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2015年7月31日 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会議事録

○日時

平成27年7月31日(金)16:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室


○出席者

出席委員(17名)五十音順

◎五十嵐   隆、 石 井 則 久、 薄 井 紀 子、 遠 藤 一 司、
 生 出 泉太郎、○大 野 泰 雄、 國 頭 英 夫、 小 松 康 宏、
 斎 藤   充、 戸 部 依 子、 新 見 伸 吾、 林  邦 彦、
 日 野 治 子、 槇 田 浩 史、 三 宅 良 彦、 村 島 温 子、
 望 月 眞 弓
(注)◎部会長 ○部会長代理

欠席委員(6名)五十音順

今 村 定 臣、 柿 崎   暁、 金 澤   實、 倉 根 一 郎、
三 村   將、 矢 野   哲

行政機関出席者

成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
宇 津   忍 (安全対策課長)
上 野 清 美 (安全使用推進室長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
 他

○議事

○事務局 定刻になりましたので、「平成27年度第1回医薬品等安全対策部会」を開催いたします。本日は、御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほどをお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」、「部会長及び部会長の命をうけた事務局職員の指示にしたがうこと」など留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日の会議の出欠状況ですが、今村委員、柿崎委員、金澤委員、倉根委員、三村委員、矢野委員より欠席の御連絡があり、現在、17名の委員に御出席いただいております。本部会の定員は23名ですので、定足数に達していることを御報告いたします。これ以降は議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事進行は、五十嵐部会長にお願いいたします。よろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。早速ですが、議事に入りたいと思います。初めに事務局から本日の配布資料の確認をお願いします。

○事務局 本日の配布資料です。山の方ですが、一番上に本日の座席表、本部会の委員名簿、議事次第です。議事次第を1枚めくっていただいて3ページに配布資料一覧があります。これを見ながらその下の資料を確認していただければと思います。

 議題1の資料として、資料1の横表ですが、製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について、資料1-1がメキタジン(高用量)のリスク区分について、資料1-2がエピナスチン塩酸塩のリスク区分について、資料1-3がイブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物のリスク区分について、資料1-4がペミロラストカリウムのリスク区分について、資料1-5がリスク区分に係るパブリックコメントで寄せられた意見、参考資料1-1が一般医薬品のリスク区分の変更手順について、参考資料1-2が一般用医薬品のリスク区分です。

 議題2の資料ですが、資料2-1-1が平成26年度の安全対策について(まとめ)、資料2-1-2の横表が過去5年間の副作用報告の公表状況、資料2-1-3が死亡症例の公表状況(A評価:因果関係が否定できないもの)、資料2-1-4が死亡症例の公表状況(公表しているもの全て)、資料2-2が医薬品等の使用上の注意の改訂について、資料2-3がワクチンの安全性に関する評価についてです。

 議題3の資料ですが、資料3-1が医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用等報告について、資料3-2が国内副作用報告の状況(医療用医薬品)、参考資料3が薬効分類表、資料3-3が国内副作用報告の状況(要指導医薬品)、資料3-4が国内副作用報告の状況(一般用医薬品)、資料3-5が国内副作用報告の状況(医薬部外品)、資料3-6が国内副作用報告の状況(化粧品)、資料3-7が国内感染症報告の状況、資料3-8が外国での新たな措置の報告状況、資料3-9が研究報告の報告状況、資料3-10が医薬関係者からの副作用報告の状況(機構調査分)、資料3-11が医薬関係者からの副反応報告の状況(機構調査分)、資料3-12が国内副作用報告の状況(副作用救済給付の請求に基づくもの)です。

 議題4の資料ですが、資料4-1が感染症定期報告感染症別文献一覧表、資料4-2が感染症定期報告の報告状況です。議題5の資料ですが、資料5-1が医薬品・医療機器等の回収報告の状況について、資料5-2が平成26年度医薬品等自主回収一覧です。議題6の資料ですが、資料6が市販直後等安全性情報収集事業(定点観測事業)報告書です。

 あと山以外の所ですが、当日配布資料として「薬事・食品衛生審議会薬事分科会における審議参加の取扱い等について」という厚生労働省のプレスリリースの資料があります。資料としては以上です。漏れ・落丁等がありましたら、お申し出ください。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。不足等はありませんか。大丈夫ですか。では、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、御説明をお願いいたします。

○事務局 議事参加につきまして御報告いたします。本日御出席をいただいた委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄付金・契約金などの受取状況を御報告いたします。

