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2017年12月11日 第103回厚生科学審議会科学技術部会 議事録

厚生労働省 大臣官房厚生科学課

○日時

平成29年12月11日(月) 15:30~17:30

 

○場所

厚生労働省専用第22会議室(18階)

○出席者

【委員】

相澤委員、井伊委員、石原委員、磯部委員、今村委員、
川西委員、楠岡委員、倉根委員、木幡委員、塩見委員、
中村委員、福井委員、水澤委員、山口委員、横川委員

○議題

1.審議事項
  議題 平成30年度厚生労働科学研究費補助金公募研究事業(1次公募)について

2.その他報告事項
 

○配布資料

資料1-1 平成30年度厚生労働科学研究費補助金公募課題(案)一覧
資料1-2 平成30年度厚生労働科学研究費補助金公募要項(案)
資料2 平成30年科学技術部会開催日程(案)
参考資料1 厚生科学審議会科学技術部会 委員名簿
参考資料2 平成30年度厚生労働科学研究費公募要項(案)の審議について
参考資料3 平成30年度厚生労働科学研究費補助金に対する意見募集について(結果)
参考資料4 厚生労働科学研究費における倫理審査及び利益相反の管理の状況に関する報告について
 

○議事

 

 

下川研究企画官 傍聴の皆様にお知らせします。傍聴に当たりましては、既にお配りしている注意事項をお守りくださるようお願いたします。定刻になりましたので、ただいまから第103回厚生科学審議会科学技術部会を開催します。委員の皆様におかれましては、御多忙の折、お集まりいただきお礼を申し上げます。本日は、6名の委員から御欠席の連絡を頂いております。まだいらしていない先生方もいらっしゃいますが、出席委員は過半数を超えておりますので、会議が成立することを御報告します。
 続きまして、本日の会議資料の確認をお願いします。議事次第、座席表のほかに、資料1-1、資料1-2です。資料1-2は、5つのパートに分けてステープルで留めております。資料2で、参考資料は1~4まであります。また、委員の先生におかれましては、机上配布資料として事前に送付した資料からの変更点を記載したものがあります。資料1-2は、この修正を反映したものをお配りしております。Qの地域医療基盤推進研究事業のみ修正した部分があります。資料の欠落等ありましたらお申し出ください。それでは、福井部会長、議事の進行をよろしくお願いします。
○福井部会長 12月に入りまして、お忙しいところ御参集いただきありがとうございます。本日は議事次第にあるように、議題が2つ用意されております。最初の議題は、平成30年度厚生労働科学研究費補助金公募研究事業(一次公募)について御議論を頂きたいと思います。最初に事務局より説明をお願いします。
○下川研究企画官 来年度の厚生労働科学研究費補助金の一次公募要項(案)について御説明します。まず、参考資料2の「平成30年度厚生労働科学研究費公募要項(案)の審議について」というスケジュールの図があります。このスケジュール表の赤字の丸1、今年の5月に厚労科研費、AMED研究について、来年度の事業実施方針を御審議いただきまして、御了解いただいております。その後、丸2の8月に厚生労働科学研究費補助金について、内閣府の大綱的指針等に基づいて事業の評価を行っていただきました。丸3来年度の研究費について、パブリックコメントを実施しております。パブリックコメントの結果については、参考資料3に、平成30年度厚生労働科学研究費補助金に対して意見募集の結果という資料がありまして、こちらにまとめております。個々の御意見についての御説明は省略しますが、御意見の内容に関しては、既に実施している内容のものや、研究の内容ではなく、施策に関する意見も多く寄せられておりまして、それに関してはその旨回答しております。
 再度、参考資料2の先ほどのスケジュール表に戻ります。本日は、スケジュール表の赤字の丸4、来年度の厚生労働科学研究費補助金の第一次公募の要項(案)を今回作成しておりますので、本日、丸5の所ですが、御審議を頂きたいと考えております。一方、AMEDの研究費については、既に11月から来年度の事業の公募が始まっております。厚生労働科学研究費補助金については、本日公募要項(案)について御了解を頂けたら、12月20日から1月26日まで公募を行って、来年の1月から2月にかけて評価、2月から3月にかけて採択をして、研究者の方々が4月1日から研究を開始できるように準備したいと考えております。
 次に資料の右側の部分、「事務局で確認した内容」を御覧ください。各事業の所管課から提出された一次公募案については、事務局のほうで事前に5月に御了解を頂いて、実施方針の内容と整合していることを確認しております。また、実施方針等明確に記載のない課題については、事業所管課からヒアリングを事務局で行って、実施方針との関係性や既存の研究課題から派生した課題であることを確認しております。これらによりまして、いずれも適正な新規課題であると判断しております。本日、委員の先生方に御確認いただきたい内容は資料の裏に記載しております。裏面の左側に公募研究課題の例が載っております。これを例として、各記載項目について御説明します。
 (1)研究課題名については、(2)目標や(3)求められる成果から判断して的確か。(2)目標は、応募しようとする研究者が背景を理解し、具体的な研究手法をイメージできる内容か。(3)求められる成果は、明確かつ無理のないものか。(4)研究費の実施規模等の部分については、研究実施予定期間が、研究費の規模と求められる成果から見て適切に設定されているか御確認いただきたいと思います。なお、費用については、予算成立前で未確定ですので、全体的にある程度幅を持たせた額としております。(5)採択条件は、目標や求められる成果から判断して妥当であって、競争を阻害する条件となっていないかの御確認をお願いできればと考えております。
 資料1-2、本資料になります。これが来年度の厚生労働科学研究費補助金の第一次公募の要項(案)になります。今回の公募では22研究事業、130研究課題を公募したいと考えております。また、各課題を一覧にしたものを資料1-1として御用意しております。
