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2017年8月2日 第1回 厚生科学審議会 臨床研究部会 議事録

医政局研究開発振興課

○日時

平成29年8月2日(水)
17:00~19:00


○場所

航空会館5階 501・502会議室


○議事

○森光研究開発振興課長 定刻になりましたので、ただいまから、第1回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は第1回の部会となりますので、部会長選出までの間、事務局において議事進行役を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 本日は、部会の定数14名に対して13名の委員の方に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会令第7条に定められている定足数に達していることを報告申し上げます。また、田島先生におかれましては、遅れていらっしゃる御予定と伺っております。

 それでは、部会の開催に当たり医政局長の武田より挨拶を申し上げます。

○武田医政局長 医政局長の武田です。委員の皆様方におかれましては、御多忙の中、この臨床研究部会に御参集いただき誠にありがとうございます。臨床研究については、これまで「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」を遵守して実施していただいていたところです。

 ノバルティスファーマ社の降圧剤ディオバンに関する臨床研究をはじめとする、臨床研究の不適正な事案が発覚し、臨床研究の信頼性を大きく損ねるという事態にまで発展しました。これらの問題を受け、平成26年に臨床研究の信頼回復のための法制度の必要性について検討を行う場として、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会を立ち上げ、法制度の必要性について御検討いただき、一定の範囲の臨床研究に法規制が必要との報告が取りまとめられたところです。

 これを受けて、平成285月に臨床研究法案を提出して国会において御議論いただき、本年4月にこの法案が成立、公布に至ったところです。この臨床研究部会では、臨床研究法に基づく臨床研究実施基準のほか、治験、臨床研究を適正に実施し、推進いただくために必要な事項について、御意見をお伺いできればと考えております。

 委員の先生方におかれましては、研究対象者をはじめとする国民の皆様の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じて、適正な臨床研究を推進するという観点で、それぞれの御立場から活発な御議論をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

○森光研究開発振興課長 続いて、本日の会議資料の確認をお願いいたします。お手元に配布されている資料ですが、議事次第、座席表に続き、資料1「臨床研究部会の設置について」、資料2-1「臨床研究部会委員名簿」、資料2-2「厚生科学審議会関係規程等」、資料3「厚生科学審議会臨床研究部会運営細則()」、資料4「臨床研究法について」、資料5「臨床研究法施行に向けたスケジュール()」、資料6「臨床研究の範囲について」、資料7「臨床研究実施基準の概要()」です。資料はお手元にございますか。過不足等がある場合は、お知らせいただきたいと思っております。よろしいでしょうか。

 円滑な議事進行のため撮影についてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。それでは、早速、議事に入ります。議題1)「臨床研究部会の設置について」です。資料12-2が関係資料です。資料2-26ページを見ていただくと、「厚生科学審議会組織の構成」があります。今回、厚生科学審議会の部会として臨床研究部会、資料の一番下ですが、本年720日付けで厚生科学審議会において、既に設置が承認されております。

 資料1に戻ります。設置の主旨、部会の検討事項、部会の構成ということで資料を構成しております。当部会においては、中ほどの検討事項ということで、(1)治験・臨床研究の情報公開に関すること、(2)倫理審査委員会の中央化等の治験・臨床研究の推進に関すること、(3)臨床研究法に基づく臨床研究実施基準の策定、重篤な疾病等の報告の評価に関すること、(4)その他という内容について、この部会において検討していただくということです。よろしいでしょうか。

 次に、臨床研究部会長の選出等について説明します。まず、全体の委員の紹介をします。資料2-1の委員名簿に従って、お名前のみ50音順で読み上げます。掛江直子先生、川西徹先生、楠岡英雄先生、国忠聡先生、鹿野真弓先生、清水章先生、新谷歩先生、田島優子先生、羽鳥裕先生、花井十伍先生、藤原康弘先生、増田茂樹先生、山口育子先生、渡部歌織先生です。続いて、事務局を紹介します。医政局長の武田、大臣官房審議官の椎葉、医政局経済課長の三浦、医政局研究開発振興課治験推進室長の井本、申し遅れましたが、私、医政局研究開発振興課長の森光です。よろしくお願いいたします。

 続いて、臨床研究部会長の選出等についてです。資料2-23ページを御覧ください。第6条の3項に部会に部会長を置き、委員の互選により選任するとされております。この委員というのは、厚生科学審議会の委員ですので、資料2-1の委員名簿において◎を付けている川西委員、楠岡委員の2名の互選により部会長を選任することとなります。立候補あるいは御推薦はございますか。お二人方から御発言をお願いいたします。

○川西委員 臨床研究に精通されている楠岡先生を、是非とも推薦したいと思います。

○森光研究開発振興課長 よろしいでしょうか。それでは、楠岡部会長には部会長席に移動していただき、以後の議事の運営をお願いいたします。

○楠岡部会長 ただいま部会長を仰せつかりました楠岡でございます。新しくできた部会ですので、いろいろ手探りで進めていかなければいけないところもあるかと思いますが、皆様方の御協力を得て円滑に議事を進めていきたいと思っておりますので、御協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。次に、部会長代理の指名を行います。資料2-23ページを御覧ください。審議会令第6条第5項に「部会長に事故があるときには、あらかじめ、その指名する委員がその職務を代理する」とされており、部会長が部会長代理を指名することになっております。部会長代理については、川西委員にお願いしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 川西委員には、部会長代理の席へ移動をよろしくお願いいたします。

○川西委員 ただいま部会長代理の指名を頂きました川西でございます。部会の円滑な運営のために部会長をしっかり補佐してまいりたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。

○楠岡部会長 よろしくお願いいたします。それでは、議題3)「厚生科学審議会臨床研究部会運営細則()」に進みます。資料3について事務局より説明をお願いします。

○森光研究開発振興課長 資料3の「厚生科学審議会臨床研究部会運営細則()」を御覧ください。これは、厚生科学審議会運営規則の第10条の規定に基づき、この細則を制定するというものです。

 これは、この部会に委員会を設置する場合においての細則ということで、この部会には委員会を置くことができるということになっております。その委員会を置く場合には委員会の構成等について、部会長が指名する者により構成すること、委員長は部会長が委員の中から指名する。会議については、指名された委員長が招集するということ、会議の公開ということで、原則公開ですが、公開する場合に個人情報保護に支障を及ぼすおそれがある場合等について、非公開とすることができるという規定が記載されております。

 また、議事録においても、会議、日時、場所、委員の氏名、議事となった事項等について記載し、それを公開するということになっております。先ほど同様に個人情報の保護に支障を及ぼすおそれのある場合については、非公開とすることができるという内容です。また、部会の定める委員会に係る取扱いということで、第5条第1項のただし書の趣旨を踏まえて非公開とすることができるとなっております。

 また、この部会の庶務については、私ども医政局研究開発振興課において総括し及び処理するという点、第9条、雑則ですが、この細則に定めるもののほか、部会又は委員会の運営に必要な事項については、部会長又は委員長が定めるという内容の細則です。

○楠岡部会長 運営細則()について、何か御質問等ございますか。よろしいですか。臨床研究運営細則は部会長が決定することとされておりますので、資料3のとおりに決定させていただきます。ありがとうございました。

 引き続き、議題4)「臨床研究法の概要について」に移ります。事務局より資料4について説明をお願いします。

○森光研究開発振興課長 資料4「臨床研究法について」を御用意ください。私から簡単ですが、臨床研究法の制定に係る背景、法の概要について説明します。まず、1ページめくると「臨床研究法検討の背景」があります。平成25年から平成26年にかけて、そこにあるようなディオバン事案、タシグナ事案、CASE-J事案ということで、臨床研究に関する不適正な事案が生じました。特にディオバン事案については、ノバルティス社の高血圧症治療薬ディオバンに係る臨床研究においてデータ操作があり、試験結果の信頼性、研究者の利益相反との観点から社会問題化したという事件が起きました。

 特に、この事案については、東京慈恵会医科大学や京都府立医科大学等、複数の大学が関連していたということで、非常に大きく取り上げられた事件です。平成261月には、ノバルティス社を薬事法の誇大広告禁止規定違反の疑いで刑事告発しております。ただ、この関係については、今年の3月に地裁で無罪判決が出ましたが、その後、すぐに控訴しているということで、今現在、係争中という状況です。

 また、タシグナ事案ということで、これもノバルティス社の白血病治療薬のタシグナに係る臨床研究においての患者のデータが、ノバルティス社に渡っていたということが大きく取り上げられております。CASE-J事案は、武田薬品工業の高血圧治療薬ブロプレスについて、既存の高血圧治療薬との比較で心血管系疾患の発生に統計学的に有意差がないのに、有意差があるような誤解を招きかねない広告があったということで、これも大きく取り上げられた事例です。

 次にページをめくっていただき、こういうものを背景として、まず、ディオバン事案について高血圧治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会ということで、平成258月から平成263月にかけて、この臨床研究事案について状況の把握と再発防止策の具体策を検討していただきました。平成264月に報告書の概要が出ました。この報告書には2つ内容があり、1つは臨床研究に関する倫理指針を見直して必要な対応を図るということ、それから、臨床研究の信頼性回復のための法制度の必要性について検討を進めるべきという報告書が出されました。

1つ目の臨床研究に関する倫理指針の見直しという点については、平成2612月には見直しということが出され、ディオバン事案等を受けて、そこにありますように、倫理審査委員会の機能強化と審査の透明性確保のための規定が充実されたこと、それから、研究責任者の責務の明確化、教育・研修の規定の充実が図られました。また、データ改ざん防止のため、モニタリング・監査の規定の新設がなされております。

 資料の保存に関する規定の新設、利益相反に関する規定の新設ということで、ノバルティス社のディオバン事案を受けて倫理指針で対応ということで、指針上ではこういう改定がなされたということです。一方で、その下にあるように法制度については、臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会が開催され、同じように平成2612月に取りまとめられて公表されております。

 これについては、4ページを御覧ください。検討会において主な検討事項ということで、臨床研究に係る臨床研究の信頼回復のための具体策及び法制度の必要性について、この委員会において約9回にわたり議論してまとめていただいております。この報告書の概要が5ページにあります。1つは、法規制の必要性ということで、不適正な事案が判明した場合の調査、再発防止策定、関係者の処分等の迅速な対応に現状の制度では限界、いわゆる倫理指針という告示の状態では限界があるということで、倫理指針の遵守だけでは十分とは言えない。

 他方、過度な規制導入は研究の萎縮をもたらすので、バランスが重要であろうという報告書の内容になっております。また、これらのことから欧米の規制を参考に一定の範囲の臨床研究に法規制が必要という報告書が出されております。法規制の範囲ということで2つ、未承認又は適応外の医薬品・医療機器等を用いた臨床研究、また、医薬品・医療機器等の広告に用いられることが想定される臨床研究、この2つの類型について法規制の範囲とすることが妥当であろうという報告書が出されております。

 また、この規制、対策の内容として、行政による研究計画の事前審査等を受けることをさらに求めることについては慎重であるべきという報告書が出されました。これを受けて、臨床研究法が作られ、今回、成立しております。

 臨床研究法の概要ということで、6ページの一番上の枠を見ていただくと、この臨床研究法では臨床研究の実施の手続、認定臨床研究審査委員会による審査意見業務の適切な実施のための措置、臨床研究に係る資金の提供に関する情報の公表の制度等を定めることによって、国民の臨床研究に対する信頼の確保を図ることを通じて、その実施を推進し保健衛生の向上に寄与することを目的とするというものです。

2つ目の枠の所に書いてあるように臨床研究法の内容は大きく2つに分かれております。1つは、臨床研究の実施に関する手続、2つ目は下のほうにありますが、製薬企業等の講ずべき措置、この2つに大きく分かれております。臨床研究の実施に関する手続というのは、そこにあるように3つで構成されております。1つは特定臨床研究という枠に関しての研究についての実施に係る措置等、重篤な疾病等が発生した場合の報告の義務、実施基準違反に関する指導・監督という3つのパートに分かれております。

