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2015年9月30日 平成27年度第4回血液事業部会運営委員会議事録

医薬・生活衛生局

○日時

平成27年9月30日(水)
17:00~19:00



○場所

厚生労働省共用第6会議室(3階)
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館)



○出席者

委員:(6名)五十音順、敬称略、◎委員長

大平 勝美 岡田 義昭 ◎田野崎 隆二 花井 十伍
室井 一男 山口 照英

化学及血清療法研究所:

宮本 誠二 千北 一興 羽室 強 田中 信寛

事務局:

武井 貞冶(血液対策課長) 近藤 徹 (血液対策課長補佐)
金子 健太郎 (血液対策課需給専門官) 日下部 哲也(監視指導・麻薬対策課長補佐)

○議題

・化学及血清療法研究所の血液製剤について
・化学及血清療法研究所の第三者委員会について
・その他


○議事

○近藤課長補佐 定刻になりましたので、「平成27年度第4回血液事業部会運営委員会」を開催いたします。

 なお、本日の会議は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとさせていただきます。マスコミ関係者の方々におかれましては、御理解と御協力をお願いいたします。

 本日の出欠状況ですが、運営委員会委員6名全員の御出席をいただいています。

 また、化学及血清療法研究所より、宮本誠二理事長・所長、千北一興常務理事・分画事業部門長、羽室強分画事業部門開発部次長、田中信寛分画事業部門営業部営業企画課長、以上4名に参加いただいています。よろしくお願いいたします。

 次に事務局に異動がございましたので、御紹介いたします。

○武井課長 9月19日付けをもちまして血液対策課長を拝命いたしました武井と言います。どうぞよろしくお願いします。

 また、本日は血液対策課に加えて、監視指導・麻薬対策課の日下部哲也課長補佐が出席しております。よろしくお願いいたします。

 以上、委員の出席の報告と事務局の紹介とさせていただきます。

 カメラの頭撮りはここまででお願いいたします。

 それでは、以降の進行を田野崎委員長にお願いいたします。

○田野崎委員長 事務局から審議参加に関する遵守事項について報告をお願いいたします。

○近藤課長補佐 本日出席いただいた方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金などの受け取り状況を報告いたします。

 本日の検討事項に関して、「薬事分科会審議参加規程」に基づいて利益相反の確認を行いましたところ、委員の方々からは、関連企業より一定額の寄附金・契約金等の受け取りの申告がありませんでしたので、全ての議題に関しまして議決に加わっていただくことといたします。

○田野崎委員長 ただいまの説明について、御意見、御質問ございませんでしょうか。

 特になければ、競合品目・競合企業の妥当性を含めて御了解いただいたものとさせていただきます。

 それでは、事務局から資料の確認をお願いします。

○近藤課長補佐 事務局から、資料の確認をさせていただきます。

 表紙が議事次第、次に座席表、運営委員会委員名簿、委員会規程となります。

 続きまして、A3横の資料1-1が2枚ございます。その後に資料1-2が2枚ございます。その後、参考資料1、2、3、4が各1枚ずつあり、参考資料5は4枚、8ページまであります。最後に資料2が2枚ございます。

 不足がありましたら、事務局までお知らせください。

 以上となります。

○田野崎委員長 ありがとうございました。

 それでは、議題に入りたいと思います。

 事務局から、化血研製剤全体の在庫状況と献血ベニロンについて、説明をお願いします。

○金子需給専門官 それでは、化血研製剤全体の在庫状況等につきまして、資料1-1、化血研において製造販売される血液製剤により説明させていただきます。

 1枚目の表は、代替製品がない等の理由から、安全性を確認した上で、一変承認等の前でも例外的に出荷を認めることとしております6製品についての在庫状況等の一覧になります。

 2枚目の表は、その他6製品の在庫状況等の一覧になります。

 今回は、先週末の9月25日現在の在庫状況等について御報告いたします。

 各製剤の状況につきまして、1枚目の表の上から、バイクロット、注射用アナクトC、コンファクトFにつきまして、前々回、または前回の運営委員会で化血研在庫の一部出荷を認めていただきました。これによりまして、販社・卸の在庫消尽時期が11月以降に少し延びておりますが、引き続き供給状況を見ながら必要な対策をとってまいります。

 この中で、コンファクトF1000単位につきましては、9月15日に1ロット1,069本を化血研から出荷していただきました。その際、化血研及び販社のアステラス製薬のホームページで出荷の御案内をしていただくとともに、MRの方から医療機関に対しまして、コンファクトFに含まれる添加物の類薬との比較など、安全性に関する説明をしていただいております。

 済みません、資料の訂正がございまして、資料1-1の1枚目のコンファクトFの一番右の安定供給のための対応策の欄の3ポツ目のところですが、「9月16日に1000単位1ロット1,069本を出荷」とありますが、ここは「9月15日」の間違いですので、訂正させていただきます。

 また、コンファクトFに関しましては、在庫が僅少となる250単位につきまして、学会を通じまして、処方医に対して、他の単位を使用する等の使用上の御協力をお願いする予定です。

 なお、バイクロット、注射用アナクトC、コンファクトFにつきましては、前回、前々回の運営委員会の審議結果を踏まえ、既に在庫の一部出荷等の対応をしているところですが、これまでに重篤な副作用の報告は受けておりません。

 次に、ノバクトMにつきまして、1600単位の在庫消尽時期が11月中旬ですので、それまでにウイルス不活化・除去の性能を評価した上で、化血研の在庫の一部出荷を考えております。

 その下の献血ベニロンにつきましては、6月23日の運営委員会において、ギラン・バレー症候群、チャーグ・ストラウス症候群について、JBや日本製薬の製品で代替すること、また、代替製品の使用に当たり、医療保険上、救済制度上の配慮を行うことをお認めいただきました。

 今回、他社の代替品の供給状況を確認しましたところ、よく使用される5,000mg2,500mgの規格について、年末頃には在庫が枯渇してくる可能性があることがわかりました。そのため、ウイルス不活化・除去の性能を評価した化血研の在庫の一部出荷をしたいと考えております。

 献血ベニロンについては、この後、資料1-2で説明させていただきます。

 なお、他社製品の使用状況を確認しましたところ、9月25日までにギラン・バレー症候群については228例、チャーグ・ストラウス症候群については44例の使用があったとの報告をいただいております。いずれの適用に対しても、重篤な副作用などは出ておりません。

 次に、2枚目に移りまして、その他6製品の状況になります。

 ボルヒールにつきまして、代替製品であるCSLベーリング社のベリプラストの使用をお願いしております。ベリプラストの在庫の状況や、当該製品を使う際のデバイスの在庫状況について、CSLベーリング社に引き続き確認しながら安定供給のための対応を検討してまいります。

