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2016年2月19日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録

○日時

平成28年2月19日(金)16:00~


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(17名)五十音順

◎五十嵐 隆、 今 村 定 臣、 薄 井 紀 子、 遠 藤 一 司、
生 出 泉太郎、 ○大 野 泰 雄、 柿 崎  暁、 金 澤  實、
國 頭 英 夫、 小 松 康 宏、 戸 部 依 子、 新 見 伸 吾、
林  邦 彦、 日 野 治 子、 槇 田 浩 史、 村 島 温 子、
矢 野  哲、
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順

石 井 則 久、 倉 根 一 郎、 斎 藤  充、 三 村  將
三 宅 良 彦、 望 月 眞 弓

行政機関出席者

中 垣 英 明 (医薬・生活衛生局長) 森   和 彦 (大臣官房審議官)
宇 津   忍 (安全対策課長) 上 野 清 美 (安全使用推進室長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

○議事

○事務局 定刻になりましたので、「平成27年度第3回医薬品等安全対策部会」を開催いたします。本日、御出席の委員の先生方におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解と御協力をお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、静粛を旨とし喧騒にわたる行為はしないこと、部会長及び部会長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなどの留意事項をお守りいただきますよう、よろしくお願いいたします。

 本日の会議の出欠状況ですが、石井委員、倉根委員、斎藤委員、三村委員、三宅委員、望月委員より欠席、今村委員より遅れて御出席との御連絡を頂いております。現在のところ、16名の委員の御出席をいただいておりまして、本部会の定員は23名でございますので、定足数に達していることを御報告いたします。

 今回の議題は全て報告事項であり、審議事項はございませんので、利益相反状況についての御報告はございません。なお、事務局側ですが、審議官が他の公務の都合で途中退席することもございますので、あらかじめ申し上げます。

 これ以降は議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事進行につきましては、五十嵐部会長にお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。では、これから議事を始めたいと思います。まず事務局から、本日の配布資料の御確認をお願いいたします。

○事務局 それでは、次に配布資料の一覧がありますので、そちらを用いまして御説明いたします。配布資料一覧を御覧ください。議題1の医薬品等の市販後安全対策については、資料1-1「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、資料1-2「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤使用時の劇症1型糖尿病に関する周知について」、資料1-3「ワクチンの安全性に関する評価について」です。議題2の医薬品等副作用等の報告の状況については、資料2-1「医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用等報告について」、資料2-2「製造販売業者からの国内副作用等報告の状況」、参考資料「薬効分類表」、資料2-3「外国での新たな措置の報告状況」、資料2-4「研究報告の報告状況」、資料2-5「医薬関係者からの副作用等報告の状況」、資料2-6「副作用救済給付等に基づく副作用等報告の状況」です。議題3の医薬品の感染症定期報告の状況については、資料3-1「感染症定期報告感染症別文献一覧表」、資料3-2「感染症定期報告の報告状況」です。資料は以上です。漏れ、落丁がありましたら、事務局までお申し出ください。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。資料の足りない方はいらっしゃいませんか。よろしいですか。それでは議題1について事務局から御説明をお願いしたいと思います。

○事務局 では事務局より御説明申し上げます。最初の資料1-1を御覧ください。資料1-1は、「医薬品等の使用上の注意の改訂」についてです。今回より一部、資料の構成を変更し、「改訂理由」の項と「直近3年度の国内副作用症例の集積状況」の項を新たに設けましたので御確認ください。今回の報告期間ですが、平成2712月に開催された第2回医薬品等安全対策部会において、平成2711月までの改訂を報告しておりますので、今回は平成2712月から平成281月までに改訂の通知を発出した品目の一覧を御報告いたします。なお、平成2712月には、改訂を実施せず、平成28年1月は、14件の改訂を実施いたしました。

 次に、全てではありませんが、今回の改訂について、簡単に御説明いたします。1ページのNo.15-48から3ページのNo.15-54までを御覧ください。アムロジピンベシル酸塩単剤、およびその含有製剤についての改訂です。これは1ページのNo.15-48の一番右の「直近3年度国内副作用症例の集積状況」の項に詳細がありますが、劇症肝炎、無顆粒球症、横紋筋融解症の国内症例がアムロジピンベシル酸塩単剤で集積されたことにより、「重大な副作用」の項に、当該有害事象を追記したものです。また、アムロジピンベシル酸塩単剤の改訂に合わせて、それを含有する製剤においても改訂を実施しました。

 続いて4ページのNo.15-55を御覧ください。ニンテダニブエタンスルホン酸塩についての改訂です。これは肝機能障害患者を対象とした臨床薬物動態試験により、中等度以上の肝機能障害の患者で本剤の血中濃度が上昇することが明らかになったことを踏まえ、「重要な基本的注意」の項に、中等度及び高度の肝機能障害の患者については、治療上やむを得ない場合を除いて、使用を避けるよう追記したものです。

