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2016年1月15日 第109回労働政策審議会職業安定分科会 議事録

職業安定局総務課

○日時

平成28年1月15日(金) 10:00~12:00


○場所

中央合同庁舎第5号館 厚生労働省職業安定局第1・2会議室(12階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2)


○議事

○阿部分科会長 おはようございます。全員お揃いですので、ただいまから第109回労働政策審議会職業安定分科会を開催いたします。本日の委員の出欠状況ですが、公益代表の岩村委員、鎌田委員、労働者代表の勝野委員、清水委員、使用者代表の上野委員、鈴江委員、深澤委員が御欠席です。

 議事に入ります。本日の議題は雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱についてです。育児介護休業法等関係部分については、既に113日の雇用均等分科会において、「おおむね妥当」との結論が出されておりますが、当分科会においては雇用保険法、高齢者雇用安定法等関係部分について審議を行いたいと思います。本要綱につきましては、113日付けで厚生労働大臣から労働政策審議会長宛てに諮問を受けており、113日の雇用対策基本問題部会及び14日の雇用保険部会において、予め議論を行っていただいております。それでは、資料及び部会での議論について、事務局より説明をお願いいたします。

○雇用保険課長 職業安定局雇用保険課長でございます。よろしくお願いいたします。要綱と、昨日の雇用保険部会の御議論について御報告申し上げます。資料1として、雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱です。113日付けで厚生労働大臣から法律案要綱についての諮問文があります。これに基づいて次のページ以降ですが、要綱について御議論いただいたところです。通しページで資料の1ページから、まず雇用保険部会関係の部分について、私から御説明したいと思います。要綱の1ページ、まず第一、改正の趣旨としまして、少子高齢化が進展する中で、高齢者、女性等の就業促進、雇用継続を図るというのが全体の目的です。具体的には雇用保険の適用拡大や、シルバー人材センターの業務拡大等によって、高齢者の雇用の拡大を行う。それから育児休業、介護休業制度の拡充。介護休業給付の給付率の引上げ等により、女性の活用等を行うということです。併せまして、第一の最後の行ですが、失業等給付に係る保険料率の引下げ等の措置を講ずるというのが全体の趣旨です。

 具体的な内容については、第二以降の雇用保険法の一部改正です。雇用保険法については段階的に施行されるという性質から、まず第二の所と、次の2ページの後半の第三以降で2つ書き分けております。第二の1番、介護休業給付金の改正。これは2点ありまして、1点目が介護給付金の額について、賃金日額で算定しているわけですが、上限額について、介護休業給付の受給者の分布から見て45歳以上60歳未満の方の賃金日額の上限を使う。次に2番の、介護休業給付金に関する暫定措置ということで、当分の間離職前賃金の現行40%を67%に引上げるという内容です。この点について、12いずれも81日施行を考えております。

 次に、二、雇用安定事業等の改正です。第五の一の4、これは78ページ関係ですが、高年齢者の雇用に資する事業として、まず7ページを御覧ください。第五の一の1番、地方公共団体が協議を経まして、地域高年齢者就業機会確保計画を策定できるということで、大臣に協議し、同意を求めることができるという枠組みがあります。この計画について、次の8ページの4番、政府はこの大臣の同意を得ました地域高年齢者就業機会確保計画に係る国が実施する高年齢者の雇用に関する事業について、雇用保険法の雇用安定事業又は能力開発事業として行うものとする、ということが高年齢者雇用安定法の改正で盛り込まれるということです。これを受けまして、2ページに戻りまして、今ほど申しました、高年齢者の雇用に資する計画の事業のうち、雇用の安定に係るものについては雇用安定事業として、能力の開発向上に係るものは能力開発事業として、それぞれ行うことができるという改正を考えています。

 次に、第三の雇用保険法の一部改正の続きですが、一の適用対象の拡大等です。具体的には、165歳に達した日以後に新たに雇用される者について、雇用保険を適用の対象にすることとする。現行は適用除外ですが、新たに適用対象とすると。この被保険者については「高年齢被保険者」として、現行は高年齢継続被保険者ですが、名称を改めるものです。

 次に3ページの、今回適用拡大した高年齢の被保険者に対する失業等給付の支給が2番です。()失業された場合には高年齢求職者給付金を支給する。この給付金については、年金と併給され得るという前提で考えております。()の受給できる方について、就業促進手当、移転費、求職活動支援費、これは後ほど説明いたしますが、これらを支給対象とするということです。()1行目ですが、就業促進手当は、注意2の常用就職支度手当、これは障害者の方、その他就職困難な方として、省令で定める者が安定した職業に再就職した場合に一時金を支給するというものです。これを新たに対象としております。それから移転費、求職活動支援費の対象とするものです。()()は教育訓練給付金の支給対象、育児休業給付金、介護休業給付金の支給対象とすることを新たに考えております。

