ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 医薬・生活衛生局が実施する検討会等> 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議> 第25回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(2015年10月14日)




2015年10月14日 第25回医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議

○日時

平成27年10月14日(水) 16:00~18:00


○場所

航空会館大ホール(7階)
東京都港区新橋 1-18-1 航空会館


○出席者

出席構成員

堀田構成員、五十嵐構成員、伊藤構成員、岩田構成員、岡部構成員
小川構成員、小国構成員、落合構成員、北田構成員、合田構成員
後藤構成員、鈴木構成員、友池構成員、西川構成員、樋口構成員
藤原構成員、村島構成員、横谷構成員、吉村構成員

出席参考人

安藤参考人、山本参考人

○議題

第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況等について
要望品目の医療上の必要性について
企業から提出された開発工程表等について
その他

○議事

○医薬・生活衛生局審査管理課

 ただいまより第25回「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を開催いたします。

 本日は、山本構成員より御欠席との御連絡をいただいております。また、岡部構成員、北田構成員、友池構成員と3名の先生方が来られていませんので、現在のところ16名の先生に御出席していただいております。

 また、ワーキンググループの検討状況を御報告するに当たりまして、各ワーキンググループから安藤参考人、山本参考人が御出席いただいております。

 続きまして、事務局に人事異動がありましたので御報告いたします。なお、組織再編により、10月1日から医薬食品局が医薬・生活衛生局に変更となっております。

 まず、医薬・生活衛生局長の中垣でございます。

 

○医薬・生活衛生局長

中垣でございます。よろしくお願いいたします。

 

○大臣官房審議官(医薬担当)

森でございます。引き続きよろしくお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課長

山田でございます。よろしくお願いいたします。

 

○医政局研究開発振興課治験推進室長

井本でございます。これまでは審査管理課でお世話になりました。引き続き別の課でお世話になります。よろしくお願いします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

最後に、申しおくれましたが、審査管理課課長補佐の清原でございます。よろしくお願いいたします。カメラの撮影はここまででお願いいたします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

それでは、堀田座長、以降の議事進行をお願いいたします。

 

○堀田座長

皆さん、こんにちは。ただいまから第25回の検討会議を始めます。今日は厚生労働省の事務局側の体制が随分大きく入れかわったという状況で、新しい気持ちでまたスタートしたいと思います。

 それでは、まず最初に、本日の配付資料の確認を事務局からお願いします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

お手元の資料について確認をさせていただきます。

 まず、一番上に座席表、議事次第、及び資料1といたしまして、「検討会議における検討の進め方」。資料2-1といたしまして、「第II回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」。資料2-2といたしまして、「第III回要望に係る専門作業班(WG)の検討状況の概要等について」。資料2-3といたしまして、「第III回第四期要望一覧」でございます。資料3-1及び3-2は、ワーキンググループの評価の資料でございます。資料4-1といたしまして、「企業から提出された開発工程表について」、「企業から提出された開発工程表の概要等」につきましては、資料4-2が第I回要望関連、資料4-3が第II回要望関連、資料4-4が第III回要望関連となっております。資料5といたしまして、「開発企業の募集を行った医薬品のリスト」でございます。資料6-1といたしまして、「人道的見地からの治験について」。資料6-2といたしまして、「『医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議』開催要項(改訂案)」でございます。資料6-3といたしまして、「人道的見地からの治験の制度該当性基準について(案)」でございます。続きまして、参考資料といたしまして一まとめにしておりますが、参考資料1として開催要綱、2といたしまして構成員名簿、3-1がワーキンググループの設置、3-2がワーキンググループメンバーの名簿、4-1が「医療上の必要性の評価の基準について」、4-2が「開発要請先企業の指定の考え方について」、参考資料5が「執行部に所属している学会について」という資料でございます。最後に、お手元に当日配付資料ということで資料6-4といたしまして、「『医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令の一部を改正する省令(仮称)案』に関する意見募集について」という資料を配付しております。

 なお、参考資料5でございますが、各構成員の先生方が執行部に所属している学会についてお示しさせていただいておりまして、前回会議の資料を本日現在に更新した内容となっております。改めての説明となりますが、要望者が所属の学会である場合には、本検討会議の公平性の観点から、当面は構成員のうち当該学会の執行部に在籍する方は、当該要望に係る背景事情等の説明を行うものの議決には参加をしないこととなっております。

 本資料の内容に誤り等がございましたら、この時点でお知らせいただければと思います。

 本日の審議については、こちらの内容に基づき進めていただきたいと思います。資料の不足等がございましたら、事務局まで御連絡ください。以上でございます。

 

○堀田座長

お手元の資料の落丁等がありましたら、お申し出いただけますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、前回会議は7月10日に開催されておりますけれども、事務局からその後の進捗状況について説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

資料1をご覧ください。1枚紙でございます。

 前回からの更新といたしましては、左下の第III回要望の品目数が、前回御報告させていただきました第三期の要望を追加し、146件となっております。第III回要望のうち第四期要望につきましては、資料2-3で御報告いたします。

 そのほか、資料の右下にございます開発要請の件数につきましても、新たに開発要請をいたしましたので更新がございます。詳細は資料2-2で御報告いたします。裏面についても同様の箇所について件数の更新を行っております。以上でございます。

 

○堀田座長

ありがとうございました。この進め方一覧につきまして、何か問題がございましたでしょうか。御質問ないですか。

 続きまして、第II回、第III回の未承認薬・適応外薬の開発要望への対応につきまして、事務局から説明をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

資料2-1をご覧ください。第II回要望につきましては、前回会議までに合計104件について医療上の必要性が高いとの御評価をいただきました。前回会議時点での検討中であった9件、上の表の四角で囲んだところでございますが、最後の合計適応外薬が9となっているここでございますが、その後、ワーキンググループにおいて2件必要性が低いと評価されておりますので、具体的な概要は資料3-1で御報告いたしますが、下の表のところで検討中のものが7という形で減っております。

 引き続き、ワーキンググループで医療上の必要性について検討中の要望は、本資料の別添1に一覧表としてまとめております。次に、2ページ目をご覧ください。こちらは、開発要請または開発企業募集を行った品目の状況をお示ししております。

 前回時点で開発要請をしていました86件のうち、前回会議時点で検討中のものが11件ございました。これらにつきましては引き続き検討を行っており、検討中の品目は本資料の別添2に一覧としてまとめております。

 続きまして、資料2-2をご覧ください。

 第III回要望につきまして、前回会議までに合計23件、四角で囲んだ表でございます。未承認薬が3件、適応外薬が3件、合計23件でございます。これにつきまして、医療上の必要性が高いとの御評価をいただきました。前回会議時点で検討中であったこの23件に第三期要望56件、文章の真ん中で囲ってございますが、この56件を加えた79件のうち、ワーキンググループにおいて2件必要性が低い、抗がんワーキンググループにおいて1件必要性が高いと評価されております。

 具体的な品目の概要は、資料3-1、3-2で後ほど御報告していただきます。

 引き続きまして、ワーキンググループで医療上の必要性について検討中の品目は、本資料の別添1に一覧としてまとめております。

 続きまして、2ページをご覧ください。

 前回時点で開発要請していました10品目が検討中でございます。これらのうち1件が治験の実施等が必要とされております。また、前回会議で医療上の必要性が高いと評価されました6件につきまして開発要請を行いました。これらの要望につきましては、本資料の別添2に一覧として取りまとめております。

 続きまして、資料2-3をご覧ください。横表の資料でございます。この資料は、第III回第四期の要望を取りまとめた結果、資料にお示ししました未承認薬4件、適応外薬18件の合計22件の要望がございました。このうち適応外薬2件につきましては、取り下げとなりましたので、合計20件の検討を今後進めさせていただくこととしております。

 以上でございます。

 

○堀田座長

ありがとうございました。第II回要望、第III回要望への対応状況でした。第III回のほうは随時受け付けとなっていますので要望の数字が変わってまいりますけれども、何かフォローできますでしょうか。多くの数字が並んでいるのでわかりづらいところがあったかもしれませんが、何か御質問があれば受けたいと思いますが、いかがでしょうか。特によろしいでしょうか。

 それでは、続きまして、要望品目に係る医療上の必要性に関する検討状況について、まずは、循環器ワーキンググループから山本先生にお願いしたいと思います。

 なお、要望番号II50エノキサパリンナトリウムとII123のダルテパリンにつきましては、日本臨床腫瘍学会から要望が提出されておりますので、藤原構成員は議決には参加しないということで、この件に関してはよろしくお願いします。

 それでは、山本先生、よろしくお願いします。

 

○山本参考人

資料3-1の1ページをご覧ください。まず、エノキサパリンナトリウムについてでございます。日本臨床腫瘍学会から、担がん患者に生じた深部静脈血栓症、肺塞栓症の適応についての要望が提出されております。

 担がん患者における静脈血栓塞栓症の発症リスクは高く、その発症が再入院、血栓塞栓症の再発及び死亡率を増大させるということが報告されておりまして、特に静脈血栓塞栓症を発症した場合には、非発症例と比較して1年生存率が3分の1になるというデータもあること等から、こちらにつきましては「ア」ということで生命に重大な影響がある疾患に該当すると判断しております。

