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2017年6月29日 第1回食品衛生管理に関する技術検討会

医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部監視安全課

○日時

平成29年6月29日(木)
13:00~15:00


○場所

労働委員会会館 講堂


○議題

1.開 会

2.議 題
  (1)食品等事業者団体が策定した衛生管理計画手引書案の確認
    ・飲食店営業
    ・食品添加物製造業
  (2)その他

3.閉 会

○議事

○事務局事務局: 定刻になりましたので、ただいまより第1回「食品衛生管理に関する技術検討会」を開会いたします。

 私は本日、司会を務めさせていただきます、厚生労働省生活衛生・食品安全部監視安全課HACCP企画推進室の福島と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 まず開会に当たりまして、生活衛生・食品安全部長の北島から一言、ご挨拶を申し上げます。

○北島部長: 皆様こんにちは。生活衛生・食品安全部長の北島でございます。

 本日はお忙しい中、食品衛生管理に関する技術検討会にご参集を賜りまして、まことにありがとうございます。また、皆様にはこの検討会の構成員としてご参加いただくことをご快諾いただきましたこと、改めて深く感謝申し上げます。そして、今日は参考人の皆様にもおいでいただいているということで、ご協力を重ねてご礼申し上げたいと思います。

 厚生労働省では、昨年3月に食品衛生管理の国際標準化に関する検討会を立ち上げまして、1年近くをかけて我が国におけるHACCPの制度化の枠組みについて検討を行いました。検討会での最終取りまとめを踏まえ、フードチェーン全体を通じて食品の安全性のさらなる向上を図るため、製造、加工、調理、販売等を行う全ての食品事業者を対象にHACCPによる衛生管理を求める方向で、先般、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会における具体的な検討を開始したところでございます。

 この議論に並行いたしまして、制度化に際しての事業者の負担を可能な限り軽減するため、各食品等事業者団体において衛生管理計画策定のための手引書を作成していただき、この技術検討会でそれらの手引書案について確認及び助言を行っていただくこととしております。これらの手引書を公表し、広く周知することで、小規模事業者を含む全ての食品等事業者がそれぞれ無理なくHACCPに基づく衛生管理を導入し、取り組んでいただくことができることに期待をしているところでございます。また、手引書に基づいて地方自治体の食品衛生監視員が助言や指導を行うことにより、制度の統一的な運営にも資することができると期待しているところでございます。

 構成員の皆様方におかれましては、それぞれの専門のお立場からどうか忌憚のないご意見を賜りますようお願いを申し上げまして、簡単ではございますが、開会のご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

○事務局: ありがとうございました。

 それでは、もしカメラ撮影、写真撮影等をされている場合は、ここまでとさせていただきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いいたします。

 続きまして、本技術検討会の構成員のご紹介をさせていただきたいと思います。お一人お一人お名前を挙げてのご紹介は割愛させていただきたいと思いますが、今日お配りしている参考資料1に本技術検討会の開催要領をおつけしておりまして、その中、1枚めくっていただいて別紙というところに、構成員の先生方の名簿がございます。こちらに記載されている10名の先生方に構成員をお願いしています。

 また、座長につきましては構成員の先生方の互選により、東京農業大学の五十君先生にお願いをしております。五十君先生、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、本日はオブザーバーといたしまして、農林水産省食料産業局食品製造課食品企業行動室の横田室長にもご出席いただいております。

 同じくオブザーバーの国立保健医療科学院の温泉川上席主任研究官につきましては、本日は所用によりご欠席とのご連絡をいただいております。

 それでは、以降の進行を五十君座長にお願いいたします。先生、お願いします。

○五十君座長: 五十君でございます。マイクは聞こえていますでしょうか。大丈夫ですね。

 それでは、早速始めさせていただきたいと思います。円滑な進行にご協力をよろしくお願いいたします。

 初めに、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局: 本日お配りしている資料ですが、議事次第、座席表に続きまして、資料1といたしまして1-1と1-2をおつけしておりますけれども、こちら公益社団法人日本食品衛生協会様からご提出いただいた「HACCPの考え方に基づく衛生管理のための手引書(小規模な一般飲食店事業者向け)」の概要版の案と、資料1-2として本体の案をおつけしております。

 資料2といたしまして、一般社団法人日本食品添加物協会様からご提出いただいた「食品添加物製造におけるHACCP導入の手引書(基準B)(案)」をおつけしております。

 また、参考資料といたしまして、参考資料1が先ほどご紹介した本技術検討会の開催要領。参考資料2といたしまして、食品等事業者団体による衛生管理計画手引書策定のためのガイダンス第2版。参考資料3といたしまして、厚生労働省で策定をいたしました「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた食品衛生管理の手引き[飲食店編]」をおつけしております。

 また、追加で1枚紙で「厚生労働省の手引書の作成支援及び確認」というタイトルのポンチ絵をおつけしております。

 資料の不足、乱丁等ございましたら事務局までお申しつけください。

○五十君座長: 資料はよろしいでしょうか。

 それでは、議事に入りたいと思います。事務局よりご説明をお願いいたします。

○事務局: まず最初に、本日この技術検討会の第1回目ということもございますので、技術検討会の開催の趣旨について、参考資料1に基づきましてご説明させていただきたいと思います。

 こちらの技術検討会の趣旨でございますが、先ほど北島の挨拶の中でもご説明させていただきましたとおり、私ども厚生労働省では、昨年3月に食品衛生管理の国際標準化に関する検討会を立ち上げまして、今後HACCPによる衛生管理の制度化をどのような方向性で進めていけばいいかということについて、有識者の先生方にご検討いただいたところです。その最終取りまとめが昨年12月に公表されまして、内容といたしましては食品の製造・加工、調理、販売等を行う全ての食品の事業者の皆様を対象に、HACCPによる衛生管理をやっていただく方向で今後、詳細な制度設計を検討していくということでございますが、具体的には食品事業者の皆さんに一般衛生管理とHACCPによる衛生管理、これらの衛生管理計画を策定していただくということ、それから、HACCPによる衛生管理の部分につきましては、コーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする基準A、もしくはこのコーデックスHACCPの弾力的な運用を可能とした、HACCPの考え方に基づく衛生管理を要件とする基準B、このいずれかに基づいて衛生管理計画を立てていただいて、実践していただくということで考えております。

 その際、事業者の皆様の負担軽減を図るという観点から、各食品事業者の団体の皆様に基準Aまたは基準Bもしくはその両方につきまして、その対応のためのわかりやすく実践的な手引書をそれぞれの食品ごと、または業態ごとに策定していただいて、この作成していただいた手引書について、私ども厚生労働省でも技術的な観点から助言、確認をさせていただく。この確認を行った手引書につきましては、全国の地方自治体にも通知をさせていただいて、それぞれ地方自治体が事業者の皆さんの相談に乗ったり、監視指導を行う際にこれらの手引書を参考にすることによって、統一的な制度の運用に資することを考えているところでございます。

 この手引書の確認につきましては、やはり技術的な観点からのアドバイス、検討が必要になるということで、この食品衛生管理に関する技術検討会を立ち上げて、専門家の先生方からご助言をいただきたいと考えております。

 そのような観点から、この要領の3にも書いてございますけれども、検討会の先生方には学識経験者、地方行政担当者もしくは業種横断的な食品事業者団体、食品認証団体、こういった分野の先生方からご就任をいただいております。

 具体的には「2.検討事項」にございますけれども、各食品事業者団体で作成をいただいた業種別の手引書の案につきまして、危害要因分析ですとか、一般衛生管理、重要管理点、それから、標準作業書、記録様式等、こういった内容が適切であるかということについて、専門的、技術的な観点からご助言、確認をいただきたいと考えております。

 技術検討会の趣旨については以上になりますが、事業者団体の皆様からご提案いただく手引書の具体的な内容については、参考資料2と、追加でお配りした1枚のポンチ絵の両方をご覧いただきたいと思います。