 その下の献血アルブミンやアンスロビンPにつきまして、代替製品を供給するメーカーに伺いましたところ、しばらくの間は化血研製品が出荷差しとめとなった分を供給できるとのことでしたが、献血ベニロンのように代替製品の在庫が枯渇してくる可能性がありますので、供給状況を見ながら必要な対応をいたします。

 また、各医療機関に対しては、必要以上の買い占めや抱え込みをされないよう、引き続き化血研のほうからお願いしていただきます。

 以上が資料1-1の説明でございます。

○近藤課長補佐 引き続きまして、資料1-2について御説明いたします。「献血ベニロン-I静注用(乾燥スルホ化人免疫グロブリン)について」という資料をごらんください。

 献血ベニロン-Iの効能・効果についてですが、6つ。すなわち、

 1.低又は無ガンマグロブリン血症。

 2.重症感染症における抗生物質との併用。

 3.特発性血小板減少性紫斑病のうち、他剤が無効で著明な出血傾向があり、外科的処置又は出産等一時的止血管理を必要とする場合。

 4.川崎病の急性期で、重症であり、冠動脈障害の発生の危険がある場合。

 5.ギラン・バレー症候群の急性増悪期で歩行困難な重症例。

 6.チャーグ・ストラウス症候群又はアレルギー性肉芽腫性血管炎の神経障害によってステロイド剤が効果不十分な場合

が適用となっております。

 なお、国内のギラン・バレー症候群の患者数は、年間人口10万人当たり1.15人と推定されています。

 チャーグ・ストラウス症候群については、年間約1,800人の患者の方々が医療機関を受診されていると推定されています。

 次に、献血ベニロン-I静注用の在庫状況等についてですが、まず献血ベニロン-I静注用5000mgについては、販社と卸の在庫は既に6月下旬に消尽しており、その後、医療機関の在庫が消費されておりましたが、それもほぼ消尽している状況です。

 直近6カ月の月平均消化本数は1万2,808本でした。

 化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットNo.SVA248ESVA250ESVA251ESVA252ESVA254ESVA256ESVA270ESVA272ESVA288E、以上の9ロット、合計しますと3万2,996本で、推定供給可能月数は2.6カ月となります。

 一方、新規に製造した場合の最短出荷予定時期は12月上旬で、出荷予定本数は3,500本、推定供給可能月数は0.3カ月です。

 次のページをごらんください。

 一番上に献血ベニロン-I静注用2500mgについてですが、これも販社と卸の在庫が既に7月上旬に消尽しており、医療機関の在庫のみとなっております。

 直近6カ月の月平均消化本数は1万9,701本と、4つある規格の中で最も多く処方されている規格です。

 化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットNo.SVA247CSVA249CSVA253CSVA255CSVA257CSVA258CSVA271CSVA273CSVA284CSVA285CSVA286Cの合計11ロット、5万9,064本で、推定供給可能月数は3.0カ月となります。

 新規に製造した場合の最短出荷予定時期は12月上旬、出荷予定本数は5,500本で、推定供給可能月数は0.3カ月です。

 次に、ベニロン-I静注用1000mgについてですが、これは販社と卸の在庫が9月25日現在、133本。直近6カ月の月平均消化本数は273本ですので、販社と卸の在庫の推定消尽時期は10月上旬と予想されます。

 化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットNo.SVA258B2,341本で、推定供給可能月数は8.6カ月です。

 新規に製造した場合の最短出荷予定時期は12月下旬で、出荷予定本数は2,300本、推定供給可能月数は8.4カ月です。

 次に、献血ベニロン-I静注用500mgですが、これも販社と卸の在庫が9月25日現在216本、直近6カ月の月平均消化本数は782本であるので、販社と卸の在庫の推定消尽時期は10月上旬と予想されます。

 化血研にある出荷可能な在庫本数は、ロットNo.SVA284A4,355本で、推定供給可能月数は5.6カ月です。

 新規に製造した場合の最短出荷予定時期は12月下旬で、出荷予定本数は4,300本、推定供給可能月数は5.5カ月です。

 なお、以上の全てのロットに関しては、国家検定に合格しております。

 次に、製造方法の承認書との不整合について、化血研のほうから説明をお願いいたします。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 化血研の羽室でございます。

 ベニロンにつきまして、承認書との不整合について御説明させていただきます。

 資料はもう1枚めくっていただきまして、参考資料1、フロー図でございます。こちらのほうは、7月21日、第2回運営委員会の際に使用させていただきました資料でございます。

 この図は、ヘパリンの添加というところにフォーカスを当てまして御説明させていただきました。以降、真ん中のフロー図になりますけれども、献血ベニロン-Iのフロー図の部分を抽出したものが次のページの資料でございます。こちらのほうが血漿分画製剤の製造フロー図で、凝固因子以外、今回のベニロンを含みますフロー図の部分を記載したものでございます。こちらの資料は、9月8日の第3回運営委員会で説明させていただきました資料です。この資料を用いまして、改めて献血ベニロン-Iについて御説明させていただきます。

 献血ベニロン-Iは、原血漿からクリオの上清を用いて製造されます。この時点でヘパリンナトリウムを添加する場合としない場合がございます。まず、添加する場合、こちらのほうは、次に陰イオン交換クロマトグラフィーを実施しまして、ここで凝固因子を吸着させるということでございます。

 このクロマトグラフィーを素通りさせたものにつきまして、次の工程としてヘパリンクロマトグラフィーを実施する、あるいは実施しない場合がございます。このヘパリンクロマトグラフィーを若干補足させていただきますと、こちらのほうはヘパリンをゲルに科学的に固定化することで、ヘパリンと結合するアンチトロンビンを吸着、精製する工程でございます。ですので、このヘパリンクロマトグラフィーを通しますと、原料中のアンチトロンビンIIIがこちらのクロマトグラフィーにくっつき、それ以外、免疫グロブリン、アルブミンが素通りするという工程でございます。

 ですので、アンチトロンビンIIIを製造する場合は、このヘパリンクロマトグラフィーを通す、製造しない場合は通さないということで、これまで製造を行ってまいりました。

 その後、免疫グロブリンとアルブミンのほうをアルコール分画で再度分画いたします。そして、免疫グロブリン画分を用いまして、献血ベニロン-I、その他グロブリン由来の製品をつくるというフローでございます。

 この中で、献血ベニロン-Iに関します不整合部分というものを、番号のマル1、マル2、マル14、マル15、4カ所を御説明させていただきます。

 このフロー図をそのまま見ていただいて構いませんけれども、まず、マル1、ヘパリンナトリウムを添加しているということでございます。こちらのほうは、精製途中での凝固因子の活性化を抑制し、均一な品質の凝固因子製剤を製造するために、抗凝固剤であるヘパリンナトリウムをクリオ上清に添加している状況でございます。

