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2018年5月30日 平成30年度第1回運営委員会議事録

医薬・生活衛生局血液対策課

○日時

平成30年5月30日(水)
17:00~19:00

 

○場所

厚生労働省3階 共用第6会議室
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)
 

○出席者

出席委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美 岡田 義昭 ◎田野崎 隆二 花井 十伍 
室井 一男 山口 照英
 

日本赤十字社:

佐竹 正博 千葉 広一 前野 節夫
平 力造  
 

一般社団法人日本血液製剤機構:

石川  隆英   鈴木 亨

     日本製薬株式会社:
 
浅田 久継

     一般財団法人化学及血清療法研究所:
 
藤井 隆
 

事務局:

一瀬 篤(血液対策課長) 山本 隆太(血液対策課長補佐)
菓子野 慧(血液対策課長補佐) 山本 匠(血液対策課長補佐)
三浦 勲(血液対策課需給専門官) 富樫 直之(血液対策課長補佐)
池上 直樹(監視指導・麻薬対策課監視指導室長)  
 

○議題

1.感染症定期報告について
2.血液製剤に関する報告事項について
3.「平成25年血液法改正の施行後5年を目途とした見直し(平成25年薬事法等の一部を改正する法律の附則の検討規定を踏まえて)」について
4.「血液法に定める『血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針』の5年ごとの再検討」について
5.その他