 一方、医療上の有用性でございますが、本薬はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリアにおいて、急性静脈血栓塞栓症に対して皮下投与により使用する薬剤として承認されており、欧米のガイドラインにおきましては、担がん患者さんの静脈血栓塞栓症に対する初期治療としまして、エノキサパリンナトリウムには限定されておりませんけれども、低分子ヘパリンは未分画ヘパリンよりも推奨されております。

 さらに、発症後6か月間の治療では、ビタミンK拮抗薬よりも低分子ヘパリンのほうが推奨されております。

 しかしながら、エノキサパリンナトリウムにつきましては、担がん患者に長期投与された場合に既存治療にまさる有効性があることを示す臨床試験成績等は提出されておりません。また、要望の用法・用量が既承認の用法・用量を超えておりまして、当該用量での日本人における安全性が不明であることに加えまして、本邦では深部静脈血栓症及び肺塞栓症に対しては、既承認薬の未分画ヘパリン、フォンダパリヌクス、ワルファリン、及び最近通っております新規経口抗凝固薬であるエドキサパントシル酸塩水和物による治療も可能でありますことから、医療上の必要性が高いとまでは現状のデータからは言えず、医療上の有用性は「ア」から「ウ」のいずれにも該当しないというふうにワーキングでは判断いたしました。

 以上より、本品目は医療上の必要性の基準に該当しないと判断しております。

 以上でございます。

 

○堀田座長

ただいまの報告につきまして、何か御意見、御発言はございますでしょうか。これは、担がん患者に関しての要望ということですよね。がん以外の一般の患者さんに適応はありますか。

 

○山本参考人

現在のエノキサパリンの適応症は、下肢整形外科手術施行患者さんにおける静脈血栓塞栓症の発症抑制、それから、静脈血栓症の発症リスクの高い腹部手術施行患者さんにおける静脈血栓塞栓症の発症抑制ということで、手術後に限られているということでございます。

 

○堀田座長

わかりました。用法・用量も、それを超えているということですね。

 

○山本参考人

超えております。

 

○堀田座長

という報告ですが、何か御異議ございますでしょうか。藤原構成員は、これについてコメントはありますか。

 

○藤原構成員

粛々と聞いております。

 

○堀田座長

それでは、村島構成員、お願いします。

 

○村島構成員

臨床で結構使うもので、ひとこと確認させていただきます。未分画ヘパリンよりも低分子ヘパリンの有用性としたら、出血の副作用が少ない、HIT(ヘパリン起因性血小板減少症)が少ない、そういう意味でオペ後の血栓症予防には低分子ヘパリンということになっているのかなと思います。ここでの対象は、オペには関係ない担がん患者ということですよね。

 

○山本参考人

担がん患者さんは、もともと過凝固状態にありまして、頻繁に静脈血栓症等を起こされるということで、手術にかかわらず、長期的に使用されるということで出ております。

 

○村島構成員

そういう意味では、低分子ヘパリンの有用性が示しにくいということで「エ」になったという理解でよろしいのでしょうか。

 

○山本参考人

こちらもかなり検討いたしましたが、1つは、どうしても用法・用量が既承認を超えておりまして、この抗凝固薬、抗血栓薬につきましては、ほかの薬でも民族差が見られるものがございますので、そこについて少し問題があるだろうと。

 もう一つは、現状で超えた用量での本邦での実績というものの提出がございませんでしたので、そういうデータがあるようでしたら、また出していただければ改めて検討することは可能かと存じます。現状ではデータとしてそこが不足しているというふうにワーキングでは考えました。

 

○堀田座長

ありがとうございます。おそらく担がん患者さんでも術後の一過性には当然普通に使っていいということですが、長期にこういう用量で使うことの適応はないと考えているということです。よろしいでしょうか。

 では、続きまして、次の品目をお願いいたします。

 

○山本参考人

次に、資料3-1の2ページをご覧ください。こちらはダルテパリンでございます。先ほどのエノキサパリンの類薬になります。こちらも日本臨床腫瘍学会から、先ほどと同一の適応で担がん患者に生じた深部静脈血栓症、肺塞栓症についての要望が提出されております。

 適応疾病の重篤性につきましては、先ほど説明したのと同じ理由でございまして、生命に重大な影響がある疾患「ア」に該当すると判断されております。

 医療上の有用性につきましては、本薬はアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、カナダ及びオーストラリアにおきまして、担がん患者さんにおける症候性静脈血栓塞栓症に対して皮下投与により使用する薬剤として承認されており、欧米のガイドラインでも、先ほどと同じく低分子ヘパリンとして、ダルテパリンには限定されておりませんが、低分子ヘパリンは未分画ヘパリンよりも推奨されております。

 しかしながら、本邦では、先ほど御説明したように、他の治療の選択肢があることに加えまして、本邦では本剤の既承認投与経路が静脈内持続投与でございまして、要望された皮下投与という投与経路では用法・用量も承認がございませんので、日本人においての有効性及び安全性が、この投与経路と用法・用量で期待できるというエビデンスは提示されておりません。残念ながら実績についてのデータは提出がございませんでしたので、現時点では医療上の必要性が高いとまでは言えず、医療上の有用性は「ア」から「ウ」のいずれにも該当しないというふうに判断しておりまして、本品目は医療上の必要性の基準には該当しないとワーキングでは判断いたしました。

 

○堀田座長

ありがとうございます。ただいまの報告について、何か御意見、御発言はございますでしょうか。先ほどの品目とほぼ同じ評価ですが、これは持続投与でないといけないのですね。自己注射による投与の要望が書いてありますけれども、これはどうですか。

 

○山本参考人

おそらく使えるのだと思います。ですので、同じ薬で海外ではもちろん皮下投与で通っているわけですので使えるのだとは思いますけれども、残念ながら現在の承認内容をかなり大きく逸脱している要望内容であるということと、それに加えまして、その要望内容の有効性、安全性を国内において示唆するデータの提出がございませんでしたので、現時点で海外のデータのみで新投与経路で新用法・用量というものまでを公知といって認めることは難しかろうというふうに判断いたしました。

 

○堀田座長

ありがとうございます。皆さん、納得ですか。どうぞ、友池構成員。

 

○友池構成員

山本先生の御説明はよく理解できるところと思いますけれども、あえてそのことを承知の上で日本臨床腫瘍学会の方が要望されている場合、これは腫瘍学会のほうが再度反論という形でしょうか、あるいは再提出という形の道はきっと残されているのでしょうね。

 

○堀田座長

よろしいですか。参考人あるいは事務局のどちらでもお答えください。

 

○山本参考人

ワーキングとしましては、データが提示されれば再度検討することで、中ではそういうふうなつもりでおります。事務局もそれでよろしいですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

はい、結構でございます。

 

○堀田座長

ここでは医療上の必要性についてはノーなのだけれども、もう一回次のチャレンジがあるという意味でいいのですか。その場合には新しいエビデンスがつけ加わってないといけないですね。

 

○山本参考人

現状のデータに、やはり国内でこの用法・用量で使っていただいたデータが少しでもないと、ワーキングとしましては国内における必要性及び臨床的妥当性が判断できませんで、今回は海外におけるデータのみの提出でございましたので、ワーキングでこのままで医療上の必要性があると、我々としては判断できないというふうに考えました。もちろん再度データを追加していただければ、そこは検討できるのではないかというふうに考えております。

 

○堀田座長

どうぞ、事務局から。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

今回の要望に関しましては、このような結果ということなのですが、要望につきましては随時受け付けておりますので、今、山本参考人がお答えいたしましたように、新しいエビデンスをつけていただいて、再度同じ項目でも申請をしていただいても受け付けることができますので、出していただければと思っております。以上です。

 

○堀田座長

ありがとうございます。再チャレンジの道はあります。ただし、その場合に、前回と同じものを全くそのまま出してもらっては困りますということですので、よろしくお願いします。よろしいですか。

 では、次のAminocaproic acidをお願いします。

 

○山本参考人

資料3-1の3及び4ページをご覧ください。Aminocaproic acidについて、日本小児救急医学会から、線維素溶解(fibrinolysis)に伴う著しい出血に対する止血促進作用の適応につきまして、3ページが成人、4ページが小児としてそれぞれ要望書が提出されております。

 多量の出血は患者にとって大きな不利益でありまして、出血性ショックによる死亡率が高いこと等から、成人、小児ともに適応疾病の重篤性は、「ア」生命に重大な影響がある疾患に該当すると判断いたしました。

 医療上の有用性についてですが、現在の本邦での医療現場におきましては、トラネキサム酸を用いた出血時の既存療法が確立していることに加え、提出された資料からは、トラネキサム酸に比べて明らかにすぐれているということが示されておりません。また、こちらも未承認薬でございまして、国内での使用実績、使用経験等のデータは提出されておりません。そのため、現時点では成人、小児ともに医療上の有用性は「ア」から「ウ」のいずれにも該当しないとワーキングでは判断しております。

 以上より、本品目は医療上の必要性の基準に該当しないと判断いたしました。

 

○堀田座長

ありがとうございます。それでは、ただいまの報告につきまして何か御意見をいただきます。小児救急医学会からの要望ですけれども、小児科領域の先生方で何か御発言ありますか。よろしいですか。

 これにつきましては、ワーキンググループの報告どおりに了承したいと思います。ありがとうございました。

 続きまして、今度は抗がんワーキンググループから安藤参考人お願いします。

 

