないと思われます。適正な使用がなされるよう、学会でも是非適切な基準を作っていただきたいと思います。この点、よろしくお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 ありがとうございます。
○荒井部会長 そのほかは、よろしいでしょうか。
○福山委員 参考までに、故障の発生率など、そういったものが分かっていれば教えていただけますか。
○医薬品医療機器総合機構 デバイスの故障自体は、この臨床試験など、その後の市販後の中で報告されている数字は、今のところありません。前世代品で少しそういう報告はあったようなのですが、本品のシステムとは異なるものになっておりますので、今回日本に導入される製品に関しては、故障の報告は受けておりません。
○福山委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 よろしいですか。鈴木先生、止めてしまってすみません。何か追加で御意見は、よろしいでしょうか。
○鈴木参考人 言いたかったのは、前立腺肥大症の人種差でありますが、確かに海外の方が大きい人が多いです。ただ、UroLiftは前立腺肥大症で80~100g以上は適応にならないというのは言われておりまして、大きいものはやはり駄目です。では、大きさが容易に測れるかというと、非常に容易に測れます。今はエコーを使い経腹的でも経直腸的でも大きさがきれいに測れますので、この人が適応のある方かどうかというのは、きれいに分かるというところです。治療の効果の持続ですが、やはり尿排出力は加齢とともに落ちますので、これはもうどうしようもないことで、手術と同じぐらいの、手術も多少終わりぐらいの効果持続期間というふうにお考えいただければいいかと思います。
○荒井部会長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。色々と御意見を頂きました。
それでは、議決に入らせていただきたいと思います。医療機器「UroLiftシステム」について、本部会として高度管理医療機器に指定して、承認を与えて差し支えないものとし、特定保守管理医療機器として指定しないこと、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定を不要としてよろしいでしょうか。また、使用成績評価、実は7年と結構長いのですけれども、期間を7年として指定することとしてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。本件は、分科会にて報告をさせていただきます。それでは、これで議題3を終了させていただきます。鈴木先生、どうもありがとうございました。
○鈴木参考人 どうもありがとうございました。
-鈴木参考人退室-
○荒井部会長 それでは議題4、医療機器「PDA閉鎖セットⅡAS」の希少疾病用医療機器の指定の要否について始めさせていただきます。まずは事務局から説明をお願いします。
○事務局 資料4を御準備ください。初めに、希少疾病用医療機器の指定制度について、簡単に御説明いたします。本制度は、医療上の必要性が特に高いにもかかわらず、患者数が少ないことにより本邦では十分にその研究開発が進んでいないものについて、その開発を促進するための支援措置を講ずることを目的とした制度です。この指定基準としては三つあります。一つ目が、用途に係る対象者数が本邦において5万人未満(ただし、指定難病の場合はこれに限らない)であること、二つ目が医療上特に必要性が高いこと、つまり代替する適切な医療機器等や治療方法がないこと、又は既存の医療機器等と比較して、著しく高い有効性若しくは安全性が期待されること、三つ目が、当該医療機器を使用する理論的根拠及び開発計画の妥当性が高いこと、この三つを指定基準としております。なお、この指定が直ちに医療機器の製造販売承認に結び付くものではありません。
それでは、希少疾病用医療機器該当性事前評価報告書のタグをめくってください。一番初めの青のタグです。本品は動脈管開存症の治療において、経カテーテル的に動脈管開口部に留置し、動脈管を閉鎖するために使用する医療機器です。申請者名はアボットメディカルジャパン株式会社です。
一つ目の対象患者数について御説明差し上げます。動脈管開存症は、胎児心循環の一部である動脈管が、出生後も閉鎖せずに残存する疾患です。本疾患はうっ血性心不全を引き起こすことがありますから、一般的には動脈管を閉鎖するため、薬物治療ないしカテーテル治療といった内科的治療や外科的治療が選択されます。先天性心疾患を持つ出生児は本邦において毎年およそ1万例、そのうち動脈管開存症は数百から1,000例と推定されます。さらに、本品が使用できる血管径等を有する患者は、ヨーロッパの使用実績からおよそ50例と推定されますので、本邦においては5万人未満という指定基準を満たしていると判断しております。
