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2015年10月16日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成27年10月16日(金)14:00~


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(16名) 五十音順

◎荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、 石 井 明 子、○一 色 高 明、
  梅 津 光 生、 生 出 泉太郎、 齋 藤 知 行、 鈴 木 邦 彦、
  武 谷 雄 二、 田 島 優 子、 寺 崎 浩 子、 中 島 康 雄、
  新 見 伸 吾、 菱 田 和 己、 村 上 輝 夫、 桃 井 保 子
  (注)◎部会長 ○部会長代理
  他参考人1名

欠席委員(7名)五十音順

 今 井 聡 美、 川 上 正 舒、 塩 川 芳 昭、 正 田 良 介、
 千 葉 敏 雄、 中 谷 武 嗣、 濱 口 功

行政機関出席者

 中 垣 英 明 (医薬・生活衛生局長)
 森   和 彦 (大臣官房審議官)
 宇 津   忍 (安全対策課長)
 磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
 矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
 梅 澤 明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
 俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 他

○議事

○参事官(医療機器・再生医療等製品審査管理担当) 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催させていただきます。委員の先生方におかれましては大変御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。最初に、本日は医療機器・体外診断薬部会委員23名のうち、現時点で15名の御参加を頂いています。鈴木先生は少し遅れての御到着と伺っています。そのため薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしていますことを、まずは御報告させていただきたいと思います。

 続きまして、先般、10月1日付けで厚労省の幹部の人事異動がございまして、局長、審議官が替わりましたので、御紹介をさせていただきたいと思います。中垣局長です。

○医薬・生活衛生局長 10月1日付けで、医薬・生活衛生局長に就任いたしました中垣でございます。よろしくお願いいたします。

○参事官 ありがとうございます。森審議官でございます。

○審議官 10月1日に、成田審議官の後任ということで、医薬担当の審議官を拝命いたしました森でございます。審査管理課時代からずっとお世話になっていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

○参事官 ありがとうございます。

○事務局 本日の議題の公開・非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、議題1については会議を公開で行い、議題2と3については医療機器の承認審査等に関する議題であり、企業情報に関する内容が含まれるため非公開といたします。

 これより議事に入りますので、傍聴の方によるカメラ撮りはここまでといたします。御協力のほど、よろしくお願いいたします。それでは、以後の進行について、荒井部会長、よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 それでは、よろしくお願いいたします。まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

○事務局 公開案件につきまして、資料の確認をさせていただきます。議事次第の下に配布資料一覧がありますので、これに従って御確認をお願いいたします。

 議題1につきましては資料が3種類あります。資料1-1が「物質併用電気手術器等認証基準()」、資料1-2が「生体情報モニタ(重要パラメータを含む)認証基準()」、資料1-3が「全身用X線CT診断装置認証基準(改正案)」、参考資料1が「薬事分科会審議参加規程」です。公開案件の資料確認は以上になります。

○荒井部会長 資料はおそろいでしょうか。それでは、これより議題に入らせていただきます。議題1「高度管理医療機器及び管理医療機器の認証基準制定・改正について」、事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 事務局より、議題1「高度管理医療機器及び管理医療機器の認証基準制定・改正について」、御報告いたします。資料1-1から1-3です。左上に資料1-1と書かれている資料、「物質併用電気手術器等認証基準()」を御覧ください。今回、制定する認証基準の対象となる一般的名称は、「物質併用電気手術器」と「物質併用処置用能動器具」となります。これら代表的な製品の写真を2ページの下に示していますので御覧ください。これらはアルゴンガスを用いて組織の切開又は凝固を行う際に用いられる機器です。これらについては現在、クラスIIIで承認をしていますが、この基準を制定するに当たり、高度管理医療機器の認証基準として登録認証機関でも審査が可能となるものです。

 1ページから2ページにわたって記載されている表中の中央の列に、「既存品目との同等性を評価すべき主要評価項目とその基準」として、1~7までの項目を設定しています。この評価項目につきましては、医薬・生活衛生局長が定める基準により評価することとなっており、具体的にはお手元の資料の3ページに記載している、1.の制御器、計測器及び表示器の正確性や2.の高周波出力性能など、以下、順番に基準の詳細を記載しています。資料1-1については以上です。

 続きまして、資料1-2の「生体情報モニタ(重要パラメータを含む)認証基準()」を御覧ください。この基準に関しても、先ほど御説明した高度管理医療機器の認証基準と同じように、制定に当たっては登録認証機関で審査が可能となるものです。この認証基準の対象となる医療機器の一般的名称は、1ページから2ページにわたって記載されている表中の左側の列に記載していて、1の「麻酔深度モニタ」から10の「頭蓋内圧モジュール」までです。これらは2ページに参考として記載されている一般的名称の定義のとおり、例えば1の「麻酔深度モニタ」では麻酔状態の患者の生体信号を検出するもの、2の「解析機能付きセントラルモニタ」のように、ベッドサイドモニタからバイタルサインを収集するものなど、様々な機能が付いたモニタやシステムです。