○安藤参考人

抗がんワーキンググループ、資料3-2をご覧ください。レナリドミド水和物で、再発または難治性のマントル細胞リンパ腫ということで、用法・用量は、通常、成人にはレナリドミドとして1日1回25mg21日連続経口投与した後、7日休薬を1サイクルとして繰り返すということです。

 一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパンから要望が出ております。

 適応疾患の重篤性についての該当性は、再発または難治性のマントルリンパ腫は致死的な疾患でありまして、「ア」に該当すると判断いたしました。

 医療上の有用性の該当性に関しては、欧米等の承認内容とか診療ガイドライン及び教科書の記載内容と海外臨床試験成績等から、他に治療法のない再発または難治性のマントルリンパ腫患者に対して、欧米等において標準的治療法に位置づけられており、国内外の医療環境の違い等を考慮しても国内における有用性が期待できるというふうに考えまして、「ウ」に該当するというふうに判断いたしました。

 なお、対象患者ですが、備考に書いてありますように、米国では2レジメンの前治療、そのうち1つはボルテゾミブを含む、後に再発または進行が認められたマントル細胞リンパ腫患者さんというのが適応とされております。そのために、この状況を踏まえて、ワーキンググループでは国内においても米国と同様にサードラインの患者さんを対象に治療を進めることが適切というふうな意見が出ました。

 以上です。

 

○堀田座長

ありがとうございました。それでは、ただいまのワーキンググループの報告について御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

 欧米では標準的治療に位置づけられているということですが、これはあくまでサードライン以降というお話ですね。いかがでしょうか。

 日本では、ボルテゾミブの前治療歴を含むというところは、どのような位置づけになっていますか。欧米では適応を、ボルテゾミブを含む前治療ありに限定していますよね。

 

○安藤参考人

日本では全くそのデータがありませんで、今後開発されるとしたらこういう対象に進めていくべきだろうという意見であります。

 

○堀田座長

医療上の有用性という点ではあるけれども、そこについては今後もう少し詰める必要があるということですか。

 

○安藤参考人

国内データがないということで開発が必要でしょうと。

 

○堀田座長

ということで、医療上の必要性という判断からいえば、必要性があるという判断でよろしいでしょうか。どうぞ、岩田構成員。

 

○岩田構成員

あまり直接審議内容とは関係ないかもしれないですけれども、一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパンというのはどういう団体なのか、もしわかったら教えていただければと思います。

 

○堀田座長

悪性リンパ腫の患者会になります。

 

○岩田構成員

わかりました。ありがとうございます。

 

○堀田座長

ほかにはよろしいですか。それでは、これにつきましては医療上の有用性ありという形で報告書のとおりにしたいと思います。

 続きまして、企業から提出されました開発工程表についての評価をお願いしたいと思います。事務局から説明をお願いします。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

それでは、研究開発振興課から、資料4-1から資料5までについて御説明させていただきたいと思います。

 まず、資料4-1をご覧ください。こちらの資料は、基本的に工程状況と評価基準ということで、変更は基本的にアップデートとして1行目だけでございますが、第I回の要望183件、第II回要望95件、第III回要望22件につきまして企業に対して開発要請を行っているという状況でアップデートさせていただいているものでございます。

 資料4-1は以上でございますので、資料4-2に移っていただきたいと思います。

 こちらは、9月29日現在の第I回要望についての開発の状況ということで一覧表になってございます。一番上の欄が承認済みの件数になっておりますが、今、160件になっています。前回150件ですので、この3か月で10件承認まで至ったということになります。次の承認申請済みというところですが、今、9件でございます。前回は18件でございましたが、承認のほうに移行しておりますので9件に減っているという状況になっております。治験計画書の提出済みは、今、13件でございますが、前回御報告させていただいたのは14件、全体の総数は動きませんので、随時承認済みのほうに移行しているということで、今、16913で飛んで1、総計183件でございますので、残り9、13、1を足した23件が承認まで行き着けば第I回要望は全て承認までたどり着くという形になります。

 具体的な品目の進捗状況については、以下のほうで具体的に御紹介をしていきたいと思います。変更がございましたページを御紹介しますと、19ページをお開きください。19ページに第1回開発要請分のところで292番から51番までの4件が新たに承認まで行き着いています。前回は承認申請済みとして御報告させていただきましたが、この4件が6月から9月までで新たに承認されているということになります。

 さらにページを送っていただいて、27ページをご覧いただきたいと思います。27ページは、第2回開発要請分でございますけれども、8番から152番の合計6件が今回承認まで行っておりますので、6月から9月まで承認されまして6件、都合10件が新規に承認された変更分になります。

 上のページで網かけしております329番につきましては、成人について2014年8月に承認されておりますが、今回、小児のほうも9月に追加承認されておりますので、変更があったという形でカウントをしておりますが、そのような状況になっております。

 もう一つ変更分があるところが30ページになります。前に治験計画届出済みだったものが承認申請済みになったものが1件、全薬工業の336番です。以上が第I回要望についての具体的な進捗状況の御報告になります。

 続きまして、4-3のほうに移っていきたいと思います。こちらが9月29日現在の第II回要望についての開発進捗状況の報告になります。

 こちらも1行目の承認済みでございますが、69件になっています。前回御報告させていただいたときは64件でございましたので、5件、この3か月で承認まで行き着いた形になります。承認申請済みはちょっと出入りがございましたけれども、結果的に9件になっております。治験計画届の提出済みが前回6件でございましたが、現時点では4件になっております。また、その下の公知申請の予定が前回13件で御報告させていただいていますが、10件と上のほうに随時動いていきまして、今は69件が承認済み、総計95ですので、残りの26件が承認まで行き着けば、第II回要望のものは全て承認まで行き着くという状況になってございます。こちらにつきましても、具体的品目の変更差分について御紹介をしたいと思います。10ページをご覧ください。こちらの第II回要望の32番から219番までの5件が、今年の7月から9月の間に5件承認に至っておりますので、この部分の承認が増えたということになろうかと思います。

 それから、15ページになります。新たに2件承認申請済みになっているところですが、第1回開発要請分としてユーシービージャパンとヤンセンファーマの254番と283番の2件が新たに承認申請済みまで至っております。次のページを見ていただきますと、第2回開発要請分の231番も承認申請済みまで至っているということになります。それから、その下の第4回開発要請分の22番と270番も承認申請済みに移行しているという形になります。変更差分は以上になります。

 次に、資料4-4に移っていきたいと思います。こちらについては、まだ同じようなところまで進んでいないので表の形が違いますけれども、表紙を見ていただきますと、4回に分けて開発要請を行っています。3件、1件、12件、6件の合計22件の開発要請を行っているもので、次のページを見ていただきまして、早くも昨年の11月に要請を行いました44番のものについては承認に至っている状況になっております。

 下の3ページでございますが、網かけしておりますが、昔は英語で表記されていたのですが、単に日本語に直っただけでございますので、特に変化はございません。次のページを見ていただきまして、開発要請を6件行いましたので、ワーキングでの検討中品目が6件追加されてございまして、網かけの26番から76.176.2の部分、この都合6件が新規の検討中品目にノミネートされているところでございます。次の6ページ、7ページをご覧いただきたいのですけれども、12番が網かけとなっており、こちらも今まで公知かどうかという議論があったかと思いますけれども、治験計画届を出すという予定にシフトしているものでございます。

 ここで1件御報告と御了承をお願いさせていただきたい案件がございまして、6ページの上段に3番と4番、下の段にも3番と4番という番号がございます。こちらは同じ内容でございますが、実はグラクソ・スミスクライン社とアッヴィ社の両方に開発要請をしてきた品目になります。これはルールに従いまして、実は両者とも海外で承認を持っていましたので両方の日本法人に開発要請をしたのでございますが、よくよく調べてみると日本での開発権はグラクソ・スミスクライン社しか持っていない。海外のパテントなりいろいろな事情があると思うのですけれども、海外では2社がばらばらでとっている状況で日本法人がいましたので、ルール上は速やかに両者に開発要請をしたのですが、日本で開発できるのはグラクソ社ということでございますので、両者の話し合いもついたということでございますので、次のときにはアッヴィ社のほうを消して一本化してグラクソ・スミスクライン社に開発を引き続きお願いしていきたい。

 また、今回はルールを特段変えておりませんが、こういったことが今後も起き得ると思いますので、実際に開発権がバッティングしてどちらかしかないような場合については、どちらかを自動的に消していくことをお許しいただければと思っております。4-4は以上でございます。

 最後に資料5でございますが、こちらは公募品目の一覧表になっております。表面については特段変更はございませんが、裏面をご覧ください。裏面につきましては、第II回要望と第III回要望についての公募品目が載っております。網かけ1番と2番ヒスタミンにつきましては、前回申請中ということで御報告させていただきましたが、承認まで到達しましたので、ここは処理済みという形になっております。7番のスルファジアジンが新規に治験準備中の段階に入ったということになります。10番につきましては、特段大きな変更はないのですけれども、前回は共同開発企業名未公表という形で御報告させていただきましたが、今回はその部分が単独に変わっているところの変更差分という形の御報告になります。報告は以上でございます。

 

○堀田座長

ありがとうございました。

 それでは、第I回から第III回要望につきまして、それぞれ工程表の説明をいただきましたけれども、何か御発言はありますでしょうか。第I回要望につきましては、あと23件を残して、全て治験届提出済みまで行っているという状況でございます。この1件のその他は何でしたか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

すみません。1件は手元にないので、もし必要であれば次回、どうなっているか御報告をさせていただきます。

 