 資料1-2、1ページの「目次」に「Ⅱ 応募に関する諸条件等」という項目があります。今回の公募におきまして、この中に追記を行っている部分がありますので、個別の研究課題について御説明する前に、まずその部分について御説明します。
 6ページ、網掛けを付けた部分のイ、補助金の交付を受ける研究分担者が留意すべき事項は、今回より追記する事項となります。現在、研究者の所属する機関におきまして、研究費の適正な執行を行っているか、自己評価チェックリストの提出を求めて確認しております。前回の科学技術部会で履行状況調査について御審議いただきましたが、履行状況調査の対象とならないような比較的少額な研究費を受けている研究機関で、体制整備の不十分な研究機関については現在、改善に向けた指導を行っております。これを踏まえて、自己評価で不備がある研究機関に所属する研究分担者に対しては、研究費を扱わない研究代表者一括計上による研究参加について検討するよう記載をしております。
 9ページ、同じく網掛けの部分で、自己評価チェックリストに関する追記です。自己評価チェックリストの提出について、研究費を直接扱わず、研究代表者一括計上となっている研究者しか所属していない研究機関においては、このチェックリストの提出は不要であることを明示しております。また、このチェックリストを文科省に提出済みの場合は、新たに厚労省用のチェックリストを作成しなくても、文科省に提出したものをそのまま提出しても差し支えないものを記載して合理化を図っております。
 12ページ、網掛け部分で、利益相反(COI)の管理についてです。この資料から離れまして、参考資料4、現在、COIの管理状況のほか、倫理指針の審査状況や研究倫理教育の受講状況について、前年度の研究報告書の提出と同じ時期に、参考資料4の裏側にある様式の提出を求めております。先の通常国会におきましては、参考資料の様式を公開すべきとの御議論がありまして、これを受けて、厚生労働科学研究費の透明性を確保することを目的として報告された様式について公開することとします。具体的には、来年度の採択課題から、この報告についてその写しを毎年度の研究報告書に添付して、厚生労働科学研究成果データベースにおいて公開することとしております。
 資料1-2、19ページ、網掛け部分で、従前より内閣府の総合科学技術・イノベーション会議事務局に対して採択された研究に関する情報を提出しておりますが、今後、内閣府より研究の成果としての投稿論文や取得した特許などの情報についての提供が求められますので、それを内閣府に提供する旨を追記しております。
 AMEDにおきましては、AMEDで支援している研究開発課題を網羅的に把握管理して、効率的なマネジメントを行うためのAMED内の業務用のデータベース、AMEDマネジメントシステム(AMS)に厚生労働科学研究成果データベースの成果を提供することを記載しております。研究事業の個々の公募課題について御説明する前に、ここで一旦御説明を切りまして、ここまでで何かありましたら御意見等を頂ければと思います。以上です。
○福井部会長 参考資料2と、今説明していただいた資料1-2について何か御質問、御意見等ありましたらお願いします。
○楠岡委員 後での個別の課題にも多少関係するのですが、29ページ、「公募研究事業の研究類型について」という所で、一般公募型と若手育成型の2つの型を示していますが、今回、事業を見ますと、完全に若手育成型というのは、食品のSの所と、統計のBの所に1つずつだけです。若手育成型というのがかつてはもっとあったように思いますが、かなり減っているということです。それから、個別の所には、これが若手育成型であることを明確に示されていなくて、応募条件の中に39歳以下と書かれているだけです。1つは若手育成型が今回減ってきているのはどういうことなのか、何かお考えがあればということです。2番目は、若手育成型であることを個別の課題においても、もう少し明瞭に示したほうがいいのではないかというところで少しコメントさせていただきます。
○福井部会長 事務局、いかがですか。
○下川研究企画官 今御指摘のように、今回の公募については、食品と統計のそれぞれに若手育成型の研究があります。以前より若手育成型が減少したように見えるかもしれませんが、AMEDの発足時に、それがAMEDに移行したこともあって、以前より減っているようには見えるかとは思います。
 どれが若手育成なのか御指摘のように分かりにくいと思いますので、29ページに「若手育成型」と書いてある所に、具体的に若手育成型を今回設けている事業名を記載したいと思います。それから、若手枠のある個々の2課題は、課題の右上の辺りに、四角囲みで若手の表示を入れたいと考えております。
○福井部会長 そういう対応でよろしいですか。ほかにはいかがですか。
○楠岡委員 あと1点だけ。この前、募集要項を読んでいても、どういう構成になっているのか分かりづらいと申し上げたのですが、今回、非常に分かりやすくなっていました。これは本当に良くしていただいたと思って感謝申し上げます。
○下川研究企画官 ありがとうございます。
○福井部会長 ほかにはいかがですか。
○倉根委員 参考資料4の「調査研究における倫理審査及び利益相反等の管理について」という所が公開されるということですが、これは報告書を書くときに、各機関から出てくるものだと思いますが、これはこれのみで公開ということですか、それとも報告書と全部組みになって、これも付いていきますよということですか。
○下川研究企画官 お金のほうではなく、計画の中身の報告書の最後のほうに、これを添付した形で保健医療科学院のデータベースで公開することを考えております。
○福井部会長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。もしよろしければ、内容そのものに入っていきたいと思います。A~Eについて、事務局からの説明をお願いします。
○下川研究企画官 続きまして、各研究事業の公募課題について御説明します。22研究事業ありますので、5又は6研究事業ずつ、4つのパート、ホチキスで止めている単位で御説明して、その都度御質問、御意見を頂ければと思います。資料を委員の先生方に早めに送って御確認を頂いておりますので、個々の課題についての御説明は省略して、各事業における代表的な公募課題の紹介又は公募課題全般の説明をさせていただきます。
