ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品衛生管理に関する技術検討会> 第7回食品衛生管理に関する技術検討会(2018年10月26日)

 
 

2018年10月26日 第7回食品衛生管理に関する技術検討会

医薬・生活衛生局食品監視安全課

○日時

平成30年10月26日(金)
13:30~15:30

 

○場所

航空会館 大ホール

○議題

1.開 会

2.議 題
 (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
  ・冷蔵倉庫の管理
  ・蒟蒻原料の製造
  ・菓子の製造
 
 (2)HACCPに沿った衛生管理に関する事項
  ・食品衛生責任者の取扱いについて
  ・自主回収の報告制度の運用の考え方について

 (3)その他

3.閉 会

○議事

○五十君座長 定刻になりましたので、第7回「食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。
 本日は、荒木構成員、池田構成員から御欠席の連絡をいただいています。
 また、オブザーバーとして、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の都築室長に御出席いただいており、国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官からは御欠席の連絡をいただいております。
 それでは、議事に入る前に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 ありがとうございます。
 本日は、ペーパーレス会議での開催ということで、会議資料につきましては、昨日の16時までに厚生労働省のホームページに掲載させていただいておりますが、掲載が間に合わなかった資料4と資料5につきましては、印刷したものを配付させていただいております。
 お配りしておりますのは、資料1、一般社団法人日本冷蔵倉庫協会様から御提出いただいた手引書の案。資料2といたしまして、全国蒟蒻原料協同組合様から御提出いただいた手引書の案。資料3といたしまして、全日本菓子協会、全国菓子工業組合連合会、全国和菓子協会、日本洋菓子協会連合会、協同組合全日本洋菓子工業会様から御提出をいただいた手引書の案。資料4といたしまして、食品衛生責任者について。資料5といたしまして、自主回収の報告制度の運用の考え方について。参考資料1といたしまして、本技術検討会の開催要領。参考資料2として、食品衛生法等の一部改正する法律の新旧対照条文を抜粋したもの。参考資料3として、食品衛生事業者が実施すべき管理運営基準に関する新ガイドラインの通知をおつけしております。
 不足等ございましたら、事務局までお申しつけください。
 また、冒頭写真撮影等をしていらっしゃる場合は、ここまでとさせていただきたいと思いますので、御協力のほう、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、議事に入りたいと思います。議題1の「食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認」の参りたいと思います。
 まず、手引書を作成した事業者団体から10分程度御説明をいただいた後、構成員の皆様より10分程度の質疑応答をお願いしたいと考えております。時間が超過しそうな場合は途中で声をかけさせていただきますので、議事録に皆様の御質問を残すために、質問の概要のみを御発言いただきまして、詳細につきましては後ほど事務局にコメントとして御連絡いただくといった形で進めさせていただきたいと思います。
 それでは、事務局より御説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料1をお手元に御準備ください。こちらは、一般社団法人日本冷蔵倉庫様が作成されました冷蔵倉庫業のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画の手引書案になります。こちらにつきましては、本年9月に事前に本検討会の構成員の先生方と意見交換を行い、内容を確認していただいたものになりまして、そのときの結果を踏まえて修正していただいた案について、本日は団体様のほうから御説明をいただきます。
 それでは、日本冷蔵倉庫協会様から10分程度で御説明をお願いしたいと思いますので、準備ができましたらお願いいたします。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 日本冷蔵倉庫協会が作成いたしました「『食品衛生法改正に伴う衛生管理計画書』作成の手引き」について御説明をいたします。
 私ども日本冷蔵倉庫協会は、食品衛生法で言う食品の冷凍または冷蔵業に指定されておる中で、一方で、国土交通省の営業倉庫の登録をしておるわけです。営業倉庫の中でも特に食品に関係の深い室温が10℃以下の倉庫、法律では第8類倉庫と言われておりますが、いわゆる冷凍冷蔵倉庫の業者の団体であります。全国で約2000弱の事業所がございます。主に扱っておるのは、皆さん御存じのとおり、低温ですので、チルド帯からアイスクリームとか、冷凍魚、冷凍畜肉、乳製品、あらゆる食品を扱っております。数量的には年間2200万トンぐらいの量が私どもの会員の倉庫を経由しておるということでございます。
 今回作成しました手引書について御説明いたします。先ほどもお話がありましたように、前回技術検討会で御指摘を受けました点を改正いたしまして、きょう新たに資料としてお出しいたしております。
 まず、この手引書の留意点でございますが、HACCPの7原則に基づいて衛生管理を実施することが困難と思われる事業者でも、衛生管理が見える化され、実際に効率よく衛生管理を行うことができるようにということを中心に考えながら作成いたしました。いわゆる中小零細企業でも活用できるということを目指しております。
 もう一点は、冷蔵倉庫業ということで、営業ですので、当然ながらお客様である寄託者が存在します。この寄託者様との関係を考えながら作成しておるということでございます。もう一つの点は低温です。一般的な細菌その他の健康を害するものの増殖等は余り進まないと理解して進めております。
 今、申し上げた手引書作成の留意点を踏まえて、冷蔵倉庫での従来からの一般衛生管理という点で挙げておるのが、温度上昇による微生物の増殖、それから使用しております機器に使われる油類とか薬剤による汚染、それから扱います商品の容器・包装材料が破損した場合に考えられる異物混入。最初から言いますと、生物的な危害、化学的な危害、物理的な危害となるわけですけれども、これらに対して、我々のほうでは、まず部屋ごとに温度設定をし、温度記録をとり、厳重に管理をしておる。異常があれば、それを知らせる仕組みになっておるということ。使います各機器については日々点検・整備をしていますし、始業前点検ということも行っておるということです。貨物の状態については、倉庫業ですので、必ず目視による点検がなされておる。こういうことで今までも一般衛生管理を行ってまいりました。
 その上で、危害要因分析をしたわけでございますが、私どもは冷凍食品をつくる工場とか、そういう製造業ではありません。そういうことで、実際に食品が空気に触れて、あるいは人に触れてということは通常はないわけでございます。そういう中で考えますと、食品検査等ということは実際には必要がありません。
 もし異常が出た場合は、区分蔵置、疑わしい商品を分けて保管するということを前提にしておるということで、そういうことからすると、冷蔵倉庫業務にはCCPがないと考えております。
 あわせて行われます附帯作業についても、ほとんど低温下でなされます。ほぼ冷蔵倉庫業務と同等と考えております。一部生のものを凍結する、あるいは凍ったものを解凍するという工程もございますが、前後についてはお客様、寄託者のほうの衛生管理がなされておるという前提で行っております。当方ではその凍結・解凍時に障害になるような大きな温度変化はないと考えております。
 手引書をつくって、今、実際に実証検証をしておる最中でございます。その中で、きょう渡している手引書の一部、サンプルのところで少しわかりづらいところがあるので、現状いろんな意見を聞きながら手直しをいたしておるところでございます。
 工程等については前回説明をさせていただきましたし、御指摘を受けた点については全て修正いたしておりますので、よろしくお願いします。
○五十君座長 ただいまの資料1の御説明に関しまして御質問、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。富松委員、どうぞ。
○富松委員 質問をさせていただきたいと思います。前回の打ち合わせ会に参加できなかたので、理解が不足しているのかもしれないのですけれども、よろしくお願いします。18ページ、19ページに今、御説明のあった凍結作業と解凍作業が書いてあるのですが、その方法の中にエアブラストやコンタクト、ブライン、液化ガス、解凍方法には流水、自然解凍、マイクロ波、高周波とあるのですけれども、ちなみに、こういった方法によって危害要因が違ったり、管理方法が違ったり、気をつけるべきところが違うということはないのでしょうか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 1点ございますのは、水を使う場合です。凍結の後工程に入れております。あるいは前工程でもそうですが、洗浄とかグレーズ、要するに、氷の膜を張るときに水を使います。それについては、ここで加えて説明をいたしております。
 解凍については、流水で解凍する場合も同じように、水の使用について水道水以外についての説明をいたしております。
○富松委員 例えばマイクロ波や高周波を使って温度が上がり過ぎるといったことはないと考えてよろしいのでしょうか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 はい。一般の家庭の電子レンジのように本当に高い温度でぬくめるということはございません。プラス10度、20度と上がるような解凍ということはいたしておりません。それは後工程の流通の問題がありますので、余り上げてしまうとそこで悪い影響が出ますので、大体0度前後か、0度より下かというところまでの解凍です。
○富松委員 小規模事業者の方にとって難しいのは危害要因分析だということが前提になっていますので、個別に危害要因が違うものがあったら記載されたほうがいいと思いました。そういった意見でした。よろしくお願いします。
 以上です。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 済みません。個別の危害についても、業界団体で扱っている商品とか作業の工程というのは、それほど大きな違いがないのです。基本的に営業倉庫ですので、そこで大体統一的に理解、考えられると思っております。
○五十君座長 ほかにございますか。鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 手引書の中身はよくわかりまして、生物学的、化学的、物理的危害のところも理解ができたところですが、1つだけ。HACCPに直接どうかわからないのですが、27ページのところに入出庫ということで、商品管理、製品の管理のところがあるのですけれども、これはフードディフェンスになるのかもしれませんが、数量が少ないときは割と連絡が来ると思うのですが、多いときには、例えば荷受け、出たほうから連絡が来たりするのですか。言っている意味がわかりますか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 27ページ。