○堀田座長

という状況で比較的順調には来ていると思います。第II回要望につきましては、これも途中でありますけれども95件中69件が承認に至っているという評価でございました。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

38 ページをご覧いただければと思います。その他1件のところでございますが、176番ということで、現在、ライセンス保有者との交渉中ということで、これ以上この場では御報告できませんけれども、現時点では個別事情があって、調整に難航している様子だということでございます。

 

○堀田座長

わかりました。これは、抗悪性腫瘍に伴う消化器症状に対して日常診療でデキサメタゾンを普通に使っていそうな感じがします。よろしいでしょうか。第III回要望につきましては、まだ始まったばかりでありますけれども、先ほど御報告いただいたとおりであります。

 資料5のほうにつきましては、第I回要望については全く手つかずというのはないという状況で、第II回要望については、まだ開発企業が決まっていないところが2つという状況ですね。以上の開発工程につきまして、何か全般的にでも結構ですが、御質問や御意見はありますでしょうか。よろしいですか。

 それでは、基本的には開発工程は順調というのか、行われているというふうに評価してもよろしいですか。

ありがとうございます。それでは、そのようにしたいと思います。

 それでは、今日は少し新しい切り口での提案がございますので、それについて、その他になりますけれども、御説明いただけますでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

お手元の資料6-1から6-4を御準備ください。本日は、人道的見地からの治験参加の御説明と、当検討会議でお願いしたいことの御審議をいただければと思っております。

 資料6-1でございますが、これが先月9月17日に開催されました薬事分科会の資料でございます。人道的見地からの治験と申しまして、基本的には治験というのは企業が主に医薬品の申請を目的にしているのですが、その治験に参加が時期的にできない、あるいは、患者様の状態から治験に参加できなかった方が承認まで待っていられないという状況もあります。こういう方について、ある程度許せばこういう方にも治療の機会が与えられればということで考えられた制度でございます。

 具体的に資料6-1の上のほうをご覧ください。この制度といたしまして、対象範囲としまして、未承認薬の投与によるベネフィットの蓋然性が高いと考えられる新薬の国内開発の最終段階である治験、こういうのを「主たる治験」というふうに今後呼びますが、その実施後、あるいはエントリー中の組入れが終わった後にこういうのを実施するということを考えております。

 また、こちらのほうにつきまして、医薬品開発承認が遅れて、結果的に多くの患者に対して有効な新薬の提供が阻害されるということがないように、欧米の類似の制度と同様に主たる治験の実施に悪影響を及ぼさないことを前提として実施する。それから、欧米の類似の制度と同様に、原則として生命に重大な影響のある重篤な疾患であって、既存の治療法に有効なものが存在しない未承認薬または適応外薬の治療薬を対象とするということを対象の範囲と考えております。

 2つ目としましては、法的位置づけでございますが、未承認薬の医薬品を患者に適応するために被験者の安全性確保等の観点から治験の枠内で実施することを考えております。

 そして、主たる治験のプロトコールをもとに安全性に主眼を置いた、プラセボ群を置かない実薬群単群非盲検試験、いわゆる「拡大治験」というふうに今後呼びますが、これを基本とするということを考えております。

 このような、今、実際にどのように治験が行われているのか、あるいは、拡大治験はどのようなことが行われているのかということを一般の患者様も知ることが、こういう治験に参加する第一歩でございますので、まず実施中の主たる治験等の情報公開のイメージというところで、治験届、主たる治験、当然、拡大治験も治験でございますので、PMDAに報告することになっておりますので、そこから基本的な情報、治験薬の成分の記号とか、あるいはどういう対象疾患に対して治験が行われているのか、今はどういうフェーズなのか、誰が治験を実施しているのか、治験はいつまでやっているのかというような情報をリストにし、また、一般の主治医等が連絡をするために、下のほうの※で書いてありますが、実際に主たる治験等の参加を照会するための連絡先というのを別途作成し連絡しやすいような形を考えております。

 続きまして、次のページをおめくりください。上のほうが制度の運用の流れでございますが、イメージとしては下の絵をご覧ください。下の絵でございますが、まず、左上に「主たる治験情報をHPに掲載」ということで、(1)でこの情報を公表しまして、次に「患者・主治医」がございますが、患者・主治医がこれを見て主たる治験への参加をしたいというようなことを企業に打診いたします。このときに考えておりますのは、基本的に患者は主治医を通じて企業に対して照会するというようなことを考えております。

 これを受けまして、企業のほうが主たる治験を実施している医療機関と主治医との間で話し合いを持っていただきまして、この主たる治験に参加するか、あるいは、既存治療を継続したほうがいいのか、あるいは、拡大治験、人道的見地からの治験に参加するかどうかを決め、治験に参加する場合には企業のほうに連絡をするという(4)から(5)に延びている矢印で要望を出す。

 企業は、これを受けまして、当然、主たる治験に入りましたら主たる治験を実施している医療機関が組み入れればいい話ですし、そうでない場合は拡大治験の要望を、(5)のところでございますが、企業が検討して、主治医に対して拡大治験に入れるかどうかについて判断をして回答するということになっております。

 ここまでが、欧米では基本的にこういうふうな人道的な見地からの治験につきましては企業が判断をしているというものでございます。

 この次、(6)番でございますが、仮に企業の回答に対して不服な場合には、厚生労働省に対して主治医から企業の回答を添えてさらに拡大治験に参加したいという要望書を提出していただくことを検討しております。このときに厚生労働省の中の検討会議で拡大治験の該当性について、(6)番と(8)番の間にある検討会議のほうで検討していただくことを考えております。

 こちらについては、あくまでも制度の該当性といたしましては、当然、既存の治療法に有効なものが存在していない、そして、生命に重大な影響がある重篤な疾患であるというような制度の該当性について御判断をいただこうかというふうに考えております。

 ここの中の具体的な取り扱いですが、お隣のページの上のほうを見ていただければと思いますが、スライド番号の5でございます。厚生労働省が上の主治医のほうから(6)番で制度該当性の評価の検討要望をする。それを受けまして厚生労働省から下の検討会議のほうに依頼しまして、ワーキンググループで制度該当性に係る見解案を作成し、ワーキンググループの見解案に基づいて検討会で検討していただくということを考えております。このときは迅速処理のために、仮にワーキンググループで全会一致の場合には検討会に事前にメールで各先生方に確認をとりまして、特に異議がない場合には、この会議の開催前に厚生労働省に返していただいて、厚生労働省でこの結果を公表するというようなことを検討しております。

 このときに拡大治験が実施されない場合に想定される主な理由ということで、(6)番のところに書いてございますが、多分大きく分けて4つぐらい、拡大治験が無理というふうに企業が判断をすることがあるのではないかと考えております。

 1つ目といたしましては、検討会議で検討していただきたい制度該当性ということで、既存の治療法に有効なものが存在する、あるいは生命に重大な影響がある重篤な疾患ではないというふうな御判断。それから、そもそも実施している企業等に治験薬の供給に余裕がないなどの絶対的事由。それから、主たる治験の奨励の組入れ期間中であるとか、あるいは主たる治験の実施に影響を与えるおそれがあるような時間的な事由で今は入れませんというような理由。あるいは、患者様の病状等を見て、明らかにこの治験に入られるとリスクが高いというような安全性の観点から拡大治験への参加が勧められないこと、こういう個別事由というのが大きくあろうかと思いますが、当会議で御検討していただきたいのは、一番上の制度該当性について御判断をしていただければと考えております。

 仮に具体的に御判断いただけるとしたときには、資料6-2でございますが、当会議の開催要綱でございますが、「目的」のところで、今まで一文で書いていたところを縦書きにしまして、(3)のところで「これまでに得られている治験薬のエビデンスに基づき、既存治療法がない及び対象とする疾患の重篤性の観点から、人道的見地からの治験への該当性について確認すること」という目的を1つ入れ、その下に「新薬の開発を阻害することなく、新たな革新的な新薬による治療機会の改善」ということを最後に目的として書いてございます。

 そして、「検討事項」の(3)に追記いたしまして、「人道的見地からの治験への制度該当性の確認」ということを新たに入れまして、具体的には「新たに開始の要望がある人道的見地からの治験について、その制度該当性基準である生命に重大な影響がある重篤な疾患であって、既存の治療法に有効なものが存在しない未承認又は適応外の治療薬であることへの該当性を確認する」ということを追記していただければと考えております。

 そして、次の資料6-3でございますが、今まで制度該当性の基準について御判断いただいておりますが、新たに人道的見地からの治験の制度該当性基準というものをつくりまして、制度該当性の基準の1つ目として、適応疾患の重篤性、治験の実施期間から承認まで待てないようなものであるかどうかというような御判断。

 それから、(2)としまして、医療上の有用性(既存の有効な治療法がない)ということで、これにつきまして既存の治療法に有効なものが存在する、あるいは、そうではないという御判断をしていただくという判断基準の表をおつくりしております。よければ、こういうことも含めて御審議いただければと思います。

 そして、最後に当日配付資料の資料6-4でございます。昨日からパブリックコメントしているものでございますが、人道的見地からの治験を実施するに当たりまして、いわゆるGCP省令の一部緩和を考えておりまして、それに対する意見募集をしております。

 1枚目でございますが、意見募集の対象ということで、別添のGCP省令の一部改正の骨子案。それから、募集期間といたしまして、昨日から来月11日の30日間を考えております。