 まずはAの政策科学推進研究事業から、Eのがん政策研究事業までの5つの研究事業について御説明します。
 30ページ、Aの政策科学推進研究事業については、社会・経済構造の変化と社会保障に関する研究を推進することにより、効率的・効果的な社会保障施策立案を図ることを目的としております。平成30年度は、例えばA-3にあるように、年金制度を持続可能なものにするための私的年金制度の普及に向けた調査研究、そういったものを公募して、この目的を達成するための成果を得ることにしております。
 37ページ、Bの統計情報総合研究事業については、死因統計に関する研究、疾病統計に関する研究、世界保健総会で採択された国際生活機能分類(ICF)の利活用を促進するための研究、保健医療データベースのリンケージを活用した解析に関する研究の4課題を公募して、保健医療の企画立案を行う上で、重要なエビデンスを提供し、各制度における課題に対して提言することとしております。
 43ページ、Cの地球規模保健課題解決推進のための行政施策に関する研究事業については、平成30年度におきましては、特にC-1の日本における保健関連の持続可能な開発のための2030アジェンダ達成評価ツール開発に資する研究を公募することによりまして、国連の持続可能な開発目標の達成度を日本において評価するためのツールを成果として得ることとしております。
 48ページ、Dの健やか次世代育成総合研究事業については、これまで第二次健やか親子21の取組を推進し、母子保健対策の充実を図るため、切れ目ない妊産婦・乳幼児への保健対策に関する研究課題を中心に研究を推進しております。平成30年度における新たな研究課題として、学童期・思春期から成人期に向けた保健対策に関する研究課題を公募して推進することとしております。
 59ページ、Eのがん政策研究事業については、がん対策に関する様々な政策的課題を解決するために、がん研究10か年戦略で掲げられた充実したサバイバーシップを実現する社会の構築を目指した研究領域、がん対策の効果的な推進と評価に関する研究領域についての調査研究等を中心に公募を行うこととしております。ここまでの5研究事業について、また、体裁などの全研究課題に関係することでも結構ですが、御意見や御質問を頂ければと思います。
○福井部会長 ただいまのA~Eの事業について、また体裁などの公募課題全体に関係する点について、御意見、御質問等ありましたらお願いします。
○石原委員 1点お伺いします。Eのがん対策推進総合研究事業のみ課題数が1~2になっておりますが、後ろにも少しありますが、ほとんど1課題となっているのが、1~2とここだけなっている理由をお聞かせください。もう1つは、先ほど全体で確か130課題とおっしゃいましたが、これはそれをどういうふうに計算すると全体の課題数になっているのか教えてください。
○下川研究企画官 1~2課題と書いてある場合は、1として数えています。その課題によって1~2と書いてあるものと、1課題と書いてあるものと様々です。それは多分、予算に応じてそれぞれの研究事業の中で1課題しかできないものと、1つの課題の中で、1つではなく、複数あり得るようなものについては複数の課題、それは予算との兼ね合いも考えながらということで、それぞれ異なっていると思います。
○石原委員 がん対策だけ1~2となっているので、その理由をお伺いしたいのですが。
○下川研究企画官 がん以外にも1~2と書いてあるものもあります。
○石原委員 非常に少ないですよね。
○下川研究企画官 特にがんが特別な理由があるというわけではなく、それは予算の状況とか、1つの課題の中に幅のある課題と、そうではなく狭い内容の課題といろいろ設定の仕方があるので、それによって広い課題、がんの場合はAYA世代とか、そういった設定で大きな課題なので、そこに1つと言っても複数あるということで設定しております。
○福井部会長 Lの所にも、随分、1~2と書いてある所はありますね。しかし、ほかのものも1課題程度とか、2課題程度とか、曖昧な書き方の違いということになるのでしょうね。
○水澤委員 想定している研究が、一応、あるのでしょうね。やはり課題を与える研究ですので、それはあるのではないのでしょうか。正にここに書いてあることだと思います。上からこれをやってほしいという希望があって行われているのだと思いますので、そういうことかなと思いました。
○楠岡委員 細かいことになるのですが、33ページの(5)採択条件に、括弧内は条件を満たしていることを示す書類等という注意書きがあるのですが、この次のポツを見ますと、「研究班体制が構築されていること(研究代表者及び研究分担者の研究歴でそれが証明できること)」というのがあります。その次のポツは、「有識者(学識者、産業界、行政機関等)」ということで、同じ括弧が説明としての括弧か、必須文書を要求している括弧か、分かりにくい所があるので、そこは括弧の形を変えて明示していただいたほうが分かりやすいのではないかということです。
 もう一点は、61ページのがんの所で、E-1及びE-2に関わる所ですが、61ページの最後の採択条件に、「モニタリング・監査・データマネジメント等を含めた研究体制や、安全性及び倫理的妥当性を確保する体制が整備されていること」と書かれておりますが、この研究課題からすると、どちらかというと介入を伴うような臨床試験を行うような課題ではないので、モニタリング・監査・データマネジメント等は必要ないものが多いと思います。課題の内容と採択条件が乖離しているので、これはむしろ削ったほうがいいのではないかと。Eの2も同じような点があります。ほかにも研究課題の募集内容と、モニタリング・監査を必須とするという内容等が必ずしも一致していない所がありますが、この点は少し修正したほうがいいのではないかと思います。
○下川研究企画官 御意見ありがとうございます。まず最初の御意見ですが、採択条件の括弧書きが、条件を満たしている書類なのか説明書きなのか混在して分かりにくいということですが、御指摘のとおりで、条件を満たすことを示す書類の括弧については別の括弧にして、見て分かるように、違いが分かるように工夫をしたいと思います。