 マル2、陰イオン交換クロマトグラフィーのほうは、これに用いる溶液の組成が承認書の記載と異なっているということでございます。

14番、ヘパリンクロマトグラフィー、こちらのほうも、こちらに用いる溶液の組成が、実際はpHの管理幅ですが、承認書の記載と異なっているということでございます。

 ベニロンにおきましては、マル15、献血ベニロン-Iの添加剤が承認書と異なるということで、その内訳としましては、抗補体活性否定試験のばらつきを抑制するために、塩化ナトリウム量を10%ふやしております。また、浸透圧比を調整するために、グリシン及びマンニトール量を10%減らしております。

 献血ベニロン-Iの製品には、安定化剤としてアルブミン25%が使われておりますが、この25%にかかわる不整合部分、このフロー図でいきますとマル18、マル19。マル18は、承認書に書かれていない加温工程を実施しております。マル19は、アルブミンに使用されているカプリル酸ナトリウムの量、25%の場合ですと、承認書より1.4倍に増量しているという不整合がございます。

 今の不整合のマル1、マル2、マル14、マル1819の部分を記載したものが、次の参考資料2にございます。こちらの資料は、前回の9月9日の第3回運営委員会で御説明した資料の中からの献血ベニロン-Iの抜粋ということになります。

 以上でございます。

○田野崎委員長 ありがとうございました。

 それでは、委員の先生方から御意見などがございましたら、よろしくお願いします。

○近藤課長補佐 済みません、事務局のほうでベニロンに関して、引き続き安全性の確認の点について、先に御説明させていただいてよろしいでしょうか。

○田野崎委員長 お願いします。

○近藤課長補佐 資料1-2の2ページのほうに戻っていただきたいのですが、下のほうです。

 安全性確認の状況ですが、添加されているヘパリンに関しては、国が定める基準を満たしており、不純物によるアレルギーが発生する可能性が低い安全なものであることを確認しております。また、最終製品でのヘパリン残存量はごく微量検出されましたが、ヘパリンの薬理効果は出ないレベルであることが確認されています。

 製造工程におけるウイルス不活化・除去についてですが、次のページ、3ページになりますが、化血研の在庫のロットについては、有効成分のスルホ化人免疫グロブリンG及び安定剤のアルブミンに含まれるヘパリンの量が、ウイルス不活化・除去の性能を評価した試験に用いた検体と異なる可能性があるため、念のためウイルス不活化・除去の性能に与える影響を試験したところ、性能に問題がないことが確認されています。

 その他、先ほど化血研より説明のあった工程の改変や承認書と異なる添加剤が安全性に影響を与えている可能性は低いと考えております。

 次に、代替製剤の需給状況について御説明いたします。

 参考資料3をごらんください。献血ベニロン-I静注用の4つの販売規格について、国内2社及び化血研の在庫の状況を聴取したものです。

 一番上の5,000mg規格及び2番目の2,500mg規格については、表の中の網かけでお示ししておりますが、12月末にメーカーと販社の在庫が1カ月未満となります。

1,000mg規格については、代替製剤は献血ヴェノグロブリンIHのみなのですが、9月末には在庫月数1カ月未満となります。

 献血ベニロンは市場の三、四割を占めていたことから、代替製剤を含めた免疫グロブリン製剤全体の在庫が逼迫し、医療現場の混乱や欠品が生じる可能性も出てまいりました。

 次に、参考資料4をごらんください。これは、ベニロンを代替している国内・海外全ての免疫グロブリン製剤について適応をまとめた表です。

 例えば左から3番目の献血ヴェノグロブリンIHは、7番の多発性筋炎・皮膚筋炎の筋力低下の改善と、8番の全身型重症筋無力症と11番の血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制へ唯一適応を持つ製剤です。

 また、すぐ右の献血グロベニン-I静注用に関しては、12番のスティーブンス・ジョンソン症候群及び中毒性表皮壊死症に対して、唯一適応を持つ製剤です。

 また、9番の慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)、10番の天疱瘡に対しては、献血ヴェノグロブリンIHと献血グロベニン-I静注用のみ適応が通っております。

 このように、代替製剤に唯一適応がある疾患もあることから、代替製剤に関しても欠品を回避する必要があると考えております。

 なお、献血ベニロン-I静注用の在庫ロットを出荷する場合、代替製品に切りかえた医療機関が、当該製剤をどの程度の量、使用するのか不明なため、在庫が逼迫する前に早目に出荷をし、市場の流通の動向を注視した上で、必要に応じて対策を講じてまいります。

 最後に、参考資料5をごらんください。

 これは、現在、ギラン・バレー症候群とチャーグ・ストラウス症候群について、国内のほかの3つの免疫グロブリン製剤を治療に使用した際の保険上の配慮、及び副作用、感染被害救済制度の適応に関しまして、6月26日付けで血液対策課課長通知を出しております。

 代替使用が認められた3製剤について、企業に確認した9月25日までの使用状況については、先ほど御説明いたしましたとおり、重篤な副作用の報告はございません。

 資料1-2の3ページ目をお願いいたします。

 以上より、献血ベニロン-I静注用5000mg2500mg1000mg500mgの化血研在庫のうち、ウイルス不活化・除去の性能に関して、念のための確認を終えたロットに限り、一部、変更承認等、必要な対応がとられる前であっても、例外的に出荷することにつき、事務局より御提案させていただきたいと思います。

 なお、出荷の際には、先ほどの参考資料5にある「一般財団法人化学及血清療法研究所の乾燥スルホ化人免疫グロブリンの供給に係る対応について」及び「免疫グロブリン製剤の医療保険上の取扱いについて」の通知の取り扱いにつき、関係局や代替製品を供給する製造販売業者等に確認を行うこととします。

 また、上記の出荷をした場合は、運営委員会に速やかに報告をいたします。なお、製品は、特定生物由来製品であり、記録の保存や使用実績調査については、引き続き主治医の先生方にお願いするとともに、化血研は情報収集に努め、遅滞なく当局へ報告するように指示をいたします。

 以上です。

○田野崎委員長 ありがとうございました。

 以上のところで、先生方から御意見等ございましたら。お願いいたします。

○岡田委員 ベニロンの添加剤がいろいろ変わっているのですけれども、この最終的な添加剤で安定性試験とかは評価されているのでしょうか。

○田野崎委員長 どうぞ。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 安定性試験につきましては、現在のガイドラインに照らし合わせた形では十分ではないデータになりますけれども、有効期間以上の期間での安定性試験は確認しておりまして、PMDAのほうには提出させていただいております。

