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2019年02月22日 第11回食品衛生管理に関する技術検討会

医薬・生活衛生局食品監視安全課

○日時

平成31年02月22日(金)
13:30~15:27

 

○場所

TKP赤坂駅カンファレンスセンター  ホール14A

○議題

1.開 会

2.議 題
 (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
  ・エキス調味料の製造
  ・食品添加物(ガス)の製造
  ・小規模なそうざい製造工場
  ・鶏卵選別包装施設・液卵製造工場
 
 (2)その他

3.閉 会

○議事

○五十君座長 それでは、定刻になりましたので、「第11回食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 本日は鬼武構成員、関根構成員から御欠席の連絡をいただいています。
 また、オブザーバーといたしまして、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官と、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の清水課長補佐に御出席いただいております。
 それでは、議事に入る前に事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 それでは、本日の資料の確認をいたします。
 本日はペーパーレスでの開催とさせていただいておりまして、昨日の16時に厚生労働省ホームページに会議資料を掲載しております。
 御用意しております資料は、資料1「エキス調味料製造におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案」。
 資料2「食品添加物製造におけるHACCP導入の手引書~HACCPの考え方を取り入れた衛生管理~(ガス充填)(案)」。
 資料3-1「小規模な惣菜製造工場におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)」。こちらの概要版を資料3-2として御用意しております。
 資料4といたしまして、鶏卵選別包装施設・液卵製造施設のためのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案を御用意しております。
 参考資料1といたしまして、本検討会の開催要領。
 参考資料2といたしまして、これら手引書策定のためのガイダンス第3版を御用意しております。
 資料の不備等ございましたら事務局までお申しつけください。
 また、検討会冒頭の写真撮影等はここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力よろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、議事に入ります。本日は、食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認です。
 確認の進め方は、手引書案を作成した事業者団体から約10分程度で説明していただいた後、構成員の皆様から10分程度の質疑応答をお願いしたいと思います。
 時間が超過しそうな場合は途中で声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御質問を残すために質問の概要のみ御発言をいただきまして、詳細につきましては後ほど事務局にコメントとして御連絡いただく形で進めたいと思います。
 それでは、事務局より説明を願います。
○事務局 それでは、資料1を御覧ください。こちらは日本エキス調味料協会様が作成した、エキス調味料製造におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となります。こちらの手引書案は、団体様から私どもに御相談いただきましてから、事前の意見交換を行いまして、こちらの構成員の先生方にも内容を確認していただいたものになります。
 本日は、この事前の意見交換を踏まえて修正をいただいた手引書案について、団体様から御説明をいただきたいと思います。
 それでは、日本エキス調味料協会様から説明をどうぞよろしくお願いいたします。
○日本エキス調味料協会 日本エキス調味料協会の専務理事をしております川崎と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 手引書の説明に入ります前に、当協会会員会社にて本手引書案の対象となる業種、業態について調査を行いました。
 現在、当協会の会員会社数は62社です。そのうち既にISO 22000、FSSC 22000、またはHACCPのいずれかの認証を得ている会社、また、これらのいずれかを取得するために作業を進行中の会社、得る予定の会社を合わせますと合計42社です。67.7%でした。これは基準Aに該当すると判断しております。
 続きまして、海外で生産されているエキスを国内に輸入して販売している会社が5社、それから、国内で製造されているエキス類を販売している、これは問屋機能を持つ会社が4社、それから、食品以外、レンダリングの会社が1社、合計10社です。これらは今回のHACCPの義務化の対象外だと判断しております。
 残りました62社中の10社、16.1%が、本手引書案の対象となる会社だと判断いたしました。その内訳は畜産エキス製造が7社、水産エキス、鰹エキスの製造が2社、野菜エキス類の製造が1社でございます。
 これらの業種、業態は大きく2つの特徴がございます。畜産エキス類は食肉加工場や食鳥加工場で産生される豚の骨や鶏骨を原料とし、エキス工場に搬入され処理されます。鰹エキスはかつおぶし加工場で産生される鰹の煮汁が原料となり、毎日集荷されて原料となります。また、野菜エキス類は農協などの選果場で産生される規格外品が原料となります。共通の問題として、エキス製造事業者は原料のコストや製品の品質を考えると、原料が発生する近くに工場を設置する必要があります。また、原料の発生量も限定されますので、工場の規模も原料によって規定されてきます。すなわち、小規模な工場が多いということです。ちなみに1つの会社で4つの工場を持つような会社が複数あります。
 したがって、会社の全従業員数ではなく、1つの工場の製造ラインの従業員数で考えていくことが重要だと思われました。大体3~5名で回しております。HACCPに沿った衛生管理を実施する上での1つの問題点だと考えております。
 もう一つの特徴は、これらの水畜産エキス、野菜エキスメーカーは、エキス類のバルク販売を基本とし、フードサプライチェーン下流の大手加工食品メーカーにエキスを販売しています。大手食品加工メーカーは各種エキスを調味料の一つとして購入し、業務用、市販用の食品を製造し、販売しています。現在のシステムでは、購入先の大手食品加工メーカーより定期的に衛生管理、品質管理等を専門とする社員がエキス製造会社の製造現場へ査察に入り、衛生管理、品質管理について問題点を指摘し、改善指導を行っています。また、厳しい製品規格も決められ、それらの基準を達成した製品のみが出荷されています。したがって、製造規模は大きくありませんが、一定の衛生管理基準に達した業種、業態だと考えております。
 それでは、手引書を説明いたします。
 まず7ページを御覧ください。7ページから10ページまで、4つのエキスの製造工程図を記載させていただきました。簡単に製造工程を説明いたします。
 まず、7ページ、ポークエキス(液体、加塩なし)の製造工程例です。8ページはチキンエキス(液体、加塩)の製造工程例です。食塩の添加、無添加及び原料が異なりますが、製造そのものはほぼ同じであります。
 食肉エキスの場合、食肉加工場、食鳥加工場より搬入された原料をよく洗浄し、血液、異物などを除去し、加圧窯で加圧抽出を行い、終了後、抽出液と残渣、骨を分離し、抽出液は遠心分離機で今度はエキス分と油脂分と小さな骨等の残渣に分離されます。そこから得られたエキスは決められたブリックスまで減圧濃縮され、加熱殺菌終了後、製品化されます。加塩と無塩の違いというのは流通温度の違いです。加塩は常温で流通できますけれども、無塩は低温流通をしなければならなりません。
 9ページを御覧ください。鰹エキスの場合、かつおぶし工場で産生される煮汁を精製、濃縮します。フィルタープレスで少量の油脂類、夾雑物、そして加熱によって生じる不溶性たんぱく質を除去し、減圧濃縮後、加熱殺菌を行い、製品化されます。
 10ページを参照してください。たまねぎエキスは農協の選果場で十分洗浄された規格外品が原料となります。破砕、搾汁して、搾汁液と残渣に分離されます。搾汁液は減圧濃縮され再度加熱し、不要物を除去して加熱殺菌された後、製品化されます。これらの製造工程、各種条件はいずれも実際、現在つくられている工場のデータを記載いたしました。これらの製造工程をもとに重要管理点を決定するために危害要因分析を行いました。
 11ページを御覧ください。畜肉エキスの原料である豚の骨、鶏ガラは衛生品質管理の厳しい食肉加工場及び食鳥加工場から、鰹エキスの鰹は南方で漁獲され、一貫して超低温で凍結され、かつおぶしの製造に必要な量を一夜流水解凍し頭部切断、内臓除去後に煮熟されたときに出る煮汁です。また、たまねぎエキスも農薬歴がはっきりとし、農薬分析も終了したたまねぎの規格外品です。いずれのエキス原料も安全性の高い原料であり、化学的危害要因はないと判断いたしました。また、製造工程中での物理的危害要因は、原料の十分な洗浄及び遠心分離、複数のろ過工程、マグネット等の器具、機器、設備の適切な取り扱い、日常点検で管理できると判断いたしました。
 また、化学的危害要因は、洗剤などの適切な管理と器具、機器、設備の洗浄、清掃で管理できると判断しました。したがって、エキス調味料製造における重要管理点、CCPは加熱殺菌工程での有害微生物の殺菌です。
 12ページを御覧ください。管理基準、CLの設定は、適切な殺菌温度と殺菌時間であります。各種エキス類の管理基準は以下のとおりです。