二つ目、医療上の必要性についてです。動脈管開存症の治療としては外科的結紮術、動脈管クリッピング術、動脈管切離術などの外科的手技がありますが、開胸で横隔膜等の感染症、肺損傷、大血管損傷の合併症のリスクがあるため、通常はカテーテル手技として動脈管開存閉鎖デバイス、PDA閉鎖セット(以下「ADO」という)等を用いた閉鎖術が選択されています。しかし、既存のADOのデバイスでは、サイズや形状の問題から留置後にデバイスが脱落する、大動脈に突出するなどの理由により、閉鎖ができない症例も多くあります。そのような症例においては、現在でも開胸による外科的手術が行われています。本品は両端にディスクがあることで脱落のリスクが軽減され、また、ディスクのサイズが既存のADOデバイスと比較して小さいため、これまで構造的に使用できなかった乳児など、より小さな患者にも使用可能となることが期待されます。以上のことから、本品は医療上特に必要性が高く、指定基準を満たすと判断しております。
三つ目、開発の可能性についてです。本品は、アメリカにおいて2017年6月より臨床試験が実施されており、その後承認申請が計画されています。これらのことから、本品は開発の可能性が高く、指定基準を満たすと判断しております。
以上より、本品は希少疾病用医療機器の指定基準を満たすものと判断しております。なお、本品は平成29年4月28日に行った第27回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会において、早期導入品目として選定されている品目であることを申し添えます。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。今の説明にありましたように、実際に審査を行っているわけではなくて、早晩これが上がってくる際に、希少疾病用の医療機器として指定された中で評価していきましょうということで、その指定についての話です。御質問等はいかがでしょうか。よろしいですか。特に御質問、御意見がなければ議決を行いたいと思います。医療機器「PDA閉鎖セットⅡAS」について、本部会として希少疾病用医療機器に指定することとしてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。御異議ないようですので、このように議決させていただきます。本件は分科会にて報告をさせていただきます。これで議題4を終了いたします。
続いて議題5、医療機器「ネスキープ」の使用成績評価の指定の要否についてを始めさせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 資料5を御用意ください。1枚目が諮問書です。1枚目の裏面に品目名が書いてありますが、本議題では医療機器「ネスキープ」の使用成績評価の指定の要否について、御審議をお願いいたします。品目の概要及び使用成績評価の概要については、総合機構より説明をお願いいたします。
○医薬品医療機器総合機構 今回の諮問は、使用成績評価の要否に係る諮問ですが、使用成績評価の要否を御審議いただくに当たって、品目の概要と審査の経緯についても説明させていただきます。資料5の審査報告書というタグの4ページ、品目の概要という箇所を御覧ください。本品は、粒子線治療のほかに治療法がないがん患者に対し、粒子線治療を行う際に、悪性腫瘍と正常組織の間隙を確保するための組織吸収性のスペーサです。放射線感受性が高い正常組織、この説明の中では「危険臓器」と呼ばせていただきますが、この危険臓器と悪性腫瘍とが隣接して、腫瘍組織に十分な線量を照射することができないことで粒子線治療が行えない患者に対し、本品が使用されます。具体的には悪性腫瘍と危険臓器の間に本品を埋植し、悪性腫瘍と危険臓器との間に間隙を確保することで、粒子線治療を適応可能とするためのスペーサとして開発されました。
審査報告書の6ページの冒頭を御覧ください。ここに記載されているとおり、本品の承認申請に当たり、臨床試験成績として、粒子線治療以外に有効な治療法はないが、消化管等の危険臓器が近接しているために、粒子線治療の実施に当たり悪性腫瘍と消化管等の危険臓器との間に間隙の確保が必要な腹腔内、又は骨盤内に悪性腫瘍を有する患者を対象とし、本邦で実施された国内治験成績が提出されました。治験は、本品の治療コンセプトが達成可能であるか否かを確認する目的で、5症例を対象に危険臓器の線量、悪性腫瘍の線量、本品の厚さを有効性の評価項目として設定し、実施されました。
有効性の評価結果は、審査報告書の7ページから8ページに記載されています。危険臓器の線量に関しては2例において、一部の期間で線量制限を超えましたが、治験の観察期間において、危険臓器に対する放射線照射で起こり得る潰瘍、穿孔、出血等の重篤な有害事象は発生しませんでした。有効性評価のうち悪性腫瘍への線量については、全例で計画標的体積のうち、処方線量の95%の線量を受ける割合が95%を超え、腫瘍に対し治療に必要な線量を確保することができました。また、本品の厚さについては、放射線治療期間中に腫瘍に対し、治療に必要な線量を確保するために必要とされる腫瘍組織と危険臓器との間の10mm以上の間隙を、全例で確保することができました。重篤な有害事象については3件報告されましたが、いずれも回復又は軽快しています。