○議事



○山本(匠)血液対策課課長補佐 それでは、定刻より少し前ですけれども、本日のこの会場でのマイクの使い方に関して少し事務局から説明させていただきます。委員の方、参考人の方の前にあるマイクですが、トークというボタンを押していただいて、赤いボタンが付いてからお話いただいて、終わりましたら、またこのボタンを押して、ランプが消えたことを確認していただければと思います。
それでは、定刻となりましたので、平成30年度第1回血液事業部会運営委員会を開催いたします。なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。本日の出席状況ですが、現在、運営委員会委員5名に出席いただいております。岡田委員におかれましては、遅れての出席と御連絡を頂いております。また、本日は日本赤十字社血液事業本部より、佐竹正博血液事業経営会議委員、千葉広一血液事業本部副本部長、前野節夫経営企画部次長、平力造安全管理課長、以上4名に御参加頂いております。よろしくお願いいたします。
続きまして、全ての委員の皆様より、薬事分科会規程第11条に適合している旨を御申告していただいておりますので、御報告させていただきます。カメラ撮りはここまてででお願いいたします。以降の進行を田野﨑委員長にお願いいたします。
○田野﨑委員長 皆さんこんにちは。議題に入る前に、事務局から資料の確認をお願いいたします。
○山本(匠)血液対策課課長補佐 事務局から資料の確認をさせていただきます。1枚目に議事次第があります。めくっていただいて、座席表が2枚、次に委員名簿があります。資料1-1が9ページあります。資料1-2、研究報告詳細版が109ページあります。資料2-1「供血者からの遡及調査の進捗状況について」、資料2-2「血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例等について」があります。続いて、資料3-1「平成30年度第1回血液事業部会における資料及び議論を踏まえた具体の採血規定等の制度改正の方向性(案)について」です。続いて、参考資料3があります。資料3-2があり、資料4-1、4-2と参考資料4が付いております。そのほかの議題として、資料5-1、5-2があります。資料の確認は以上となります。不足がありましたら、事務局までお知らせください。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。それでは、議題1「感染症定期報告について」を事務局より資料1-1と1-2の説明をお願いします。
○山本(匠)血液対策課課長補佐 議題1「感染症定期報告について」です。資料1-1、1-2について説明させていただきます。今回の文献に関しては、計12題の文献が報告されております。文献1、中東呼吸器症候群コロナウイルスが腸管から感染を起こす可能性についての御報告となります。文献番号2、ウェスタンブロット法の結果が判定保留となったHTLV-1のプロウイルスについてです。プロウイルスが低濃度であること及びヌクレオチド変異による抗原産生量の低下が抗体産生量の低下をさせることにより、判定保留になる可能性が示されております。文献番号3、2017年8~9月の中央イタリアにおけるチクングニヤウイルスのアウトブレイクに関する報告です。対象地域ではベクターコントロール、サーベイランスの強化及び供血制限により対応したという報告になります。文献番号4、腎移植患者におけるセントルイス脳炎ウイルス感染が確認された症例についてです。患者が4名のドナーより輸血を受けております。4名中1名から輸血後77日目の検査でセントルイス脳炎ウイルスの血清学的検査が陽性となったという報告になります。文献番号5、無症候性の日本脳炎ウイルス感染の供血者より、輸血用血液製剤が肺移植患者と白血病患者に投与され、輸血による日本脳炎ウイルスに感染したという報告です。文献番号6と文献番号7は、トリインフルエンザA(H7N4)によるヒト感染事例についての報告になります。文献番号8、トリインフルエンザA(H5N8)によるヒト感染事例についての報告です。感染者には症状がなかったとされております。文献番号9、これはサルのみに感染するとしていたPlasmodium simiumが、人獣共通感染するマラリア原虫であることが示されております。文献番号10、輸血用血液製剤におけるT.cruzi原虫についての報告になります。血小板の保存条件が原虫の生存には適していたという報告になります。原虫が高濃度であれば、4℃保存の赤血球製剤においても最長3週間生存したという報告になります。白血球除去処理は感染予防の手段となり得るとしております。文献番号11、これはプラスミノゲンビーズキャプチャー法とPMCA技術を組み合わせた微量の異常プリオンタンパクを検出する方法についての報告です。文献番号12は、FDAから業界向けのガイダンス「クロイツフェルト・ヤコブ病および変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の血液および血液製剤を介した伝播リスクを低減するための改訂予防対策」の改正についての報告となります。資料1-1、1-2は以上となります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。それでは、委員の先生から御質問、コメントをお願いします。
○山口委員 文献番号2のHTLV-1で、ミューテーションが起こるという話ですが、もともとこのC3Gというのは、ハイパーミューテーションを起こす因子だと知られておりまして、CからUのほうに変異を起こしやすいのですが、HTLV-1でも同じようなことが起きることが示されたわけで、今後、検査精度に一定の課題を引き起こすようなことではあるかと思います。ただ、本当に抗体検査に大きな影響を与えるかどうか、今後の検討で必要かと思いました。
それとあとは文献番号11、PMCAの話です。いわゆるPCRみたいな形での異常プリオンのアッセイですが、出されている論文は非常に高い陽性頻度が出てきているので、実際にこれだけの陽性頻度があるのかどうか、もう少し検討する必要があるのかという気がしました。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。
○岡田委員 11番のPMCA法による異常プリオンの検出なのですが、これは1つのサイクルというか、ラウンドが40時間ぐらいかかるのです。これを4回というと160時間ぐらい、滅茶苦茶時間がかかるアッセイなのですが、確かに山口委員が言われたように、陽性率が多少高いと思います。これまでのヒツジを用いたin vivoの輸血による実際の感染は、BSEに感染した発症前のヒツジの血液を輸血して、それで発症率を見た実験があって、そこに白血球除去とかバッフィーコートを使ったりという実験があったのですが、それと結果が非常に似ているのです。ですので、特にvCJDに関しては血小板にごく微量のものが入っていると想像できます。ただ、それが異なる人に感染して、それで発症させる能力があるのかは別問題ですが、物質的には存在しているのではないかと考えられます。その中に1つ、通常のクラシカルタイプのCJDも陽性になっているのです。最近、クラシカルタイプのCJDの血液を問題にする論文も出てきておりますが、頻度は非常に低いです。なおかつ、発症した人の血液中から検出されるということで、発症する前の検体はなかなか手に入らないので、検討のしようがないのです。でも、発症した人でも非常に低いことを考えると、クラシカルタイプのCJDとvCJDは、血液の中に異常プリオンがあるかどうかと、違う疾患と考えたほうがいいと思います。
それと、4番、5番ですが、脳炎関係のレポートです。これから日本も暑くなってきて、当然、日本脳炎も発症例が報告されるわけです。非常にまれというか、日本脳炎が輸血によって感染するのは、リスクとしては確かに低くて、起こることはあると思いますが、こういうふうに香港で起こってしまいました。昔、狂犬病に感染した人が臓器提供したら、臓器提供を受けたレシピエントが狂犬病になったという報告があります。非常にまれな、頻度が低いのですが、こういうふうな症例があって、では直ちに輸血用の血液が足りないかというと、日本では特にワクチン接種とかが行われているのと、あとはブタのサーベイが行われているので、ブタで抗体が高くなってくると警報が結構出たりして、それなりに対応はできていますので、可能性は低いと思いますが、あることはあるわけです。以上です。
○田野﨑委員長 御意見、コメント、ありがとうございました。変異型クロイツフェルト・ヤコブに関してはまだ、今すぐにスクリーニングに役立つところまではいかないということであったかと思います。ほか、よろしいでしょうか。
そうしましたら、次に議題2「血液製剤に関する報告事項について」に移りたいと思います。資料2-1、2-2について、事務局より説明をお願いしたいと思います。なお、資料2-1のうち、「シャーガス病の選択的スクリーニング検査について」は日本赤十字社よりお願いします。
○山本(匠)血液対策課課長補佐 それでは、事務局より資料2-1、2-2について説明します。資料2-1は、供血者からの遡及調査の進捗状況についてです。1ページめくって、別紙の表の一番右が、平成29年4月1日から平成30年3月31日の速報値となっています。遡及調査の対象となった献血件数が2,603件です。そのうち調査の対象として、輸血用血液製剤の本数が2,895本です。そのうち医療機関に情報提供を行っているものが2,377本となっております。
(2)個別NAT関連情報です。平成26年8月からは献血血液のスクリーニングで個別NATを行っておりますが、遡及調査の対象となった検体がプールNAT時代のものであった場合には、その検体に個別NATを行っております。件数は10件ありまして、(3)受血者情報が判明した件数として陽転事例が3件ありました。資料2-1は以上となります。
続いて、資料2-2に移ります。血液製剤に関する医療機関からの感染症報告事例についてです。2ページ目、感染症報告事例のまとめについてです。平成30年2月から平成30年4月の報告ですが、HBV感染事例が4件、HCV感染事例が8件、HIV感染報告事例が0件、その他の感染症報告事例として12件、HEVが1件、サイトメガロウイルスが4件、細菌等が7件ありました。
3ページ目の一番上、B型肝炎に関するものです。こちらは、献血者においてHBV-DNA陽転化に係る遡及調査によって、この献血者の前回の輸血用血液、血小板製剤ですが、それを供給した医療機関の献血者の情報についてです。この血小板が投与された患者さんですが、輸血前のB型肝炎検査は陰性で、輸血後の検査で陽性となっています。献血者と患者のHBVの遺伝子検査の配列については一致したということで、輸血用血液製剤からの感染を疑われております。
続いて、4ページの一番上になります。こちらは輸血によるHCV感染報告事例で、転帰が死亡のものです。これに関しては、これまでは個別に表を作成して説明しておりましたが、今後は、資料2の一覧表に、これまでの個別の表と同様の情報を追記して説明させていただきたいと思います。こちらは40代の女性で、備考の所にあるように、原疾患が再生不良性貧血の方です。投与前の検査に関しては、2014年12月でHCVコア抗原が陰性、投与後の検査において2016年10月にHCV-RNAが陽性、HCVコア抗原が陽性となっております。備考の所にあるように、2017年5月に肝酵素の上昇があり、薬剤性肝障害を疑ったとのことでした。その後、肝酵素の上昇は一旦落ち着いて、2017年8月に臍帯血移植を受けております。2017年10月、患者は急性肝臓GVHDで死亡となっております。担当医等の意見では、副作用の程度は重篤であり、輸血との因果関係は不明としております。
6ページに転帰が死亡となった事例がもう1例あります。こちらは10歳未満の女児で、原疾患が脳腫瘍の方です。放射線療法、化学療法、肝細胞移植を受けています。投与前、投与後検査の所ですが、血小板輸血をされて、その後、輸血後6時間52分後までバイタルを確認され、赤血球輸血が開始されております。赤血球輸血開始から3時間47分後、腹痛あり、浣腸実施、バイタルは安定していたということです。血小板製剤投与の翌日に、体温38℃台、心拍数160となりまして、その後、抗生剤等の投与を受けております。その後の経過として、体温測定から4時間後に敗血性ショックにて患者死亡となっております。日赤投与前検査の部分ですが、赤血球製剤及び血小板製剤のセグメントチューブにて、エンドトキシンはいずれも基準値以下となっています。赤血球製剤と同一採血番号の血漿においては、無菌試験は適合となっています。備考の部分ですが、投与された赤血球製剤は採血3日目のもの、赤血球液に関しては採血7日目のものです。担当医等の意見としては、敗血性ショックと輸血の因果関係がないとしております。
続いて、資料2-2の11ページになります。北海道で行っている試行的HEV-NATの実施状況についてです。表の下、平成30年1月から3月のものですが、HEV-RNA陽性者が25名いらっしゃいました。陽性率に関しては0.040%、ジェノタイプですが、G3が22件、G4が3件となっております。資料2-2、事務局からは以上となります。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。今回、HEVでの感染例がありましたね。引き続きまして日本赤十字社より、資料2-1の「シャーガス病の選択的スクリーニング検査の実施状況について」、御説明をお願いします。
○日本赤十字社平血液事業本部技術部安全管理課長 私のほうから御説明させていただきます。資料2-1の遡及調査の次のページをおめくりください。「シャーガス病の選択的スクリーニング検査の実施状況について」です。シャーガス病の選択的スクリーニング検査の導入に関しては、平成28年8月22日採血分より開始をしております。この際、献血希望者に中南米滞在歴の確認を行い、中南米滞在歴確認用リーフレットの質問に該当する申告があった場合は、中南米滞在歴に関する問診票への回答をお願いしております。そして、該当した献血者についてはT.cruziの抗体の検査を毎回行い、陰性の血液については、輸血用血液製剤の製品化が可能になるということで運用をしております。