 3ページをお開きください。次に、一般衛生管理のポイントについて説明いたします。原料の衛生的な取り扱いから従業員の衛生管理まで7項目に大別しました。対象となる工場の問題点である従業員の少ないことを考慮し、記録様式ではこの7項目の良否を記入するようにしました。エキス製造業は小規模と言えども装置産業であり、機械、器具の保守点検及び衛生管理が重要であると考えております。なお、大別した項目の詳細は4ページから6ページまでの中に記載されております。
 13ページからは、管理基準、CLの記録様式、一般衛生管理の記録様式、対象業者が使用する衛生管理計画書の様式、一般衛生管理の実施記録様式、重要管理の実施記録様式を添付いたしました。
 最後に、当協会において本手引書案の対象となった各種エキス製造業者は、生産規模は小規模ですが、商品の商流等により購入業者から厳しい査察を受け、製品規格も定められており、一定水準の衛生管理体制を備えた業種、業態であると考えております。
 以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料1の説明に関しまして、御質問や御意見等ございましたらお願いしたいと思います。いかがでしょうか。荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 幾つか伺いたいことがあるのですが、HACCPの考え方を取り入れてということで、ベースとしては基づいた考え方があって、それを取り入れていると考えてよろしいですよね。
○日本エキス調味料協会 はい。私も専門家ではないのですけれども、一応、本を読んで勉強した限りではそう考えております。
○荒木委員 そこで質問が幾つかあります。
 まず1つは、鰹エキスをつくる場合に、鰹では当然ハザードとして上がってくるヒスタミンについては言及がないのですが、これが心配ないというのであれば、ないことを説明しておいていただきたいと思います。
○日本エキス調味料協会 わかりました。
○荒木委員 それから、同じような観点なのですが、包装資材はガラス瓶ということはないのでしょうか。全部B to Bと伺いましたが、いかがですか。
○日本エキス調味料協会 瓶はありません。
○荒木委員 では、ガラスのハザードに関しては心配することはないということでよろしいですね。
○日本エキス調味料協会 はい。
○荒木委員 先ほど川崎専務がお話してくださった中で、エキスの設計というのは殺菌ももちろん重要なのですけれども、その後で濃縮をかけてブリックスで制御しているというのは、それはすなわち水分活性を制御して、芽胞の発芽、増殖を抑え、冷蔵でなくても売ることができるという設計になっていると思います。そうした製品説明書に該当する部分がこの中にないのです。ですから加塩以外のものがなぜ常温で、冷暗所で保管できるかといったら、ブリックスで制御しているということ。そのブリックスが、水分活性が幾つだから芽胞菌の制御ができるということを、やはりどこかに書いておいていただかないといけないと思います。
 ということは、加塩しないものに関しては要冷凍で流通させるということになりますね。これはある意味、必然のところですので、どこに書いていただくかということなのですが、後ろのほうは重要管理点というところにいきなり行ってしまいますので、書き込めるとしたら工程図のところの枠の下にでも製品の説明を書いていただくとか何かして、そもそものエキス類の製品設計を明確にしておく必要があると思います。
 あとは17ページのところに重要管理の実施記録という様式があるのですけれども、これが逸脱したときにどのような記録になるのかという記入例が見当たらなかったのです。
○日本エキス調味料協会 17ページの場合は、その記入例ではなくて実際に。
○荒木委員 様式ですよね。記入例はどこにありますか。
○日本エキス調味料協会 その前です。
○荒木委員 13ページですか。この場合は逸脱なしの記入例しかないのですが、HACCPで大事なのは、クリティカルリミットからの逸脱があったときにどういうアクションをとるかということなので、逸脱があったときの記録を例として示していただかないと、そのときどんなことをしなければいけないのかということが説明できないのです。だからぜひ逸脱がなかったではなくて、逸脱があったとき、どんなライン担当者が活動をしたかわかる記録をつくっておいていただけるといいと思います。
○日本エキス調味料協会 わかりました。
 最初の質問にお答えいたします。ヒスタミンの件なのですけれども、言葉で話してわからなかったかと思うのですが、かつおぶしの原料というのは漁獲されてからマイナス50℃ぐらいまで温度を下げられ、凍結され、そのまま凍結庫に入ります。入ってほとんど0~3℃ぐらいの温度で解凍され、頭を切って内臓を取り、すぐに煮熟されます。ですからヒスタミンが生成する可能性はないと判断しました。
○荒木委員 それを書いておいてください。それがハザード分析なのです。
○日本エキス調味料協会 わかりました。
 それから、もう一つありました最後のほうは、確かにサーモグラフィーがついていますので温度が管理できるのですけれども、ひょっとしたら機械が壊れる場合もあるでしょうから、それはそのときの対処法をもう一度、一からやり直すとか、それはやってまいります。
○荒木委員 例えば殺菌温度が至らなかったとか、時間が足りなかったというときに、どのような活動をしたかという点は、時間の記録も含めて工程がどのように復旧して、再度加熱したのか、あるいは廃棄したのかという活動が具体的にわかる例を示していただきたいです。
○日本エキス調味料協会 わかりました。
○五十君座長 よろしいですか。ほかにはありますか。
 ないようでしたら私から、今、荒木委員から御指摘があった点と重複するのですが、この手引書は最初「はじめに」から読んでいきますと、エキスの定義は書いてあります。ところが、これはHACCPに関する手引書なので、先ほど荒木委員から出たように、このエキスという製品自体の特性としてどういう製品であるので、食品衛生上どのような管理が必要であるという総括的なまとめがはっきりしません。それを書いていただけると、特に手引書は中小零細向けのものですから、こういう製品だからこの管理がポイントになるのだなとわかると思います。
 それを記載する位置は「はじめに」のエキスの定義の下あたりでしょうか。このあたりにエキスはどこのような特性がある製品であると、先ほど口頭で解説していただいた内容を記載して下さい。そのような製品なので、食品衛生上はあまり問題ないのですが、温度管理をしないと微生物危害、云々といったところをここに書いていただきたいのです。そうすると、この手引書全体がわかりやすくなると思います。
○荒木委員 4つのモデルを想定していますというところで液体とだけありますけれども、これが缶入りで業務用であるということだとか、無塩のものは芽胞の制御ができていないからこういう流通形態で、ブリックスで制御しているものに関しては、水分活性が幾つだから冷暗所保管でも大丈夫だということをここに書いてしまう。製品説明書に該当するものをここに入れていただいてもいいと思います。
○五十君座長 恐らくその位置あたりが一番わかりやすいと思いますので、ぜひ検討して下さい。
○日本エキス調味料協会 もう一度確認いたしますけれども、要するにここで挙げたエキス調味料のエキスは、こういうところをしっかり管理をしてやればいいものができますよということを入れておくのと、ここに入れてきた4つの例については、具体的にこれは鰹エキスと加塩のチキンエキスは水分活性がコンマ7なのです。ですからそういうことをちゃんと入れておきます。だから常温流通できるんだということで商品の説明をしておきます。
○五十君座長 そうすれば、この手引書を使う人たちは、ここのところは重点的に管理していく、あるいは記録に残しておけばいいんだなとはっきりすると思います。
○日本エキス調味料協会 ちょっときれいにまとめてください。
○五十君座長 そのあたりは後で事務局とやりとりをしていただいてください。
 ほかに御質問、富松委員、どうぞ。
○富松委員 1点だけ。12ページの管理基準のところなのですが、これは調理を含めた加熱条件が書いてあるのですが、項目はCLの設定で有り、危害を防止するために最低必要な加熱が書かれるべきで、危害を除くためには最低このぐらいの加熱が必要だというのが書かれた上での製造条件が書かれたほうがいいのかなと思います。意見です。
○日本エキス調味料協会 ちょっと意味がわからなかったので、もう一度お願いします。
○富松委員 この条件はたまたま調理等で使われている条件なので、その前最低必要な加熱殺菌の条件を書くべきではないかと思います。
○荒木委員 いや、それは調理のほうが栄養細胞をやっつける条件より圧倒的に高いので、そこまでは考えて今までつくってこられなかったのは、むしろ妥当だと思います。水分活性が0.70、それで全部でしょうか。もっと高いのもありませんか。
○日本エキス調味料協会 高いのは先ほど言いました無塩のやつが高いです。
○荒木委員 それ以外で、冷暗所保管は水分活性0.7で全部でしょうか。0.75ぐらいもありますか。
○日本エキス調味料協会 もうちょっと高いかもしれません。
○荒木委員 そこをはっきりさせていただきたいのですが、0.92以下であればセレウスの増殖は制御できますし、0.85ぐらいまでいくと黄色ブドウ球菌の増殖性も毒素産生もあり得ないということなので、0.75というのは飽和食塩水の水分活性と同じですから、微生物の増殖性はない、細菌の増殖性はないと言ってもいいです。それは多分、経験的につくられてきたものなので、調理の条件は十分であるというふうに書けばいいのではないかと私は思うのです。
○富松委員 結果的にはそうなのです。要はここの記載はCLなので、最低これ以上はクリアした中で製造条件を設定しなければならないということは書かなくてもいいですかね。要はこれはたまたま調理条件がCLをクリアしていますが、製造条件以前にCLを明確にすべきではないかと思います。
○荒木委員 これはだから本当は殺菌条件ではなくて、単に加熱条件であって、ぼこぼこ煮ないと煮詰まらないのです。