続いて、審査報告書の10ページです。治験では2例において、一部の期間で危険臓器の線量の制限を超えましたが、危険臓器の線量制限を超える事象は、消化管の状態や体型変化等で、スペーサを用いない通常の粒子線治療でも起こり得る事象です。また、本品がなければ粒子線治療が困難であったと考えられる症例に対して、治験のフォローアップ期間中に危険臓器に対する有害事象が発現することなく治療が完遂できたことから、本品の臨床的意義は認められると考えています。そのため、一時的に線量制限を超えたことのみをもって、本品の臨床使用する価値が否定されるものではないと判断し、本品の使用対象者を、粒子線治療以外に有効な治療法がなく、治療に際し悪性腫瘍と危険臓器との間に間隙を確保することが必須な症例に限定した上で承認することは可能と判断しました。
それでは、本部会で御審議いただく使用成績評価の要否について、使用成績評価が必要と考えた理由を説明させていただきます。同じ資料の審査報告書の11ページの4.使用成績評価を行う期間及びその根拠についてを御覧ください。先ほど御説明した国内治験は、粒子線治療以外に有効な治療法はないが、消化管等の危険臓器が治療部位に近接しているため、粒子線治療の実施が困難である患者に対し、本品により悪性腫瘍と消化管等の危険臓器との間に間隙を確保することで、粒子線治療が実施可能であるとするコンセプトの確認を目的として実施されたことから、少数例での評価となりました。その結果、本品のコンセプトが達成できることは確認されましたが、少数例であったことで〇〇〇〇〇〇〇本品を併用する粒子線治療の対象となる腹腔内又は骨盤内の悪性腫瘍全体に対する有効性及び安全性の評価が、十分に行えたとは言えないと考えております。
よって総合機構は、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇本品の留置可能性及び臨床的有用性について、治験で実施されたがん種以外に対する粒子線治療との併用に関しても、市販後に一定のエビデンスをもって確認する必要があると判断しました。加えて、本邦の実臨床における本品留置後の有害事象及び不具合の発現についても情報収集するとともに、必要に応じて医療現場への情報提供や、追加のリスク低減措置を講じることが必要と判断しました。使用成績評価における調査計画の概要は、審査報告書の11ページの表6に示したとおりで、調査を予定する症例数を100例、評価期間を5年6か月とすることが妥当と判断しました。総合機構からの説明は以上です。本品の使用成績評価の指定に関して御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○荒井部会長 御意見等はいかがでしょうか。
○齋藤委員 これは生体内にそのまま留置すると、生物学的分解のプロセスで壊れていく材質だと思います。これはよく縫合材料で使用しているポリグリコール酸と同様の材質で、よくナートアブセスと言いますが、結節縫合した部位に膿瘍形成をする、生体が反応する材料ではないかと思うのです。これだけの容量を生体内に留置して、しかも4週間後に急速に厚みが減少することが示されています。このことは生体内で強烈な生体反応が生じ、溶解するのではないかと危惧されます。このような観点から、この材質が本当に生体にとって安全なのかというところが気になりました。この点についてどのようなお考えを持たれているのかをお聞かせください。
○医薬品医療機器総合機構 ポリグリコール酸は確かに溶けていく過程で、かなり強い酸性を示すので、炎症反応が起こることは避けられないものです。治験の中でもイレウスは結構起こっています。ただ、重篤なものではなく、通常の治療で軽快している程度のものです。ヒトに対する使用に関してはそういう状況です。4週を超えると急激に減っていくという治験での成績は確かにありますので、かなり吸収は早く進んでいくのだろうと思います。ただ、事象としてはイレウスが起こっているぐらいで、それによって起こったと思われるものが何か確認されているわけではありません。炎症は避けられないというのは、そのとおりだと思います。
○荒井部会長 私からも一つあります。臨床的な立場から見ると、なぜ「粒子線治療以外に有効な治療法がない」と限定されているのでしょうか。ブラッグピークなど粒子線特有の利点もあるでしょうが、普通の放射線治療でも今はかなり効くと思われます。普通の放射線治療でも、ほかの臓器が近くにある状況でギリギリに放射線をかけている場合があります。粒子線は確かに分かりやすいですし、こういう申請で出てきたからしょうがないのかもしれませんが。この前、前立腺の放射線治療に使用するスペーサーがこの部会に出ましたが、それと同じです。なぜ、前立腺がんに限定する必要があるのか、あるいは粒子線だけにする必要があるのか。この部会でそれを言い出してもキリがないところではありますが、医療機器というのは、こちらに使えるとあちらにも使えるというものがたくさんあります。この辺については考え方を変えていかないと、個別に申請した所はやってもいいけれど、申請してこなかった所は駄目ということが永久に続いてしまいます。そういった意味で、この部会としても、そういう認識をこれからも持つべきと考え、敢えてコメントさせていただきました。