 もう1つ、Eの事業のほうで、介入研究的要素のないものまで、全ての研究にモニタリング・監査体制が採択条件に、Eのほうは全て画一的に書かれていますが、これは間違いで残っているもので削除したいと思います。今の御指摘に関連して、この後御説明するF、G、Hの所に保健指導等のプログラムを作成するものがあります。保健指導のプログラムを作成するときには、過去の先行研究などの結果を踏まえるだけではなく、場合によっては、妥当性のための予備的試験を行うこともあるのですが、介入効果の厳密な検証を行う、臨床研究をやるというものではありません。また、設定している公募額で、介入の実証的な試験もできませんので、F、G、Hにそういったプログラムを作成するものがあるのですが、そちらのほうにモニタリングや監査の体制を整備するということはもともと入れていないのですが、そういうものは入れないようにしたいと考えております。
○山口委員 59ページからのがんの部分について、幾つか申し上げたいと思います。研究者の立場に立ってみると、この公募要領を読んで一生懸命考えて応募してくるわけで、ここは充実をしていただかないと、余計な時間、無駄な時間を使わせる、また、適切な課題が出てこない、そういうことが起きてしまいます。あえて申し上げたいのですが、総じてがん政策研究事業の部分がほかの分野と比べて、よく言えば簡潔明瞭、悪く言えばもう少し書かないとまずいのではないかというレベルではないかと思います。簡潔明瞭なので、読みやすくて、だから粗も目立つので、何カ所か指摘させていただきます。
 59ページの中段、少し下、「また、新たな課題として、希少がん、難治性がん、小児がん、AYA世代」と書いてありますが、これに高齢者を入れていただくべきだと思います。協議会の議論も、高齢者は非常に重要だということになっていますので。
 その下の「ゲノム医療等の新たな治療法等」は、現在想定されているゲノム医療、がんの場合、治療法というよりは、むしろパネルを使った診断等にありますので、この「治療法」は「等」が付いていますが、少し強過ぎるだろうなと思います。「診療」ぐらいにしておいたほうがいいかもしれませんね。
 あと、個別、61ページは、このようなものかもしれませんが、62ページのがん検診に関して、目標の最後の部分に「将来的に対象者数、受診者数のデータ把握、精度管理」うんぬんと、「データ収集の仕組み」と書いてあるのですが、これは具体的に何を意味しているのか分かりにくいと思います。一応、曲がりなりにもがん検診のデータ収集はできています。ただ、職域のほうができていないのが事実ですが、その辺を明確に書かないと、この研究課題が何を基にしているのか少し分かりにくいかと思います。
 63ページ、がんの免疫療法に関してはいろいろな議論があって、調査等をがん対策推進室もやっておられますが、協議会では、あえて科学的根拠に基づくがん免疫療法という課題を目次にもちゃんと書いたところです。この文章だけからだと、科学的根拠を持ったがん免疫療法を推進するという話なのか、あるいは、目標の所は少し別のことが書いてあって、情報提供のことが書いてあるのです。したがって、この辺を少し整理する必要があろうかと思います。
 64ページ、これは研究課題と目標の不一致があるように思います。目標を見ても、求められる成果を見ても、内容は自殺と障害者に限って書かれています。ところが、研究課題は、がん患者支援のための研究となっていますので、もし目的が自殺、障害者なのであれば、研究課題にそれを明記すべきですし、もう少し広く取っていいのであれば、例えば目標、求められる成果にも書き加える必要があろうかと思います。
 65ページです。厚労省ががんについて述べる場合の高齢者とは75歳以上を指すと大体コンセンサスができています。がん診断時の年齢で見ると、75歳以上のがん患者が、日本全国で4割を占めます。その4割について治療ガイドライン等のない状況が、今回、協議会でも問題視されているわけです。この公募課題については、先ほども少し議論がありましたが、1~2課題程度というのが、これはいかがなものかと思います。全てのがん、せめて5大がん、あるいは、そのプラスアルファ、死亡率の高い10ぐらいのがんについて、ガイドラインは少々難しくても手引とか、そういうものを作っていく必要が喫緊の課題としてあるのではないかと思います。2、3年に1~2課題程度だと、1つのがんについてしかできないということになってまいります。例えば、金額を減らしてでも課題数を増やすとか、あるいは、AMEDの支持療法というテーマのときに実際になされているのですが、AMEDでやることにして、10課題を1年間で応募したという前例がありますので、そういうことも参考にしながら、ここの課題数の考え方は少し改訂する必要があろうかと思います。
 67ページ。研究テーマに「情報交換」という言葉が入っているのですが、目標、求められる成果の所に情報交換という話は入ってこないのです。これは普通に読むと、誰と誰の情報交換かということが、これだけでは不明確なので、情報提供であればそう大きな問題はないと思いますが、情報交換ということにあえてこだわったのであれば、それをしっかり書いていただかないと、応募者にとっては少し苦しいことになろうかと思います。
 最後、68ページ。ここの課題は常々非常に問題になっている課題ですが、調査マニュアルの作成というと、いったい誰が使うマニュアルかという問題が出てくるのではないかと思います。そこを明記していただくか、これは事故調査ではないだろうと思うのですが、仕組みとして、がん診療連携拠点病院の提供体制は、今、議論が正に進んでいる段階なので、その議論とこの研究課題との整合性はとっていただく必要があろうかと思います。担当部局とよく御相談いただければと思います。以上です。少し長くなって大変恐縮です。
○福井部会長 ありがとうございます。事務局から、ただいまの点についてこの時点で何かコメントがありましたら。
○がん疾病対策課 がん疾病対策課のカワタです。いろいろな御意見を頂き、今すぐ答えられない部分もありますので、一旦課内に持ち帰り、また表現等については考えさせていただきたいと思います。
○福井部会長 では、後ほどまた検討していただくことにしたいと思います。ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは次にまいります。FからJの事業について、事務局から説明をお願いします。
○下川研究企画官 Fの循環器疾患・糖尿病等生活習慣対策総合研究事業からJの免疫アレルギー疾患等政策研究事業(移植医療基盤整備研究分野)までの5つの研究事業について、御説明いたします。