○日本エキス調味料協会 結局こういう対象の業者の方々は、経験の中で温度を決められていると思うのです。実際に製品を出すときに規格がありますので、その規格に合うような条件が長年やってきて決まってきているということで、水分活性はほとんどはかっていらっしゃらないです。そういう意味ではもう一つ。
○荒木委員 ブリックスははかっていますね。
○日本エキス調味料協会 ブリックスは当然はかります。
○荒木委員 だからそれでいいです。別に構わないのですが、加熱抽出の後にもう一回、意図して殺菌というのは多分、ろ過とか調合のときに汚染してくる菌をもう一回、やっつけましょうという発想だと思います。
○日本エキス調味料協会 おっしゃるとおりで、最初の工程の多くなってしまうのです。骨と分けるところ。あとは大体クロスで動くのですが、そこで汚染されているものを最後で殺菌してやるというふうに考えてやられているみたいです。
○富松委員 例えばポークエキス100℃ 20分とか、その下のオニオンエキス95℃ 30分というのはかけ過ぎというか、ここまでかける必要はないのですけれども、例えば手引書の中には管理基準は適切に設定しなさいとは書いてあるのですが、例えば監視指導に来られた方は、この温度が監視の基準にならないように、CL条件以上は確実にかかっていますが、それ以上の加熱条件を設定していますという書き方のほうがいいのかなと思っただけですけれども、間違っていますでしょうか。
○五十君座長 それは、CLとしての温度管理と実際行う濃縮を含んだものが混同されているということですか。
○荒木委員 この加熱殺菌の入れ物だとか手法がわからないのです。
○富松委員 要はここで加熱殺菌として必要な条件とか、そういうものがわかるような手引書であってほしいなと思ういます。100℃かけなければいけない訳ではないのに、100℃とぽんと出てきていると、普通100℃を超えなければいけない、即ち100℃がCLみたいなことにはならないでしょうか。殺菌がCCPであるということは、最低どれぐらいの条件で処理しなければいけない。その上で製造条件はたまたま100℃ですというのが本当は書き方だと思ったのですが、小さいことで済みません。
○五十君座長 そこは混乱しがちなところだと思いますので、ここの表現をどのようなにしたらいいか、御提案があれば、わかりやすいと思います。
○富松委員 ここに管理基準を設定すると書いた後に、適切なと書いてあるのですが、適切というのはどういうことかを書いたほうがいいと思うのですが。
○五十君座長 中村委員、どうぞ。
○中村委員 実態としまして、例えばポークエキスの無塩なのですが、20分を保持している間に100℃を下回ることはないのですか。
○日本エキス調味料協会 今の機械ではないのではないでしょうか。
○中村委員 なければいいと思うのです。ただ、先ほど富松委員が言うように、行ってみたら例えば99℃になっていましたといったときに、衛生上、別に99℃でも大丈夫なのです。だけれども、100℃ 20分と書いてあって我々監視員が行くときに99℃になっていると、これは逸脱ですよねという話になってしまうのではないですかという意味です。
○日本エキス調味料協会 わかります。だから最低限例えば80℃以上だとか90℃以上だということでやったとしても菌は死ぬと思うのです。これはあくまでも現場のやられているデータをそのまま載せたものですから、そこまでの考察はしませんでした。
○中村委員 逸脱がなければいいと思います。逸脱があるのであれば、もう少しレベルを下げた形でもいいのではないですか。
○荒木委員 それはクリティカルリミットではなくて、今の話を伺うと、ここに書かれているのは作業標準なのです。作業標準というのは非常に安全域を持っているので、それでクリティカルだと言ってしまうともっときつくなってしまうので、そういう意味では富松委員がおっしゃったように、何がターゲットで、どうすればいいのかということを書いておかないと、監視に入る方は混乱するかもしれません。
○五十君座長 その上で今の12ページの「3.管理基準(CL)の設定」と「4.モニタリング方法と逸脱時の改善措置の決定」を見ますと、「3.管理基準(CL)の設定」は一般的に行われている温度の処理の情報が書いてあります。「4.モニタリング方法と逸脱時の改善措置の決定」を見ていくと管理基準と出てきて、殺菌温度○℃を確認する。これがまさに今のCLに相当するものになると思います。ここを整理して表現を含めて修正を行っていただいたくのがよいと思います。
 「3.管理基準(CL)の設定」は、実際に行われているエキスをつくる加熱条件にしまして、管理基準となるのは次の4で受けて、ここに○℃、この数字はそれぞれが決めていただくのですか。いかがですか。実際には上の処理をした後、殺菌するわけですか。それがCLになるわけですけれども、この温度は実際どのような温度を使われているのですか。
○日本エキス調味料協会 80℃以上の温度でやっていると思います。
○五十君座長 時間的には。
○日本エキス調味料協会 20とか30分です。
○五十君座長 同じ温度が出てくるわけですね。そのあたりをどういう形で表現するのか、私もすぐイメージが湧かないのですけれども、恐らく行政側から見て、この表現のままですと100℃ 20分で温度の逸脱があれば指摘することになってしまうと思います。そのあたりを対応できるようにしていただきたいと思います。
○日本エキス調味料協会 エキスの種類によって温度が、ある程度低い温度で殺菌できるのだったら、風味の問題があって低い温度で殺菌したいということもあるし、高くても全然構わないというところは、高い温度を設定する可能性もありますので、ただ、今、言われたようにそれが基準になって、下に下がったときに逸脱したと言われると大変なことになりますので、それは調整してみます。
○五十君座長 そのあたりを整理していただいて、実際に行う温度と管理基準として設定するものを、例えば何℃以上、何分以上と管理基準にしていただく。あるいは、その部分にコメントをつける、この表のようにつくるかはお任せしますので、検討してください。
○日本エキス調味料協会 わかりました。
○五十君座長 ほかにコメントはございますか。どうぞ。
○畝山委員 エキスの定義のところに副原料、呈味成分の添加は必要に応じて行うと書いてあるのですけれども、この手引書の対象は副原料とかは含まないものなのですか。例としては副原料は一切使っていないのですけれども、もし副原料が入るのであれば、当然そこのハザードも考えなければいけないという話になってしまうので、この手引書が対象とするのは副原料とか添加はしないものというふうに。
○日本エキス調味料協会 先ほど申しましたように、エキスをつくる中小企業みたいな会社があるのと、それを調味料として使って次の食品をつくるという大手の加工メーカーがある。そこには当然、副原料をいっぱい使って商品が製品ができ上がってくるのですが、今のこの対象業種、業態では。
○畝山委員 それははっきり書いたほうがいいのではないかと思います。対象はそれですよと。
○日本エキス調味料協会 そういうことですか。
○五十君座長 よろしいですか。
 どのあたりに記載するかも含めてもし。
○畝山委員 ここに書いてあるのはエキスの定義なのですね。この手引きの対象はこれとするみたいなのが1行入るといいと思います。
○五十君座長 「はじめに」のところに今のことも入れていただく。エキスというのはどういうものですというのが入らないとわからないということですね。
 時間がなくなってまいりましたので、要点のみでお願いしたいと思います。
○富松委員 12ページの4の括弧の中、逸脱時の改善措置方法のマル4なのですけれども、再殺菌後に微生物が残存する場合は廃棄するになっていますけれども、微生物はいますので、所定の基準を超えたら廃棄だと思います。意見です。
○五十君座長 これは芽胞菌などを考えると、どうしてもゼロというわけにはいかないと思います。そういったところを配慮した表記にしていただきたいということですね。
○富松委員 そのほうがいいと思います。
○五十君座長 具体的には事務局とやりとりをしてください。
 ほかに御意見はございますか。よろしいですか。それでは、次にまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
 続きまして、資料2につきまして事務局より説明を願いたいと思います。
○事務局 資料2を開いてください。こちらは一般社団法人日本食品添加物協会様が作成した、食品添加物製造におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理、ガス充填になります。日本添加物協会さんは既に粉体、液体のものについては手引書を作成していただいていますが、今回はガス体の添加物が対象となっております。こちらにつきましても事前に厚生労働省に御相談いただきましてから、構成員の先生方にも内容を事前に確認いただいて意見交換をしていただいたものになります。本日はその意見交換を踏まえて修正していただいた手引書案について、日本添加物協会様から御説明をいただきたいと思います。準備ができましたらどうぞよろしくお願いいたします。
○日本食品添加物協会 日本食品添加物協会の堀川でございます。
 今日はこの手引書の作成に協力していただきました、三菱ケミカルフーズの岡本さんと一緒に御報告させていただきます。よろしくお願いします。
 まず今回の手引書で、事前の打ち合わせから変更になった箇所は赤字で記載しております。表題が基準Bという言葉を使っていたので、そこを変えるのがメインと、あと若干の修正をかけたという感じになります。
 それでは、手引書の説明に入らせていただきます。
 まず対象品目は、二酸化炭素等の食品と接触するガスということを考えております。このガスを製造するのではなくて、ボンベのほうに充填する事業所ということで考えております。ローリーから屋外タンクに受け入れて、今お話したようにボンベに充填するということになります。
 この手引書作成に当たっては、実際に茨城県日立市のガスを充填している事業者様を訪問させていただきまして、そこの所長様とか実際に充填している御担当者様と打ち合わせをしながら原案をつくったということになります。