 本日の議題1に関して、競合品目、競合企業については、事前に各委員にお手元の資料をお送りして確認をいただいておりますが、申告の結果、薄井委員より、ノバルティスファーマ株式会社、サノフィ株式会社、エーザイ株式会社から50万円以下の受取。遠藤委員より、エーザイ株式会社から50万円以下の受取。國頭委員より、サノフィ株式会社から50万円以下の受取。齋藤委員より、久光製薬株式会社から50万円以下、エーザイ株式会社から50万円超500万円以下の受取。林委員より、興和株式会社から50万円以下の受取。日野委員より、サノフィ株式会社から50万円以下の受取。三宅委員より、ノバルティスファーマ株式会社、サノフィ株式会社、エーザイ株式会社、田辺三菱株式会社から50万円以下の受取。村島委員より、エーザイ株式会社から50万円以下、田辺三菱株式会社から50万円超500万円以下の受取。望月委員より、佐藤製薬株式会社、田辺三菱株式会社から50万円以下の受取と申告を頂いたほかは、受取の申告はございませんでした。このため、全ての委員が審議に参加できることを御報告いたします。

 ただし、齋藤委員におかれましてはエピナスチン塩酸塩のリスク区分を審議する間、村島委員におかれましてはペミロラストカリウムのリスク区分について審議する間、出席し、意見を述べることはできますが、議決には加われないこととなります。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。

 また、本日の部会にあわせて、審議参加に関する遵守事項について1点御報告申し上げます。本日配布資料を御覧ください。カラーのプレスリリースです。今般、顧問就任や申告誤りにつきまして確認させていただきました。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御協力をいただきまして、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 結果でございますが、審議参加規程に沿った対応が行われていなかったことが判明し、厚生労働省では6月5日及び19日に公表を行っております。これに関しましては3点御報告申し上げます。

 1点目ですが、薬事に関する企業の顧問等への就任の事実が判明しております。この委員の方々には薬事分科会規程により辞任いただいております。

 2点目ですが、寄付金・契約金等の申告誤りにより、本来参加できない議決に参加した事実及び寄付金・契約金等の50万円以下の受領について、過少申告であったという事実が判明しております。当部会では、柿崎委員が該当しております。柿崎委員は本日御欠席ですが、この件につきまして柿崎委員から当部会に対して、お詫びを預かっておりますので御報告いたします。「大塚製薬株式会社から受けた寄付金の年度を1年勘違いしており、50万円以下の申告を越えておりました。単純な計算ミスでお詫びして訂正いたします。関係各位には大変御迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます」とのことです。

 最後に3点目の報告ですが、今後の対応として、同様の事案の発生を防止するため、企業の顧問等に就任した際の辞任、申告対象年度、家族の受領分も申告することなどの規程の重要事項を、会議開催の事前確認の度に、最後のページにありますチェック表を委員の皆様に送付させていただきます。具体例などを挙げて御理解がいただけるようにしておりますので、自己点検に御活用いただきたいと考えております。

 こうした事例が発生した原因として、事務局による規程の内容の周知徹底や委員就任時の確認が不十分であったことも一因であると考えており、審議会の事務局として至らなかったことを深くお詫び申し上げます。

 委員の皆様におかれましては、この機会に改めて規程を御認識いただきますとともに、今後とも規程の遵守に御協力いただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 審議参加に関する遵守事項につきましての説明は以上のとおりです。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただいま事務局から説明がありました審議参加に関する遵守事項につきましては、皆さん、よろしいでしょうか。特に御意見はありますか。

 それでは、競合品目、競合企業の妥当性を含めて了解をこの場で頂いたということにしたいと思います。では、議題1の「一般用医薬品のリスク区分について」の審議に入りたいと思います。個別成分の審議の前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について、事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 議題1の「一般用医薬品のリスク区分について」、事務局より御説明させていただきます。資料1を御覧ください。現在、第1類医薬品であるメキタジン、エピナスチン塩酸塩、イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物、ペミロラストカリウムについて、それぞれ製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分の変更の御検討をお願いするものです。

 「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」御説明させていただきます。参考資料1-1を御覧ください。一般用医薬品のリスク区分の変更等については、3に記載されていますとおり、安全対策調査会において、必要に応じ、関係学会等の有識者等の意見を聴取し、事前整理をした上で、その結果とパブリックコメントの結果を踏まえ、安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るものとされています。

 次に、「一般用医薬品のリスク区分」について御説明いたします。参考資料1-2を御覧ください。第1類医薬品は、「その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの」及び「新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの」とされており、薬剤師により販売され、患者の年齢、ほかの医薬品の使用状況等について確認した上で、情報提供を行う義務があります。