3ページの後ろから2行目、就業促進手当の改正です。具体的には再就職手当の支給ですが、安定した職業に再就職された方について、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上である場合に残日数分の10分の6、支給残日数が3分の2以上の場合は10分の7を乗じて得た額を一時金として支給するというように引上げを考えております。

 次に4ページの三、広域求職活動費の改正です。三の()()はこの活動費の対象になるケースを書いております。対象が広がることにより広域求職活動費の名称も「求職活動支援費」と改めようと考えております。具体的には、()安定所の紹介により広範囲の地域にわたり求職活動をする場合。注4の広範囲とは何かですが、現行は往復300km以上の求職活動ですが、これを往復200km以上に緩和するものです。これは局長通知で考えています。次に、()公共職業安定所の職業指導に従って行う教育訓練の受講。具体的には短期の資格講座について、一定割合を支給する。具体的な一定割合等については、省令事項ですので、また省令の審議の中で御議論いただければと思っております。

5ページの()求職活動を容易するための役務の利用。求職活動に際し、お子さんを一時預かりしていただくというケースがあるわけですが、現行これについては対応がないということで、費用の一定割合を支給してはどうかという御提案です。これも割合等についてはまた省令のときに御議論いただければと思います。

 次に、5ページの四、育児休業給付金の支給対象となる子の範囲の拡大です。育児介護休業法の改正に合わせて子供の範囲を拡大するものです。範囲の拡大の具体的内容は育児介護休業法と同様です。特別養子縁組、監護期間の方、養子縁組里親。注7の養子縁組を希望する里親に委託しようとしても、実親の同意が得られなかったために、養育里親になっている場合も含むものとする予定を省令で考えております。

 続いて、6ページの五、介護休業給付金の支給回数の制限緩和です。こちらも育児介護休業法の改正と合わせたもので、対象家族1人について3回までという緩和を考えております。

6ページの第四から先が保険料についてです。一、雇用保険率の改正。雇用保険率について1,000分の15.53.52事業分ですので、失業等給付相当分は、1,000分の12ですので、現行より1,000分の2を引き下げる内容です。特定料率についても同様に1,000分の2下げるものです。注8の、平成28年度今年4月以降の保険率については弾力条項により、1,000分の8、現行1,000分の10から1,000分の8にする予定です。これは告示事項です。

 次に、二の省令で定める年齢以上の労働者に関する保険料免除措置の廃止です。7ページの、現在64歳以上の方については保険料免除ですが、これについて廃止をさせていただくものです。

 少し飛んで恐縮ですが、最後は20ページの施行期日です。雇用保険部会関係の部分を報告申し上げますと、原則は平成2911日、例えば高齢者の雇用の拡大等については11日から施行すると。ただし、14までで、それぞれの日から施行する分を書いています。1は雇用均等児童家庭教育関係です。2は、雇用安定事業等の改正。それから保険料率の引下げといったものが41日からです。3は、平成2881日、介護休業給付の日額の上限額、それから支給率の引上げです。第四の二は、平成3241日ですが、これは64歳以上の方の保険料徴収免除の廃止で、3年強については保険料を頂かないということで考えております。

 これは資料2の「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」に係る雇用保険部会及び雇用対策基本問題部会からの報告です。次のページで、昨日付けですが、この法律案要綱について、「厚生労働省案は、おおむね妥当と認める」という御報告を頂いているところですので、御報告申し上げます。雇用保険部会関係については以上です。

○高齢者雇用対策課長 7ページの高齢者関係の一部改正の中身について御説明したいと思います。第五の一「地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業の機会の確保」という部分と、二「シルバー人材センター等の業務拡大に係る業種等の指定等」の大きく2つになります。7ページのはじめの協議会関係です。1は計画の策定ということで、地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業機会の確保に関する計画として、地域高年齢者就業機会確保計画を策定して、厚生労働大臣に協議し、同意を求めることができるものとしております。2は計画で定める事項です。計画にはその対象となる区域、それから国が実施する高年齢者の雇用に資する事業に関する事項等を定めるとともに、地方公共団体及び協議会の構成員その他の関係者が実施する高年齢者の就業機会の確保に関する事業に関する事項についても定めるよう努めるものとすることとしています。