 特定臨床研究は、先ほどの検討会の報告を受けて2つの類型の研究について義務付けられております。※の中にあるように、薬機法における未承認・適応外の医薬品等の臨床研究と製薬企業から資金の提供を受けて実施される、当該、製薬企業等の医薬品等の臨床研究、この2つの類型について、モニタリング・監査の実施や利益相反の管理の実施基準の遵守、インフォームド・コンセントの取得、個人情報の保護、記録の保存等を義務付けるという内容です。

 また、臨床研究を実施する者に対して、実施計画による実施の適否について認定臨床研究審査委員会から意見を聴いた上で、厚生労働大臣に提出することを義務付けるという内容です。また、それ以外の臨床研究を実施する者に対しては、実施基準の遵守や認定臨床研究審査委員会の意見の聴取に努めることを努力義務として課しているという内容です。

 また、重篤な疾病等が発生した場合の報告、実施基準違反に関する指導・監督ということで、厚生労働大臣が改善命令を行い、これに従わない場合には臨床研究の停止等を命じることができるという内容です。また、保健衛生上の危害の発生・拡大防止のために必要な場合には、改善命令を経ることなく特定臨床研究の停止を命じることができるという仕組みになっております。

2番目の製薬企業等の講ずべき措置です。まず、製薬企業に対して、製薬企業等の医薬品等の臨床研究に対して資金を提供する場合には、契約の締結をしていただくことを義務付けております。また、製薬企業に対して、医薬品等の臨床研究に関する資金提供の情報の公表を義務付けているという内容です。施行日については、公布の日から起算して1年を超えない範囲ということですので、公布の日が414日ですので平成30413日までに施行するということになります。

7ページです。今、お話した法の概要、法の制度について、ディオバン事案を受けてどういう対応策が取られるのかという点をまとめたものです。いわゆる、ディオバン事案においては不透明な奨学寄附金10億円程度が提供されていた。この場合、資金提供の公表は自主開示であったという点。それから、その研究を実施する医師・歯科医師については、医療機関の管理者に対して実施計画の申請をし、それを倫理審査委員会で審査していただくということだったのですが、倫理審査委員会の審査が研究不正に対する歯止めとならなかったという点。また、実際に実施している中で、データ改ざんが行われていたということ、利益相反管理が不十分であり記録が廃棄されていたと、これに関して、厚生労働省としては行政指導に強制力がないということが、ディオバン事案において、今後、非常に対応しなければいけないということで指摘されたポイントです。

 今回、この臨床研究法において、まず、臨床研究に関する資金の提供について、企業に対して契約の締結や公表を義務付けるということが法律で義務付けられました。また、研究を実施する医師・歯科医師については、実施する前に厚生労働大臣の認定を受けた臨床研究審査委員会で、実施計画を審査して、その意見を聴いた上で厚生労働大臣に実施計画を届け出て実施するということが、特定臨床研究について義務付けられました。また、実施基準として、モニタリング、利益相反管理等の遵守を義務付け、記録の保存も義務付けるということがあり、厚生労働大臣は、法に基づく調査権限・監視指導を行うことができるようになったということです。

8ページです。臨床研究法においては、今回、細部の定義について議論して確認していただきますが、臨床研究法で定める臨床研究の範囲、何を義務付け、どこを対象としているのかということです。医薬品等の臨床研究のうち治験及び医薬品医療機器法等で定めているGCP省令の基準遵守義務があるものに関しては対象外です。

 また、先ほど話したように、特定臨床研究ということで、未承認・適応外の医薬品等の臨床研究と製薬企業から資金の提供を受けた医薬品等の臨床研究については、基準遵守義務を臨床研究法では求めております。それ以外については努力義務という範囲です。よく御質問がありますが、手術・手技の臨床研究については、今後、検討の対象ということで、今回の臨床研究法の対象とはしておりません。対象については以上です。

9ページについては、先ほど説明したとおり、「特定臨床研究の実施の手続」のプロセスを書いております。研究しようとする者については、実施計画を認定臨床研究審査委員会に提出し、その審査委員会が実施計画を審査し、その意見も付けて研究実施者は厚生労働大臣に実施計画を届け出た上で、実施基準を守って臨床研究を実施するというプロセスです。

 下にあるように、手続に違反した場合については、立入検査・報告徴収、また、改善命令を出して、その改善命令を聞かない場合、研究の一部又は全部の停止命令をかけることができ、これに違反した場合には罰則が適用されるという手続です。

10ページです。先ほど説明した臨床研究法の中で重篤な疾病等の報告については義務付けられております。まず、特定臨床研究に起因することが疑われる疾病・死亡・障害・感染症が発生した場合には、認定臨床研究審査委員会への報告を義務付けるとともに、そのうち、予期しない重篤なものについては、厚生労働大臣への報告を義務付けるというもので、PMDAへの報告という形になっております。厚生労働大臣は、毎年度、報告を受けた特定臨床研究における疾病等の発生状況について、この厚生科学審議会に報告をし、その意見を聴いて、必要な措置を取るという内容です。

11ページです。「法律に基づく資金提供の公表範囲」です。臨床研究法においては、まず、当該自社製品の臨床研究を実施している者に対しては契約を義務付けておりますが、さらに、その研究費について公表を義務付けております。公表の範囲としては、赤い枠で囲んでいるとおり、研究費、寄附金、原稿執筆料・講師謝金等を公表の対象としております。また、接遇費等については、今回、対象としていません。

 臨床研究法の概要については、以上です。

○楠岡部会長 ただいまの概要について、何か御質問はございますか。

○山口委員 いくつか質問します。まず、6ページに特定臨床研究以外の臨床研究を実施する場合に、認定臨床研究審査委員会の意見聴取が望ましいと努力規定になっていますが、この数がどれぐらいあるかによって今までの倫理審査委員会と違ってこちらに流れてくるということになると、認定臨床研究審査委員会が努力まで引き受けると、かなりボリュームによっては違いがあると思います。

 そういうことからして、8ページに区分が書いてありますが、大体、臨床研究は医薬品以外の手術・手技が多いと思います。医薬品の中で特定臨床研究に当てはまらない部分が、どれぐらいのボリュームであるという想定なのか。それから、もう1つは、手術・手技の臨床研究について、ここに適否等を判断する部門を設置するとありますが、これは、今までの倫理審査委員会とは別に適否を審査する部門を設けるということと解釈するのか、その2つを教えてください。

○森光研究開発振興課長 臨床研究の遵守義務、いわゆる特定臨床研究と医薬品等の臨床研究の努力義務の部分についての比率は、正確なものはありません。実は、今回、ここの設立に当たって、今、臨床研究については基本的に多くのものは国立保健医療科学院のポータルサイトやUMINに公開しており、その臨床研究の数のカウントを少しさせていただいております。

 そうすると、年間、新しく3,000件ぐらいの臨床研究が登録されている。そのうち、私どもが、今回、義務付けている特定臨床研究の部分に関しては新規で登録されるのが約800ぐらいです。医薬品等の臨床研究のうちの努力義務の部分について、残りの3,000引く800のうちのどれぐらいなのかというカウントはしておりませんので、ボリュームという問題については、今後、またこの法律を円滑に運営していくために、軌道に乗る際に努力義務の部分をどのような形で進めていくのかということは、また相談させていただきたいと思います。基本的には、そういうボリュームだということです。

 それから、手術・手技、一般の医療の所で適否を判断する部門ということなのですが、これは、医療法で高難度新規医療技術と未承認新規医薬品等の医療の提供について、研究だけではなくて、診療においてそのような機器や医薬品を用いる場合に、この病院において機器なり新しい医薬品をこういう場合の患者に投与する場合に、委員会を別に設けるということで、倫理委員会とは別に設けるという内容です。

○山口委員 分かりました。今回の特定機能病院の承認要件の見直しの所で出てきた委員会ということです。認定臨床研究審査委員会は、恐らく、これから議題になっていって、この倫理審査委員会の在り方は話し合われると思います。そこを入れるか入れないかで、かなり数や引き受ける範囲も変わってくると思いますので、是非、次回、その辺りについてできる範囲でまた数を出しいただければと思います。

○楠岡部会長 ほかに何かございますか。

○羽鳥委員 私は循環器を専門にして開業しているのですが、ディオバン事案とCASE-Jは、大分、様相が違うのではないかと思います。ディオバンのほうは、論文がランセットに出たからといって、例えば、脳卒中の率が34割減ったと臨床の現場では誰も信じている人はいなかったと思います。ランセットに載ったからといって、それを真実だと思った人はいなかったと思います。

 ところが、CASE-Jは京都大学がレフリーをしてきちんとされていたと思います。アムロジピンとカンデサルタンの比較です。これは、実臨床の先生も数多く参加されたのですが、最後の最後で、宣伝パンフレットのところで、統計のマジックを悪用して、ゴールデンクロスという事が出てきました。研究者もメーカーがそのような事をするとは思わなかったのではないでしょうか。これがきっかけになって臨床研究法を定めていこうとすると、実際に数多くの正しく研究されている現場の先生、それは病院の先生も大学の先生も含めて、かなり負担を掛けることになると思うので、その辺りが不安だと思います。ディオバンは、あくまで特殊な例で、余りにもメーカーの関与と意図的な悪意があったということだと思います。

○森光研究開発振興課長 全ての事案がディオバンというのはあれなのですが、基本的には私どもは臨床研究の結果の信頼性を確保していくということが一番大事だと思っております。そういう意味では、企業との関係、利益相反をしっかり、お金をもらうことが駄目だと言っているわけではなくて、利益相反をしっかり管理していく。例えば、それをしっかり公表するということで信頼性を確保しようということが1つ大事だと思っております。

 ディオバン、タシグナ、CASE-Jは、薬を売っている企業との関係についてしっかりオープンにして公表していくという形で信頼性を確保していくということで、この3つを例示として上げております。

○花井委員 各論は今後だと思うのですが、基本的な特定臨床研究の定義の所です。未承認・適応外はよく分かるのですが、製薬企業からの資金提供を受けた医薬品等の所に、企業等になっています。例えば、一般社団法人なのだけれど、その資金の半分は企業とか3分の2は企業、3分の1は企業みたいな場合に、この「等」の解釈ですがどのようになっているのでしょう。それがないと、逆に特定臨床研究の定義ができないので、そこを明確にしていただけると助かります。

○森光研究開発振興課長 それについては、また詳細にここの場で議論していただこうと思っております。私も「等」というのは、1つは企業と、例えば、子会社とかいう形でお金を出している場合があると思いますし、おっしゃるとおり、寄附金なりを出して渡して、そこから財団となってそこから出している場合という関係がどのように整理できるのかということを、これからここの場で議論していただきます。それを対象から外すという形でいるわけではありません。

○楠岡部会長 ほかに何かございますか。

○渡部委員 今の御質問に関連してです。あくまで資金の提供であって、例えば、医薬品等の提供に関してはいかがでしょうか。

○森光研究開発振興課長 この法律においては、資金の提供ということについて対象としております。医薬品の提供や物品の提供については今回対象にしておりません。ただ、国会等では、今後、状況を見てしっかりその範囲についても検討すべしということは言われております。

○楠岡部会長 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。今、いくつか質問があったこの法律の根幹的な所に関しては、今後の議論の中でまた深めていく必要があるかと思いますので、そのパート、パートでいろいろ御質問をお願いしたいと思います。特に質問がなければ次の議題に移ります。

