ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 平成28年度第3回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録(2016年5月26日)




2016年5月26日 平成28年度第3回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

医薬・生活衛生局安全対策課

○日時

平成28年5月26日(木)
18:00~


○場所

田中田村町ビル8階会議室8E


○議事

○事務局 定刻になりましたので、平成28年度第3回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催いたします。本日御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中をお集まりいただきましてありがとうございます。本日の調査会は公開で行いますけれども、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし、喧噪にわたる行為はしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと、など留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日の委員の出欠ですが、遠藤委員、望月委員から欠席の御連絡を受けております。委員の3名の御出席を頂いておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。今回、参考人の公立学校共済組合関東中央病院病院長の新家先生は、少し遅れて19時頃にいらっしゃるとのことです。また、公益社団法人日本薬剤師会副会長の生出先生、日本医科大学大学院医学研究科教授の大久保先生、東京慈恵会医科大学整形外科准教授の斎藤先生、国立成育医療研究センターの村島先生に御出席を頂いております。

 冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事進行は五十嵐座長にお願いいたします。

○五十嵐座長 これから議事を始めます。事務局から、審議参加に関する遵守事項について説明をお願いします。

○事務局 議事参加について御報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々の、過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。本日の議題に関して、競合品目・競合企業については、事前に参考資料1-3を各委員に資料でお送りして確認を頂いております。五十嵐委員より、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社より、50万円以下の受取り。新家参考人より、興和株式会社より50万円以下の受取り、千寿製薬株式会社より50万円超~500万円以下の受取り。大久保参考人より、佐藤製薬株式会社、エスエス製薬株式会社及びノバルティス株式会社より50万円以下の受取り、サノフィ株式会社及びグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社より50万円超~500万円以下の受取りと申告頂いたほかは、受取りの申告はありませんでした。よって、全ての委員におかれまして意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、全ての参考人におかれましても意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。審議参加に関する遵守事項についての説明は以上です。

○五十嵐座長 ただいまの説明について御了解いただけましたでしょうか。特に御異議はないようですので、競合品目・競合企業の妥当性を含め、皆様の御理解を頂いたものと判断いたします。ありがとうございました。本日の配布資料を事務局から説明してください。

○事務局 配布資料一覧に基づいて説明させていただきます。資料の山の最初に座席表、そして本日の議事の裏に配布資料一覧があります。次のページは安全対策調査会委員・参考人一覧になっておりますが、その次から資料が始まります。資料1は、製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について。参考資料1-1は、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について。参考資料1-2は、一般用医薬品のリスク区分。資料1-1は、イブプロフェンのリスク区分について。資料1-2は、フェキソフェナジン塩酸塩のリスク区分について。資料1-3は、セチリンジン塩酸塩のリスク区分について。資料1-4は、アシタザノラスト水和物のリスク区分について。参考資料1-3は、競合品目・競合企業リストです。傍聴用資料では、出荷数量、担当者名、連絡先の電話番号やFAX番号、また識別番号等は非公開情報ですのでマスキングしております。以上です。漏れ、落丁などがありましたら事務局までお知らせください。

○五十嵐座長 議題に入ります。初めに個別成分の審議をする前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。本日御審議いただく品目の一覧です。現在リスク評価中であるために、第1類医薬品とされております1日最大服用量600mgのイブプロフェン、フェキソフェナジン塩酸塩、セチリジン塩酸塩、アシタザノラスト水和物の4成分について、製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分変更の検討をお願いするものです。

 参考資料1-1「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」を御覧ください。一般用医薬品のリスク区分の変更手順ですが、1枚目の3.を御覧ください。 ()安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は、変更案についてパブリックコメントを行う。

()厚生労働省は、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会を開催し、調査審議を行い、指定の変更の要否について答申を得る、という手続をすることとなっております。本日は()の位置付けです。

 参考資料1-2「一般用医薬品のリスク区分」を御覧ください。第1類医薬品は、「その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの」「新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの」とされており、薬剤師により販売され、文書による情報提供の義務があります。