 一般衛生管理とHACCPの考え方を取り入れた衛生管理という2部構成になっていますが、重要な危害要因ということで、ガスの充填に関しては内容物の充填間違いというのを想定しております。その充填間違いについてはハード面で対応しているということで、事前の打ち合わせのときには特に御質問等、御指摘事項はありませんでした。
 その後、協会の会員に手引書案ということで公開しました。そうすると会員のガス充填の事業者の方がまた別の協会に入っていまして、一般社団法人日本産業用ガス協会、産業ガス部門というところの常務の方から御連絡がありまして、ガスを充填している事業者の取りまとめをしていただき、5社から御意見、感想、確認事項、修正事項を含めて30項目いただきました。その修正をかけたところが赤字の箇所になります。
 具体的にお話させていただきますと、6ページになります。6ページのところでまず施設の保守点検及び作業上の衛生管理のところで、手洗い設備のところは定期的に清掃し清潔に保つというのは、施設のほうにも入れたほうがいいのではないかというようなところで御指摘をいただきましたので、追加しました。
 (5)の作業員の衛生管理で、作業服の汚れ、破れということになっていたのですが、手袋も確認する必要があるだろうということになりました。
 7ページ目の(7)の食品等の衛生的な取り扱いのところで、これはちょっとガス事業者さんとは別で、事前の打ち合わせで50名未満の手引書を今、厚生労働省のホームページに掲載していただいていますが、そのときに御指摘を受けました食品衛生法で規格基準が設定されている添加物については、規格基準を遵守するということで1行入れました。
 (8)そ族・昆虫になりますけれども、これは高圧ガスの製造所というのは高圧ガスの取締法によって密閉の場合は酸欠になる可能性があるということで、建物の壁、2面が開放状態です。そういう状態なので最初、そ族・昆虫の対策はしていないということを記載していたのですけれども、そこに書いていますように貯槽の充填口とか均圧口にキャップを行うということをしているよと言われたので、ここに入れております。
 それから、使用水の管理ですけれども、もともとは水を使用していないと書いていたのですが、これも気密試験等で使用する水があるということで、これについては食品製造用水を使うということで記載をしました。
 排水及び廃棄物の管理のところですが、もともと廃棄物は出ないということにしていたのですけれども、そうではないということで廃棄物は作業終了後、指定の場所に移動するというふうに書いております。そういうところが先ほどお話した5社のガス事業所の方からの御意見を反映させたところになります。
 続いて9ページになりますが、一般衛生管理確認記録の記入例のところで、これは赤字のナンバー、項目番号を書いたほうがわかりやすいだろうということで、ここに入れました。
 もう一つ、最後になりますけれども、改善処置書ということで11ページになります。以前の手引書では記入例がなかったので、記入例を作成しました。ちょっと訂正をお願いしたいのですが、対象製品の総量のところで受入量が10m2となっていますが、これは間違いで8トンということでございます。これは炭酸ガスも含めてですが、日本工業規格のJISで工業用の規格が設定されております。これを添加物用のガスを発注したところ、間違ってこれが来たということで、そういう事例にしています。
 ということで、修正箇所は以上でございます。
 それから、今後の対応のところになるのですけれども、今回この手引書を見ていろいろな意見をいただいて、説明会を開催しないと誤解があって、このとおりしなければいけないのかという事業所の方のたくさんの意見があったので、厚生労働省のホームページに掲載されれば、説明会を5月ごろに開催する予定にしております。
 続いての話になるのですけれども、手引書、添加物のほうですが、小規模の混合、小分けをしている事業所、それから、この委員会でも議論になりましたにがりの件ですが、にがり等の天産物を原料にした手引書ということで現在、厚生労働省様と調整をさせていただいてございます。
 私からは以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料2の説明に関しまして、御質問や御意見がございましたらお願いします。
 修正箇所は赤でわかるようにされていると思いますので、その点は確認していただければと思います。そのほかにありますでしょうか。中村委員。
○中村委員 先ほど説明会をこれから実施されるというお話がありましたが、全国で対象となる事業者さんはどのくらいの数いらっしゃるのですか。
○日本食品添加物協会 協会会員の会員数であればわかるのですけれども、ガス事業所というのは全国に多分1つの事業所でも、全国規模で充填の小分けしているところがあると思いますので、ちょっとそれは数えたことがないです。申しわけございません。
○中村委員 具体的に説明会に参加される方というのは、どのくらいを想定されていますか。
○日本食品添加物協会 150人くらいかなという位置づけです。
○中村委員 わかりました。
○五十君座長 ほかにございますか。荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 確認だけさせていただきたいと思います。3ページのところ直していただいた中で、マル2の考え方を取り入れた衛生管理のところですが、ガスの充填間違いが想定され、CCPとして設定する場合があるが、可能であると幾つか書いてあるのですけれども、7ページの食品の衛生的な取り扱いのところでは、受け入れのところしか書いていないのです。食品の衛生的な取り扱いが実はHACCPプランで管理するハザードのことが書いてあるわけなのですが、充填するとき、実際にボンベに小分けするときの間違いというのはあるのでしょうか。
○日本食品添加物協会 それはまずボンベの色が違うということと、ボンベに刻印があってバーコードで管理している。ボンベの置き場も違うということで、実際に作業をされる方に確認したところ、皆無に近いということでございました。
○荒木委員 となりますと、そのことを3ページの中で書いておいていただいて、原料を小分けするときに間違うことは基本的にはない。ただし、受け入れるときにグレードを間違ったものを受け入れてはいけないので、そこだけがCCPで管理することになって、確認してだめだったら返す。そうすると、11ページの記録が非常に生きてくるのではないか。そこがうっかりしないでちゃんと受け入れてくださいねということにつながるのではないかと思いました。
○日本食品添加物協会 よくわかりました。ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。
 私も今の箇所ですが改善措置書、11ページは、今の御質問にあったように、小分けボンベで間違って事故が起こった事例というのはほとんどないと考えてよろしいですか。そうすると、今の記入例の一番上の改善措置の理由というところに、出荷不可という項目があるのですが、これはどういうときに起こりますか。今のお話だとないのではないかと思うのです。
○日本食品添加物協会 御指摘のとおりです。これは50名未満の手引書をそのまま様式を使いましたので、修正します。
○五十君座長 これは入れなくてよいという気がいたします。
○日本食品添加物協会 わかりました。
○五十君座長 ほかにはございますか。よろしいですか。
 それでは、ありがとうございました。
○日本食品添加物協会 ありがとうございました。
○五十君座長 次にまいります。資料3-1、資料3-2につきまして事務局より御説明願いたいと思います。
○事務局 資料3-1、資料3-2を御覧ください。こちらは一般社団法人日本惣菜協会様が作成されました、小規模な惣菜製造工場におけるHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)となります。3-1が本体で、3-2が概要版となります。
 こちらにつきましても、事前に御相談をいただきましてから構成員の先生方にも内容を確認いただきまして、御意見をいただいたものになります。本日は事前の意見交換を踏まえて修正していただいた手引書案について、日本惣菜協会様から御説明をいただきたいと思います。御準備できましたらどうぞよろしくお願いいたします。
○日本惣菜協会 それでは、よろしくお願いいたします。
 昨年12月17日の事前の意見交換で23の項目に関しまして意見をいただきました。その意見を見直しまして修正したものについて今回、説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
○日本惣菜協会 まず手順に沿いまして、順次御説明させていただきます。
 手引書の対象ということからですけれども、対象に関しては惣菜かつ、そのまま喫食ができるものということで、こちら2ページに解説させていただいておりますが、その中で冷凍食品、レトルト、外食などは省いて、通常そのまま食べられる惣菜ということで想定をしております。
 こちらの対象の施設規模なのですが、当初、私ども100名未満、大体惣菜の場合ですとどうしても人手がかかる業務ですので、50名というところも検討はしたのですが、まだ50でおさまるか、おさめていいのかどうなのかという判断ができなかったものなので、現段階で100名で想定をさせていただいております。こちらの規模に関して、私ども惣菜協会としましては約500弱の会員様がいらっしゃいます。その中の大体半分ぐらいとなります。全国規模ですとその数字というのが統計が拾えておりませんので、ざっくりになりますけれども、何万件という数字になるのかなというふうに思っております。
 こちらも今回、手引書を前回の専門の皆様からの御指摘をもとに修正をかけました。言葉遣いとか技術的な用語の使い方とか、このあたりは先生方の御意見をそのまま採用させていただいております。その中で特徴的な部分と、気をつけて修正した部分を説明させていただきます。