 次は、議題5)「臨床研究法の施行までのスケジュールについて」事務局から資料5の説明をお願いします。

○森光研究開発振興課長 資料5は「施行に向けたスケジュール」です。本年414日に臨床研究法が公布されました。公布の日から起算して1年を超えない範囲において、政令で定める日に施行ということになっております。最大でも来年413日までに施行ということになります。それに向けて厚生科学審議会では、当部会で実施基準等について大体月に1回、合計で5回程度開催していただきます。非常にタイトなスケジュールですが、秋頃までには案を取りまとめさせていただきたいと思います。また、その後パブリックコメント等の手続を経て、来年1月から2月の間を目標に、省令の公布をしたいと考えております。

 主な省令事項ということで、当部会において議論していただく内容として、臨床研究の実施基準、実施計画の記載事項、研究対象への説明事項、認定臨床研究審査委員会の要件等について、この部会において議論をしていただきたいと考えております。以上です。

○楠岡部会長 ただいまのスケジュールについて、御質問はありますか。相当タイトなスケジュールですが、委員の皆様よろしくお願いいたします。特に、施行時に定まっていればいい内容と、施行時に、例えば認定臨床研究審査委員会のように、既に仕事ができる状況になっていないといけないもの。そうすると、当然要件等はそれに遡って、かなり早めに決めなければいけないことになりますので、5回程度というのは、あくまで程度ということですので、よろしくお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、スケジュールについては資料5の案のとおり進めるということで御了解いただけたものといたします。

 続いて議題6)「臨床研究の範囲」について事務局から説明をお願いします。

○森光研究開発振興課長 資料6ですが、臨床研究法とはどういう研究が対象なのかについて御質問等が多いので、まず資料6において解釈を明確化するということで、この資料を出させていただきました。臨床研究法第2条には、「この法律において臨床研究とは、医薬品等を人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究をいう」ということで括弧の所に書いてあります。「当該研究のうち、当該医薬品等の有効性又は安全性についての試験が、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第80条第2項に規定する治験に該当するものその他厚生労働省令で定めるものを除く」というものです。

 これについては、まず「医薬品等を人に対して用いる」ということについてですけれども、これは「医薬品、医療機器又は再生医療等製品を人に対して投与する、又は使用するという行為のうち、医行為に該当するものを行うことを指す」ということで明確化してはどうかと。「医行為」というのは、医師の医学的判断及び技術を持ってするのでなければ、人に危害を及ぼし、又は及ぼすおそれがある行為を指しております。

 例えば、「医療機器を用いて体温の計測のみを行う」という研究については医行為に該当しませんので、法に基づく臨床研究には該当しない。当然医学系指針には、人を用いますので対象となりますけれども、こういう場合には臨床研究法の対象にはならないということでどうだろうか。ただし、このような研究において、患者の疾患該当性について判断を行う場合には、医行為に該当するため、法の臨床研究に該当する。いわゆる、その機器で測って熱が何度であるというところに関してのものは医行為ではないのですけれども、熱が何度であるということをして、これは発熱している、こういう疾患だろうというようなところを判断するということであれば、それは医行為に該当しますので、そういう研究内容であれば、これは臨床研究法に該当しますが、単に熱を測るというだけであれば該当しないということで明確化してはどうかということになります。

 その下にあるように、「医薬品等人に対して用いることにより、当該医薬品等の有効性又は安全性を明らかにする研究」ということについては、「当該医薬品の有効性又は安全性を明らかにする目的で、医薬品等人に対して投与又は使用することにより行う研究をいう」ということで矢印があるように、通常の診療行為を行って、その経過や結果について評価を行う。いわゆる観察研究は、法に基づく臨床研究には該当しない。ただ、当然医学系指針の対象ということですが、この場合の観察研究は臨床研究法の臨床研究には該当しないということで明確化してはどうかということです。

 第2条の規定の、「医薬品、医療機器法等の第80条の2の第2項に規定する治験に該当するもの、その他厚生労働省令で定めるものを除く」ということで、法の対象外にする臨床研究は何なのか。これは、先ほど言った臨床研究の範囲には入るのだけれども、医薬品医療機器法の対象となっているので、いわゆる二重規制を防ぐという意味で外すということです。ですから、臨床研究法の対象外にする試験については、以下のとおり省令で規定することとしてはどうかということで、いわゆるGCP省令等の遵守が義務付けられている試験について、臨床研究法の対象外としてはどうか。

1つは、医薬品、医療機器又は再生医療等製品の再審査・再評価・使用成績評価のために行われる製造販売後臨床試験。それから、治験届の届出は義務付けられていないけれども、当然省令に義務付けられている治験については、この臨床研究法の対象外としてはどうかということです。以上です。

○楠岡部会長 これに関して御質問はありますか。清水先生どうぞ。

○清水委員 今の説明で大体明確化されたと思うのですが、確認です。いわゆるこの法律上の臨床研究です、特定ではなくて。だから遵守義務ではなくて、努力目標を含む対象の臨床研究ということの定義がまず、今されているのだろうと思うのです。その中には、いわゆる観察研究、要するに介入を伴わないものは対象としないという解釈だと理解したのですけれども、それでよろしいですか。

○森光研究開発振興課長 すみません、介入という言い方をするとあれですので。

○清水委員 介入という言い方はちょっと語弊がありますけれども、いわゆる観察研究は含まない。

○森光研究開発振興課長 はい。

○清水委員 ただし、そこのただし書きというか、※の所にあるような、比較対象として行う、これは有効性・安全性を直接見るということにつながる行為なので、使用しているものが未承認であるかどうかは別として、いわゆるこの法律上の臨床研究の範囲内であるという解釈だということですね。

○森光研究開発振興課長 そういうことです。いわゆる目の前の患者さんに対しての治療を、最適な治療をするということではなくて、そういう割付けをしたりということで比較していく、というものに関してはこの対象になります。

○清水委員 そうだとすると、先ほど山口委員の御懸念にあった、努力目標になる部分というのが、それほど多数発生するとは想定できないのではないかと思いますので、この定義で行っていただければ、要するに未承認のものを使っていなくて、なおかつ製造販売の企業等から資金提供が行われていない、いわゆる公的資金等を用いて行う研究で、そういう比較など割付けを伴うような研究ということになる。その範囲で言うと、それほど莫大に何倍にもその対象が増えるというようなことは想定しなくてもいいのではないかと思います。

○楠岡部会長 羽鳥先生どうぞ。

○羽鳥委員 対象となる患者さんを、Aという治療を行う、Bという治療を行うという割付けを伴う研究は介入研究と言うのではないのでしょうか。

○森光研究開発振興課長 割付けを伴わないです。

○清水委員 伴わなくて、比較をするとかそういうことを含めて。割付けを伴えば、当然介入研究になる。ただ、介入研究はもちろん対象に含まれていると思います。

○森光研究開発振興課長 はい、そうです。

○清水委員 未承認でないものを使った、そういう介入研究であるとか、比較研究をするものであって、なおかつ公的資金のみのような、企業等の資金を使っていないものというのが、努力目標の対象というように理解できる。そうであれば、それほど莫大な数になるとは想定しなくていいのではないかというのが私の感想です。

○楠岡部会長 藤原委員どうぞ。

○藤原委員 3つほど聞かせてください。1つは、臨床研究法第2条第3項に、対象とする医薬品等の定義があります。一応ここでは「体外診断用医薬品は除く」と書いてあります。最近はがんの領域だと、いろいろな遺伝子診断とかを使った臨床研究が盛んに行われています。それは、体外診断用医薬品を使っているので、今回の特定臨床研究には当たらないという理解でいいのですね。

○森光研究開発振興課長 はい。

○藤原委員 2つ目は資金提供についてです。ディオバン事案等を踏まえた、世論が一番気にしたのは、企業と臨床研究者とのお金のやり取りの不透明さというところだと思うのです。それに関して言うと3つ疑問があります。最近多いのは、企業が臨床試験をサポートする団体がたくさんあります。それはNPOであったり、社団法人であったりするかもしれません。そういうマネーロンダリングではないのかもしれないのですけれども、企業が臨床試験をサポートする団体にお金を出して、その団体がそれは寄付として受けていて、その団体は、今度は臨床研究者に対して臨床研究をサポートしているという実態、これは私どものがんの領域では広く行われています。そういうものでやられた臨床研究というのは、特定臨床研究に入るかどうかというのを教えてください。

 それから企業がよくやるのは、出版社の書籍の買取りとか、記事の買取りをして、そういう所で臨床研究の宣伝をしますけれども、そういうものはどのように資金提供と考えるのか否かというのが2点目です。

3点目は、私は治験審査会の委員をやっているのですけれども、そういう中でいつも疑問に思うのは、企業のGPSP規制下の製販後臨床試験以外の、いわゆる製販後の調査の段階で、採血行為をちょっと含むぐらいで、余り侵襲性は高くないものが、観察研究としてやられている製販後の調査が結構あり、それが非常に幅広く、IC文書なしでやられていることです。企業に質問すると、それは別にどこからも求められていないからIC文書は必要ないですと回答してきます。でも、患者さんにはたくさんの質問行為をしますし、結構な負担を掛けています。これは、GCPと医学系研究倫理指針の狭間に落ちているところなのです。これに関連して、企業が資金提供している観察研究というのは特定臨床研究と考えるのか、あるいは相変わからず放ったらかしにするのか、というのが3点目です。

○森光研究開発振興課長 1つ目は先ほど御質問があったかと思うのです。いわゆる財団を通したものということかと思うのです。これを全部野放しにするという話ではなくて、その資金の流れを我々はどのように把握すればいいのかということで、どこまでできるかというところは、1つここで議論していただきたい部分です。そこを外すということを最初から考えているわけではありません。ただ、どのように把握していくかというところについて、いろいろなケースがありますので、それについては今整理をして、それはこういうふうにやりたいということについては、ここで議論していただきたいと思います。

 出版社の買取りのところはちょっとあれですけれども、原稿執筆料というものに関しては、当然公表していただくという形で透明性を確保していただきたいと思います。出版物の買取りというところに関しては、どういう実態なのかをまた別途教えていただいた上で、お話をさせていただければと思います。

○井本治験推進室長 3点目の御質問についてお答えさせていただきます。資料の2ページが正にそこの所だと思います。臨床研究法に関しては、二重規制をしないということをかなり注意深くやっております。薬機法もある意味で一種の臨床研究を規制している法律です。細かいことを言うと再生新法もそうですし、この臨床研究法もそうだということになります。複数の法律が同じものについて規制をする非合理さというものを回避する観点から、治験というものが明確に薬事法の中で管理・監督遵守義務等、規定されているものとして臨床研究法において例示して除外しているということになっています。今回お諮りするところは、治験と同様に他の法律で管理・監督・規制して、その臨床研究をある意味適正に行うような実際規制されているものについて、臨床研究法が二重規制を掛けるということを回避したいということを例示しております。

 したがって資料にあるように、GCPが適用される市販後臨床試験もそうですし、治験届を要しないけれども、実際には治験として薬事法が適用されるものについては遵守義務がありますので、そこについては薬機法のほうで必要があれば追加規制も可能ですし、既に規制が行われている。そのような形態も含めて、薬機法の中でどこまでが薬機法で規制を掛けていて、どこまでが遵守義務でそこを要求してくるのか。そのレベルも含めて、現在、担当部局と最終的なミシン目の部分を、二重規制が掛からないように調整しているのが実際です。

○藤原委員 最後の質問で、今の事務局の回答にも関連しますが、適応外の範囲です。薬機法上の適応外の範囲をどこまで考えるかというのが、我々がんをやっている人たちは適応外使用が結構多いもので、それに関係する臨床試験も多いです。添付文書上の使用上の注意に、いろいろなものの例外、注意点が書いてあります。そこを、今回は適応外使用と考えるのか、薬機法上規定されていますから、使用上の注意に、例えば手術後の補助療法として何とかは使えませんとか、あるいはそれに関する有効性・安全性がはっきりしませんと書かれてしまったら、それは適応外使用と捉えられて、これは特定臨床研究としてやっていくのかどうか。使用上の注意の記載をどのように考えたらいいのですか。