 第2類医薬品については、「その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって厚生労働大臣が指定するもの」で、第1類医薬品を除くものとなっております。薬剤師又は登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。

 「第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの」については、指定第2類医薬品とされており、販売は第2類医薬品と同様薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務となっておりますが、薬局開設者、店舗販売業者等は、情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する、あるいは、指定第2類医薬品を購入等する場合には、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするといった措置をとることとされております。

 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されるものです。説明は以上です。

○五十嵐座長 御意見はありますか。よろしいですね。早速議題1のイブプロフェンから審議を始めます。事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料1-1を御覧ください。イブプロフェン(1日最大服用量600mg)のリスク区分について御説明いたします。1ページですが、一般名はイブプロフェン、販売名はナロンメディカル、リングルアイビー錠200です。効能・効果は表に示しているとおり、肩こり痛・頭痛などの鎮痛、それから発熱・悪寒時の解熱となっております。用法・用量は製品によって記載は異なりますが、1回200mgで1日2回となっております。ただし、再度症状が現れた場合には3回目を服用できるとされております。

 同じページの下のほう、製造販売後調査の概要です。個別に薬局等と契約し、モニター店舗でアンケート調査票を配る形で行われた特別調査においては、ナロンメディカルでは、調査例数3,133例でした。そのうち副作用が4875件、副作用発現率は1.53%となっております。内訳としては、上腹部痛13件、傾眠12件、腹部不快感11件等となっており、重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例は8ページ以降に記載されておりますが、いずれも昨年9月の調査会においてお示している症例になります。

 リングルアイビー錠α200においては、調査例数は1,030例、副作用が8例21件、副作用発現率は0.78%となっております。内訳は腹部不快感13件、食欲減退3件、上腹部痛2件等で、重篤と判断された症例はありませんでした。こちらの個別症例一覧は38ページ以降にあります。

 使用者又は薬剤師からの自発報告である一般調査での副作用報告においては、ナロンメディカルでは2例3件寄せられており、内訳は味覚減退、傾眠、第7脳神経麻痺が各1件ありました。

17ページ中段の()「使用上の注意」から予測できない副作用の覧を御覧ください。今申し上げた一般調査2例3件の副作用のうち、第7脳神経麻痺については、入手した情報から重篤と判断されておりますが、医療機関調査ができなかった症例です。この症例についても、昨年9月の調査会においてお示しているものになります。

 リングルアイビー錠α200については、一般調査において副作用報告はありませんでした。

18ページの4.今後の安全対策を御覧ください。ナロンメディカルの製造販売業者である大正製薬株式会社からは、製造販売後調査の総括として、「特に問題点は認められず、現時点では特段の安全確保措置を行う必要はないと考えるが、引き続き安全管理情報の収集に努め、適切に対応する所存である」旨の説明を頂いております。リングルアイビー錠α200の製造販売業者である佐藤製薬株式会社からも、41ページにあるように同様の説明を頂いております。

 2ページを御覧ください。添付文書上の「してはいけないこと」の記載を抜粋しております。一番左に、今回の審議品目であるナロンメディカル、リングルアイビー錠α200について記載しております。

 3ページは、これまで御説明いたしました副作用発現状況をまとめたものとなっており、一番左にナロンメディカル、その横にリングルアイビー錠α200ですが、今回の審議対象品目で報告された副作用を、その種類別に報告件数をまとめたものです。下のほうに、製造販売後調査終了後、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく副作用報告を示しておりますが、2品目とも該当する副作用報告はありませんでした。

 1ページに戻ります。一番下に参考として、類薬のリスク区分を示しております。イブプロフェンは、既に1日最大服用量450mgまでが一般用医薬品として販売されており、そのリスク区分は指定第2類とされております。なお、平成24年8月の医薬品等安全対策部会において、それまで第2類医薬品であったイブプロフェンについて、妊娠後期の婦人が禁忌へ添付文書が改定されたことを踏まえ、指定第2類に変更することについて御審議いただき、現在の指定第2類に区分が変更された経緯があります。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 本日は、お二人の参考人の先生においでいただいていますので、斎藤先生から御意見を頂けますか。