 今後、一変を行うということになりますと、もちろんガイドラインに準拠した形で安定性試験を最後、データをとりまして一変申請をさせていただくという予定で考えております。

○岡田委員 最終的にこの添加剤になってから、製造はもう10年以上続いているのでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 この添加剤になってから、記録が残っている限りにおきましては、1995年以降はこの添加剤でやっていることを記録で確認しております。

○岡田委員 こういう製造した後に最終製品は、メーカーのほうでも保存しておいて、それで自社で安定性とかを定期的に評価していると思うのですけれども、それにおいては、これは検定合格から有効期間は2年間ですか。製造時の品質管理のデータと、2年間たった後のデータとかは当然比較されているのですか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 先ほど申しましたのが、安定性モニタリングと我々は呼んでおりますが、そういったもので確認しております。ただし、現在のガイドラインに照らし合わせますと、サンプリングポイントといったところが十分でないために、改めて、一変の際には、ガイドラインに準拠してデータをとって参ると考えております。

○岡田委員 ベニロンで抗補体活性否定試験という試験があるのですけれども、補体を活性化させる、結構いろいろな条件で変わると思うのですけれども、これは例えば経時的に見ても特に変化がないものでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 それも確認しておりまして、安定性、モニタリングの期間の中で、そこでは規格の中に入っていると確認しております。

○岡田委員 確認されているのですね。わかりました。

○田野崎委員長 山口委員。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 ありがとうございます。

○山口委員 3点ほど最初に確認させてください。

 先ほど事務局のほうから説明していただいた内容のことで、製造工程におけるウイルス不活に関しては安全性を確認したという話になっているのですけれども、これはPMDAと相談された上で、多分やられるのは、複数のモデルウイルスを使った試験はちゃんと実施したという理解でよろしいですか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 試験結果につきましては、PMDAのほうで確認していただきまして、それで内容について御了解いただいております。

○山口委員 ありがとうございます。

 それで、先ほど他社の製品を使ったということで、副作用については前回の委員会でも質問させていただいたのですけれども、エンドユーザーから有効性に関してクレームとかはなかったという理解でよろしいですか。

○近藤課長補佐 有効性に関してクレームのようなものは、主治医などに確認しましたけれども、今のところ聞かれておりません。

○山口委員 はい。

 もう一つ、他社の製品も逼迫しているということなので、他社の製品の中で特に献血ヴェノグロブリンIHなどは非常にレアな疾患にたくさん効能があるので、この様な製品が逼迫すると、これに対する代替品はないわけですね。要するに、献血ベニロンに対して代替を超法規的に認めている。だけれども、こっちのものが逼迫したときに、ほかのものでは代替は絶対できないことに当然のことながらなりますね。

○近藤課長補佐 そうです。代替製品の代替ができない。

○山口委員 ですから、こちらの製品は逼迫させてはいけないという結論にせざるを得ないだろうなという気がするのです。

 ここからが意見ですけれども、先ほど説明していただいたように、今の製法でウイルス安全性に関して言えば、多分それほど大きな問題はないだろうと理解しております。エンドユーザーの立場からは、他社の製品で使用していただくのか、本来であれば有効性を持っている製品で、代替でなしに、安全性の観点からは超法規的に使えるという話にできるのであれば、そのほうがむしろ望ましいのかなと思います。これだけほかの製品が逼迫する状況の中においては、このベニロンについてウイルス安全性が確認できたものについて、一変の前ではあるのだけれども、それはやむを得ないかなと私は思います。

○田野崎委員長 大平委員。

○大平委員 逼迫した状況について、供給するかしないかということについては、1つは、今までの化血研の倫理観とか、今までの回答の中の整合性がきちんとしているのかどうかということが問われる問題ではないかと思っています。

 先ほど岡田委員からの御質問の中で、いろいろな添加剤について、10年前と全然変わっていないとなっております。前の委員会でも微妙にいろいろ変化があることとか調製しているということをおっしゃった記憶があるのですけれども、そういうところも10年間はずっとそれが変わらなかったということの確認でよろしいのでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 献血ベニロン-Iについてということでお答えさせていただきますけれども、献血ベニロン-Iにつきましては、先ほど申しましたように1995年の記録以後、添加剤については一貫しているということを確認しております。

○大平委員 事務局のほうにお尋ねしたいのですけれども、資料1-2の2ページから書かれている安全性確認の状況というのは、最終的には、ヘパリンの安全性についての確認ということですが、それでもウイルス不活化の問題、それからその他の製造方法の変更が安全性に影響を与える可能性は低いと考えるということの確認によるものなのか、教えていただけますでしょうか。

○近藤課長補佐 

 添加されているヘパリンの安全性に関しては、厚生労働省で確認しています。ヘパリンの量がどのぐらい残っているかというのは、国衛研のほうで検査されております。もちろん、化血研のほうでも幾つか検査されていますけれども、それを国衛研のほうでも再チェックしているということです。

 次のウイルス不活化・除去に関してですが、これに関しては、化血研のほうの自社の中で検査した結果を厚生労働省で確認し、問題ないと考えております。

 あと、その他の製造方法の変更が安全性に影響を与える可能性は低いというところですけれども、これに関しては、今まで同じ製法で、同じ添加剤のもので、特にほかの免疫グロブリン製剤に比べて、ベニロンに限って副作用が多いとか、特異的な反応が見られたということはなかったので、そういった点で安全性に影響を与える可能性は低いと考えております。

○田野崎委員長 よろしいですか。

○大平委員 そうしますと、積極的に対応していただくということがあると思うのですけれども、ほかの代替品に移ったときの、そこからまた供給が始まった段階で使うものがもとに戻ったとき、それから戻らないときがあると思います。戻らない患者については、代替品をずっと使い続けることになるのですけれども、その代替品の副作用被害救済の問題も含めて、それがずっと継承されていくのでしょうか。それとも、それはどこかの時点で打ち切られるかどうか。そこまでは。

○金子需給専門官 6月に保険局から発出した通知では、献血ベニロンの出荷が再開されまして、安定供給がなされるまでの間の措置という書き方をしておりまして、では、具体的に安全供給がなされる時点とはどの時点なのかというのは、今、保険局や関係局と相談しているところですけれども、救済制度のほうの話も医療保険上の話とセットで動いておりますので、安全供給がなされた時点で一般的には救済制度の今の例外的な措置も解除されるのかなと考えます。ただ、どの時点で実施するかというのは、引き続き、関係局などと相談しようと考えております。