○井本治験推進室長 実はこの手の質問は、この部会だけではなくて薬価とか、保険償還のところでもよく質問が出る話です。最終的には、薬事承認を担当する部局に承認の範囲内かどうかを確認していただくことになります。

 薬機法として承認の範囲がどこまでかということは、承認した部局でないと最終判断はできかねるので、基本的には承認の範囲内かどうかの担当部局の判断に基づいてジャッジをしているのが実際です。使用上の注意に「使用実績がない」等の記載がある場合であっても、使用上の注意という項目は薬機法における承認の範囲に入っていないので、基本的に用法・用量、効能・効果、対象疾患といった承認内容、品目の名称であるとか、そういう承認項目の中で読めるかどうかで判断していただいていると思っています。したがって、添付文書の効能・効果や対象疾患といった項目以外の部分の記載が、直接的に承認の範囲内外を示すものではないとは思っています。

○楠岡部会長 他にありますか。増田委員どうぞ。

○増田委員 2点確認します。薬機法の部分に関して、関係部局との調整中ということでしたので、2枚目の対象外になる部分は変わるというように考えてよろしいのでしょうか。

○井本治験推進室長 基本的に最初に申し上げたコンセプトは変わりません。二重規制を避けるということなので、細分化したところについては、「ここは規制を掛けます、こういうふうな省令でこれを求めています」というような具体的な基準が策定されている等の所については、担当部署に確認してもらっているという作業中なので、事実関係を確認するという作業にとどまると思います。自由自在に今回御議論いただいて変更するという趣旨ではありません。

○増田委員 人に対して用いる場合に、これは直接人に対して使うものなのか、人から血液だったら血液を採取してきて、それを用いて試験を実施する。人から血液を採取してという場合、今は倫理指針が係っていますので、それよりこっちの臨床研究で実施するのかというところをお聴きします。

 そういう試験に関しては、医療機器のほうもそうですけれども、医薬品のほうでも生物学的な安全性試験、決められたGLPと言うのですけれども、そういうところで実施するものに関しては、新鮮血を使わないと、どうしても反応が見られない。それも人でないと見られないというのがあります。そういう所でするものに関しても係るのか、そういう直接的なものもあるのか、それだけなのか、間接的に採取したものを試験に供するというのもあるのか、対象になるのかというのをお聴きします。

○井本治験推進室長 今の御質問は、藤原委員から御質問があった内容にかぶると思います。体外診断薬を法律で除外した趣旨は、直接的に人で医薬品・医療機器を試すという概念、つまりホールボディである人に対して、何らかのものを試すということ、言い方は悪いですけれども、いわゆる人体実験をするのだ、というものが基本的に管理・監督されるべき対象ですよという話ですから、体外診断薬は、基本的には人から尿であるとか、あるいは血液であるとか、そういうものを採取した上で、それを基本的評価対象として使っていく形になります。無規制という意味ではないので、引き続き指針を守っていただくことにはなりますが、今回の臨床研究法は、直接的に人体に医薬品・医療機器等を適用する臨床試験の議論をしています。一体的に血液等を採取するとか、試験対象機械が自動的に体に付帯してやっているということであれば別ですけれども、全く普通の採血行為が別途行われて、そのサンプル、残与検体等を使うということであれば、指針のほうで対応していただくということを想定しています。

○増田委員 もう一点、ここに事例として挙げていただきました体温の測定に関しても、通常平熱と言われるところであれば、何ら問題ないのですが、体温を測ったときに38℃が出ました。異常な体温が出ました、そうすると、これは誰が見ても何かあるねという話になってしまう場合もある。

 同じようなことが心電図にもある。心電図を見たときに、何か異常な波形が出た。これが患者さんのものであるのか、若しくはそこで供した医療機器のものであるのか。医療機器に何か問題があるのではないかという、基本的には健常人でまずされるということです。健常人でされたら通常の波形が出ました。通常の波形が出ない場合には、恐らくまずは機器のほうの性能が何かおかしいのではないかというところで、診断ではなくて、機器を疑うというのが通常の企業です。

 どうしても、異常な波形が異常として出るということも確認しないといけない場合には、そういうふうな疾患であるという患者さんで使ってみる、という研究も入ってきます。そういう場合も含めて、それも全てこの臨床研究法の中でやるのかどうかというところをお聴きします。ですからこの例示として、体温の測定のみというのが、本当に例示として適正なのか、異常な値が出たときには、当然何か疑うという話になります。

○森光研究開発振興課長 何か出たら疑うのは当然なのですけれども、そもそも研究をするに当たって、いわゆる何を目的とするかということです。異常と言ったときに、それが異常か異常でないかとか、医師がすべき判断をそこに入れると言ったときには当然入ってきます。測ったら熱がありました、高い熱でしたね、病院へ行ったほうがいいよと周りの人が言う、というのは当然あることなのです。

 そうではなくて、そもそも研究のプロトコールの中で心電図を測って、そこに医師の判断が入って、これはこういう疾患の可能性があるとか何とかというような比較検討をしていくというような研究の計画があるのであれば、それは当然対象となるという話です。そもそも何を目的に、どういうプロトコールを作ってやるのか、というところで変わってきます。何かやっても、途中で何か異常があったので、それは病院へ行ったほうがいいよというのは、当然普通にも出てきます。そうではなくて、そもそもどういうことを目的に、どういうプロトコールを立てているか。その中に医師の判断とか、医師の必要な医行為が入っているという場合にはこの対象になってくるということです。

○増田委員 そうすると、医師の判断が入らない、ただ単に測定するのみであれば臨床研究法の対象外というふうに考えてよろしいのでしょうか。

○井本治験推進室長 今回の臨床研究法の考え方は、基本的に人体実験をする、これはちょっと汚い言葉でお耳汚しかもしれませんけれども、「要するに人を実験材料にして、医薬品・医療機器等を試すというところについては、一定の法規制が必要だろう」というところから出発しています。ただ、もう1つ考えなければいけないのは、そこをずうっと突き詰めていくと、ほとんど差し障りがないものまで人に試すことが、本当に規制の対象にすべきかという議論が生まれます。そのときに一番分かりやすいのは侵襲度がでかい、要するに専門的知識を持った医師が、実際には関与しないとできないものがほとんどです。特に医薬品みたいに人に飲ませてしまうものについては、完全に何が起きるか分からないし、その後は手も出せない状態になるものが典型的なわけです。逆に言うと、手術道具であるとか、そういうものは誰しも疑わない。

 ところが、侵襲度がどんどん小さくなってくる。そうなってくるとそれ自身は医師ではなく普通の人たちでも日常できるような行為に近付いてくる。ただし、そのような場合であってもその行為自身が医学的判断、あるいは解釈、評価というものを伴ってくると意味が変わってくるので、そこについてはさすがに一般人にもできることなので特に規制対象としないと言い切るのは無理でしょう。 基本理念として、人で試すということは、今回の臨床研究法の対象にしようとしている範囲内に入るということをまず御理解いただいた上で、更にそこをどこまで持ってくるかというときに、さすがに体温計というのは単なる温度計と言ったら失礼ですけれども温度計ですから、単なる温度計で、単に水に入れても温度が出る、お湯に入れても温度が出る、人間が握っても温度が出る、その程度の温度測定の話であれば、単なる温度計でしょう。人で試験をする必要もないですし、本来人でやるかどうかも考えるべきかも知れません。一方で、人でやらなければ意味がないこと、人で検定して、患者でも測れましたね、というような話になってくると、そこは段々医学的判断、バリデーションの話になってくるので怪しくなってきますね。つまり、それはもはや日常的に一般の人でも通常行っている単なる温度測定という領域を超えてきており、人で試すことの意義を見いだしている領域になってきますし、そこはどうやって表現するかは、事務局でも非常に苦慮しました。

 ただ、ここでも共有したいのは考え方の整理です。今後具体例としていろいろなことが出てくると思います。疑義解釈は通知細則にしなければいけないのですけれども、人を実験材料にして試すというところを、まず法律の対象とし上で、どこまで侵襲度の高いもの、どこまで人権の配慮とか、保護をしなければいけないかということを考えたときの、ギリギリの線の解釈を行うときに、誰しも普通の生活において実施している程度のものであれば、「それは言うに及ばず非該当ではないのではないか」というようなところで、どこに線が引けるかというもので例示をしたつもりです。

○楠岡部会長 藤原委員どうぞ。

○藤原委員 今回の臨床研究法の影響を一番受けるのは、医療機器の研究をやっている方だと思うのです。今事務局からお話のあったところにも関連しますけれども、これまでは改良医療機器といって、いろいろな医療機器を工夫したものについて、臨床研究でやる場合にはそんなに厳しい規制を研究者は意識していないと思うのです。例えば糖尿病の血糖値のときに、痛くない針を使いますと。痛くない針の侵襲度はそんなに高くないですけれども、その針を使った臨床研究は、医者が針を刺すわけだから医行為に該当するものだと言われてしまったときには、その針を更に工夫して改良しようとする臨床研究とか、下町の工場の人たちは、特定臨床研究として、それを厳しくやっていくのかどうか。

 多分パブリックコメントをやったら、この医療機器分野というのは、ものすごくたくさん質問が来るし、認定臨床研究審査委員会になってくると、この改良医療機器を特定臨床研究の対象にするかどうかのほうですごく迷うと思うのですが、その辺りはどのように考えればいいのか。答えは出ないと思うのですけれども。

○井本治験推進室長 正にそこのところは両面で心配しています。医療機器については規制がかなり柔軟になっていて、治験が必要なクライテリア、認証として基準さえ満たせばいいもの、届出だけでいいものといろいろあります。それは人に適用した時のデータを要求しないもの、そういうもので評価できるという形で、薬機法でグラデーションを付けています。薬機法で、臨床試験成績は要らないと言ったものについてまで、本来は臨床試験をすることは想定されていない。それにも拘らずなぜ試験をするのか、臨床での評価を求めているのか求めていないのかという観点が1つあります。

 もう1つは、いかなる理由があろうとも、人を実験材料にするということについては1回考えていただかなければいけません。例えば今も御指摘のあった無痛針の話ですけれども、実際に最終段階においては臨床試験的なもので、人での性能試験が必要になるかもしれません。別にブタでもいいし、普通に買ってきた肉でもいい。ドクターが手術の訓練を積むときには、実際には人ではなく買ってきた肉で縫合術を学んだりという話も聞きます。基本的に人でやる必要性は必ずしもないものについては、人でやる必要はないものとして実験検証していただければいいし、そういうものでの実験検証という形で医療機器は開発されているものと思います。最後に人での実験というか、臨床試験をする際には、それがどういうものなのかというものを考えていただく必要があるのかと思っています。

 ですから、町の工場で、人に無痛針をブツブツ刺していると言ったら、それは逆に問題になるのではないか。町工場で従業員にやっているとなったら尚更問題になりますから、それはどうなのでしょうかというような質問をさせていただくようなことが起きるかもしれません。いずれにしても両方で、非常に重い規制をしすぎるのも問題ですけれども、一方で被験者というか、患者さん、あるいは国民の保護というのも決して無視できないものである、ということを改めて考えていただいて、何らかの規制ないしモラルなり、あるいは管理・監督をしていただくということが本来の趣旨です。その辺は今回法制化するときに明確になってくるものだと思います。