 69ページです。Fの循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業ですが、平成30年度も引き続き健康寿命の延伸を目指すために、疫学研究、臨床研究、臨床への橋渡し研究等を通じた生活習慣病の新たな対策に貢献する研究を公募いたします。
 83ページを御覧ください。Gの女性の健康の包括的支援政策研究事業ですが、平成30年度においては、地域や企業における女性支援の取組の調査や好事例の発信、学校や職場における女性の健康に関わる様々な関係者の資質向上に資する研究を通して、生涯にわたる健康支援のための成果を得ることとしております。
 88ページを御覧ください。Hの難治性疾患政策研究事業ですが、平成30年度においても、引き続き難病・小児慢性特定疾患対策の推進に貢献するという目的を達成するために、関連学会、患者会、行政等との密接な連携の下に、診療体制の構築、疫学研究、普及啓発、診断基準・診療ガイドライン等の作成・改訂、小児成人期移行医療の推進、データベース構築への協力やAMED研究を含めた関連研究との連携や取りまとめ等を行い、難病の医療水準の向上や患者のQOL向上等の成果を得ることとしております。
 98ページを御覧ください。Iの免疫アレルギー疾患等政策研究事業の免疫アレルギー疾患政策研究分野ですが、平成30年度においては、I-1の免疫アレルギー疾患患者における両立支援を推進するための研究を公募することにより、ワーク・ライフ・バランスの観点からも重要であると考えられる就労や就学と治療との両立における現状を評価し、長期にわたりQOLを損なうとされる免疫アレルギー疾患患者に対しての支援体制の構築・普及を目的とする研究を推進いたします。
 102ページを御覧ください。Jの免疫アレルギー疾患等政策研究事業のうちの移植医療基盤整備研究事業ですが、造血幹細胞移植分野では、J-1の公募課題において課題となっている供給臍帯血数の増加と臍帯血移植の成績向上を目指し、より効率的な臍帯血採取を実施するための提供体制の構築について、成果を得ることとしております。また、臓器移植医療分野では、近年、脳死下での臓器提供数は増加傾向を示しておりますが、小児からの脳死下臓器提供数が依然として少ない現状にありますので、J-2の公募課題において、小児から臓器提供を行う際の基盤構築についての成果を得ることとしております。ここまでの5研究事業について、御質問、御意見をお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。FからJの事業について、御質問、御意見等がありましたら、お願いします。
○楠岡委員 Hの難治性疾患政策研究事業が中心ですが、それ以外の所でも患者のデータベース構築というか、いわゆるレジストリを進める研究が幾つかあるかと思います。これは前回も申し上げたことですが、レジストリが進んできたときに、複数のレジストリがつなげられるように、個票の基幹部分において共通項目を入れていただいて、将来、複数のレジストリを合体させて、更に大きなレジストリになるような、そういう基本骨格の所は、個々のレジストリではなかなか決まらないので、できれば厚生労働省なりがリーダーシップをとられて、最低限これは入れるようにというような、何かそういうガイダンスのようなものも出していただければと思っております。
○福井部会長 いかがですか。先生には確か以前も御発言いただいた所だと思いますが。
○難病対策課 難病対策課です。患者については、指定難病の申請書である臨床調査個人票に記載された項目の指定難病患者データベースへの入力が年度内に開始され、そのデータは研究班に提供される予定です。臨床調査個人票の形式は、御指摘のように最小限の基本項目を統一化して作成されておりますので、疾病横断的な研究に利用されることが期待されます。
○福井部会長 よろしいですか。ほかにはいかがですか。
○楠岡委員 この事業に関してはこれでいいと思うのですが、今、ナショナルセンター等でもいろいろなデータベースが作られている中で、1人の人が複数の疾患にかかったときに、別々のレジストリに登録されていて、例えば糖尿病とがんとの関係を見ようと思うと、別々のレジストリで、それがつなげられないとなると、より有効な解析ができなくなってしまう、あるいは、人口よりもたくさん患者さんがいるみたいな形になってしまいますので、それはまた将来的な問題として是非御検討いただきたいと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがですか。
○水澤委員 今のレジストリの点はおっしゃるとおりで、私の聞いているところでは、そういうことを念頭に連携というか統合というか、そういうことが進んでいるとは伺っております。小さいことですが、難病の所で課題名、ここだけなぜか「分野」で終わっているので、「における研究」とかにした方が良いと思います。例えば、3点ほどあると思いますが、領域別基盤研究分野で、これは課題名がそれだけで、あとは括弧内とか、下の目標を読むと細かい内容が分かると思うのですが、日本語として少しおかしいので、そういう分野における研究とかにしないと、課題としては成立しないと思います。少しマイナーな問題ですが。
○難病対策課 そのようにしたいと思います。ありがとうございます。
○福井部会長 お願いします。ほかにはいかがですか。よろしいですか。それでは、次のテーマに移ります。KからPの事業についての説明を事務局からお願いします。
○下川研究企画官 Kの長寿科学政策研究事業からPの肝炎等克服政策研究事業までの6事業について、御説明いたします。
 106ページを御覧ください。Kの長寿科学政策研究事業ですが、平成30年度においても安定的に地域包括ケアを提供するための体制構築に向けて、介護保険施設等の事業の継続及び安全な介護サービスの提供に関する計画策定を支援し、ひいては介護保険制度を高める見直し等の検討に活用できる制度を得ることを目標とし、引き続き地域包括ケアシステムの構築・維持・推進に資する研究を行うこととしております。
 118ページを御覧ください。Lの認知症政策研究事業ですが、平成30年度においても認知症の社会的側面での実態把握や病態解明、社会的観点での予防法や治療法、介護者等の負担軽減や普及啓発を含めた社会創生などの観点での研究課題を公募し、得られた研究成果は認知症施策推進総合戦略に基づく認知高齢者等にやさしい地域づくりに役立てることを目指しております。