検査の実施状況ですが、平成30年3月31日現在、全採血者数は767万人強で、このうちシャーガス病の選択的スクリーニング検査の実施件数は1万9,098名、対採血者数比率でいくと0.25%の方の検査を行っております。この中で陽性となった献血者が4名で、対選択的スクリーニング検査実施件数比率でいくと0.02%の方が陽性という結果です。この4人につきまして、それぞれ過去の献血歴の状況や今回の問診条件等を確認したところ、この4人全てが中南米諸国で生まれた又は育ったという御回答を頂いておりました。年齢、性別についてはこちらに記載したとおりですが、この中で過去の献血歴を調査したところ、献血者Dの方に複数回の献血が確認されました。それで、こちらの複数回の献血について遡及調査を行いましたので、その結果を3で報告します。当該献血者の概要ですが、50歳代の男性で、献血歴が8回ありました。この方はボリビア生まれで、18年間のボリビア在住歴がありました。この前回献血時というものは、中南米滞在歴を申告されたため製造制限の対象でしたが、こちらは全国的な疫学調査開始前で、T.cruzi抗体の検査は行われていませんでした。
続いて、遡及調査の結果です。まず、保管検体等の調査結果ですが、今回から4回前までの検体5本について、T.cruzi抗体検査と遺伝子検査を実施しました。その結果、抗体検査は全て陽性で、遺伝子検査は全て陰性でした。当該献血者の末梢血中の原虫量は検出感度以下で、更には、白血球除去フィルターや各製剤の保存条件により、T.cruziの感染のリスクは限りなく低いものと考えております。この当該献血者から製品化され、医療機関へ供給した輸血用血液製剤は、赤血球製剤が6本と新鮮凍結血漿が5本でした。こちらの受血者の調査結果につきましては、医療機関で使用状況が確認できた6件は、使用されたものが4件、受血者は4名でした。未使用のため廃棄されたものが2件でした。この受血者4名については、死亡等により患者検体の調査はできなかったとのことでした。残りの5件につきましては、平成15年の薬事法改正以前の輸血であり、その当時の血液製剤に関する記録の保管・管理は10年であったため、院内での記録が確認できず、使用状況は不明でした。その次の別添に詳細を付けております。次の「シャーガス病に対する輸血用血液製剤の安全性について」は、シャーガス病について、輸血用血液製剤の安全性ということで、今現在、得られている知見、赤血球製剤、新鮮凍結血漿、血小板に関するものを参考までに記載しておりますので、御参考にしていただければと思います。以上でございます。
○田野﨑委員長 それでは資料2-1、2-2、全体を通して委員の先生方から御質問、コメントをお願いいたします。
○室井委員 シャーガス病のことなのですが、抗体が陽性ということは、血中にいなくても原虫がどこかにいると考えてよろしいのですか。それとも、必ずしもその抗体陽性が原虫の有無とは関係していないのですか。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 原虫は、体内のどこかにいると思います。平滑筋、腸管平滑筋等にいて、確実に感染は一生続くものですので、どこかにはいるかと思います。ただ、末梢血にはそれが出ていないと、そういう状況だろうと思います。
○室井委員 資料の2-2の6ページ別添の細菌感染症の所なのですが、最初の上のほうの症例が、一応敗血症性ショックで亡くなったわけなのですが、この方を敗血症性ショックと診断した根拠は何か、明らかになっているのですか。中を読むと溶血はどうなのかなと思ったところがありまして、赤血球を輸血した後に腹痛か何かを訴えているのですよね。なので、その溶血があったかどうかが、もしお分かりになったら教えてほしいのですが。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 こちらの医療機関から頂いたデータの中には、溶血があったかどうかを示すようなデータは、こちらでは得られていません。その項目はありません。ただ、敗血症に関しましては、症状の極期におきましても、CRPは完全に陰性なのです。ですので、本当に敗血症だったかどうかというのは、我々は少し疑問に感じるところがございます。
○室井委員 確かにCRPが陰性で、敗血症ショックというのはちょっと無理があるような気がしますが。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 はい、そうです。輸血量とかも考えなくてはならないかと。この方、年齢が10歳未満となっていますが、実は非常に小さな方です。400mL近くの赤血球が比較的短時間に輸血されているようなところも見えておりますので、いろいろな要因があるかとは思います。
○室井委員 その下に、洗浄血小板を使って細菌感染を起こしたことが疑われると出ているのですが、そして、何か製剤の残余の検体で遠心したらストレプトコッカスが出ているということなのですが、洗浄血小板は閉鎖系で無菌的に作っているものですよね。ですから、外部から細菌が入ることはあり得ないと考えてよろしいのですか。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 はい。製造の途中で入ったことは恐らく全く考えられないと思います。全くといいますか、その可能性は非常に少ないですので、ドナー由来かとは思います。
○室井委員 とするとこの細菌は、つまり製剤の製造過程ではなくて、どこかから入ったのではないかということなのですね。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 はい、もとからあった。
○田野﨑委員長 ほかはいかがですか。
○山口委員 このシャーガス病の件です。多分これ以上追うのはなかなか難しいかとは思うのです。佐竹先生がおっしゃっていた話で、一応血清中でNATで陰性であるという場合にはもう感染力はないというように判断してよろしいということでいいですね。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 それは感度の問題ですので、極限の感度にいけば見付かるのかもしれません。何とも言えないです。ただ、アメリカで調査が行われまして、感染性というものの数字が出ています、1.数パーセント。ただ、今それがPCR陽性だったものの感染だったのか、抗体陽性だったものの感染だったのか忘れましたが、もし、それがPCR陽性であったものの感染性であれば、PCR陽性であっても感染というのはそのレベルだという話になります。
○山口委員 逆に、そういうことが分かれば非常に安心できる材料かと思います。多分抗体陽性の場合だけなら、むしろ感染力というのはほとんど判断できないのだろうと思うのです。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 そうですね、そこはもう一回確認します。
○岡田委員 シャーガスのその原虫は、何匹という単位なのです。1cc中に匹数で数えるぐらいなので、PCRで、例えば1cc中に1匹とかと言われてしまうと、やはりたまたま吸った血漿の中に虫がいなければ、どんな高感度でやっても陰性というので、PCRが陰性だから安全かというのはなかなか言えないのです。そういう1つのバッグの中に、やはり数匹いるという可能性もあるのです。それが現状だと思います。
○山口委員 確認なのですが、シャーガスのときのPCRは、ターゲットはどこをされているのですか。例えばリボソーマルRNAであれば相当感度はあると思うのです。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 ちょっと今手元にそのデータがございません。それから、先ほどの1つの感染性については、それはお渡ししましたお手元にあるものにありまして、抗体陽性血の受血者の感染率が1.7%ですので、PCR陽性というものは、もともとそういうものは数が極めて少ないですので、数は出ない。それからPCRに関してはプライマーとプローブ、我々が使用しているものは全部手元にございますので、後ほど本件と一緒にお渡しいたします。
○山口委員 ありがとうございます。
○岡田委員 この抗体陽性の供血者に関しては、例えば病院のほうに紹介とか、通院を勧めたとか、そういうことはどうなのですか。
○日本赤十字社平血液事業本部技術部安全管理課長 私どもはそのドナーさんについて、その情報をきちんとお知らせをさせていただいております。それで診療につながっていることもございます。そういう状況です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。白血球除去フィルターで除去されるとか、凍結融解後には生存は認められないとか、ある程度の安全性は大体確保できているかとは思いますが、少しまだ課題が残るところでもあるかとは思います。御意見を参考にしていただければと思います。
○山口委員 2-2の資料のほうなのですが、いつも議論になるのですが、本当に輸血が原因のケースと、それ以外の輸血が原因と考えられないケースの感染症は結構あるとは思うのです。今回示していただいた6ページで、敗血症ショックの先ほど議論になったものは、輸血との因果関係はないというふうに、逆に医療機関側からは関係がないと推定というか、判断されているわけですね。1つ考え方としてあるのは、いわゆる輸血製剤との因果関係のある場合とない場合で、医療機関がどういうふうに判断したか逆につけて、もしそうでない場合にも本当に全部載せていくべきなのか。輸血の重篤な結果ではあったとしても、その辺は今後考えていくべきかと思うのですが。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 そうですね。これまでは我々が主治医の先生の判断と診断を基に、それに沿った検査を進めていたということがありますが、たまには医療機関の先生も別に考えているかもしれないので、我々は我々の判断でのところも付け加えることは必要かとは思っております。
○田野﨑委員長 それではどうもありがとうございました。そうしましたら議題3、4と、少し重い議題がありますので、では議題3に移らせていただきます。「平成25年血液法改正の施行後5年を目途とした見直し(平成25年薬事法等の一部を改正する法律の附則の検討規定を踏まえて)」について、事務局より資料3-1について、説明をお願いいたします。
○菓子野血液対策課課長補佐 資料3-1と参考資料3をお手元に御用意ください。資料3-1「平成30年度第1回血液事業部会における資料及び議論を踏まえた具体の採血規定等の制度改正の方向性(案)について」、御説明いたします。まず初めに、今回の運営委員会及び今後の運営委員会の議論の流れの考え方、事務局の考え方について記述しております。平成30年度第1回血液事業部会の議論を踏まえ、血液法の目的である血液製剤の安全性の向上、安定供給及び国内自給の確保、献血者の保護、有料採血の禁止といった血液事業の根底となる原則を堅持しつつ、採血等の制限については科学技術の発展を踏まえた対応、国は複数の採血事業者の参入を踏まえて献血者の健康保護、選択権の確保を図る、血液製剤の流通の広域化を踏まえた採血制度に係る各種手続の合理化について案を作成いたしましたので、こちらについて御意見を頂戴したいと考えております。また、第2採血事業者のより詳細な事業内容の説明を踏まえ、血漿成分採血における日赤等の役割分担を担保する献血推進計画や需給計画の運用案、第2採血事業者の採血した血漿の安全性確保のための措置については、後日議論を行うこととしたいと考えております。
次に、先日の血液事業部会で問題提起いたしました点について、具体的な対応案を説明いたします。1「科学技術の発展を踏まえた採血等の制限の見直し」への対応については、科学技術の発展を踏まえ、採血が可能となる要件を、血液製剤、再生医療等製品の製造のための採血といったように、具体の物品ごとに列挙するのではなく、例えば医療の実施及び保健衛生の向上のための採血に限り認めることとし、医療の発展に関する採血を認めることとしてはどうか。また、厚生労働省が示す基準等により採血が認められる具体的なケースを示すこととし、血液を医療のために有効利用する方々の予見性を担保してはどうかと考えております。
次ページの2「複数の採血事業者を想定した採血の在り方について」への対応については、これまで採血許可制度は不許可になる可能性がある場合が列挙されていましたが、ドナーの健康保護のための採血事業参入時における積極的な許可要件がありませんでした。EFPIAジャパンの提案する非営利の公益法人に限らず、今後複数の採血事業者が採血事業に参加することを想定し、献血者の健康保護や採血種類の選択権の確保を厚生労働大臣が積極的に行うこと。また、新規参入者に対する予見性を確保し、献血者保護等への協力を実現する必要があるということで、第1回血液事業部会で論点として示しました献血者の採血履歴を他の採血事業者の分まで確認すること。献血者が望む献血が可能となるための誤認防止の措置のほか、健康診断基準の遵守、採血基準の遵守、採血の業務の管理に関する基準への適合。これは、具体的には現行の採血管理基準に加えて、他の採血事業者による採血履歴の確認、本人確認、採血前の採血種類の教示を基準に明記し、義務化することを検討してはどうかと考えております。
次ページの3「採血制度に係る各種手続の合理化について」は、広域化への対応ということで副題を付けております。輸血用血液製剤はブロックの需要に対して、献血可能人口が集中している地域から効率的に献血を頂くというシステムで確保しています。一方、血漿分画製剤は様々な種類と適応があることから、献血による原料血漿の提供と製剤の需要が都道府県で一致することは考えにくく、都道府県単位での独自の献血確保目標量の設定はなかなか難しいのではないかと考えられます。そこで、現行の血液法に、都道府県が、採血事業者が策定する献血受入計画の円滑な実施を確保するため必要な協力を行わなければならないと既にうたわれておりますので、現行法上何ら規定のない都道府県献血推進計画の内容を採血事業者の支援措置として明確化するなど、ここは都道府県とも相談しながら、都道府県と採血事業者との関係を再整理したいと考えております。加えて、採血の許可と受入計画の在り方についても、採血許可制度は献血者の健康保護、選択権の確保ができているかを事前に確認する制度とし、主たる事務所が各採血所をきちんと管理しているかを事業単位で確認する。受入量、安定供給に関係すると思いますが、これについては毎年受入計画の認可時に確認をしっかりやっていく。受入計画の遵守義務を規定し、義務違反があった場合の事業者に対する改善命令を国のほうで行っていくこととし、現行の採血所単位の規制ではなく、事業者単位の規制としてはどうかと考えております。
次頁、その他の検討事項として、人血漿というものが血液製剤の代表例として規定されていますが、これはFFPと原料血漿と解されています。しかし、人血漿という一般名称は存在せず、採血及び供血あつせん業取締法時代の名残であり、一般国民には分かりにくい概念になっていると考えられます。また、現行の血液法施行規則では、一般名称で各製剤を列挙して運用している事実とも矛盾するため、削除してはどうかと考えております。