 続いてNo.15-59を御覧ください。イトラコナゾールについての改訂です。これは一番右の項に詳細がありますが、間質性肺炎の国内症例が集積されたことにより、「重大な副作用」の項に、当該有害事象を追記したものです。なお、改訂の根拠となった直近3年度以内の国内症例1例は、承認された用法・用量外の症例ではありますが、これまでにも報告されているということを考慮して、承認された用法・用量内でも起こり得ると考え、改訂に至りました。

 その他の品目については資料中にお示しするとおりですので御確認ください。なお、御紹介した改訂については、本部会委員の先生方に事前に既に御確認いただいております。また、通知発出の際は、PMDAメディナビでの配信、厚生労働省及び機構のホームページへの掲載とともに、通知発出後に刊行される「医薬品・医療機器等安全性情報」という冊子においても改訂内容を掲載して、医療機関へ適切に注意喚起を図っております。資料1-1の説明は以上です。

 続いて資料1-2について御説明いたします。「ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤使用時の劇症1型糖尿病に関する周知について」御説明いたします。資料1-2を御覧ください。ニボルマブ(遺伝子組換え)は免疫チェックポイント阻害薬の抗悪性腫瘍剤で、2014年7月に根治・切除不能な悪性黒色腫の効能・効果で承認され、201512月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」の効能が追加された薬剤で、販売名はオプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、製造販売業者は小野薬品工業株式会社です。

 本剤の1型糖尿病の副作用については、昨年12月の第2回安全対策部会にて御報告したとおり、昨年11月に添付文書を改訂し、注意喚起を行ったところです。承認以降これまでに、1型糖尿病の副作用(劇症1型糖尿病を含む)については、因果関係が不明なものも含め7例報告され、そのうち平成2711月以降のものは2例となっております。なお、全7例とも死亡例はありません。本剤は昨年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」への効能が追加承認され、本年2月からは包括医療費支払制度の対象外となり、使用患者数の増加が見込まれます。

 一方で、劇症1型糖尿病は、1週間前後以内に急激に進行してケトアシドーシスを起こし、適切な対応がなされなければ致死的な状態になる病態です。そのため、1型糖尿病の副作用について適切に対応がされるよう、改めて注意喚起を行うために、資料1-2の3ページにございます(別記1)の関係団体・学会へ通知を発出いたしました。また、糖尿病専門医との速やかな連携が重要であるため、4ページにございますが、日本糖尿病学会へ本剤を使用する医療関係者等からの相談に対し、御協力いただくよう依頼致しました。

 また、製造販売業者である小野薬品工業株式会社から医療機関宛てに「適正使用のお願い」を配布するとともに、PMDAメディナビでの周知を実施しました。参考までに、「適正使用のお願い」については、8ページにございます。なお、日本臨床腫瘍学会などからも、免疫チェックポイント阻害薬の劇症1型糖尿病を含む免疫学的な有害事象に関連した適正使用、注意喚起の声明が発表されていることも併せて御報告させていただきます。資料1-2については以上です。

 続いて、資料1-3について説明します。「ワクチンの安全性に関する評価について」を御覧ください。本年2月12日に開催された安全対策調査会(厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同開催)において、ワクチンの安全性について評価を頂いているので、その結果について報告させていただきます。2月12日の調査会においては、1ページの四角囲みに記載のとおり、百日ぜき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、生ポリオ、7価及び13価肺炎球菌、ヒブ、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンの副反応報告の状況について評価を頂きました。

(1)各ワクチンについては、昨年1月から10月末までの副反応報告の状況について集計した結果を表1にまとめております。この期間の副反応報告は、上から順に、「DPT(3種混合)ワクチン」は、医療機関から1例、企業から2例、「DTトキソイド」は医療機関から26例、企業から2例、「ジフテリアトキソイド」は報告なし、「破傷風トキソイド」は医療機関から4例、企業から2例、「経口ポリオワクチン」は企業から2例、「不活化ポリオワクチン」は医療機関から3例、「4種混合ワクチン」は医療機関から83例、企業から43例、「7価肺炎球菌ワクチン」は企業から1例、「13価肺炎球菌ワクチン」は医療機関から115例、企業から84例、「ヒブワクチン」は医療機関から107例、企業から70例、「BCGワクチン」は医療機関から126例、企業から6例、「日本脳炎ワクチン」は医療機関から63例、企業から13例、「B型肝炎ワクチン」は医療機関から48例、企業から30例、「ロタウイルスワクチン」は医療機関から32例、企業から69例、最後の「5価ロタウイルスワクチン」は医療機関から12例、企業から48例がそれぞれ報告されており、これまでに報告されている各ワクチンの副反応報告の状況と比べて、大きな差はありませんでした。

 また、()の死亡症例については、今回の対象期間中に同時接種症例では7例、単独接種症例では3例の死亡症例が報告され、そのうち同時接種症例6例、単独接種症例3例が専門家により評価されたが、いずれの症例についてもワクチン接種と死亡との直接的な明確な因果関係は認められないと評価されております。