○医薬品医療機器総合機構 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇
○荒井部会長 御説明いただいたように、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇そのほかに御意見はいかがでしょうか。
○北澤委員 一つ教えてほしいのですが、今後使用成績調査をされる上で、有害事象が〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇を確認することが必要であり、と書いてあります。〇〇〇〇〇〇〇〇〇というように読めたのですが、単純に考えると、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇を確認すべきではないでしょうか。その辺りはどうなのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 この〇〇〇〇というのは、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇に対して行った場合に起こり得る有害事象の〇〇〇〇〇〇〇と、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇に、本品を使って〇〇〇〇〇を行った場合を比べ、通常、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇だったら、本品を使った意義があっただろうということです。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇を対象としているので、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇という判断の下で、こういった書き方をさせていただいております。〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇ができるのだったら、〇〇〇〇〇〇する。これは埋植機器ですので、お腹を開いて入れなければいけないのです。ですから、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇であれば、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇ということで、こういった書き方をさせていただいております。
○小西委員 有害事象として、どのようなことを想定していらっしゃるかをお聞きしたいのです。私たちは子宮頸がんの放射線治療ということで、一番気にしているのがすぐに起こってくる有害事象ではなく、晩期障害のことです。以前は高精度のリニアックなどがなかったので、膀胱線量や直腸線量が高くなって、なかなか処置のしにくい頑固な直腸出血や膀胱出血、結構輸血を必要とするような出血が、何年かたってから起こってくるのです。それと同じようなものが粒子線治療でも起こってくるのかどうか、それを防ぐことができるのかどうかということを教えていただきたいと思います。
○医薬品医療機器総合機構 晩期障害については、起こり得ると考えております。ただ、今のこの使用成績評価の中で、晩期障害について、数年後に起こるものまでフォローするような計画にはなっておりません。比較的早期に起こり得るものについてフォローする計画となっております。晩期障害をどこまで追い掛けたらいいかというところは、専門協議の中でも議論がありました。5年後に起こるものも10年後に起こるものもある中で、5年、10年追い掛けていくというのは、なかなか現実的ではないのではないかということで、今のところのフォローアップ期間としては1年までとなっております。晩期障害をどこまで追い掛けたらいいかというところは、種々の御意見があるので、まずは、1年見て起こるかどうかというところで評価していこうと考えております。
○医療機器審査第一部長 補足させていただきます。今回の使用成績調査は、放射線の晩期障害のみを見るものではなく、本品を使ったときの有害事象について見るという目的でも組まれております。先ほども議論がありましたが、本品は大体半年を過ぎると、急速に物がなくなると。ただ、晩期障害を防げるのか、増えてしまうのかというところは、当然知りたいところではあります。しかし、専門協議の中でも御専門の先生からありましたが、そこまで、今回5年、10年という形で使用成績調査を課してしまうと、当然企業はこういったものを開発しなくなりますので、そこのバランスも含めて、今回はこのような計画にさせていただいたという背景があります。
○小西委員 晩期障害が起こるか起こらないかというのは、子宮頸癌で言えば、ひとえに膀胱線量、直腸線量がどれぐらい掛かったかということに依存しているのではないかと思うのです。危険臓器への線量というのは測定されるのでしょうか。