続いて献血者等の「等」に当たる供血者というのは、有料採血禁止との関係で言えば整理すべきと考えられることから、再検討することとしてはどうかと考えております。原料血漿の供給は複数の事業者が参入した場合、様々な流通ルートが想定されます。市販後安全対策の元売り規制と同じ考え方で、原料血漿の工場出荷を行う原料血漿の製造業者に安定供給の義務を課すということでいかがかと考えております。また、採血事業者は他の採血事業者、血液製剤の製造販売業者に対して、保健衛生上の危害防止拡大のために、個人情報等を含む必要な情報の提供を行うことを義務化することを検討してはどうかと考えております。事務局といたしましては技術的な整備も進め、また、都道府県等関係者との調整を進め、政府内部での法制的観点からの検討も進めていきたいと考えております。ただ、この結果としてこれらの検討事項に変更があった場合には別途、審議会に方向を再検討させていただきたいと思います。本件については御議論を賜りたくお願いいたします。以上です。
○田野﨑委員長 この制度改正の方向性について、委員の先生方から御意見を頂ければと思います。まず全体について、そしてそれぞれについてと分けていってもいいかと思いますが、全体のこういう方向性について、今事務局から出されたことについて何か御意見あればと思います。
○花井委員 全体についてですが、基本的に今の血液法の立て付けが、いわゆるあつせん法をベースに新血検討審を踏まえて2002年に一応成文化したという経緯があって、ある意味、ちょっとプリミティブな部分も残しつつ制度化したということがありました。事実上、2002年改正法の運用の面でも、具体的には都道府県と採血事業者の関係とか、様々そういうところがあったので、やはり1つそこの整理は今回するという意味で、この全体の方向性はいいのではないかと思います。特に、実態は採血事業者がドナーリクルーティングを行っているのですが、当時の整理は、実はドナーリクルーティングは国、都道府県の仕事で、採血事業者は受入れだけでいいとも解されるという整理があって、そこのところが曖昧な役割分担になっていました。だから当時それが、つまりレッドクロスの旗を立ててやるのはやはりリクルーティングなのに、なぜリクルーティングはレッドクロスの旗を持っていない都道府県が担うのかみたいな議論があったことは事実です。なので、リクルーティングということは引っ張るということなので、実は応援団とは違うから、考えてみると当時から採血事業者がドナーをリクルートするという考え方はそれはそれで良かったはずなのですが、そういったところで整理の部分で曖昧さが残っている部分もあるので、今回そういうところも見直して整理し直すことで、実態に合わせてやれるということで良いのではないかと思います。細かいところはまだ意見がありますが、全体としては、いわゆる89年ドクトリンの実態に合わないところを未来に向けて整理し直すという観点で考えていただけたらと思います。以上です。
○田野﨑委員長 ほかにはよろしいですか、まず全体として。そうしましたら、一番初めの科学技術の発展を踏まえた採血等の制限の見直しへの対応、これについて御意見を頂ければと思います。いかがですか。
○花井委員 この件についても、善意・無償・任意ということが担保されている限り、リーズナブルな現状に合っているのではないか。ここが外れると全然意味が変わってくるので、善意で無償・任意というところ、あと匿名性というのも本来あったかと思うのですが、匿名性の部分は今安全対策のせいで薄れていますが、少なくともそれを前提とするならば、いわゆる医療に貢献する合理的な採血というのは全体として認めていいという整理のほうが実態に合っていると思います。
○田野﨑委員長 実際、再生医療に関わる製剤等は、輸入はできるがなかなか国内で取りづらいというようなことも起こっているみたいですので、現状に即したという意味ではいいのではないかと思います。
○山口委員 そのとおりだと思うのです。ただ、実際に今現実の目安だと、どちらかというと日本赤十字社は割と輸血を主にやっていくのではないかと予測をするわけです。それ以外の所は血漿を採取すると考えるのですが、もし再生医療という話になってくると、かなりこれは幅広くなってきて、例えば血小板由来抽出物を用いた再生医療の培養など、いろいろなものが出てくる可能性がある。でも、そういうことも含めて広く国民の健康の維持に貢献するような医療の開発、医療の提供ということでくくっていけるのであれば、それも妥当だろうと思います。
○田野﨑委員長 この1番目は、何となくすんなりいくと思います。
○室井委員 私もそこでちょっと思うのですが、この1番で、製造のための採血以外の医療の実施及び保健衛生上の向上に資すれば採血できるということですが、いわゆる研究目的の採血であっても認めることが含まれていると考えてよろしいのですか。
○菓子野血液対策課課長補佐 御指摘のとおりです。保健衛生の向上というところで解釈していると考えております。あとは、花井委員からも御指摘ありました有料採血の禁止、第16条については、ここは堅持する。これは採血事業者に限らず、何人も有料では採血を禁止するという規定ですので、採血事業者ではない、例えば医療ベンチャーであっても有料採血は禁止というのは適用されることを堅持している。
○田野﨑委員長 今の点に関しては、海外ですと有料で採血をして、それを製剤として、例えば単核球を使えるようにというような形で各企業などで提供していたりもされているのが現状だと思いますが、そういうような実際に非献血のものは禁止するというような考え方でよろしいですか。
○菓子野血液対策課課長補佐 輸出入といった物品の移動そのものは規制は行いません。外国に対して、直接、採血に関する規制を求めることは内政干渉になります。あくまで日本国内では有料採血の禁止でやっていくということだと。
○山口委員 今のところで、例えば再生医療等製品で、海外で有償で採取した細胞を用いたものを日本に導入したらどうなるかという話もあるかと思うのです。一方で再生医療等製品については、無償のドネーションというのは日本の国内で求めていますので、そういう意味では、そこの部分は有償で出来たものを日本に持ってくるというのは、逆に言うと難しい。ただ、もう一方で、例えば血小板抽出物というものになってくると、有償で採血している可能性も、それは否定はできないとは思います。
○大平委員 今の有償、無償の問題について、有料採血の禁止については全てここの最初の方向性のところで、前文で書かれているので、それを踏襲する形で、そういう認識でよろしいのですね。
○菓子野血液対策課課長補佐 御理解のとおりでございます。
○田野﨑委員長 よろしいですか。そうしましたら、次の2番、複数の採血事業者を想定した採血の在り方への対応の考え方について、御意見を頂ければと思います。これに関しては制度を明確にしたと、今まで不明確であった部分などについて明確にしてということになるかと思いますが、この方向性に原則問題はないということでよろしいですか。
○室井委員 どうしても採血、献血すると副反応というか、有害事象が出る方がいます、ドナーですね。そういう情報も共有されると考えていいのですか。
○菓子野血液対策課課長補佐 御指摘の点は恐らく4ページになります。採血事業者は保健衛生上の危害防止拡大のために情報提供をするということかと考えています。保健衛生上の危害防止拡大のために当たるかどうかは検討の余地があるのかと思います。恐らく基本的には感染症の拡大とか、そういったものを念頭に置いていますので、そういう針刺しによる副作用というのは既知の情報になるかと思いますので、それはケースバイケースとは思うのです。一般的には、逐一共有するべき情報なのかどうかは議論の余地があるのではないかと考えます。
○室井委員 例えば日赤で採取をして、血管迷送神経反射が出て途中でやめになった。そのドナーが日赤では採血しにくいので、別のほうに行って採るときに、その情報がないと危険性が増すかと思って、今質問したのです。
○菓子野血液対策課課長補佐 確かにドナーの方の個別の性格だったり、そういったことに起因する情報は検討の余地があるかと思いますので、そういった点も含めて、この採血事業者間の情報共有というのも国のほうでガイドラインを作って、業者任せではなく、ある程度統一したフレームが必要だと考えておりますので、そういった中で検討していきたいと思います。
○山口委員 今ちょっと、山本補佐だったと思いますが、1つ気になった話があって、前から気になっているのですが、情報共有というのは重要だとは思うのですが、もう一方で情報共有の場合、これは献血者の個人情報が全部入ってきます。そうすると、今、個人情報保護法のガイドラインではなくて、法の制度の中できちんとやらないといけない。そこの部分を多分今までは日赤一社で全部まかなってきたのだろうと思うのですが、もし別の採血事業者がいらっしゃるのであれば、そことの共有という話になると、個人情報をどう管理して、その個人情報をきちんと守っていくかという、この辺が非常に重要なポイントになってくるかと思います。
○田野﨑委員長 重要な点、ありがとうございます。
○大平委員 複数の採血事業者を、今までばく然としていたところをきちんと整理させるところでは、それはそれなりに評価があるのだろうと思うのです。ただ、今回の問題については議論を進めていかないといけないところがあるのですが、一般の社会の受取り方として、今は日赤がドナーリクルートから採血まで全て担っているわけです。こういった議論がなされていることについての報道が外に出て行くわけなので、これについて日赤のほうのいろいろ考え方もあるでしょうし、また社会の受取り方もあると思うのですが、社会の受取り方としてやはり少し混乱を招かないような方向で、いろいろな議論の進め方は必要なのかとは思うのですね。
ですから1つは、日赤が今、特に献血血液で全体をカバーして、事業者として行っているわけですが、これに対して、例えば想定するとどういう形になるのかとか、そういうことがある程度社会に見せられるような形というのは、ここの運営委員会の仕事かもしれませんし、また事務局の仕事かもしれません。そういった何か青写真みたいなものは、こういうような方向性が今検討されているということを社会で分かっていただけるようにしていかないと、突然第2の日赤みたいな形の採血事業者がもしかして現れるのではないか。そういうことがどういう報道のされ方があるのか分かりませんが、混乱を招かないような形を1つは取らないといけないのかとは思っております。
やはりこのドナーリクルートの問題と、あとは日赤以外のほかの採血事業者が手を挙げた場合の役割分担とか、そういうのはかなり時間を掛けて議論をしていかないと、整理していかないといけない問題なのではないかと思うのです。
○田野﨑委員長 確かに少し今までこういう議論が世の中でされていなかったように思いますので、こういうものが議論されていることを社会に知らしめるのは非常に重要かとは思います。そうしましたら、時間の関係もございますので、次の3番、4番についての残りの部分について御意見がありましたらお願いいたします。
○花井委員 今のリクルートの話は、献血受入計画と推進計画があって、今回、受入計画のほうでリクルーティングを担うという整理にすれば、推進はリクルートのほうではなくて応援団だという位置付けにすれば、一応、割と整理はつく。そうでなかったらドナーを国と都道府県が確保してあげなくてはいけないみたいな立て付けになると、少し変なことになると。大平委員の懸念のようなことが起こり得るので、そこは今回明確にしておくべきです。だから、今までは受入れの中にリクルーティングを含むのだという整理が実は曖昧だったので、そこがはっきりすべき点かと思います。
それから、先ほどから議論があって、情報の共有問題が非常に大きくて、2ページの、他の採血事業者の分まで確認しなくてはいけなくなると、一番ギリギリやれば、これは全部データ共有しなくては不可能なのですね。そうすると、それをドナーの供血者の方、献血者が来られて、ほかの所へ行きましたかとか言ったら、そこの何か手帳を出して、いや、こうですと示してもらって、それで確認するので足りるのであれば、情報提供の話は少し違う話なのです。でも、それを持っていなければ分からないので、それでいいのかどうかですね。だから、どこまでギリギリやるかによって、もし完全に共有してしまうと、これは共通データべースみたいな話になって、かなり大きなインパクトのある話になるし、採血事業者が義務とするなら、それは確認すればいいということであれば、そこまではまずはいかないと。
問題なのは、これは何のためにやるかというと、昔で言えば頻回供血ですよね。昔は有償だから、それが起こったのだと言いますが、献血だったら、それがないのかというと、それは必ずしも分からない話であって、そういう意味では、マニアはどこの世界にもおられると思いますし、それをどこまで事業者が担保するか、責任を持つかということになると、ギリギリやるとなると、どこまでやるかという議論で、そこをまず確認していただきたい。
こちらは本人を確認すればいいという整理にして、もしかして紙ベースで記録を出してもらって、そこで見るだけということであれば、問題になるのは4のいわゆる保健衛生上の危害防止拡大のために個人情報を含むと。これは住所、氏名、電話番号の世界なので、日本赤十字社に献血した人が、例えばHIV陽性になりましたと。その自分のHIV陽性だという住所、氏名、電話番号付きの情報が、もう1つの採血事業者に行くという話なので、これは相当ハードルの高い話になると思います。基本的に、先ほど山口委員がおっしゃったとおり、ここで法で規制しない限り、本来、そのようなことは駄目なわけですね。
1つの考え方は、感染症でもクライテリアがありますよね。社会に対する危害防止と個人の人権とのバランスを取るために、エボラだったら隔離しますよと、エイズは隔離されませんよというふうに段階があって、そのどれについてかということをガチガチと決める整理があるし、それがこういうふうに包括的に決めるのであれば、同意を取ってしまえば何でもいいという考え方もありますね。つまり、採血時点で同意書があって、こういう場合、それでも包括同意というのは今の時代どうかなということなので、かなりちゃんとした同意の形のインフォームドコンセント的なものがあって、場合によっては情報が他の業者に行きますという同意を取るという手段を取るか、それを決めないと、これは個人情報が濃過ぎるので、どちらかの手段が必要かと。
法で統制するのであれば、本当は一番いいのは感染症法のように、1類、2類、3類、4類みたいな感じで危害の拡大によってやって、しかし一方で、血液の場合は遡及調査という実務が常に走っているので、そのようなことでいいのかとか、そこを議論していただきたいと思います。いずれにせよ、単に包括的にこの記載で個人情報を渡せるというのでは足りないと思います。ですので、何らかのインフォームドコンセントの方法論か基準作りを検討していただきたいと思います。