 本認証基準におきましては、1ページの表中の中央の列に、「既存品との同等性を評価すべき主要評価項目とその基準」として、1のアラーム機能から4までを設定しています。この評価項目については、先ほどと同様に医薬・生活衛生局長が定める基準により評価することとしています。具体的には、4ページの下の1.アラーム機能の欄以降に基準の詳細を記載しています。資料1-2については以上です。

 続きまして、資料1-3の「全身用X線CT診断装置認証基準(改正案)」を御覧ください。今回、表中の中央の列に記載している「日本工業規格又は国際電気標準会議が定める規格」のうち、Z 4751--44及びIEC 60601--44が改正されたことに伴い、全身用X線CT診断装置の認証基準を改正しています。改正の理由につきましては表中の左側の列にありますように、これまで両規格では部位限定X線CT診断装置と全身用のX線CT診断装置の両方に対応していましたが、これが頭部及び体幹部両方に対して使用することを意図したものとして、全身用X線CT診断装置のみに対応するように改正されたため、これに合うように認証基準を改正しているということです。議題1については以上です。

○荒井部会長 ありがとうございました。ただいまの説明につきまして、委員の方から御意見、御質問、いかがでしょうか。この認証基準で第三者機関での評価が可能になるということですが、御質問、よろしいでしょうか。特にございませんようでしたら、これで議題1を終了させていただきたいと思います。

○参事官 ありがとうございました。以後の議論は非公開とさせていただきますので、傍聴の皆様には御退席いただきますようにお願いいたします。準備が整い次第、非公開案件の議題の審議を再開したいと思います。

○参事官 それでは準備が整いましたので、医療機器・体外診断薬部会を再開させていただきます。よろしくお願いします。

○事務局 非公開案件について、資料の確認をさせていただきます。資料2が医療機器「SATAKEHotBalloonカテーテル」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定について。資料3-1と3-2が、それぞれ医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について。資料4が「競合品目・競合企業リスト」。参考資料1が「薬事分科会審議参加規程」となります。また、当日配付資料1として審議品目の専門協議委員リストを配布しています。非公開案件の資料確認は以上になります。

○荒井部会長 ありがとうございます。資料はおそろいでしょうか。よろしいですか。よろしければ、これからは非公開で行う議題に入らせていただきます。初めに、本日の審議事項に関与された委員と利益相反に関する申し出状況につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 本日の審議事項に関する影響企業について、委員の皆様から寄付金・契約金等の受取状況をお伺いしましたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の「審議不参加の基準」に基づき、審議に御参加いただけない委員はございません。ただし、薬事分科会審議参加規程第13条の「議決不参加の基準」に基づき、議決に御参加いただけない委員は、議題2について、一色委員となっております。この際、御退室いただく必要はありません。議題3につきましては、委員より寄付金・契約金等の受取りの申告がありましたが、これは薬事分科会審議参加規程第18条の「個別の医薬品等の承認審査や安全対策に係る審議以外の審議」に該当しますので、部会後に厚生労働省のホームページ上で公開することをもちまして、審議及び議決に加わることができることとなっています。以上、御報告いたします。

○荒井部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局からの説明につきまして、特段、御意見はございますか。よろしいですか。よろしければ、皆様の御了解をいただけたものとして議題に進ませていただきます。

 議題2、医療機器「SATAKEHotBalloonカテーテル」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定について、審議を始めさせていただきます。この議題の審議に当たりましては、参考人として、近畿大学医学部附属病院心臓血管センター教授、栗田隆志先生にお越しいただいています。よろしくお願いいたします。まず審議品目の概要につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

○事務局 議題2につきまして、事務局から御説明いたします。資料2を御覧ください。1枚目が諮問書となります。本議題では、医療機器「SATAKEHotBalloonカテーテル」の生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定について御審議いただきますが、それに先立ちまして、本品の審査の背景について御説明いたします。機構担当者、よろしくお願いいたします。

○機構 機構より説明いたします。当日配付資料1の本品目の専門協議委員一覧を御覧ください。本審査に当たり、資料にお示しする3名の専門委員の御意見を頂きました。

 初めに、品目の概要について説明いたします。審査報告書5ページの「審議品目の概要」を御覧ください。部会資料の水色のタグが審査報告書になっています。本品は、症候性発作性心房細動を治療するために使用する高周波を利用したバルーン型のアブレーションカテーテルです。本品は審査報告書6ページ、図2に示すとおり、本品への高周波電流の通電に使用するSATAKEHotBalloonジェネレータ、また、本品の挿入と心内誘導に使用するシースであるトレワルツと併用して使用します。本品の焼灼原理は、まずシリンジから充填液をバルーン内に充填させ、バルーン内部の電極と対極板との間に高周波電流を通電し、充填液を加熱することでバルーンを加熱します。そして加熱したバルーンと接触した心筋組織が焼灼されます。