 また、13価肺炎球菌ワクチンと、ヒブワクチンの6か月間の10万接種当たりの死亡例の報告頻度は、それぞれ0.150.30.150.44であり、対応を速やかに検討する目安とされている10万接種当たり0.5を下回っていることを確認しております。議題1に関する事務局からの説明は以上です。

○五十嵐部会長 では、ただいまの事務局からの説明に対して、何か御意見、御質問はありますでしょうか。

○國頭委員 今回の報告事項と直接ということではないですけれども、いろいろな機会に申し上げているのですが、ニボルマブについて、この会は安全対策部会ですから、安全性、裏を返せば要するにトキシシティの話ですね。ファイナンシャル・トキシシティという言葉があって、要するにお金が高いというお話でありますが、ちょっとおさらいをしますと、ニボルマブは、ごく大雑把に体重60キロの人に対して1回投与すると、ざっと133万円です。肺癌の場合は2週間に1回ですから、1年に26回投与すると計算すれば3,500万円掛かります。「非小細胞肺癌」でそれが承認されたので、肺癌の患者さんは今、がんセンターの推定だと年間13万人、そのうち非小細胞肺癌は恐らく10万人以上です。

 非小細胞肺癌の5年生存率が、大体、キュア・レートは、残念ながら、まだ2割もいっていないはずですから、逆に言うと8割以上の患者さんは最終的に進行がんになっているということで、ニボルマブの対象になり得ると思います。少なめに見積もっても13万人の肺癌のうちの非小細胞肺癌が8割ぐらい、それで半分ぐらいがニボルマブを使うとして5万人が1年間で、先ほどの3,500万円を使うとして、掛け算すると1兆7,500億円というお金になります。

 これは日本が払えるお金とは私には思えなくて、安全対策部会というのは本当は患者さんの安全でしょうけれども、冗談ではなく、国家の安全を揺るがしかねない事態ではないかと思っております。これはどなたにお聞きしても絶句するだけで、私はあまりちゃんとしたお答えをお聞きしたことはないのですが、仮に薬価が半分になったとしても、まだ1兆円です。日本の全体の薬剤費が10兆円だそうですから、とてももたない計算になると思われます。ですから、今どうしようというわけではないのですが、この1剤が出たことによって国家が滅ぶようなことにならないかと、真剣に、私は心配しております。

○安全対策課長 ニボルマブの件については、薬価が高いという話、それから保険上医療費が多く必要になるのではないか、また免疫チェックポイントですので、いろいろな効能に拡大されるのではないかと、いろいろな点で御心配の御意見などを寄せられていることと思います。この価格については当部会ではなくて、保険の薬価での議論となりますが、この薬価の話は最近だとニボルマブだけではなくて、例えばC型肝炎の薬でも同様の話などが出ておりますので、いろいろな点について担当する薬価の所でも御議論していただいていると思います。この場では薬価については議論する所ではありませんが、御意見があった点については担当する部署にも伝えておきたいと思います。どうもありがとうございました。

○國頭委員 ただ、C型肝炎の薬は投与期間を12週と区切っておりますが、進行がんの患者さんは治っているかどうかは分からないわけですから、いつまで使うか、際限なく使う点でレベルが違うと思います。本当に簡単な計算で、ちょっと愕然とするような数字が出てきますので、私はいろいろな所でこれを提示して、皆さんに愕然としていただくようにしております。本当に大丈夫かという、どう考えても大丈夫ではないと思うのですが。以上です。この会ではないことは分かっております。ただ、ファイナンシャル・トキシシティというのが、国の安全に影響しかねないということは、かなり懸念を抱いております。

○五十嵐部会長 大変重要な御指摘だとは思いますが、多分これからますますそのような薬が増えてくるのではないかと予想されます。ありがとうございました。ほかはいかがでしょうか。

○新見委員 ニボルマブの話です。副作用の方の話で、因果関係も不明なものも含めて7例ということですが、それは因果関係がどれだけ分かっていて、不明なものがどうなのかという、その辺の詳細については分かっておりますでしょうか。分かっている範囲でお答えいただきたいと思います。

○五十嵐部会長 9ページに症例が7例出ていますね。全員が女性ですね。

○事務局 事務局よりお答えさせていただきます。まず、昨年11月に使用上の注意を改訂した時点までで、1型糖尿病関連の症例としては5例の報告がありました。そのうち、因果関係が否定できない症例が4例あり、この時点までで死亡例は0件という状況でした。その後、2例の報告があり、計7例となっております。その2例については、今現在、まだ評価の方は終わっておりません。

○國頭委員 ありがとうございます。多分お答えにはなっていないと思うのですが、この薬はどうしてか分からないのですが、自己免疫になるというのは分かるのです。どうしてか分かりませんが、内分泌型に比べて下垂体機能不全、一過性の甲状腺亢進になってから機能不全等々があります。ですから、同じ内分泌型の膵臓内分泌細胞に影響が出ても何ら不思議ではないというか、これは関係が分からないというより、それは病理学的に認められていないというだけであり、まず関係があると考えた方が自然だろうと思います。