○鬼武委員 27ページに書いていますね。入出庫で商品の数を調整する。例えば倉庫業として請け負って、それから相手先の顧客に商品が行くときに、商品が少ないときは、多分相手先様のほうから今回のやつでAという冷凍品が少なかったということで、追加でということになるのでしょうけれども、多い事例、相手に数量が多く行って、それで向こうから多いから返すとか、そういうことはありますか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 実際に出庫しました、それが数がオーバーしていますよと。もちろん、人のやることですから間違いはありますが。
○鬼武委員 相手先からそういう連絡は来ますか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 来ます。でも、可能性としては、多く出た場合は、多かったよというのは少ないです。
○鬼武委員 来ないですね。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 来ないと言うと失礼に当たりますから。
○鬼武委員 そこが気になったのは、倉庫業の倉庫で違うものぐらいだったらいいのですけれども、何か悪さをするということで、1パレット多かったということになると、ちょっと困るような気がしたので、その辺が実態としてはどういうことかなと思って伺ったのです。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 正常なものと同じように扱ってお渡ししていますので、そういう意味では、商品価値がどうのこうのということは普通は考えられません。
○鬼武委員 わかりました。フードディフェンスのところでそこの注意点があるものですから、意図的に人が何か1箱入れたときに、それは多分連絡が来ないので、それがその後、消費者のところに届くと非常に困ったことになると思って、ちょっとお尋ねしました。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 わかりました。
○五十君座長 ほかに。関根委員、どうぞ。
○関根委員 読み込めていなかったら失礼なのですけれども、私が少し感じたのは、8ページに「冷蔵倉庫業にCCPがない理由」ということでおまとめいただいている内容がございます。設備的なものとかそういうことで管理するということに関しては、一律そういうものを設置してくださいということでは無理なことがあるので、難しいとは思うのですけれども、ここのページに書いてある中で、一般衛生管理的なルールに依存している、それが寄与しているのだという説明になっている項目について、3ページ、4ページのところに一般衛生管理の手順をまとめてくださっているのですが、その中にひょっとしたら十分に書き込めていないことがあるのではないかと見えました。
 例えば8ページの下、生物的危害要因という表の中に、一番最初の「人からの汚染」というところの2行目に「体調不良の者は、貨物に触れる作業から外す」と書いてあります。これを先ほどの前のページに戻って見てみると、そこまでは書いていないのです。ですから、一般衛生管理的なところでのルールでうまく危害要因を管理できているのだよという説明に該当することはこちらのほうに持ってきていただいて、こういうルールの運営に関してはどこもできますねという位置づけにしていただいたらどうか。御検討いただけたらと思います。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 御指摘のとおりでございますので、4ページの3)の(2)のところに星印をつけております。この星印は、一般衛生管理でもともとやっているのですが、強化するという印にしております。このサンプルをつけておりまして、日々健康チェックをする。その中に異常なものへの対応ということを記入できるようにしております。そういう意味で、一般衛生管理と並べておりますが、星印で強化する点とか新たに加わった点を強調しているということでございます。
○五十君座長 よろしいですか。
○関根委員 済みません。くどいようで申しわけないです。今の御説明は、どこか別のところにそういう文言も入れてあるということですか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 いえ。
○関根委員 日々の健康状態を管理するということの中に、もし体調が悪い人がいたら、その業務から外すという意味が入っているのだと。そういう御説明ですか。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 そこまではここには何も書いていませんが、サンプルを24ページに記載例ということで入れておりますが、「体調不良1名…帰宅指示」。こういう例を挙げて、強制的に帰っていただくということも含んでおります。
○関根委員 わかりました。この書類自体も、フォローとして皆様に御説明なさる機会もあるでしょうから、その辺をうまく伝えていただくということも進めていただきながら、こう書いてあればよりわかりやすいかなということで、皆様のほうでお気づきの点がありましたら、御検討いただけたらと思います。ありがとうございます。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますか。
 私のほうから1点。この手引書全体を改めて読みますと、ここの業種の一番重要なところは低温の管理をするというところで、ここの食品の管理上は確かに問題がないのですが、一番問題は、ここでいろいろ点検するという項目に温度や何かを書いてあるのですが、もしその温度計がちゃんと作動していないと、全てこれはひっくり返ってしまうのです。そうすると、例えば5ページの「1)一般衛生管理の確実な実施」で、今回強化していただく、星印のところにもしかしたら作動の温度校正とか、そういう言葉を入れておいたほうがよろしいのではないかという気がいたします。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 20ページの衛生管理要領のところでは、2の(4)のところに「校正」というのを入れてあるのですが。
○五十君座長 これを先ほどのところに出して、ここにあるよというスタイルのほうが。もしかしたらこれが一番重要なポイントになるところかなという気がいたしますので、そのあたりを追加していただければと思います。よろしくお願いします。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 承知しました。
○五十君座長 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
○(一社)日本冷蔵倉庫協会 ありがとうございました。
○五十君座長 それでは、次に参りたいと思います。資料2につきまして、事務局より御説明願いたいと思います。
○事務局 それでは、資料2のほうを御用意いただければと思います。こちらは、全国蒟蒻原料協同組合様に作成いただきました「小規模な蒟蒻粉製造者向けHACCPの考え方を取り入れた衛生管理のための手引書(案)」になります。こちらは、事務局に団体様から御相談いただきまして、本年8月に構成員の先生方と事前の意見交換を行った上で、その内容を踏まえて修正していただいた案になります。
 こちらについて、全国蒟蒻原料協同組合様から10分程度で御説明いただきたいと思いますので、御準備ができましたら、どうぞよろしくお願いいたします。
全国蒟蒻原料協同組合 全国蒟蒻原料協同組合事務局の塚本でございます。本日は、理事長の松浦も同席をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 私どもの団体の構成員は、板蒟蒻、白滝、糸蒟蒻、刺身蒟蒻など、蒟蒻製品の原料となる蒟蒻粉、蒟蒻精粉とも言いますが、製造、加工、販売を行っております。蒟蒻粉業界全体の企業数はおおよそ50社で、組合員41社、組合員外が約10社、本組合への加入率は約80%でございます。蒟蒻粉の組合員のシェアは約90%となっております。
 蒟蒻粉業界内の企業の多くは、社長、事業主兼従業員としているところが多く、従業員が5名を超えるようなところは全体の数社にとどまっております。
 手引書でございますが、8月の技術検討会での御指摘も踏まえまして、誤植修正や表現の統一、及びわかりやすい表現にして修正しております。
 5ページをお開きください。蒟蒻粉の特性でございますが、蒟蒻粉の原料に使用されるこんにゃく芋は、使用農薬が管理された国産品です。
 次ページに製造工程をお示ししてございますが、蒟蒻粉は、こんにゃく芋を洗浄、スライス(裁断)したものを火力によって乾燥し、荒粉を製造。粗い粉ではなく、昔からの業界での呼称でございまして、幅2センチメートル、長さ10センチメートル前後の短冊状のポテトチップスとお考えいただければとよろしいかと思います。荒粉を突き砕き、つまり、搗精を行い、篩過、マグネット、包装を経て蒟蒻粉製品として仕上がります。
 なお、蒟蒻の粉をつくる製粉工程では機械式と杵臼式があります。荒粉を突き砕いたり、すり潰したりと粉状に細かくすることは機械式、杵臼式でも同じでございます。
 蒟蒻粉は、そのほとんどが業者間取引、BtoBで流通します。
 本文の修正がございます。下から3行目「杵臼式があります」を「杵臼式があり、常温で流通する商品です」と改めさせていただきまして、以下、最終行の「加工されます」までは削除させていただければと思います。
 蒟蒻粉の衛生上の特性でございますが、原料のこんにゃく芋には土壌由来の微生物が存在していますが、火力乾燥していること、蒟蒻粉の水分活性が0.5以下であることから、重要な危害要因にはならないと考えております。
 また、圃場や工程由来の異物が混入する可能性がありますが、篩を通し、蒟蒻の粉をマグネットに当てることで硬質異物を除去することができます。
 こちらにつきましても本文の修正がございます。「さらに」から「起こすことはありません」までの3行でございます。蒟蒻粉製造工程でアルカリ処理をすることはございませんので、3行を削除させていただきます。
 なお、乾燥工程で使用する燃料に重油を使用しており、これにより製品から硫黄分が検出されることがありますが、基準値を守るために、燃料について、A重油・LSA重油の配合割合を確認することにより問題となることはありません。よって、危害要因分析を行った結果、重要管理点はなしとしております。
 6ページでございます。IIIで蒟蒻粉の製造工程とそれをもとにした危害要因分析をしてございます。原料の受入・保管。国産のこんにゃく芋を受け入れまして、生産者、品種、規格、重量を確認します。洗浄により土壌や石、変敗部分などの汚染物質を除去します。
 玉切機でスライスしまして、A重油・LSA重油の混合燃料で火力乾燥しまして、搗精・分級。配合で蒟蒻粉同士を均質化しまして、篩過、篩により異物を除去しまして、マグネットを設置、マグネットに当たるように蒟蒻粉を全量通過させます。
 計量・包装、保管・出荷されます。
 蒟蒻粉製造者における衛生管理は7ページ、IVにお示ししてございます。
 一般的衛生管理の徹底が重要です。
 原料に由来する病原微生物は製造工程で除去・低減され、また、異物混入は、原料の洗浄、篩、マグネットの工程で除去されます。
