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2017年6月5日 第184回労働政策審議会雇用均等分科会

雇用環境・均等局職業生活両立課

○日時

平成29年6月5日(月)


○場所

中央労働委員会 講堂


○出席者

公益代表委員

奥宮委員、小畑委員、川田委員、中窪委員

労働者代表委員

井上委員、松岡委員、山崎委員、山中恵子委員、山中しのぶ委員

使用者代表委員

飯島委員、加藤委員、塩島委員、中西委員、布山委員

厚生労働省

吉田雇用均等・児童家庭局長、吉本大臣官房審議官、阿部雇用均等政策課長、源河職業家庭両立課長、河野短時間・在宅労働課長、六本総務課調査官、佐々木均衡待遇推進室長、高橋均等業務指導室長、白髭育児・介護休業推進室長

○議題

1 分科会長の選出、分科会長代理の指名並びに家内労働部会委員及び同一労働同一賃金部会委員の指名について
2 子の養育又は家族介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)

○配布資料

資料1-1 労働政策審議会雇用均等分科会委員名簿(平成29年6月2日現在)
資料1-2 労働政策審議会雇用均等分科会家内労働部会委員名簿(平成29年4月27日現在)
資料1-3 労働政策審議会雇用均等分科会同一労働同一賃金部会委員名簿(平成29年4月27日現在)
資料1-4 労働政策審議会令(抄)
資料2 子の養育又は家族介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案要綱
参考資料1 子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件(案)に関するご意見募集について(パブリックコメント)

○議事

○六本調査官 ただいまから、第184回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。

最初の議題は、議題1「分科会長の選出、分科会長代理の指名並びに家内労働部会委員及び同一労働同一賃金部会委員の指名について」です。

4月27日付けで、2年に1度の委員の改選がありました。本日はその後の最初の会合ですので、事務局から雇用均等分科会会長の選任について御報告いたします。

分科会長については、労働政策審議会令第6条第6項により、当分科会及び労働政策審議会本審に所属する公益委員の中から、双方に属する委員によって選挙することになっております。この結果、事前に奥宮委員が選出されておりますので、御報告申し上げます。

以降の議事進行は、奥宮分科会長にお願いいたします。

 

○奥宮分科会長 ただいまの御報告により、新しく分科会の会長に就任いたしました奥宮でございます。不慣れで至らぬ点が多々あると思いますが、どうぞ御協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 それでは、新任の委員の御紹介をいたします。資料1-1「労働政策審議会雇用均等分科会委員名簿」を御覧ください。4月27日及び6月2日付けで委員の交代があり、公益代表で1名、使用者代表で2名、新たに雇用均等分科会委員となられた方がいらっしゃるので御紹介いたします。

京都大学大学院人間・環境学研究科教授の小畑史子委員、( )高島屋総務本部人事部ダイバーシティ推進室長の飯島真理委員、( ) 資生堂執行役員の塩島義浩委員です。

 続きまして、分科会長代理の指名についてですが、労働政策審議会令第6条第8項により、分科会長代理は分科会長が指名することとなっておりますので、私から指名させていただきます。中窪委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○奥宮分科会長 よろしくお願いいたします。

また、当分科会の下に設置されている「家内労働部会」及び「同一労働同一賃金部会」の委員につきましては、労働政策審議会令第7条第2項において分科会長が指名することとなっております。資料1-2及び資料1-3の名簿のとおり、事前に指名させていただいていることを御報告いたします。

 本日は、権丈委員、武石委員から御欠席の御連絡を頂いております。

 それでは、議事に入ります。本日の議題は、「子の養育又は家族介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案要綱について(諮問)」です。

資料について、事務局から説明をお願いします。

 

○源河職業家庭両立課長 資料2と参考資料1に基づいて御説明いたします。

 平成29年6月5日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛てに諮問がなされておりますが、資料2の別紙を御覧ください。