あとは3です。都道府県との関係ですが、もちろん整理の上では先ほどの整理で行けると思うのですが、伝統的に都道府県の日赤の支部長は知事だったりするので、関係は深かったのです。その深い関係同士の話と全く関係性がない所ということなので、各都道府県と、もし新規参入があるのであれば、その採血事業者との調整が事務局のほうでうまく、両方が納得する形でやっていただかないと、これまでの歴史的に長い信頼関係が土台にありますので、いきなり新しい人の面倒を見てねみたいな話は、なかなか難しい場面もあるので、そこのところは是非慎重に進めていただきたいと思います。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。いろいろ検討するべき事項があると思いますが、ここで日赤から資料3-2について、5分程度で御説明いただければと思います。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 千葉です。よろしくお願いします。資料3-2です。1ページのタイトルにありますとおり、血液事業部会において、事務局から提示していただきました「(2)複数の採血事業者を想定した採血の在り方について」に係る改正案、今、正に議論していただいた内容ですが、日本赤十字社血液事業本部としての意見ということで、少しお時間を頂きたいと思います。
2ページです。当該方針にもありますように、現行血液法においても、複数採血事業者の存在は想定されておりますが、事業を実施するための細かな規定等は定めてないというところです。したがって、現在、日本赤十字社が行っている安全対策、そして献血者の健康保護対策については、国と協議をさせていただいたり又は国の指導に基づいて実施させていただいているものが現在の状況でして、今後、国の基準として明文化していただくことが必要であろうと思っております。また、新たな採血事業者の参入に当たってですが、本邦の血液事業に係る歴史的背景を踏まえ、これまで実施されてきました安全対策や各種判定基準等が、国の規定として定めていただいた上で遵守されることが、国民から信頼される血液事業となると考えているところです。
3ページです。今もいろいろ御議論いただいたところですが、日本赤十字社としても、新たな採血事業者の参入に対して検討する必要があると思っている事項を挙げております。この内容については4ページ以降で説明させていただきますので、4ページをおめくりください。血液製剤の安全性の担保についてです。先ほど来御議論いただいている内容と繰り返しになる所もありますが、まずは検査内容についてです。日本赤十字社は、血漿分画製剤の原料血漿についても、生物由来原料基準に定められた輸血用血液製剤と同等の検査を行っているところです。これは当該血液による感染リスクの低減を図るとともに、将来の献血血液の感染リスクの排除という目的もあって実施しているところです。輸血用血液製剤も含めた血液製剤の安全性向上に鑑みれば、全ての採血事業者によって確保された献血血液が、同等の検査を実施される必要があると考えております。
2つ目です。献血受付時の問診内容等についてです。日本赤十字社は、常に最新の科学的知見に基づき検査を実施しているところですが、残念ながらウインドウ期にあるウイルスや未知の感染性因子を完全に排除することはできていないのが現状です。そのため、日本赤十字社としては、献血受付時の問診において、感染リスクにつながる行動の有無等について確認をさせていただき、原料血漿を含む献血血液の安全性の向上に取り組んできているところです。現在の血液法には、献血時の健康診断方法は定められているところですが、問診内容と判定基準、採血前検査判定基準、献血者本人確認方法等に係る具体的な規定はなく、日本赤十字社が国と協議をさせていただき行っている社内基準として実施しているところです。血液製剤の安全性の担保及び献血者保護の観点からも、国の指導を頂き、全ての採血事業者が問診内容等を統一する必要があると考えております。
5ページです。(3)検査情報等の共有についてです。こちらも先ほど来から御意見を頂いているところですが、日本赤十字社としては、献血者の本人確認を厳格に実施するとともに、過去の検査結果、医療機関からの情報に基づく遡及調査結果、問診回答内容等の献血者に由来する情報を全国一元化しており、今は感染リスクの高い血液を排除することが可能となっている仕組みです。これらの複数の採血事業者が存在した場合にも、感染リスクの低減に向けての検査結果等の情報の共有は重要であり、採血事業者間の情報共有の仕組みについては国で整理していただく必要があると考えております。
次に、2、安定した事業基盤についてです。献血者に対する有償採血という意味での解釈になりますが、献血者に対する金銭等の支払いについてです。先ほどもありましたが、血液法による有償採血は禁止されておりますが、厚生労働省薬務局長通知で、社会通念上妥当な範囲において、原則として電車又はバスを利用して採血所と自宅及び職場等を往復するために必要な金額等を支払うことは認められております。しかしながら、日本赤十字社においては、血液法制定時の議論等を踏まえ、より崇高な自発的な無償献血制度の確立を目指しており、2002年10月から、原則として、交通費等を含む金銭の献血者への提供は行わず実施しております。献血者に対する金銭の支払いは、それを目的とする供血者を生むことは今の時点では否定できないと思っておりますので、これまで長い間培ってまいりました善意に支えられた献血制度が崩壊し、血液製剤の安全性を脅かすことはもとより、輸血用血液製剤の安定的な確保にまで支障を来すことが懸念されると思っております。
7ページ、(2)採血目的による役割分担と原料血漿の管理についてです。新たな採血事業者と日本赤十字社において、国内で確保できた原料血漿については、国がその行方を把握していただくとともに、原料血漿を必要とする全ての製薬企業に公平に配分されなければならないと思っております。中段ですが、国は、複数の採血事業者が存在した場合における採取された原料血漿の管理方法及び原料血漿が公平・適切に配分される需給計画の策定の基本的な枠組みを示していただく必要があると考えております。一番最後の行ですが、今後も国民の献血機会の確保と献血種類の選択を担保し、なおかつ、輸血用血液製剤の確保と原料血漿の確保が競合し、一方の採血事業者の確保に影響が出ないような献血推進の在り方についても、しっかり検討していただく必要があると思っております。
最後の大きな項目、8ページです。3、献血者の保護等についてです。(1)献血者被害救済制度です。献血者健康被害の補償については、国が定める献血者等の健康被害の補償に関するガイドラインに基づき、日本赤十字社は献血者健康被害救済制度を設けております。献血者の健康被害については、公平、透明かつ迅速な被害救済を行うことが必要でありますので、新たな採血事業者についても同ガイドラインを遵守していただくべきであると考えております。
(2)献血者情報の取扱いについてです。献血者の健康保護のための献血間隔・年間採取量を管理する必要がありますので、複数の採血事業者が存在した場合についても、採血事業者間での献血者の情報を共有する必要があります。現在は、日本赤十字社が責任を持ってシステム構築と情報の管理を行っておりますが、複数の採血事業者が存在することとなれば、採血事業者間の情報共有の仕組みについて国で整理していただいた上で運用すべきであると考えております。また、新たな採血事業者が参入するまでに日本赤十字社に提供された献血者の情報は、日本赤十字社が保持する個人情報であり、第三者への情報提供については、慎重に検討していかなければならないと思っております。新たな採血事業者が参入した場合の過去の情報も含む個人情報の共有についての運用を決めていただく必要があると考えております。
9ページ、(3)献血者の健康増進についてです。献血者に対する検査サービスについては、旧厚生省、日本医師会及び学識経験者による協議を踏まえ、献血者の健康増進を図ることを目的として、検査項目の変遷を経ながら昭和49年から現在まで実施してきております。現在、ヘモグロビン濃度が献血基準に達しておらず献血に御協力いただけない皆様に対しては栄養指導相談等も実施しております。献血が国民の公衆衛生の向上に寄与しているところですので、日本赤十字社としては、引き続き検査サービスや栄養相談を実施していくこととして考えておりますので、新たに参入される採血事業者においても同様のサービスが実施されることが望ましいと考えております。
最後です。我が国は、これまで、国・地方公共団体・日本赤十字社を中心として献血の推進を行い、必要な血液量を確保してまいりました。更に、今後見込まれる原料血漿確保量の増加に対しても、日本赤十字社としては、新たな確保対策を講じながら、国民の皆様に御協力いただき、必要量の確保に努めていくこととして考えております。新たな採血事業者の参入により、必要な血液量を確保するために、採血事業者間で限られた尊い献血者を奪い合うことはあってはならないと思っております。日本の血液事業は、国、地方公共団体、医療機関、製薬企業、日本赤十字社などの関係団体のたゆまない努力と、何より国民の皆様の理解と協力により、世界に誇れるものとなっていると思っております。新たに参入する採血事業者においては、我が国が歩んできた血液事業の歴史と関係者の想いを尊重していただき、血漿分画製剤を含む受血者の皆様の安心と献血者の皆様の健康保護を最優先に考えていただき、同じ理念を持って事業を実施していただくことを期待するものです。少し長くなりましたが、以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ただいまの日本赤十字社の御意見に対して、委員の先生方からコメント、御意見をお願いします。
○室井委員 大変よく分かりました。個人情報では先ほど言いました、3の献血者保護と健康増進等についてですが、これは各々の参入する業者が別々に作るというふうに考えていらっしゃるのですか。例えば、献血者の健康被害等の補償に関するものに対しては、例えば参入する企業ごとに作ると、そういう概念なのでしょうか。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 救済制度は必要だと思っておりますので、別々であるか、1つのものに拠出するのかも、やり方としてはあるかと思いますが、一事業者だけが拠出してその制度を使うのではなくて、献血者を保護するという意味では、救済するという意味では、全ての採血事業者が参画していただきたいという思いです。
○室井委員 あと、健康増進に関しても、統一の基準を何か作って、参入する会社が全部統一できるフォーマットであったほうがいいと思うのですが。その考えでよろしいですよね。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 はい。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。
○大平委員 一番最後の「おわりに」に述べられた日赤の思いだと思うのですが、その日赤の思いはよく分かるのです。最初に血液法を作ったときに、日赤は、今日の文章もそうですが、割といろいろ揺れていますよね。本当は自分でやっていきたいのですが、こういう制度の中で、もし変わっていくのだったら、こういうふうに変わってしまうのだというような感じで、そこへの感慨みたいなものをここに織り交ぜて述べておられるので、何か涙が出てきてしまうところがあるのです。
ですが、本当に日赤がこれまで果たしてきた役割は大変大きいと思うのです。それに対して、本当は日赤も、自分がはっきり、日本の血液事業の1つの献血制度から全てきちっとやっていくと、その基本的な信念をなかなか述べられなかったところが、もしかして、こういうところに今回のほかの事業者が参入することについても、議論が及んでいるところになってきているのかもしれません。ですから、本来、日赤が日本の血液事業全てを任せておけというような感じの姿勢があったらよかったとは思うのです。再度お聞きするのですが、今、ほかの業者の参入というよりは、自分たちでやっていきたいというところは、本音としてはおありになるのでしょうか。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 諸外国の状況もいろいろ聞いていたりしていますと、日赤以外の採血事業者が参入されるということに関して言いますと、どの程度が分かりませんが、恐らく当初混乱があるのではないかという思いと、これまで献血をしてきていただいた国民の皆様に対して、どういうふうに理解していただけるだろうかという思いも少しありますので、本来でしたら日本赤十字社が血液事業者としてしっかりやっていきたいとは思っております。
○岡田委員 10ページに書いてある献血者の奪い合いということで、結局、一方は原料血漿で、もう1つは血小板の確保というので、それがうまくバランスがとれればいいですが、原料血漿のほうに偏り過ぎると、医療機関の血小板の供給不足をどう調整するかが結構大きな課題になると思います。その辺は、製造、例えば前年度の採血予定にある程度国が関与してというか調整しないと、混乱が生じてしまうことが危惧されると思います。そうすると、参入するといっても、限られたパイを国が管理する中で採血業者が採血するという構図になってしまう。極端に言えば、日本赤十字社ともう1つの所が2つに分かれて採血をすると、そういう構図になるのではないかと思うのです。
○山口委員 その2つが出てきたときというのは、2つとは限らないわけです。それ以上、複数出てくる可能性もあると思うのです。この議論をしていて一番気になるのは、郵政みたいな問題。要するに、今までは各都道府県ごとに採血をして、日赤は県とか道と一緒に共同しながら、そういう仕組みを作り上げてきたのが、それが広域化ということで変わってきて、割と県との関係が希薄になってきているような印象を持っております。ただ、そう言いながら、どこの県でも献血できるようなシステムを今作り上げて、正直言うと、多分それは高コスト体質になりかねないのかと。場合によっては、血漿採血業者は、先ほどの厚労省の文章にあったように、例えば特定の大都会だけで採取をすれば、コストは非常に安くなる可能性もあるわけです。今後、そういうことも考えていく必要があるのだろうと私などは思っております。