○五十嵐部会長 どうもありがとうございます。

○日野委員 オプジーボの件なのですが、これは全て非小細胞肺癌の患者さんで生じたことですか。と言うのは、メラノーマでもかなり使われるようになってくると思うのですが。メラノーマの患者さんは本当に末期の患者さんでも治療によっては延命できるという症例も出てきておりますので、ますます使われることになると思うのですが、この患者さんは全て肺癌の患者さんですか。

○安全対策課長 まずオプジーボは、御存じのようにメラノーマが先行して承認されております。肺癌が適用になったのは昨年の12月からですから、この7例はメラノーマの患者さんです。

○日野委員 これは全部メラノーマの患者さんですか。分かりました。そうすると、ますます今後、この症例は増えてくるのではないかと思っていますけれども。

○薄井委員 実際に使ったことがないので分からないのですが、このIDDM(1型糖尿病)の発症というのは、何かバックグラウンド、例えば家族歴などがあるのでしょうか。この資料を見ると突然発症しているような感じがするのですが、教えていただければと思います。

○安全対策課長 まだ、そこまでの背景が、どの程度関係するかというのは分かっていないところですが、糖尿病の前兆のない方に突然出てくるということです。それで特に注意が必要だというのは、1型糖尿病であっても劇症型が出るということで、1週間以内の前後にケトアシドーシスなどに至る方が何例か出ているということなので、使用上注意していただいて、発症の際にはインスリン投与をしていただくことを注意喚起したということです。

○薄井委員 多分、この薬剤が新しいものなので、皆さん注意されていると思いますが、こういう形で1型糖尿病が突然発症してくることになりますと、いかに注意喚起をするかというのは非常に重要だと思います。私も以前は糖尿病の患者さんをよく拝見し、担当する機会がありましたので、突然発症する1型糖尿病の経験があります。この薬剤による糖尿病の発症ということを考えずに使っている場合では、対応が遅れて重篤な高血糖やケトアシドーシスなどで致命的な転帰をとることも予想されます。今回は助かっていますが、これは死亡につながる劇症で重篤な有害事象ですので、もう少し安全な使い方への注意喚起を徹底した方がよいと思います。

○安全対策課長 ありがとうございます。正にその点でありまして、臨床腫瘍学会の先生や糖尿病学会の先生から懸念を受けまして、やはり、私どもはそれを受けて、改訂した後に副作用報告数が増えているわけではないのですが、今度肺癌が適用になり、更にDPCで2月から除外になりまして、投与患者数が増える可能性がありますので、注意喚起が必要だろうということで、このようなお願いをしたということです。ありがとうございました。

○金澤委員 行政の役割としては、こういったハイリスクのある薬剤は、どこに言ったら何かをするというアクションプランといいますか、例えば、肺癌で何で使っているうちに何で異常が出たら、どう使っていくかということは、お考えなのでしょうか。要するに、例えば禁忌にするとか、中止にするとかという問題を注意するということは、どういった条件で考えているかということを。でないと、前回のときに言いましたけれども、タミフルの異常行動であるとか、それからHPVワクチンの副作用であるとか、非常に場当たり的な対応になってしまうので、あらかじめ、どんなときにはどういう対応を取るのだということをスキームとして持っていていただく方が望ましいと思うのですが、いかがでしょうか。

○安全対策課長 確かに御指摘はそのとおりだと思うのですが、一方でその薬、薬によって置かれた状況というのは違ってきます。この薬しかないという状況もありますので、一律に考え方を示すのはなかなか難しく、最終的には有効性、安全性のバランスということになってくると思うのです。この薬がなくて別の治療法があるとかという状況であって、それで副作用が不可逆的で対応できないとか、そういう状況であれば、なかなか有用性がないというような話になります。一律にするのはなかなか難しく、やはり薬の置かれた状況を見て、判断していくしかないと思っております。

○金澤委員 有効性、安全性ということが出たのですが、この薬の場合は費用対効果ということを、やはりもっと強く意識するべきだと思うので、そうなりますと、薬効も大体おおよそ、どのぐらいかということは、ブリストル・マイヤーズの価格から見ても分かるわけで、それぞれの薬が特別にどうこうとかいうことではなくて、この薬ではどうかということをスペシフィックに、やはり考え方を示しておくことが必要かと思っています。

○五十嵐部会長 例えば、ワクチンの場合は10万接種当たり、死亡が0.5を超えた場合には注意情報を出して再検討をすることが行われています。金澤先生はこの薬剤の使用に関して何かお考えはありますか。

○金澤委員 具体的に、メラノーマのときに何例に対して使われて、どういうように発現してきたかということまでは、この資料からは読み取れないので、どうこうという私自身の考えは示せないのですが、先ほども言いましたように、この薬はキュアする薬ではないのです。1年、2年と使える限り使っていくということで、國頭委員が言われたように、長く使えば使うだけ費用が掛かった後に患者さんは死ぬということです。生き返って、肺がんが治って社会に復帰できるというのであれば、多少の費用が要ってもいいわけですが、そういった限定的な効果だということを、もう少し意識して使い方を決めていくべきだろうと思うのです。