 次に、既存の高周波アブレーションカテーテルと本品の焼灼原理の違いを説明いたします。審査報告書7ページ、図3を御覧ください。アブレーションカテーテルを大腿静脈から挿入し、左房まで到達させることは同じですが、既存の高周波アブレーションカテーテルは図3、1.に示すとおり、先端電極から高周波電流を通電することで先端電極の接触箇所の焼灼を行うため、電気的な肺静脈隔離のためには複数点を焼灼する必要があります。一方、本品は図3、2.に示すとおり、加熱したバルーンの接触箇所を一度に焼灼することが可能です。

 次に、開発の経緯を説明いたします。審査報告書8ページ、「起原又は発見の経緯」を御覧ください。現在、心房細動に対する低侵襲な治療として高周波アブレーションカテーテルによる治療が行われています。既存の高周波アブレーションカテーテルのリスクとして、多数回の焼灼を必要とすることに伴う治療時間及びX線透視時間の延長、高周波電流が過剰に供給された場合の心筋深部の異常昇温等が存在します。そこで申請者は、加熱したバルーンにより肺静脈口全周を一度に焼灼可能な本品を開発しました。本品は、手技の簡便化による治療時間やX線透視時間の短縮、心筋深部の異常昇温に関連する合併症の低減が期待されます。なお、本品は国内開発品であることから、現時点で外国における許認可及び販売実績はありません。

 次に、非臨床試験成績について説明いたします。概略は審査報告書11ページから17ページに記載しています。本品の安定性及び耐久性、物理的、化学的特性、電気的安全性及び電磁両立性、生物学的安全性、性能を裏付ける試験、使用方法を裏付ける試験の成績に関する資料が提出され、審査の結果、特段の問題はないと判断しました。

 次に、臨床試験成績について説明いたします。審査報告書18ページ、中段の「TSB-002Cの発作性心房細動に対する検証的試験」を御覧ください。検証的試験は、薬剤抵抗性を有する症候性の発作性心房細動患者を対象患者とし、抗不整脈薬群との比較が行われました。被験者の内訳は審査報告書20ページ、図4に示すとおり、治験機器群100例、薬剤群43例が本登録され、薬剤群のうち34例が30秒以上の心房細動が記録された等のため、慢性期成功が得られなかったと判定された上で、患者の希望により本品によるアブレーションを受けました。

 次に、主要有効性評価項目について説明いたします。審査報告書20ページ、中段の1文目から御覧ください。主要有効性評価項目は慢性期成功割合とされ、その結果は治験機器群が59%、薬剤群が4.7%であり、薬剤群に対する治験機器群の優越性が示されました。

 安全性評価項目については、審査報告書21ページ、中段を御覧ください。安全性評価項目はMajor Complications、有害事象及び治験機器の異常とされました。治験機器群のMajor Complicationsの発現割合は12%であり、肺静脈狭窄5例、横隔神経麻痺5例、脳梗塞2例等が発現しました。それぞれの有害事象及び治験機器の異常につきましては審査における論点で御説明いたします。

 次に、本品の審査における主な五つの論点について説明いたします。一つ目の論点は、「臨床的位置づけについて」です。審査報告書26ページ、中段の()を御覧ください。申請者が本品の利点として説明する、手技の簡便化による治療時間及びX線透視時間の短縮、心筋深部の異常昇温に関連する合併症の低減、水分負荷の低減については、既存の高周波アブレーションカテーテルと同一試験内で比較検討はされていませんが、原理的には期待しうること、また、既存治療を考慮した上でも、検証的試験で示された有効性及び安全性は、臨床的に許容可能と考えられることから、治療選択肢の一つとして臨床現場に提供する意義があると判断しました。

 二つ目の論点は、本品の「有効性について」です。審査報告書28ページ、一番下の段落より御覧ください。検証的試験の慢性期成功割合59%は、対照群である薬剤群に対して優越性を示しましたが、現在は高周波アブレーションカテーテルによる心房細動アブレーションが広く行われていることから、審査において既存のアブレーション治療との比較考察も行いました。類似品の海外成績はおよそ60%であり、本品の成績と比較すると同程度の数値でした。また、国内成績について心房細動アブレーションの国内レジストリーでは、慢性期成功割合は70.9%であり、本品の成績と比較するとやや高い数値ですが、検証的試験では肺静脈隔離に追加するアブレーションや、再アブレーションが許可されていなかったこと等が結果に影響した可能性があると説明されました。これらの考察も含めて総合的に判断し、本品の有効性は臨床的に許容可能と判断しました。

 なお、検証的試験の対照群をアブレーション群ではなく薬剤群としたことは、当時、この領域で世界的にも薬剤対照の試験が行われていたこと、また、国内では使用目的に心房細動が明記されて承認されたカテーテルがなかったことから、現在のように既存治療として確立しているとまでは判断できなかったことが主な理由でした。