 1枚おめくりいただきまして3ページ目になりますが、別添でございます。今、具体的にパブリックコメントをしておりますGCP省令の一部改正の骨子でございますが、1つ目といたしまして、人道的見地からの治験(以下、拡大治験)というものの定義を入れるというものでございます。

 次に、(2)と(5)は同じ内容でございます。(2)のほうは企業が実施するもの、(5)がみずから治験を実施する、いわゆる医師主導治験のほうでございますが、治験薬の表示義務を少し減免するというようなものでございます。

 (3)と(6)も同じような内容でございまして、(3)は企業が実施する、(6)は医師がみずから行う治験でございます。こちらの内容も治験薬に販売名等の記載について被覆等をして見えないようにしなければいけないのですが、それの措置を少し緩和するというようなものでございます。

 (4)、(7)も同じような関係でございまして、これは既承認薬(既に承認されている薬)が市場流通しているものの、治験薬として転用できるように特別の計らいができるような形で緩和するというようなものでございます。

 (8)でございますが、こちらのほうは拡大治験につきまして被験者の方に費用負担を求める場合があろうかと考えております。そういう場合に治験責任医師等が被験者への説明を行う際に交付する説明文書に被験者が負担する額がある場合は、きちんとその費用の負担について説明した文章を書きなさいというようなものを明記することを考えております。資料の説明については以上でございます。御審議のほどをよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

ありがとうございました。新しい枠組みで日本版のコンパッショネート・ユースといいますか、人道的な支援を、あくまで治験の枠組みで患者への治療機会の提供ということですね。いろいろ下準備の議論はされてきたのだと思いますけれども、こういう形で今日まとまったという状況であります。何か全般を通じて。

 

○小国構成員

非常に人道的にいい制度だと思うのですけれども、御存じのように、今、薬の治験の場合はランダマイズ・コントロールスタディー、つまり、プラセボが当たる確率が半分ある。小児の場合、特にそれが非常にネックになってなかなか治験が進まない、そういう現状もあります。つまり、この制度を利用すればオープンスタディーと同じですよね。薬をそのまま使えるという形でランダマイズ・コントロールスタディーのほうに影響がないかどうかというのはちょっと危惧されますが如何でしょうか。

 

○堀田座長

多分、その点は事務局も危惧するところであると思います。これはあくまで治験の組入れ期間が終わってからという話になるので、それまでの間は当然主たる治験として行うべきということですね。だけど、それでも確実に実薬が使われるオープンスタディーになるまで待たれる可能性はあるかと思うのです。先生の御心配はそういうことですよね。どうですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

その御懸念はあろうかと思います。資料6-1の下のほうでございますが、治験の今の状況につきまして、今、考えていますのは、実施されているものが網羅できるようなもののリストをつけて、これによって主治医の先生、あるいは患者様、あるいは患者会の方々が、今、どういう治験が進んでいるのか見ていただいて、なかなか進まないのでしたら、一度これにエントリーをしてみようかというようなことをまずお考えいただければと思っております。

 仮に実薬が使えるまで待つという話でしたら、このリストで進捗状況を確認しながら待っていただくというような形になります。ただ、できれば主治医の方と御相談をしましてエントリーの基準に合っていれば、治験のほうにまず入っていただいて、承認に向けた速やかな流れのほうに御協力いただければとは考えております。以上でございます。

 

○吉村構成員

 今日ここで議論しなければいけないことというのは、制度そのものですか。それとも、制度のうちの一部分ですか。

 

○堀田座長

その説明をしてください。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

御説明が多岐にわたって申しわけございません。制度のほうは薬事分科会のほうで御審議していただいて、こういう流れということで御了解いただきました。本日、御審議していただきたいのは、拡大治験のほうに患者様あるいは主治医の方が企業に申し出たところで断られたときに、その断られた理由が制度的な理由、要するに重篤な疾病でないとか、あるいはほかに治療方法がありますよというような形で否定された場合というか、参加できませんという御回答が来た場合に、そこの事由について御検討いただければというふうに考えております。

 こちらのほうは、今でも未承認薬の場合はこれが開発するに必要かどうかというところに医療上の必要性と疾病の重篤性というのを御判断いただいておりますので、これの延長という形で御判断いただければと思っております。あくまでも不服があったときに制度の適格性というのを御判断いただく、そこの部分だけでございます。

 

○吉村構成員

まだ未承認会議で、個々の被験者についての治験参加云々の判断に関して、ここの会議が責任を持って何か結論を出すということは、少なくとも過去にはやったことありませんよね。だから、それで全く新しいミッションをこの会議に与えようということなのでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

今の時点はそこまで考えておりませんでして、今の未承認薬あるいは適応外薬の検討会議のほうでも必要性につきましては、実は個々の患者様にとってみれば、もう既に治療方法がないとかいうのがあろうかと思うのですが、あくまでもここで御判断いただいているのは、一般的に治療薬と疾病の重篤性というのを客観的に御判断していただいて開発が必要かどうかというのを御判断いただいていると思いますので、あくまでも個々の患者さんではなくて、治療薬と対象とする疾病の状況というのを客観的に御判断していただいて、それと同じような形で御判断していただければと考えております。

 

○堀田座長

これはあくまで企業が主体となって行う治験の一つの形だと思うのですけれども、それをやるかどうか、すなわち治験として動かすかどうかということの該当性を評価するということになりますね。個々の患者さんが組み入れられていいかどうかという話ではないですよね。

 

○吉村構成員

要するに、この治験の中で拡大治験をやってもいいかどうかという判断ということですか。我々はここで何を議論しなければいけないかというのが僕はまだわかっていないのですよ。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

具体的に言えば、資料6-3を見ていただければと思うのですが、御判断いただきたい判断基準のほうでございます。こちらのほうで制度該当性の基準ということで、基本的には生命に重大な影響のある重篤な疾患であって、ほかに既存の治療方法で有効なものが存在しない未承認薬または適応外薬の治療薬であるかどうかということを御判断していただければと考えております。

 

○吉村構成員

つまり、ワーキンググループのようなものが、今、いろいろ作業をしていますね。この治験は拡大治験にしてもいいかどうかということを、その作業の中に1項目入れてほしいということでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

そのようなことでございます。

 

○堀田座長

その評価をこの検討会のミッションに加えるという話になるのですかね。

 

○横谷構成員

吉村先生の質問の続きなのですけれども、ここで審議された治験の形をとったものとか、いろいろな形で承認に向かうものがたくさんありますけれども、例えばここの医療上必要性が高いというふうに結論されて治験の形で承認申請されるという、そこのところで患者さんの希望によって治験の終了のころになって入りたいと言われたことだけを審議するのか、それとも全ての治験に対してそれが審査の対象になるのかというのは随分対象が違うわけで、吉村先生の質問だと、ワーキンググループが行っている判定の対象の中に、こういった拡大治験の対象ともなるかという判断も加えるのかと言われたのは、ここを通っている治験に対してだけのことなので随分幅が狭くなると思うのですけれども、そうではないということなのですか。これは全ての治験なのでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

全ての治験ではございませんでして、あくまでも治験が行われている、それに対して患者様とかその主治医が、その治験に入りたい、あるいは、その治験薬を試したいということを企業にお伝えして断られた場合で、企業の回答に不服があり、厚生労働省に要望が出てきた場合になります。

 

○横谷構成員

質問は、この未承認薬・適応外薬検討会議の枠組みで入ってきた薬剤の承認にかかわるところの治験を対象とするのではなくて、それは全ての治験ですよね。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課長

私のほうからお答えさせていただきますが、今回、人道的見地からの治験の対象というのは、特にこの検討会で開発要請等がなされたものに限定されるものではございませんので、いわば先生がおっしゃられる全ての治験ということになるわけですけれども、ただし、この人道的見地からの治験に該当するであろうと思って患者さんが手を挙げた、あるいは主治医の先生が要望されたものに限られるものですから、現実問題として、検討の件数が非常に多くなるというようなことは想定しておりません。

 

○横谷構成員

幾つかの質問はそれ以外にもあるのですけれども、この制度を考えられた背景は、患者申し出療養と関係があるものですか。臨床試験の枠組みでやるというのがその回答だったと思うのです。そうではなくて、治験を終了しようとしているものについては、この枠組みでもその要望を受けられますよということで考えられた制度なのでしょうか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

私がお話しするのはどうかと思うのですけれども、一応過去の経緯もありますのでお許しいただいて、こちらの制度と患者申出療養については、「日本再興戦略」改訂2014に両方とも載っているのです。それぞれがそれぞれの位置づけとして行動計画に載ってございます。患者申出療養については患者申出療養としてやるということを閣議決定されていまして、こちらについては治験に組入れられなかった患者さんの参加の機会をつくるものとして、いわゆる日本版コンパッショネート・ユースを年度内に施行するというようなミッションとして与えられたものでございます。ですから、両方に関係はあるのですけれども、それぞれ別のものとして連携しながら、それぞれのよさを出して人道的な見地で患者さんをお救いできるものとして立案されたものという経緯でございます。

 

○横谷構成員

わかりました。あと3点質問させていただいていいですか。

1つ目は、ベネフィットの蓋然性は高いというのが資料6-1の1行目に書いてあるのですけれども、そのことは審査の対象となっていないのですか。だから、これはどこで審査されるかというと、資料6-3の制度該当性基準というところには書かれていないわけで、ベネフィットの蓋然性が高いかどうかは実は治験をしなければわからないわけですね、治験が完了しなければ。でも、この薬剤はきっと効くだろうということを審査の対象とするわけですか。ここの1行が困難ではないかと思うのです。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