 第2類医薬品については、「その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、厚生労働大臣が指定するもの」とされています。薬剤師若しくは登録販売者により販売され、情報提供については努力義務という規定になっています。第2類医薬品のうち、特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、「指定第2類医薬品」とされており、情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する。また、指定第2類医薬品を購入等する場合は、当該指定第2類医薬品の禁忌を確認すること及び当該指定第2類医薬品の使用について薬剤師又は登録販売者に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置を取ることとされています。

 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。

 資料1にあります4成分につきましては、現在、第1類医薬品のうち、「新一般用医薬品として承認を受けてから、厚生労働省令で定める期間を経過しないもの」であり、経過期間後のリスク区分について御審議をお願いするものです。なお、5月29日に開催された安全対策調査会で検討され、その後、資料1-5にありますようにパブリックコメントを実施しています。以上です。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。それでは、初めにメキタジンから審議を始めたいと思います。御説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-1を御覧ください。メキタジンは、販売名がストナリニ・ガード、効能・効果が「花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和:くしゃみ、鼻水、鼻づまり」の鼻炎用内服薬として承認されています。なお、4mg/日のメキタジンが既に第2類医薬品として販売されており、本日は6mg/日のメキタジンが審議の対象です。

 本剤の製造販売後調査については、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査で、調査症例数は3,144例、このうち報告された副作用が94139件、副作用発現率は3.0%でした。内訳は、「傾眠」77件、「口渇」39件などでした。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用報告はありませんでした。いずれの調査においても重篤と判断されたものはありませんでした。

 1ページの下を御覧ください。安全対策調査会での審議の概要を御説明させていただきます。調査会においては、これらの製造販売後調査の結果を踏まえ、耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行いました。既にメキタジン(mg/)を成分とする一般用医薬品が第2類医薬品として流通していること、医療用医薬品及び他の鼻炎用内服薬と比較しても特記すべき点は認められず、重篤な副作用がなかったことを踏まえ、メキタジン(mg/)は第2類医薬品へ分類することが適当であるとされました。

 資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に対しまして御意見、御質問等はございますか。よろしいですか。特にございませんか。それでは議決を取りたいと思います。このメキタジンにつきましては、第2類の医薬品にすることでよろしいでしょうか。

 御異議なしということで、そのようにさせていただきたいと思います。続きまして、エピナスチン塩酸塩の審議に入りたいと思います。事務局から説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-2を御覧ください。エピナスチン塩酸塩は、販売名がアレジオン10、効能・効果が「花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ」の鼻炎用内服薬として承認されています。本剤の製造販売後調査については、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査で、調査症例数は3,211例、このうち報告された副作用は114135件、副作用発現率は3.55%でした。内訳は、「眠気」43件、「口渇」39件などでした。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用報告が264416件寄せられており、その内容は、「頭痛」32件、「吐き気」28件などでした。これらの一般調査におきまして重篤と判断されたものが2例2件ありました。1例は「てんかん様発作」、もう1例は「肺炎」でした。4ページに記載していますが、「てんかん様発作」については使用者の家族からの電話連絡による情報のみであり、「肺炎」につきましても電話連絡による情報のみで、いずれも詳細情報が不明でした。

 1ページの下を御覧ください。安全対策調査会での審議概要を御説明させていただきます。調査会においては、これらの製造販売後調査の結果を踏まえ、耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行いました。類似成分を含有する一般用医薬品が第2類医薬品として流通していること、医療用医薬品及び一般用医薬品の他の鼻炎用内服薬と比較して特記すべき点は認められないことを踏まえ、第2類医薬品へ分類することが適当であるとされました。

 資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に対しまして御意見、御質問はございますか。特にございませんか。それでは、これにつきましても議決を取りたいと思います。エピナスチン塩酸塩につきましては、第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 御異議なしということで、このようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。続きまして、イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物の審議に移りたいと思います。事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-3を御覧ください。イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物は、販売名がエルペインコーワ、効能・効果が「生理痛」の鎮痛薬として承認されています。本剤の製造販売後調査については、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査で、調査症例数は3,300例、このうち報告された副作用は1318件、副作用発現率は0.4%でした。内訳は、「便秘」3件、「浮動性めまい」2件などでした。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用が1625件寄せられており、その内容は「浮動性めまい」3件、「悪心」3件などでした。いずれの調査におきましても重篤と判断されたものはありませんでした。

 1ページの下を御覧ください。安全対策調査会での審議の概要を御説明させていただきます。調査会においては、これらの製造販売後調査の結果を踏まえ、イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物については産婦人科の専門家の参加の下で審議を行いました。既にイブプロフェンを成分とする一般用医薬品が指定第2類医薬品、ブチルスコポラミン臭化物を成分とする一般用医薬品が第2類医薬品として流通していること、重篤な副作用がなく特記すべき点は認められないことを踏まえ、イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物は指定第2類医薬品へ分類することが適当であるとされました。