 三つ目の論点は、本品の「安全性について」です。本品で認めた有害事象は、基本的には既存のアブレーション治療でも認められる事象です。審査で議論となった主な事象について御説明いたします。

 初めに焼灼に伴って生じる「肺静脈狭窄について」御説明いたします。審査報告書31ページ、2段落目を御覧ください。検証的試験における肺静脈狭窄の発現割合は、治験機器群で5%でした。これらは、いずれも無症状かつ無処置で経過していますが、適切なリスク低減策が必要と考えています。肺静脈狭窄は肺静脈奥での焼灼や過度の焼灼に起因すると思われるため、申請者が提案するように、バルーン注入量、総焼灼時間及び焼灼回数を適切に管理することは妥当と考え、注意喚起及びトレーニングに反映しました。

 次に、血栓塞栓リスクについて説明いたします。審査報告書33ページ、上から2段落目を御覧ください。動物試験では最大設定温度及び時間で焼灼した際に、血栓塞栓は認められませんでした。検証的試験における脳梗塞の発現割合は、治験機器群で2%でした。これらは発現時の経緯から本品との因果関係は否定されており、後遺症がなく回復していますが、十分に注意が必要と考えています。現時点では、従来から心房細動アブレーションで行われている術前から術後を含めた周術期の抗凝固療法の適切な実施、本品及び併用機器の操作時の注意等を徹底することで対応することが妥当と判断しました。

 次に、焼灼部位近傍に走行する神経が損傷することにより生じる「横隔神経麻痺」について説明いたします。審査報告書34ページ、上から2段落目を御覧ください。横隔神経麻痺の発現割合は、治験機器群で5%でした。これらは、いずれも重篤な事象ではなく回復していますが、適切なリスク低減策を実施することが重要と考えています。横隔神経麻痺は肺静脈奥での焼灼に起因すると思われるため、申請者が提案するように肺静脈深部での焼灼を避けることによるリスク低減策は妥当と考え、注意喚起及びトレーニングに反映しました。

 次に、「心穿孔及び心タンポナーデについて」説明いたします。審査報告書37ページ、3-6を御覧ください。心穿孔及び心タンポナーデは、検証的試験では認められませんでしたが、本品の開発当初の探索的試験では心タンポナーデ1例等が認められました。この原因について、固いガイドワイヤーが肺静脈等を傷つけたためと判断され、その後の探索的試験及び検証的試験以降は認めていません。本品使用時には本品の中に通すガイドワイヤーが肺静脈内に達するため、申請者が述べるように、先端が柔軟なガイドワイヤーを規定するとの対策は妥当と判断しました。

 次に、本品の不具合として生じた「バルーンのピンホール」について説明いたします。審査報告書38ページ、下段を御覧ください。検証的試験においてバルーンのピンホールは3例で認められました。原因について申請者は、本品をシース内に挿入する手技におけるバルーンとシース等との擦れがリスクになると説明しています。このため操作手順の注意喚起として、挿入時に生理食塩水中又は生理食塩水をかけ摩擦を減らす等の対策を講じました。検証的試験の事象はいずれも健康被害を認めておらず、バルーンの充填液は血管内投与を行っている希釈した造影剤ではありますが、事象が発現した場合には、早期に発見をして使用を中止し体外に回収できるよう、本事象に関する情報提供を行った上で、30秒ごとに透視を確認してバルーン変形等がないことを確認するなどし、万が一、発現した場合にも適切な対応が取れるよう情報提供を行いました。

 以上の、安全性上着目される各事象については、実臨床での発現状況について使用成績調査にて情報収集し、新たな知見があれば臨床現場に情報提供する必要があると判断しました。以上より、本品の安全性について評価を行った結果、臨床的に許容可能と判断しました。

 四つ目の論点は、「製造販売後の安全対策について」です。審査報告書39ページ、4-1の4段落目を御覧ください。本品は、既存の高周波アブレーションカテーテルとは形状及び焼灼原理が異なること等から、既にカテーテルアブレーションに対する十分な経験がある医師が、本品に関する適切なトレーニングを受けた上で、各種合併症に対応可能な施設において使用することが適切であると判断し、これらを承認条件とすることが妥当と判断しました。

 五つ目の論点は、「使用成績評価について」です。審査報告書40ページ、4-2を御覧ください。本品を用いた治療は、既存の高周波アブレーションカテーテルとは大きく異なる手技上の特徴があること等から、使用成績評価において調査することが必要と判断しました。使用成績評価における症例数については、重点調査事項のうち最も発現割合の低い脳梗塞を観察できるように設定されたため、申請者が提示した400例で妥当と判断しました。また、使用成績評価期間については各症例の観察期間を12か月とした上で、使用成績評価期間を3.5年とすることは妥当と判断しました。