○大平委員 安全確保と供給、また需要の把握とかを考えますと、今までは厚労省と日赤との情報共有で、ヘモビジランスという形で安全性も含めて確保されてきた構図があると思うのです。ですから、もしそれがほかの採血事業者が入っていった場合には、国の強い力がかなり働かないと管理しきれないのではないかと思います。素人考えなので、そこのところは専門家の方たちのお知恵をいろいろ拝借して、そして構築していくのだろうと思うのですが、ヘモビジランスの全体の管理がうまく構築できる形を、これから大きな課題だと思うのですが作り上げないと、ここは規定の問題で議論はされておりますが、現実的に血液の流れとか、製剤の供給とか、ボランティアの献血者の方たちのいろいろな動向とか、そういうのも含めると、ヘモビジランスシステムをきちっと構築していただきたいのが強い希望です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございます。私から検査内容について、(1)の最後の所ですが、1つの考え方として、例えば血漿分画製剤は、検査は少し精度を下げても安全性は確保できるのではないかという考え方もあるのではないかという意見があるかもしれないかと思うのです。それによってコストが下げられないかどうかと。これに関しては、日本赤十字社ではどのように考えられますか。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 今、生物由来原料基準に合わせて検査を実施していることを、先ほど申し上げさせていただきました。この検査のほかにも献血者に対して生化学検査のサービスとか、そういったことも実施しておりますので、原料血漿だけの献血者と輸血用血液に協力いただく献血者と区別して採血をお願いするという考え方はできないと思っております。したがって、検査も今と同じにしていく必要があると思っております。
○田野﨑委員長 よろしいですか。そうしたら、次の議題4に関しても関係する所ですので、議題4に進ませていただきます。議題4「血液法に定める『血液製剤の安全性の向上及び安定供給の確保を図るための基本的な方針』の5年ごとの再検討」について、資料4-1、4-2について、事務局から説明をお願いします。
○山本(隆)血液対策課課長補佐 それでは資料を説明いたします。議題4、血液法に定める、いわゆる基本方針の5年ごとの再検討ということです。この議題に関しましては、4月に開催しました血液事業部会におきまして、事務局から資料を提出しました。本日、お手元にある参考資料4の中の32ページからが、4月に開催しました血液事業部会に提出した資料となっております。34ページから、具体的な見直しの方向性ということで考え方を提示しました。血液事業部会では、この見直しの方向性については異論がなかったと理解しております。
しかしながら、現行の基本方針では、例えば第二として「中期的な需給の見通し」、第三として「国内自給」という項目が立っているのですが、需給見通しの項の中でも国内自給について触れている部分があるなど、あちこちに重複記載があって非常に読みづらいという御意見を頂きました。そういうこともありますので、今回は、血液事業部会でのこれらの御意見なども踏まえて、事務局で作成した基本方針の見直し、改正案を提示させてただきます。資料4-1になります。資料4-2は「新旧対照表」です。下段が現行の基本方針、上段が資料4-1と同じ記載になりますが、改正案という形でお示ししました。今日は、この事務局の改正案について御議論を頂きまして、その内容を踏まえて、また必要な修正などを行った上で、次の血液事業部会に御報告をして御審議を頂く予定です。
それでは、資料4-2「新旧対照表」に基づき御説明いたします。先ほど参考資料4で示しました、今回のこの基本方針の見直しの方向性の項目を中心に、説明したいと思います。2ページです。「第一」として、基本的な考え方を示しております。最初のパラグラフの最後の所に、「血液事業に関わる者は法に基づき課せられた責務を確実に果たす」という文言が掲げられています。合わせて、「法に掲げられた基本理念の実現に向けて各般の取組を進めることが必要である」とも書いております。その後、2ページから4ページにかけて、「1」~「4」まで記載があるのですが、ここは、基本理念のことは書かれているのですが、課せられた責務という部分の記載がありません。ですので、4ページ以降の上段ですが、新たに法に基づき課せられた責務というのを、条文ベースでそれぞれのプレーヤーごとに記載したというところです。
6ページ目からが「第二」の「中期的な需給の見通し」という項目になります。8ページに「三」として、「血液製剤代替医薬品」の項目があります。2つ目のパラグラフ「また」で始まっている文章を追加しました。「中期的な需給の見通し」という項目になので、この後、例えばモノクローナル抗体医薬品だとか、iPS細胞由来の血小板製剤というのが今後上市されてくると思われます。上市されれば、献血により確保する血液の量にも影響が出てくることになりますので、これらの状況はしっかり見ていくことを追記したところです。
その隣からが「第三」、「国内自給」の項目になってきます。10ページ、ここは「血漿分画製剤」に関する項目です。原料血漿を中心に記載をしています。まず、原料血漿、分画製剤も含めてとなりますが、需給見通しを国でしっかりやっていく。また、日本赤十字社から先般の運営委員会で表明されておりますが、新たな原料血漿の確保策をやっていくということを記載しております。
次の「また」で始まっているパラグラフがあります。これまで血液事業部会などで御議論をしていただいてきた内容です。未利用の中間体を有効に活用した国内自給の推進を図っていくということ。次のパラグラフ、「更に」で始まっておりますが、原料を外国血から国内献血に置き換えるアイディアを有するメーカーに新たに国内献血由来の原料血漿を配分する。こういうものを新たに追加したところです。
11ページからが、「第四」の「献血の推進」に関する項目です。12ページ、ここはいつも御議論を頂くことになるのですが、200ミリリットル全血採血の在り方についての記載です。現行は、高校生等の初回献血時に200ミリリットル全血採血で、まずは献血を経験していただくという記載にしております。改正案では、ここの記載を少し変えまして、献血未経験の理由がアンケート結果でも明らかになっております。針刺しの痛みだとか、不安感、恐怖感が指摘されております。ですので、まず初めて献血に来られた方には、全血採血というものは、200ミリリットルと400ミリリットルというものがあるのだということを、まずきちんとお伝えをする。その上で、採血基準を満たしていれば、200ミリリットルを頂いても400ミリリットルを頂いても安全だということをしっかり説明をさせていただく。それでもなお不安がある方に、200ミリリットルをまずやっていただいて、一度は献血をしていただくことが次に繋がり重要ではないかという記載に変えているところです。
14ページ、「五」として、「災害時における献血者の確保等」を新たに項立てをしております。現行では「一 基本的な考え方」に少し記載があるところですが、そこの記載は、献血者の確保というよりも、輸血用血液製剤の安定供給に寄った記載になっているので、献血者の確保という方向できちっと書き直したというところです。また、現行の記載では、ここは特に赤血球製剤に特化されていたのですが、有効期限が短い製剤はしっかり見ていかなくてはいけないということで、赤血球だけではなくて血小板製剤も追記をしております。
その隣、「六 献血者の安全確保等」です。ここは、4月の血液事業部会におきまして、ドナーの安全確保は非常に大事だということで、本来であれば法定項目として項立てしてもいいのではないのかという御意見を頂いたところです。しかしながら、実際に法改正をする場合には、立法事実、つまり今、社会的に問題になっているようなことがあるのかということを考えると、非常にハードルが高いだろうということで、献血推進の中に項目立てをして書かさせていただいたところです。
15ページからが、「第五」、「安定供給」の項目になります。17ページを御覧ください。「三」として、「供給危機が発生した場合の対応」という項目です。ここは、現行では「血液製剤の確保」と題して災害時等の供給に関することが書いてあったのですが、供給危機が発生した場合ということをまとめて書く記載に修正しております。最後の「また」で始まるパラグラフは、シングルサプライを解消していくということを追記しました。
隣の「四」、「血漿分画製剤の輸出」の追記です。これもこれまで御議論を頂いているものです。血漿分画製剤については輸出は可能とするが、国内自給や安定供給に支障があってはならないということや、そのために、需給計画において輸出する製剤の種類や量を定めるということの記載をしたところです。
18ページからが「第六」で、「安全性の向上」に関する記載です。19ページ上段の真ん中より少し後ろに、「法第29条に基づき」という文言があります。これ以前は、薬機法に基づく安全対策のことが書かれています。4月の血液事業部会では、ここについては、特に感染症定期報告の関係については、薬機法でやっていることもあれば、血液法の中で、血液事業部会でやっていることもある。そこはちゃんと書くほうがいいのだろうという御意見を頂いたということで、薬機法だけではなく血液法の中でもヘモビジランスをやっているということを明示的に書いたというところです。
22ページからが「第八 その他献血及び血液製剤に関する重要事項」という項目です。24ページを御覧ください。「2」として、「国内献血によって確保される原料血漿価格」という項目を立てております。原料血漿の価格については、まずはコスト削減努力を図っていかなければいけないことを書いた上で、原料血漿の標準価格の計算方法を改善していくことであるとか、複数年契約化を検討するという、これも血液事業部会や運営委員会でこれまで御議論を頂いた内容を記載しているところです。25ページの「3」、これもこの場でも御議論いただいているところですが、3月に発出した通知もありますので、血漿分画製剤については、単品単価による取引の推進を図っていくことを記載しました。
そして「五」、分画製剤の製造販売業者等においては、コンプライアンス体制の強化を推進していく。「六」、先ほど御議論を頂いた、新たな採血事業者の関係で、参入環境を策定していくことを追記したところです。時間の都合もありますので、新たに追記した部分を中心に御説明をいたしました。御議論を頂きまして、次の血液事業部会でまた引き続き改正案を提示させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。文章の修正などもありますし、主語の明確化とか、大幅に変わっているかという印象がありますが、委員の先生方、御意見、コメントなどをよろしくお願いします。
○室井委員 今までの問題が整理されて、大変良いものになっていると思います。2つ質問させてください。1つは、血漿分画製剤に関していろいろな記述がありまして、免疫グロブリン、アルブミン、それから凝固因子製剤とあるのですが、一番臨床でも汎用されている組織接着剤の言及がないのです。今、例の化血研の問題で国内自給がほぼゼロになっていて、将来的に問題かと思っていたので、やはり組織接着剤という言葉を血漿分画製剤の中にどこか入れたほうがいいのではないかというのが私の1つの質問でありますが、これはいかがでしょうか。
○菓子野血液対策課課長補佐 今の基本方針は、血漿分画製剤の代表バッターとして使用量の多い免疫グロブリンと、あとは自給率についてずっと問題提起がなされているアルブミンを代表例として規定しておりますが、御指摘のとおり、組織接着剤を使用している診療科も多岐にわたりますし、その事案があって自給率が急激に落ちているということもありますので、ちょっと記述については検討させていただきたいと思います。
○室井委員 もう一点です。19ページと22ページに、血液製剤の使用に当たって、例えば22ページの三「患者に対する説明」で、薬機法ですか、「その理解を得るよう努める」と書いてあるのですが、その次の行に関しては、「血液製剤の使用にあたっては、患者等より同意を得ることが望ましい」と言って、「努める」と「望ましい」という表現が2つ出てくるのです。同じ表現が多分19ページにもあって、医療側としてはもう同意書は必須と思っていることなので、「望ましい」というのはかなり緩い表現だと私は思うのです。ですから、「努める」に統一したらどうかと思うのですが、それはいかがでしょうか。
○山本(匠)血液対策課課長補佐 今回、全体的な体制として、法文の文章に合わせ、この「理解」と「同意」は医薬品医療機器法の「理解を得るよう努める」と修正したと。「同意」はその文章に合わせて、委員の意見を踏まえて検討いたします。
○室井委員 もう一点は、今の輸血療法の実施に関する指針に関しては、同意のことがかなり強い表現で書いてあるのです。ですから、「望ましい」というのはかなり受け身的な緩い表現なので、やはり「努める」のほうが私個人的にはいいのではないかと思って質問した次第です。
○田野﨑委員長 重要な御指摘ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
○山口委員 今までの議論とも関連するのですが、19ページで、感染症定期報告とか、この辺は生物由来原料基準に関連する法律で求められているところだと思うのです。ただ、生物由来原料基準等で求められているこういう定期報告とかそういうのに関しては、もともと求めるのは製造販売業者に対してだったように思うのです。今回もし、要するに製造販売業者でなくて採血だけの業者が出てくると。今まで日赤は製造販売業者でもあったわけです。ですから、感染症定期報告とか、要するに情報の収集とか、あと10年間の記録の保管とか、多分、みんな製造販売業者に対して求めているということ。この辺の話を、もし採血だけの業者が出てきた場合には、これも多分、そこに求めていく必要があるのかと。ですから、今までと違う視点がここに入ってこないといけないのかという気がちょっとしました。
○田野﨑委員長 これについてはいかがですか、事務局。
○菓子野血液対策課課長補佐 ただ、御指摘の点は、市販後安全対策は元売りが責任を持ってやるというのが。
○山口委員 そうなのです、はい。ただ、今度はそこと、それを受ける側という2つに分かれてしまうわけです。今までは日赤が、もう一方で製造販売業者でもあったので。
○菓子野血液対策課課長補佐 御指摘のとおり、これまでの日赤とは、対応が異なって参ります。第2採血事業者は採血事業しかやりませんと。ということは、その第2採血事業が原料血漿の製造業者も兼ねるかどうかもあります。したがって、原料血漿を受け入れる製造販売事業者が責任を持ってやっていかないといけないと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