 参考資料2につきまして、各事業者団体さんで衛生管理計画手引書を策定される際のガイダンスということで、具体的にどのように手引書策定を進めていっていただければいいかといったことを解説したものになります。実際の中身については、参考資料を1枚めくっていただいた別添というところが本体になります。このガイダンスの趣旨については、そちらの「1.趣旨」に書いてあるとおりですけれども、手引書作成のための事務的な手続ですとか作業の進め方、手引書に含めるべき内容、参考となる情報について解説を行っております。

 実際に手引書を作成していただく上での事務的な手続については、追加の1枚紙のほうがおわかりになりやすいかと思うので、こちらをご覧いただければと思います。

 まず食品関係団体さんからは、これから手引書を策定されるという計画がある段階で、随時私ども厚生労働省に相談をいただければと考えております。作成する前、作成する途中においても随時相談をいただきながら、意見交換を行い、必要に応じて食品衛生管理に関する技術検討会の構成員の先生方から技術的なご意見をいただいたり、また、団体さんで何か不足している科学的な情報があるとか、こういった情報が必要といったようなご要望がございましたら、厚生労働省の中に厚生労働科学研究班がございますので、こちらからアドバイスをいただいたり、そういった形で意見交換を重ねて手引書の案を作成していただければと考えております。

 作成していただいた案につきましては、今日こちらで開いている技術検討会で最終的に内容の確認をいただきまして、完成したものについては関係団体さんからそれぞれの会員さんですとか、食品事業者の方に内容や使い方を周知していただくと同時に、私ども厚生労働省でも全国の地方自治体に通知をいたしまして、監視に入るときの参考にしていただいたり、事業者の皆さんから衛生管理に関する相談を受けたときにも、この手引書の内容を参考にしていただいて、全国的に共通な考え方でこういった運用が図れればと考えております。

 実際に手引書に含めていただく内容については、また先ほどの別添に戻っていただければと思います。別添を1枚めくっていただいて、ページが振っていないのですけれども、3番にまず基準A向けの手引書についての考え方が記載してございます。基準Aにつきましては、基本的に食品事業者の皆さん自らがそれぞれの製品の特性ですとか、施設の状況に応じてコーデックスHACCPの7原則を実践していただいて、衛生管理計画を作成していただくものですので、この基準A向け手引書の中では、その事業者さんの衛生管理計画の作成に役立つような、例えばHACCPの導入手順の解説ですとか、具体的な製品についてのモデル例の提示ですとか、管理措置や管理基準を設定するための根拠となる基礎的な情報、こういったものの提供を行っていただければと考えております。

 基準B向け手引書については4番から書いてございますけれども、こちらについては基準Bの対象業種が()に書いてございますが、例えば小規模事業者さんですとか、その店舗での販売のみを目的とした製造・加工・調理を行っている施設であるとか、提供する食品の種類が多くて変更頻度が頻繁な業種、または一般衛生管理による管理で対応が可能な業種等、さまざまなものが想定されるわけなのですけれども、こういった業種につきまして具体的には(3)から含めていただきたい内容を書いてございますが、対象業種、業態、食品または食品群を決めていただいて、対象となる施設の規模、従業員数、こういったものを明確にしていただければと考えております。

 それから、一般衛生管理に関する部分、HACCPの考え方に基づく衛生管理の部分ということで、小規模な事業者さん等にとって、恐らくハードルが一番高いと考えられるオの危害要因分析といった部分について、団体さんのほうで考え方を整理していただいたり、その結果に基づいて推奨される管理措置ですとか、管理基準といったものを提案いただいたり、記録が必要な事項、その具体的な記録様式の例、こういったものを手引書の中に含めていただければと考えております。

 その下の(5)のところに、基準B向け手引書を策定していただく上での留意事項を幾つか記載しておりますけれども、1つはア(ア)にもありますように、基準B向けの対象となる事業者さんは非常に幅広いものが想定されるわけですが、具体的に作成していただく手引書が対象としている事業者さんの規模ですとか、業態をあらかじめ設定していただいて、策定していただきたいと考えています。

 それから、危害要因分析のところ、イとウのところになりますけれども、危害要因分析は可能な範囲で食品事業者団体さんのほうで実施していただいて、それを踏まえて重点的な管理が必要な工程と、その管理方法についても記載をしていただければと思います。その際、過去に起きた食中毒ですとか、事故、業界内で共有されているヒヤリハット事例、こういった既存の情報を活用して危害要因分析をやっていただければと考えておりますけれども、その参考資料としてこのガイダンスを先日、6月22日に改正して第2版ということでお出ししているのですが、その際に別紙1として原材料に由来する潜在的な危害要因、それから、別紙2といたしまして食品分類ごと、各段階における異物混入事例といったような資料も追加させていただきました。こういったものも参考に危害要因分析を実施していただければと考えております。

 一番大事なのが飛んでいただいて5のところになるのですけれども、こうして策定していただいた手引書について検証をしっかりしていただきたいということで、団体で作成していただいた手引書の案が事前に想定した規模ですとか、業態の事業者さんが本当に実際に実行できる内容となっているかどうかといったことを会員の方のご協力を得るなどして、しっかり検証していただきたいと考えています。

 このガイダンスにつきましては、これからも随時皆様のご意見をいただきながら改正していきたいと考えておりますので、お気づきの点などございましたら随時私ども事務局にお知らせいただければと思います。

 ガイダンスのご説明については以上です。

○五十君座長: ありがとうございました。

 続いてお願いできますでしょうか。

○事務局: それでは、本日はただいまご説明いたしましたこのガイダンスに基づいて、私ども厚生労働省にご相談をいただきました手引書案について、構成員の先生方に内容をご確認いただきたいと考えております。ご相談いただきましたのは、1つは公益社団法人日本食品衛生協会さんごが作成された飲食店向けの手引書。もう一つが、一般社団法人日本食品添加物協会さんが作成された食品添加物製造業向けの手引書案でございます。

 こちら2つの手引書案につきましては、本年3月にそれぞれの団体様から厚生労働省にご相談がございまして、本検討会の構成員の先生方も交えて事前に意見交換を行わせていただいて、内容について確認してきたものになります。

 本日は、これまでの意見交換を踏まえて内容を修正していただきましたので、その手引書案について各団体からご説明をまずいただいた上で、その後、質疑応答、意見交換を行わせていただきたいと思います。

 まず最初に、公益社団法人日本食品衛生協会さんが作成された、小規模な一般飲食店事業者向けのHACCPの考え方に基づく衛生管理のための手引書案についてご説明をいただきたいと思います。食品衛生協会さん、ご準備をお願いいたします。

(日本食品衛生協会参考人席に着席)

○五十君座長: 資料1-1と資料1-2をご準備いただけますでしょうか。それでは、よろしくお願いいたします。

○日本食品衛生協会: 日本食品衛生協会公益事業部の鶴身と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 今日は同じくHACCP事業課の課長の栗田と課長補佐の岡本の3名でまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 先ほど委員長からもご説明がありましたように、資料1-1、資料1-2に基づいてご説明をさせていただければと思います。

 お話がありましたとおり、3月に厚生労働省からいただきましたガイダンスの通知を受けまして、日本食品衛生協会では小規模な飲食店、飲食店と言ってもいろいろ幅が広いと思いますけれども、小規模な飲食店を対象に手引書を作成してまいりました。4月の打ち合わせの会議を経て、いろいろご指摘をいただいた点等を修正いたしまして、本日、提出させていただいたところでございます。

 ご案内のとおり、当協会は6割以上が小規模な飲食店の会員さんで、ある意味、最も小さな規模の事業者の1つかと思います。そういった方を対象に手引書を作成してきました。基本的には先の厚生労働省で行われた検討会でもございましたとおり、諸外国の例なども参考にして、飲食店の実情を踏まえて実現性のある内容にしていく必要があるということをポイントにして、特に記録の簡素化なども重要だということで作成をしてまいりました。