○田野崎委員長 ちなみに、この代替品の保険適用拡大が今後されるのかどうかについては、何か情報とかはあるのでしょうか。

○武井課長 当面の間、安定供給をされるまでという形で通知に書かれておりますので、原則は暫定的な措置ということになると思います。ですので、恒久的になるかどうかというのは、今後、医療課とも相談してまいりますけれども、安定供給が達成された時点で通常はもとに戻るというのが一般的かと思います。全体的な進捗を踏まえながら、今後相談させていただきたいと思います。

○田野崎委員長 花井委員。

○花井委員 このままだとグロブリンの安定供給が損なわれるという状況であので、先ほど議論があったのですけれども、代替品固有の疾病適応があるので、そこに影響して何が出てくるかわからないということですけれども、事実上、そこを優先供給するという施策は不可能ですね。病院からオーダーがあって、これはどの患者に使うためですかみたいな対応はしないわけですね。ということは、特に代替品の出荷について、その代替品しかない疾病について特段の対応をするということは事実上できないという理解でよいのですか。

○近藤課長補佐 はい。

○花井委員 ですね。ということは、ちょっと余裕を見てするしかないと承知するわけです。

 安全面に問題ないという話ですが、素人っぽい質問で恐縮ですけれども、バイクロットのときはロットを結構限定したりしていますね。これを見る限りロットが結構多い、えらい種類のロットがあるなと思って見ていたのですが、このフロー図の中で2つあって、1つはヘパリンを加えて、脱PPSBで素通りの分と脱クリオから来ているものが混ざっているという説明になっていますが、この混合比率はもともとのプール自体は全部一緒なのですね。

 ロットが違うと混合比率が変わったり、それから違うプールで、つまりロットの違いというのは何なのでしょうか。素人的には、ロットというのは1杯の原料でつくったものは同ロットになるのかなと簡単に理解していたのですが、これだけロットが多いということは、どういう区別でロットが変わるのか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 まず、ロットにつきましては、複数ロットがありますけれども、これらのロットの中で共通点としましては、このフロー図の中で全てのロットにおきまして、ベニロンはグロブリンとアルブミンを最終的に混ぜてつくりますけれども、グロブリンの話をまずさせていただきます。

 グロブリンのつくり方につきまして、全てのロットで共通する点は、全てヘパリンナトリウムを添加して、陰イオン交換クロマトグラフィーを素通りさせたものからつくっているということでございます。これはなぜかといいますと、こういったフローの中でのアルコール分画においてウイルス安全性を確認できているから、このルートを通ったものしかロットを構成していませんということでございます。ですので、このフロー図でいけば、ヘパリンナトリウムを添加したフローのものしか、実際は今後もつくりませんし、今回、再出荷するものもこのフローでしか行っていないということでございます。

○花井委員 済みません、すごい素人でわからないのですけれども、そうなると、このフロー図のクリオ上清から左側に流れてくる分が免疫グロブリンとアルブミンの頭につながっている部分は要らなくなりませんか。つまり、ロットによっては、陰イオン交換クロマトグラフィーでPPSB画分を取ったものと、それから、そこを通さずに。

○岡田委員 まるきり取っていないものは加わっていない。

○花井委員 加わっていないものですね。それによってロットが変わる。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 補足させていただきます。

 つくり方としては、これまでは4つの経路のつくり方がございましたけれども、現在、再出荷としての対象としている在庫につきましては、全てヘパリンナトリウムを添加して、陰イオンクロマトグラフィーを素通りさせた工程のものしか在庫としてないということでございます。

○花井委員 ヘパリンクロマトグラフィーも通過している。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 ヘパリンクロマトグラフィーにつきましては、通過したものと通過していないものの2つございます。こちらのほうは、先ほど申しましたようにヘパリンを入れるという話ではなくて、ヘパリン結合したものからATIIIを除く工程で、こちらのほうで通過させたものは、この工程でATIIIは除かれる。通過させていないものにつきましては、その後の免疫グロブリンをつくるときのアルコール分画で免疫グロブリンではない画分のほうに除かれる形になりますので、ヘパリンクロマトグラフィーを通す、通さないというのは、ATIIIがどこで除かれるかだけの話でございます。

 免疫グロブリンにした後で、再度、除去膜とか、そういったウイルス不活化工程をやりますので、そちらのほうにつきましては、ヘパリンクロマトグラフィーを通す、通さないについて影響を及ぼさないという形で考えております。今、出荷待ちの在庫になっているものにつきましては、ヘパリンクロマトグラフィーは通す、通さないというもののロットがちょっと混ざっているということでございます。

 ただし、今後はそういった複合のつくり方というものは、管理上も考え上もちょっと複雑になってきますので、今後はヘパリンナトリウムを添加し、陰イオンクロマトグラフィーも実施しますし、ATIIIを取る、取らずにかかわらず、ヘパリンクロマトグラフィーも素通りさせたもの。この一つのルートでつくっていくという形で、これは新規製造という形で呼ばせていただいております。

 次のロット構成の話でございますが、免疫グロブリンと書いております画分で、免疫グロブリンの沈殿物として精製して、それを一旦保管します。それを幾つか、複数バッチを集めて、そこから献血ベニロン-Iをつくるということになります。ですので、まとめて献血ベニロン-Iをつくったものが1ロットという形で我々は呼んでおります。

○花井委員 なるほど、わかりました。

 ということは、具体的にはヘパリンクロマトグラフィーが通っているか、通っていないかというのはあるけれども、それによって、前回のようにどっちが優先とか、どっちがスペックとして何だという問題は生じていないという理解ですね。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 はい。

○花井委員 わかりました。

 とすると、どのロットでもいいということになるわけですが、さっき安全の確認でPMDAが確認したということなので、ウイルスの除去についても新たにモデルか何かを充塡して、10の9乗ということだったら億単位の、どういう技術かわからないですけれども、段階を経て評価している。その評価した結果をPMDAが確認して、これは妥当だろうとなっているということですね。

 そうすると、現実的には、私もこれは速やかに在庫を枯渇しないように対応するべきと思います。ただ、整理として、これは承認されたものであって、承認されたものがちょっと問題があったということで、それは一応安全上、問題ないという責任はPMDAはそういうレコメンドをしてくれたということなのでしょうか。それを聞いて、PMDAのレコメンド、評価が妥当だと二重に判断し、今、ここに御報告いただいている。僕らもその説明を聞いて、PMDAが確かめたし、本省の担当がそれを妥当だろうと判断し、決裁とともにここに出された。それぞれのポジションでは確認責任をとっているという理解でよろしいでしょうか。それがないと、ここではいと言うのは整理としてつらいので、そこだけ。