○楠岡部会長 研究の範囲に入るか入らないかは、かなり個別的なものになってくると思います。今回省令を作った後に、省令GCPとか指針と同じように、何かガイダンスのようなものを作る予定があるのかということ。そういう場合はガイダンスにもう少し今議論があったようなことは書いていただけるかと思います。さらに個別にどうかというのは、例えば相談窓口みたいなものが将来設置されるのかどうか。認定倫理審査委員会でも判断に迷うようなところもあると思います。問い合わせ先のPMDAでは、そういうものを作る方向性はあるのかどうか、その辺りはいかがですか。

○森光研究開発振興課長 そこについては通知なりで、省令だけではなくてもっと細かく示していくことをしたいと思います。その施行に当たっていろいろな御質問があったようなものについては、例えばQ&A集のような形で出していくとか、そういうことは当然考えたいと思います。相談窓口については、最初のうちは正直申し上げて私どもの課に御相談いただきたいというような状況になるかと思います。

○楠岡部会長 かなり個別の話をし出すと切りがないので、簡単にお願いいたします。

○花井委員 ちょっと戻って法の立て付けの確認です。特定臨床研究を、最終的に実施基準に違反した場合は、立入検査をして改善命令となっています。違反したかどうかは誰が見張っているのか。治験であれば品目ごとに見に行って、GCP省令を見ると治験ができる施設基準みたいなものがあって、施設ベースで規制が書いてある。法律は行為ベースで規制することになっていて、いわゆる実施基準という形でです。その中には、もちろん施設基準に関連はすると思うのです。これで見ると認定臨床研究審査委員会が相当重荷というか、そこの委員会がちゃんとしているかどうかはこちらが見張るのかということになる。いわゆる薬事と似た警察行政的な立て付けになっているので、この見張役はどうなるのですか。「上記の手続に違反した場合」とありますが、違反したかどうかは誰が発見するのですか。

○森光研究開発振興課長 それは、いろいろなケースがあると思います。1つはそういう見張り役と言うかは分かりませんけれども、特定の臨床研究審査委員会においては、当然最初の審査以外にも、定期報告だったり、必要なときには報告を求めるというようなところはありますので、当然その一部を担っていただくことがあります。私どもは、基本的に今も同じですけれども、患者さんからの問合せだとか、そういうことで大概のいろいろな事案はそこから始まってきます。そういう窓口なりというのは私どもの中でも設けたいと思っています。

○花井委員 何となく分かりました。これは論点先取りかもしれませんが、特定臨床研究審査委員会が認定するときにはサイトビジットというか見に行って認定する。いや、違うか。

○森光研究開発振興課長 そこは、基本的に私どもの要件を定めて、その要件に合うものに関しては承認をしていくという形を取ります。サイトビジットはちょっと分かりませんけれども、その内容とか何とかというのは、その運営状況を確認するというような話はまた別途だと思います。最初は承認する、認めるということについては要件に合うものについては、それは承認していくというものです。

○花井委員 要件に合っているかどうかは現場を見に行かなくても分かるということですか。申請者がこの要件に合った申請をしてきたら、それは通してしまうという意味ですか。

○森光研究開発振興課長 そうです。

○花井委員 その要件で申請してきたけれども、本当にその申請どおりになっているかどうかは確認せずに通してしまうのですか。

○森光研究開発振興課長 それは基本的に一緒ですけれども、例えばこういう要件のときに、こういう先生を委員にしています、事務局はこういう体制ですという資料を出していただくようなものはあります。その人に電話をして、本当に委嘱を受けていますかとか、事務局に本当に雇われていますか、という確認は、基本的に正しいことを書いていただいて、出していただくということです。

 ただ、運営内容とか、そういうものに関してはどういう審議をしているかということを公表していくとか、届けていただくという形で、その委員会がどういう運営をしているかということをウォッチしていくというようなことは当然行います。

○花井委員 基本的には、書類審査だけでそれを認めていくというように考えていると。

○森光研究開発振興課長 はい。

○花井委員 分かりました。

○楠岡部会長 認定審査委員会は、また別に要件のところの議論があるので、そのときになるかと思うのです。今現在医政局が行っている認定事業は、既に活動している所を認定しているので実績を見ることができます。今回の場合は、全くゼロからのスタートなので、その委員会がどういう実績を持っているかというのは全くないところで認定をする。ですから、その後の運営状況をどうやって見ていくかというのは、後の要件とか、加える規制の所で御議論いただかないと難しいのではないかと思います。

○羽鳥委員 具体的な例がないと議論が難しいと思うのです。私は内科なので、高血圧、糖尿、抗凝固の話なのです。すべてのDOACを出している5つのメーカーにも言える事ですが、あるDOACメーカーが大学とメーカーが締結した契約で登録研究をしますが、すべての研究資金を見かけ上の第三者的な会社を作って、その資金はメーカーのものですから、メーカーに不利益な結果が出た時に、適切な情報を医師に提供してもらえるか疑問です。

臨床研究審査委員会も作っていますが、お仲間の先生方ですので、きちんと意見が言えるかも疑問です。

 医療の世界というのは、例えば糖尿病だったら糖尿病を専門にやっている先生が研究をして、別のチームが倫理審査をすると言っても、本当の意味での第三者にはならないだろう。例えば、1回の研究会だって、全国から人を集めるためには10億円近くのお金が動くわけです。そういうことも含めたら、仕組みを丸っきり変えないと無理ではないかという議論があってもおかしくはないのではないでしょうか。

○森光研究開発振興課長 要件の話は次回と思っています。その審査委員会自身の要件のほかに、運営に当たって、こういうふうに運営してくれという形で、いわゆるそういう関係者を配した上で決定してほしいとか、専門的な人をちゃんと入れた上で、その審査委員会の意見を出してもらう。最初の承認のほかに、運営していく上でこういう形で運営してくださいというようなことも、当然この中で求めていくことになります。ですから先生がおっしゃるとおり、今の審査委員会の中には、いわゆる委員自身の利益相反というようなものに関してほとんど規定はありませんけれども、そこについてはしっかり求めていく、ということは当然要件の中に入っていくべきだろうと思っていますし、そういう形で考えております。

○楠岡部会長 いろいろ御議論はあるかと思いますが、個別の例になると非常にややこしいところが出てきますので、それに関してはガイダンス等で示していただくということにします。この臨床研究の範囲の第2条に関しての、「医薬品等を人に対して用いることにより」というのは医行為に該当するものという解釈。それから除外範囲に関して、法の対象外というものに関しては、他の法律若しくは省令で規制されているものというような解釈。この点に関しては、これでよろしいでしょうか。

○新谷委員 大体理解はしておりますが、念のため繰り返しにならない範囲で質問させていただきます。今の理解では言葉が難しいのですけれども、人体実験、臨床試験、研究とは呼ばれていますけれども、実際にテキストブックの用語では臨床試験を行うというところで切り分けられているという理解なのです。例えば、試験を行うと割付けも行って、医薬品等の評価をしますというときに、侵襲がほとんどないようなものも、通常割り付けるだけであとは通常の範囲内の研究の場合。あとは、割付けを行わない研究でも、評価をするときにかなり侵襲度を伴う、高い侵襲性を持った評価を行うような研究もあると思うのです。

 今回は侵襲度、割付けがあるかないか、人体実験かどうかのところの線引きであって、侵襲性が高いか低いかのところは、ここの範囲には掛かっていないという理解でよろしいでしょうか。

○井本治験推進室長 これも個別の話に近くなってきますけれども、概念的にお話をすると、両方とも入ると思います。1つ目は、今回観察研究を除外している理由はこういうことです。基本的に個別医療が行われていて、患者さんのためのベストな診療をドクターは考えていただく。そのときに最適なものを治療で行っていただく。その結果としてデータが残る。それを集計解析する。これは観察研究の原義だと思うのです。これを後ろ向きにやれば、典型的な観擦研究です。これを前向きにやっても同じであって、一切恣意的に患者さんに対して、「こっちをやってよ」とか「あなたは本来Aの薬のほうがいいのだけれども、実は年齢を考えたり、あるいはGFRを考えてこっちの薬のほうがいいのだけれども、一応こっちの薬も使えるからこっちの薬を使ってよ」というような、いわゆる介入行為を行うものは、明らかにその患者さんのベストな医療ではないわけです。

 基本的に観察研究で考えているのは、医療の上に研究的要素が付加される際に、一切個別の影響を与えないという場合です。その患者さんが、もしこの研究プロジェクトがなければ、そのドクターによって最適な、患者個人にフィッティングされた医療を提供され得るだろうと考えられる場合において、それを壊した瞬間に介入というのが存在している。先ほどのように、割付けを行うけれども、両方とも承認の範囲内というのはよくやられた試験で、どこかで聞いた話です。そういうバイアスはなく、その患者さんに最も良いものを、医師として責任を持って治療を行うというのが本来の医療であり、本来の医療が成立しない、歪められる場合にはもはや観察研究地はいえない状況になっているのではないかと思います。

○新谷委員 そちらは該当するというのはよく分かるのです。研究の中には、前向きの観察研究で、患者さんの最適な医療として、選択された治療を観察するときに、アウトカムの評価をするときに、通常ではやらない、例えば採血を多めにしたり、通常では半年に1回しか返ってこないところを、毎月返してきていただいたり、そういうアンケート調査でも、内容も深刻なものが来たり、その辺が侵襲のところではある場合があります。すみません、個々のところに入るつもりはないので、それはケース・バイ・ケースというところでよろしいですか。

○井本治験推進室長 はっきり分かることは、「その医薬品を用いるのになぜそんな余計な検査をするのですか」と言ったら、その医薬品の差別化をしたい、そのための試験であるということになるのではないでしょうか。全体のグランドデザインとして「人で試す」という行為をしているのですよね。侵襲度が高ければ、そういう観点から誰が見ても、それは臨床研究法でいう、医薬品・医療機器の有効性・安全性を評価するためにやったと判断するでしょう。ほとんどの部分が、あたかも通常診療に見えますけれども、そこは織り込み済みで、そこの部分だけ追加でやっているでしょうというように見えると思うのです。侵襲度が高ければ明らかではないかと思います。侵襲度が非常に低い場合には、どこまでなのかというのは非常に個別性の高い話になってくるので、社会通念上どこまでが常識の範囲内かは非常に難しいところですけれども、概念的なものを今回は整理させていただきたいと思います。

 というのは、医薬品・医療機器にはいろいろなものがありますし、更に形態も非常に進化しているので、研究形態自身のバリエーションが富んでいるので全てを分かりやすく簡単に規定するのは難しいと思います。一番大事なのは、この法律が何を目的としていて、何を問題意識としているか。何を法益として守ろうとしているかだと思うのです。結果的に一番大事なものは、国民の人権の尊重、健康の保持という意味でのところと、過度な規制をしないというところのバランスの上に成り立っているので、そこは結局悪意で言えば、どこまででも悪意があります、善意ならどこにでも善意がある中で、客観的にはどこなのかというのは、今後細かいところについては詰めていきたいと思います。

○新谷委員 観察だということで逃げてしまって、実は企業の資金がかなり導入されていた、というような場合をちょっと懸念して質問させていただきました。ケース・バイ・ケースで細かく決めていくということで、ありがとうございました。

○楠岡部会長 よろしいでしょうか。そうしましたら、取りあえず臨床研究の範囲に関しては、現段階ではここで置いておいて、あとはガイダンス等で示していただくということ。それから、非常に外れるような例が出てくるようであれば、その時点で少し見直しをさせていただくということで、先に進めさせていただきます。

 次は議題7「臨床研究実施基準」についてです。これについて事務局から説明をお願いします。

○森光研究開発振興課長 資料7について、簡潔に御説明させていただきます。まず、資料7の構成を少し御説明いたします。1ページを見ていただきますと、臨床研究実施基準の法の該当部分を、枠の中に抜き出しております。その第3条第2項にある「臨床研究実施基準においては、次に掲げる事項について定めるものとする」ということで、第1号から第6号まで書いております。本日はその第1号から第4号までを議論していただきたいということです。