 参考とした資料としてはお手元にも配付されておりますけれども、参考資料3、厚生労働省さんで作成をされたオレンジ色のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理の手引書なども参考として、また、見える化しませんかというリーフレットもたしかあったと思いますけれども、そういったものなども参考に、また、過去に厚生労働科学研究でも食中毒の要因分析が行われたりしていますので、そういったものなどを参考に一般飲食店を対象にして手引書を作成したということです。

 基本的には一般的衛生管理を基本として、重要管理点を設けて管理をする内容としております。対象の品目であるとか、食品群であるとか、事業者という観点で申し上げると、小さな一般飲食店、食堂とかそういったところをイメージしていただければと思いますけれども、その場でお客さんの注文に応じて調理をして、その場で提供するということが基本になっていようかと思います。従業員数としては数名程度までというところを対象として手引書を作成しております。

 手引書の構成についてご説明をさせていただきたいと思います。どちらから説明をしたほうがわかりやすいのかというのも難しいのですが、資料1-2、本体のほうをご説明させていただければと思います。

 分厚くなってしまっておりますけれども、めくっていただいて1ページ目に目次があります。「はじめに」と書いていますけれども、2つ目、「小規模な一般飲食店における衛生管理」ということで、実施すること、実施すべきことというのをまとめて記載しています。要点としてまとめているということです。2つ目として一般的衛生管理のポイント、3つ目として重要管理のポイントについて記載をし、記録の関係、記録の保管について記載をしています。

 それ以外にも保健所さんへの報告であるとか、あとは定期的な振り返り、検証のひとつということになろうかと思いますけれども、振り返りの内容なども記載をして、最後に様式であるとか手順書を添付させていただいております。

 3ページをお開きいただいて、実施すべきことということで要点をまとめて数ページにわたって記載しています。基本的には先ほどの検討会の報告書などを参考にして記載をしておりますけれども、従業員数が数名程度までを対象としたHACCPの考え方に基づく衛生管理なのだということです。1つは計画の策定、衛生管理計画の策定。2つ目に各計画に従って実施をしていただく。それに基づいて実施の確認をして、記録をしていただく。ある意味、PDCAサイクルにのっとった形で実施をしていただこうという形にしています。衛生管理計画の策定としては、一般的衛生管理のポイント、重要管理のポイントと並べております。

 次のページに様式、5ページにその記載の例、6ページに重要管理のポイントの様式、7ページに記載の例、8ページにまいりまして実施をしましょうということで、手順書に従って、参考にして実施をしていただく。それが実施をしたら(3)として確認をしていただいて記録をしていただく。9ページに記載をしていますけれども、特記事項のところに何か気づきの点を記載していただくことを記載しています。全体的にこういうことを実施すればいいんだということを最初にまとめて記載をしています。

12ページにまいりまして、それぞれ具体的に一般的衛生管理のポイントを確認しましょうということで、過去の食中毒の事例であるとか、クレームなどの事例を踏まえて小規模な一般飲食店で何が重要か。危害要因分析というところまで言えるかどうかわかりませんけれども、食中毒事例なども踏まえてカンピロバクターやノロウイルスなどの食中毒の事例なども踏まえて、特に重要になろうというところを挙げさせていただいております。そこに記載の4つの項目について原料の受け入れとか、温度の確認、二次汚染の防止、従業員の健康管理という点を中心に記載をさせていただいております。

 これらの項目についてなぜ必要なのか、いつやらないといけないのか、どのようにしてやらないといけないのかという点を解説して、問題があったときにはどうするのかということをあらかじめ決めておいていただいて、実施をしていただくという記載にしています。

 例えば13ページには原料の受け入れということで、なぜ必要なのかとか、いつ確認をしないといけないのかとか、どのようにやるのか、問題があるときはどうしたらいいのかということをあらかじめ決めておいていただいて、それに従って実施をしていただくんだということを説明し、計画を立てていただくことを書いています。

 右肩に、これもご指摘をいただいた内容ですけれども、後段に様式としてまとまって出てきますので、どこを見ればいいかということをわかりやすくするように、様式のページを入れたり、あとは下にトピックス的に食中毒の事例のような形で、ヒスタミンの食中毒なんかもありますよということを例示させていただいております。

 これらの項目が継続して並んでいまして、17ページではトイレの清掃、ノロウイルスの関係です。特にそのあたりについて記載をしております。

18ページ、19ページは従業員の健康管理、そして手洗いの実施ということで、ご指摘にもありましたけれども、働いているときだけではなくて日々から感染には注意をしないといけないということもございますので、そういったことも下に記載を追記させていただいております。

21ページにまいりまして、重要管理のポイントということです。調理・保管などの際に温度管理というものが重要になってきますので、有害微生物が増殖する可能性のある危険な温度帯を通過する過程、工程をメニューごとにグルーピングしていきましょうということを記載しています。

22ページ、メニューを分類しようということで非加熱のものであるとか、加熱をするもの、一旦加熱をしてまた冷やすもの、さらにはそれをまた加熱するものとか分類して、それぞれに管理の項目を定めて管理をしていきましょうということにしています。

23ページは、そのチェックの方法の例、第1のグループが非加熱のもの。

24ページ、第2のグループは加熱をするものです。特に飲食店の関係、ほかの事業者でも同じかもしれないですけれども、その都度、調理の都度確認というのは非常に手間もかかります。なかなか実行上、困難というところもあります。またその記載も大変だということがありますので、日々の調理の中では見た目や焼き加減などによって加熱が十分であることを確認していきましょう。新しいメニューなんかを追加したときも、同様の確認をしましょうというように記載をしています。その都度の記録というものは特に必要ないけれども、1日の最後には記録をして、問題があった場合には書き留めていきましょうということを記載させていただいております。

26ページにまいりまして、一旦加熱をしてまた冷やすものです。やはり危険温度帯を何度も通るというのがポイントになるので、そこを速やかに通過させるという観点で米国の例、それから、大量調理施設衛生管理マニュアルの例を記載させていただいております。

27ページ、その他の調理基準についても記載させていただいております。

28ページは異物であるとかアレルゲン、アニサキスの関係についても解説をさせていただいております。

 その他いろいろと危害要因として挙げられるものがあろうかと思います。ご指摘にもありましたけれども、28ページの一番最後には、厚生労働省のホームページなども参考にしていただけるようにご紹介をさせていただいているところです。

29ページにまいりまして、記録をしましょう。なぜ記録が必要なのかということをご理解いただくことで、1から4まで記載をさせていただいております。

30ページにまいりまして、具体的にはこのように記録していきましょうということを記載しています。当初、○×でどうかという案も提案させていただいたところではありますけれども、むしろ良・否というものをあらかじめ書いておいて、そこにチェックをするという形がいいのではないかというご指摘をいただいて、そのような形にさせていただいております。特に何か記録としてたくさん文字を書くというのではなかなか大変なこともありますので、できるだけ簡潔、簡素化をして○×の方式にして、問題があった場合にはそれらを記載するという形にさせていただいております。

34ページにまいりまして、保健所さんへの報告であるとか、定期的な振り返りです。目に見えてくるもの、特に気がついたものがなくても振り返って確認することで気づくこともございますので、そういったことを追記させていただいております。

 あとは様式になります。36ページからは計画の様式、40ページからは記録の様式になります。記録は1日1枚という形でも当初考えたわけですけれども、なかなかそれだと年間365枚になるので、1カ月1枚ぐらいの形でできるだけコンパクトにならないかという観点でまとめをさせていただいております。

46ページは連絡先です。保健所さんへの連絡先であるとか、そのほか緊急時の連絡先を書くようなもの。47ページには手順書を掲載させていただいております。ただ、これは50ページぐらいになってしまいまして、なかなか見づらいところもご指摘をいただいて、資料1-1になりますけれども、より実効性のあるものということで抜き出した概要版を作成させていただいております。

 資料1-1をご覧ください。全体的な構成としては同じような構成になっておりますけれども、1ページが実施をすることということで、衛生管理計画の策定、一般衛生管理のポイントとか、重要管理のポイント、こういうことをやればいいんだよ、これをやればいいんだよということをまとめて記載させていただいております。計画に基づいて実施をしてください。それに基づいて確認、記録をしましょう。それぞれ詳細はこちらのページをご覧くださいというふうに記載をしております。