○斎藤参考人 慈恵医大の斎藤です。御報告のありました副作用に関し、私も全てに目を通させていただきました。既に指定第2類であるイブプロフェン450mg最大量と比べ、特段この600mgを服用した方に特有の副作用は報告されていないと思いました。また、副作用発現頻度も、先ほど報告があったように、特段これが上昇したということではありませんので、イブプロフェン1日最大量450mgと同等の指定第2類としてもよいのではないかと考えております。

○五十嵐座長 ありがとうございます。続いて、同じく参考人として村島先生においでいただいていますので、御意見を頂きます。

○村島参考人 イブプロフェンは、今まで450mgが最高量だったのが、事務局から説明のあったように600mgということで、医療用と同じ用量が使われるようになりました。妊娠後期の動脈管収縮作用を危惧して、指定第2類になりました。ここ数年のこの発売以降の妊娠と薬情報センターの相談事例の中に、まず当該薬剤は入っておりません。その使用量等も含め、今回分類を指定第2類にしていただくことに支障はないと考えております。

○五十嵐座長 ありがとうございます。周産期のリスクを考えた上でも、指定第2類でよろしいという御意見を頂きました。事務局の説明と、参考人お二人の先生の御意見を踏まえ、御意見、御質問をお願いいたします。

○生出参考人 薬剤師会としては、第1類医薬品ということで、薬剤師が直接関与して販売を行ってきた実績があることから、副作用が出なかったとも考えられます。薬剤師が関与することで、副作用の発現を未然に防いでいたのではないかということから、引き続き第1類に留めていただきたいというのが基本的な考え方です。ただ、そうは申しましても、これがスイッチOTCされたのが1985年、スイッチ化されてから31年という中で、長い間の使用経験があることを考慮すると、先生方の御意見に頑迷に反対というわけではありません。

 以前に第2類から指定第2類にリスクが変更されたことも考慮し、参考資料1-1の変更手順の4ページにも「不断の見直しを行う」と書いてあります。今後、例えば第2類医薬品と指定第2類等々にリスクが変わったとしても、何か問題があったときには、またリスク区分の見直しを図るということを是非行っていただきたいと思っています。

○五十嵐座長 確かに、ロキソニンに関しては第1類のままなのですが、これは相当使用量が多いことがあって第1類になっています。イブプロフェンについては注意が必要だろうけれども、指定第2類でもよろしいだろうとのご意見でした。

 他にいかがですか。

○安全対策課長 生出参考人からコメントがありましたように、不断の見直しというのは当然で、どういう分類になったとしても、その後の情報によって、これまで想定したものと違うという状況になれば見直しをするということで、我々としてはウォッチしていきます。

○五十嵐座長 委員の先生方から御意見を頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。特に御意見はないようですので、議決に入ります。参考人の先生方の御意見も踏まえ、イブプロフェンについては指定第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議なしとさせていただきます。

 斎藤先生、村島先生におかれましては貴重な御意見をありがとうございました。以降の議題について、特にお二人の先生に御意見を求める予定はありませんので、途中で御退席されても結構です。どうもありがとうございました。

                        (斎藤参考人、村島参考人退席)

○五十嵐座長 次に、フェキソフェナジン塩酸塩の審議に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料1-2のフェキソフェナジン塩酸塩のリスク区分についてです。1ページをご覧ください。成分名はフェキソフェナジン塩酸塩、販売名はアレグラFX、効能・効果は花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまりとなっています。用法・用量は1回1錠、1日2回朝夕となっています。

 中段の製造販売後調査概要です。特別調査は、調査症例数3,111例で、このうち報告された副作用は6087件、副作用発現率は1.93%でした。内訳は傾眠14件、口渇11件、倦怠感5件などで、重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例一覧は10ページ以降にあります。