 併せて衆議院・参議院の厚生労働委員会の議決の際の附帯決議を、その枠から下の所に記載しております。当然、対象者の権利の尊重やICH-GCPGMPといった国際的な規制との整合性を確保するといった話、補償について適切に行われるようにしていただきたいという話、研究の過程の透明性の確保と公的なデータベースの登録についての検討をしてほしいという要望、臨床研究実施基準の案について、速やかに公表してほしいという要望といった附帯決議が付いております。

 その次からのページが、実際に省令に規定する事項ということでまとめております。先ほど、第3条第2項の第1号から第4号の4つを本日議論頂きたいというお話をしましたが、そこに書いてある1というのが正に第1号関係で、臨床研究実施体制に関する事項です。それぞれ第1号から第4号までの議論をしていただく際の概要ということで、第1号にはこういうことを記載するというのをまとめております。

 その下の資料ですが、具体的な規定の案文については左側に現在の医学系指針の記載を、右側に具体的に記載する施行規則、省令の記載事項の規定ぶりを記載しておりますので、そういう形で見ていただければと思います。

 まず、第1号の臨床研究の実施体制に関する事項ということで、「概要」と書いてある所を簡単に御説明いたします。まず法律上の臨床研究を実施する者として義務付けている者には、原則「研究責任者」としたいと思っています。研究責任者というのは、実施医療機関において臨床研究に係る業務を統括する医師、又は歯科医師にしたいと思っております。それから研究責任者は、臨床研究を適切に実施することができる教育及び訓練を受けていなければならない。多施設間で共同研究を行う場合については、統括責任者を研究責任者のうちから選任しなければならないというようにしたいと。それから、本法においては研究責任者が、研究計画ごとに責任を有する仕組みとしています。多施設の共同の場合には統括責任者になりますが、実施計画については研究責任者が認定臨床研究審査委員会の意見を聴いて、厚生労働大臣に提出する仕組みとしたいと。研究責任者が厚生労働大臣に実施計画を提出する際には、事前に実施医療機関の管理者の承認を得なければならない、疾病等報告、研究の適合性確認については、研究責任者が実施医療機関の管理者、多施設間共同の場合は統括責任者に報告をし、研究責任者は必要な対応を行うという規定としたいと思っています。これが第1号の実施体制に関して規定する主な概要です。

 具体的な規定はそこに書いてありますように、例えば教育・訓練ですと、左に医学系指針が書いてあり、これを受けて右側の施行規則には、例えば研究責任者は、十分な科学的知見並びに医療に関する経験及び知識を有していなければならず、臨床研究に関する倫理に配慮し、当該臨床研究を適正に実施することができる十分な教育及び訓練を受けていなければならないという記載をしていきたいと思っております。

 次のページが研究者の責任関係です。左の医学系指針を見ながら、施行規則案を見ていただければと思います。まず研究責任者は、臨床研究の対象者の生命、健康及び人権を尊重し、臨床研究を実施しなければならないという規定を入れたいと思っています。医学系指針にある研究計画の遵守とか、その次の欄の実施計画の提出、実施計画の変更という点については、法律第7条及び法律第5条、第6条でそのまま規定しておりますので、省令に落とす必要がありませんので、この欄については法律で規定するということで空欄になっています。

 それから、その下の医学系指針にない部分は、いわゆる研究責任者についてです。多施設間共同の場合は一番下の所にありますように、共同研究を行う研究責任者の中から統括責任者を選任しなければならないという規定を設けたいと思っております。次がその情報の共有ということで、多施設間共同で実施する場合については、他の実施医療機関の研究責任者に対し、当該研究に関連する必要な情報を享受しなければならないという規定を設けたいと思っております。

 その次が実施の確認です。研究責任者及び統括責任者は、臨床研究がこの省令及び実施計画に従い、適正に実施されることを随時確認するとともに、必要に応じて臨床研究の中止又は実施計画の変更、その他臨床研究の適正な実施を確保するために必要な指示をしなければならないという規定を置きたいと思っております。その次のページも同じく、まだ研究責任者の欄で、委託をする場合です。研究に関する業務の一部を委託する場合には、委託を受けた者が遵守すべき事項について委託契約の内容を確認するとともに、委託を受けた者に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないという規定を設けたいと思っております。

 続いて「実施計画の作成」です。研究責任者は、まず認定臨床研究審査委員会の意見を聴こうとするときには、あらかじめ実施計画等を実施医療機関の管理者に提出し、臨床研究の実施の承認を得なければならないということで、実施医療機関に対して実施の承認を得るというステップを入れています。それから、研究責任者は臨床研究を実施しようとする場合には、認定臨床研究審査委員会に実施計画を提出し、その意見を聴かなければならないということです。その下が多施設間共同の場合です。統括責任者は認定委員会に意見を聴いたときは、他の実施医療機関の研究責任者に対し、その結果について報告しなければならないという規定を入れていきたいと思っています。

 それから疾病等の報告関係です。臨床研究法施行規則において研究責任者は、臨床研究の実施によるものと疑われる疾病・障害若しくは死亡又は感染症の発生を知ったときには、速やかに実施医療機関の管理者に報告しなければならないということで、医療機関への報告です。それから研究責任者は、臨床研究の実施によるものと疑われる疾病等の発生を知ったときには、認定委員会の意見を聴かなければならない、研究責任者は認定委員が意見を聴いたときは、その結果について医療機関の管理者に報告しなければならない、統括責任者は疾病等の発生を知ったときは、他の実施医療機関の研究責任者に対し、その旨を報告しなければならないと。同じように認定委員会の意見を聴いたときには、その結果について報告しなければならないという規定を入れたいと思っています。それから研究責任者は、臨床研究に起因することが疑われる疾病等が発生した場合の対応に関する手順書を作成しなければならないということで、このような規定を入れていきたいと思っております。

 それから、先ほど出た研究の適合性確認の規定ですが、まず施行規則案を見ていただきますと、研究責任者は、臨床研究がこの省令又は実施計画に適合していないということを知ったときには、実施医療機関の管理者に報告しなければならないと。これが多施設間共同の場合で同じように適合しないといった場合には、統括責任者は他の実施医療機関の研究責任者に対し、その旨を報告しなければならない。研究責任者は臨床研究がこの省令又は実施計画に適合しないといった場合には、重大な不適合について認定委員会の意見を聴かなければならない、研究責任者が認定委員会の意見を聴いたときには、その結果につき実施医療機関の管理者に報告しなければならないと。多施設間共同の場合も同様に、統括責任者は他の実施医療機関の研究責任者に対し、その結果について報告しなければならないという規定を入れたいと思っております。

 さらに実施医療機関との関係として足しているのが、実施医療機関の管理者は、この臨床研究がこの省令及び実施計画に従い、適正に実施されることを随時確認するとともに、臨床研究の適正な実施を確保するために、必要な措置を取らなければならないということと、研究責任者は実施医療機関の管理者の求めに応じ、当該管理者が求める書類を当該管理者に提出しなければならないという規定を入れたいと考えております。これが第1号関係です。

 続いて、第2号の規定について御説明させていただきます。基本的には救急医療の関係です。これは医学系指針にはありませんが、施行規則において研究責任者は、研究の内容に応じて実施医療機関の救急医療に必要な施設、又は設備を有していることを確認しなければならない、ただし、他の医療機関と連携することにより当該者に対し、救急医療を行うために必要な体制があらかじめ確保されている場合は、この限りでないということで、救急の体制及びその設備の確保という点について規定を入れたいと考えております。

 続いて第3号の部分です。第3号については実施条件の確認に関する事項で、主にモニタリング及び監査に関する規制です。概要ですが、研究責任者はモニタリング及び必要に応じ、監査を実施しなければならないこととする、モニタリングについては、モニタリングの対象である業務に従事する者に、当該者が直接担当する業務のモニタリングを行わせてはならないこととすると。これは、いわゆるチェックをするに当たって、やった本人がそのチェックをやってはいけないという規定であることを意味しております。監査については、監査の対象となる臨床研究の実施に関わる者、及びモニタリングに従事する者には行わせてはならないこととする、モニタリングに従事する者は、モニタリングの結果を研究責任者に報告する、また、監査に従事する者は、監査の結果を研究責任者及び実施医療機関の管理者に報告しなければならないとするという概要です。

 具体的な記載ですが、左側の指針を見ながら規定を見ていただければと思います。まず施行規則の案です。研究責任者はモニタリングに関する手順書を作成し、計画に定めるところにより、モニタリングを実施しなければならない、研究責任者は、特定臨床研究に係る監査を実施する場合には、実施計画に定めるところにより監査を実施しなければならないという規定を考えております。次に、研究責任者はモニタリングに従事する者及び監査に従事する者に対して、必要な指導及び管理を行わなければならないという規定を考えております。それから、研究責任者はモニタリングの対象となる業務に従事する者に、当該者が直接担当する業務のモニタリングを行わせてはならないということで、先ほど御説明した内容です。それから、研究責任者は監査の対象となる臨床研究の実施に携わる者、及びモニタリングに従事する者に監査を行わせてはならない。モニタリングに従事する者は、当該モニタリングの結果を研究責任者に報告しなければならない、監査に従事する者は、当該監査結果を研究責任者及び実施医療機関の管理者に報告しなければならないという規定を入れたいと考えております。

 第4号は、正に健康被害が生じた場合の補償及び医療の提供に関する事項です。基本的には、研究責任者は健康被害について、補償のための保険の加入や医療の提供体制の確保を行わなければならないとしたいということです。施行規則の案の部分ですが、研究責任者は特定臨床研究を実施するに当たって、あらかじめ特定臨床研究の対象者に生じた健康被害について、補償のための保険への加入、医療を提供する体制の確保、その他必要な措置を講じておかなければならないという規定を入れたいと考えております。御議論をお願いしたいと思います。

○楠岡部会長 時間の関係もありますので、第1号、第2号と順番に進めていって、もし時間切れになった場合は、次回へ回したいと思います。まず第1号関係ですが、私から。1つは、研究責任者に関しての記載はあるのですが、当然医療機関内では責任者1人で行うのではなく、分担研究者を加えて行うわけです。ただ、この省令では分担研究者に関して、一切書かれていません。分担研究者は誰でもいいというわけにはいかないので、当然分担研究者は医療機関の長に届けを出すとか、責任者の責務として分担研究者にプロトコールの理解をさせるとか、研修を受けさせるとか、何かそういうものがないと、他の指針や省令GCPで求めているものに比べて、余りにも抜けが多いのではないかという気がするのが1点です。

 もう1点は概要の下から2つ目、「実施計画を提出する際には、事前に実施医療機関の管理者の承認を得なければならない」というのは了解できるのですが、4ページの「実施計画の作成」の最初のところでは、「認定臨床研究審査委員会の意見を聴こうとする場合には、あらかじめ実施医療機関の管理者に提出し、実施の承認を得なければならない」となっています。これでは倫理審査の前に承認を出してしまう形になってしまうので、この書きぶりは訂正がいると思います。むしろ実施医療機関の長としては、IRBの意見が出てOKが出て、初めて実施の承認を出すというプロセスなので、届出は必要で、その了解は必要だけれども、実施の承認はちょっと早過ぎるのではないかというのが1点です。まず、その2点が気付いた点です。

○森光研究開発振興課長 まず教育・訓練に関しては、一定の教育・訓練について、プログラムを含めて示していって、それを受けていなければならないというところまでを求めていきたいと思っています。そうすると、今の倫理指針で書いた教育・研修よりも、研究責任者については、一定の質を求めるということになります。それ以外の方に関しては当然ながら、それに準じたものを受けていただきたいと思っておりますが、そこについては省令ではなくて通知なりで、そういう形で受けた人の中から分担研究者を選んで実施させるように努めなければならないといった形で、少しランクを落としてというか、ソフトな形で進めていきたいと考えています。