 資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございます。ただいまの事務局の御説明に対しまして御意見、御質問等はございますか。

○生出委員 薬剤師会の生出でございます。資料1-5のパブリックコメントで意見を出したところですが、資料1-313ページを開いていただくと、エルペインコーワの使用上の注意で、「してはいけないこと」の1.次の人は服用しないでくださいの()に「次の診断を受けた人。緑内障」と書いています。ところが、名前を出していいかどうか分かりませんけれども、ブスコパンAの一般用医薬品の方は、「次の人は服用前に医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」として緑内障とか心臓病が載っています。これは将来的にはどちらかというか、ブチルスコポラミンの方を直すことなのかもしれませんが、将来的に整合性を取った方がよろしいのではないかと思って、パブコメを出させていただきました。

○五十嵐部会長 いかがですか。

○事務局 エルペインコーワが「してはいけないこと」に「次の診断を受けた人。緑内障」と記載されている経緯について御説明させていただきます。御指摘いただきましたとおり、エルペインコーワに関しては、「してはいけないこと」の所に緑内障、単剤のブチルスコポラミン製剤については「相談すること」に記載があります。ブチルスコポラミンの方が記載要領に従っており、エルペインコーワも承認申請時には緑内障を「相談すること」に記載されていました。薬事・食品衛生審議会一般用医薬品部会において委員の先生より、緑内障の症状の具合等により、使用の可否が変わるものではないということから、禁忌になるのではないかという御意見があり、「してはいけないこと」に記載することにより、より厳格に注意喚起を行うことになったという経緯があります。

○五十嵐部会長 よろしいですか。そのほか、ございませんか。それでは議決を取りたいと思います。このイブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物につきましては、指定第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 御異議がないということで、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。それでは、続きましてペミロラストカリウムの審議に移りたいと思います。御説明をお願いいたします。

○事務局 資料1-4を御覧ください。ペミロラストカリウムは、販売名がアレギサール鼻炎、効能・効果が「花粉、ハウスダストなどによる次の症状の緩和:くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」の鼻炎用内服薬として承認されています。本剤の製造販売後調査については、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査で、調査症例数は4,571例、このうち報告された副作用が95126件、副作用発現率は2.08%でした。内訳は、「傾眠」24件、「掻痒症」8件などでした。これらの特別調査において、4ページに記載していますが、重篤と判断されたものが1例1件「腸炎」がありました。重篤な副作用「腸炎」は、本剤投与7日後に発熱等を発現し、入院後、急性腸炎と診断されているもので、その発現状況から本剤との関連性は明確でないとされています。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用報告が6例15件寄せられており、その内容は「嘔吐」2件などでした。これらの一般調査において重篤と判断されたものはありませんでした。

 1ページの下を御覧ください。安全対策調査会での審議の概要を御説明させていただきます。調査会においてはこれらの製造販売後調査の結果を踏まえ、ペミロラストカリウムについては耳鼻咽喉科の専門家の参加の下で審議を行いました。特別調査及び一般調査において医療用医薬品と比較して、特記すべき点は認められないことを踏まえ、第2類医薬品へ分類することが適当であるとされました。

 資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に対しまして、御意見、御質問等はございますか。特にありませんか。それでは議決を取りたいと思います。ペミロラストカリウムにつきましては、第2類の医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 御異議がないということで、そのようにさせていただきたいと思います。ありがとうございました。それでは、今後の事務局の手続につきまして御説明をお願いいたします。

○事務局 御審議いただき、ありがとうございました。本日、御審議いただきました結果に基づきまして、リスク区分の変更に係る告示の改正の手続を進めさせていただきます。どうもありがとうございました。

○五十嵐部会長 ありがとうございました。ここまでの御議論におきまして、何か御意見、御質問等はございますか。よろしいですか。では、議題1はこれで審議を終了したいと思います。続きまして、報告事項に移りたいと思います。議題2につきまして事務局から資料の説明をお願いいたします。

○事務局 それでは議題2「医薬品等の市販後安全対策について」、御説明いたします。資料2-1-1を御覧ください。こちらは「平成26年度の安全対策について」まとめた資料です。1ページで医薬品及び医療機器の副作用等報告数の推移を示しております。副作用等の報告については、医薬品医療機器法第68条の10第1項の規定により、医薬品の副作用による疾病の発生等を知ったときは報告することが義務付けられております。また医師、歯科医師、薬剤師等の医薬関係者についても同法第2項の規定により、医薬品関係者が保健衛生上の危害の発生・拡大を防止するために必要と認めるときは、報告することが義務付けられております。