 まず使い方のガイドということで、道筋をわかりやすくいたしました。P2、P3でさらに詳しく、この文書全体、手引書全体がどういうふうになっているのか。前回の検討会の中では後半に大事なものがあるのだったら、それをちゃんとあらわしておきなさいというようなお話もありましたので、そういったものが一番初めの2ページで、下のほうの衛生管理計画の作成のところで記述をさせていただいているのと、あと3ページのHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の作成方法ということで、使う側の道筋を明確にさせていただいております。
 さらに8ページ目に診断書を用意しておりまして、こちらできるだけそうざい製造業でも小規模の会社さんですと手間がかかることに関してはなかなか労力が割けないというようなお話も声が多いものですから、診断書を使ってできているもの、できていないものがわかるようにして、さらにその中でできていないところに対しては何ページを見ればいいのかというようなことで、手引きとしての機能を診断書によって強化をさせていただいております。
 また、微生物に関してもう少し想定をしたほうがいいだろうということで、28ページの中に微生物は素材の中で非常に危険な危害要因の一つとなりますので、それをイメージしやすいようにグラフなどを入れて、微生物とその増殖と時間の関係を入れることによって、読んでいてなかなか微生物の知識がない方でも、こういうことがあるのだったら気をつけなくてはいけないな、初発件数は減らさなくてはいけないなというような道筋の一つとさせていただいております。
 こちら製品の特性別ということで、34ページに特性別、今回惣菜というのは皆さん御存じのようになかなか幅が広いというようなところなので、食品の法定の特性というところで34ページで御説明をさせていただいて、自分たちが取り扱っているものがどれに当たるのかというようなものを明確にさせていただきました。
 その次に幾つかの項目を入れているのですが、シグナル、信号機というお話が前回ありましたけれども、環境と工程と原材料と危害要因とHACCPという関係性があるわけなのですが、これを体系立てて見ていくためには、こちら工程のシグナルとして38ページに、まずは大前提として工程の中でこの項目に関しては、このキーワードによって管理しているんですよと。これは一般衛生管理の場合もありますし、重要管理点としてのものもございます。こちらに関してまずは工程上のシグナルというようなものを入れたのと、52ページは変わってはおりませんけれども、厚生労働省があらわしている微生物と原材料の関係性。これも非常に重要な要素なので、こちらも非常に大きなシグナルになるだろう。
○五十君座長 資料3-2のページ数で今説明しているのですね。
○日本惣菜協会 済みません、そうすると先ほどのシグナルの御説明をさせていただいておりましたが、39ページ、40ページに微生物についての関係性。これも通常の惣菜、中小の惣菜製造業だとなかなか判断ができないので、こういう一覧になっているものが必要だろうということと、41ページ、42ページに、こちら微生物を一般衛生管理と工程管理のところでどのように深い関係性があるのかというようなところを示させていただきました。
 ひな形のほうも問題がある部分に関して、問題というか否であった場合、全部が適の事例ではなくて、不適合の場合の事例も追記をさせていただきました。
 こちらに関して現場で会員の方にも確認をさせていただきました。今まで現場でテストをさせていただいた会員の委員の方々にも確認をさせていただいたのと、あと惣菜協会として全国で解説セミナーをさせていだたきました。大体1セミナー会場で100名前後で開催をしております。ばらつきがあり150名のところもあれば80名のところもあるのですが、大体100名程度で実施をさせていただいております。そこの中での皆様からの評価というのはわかりやすいと。できると思うけれども、あとはやってみないとわからないので不安がないわけではないけれども、これぐらいであれば自分たちが戦々恐々としている状態の中で対応は可能であるというようなお言葉をいただいております。
 あと、今後の展開に関してはもう一人の武市から御説明をさせていただきますが、惣菜管理士だとかそういったところの勉強のテキストなどにも反映をしていこうということを予定しております。
 追加でお願いします。
○日本惣菜協会 手引書の周知に関しましては、当協会はホームページもございますし、協会の新聞もあります。また、支部セミナーといいまして8支部ありまして、そこで年に1、2回ずつのセミナーをやりますので、そのあたりでの啓蒙、また、ウエブ研修で周知徹底していきたいなと考えております。
 以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料3についての御説明に関しまして、御質問、御意見等ございましたらお願いしたいと思います。何かございますか。富松委員、どうぞ。
○富松委員 今、説明の最後のところで実際に実行可能性は、セミナーでわかりすい、やれそうだという意見があったと伺ったのですけれども、中に書いてあることは難しいことが書いてあるわけでなく、平たくは書いてあるのですが、すごいボリュームですよね。これが果たして本当に中小の惣菜業の方に対して使いやすいのだろうかと率直に思うのですが、今の簡易版も70ページ有り、もっとシンプルなものを準備されたほうがいいような気がするのですが、いかがでしょうか。
○日本惣菜協会 概要版というもので縮めたもので考えてみたのですが、できれば20~30ページぐらいと考えたのですが、どこまで縮めていいのか。ガイダンスみたいなものであれば20~30ページぐらいにまとめられるのだろうと話をしたのですが、ガイダンスが独り歩きしても困るので、どこまでというのは省令等が出て、最低限このあたりをやらなければいけないというのがよくわかりましたら、その時点でできるだけわかりやすいものにしたいなと、今はそのように考えております。
○五十君座長 今、富松委員から非常に長いということが述べられました。小規模なところで使うことが可能かというような微妙な御質問だと思うのですが、ほかの委員の皆様からそれに関してコメントございますか。中村委員、どうぞ。
○中村委員 先ほどセミナーで大体1回当たり100名ぐらい、150名ぐらい参加されているということなのですが、参加されている方たちの中に今、富松委員からも話があったように、本当に数人でやっているような事業者さんというのは入っていらっしゃるのでしょうか。
○日本惣菜協会 今お話があったのは、セミナーに来られた方が数名の方も来られているかという御質問でよろしいでしょうか。基本的には惣菜協会の支部セミナーが基本になっておりますので、主には会員です。会員というのは先ほど申し上げたように500弱の会員。当然それは会社数ですから人数で言うとかなりの人数になるのですが、それプラス惣菜協会の惣菜管理士さんが対象になっております。その中で何名かという統計がとれていないのですが、リストは当然あるのですけれども、何人規模かというのが正しく把握されておりませんが、ただ、今回の対象となっているところは基本的には工場なので、小さいと言っても多分10名ぐらいはいるのではないか。なので数名のところは難しいのではないかという御指摘もございましたが、数名だと工場ではなくて店舗でお弁当とか販売しているとか、惣菜をその場で販売するというようなことのほうが多いのかなと。当然あってもおかしくはないのですけれども、基本的には大体10名はいるようなケースが多いかと思います。
 では10名だったら十分かというと、おっしゃるように10名でも少ないほうがいいのではないかというお話もあると思いますので、その辺も先ほど武市から話があったように、政省令である程度キーになるようなものが出てきたら、これは最低限というようなガイダンス的なものを作成していってもいいのかなと。概要版を薄くしようかなと思ったのですが、概要版を薄くすると中身が何もなくなっていってしまって、逆にわかりにくくなるかなというようなところがありましたので、それを急いで薄くするよりもわかりやすいものにしていこうということで現状を保っております。
○五十君座長 私からも確認したいのですけれども、資料3-1と資料3-2はどういう目的で2つができ上がっているのでしょうか。
○日本惣菜協会 まず概要版というのは、現場の方たちがどうやって進めていこうかというようなときに、これを開いていきながら、こういうことを書いていけばいいんだとか、こういうことに注意は最低限していけばいいんだというようなところが手っ取り早くわかるものを目指しております。この手引書の概要版ではないものという、本物版というか、特にタイトルが何もついていないほうなのですけれども、こちらはできるだけ理論をしっかりしていかなくてはいけないのではないか。例えば出典なんかも非常に細かく入れさせていただいたりですとか、あとは技術的な要件ですとか、助言的なものもたくさん入れさせていただいているというのが普通版と今のところさせていただいております。
○五十君座長 そうしますと、今、解説いただいた概要版にも実際にこのような細かい食品衛生の専門家の講習会のような情報が多数入っているのですけれども、これは全て必要ですか。この分厚い概要版を見た時点で読んでもらえるのかなというのが心配です。先ほど1~2名の中小の方も参加されていて、これは問題ないということだったのか、そのあたりのところを確認できたらと思うのですが。
○日本惣菜協会 おっしゃるようにページ数に関しては決して少ないものではないので、改善の余地は我々も今考えなくてはいけないなと思っております。こちらの中で今いろいろな要件もかなり細かく入っているよという御指導がありましたけれども、我々もどうしても厚生労働省で開示する以上、出典とかある程度最低限のことは入れなくてはいけないのではないかとか、技術的なことも入れなくてはいけないのではないかというところが、そこはいいんだよ、それよりもわかりやすく理論のほうは手引書のほうで、概要版はもうちょっとわかりやすくしたらいいのではないかという御指示であれば、そうさせていただきたいなと思います。