 衛生管理計画につきましては8ページ、衛生管理の実施記録につきましては14ページをご覧ください。
 次に、実行可能性の検証でございます。9月上旬に全国の県単位の理事長を招集しまして、衛生計画の作成・実施、記録票の各項目への記入についての説明を行い、その後、各県へ持ち帰っていただき、順次説明、実行可能性の検証を行っております。また、業者数の過半数を占めます群馬組合においても、9月下旬、10月中旬に実行可能性の検証を行いました。
 現段階での手引書を8割強の方々に説明・検証を行いました中では、古い工場では対応できず、機械の新設など設備投資をしなければならず、また、事務作業も難しくなるのではないかと身構えていました。しかし、手引書の冒頭にあるように、衛生管理を可視化、見える化するため、毎日の作業が1つ、2つふえるけれども、記録をつける、記録する、確認をとることが重要であり、この手引書であれば、我が社でも実行できる、実行可能であるとの御意見でございました。
 今後の普及につきましては、来年2月に本組合傘下組合員を対象に手引書の説明、衛生管理の再確認、記録をつける意味や必要性についての講習会を開催する予定でございます。
 以上でございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 それでは、ただいまの資料2に関する説明に関しまして、御質問、御意見等がございましたら、お願いしたいと思います。鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 事前に質問、気づいたところが3点ぐらいありました。ただ、時間的に間に合わなかったので、もし今後検討いただければということで。5ページ目に製品の概要と特性が書いてあるのですけれども、1番目は、蒟蒻粉をスライスして、洗浄して荒粉にすると書いてあるのですが、荒粉のサイズというのは、大体統一的に考えられているものかどうかというのが1点。その下のところに「常温流通品で、一般に食品添加物は使用していません」と書いてありますが、実際には製造用剤なり加工助剤ということで、SO2なり、もしくはあるアルカリ処理をするということでありますので、常温で一般に使っていませんと言いますけれども、ここは要らないのではないかなという気はしました。それは逆にないほうがいいという気がしました。
 後の製造工程のところで出てくるのですが、ここでもマグネットを通すということが書いてあるのですが、マグネットを通すという意味がよく理解できないので、そこは補足的に括弧で何ページに詳しくは書いているとか、そういうことが要るのではないかということが思われた。
 アルカリ処理のところも、具体的には添加物の水酸化カルシウムが使われると思いますので、そういうものを使うのだったら、そういうふうにして使うということで、もしここにコンパクトにまとめるのでしたら、少し補足的にしていただければいいかなと思った次第です。3点ぐらいです。もし可能であれば最終文書のところで修正していただければと思います。よろしくお願いします。
全国蒟蒻原料協同組合 持ち帰って検討させていただきます。ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますでしょうか。よろしいですか。
 私のほうからですが、8ページの管理計画の記入例という様式に具体的な例が書かれているかと思うのですが、これを見ていくと、こういった問題があったとき、どうするかということが書かれているかと思います。ずっと見ていくと、こういう不備があったときはこうしなさい、こうしましたよという例を書くようになっているのですが、例えば⑤の「篩・マグネットの管理」のところは、不備があった場合、マグネットを定位置に設置する、あるいは篩は交換すると書いてあるのですが、直接製品が動いているときにこの不備が起こって、どうしたかということを例に書いておいていただくとわかりやすいのではないかと思いますので、お願いしたいと思います。
全国蒟蒻原料協同組合 ご指摘ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
全国蒟蒻原料協同組合 ありがとうございました。
○五十君座長 続きまして、資料3につきまして、事務局より御説明をお願いしたいと思います。
○事務局 資料3は、全日本菓子協会様、全国菓子工業組合連合会様、全国和菓子協会様、一般社団法人日本洋菓子協会連合会様、協同組合全日本洋菓子工業会様のほうから御提出いただきました菓子のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理計画作成の手引書案になります。こちらにつきましては、昨年末から御相談いただきまして、本検討会の構成員の先生方と事前の意見交換を行いまして、その内容を踏まえて修正していただいた手引書案になります。
 それでは、こちらにつきまして10分程度で御説明をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
全国菓子工業組合連合会 それでは、菓子製造業の手引書案について御説明いたします。まず、表紙をめくって目次をごらんいただください。手引書は、本体部分、危害要因分析に係る参考資料部分、さらに別冊の菓子製造業における衛生管理計画(参考書式)と大きく3つに分かれております。
 本体部分につきましては、前段の衛生管理計画作成の必要性等を記載した部分と、後段の菓子製造事業者が作成する必要のある衛生管理計画例示で構成しております。
 1ページの手引書の適用範囲をごらんください。対象業種は菓子製造事業者であって、HACCPの原則・手順をそのまま実践することが困難な小規模事業所として、常時菓子の製造に従事する者がおおむね50人以下の施設を対象とします。
 菓子製造業界は大多数を占める町なかのお菓子屋さんである製造小売と、菓子メーカーと言われる製造卸からなり、総事業者数は約3万と見られますが、対象になる事業者は、数の上では9割強と思われます。
 次に、菓子類の区分及び製造工程の概略を説明します。2ページをごらんください。菓子類は極めて多種多様でございますので、製造工程の共通性に着目し、大きく5分類に区分し、後ほど御説明する危害要因分析、食品の安全を確保するための防止措置等を検討しております。具体的な区分は記載のとおりでございます。
 工程図の中で括弧書きの工程は、製品によっては必ずしも必要としない工程。太字の工程は、衛生管理上、特に留意すべき工程をあらわしております。
 17ページの菓子製造業における危害分析と防止措置をごらんいただきたいと存じます。菓子の製造工程において存在・発生の可能性のある危害要因は、生物的危害要因、化学的危害要因、物理的危害要因に分類されます。まず、菓子の製造業における食中毒の発生状況ですが、直近18年間の事例を見ますと、総件数81件のうちノロウイルス、サルモネラ属菌、ブドウ球菌の3要因で95%を占めており、分類区分で見れば、区分3の加熱後手細工加工等が入る菓子がほとんどで、区分2と5に属する菓子の事例も、表の下に※印で触れておりますが、包装の前に作業従事者が接触するものがほとんどです。
 したがいまして、菓子製造業にかかわる食中毒の発生を防止するためには、加熱等をきちんと行うことはもちろんですが、作業従事者の健康管理、清潔の維持が何よりも重要となります。
 18ページからの食中毒の発生状況に基づく菓子類の生物的危害要因と防止措置をごらんください。食中毒の原因となった病原微生物を制御する主要な手段としては、前提としての一般衛生管理の徹底に加え、温度、水分、糖度の制御などがございます。その最も有力な手段である加熱殺菌について、分類区分ごとの代表的な菓子製品をつくるための加熱条件と、生物的危害要因の生育の関係を整理したのが18ページの表です。3列目に加熱に工程の事例、右の列に生物的危害要因の死滅温度・時間を記載してございます。
 19ページをごらんください。この結果から見ますと、分類区分1~4の菓子につきましては、セレウス菌を除き過去の食中毒の原因となった生物的危害要因を無害化するのに必要となる管理基準を上回っております。したがって、これらの分類に属する菓子については、適正な製品として製造されているか否かを官能検査によりチェックすることで、HACCPの重要管理点のモニターの役割を果たしているとみなして差し支えないと考えられます。
 分類区分5の菓子については、各工程において危害要因の発生、増殖を防止するため、衛生管理手順の励行の一段の取り組みとともに、保存性を考慮した適切な包装、消費期限、賞味期限の設定が肝要になります。
 菓子に起因する食中毒事例の発生件数1、2位を占めますノロウイルスとサルモネラ属菌につきましては、その多発時期には従事者の健康管理、手指等の清潔の維持、使用機器・機材の消毒手順の励行に一段の注意が必要になります。
 セレウス菌については、自然の中に広く存在し、穀物を使用した食品中で活発に増殖することから、原料をよく洗浄する、加熱加工後は長時間常温で放置せずに速やかに低温保存する、砂糖を加え菌が増殖できないようにするなど衛生管理手順の励行が重要になります。
 次に、2)の水分・糖度等。病原微生物の活動との関係ですが、食品に含まれる水分のうち、微生物等が活動に利用できる水分の割合が0.86を下回りますと、一般的に細菌類は活動できなくなり、0.80を下回ると通常のカビ、0.65を下回ると耐乾性のカビも活動できなくなります。
 自由水を少なくするためには、製品中の水分量をできるだけ少なくする、一番代表的なものは乾燥ですが、砂糖や食塩を加えることによっても減少させることができます。
 25ページをごらんください。参考資料4には水分活性値及びpHと生物的危害要因の活動限界、参考資料5には砂糖の濃度と水分活性値の関係を示しています。
 26ページをごらんいただきたいと思います。参考資料6は、菓子の水分量と水分活性値の関係、及び菓子の分類区分を事例的に整理したものです。これらをごらんいただきますと、一般に菓子に多くの砂糖が含まれることから、その水分量と自由水の割合、すなわち水分活性値の関係は、一般に生菓子と称される水分含有量30%以上のものについては0.86を上回り、細菌類や酵母の生育が可能ですが、それ以下のものについては、その生育は不可能となり、さらに一般に干菓子と称される水分含有量10%以下のものについては0.6を下回り、耐乾性のカビの生育も不可能となります。
 20ページにお戻りください。以上の事情を踏まえた場合、20ページに「このため」ということで整理してございますが、①生菓子については適切な包装等による二次汚染の防止、適切な消費、賞味期限の設定が重要になり、②干菓子については通常の流通保管状況では病原微生物、腐敗微生物等が増殖する心配はなく、③その中間の製品については、そこで取り上げている羊羹のように、食中毒菌の増殖防止はできていますが、製品によってはカビの増殖の可能性があり、適切な包装、賞味期限の設定が重要になります。
 また、ウイルスについては、生きた細胞中では活動しませんので、加熱による消滅と消滅後の従業員等からの二次汚染防止が重要になります。
 次に、3、菓子類の異物混入の発生状況と防止措置でございます。国民生活センターの資料によれば、食品の異物混入相談件数1852件(危害情報310件)のうち、菓子類は213件、危害情報については非公表ですので不明です。異物混入防止のためには、原材料の受け入れから製品の保管に至るまでの一般衛生管理の励行が不可欠となってございます。