 さっき安定性の問題が出ていましたね。有効期間が2年である。2年間は大丈夫だと。それは、承認では2年以内に使ってくれと添付文書に書いてあるのですね。そうすると、そのスペックについては、ほかにいろいろあって再評価しなければいけないところがあるけれども、安全性とウイルス除去については、当初承認したときに安全だというお墨つきは生きていると評価している。イコールとは言わないですけれども、ある種同等の安全性がある、妥当だという評価がされたということが明言されたかどうかをもう一度確認です。

○日下部課長補佐 監視指導・麻薬対策課です。

PMDAの審査部になると思いますけれども、得られる情報の範囲で判断するしかありませんので、改変した製造工程について、化血研から提出されるデータを元に、ウイルス安全性の評価をしていただいている。それを厚生労働省が受けて、出荷の必要性とか、そういう観点をどうするか、在庫の観点とか、総合的に見て、厚生労働省としてこういう形で御提案させていただいたという流れになっております。

○花井委員 わかりました。それなら、ショーテージするリスクのほうがはるかに大きいと思いますので、速やかに出荷すべきだと思います。

○田野崎委員長 はい。

○山口委員 今の点について、もしそれが十分なデータがあるのであれば一変承認が認められることになるので、一変承認のデータは、先ほどのお話を聞いていてもまだ整っていないという理解ですね。僕はそういうふうに理解しています。先ほどの安定性試験のデータも、普通だったら3ロット、リアルタイムで実条件でちゃんとした試験がなされていなければならないのに、そのデータは今、ございませんという話でした。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 そういうことでございます。現在のガイドラインに準拠した形でのパートのデータがないということでございます。

○山口委員 そのほかいろいろ不足しているデータがあるのかもしれないのでは。ただし、少なくともウイルス安全性に関して、あるいはヘパリンに関しては見ていただいたものという理解を僕はしていて、そういう意味では、ショーテージを起こすよりも、正直言って最低限の安全性は確保できているだろうという意味で承認せざるを得ないなと思っています。

○花井委員 くどいのですけれども、ガイドラインとの乖離というのは、素人にもわかるように。今、ちらっとお話が出たのですが、どの程度の乖離と一般の患者は理解したらいいですか。それはここで一応言っておいてもらいたい。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 安定性試験のガイドラインと申しますのは、昔の承認時からICHのハーモナイゼーションで要求度が非常にふえまして、特に今回、我々が気にしておりますのはサンプリングポイントです。通常でいきますと、0、3、6、9、12という形で、特に最初の1年間のサンプリングポイントがすごく細かく規定されております。ただ、我々が安定性モニタリングとか、そのほか工程の変更の際に確認したデータでいきますと、1年目までのサンプリングポイントというものが6カ月ごとであったりという形で、ポイントが抜けているということでございます。

 ただし、今回、献血ベニロン-Iの有効期間は2年でございまして、それにつきましては、2年以上、2年半とか3年の形でのデータは確認しております。ということで、ガイドラインに準拠する、しないの重さがどの程度か、我々も申しにくいのですけれども、1年以内のサンプリングポイントの違いということを準拠していないということで理解しております。

○花井委員 わかりました。

 また素人っぽくて済みませんけれども、となれば、ある程度動態がわかるので、推論してカーブがこの辺だろうという推論内ということですね。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 そうです。

○田野崎委員長 大平委員。

○大平委員 ちょっとくどいようですけれども、今回のロットについて、いつから製造のものから始まるのでしょうか。ロットの出荷の対象になるもの。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 済みません、おおむねの時期で回答させていただきますけれども、おおむね半年前になるということでございます。

○大平委員 半年前というと、この問題が出て、いろいろと問題がわかり始めた時期になりますね。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 つくった製造原料も、今回の5月2829日の特別査察の前でございますし、そういった小分けの製品をつくった段階においても、5月2829日にわかる前でございます。わかった以降につくったものではございません。

○大平委員 本来、今日いらっしゃる方たちは製造部門の皆さんが参加されているわけですけれども、コンプライアンスのほうの会社の規則というものは、今回のいろいろな問題も整理されて、新しい出荷してもいいロットについては、それは会社全体としての責任を持って出荷できるという形でよろしいのですか。

○化血研千北常務理事・分画事業部門長 そのとおりで結構でございます。

○田野崎委員長 室井委員、どうぞ。

○室井委員 グロブリンは、臨床の現場では感染等の治療と予防によく使われていますので、欠品するのは極めてまずいと思います。それで、事務局の判断に私、賛成しますけれども、参考資料3を見ると、グロブリン500mgの在庫月数は常に1カ月以上維持しているのですね。ほかの3製剤は確かに1カ月未満になることもあって、ちょっと違うのではないかと見ていたのですが、これも含めて化血研のロットが割合役に立つと判断されたと考えてよろしいのですか。

○金子需給専門官 通常は、3カ月程度は在庫で持っていなければいけない、そういう決まりがあるわけではないですけれども、3カ月程度は持っております。メーカーと販社の在庫が1カ月を切ると、欠品したり、偏在が起こって混乱するような状況になると伺っています。ですので、500mgは1カ月は切っていないのですけれども、1.何カ月と、かなりそれに近いような状況になる月もございますので、今回、医療現場のことを考えまして、最低限必要な、1ロットですけれども、500mgについても出荷したいという考え方になります。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 そういうことで、少し曖昧なところが残ってしまいますが、国家検定をクリアして、ウイルスクリアランスもクリアして、PMDAがある程度確認していて承認していて、今後は新しいものについては1ルートのみの製造工程でやっていくということです。今後、似たような形での承認が出てくることと予想されますが、今回の献血ベニロンについては事務局案のとおり、献血ベニロンの例外的出荷を認めるということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

○田野崎委員長 それでは、皆さん、御了解ということで、事務局におかれましては、本委員会の決議を踏まえて、化血研を指導しながら出荷のタイミングなど、適切な対応を進めるよう調整をお願いいたします。

 また、6月に発出しました通知の取り扱いについて、保険局や代替製品を供給するメーカー等に確認の上、運営委員会に報告してくださいますようお願いします。

 ほかに化血研のほうから出荷いたしましたバイクロットやコンファクト等の状況について、補足説明がありますでしょうか。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 冒頭に金子様より、重篤な副作用はないと報告していただきましたけれども、その詳細につきまして追加で御報告させていただきます。

 1つ目がバイクロットでございます。7月の上市以降、今日まで調査件数52例中、副作用の報告はゼロ件でございます。

 自発例としまして、前回の運営委員会で軽度の1件と御報告しましたけれども、追加で1件上がっております。これは、肝障害の事例が1件上がっております。ただし、本患者様におかれましては、慢性C型肝炎の背景がございまして、医師に確認しましたところ、バイクロットとの因果関係はなしと考えているとコメントをいただいております。