当時資料をつくったものとして御説明させていただきます。ここは最終段階の治験ということを修飾している言葉でございまして、要は、治験というのは第一相試験から第二相試験、第三相試験といろいろなフェーズを追って確認していくことでございまして、先生の御指摘のように、例えばアーリーフェーズ、いろいろな初期のときの治験ですと対象患者も絞り切れていない、あるいは用法・用量も決まっていないというようなことは結構ございます。最終的に開発の最終段階にいきますと検証仮説ができていて、この用法・用量で、この疾患に対してはおそらく効くだろうという検証仮説をやるときのフェーズの治験のことを指すためにベネフィットの蓋然性が高いと考えられる最終段階の治験というのは、いわゆるピボタル試験というものを日本語で平たく言うとこのような表現になったという経緯でございます。

 

○横谷構成員

では、ここを削除してもいいということですね、このベネフィットの蓋然性が高いと考えられるという。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

そうですね。そこがなくても同じことを意味するのですけれども、理解をよりよくするために、いわゆるピボタル試験というと専門家しかわからなかったものですから、そういうものをあらわすためにこういうふうに書いたものでございます。

 

○横谷構成員

わかりました。第2の質問は、インクルージョンクライテリアが治験にはありますけれども、このインクルージョンクライテリアを満たすかどうかは、この患者さんが入れるかどうかの基準になるかならないかなのですけれども。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

引き続き御説明させていただきますと、治験に参加できない患者さんは2種類いらっしゃいます。というのは、エントリークライテリアに入っているのだけれども、治験がクローズしてしまった、治験の組入れは終わりましたよと言われると、実はもっと前に来られれば入れたにもかかわらず時期を逸してしまった患者さんもいらっしゃるかと思います。もう一つは、エントリークライテリアではじかれてしまう、本当のピボタル試験では、より早く、より正確にはじき出そうとした洗練されたプロトコールになっていますから、例えばBMIとか年齢とかの制限がございます。そういったもので、たとえちょっと太っていたぐらいだったら影響ないということでも切られてしまうことがありますので、そういった2つの種類の患者さんがいらっしゃったものを安全性の観点で差し支えないもので拡大したものを拡大治験というイメージになっています。

 

○横谷構成員

インクルージョンクライテリアに含まれない人も判断をして、その人がベネフィットを受けるだろうと思う集団に入るということが判断されてここに入れるかどうかが決まるということなのですね。その判断はどこがするのですか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

海外も同じ制度をやっているのですけれども、基本的には検証試験というのは、より鋭敏に有効性、安全性を評価するための試験設計をされておりますけれども、実際にII相試験とか前の段階で有効性が確認されている場合には、おそらく効くだろうと想定される訳ですけれども、そういった段階でもある程度確度が高い場合にあっては、人道的見地からの治験では、BMIをもうちょっと上げても大丈夫だろうとか、あるいは、75歳でなくて80歳でも大丈夫だろうとか、そういった安全性の観点から企業が判断されて、緩くした組入れ基準の試験をもう一本やるというイメージが一番近いかもしれません。

 

○横谷構成員

今のお言葉によると、企業がかなり判断するというイメージを考えられているということですか。

 

○堀田座長

これはあくまで企業治験ですから、当然、企業が判断します。

 

○横谷構成員

わかりました。3番目の質問は、あくまで治験の枠組みということなのですけれども、その場合、費用負担のことが治験の枠組みで行う場合と、今、おっしゃっておられたのは患者負担が生じる場合の取り決めをきちんとするというお話だったのですけれども、どういう切り分けをするかということが非常に重要だと思うのです。治験薬に関しては、その費用は企業が持つとかということが決まっているのか、どういう切り分けになっているのかについて教えていただきたいのです。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

今日は、当日配付資料のほうに全体像のパブコメ案として載っております6-4をご覧いただければと思うのですけれども、全体設計としては、治験を実施する人が全額持つ形にはなるのですけれども、そのうちの一部は負担にする。7ページに「経費負担」というところがございます。基本的には治験薬の経費と現時点で保険で償還されない併用薬の部分について、患者さんに場合によってはお願いすることも可能ですよということをガイドしたものということになります。実際、法律で禁止されたものではないのですが、通常の治験では開発者の方が全部御負担いただいているのが実際でございますけれども、通常の承認申請に必要のない患者さんを救済する意味で新たに治験を1本やっていただくことから、一部の薬に関する負担を患者さんの御要望された方にお願いしますという制度、海外の制度も参考にして設計されたということでございます。

 

○吉村構成員

要するに、我々のミッションとしては、この治験を拡大治験にしていいかどうかというのをどこかから聞かれて、それに対してよろしいとかだめとかいうことを答えよということになるのですか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

わかりやすい例を言いますと、未承認薬でも風評とかですごく効くというのがインターネットの世の中ですので触れ込みが大きいのです。そうすると、「水虫薬がすごい」みたいな話になると「俺も使いたい」と。ただ、水虫薬の承認を待っていただいてもいいではないですかと、こういうものまで許していきますと企業負担もすごくなりますし、また、未承認薬を流通させるということ自身、本来あるべき姿ではないので、基本的にはちゃんとレビューを受けて承認されたものをお使いただくという原則は崩さないのだけれども、早くなった承認申請でも無理というような死亡重篤なものであって代替治療がない、いわゆるここの検討会議でいつも御議論いただいている医療上の有用性の判定基準の部分に当たってしまうかどうかについて、こちらのほうで同じ経験を生かして御判定いただいてはどうか。それ以外に治験薬がないとか、そういった場合にはない袖は振れないので、あれと言われてもしようがないので判定する余地はないのでしょうけれども、「これは水虫薬のように承認を待てる薬ではないです」というような観点での御経験豊富なこちらのほうで御議論いただいてはどうかという意味でございます。

 

○吉村構成員

要するに、この治験は拡大治験にしてよいかということを我々が質問されて、それをワーキンググループに検討してとお願いして、ワーキングから報告を受けて、我々の会議がよかろうと、そういうふうにしようということですか。間違いないですか。

 

○堀田座長

これはどうですか。最終的に治験をやるかどうかというのは企業判断なのですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課長

最終的に治験として拡大治験を実施するかどうかの判断は、企業の判断になります。

 

○堀田座長

だから、それに適応するような重篤性のあるような疾患であるかどうかというのを我々は判断するということであって、やるかやらないかは企業の判断でしょう。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課長

そうです。この制度に乗るような疾患、あるいは治験薬であるかどうかという。

 

○吉村構成員

そのときに、要するに誰が、この治験とこの治験について評価をお願いしたいと誰が言ってくるのですか。企業ですか、それとも厚生労働省ですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

主治医の方から厚生労働省に要望が来ますので、それをもちまして厚生労働省のほうから当会議のほうにお願いをするという形になります。

 

○吉村構成員

厚生労働省がこれこれについて評価をお願いしますとこの会議に持ち込んで、それに対して我々が、これは何とかワーキンググループにお願いしましょうといって結論を出して判断をする。最終的に主治医か企業かわかりませんが、主治医か企業にこういう判断だよと言って、つまり、拡大治験はやってもよさそうであるというふうに言って、それを飲むかどうかというのは企業の判断になるということでしょうか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

はい。実際に考えているお返しの方法なのですが、今の要望と同じような形で、今、要望を受けた学会とか患者会には直接返していませんでして、公表という形にしていますので、それは個人名がわからない形でマスキングしながらこちらで議論した結果を公表するということを考えております。

 

○吉村構成員

私自身は、そういう必要性は感じるのですけれども、実際にそれをやった場合に、拡大部分のデータがどう扱われるかということが非常に気になるのです。例えば、普通だったらブラインディングがいくところが完全にオープンで、しかも治験と全く同じ枠組みでオープンなのが並行的に、ちょっとは遅れるかもしれないけれども行われるということになって、それがオープンになってしまうといろいろな情報が出てくるわけですね。例えば、そういうことに関することは薬事分科会のほうでやることであって、我々がやってはいけないことになるのですね。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

拡大治験のほうのデータの評価とかでございますか。

 

○吉村構成員

私は職業柄、そのデータがどう扱われるか、どういうふうに入手されるかということがものすごい気になるわけです。ただ、それは少なくとも我々の会議では議論するべき内容ではないわけですね。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

そうでございます。基本的には拡大治験をしまして、そのときに集められたデータは、主に安全性を中心に治験よりも幅広い層でお使いになられますので貴重なデータですから安全性の情報を取りまとめていただいて、最後審査するときにも評価をさせていただこうかと思っております。あくまでも審査のところで評価することを考えていますので、当会議のほうでそういう結果について御判断いただくものではないと考えております。

 

○山本参考人

参考人ですけれども、おそらく実質審議するのがワーキングなので、一応ちょっと質問させていただきたいのですが、流れを見ますと、まずは治験に参加したい患者さん、もしくは主治医が、まず企業に参加を打診する、また、拡大治験の要望をする。要望をして企業が断った場合に患者さんと主治医が厚生労働省にやってほしいといって要望を出すということになっていますね。となると、この場合は、先ほど個人情報ではなく治験としてとおっしゃいましたけれども、結局のところは、この患者さんに治験薬を入れていいかどうかという審議にならざるを得ないのではないでしょうか。というのは、企業から治験として出てくるのではなくて、主治医からこの患者さんが入りたいという形で要望されますと、要は治験のクライテリアは示されていないわけですから、この患者さんが入るかどうかという審議になるので、あくまでパーソナルというか患者さんのパーソナルなデータベースでなければ審議ができないということになりませんか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