 21ページをごらんください。4、一般衛生管理の手順の意義の再確認についてでございます。以上、御説明した危害分析と防止措置の整理を通して明らかになったことは、菓子製造業における衛生管理は一般衛生管理の徹底いかんによるということであります。中小菓子製造業事業者が衛生管理を行うに当たっては、一般衛生管理手順の重要性を再認識し、その励行に努められるよう意識改革の徹底が必要になると結論づけてございます。
 28ページ、参考資料8をごらんいただきたいと思います。ここでは菓子の製造工程ごとに存在・発生の可能性のある危害要因について、その原因と製品の安全を確保するための防止措置を整理し、最後の列には、これから御説明します衛生管理計画例示の衛生管理手順の該当番号を記載してございます。
 ちょっと戻っていただきまして、4ページをお開きいただきたいと存じます。4ページから衛生管理計画の例示とその記載要領を整理してございます。Iの製造する菓子の分類区分及び製品名は、自社の製造する菓子について、10ページにございます一覧表に整理していただくということでございます。
 IIの菓子製造・販売に係る衛生管理手順は、1の設備、機械、器具及び従事者の衛生管理、6ページに原材料、商品及び資材の受入れにあたっての衛生管理、7ページの3、製品製造・保管の衛生管理。それから製造・小売にありましては、8ページの4、菓子の販売に係る衛生管理の各段階において必要な衛生管理手順を具体的に整理しております。
 9ページの5、菓子の製造・販売に係る衛生管理記録の作成・保存につきましては、1から4に記載した衛生管理手順の日々の実施状況を、製造につきましては別紙3、販売につきましては別紙4に記録・保存する旨、記載してございます。
 12ページは製造に係る記録の例示でございます。一日の製造作業が終了した時点で、左欄の項目ごとに問題がなかったかどうか、問題があれば当該欄に×を記入し、右欄に問題に誰がどう対応したかを記入し、問題がなければ当該欄に○を記入します。
 13ページは販売に係る記録の例示でございます。
 手引書案につきましては、製造事業者数が数人から数十人規模まで、和洋菓子等15業者で半月の実証調査を実施したところでございます。これまで衛生管理計画を作成していなかった小規模・零細事業者においても、衛生管理計画の具体的な事例が示されたので不安が解消できた、記録の作成も対応可能との結果が寄せられてございます。
 今後の普及についてでございますが、地方組織からは自分たちが説明を受けたものを会員に説明しても隔靴搔痒の感があるので、中央団体ないし行政に説明してもらいたいとの要望が寄せられており、業界内で相談する必要がございますが、行政サイドの御協力もお願いしたいと考えてございます。
 以上でございます。
○五十君座長 御説明ありがとうございました。
 ただいまの資料3の御説明に関しまして、御質問や御意見がございましたら、お願いしたいと思います。細かいことでも構いませんが、追加コメント等ありますでしょうか。では、関根委員からお願いします。
○関根委員 少し細かいことで申しわけないのですが、この手引書の中で次亜塩素酸で消毒するところが出てきます。そのときの濃度なのですが、済みません、何ページに書いてあったか出てこないのですけれども、未殺菌の卵で冷蔵のものが入ってきた場合、速やかに消毒するということが書かれていたページがあったと思いますが、そういうときの内容は、例えば事業者様はどのぐらいの濃度で殺菌すればいいのかというのは、大体御存じなのでしょうか。
全国和菓子協会 一般的に小規模・零細事業者のところにおいては、既に殺菌された卵を使用している例が圧倒的に多うございまして、これは念のために書き加えているという事例だと御理解いただいてよろしいかと思います。
 もちろん、中には鶏等の牧場から直接卵を買っているという非常にレアなケースはありますけれども、それらについてはもう習熟しておりますので、当然次亜塩素酸の濃度を適時適正に管理して衛生に携わっていると思います。
○関根委員 わかりました。
 基準というのは何なのかというのはちょっとあれですけれども、GPセンターとかでは150ppmという基準もございますので、もし悩まれる事業者様がいるようだとすると、そのような情報も追加でしていただけたりするとありがたいのかなということを感じましたというだけで。済みません。よろしくお願いいたします。
○五十君座長 では、鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 ちょっと教えてください。また細かいことで申しわけない。19ページ、それまでお菓子のところで5分類あるということで、それから分類における生物学的危害と、分類5としてノロとサルモネラとセレウスと書いてあるのですけれども、その後、何ページだったかな、具体的に食中毒の過去の、参考資料、22ページ以降を見ますと、「ぶどう球菌」があるのと、それから1例しかないのですが、結構大きな腸管出血性大腸菌が出ているような事例があるのですが、それは上の危害のところ、19ページのところにどこかの分類で追加できることは可能でしょうかというのがお尋ねしたかったこと。
 あとは、こちらのほうでは「黄色ブドウ球菌」と書いてある。表のところでは「ぶどう球菌」となっていますので、どちらかに統一していただければと思います。
 以上、2点です。
全国菓子工業組合連合会 ありがとうございます。
 ノロウイルスとサルモネラについては1、2位ということで、これは分類区分の5ということではなくて。
○鬼武委員 そういうことですね。だから、仮に下のところの過去の事例で細菌、ウイルスでこれだけの事例があって、そのことの生物学的危害のところを19ページのところに書くのでしたら、3つだけでなくて、あと2つ要るかなと思ったのですけれども。
 ここはノロとサルモネラとセレウスですね。その後のところの食中毒の事例では、そのほかにあるから、入れるのだったら、それでもいいし。
全国菓子工業組合連合会 そうですね。ごくわずかですけれども、わかりました。
○鬼武委員 ちょっと検討してみてください。1例でも患者数が多い事例もあったので、ちょっと気にはなったので、逆に言えば、それを書いて今後。
全国菓子工業組合連合会 非常に目立つ大きい2つを書いたという趣旨で掲げました。
○鬼武委員 わかりました。よければ検討してください。お願いします。
○五十君座長 では、検討、整理のほうをお願いしたいと思います。
全国菓子工業組合連合会 はい。
○五十君座長 先に朝倉委員のほうから。
○朝倉委員 詳細な危害要因分析等をされていらっしゃる旨、拝見しました。関連する点としまして、第3分類の食品の中で「非加熱材料」という言葉が使われていらっしゃるのですけれども、これは例えばフルーツであったり、そういった類いのものを示されているということでしょうか。
全国菓子工業組合連合会 そうですね。あとは、乳製品、クリームとか、そういうものも最近。洋菓子さんも非常にたくさん使われますし。
○朝倉委員 例えばそういった非加熱材料に関する取扱い、特に殺菌という観点では、言葉としては一切触れられていないように思いましたが、例えば6ページに示される一般衛生管理での対応とは思いますが、何かしら文言として触れておかれた方が良いかと思いました。この辺りはいかがでしょうか。
全国菓子工業組合連合会 まず、乳製品などについては、そもそも乳業メーカーがそこは責任を持って供給してくるということがございますので、それはそれを信用するしかないのかなと思っています。例えばクリームについて買い手で殺菌というのはできませんし、それから果物とかそういうのもありますが、それは結局、健全なもの、病気などがないものを買うというのが一つで、例えばそれの皮をむくということであれば、皮をむくときに、殺菌というよりも、それに従事する者の衛生管理が何よりも大切だと思っています。
 例えばイチゴなどの場合ですと、基本的に洗うこともできないのです。それもきちんと正常な環境でつくられたものを仕入れて使うということしかそこはやりようがないのだと思うのです。
○朝倉委員  その作業については、一般衛生管理に基づいて実施されるということですね。
全国菓子工業組合連合会 そういうことですね。そこが一番怖いと思っています。とにかく人はばい菌の塊で、人がさわるのが一番怖いと思っています。
○朝倉委員 ありがとうございます。
○五十君座長 では、富松委員、どうぞ。
○富松委員 御説明ありがとうございます。
 これだけ裾野の広いものを5つの分類にして整理していただいて、ありがたいと思います。17ページに食中毒事例を分類していただいていまが、これを読むと、ほとんどが手細工加工の段階での混入であり、二次汚染で発生していると理解できます。プリンを除くと全部そうだといえると思います。そうすると、29ページに参考資料で成形加工、前加工云々、このプロセスが最も重要だということですね。しかし、こういう書きぶりしかなかなか書けないと思うのですが、普及させていただくときには、この辺のことを強く説明していただく形でこの手順書、手引書を普及させていただければと思います。意見です。
全国菓子工業組合連合会 ありがとうございます。
○五十君座長 ほかにございますでしょうか。では、河村委員、どうぞ。
○河村委員 御説明ありがとうございました。
 聞き逃していたら申し訳ないのですが、この手引書で何カ所かのお菓子屋さんで実際に試行や検証、そういうことをやられたのがあれば、御紹介いただきたいと思います。
全国菓子工業組合連合会 東京近辺ですけれども、和洋、あめ、油菓子、米菓、合わせて15業者やりました。
○河村委員 それはこの5分類を網羅しているような形ですか。
全国菓子工業組合連合会 そうです。
○河村委員 規模的にはどのような状況ですか。
全国菓子工業組合連合会 規模的には数人、2人でやっているようなところから、30~40人のところまでいろいろございました。一定の規模の企業になると、現在、既に衛生管理のための手順書を持っているとか、それから記録なども自分のところでつくったのでやっているというところがございます。事例のところに吹き出しで記載要領を書いてございますが、そういうところについては、それがここで規定しているものを全部包含している、十分だということであれば、それをこの計画として位置づけていただいて構わないだろう、これによって新たな追加の作業をしていただく必要はないだろうということで整理してございます。
○五十君座長 ほかにございますか。どうぞ。
○畝山委員 意見です。基本的に衛生管理を非常に重視しているという書き方になっているのですけれども、これまで食中毒として報告はないのですが、アレルゲンに関しては、混入のことがちょっと書いてあるのですけれども、原材料でアレルゲンを使っているものがすごくたくさんあるのがお菓子業界だと思いますので、細かい、ほんのちょっとの部品にもちゃんとアレルゲンが使ってあるという表示、そしてそれをちゃんと伝えるというところをしっかりさせるというところをどこかに強調して書いていただけるといいかなと思います。
全国菓子工業組合連合会 例えば9ページにもございますが、菓子販売時の衛生管理ということでありますけれども、例えば食品表示のないものがありますね。食品表示があるものは、法令で決まっていますから、それできちんとやるのですが、食品表示のない商品については、アレルギー物質に関する情報を消費者に的確に説明するということをきちんとここで言ってございます。ただ、表示のあるものは、表示がきちんと行われているかどうかというのはチェック項目の中にも入ってございますし、そういうことで対応しているということでございます。
 例えば7ページの「(5)アレルギー物質など特定原材料の混入を防止するために、器具は可能な限り専用のものを使用するか、共用する場合は充分に洗浄した上で使用する。また、特定原材料を使用しない製品から製造する」ということで、アレルゲンについてはかなり気を使ってやっているつもりではございますが。