○医薬品医療機器総合機構 危険臓器の線量は評価することになっておりますので、その後晩期症状が起こるかどうかというのは、ある程度それで予測できるものというように考えております。
○荒井部会長 そのほかに御意見はよろしいでしょうか。それでは議決を行いたいと思います。医療機器「ネスキープ」の使用成績評価は、期間を5年6か月として指定することとしてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。本件は分科会にて報告をさせていただきます。これで議題5を終了いたします。
続いて議題6に進ませていただきます。議題6、医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否についてに入ります。今回は議題の審議品目がかなり多いものですから、余り大まとめにしないで、途中で幾つかに分けて議決を行わせていただきたいと思います。それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より御説明いたします。議題6については資料6-1~6-9に基づいて御説明いたしますので、御用意のほど、よろしくお願いします。
既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器があり、新たに一般的名称を新設する際には、いずれのクラス分類に該当するかについて、また、その保守管理に専門的な知識を要するものとして特定保守管理医療機器に指定するか否かについて、御審議いただいております。今回、医療機器の承認に際し、一般的名称の新設が必要なものが9品目ございます。
まず、資料6-1を1枚おめくりいただき、新設する一般的名称(案)についてを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「歯科矯正用固定器具」です。歯の移動のための矯正力を付与する際の固定源として用いるスクリュー及びそれに接続するワイヤ、アタッチメント等の歯列矯正器材システムの構成品部材からなる器具となっています。本品はクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、本品は保守点検を行う必要のある医療機器ではないため不要であると考えております。
次ページに一般的名称が付される予定の品目概要がございますが、9品目ある関係上、全てを説明していると、時間がどんどん掛かってしまうので、省略させていただいて、次の資料6-2に進ませていただきます。
11ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「腹部開放創用ドレッシングキット」となっています。これは腹部開放創部を覆い、管理された陰圧をかけることで、外界からの腹部臓器の保護等を図り、早期の腹膜閉鎖を可能とするドレッシングキットとなっています。本品はクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、保守点検を行う必要のある医療機器でないため不要であると考えています。
資料6-3に移らせていただきます。17ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「脂肪組織分離キット」となっています。これは特定の細胞又は組織を投与等するために、脂肪組織を分離・処理するための専用キットとなっています。本品もクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきであると考えていて、また、特定保守管理医療機器の指定については、保守点検を行う必要のある医療機器でないため不要と考えています。
資料6-4に移らせていただきます。23ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「遺伝子変異解析セット(がんゲノムプロファイリング検査用)」です。これは生体由来の試料から得られた遺伝子変異情報を基に、がんゲノムプロファイリング検査を行うために使用される遺伝子変異解析セットとなっています。本品はクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えています。また、特定保守管理医療機器の指定については、保守点検を行う必要のある医療機器でないため不要であると考えています。
資料6-5で29ページを御覧ください。こちらも先ほどの品目に似ているのですが、「遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)」となっています。これは先ほどのものと同様に、遺伝子変異情報を基に、がんゲノムプロファイリング検査を行うための遺伝子変異解析プログラムとなっています。本品もクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については、保守点検を行う必要のある医療機器でないため不要と考えています。
○荒井部会長 はい、ここで一回区切りましょう。5項目ということになります。今、御説明いただきました五つのものについて、御意見、御質問いかがでしょうか。品目数が多いのですが、いかがですか。後藤委員どうぞ。