 2ページ目からは、それぞれの記載の仕方。4ページは重要管理のポイントとなるべき内容について記載をしています。

 6ページにはメニューのグルーピングであるとか、7ページにはそれぞれのチェックの方法について記載をしています。8ページには、その作成をした計画に合わせて実践をしましょう、実践に当たっての手順書を参考にしていただく。それから、3番として実施をしたことを確認して、記録をしていただく。つくった計画に基づいて実施をして、それぞれは記録簿のここに書くんだよという記載にしています。基本的には良否をつけるとか、問題があった場合には、特記事項に記録をしてもらうという形にさせていただいております。

12ページからは、その手順書となります。その後ろには様式を掲載させていただいております。

 構成としては以上のような構成になります。特にこれらの作成に当たって留意をした点ということですけれども、小さな一般飲食店が対象、小さなお店、従業員が少ない規模の飲食店が対象ということで、難しい言葉を今できるだけ使わないということがポイントになってくるのではないかと考えています。横文字を使ってもなかなか理解に時間がかかったり、ご理解をいただけなかったりすることもあるので、難しい言葉をできるだけ使わないとか、これまで保健所の方々にご指導いただいて、食中毒予防の3原則というのはかなり浸透していて、それに基づいて、体系的に整備をして見える化をするんだよというのが非常にわかりやすいポイントだと思いますので、3原則を基本として実施をしていただくことを基本として作成してまいりました。

 また、至らぬところもあると思いますけれども、手順を追っていくと衛生管理計画、プランができて、実施ができるような形を心がけて作成をしたということです。あと、やはり記録です。記録が非常に手間になる、大変だということがございますので、できるだけ簡素化をして手間がかからないように工夫をさせていただいた、配慮をさせていただいたということでございます。

 それから、前回のご指摘も受けまして、できるだけ具体的な記入の仕方の事例を記載させていただいております。

 これまでの指摘を受けて、どのようなことを直してきたかという観点ですが、多々ご指摘をいただいておりますので、簡単に主な点だけをご説明させていただきたいと思いますけれども、1番はこの抜粋版をつくった、概要版をつくったというところが一番大きいのではないかと思います。ほとんどこの概要版を見ればそれで終わるような形になったのではないかという形です。それから、様式の記入例を工夫してくださいというご指摘をいただいて、先ほどから申し上げているとおり、できるだけ記載をしたということです。おわびをして交換をしたみたいなことは不要で、どちらかというと逸脱の事例なんかをきちんと残しておくことがHACCPとしては大事だということをご指摘いただいて、その記載にさせていただいております。

 化学物質、洗剤とか塩素の使用に関してということで、追記をさせていただいております。資料1-2の16ページになりますけれども、洗浄のところで洗剤の保管なども記載をさせていただいております。どうしても衛生管理計画に関することとか、一般的衛生管理に関すること、それぞれパーツ、パーツで分かれてしまっているので、それぞれの相関がわかりにくいというご指摘いただきまして、関連するページなんかも追記をさせていただいたところです。それから、従業員の健康管理としては日常的に手洗いが必要だ。ノロウイルスや腸管出血性大腸菌に対してはそういうことも必要だということで、記載をさせていただいております。

 それから、冷却をする際にはあら熱をとってからということを追記しろということで、それもさせていただいております。具体的なメニューの例として、スタンダードなものということでライスなんかも追加させていただいております。

 温度管理の記載として、問題があった場合の例を具体的に書いたほうがというご指摘をいただいて、異臭などというふうに記載を考えて当初、修正をしていましたけれども、またさらなるご指摘をいただいて、食材の状態に応じてというふうに修正をさせていただいております。

FDAの関係で加熱の温度のグルーピングのところで、FDAのグラフを入れたほうがいいのではないか。厚生労働省さんの手引書には入っておりますけれども、かえってグラフを入れると小さな飲食店ではわかりにくいのではないかということで、そこは言葉で記載をさせていただいたところです。

 それから、保健所さんへの連絡の関係であるとか、牛の関係の加熱が必要だということの記載ぶりにもわかりやすく修正をさせていただいたところです。記録様式の関係もできるだけ簡素化ということでご指摘をいただいて、修正をさせていただいております。

 本体の26ページになりますけれども、加熱によってグループ分けをしていますが、右下のほうになりますけれども、グループごとに混ぜ合わせたときの例なども記載したほうがいいということで追記させていただいております。

 指摘を受けて修正したところの主な点は、以上でございます。

 それから、検証の関係です。以前の打ち合わせでもご説明をさせていただきましたけれども、4月の段階で1週間ほど飲食店を対象に実際にトライアルといいますか、試行をやっていただいたということです。茨城と滋賀で合計で32店舗で実施していただきました。1週間ぐらいになります。その中でアンケートをとっていますが、これは修正前の手引書になりますけれども、手引書(案)の記載がわかりやすかったかというご質問、アンケートをとりましたが、1名の方がわかりにくかったというご指摘をいただいております。その理由としては、説明が早くてわかりにくかったというご指摘をいただきまして、私も実は説明会に参加をして説明をさせていただきましたけれども、いろいろな方がいらっしゃるので理解の程度が違うので、丁寧にゆっくり個別にやったほうが本当は理解が進むのだろうなという感想を受けました。

 それから、計画の作成、記載はできましたかということで、1名の方がほとんどできなかったというご指摘もいただいております。理由としては、後で係の方がお店に来てアドバイスがもらえるまで難しく考えていました。いざやってみれば整理もできてスムーズに行えたと思いますというご指摘で、説明の後、数日たって実際のお店にお伺いして実施状況なんかも見せていただいて、アドバイスもさせていただきました。やはり個別にご説明をしたほうがわかりやすかったということがあります。

 計画に基づいて実際にやってみてどうでしたかという質問については、ほぼできたということです。記録について1名の方が難しかったということがありますけれども、なれるのに時間がかかったということでした。

 後半には、毎日やるということができるようになりましたということです。

 今後の普及ということで、今後、会員、事業者の方々にどのような普及をやっていくかということですが、日本食品衛生協会としては、根幹となる事業として食品衛生指導員の活動というものがございまして、全国に約5万人の方がボランティアで活動していただいています。やはり先ほどもありましたようにそれぞれ個別、できるだけ丁寧に時間をかけて説明することが必要だろうということもあって、指導員活動の中で巡回指導をしていただいておりますけれども、その中で指導員の方にリーフレットの配付であるとか、徐々に紹介をしていっていただきたいというふうに考えて実施を計画し、予定をしています。また、指導員の方々への研修会というのも開催して、巡回指導に当たっていただこうと考えております。さらには日本食品衛生協会の事業として食の安心・安全・五つ星事業ということがございますので、これらの手引書の内容もさらに踏まえたものに修正をして、これらの事業の展開を考えていきたいと思っています。

 これまでに作成をしてきたガイダンス等については、手引書であるとかモデル例、昨年度実施してまいりました理解醸成事業なんかも実施してきておりまして、本年度についてもまた推進をしていきたいと考えております。

 説明は以上でございます。

○五十君座長: ありがとうございました。

 ただいまの資料1-1が概要版になります。資料1-2が本体ということで、これについてのご説明につきまして、ご質問やご意見等がございましたらよろしくお願いしたいと思います。

 中村委員、どうぞ。

○中村委員: 詳細を教えていただきたいのですが、32店舗に対して実証をされたということなのですけれども、各店舗の従業員の方の規模ですとか、あるいは32店舗のいわゆる業態といいますか、お寿司屋さんとか、お蕎麦屋さんとかいろいろな業態があると思いますけれども、その内訳がわかりましたらご教示いただければと思います。