 以上の審査を踏まえ、総合機構は、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。また、本品は使用成績評価の対象に指定し、評価期間を3.5年とすることが妥当と判断しました。生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しています。

 総合機構からの報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○荒井部会長 ありがとうございました。それでは、まず初めに参考人の栗田先生から御意見を頂けますでしょうか。

○栗田参考人 近畿大学の栗田でございます。私から今回、議題に挙がっておりますSATAKEHotBalloonの特徴、現在、日本で行われています肺静脈隔離術との違い、利点などについて、少し解説をさせていただきたいと思います。

 先ほど機構側からもお話がありましたように、このようなSATAKEHotBalloonの利点というのは、従来のpoint by pointのアブレーションと違い、単回の通電によって肺静脈を全周性に同時隔離するという画期的なテクノロジーです。本方法により確実な肺静脈の隔離は可能となりますし、高い有効性と安全性、手技時間の短縮が今後期待されると考えております。

 本バルーンの有効性につきましては、審査報告書にもありますが、実際に臨床試験が100名で行われ、急性期の効果、つまり手技中に肺静脈が隔離できたという効果に関しては、大変優れており、ほぼ100%近い成功率を誇っております。

 現在、同様なバルーンテクノロジーによる肺静脈隔離は日本メドトロニック社のクライオバルーン(以下「クライオ」という)、冷凍凝固によるバルーンが日本では既に使用されて、それなりの効果が出ております。そのレジストリーの結果と比較すると、本品の肺静脈の隔離の成功率はこれに劣らないことが解っております。肺静脈は左右、上下に四つあり、特に右下肺静脈の隔離がクライオバルーンの弱点だと言われておりますが、本品は同肺静脈の隔離についても100%の達成率ということですので、クライオに引けを取らない効果が出ているということだろうと思います。

 しかしながら、急性期の成功率は100%と高いのですが、その後の長期フォローによって洞調律の維持率が59%で、現在point by pointのアブレーションの成功率に比べますと、若干見劣りするようです。先ほども機構側がプレゼンされましたが、これについては、まだ初期の経験が浅い段階での結果であるということと、心房細動の再発について、非常に厳格に確認されていることがその結果に影響を与えていると考えられます。

 通常、私どもが心房細動のアブレーションをしますと、再発があったかどうかというのは、まず患者さんの症状、数か月に1度行われる24時間心電図、月に1回あるかどうかの外来での心電図チェックであり、ずっとモニタリングしているわけではありませんので、無自覚で、非常に短時間の心房細動はその方法では捉えることができません。

 しかしながら、今回の臨床試験では、携帯型心電図の記録も行っておりまして、長時間の心電図モニタリングが行われているという環境下での再発率で、通常私どもが考えている再発率よりも、どうしても高くなってしまうことは否めないだろうと思っております。初期の段階での成功率として、私は満足できるレベルだと考えております。

 先ほども申し上げましたが、競合機種であるクライオとの違いについて述べます。SATAKEHotBalloonとクライオの違いは当然のことながら、冷却と温熱効果という全く逆の方法が採用されていることです。クライオの場合は冷凍中の標的温度を-45℃に設定しております。体温を37℃としますと、その温度変化は80℃にも及びます。そのため、肺静脈の血流をほぼ完全に遮断しないと冷却効果が得られません。血流遮断が不十分だと、肺静脈から次々と温かい血液が流れてきますので、温度が十分に下がりません。一方、SATAKEHotBalloonは標的温度を6570℃に設定しておりますので、体温から僅か35℃の上昇で済み、遮断が不十分であっても温熱効果は十分得られるという特徴があります。

 もう一つは、バルーンサイズの違いと、その可変性です。クライオバルーンの直径サイズは23mm28mmの二つしかなく、なおかつサイズは変えることができません。したがって、個々の患者において四つの肺静脈はそれぞれ大きさも形も異なりますので、その四つの肺静脈に適合しにくい点があります。

 一方、SATAKEHotBalloonにおいては、充填液量の調整によってサイズの調整が可能です。また、最大33mmまで拡大することができますので、大きな肺静脈にも対応できるという点があります。審査報告書の7ページの右に左房と肺静脈の図がありますが、これは典型的な解剖で、直接、左房からそれぞれの四つの肺静脈が独立して分岐しているように書かれております。80%近くはこのような解剖学的特徴を有しますが、時に左の肺静脈が共通管という大きな肺静脈から上下の肺静脈に出ている場合があります。そうなりますと、共通管の径は大変大きくなり、優に30mmを越えてきます。そのような場合、クライオバルーンの直径は最大で28mmですから、十分に血流を遮断できませんので、クライオバルーンは適用しにくいとされています。

 一方、SATAKEHotBalloonの場合は33mmまで拡大できるというところが利点です。なおかつ、完全に血流を遮断できなくても、これは温熱効果ですので、有効性がクライオよりも期待できると言えるかと思います。