 それから、分担研究者の変更の話ですが、いろいろな医療機関で、非常に大規模な医療機関というか大学病院で、非常に多人数の方が入っていて分担研究者がコロコロ代わるような場合で、誰に情報をお知らせするかということについては、それぞれの医療機関で若干変わるのかなというところがあります。それについては6ページの最後の「実施医療機関との関係」において、「研究責任者は実施医療機関の管理者の求めに応じて、当該管理者が求める書類を当該管理者に提出しなければならない」というところで、例えば医療機関の管理者のほうから、この研究で実施している分担研究者は誰なのか、代わった場合にはきちんと病院のほうに届けてほしいということがあれば、それに応じて書類を提出するような仕組みを作ってはどうかということで、ここで読んでいただければと思っております。

 それから、研究計画の提出の実施医療機関の了解という点については、確かに順番が逆のほうがいいということであれば、それに応じた形で書き替えて、次回にお示ししたいと思います。

○楠岡部会長 もし、分担研究者のところでそういうものをガイダンス等で示す場合は、しっかり示しておかないと、誰でもそこにいる人が勝手に未承認薬を処方できる、プロトコールも知らない人ができる形になってしまいますので、そこは本当のことを言うと、省令レベルに書いていただいたほうがいいのではないかと思いますが、御検討をお願いしたいと思います。

○森光研究開発振興課長 はい、分かりました。

○楠岡部会長 ほかにいかがですか。

○清水委員 おおむね了解できるのですが、1つあります。臨床研究を実施する者の定義が研究責任者で、研究責任者は各医療機関においてその業務を統括する者で、多施設研究の場合はその中から統括責任者を置けということですね。その中から選んでもいいのですけれども、多施設研究の場合には、必ずしも各医療機関の中で実施責任者になっていない方が、実質的に統括して運営されるものが多々あると理解しております。特にディオバンのときのようなことを防ぐという意味では、データの保管管理や、個々の施設で起こった患者へのその次の事象といった情報をきちんと収集して全体に伝えるという役割は、やはり本当の意味でその研究をリードする所にやっていただかないと、この立法趣旨にも合わないということになろうかと思います。

 ここは「実施医療機関等において、臨床研究に係る業務を統括する医師・歯科医師」としていただいて、そういう意味で研究責任者を定義すれば、必ずしも各医療機関の責任者の中から統括責任者を選ばなくても、研究責任者であることに間違いないわけです。本当の意味で統括していただく方を統括責任者にしないと、実質上の齟齬が生じると思います。もちろん実施責任者の中の1人であっても構わないのですけれども、そうでないケースも想定されますし、実際にプロトコールを決定し、最終的にこれを認定の倫理委員会に提出していただく責任もあります。実際の運用上に関しても、実質的に責任を取れる方がそういう責を取るべきだと私は思います。統括責任者を選任するのはいいけれども、ここは是非とも統括責任者は、各医療機関の責任者の中から選ばなければいけないという枠組みは変えていただくべきだろうと思います。そうしないと実態と乖離して、それこそ立法趣旨を守れないということになります。やはり本質的に、きちんと統括できる人を統括責任者にすべきだと思います。

○森光研究開発振興課長 研究については臨床研究法で、基本的に責任を負っているのは研究責任者ですし、実際にその方がいろいろな義務を背負っておりますし、全ての報告義務や遵守していく義務を負っております。ですから多施設間共同の場合にその方々を取りまとめて、その多施設間のいろいろな義務を背負ってやっていただくことになります。その場合の統括責任者というのはある意味、重い職であるのは確かですが、法律上その義務を背負うのは研究責任者になりますので。

○清水委員 だから。

○森光研究開発振興課長 法律上の話ですので。

○清水委員 だから「研究責任者とは実施機関において」と書いてあるのを、「実施機関等において」であればいいわけです。法律上は研究を実施する者という定義になっていて、研究責任者の定義はここの所で、医療機関において何々とするということで決めているわけなので、「医療機関において」という定義をやめればいいだけですから、法律上の齟齬はないと思います。

○森光研究開発振興課長 例えば、多施設間共同で全体を取りまとめてリーダーシップを取られている方で、非常に有名な方がいらっしゃって、そういう形でやっているという実態はあろうかと思いますが、基本的にそれぞれの病院において報告の義務を負ったり、研究計画の提出をするといった意味では、実際に病院で実施されている研究を統括されている、その病院の責任者にやっていただきたいと思っております。ただ、それがイコール論文などのときにその方が外れるとか、そういう話ではなくて、実際にこの研究計画を作って遵守してやっていただくという意味での責任者ということです。ですから研究そのものを論文化するときに、どういう形でされるかというのは。

○清水委員 いや、論文化するところの問題ではないのです。実質的に臨床研究業務を統括するという業務をしているわけです。実施機関の中に責任者が1人ずついるというのは、当然そうですよ。その中の代表をもちろんその方の中から選んでもいいのですけれども、実質的に業務を統括している医師・歯科医師が別にいる場合に、そういう方に実際になってもらわなければ、法律の立法趣旨をきちんと実現できないと思います。

○井本治験推進室長 ここについては、もう法律で決められているという認識ですので、もう一度そこを解説させていただきたいと思います。臨床研究を実施する者というのが、基本的に法律で義務も課されているし、罰則も掛かる方です。多施設共同研究をする場合の一番簡単なモデルケースで言うと、単位施設で考えます。単位施設で実施するもので、それで責を負う人が実施責任者です。今の先生のお話でいくと、実施責任者以外にフィクサーがいて、後ろであの手この手を言って、その人が責任者だけれども、法律上の実施責任者はここで言う言い換えですけれども、臨床研究を実施する者だから、どちらなのかということが生まれてくるわけです。

○清水委員 それは臨床研究を実施しているのです。

○井本治験推進室長 そうであれば、そのフィクサーたる人が名前を登録して責任も負っていただかないといけないが、法律はそのような設計になっていない。

○清水委員 いや、実施というのは個々の病院で実施しているだけではないのですよ。実際に統括業務をしたり、まとめて届出をしたりすること自身が実施していることなのです。しかし、それは必ずしも個々の病院で実施している人ではないのです。

○井本治験推進室長 これは治験なども同じですが、医療機関ごとに実施ということで治験届けを出すのが原則なのです。ですから病院ごとにその責任は負ってしまっているのです。

○清水委員 治験では違いますよ。

○井本治験推進室長 そちらのほうは後で説明させていただきますが、臨床研究法においては医療機関ごとにそういうまとまりになっていて、多施設共同をするときに全部バラバラに届け出が提出されると非常に効率的でないので、多施設共同研究についてセントラルIRBが効率的に機能するという意味で、一本化する代表者を選任したいというからくりです。その中から選任することによって業務も圧縮できるし、手続も非常に簡素にできるというまとめ機能なのです。それぞれの責任者の取組は解放されていない、それぞれ当該医療機関における責任を負っていただく形になっている。

○清水委員 各医療機関の責任を、統括責任者に全て移譲しているわけじゃないじゃないですか。

○井本治験推進室長 基本的にはおっしゃるとおりで、各責任者がそれぞれ自施設で実施している分の責任を負っているのです。ただ、そのときの手続論として代表してできるようにしているというものです。法律上は手続きを集約化して一人の手続きとして集めているだけで、共同責任になっています。ですから全て共同責任として、例えばこの人たちが8人いれば8人が同じように責任を負っていて、そのうちの代表者が手続を代行するというイメージが一番近いと思います。

○清水委員 ただ、それでは実施する業務を統括している人が、その中に1人もいないということになりますよね。全体業務を統括する人がいなかったら、多施設共同研究というのはできないわけです。ここで臨床研究業務を統括する方が個々の医療機関で行うことと、単純に多施設共同研究というのは、個々の医療機関の者が寄り集まって、バラバラの者が統合されてできているわけではないのです。一体として動いているから多施設共同なのです。そのときにそれ全体を統括する者が、必ずしも個々の医療機関の業務を担っている者でない人が行う例がたくさんあるわけです。そういったところできちんと責任を持ってもらわないと。

 要するに届出だけでなく、例えば有害事象の全体への報告とか、その取りまとめとか、分析をやるというのは、結局は研究責任者の業務なわけです。自分の所だけで起こったものでないものに対して、ほかの所へも連絡をしたりということを、単純に1の医療機関が10集まって、それが10になっているから共同研究と言うわけではないのです。それはもう実態と駆け離れていることになるので、きちんとそういう業務に関して責任を持てる人を統括者にしないと、もともと法律を作った意味がなくなりますよ。

○楠岡部会長 清水先生のおっしゃるのは、研究全体のマネジメントをして進めるという役割であって、ここで求めているのは、現場での責任者の、言うならば取りまとめ役として、使っている言葉です。統括という言葉が、従来の臨床研究における統括責任医師という言葉と、少し紛らわしいところがありますけれども、明らかに求められている業務そのものが違うので、プロトコール全体で先生がおっしゃられるようなことを置くことは全然やぶさかではなく、いけるわけです。では、その方が、いわゆるこの法で求められる役割をしているかというと、そこはやはり乖離があると思うのですけれども。

○清水委員 法律が求めている役割というのは、1つではないはずですよね。要するに、多施設共同の臨床研究になったときに、統括責任者に委ねる業務というのが当然、出てくるわけです。それは個々の医療機関のものの、単独に各医療機関から届け出ればいいものを、一括して代表して、そこに集めて届けるというだけの問題ではないではないですか。そこのところを付与するのを、全部、単純に横並びの中から1人だけ代表を選んで、そこに集めて何かしましょうというロジックでは、成立しないと思いますが。

○楠岡部会長 多施設共同研究で、この統括責任者になった方の場合には、同じ施設であるかどうかは別として、そういう全体の事務局というか、マネジメントする所がないとできないことになります、この法律ではそこまでを求めているという話ではないということです。

 要は、各病院レベルに置く実務者において、守るべきことを決めておいて、さらに多施設共同研究になると、そういう統括者がマネジメントすることを、法的に求めているというものではないので、こういう書き分けになっていると理解しているわけですけれども。

○森光研究開発振興課長 そのとおりです。

○清水委員 いや、ですから、それだとすれば、それこそ立法趣旨で、こういう事例が起こらないように、臨床研究の質をきちっと担保するということを掲げているのに、そこが抜けているのだったら、それはザル法になるではないですか。

 ここ自身は、そういう形でもってきちんと運営できるようにするために、ルールを決めようとしているわけではないですか。法律上、実施する者という定義があるけれども、研究責任者という定義はないわけですよね。ここで研究責任者を決めるときに、全体業務を統括する者を加えること自身が、なぜ法律上の枠組みから外れるのですか。

○森光研究開発振興課長 先生のおっしゃっている立法の趣旨という意味が、ちょっと分かりませんけれども、私どもが言っているのが、研究の責任者というところについて、実際に実務の、それぞれの医療機関において、研究を実施する者を、そこの病院において、こういう業務をやっていただきたいというところを、まず規定しております。そういう意味でその10の医療機関でやる場合において、例えば1つにまとめて、審査委員会に掛けていただくようなことに関してまとめる人を、その中から選んでやってくださいというお話であって、研究の全体のマネジメントをするようなことを、その方に求めているわけではないのです。

 ですので、そこは統括ということが少し別のものを連想させるということであれば、その表現ぶりは変えたとしても、まとめて上げてもらう、まとめて審査してもらう、まとめてその方を中心に情報を共有してもらうという部分に関しての、いわゆる責任者を、研究責任者の中から選んでいただくということですので、それに何か上下があるとか、そういうことではないと御理解いただきたいと思っています。