○後藤委員 遺伝子変異解析ですが、このセットとプログラムという名前の違いが、色々と苦労されているのは分かるのですが、なかなか分かりにくいこと。それから、その前の方にはシステムというものもあるのです。ですから、そのシステムとプログラムとセットがどう違うかということを、分かりやすく説明していただいた方がいいのではないかと思いますが。
○荒井部会長 お願いします。
○医療機器審査第一部長 正に後藤委員が御指摘のとおりでございまして、我々も結構悩んでおります。薬機法上、このNGSのシステム全体を、どこに着目して規制を行うかと見た場合に、三つ着目すべき点があると考えています。まず一つ目がDNAのシーケンサーそのものです。二つ目がシークエンスに用いる調製の試薬、これは体外診断薬的なものになります。三つ目は、出てきた結果を解析するプログラム。この三つが基本構成要素で、この三つは薬機法上、何らかの承認なり届出なりの措置が必要と考えており、この三つが合わさった形で承認申請がなされたものに対しては、システムという語尾で全て終わるようにしています。プログラムとテンプレート調製試薬、プログラムと体診のセットで出された場合には、セットという形で統一することとしています。プログラム単体の場合には、プログラムという形で、それらが分かるような形になっています。
例えばこの23ページの一般的名称の定義(案)、上の四角の三つ目のカラムですが、こちらの方を御覧いただきますと、生体由来の試料から得られた遺伝子変異情報を基に、がんゲノムプロファイリング検査を行うために使用される遺伝子変異解析セットをいう、解析プログラム及びテンプレートDNA調製試薬より構成されると。こういう形で、このセットの中に何が入っているのかというのは、この一般的名称の定義の中に、それぞれ個別に示させていただき、この三つは色々な組合せで出てまいりますので、それぞれに適した形で一般的名称の方を付与しようということで、今回このような御提案をさせていただいています。
○荒井部会長 よろしいですか。そのほか、いかがでしょうか。特に御意見はございませんか。それではひとまとめですが、まずは最初の5項目について、ここで議決をさせていただきたいと思います。まず、歯科矯正用固定器具を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
腹部開放創用ドレッシングキットを高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
脂肪組織分離キットを高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器としては指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
遺伝子変異管理セット(がんゲノムプロファイリング検査用)を高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
最後の遺伝子変異解析プログラム(がんゲノムプロファイリング検査用)を、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。では、続けて残りの四つについて、事務局からの説明をお願いいたします。
○事務局 では、続けて残り4品目について説明させていただきます。資料6-6の35ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「疾患鑑別用内視鏡画像診断支援プログラム」となっています。これは、内視鏡画像から得られた情報を更に処理して診断等のために使用する医療機器プログラムで、病変候補に関する良悪性鑑別をする機能等を有します。本品はクラスIIIの高度管理医療機器に指定されるべきものと考えていて、特定保守管理医療機器の指定については不要であると考えております。
資料6-7の41ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「脳神経外科用侵襲式頭部固定具」となっています。これは、脳神経外科領域の手術や放射線治療時に、患者の頭部を固定、支持するために用いる器具となっています。本品はクラスIIの管理医療機器に指定されるべきものと考えていて、特定保守管理医療機器の指定については不要であると考えています。
資料6-8の49ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「画像診断・放射線治療用膣挿入式臓器位置固定具」となっています。これは、画像診断や放射線治療の場合に、膣内に挿入することで、子宮頸部、直腸、膀胱等の周辺臓器の位置を適切に決め、固定する目的で特別に設計された器具です。本一般的名称については、委員の皆様に事前に送った資料から、膣の文字を修正させていただいております。お手元の資料は修正済みのものに差し替えさせていただいております。本品はクラスIの一般医療機器に指定されるべきものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定については不要であると考えております。