○畝山委員 資料をつけるとか、これがアレルゲンですよということを中小業者に資料として提供していただけるといいかなと。中小業者なので、特定アレルゲンと言っただけで、これですねとすぐわかるかどうかわからないので、手引の中にこういうのには注意してくださいねというコメントがあるといいかなと思った。
全国菓子工業組合連合会 わかりました。ただ、かなりふえてしまうと、それだけで嫌になってしまうものですから。実は私どもの全会員に菓子だけでまとめたもの、表示の関係の資料も全部配っていまして、その中で特定物質と特定物質に準ずるものはこれですよということで、その表示についてはこういうことをやりなさいということも全部やっていまして、この辺はお客様の健康に直接影響することなので、それでなったら、結局、自分の営業そのものに大きく影響するので、そこは十分会員もわかって気をつけているとは思います。おっしゃるとおり、さらにその辺は徹底していきたい。
全国菓子工業組合連 理解についての浸透度は相当高いと思います。
○五十君座長 そのあたりを検討していただければと思います。
 ほかにございますでしょうか。中村委員、どうぞ。
○中村委員 行政側からもぜひ御説明をというようなお話があったのですが、会員の方はどのくらいいらっしゃるのかということと、会員率、入会率がどのくらいか、もしおわかりになれば。
全国菓子工業組合連合会 なかなか難しいのですが、先ほど申し上げたように、菓子製造業全体で約3万だろう。会員は約半分ちょっとだろうと思います。いわゆるアウトサイダーの方がいらっしゃいますし、それから菓子製造業ということで3万という捉え方をしていますが、菓子を製造しているところは、例えば料理屋さんでもやっていますし、料理が主体だけれども、菓子も製造しているとか、そういうのがありますので、なかなかその辺が難しいところですね。先ほど申し上げた3万というのは、少なくとも食料品専門で菓子を製造しているところということでやっています。
○五十君座長 よろしいですか。
○中村委員 はい。
○五十君座長 大分時間が押してきましたが、ほかに御指摘がありましたら簡潔にお願いしたいと思いますが、いかがですか。よろしいですか。
 では、私のほうから先ほど出てまいりました言葉の統一の件ですが、18ページの表のマルロクに「ボツリヌス芽胞菌」と書いてあるのですが、ほかは菌名なので、統一していただいたほうがよろしいかなと思います。ここだけ「芽胞菌」という名前になってしまっているということ。
 19ページを見ていただくと、ノロとサルモネラの記載のところに、多発時期は一段注意しなさいよという表現があるのですが、これは25ページを見なさいとなっていて、その月がそれに該当すると考えればよろしいと。
全国菓子工業組合連合会 そうでございます。
○五十君座長 でしたら、その月を書いていただいてもいいのかなという気がするのですが、いかがですか。
全国菓子工業組合連合会 多発時期を明記する。
○五十君座長 はい。そのほうがわかりやすいのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。
全国菓子工業組合連合会 わかりました。
○五十君座長 ほかによろしいですか。
 どうもありがとうございました。
全国菓子工業組合連合会 ありがとうございました。
(参考人退室)
○五十君座長 それでは、続きまして、議題2の1つ目「食品衛生責任者の取扱いについて」に入りたいと思います。資料4につきまして、事務局より御説明願います。
○事務局 それでは、資料4をお手元に御準備ください。今回食品衛生法の改正を受けまして、食品の営業者の皆様に実施していただく衛生管理の基準、こちらを省令のほうで規定していくということで、前回から御検討いただいているところでございます。
 前回の資料でこの省令の骨子案のようなものをお示しいたしまして、その中に現在私どもが通知で発出している食品等事業者が実施すべき管理運営基準の中に含まれている食品衛生責任者の取扱いをどうするかということで、資料を御準備させていただいていたところです。
 前回は北海道、東京都、福岡県のほうで条例の中で食品衛生責任者をどのように位置づけて、どのように運用していらっしゃるか、その上でどういった課題があるかといったことを御紹介いただいた上で、事務局のほうから今後省令で示す基準の中で食品衛生責任者をどういうふうに取り扱っていくかということで、あらあらの方針案をお示しさせていただいたところでございます。
 その案につきまして、前回構成員の先生方からさまざまな御指摘とか御質問をいただきましたので、それを踏まえて、さらにどういった方針で対応していくべきかということを示したものが資料4になります。
 資料4のほうで御説明させていただきますと、まず食品衛生責任者を置く施設の対象者でございますが、事務局としては、衛生管理計画の作成が求められる営業許可対象事業者と届出対象者、事業者を含めて、全ての営業者の方に食品衛生責任者を置いていただくということでどうかということで、案をお示ししたところです。その際、構成員の先生方から、1回の提供食数とか提供対象者といったリスクから考えれば、学校給食ですとか病院給食等の施設は営業者ということではなく、食品衛生法の中で準用施設ということで、営業に準じる形で取り扱っているものですけれども、こちらの給食施設についても食品衛生責任者の設置を求める対象にしてはどうかといった御指摘をいただいたところでございます。
 右が対応方針案なのですが、一口に給食施設と申しましても、さまざまな提供食数とか提供頻度の施設があるところかと思いますので、こういった準用施設の取り扱いにつきましては、現在食品の営業許可とか届出制度の検討を行っております食品の営業規制に関する検討会のほうで引き続き検討する必要があるのではないかと考えております。
 続きまして、2段目の資格要件でございます。こちらにつきましては、現在各都道府県の知事等が実施する養成講習会の受講修了者とするということになってございまして、こちらも現行と同様に取り扱ってはどうかということ。
 それから、養成講習会の受講免除の要件ということを私どもの通知のほうでもお示ししているのですが、こちらについても引き続き同様に、一定の要件を満たす方については養成講習会の受講を免除してはどうかということを考えております。
 特にこちらについては御指摘とか御質問がなかったですけれども、対応方針案のところにおりますように、養成講習会の受講が免除されますのは、食品衛生法に基づく資格であります食品衛生監視員、食品衛生管理者を取得するための要件を満たしている方ですとか、一定の資格を有する者ということで、そこに括弧で書いてございますけれども、栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士等としてはいかがかということで御提案をしております。きょうは机上配付ということで、構成員の先生方だけに配付しているのですが、今、ここで挙げました栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士について、それぞれの制度について簡単な御説明を1枚紙でお配りしております。それぞれの制度、栄養士法ですとか調理師法ですとか、各法令に基づいた資格になっているのですが、それぞれの資格は養成施設の修了者であるとか、ある程度実務経験を積んだ上で資格試験を合格した者であるとか、いろいろな形態があるのですけれども、いずれにしましても、養成施設の教育内容ですとか、資格試験の試験科目のほうにも食品衛生学であるとか、公衆衛生学であるといった内容が含まれておりまして、一定以上の食品衛生学、公衆衛生学についての知識を有している方として、養成講習会の受講は免除してはいかがかということで考えております。
 続きまして、食品衛生責任者の養成講習会については、現行も厚生労働省の通知のほうで標準プログラムということで、公衆衛生学1時間、衛生法規に関する講義が2時間、食品衛生学に関する講義が3時間、計6時間程度といった標準プログラムをお示ししているのですが、こちらも現行同様にこういった標準プログラムを厚生労働省のほうからお示しすることではいかがかということで考えております。
 いずれかの自治体でこういった養成講習会を受講して修了した方は、こういった標準プログラムに基づいて修了している方ですので、ほかの自治体でも食品衛生責任者として認められることとするとしてはいかがかということで考えております。
 これにつきまして、前回いろいろいただいた御指摘ですが、1つ目が、対象業種を届出業種にまでふやした場合には現在より受講者が増加することが見込まれるが、自治体のほうで対応できるのかということ。それから、現在教室型のスクール形式でこういった講習会を開いていらっしゃるのがほとんどかと思うのですけれども、このようなやり方で実施し続けてよいのかといった御意見。それから養成講習会をe-ラーニングでやるといったアイデアもあるかと思うのですが、ある意味資格要件になるので、e-ラーニングだけでは本人確認ですとか理解度の確認とか、ちょっと限界があるのではないかといった御意見をいただいたところです。
 右側に対応方針案といたしまして記載させていただいておりますが、講習会の方式はスクール形式に限定されずに、e-ラーニングによる受講も可能とするなど、受講者の方の受講機会を確保して受講しやすい環境を提供するということが重要ではないかと考えております。
 e-ラーニングの受講について、本人確認をどこまでやるのかという話もあるかと思うのですけれども、これにつきましては、実際に営業許可の申請・交付時とか、届出時、通常の立入検査の機会に確認していただくといったことではいかがかと考えております。
 理解度については、e-ラーニングに限らず、スクール形式でも同様かと思うのですが、講習中とか修了時に適切に理解度を確認するといったことを内容に含んでいってはいかがかと考えております。
 4段目の実務講習会ということで、現在も通知のほうでこういった食品衛生責任者については、食品衛生に関する知識のアップデートを図っていただくために、定期的な講習会の受講についてお願いしているところですが、これも引き続きそういった内容を規定してはいかがかと考えております。
 それについていただいた御意見として、受講のタイミングをどうするのかということ。年に1回受講するようにとするとか、営業許可であれば更新時に受講していただくのか、こういった取り扱いをどうするのかといった御意見。それから、先ほどの養成講習会と同様に、教室型だけでいいのか、e-ラーニング等を活用できないのか、そういった御意見をいただいたところです。
 この受講のタイミングについては、いろんなやり方があるかもしれないのですが、例えば営業許可の届出対象者についても、5年に1回といったような一定の期間に少なくとも1回受講していただくといったことを規定してはいかがかと考えております。
 ただし、そこに記載しておりますように、通常食品衛生監視員による監視指導を行っていただいているかと思うのですが、そういったときの監視の成績が非常にいい施設については、例えば講習会の受講を免除できる等、こういった弾力的な運用といったものも検討してはいかがかと考えております。
 講習会の形式については、養成講習会と同様、教室型のほかに、e-ラーニング等による受講も可能とするなど、受講機会を確保するといったことが重要と考えております。