実は、その隣の資料6-1の6ページのところにあります治験が実施されない事由というのがあって、今、おっしゃられたのは、まさしく個別事由に近いものなのかなと思っております。この患者様はこういう状況だから入れないというような御判断かと思います。これは、基本的には企業のほうが責任を持って御判断していただくのかなと。ただ、要するに拡大治験そのものがほかにも治療方法がある、だから、一般的な話としてわざわざ拡大治験までせずに既存の治療方法をやったほうがいいとかいうようなところで、今までの未承認薬等検討会議で御審議していただいたみたいな疾病の重篤性と既存の治療方法がないのかどうかというようなものを御判断していただければいいというふうに考えております。

 

○山本参考人

それは非常に一般的に言うとそうですけれども、おそらくこれは、私、循環器なのでそんなに来ないと思っていますけれども、抗がん剤のところにたくさん来るのだと思うのですが、今の抗がん剤の状況を見ていますと、初発なのか再発なのか、手術するのかしないのか、かなり個別に条件を切って治験をやっておられますので、結局それに該当しない患者さんにとっては生命の危険があって、既承認薬がないという状況は個別に発生していますので、そういう人が出てくると個別に見ざるを得ないので、結局のところ、その患者さんのパーソナルデータを見て、この状況の患者さんというものが制度該当性に該当する患者集団の一人なのかということを見ざるを得ないのではないですか。

 

○堀田座長

確かに一人の患者さんがそうやって主治医を通して企業に言ってきたときに、それに対して対応するかどうかという議論になると個別的になってしまう。それがまとまって10人とかというのだったら一般的な議論ができるのかもしれないけれども、そういう問題だと思います。

 

○山本参考人

制度のつけ方としては、個人の患者主治医が要望する形になってしまっているので、多分10人でまとめてとかでないと思うのですけれども、それか、患者団体からの要望しか受けないとかそういうのではないですよね。個人の患者が主治医を通して要望してくれるわけですよね。となると、個人の状況で、制度該当性事由と個別事由は違うとはおっしゃいますけれども、おそらくほぼ重なるのではないですか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

多分、ここも今後御議論いただくところだと思うのですけれども、当初議論されていたのは、企業のほうができませんとお断りするにはいろいろな理由があるだろうと。そこの6ページのところをご覧いただくように、1つは制度に該当しませんから、これは死亡重篤なものではありませんよとか、あるいは十分いい治療があるでしょうというような門前払い的な形になるのか、薬はありませんから無理ですという話なのか、このまま組み入れてしまうと、今やっている検証試験を妨害してしまって、かえって患者さんのお手元に届くのが遅くなってしまいますとか、いろいろ類型化しないとナラティブに書かれてしまうとわかりにくくなるので、少なくとも類型化していただいて、その際に制度に該当しませんよ、だからしないのですよと言われた場合についてのみ、制度には該当するような薬なのではないですかという議論にしないと、先生がおっしゃるように、あくまでも患者さんの個人的な病状が出てくると、主治医以上に御存じな方はいらっしゃらないので、そこの最後のところについては無理なのだと思うのですけれども、少なくともこれは死亡重篤ではないですよとか、あるいは、代替治療薬があるから全然大丈夫ですよというような話に当たっているかどうかのところを重点的に見ることによって、そこについてはお返しできるのかなと。それ以外の事由については、実は第三者というかほかのところからなかなか手出しできないところでございますので、海外の様子、例えば4ページの左側を見ていただくと、実は、上の段、検討会議での御議論というのは、海外ではそういう機能がないのです。実際には海外では企業にお願いして、だめならだめでおしまいという状況にはなっているのですけれども、我が国においては、何かお手伝いできるところがあるとしたら、ここは制度に該当するかしないかというところを第三者レビューするのが精いっぱいというところで、先生のおっしゃるように個人的な理由であるとか物がないものをあれと言われても困るところについては、もちろん限界がございますのでできないのでしょうけれども、少なくとも制度の該当性という意味で死亡重篤なのかというような話で、代替治療がないものなのかという話については何らかの寄与ができるのかという観点で先生方にお願いできればというような形でこの制度設計の基盤が成っているということでございます。

 

○伊藤構成員

心配していることを2点だけ私から簡単に言わせていただきます。1つは主治医のレベルです。要するに、主治医がプロトコールをちゃんと理解して患者さんに対応するかどうかです。例えばこれを依頼された主治医が、患者さんに治験責任者がいるところへ行って、この治験をすることを十分に説明できるかどうかです。もう一つは、こんな重篤な患者さんが、ここでかけられている審議が長くなって死んでしまった。折角良い薬があっても使用できずに、審議されているうちに亡くなってしまった。この責任を問われないかどうかです。そこが素朴に一番心配しているところなのです。

 

○堀田座長

確かにそういう心配がないとは言えませんけれども、どうですか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

当時そういった議論もあったのですけれども、実際に、例えば治験とか臨床研究をするとなると多くの手続が必要になります。ですから、例えば患者申出療養も議論されているところだと思いますけれども、実際にプロトコールをつくる、IRBに相談する、あるいは治験届を出すといった作業をするときには翌日からできるというものではないので、そういう意味からすると迅速に処理する必要はあるのですけれども、すぐに「ください」と言ってあげられるような状況でもありませんし、実際に25年度、26年度にパイロットスタディーを審査管理課のところで医師主導治験としてやっていただいたときに、実際には治験薬をどうやって導入するかとか、IRBでそれを通すかとか、そういったプロトコールをどういう患者さんだったら社内IRBを通すのかといったところで多くの時間を要しているということをお聞きしていますので、確かにこちらの判定の議論はあるのですけれども、一義的な責任は実施者がこれは無理といった中で、無理な理由の中でもし制度該当性だけでやらないという話だとしたら、何らかの話はできるのかという観点ですので、そういう意味からすると、ほとんどのものは治験薬がないとか、あるいは実施できないといった別の理由がメインだとは思うのですけれども、単なる制度該当性だけでできませんといった場合についてはお話ができるのかなという観点でのお話になろうかと思っております。

 

○友池構成員

今日のお尋ねのところではないと思うのですけれども、ちょっと理解しにくいところがあるのでお尋ねしたいのですけれども、多くの場合、治験審査委員会とか倫理委員会で病院の中ではいろいろなことを、こういう人道に関することは審議してきているわけですけれども、特に適応外、あるいはまだ認められていないものを使うときには保険診療の療養担当規則違反になりますので、そういうときは、おそらく治験ではなくて倫理委員会を通して、倫理委員会が納得した上で主治医がいろいろなことを申し上げることになると思うのです。だから、このままだと主治医が勝手に手を挙げると読めますので、パブリックコメントに相当するところかもしれませんけれども、やはり佐倉惣五郎ではありませんけれども、申し出するときにどういう形で申し出するのか、病院の立場でいけば、きちんと倫理委員会は通してやっていただかないとスタンドプレーをされると困る。

 それから、もう1点は、先ほど危惧の念を言われましたけれども、御存じのように、治験段階でもすぐ実施した病院とか大学はマスコミ公表して、こんなに治療効果があったのだという風潮があるわけですけれども、こういうふうに効果があった場合に治験が最後の段階で粛々と進んでいるときにメディアに公表するようなことがあればバイアスが入ることにもなりますし、患者さんを組み入れるときに大変支障を来すようにも思うので、その辺、原理的な問題よりもむしろ実施に当たっての何となく不安はございますので、2点質問させていただきました。

 

○堀田座長

これは、あくまで原則的にはGCPに準拠してやるのですね。ただ、立てつけとしては安全性を見るというのが主になるということであって、途中でデータ公表というのは基本的に治験の場合はありませんよね。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課長

友池先生の御懸念というのも我々も十分承知しておりますので、治験外で未承認薬・適応外薬を使おうとすれば、当然そういう懸念がございます。しかし、あくまでこの制度は治験の制度の中で行うということでございますので、実際に投与が行われる場合には治験審査委員会も通していただきますし、企業と医療機関の間での契約を結んできちんとやっていただくということになっております。したがって、おそらく、今、先生がおっしゃられたような懸念というのは、この治験の枠内できちんとルールを守ってやっていただく限りは余り心配ないのではないかと思います。

 

○堀田座長

人道的治験のコンパッショネート・ユースは、主治医が治療をするのではなくて、治験実施医療機関に行って受けるのです。ですから、そこから先は基本的には途中でデータは出ないですね。主治医のところで間接的には知るかもしれないけれども、公表できるようなものではないですよね。

 

○吉村構成員

資料6-4の最後のページの右下に「主たる治験終了後又は組入終了後」という表現があるのですけれども、この主たる治験というのは、今、言った拡大治験のもとになる治験という意味ですか。もしそうだとすると、治験終了後ということだと治験が完全に終わったところでまだ未承認ではあるけれども、その薬を使いますよということであって、終了後であれば治験そのものには影響しないことになりますね。それに対して、組入れ終了後というのは、例えば3年かかっているところで1年目に入ってしまったと、組入れは終わっているけれどもということですね。そうした場合に、組入れ終了後というのだとすると、先ほど言ったインクルージョンクライテリアとは関係なく、インクルージョンクライテリアに反するものも申請があったときに、それに対する、それを拡大治験の中に入れていいかどうかなんていう議論もするのですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