 1型糖尿病で、しかも劇症型が出るということがようやく分かってきたばかりですので、「回答を早く示せ」と言っているわけではないのですが、何せ費用がものすごく掛かるものの治らないという薬ですから、やはり費用対効果という考えをもっと入れていかないと、先ほどのフィナンシャル・クライシスといったことに直結してしまうように思われます。

○大野部会長代理 これはそれほどみんなに効くわけではないわけですね。せいぜい2割ぐらいの人にしか効かないと伺っていて、後ろの方の添付文書を見ても大体そんなものです。そうすると、効かない人に対して漫然と投与するというのは非常に無駄が多いと思うのです。ところがこの添付文書を見ると、「漫然と投与を勧めないように」というような注意事項がないのです。ですから「効果を見ながら投与する」とか、そういう注意書きがあってもいいのかと思います。

○國頭委員 これは私が答えなければいけないのでしょうけれども、分かりません。スード・プログレッションという現象が知られており、普通は化学療法、抗がん剤でも分子標的治療薬でも何でもそうですが、3cmの陰が5cmになったら、そこでアウトです。これはどう考えても効かない。幾ら副作用がなくて患者さんが「もうちょっとやってくださいよ」とおっしゃっても、「いや、これはもう効かないから駄目なのだ」と。この場合はどのぐらいかというのも分かっておりませんが、免疫細胞の収束によると言われていますが、一度、陰が悪くなってから、後から効いてくるということは確かにあるそうです。ですから無効例で、いつ無効判定するかというのが、非常に難しい薬剤です。

○大野部会長代理 何回か投与して、効く効かないというのは判断できないのですか。

○國頭委員 恐るべきことに、できないようです。

○大野部会長代理 コンパニオン診断薬を開発しては。

○國頭委員 コンパニオン診断薬も当てにならない。最初のセレクションができない。もちろん有効例でも、金澤先生がおっしゃいましたように、いつまでやっていいのか、やめてもいいかどうかが全く分からないし、無効例でいつ諦めたらいいのかも全く分からない。ですから、あえて言えば結果的にみんなに漫然と使わざるを得ないので、どんどんお金ばかりが逃げていくというものです。

○大野部会長代理 無効例が8割でも、そうなるのですか。

○國頭委員 実際にメラノーマの患者さんで、さすがに駄目だろうと思っても、データからするとここで駄目だという基準がないので、「もう1回やってくださいよ、もう1回やってくださいよ」と言われて、みんな使っているという話はどこでも聞きます。それを断ることはなかなかできない。

○大野部会長代理 インターフェロンでC型肝炎に対する効能を認めるときに、使い方について制約みたいなものがあったと思うのです。

○國頭委員 現時点では、この手の薬に関してのレスポンス・クライテリア、要するに効果判定基準として、まともなものはほとんどありません。Revised Response Criteriaというのが一応できましたけれども、めちゃくちゃ判定が煩雑で、しかも余りものの役に立ちそうにないということで、もうみんな使うのを半分諦めております。それから、治験のときのデータもそうですけれども、画像的に悪くなったとしても、主治医が臨床的に意味があると思えば使ってもいいという定義です。実際にその中で、後から効いてきた人は確かにおられるようです。ですから言葉は悪いのですが、現時点では、何でも有りです。

○大野部会長代理 ありがとうございます。

○薄井委員 國頭先生、こういう方に例えばIDDMが出てきた場合に、この薬はインスリンを使いながら、治療しながらずっと続けるような形になるのでしょうか。トキシシティとしては非常にグレードの高いものだと思うのですが、そこで終わりになるのでしょうか。どういう使い方になるのでしょうか。

○國頭委員 通常は、毒性中止という観点からすると、グレードIVですから、スラフトセットニングですから、これはさすがに毒性中止だろうと思われます。通常の化学療法、抗がん剤の考え方からすると、グレードIVのノン・ヘマトロジカル・トキシシティが出た時点で治療は中止になります。

○薄井委員 しかし先生のお話をお伺いしていると、こういう免疫調節剤のようなものは逆に、効いているのであれば糖尿病をコントロールしながら使うというのも出てくるのではないかと思うのです。

○國頭委員 恐らく出てくるだろうと思います。要するに、インスリンがなくなるのが本体であれば、インスリンを打てばいいという発想になりますので、補充すれば使えるのではないかという発想は当然出てきます。私がどうかは別にして、恐らく何人かのドクターは「ほかに方法がないんだから、インスリンを補充しながらやろうよ」と言うと思うのです。

○薄井委員 その場合、例えばドーズを下げるというような、細かいマニュアルなどは出てこないのですか。

○國頭委員 この手の薬は、ドーズ・レスポンスが余りはっきりしないということになっております。フェーズIでも1mg10mgとでは余り変わらない。要するに、頻度は多少違うかもしれないけれども、10mg/kgでやっても1mg/kgでやっても同じような毒性が出ておりますので、減らしたら大丈夫かという保証も全くない。