 最後にその他というところで、こういった養成講習会、実務者講習会を受講しなければいけないということを周知・啓発していくことが重要ではないかという御意見をいただいたところでございますが、これにつきましては、今後食品衛生法の制度改正の説明会等の機会もございますので、そういった機会を捉えて、食品衛生責任者の設置、講習会の受講の必要性についてもあわせて周知を行っていきたいと考えております。
 資料4の御説明については以上です。
○五十君座長 ありがとうございました。
 ただいまの資料4の説明に関しまして御質問や御意見がございましたら、お願いしたいと思います。鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 前回から今回、2回目だと思いますけれども、実際に実務講習会ということで、一つは一般的に非常にレベルが高いところは弾力的に免除、フレキシブルにやるということがあるのですが、逆に事故が頻繁に起こるとか、衛生管理、それは強化するというのは必要ないですか。片一方だけ書くのはどうもバランスが悪いような気はしたのだけれども、そこだけというのは。これは意見です。今までそういうのはなかったかもしれませんが、そういう気がちょっとしました。これを読んでいて、今、気がついたのです。難しいようだったら、別にあれですけれども、そういう気はしました。
 以上です。
○道野食品監視安全課長 ただ、食中毒を起こしたところというのは、個別に自治体のほうで行政処分、それから従業員教育ということで対応しておられるのではないかと思います。その辺とのバランスもあるのかなと思うのですが、実態について御紹介いただければありがたいのですけれども。
○五十君座長 では、東京都、いかがですか。
○中村委員 実際に事故を起こしますと監視頻度を上げています。実際食中毒を起こしますと、1年間は毎月行っています。
○五十君座長 基本的にはどこの自治体もそのような。
○中村委員 少なくとも監視頻度を上げているのではないかと思いますけれども。
○五十君座長 河村委員、どうですか。
○河村委員 監視もそうですし、行政処分として営業停止などをかけた間に従業員の衛生教育というのを行いますので、課長のおっしゃたような対応はしております。
○道野食品監視安全課長 言ってみれば、再試験みたいなものというのは、教育という観点からも。責任者の場合、十分な知識をつけてもらうということが目的。ペナルティーではないので、そういう意味でも事業者の方に対する教育の機会というか、情報を提供する機会というのは、食中毒とか事故が発生した場合には機会を設けておられるという実態という理解でよろしいのでしょうか。
○五十君座長 そのあたりをここに明示するかどうかということになるわけですね。
 よろしいですか。
○鬼武委員 はい。
○五十君座長 ほかにコメント。中村委員、どうぞ。
○中村委員 まとめていただきまして、ありがとうございます。
 気になるのが養成講習会のところなのです。e-ラーニングというのは非常に効率的に受講ができるいい方法だと思うのですが、確実に御本人が受けていただいて、中身を理解していただいているのかどうかというのはきちんと確認しませんと、ここがスタートになりますので。許可の申請の際とか、許可書の交付とか届出の際に確認をしてくださいねということですが、受講されましたか、はい、受講しましたと。ただ単にそれでいいのだろうかということです。ですから、ある程度理解度の確認テストみたいなものを受けていただいて、御本人が確実に理解をされているといったことを確認した上で、受講済み証みたいなものを出す。そういうものがないと、恐らく全国どこでも使いますよということなので、そういったあかしというのも必要なのかなと思っています。
 同じように、実務講習会のほうもe-ラーニングをちゃんと受けましたと確認するような手段が必要なのかなと思っています。
 優良なところは実務講習会を免除してもいいのではないかということですが、では、優良、不良の判断はどこでするのかということです。この辺がばらつきますといろいろと問題があるかと思いますので、その辺のメルクマールというのもぜひお示しいただきたいということ。
 最後に、e-ラーニング導入という話を我々の自治体でも議論することがあるのですが、ネット弱者の方もいらっしゃるので、そういう方への配慮もぜひ忘れないでということを必ず言われますので、ネット環境を使えない方がいるということも前提に、必ずネットと紙申請の両方の方法をということで、e-ラーニングに限定するようなことはしないでいただきたいと思っています。
 以上です。
○五十君座長 事務局、何かありますか。
○道野食品監視安全課長 恐らく受講者証というのは今も発行していらっしゃると思います。できればこういった許可手続、届出手続等をシステム化するということもありますので、そちらのほうで実際に受けた人かということの確認などもデータ的にフォローできるようにしていくということも必要なのかなと考えています。
 優良施設の話は、結局、自治体の立入検査のときの点数ということが基本になってくるだろうと思います。ただ、HACCPの制度化ということもあって、採点基準とかその辺は今後再整理する必要がありますけれども、そういったものを活用していく。点数が高いのをとったほうが、もちろん衛生管理がいいということを認められるということもありますが、それ以外のインセンティブを持っていくというのも大事だと思います。
 また、以前の法改正の検討の際にも、そういったデータというものを対外的に公開するという要求もありましたが、公開ということだけではなくて、インセンティブを与えるという意味で事業者に対してのメリットを置いていけるというのもあるのではないかと考えています。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかに。河村委員、どうぞ。
○河村委員 e-ラーニングの関係です。e-ラーニングが導入されるとすると、それは国のほうでサイトのようなものをつくって、受ける人はそこに入って受講するというようなイメージなのですか。それとも、今、各自治体ごとに講習会を開催していますけれども、e-ラーニングも各自治体でそういうのをつくりなさいというイメージなのか。その辺があればお教えください。
○道野食品監視安全課長 特に国のほうで準備するということは考えていません。ただ、実態的に申すと、例えば養成講習会に関しては、委託している自治体が多いということです。委託の要件にするとか、そういったことで、要は、広く受講機会を確保できるという体制を考えていくということが重要なのかなと考えています。
○五十君座長 ほかにありますか。
 今、ちょうど自治体からの委託ということが出たのですが、養成講習会あるいは実務講習会は、基本的に自治体が開催するという理解でよろしいのですか。例えば民間あるいは団体等々がやるものについて、どこまで許容していくというか、そのあたりは何かありますでしょうか。
○道野食品監視安全課長 養成講習会、実務講習会、現状のことで申しますと、国のガイドラインがあって、それで自治体のほうで条例化されている。その中で、もちろん自治体事業なのですが、それを委託するというのは一般的に行われていると認識しております。もちろん、一部の自治体においては、特に実務講習会などは割とトピックな内容になってくるので、委託せずに、みずからやっておられるという自治体もあると思いますけれども、委託自体についての制限というのはありませんし、まさにそれは地方の事情に応じてやっていただければいいのではないか。国のほうとしては、そのプログラムの標準化ということだけきちっと確保できていればいいと考えております。
○五十君座長 ありがとうございます。
 ほかに。河村委員、どうぞ。
○河村委員 プログラムを標準化するということと、資格要件についてもこれで一つ平準化されることになるのかと思うのですけれども、例えば北海道で言えば、一部の販売業については資格要件を設けずに、責任者を置きなさいとしております。そういう自治体の裁量の部分は今後も残っていくのか。そうではなくて、どの業者もこういう資格要件の責任者を置きなさいというような規定になるか、その辺りのイメージがあれば。
○道野食品監視安全課長 一般論としてお答えするのは難しいのですが、基本的には省令で衛生管理基準というのは決めます。もちろん内容に反しない範囲で条例制定というのは可能ということしか今のところ。また個別に同等ではないかということが整理できればいいのだと思いますし、もしもそういう具体的なものがあるのであれば、あらかじめこの制度の中に組み込むというほうがさらにいいのではないかと思いますので、この資格に限らず御提案いただければありがたいと考えています。
○五十君座長 よろしいですか。
○河村委員 もう一点だけ済みません。実務講習会の関係ですが、今のガイドラインでは、新しい知識の習得に努めることということで、努力規定の形になっていて、実際は受講率を上げるのにどの自治体も苦慮しているというところがありますので、今後はもう少し強目の規定にできるかというところも、イメージがあればと思ったのですけれども。
○道野食品監視安全課長 実効性をどう担保していくかという問題はあるのですが、きょうお示しさせていただいた資料の内容としては、一定期間に1回、例えば5年に1回受講することを定めるとしています。食品の衛生の関係の情報というのは、毎年というのはなかなか厳しいのではないかと思います。5年に一度ということになると、かなり状況も変わってくるということもございます。そういったことで、事務局としては5年を一つの議論の目安として提案させていただいた上で、受講することを定めるというふうなことで整理をさせていただいたということであります。
○五十君座長 よろしいですか。
 ほかに。中村委員。
○中村委員 今の実務講習会の回数なのですが、5年に1回と言ってしまうと、1回受ければいいやという形になってしまうのです。法改正があったり、いろんな大事故があったりして、緊急に講習会をやらなければいけないという場面があると思うので、できれば5年に1回以上という形にしておいていただけると、必要に応じてできるのかなと思いますので、ちょっと規定の仕方を考えていただければと思います。
○五十君座長 どうぞ。
○道野食品監視安全課長 もちろん、自治体によって意欲のある自治体には積極的にお仕事をしていただけるように検討したいです。
○五十君座長 今の件に関係して、届出対象事業者について、その頻度が本当に必要かなというのがちょっとあれなのですが、届出も許可も同列でということに行かざるを得ないのでしょうか。
○道野食品監視安全課長 管理計画をつくっていただくというラインで責任者を置いていただくというふうに考えています。許可と届出の間に線を引こうと思うと、許可というのは、制度上、施設基準で担保することが必要な営業ということですので、ソフトの位置づけで置いて、ソフトの管理で置いている責任者の要、不要を整理するには、ちょっと理屈がないのかなと考えております。そういったことで、やはり管理計画を作成するのに必要な知識を身につけていただくということで、こういった形で届出の事業者の方も対象とするという案にしているという考えであります。
○五十君座長 といいますのは、恐らく施設基準等があるということは、リスク的に考えた場合にそういったものが必要だという議論があって、こういう形で来ているという考え方で理解していたのですが、それに該当しなかったものは、今まで特にそういったのがなかったところに、リスクベースで考えるとそれほど重要性はないだろうというところで、理解していただくために、許可と同列に講習会も何回も受けろとかそういうことになると、運用上の遵守の問題で、だったら届けないでやってしまおうみたいな、そういうことになりかねないのではないか。逆に守られないことが出てきてしまうほうが、遵守率というか、そちらも少し考えていかないといけないかなというので、コメントを入れさせていただきました。そのあたりは今後考えていただければと思います。