 この制度に基づき報告された、過去5年間の副作用等の報告数を資料にお示ししております。()の医薬品については、平成26年度の製造販売業者からの副作用報告数は49,198件、感染症報告は78件、研究報告は1,099件、外国措置報告は1,219件、感染症定期報告は1,098件でした。また、医薬関係者からの副作用報告は6,180件です。

 続いて、2「安全対策上の措置数の推移」をお示ししております。医薬品に係る平成26年度の措置ですが、安全性速報(ブルーレター)の配布指示が3件、医薬品・医療機器等安全性情報への情報掲載が30件、使用上の注意の改訂の指示が102件です。

 3の()には、医薬品・医療機器等安全性情報へ掲載した情報の概要をお示ししております。()にはその他の安全対策の状況として、安全対策調査会での審議や機構での検討を受けて措置した安全対策の実施状況をお示ししております。内容としては一般用医薬品のリスク区分の見直し、パリペリドンパルミチン酸エステル、シメプレビルナトリウム、ラモトリギンの3成分についてのブルーレター配布、ワクチン製剤及び抗インフルエンザウイルス薬に関する評価、ロドデノール配合薬用化粧品についての研究班の検討結果に基づく化粧品等の使用上の注意の改訂についてとなっております。資料2-1-1については以上です。

 次に、資料2-1-2を御覧ください。医薬品及び製造販売業者から報告を受けた副作用症例については、機構のホームページにおいて、医薬品別に副作用ごとの件数や各症例の概要を公表しております。これについて全体の公表数の総計と、このうち死亡症例の公表数について、過去5年間の公表の状況をまとめたものが表になっております。一番上の行が公表数の年次推移となっており、その下が死亡公表数、死亡公表数のうち「因果関係が否定できないもの」とされたものなど、機構の評価結果となっております。

 続いて資料2-1-3及び資料2-1-4を御覧ください。資料2-1-3は、資料2-1-2の副作用報告の死亡公表数のうち、「因果関係が否定できないもの」と評価されたものの件数を過去5年間分、医薬品ごとにまとめたものです。資料2-1-4は同様に、資料2-1-2の副作用報告の死亡公表数について、因果関係の評価結果にかかわらず医薬品ごとに集計したものです。これらの集計については、国民の皆様に対する医薬品の適正使用に供する情報提供の一環として、毎年1回、本部会において報告しているものです。資料2-1の関係は以上です。

○事務局 続いて資料2-2を御覧ください。「医薬品等の使用上の注意の改訂について」、御説明いたします。平成27年3月に開催された平成26年度第3回医薬品等安全対策部会で、平成27年2月までの改訂を報告しておりますので、今回は3~7月までに改訂の通知を発出したものの一覧を御報告いたします。平成27年3月に6件、4月に8件、6月に2件、7月に8件の改訂を行いました。5月は0件でした。これらの使用上の注意の改訂については、本部会の先生方に事前に御確認を頂いたものであり、改訂時に機構メディナビで配信するとともに、機構のホームページと医薬品・医療機器等安全性情報にも掲載しておりますので、詳細な御説明は省略いたします。資料2-2については以上です。

○事務局 続いて資料2-3について御説明いたします。「ワクチンの安全性に関する評価について」を御覧ください。本年3月12日に開催された安全対策調査会と、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会との合同会議において、ワクチンの安全性について評価いただいておりますので、その結果を御報告いたします。1ページの1の百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、7価及び13価肺炎球菌、ヒブ、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルスの各ワクチンによる副反応報告の状況についてです。各ワクチンについて、昨年1012月末までの副反応報告の状況を集計した結果を、表1のとおりまとめております。

 この期間の副反応報告ですが、上から順にDPTワクチンは医療機関から2名、企業から2名、DTトキソイドは医療機関から7名、ジフテリアトキソイドは報告なし、破傷風トキソイドは医療機関から2名、企業から1名、不活化ポリオワクチンは医療機関から3名、4種混合ワクチンは医療機関から21名、企業から11名、7価肺炎球菌ワクチンは企業から1名、13価肺炎球菌ワクチンは医療機関から31名、企業から29名、ヒブワクチンは医療機関から25名、企業から28名、BCGワクチンは医療機関から37名、日本脳炎ワクチンは医療機関から13名、企業から2名、B型肝炎ワクチンは医療機関から10名、企業から12名、ロタウイルスワクチンは医療機関から4名、企業から24名、5価ロタウイスルワクチンは医療機関から4名、企業から19名がそれぞれ報告されており、これまでに報告されている各ワクチンの副反応報告の状況と比べて大きな差はありませんでした。