 2つ目が注射用アナクトCでございます。こちらのほうは、7月末の再出荷以来、使用例が追加でございませんので、使用ゼロ件ということでございます。

 コンファクトFにつきましては、9月15日に出荷を行っております。こちらのほう、9月の集計、本日、30日ですけれども、9月の時点で副作用の報告はゼロ件とうちの関係部長のほうから報告が上がっております。

 以上、補足させていただきます。

○田野崎委員長 コンファクトは何件ぐらい出た。副作用がゼロで。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 コンファクトにつきましては、9月15日に再出荷しておりますが、こちらのほうは欠品前より出荷しておりますので、どの時点で再出荷のものが使われたか、使われていないかという切り分けが非常に難しいので、ここの報告までで、今後はトータルでの副作用件数を報告させていただきたいと思います。現時点で9月はゼロ件ということでございます。

○田野崎委員長 どうもありがとうございました。

 それでは、資料1-1に戻って、本日検討された製剤について、委員の先生方から何か御意見ありますでしょうか。お願いします。

○近藤課長補佐 済みません、ベニロンのことで補足で説明させていただきたいのは、先ほど花井委員のほうからヘパリンの入っている混合比率に関して御質問があったと思いますけれども、ベニロンはバイクロットや、コンファクトも同じでしたが、有効成分のほかに、それに安定剤としてアルブミンが入っておりまして、今回、ここに挙げさせていただいたロットに関しては、アルブミン比率が1対3のものと3対1のもののウイルスのクリアランスデータがとれましたので、そのロットに限って出しているということです。実は、ほかの比率のものは出せないということになります。事務局のほうでもう少し前回同様、詳しく説明すべき点でした。申しわけございません。

○田野崎委員長 岡田委員。

○岡田委員 その混合比が変わると、ウイルスの不活化・除去の効率は結果的に変わったのか、変わらなかったのか、どちらでしょう。

○化血研羽室分画事業部門開発部次長 結果的には変わっておりません。

○岡田委員 どうもありがとうございました。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 そうしましたら、事務局におきましては、今の委員の意見を踏まえながら、今後の対応策を検討していただきたいと思います。

 また、化血研製品の流通につきましては、本日の在庫データなどを踏まえて、いわゆる買い占めなどが行われないように、化血研から関係者に対して引き続き御協力をお願いしたいと思います。

 続きまして、先日の第3回運営委員会での御報告がありました第三者委員会の進捗状況につきまして化血研から御説明をお願いします。

○化血研宮本理事長・所長 では、資料2でございます。前回の運営委員会で、今、お話がありましたように第三者委員会を設置するということを御報告申し上げましたけれども、その後の進捗状況について御報告させていただきます。

 資料2の真ん中辺の1のところに、第三者委員会委員の追加ということを書いておりますけれども、これは前回の運営委員会におきまして、査察側の立場からPMDAOBの方を追加したらどうかという御意見をいただきました。その意見を受けまして、元PMDAでいらっしゃいました清原孝雄様に御就任をお願いいたしました。

 それから、9月9日に第三者委員会、このときはまだ5名の委員の方でございましたけれども、第1回の委員会が開催されまして、委員長に吉戒様、副委員長に木下様が選任されたという連絡を受けております。先ほど申しました清原様につきましては、第三者委員会の委員就任の承諾を得て、委員として追加されたということの連絡も受けております。

 したがいまして、前回は5名の委員の方を紹介いたしましたけれども、新たに1名追加されまして委員が6名となりました。下に書いておりますように、委員長は先ほど申しました吉戒様、副委員長が木下様。

 次のページになりますが、委員として前回の3人の方に清原様を加えて、委員4名、合わせて6名の委員の方で進めていただくことになります。

 その次に、今後のスケジュールにつきましては、次のページの資料2の別紙、これは第三者委員会のほうで作成されたものですけれども、スケジュール表を添付しております。

 これによりますと、先ほど申しましたように、第1回の委員会が9月9日に開催されて、正副委員長が選任されて調査方法の確認がなされました。その後、五十数名を対象とした現地ヒアリングが実施されまして、また外部コンサルタント会社による調査も実施されております。

 この後は、これもスケジュールに書いてありますように、第2回の委員会で調査結果の検討、追加調査の検討、それから報告書骨子の検討などが予定されております。その結果を受けて、さらに追加調査が行われることがあると考えております。

 最終的な報告書の提出は、このスケジュールによりますと11月中旬が予定されております。

 御報告は以上でございますけれども、この内容につきましては、私どもの弊所のホームページでも情報提供する予定でおります。

 以上でございます。

○田野崎委員長 ありがとうございました。

 それでは、委員の先生方から御意見等ありましたら、よろしくお願いいたします。

 岡田委員、どうぞ。

○岡田委員 コンサルティング会社による調査と書いてありますけれども、これは具体的には何を調査するのでしょか。

○化血研宮本理事長・所長 外部コンサルタントと言いますのは、特に信頼性保証関係が今回の問題でございますので、それに関連した資料調査を行ってもらっております。

○岡田委員 実際の製造工程の記録とか、そういうことですか。

○化血研宮本理事長・所長 そうです。

○田野崎委員長 ほかの委員の先生方。はい。

○山口委員 今、コンサルティング会社によって資料調査ということを御報告いただいたのですけれども、第三者委員会は主としてヒアリングでしょうか。それとも、資料調査もやられるのでしょうか。特に前回、私がちょっと述べましたのも、先ほどお話がありましたように、15年以上も前からやっているという話と、この間でもいろいろ変わってきている状況があるように思うのです。例えばナノフィルトレーションなどを入れられたのは、多分つい最近ですね。だからこのような事例も含め、この間、いろいろ変わってきてしまっているという点、きちんと調査してほしいと思っております。

 その辺について、製造現場を知っている方にということで、今回、清原さんに行っていただいているので、これは非常にいいことだなと思っております。第三者委員会にこういった意見を言うというのは難しいでしょうけれども、そういう協力をしていただければと思います。

○化血研宮本理事長・所長 今、先生がおっしゃった趣旨で進めさせていただいております。

TMI、弁護士会社ですけれども、ヒアリングは弁護士の方が行われ、書類調査はコンサルタント会社のほうでほとんど全てを調査されて、それを委員会のほうに提出されることになっております。

○田野崎委員長 私のほうからあれですが、1つは、今までここでいろいろ議論してきたことは、どういう形でこの第三者委員会のほうに伝わるのかということが1つと。

 それから、今までもちょっと話にありました内部報告書に関しまして、それはどの時点で私たちが確認、見させていただけるのかどうかということについてはいかがでしょうか。

○化血研宮本理事長・所長 今の御質問は、この運営委員会での議論が第三者委員会のほうに行っているかということ。

○田野崎委員長 1つはそうです。

○化血研宮本理事長・所長 議事録が出ますので、それについては全て行っております。この委員会での記録、それから先ほどおっしゃいました内部調査の記録についても、第三者委員会のほうに行っております。