 123ページを御覧ください。Mの障害者政策総合研究事業ですが、平成30年度においては、特にM-7の総合支援法の見直しに向けたサービスの実態の把握及びその効果の検証のための研究事業を公募することにより、平成33年度の報酬改訂に向けてデータを収集・解析し、対象者範囲やサービス内容について、より効果的なサービスを行うための提言を行うといった成果を得ることとしております。
 137ページを御覧ください。Nの新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業です。平成30年度においては、例えばN-2の環境中における薬剤耐性菌及び抗微生物剤の調査法等の確立のための研究を公募することにより、課題となっているヒト・動物・環境、それぞれでの適切なサーベイランス手法の確立という目的を達成するために、河川における薬剤耐性微生物及び残留抗微生物剤の状況を把握する調査法を開発しました。その結果を用いてリスクアセスメントを行うこととしております。
 143ページを御覧ください。Oのエイズ対策政策研究事業ですが、平成30年度においては、O-1の後天性免疫不全症候群に対する特定感染症予防指針に基づく対策の推進のための研究を公募することにより、平成29年度中に改訂を予定しているエイズ予防指針を踏まえ、陽性者を取り巻く課題等に対する各種施策の評価のための現状分析を行い、各種課題を解決するための方策を提案することとしております。
 152ページを御覧ください。Pの肝炎等克服政策研究事業ですが、平成30年度においては、P-1のウイルス性肝炎の診療連携体制向上に関する研究を公募することにより、肝炎患者を中心に置いた地域診療連携体制を構築し、各地域の特性に合わせて効果的・効率的に運営するために参考となる成果を得ることとしております。ここまでの6研究事業について、御質問、御意見をお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。KからPの事業についての御質問、御意見等がありましたら、お願いします。
○倉根委員 Nの新興・再興感染症及び予防接種政策推進事業ですが、多くの所が大体採択の条件は2つあり、1つは、ある診療科の先生を入れる、ある研究分野の方を入れると、これは分かるのです。次に、多くの所で意見が反映される体制を整備しろと。例えば、括弧で「行政担当」とか、「関係団体等医療従事者」で、その採択条件には、条件を満たしていることを示す書類を付けるという書き方ですが、これは読む人によって、何を付ければいい、どう理解すればいいのかが分かりづらいかと。つまり、研究協力者なりとして入れるということなのか、あるいは、ある状況になったら、ある地方行政担当、地方行政府なり、あるいは関係団体の人が、うちは意見を言わせてもらいますという何か一文を入れるというのか、ここはどういうものを期待されているのか。応募者は非常に分かりづらいのではないかと思うのですが、これはいかがでしょうか。
○福井部会長 意見が反映される体制というのは、具体的に何を求めているのでしょうか。
○結核感染症課 新興・再効感染症を担当している結核感染症課のヨシイです。「意見を反映される体制が整備されていること」という記載がないのですが、様々な専門家という中に医療従事者とか研究分担者として含まれているという認識をしておりますので、意見が反映される体制自体は整っているという記載になっています。
○相澤部会長代理 多分、説明なのか書類を必要とするのかと、どちらかという御質問ではないかと思うのですが。
○倉根委員 ですから、この括弧が何を意味するのだというところが1つ。
○結核感染症課 研究計画書にどういった専門家ということが記載されておりますので、そういったことでは記載しておりません。
○相澤部会長代理 例えば、139ページと140ページを見ていただきますと、1 40ページの右のほうは、これは研究代表者や分担者とする研究体制が構築されているという条件が入っています。その記述に比べると意見が反映されるというのは少し曖昧なので、趣旨がはっきりしないことだと思います。
○倉根委員 例えば、むしろ誰かを研究分担者なりに入るべきだと。そして、その人はこういう職種、あるいは、こういう所に属している人なのだということを入れろということであれば、分かることは分かるのですが。
○福井部会長 いずれにしても、申請者に明確に伝わるような書き方をしていただきたいということです。事務局としては理解されたようですので。
○倉根委員 書く人がどのように書けばいいか、何が要求されているのだということが分かるように、ということです。
○福井部会長 分かりました。
○磯部委員 K-2の高齢者の人生の最終段階における多職種連携に関する研究です。これはとても大事な重いテーマで、是非、こういうガイドラインを作っていただきたいというのは現場の声だと思いますが、臨床の現場で困るのは、例えば法的な問題とか、社会倫理の問題とか、そういったことで悩んでいるわけです。そうすると、この研究課題をずっと通読してみますと、この多職種というのは、いわゆる医療・介護に関連した専門職ということだと思われます。もう少し広く、今言ったような領域の社会的、倫理的・法的な問題のことまで含めませんと、我々が本当に現場で使えるガイドラインというのはなかなかできないように思います。これは厚労省で出すガイドラインということになりますので、そういった観点で少し御検討いただいたほうがいいのかと思いましたので、御意見を伺いたいと思います。
○福井部会長 採択条件に、例えば倫理の専門家を法律の分野の専門家も入れていただきたいということでよろしいですか。
○磯部委員 はい。専門職として括弧に入っているのは「医師・看護師・介護支援専門員等」とありますので、これだけを見ますと、普通、医療の多職種という意味となると思うのです。
○福井部会長 よろしいですか。事務局から何か意見はありますか。
○老健局 老健局老人保健課のセガと申します。御意見いただいた点については、もう一度関係者に含められるように検討させていただきたいと思います。
○福井部会長 ほかにはいかがですか。それでは、最後のQからVの事業についての説明を、事務局からお願いします。