 ほかにありますでしょうか。よろしいですか。
 では、次に進みたいと思います。それでは、続きまして、議題2の2つ目「自主回収の報告制度の運用の考え方について」の議論に入りたいと思います。資料5について、事務局より御説明願います。
○事務局 そうしましたら、資料5で説明させていただきます。「自主回収の報告制度の運用の考え方について」ということでございますが、第5回の検討会の中で「食品のリコール情報の報告制度の創設」の内容を御説明させていただきました。その際に委員の先生方から、既に同じようなリコールのクラス分けについては薬機法で運用されているという実態がありますので、薬機法を参考にクラス分けを検討してはどうかということと、あと、前回お示しした資料の中で、クラス分類の説明の内容と例示が一致していないのではないかという御指摘がありましたので、その御指摘を踏まえて今回資料を作成しております。
 資料の2ページ目は、食品のリコール情報の報告制度のクラス分類フロー(案)ということでございます。薬機法と米国の制度を参考に案を作成しております。まず、報告の対象ですが、食品衛生法に違反する食品と食品衛生法違反のおそれがある食品を対象範囲として示しておりまして、これは前回御説明をしているところでございます。
 報告があったものについては、基本的に食品衛生法6条の違反や10条、11条、16条、18条の違反というものが想定されているのですが、この報告されたものについては、基本的に全てClassIIに分類してはどうかと考えております。これは薬機法の考え方を参考にしておりまして、薬機法でも報告されたものについて、まずは、全てClassIIに分類するという運用になってございます。
 その運用の内容は、喫食により重篤な健康被害または死亡の原因となり得る可能性が高い食品というものについては、ClassIに再分類していこうということでございます。主に食衛法の6条に違反するような食品を想定しているということでございまして、例としては腸管出血性大腸菌に汚染された生食用の野菜とか、ナチュラルチーズなどのように加熱せずに喫食する食品とか、あとボツリヌス菌に汚染された容器包装詰めの食品とか、有毒魚として魚種不明のフグとか、シガテラ魚とか、あと、硬質物、ガラス片とかプラスチック片が混入したような食品というものをClassIに分類してはどうかと考えております。
 ClassIIについては、喫食により重篤な健康被害または死亡の原因となり得る可能性が低い食品ということで、例としては一般細菌とか大腸菌群などの成分規格に不適合な食品とか、急性参照用量を超えない農薬が残留した野菜とか果物を考えております。
 一旦ClassIIに分類した後に喫食により健康被害の可能性がないと判断されるような食品についてはClassIIIとし、全体で3分類にしてはどうかと考えておりまして、具体的なClassⅢの食品の例としては、既に安全性が確認されているような添加物の使用基準違反ということで、対象ではない食品に使ってしまったとか、そういったものを考えております。
 3ページ目です。このクラス分類の内容について、薬機法と米国で既に先行して運用されていますので、その関係を比較しまして、食品衛生法での考え方の案を示してございます。読み上げますと、薬機法のClassIというものの中に「その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況をいう」と規定をされております。
 米国のUSDAですけれども、「クラスIのリコールは、食品の摂取が健康上の問題または死亡を引き起こす可能性を伴う状況のもの」ということでございまして、食品の例としては、チキンサラダがリステリアに汚染されているとか、生ハムがサルモネラに汚染されているとか、鶏肉製品に抗生物質が混入しているとか、あとはチキンスープに卵とか乳、小麦のアレルギーの表示がなかったというものがClassIに分類されてございます。
 こういった内容を踏まえて、食品衛生法の考え方の案としては、「喫食により重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る可能性が高い食品」としてはどうかと考えております。
 ClassIIですけれども、薬機法の中では「その製品の使用等が、一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況又はその製品の使用等による重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況をいう」と規定されております。
 米国のUSDAでは「クラスIIのリコールは、食品の摂取による健康への悪影響の可能性が否定できない状況のもの」と規定されておりまして、食品の例としては、キャットフィッシュからマラカイトグリーンが検出したというものとか、ピザに大豆レシチンのアレルゲンの表示がないといったものが分類されてございます。
 これを踏まえて、食品衛生法の考え方の案としては、「喫食により重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る可能性が低い食品等」としてはどうかと考えてございます。これは薬機法の中では一時的なもしくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性がある状況というものがあるのですけれども、医薬品の場合は薬に含まれる有効成分がコントロールされているという前提がありますので、投与量から治癒可能か否かというのをある程度判断できるのではないかと考えられます。
 一方、食品の場合は、汚染の程度とか、喫食量がさまざまですので、今回米国のUSDAの例を参考に規定をさせてもらっております。
 ClassIIIですが、薬機法ですけれども、「その製品の使用等が、健康被害の原因となるとはまず考えられない状況をいう」ということでございます。
 米国のUSDAですけれども、「クラスIIIのリコールは、食品を摂取しても健康に悪影響を及ぼさない状況のもの」ということで、牛肉の加工品に軟質の異物が混入しているようなものとか、ソーセージのブランド名の印字ミスとか、こういったものがClassIIIに分類をされてございます。
 食衛法の考え方の案としては、「喫食により健康被害の可能性が無い食品等」としてはどうかと考えてございます。
 説明は以上です。
○五十君座長 それでは、ただいまの資料5の御説明に関しまして御質問、御意見がございましたら、お願いしたいと思います。どうぞ。
○畝山委員 2ページ目のClassIIの「急性参照容量を超えない農薬」の容量の「容」の字が間違っています。それはいいのですが、急性参照用量あるいはADIを超えないものは、基本的に健康被害を起こす可能性はないというふうに評価されたものですので、クラスとしてはIIIになるはずです。というのは、添加物の使用基準違反もそうですから、ADIが設定されているものに関しては、ADIあるいはARfDを超えないのであれば、それは健康被害が出るはずがないというふうに評価したものなので、それはClassIIIと考えられるべきだと思います。
 残留農薬に関しては、基本ARfDなりADIで評価して、安全上に問題がなければIIIで、普通の違反はII、そしてIになるとしたら、これは農薬として使ったものというよりは、意図的、アクリフーズの混入みたいな場合はIになると。そういう大まかな分類になると思います。
 ClassIの代表的なものとしては、世界中そうなのですが、圧倒的にアレルゲンなので、これはアレルギーの不表示、不足というか、混入あるいは不表示というのが例として一番多く、真っ先に書いてほしいと思います。
○五十君座長 何かありますか。
○道野食品監視安全課長 農薬の件については、そのように修正をしたいと思います。
 アレルゲンの問題というのは、海外でもそうですが、表示がなかったということになるわけです。表示の基準は、食品の場合には食品表示法に規定をされています。食品表示法の改正については、現在消費者庁のほうで検討されています。仮に改正がされた場合には、このシステムで共用でやっていきましょうということになっていますので、表示の制度整備ができた段階で、この資料についても御指摘を踏まえて修正を検討していきたいと思います。
○五十君座長 よろしいですか。
○畝山委員 はい。
○五十君座長 ほかに。鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 質問があります。前回のときに、今回のタイトルですけれども、リコール制度、食品衛生法にかかわる違反のクラス分類をするというのがここの大きな目標だと思うのですが、資料5のタイトルが「自主回収の報告制度の運用の考え方」となっているのは、どうしてこうなっていたのでしたか。今までが各地方自治体で自主回収とか。言葉が2つ出てきて、ちょっと紛らわしく感じたのですが、法律上、何か。
○道野食品監視安全課長 法律上は、日本語で自主回収という用語に近い言葉で規定をしています。制度の説明の際に、食品等のリコール情報の報告制度というふうに、両方用いています。
 資料のタイトルとか、一般の方への説明に使っている用語としては、食品等のリコール情報と。自主的に回収する場合などという表現をとる。基本的に条文はそういった条文で整理しています。
○鬼武委員 わかりました。私がちょっと誤解していたものがあるのですけれども、事業者が対応するときに、法律には違反していないのだけれども、自分たちで「自主回収」という言葉を使っているので、今、道野課長から説明があった法律のところは、今後その制度の説明のどこかに入れていただいたほうが。事業者が一番苦労しているのは自主的に判断する回収というので、多分意味合いが違うと思うので、言葉としての本来の意味は考慮していただいたほうがいいと感じましたので、よろしくお願いいたします。
○道野食品監視安全課長 はい。
○五十君座長 ほかにございますでしょうか。では、中村委員からどうぞ。
○中村委員 今、鬼武委員からもあったのですが、いわゆる法で決めた義務的な報告というのはこれでいいと思うのです。報告しなければ罰則もあるということなので、法に違反するものを対象とするのはいい考え方だと思うのですが、今、鬼武委員のほうからもあったように、これにかかわらない自主回収というのが結構あるのです。
 東京都の場合、条例で既に報告制度というのをやっていますけれども、一番多いのは変質というものです。カビが生えてしまった、異味、異臭です。それも結局は衛生管理の不備によってカビが生えたとか、一般細菌がふえてしまって異味・異臭が発生したということなので、あながち衛生状態がいいというものでもないので、消費者としてはそういう回収情報があったら教えてもらいたいという意見も実はある中で、こういった義務的な報告とは別に、任意の報告としてお知らせするような制度があってもいいのかなと思っています。せっかくシステムを使うのであれば、そのシステムを使って任意の報告として知らせるというツールがあってもいいのかなと思っています。
 薬機法のほうですと、例えばClassIの場合は、事前に連絡をしてくださいねという制度があるのですが、特に異物などの場合ですと、6条に該当するかどうか、結構迷う場合もあると思うのです。ですから、食品衛生法の制度も、できればClassIについては事前に連絡を入れてもらうという運用をしていただきたい。それをさらに言うと、例えば夜間・休日に発生することもあるわけです。そうすると、システムには入れましたよと言っても、我々自治体が気づくのがおくれるということもあろうかと思いますので、特にClassIについてはできるだけ事前に入れるという運用をお願いしたいと思います。