告示案要綱ですが、内容的にはこれまで皆様方に雇用均等分科会で御議論いただいたことを告示に定める形になっております。

第一に、「事業主が講ずべき措置の適切かつ有効な実施を図るための指針となるべき事項」です。先日の法改正で妊娠・出産・対象家族を介護している労働者に対する個別周知の努力義務を事業主に課しておりますが、その内容についてです。周知するに当たっての事項として、次の内容を加えることとしております。

一は、この分科会で主に労働側委員から御意見を頂いた内容ですが、労働者のプライバシーを保護する観点から、労働者が自発的に当該労働者若しくはその配偶者が妊娠若しくは出産したこと又は当該労働者が対象家族を介護していることを知らせることを前提としたものであること。そのために、法第25条に定める措置を事業主が講じている必要があることを定めることとしております。法第25条は、いわゆるマタハラに対する防止措置です。

 二は、労働者又はその配偶者が妊娠若しくは出産したことを知ったときに、当該労働者に対し育児休業に関する事項を知らせるに際しては、当該労働者が計画的に育児休業を取得できるよう、あわせて、法第5条第2項の規定による育児休業の再度取得の特例、これは配偶者の産後休業期間中に育児休業を取得した場合には、その後もう一度取得できるという特例です。もう1つは、法第9条第2項の規定による同一の子について配偶者が育児休業をする場合の特例、これはいわゆるパパ・ママ育休プラスを指しております。その他の両立支援制度を知らせることが望ましいこと。

 第二ですが、「法第24条第1項に規定する労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇の例示」です。これは、先日の法改正で規定した育児目的休暇の努力義務に関して書いているものです。内容としては、休暇の例示を加えることとしており、これまで御議論いただいたように、2つ例示をすることにしております。1つ目は、一 配偶者の出産に伴い取得することができるいわゆる配偶者出産休暇、二 入園式、卒園式等の行事参加も含めた育児にも利用できる多目的休暇(いわゆる失効年次有給休暇の積立による休暇制度の一環として措置することを含む。)です。

 第三は、「職場における育児休業等に関するハラスメントの内容の典型的な例に関する事項」です。この部分は、いわゆるマタハラに当たるような例を並べていますが、この典型的な例のただし書として、次の内容を加えることとしております。これも、この分科会で御議論いただいた内容ですが、労働者の事情やキャリアを考慮して、早期の職場復帰を促すことは制度等の利用が阻害されるものに該当しないことを書き加えることにしております。

 第四は適用期日です。適用期日は、法律の施行日と同じ平成2910月1日です。

 告示案の内容は以上ですが、参考資料1を御覧ください。

この告示案に関しては、平成29年5月2日から平成29年5月31日までパブリックコメントに付しております。意見数は8件頂戴し、直接関係のないものも多かったのですが、関係のあった3点をここに挙げております。1つ目と2つ目は、「法第25条の規定による」という、いわゆるマタハラ措置に関するものです。

1つ目は、「事業計画に不都合であることを理由に、早期復職を求めることを促進することになるので、反対。事業主が早期復職前提で業務計画をすれば、労働者は不本意でも従わざるをえない」という点です。これは早期復職を促すことだけを捉えられたのではないかと思っており、多分に誤解が含まれていますが、この点については、早期復職を促すことは、いわゆるマタハラに該当しないこととただし書で書きますが、だからと言って、この方が復職をしなければいけないわけでもなく、あくまでも復職をするか否かは労働者の判断であって、それを強要するようであれば、それは育休の取得を阻害することになるということをきちんと周知した上で、適切に運用していきたいと考えております。

 2点目は、「結論としてはよいが、どういう経緯があって、審議会にてどのような議論があり、このような改正に至ったのかが、議事録が公表されていないため、不明。まずは、議事録の早期の公表をしていただきたい。」ということです。公表が遅れているのは私どもの責任ですので、これは早めに公表したいと思います。