最後に資料6-9の55ページを御覧ください。新設予定の一般的名称は、「立体臓器模型」です。これは患者のCTやMRI等の画像情報を基に、実際の臓器の構造を再現した模型です。本品はクラスIの一般医療機器に指定されるべきものと考えていて、また、特定保守管理医療機器の指定については不要であると考えています。説明は以上です。
○荒井部会長 ありがとうございました。ただいま説明いただきました4品目について、御意見いかかでしょうか。
○長島委員 資料6-6の内視鏡画像診断支援プログラムですが、これはいわゆるAIのプログラムも含むのかどうか。要するに、最初に提供されたプログラムがそのまま変わらないものなのか、そのプログラムは、その後データをたくさん読み込むことで、いわゆる進化というか、自分で変わっていくようなものまで含むものなのかどうかということは、いかがでしょうか。
○医療機器審査第二部長 今、この一般的名称が該当する申請品目が上がってきておりまして、そちらも御指摘のとおりAI、人工知能を使ったものです。ただし、その製品に関しましては、いわゆる市販後に学習して進化していくような製品ではございません。そういう意味では、一度承認後に市販されても進化はしない製品として、今のところ審査をしております。
○長島委員 要するに、学習して進化するかどうかというのは極めて重要なので、その点をはっきりさせた枠組といいますか、一般的な名称を考えておかないとここのところに学習機能があるものまで入ってきてしまうとなるとかなり問題になるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○医療機器審査第一部長 長島先生の御指摘は正にそのとおりです。現状開発されているものの中で、各個別の病院で学習が進んで、日々刻々と変わっていくタイプのプログラム、開発段階にあるものはございますが、実際にそれが実用化された場合には、当然それが分かるような形で、一般的名称を新たに新設させていただく形になると思います。当然、薬事の追い方も変わってまいりますので、そこには十分配慮させていただこうと思っています。
○長島委員 そうであれば、今回の名称の定義の所に、この場合はそういう学習など、そういう機能は含んでいないなどを明記しておいた方が安全ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○医療機器審査第一部長 実はこのもの以外にも、プログラムの一般的名称はたくさんございまして、今まで従前のものはもう変わらないのだという整理でさせていただいておりますので、これだけ変えてしまいますと、前のものも全て変えて入れなければいけない。ですので、整理としては、できましたらAIの新しく出てきたものは必ず変わるということを明示するということで、整理させていただければと思います。
○長島委員 そうすると、ここの名称はそれだとしても、そういう新しいものが出てきた場合は、きちんと別にするのだというところを、ある程度ここではない所でも、きちんとはっきりさせた方がいいのではないかと思うので、その辺を御検討お願いできればと思います。
○医療機器審査管理課長 その点については、今回、本日行われた議論を、議事録で明確に残せますので、そういったことがある製品については、必ず定義上に位置付けるということを、明言させていただきたいと思います。
○長島委員 ありがとうございます。
○荒井部会長 今の点、この部会で今後多く出てきますが、すごく大事なところなので、ここできちんと押さえておきましょう。議事録にも残していただけるとのことです。このほかにはよろしいでしょうか。よろしければ、この4項目について議決に入らせていただきたいと思います。順番に読ませていただきます。
疾患鑑別用内視鏡画像診断支援プログラムを、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないこととしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
脳神経外科用侵襲式頭部固定具を、管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。
画像診断・放射線治療用膣挿入式臓器位置固定具を、一般医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
最後に、立体臓器模型を一般医療機器として指定し、特定保守管理医療機器として指定しないとしてよろしいでしょうか。ありがとうございます。異議がないようですので、このように議決させていただきます。本件は本部会での審議の結果を踏まえまして、次の薬事分科会にて、文書報告をさせていただきます。これで議題6を終了といたします。