○山口委員 関連です。私も同じように統括者と書いてあるので、被験者の立場からしますと、この人が全部マネジメントもして、責任を取ってくださる方だと読んでいました。ですので、そうではないのであれば、統括責任者という表現自体が、少し事実と違ってくるのではないでしょうか。かなり誤解されると思います。何かあったときに、あっ、こういう責任者の方がいて、しっかりやってくださっているのだと、やはり読めてしまうので、そこは具体的に何をするのかというのを出していただかないと、判断ができないかなと、今のお話を伺っていて思いました。

○楠岡部会長 少しネーミングに関して、もう一度検討いただくというところでしょうか。

○清水委員 単なるネーミングの問題ではなくて、ここで統括責任者がやらなければいけないということは、実質的に全体的なマネジメントなのです。届けをまとめて出すとかは、単に10個から出る書類を1個にまとめて、それをボンと提出するという話ではないのです。それをしようと思ったら、全体的な整合性を取らなければいけないし、それは正に統括している、マネージしているということなのです。それを単純に、先ほどから申し上げているように、個々の医療機関が10個集まって、10のものを横並びで出すのは、手続上大変で、簡素化するために、どこか1か所にまとめて提出しろという話ではないのです。

 実質的にやらされていることは、そこに情報を集めて、それをまた横に、個々の医療機関やそれぞれの医療機関の長に報告したりしなければいけないわけですよね。やっていることは、個々の医療機関に11でやっていることの単なる寄せ集めでは決してないわけです。

 それを単純に代表して、簡素化のために1人にまとめてやらせているというコンセプトだったら、これは大きな間違いだと思うのです。それを誰かがきちんと統括してやらない限り、やはり患者さんの安全を確保したり、臨床研究の必要性をきちんと担保したりするということができないと思います。

○森光研究開発振興課長 実はそういうお話に関しては、私どもはまず、1つの医療機関ごとに1人ずつ、責任を持ってやっていただく方を選ぶという発想があります。そして横串を刺したときに、医療機関の中に研究を統括する者と、責任を持つ者が2人いるという状態に関しては、それは正直言えば、誰に責任を持ってもらうのかというときには、先生がおっしゃる意味でいえば、1つの医療機関において、研究責任者と研究の統括責任者という者が2人いることになります。その医療機関においての責任を持つ人は、一体どちらですかという話になりますので、その医療機関において、統括責任者のような形で働かれるのであれば、その方に研究責任者としてやっていただきたい。

 要するに、1つの医療機関の中に、2人のまとめる方がいらっしゃるということになりますので、そうなると、混乱が生じるのではないか、誰に責任を持っていただくのかというところが、ちょっとおかしくなるのではないかなという議論もあって、私も研究責任者の中から選んでいただくようにと考えています。

○清水委員 いや、もし同じ医療機関の中にそういう方がいるのであれば、その方に両方兼ねていただくのはいいと思いますが、参加していない医療機関の方が統括代表だということもあるわけです。それはどうするのですか。

○楠岡部会長 先生が考えておられるのは、例えば治験だと治験調整医師とかが来て行うことができて、ただ、これは、治験でも多施設共同でも必ずしも必須にはしていない、調整医師を置かなければならないという規定にはなっていないのが現状です。

 これは法律であって、しかも省令GCPと違って、罰則まで付いているかなり厳しいものなので、今、先生がおっしゃっているような調整医師に、それを法的に、各責任医師と同じレベルの責任を持たせるというのは、バランス上極めて厳しいことになってしまいます。プロトコールに置くのは別に構わないわけですが、その人を法律の中に書き込んで、かつそういう罰則も付いたような制限を加えるというのは、いささかアンバランスだということで、事務局はこういう形を提案していると考えます。

 先生がおっしゃるのはよく分かりますし、実際、多施設共同研究を進める場合、そういう人がいないと進まないのは事実ですけれども、その方に求める法的な責任と、実質的な業務というものは、やはり切り分けて考えざるを得ないのではないかという御提案だと思うのです。現在もGCP上は、治験調整医師はありますけれども、治験調整医師に関しては、何ら法的に責任を負わしているという形では全然ないわけですから。

○清水委員 そうだとすれば、届けとかまとめるなどのことに関して、個々の医療機関の実質的責任者は当然、全てのことを負わなければいけないわけですよね。これは事務的に簡素化したり、多施設共同研究のときに、一括でプロトコールを審査してもらったりというようなこととか、横の連携をきちっと取るということであれば、それは必ずしも実施責任者の中からではなくて、そういう方を選任することができるという形にしたらいいわけです。

 実施責任者の中にそういう人が代表でいても、ですから、絶対別に置かなければいけないということを主張しているわけではなくて、別に置いてもいいという形にしたほうが実質的だろうと。特に全体的な統括のマネジメントが必要な多施設共同研究のような場合には、そこの方に一部の責任を持ってもらえるような形を考えるほうが実質的だと思います。研究の質をきちっと担保する、参加していただける被験者さんの安全をきちっと担保するということを考えたときには、そういう方は実質的にそういうことができる立場の方にやっていただくのが最も適していると思います。

 ですので、私が主張しているのは、絶対に別の人を置かなければいけないということを言っているわけではなくて、別の方でもいいという形にしないといけないのではないか、それは実質的に全ての責任を負わせる形ではないのかもしれませんけれども、そういう質の担保であるとか、安全性の確保のために、横の連携を取るためにそういう人を置く。その置いた人が、まとめて届出をするということができるようなシステムにするのが妥当だろうと思います。

○楠岡部会長 これは事務局の預かりにしていただいて、次回もう一度検討しましょう。もう大分時間も過ぎておりますので、御質問だけ頂いて、次回にまとめてお返事を頂くことにします。

○藤原委員 4ページの疾病等報告関係のところで、これは再生医療新法のときから、おかしな用語が出てきたのですが、この4ページの下のほうから次のページに掛けて、「臨床研究の実施によるものと疑われる疾病等の発生をしたときには、認定委員会の意見を聴かなければならない」等々、この臨床研究法の立て付けでは、因果関係ありの報告を重視していて、通常の治験、倫理指針あるいは附帯決議でも国際的整合性と言っていますが、アメリカのINDの規制であったり、ヨーロッパの臨床研究規則でも、因果関係がなくても未知・重篤な有害事象を、当局とか医療機関に報告しなさいとなっていると記憶しています。日本だけ因果関係ありを報告しなさいという、今までの我々の概念と違うことを入れているので、ちょっと調べていただいて、本当にこれを続けるのかどうかということを考えていただきたいと思います。

○楠岡部会長 お答えは次回ということでよろしいですね。ほかにも御質問を頂きます。

○国忠委員 先ほどの楠岡先生の質問に少し関係するのですが、結局このシステムで誰が一番ガバナンスといいますか、決して機関の長ではなくて、認定臨床研究審査委員会が一番の強力なリーダーシップをもって押さえるという形になっていると思うのですが、あるときは医療機関の管理者が出てきたり、あらかじめ報告した上でいくとか、そういうぐちゃぐちゃしたものを、何とかきれいにしてもらいたいのです。ですから、本当に私の思ったことが正しいのか、認定臨床審査委員会が全体のガバナンス上の上にあるということがはっきりしているのかどうかを、確認したいというのが1つの質問です。

 もう1つ、余りにも研究責任者の責務が多過ぎるのではないかという気がするのです。1個目の質問と矛盾するようですけれども、医療機関の管理者に少し肩代わりしてもらえるようなことも考えたほうがいいのではないかという、ちょっと自分でも矛盾した話を、今、しているのですが、その辺りをもう少し整理していただけないでしょうか。

○森光研究開発振興課長 基本的にこの法律の構成自身は、先ほども出てきましたが、研究を実施する者が、正にどういう手続を取るのかというようなことを定めているものです。ガバナンスとおっしゃいましたが、取りあえずこの法律の中で、正に研究の質を担保するということに関しては、おっしゃったように臨床研究審査委員会が力を発揮していただかなければならないものだと思っています。

 医療機関の長に関しては、実はそれは、そもそも法律の中にはないのですが、ただ実際、日本の医療機関の中で医療機関の長の知らないところで、臨床研究がちゃんと審査委員会を通って、届出を出したからやっているということが、長の知らないところでやっていていいのかということがありました。それは別の意味の視点で、医療機関のガバナンスという視点での話での報告です。

 ですから研究の中身というよりは、医療機関のガバナンスという視点で勝手にやっていていいのかとか、医療機関の長が知っておかなければいけないことについて御報告しなければいけないとか、そういう視点で医療機関の長が出ておりますので、そういう意味では研究のガバナンスではなくて、医療機関のガバナンスをやる上で、勝手にやられているようなことについては、やはり医療機関の運営という意味でもまずいだろうということで入っております。

○花井委員 もともと施設長に責任を持たせる形で、いろいろな立て付けがあったものが、今回は研究責任者になっています。一般の臨床研究は施設長が重い責任を持っていて、今回は施設長に聴いた上で、先ほど楠岡部会長が指摘したところなのですが、施設に出したときに、今までは施設長が判断する頼りにしているものが、例えば再生医療なら再生医療委員会とか倫理委員会だったのに、今回、頼りにするのは、研究者が責任を持つためにそこに意見を聴いて、研究責任者がなっていますよね。そういう意味で、今は混乱しています。

 具体的には4ページの真ん中の1の右側、「実施医療機関の管理者に提出して、臨床研究の実施の承認を得なければならない」というので、意見を聴こうというときに、では、この管理者は一体何を頼りにしていいのかというと、今までは自分のところの倫理委員会でした。では、法律に規定された倫理委員会は関係なく、自分のところの倫理委員会に施設長はまた聴いて、「こういう臨床研究もまた始まるらしいけど」ということになりかねないと読めるのです。

 先ほど、だんだん煩瑣になって、できればここをセントラル化したいという方向性なのだけれど、自分の庭で起こることについて責任を取らされるということになれば、自分1人では判断できないので、倫理委員会などがあるわけですよね。そうすると、そこの責任が、やはりこの書きぶりだと理解しにくい資料になっているので、そこをもう少し整理してもらわないと、私も余り頭が良くないので分からなくなってくるところがあります。そこが1つです。

 確かに指針との横並びと比較というところがあるのですが、さすがに新薬の臨床研究は治験以外ではちょっとないと思います。適応拡大になるとどうしてもICH-GCPと横並びという感覚があり、あれが一番厳しいように言われているけれど、それでも足りない部分はあって、こちらのほうがもっとしっかりしなければいけない部分もあります。できればそちらと横並びで比較できる資料もあるとバランスが取れると思います。こちらで指針を見て、こちらでICH-GCPを見てという感じで議論が進んでいくと思うので、それが分かる資料があったほうが理解しやすいと思いました。是非よろしくお願いします。

○楠岡部会長 それでは、まだ第1号のままですけれども、今の質問に関しては、次回に回答を頂いて、それ以降の2番目、3番目に進んでいきたいと思います。少し時間が足りなくなって申し訳ありませんでした。一応、以上で予定は終了とはいきませんが、ここまで来ましたので、一旦、本日の部会は終了とさせていただきます。事務局のほうから追加をお願いいたします。

○森光研究開発振興課長 次回の開催につきましては、831日を予定しております。開催時間、場所等については改めて御連絡を申し上げたいと思います。今回は2時間ということでしたが、少し議題が多いのと、審議の時間をゆっくり取りたいということもありますので、時間が長くなると思います。各委員におかれましては、もし長くなることで支障があるようでしたら、事前に御連絡を頂ければと思います。よろしくお願いします。

○楠岡部会長 少し時間が延長して、申し訳ありませんでした。本日はこれで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

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