○五十君座長 実際に中小零細向けの手引書が、厚労省のwebに公開されています。他の手引書は既に公開されているので、もちろん詳細バージョンがあるのは構わないと思うのですが、概要版に関しては最低限このところは実施してもらいたいことのみをまとめてはいかがですか。他に詳細な解説があるわけですから、使われる、中小零細の使い勝手を考慮した編集のほうが、活用していただけると思います。情報は多ければいいというものではなくて、むしろ重要な情報に絞ったほうが伝わる可能性があるかと思います。先ほど確認しました概要版の用途が、実際に使っていただくためのものということでしたら、もう少し整理をして重要なポイントだけがわかるようにつくっていただいたほうが読みやすくなるのではないかと思います。いかがでしょうか。
○荒木委員 それで重要管理ポイントのプランの書き方のところで少しお話を伺いたいのですが、まず31ページに重要ポイントの1番は原材料の殺菌方法に関する要件となっていますけれども、ここで殺菌しなければならないのは何と何でしょうか。カット野菜ですか。
○日本惣菜協会 そうです。
○荒木委員 そう書いたらいかがでしょうか。まず。
 そして、確認するものは殺菌液の濃度と殺菌時間だとなっているのですが、確認方法が作業前後にというふうに、ここが実はモニタリングのタイミングになっているのです。確認の頻度がロットごとにというのが実は不足していて、殺菌のロットごとに作業前後に下処理部門リーダーが塩素の濃度とタイマーの時間を確認する。こういうふうに文章になるとわかってくるのですが、確認の頻度は通常、HACCPプランではモニタリングの頻度のことを言うのです。そうするとモニタリングの頻度が全数というのはあり得ないわけです。
 それは追ってお話しますが、ということだと、基準から外れていた場合、まずスタートの時点で200ppmであることを確認します。200ppmなかったら塩素を足すということですね。それで済むわけですね。足して200ppm以上になったらスタート。そうすると5分間というのはタイマーがセット5分になっていたかです。終わってから5分間殺菌したかどうかわかるのかどうかなのです。タイマーだと簡単に言うと5、4、3、2、1、0、ブーと鳴ってしまうので、セットが5分だったか4分だったかわからないのです。そうすると一番簡単なのはスタート時点で5分だったことを確認する。オーケーという話ですね。それも5分になっていなかったら5分にするということで修正が済みますね。下のほうを見ると、作業後にも見ます。こういうことになっているので、作業後に200以下だったらアウトです、再殺菌ですということですね。ということでいいのですね。
○日本惣菜協会 はい、そうです。
○荒木委員 終わっても200以上ないといけないということですね。この下の記入例を見ますと、サラダB(SB0401)は作業後に180ppmだったからやり直したということなのですが、そうすると、ではこれはなぜ200を切ったのかということが、上のほうで言っている原因追及ということになるのですが、その理由が書いていないのです。
○日本惣菜協会 枠がないということですね。
○荒木委員 そう。例えば仮に250だと、ふだん終わったら必ず210ぐらいで済むものなのに、180まで下がってしまったというのはどうしてかといったら、入れた量が多過ぎたとか、そういう想定をして、入れる量が多かったからで再殺菌したとなると、次の再殺菌分は2回やらなければいけないかもしれない。そして、その場合に時刻が入ってくるみたいな感じにすると、何となく殺菌状態が200ppm以上で、なおかつ5分というのがわかってくるだろうと思うのです。そういう発想でラベルの2のところも全品というのは張りつけのところですよね。確認の頻度は調理部門のリーダーが全品を見ているのですか。それを一々書くのでしょうか。そこが記録の例がないのでわからないのです。全部流れていくものについて検品で全数見るのか、そうするとついていないものにはつけるで済んでしまいますね。それはでもHACCPプランではないことになりますけれども、重要なポイントとしてはそれでもいいかもしれません。
 そして、金探のところがやっぱりここが全品となってしまっているのですけれども、検品の部門リーダーが全部通過したかを見るということは、脇通りしているものがあるかどうかを確認するというのが一つと、ただ、それもラベルして金探が通過しないと出荷できないのだったら、全品は必ず見ていることになりますね。ということは、全品を見る必要がパラメーターとしてはネグレクトできる可能性があるのです。そうすると、管理状態の確認のところにある作業開始前後にテストピースで金属検出反応を確認するといった記録が重要になってきます。スタートのとき反応しなかったら反応するように調整するで済みますけれども、終わったときに反応しなかったら今、通した分を全部再通過させることになります。HACCPのセンスからいくと、それを記録したいのです。
 金探がはじいてくれたのが5個あったというのは、実は金探工程は適切に働いているので、工程は失敗していないのです。もちろんはじいた製品は不適合品だから、そのままほったらかしていいということではありませんけれども、この場合はむしろ検証活動で金探がおかしいとなったときにやり直す。特に惣菜などは塩分濃度で反応性が違いますから、ソースがたっぷりかかっているものなんかは、何とかスタートでとまるようにしますけれども、途中でおかしな反応をしていて無理やりはじいたり、逆にはじかなったりということがあるかもしれないというのを防ぎたいということだろうと思うのです。この重要管理のポイントのところの書き方をもう一回、確認の頻度を人がやるモニタリングの行為というふうに置きかえて、もう少し書き出していただくと、これを見た現場の方たちはわかりやすくなるのではないかという気がいたしました。
○五十君座長 ありがとうございます。
 ほかには、河村委員、どうぞ。
○河村委員 話がもとに戻って申しわけないのですが、これを見たら小規模な惣菜製造工場ということで、想定は先ほどおっしゃったように従業員が10名程度の工場ということで、工場という形態の中では小規模なほうだと思うのですが、実際だと家族経営的な本当に個人商店みたいなところもあって、工場形態というよりももっともっと小さい零細なところがあるのですが、そういったところ向けにまた違うような手引書は策定されるのですか。予定は。
○日本惣菜協会 その予定はないです。
○河村委員 今、小規模な飲食店営業用に簡略化したものが出ていますが、そういったようなもののそうざい製造業版というのは業界としてはおつくりにならないですか。
○日本惣菜協会 はい。
○五十君座長 中村委員、どうぞ。
○中村委員 今の河村委員の御質問に関連するのです。事務局にお聞きするべきなのかもしれませんが、そうするとこれとは別の検討会で今、調理と製造という分けが検討されていますが、結局、製造という形で判断されると、この手引書をやらなければいけないという形になるのか、それとも製造と判断されても今、言ったように飲食店の小規模な手引書に基づくものであってもいいのか。その辺の判断だと思うのです。事務局として何かお考えがあれば。
○道野食品監視安全課長 業界団体のほうで自主的につくられるものなので、全体を見て判断をしていくことになると思います。先ほどから議論になっている1人、2人のところというのは、やれることがそもそも限られている。調理だ飲食だ製造だと言ってもので、できないことをやれという話にはなかなかならない。惣菜の製造業を取得される事業者の規模の方と、管理のレベルというのはある程度リンクせざるを得ない。惣菜製造業で例えば数人のところというのは、本当にそういった管理ができるのかどうか。やはり調理という内容になってくるものもあるかと思いますので、そこは実態を見ながら整理をしていくべき。
 今日ここで製造と調理の話をする予定はないのですけれども、食品表示法の中でもその辺は整理をされているというか、表示義務のないもの、要するに対面販売を前提にするようなものというのはありません。惣菜にもいろいろなものがあるわけですが、食衛法で言う惣菜というものに関しては、対面販売のものもごちゃごちゃになって議論されている部分もあるような気もするので、そこも含めて整理が必要かなと思います。
 要するに卸形態で製造業として1人、2人でやっているような実態がどの程度あるのか。その辺のことも踏まえて整理したいと思います。圧倒的に飲食、調理が小規模の場合は多いのではないかと思っておりますし、もしもまれに製造的な業態があるとしても、まれにある業態に対してどういう手当していくのかというのは、今後の検討課題かなと考えております。
○五十君座長 今のお答えに関しまして何かありますか。自治体の方は対応に困るのかなという気もします。今、業界のお話ですと、手引書のこれ以上の簡略化は難しいということです。それでほかの手引書、中小零細向けの手引書と並べますと、こちらはかなり高いレベルのHACCPを要求している手引書という気がします。この手引書につきましては淡々と議論を進めるということでよろしいということですね。
○道野食品監視安全課長 というのは、多分おっしゃっているのは数十人単位の規模の施設のためにおつくりになっているわけですから、ここでペンディングにすることによって、その人たちが準備できなくなるということになります。これはこれとして進めていただければと思います。
○五十君座長 そうしますと自治体の対応につきましては、今別に検討が進められております営業規制に関する検討会の方向性に従って、運用していただくことになると思います。ここで議論することではないと思いますので、先に進めたいと思います。
 ほかにございますか。時間が超過してまいりましたので、要点だけ御発言いただければと思います。よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、資料4について事務局より御説明願いたいと思います。
○事務局 資料4をお開きください。こちらは一般社団法人日本卵業協会様が作成された、鶏卵選別包装施設・液卵製造施設のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書案となります。
 こちらにつきましても事前に御相談いただきましてから構成員の先生方と意見交換を行わせていただきまして、その際に出た御意見等を踏まえて修正をいただいたものになります。本日はこちらにつきまして、一般社団法人日本卵業協会様から御説明をいただきたいと思います。準備ができましたら御説明をよろしくお願いいたします。