()の死亡症例については、今回の対象期間中に同時接種症例で5例が報告され、そのうち3例について専門家により評価が行われ、いずれの症例についてもワクチン接種と死亡との直接的な明確な因果関係は認められないと評価されております。また、13価肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの6か月間の10万接種当たりの死亡例の報告頻度は、それぞれ0.230.30.230.39であり、対応を速やかに検討する目安とされている10万接種当たり0.5を下回っていることを確認しております。

 その下の2「インフルエンザワクチンの副反応報告の状況」を御覧ください。昨年1012月末まで、今シーズンの前半部分の副反応報告の状況を中間報告としてまとめ、昨シーズンの状況と並べて表2にお示ししております。また、死亡症例については調査期間内に11例報告されておりますが、そのうち5例が専門家により評価され、いずれの症例についても死亡とワクチンとの直接的な明確な因果関係は認められておりません。調査会における副反応の報告数と報告頻度等については、昨シーズンと大きな変化はなく、安全性において重大な懸念は特段見られないとの評価を頂いております。また、後半部分も含めた今シーズン全体の報告状況については、後日、安全対策調査会に報告予定としておりますので、次回の当部会にも報告する予定です。

 以上、安全対策調査会において御確認いただいた内容を報告させていただきました。資料2-1から2-3までの事務局からの説明は以上です。

○五十嵐部会長 何か御質問、御意見はありますか。

○國頭委員 資料2-1-4で目に付いた所があったのです。死亡症例で2ページの真ん中辺のデフェラシロクスです。一定の割合で死亡症例が出ていたのですが、平成26年が187人ということで、とたんに増えていますね。もう一つは、5ページの下から4番目のイマチニブ、グリベックです。これも一定の割合で出ていたのが277人というように、桁が二つポンと変わっていますね。その上の方にアファチニブがありますが、これも去年いきなり18人出ているのです。ただ、これは去年発売されたものですから話は分かるのです。イマチニブのようにずっと出ていたものがなぜ突然、去年にこう増えたのか。

○事務局 それについては昨年度、ノバルティスによる副作用の報告遅延の事件があり、この年度に固まってそういう症例が増えたということです。

○國頭委員 要するに、締め上げたら出てきたということですか。

○安全対策課長 この点については社内で確認したところ、報告しなければならない事象を過去に遡って見たら、合計3,000件ぐらいあったことが分かり、それを確認してこの年度に一気にということです。過去に報告を上げていなかったものを上げてきたわけです。グリベックの例でいきますと、過去10年ぐらいにわたって報告しなければならなかったと。個別症例として把握していたものは常時上がってきたのですが、セミナーなどの資料で報告されたものも、本来であれば拾って報告すべきか確認しなければならなかったのに、そういうもののチェックが漏れていたのです。それを社内的に全部洗い出したところ、かなりの品目、20数品目出てきたのです。先生が御指摘のように、いきなり去年多くなっているのは、そういう品目になっているということです。

○國頭委員 それが両方とも、資料2-1-3の方には入っていないのです。因果関係が否定できないという項目には入っていなくて、締め上げたら今までのものをボロボロと出してきて、今さら関係があるかどうか分からないということですか。

○事務局 ノバルティス社の事案については御指摘のとおり、古い事案がかなり多く、詳細調査もすることができない症例も多かったと聞いております。そのために、因果関係の評価ができないものが増えたということです。

○國頭委員 グリベックなどはCMLの薬で、基本的に亡くなるまで飲む感じのことが多いですね。そうすると疾患の性質上、このぐらいの患者が亡くなるのは当然と言えば当然だろうと思うのです。むしろ、ここに出ている表は余り意味がないのではないかという気までしてきてしまいます。抗がん剤などは、最後の亡くなるところまで使うことが結構ありますので、余り因果関係がなさそうなものは報告していないということになるのではないかと思うのです。そうすると、そこだけピンポイントに当てて報告させても、果たしてどのくらい意味があるのでしょうか。

○事務局 この制度自体は企業が有害事象を認識し、副作用であることが否定できない場合は基本的に報告として上げてきますので、原疾患としての可能性が高くても、副作用であることの否定ができない場合は、基本的に全て上げて来るという形になっております。

○國頭委員 因果関係が否定できないというのは誰が決めるのですか。

○事務局 まずは企業の方で報告するに当たって、因果関係が否定できるかどうかということを判断します。

○國頭委員 しかし2-1-3が因果関係が否定できないもので、2-1-4が全部でしょ。ですから2-1-3で因果関係が否定できないものというように判断したのは誰ですか。