 次に、その他で「一定期間は育児休業だけでなく、単身赴任や通勤困難となる人事異動についても企業に配慮を求める規定が必要。」ということです。これは「一定期間」がどの程度を指しておられるか分かりませんが、育児・介護休業法には今でも転勤等人事異動に伴う配慮規定が置かれているので、これがあることを周知していくことが必要と考えております。

 

○奥宮分科会長 ただいまの事務局の説明について、御質問、御意見等がありましたらお願いいたします。

 

○井上委員 今、事務局からパブコメの報告を頂きましたが、誤解が生じているのではないかというお話がありました。一部の報道でも誤解を与えるような内容があったかと思いまして、今回の改正内容で育休の権利を阻害されるのではないか、あるいはこの記事の内容はどうなっているのかと、連合にもお問合せがありました。そういう意味では、報道に影響されることが非常に大きいと思いますので、その辺りは誤解を招くことがないような丁寧な対応を、行政にはお願いしたいと思います。

 また、先ほど事務局からもお話がありましたが、指針の改正要綱案に「労働者の事情やキャリアを考慮した上で」という一文が入ったのは、正にそこの配慮だと思いますので、育児休業は労働者の権利であること、これを会社が阻害してはならないというのは前提であることを、改めてこの分科会で確認したいと思います。また、今回の改正の周知に当たっては丁寧な周知、再度申し上げますが、育児休業は労働者の権利であるということを、丁寧な対応で事業主側、あるいは労働者側に伝わるようにお願いしたいと思います。

 もう1点、先月末、政府が待機児童ゼロの目標を3年後ろ倒しにし、今年度末から2020年度末に変更するという報道がなされました。今回の育児・介護休業法の改正議論は、正に待機児童の解消に向けての法改正でもあったかと思いますし、局長からも強い決意が述べられたことを記憶しておりますので、今回、後ろ倒しにされたことに関しては非常に残念に思っております。是非、待機児童解消の施策については、目標よりも早く解消できるように努めていただきたいと思いますので、改めて申し上げておきたいと思います。

 

○奥宮分科会長 ほかに御意見等はありますか。

 

○布山委員 私も法第25条の規定に関する意見です。この分科会での議論の共通認識は、きちんと仕事をしながら子育てをする中で、昨年まとめた建議の記述にもありますように、労働者自身のキャリアもふまえ御自身が考えるという中で、早い職場復帰が望ましいということだと思っています。そういう意味では、今回寄せられた御意見は、そのときに議論したことを考えると、このパブリックコメントの御意見のような意図では決してなかったと思うので、施行に当たってこのような誤解を招かないように、厚労省でも周知をしていただきたいと思います。

 

○奥宮分科会長 ほかにありますか。

特に御発言がないようでしたら、当分科会としては、「子の養育又は家族介護を行い、又は行うこととなる労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する告示案要綱」について、「おおむね妥当」と認め、その旨を私から労働政策審議会会長宛てに御報告することにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○奥宮分科会長 御異議がないようですので、この旨、報告を取りまとめたいと思います。

これについて、事務局から案文が用意されておりますので、配布をお願いします。

 

(報告文(案)配布)

 

○奥宮分科会長 報告文について、ただいまお配りした案文のとおりでよろしいでしょうか。

 

(「異議なし」と声あり)

 

○奥宮分科会長 御異議がないようですので、この案文でもって私から労働政策審議会長宛てに御報告いたします。

吉田局長からお話があります。

 

○吉田局長 雇用均等・児童家庭局長の吉田でございます。本日は、私どもの諮問に対して御答申を頂きましたことを御礼申し上げます。

 意見の中で、井上委員から待機児童の関係について御発言を頂きましたので、一言コメントをさせていただきます。

今回の平成29年の育児・介護休業法の改正は、最終的に国会では雇用保険法等の一部改正法という形で御審議を頂き、成立を見たわけですが、その間に至る当分科会での御議論においても、井上委員がおっしゃったように、育児休業の問題を議論するに当たって、まずは待機児童の解消を図るべしと、そのための受け皿整備に向けて政府は全力で取り組むべしという御指摘を頂きました。それに対して、私もそれに向けての努力を申し上げたつもりです。また、国会での附帯決議等においても、その点は強く関係各会派から御指摘を頂いており、私どももそれを踏まえて取り組んでおります。