 もう一つ、ややこしい話をあえて申し上げますと、毒性でやめたときに、やめても効果が長持ちすることがあるらしいのです。「じゃあ、何なんだ」と言われると、今のところ誰も分かりません。ですからいつまでやっていたらいいのか、いつやめたらいいのか分からない状況で、確かに2割か3割かは効く患者さんがいるから、我々はおっかなびっくり、いろいろなことで使っているという状況です。

○薄井委員 そうすると、マニュアルとは言いませんが、適正使用のようなものを学会か何かで出さないと、漫然と使われたら、例えば保険ですと、場合によってはバッサリ切られ始めてしまう。

○國頭委員 バッサリ切られると恐らく病院は、「とんでもないからやめろ」と言います。切られたときの金額がとんでもないので、これが一番分かりやすく、みんながやめると思います。私の1か月の給料では、1回分も、とてもではないけれど、それでは間に合わないぐらい飛びますので、保険で切られる前に、どこまでどういうように使ったらいいかがよく分からない。どうしても病態が病態ですから多めに使われることになるだろうと思いますから、お金はどんどんなくなっていくという状況です。

○日野委員 ニボルマブの場合は、がん治療専門医の資格がないと使えないことになっていて、大学病院でも所によっては使えない施設もあります。皮膚科学会ではニボルマブに関しては、かなり厳しく制約されています。いろいろな御意見が出ましたが、メラノーマというのは今までダヴ・フェロンしかなかったのが、ようやくここでニボルマブが出てきたということで、少しは延命できるようになった患者さんもいるのです。ですから一部では飛び付いて使おうと思ったけれども、制約があったために使えなくて亡くなる患者さんも出てきているのです。今後はこういう患者さんもたくさん出てくると思うのです。日本皮膚科学会や、日本皮膚悪性腫瘍学会などで、もうちょっと詳しくマニュアルを作っていった方がいいのではないかと私は思っています。

○國頭委員 よく出てくるのは肺毒性の話です。肺毒性はこの薬にもあります。肺毒性が出たときに、明らかな肺炎が出たらやめるというならば、みんなもやめるのですけれども、ちょっとCTで影が出たときに行くのかやめるのか、症状が全くないというときには見解が分れております。エキスパートオピニオンに自分の名前を出されるのを、みんな怖がっております。「俺、そんなこと言ってないよ」ということです。要するに、客観的なデータがないわけですから、ないところで何か言わなければいけないというのが、やはり非常に怖い状況です。

○安全対策課長 注目されている薬剤ですので、先生方、本当にいろいろな御意見をありがとうございます。先ほど日野先生から御指摘のあった専門医という話については、添付文書の警告欄で、「化学療法に精通した医師」と書いてありますので、その件でおっしゃったものと思います。それから、なかなかデータがないというのは正にそのとおりです。そこで承認時点の条件として、この薬剤については承認時点の治験のデータが非常に限られておりますので、全症例を登録し、有効性・安全性も含めて、その後の状況を集積していくことになっております。そのデータを見てどこまで使うかという点も含めて、データが出てくるものだと思っております。ただ、治験ではないので、どこまで明確なことになるかというのは分かりませんが、やはりデータの集積をもって、いろいろな意見などをまとめていくのだろうと思っております。

○五十嵐部会長 大変貴重な御意見をうかがいました。この部会で担当すべき案件ではないのですが、しっかりと記録をして戴き、関係する所でまた真剣な討議をしていただかなければいけないと思います。よろしくお願いしたいと思います。そのほかの薬剤等についてはよろしいですか。

○金澤委員 ワクチンの「死亡症例の評価について」の()です。死亡例は同時接種例が7例で、単独接種例が3例報告されていると書いてあるのですが、この分母はどうなっているのでしょうか。

○事務局 先ほど御説明しました2月に開催された調査会では、各ワクチンの出荷量も含めて資料で御報告させていただいております。何万本、何十万本単位ということで、この場で正確な数を御紹介することはできませんが、各ワクチンともに10か月間に相当数量の出荷をしております。

○安全対策課長 調査会の段階では、ワクチンごとにどれだけ出荷されて、そのうち死亡例が何例というものがありますので、そのデータを後で先生に御報告するようにします。

○金澤委員 私が質問した意図は、同時接種例は10万接種で7例で、単独接種は100万接種で3例ということで、その割合が知りたいのです。実態として同時接種が一体どのくらい行われているのか。原則同時接種は好ましくないわけですが、実態として運用していく上では、同時接種をしない限り接種できないのが現状だと思うので、同時接種のリスクがどうかを評価できるような形のデータが欲しいという質問です。

○事務局 同時接種がどれぐらい行われていて、単独接種がどれくらい行われているかという母数については、2月の調査会でもその割合についてのデータはお示ししておりませんでした。ただ、御指摘のとおり、それらのデータと副作用の発生数とを比較して検討・評価することが、本来であれば適切だと思いますので、御指摘を踏まえ、そういったデータが入手できるかどうか、内部で検討させていただきたいと思います。