 以上です。
○五十君座長 では、富松委員、どうぞ。
○富松委員 今の話と少しかぶるところですが、I、II、III以外にここに入らない回収もあります。少なくともClassIIIも報告の義務があるという理解でよろしいわけですね。健康被害がないものもでも報告が必要ということですね。
○道野食品監視安全課長 もちろん、食品衛生法違反ですからね。
○富松委員 この中でClassI、ClassII、ClassIII、それから先ほどの変質とか、微妙なクラスの分類は、事業者に決めさせるのは難しかろうなと思います。例えば薬機法であれば、こういう案件がありましたというのを持っていって、薬務課とかPMDAとかで判断してもらったりしているのですけれども、こういうものの判断は事業者がやるものなのでしょうか。それとも保健所さんに相談に行って分類してもらうものなのでしょうかということをお伺いしたいと思いました。
 もう一つ、もう既にたくさんの自治体が自主回収報告制度を行っていらっしゃいますが、これと随分違うものができて、両方に報告しなくてはいけない状況というのは起こり得るのでしょうかというところをお伺いしたいと思いました。
○五十君座長 事務局、お願いします。
○道野食品監視安全課長 この報告制度の対象というのは、あくまで食品衛生法に基づく制度なので、食品衛生法に関係ないものを求めるというのは無理です。それはリスクコミュニケーションの観点からもおかしなことになるのではないかと思われます。実はそういった議論もあってこの規定自体はつくられているということがございます。
 クラス分けについては、基本的に行政側で行うということになるわけです。ただ、行政側もオールマイティーではない。ClassIIに分類するというのは、結果的にIにもIIIにも行きにくいなというのは、最後IIに残っているのだろうということがあります。それがないと、IとIIとIIIのクライテリアだけあると、どれかと判断に迷うようなこともあるだろうと。まずIIに仮置きした上で、IかIIIかということが判断できるときは判断していこうということで、せっかく報告されたものをどれに分類しようと持ったまま時間がたってしまうのでは意味がない。そういった運用部分についても御説明をしたという趣旨であります。行政側がそういったことについて対処していくというのが基本と考えております。
 中村課長からあったあらかじめというのは、もちろんそういうことだと思います。今、多くの企業の方は、事前に保健所に相談されているケースが多いのではないかと思います。いずれにしましても、いきなり報告というのもあるのか、それは現場の事情にもよると思いますが、あらかじめ相談していただくことが望ましいというのは、確かにそうだと思います。
○五十君座長 よろしいですか。
○富松委員  自治体の自主回収報告制度についてはどうなりますか。
○道野食品監視安全課長 もう一点。既存の制度。基本的には自治体の条例で定めている制度も踏まえた上で、私どもとしては法律に基づく制度としてこういった制度が適切ではないかということで対応してきたわけでございます。そういった趣旨を踏まえて、自治体のほうで現行の制度については見直しをしていただけるのではないかと考えています。
○五十君座長 富松委員、よろしいですか。
○富松委員 両方あるということもあり得るということですね。
○道野食品監視安全課長 逆ですね。
○五十君座長 では、関根委員、どうぞ。
○関根委員 私が理解するのに難しいかなと感じるところが、例えば「喫食により重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る可能性が高い食品」と書いてくださっている定義のところは、I、II、IIIを分けるとしたらこうなのだろうなという感じはするのですけれども、その下の説明、例えば括弧の中、これだと6条だけがClassIと読めてしまう感じがするのですが、私は全ての事例を把握しているわけではないのですけれども、例えば食品と添加物だけというイメージになってきていいのか、包材とか容器ということは本当になくていいのかということもあるので、括弧の中とか下の例というのが本当にこの定義の分類にふさわしい説明になっているのかなというのは、ちょっとぴんとこない感じがします。
 ただ、申しわけないですが、ClassI、II、IIIという定義としてはこうなるのではないのかなという感じはします。例えばClassIIIというところで「添加物の使用基準違反食品」と書いてありますけれども、これが全ての場合で健康被害の可能性が全くない食品となるのか。事例として本当にこれがふさわしいのかというのは、ぴんとこないような感じがします。ただ、繰り返しになりますが、大もとの定義の分類は、この3つの書き方で妥当なのではないかという感じがします。
○五十君座長 事務局から何か。
○道野食品監視安全課長 これはあくまで例なのですけれども、適切な例があれば、また御提案いただければと思います。条文が入れてあるのはどうしてかというと、どうしても行政側が判断するので、そういった意味で分類しやすくしているということがあります。食品衛生法の6条というのは、有毒有害物質を含む食品であるとか、病原微生物を含む食品であるとか、そういったものですので、例えば今、ClassIIIに書いてある添加物の使用基準違反食品についても、先ほど畝山先生も少し触れておられましたが、ADIとか、もしくは急性参照用量を大幅に超えるものが入っていれば、これはIになる。6条違反に該当してしまうわけです。だから、必然的にClassIになるので、法律の条文がかえってコンフュージングなのかもしれないですけれども、法律の仕組みというのは一応そういうにふうになっています。
 ある程度危害が発生するようなものを販売規制しているのが6条なのです。条文を見ていただくと、大体クラス分けの定義と似たり寄ったりというか、意味合いが近いものだということは御理解いただけるのではないかと思います。
 器具・容器の件については、ないとは言えないと思いますし、何か具体的な例があれば、例示としても挙げていければいいかなと思います。
○五十君座長 今の点に関係して、細かい表現の話ですが、ClassIIIのところに「可能性が無い食品」と書いてしまっていると、食品ゼロ・トレランスはないよと一方で言っているので、「ほぼ無い食品」にしたほうがよろしいのではないかなと思います。
 ClassIの例示のところでアメリカの例が出ています。アメリカは、チキンサラダ(リステリア汚染)、生ハム(サルモネラ汚染)、この辺をこういったクラスにしているというのですが、日本はこのあたりはどうするのですか。
道野食品監視安全課長 大体こんなものです。
○五十君座長 同じに行くのですか。
○道野食品監視安全課長 要するに、例示をどう書くかだけの話ですから。これを書けとおっしゃるのであれば、書きますし。
○五十君座長というのは、リステリアの基準がアメリカと日本は違うわけです。日本の場合100で、設定される食品が2つで基準違反となっていって、それ以外から出た場合、100を下回っているのは基準違反でないのにClassIに入ってしまうということにはならないですか。
○道野食品監視安全課長 ならないです。だから、このクラス分けは条文に従って書いているわけです。あえて案の段階でリステリアと書いていたのですけれども、消しました。リステリアに関しては、11条基準のものと別途6条の判断基準も冷凍食品については設定をしています。したがって、そういった判断基準に照らして6条になるのか、11条になるのかということで位置づけは変わってきています。ですから、適切な例があって、これはやはりここに入れておくべきだというのがあれば、ぜひ御指示いただければ、そこは記載したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○五十君座長 一番迷うところが自治体の実際のリコールのところで、どちらのクラス分けなのかということになるのではないかなというイメージがしたものですから、ちょっと確認したのですが、例示については、これからまだ議論すると捉えてよろしいということですね。
○道野食品監視安全課長 いや、余り効率がいいとは思えないので、後でメーメでも結構ですし、そういった形で専門的なお立場からこういったものはどうかということはやっていただければいいのだと思います。ここの会議で時間をとって議論をするのもどうかと思いますので、その辺はぜひ専門的見地から御意見をいただければと思います。
○五十君座長 わかりました。
 では、何か。鬼武委員、どうぞ。
○鬼武委員 今回の薬機法とアメリカのこのクラス分けは、私も前回もシンプルにということで、いいと思うのですけれども、後で資料をお渡ししますので、EUがRapid Alert System for Food and Feedのところは、警告、Alert Notificationと注意喚起、国を越える通関拒否通知とかフォローアップ通知とか5つ、もう御存じのとおりだと思いますが、そこの分類があって、Rapid Alert Systemは結構古い仕組みで、報告書とレポートがきっちり出ていて、ことしバージョン6になって、これは情報提供ということで、その中にStandard Operating Procedures for the Rapid Alert System for Food and Feed、これは標準的な作業手順のところの情報だよということで、EUのDG SANCOでまだ決めてはいないのだけれども、今までの事例をずっと鑑みて、アラートの部分だとこういうリスクがあってということで、そこに先ほど言ったAcute Reference Doseの件はシリアスのリスクになる、アクションとして必要だとか、いろいろ事例があって、ひょっとしたらそこは参考になるかもしれないので。私はまだ読んでいないのですが、これを事務局にお渡ししますので、それも参考にしていただければいいかなと思います。ぜひお願いしたいと思います。
 以上です。
○五十君座長 大分時間が押してまいりましたので、御意見があるようでしたら簡潔にお願いしたいと思いますが、いかがですか。よろしいですか。
 それでは、ありがとうございました。
 本日構成員の先生方からいただきました御意見や御質問を踏まえて、次回以降事務局のほうで資料を御用意いただきまして、さらに議論を深めていきたいと思います。
 そのほかに事務局からありますでしょうか。
○事務局 特にはございませんが、次回第8回の開催につきましては、また改めて御案内させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○五十君座長 それでは、本日の検討会はこれで終了いたします。長時間の御討議ありがとうございました。
                   

                                                                                                                                   (了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 食品衛生管理に関する技術検討会> 第7回食品衛生管理に関する技術検討会(2018年10月26日)

ページの先頭へ戻る