 次の3ページにおいて、3は計画の変更についてです。計画を変更する場合においては、厚生労働大臣に協議して、その同意を得なければならないものとしております。4は計画の事業の内容ですが、計画に係る国が実施する高年齢者の雇用に資する事業については、雇用保険法の雇用安定事業、又は能力開発事業として行うものとしております。5の協議会の設置です。地方公共団体、関係機関、シルバー人材センター、事業主団体、高年齢者の就業に関する業務に従事する者その他の関係者は、高年齢者の多様な就業機会の確保に関する地域の課題について情報を共有して連携の緊密化を図り、計画に関して必要な事項その他の地域の実情に応じた高年齢者の多様な就業機会の確保の方策について、協議を行うための協議会、これを組織することができるものとしています。6ですが、協議が整った事項については、構成員は協議の結果を尊重しなければならないものとしています。

 二は、シルバー人材センター等の業務拡大に係る業種等の指定等としております。1、業種等と市町村の区域の指定として、都道府県知事はシルバー人材センター又はシルバー人材センター連合が行う業務に関して、取り扱う範囲を拡張することによって、高年齢退職者の就業機会の確保に相当程度寄与するということが見込まれる業種及び職種であって、厚生労働省令で定める基準に適合するものを市町村の区域ごとに指定することができることとしております。2において、指定に当たっての意見聴取ですが、当該指定に係る市町村の長、それからシルバー人材センター、指定をしようとする業種等に係る職業紹介事業又は労働者派遣事業等を営む事業者を当該指定に係る市町村の区域において代表する者、及び当該区域の労働者を代表する者の意見を聞かなければいけないものとしています。3、国の関与の関係ですが、都道府県知事は指定をしようとするときは、厚生労働大臣に協議しなければならないものとしています。4、指定業種等で取り扱う事業についてです。シルバー人材センター等は指定された業種等について、有料の職業紹介事業又は派遣事業を行う場合において、臨時的かつ短期的な就業及びその他の軽易な業務事業に加え、高年齢退職者の能力を活用して行う業務に係る就業を取り扱うものとしております。5の指定の取り消しですが、指定をした業種等が基準に適合しなくなったとき、これは遅滞なく、その指定を取り消すものとしています。6、公示ですが、都道府県知事は指定又は取消しをしたときは、当該指定又は取消しをした業種等及び当該指定又は取消しに係る市町村の区域を公示しなければならないものとしております。

 三は、その他所要の改正を行うこととしています。

 最後に、20ページになりますが、この法律は、2に該当しまして、第五、平成2841日の施行となっています。

 それから13日に行われました部会の御報告は、資料22枚目の所で、「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、113日付け、厚生労働省発職01131号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告するということで、「厚生労働省案は、おおむね妥当と認める」という内容になっております。以上です。

○阿部分科会長 ありがとうございました。本件について御質問、御意見がありましたら御発言ください。いかがでしょうか。特に御質問、御意見がないようですので、「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」について、当分科会は厚生労働省案を「おおむね妥当」と認め、その旨を私から労働政策審議会会長に御報告申し上げたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なしと声あり)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それでは、報告文案の配布をお願いいたします。

(報告文案配布)

○阿部分科会長 お手元に配布していただきました報告文案により、労働政策審議会会長宛て報告することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(異議なしと声あり)

○阿部分科会長 ありがとうございます。それではそのように報告させていただきます。

 ここで事務局から御挨拶がございます。

○職業安定局長 職業安定局長でございます。一言お礼の挨拶を申し上げます。委員の皆様方には、雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱について御了承いただきまして、本当にありがとうございました。この答申に基づきまして法律案を作成いたしまして、この通常国会に提出させていただきたいと考えております。法律案が成立いたしましたら、施行に当たり省令等の制定が必要になります。今後適時お諮りをさせていただきたいと考えておりますので、引き続き御指導のほどよろしくお願い申し上げます。以上、簡単ではございますけれども、お礼の御挨拶とさせていただきます。本当にありがとうございました。

○阿部分科会長 ありがとうございました。以上をもちまして、本日予定されている議事は全て終了となります。本日の会議に関する議事録につきましては、労働政策審議会運営規定第6条により、分科会長のほか2人の委員に署名を頂くことになっております。つきましては、労働者代表の林委員、使用者代表の高橋委員にお願いしたいと思います。本日もありがとうございました。


(了)

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