そちらのほうは基本的に企業が考えるということになっております。

 

○吉村構成員

では、この未承認会議は関係ないですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

はい。

 

○横谷構成員

この制度は基本的にはいい制度ですし、ぜひ形がしっかりしたものとしてみんな迷いなくできるようにしたいという意味で確認をしたいと思っていますけれども、実施医療機関の側からの立場で考えてみたときに、かなり負担がある。GCPにのっとった形で実施医療機関は責任を負うわけですね。施設の長も責任因子になるわけですね。だから、そうすると治験審査委員会も開催されて、正規の治験と同じように審査されて、安全性の確認のためにもきちんと患者さんに来院してもらったりするのでCRCもついてというフルの治験実施体制を考えているわけだと思うのです。そうでなければ責任を負えませんし。そうなってきたときの経費の負担とかそういうものも経費負担というところの、◆の3つ目がないのですけれども、そういう治験にかかわる費用というのは、薬のことしか書いていないけれども、基本的には企業が支払ってくださるといった予測をされている、そういう制度なのでしょうか。

 

○医政局開発振興課治験推進室長

資料6-4の最後のページをご覧になっていると思うのですけれども、海外の制度もいろいろ調べたことがございまして、実際にシングルペーシェントと言われている個別にお薬だけお配りするようなものでない、いわゆるコホートタイプについては、各国規制等はばらばらでありますけれども、基本的には実施者が御負担になられていると聞いています。ただ、FDAについては直接経費ということでもうちょっと負担額の範囲が広いところはあろうと思いますけれども、全ての海外の制度を完全に細かく掌握しているわけではございませんけれども、そういう意味からすると基本的には御負担いただく、薬代を患者さんに出していただいてもいいのですけれども、実際にアメリカのデータによると九十何%は企業の方のほうが負担されているという情報もお聞きしているところでございまして、海外では、基本的には企業のほうでコンパッショネート・ユースというのは相当部分を御負担いただいているようにお聞きしています。

 ただ、先生御懸念のように、ベンチャーが新薬に手を出して新しくできたというようなときについては、企業体力がないので難しいということも拒否事由の一つにはなってございますので、そういう意味では、メガファーマがやった場合と、本当のベンチャーが駆け出しで新薬ができたというときでは違うことはあろうかと思うのですけれども、基本的には企業のほうでお出しいただいているものと海外では承知しております。

 

○堀田座長

ありがとうございます。まだいろいろ議論の点もあろうかと思いますが、最後にどうしてもということがありましたらお願いします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。

 この制度は新しく動くわけですから、十分に議論して納得していかなければいけない。実は昨日からパブコメをやっているので、パブコメも踏まえて、最終的に次回、どのような形になるかという最終案を提案いただけると思います。ここで今後のスケジュールについて議論の方向性とかその辺は何かありますか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

今後の予定でございますが、パブリックコメントは11月中旬までを予定しております。これを踏まえまして、11月あるいは12月中には関連通知等を提出したいと思っております。こちらのほうで御検討いただくのは、最後、不服があったときでございますので、関連通知のところにはまだ明確に書く必要はないと思いますが、もしよろしければ方向性について御同意をいただければ今後のスケジュールを立てやすいというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。

 

○堀田座長

全体としてはこういう方向でやっていくということでよろしいでしょうか。

ありがとうございます。思い出しますと、今から10年ちょっと前に、コンパッショネート・ユースに近いエクスパンドプログラムというのが一時提案されたことがあったのです。安全性確認試験というのと追加的試験というのがあって、治験と並行して、あるいは治験の組入れが終わって承認申請から承認までの間はアクセスできない部分をどうするかという議論がありました。そのときは余りうまく動かなかったのだけれども、今回はそういうことがないようにしっかりやってまいりたい。今後、企業がきちんとこういったものに対して適切に対応するかどうかということについても我々はしっかり見ていきたいと思います。

 今、開発工程表を評価していただいていますけれども、当然、患者要望や制度的な適応があるのに進まないのであれば、そこはきちんと評価しなければいけないと思いますが、その辺はいかがですか。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

今後の進捗状況に応じて、そういうところも御評価いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

ありがとうございました。そのほかに今後のことにつきまして何か御意見いただければ。

 

○大臣官房審議官(医薬担当)

今日は、人道的見地からの治験の制度についてたくさん御質問をいただきまして、ありがとうございました。

 もともとこの仕組みを考えるに至ったことの背景として、今からもう20年近く前になるのですけれども、エイズの新しい薬が登場してきて、それがアメリカでは早急に承認をされて既に市販されている状況で、我が国も早く導入したいということで治験をやるのですが、そこは、患者さんがある程度絞られる、二、三十人ぐらいしか入れない、でも、実際、患者さんは何百人かいるという状況の中で、どうにかならないのかというお話がございました。その中で考えた拡大治験というのが、当時、実はそういう言葉を使っていたのですが、海外で承認をされているお薬であれば、海外で添付文書に書かれている一般的に想定されている患者さんというのは、こういう患者さんには使っていい、こういう患者さんに使うのはまずいというのが一応決まっている。その範囲に比べると、治験で組み入れる患者さんは年齢だとかいろいろな組入れの基準がものすごく厳格に決められていて、すごく狭いのです。その狭い定義範囲と一般的に使えるような範囲の患者さんのその差分のところにたくさん患者さんがいらっしゃるのであれば、何か手を考えなくてはいけないのではないかというようなことが一つのきっかけとして新しいエイズ薬の拡大治験というのが行われたという経緯があります。

 ただ、企業負担が余りにも重くて、次々出てくる新しいエイズ薬にそれをやることが困難というようなお話もありまして、制度的にはなかなかうまくいかなかった。その後10年後に、堀田先生が言われたような安全性確認試験というような格好でもうちょっとできないかということのチャレンジもされているのですが、その際もなかなかうまくいかなかった。しかし、これだけ新しい薬が登場してきて、その効果がすぐれているものが患者さんたちにとって非常に希望の光になっているという中で、できるだけ適正なやり方で早く使えるチャンスがあれば何とかできないかということは患者申出療養制度の話でもそうですし、それと治験の制度を弾力的な運用をすることでできる、そういう方法がないかということも、2つのアプローチでやろうという話になっているという中で、それぞれ工夫をしてきて、両方とも患者申出療養制度も法律上の制度になりました。一方で治験の制度の運用として今回の人道的見地からの治験参加というのも仕組みができてきました。ただ、患者さんの側から見ると、未承認薬を使えるような仕組みというものとして、いろいろな間口があって、どれがどれだかわからないみたいなことでは困るということが、これは医師会の先生方からも御指摘いただいたりもしていて、2つの制度というのは法律上違うのだけれども、できるだけ患者さんからするとワンストップで行けるような格好の適切な連携をとりながら運用したいというふうに考えているというようなことも御説明しながらここまで来ているという経緯がございます。

 その制度を動かしていく上でも、できるだけ公正な形で患者さんの希望をかなえたいという一方の要請と、そうはいっても危険なことをそうそう簡単にやられても困るよという話の中で、一定の専門的な見地からの御意見も伺いながら、できるだけ実現できるものは実現していこうというところに、この検討会議の先生方にも御協力をいただきたいということで今日のようなお願いをしたという経緯でございます。

 全ての判断責任をこの検討会議にお願いするようなことは決して考えていないということは今日の御説明である程度は御理解いただけたと思います。基本的に治験としてやっている以上は、企業がやるかやらないかの判断は最終的にちゃんとさせます。その上で、ただ、できないよと言っているときに、そのできない理由の中の一部は、もしかしたら専門的に見れば、これはできるのではないのかというケースを一部考えざるを得ないときに、行政だけでそれを裁くというのがなかなか難しいところがあるので、同様な医療上の有用性についてこちらで御議論いただいている、そういう御経験をもとにして御意見を賜れればということでお願いしたいというふうに考えているということになると思います。

 やはり降りかかってくる責任の重さというのが、誰もなかなか引き受け切れない部分がありますので、その点は十分に、この仕組みで何ができるのか、どこまでのことをここで引き受けることになっているのかということははっきりさせながらやっていく必要があると思います。今日の御議論でもそういったところの御懸念は十分御理解いただけたと思いますし、我々のほうもその点を肝に銘じてしっかり制度のつくり込みや制度自体の説明をよくしていく必要があるというふうに考えています。今日は、本当にたくさんの御意見、御質問をいただきまして、ありがとうございました。

 

○堀田座長

ということで、今日は締めたいと思います。また次回、ほぼ決まった形で出てくると思いますので、皆さん方に制度上の適合性があるかどうかというところの議論をしっかりやっていただきたいと思います。それでは、事務局のほうから今後の予定等をお願いします。

 

○医薬・生活衛生局審査管理課

御議論ありがとうございました。次回の検討会議は、来年2月3日水曜日15時からを予定しております。御多用のところで恐縮でございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

○堀田座長

それでは、これで終了いたします。


(了)
<照会先>

厚生労働省医政局研究開発振興課
厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課

03-5253-1111(内線 4165、4229)

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