○日本食品衛生協会: 業態といたしましては、一番多かったのは食堂、レストランです。ここが9施設ありまして、居酒屋さんが6施設、喫茶店が3施設、料理屋さんみたいなものが8施設ございました。その他は同じような飲食店で、平均の従業員の数としては全体を平均すると4名程度、4.2名という数になっております。

 以上です。

○中村委員: ありがとうございました。

 特に難しかったという店舗が1店舗、2店舗あったというお話なのですけれども、そこが特にほかと違うとかいうものは何かあったのでしょうか。

○日本食品衛生協会: 私の感想で申し上げると、特に違うということはなく、普通のレストラン、奥さんと2人でやられているような小さなレストランです。むしろメニューには英語名も書いて、積極的にやられているような、きれいなかわいらしい小さなレストランでした。

○中村委員: ありがとうございました。

○五十君座長: ほかにありますでしょうか。

 池田委員、どうぞ。

○池田委員: 後半のほうでご説明をいただいた資料1-2の16ページ目、器具の洗浄の部分なのですけれども、こちらで再度洗浄してくださいということで書いていただいているのですけれども、最近、塩素系の消毒剤が器具などに残っていて、それで体調を崩されるという事故が幾つか見られているようで、使う前に消毒剤が残っていないか臭いをかぐとか、そういうものを加えていただけるといいのかなと思いました。

○五十君座長: 可能ですか。

 荒木委員、どうぞ。

○荒木委員: 今のところは16ページの「問題があったときはどうするか」に「汚れが残っていた場合と洗剤のにおいが残っていた場合」と1行にして、そこに書いていただければいいと思います。

○五十君座長: 具体的なご指摘ありがとうございます。

○荒木委員: あと、ようやくわかってきたのですが、重要管理のポイントというところで資料1-2を見ていただくと、3ページで次のグループにメニューを分類し、それぞれのチェック方法を決めましょうと言って、でき上がってきたものが6ページ、7ページということですよね。6ページのような表を使って、7ページのようなものをつくりましょうと言っているのです。あるいは一般的衛生管理は4ページのようなポイントがあるので、5ページのようなものをつくりましょう。こういう解釈でよろしいでしょうか。

○日本食品衛生協会: はい。

○荒木委員: そうすると、7ページの重要管理のポイントのチェック方法を見ていただきますと、第1グループの「提供時、冷たいままであること」は、お皿をさわって確認、判断するとか、冷蔵庫から出してすぐ提供していることを確認するとか、何かそういうことなのではないか。

 なぜ違和感があるかというと、冷たいまま提供はそのまま2カ所、一番上と下が体言止めになっているのですけれども、その途中のは見た目で判断するとか、主に見た目で判断するというものを容認しているわけです。それと同じように書かないとおかしいのではないか。誰かがチェックする、提供するときお皿が冷たいことをさわって確認するとか、目で見て判断するとかだし、でも下手にきれいなものを冷たいとさわったら一巻の終わりになるので、そこは注意が必要なのですが、そうやって重要管理のポイントを決めましょうということであれば、下のサイン欄が確認者というのは変ではないですか。重要管理のポイント計画をつくった人ですよね。つくったのは誰かということだから、何と言ったらいいでしょうか。重要管理のポイント計画作成者であり、これがHACCPチームだとすると、チームがつくって社長がサインするとかありますけれども、中小だったら、小さいところだったら責任者が自分でつくって決めることだから、確認者ではないような気がするのです。作成者は誰かということで、その作成は日付を書いてもらって、そのままでずっと使えるのかどうかは定期的な指導や保健所の方が行かれたときだとかに見て、このままずっとやっている、変わっていないかということを見てあげればいいではないか。毎日これが必要なのかと思ってしまうような、確認と書いてある。そこがエディトリアルな問題なのだと思うのですが、書きぶりを直していただいたらいいかなというのが1つありました。

○五十君座長: いかがですか。

○日本食品衛生協会: わかりました。

○五十君座長: そのほかのチェック欄はよろしいですか。表現については、6ページの今、ご指摘のあったもの以外は誰がとか、そういう問題は大丈夫ですか。

○荒木委員: 日々の管理に関しては日々チェック欄と、1週間ぐらいまとめたところでどなたかが、ここの記録例だと太郎さんがチェックするのがよくわかるようにはなっているので、記入例を見ればわかっていただけそうな気がします。

○五十君座長: その他の部分については、特に変更はなくてよろしいですね。

○荒木委員: あとは、ここに書くのはすごく難しくなるかもしれないのですが、温度計、たまには図ってくださいねということで突き刺し温度計とか、冷蔵庫には温度計がついているとかいうのは前提になると思うのですけれども、温度計の点検、0℃・100℃を確認するというようなことに関する何か情報提供が要るかなと思うのは、47ページの手順書の冷蔵庫の温度の確認で、「何らかの問題があったときは決めた方法に従い、対応します」なのですけれども、その上の「決めた頻度に従って温度を測定します」は、冷蔵庫についている温度を見るだけですね。どうなのでしょうか。イメージがちょっとわからないのですが。

○日本食品衛生協会: 計画に基づいて策定をした頻度で。

○荒木委員: 温度を見るのですよね。

○日本食品衛生協会: そうです。計画に基づいて何か問題があったときには対処をする。

○荒木委員: その何か問題があったときは、どういうことを想定されているかで、冷蔵庫の温度計は4.6℃となっているのに、開けたら冷たくないような気がするとか、そういうときには温度計が合っているのか、冷蔵の温度計だったら難しくなく幾つかの冷蔵庫で試してみたいな手順があるのですけれども、こうすれば確認できるということが、何かその辺の情報提供ができるといいなと思うのですが、どこかにパンフレットみたいなものはありませんでしたっけ。マニュアルの中に。

○日本食品衛生協会: 校正のことだけというか、それを書いたのはちょっと。

○荒木委員: 温度計ではかってみましょうというので、氷での温度点検。

○日本食品衛生協会: 13業種の手引書の中に事業者向け、製造者向けの手引書の中にはそれを入れているようです。氷の話と沸騰の話。

○荒木委員: ありますよね。沸騰については海抜によって沸点が違うということを少し補強して、あの絵を1枚入れてあげたらどうかなという気がしました。

 以上、大きく分けるとその2つです。

○五十君座長: 具体的に細かい指摘も含めてご検討いただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 ほかにはよろしいですか。関根委員、どうぞ。

○関根委員: きれいにおつくりいただいて、ありがとうございます。基本的には非常にわかりやすいのかなと思います。

 1点、運用の中でのお考えなのかもしれませんけれども、お伺いさせていただければというのは、B基準向けの手引書はこういうことを盛り込んでくださいという中で、一般衛生管理の中で施設設備の衛生管理とか、そ族・昆虫対策、廃棄物の取り扱い、そういったことについては、もともとの様式のところには含んでいないのですけれども、こちらの資料1-2の20ページのところには、必要に応じてこれは管理をしてくださいということでお書きいただいている感じで間違いないですね。方向性として。

○日本食品衛生協会: 20ページのところで、そうですね。駅ビルに入っているような一般飲食店もございますので、特にそれは状況に応じて、必要に応じて追加をしていただくなり、足していただきたいと思います。

○関根委員: そのときの考え方なのですけれども、実際に運営なさる方々がどういう受け取り方で対応していただけるかというときに、もともとの様式の中から必要がないから消しましょうというのは消しやすいような気がするのですが、様式の中にない欄を新たに自分でつくりましょうというと、結構一歩踏み出せないということもあるのかなと思いますので、その辺はどのようにご指導いただくのかということの考え方もあると思いますけれども、もし必要があるところでは、その辺が抜けがないようにというような運用がやりやすい方向をご検討いただけたらと思います。