続いて議題7、医療機器の再審査結果についてを始めさせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 事務局より議題7、医療機器の再審査結果について御報告いたします。再審査は改正前の薬事法第14条の4に基づき、原則新しい医療機器についての再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせるもので、その調査資料に基づいて、有効性及び安全性の再確認を行うことを目的とした制度です。
今回は再審査の結果の報告が2件ございます。まず資料7-1を御用意ください。販売名はアダカラム、申請者が株式会社JIMROとなっています。本品は顆粒球吸着用の白血球除去カラムで、潰瘍性大腸炎、活動期クローン病等のために使用する医療機器で、平成11年10月29日に承認されました。その後、平成20年9月2日に、栄養療法及び既存の薬物療法が無効、又は適用できない、大腸の病変に起因する明らかな臨床症状が残る中等症から重症の活動期クローン病患者の緩解促進に対しての適応拡大の一部変更承認がされ、その部分が今回の再審査対象となっています。
本使用成績評価では、本品の利用、臨床使用実態下における医療機器の不具合発生状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、719例が評価対象となりました。医療機器の不具合発生、有効性及び安全性について調査したところ、特段の問題はありませんでした。そのため、薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないこと、すなわち再審査結果の区分を、効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がないカテゴリー1と判断しています。
続いて資料7-2を御用意ください。2件目は発売名マツダイトについてです。申請者は三洋化成工業株式会社です。本品は、結紮を含む通常の外科的処置によって止血が達成できない、胸部大動脈置換又は弓部分岐動脈置換を伴う人工血管吻合部における補助的な止血を行う医療機器です。平成23年12月20日に承認されました。
本使用成績評価は、本品の臨床使用実態下における不具合発生状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、576例が評価対象となりました。医療機器の不具合発生、有効性及び安全性について調査したところ、特段の問題はありませんでした。このため、薬事法第14条第2項第3号イからハまでのいずれにも該当しないカテゴリー1と判断しています。
以上の報告については、事前に委員の先生方に資料をお送りさせていただいておりますので、簡単な説明とさせていただきました。以上、御報告いたします。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの報告につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等はいかがでしょうか。よろしいですか。よろしければ、これで議題7を終了させていただきます。
それでは最後の議題8に移らせていただきます。議題の8、部会報告品目についてを始めさせていただきます。事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題8の部会報告品目について、資料8に沿って御説明いたします。平成30年4月から平成30年6月末までの3か月間に承認された品目のうち、クラスIVの医療機器、臨床評価が必要なクラスIIIの医療機器、承認基準外の体外診断用医薬品など、本部会への報告対象となっている品目についてまとめております。医療機器66品目については事前送付をもって報告とさせていただき、詳細な説明は割愛させていただきます。また、体外診断用医薬品10品目は、18ページから記載されており、新規検査項目、コンパニオン診断薬、新規の使用目的の追加等の重要なものについては、備考欄に内容を記載しておりますが、こちらも詳細については割愛させていただきます。以上で報告とさせていただきます。
○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまのこの部会報告品目について御意見、御質問はございますか。よろしいでしょうか。よろしければ、これで議題8を終了とさせていただきます。これで本日予定されておりました議題は全て終了となります。事務局から連絡事項等ございますか。
○医療機器審査管理課長 次回の部会については12月13日(木)13時からの開催を予定しております。連絡事項は以上になります。
○荒井部会長 ありがとうございます。それではこれをもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。
( 了 )
※ 備 考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から一部公開で開催された。
連絡先:医薬機器審査管理課 再生医療等製品審査管理室 室長 田中(内線4226)
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