○五十嵐部会長 同時接種が基本的に危険だという発想はありません。日本小児学会だけでなく、外国の小児学会もアメリカ小児学会も含めて、小児は同時接種せざるを得ないぐらい数が多いわけです。更に一つの製剤の中に複数の薬剤が入っている予防接種も、もう既にたくさんあります。ですから特別な状況の方でなければ、基本的に同時接種をすることについて大きな問題はないということで、既に内外でもデータは出ていますので、取り分け同時接種が危険ということはないと御理解いただきたいと思います。

○金澤委員 私の意見もそうです。ただ、患者さんは例えば成人の場合、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンを同じ日に打つと、「先生、大丈夫ですか」と言うわけです。同時接種と単独接種で例数が出てきたときに、小児の場合というか、ここで対象としているワクチンの場合に、分母は一体どうなっているのかという単純な質問なのです。そういうことを無視してやっていれば、いつになっても同時接種の安全性が証明されないのです。安全性と言いますか、患者さんがそういう疑問を持つわけです。小児科領域ではいいのかもしれませんが、成人の場合は結構言いますから。

○五十嵐部会長 小児の場合も、同様のご意見を持たれた方もおられました。しかしながら、ワクチンの同時接種は基本的に問題ないこと、同時接種を行わないと現状では子どもたちに必要なワクチンをすべて接種できないことの理解がかなり進んでいます。貴重な御指摘をありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。

 よろしいですか。それでは議題2に移りたいと思います。資料の御説明をお願いしたいと思います。

○事務局 議題2、「医薬品等の副作用等の報告の状況について」を御説明いたします。資料2-1を御覧ください。はじめに、「医薬品医療機器法68条の12の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用・感染症等の報告について」御説明いたします。今回の報告期間は、平成27年8月1日から平成271130日までであり、前回の報告期間は平成27年4月1日から平成27年7月31日までです。なお、今回の部会資料より、前回の報告件数を記載することにいたしました。

 まず1.にお示しする医薬品医療機器法第68条の10第1項の規定に基づく「製造販売業者からの医薬品等の副作用等報告について」を御説明いたします。()は国内症例の報告状況で、資料2-2にお示しているものの件数をまとめたものです。今回報告分として、医療用医薬品については17,992件の副作用報告、36件の感染症報告、医薬品たるコンビネーション製品については4件の不具合報告、要指導医薬品については0件の副作用報告、一般用医薬品については73件の副作用報告、医薬部外品については120件の副作用報告、化粧品については47件の副作用報告、合わせて18,232件の副作用報告、4件の不具合報告及び36件の感染症報告を受け付けました。

 前回の報告分として、医療用医薬品については16,967件の副作用報告、29件の感染症報告、医薬品たるコンビネーション製品については3件の不具合報告、要指導医薬品については2件の副作用報告、一般用医薬品については73件の副作用報告、医薬部外品については110件の副作用報告、化粧品については42件の副作用報告、合わせて17,197件の副作用報告、3件の不具合報告及び29件の感染症報告を受け付けており、報告件数の傾向に大きな変化はありませんでした。

()は外国症例の報告状況です。今回の報告分として、医療用医薬品については111,562件の副作用報告、15件の感染症報告、及び医薬品たるコンビネーション製品については9件の不具合報告を受け付けました。前回の報告分として、医療用医薬品については110,889件の副作用報告、10件の感染症報告、及び医薬品たるコンビネーション製品については2件の不具合報告を受け付けており、報告件数の傾向に大きな変化はありませんでした。

()は外国での新たな措置の報告状況で、資料2-3にお示ししているものの件数をまとめたものです。今回の報告分として、393件の報告を受け付けております。前回の報告分としては447件の報告を受け付けており、報告件数の傾向に大きな変化はありませんでした。

()は研究報告の報告状況で、資料2-4にお示ししているものの件数をまとめたものです。今回の報告分として、398件の報告を受け付けております。前回の報告分として、517件の報告を受け付けており、報告件数の傾向に大きな変化はありませんでした。

 続いて、2.にお示しする医薬品医療機器法第68条の10第2項の規定に基づく「医薬関係者からの医薬品等の副作用等報告」について御説明いたします。今回の報告分として、ワクチン類を除く医薬品の副作用報告については1,649件、うち重篤なものは755件で、その中で機構調査分は384件でした。他方、ワクチン類及び予防接種後の副反応報告については491件、うち重篤なものは164件、その中で機構調査分は2件でした。前回の報告分としては、ワクチン類を除く医薬品については1,538件、うち重篤なものは712件で、その中で機構調査分は341件でした。他方、ワクチン類及び予防接種後の副反応報告については387件、うち重篤なものは115件、その中で機構調査分は4件であり、報告件数の傾向に大きな変化はありませんでした。なお、今回報告分における機構調査分の詳細においては、資料2-5でお示ししております。