○五十君座長: ご検討いただければということでお願いしたいと思います。

 ほかにはよろしいですか。川崎委員、どうぞ。

○川崎委員: どうもご説明ありがとうございました。

 1点確認ですが、前回説明いただいた手引書案から、今日は手引書及びその概要版の案が出されました。概要版についてなぜ、どういう考え方で整理されたかは説明いただきましたので理解していますが、手引書本編と概要版と2つありますので、今後、実際にこれを普及させていくとき、この2つの関係をどのようにお考えか、確認の意味で聞かせて下さい。また、基本的には概要版なので全体の構成は変えていないというご説明で、私もそのように理解をしていますけれども、1点意見ですが、鶴身部長から、衛生管理のPDCAが非常に重要だというお考えが中心というご説明だったのですけれども、そこから見ると本編には一番最後に振り返りという項目があり、PDCAが回る手引き書になっているのですが、概要版は振り返りという項目がないのがちょっと残念だと思いました。ただ、それは先ほど荒木先生がおっしゃったように、確認者が確認するときにPDCAが回るという理解ができるとは思いますが。以上、確認と意見それぞれ1点ずつです。

○五十君座長: ご意見ありがとうございました。何かありますでしょうか。

○日本食品衛生協会: この概要版のイメージ、我々の考えになるのかもしれないですけれども、ある意味、電化製品のマニュアルのように簡単バージョンと分厚いバージョンがあったりして、お使いになられる方々で、簡単バージョンで既に十分ご理解できる方はそれで済むのかもしれないし、さらにもう少し詳細な内容をということになれば本編版をごらんいただければと考えています。

 ご指摘の振り返りの点は、1ページの最後のほうにも少し足させていただければと思います。

○五十君座長: そろそろ時間もありますので次に参らせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

(日本食品衛生協会退席)

○五十君座長: 資料2につきまして、事務局よりご説明をお願いしたいと思います。

○事務局: 資料2は、一般社団法人日本食品添加物協会様が作成された「食品添加物製造におけるHACCP導入の手引書(基準B)(案)」になります。こちらにつきましても事前にこの検討会の構成員の先生方と意見交換を重ねまして、その内容を踏まえて修正をしていただいた案になります。こちらの案について、まず一般社団法人日本食品添加物協会様からご説明をいただきたいと思います。ご準備のほうよろしくお願いいたします。

(日本食品添加物協会参考人席に着席)

○五十君座長: 資料2を準備していただけますでしょうか。

 それでは、よろしくお願いします。

○日本食品添加物協会: 日本食品添加物協会の堀川でございます。

 今日はこの基準Bの作成に協力いただきました品質保証委員の岡本、八村と3名でご説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

 まず、協会がどういう構成かということをお話させていただきたいのですけれども、食品添加物の製造、取り扱い、輸入をしている事業者約950社で構成しております。そのうち約3分の1の事業者が、添加物の製造を行っています。

 手引書のほうですけれども、まずこれは食品添加物の原体及び製剤の製造、小分けを対象にしていますということで、お手元の資料の3ページですが、ここに概要として記載させていただいております。対象の従業員は50名未満の事業者を対象ということにしております。モデルのほうは一般衛生管理の部分とHACCPの考え方に基づく衛生管理ということで、2部構成としております。

 まずその下に2番目に基準Bということで、一般衛生管理のほうが重要だというところ。厚生労働省の記載内容をそのままここに移してきたということです。あと、衛生管理の見える化ということで、少し説明を入れています。

 4ページ目が一般衛生管理ということで、一般衛生管理の作成手順、運用、続いて項目。この項目につきましては管理運営基準から引っ張ってきております。あと協会のほうで食添GMPという自主認定をしているのですけれども、その項目も一部、例えばアレルゲンの管理、製品等試験検査に用いる機械器具の保守点検等を入れております。

 この項目に従って6ページからですけれども、まず計画書の作成の事例としまして記載しております。ここの項目の中でやはり5S活動というものが非常に大事ではないかというところで一番頭に入れております。あと、項目に沿って施設の保守点検とか作業場の衛生管理というところ、機械設備の保守点検、衛生管理ということで、それぞれ50名未満の事業所でここぐらいだったら確認できるかなというような項目を入れております。

 同じように7ページ、8ページまでがそういうことで、項目に沿ってやっていただきたいことを記載しているということです。

 9ページになりますけれども、ここのところは今度事例の説明ということで、一般衛生管理確認記録というものを1枚物なのですが、つくっております。1日この1枚に記録していただくということで考えております。それが具体的に次の10ページでございます。先ほどお話しました一般衛生管理の項目の中から、必要と思われる項目をここに落とし込んでおります。この1枚をすれば計画書に基づいてやっているかということを事業者が負担にならないようにということで、この1枚にまとめたということです。

 次のページが先ほどお話したように施設の清掃とか、設備の洗浄、殺菌が非常に大事だということで、この手順を参考事例としてつくっております。

1217ページは記録書式ということで、それぞれ事業者が現在運用している記録はぜひそのまま使ってください。足らない箇所だけは新しく追加でつくっていただきたいということで、この参考事例を挙げております。こういうものを載せると事業者の方は必ずこれをしなければいけないのかと思ってしまいますので、そういうところは最初のほうの説明のところで、今お話したような内容を入れております。

 続いて18ページからがHACCPの考え方に基づく衛生管理ということで、ここにつきましては事前の打ち合わせでたくさんのご指摘をいただきましたので、大幅に改定をしました。まず機械の取り扱い手順ということで、操作ミスがないようにということで、どちらかというと一般衛生管理のほうになるかもしれませんけれども、設備の点検、清掃と、若干違うかなと思いましてここに入れました。あと製造工程図についての手順を記載して、次に危害要因分析ですけれども、ここを大きく変えました。まず生物、化学、物理的危害ということで例示をしております。不衛生な異物、虫とか毛髪については、全て一般衛生管理で管理するということです。

 次のページに前回、危害要因分析の表の書き方が間違っているというご指摘がありましたので、ここで危害要因分析表の説明を追加しました。

 続いて、食品添加物の製造における健康に悪影響をもたらす可能性のある危害ということで、食品添加物の製造工程で想定できるもの、生物的、化学的、物理的ということで列記をしました。ここで食品添加物を製造するに当たってアレルゲンの混入、それから、ラベル表示ミス、例えば使用基準の漏れあるいはアレルゲンの記載漏れというところ、これが非常に大事だということでここに入れました。

 次、物理的危害のほうですけれども、ここのところで項目として、どちらかというとガラスとか硬質異物とかいうのが非常に物理的な危害で大きいということになります。今でもガラス容器に充填している添加物の製造メーカーの方がおられますので、ガラス容器の取り扱いについてということで使用前に欠け、破損がないか目視確認後、使用するということにさせていただきました。

 重要管理点ですけれども、これもご指摘をいただきまして、前回のときにはストレーナーろ過も重要管理点としていたのですが、一般衛生管理のほうで対応するということで、基準Bにつきましては加熱殺菌工程、金属検出機の工程ということで2つに想定しました。この金属検出機につきましては、前工程で金属片の混入がない場合は、CCPにするのはいかがなものかというお話もありましたけれども、既に金属検出機をラインに組み込んでいる事業者の方は、それぞれ動作確認あるいはテストピースによるチェックを行っていますので、重要管理点としての位置づけとさせていただきました。

 管理基準は、その2点についての管理基準の例示ということでございます。

21ページのモニタリングも、2つの工程ということです。一番ここで大事にしたのは、改善措置の設定ということで、異常があった場合は「改善措置書」を発行して原因の究明と対策を立てる。その異常とは何ぞやということで4つ挙げております。原料の異常、工程異常、出荷不可、回収ということで、この「改善措置書」を発行して原因究明、対策をすることによりシステムのPDCAを回しながら、よりそれぞれの事業者にマッチしたシステムを構築できるというふうに位置づけて、ここに記載をしました。

22ページが今回、4つの製造工程図と危害要因分析のモデルを作成しました。それぞれのモデルに該当する想定される製剤の例を記載するようにご指示をいただきましたので、ここに記載をしました。

23ページから4つの危害要因分析の製造工程をもう一度見直して、殺菌工程、金属検出工程以外は全て一般衛生管理で管理するという形に修正をかけました。

 金属検出機のところは30ページになりますが、モデル2の粉体製品の危害要因分析のところで、前工程での金属異物の入る可能性ということで、8番目の工程に原料粉砕工程を追加いたしました。