 もう一つは、組織との接着性の違いです。クライオでは冷却によって組織とバルーンが完全に凍結されますので、一旦冷却しますと動きません。移動が不可能です。これはバルーンの固定を良好にするという意味では利点ですが、冷却中にバルーンの位置の微調整は不可能です。

 一方、SATAKEHotBalloonでは、このような組織とバルーン間の接着はありませんので、通電中にバルーンの位置の微調整が可能です。したがって、若干固定が弱い場所とか、肺静脈よりももう少し近位部を焼きたいという場合は、カテーテルの操作によってある程度の対応はできるというところが利点だろうと思います。

 もう一つ、ピンホールなどの問題が先ほどありましたが、本品の完成度についての問題です。特に当初の機種で見られた問題については、ピンホールだけではなく、ワイヤーが固くて、それによって肺静脈を傷付けるということがあったようですが、そのような問題点が一つひとつ解決されていることは、間違いないところだろうと思います。

 このような臨床応用が進むにつれて、問題点の改善が急速に進むということは、従来の様々な医療機器においても認められてきたことです。更に技術的な学習度、私たちがアブレーションを施行するときのラーニングカーブが得られるということに加え、今後も企業の努力によって、ハードの面も改善されれば、更に安全性が改善すると期待されるものです。

 このバルーンの開発において、日本でも一流の不整脈学者と一流の企業が、これに対して非常に真剣に取り組んでいるという姿勢も見えますし、私はそれを大変評価したいと思っております。このようなHotBalloonのテクノロジーというのは、まだ他に世界中のどこにもありません。我が国の独自の発想で開発された本品ですので、これが世界で広く応用されて、患者さんの治療に貢献する、その第一歩として、世界初の国産テクノロジーである本品を、是非とも我が国において臨床使用できるよう認めていただきたいと思っております。以上です。

○荒井部会長 それでは、本品につきまして、委員の皆様から御意見、御質問等はいかがでしょうか。

○武谷委員 1年の時点での成功率が59%で、4割ぐらいの方が再発するということですが、その方に対して、再度アブレーションをやる場合に、コンベンショナルな方法と、SATAKEのデバイスとで再発した場合の治療に何か相違が生ずることはあるのですか。

○栗田参考人 今回のSATAKEHotBalloonは肺静脈の隔離を目的としたものですので、肺静脈からの伝動が再開したことによって心房細動が再発したものに関しては、このような治療法をもう1回繰り返すことによって効果が出ると期待されます。

 通常私どもが心房細動のアブレーション、肺静脈隔離だけを行って再発をした患者さんの9割方は、肺静脈の電位の再開通があります。それを再度隔離することによって、そのうちの80%以上の患者さんはそれに対して反応してくれます。つまり、治療がうまくいきます。したがって、2回の肺静脈の隔離をすれば、私どもの経験では8090%の洞調律維持効果が認められます。

 しかしながら、肺静脈隔離ができていても、心房細動が再発する方がいらっしゃいます。それは肺静脈外に不整脈の温床があります。そういったものに関しては、バルーンテクノロジーでの根治は難しくなるわけで、その場合は異常がある場所を1点1点探していかなければなりません。それはこれまで行われてきたようなコンベンショナルな方法によって対応することになるかと思います。

 したがって、本品を用いた同じ方法で再度肺静脈の隔離をすることによって再発は多くの場合は防げるということと、さらに、これまでは予防できなかった薬がその後、効くようになる患者さんもいますので、バルーンの肺静脈隔離プラス抗不整脈薬の内服で管理できる確率はさらに上昇すると期待されます。

○齋藤委員 後ろにある各施設の成功率を見ますと、結構幅があるというか、0%の所とか、100%の施設もあるということで、このテクニック自体が難しいような印象を受けるのですが、治療の利便性とか安全性を求めている機器の開発目的が、その辺とちょっと矛盾する点はないのかという感じを受けるのです。それが一つです。

 もう一つは、機器の不具合6%という数字の持つ意味合いはどうなのですか。このような医療機器で6%の症例に不具合を来すというのは、かなり問題視していいのではないかと思うのですが、その2点についてお聞かせ願いたいのです。

○機構 総合機構よりお答えいたします。1点目の施設の差の点については、御指摘のとおり、本品の手技自体は確かにある程度のコツが必要だというのはそのとおりです。

 本品の開発の経緯からお話しますと、長い期間、開発が国内でされてきており、施設によっては探索的試験を実施した施設もありますので、施設間の差がこの結果として出てきたのかと思っています。ただ、市販後はもちろん治験施設ではない所にも使用されますので、その点はこの検証的試験の結果を踏まえて適切なトレーニング、具体的なトレーニングをして、適切な施設で実施することで安全性は担保できるのかと考えております。

○齋藤委員 先ほど市販後の症例はまとめてやるということで、そのようなこともこの機器に関しては必要なのかなという印象がありまして、最初の質問をさせていただきました。