 そのような中、井上委員からもお話がありましたように、現在、進めている「待機児童解消加速化プラン」の締切は平成29年度末ということですので、来年3月末が答合せのタイミングということで、今それに向けて、各自治体、それを支援する私どもも全力で待機児童解消に向けて取り組んでおります。これまで、整備としては、当初の目的を超えて企業主導型5万人分を含めた53万人分の受け皿整備が予定されておりますが、直近の暫定数字等を見るにつけても、大変残念ながら2万を超える待機児童を抱える可能性がある状況が続いております。繰り返し申し上げているように、53万人を超える整備を進めながらも、女性の就業率の伸びに伴い、特に1、2歳児を中心とする保育利用希望の増を、結果的に地域バランスもある中で待機児童が解消しないという事態があります。

 総理はこのような事態を踏まえて、待機児童解消の旗を降ろさないという基本的なスタンスを明確にした上で、今般平成29年5月31日に、総理としての御発言の中で新しい「子育て安心プラン」という待機児童解消のプログラムを発表され、先週の金曜日の経済財政諮問会議において、塩崎厚生労働大臣から、総理の発言を受けた子育て安心プランの具体的な内容を諮問会議の場において報告しております。政府としては、3年というお話がありましたが、今後、現在の待機児童の状況や女性の就業率のなお一層の伸びを踏まえて、22万人分の受け皿を2年間で整備し、待機児童が解消できるだけの予算を国としては確保するということにしており、当初目標としていた2017年を超えますが、2019(平成31)末までに、2年間で22万人の整備を予定するということです。ただ、実際にこれを行っていただくのは自治体で、この間、待機児童の解消に向けての取組を進めながら、私どもも自治体関係者、あるいは保活に大変な思いをされている親御さんからの意見も聞いてここまで来ましたが、現場においては土地の確保の問題、地域の住民の方々の御理解を頂くための手間もあり、計画どおり進まないケースもあることから、少なくとも3年後、2020(平成32)までに全国の待機児童を解消すると。特に総理の御発言の中では、東京都においては2年間で、2019年までに頑張るという方針があるように聞いておりますが、先行して取り組んでいただける自治体については全力で国として支援をする、その取組については完全にフォローできるだけの予算を含めたものを対応するということを申し上げた上で、ただし、全国ということでは遅くとも3年後には解消するということで、このプランを発表しております。

 また、その後も女性の就業率8割を目指して政府としては取り組みますが、まだまだ女性の就業率が増えることが見込まれております。そうなると、一旦待機児童をゼロにしても、その後の女性の就業率の増に対応するため、更なる整備が必要だということで、更に2年間、つまり最長で5年間を掛けて32万人分の受け皿を作るということです。都としては2年後、全国としては遅くとも3年後までに待機児童をゼロにし、その状態を続けて女性の就業が増えていったときにも対応できるために、更に10万人分の整備をすることを全体の目標として、新たなプランとしております。

 確かに、一刻も早く待機児童を地域において解消することを多くの方が待ち望んでおられ、この分科会においてもそれを前提に議論をしていただいているということは私どもも承知をし、踏まえております。今後とも、引き続き新たなプランの中で、できるだけ早くの待機児童解消を進めてまいりたいと思いますので、私どもも努力申し上げるということを改めてコメントさせていただきます。

 

○奥宮分科会長 それでは、本日の分科会はこれで終了します。

本日の議事録の署名委員ですが、労働者代表は松岡委員、使用者代表は中西委員にお願いします。

皆様、お忙しい中どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

厚生労働省雇用環境・均等局職業生活両立課
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2

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