 それから、最初に言うべきだったのですけれども、最初に出したのが100ページぐらいの一般衛生管理とかの説明も入れた手引書にしていたのですが、全て本文で大体1314ページになると思いますが、あと、記録関係、帳票類関係とかモデル事例というところでスリムにして、中小企業者も読んでいただくのに簡単に見ていただけるかなという感じでまとめ上げました。

 記録書式で工夫したということは、先ほどお話しましたが、一般衛生管理確認記録、ここに1枚に落とし込んで事業者の負担を減らそうかなと考えました。

 それから、この手引書作成に当たりどのような苦労があったかということで、正直この「食品等事業者団体による衛生管理計画書策定のガイダンス」というものが出ておりますが、項目だけでどこまで要求したらいいのか本当にわかりませんでした。事前に技術検討会の先生方にご指導いただきまして、どういうふうにまとめていったらいいのかという方向性が見えてきました。そういうことで今回その指摘をいただきました項目に対して修正をかけさせていただきました。

 検証の状況ですが、まず4月に東京、大阪で検証に入る前に、この手引書の説明をしなければいけないということで、説明会を開催しました。8事業者の協力を得て今、検証を進めております。そのうち4社から一般衛生管理計画書と記録書式の確認が終わり、運用を開始していただいています。HACCPに基づく衛生管理については、事前の打ち合わせのところでたくさんご指摘をいただきましたので、ちょっと進めるのは待っていただいている状況です。

 事業者規模では4事業者になりますけれども、25名とか14名、12名、9名というようなところになっています。それから、食添GMP、先ほどお話しましたが、この中にも一般衛生管理の今日お話をしました項目が全て盛り込んで審査していますが、77事業者ぐらいがそれで対応しております。その中には事業者の規模が50人未満の事業者が4050社ということで半分近くあるということなので、一般衛生管理については特に運用上、問題にならないかなと考えております。

 今日のお話、説明させていただいて、先生方の指摘に沿ってHACCPの考え方に基づくほうも連絡していきたいと思っております。

 今後の普及では、まず7月に支部の総会というものがありまして、仙台、名古屋、広島、福岡で手引書、基準Bの話をさせていただくことにしております。9月に東京、大阪でセミナーということで開催を予定しております。説明会が終わった後、10事業者ぐらいが協会に来て、どのように取り組んでいいのかなという相談に来られ、説明しました。

 最後になりますが、今まで作成したマニュアルガイダンスということで、2015年に「食品添加物の製造工程におけるHACCPの導入の手引き」、これはどちらかというと基準Aに近い。これをもとにして今回この基準Bをつくりました。2015年に食添GMPのガイドブックということで、今までGMPと品質管理だけだったのですが、そこに一般衛生管理を組み込みまして衛生管理を強化しました。2016年にHACCP導入型自主基準ということで、これが今、協会の基準Aという位置づけで自主認定を行っているということです。

 今回3月に基準Bを提出させていただきまして、厚生労働省の担当者の方から50人未満で、実際に数名でやっている事業者もあるので、この手引書でできるかというご質問をいただいて、「できません」という答えをしました。それですぐに品質保証委員会で、従業員5人未満向けの一般衛生管理を中心に一般衛生確認記録のところに危害要因分析の一部表示のミス、仕込みミス、アレルゲンの混入とか、そういう項目を組み込んだ手引書を今、つくったところです。

 もう一つ、食品添加物には二酸化炭素とかガスの製造業者があります。現在その手引書をつくっているところですが、一番危害というのはガスボンベに違った製品を充填とするということだと思っていますので、そういう一般衛生管理プラス充填の間違いがないようにダブルチェックしていくというような手引もつくっていこうかと思っています。ということで3種類になりますけれども、これでほとんどの50人未満の添加物製造業ができるのではないか、対応できると考えています。

 それから、前回ご指摘いただきました原体をつくっている添加物製造事業者についてはどうかということですが、個々に対応でやはり反応工程があるということになれば、工程管理が必要になりますので、そこを手引書ではなくて食添GMPで対応できないかというようなお話をしていきます。

 私からは以上です。どうもありがとうございます。

○五十君座長: ご説明ありがとうございました。

 ただいまの資料2のご説明に関しまして、ご質問、ご意見等がありましたらよろしくお願いしたいと思います。いかがでしょうか。

○荒木委員: ちょっとエディトリアルなところはのけておいて、根本的なところで多分混乱されているのが改善措置です。

 参考資料2、6月22日付のガイダンスの一部改正の第2部というものを見ていただくと、この中にはHACCP、コーデックスの7原則、12手順における改善措置の定義が載っていないのです。改善措置に関して定義は載っていないのですが、基準B向け手引書作成の進め方のア~クで、ここにクが入ってしまっているので、一般衛生管理が入っていると混乱をしてしまわれたのだと思うのですが、ケに関して改善措置なのです。HACCPプランにのみコーデックスで言っているコレクティブ・アクションが存在するのです。一般的衛生管理の不適合に関しては、改善措置とは言わないのです。コーデックスの定義の改善措置ではないので、ここが読んだ方が混乱されそうな気がします。

 その具体的なものを逆さまから追いかけていくと、45ページ、33ページの記録様式を見ますと、逸脱時の改善処置方法と書いてありますが、このガイドラインから言うと改善措置になるのです。これを改善処置とするのか改善措置とするのか統一していただく。これは別として、CL、殺菌温度と時間が逸脱した場合は区分して保管して、原因を究明してデータをとって、まだ菌が残っているのだったら再殺菌しますよと言っているので、これはHACCPプランにおけるコレクティブ・アクションになっています。

33ページを見ると、金属検出機の作動の確認で、前回、検知後からの製品を区分し、報告をして原因を究明して、作動確認後、再稼働して再通過させる。これもHACCPプランにおけるコレクティブ・アクションの中身に合っています。

 コレクティブ・アクションと言っているのは実はこれだけなので、21ページのここで言っている改善措置というのは、一般的衛生管理についてまで入れてしまっているのです。これで話がすごく大げさになってしまうのです。もしこれは一般的衛生管理で管理するのだとするならば、前のほうの記入例で見ていただくとわかるのですが、10ページの一般的衛生管理の記入例のところで、×のときは不適合の処置をしなさいと書いています。一般的衛生管理に関しては、これだけを要求しているのです。場合によっては製品に手を差し伸べなければいけない重大事件もあるのですけれども、これは一般的衛生管理の不適合に対する処置なので、21ページの改善措置の設定のところを見直していただいて、この部分の一般的衛生管理に関するものは第1章のほうへ持っていって、不適合があったときの処置とその記録というふうにしていただいて、CCPは2つだけなので、もう少し書きぶりを変えていただくと、すっきり飲み込めるなというところだというのがわかりました。ようやくわかりました。

 事のついでで言ってしまうと、モデル4の殺菌は香料でしたっけ。

○日本食品添加物協会: 着色料です。

○荒木委員: 何らかの菌がいてはまずいという製品設計なのですよね。それは必ずしも病原体ではないですね。それを何とかハザード分析に書きあらわせませんか。というのは、40ページからのモデル4は生物的なハザードは全部Noになっていて、忽然と18の工程でYesが登場してCCPになっているのです。一体これはどこから来る微生物なのでしょうか。原料にもゼロではないかもしれないし、あとはアルコールも入るしあるのかなと思いつつ、混合とか溶解とか、どこかに菌がいるから加熱で殺菌するんだよというふうにしないとハザード分析のストーリーが成立しないので、もちろん汚染は一般的衛生管理で管理するのですけれども、やってはいるけれども、仮に残ったとしても後の殺菌工程があるというのを第5欄に入れていただいて、第3欄をどこかYesにして、理由は書いていただいて、一生懸命やっていただいているけれども、万が一残った場合には18の工程があるよということで、そこはCCPではない。それで18番に送ってあげるとすとんととれるような気がしました。