 一般調査において報告された副作用は618852件でした。内訳は頭痛129件、鼻咽頭炎52件、倦怠感38件などです。このうち重篤と判断された症例は1824件で。性器出血、眼瞼浮腫、血管浮腫が各2件などでした。詳細については29ページ以降にあります。各症例の詳細についてお示しておりますが、30ページの中段のNo.13の事例については、時間的関連から本剤との因果関係が否定できないと企業から報告されております。それ以外の症例については、因果関係を考察する十分な情報を得られず、評価が困難であったとされております。

32ページの1.3.副作用のまとめの後段を御覧ください。製造販売業者であるサノフィ株式会社からは、製造販売後調査の総括として、「現時点でさらなる適正使用等確保措置を講じる必要はないと考えられた。引き続き副作用の適正使用情報の収集に努め、必要に応じて「使用上の注意」の改訂を検討するなど、本剤の適正使用の確保に努める」という旨の説明を頂いております。

 2ページは、添付文書上の「してはいけないこと)について、一番左に今回の審議品目の記載を抜粋しております。

 3ページは、これまでに御説明いたしました副作用発現状況をまとめたものです。本剤で報告された副作用を左から2列目に、その種類別に報告件数をまとめております。下のほうに、製造販売後調査終了後、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく副作用報告をお示ししておりますが、気道浮腫の1例1件です。これは、資料の30ページNo.9の症例の追加報告です。

 1ページ、類薬のリスク区分を御覧ください。本剤と同様の効能を有する内服薬の一般用医薬品に含まれる抗ヒスタミン薬のリスク区分については、第2類医薬品とされております。

 昨年9月にリスク評価をしていただきました本調査会において、大きく2点、本品目について御意見を頂戴しました。1点目は製造販売後調査において、必ずしも十分な情報が収集できていないのではないかという御指摘です。これについては、企業に製造販売後調査の対応を検討していただき、自発報告で患者、あるいはその家族から電話連絡などがあった際に、それが副作用に関わる情報提供であった場合には再調査を行う可能性があることを御理解いただき、連絡先を確認する、特別調査においては、医療機関の情報を収集できるよう、調査票の見直しを行うというように頂いております。

 2点目は、一般用医薬品では適応のないじん麻疹等に対して使用している例があって、適応外使用に関して注意喚起が必要ではないかという御指摘でした。これについても昨年9月の調査会の御議論を踏まえ、製造販売業者において、販売店向け資材を活用し、じん麻疹等には適応がなく、アレルギー鼻炎用である旨を再度販売店に対して教育を徹底するという対応をしたと聞いております。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 本日は、参考人として大久保先生においでいただいていますので、御意見を頂きます。

○大久保参考人 日本医大の大久保です。フェキソフェナジン塩酸塩は、副作用報告1.9%ということで、副作用自身それほど多くない。抗ヒスタミン薬典型の傾眠傾向、口渇、倦怠感というものが多いということで、ここは問題ないです。一般調査において、重篤な副作用1824件あるということで見ていくと、事務局案の説明にもありましたように、29ページにアナフィラキシー様反応では、42歳患者が、じん麻疹に対して本剤服用しています。フェキソフェナジン、医療用医薬品としてはもちろんじん麻疹にも使えるのですけれども、このアレグラFXは、副作用がなるべく起こりづらい花粉症、アレルギー性鼻炎専用であるということの周知が、より強く必要であろうということを考えます。ただ、安全性においては、安全な薬剤ということで、第2類で問題ないかと考えています。

○五十嵐座長 ありがとうございました。事務局の説明と、大久保参考人の御意見に対して御意見、御質問はいかがでしょうか。

○大野委員 大久保先生が指摘された所と同じ場所なのですが、アナフィラキシーのことで、救急搬送先の調査協力が得られないというように、2例ともそうなっているのですが、そういうのが一般的なのでしょうか。アナフィラキシーみたいな重篤なものについては協力してくれてもいいのではないかと思うのですが、一般の救急病院では、忙しすぎてということなのでしょうか。

○事務局 御協力いただきたいというところではあるのですけれども、少なくとも本事例に関しては御協力がいただけなかったということです。先ほどの事務局の説明でも、この旨は問題視というか、改善はできるのかと思っておりますので、製造販売業者に対応をお願いして、医療機関の情報等が収集できるような見直しを行っていただけるということで、今後はそのように対応していただければと思います。