○下川研究企画官 最後の部分です。Qの地域医療基盤開発推進研究事業からVの健康安全・危機管理対策総合研究事業までの6研究事業になります。155ページです。Qの地域医療基盤開発推進研究事業ですが、質の高い効率的な医療提供体制の構築や医療の質の向上を目指し、地域医療の基盤を確立するために必要な知見を得ることなどを目標にしています。例えばQ-13の研究課題においては、地域の実情に応じた医療提供体制の構築を推進するために、平成30年度からの次期医療計画の分析や課題抽出、及び今後の医療計画を推進し、実行するための具体的な方策の検討に資する研究を推進することとしております。
 181ページです。Rの労働安全衛生総合研究事業ですが、平成30年度より開始する第13次労働災害防止計画の着実な実施を目的とし、平成30年度においては、特にR-2の転倒予防体操の開発のための研究や、R-7の農林水産業における災害の発生状況の特性に適合した労働災害防止対策の策定のための研究などを公募することにより、業種や災害要因に着目した効果的な施策の推進のためのエビデンスを得ることにしています。
 193ページです。Sの食品の安全確保推進研究事業ですけれども、現在検討を行っている食品衛生規則の見直しに向けて、喫緊に研究すべき技術的課題について優先的に公募を実施いたします。例えばS-2の食品の安全確保に必要な技術的課題への対応と効果的な情報発信のための研究においては、食品用器具や容器包装に使用されている新素材の安全性評価方法の開発を行う研究、食品安全に関する効果的な情報発信手法の開発を行う研究などを公募いたします。そのほか複数課題を公募予定ですが、例えば国民の健康へ直接的に影響を及ぼす食中毒に関して、S-3の食品中の食中毒細菌の制御法の確立のための研究においては、これまで国内での報告事例の少ない、また国内では報告がない新興の食中毒細菌等について、予防対策の構築や食中毒発生時の迅速な制御を可能とする研究を実施するなど、国民の関心が極めて高い政策課題について科学的根拠に基づいた政策を実施するための研究を公募いたします。
 205ページです。Tの医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究事業ですが、医薬品・医療機器等の品質、安全性の確保対策や薬物乱用対策、薬剤師の資質向上、血液事業等薬事行政における施策に活用する根拠となる研究を行っていますけれども、平成30年度においては、偽造医薬品の流入経路と考えられている個人輸入の実態把握対策に関する研究や、ワクチンの国家検定、危険ドラッグ対策に関する研究について新たに公募を行う予定です。
 210ページです。Uの化学物質リスク研究事業ですが、平成30年度においてはU-1の化学物質の健康影響評価の迅速化・効率化を目指した化学物質の毒性等データ集積に関する研究を公募することにより、化審法や家庭用品規制法における化学物質の規制に必要な情報を収集するために、化学物質の毒性試験等のデータ集積と毒性の評価手法の提案を成果として得ることとしております。
 213ページです。Vの健康安全・危機管理対策総合研究事業ですが、平成30年度も引き続き多様な健康危機管理課題を対象に、健康危機の発生防止、発生に備えた準備や、発生時の対応のそれぞれの段階についての研究を公募いたします。ここまでの6研究事業について御質問、御意見をお願いいたします。
○福井部会長 ありがとうございます。ただいま説明された分野につきまして御意見、御質問等がございましたらお願いいたします。
○倉根委員 また同じようなことを言って申し訳ございませんが、207ページで「利害関係者の意見が反映される体制」、恐らくこれを書く人からするとちょっと分かりづらいかなと思います。207ページの(5)の上のほう、「精通する専門家を含め」という、これは非常に分かりやすいのですが、利害関係者の意見が反映されるということが非常に分かりづらいと思うので、ここもまた分かりやすいように書いていただければと思います。
○福井部会長 ありがとうございます。ほかにありますか。
○水澤委員 186ページのR-6の、たばこの煙のある所で業務に従事する労働者に対する呼吸用保護具を用いた受動喫煙防止うんぬんということなのですが、禁煙をしていく方向性と大分矛盾するのではないかということが1つと、実際にこれを考えたときに、喫煙する所というのは多分、レストランや商業施設で禁煙してしまうとお客さんが来ないからということだと思うので、そういう所でこういうマスクを使える状況にはないのではないかという気もするのです。この辺の背景で、実現可能な見込みはあるのでしょうか。
○安全衛生部 安全衛生部計画課です。今、分煙の対策や受動喫煙防止の対策の中で、喫煙室を設置している事業場というのが一定程度というか、2割程度あります。そちらについて、例えば喫煙室の清掃を行う労働者については煙を吸う機会になるだろうということで、それを低減できないかというところで研究をしたいというところです。
○水澤委員 喫煙室の清掃をする方のためのですか、分かりました。
○安全衛生部 少し分かりやすいように表現を見直したいと思います。ありがとうございます。
○福井部会長 お願いいたします。ほかにはいかがでしょうか。
○山口委員 全般についてということのほうが正しいのでしょうけれども、研究実施予定期間の決め方をどうやって決めているのか、ちょっと疑問に感じています。この辺りになってくるとQ以降、1年や2年が目立つのです。それなりに理由があるのかもしれませんが、例えば158ページの看護師養成所における教育カリキュラム開発が本当に1年で終わるのか、実際に研究費が使えるようになって今どれぐらい、昔は12月に研究費が入って3か月で研究を終えるなどということがよくありました。今はそこまでひどくはないのでしょうけれども、カリキュラムといっても作ってそれを実施して本当にいいのかどうか確認するなど、そういうステップはちゃんと踏まなければいけないのではないかと思いますし、その前の歯科診療に関しても、全国の歯科診療の状況という観点からいうと本当に2年で終わるのか。でも、これを長くすると研究費の限界があるので、ほかのことがやれないという苦しいところはあるのだと思うのですが、やはり1年というのは少し検討の余地がありそうな気がします。一言伺いたいのは、この期間は誰がどうやって決めているのでしょうか。