 6%に関してはいかがなのでしょうか。医療機器だと、このような機械の不具合があってはいけないというのが大前提なのではないかと思うのですが。

○機構 まず、6%という数字はもちろん注視すべきかとは思います。ただ、実際の中身を見ており、中身を精査した結果としましては、それぞれこの中で対策をしており、その後、発現していないというところもあります。

 具体的には部会資料、黄色のタグの添付資料概要の226ページを御覧ください。こちらが今回の検証的試験で発生した治験機器の異常の詳細がそれぞれ記載してありますが、それぞれ発生状況、原因、対策、対策の妥当性、対策後の実施状況がありまして、これらを審査した結果、これらについては現時点では問題はないだろうと我々は判断しております。

○荒井部会長 ただいまの6%の説明はよろしいですか。私も実は6%は結構高いなと思っていたのですが、通常ほかのバルーンカテーテルの場合にもラプチャーやリークがないわけではないということと、本品の場合には普通の造影剤がリークして漏れるのではなくて、温めた液体が漏れてくるということになります。流れの方向を考えると、余り問題はないのかなと考えたのですが、そういう理解でよろしいのでしょうか。

○機構 御指摘のとおり実際としては評価された、加熱をしても変性がないということは確認しておりますので、その点については仮に漏れたとしても問題はないと考えております。

○荒井部会長 そのほか、御意見はありませんか。

○一色部会長代理 心房細動に対するアブレーションは、術者によってやり方に違いがあって、肺静脈だけを隔離してファーストセッションを終わらせることを原則とする術者と、マッピングをして、肺静脈以外の場所も含めて徹底的に焼いてしまう方針でアブレーションを完成させる術者があり、それぞれの考え方に沿ってやっておられるのではないかと思います。そこで質問ですが、このデバイスを用いる場合にはまず最初に隔離だけをやってみるというコンセプトで行われるものだと解釈してよろしいのでしょうか。

○栗田参考人 そのようにお考えいただいてよろしいと思います。本品は発作性の心房細動を治療の対象としておりますので、そういった患者さんは不整脈の温床が肺静脈の周辺に集約されている可能性がかなり高いと言われております。

 一方、慢性といいますか、永続症の心房細動、数年経ったような熟成されている心房細動は、不整脈源性というか、不整脈の原因が肺静脈以外の心房にも拡大していることがありますので、そういった場合には肺静脈隔離に加えていろいろなブロックラインを心房に引くなどの手技が一般的に行われていますので、そういった患者さんに関しては、このバルーンは適用になりません。したがって、肺静脈隔離というのは心房細動に関する最も基本的な手技で、それを貫徹させることがこの手技の目的です。私自身も発作性心房細動の患者さんには肺静脈隔離以外のラインは引かないという手技を基本としておこなっており、高い成功率を得ております。同様の考え方でアブレーションをしている医師が大多数ではないだろうかと思っておりますので、このバルーンのみでもそれなりの成功率は得られると考えております。

○一色部会長代理 そうしますと、機構の考え方の確認ですが、本製品は基本的に発作性心房細動に適応を限定するものであって、さらに別のアブレーションカテーテルを追加して徹底的なアブレーションを行うような場合に用いることは原則的に想定していないと理解してよろしいのでしょうか。

○機構 まず本品の使用目的としましては、審査報告書の3ページの下段に、「本品の使用目的」とありますので、こちらに記載してあるとおり、発作性心房細動を使用目的としております。本品の対象としては、この心房細動のみを対象としております。 

○荒井部会長 そのほか御質問いかがですか。

 私から一つ。今回は一応、根拠を明確にして400例の市販後調査ということを示されているのですが、この辺の1.5%とか2%とかという数字の信頼性は、どうなのでしょう。実際には、400例に行ってみたら、1例出るどころか10例出るようなことなど、様々なことが起こる可能性はあると思います。市販後調査の場合には、常にそれをモニターしているかと思いますが、こういう予想外のことが起こった場合には、どこかでストップをかけるとか、見直しをかけるとかが必要になると思います。更に1万本使われると、これは当然市販後調査ではなく安全性のほうからの拾い上げになるのでしょうが、その辺のこういう機器が出た後のフォローについて、どこでストップをかける、どのようにモニターしていくなどという辺りの全体の流れは、ある程度出来上がっているのでしょうか。その辺について御説明頂けますか。難しい質問で申し訳ないのですが。

○機構 その点につきましては、まず申請者、企業は常にずっと観察をしています。また、我々としましても、重大なものについては報告が上がってくるようになっておりますので、そこできちんと確認をして、もし問題があれば企業のほうに指導をしていく体制になっています。