○田野崎委員長 室井委員。

○室井委員 事前に行われた内部調査のヒアリングは、該当者は何人ぐらいだったのでしょうか。

○化血研宮本理事長・所長 内部調査のほうは、25名でございました。

○室井委員 今回は倍になりますね。

○化血研宮本理事長・所長 今回は五十数名ですので、倍です。前回は、内部調査のときは、血漿分画製剤の製造問題に特化して、それを担当した製造部門のメンバーがヒアリング対象だったのですけれども、今回の第三者委員会では、それに加えまして信頼性保証部門にかかわった者、あるいは化血研全体という観点からメンバーをふやしておりますので、倍以上のメンバーになっております。

○室井委員 これは、ヒアリングを受ける方の受ける、受けないは任意ですか。

○化血研宮本理事長・所長 向こうから指定されまして、そのメンバーがヒアリングを受けることになります。

○室井委員 ヒアリングを示された従業員に関しては、自発的に全員が受けると考えてよろしいのですか。

○化血研宮本理事長・所長 それについては、拒否できませんので。

○田野崎委員長 済みません、先ほどの内部報告書の取り扱いに関しましては、どういうふうになるかというのは御説明いただけますか。

○化血研宮本理事長・所長 前回の委員会では、第三者委員会の報告を待つということであったかと思いますけれども、私どもとしては、内部調査報告書について、前回、非公開でという話も出たかもしれませんけれども、それについて、あえて拒む理由はございません。

○武井課長 今、お話がございましたように、委員の先生方には、クローズという条件ながら見ていただいて、その意見を第三者委員会にお伝えするということも非常に重要かと思います。そうした機会を事務局のほうで調整しまして、また先生たちにお伝えして見ていただきたいと考えております。また、意見を取りまとめて、こういう点についてはしっかり最終報告書で書いていただきたいという点についても、第3者委員会へお伝えする必要があると思います。

○田野崎委員長 あとは、このスケジュールによりますと、第三者委員会での報告が初めて私たちのこの委員会に入ってくるのが11月中旬ということになると思うのですが、例えば最終的にそこでこちらで確認させていただいて、まだ少し足りないのではないかとか、そういう御意見を反映させていくということは、この中では可能なのでしょうか。

○化血研宮本理事長・所長 第三者委員会について、私どもが口出す筋合いではございませんけれども、そういう御要望があれば、このスケジュールは出ておりますけれども、前回も御説明がありましたけれども、ガイドラインの中で、第三者委員会は公的機関と適切なコミュニケーションを行うことができるということが記載されておりますので、この運営委員会も公的なものでございますので、そういう範疇で捉えることができると思います。

○田野崎委員長 それに関しましては、事務局のほうでは何か。

○武井課長 事務局としましても、前回の委員会で議論になりました企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインというものが出ておりますので、このガイドラインに基づいて、しっかりコミュニケーションを図っていきたいと考えているところです。

 なお、先ほども御案内しましたように、内部評価報告書を見ていただくタイミングとか、そういった機会も使いながら、どういったところが重要かということを第三者委員会に伝えていくということもあろうかと思いますので、今後、委員の皆様とは密接に連携しながら、きちんと伝えるべきことを第三者委員会に伝えていくということでコミュニケーションを図っていきたいと考えております。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 ほかに何か御意見ございましたら。はい。

○岡田委員 実は、前回の会議に出席できなかったので、前回、どういう議論がされたのかというお話を聞いたときに、前から気になっていたのですけれども、PMDAが行うGMP査察で、こういう製造工程が変更されたというのが気づかれなかったというのが前から疑問だったのですけれども、それに関して、気づかれないような操作がされていたのではないかという話を聞いたのですけれども、それが本当だったのかどうかをここでぜひ明らかにしてほしいのです。

○化血研宮本理事長・所長 前回も申しましたけれども、製造記録として、製造の実態に沿った記録と承認書に沿った記録、2つの記録が存在したということがございました。それで、査察に対して適切な対応がとれていなかったということでございます。

○岡田委員 実際、PMDAが査察に入るときには、どのロットを精査するかわからないということは、全てのロットにそういう2つの書類をつくっていたということでしょうか。

○化血研宮本理事長・所長 そうです。

○田野崎委員長 これに関しましては、これから第三者委員会で確認してということで、そういうことが明らかになっていくことが予想されますし、もしそういうことが明らかになってこなければ、またそこで意見をお伝えできるような場があると思います。スケジュール的にはそれほど先ではないので、今後の進展を待ちたいと思います。

 はい、大平さん。

○大平委員 今のお話を聞きますと、今、緊急的に出荷する製剤についても、最終的にはPMDAのほうも化血研のデータを信頼して評価しているわけですけれども、そういった面でこれが偽りのないものとして受け取っていいのかどうかというところが、私個人としては疑問に感じているところです。

 それが本当に正直に提供されているのだとしたら、それはそれで緊急的な対処というのは本当に必要性があってということになると思うのですけれども、そこに少し疑念を持ちながらも、今回は患者さんの緊急のことに対しての対処ということで、応じるということになると思うのですけれども、そこをぜひ、言葉はよくないかもしれないですけれども、裏切らないで、適正な形で対処していただきたいなと思っております。

○化血研宮本理事長・所長 今、おっしゃいましたように、私もこうしたことの反省を踏まえて、これを機会に信頼性を確保することで進めていくつもりでございます。

○田野崎委員長 よろしいでしょうか。

 そうしましたら、化血研におかれましては、第三者委員会での調査の状況、調査結果などを引き続き運営委員会に報告いただくとともに、事務局もクローズドでの会議及びフィードバック、中間報告会的なことについて、スケジュールなどを管理していただければと思います。

 本日の議題は全て終了いたしましたが、ほかに御意見などございますか。よろしいでしょうか。

 それでは、事務局に議事を戻したいと思います。

○近藤課長補佐 田野崎委員長、ありがとうございました。

 次回の運営委員会の日程は別途御連絡差し上げたいと思いますが、次回は、議題として、感染症定期報告や日赤からの御報告等を予定しております。化血研の案件に関しては、こうした定例の議題とあわせて議論するのか、もしくは別の日時で開催して議論するのか、今、クローズドでするという話もさせていただきましたが、別途、事務局より委員の方々にも相談させていただきます。

 本日は、委員の皆様、本当にありがとうございました。これにて、「平成27年度第4回血液事業部会運営委員会」を終了いたします。


(了)

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