 あとは完璧にエディトリアルなので、後でお話をすればいいかなということなのですが、まとめると改善措置というところをHACCPに限定させて、それはコーデックスの定義を使っていただいて、一般的衛生管理は不適合に対する修正とか、別の用語にしていただければわかりやすくなって、今までのGMPも全部そこに生きてくるのではないかと思いました。

○五十君座長: この第1章、第2章の構成、一般衛生管理、そしてHACCPの考え方に基づく、この分け方はこのままで大丈夫ということで、中を整理していくということでよろしいですか。

○荒木委員: 参考資料2の流れがマル総の痕跡がまだ残っているので、そういう書き方になっているのですけれども、コレクティブ・アクションはあくまでもHACCPプランでCCPになったところのCLを逸脱したら、モニタリングで前までさかのぼって何とかしてやれよというのがHACCPにおけるコレクティブ・アクションなので、そこを押さえていただきたい。この最後のモデルからはそれが意図されているのでいいと思います。

○五十君座長: この方針でよろしいということですね。

 ではエディトリアルなところは、また個別でご相談をしていただくということでお願いしたいと思います。

 ほかにご意見ありますでしょうか。

○川崎委員: 前回も同じ質問をしましたが、今日ご提案いただいた手引書を、基準Bの手引書とすることに対する基本的な考え方についてです。18ページから21ページにかけて、これは私の理解なのですが、コーデックスの7原則について、原則6「検証」を除いて非常にわかりやすく解説されていると受けとめます。

 その点からは、基準Bの手引き書というよりも、むしろ基準Aの手引き書とも受け取ることができるのではないかと依然として思います。そこで確認ですが、ガイダンス(5)の基準B向け手引書作成の留意事項のイに記されているように、危害要因分析の実施が特に高いハードルとなると考えられる小規模事業者に向けて、可能な範囲で事業者団体が危害要因分析をして、そこからCCPCLの特定や設定について判断し示していくことが基準B向け手引き書のポイントだろうと思うのですけれども、

 それについてはP.22の8.以降にモデル1から4まで4パターンが事例として示され、CCPがない場合はなぜ必要ないのかという解説もされていて、基準B対象者はこのモデル1~4を比較・参考にして自分の計画を組んでいくことを基準Bの手引き書として解説するものという理解でよろしいでしょうか。

○日本食品添加物協会: ご指摘のとおりで、参考事例を挙げることによってどこかのモデルにあてはまるので、それを使っていただければと考えて対応しました。前回も基準Aに近いというご指摘を受けて、先ほどお話した製品説明書、検証方法の設定とかHACCPプラン、それを除いたので、ここまでは多分、今までのGMPの実績からすれば十分対応できるかなというふうに、特にどちらかというと加工食品に比べて製造工程がシンプルなので、対応できるかなと考えております。できないところはもう一つ、先ほどお話した別のものをつくって一般衛生管理のみというものを今、考えていきたい。

○川崎委員: わかりました。

○五十君座長: よろしいでしょうか。

 ほかにご意見、ご質問等ございますでしょうか。中村委員、どうぞ。

○中村委員: 手引書の中身という形ではなくて実態を教えていただきたいのですが、先ほど5名以下の従業員の方については、別途PRP中心のものをつくっていくという話だったのですが、5名以下の事業者さんというのはどのくらいの割合いらっしゃるのか。それから、そういった5名以下のところについては、まだ食添GMPというものがあるというお話だったのですけれども、まだその食添GMPはとられていないという理解でよろしいのかどうか、確認をさせていただければと思います。

○日本食品添加物協会: まず5人未満のところの事業所ということで、正直にお話しますが、離島でにがりをつくっている、お父ちゃん、お母ちゃんでつくっているというところを想定してつくりました。

GMPのほうも一番少ないところであれば製造担当が5名、6名、会社として20名未満ぐらいかなというところがかなり多いので、決して難しいとかいうのはないと思います。実際に一般衛生管理のほうはそれで対応していただいているし、今回、4社も先ほどお話したように20人以下という事業者で、実際に製造しているのは3人とか5人、6人という事業者になりますので、この手引書をそのまま電子ファイルでお渡しすれば、それをアレンジして自分のところにマッチするようにつくっていただいている。

 検証の仕方として、まずこの電子ファイルをお出しして、一般衛生管理の計画書と帳票類を見せていただいて、これでいいかというような判断、1回、2回やりとりすれば運用までということで、まずは運用していただくことが大事だと思っていますので、運用しながら不具合があったら直して、自社にマッチしたものにつくっていただくというようなお話をさせていただいています。

○中村委員: わかりました。

○五十君座長: 荒木委員、どうぞ。

○荒木委員: 川崎委員からのコメントでひらめいたのですけれども、6ページの設備及び機械器具の保守点検、衛生管理の中で、1)3で計器の校正というところがありますね。殺菌工程で温度と時間の管理をしますので、ここで使っている計測器はとりわけ重視しなくてはいけないですね。得られた点検の結果を踏まえて日常的なモニタリングの記録を見直して、例えばこの3カ月なり1年大丈夫かというのを見なければいけないですね。それが普通であれば、A方式でいったらHACCPプランの中の検証というところに書かなければいけないのですけれども、それはこの場合書かないで来てしまっているわけです。45ページあたりの記録様式そのものがいわばHACCPプランを兼ねているので、これでもいいと言えばいいのです。ここに検証のことが入ってこないので、6ページの一般的衛生管理の中の特にモニタリングに用いる計測器の構成について何か2~3行でも書いてあげると、これで一般的衛生管理とHACCPががんとくっつくし、食添の皆さんはもともとGMPでやっていらっしゃるので、計測機の点検もやっていらっしゃると思いますので、そこを書き加えていただいたらいいかなと思うのです。

○五十君座長: こちらについてもまた個別で対応していただきたいと思います。

 ほかにご意見、ご質問等はありますでしょうか。よろしいですか。それでは、どうもありがとうございました。

(日本食品添加物協会退席)

○五十君座長: 以上、今日2組のご発表、確認がありました。

 それでは、本日のご意見を事務局及び団体ともに整理をさせていただきまして、今回確認した飲食店及び食品添加物製造の手引書を厚生労働省のホームページで公開したいと思います。

 その他、事務局から何かありますでしょうか。

○道野課長: ご議論ありがとうございました。

 先ほど添加物協会さんから少し触れられましたけれども、今回ご議論いただいた手引書に関しては、これだけで実は終わるわけではなくて、小規模のところ、先ほど出ていましたような家族経営的な添加物の製造だとか、ガスの問題があるとおっしゃっていました。そのほかに飲食店に関してももう少し和、洋、中など業態を絞ったというか、特化したようなもの、それから、食品衛生協会さんのほうでつくってもらったものと、ある程度いろいろ勉強してもらおうという感じの構成になっているのですけれども、むしろもっと端的に言えばこうやったらいいですよという結論に近いようなものも関係の団体で今後検討される必要がある。また、もう少し大きな規模の飲食店に関しても、また検討されるというようなことも聞いておりますので、いずれにしても今回のものだけではなくて、もう少しバリエーションが今後出てくるのではないか。そういう場合にも今回ご議論いただいたものをベースにして、整理していこうと考えています。

 それから、ご議論いただいて事務局の宿題になっている事項については、もちろん用語の定義の問題だとか、その辺は整理し、実際に飲食店なり小規模の添加物製造業で、どういうことが対応可能なのか、よく業界団体とも相談をした上で整理を進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○五十君座長: コメントありがとうございました。

 弾力的運用というB案の中は、簡単に今回のものだけで総括できるものではございません。一応、今回議論いただいたものについては調整をした上で公開していくということで、さらに細かいものあるいは問題点に対応する形で今後改訂版が出ていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そのほか事務局からありますでしょうか。

○事務局: 特にございません。また次回以降の日程については、改めて先生方と調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○五十君座長: それでは、本日の検討委員会はこれで終了いたします。ご活発なご議論どうもありがとうございました。


(了)

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