○荒井部会長 それは原則論としてよく理解できるのですが、今そこから特に突っ込んだ体制ではないという理解でよろしいのですか。

○医療機器審査第三部長 今、御説明がありましたが、使用成績調査期間は3.5年ですが、販売開始後1年に1回調査の進捗状況、解析結果は機構に報告されるようになっておりますので、3.5年目で初めて報告を受けるという形ではないことを御了解いただきたいと思います。また、重篤な有害事象に関しては、法律上、15日報告、30日報告で併せて機構に報告されますので、またそのタイミングで評価をさせていただく予定になっております。

○荒井部会長 ありがとうございます。そのほか、御質問、御意見はありますか。特に御意見がありませんでしたら、ただいまより議決に入らせていただきたいと思います。医療機器SATAKEHotBalloonカテーテルについて、本部会として承認を与えて差し支えないものとし、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要としてよろしいでしょうか。また、使用成績評価期間は3.5年として、使用成績評価の対象に指定することとしてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議がないようですので、このように議決させていただきます。この結果につきましては、次回の薬事分科会におきまして報告させていただきます。それでは、これで議題2を終了いたします。栗田先生、どうもありがとうございました。

 引き続きまして、議題3に進ませていただきたいと思います。議題3「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」、まず事務局より説明をお願いいたします。

○事務局 では、資料3-1と資料3-2をお手元に御用意いただければと思います。既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対しては、新たに一般的名称を記す際に、当該一般的名称のリスク分類に応じて、高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のいずれに該当するかなどについて、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて指定することとなっております。

 今回は、二つの新設する一般的名称について御審議いただきます。まず資料3-1の2ページの「新設する一般的名称()について」です。新設を予定する一般的名称は「心臓組織用クリップ」で、心臓の左心耳などにおける血流を遮断するために用いる植え込み型のクリップとなります。既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由を、こちらのページの中段に記載しております。クリップに関する既存の一般的名称として体内用動脈クリップなど複数の名称が存在しておりますが、これらは動脈瘤や動静脈奇形の治療に用いるもので、心臓の左心耳などに用いるものの場合は、一般的名称の新設が必要と考えております。

 この心臓組織用クリップの高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器への分類については、心臓に適用する植え込み型の機器ですので、クラスIV、高度管理医療機器に指定されるものと考えております。また、特定保守管理医療機器の指定につきましては、本品は単回使用ですので、不要と考えております。

 続きまして資料3-2の2ページの「新設する一般的名称()について」です。新設を予定する一般的名称は、「中心静脈カテーテル留置用ナビゲーション装置」で、中心静脈カテーテルの留置に際して磁場や心電図波形などの情報を基に、カテーテルの進行方向や留置位置を示すことで、術者を支援するものです。既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由を、こちらのページの中段に記載しております。術者を支援する目的で手術器具の位置情報を表示する既存の一般的名称としては、「手術用ナビゲーションユニット」や「心臓マッピングシステムワークステーション」がありますが、手術用ナビケーションユニットについては、整形外科手術などにおいて使用されるもの。また、心臓マッピングシステムワークステーションは磁力や機械的な動力などにより手術器具を操作するもので、今回の中心静脈カテーテルの留置に際して、カテーテルの位置情報を表示するものの場合は、一般的名称の新設が必要と考えております。

 この中心静脈カテーテル留置用ナビゲーション装置の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の分類につきましては、既存の一般的名称と同様に、クラスII、管理医療機器に指定されるものと考えております。また、保守・点検、修理、その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることから、その適切な管理が求められるものと考えられますので、特定保守管理医療機器に指定されるものと考えております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○荒井部会長 ありがとうございました。ただいま説明いただきました品目について、御意見はいかがですか。特に御意見がなければ議決に入らせていただきたいと思います。まず1件目の「心臓組織用クリップ」につきまして、本部会として、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器には指定しないこととしてよろしいでしょうか。

 ありがとうございます。御異議ないようですので、そのように議決させていただきます。

2件目の「中心静脈カテーテル留置用ナビゲーション装置」につきましては、本部会として管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器にも指定することとしてよろしいでしょうか。

 御異議がないようですので、このように議決させていただきます。この結果につきましては、次回の薬事分科会におきまして報告させていただきます。

 これで本日予定されました議題は全て終了となります。事務局から、その他何かありますか。

○参事官 特段ありませんが、部会の予定についてお話をさせていただきたいと思います。次回の部会に関しましては、既に御案内いたしましたとおり、1110日、火曜日の午前10時から12時の予定です。また、12月の予定につきまして、昨日18日で開催させていただけないかということで、昨日私どもの部屋からファックスを入れさせていただきましたが、議題の調整をしている中で、1218日は間に合わないということがありまして、大変恐縮ですが、1218日はキャンセルさせていただきたいと思います。後ほどファックスで入れさせていただきます。大変勝手で申し訳ございませんが、1218日はなかったことにしていただきたいと思います。連絡事項は以上です。

○荒井部会長 よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会させていただきます。どうもありがとうございました。


(了)

備考
 この会議は、企業の知的財産保護の観点等から一部非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療製品等審査管理室 室長補佐 柳沼(内線4226)

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