○日本卵業協会 初めに、本日はこのような場を設けていただきまして、ありがとうございます。
 鶏卵団体と中小事業者で手引書案を作成いたしました。本日の説明につきましては、私、日本卵業協会の庄司と、全農たまごの安藤さんと、キューピータマゴの今村さんで説明をさせていただきます。
 手引書案につきましては、事前の指摘事項を踏まえて作成をいたしました。
 手引書の対象品目、食品群でございますけれども、生食用殻つき鶏卵及び加熱用殻つき鶏卵、また、殺菌液卵及び未殺菌液卵でございます。
 対象業種につきましては、採卵養鶏農場から殻つき鶏卵を受け入れて、洗卵して、サイズ選別をして、包装をして、パッキングなどを行う選別包装施設、いわゆるGPセンターと、自動割卵機を用いて液卵を製造する液卵製造施設でございます。
 鶏卵選別包装施設でございますけれども、人員は50名以下を想定しております。液卵製造施設も50名以下を想定しております。時間当たり2万卵以上の鶏卵選別包装施設は全国で約400施設ございます。従業員につきましては約10~90名と多岐にわたっておりますけれども、50名以下の小規模事業者が約90%以上を占めていると考えております。一方、時間当たり3万卵以上の割卵能力を有する液卵製造施設は、全国に約100施設程度と思っております。従業員につきましては10~200名と多岐にわたっておりますけれども、50名以下の小規模事業者が70%以上を占めていると思われます。
 手引書を作成するに当たっての留意した点は、次のとおりでございます。通知、通達や食品衛生法、規格基準に沿って作成をいたしました。GPセンターに関しましては厚生省通知、卵選別包装施設の衛生管理要領に沿って記述しました。液卵施設に関しましては食品衛生法、規格基準に沿って記述いたしました。
 事業者によってはGPセンターのみ行っている施設や、液卵製造のみ行っている施設がございますので、第1部を選別包装施設、第2部を液卵製造施設として2部構成とし、事業者が製造している食品群に従って見やすい構成といたしました。
 手引書の内容に関しましては冒頭、5~6ページに「鶏卵に関係する危害要因とは?」で、鶏卵で危害要因となるサルモネラを初めとした鶏卵の食の安全性を脅かす危害要因について、危害要因ごとに発生原因の例や対応策を加え、鶏卵の安全性確保の認識と重要性を説明しました。特にサルモネラに関しましてはインエッグ汚染、オンエッグ汚染に区分し、主な発生原因と管理手段をまとめました。
 また、手引書はHACCPの考え方を取り入れた衛生管理ですが、今後、小規模事業者においてもHACCPに基づく衛生管理に取り組む参考の一助として、HACCP7原則に基づく危害要因分析を加えました。本文の内容では、通知、通達や規格基準に沿って実施しなければならない衛生管理項目の解説を行い、中でもとりわけ特に重要な一般衛生管理項目は「!」で示し、管理の重要性や具体的な管理方法を事例としました。「!」で示した特に重要な一般衛生管理項目は、参考、HACCP7原則に基づく危害要因に基づいて作成しています。
 手順、記録例ですが、事業者がみずから作成しなければならない衛生管理計画の事例を示し、手順、記録様式も衛生管理計画に沿って例示しました。「!」で示した特に重要な一般衛生管理項目で記録づけしなければならないものは、記録様式として事例を示し、記録様式の下方には保管年数、保管場所を付記し、過去の衛生管理実施状況が見えるように工夫いたしました。
 内容の検証の状況でございますけれども、2018年、昨年12月に日本卵業協会会員に手引書案についてアンケートを実施し、49施設から回答を得ました。手引書案を読み、みずから衛生管理計画を作成することができるか。手引書案の読みやすさなどについて回答を得ました。その結果でございますけれども、衛生管理計画を作成することができる、おおむねできると回答した施設は全体の74%を占めました。読みやすさにつきましては、全体の76%が読みやすいと回答がありました。一方でHACCPの考え方に基づいた衛生管理の実施ができるようになるためには、研修会や人材確保、コンサルタントの利用が必要との意見も多数ございました。
 そのようなことを踏まえて今後の普及でございますけれども、厚生労働省技術検討会に確認後、全国で研修会を開催し、対象事業者への普及を図っていく予定でございます。そのほか各団体を含めて本手引書をホームページに掲載し、普及を図る予定でございます。
 以上でございます。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料4につきまして御質問、御意見等がございましたらお願いしたいと思います。いかがですか。
 私から、例えば35ページあたりに実際の記入例が示されているのですが、どちらかというと悪いことが起こってしまったような記入例は余りないような気がします。例えば30ページでは単純に受け入れチェックだけです。備考欄によく起こりそうなトラブルを具体的に書いていただけると、こういうことを書けばいいとわかると思います。そのあたりを検討していただければと思います。
○日本卵業協会 おっしゃるとおりだと思いますので、その点については検討して、具体的なものがわかりにくい部分はもう少し検討して、追記をしたいと思います。
○五十君座長 ぜひお願いしたいと思います。
 荒木委員、どうぞ。
○荒木委員 今のに関連するのですが、32ページが事例8で洗卵水温度・殺菌剤濃度管理記録となっています。これは殺菌剤の濃度が否というのがあったということなのですけれども、下に備考欄は入っている。記入例となっているのでよくわからないのですが。32ページの下はこれが書いているのです。その意味ですか。5月1日2回目。
○日本卵業協会 はい、そのとおりです。上で2回目でだめですということに対して、記入例として書いたものでございます。
○荒木委員 全体が記入例なので、記入例と書いてあると、こういうことを書きなさいと言っているだけで、この日のことではないように思えたので、全体が記入例ですよね。全てが記入例ですね。下が記入例と書いているのはおかしいかなと。
○日本卵業協会 ありがとうございます。修正させていただきます。
○荒木委員 それと同じようなもので77ページを御覧いただけますか。温度が出てこないのですが、これは温度は関係ないものなのですね。洗卵水だけで、ここは温度はかからないのですね。
○日本卵業協会 はい。ここは温度は管理していないところが多いので。
○荒木委員 ということですね。
 それでちょっと伺いたいのですけれども、1回目、2回目、3回目という記入例の1回目、2回目、3回目のタイミングは何なのでしょうか。何かに1回、2回、3回と原料の卵が鶏卵が違うとかそういうことですか。それとも測定が1回目、2回目、3回目という単に測定時刻でしょうか。
○日本卵業協会 これはまず作業の開始前に1回、昼の休憩時間に割卵機の洗浄とか入りますので、1回工場がそこでとまります。また再スタートするときに2回目を行う。3回目は最後、終了時に行うというような意味合いです。
○荒木委員 それでもし否というのはどういう事態で起きるのでしょうか。例えば3回目に否とついたとき、このときはどうされますか。
○日本卵業協会 まずは原因を確認すると思います。
○荒木委員 それから。
○日本卵業協会 それ以上は、その原因が例えば機械の問題とか、そういうものがあれば、それを修復するような作業を行います。
○荒木委員 例えば100ppmを切っているような場合だったらどうなりますか。50ppmしか出ないとか。この場合、塩素供給はどういうふうになっているのですか。滴下しているということでしょうか。
○日本卵業協会 滴下しているところもあれば、自動的に制御しているところもあります。
○荒木委員 そうですね。滴下でバルブで一定の濃度になるようにしているわけですね。それが例えば最後に100ppmを切っていたら、その怪しい間の製品はそのまま出荷してしまうのですか。
○日本卵業協会 出荷します。
○荒木委員 なるほど。
○日本卵業協会 その先に例えば殺菌工程があったりとか、そういう工程が入っていますので、その中できちんと管理ができると考えています。
○荒木委員 ということで、でもその場合は書いておかないといけないですね。否という場合でも、どの程度の例えば塩素濃度が100を切っていたぐらいだったら許せるけれども、全然入っていないとなったら大丈夫かいなという話も出てきませんか。
○日本卵業協会 おっしゃるとおりですね。
○荒木委員 ですよね。そういうことが物語としてわかるようにしていただきたいのですが、今のお話でわかったのですが、ハザード分析そのものですね。ハザード分析は後ろのほうにありましたね。
○日本卵業協会 各割卵鶏卵と液卵製造、それぞれ一番最後になります。
○荒木委員 何ページですか。
○日本卵業協会 GPのほうが45です。割卵が94です。
○荒木委員 そうするとGPセンターに関しては、CCPはないよという話になっているのですね。
○日本卵業協会 はい。CCPは設定していないです。
○荒木委員 ただ、この危害要因分析表を使っていただいた場合、第3欄の重要な危害要因は、ハザード分析でいきますとHACCPプランで管理する重要な危害要因かと聞いているのです。左から3番目、原料、危害要因、重要かという判断をしますね。
○日本卵業協会 はい。
○荒木委員 ここがイエスだったら、どこかにCCPをつくってやれというほどのハザードだという意味なのです。ここのイエスは。これはハザード分析の基本なので、今ここのロジックが成立していないのです。結局どこにもCCPがないのです。
○日本卵業協会 ここでイエスとした場合に、これを管理する手段として、5に書いてある内容で最終的な判断としてCCPをイエスにすると思うのです。
○荒木委員 そうすると、そこがCCPなのです。その工程しかなかったらCCPになるのですけれども、原料の受け入れのところは後の工程で洗ってやるから大丈夫だとなったら、洗卵のところがCCPになるというふうに送られてくるのです。46ページの洗卵のところを見ていただくと、次亜が足りない、温度が足りないだとだめだから、定期的に確認をします。もうここしかないから、ここはイエスということになるのです。CCPだということになってしまうのです。これがハザード分析の基本のロジックなのです。