○下川研究企画官 期間だけではなくて、この公募課題そのものは評価する委員会がそれぞれの事業にありまして、委員会の先生方に見てもらったものをここの場に出していただいています。研究費は基本3年ではあるのですが、特に厚生科学研究の場合は政策研究ですので、例えば来年度の審議会で何かを検討しなければいけない、そのときまでにエビデンスを出さなければいけないなどお尻があるものがあって、それで1年でやっているものも結構あります。あとは、中身のうち1年近くでやるもの、1年ぐらいで終わりそうだというものもありますが、1年のものというのは大体、翌年に何か差し迫ったものがある場合が多いです。
○山口委員 よく分かりました。
○川西委員 ちょっと、急にあれっと思ったことがありまして、質問というか指摘させていただきたいのですが、194ページS-1で、若手育成のための研究ということで、今はこういう研究にまでなかなか研究費を割けないというようなことがいろいろな領域で起きていて、こういうことを設定していただくのは非常にいいことだと。特にこういう食品の分野も若手がなかなか育ちにくいなということを感じているので、それはそれとして私は、これは非常にいいことだなと思います。先ほど楠岡先生もちょっと、数少ないもので指摘いただいたのですけれども、その条件が、若手代表者が満39歳以下であって、更に研究分担者と言ったらポスドクという条件を付けているということが、何か少し目的が曖昧だなという気がするのが1つ。もう1つは、私の感覚だと若手研究者育成ということだと1課題当たり年間500万円から1,000万円で最長3年というほどの必要はなくて、これは1から3課題になっていますから、もしそうだったら少し額を下げて採択のときに、もちろんこれはどうしようもないという課題まで採択するのは間違いですけれども、採択の数を少し増やして課題当たりの年間の額を減らすような、本当に優れたものが1つあれば別ですが、そうでなければそういう方向で運用していただければと思うところです。
 いずれにしても、ちょっとこの採択条件が、これは代表者が若いことが条件なのか、それともポスドク育成が条件なのか、この場合は両方狙って欲張っているのか、その辺があれっと思ったのでコメントさせていただきました。今すぐ答えを求めるものではありませんが、そういうコメントです。
○食品担当 食品の担当です。今、先生から御質問のあった内容なのですが、当方で若手育成のために、このように若い研究代表者とポスドクに相当するような学位取得後5年以内の方1名を含めたというようにしていますのは、若手の研究というのは通常、先生がおっしゃるように小額でもう少し小さな規模のものを1人の研究者がしたりする場合が多いのですけれども、若い方でチームを組んでしていただきたいと思ったのと、若い研究者であってもバックにというか、大概上に指導者が、研究室でしたら教授や、研究施設でしたらもう少し上の先生が付いて進められていくものなので、ある程度大きな金額で3年であってもかなうものなのかなと判断しました。チームでやっていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○川西委員 個人的に言えば、私の感覚とは少し違います。もしそのような人だったら39歳以下でも、普通の研究費にどんどん応募していけばいいのではないかと私は思います。ただ、それはやってみて実際にどういう課題が採択されるかというのは、見てから判断されてもいいのではないかと。いずれにしても、若手枠というのは非常に貴重なので、なるべく続けていただければと思います。
○福井部会長 そもそも若手育成のための研究という募集の仕方はあるのですか。つまり、リサーチクエスチョンのうち、これこれの課題は若手研究者にやってもらうというのは分かるのですが、研究自体が若手育成のためでこの研究の中には若手を育成する人が入ってはいないわけですね。研究代表者が若い人だということは、その人を教える人はいないわけですね。
○川西委員 その点については、いろいろな施策の文書にこれからの人材育成がうたわれているので、私自身の感覚だと、こういうことをうたった研究費があってもおかしくはないと思います。私、実はAMEDなどでもやっているのですけれども、そのときにはPOやPSがちゃんと導いてねというような条件でやったりしていますが、私自身の感覚はこういうのがあってもいいなと。特に大学院などで、そういう仕組みが弱くなっているような領域は、そういうのがあってもいいのではないかと思うところです。
○福井部会長 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。いろいろと御意見を頂きました。私はほとんどの御意見を理解したつもりですが、私と事務で御意見への対応や文言の修正をさせていただきたいと思います。その結果、総体としてはこの案につきましては、科学技術部会として了承したということで進めたいと思いますが、よろしいでしょうか。

                                   (異議なし)
 
○福井部会長 それでは、そのようにさせていただきます。
 議事の2に移ります。平成30年の科学技術部会の開催日程について、事務局から説明をお願いいたします。
○下川研究企画官 資料2の平成30年の科学技術部会開催日程について、資料にあります日程で2月、5月、7月、10月、12月の5回を予定しております。これは御報告です。以上です。
○福井部会長 ただいまの説明につきまして、何か御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいですか。
 これで、全ての議事が終了いたしました。その他、事務局から報告はありますでしょうか。
○下川研究企画官 次回の日程につきましては、2月26日(月)を予定しておりますので、日程の確保をお願いいたします。正式に決まり次第、委員の皆様には改めて日程、開催場所等について御連絡申し上げます。事務局からは以上です。
○福井部会長 それでは、本日はこれで閉会といたします。長い時間、どうもありがとうございました。

 

(了)

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