○大野委員 もし、一般的に救急病院による協力が得られないのだったら、行政的に何とか手立てを考えなくてはいけないのかと思いました。

○大久保参考人 実際に薬剤師のアナフィラキシー、あるいは他にも我々の所では免疫療法等の話をしてあるのですけれども、そういう報告はアナフィラキシーに関しては、全例報告でもいいような気がするのです。なぜ起こったのかが分からないと、結局薬剤のこれとこれの押し付け合いということになってしまいます。どのものはリスクが高いかを考える場合に、アナフィラキシーは死に直結しますので、是非そういうことを法的にも決めていただければ有り難いと思います。

○五十嵐座長 何かありますか。

○安全対策課長 前回の調査会のときにも五十嵐先生から、こういうものについてもきちんと情報が取れるように考えたほうがいいのではないかという御指摘を頂きました。まずは企業の方に動いていただくことになるのですけれども、それができない場合に、必要な情報ということであれば、何らかの方法はできないのかというのは今後考えさせていただきます。

○大野委員 よろしくお願いします。

○五十嵐座長 そもそも、アナフィラキシーという診断は付いているわけですけれども、本当にブライトン分類等で客観的に見たときに、診断が正しかったのかどうかとか、その重症度とか、それも分からないわけです。是非その点はこれから改善していただきたいと思います。他にはいかがでしょうか。

 ないようでしたら議決に入ります。フェキソフェナジン塩酸塩については、皆さんの御意見を踏まえ、第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは御異議なしということにいたします。続いてセチリジン塩酸塩の審議に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料1-3をご覧ください。1ページ、一般名はセチリジン塩酸塩、販売名はストナリニZとコンタック鼻炎Zです。効能・効果は花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまりです。用法・用量は1回1錠、1日1回就寝前に服用するとなっております。

 中段の、製造販売後調査概要です。特別調査においては、調査症例数3,166例で、報告された副作用は4366件、副作用発現率は1.36%です。内訳は傾眠27件、口渇9件、倦怠感6件などで、重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例一覧は13ページ以降に掲載してあります。

 一般調査において報告された副作用は1934件ありました。内訳は傾眠5件、浮動性めまい4件、倦怠感2件などです。重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例一覧は24ページ以降にあります。

30ページの一番下の2行です。製造販売業者のほうは、製造販売後調査の総括として、「現時点において特段の措置を講ずる必要はないものと考える。今後とも製品の副作用等の発現状況に十分留意する所存である」と説明しております。

 2ページに戻ります。添付文書上の「してはいけないこと)の記載を抜粋して一番左の欄に記載しております。括弧書きで一般名を記載しておりますが、誤記がありましたので「セチリジン塩酸塩」に訂正させていただきます。

 3ページです。これまで御説明いたしました副作用発現状況をまとめたものです。左欄に、本剤で報告された副作用をその種類別に報告件数を示してあります。一番下ですが、製造販売後調査終了後の医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく副作用報告はありませんでした。

 1ページに下段ですが、本剤と同様の効能・効果を有する内服薬の一般用医薬品に含まれている抗ヒスタミン薬成分のリスク区分については、第2類とされています。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 大久保先生から御意見を頂きます。

○大久保参考人 このセチリジン塩酸塩も、先ほどのフェキソフェナジン塩酸塩と同じく、第2世代抗ヒスタミン薬で、医療用として使われていたもののスイッチOTCになります。生じている副作用の傾眠、口渇、倦怠感、浮動性めまい等は、第2世代抗ヒスタミン薬特有に見られるもので、それ以外のものは起こっていません。先ほど、フェキソフェナンジン塩酸塩が医療用と同じアレグラという名前を使っているのに対して、こちらは違うストナリニZとコンタックZという、やはり鼻炎に特化した名前になっていますので、やはり鼻炎として使われていると副作用は本当に第2世代に特有のものしか出てこないということで、非常に安全に使用されているものと判断して、この状況からは第2類に分類して問題ないだろうと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございました。副反応の頻度も、他の類薬に比べると確かに少ないですね。