○花井委員 1つはヘモビジランスの話ですよね。22ページにヘモビジランスの話について、薬機法とこちらの接点で感染症定期報告と、あとは需給計画をここでやるということだったと思うのです。ほかは普通の薬機法で規制するという整理なのです。1つは、これはこれでいいのですが、運営委員会を作るときの議論で、所掌範囲が、薬機法との接点は感染症定期報告で、需給計画と感染症定期報告と各調査会の報告を受けるための委員会になっているのですが、事実上例えば代替製剤が適応拡大とか、安全情報があって需給計画に関連する場合があるわけです。そういうときはうまく連携して、監麻課なり安対課と連携して、適切な情報はこちらにくるということを運用上やりましょうということで始まっていたのですが、最近ちょっとそれが、やはり書いていないので、感染症定期報告と事業計画はこうやればいいのだと、あとはもう医薬のほうでやれという形になると、やはり大平委員もおっしゃったような、そもそもヘモビジランスの司令塔としてここの運営委員会を作った趣旨からちょっと遠ざかってきていることは事実なので、これを機に、項目として例えば適応拡大はとか回収情報はと書くかどうかは別として、他の課と運営委員会の所掌範囲の情報が、こちらが決断するのに必要な情報が関連情報ですから、ずばりはもちろん向こうでやるわけですが、そういうものがこちらにちゃんと入ってきて、見えるような形になるようにしてほしいかと思いました。
ですから、この計画自体はこれでいいのかとは思うのですが、運営委員会の規則を変える必要があるのか、そこまで要らないのかも含めて、法の話になるので、法整備のときにそれも含めて検討していただきたい。運営委員会の位置付けというものの再確認をやはりしておかないと、あれだけでは足りないのです。最初のうちは何となく分かったので、運用でうまく連携したというところがあるのですが、やはり時代と共に、いわゆるヘモビジランス、日本型ヘモビジランスシステムの司令塔というコンセプトがもう少し明確になるようにしてほしいかと思いました。
それから、先ほど山口委員がおっしゃった話は、今の輸入血液製剤でも結局、同じことですよね。ですから、原料基準があって、そして、それを使って最終製品をディストリビュートする所が感染症定期報告を当然やらなくてはいけないので、その上流部分が今までは外国の採血事業者の上流でしたが、日本になって、そこが責任を持って採血事業者から情報を取ってくるというパターンなので、特にそこは変わらないかと思いました。以上です。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはよろしいでしょうか。いろいろまだ検討すべきことはあるようには思います。また、先ほどの議題3の内容、そしてこの議題4の内容、また、少し今の意見を参考にしていただいて、それで血液事業部会に改めて改正案を提示していただいて、また審議を行っていただきたいと思いますが、その方向でよろしいでしょうか。
○花井委員 1つだけよろしいですか、時間が迫って、すみません。日本赤十字社におかれては、先ほど意見を頂いたのですが、ここで言っていいのかどうか分かりませんが、実は国内自給と言っても優先順位があるのです。ですから、血漿分画製剤は今までも一部輸入をしているわけで、つまり血漿分画製剤の国内自給と輸血用血液製剤の国内自給では、後者のほうに実は優先順位があるという厳然たる事実があるのです。そこは別に書いてないのですが、だけれども、取り合い議論で、輸血用血液の安定供給を阻害するような分画原料集めはやはり駄目なわけですよね。それについて日赤として、現場としてまだ割と控え目におっしゃっているので、そこについて懸念を払拭するような何かあればまた考えていただいて。輸血用血液製剤がちゃんと自給できるのは前提になっているので、これともう競争するのはあり得ないわけですよね。ですから、制度でそれを優先するとは書かないと思うので、そこは何か考えておいていただきたいと思いました。以上です。
○日本赤十字社千葉血液事業本部副本部長 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 何か御意見ございますでしょうか。
○日本赤十字社佐竹血液事業経営会議委員 正しくその点が、我々が一番危惧しているところです。海外でも多くの事象が起こっています。そこでうまくいっている所と、やはり非常にそこで苦労されている所、本当にいろいろありますので、そこのところは非常に慎重にいっていただきたいと我々も希望しております。我々としても、ここは非常に慎重に考えたいところです。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。いろいろ議論すべき点はあるかとは思いますが、ただこれは、先にやはり進めないといけないことでもありますので、事務局は、今のこの御意見を踏まえて、積極的に次回の血液事業部会で改正案を提示して審議していただければと思います。
では議題5「その他」に移りたいと思います。事務局から何かございますでしょうか。
○三浦血液対策課需給専門官 参考人の交替がありますので、少々お時間をください。
(参考人交替)
○三浦血液対策課需給専門官 それでは、血漿分画製剤の安定供給の推進に関して報告いたします。これは、ワクチン・血液製剤タスクフォース顧問からの提言を受け、国内の血漿分画製剤メーカー3社が、3社連携により改善が期待できる課題について検討することを目的に検討会を設置しております。今般、平成29年度中の取組について中間まとめが取りまとめられましたので、概要について3社から報告いただきます。
まず、事務局より参考人を紹介させていただきます。日本血液製剤機構より石川隆秀理事長、鈴木亨常務理事・研究開発本部長、日本製薬株式会社より浅田久継取締役・事業戦略本部長、一般財団法人化学及血清療法研究所より藤井隆副理事長の4名にお越しいただいております。3社を代表して、日本血液製剤機構より中間まとめの概要について報告いただきます。
○日本血液製剤機構石川理事長 日本血液製剤機構理事長の石川です。本日は国内3社で設置した検討会、血漿分画製剤の安定供給のための業務提携の在り方検討会の中間取りまとめの報告をする機会を頂戴いたしました。誠にありがとうございます。設置の趣旨については、ただいま事務局から御説明があったとおりです。
まず、幹事社ですのでJBの私から設置の概略の報告を申し上げ、引き続き、実際の取りまとめの内容については、JB側のトップとして参画している鈴木から報告を申し上げます。初めの所に説明の趣旨が3行書かれているのですが、今、事務局から御説明があったとおりですので、私からは一番最後の6ページを御覧いただきたいと思います。第1回の検討会は昨年の8月31日でした。本検討の開始に当たり、医薬・生活衛生局の宮本局長様から御挨拶を頂きキックオフしたところです。引き続き、私から本検討会の趣旨の説明を行い、私を含めた3社の社長、理事長から国内血漿分画事業が抱える問題点、この検討会で意見を交わすことで、3社連携により改善が期待できる課題についてプレゼンをしていただいたところです。
その後、毎月開催して、3月までに議論した内容として本日お示しした資料が作成されております。本日のものは概要版です。なお、血液対策課様におかれましては、毎回オブザーバーとして参加いただいております。このような検討会を持ったのは初めてです。検討内容によっては、実現するに当たり独占禁止法などに抵触するおそれも考えられますので、血液対策課様をはじめ、適宜、御指導を賜りながら議論を進めてまいりたいと考えております。
最後ですが、現在も月1回のペースで検討会を続けていること、また、中間取りまとめの段階なので今回は私が3社を代表して出席することとさせていただき、日本製薬、化血研の社長、理事長の出席について見送らせていただきましたことを御理解いただければ幸いです。では、引き続き、鈴木から詳細の説明を申し上げます。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 JBの鈴木です。1ページの「はじめに」にあるように、本検討会は安定供給、国内自給、国内企業の経営基盤の強化、献血血液の有効利用の4つの基本的コンセプトに基づいて検討すべき項目を取りまとめ、日本血漿分画事業のあるべき姿を描きながら3社による業務提携の実現を目指しているというものです。
2ページです。3社による業務提携に係る基本的コンセプトについて説明します。1番目は安定供給です。これは、将来にわたって高品質な製品の安定供給が可能な体制を構築するということです。2番目は国内自給です。国内自給を基本方針とし、国内自給の達成に向けて努力するということです。3番目は国内企業の経営基盤の強化です。流通、販売、生産技術、新製品の開発、既存製品の改善改良、技術交流、調達等の協力体制を通じて、国内3社の増強を目指すということです。4番目は献血血液の有効利用です。これは、有限で貴重な献血血液の一層の有効利用に向けて努力するということです。いずれにしても、これら基本コンセプトは、各コンセプトが単独で存在するのではなく、それぞれが他のコンセプトと密接に関係しているということです。
3ページです。まず、3社による業務提携に係る検討項目を検討しました。検討項目として挙げたものは、安定供給については、分画製剤用の原料血漿の確保、すなわち、必要原料血漿の予測をするということです。2番目は、緊急時対応フローの構築、3番目は、製造拠点の集約・分散について協議を行うということです。4番目は、低採算品目の安定供給をどのようにするのか検討するということです。
2番目の国内自給に関しては、3社で連携して国内自給率を上げていきたい製剤として、まず、アルブミン製剤を取り上げました。また、海外メーカーに完全に依存しており、国産化について協議が必要な製剤の幾つかについても検討するということにしております。
3番目は、国内企業の経営基盤の強化について、まず、薬価や流通販売体制の効率化について協議する。2番目、新製品の開発、既存製品の改善改良の促進についても議論しようということです。具体的には、既存製品の適応拡大に関する共同治験、あるいは既存製品、新剤型の共同開発の模索等です。3番目は、国内3社の技術交流の促進です。具体的には、品質管理、ウイルス安全性に関する技術交流の促進、定期的な生産技術の交流を協議しようということです。
最後に、4番目の献血血液の有効利用についてです。第1には、中間原料相互提供が可能な製剤は何かということを協議する。2番目としては、長期的に検討が必要な課題、海外輸出等について検討していこうということです。
これらの検討項目ですが、現時点までに3社による共通認識、あるいは合意が得られた内容について、以下、説明します。4ページです。まず、血漿分画製剤の国内需要に関していろいろ検討した結果、免疫グロブリン製剤の国内需要は、2025年までに原料血漿換算で110~130万L、アルブミン製剤については110万L以下となると予想しております。ただし、将来的な原料血漿の必要量については引き続き精査することとしております。
血漿分画製剤の取引適正化への取組です。血漿分画製剤は、安定供給が求められます。しかしながら、採算性の悪化に伴ってその供給に支障を来さないよう、血漿分画製剤が基礎的医薬品製剤の対象とされた意味合いを理解し、医薬品の価値に見合った単品単価契約による適切な取引が行われるよう、各社尽力するということで合意しております。
また、当運営委員会の要請の下、厚生労働省から医療機関、医薬品卸に対し、医療機関が血漿分画製剤を適正な価格で購入するよう指導する通知が発出されたところですが、これについては、取引業者の十分な理解が得られるよう努めるということとしております。また、アルブミン製剤の自給率向上については、アルブミン製剤の流通の効率化として国内事業間で協力し、国内アルブミン製剤の流通の効率化を検討するとともに、献血由来製剤の価値に見合った取引がなされるよう、実現性のある方策を引き続き検討することとしております。また、国内製剤の付加価値の向上として、アルブミン製剤の効能追加や利便性の向上などの付加価値を向上させる策について、国内外の需要など、情報を収集しながらその実現可能性について引き続き検討してまいります。
5ページです。国内3社の生産能力について精査しました。アルブミン製剤の国内3社の生産能力については、今後もアルブミン市場が縮小するならば、その現行の能力でその市場を十分満たし得ると考えております。また、今後もアルブミン市場が縮小し、かつ、原料血漿の効率的利用のために、その配分を各社のアルブミン製造能力に応じて行うということであるならば、原料血漿の相互提供は必ずしも必要ではありません。しかし、3社のアルブミン販売量や原料血漿配分量の不均衡がある場合などについては、原料血漿の相互提供の必要が生じる可能性が考えられます。
原料血漿の相互提供については、アルブミン製剤の中間原料を優先して検討するということにいたしました。具体的な検討を進めるに当たっては、技術的な課題の抽出とともにアルブミンの国内需要や国内自給率の動向について精査し、各社の中間原料在庫も考慮した上で相互提供が必要となる時期について検討することとしております。また、製造拠点の集約・分散については、災害等リスクへの対応、市場動向、コスト低減効果について考慮しつつ、大規模な設備投資が必要となることから、各社の設備更新時期を踏まえて長期的な視点で適正な製造体制の構築に向けた検討を継続するということとしております。
最後に低採算品目の安定供給についてです。採算性が低い製剤であっても、将来にわたる安定供給の継続が重要であることには変わりございません。整理・統合による生産効率の向上とともに、有事の際のリスク分散を検討する必要があります。したがって、長期的な視点で適正な製造体制の構築に向けた検討を継続するとしております。以上、簡単ではございますが、検討会で合意等がなされた事項について説明いたしました。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。今の資料5-1について、委員の皆さんから御意見、コメントをお願いいたします。
○山口委員 項目として最初に挙げていただいた2ページの所で、今までの運営委員会で議論してきた未利用の中間原料が多々あるのではないかと。そういうものを有効活用することによって国内自給をより上げていくということが望まれていたと思います。今回、頂いたものでは、アルブミン製剤の中間原料としてそこからいろいろなものが出てくるのかもしれませんが、検討のスピードが遅いような気がします。例えば、更にこういうものを作ることができるのではないかとか、こういうものがもっと余力があるのではないかとか、そういう議論をされてはいないのでしょうか。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 3ページの検討項目を御覧いただくと分かりますように、検討会を立ち上げて、まず最初に全般を見て、どこを検討すべきかということを列挙した上で順次検討に入ったという経緯があります。