 最後に、3.にお示しする医薬品医療機器法第68条の10第3項の規定に基づく「副作用等救済給付又は感染症救済給付に係る疾病、障害及び死亡の報告」です。今回の報告分について、副作用救済給付に係る報告件数は397件、感染症救済給付に係る報告はありませんでした。前回報告分については、副作用救済給付に係る報告件数は177件、感染症救済給付に係る報告はありませんでした。したがって、今回の副作用救済給付に係る報告件数は、前回報告分から見かけ上は倍増しております。これは平成261125日に施行された医薬品医療機器法に基づき副作用救済給付に係る件数について報告されることとなったのですが、法改正後、救済給付が請求された後に決定されたものを報告しております。請求から救済までの間に一定程度の事務処理期間が必要となるために報告数が増加しているものです。資料2-1は以上です。

 続いて資料2-2から2-6について、資料の構成を簡単に御説明いたします。資料2-2を御覧ください。本資料は、「製造販売業者からの国内医薬品等の副作用等報告の状況」の詳細をまとめたものです。1ページから387ページが、医療用医薬品、388ページから390ページまでが医薬品たるコンビネーション製品、391ページから398ページまでが一般用医薬品、399ページから401ページまでが医薬部外品、402ページから403ページまでが化粧品、404ページから413ページまでが国内感染症報告の状況について、医薬品別・副作用別で件数を整理したものです。なお、医療用医薬品のラインリストについては薬効成分別に並んでおります。薬効成分については、資料2-2の後にある参考資料の表を御参照ください。また、今回報告分において、要指導医薬品の報告は0件ですので、資料はありません。

 資料2-32-4は、それぞれ「外国における新たな措置の報告状況」「研究報告の報告状況」の詳細をまとめたものです。

 資料2-5を御覧ください。これは医薬関係者からの医薬品等の副作用等報告のうち機構調査分についての詳細をまとめたものです。1ページから10ページまでがワクチン類を除く医薬品、11ページから12ページがワクチンについての状況を、品目別副作用・副反応別の件数で整理したものです。

 資料2-6は、副作用救済給付の請求に基づく国内副作用報告の状況の詳細をまとめたものです。なお、感染症救済給付の請求に基づく国内副作用報告については、今回報告はありませんでしたので、資料はありません。以上、医薬品等の副作用等報告状況を簡単に御説明させていただきました。なお、資料2から資料2-6までについて、各資料の詳細な説明は割愛させていただきます。以上です。

○五十嵐部会長 ただいまの事務局からの御説明に、御質問、御意見はありますか。

○柿崎委員 資料2-2412ページに、輸血後のE型肝炎の症例があります。少し前の新聞でも、輸血後のE型肝炎が慢性化したという症例の報道などがありました。現在、北海道ではE型肝炎をスクリーニングしているようですが、そのスクリーニングをほかの地域にも増やすということは考えていないのでしょうか。

○事務局 血液製剤のスクリーニングについては、同じ薬事・食品衛生審議会の血液事業部会の方で御検討いただいており、現在、北海道の調査結果等を含めて、スクリーニングの拡大の必要性について検討を進めていると伺っております。

○五十嵐部会長 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、議題3にいきたいと思います。資料の御説明を事務局からお願いいたします。

○事務局 続いて議題3、報告事項、「医薬品の感染症定期報告の状況について」を御説明いたします。資料3-1及び資料3-2を御覧ください。感染症定期報告は医薬品医療機器法に基づき、製造販売業者が製品又はその原材料による感染症に関する論文等を収集し、報告する制度です。今回は昨年8月から11月末までに、企業から報告された結果を取りまとめており、医薬品製造販売業者から合計397件の報告がありました。

 資料3-1を御覧ください。「感染症定期報告感染症別文献一覧表」は、提出された感染症定期報告のうち、前回の本部会で報告済みのもの等、重複を除いた文献等を感染症ごとにまとめたものです。新たに報告された文献等は116件ありました。今回、比較的報告が多かったものとしては7、8ページにある野兎病に関するものが19件と、最も多くなっております。また、1、2ページのインフルエンザに関するもの、3ページのコンゴ・クリミア出血熱に関するものが、それぞれ9件ありました。

 委員の皆様には当会議の前に資料をお配りしており、国立感染症研究所の倉根委員、石井委員、国立医薬品食品衛生研究所の新見委員に資料を御確認いただくとともに、事前にコメント・御意見をお願いしております。その結果、直ちに安全対策措置が必要なものはなく、また特段のコメントをするものもなかったと伺っております。議題3に関する報告は以上です。

○五十嵐部会長 御質問、御意見はいかがでしょうか。よろしいですか。それでは、今日予定しておりました議題は以上ですけれども、事務局から何かありますか。

○事務局 事務局からは特にありません。次回の部会の開催日程については、改めて先生方の御予定を伺った上で調整し、御連絡させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 それでは、今日の部会はこれで終了といたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬・生活衛生局 安全対策課 課長補佐 荒木(内線2752)

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