○事務局 2-1-3の方は、機構で判断したものです。

○國頭委員 企業はみんな関係あるかもしれないということで出すと。

○事務局 否定はできない、因果関係有り無し、その辺も全く判断できない場合についても報告は2-1-4で全て上がってきます。

○國頭委員 それで2-1-2を見ると、結局機構で因果関係が否定できないもの、否定できるもの、評価できないものとあって、ほとんど9割、圧倒的多数が評価できないものですね。ですからこの評価システム自体、どんな意味があるのでしょうか。

○事務局 やはりどうしても評価できないものの中には、コアとなる検査値がなかったりする症例も多いので、そういったものをトータルで見てみると、やはりこれくらいの件数になってきます。

○國頭委員 私も実際に患者を診ていたので分かるのですが、9割が「評価できないもの」に陥るような評価システムに意味があるのか。

○安全対策課長 なかなか厳しい御指摘ですけれども、やはり行政として広く情報を集めて見て、必要なものをピックアップしていこうということです。先生が御指摘のように、確かに報告を上げていただいたもののうち、実際に評価につながったものはかなり絞られるのですが、やはり安全対策としては広く漏れなく、可能な限り集めると。ただし、明らかに原疾患だというものについては報告を上げないでいいということでやっておりますので、やはり歩割と言うのですか、割合がかなり低いというのは事実です。

○國頭委員 そうすると、やはりそのシステムは考え直された方がいいのではないですか。余りにも格好が悪い。要するに、89割が評価できないものになるのだったら、わざわざここまで区別する必要もないのではないかと思ってしまうのです。

○安全対策課長 報告数としては海外等を見ても、海外の方が多いような状況ですから、やはりいろいろな情報を集めてきて、必要なものをピックアップしていくという流れは必要です。その中で最終的に因果関係につながるものの割合は、それほど高くないというのが事実です。ただ、やはり私どもとしては広く情報を収集して、何か漏れがないかということは確認させていただきたいと思っております。先生の御指摘は、ある面でそのとおりだと思いますが、今の状況ですと、やはり広く集めたいということです。

○五十嵐部会長 一定の基準で集めるシステムをやっていますと、どうしても特殊な薬剤の場合には、こういうことがこれからほかにも起きるのではないかと思います。基本的にはこのやり方でしばらくやりたいということですので、御理解いただきたいと思います。

 もう一つ、先生から御指摘いただいた2ページの除鉄薬ですね。鉄過剰症に使われる解毒剤としてのデフェラシロクスが平成26年に多かったのには、何か理由がありますか。

○事務局 今確認中ですが、こちらもノバルティスの製品だと理解しております。

○五十嵐部会長 分かりました。本来毎年報告すべきものが、この年に一度に報告されたと理解すればいいわけですね。

○薄井委員 ついでに確認します。急に上がっておりますので、ニロチニブというのも同じですね。ニロチ二ブに関しては薬物の因果関係は結構あるのではないかという事例も出ているので、注意をしなくてはいけないと思っております。國頭先生に反論するわけではありませんけれども、最近、慢性期CMLではほとんど亡くなる患者さんはいらっしゃらなくて、イマチニブでの死亡例があるとすると、ALL、Ph染色体陽性ALLの患者さんで、薬物の有害事象の他に原疾患で亡くなられた方たちも、もしかしたら含まれているかもしれないと思います。

○五十嵐部会長 ほかにはよろしいでしょうか。

○戸部委員 二つ教えていただきたいことがあります。資料2-1-2の「過去5年間の副作用報告の公表状況」ということで、平成26年度の評価中のものというのは、発売してまだ時間がたってないから評価中という理解でよろしいのでしょうか。どういう状態のものなのかを教えていただきたいのです。

 あと、資料2-3のワクチンの安全性に関する評価の部分です。医療機関報告と企業報告との違いが大きいのがBCGワクチンで、極端に違うような気がするのです。医療機関の報告は因果関係にかかわらず、報告の対象となっているから多くなっているのかどうか。そこのところを教えてください。

○事務局 まず先の御指摘、資料2-1-2の評価中のものの取扱いについて御説明申し上げます。この取扱いについては※の6にありますとおり、情報収集中で評価がまだ未完了のもので、ABCの評価は付いていないけれども、機構の方に報告されているものです。