山口委員が御指摘のように、若干、進行具合が遅いのではないかという御指摘もあるかと思います。我々としては、今後とも引き続き鋭意検討して、できるだけ早急に3社連携で何ができるのかについてまとめていきたいと考えております。
まず、アルブミン製剤を中心に挙げた理由は、全般として中間原料として有効活用されていないものは何かというと、量的にもアルブミン製剤の中間原料ということで、3社で話し合い、まず、これを解決するということが国内自給の向上にもつながり、献血血液の有効利用にもつながるということで、まとまりました。それ以外の製剤についても、今後、順次検討していきたいと考えております。
○大平委員 3社による業務提携に関わるコンセプトという方向付けを出していただけたということは、とても評価すべきではないかと思います。ただ、つまらないことになるかもしれませんが、この説明のコンセプトの中では、安全性について余り触れられていません。
ですから、安全性をどのように確保していくのかということがここでは全く欠落しており、基本的な安定供給の問題なので、あえてそこは割愛しているのかもしれませんが、やはり、その問題はいろいろな事件が起きたわけなので、そこについての教訓はきちんと踏まえて作っていただきたいと思いました。
また、有限で貴重な献血血液の一層の有効利用については、希少疾患やまだ作られていないような製剤について、まだ開発の問題があるのではないかと思いますので、是非、そういう点も献血血液の有効利用という観点から十分議論していただきたいと思います。
○田野﨑委員長 どうもありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。
○室井委員 4ページのアルブミン製剤の付加価値の向上です。昨年の3月に製剤の使用指針が全面改定されて、もちろんアルブミンも入っています。アルブミンは高張も等張もかなり推奨を限定されてきました。その上で、新しい効能追加の可能性は具体的にあるのでしょうか。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 国内自給率の向上を考えた場合には、実際に有効となる効能があるかどうかは別にして、もし新たな効能が見付かるとか、検討の結果、それが有効だということになれば国内自給率の向上に役立つという観点から、検討を進めております。まだ結論は出ておりません。付加価値の向上ができれば、それなりの国内自給率の向上が図れるという発想の下で検討は行っているということです。
○室井委員 よく分かるのですが、具体的なものはあるのでしょうか。そういうものであればアルブミンの効能が追加されるとか、適応が増えるという。漠然としているのですが、そういうコンセプトはあるのでしょうか。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 まだ3社でこれでいけると具体的にまとまった意見はありません。ただ、海外の論文や日本のガイドラインを見て、こういう効能が考えられるのではないかということで、3社でいろいろ協議を進めているところです。
○花井委員 何となく最初の値下げを防ごうというところは力強く一致していて、ここは明確です。アルブミンの所は、今一、歯切れが悪いというか、つまり、アルブミンの市場が縮小するのならば今の製造能力でいけるでしょうと言っておきながら、その後に中間原料としてアルブミンを検討する。これは、不均衡が生じた場合があるからだと。その後に、だから提供になる時期について検討するとなっていて。そもそも、アルブミン市場が縮小するというのは国内の話ですよね。
今後、グローバルベースで動かそうという話が前提としてあるわけなので、世界的に縮小するのでしょうか。世界的に拡大するのであれば、国内自給で連産品なのだからそこはやり繰りして、販路があるメーカーが販路も含めてアルブミンを一手に担うとか、そういう形に立って、大平委員からも安全の面が出ていましたが、実は一番の要は有効利用というところで、そもそも、有効利用が言われた理由は、本当に130万必要なのかというところから端を発していたと思います。そこが何となく、後半部で前提となる事実認識と次なるタクテクスが、今一、かみ合っていないような印象を感じます。世界の動向を含めての検討結果なのでしょうか。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 世界的に言えば、発展途上国も含めて血漿分画製剤の需要は高まっています。アルブミン製剤についても、発展途上国を中心にかなり高まっている。国内だけで言えば、アルブミン製剤の原料血漿や中間原料は、今後は余剰傾向になると予測がつくのですが、国内の中間原料をどのように活用するのかということはまた別の問題です。
3ページの最後の所に、献血血液の有効利用で長期的な検討が必要な課題として、海外輸出等についても今後3社で検討していこうということにしております。ただ、今はそこまでの検討に至っていないということが実情なので、御理解いただきたいと思います。
○花井委員 分かりました。単純に考えると、グローバルも含めて考えれば、例えば、130万L見合いで国内の免疫グロブリン市場を埋めた後に、当然出てくるのはこのくらいで、国内でこのくらい消費だとすると残りはこの分と、単純に輸出するしかないという話になると思うので、つまり、有効活用ということになると、国内自給を優先した上で余剰、中間原料をどれだけ有効に活用できるのかかというコンテクストだと分かりやすかったです。もちろん、市場の現実の実態というものから立ち上がるとこういう書きぶりになると思います。分かりました。
○山口委員 多分、我々ももやもやしたものを感じます。正直に言って、今のアルブミン製剤の議論を聞いていて思うのですが、新たな効能について海外で治験をやられているのは知っていますが、それで出てきたときに、では、それを使って国内でやろうと思ったら、多分、パテントを相当払わなければいけなくなる可能性もあり、非常に高いものにつくことになる。逆に、国内で開発していただいているのであれば非常にいいと思うし、もし共同研究されるのであれば、それももちろん1ついいことだと思います。
私は海外のデータを待ってという話のような印象を受けたので、本当にそういうスタンスでいいのか、むしろほかにもっとあるのであれば、そちらのほうをもっと議論していただいたほうがいいのではないかという気がします。
○日本血液製剤機構鈴木常務理事・研究開発本部長 貴重な御意見ありがとうございました。先ほど、海外の論文等を参考にしながらというのは、検討する上で、検討材料として利用しているということです。確かに、パテント等の問題もありますので、最終的には、総合的に投資効果等を踏まえて3社で判断していくということになるかと思います。
○岡田委員 アルブミン製剤に関して否定的な委員の方が多いのですが、要するに、中間原料として、アルブミン製剤を最優先で検討するということで挙がっています。確かに、製造能力があり販売能力がある企業と、余り販売能力がないので、結局、アルブミンを作っても売れないという所があるので、国内自給を高めるためには売れる所にペーストを供給するということで、是非、それはやっていただきたいと思います。
あと、もう1つ、3(3)で国内3社の技術交流の促進、これは非常にいいことだと思います。例えば製造技術だと各社特許がありなかなか交流するのは難しいと思うのですが、品質管理の試験法はかなり進歩しておりますので、1社で少ない人員でやるよりも、ある程度、人が集まって検討したほうがより良い試験法ができたり、精度管理ができると思います。
あと、ウイルスの安全性に関する技術ということで、例えば、E型肝炎の原料血漿等の混入に関して、どのように不活化とか除去されるのかということなのですが、昔だったらモデルウイルスを使って評価すればいいのではないかと言われましたが、今ではそのものの安全性ということを評価すると、やはり1つの企業でウイルスの培養系を立ち上げて評価するのは、かなり大変なのです。そうなると、3社で培養系を立ち上げて、作ったウイルスを3つの会社に持ち帰って評価すると、大分、費用が節約できるので、非常にいいのではないかと思いますので、是非、こういう技術的なところの交流は続けてほしいと思っております。以上です。
○田野﨑委員長 ほかによろしいでしょうか。あと、先ほどから少し話が出ている、採漿事業、採血事業の参入について話題は出ているものでしょうか。
○日本血液製剤機構石川理事長 そちらの話については、今、3社の連携の中では出ておりません。
○田野﨑委員長 免疫グロブリンに関する需要予測にかなり幅があり、今後、そういうところで必要になってくる可能性があるのではないかと考えられますので、一度、検討されてもいいのかと思います。
○日本血液製剤機構石川理事長 ありがとうございます。
○田野﨑委員長 ほかはよろしいでしょうか。国内3社におかれましては、血漿分画製剤の安定供給や国内自給など3社で協力して取り組むように、今後も検討を進めていただければと思います。どうもありがとうございました。その他、事務局から何かありますか。
○三浦血液対策課需給専門官 化血研の血漿分画製剤の例外的出荷対応に関して1点報告します。昨日、5月29日に化血研に対し、血漿分画製剤全品目に対するGMP適合の結果が通達されましたので、本件に関して報告させていただきます。
○池上監視指導・麻薬対策課監視指導室長 資料5-2です。化血研の血漿分画製剤の出荷の状況についてです。化血研については御承知のとおり、承認書と実際の製造方法の齟齬と、国等の査察から逃れるために二重帳簿を作成したという事象があり、平成28年1月8日から110日間の業務停止命令を行ったところです。そして、化血研が製造販売する製品のうち、代替製品がないなど医療上必要な製品の血漿分画製剤については、実際の製造工程を正確に把握し、厚生労働省がロットごとに製造記録を確認した上で、例外的に出荷を認めることとしておりました。
その後、化血研において、組織体制の抜本的な見直しとして理事及び監事への外部人材の登用、経営層を含め品質に主眼を置いた会議体の設置などの取組が行われ、厚生労働省において立入調査を行い、改善が進められていることを確認したところです。資料の下半分に改善状況の確認の経緯という欄の○の1つ目と○の2つ目が、厚生労働省による立入調査です。
その上で、平成29年11月から平成30年5月にかけて、PMDAにおいて血漿分画製剤全品目を対象とするGMP適合性調査を実施いたしました。その結果、昨日、GMPの適合が確認されましたので、厚生労働省が製造記録を個別に確認するという例外的な出荷の対応は終了することといたします。今後も化血研において医薬品の製造が適切に行われていることを継続的に確認してまいりたいと思っております。簡単ですが以上です。
○田野﨑委員長 一段落したということで、化血研におかれましては、今後このような事態が生じないように、血漿分画製剤の適正な製造及び安定供給に努めていただきますよう、引き続き、よろしくお願いいたします。本件に関して、化血研より何かございましたらよろしくお願いいたします。
○化学及血清療法研究所藤井副理事長 本件ですが、2015年5月に特別の査察により化血研の不祥事が発覚しました。それ以来、3年間という時間がたち、その間、ガバナンスやコンプライアンスを強化していくということと、医薬品の品質システムを改善していくことに取り組み、行政の指導を仰ぎながら取り組んでまいりました。そういう中で、今般、やっと厚労省から一定の評価を頂き、昨日、血漿分画製剤に関してGMPの適合を受けるということになりました。本当にありがとうございました。
化血研の事業については皆さん御承知のとおり、7月2日にKMバイオロジクス株式会社に譲渡されるということで、現在、7月2日を目指して譲渡の作業が粛々と行われており、滞りなく7月2日に譲渡が行われると予想しております。その後も、株式会社になりますが、引き続き、品質の保証に関して大きな力を注いでいきたいと思っておりますので、また皆さんの御指導をよろしくお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。
○田野﨑委員長 引き続き、よろしくお願いいたします。ほかに何か委員の先生方から御意見等ございますか。
○大平委員 今、化血研から説明がありましたが、新しい会社に変わっていく中で、今日、3社による業務提携の在り方検討会の中間報告がまとめとして出されたわけですけれど、これは1社変わっていくという形になると思うのです。ですから、そこのまたいろいろな基本的なコンセプトとかそういうものというのは変わらず継承されていくのか、その辺りはどうなのか教えていただきたいです。
○化学及血清療法研究所藤井副理事長 化血研は3つの事業をしているのですが、全てそのまま踏襲されるということが基本になっております。ですから、この血液事業に関しても、今までの流れを踏襲していくということは、先方のKMバイオロジクスと話をしており、特に大きな変化はないと予想しております。
○田野﨑委員長 引き続き、よろしくお願いいたします。ほかに何かございますか。
○大平委員 今日、3社による基本的なコンセプトの中で、有限で貴重な献血血液の一層の有効利用に向けて努力するという、そういうような安定供給のためのいろいろな候補策が表明されました。
今日の話とは余談になるかもしれませんが、後天性のフィブリノーゲンの製剤について、まだ承認されていないというか、先天性の方たちは使われているわけですが、産科領域で不慮の大出血の対処というもので、まだまだ事故があるということを伺っております。それで、4月23日でしょうか、国会でも取り上げられていて、医薬局の局長がいろいろ検討していくという話をされていました。
私としては、是非、事務局でもしっかり考えていただいて、今、困っている方たちに実際に有効な製剤が行き渡るような形で、そこは、是非、供給の実現を図っていただきたいと思います。これは要望なので、ここでお願いしたいと思っております。
○田野﨑委員長 是非、検討をお願いします。ほかはよろしいでしょうか。それでは、事務局に議事進行を戻したいと思います。
○山本(匠)血液対策課課長補佐 田野﨑委員長、ありがとうございました。次回の運営委員会の日程は、別途、連絡差し上げたいと思います。委員の皆様、本日は長時間にわたり本当にありがとうございました。これにて、平成30年度第1回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会を終了いたします。

 

 

 

(了)

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