○日本卵業協会 そうしますと我々の意図を反映するためには、ここの4のところに管理手段を書くという解釈になるのでしょうか。
○荒木委員 管理手段というのは重要なハザードに対する管理手段なので、その管理手段がその工程でしかなかったら、そこがCCPですし、そのハザードに対する管理手段が後ろのほうにあれば、後ろに運んでやってもいい。そうしたら届いてきた重要なハザードをここでしかやれないというところがCCPになるという話になるのです。
 ところが、現実的にはCCPにしたいのだけれども、HACCPプランがつくれないですということがあり得るのです。それは加熱後のスライサーの汚染とか、アレルゲンの交差汚染というものは、HACCPプランで管理しようと思っても管理ができないので、そこは一般的衛生管理を重要だとして管理するというふうにせざるを得ないということがあることは承知しております。だけれども、このままではハザード分析のロジックに合っていないのです。だからここのノーは、気持ちとしてはCCPにしたいのだけれども、HACCPプランをつくることが困難である。だから重要な一般的衛生管理で管理する、せざるを得ないという意味のノーだということを書いていただかないといけないのだと思います。
○日本卵業協会 そういうコメントが入れば。
○荒木委員 まあしようがないです。ISO 22000ではそこをOPRPと言っているのです。
○日本卵業協会 私どもが一番悩んだのは、卵は御存じのとおり生鮮ですので、適正な温度管理と適切な生食の賞味期限内に製造する、管理するということで、一定期間はサルモネラの菌の増殖というか繁殖は抑えられるという前提があるので、そこを頼ってはいけないと思うのですが、そのベースがあって選別包装施設での洗浄なり温度管理なり、そういうものをトータルでやることによって安全性が担保できるという考え方があるので、ここをCCPにするのか、一般的衛生管理で管理するのか、ここは非常に悩んだところです。
○荒木委員 そこでいくとラベル印字のところも、さらっとノーとしていますが、確実にラベルを張るというのはここしかないのだったら、確実に張っているということをHACCPプランにすることもできますし、それから、保管のところもイエスですと言ってしまっているのは、これはどうでしょうかということです。施設設備の管理が適切に行われているから、ここで菌が増殖することはないとか、先入れ、先出しを確実にすれば大丈夫だとかいう一般的衛生管理レベルで管理できているならイエスにしないで、ノーのところ、第4欄のところで説明をしてしまう。
 だから今、事例で上がってきているようなものは、今までやっているような一般的衛生管理より少しフォーカスを当てた一般的衛生管理ですというのは、これはハザード分析によってわかったということだから、単純にCCPかどうかでノーと言ってしまうのではなくて、実はHACCPプランというものにつくってみたいけれども、なかなか難しい。だから衛生管理の強化にしましょう。実はこれが農業で言うGAPみたいなものなのです。低減する。イエスとしてしまうと妥当性確認とか検証を科学的にしなければいけないではないですか。そこでサルモネラがいるとかいないとかというのをGPセンターがやれることでもないということになると、CCPでは管理できない。ただ、ラベル表示は管理してくださいだと、そこはむしろ重要だとしても構わないということなのです。ちょっとこのハザード分析表が出てくると、むしろ混乱するので、結論から言いますと危害要因分析表はないほうがいいのではないか。
○日本卵業協会 ありがとうございます。そこもすごく悩んだところで、ただ、我々が思ったのは、もう少し上のレベルを狙いたいというときに、この危害分析表が少しでも参考になればというところで出したつもりなのですが、今のお話を聞くとそうでもないと思いますので、ここはもう一度、持ち帰って検討させていただきます。ありがとうございます。
○五十君座長 よろしいでしょうか。基本的には3の欄にイエスと入れた場合は、CCPの設定ないしは対応を示すことになりますので、このままでCCPなしという形で進めるのは厳しいということになります。
○道野食品監視安全課長 それは、ただ危害要因分析表がなくなればいいということではなくて、あくまでイエスとした場合に、一般的衛生管理なら一般的衛生管理で一定の管理ができるということを明示すればいいだけの話なので、今の流れでいくと何となくなくてもいいやという話になるような気がするのですけれども、今おっしゃった趣旨のように実際にHACCPによる衛生管理をやる事業者の方の参考になるように、できるだけこの分析表については適切な表現にすることによって生かしていただけるほうが、全体のレベルアップにはいいのではないかと考えますので、よろしくお願いします。
○荒木委員 今それで手引書の考え方というのでいくと、実は4欄と5欄を一緒にしてしまって、6欄をなくしてしまう。CCPで本当に管理しなければいけない工程というのは、実は終わってみないとわからない工程。加熱殺菌工程なんかは終わってみないとうまくいったかどうかわからないではないですか。そういうところがCCPになるということなので、逆にこの6欄方式がむしろわかりにくくしている要素があるなというのは感じています。
○日本卵業協会 このフォーマットをどこから持ってこようかというところも悩んだところで、今、実際に13種類の手引書がホームページに出ていますので、そこに細かくつくり方も含めてほとんどの手引書のところには書いてある。その中でこのフォーマットの説明があって、それに沿って作成したつもりだったのですけれども、専門的なところから見ると、確かにおっしゃるとおり間違った捉え方をされてしまうと逆効果になりますので、ここは持ち帰ってよく検討させていただきたいなと思うのですが。
○五十君座長 そのあたりはまた事務局と相談していただくことでよろしいですか。荒木委員からは再度コメントしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ほかにございますか。中村委員、どうぞ。
○中村委員 54ページのところに、原料卵の保管室の温度チェックの事例が書いてありまして、そちらですと8℃以下となっているのですが、76ページに実際の記録の様式がございまして、そちらで見ますと原料卵の保管が25℃以下になっているということで、これは別に25℃でもいいのですけれども、25℃であれば3日以内に使い切るという条件があると思うので、実態としてはどうなのですか。8℃以下で保管している施設が多いのか、そうではなくて3日以内で使い切って8℃では保管していないのか、実態としてはどちらのほうが多いのですか。
○日本卵業協会 済みません、これは間違えています。申しわけございません。液卵は8℃の後は25℃はあり得ない話ですので。
○中村委員 実際は3日超えて保管する可能性があるから、大体8℃で保管しているという理解でいいですか。
○日本卵業協会 はい。
○中村委員 わかりました。ここはそのように修正していただければと思います。
○五十君座長 ほかにございますか。どうぞ。
○畝山委員 液卵のところなのですけれども、対象として砂糖と塩を入れたものが入っているのですが、加塩とか加糖というものも対象になっているみたいなのですけれども、そのほかのものでは卵の話しかずっとしていなくて、砂糖や塩を原料チェックするとか、比率はどんなものかみたいなものは、何か説明があったほうがいいのではないかなと思ったのですが。
○日本卵業協会 今おっしゃったのは、突然56ページに液卵のところの下に加糖または加塩したという、ここですね。ちょっと安易ですね。液卵の規格基準のところに出ている規格をそのままここに当てはめてしまったというところがありますので、それを入れるというコメントを入れることは可能かなと。要は一番最初にうたっている液卵というところにこの商品が入っていないわけです。そこが不具合があるという部分だと思うのですが。
○畝山委員 管理するなら当然それも原材料に入るはずなのだけれども、後ろの事例には卵しか入っていないので。
○日本卵業協会 ここの部分についてはもう一度、製品名との整合性があると思いますので、そこは検討させていただきます。ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 本日確認していただく手引書は以上になります。その他に関して何か事務局からありますか。
○道野食品監視安全課長 どうもお疲れさまでした。ありがとうございました。
 以前この検討会で政省令の関係で、例えば先ほどから出ています小規模事業者に関しての定義の問題であるとか、衛生管理基準を今度、省令で定めるわけですが、その内容についての議論、中でも食品衛生管理者の設置についても議論をしていただいたわけですが、それにつきまして実はもう一つのほうの検討会も含めてなのですけれども、検討会のある程度今までの議論をまとめたものを公表して、一般から意見を募集するというプロセスに入りたいと思っています。それで来週あたりにメールで原稿を送らせていただきます。3月1日に打合会がありますので、そのときに御意見をいただいても結構ですし、その前にいただいても結構ですので、お忙しいところ恐縮なのですけれども、御協力をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○事務局 そして、次回、第12回の公開の技術検討会につきましては、また先生方と日程調整の上、御案内させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。長時間の御討議ありがとうございました。

                   

                                                                                                                                   (了)

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