○大久保参考人 はい。

○五十嵐座長 事務局の説明と、大久保参考人の御意見を頂きましたけれども、委員の先生方、参考人の先生方御意見はいかがでしょうか。よろしいでしょうか。特にないようでしたら議決に入ります。皆さんの御意見を踏まえると、セチリジン塩酸塩についても第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議なしといたします。

 大久保先生におかれましては、貴重な御意見をありがとうございました。これ以降の議題について特に御意見を求める予定はありませんので、途中で御退席して構いません。どうもありがとうございました。

                             (大久保参考人退席)

○五十嵐座長 まだ新家先生がおいでになっておりませんので休憩させていただきます。

                                    (休憩)

○五十嵐座長 再開します。アシタザノラスト水和物の審議に入ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料1-4、アシタザノラスト水和物のリスク区分についてです。1ページ、一般名はアシタザノラスト水和物、販売名はアイフリーコーワALです。効能・効果は花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような目のアレルギー症状の緩和:目のかゆみ、目の充血、なみだ目、異物感(コロコロする感じ)、目のかすみ(目やにの多いときなど)となっております。用法・用量は1回1~2滴、1日4回(朝、昼、夕方及び就寝前)点眼となっております。

 中段の製造販売後調査概要です。特別調査では、調査症例数1,187例で、報告された副作用は眼の異物感1例1件、副作用発現率は0.08%です。重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例一覧は11ページにあります。

 一般調査において報告された副作用は8例10件です。内訳は眼痛5件などです。重篤と判断された症例はありませんでした。個別の症例一覧は12ページ以降に掲載してあります。

 8ページ、調査結果に関する見解と今後の安全対策です。一番下で、製造販売業者は調査の総括として、「現段階における特段の安全確保措置は不要と考えます。しかしながら、今後とも引き続き本製品の安全確保のために、安全性情報の収集を行い、それらの検討結果に基づいた適切な対応に努めていきます」と説明しております。

 2ページ、添付文書上の「してはいけないこと」の記載を左側に、今回の対象品目について記載しております。

3ページは、今申し上げました副作用発現状況をまとめた表です。下のほうですが、製造販売後調査終了後、医薬品医療機器法第68条の10第1項に基づく副作用報告はありませんでした。

 1ページに戻って、一番下の(参考)類薬のリスク区分の欄で、本剤と同様の効能・効果を有する点眼薬の一般用医薬品に含まれている抗ヒスタミン薬の成分のリスク区分については、第2類に区分されています。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 新家参考人から御意見を頂きます。

○新家参考人 この間で新たな副作用の報告は幾つかあったわけですけれども、内容的には今までと同じになります。先ほど報告があったように、重篤なものは1つもないということですので、第2類医薬品が適当かと思います。

○五十嵐座長 ありがとうございます。類薬のザジテンに比べて、副反応の出現頻度は低い薬と考えてよろしいのでしょうか。

○新家参考人 そう思います。

○五十嵐座長 事務局からの説明と、新家先生の御意見に対して御意見、御質問はありますか。よろしいでしょうか。

 特にないようでしたら議決に入ります。アシタザノラスト水和物については、皆さんの御意見を踏まえ、第2類医薬品ということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異議がないものとさせていただきます。それでは、これからの事務局の方針について説明してください。

○事務局 御審議いただきましてありがとうございました。本日御審議いただきました結果に基づき、パブリックコメント実施のための手続を進めさせていただきます。どうもありがとうございました。

○五十嵐座長 ここまでの議論において、全体を通して御意見、御質問はありますか。ないようですので、予定をしておりました議題はこれで終了いたします。事務局から何かありますか。

○事務局 特にありません。

○五十嵐座長 本日の調査会は、これで閉会いたします。どうもありがとうございました。


(了)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)> 平成28年度第3回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録(2016年5月26日)

ページの先頭へ戻る