○事務局 もう一つの御質問、ワクチンの副反応について御説明いたします。2-3の表1は、左側に医療機関報告、右側に企業報告を並べております。同一の症例について両方のルートから御報告を頂いた場合は、医療機関報告の方に数を寄せて、企業報告の方からは除いて集計しております。BCGワクチンの場合についても、企業からも報告は上がってきてはいるのですが、同じ症例について医療機関から報告を頂いている場合には、そちらの数の中で含まれていると御理解いただければと思います。

○戸部委員 そうすると下の二つ、経口弱毒性ヒトロタウイルスと5価ロタウイルスワクチンは、逆に企業報告の方が多くなっているのですが、これは副作用の症状の出方が違っていて、差が出てしまうということなのでしょうか。

○事務局 ロタウイルスワクチンについては、予防接種法に基づく定期接種のワクチンではなく、任意接種のワクチンということもあり、医療機関からの報告は若干少なめで、企業からのルートが多くなっているという状況です。

○戸部委員 ありがとうございました。分かりました。

○五十嵐部会長 BCGの問題となる副反応の多くは、接種して数ヶ月以上経過してから発症して医療機関を受信されます。ですからほとんど全てが医療機関からの報告にならざるを得ないのではないかと思います。しかも、BCGワクチンの副反応の多くはリンパ節腫大や骨髄炎であり、ほかのワクチンの副反応とは随分違うことも関係しているのではないかと思います。よろしいでしょうか。

○日野委員 ワクチンの中にパピローマワクチンの副作用は入れないのでしょうか。

○事務局 HPVワクチンの副反応については、安全対策調査会に最後に報告を行ったのが昨年7月に開催された合同会議で、その後は報告を行っておりませんので、今回の資料には入っておりません。申し訳ありません。現在、HPVワクチンについては副反応症例の追跡調査の集計作業等を行っているところで、その結果も含めて今後、副反応報告状況について合同会議に報告が行われた際には、本安全対策部会にも御報告させていただきたいと考えております。

○五十嵐部会長 よろしいですか。そのほかにいかがでしょうか。

○大野部会長代理 資料2-1-4の件です。死亡例が書かれていても、数値をどういうように読んだらいいのかよく分からないのです。死亡者が多いからそれが危険な薬なのか、少ないから安全なのかというのは、使用数が分からないと普段臨床にタッチしていない人間にとっては全然分からないのです。今の日本の統計では、処方数などは出てこないですね。現在、そういう統計はないのでしょうけれども、将来の課題として処方数当たりの死亡数とか、そういう形ができるような方向でいくのだろうかどうかという辺りなのです。

○安全対策課長 御指摘、どうもありがとうございます。正に今の状況ですと、頻度というものがなかなか分からない。個別の報告を上げていただいて、それに対して評価をしていくという流れで今までやっています。将来に向けて大規模なデータベースを活用して頻度情報などが取れないかということで、平成23年から10の医療拠点にデータベースを設置して、データベースを使った形で頻度情報を取ることを検討しているところです。できれば30年ぐらいから、まずは10の拠点医療機関から進めたいと考えております。また小児の関係は、五十嵐先生の成育医療研究センターを中心としたグループでのデータベースも検討しているところです。そういうものを活用して、将来的にはやっていきたいと考えております。

○大野部会長代理 そういう検討を始めているということ、ありがとうございます。

○五十嵐部会長 大変重要な御指摘でしたが、よろしいでしょうか。ほかにはよろしいですか。それでは議題3に移りたいと思います。説明をお願いいたします。

○事務局 資料3-1です。医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づく薬事・食品衛生審議会への副作用感染症等の報告について説明いたします。

 1は、製造販売業者からの報告数をお示ししております。()は、国内症例の報告状況です。医療用医薬品、要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品については平成2612月1日から平成27年3月31日まで、今回から集計しております医薬品たるコンビネーション製品については、平成261125日から平成27年3月31日までの期間に受け付けた副作用報告等に関する状況をお示ししております。

 今回の4か月の間に医療用医薬品について1万6,374件、医薬品たるコンビネーション製品について0件、要指導医薬品について2件、一般用医薬品について74件、医薬部外品について103件、化粧品について42件、合わせて1万6,595件の報告を受け付けております。なお、医薬品たるコンビネーション製品とは、医薬品と医療機器とが組み合わさった製品、例えばインスリンの自己注射器などですが、今回は報告がありませんでした。感染症報告は表の右側のとおり、医療用医薬品について25件の報告を受け付けております。副作用報告の数について平成27年3月の部会にて報告いたしました、前回平成26年8月1日から平成261130日までの4か月における集計結果は、1万9,288件です。

()は、外国症例の報告状況です。この4か月の間で、副作用報告が9万8,605件、感染症報告が10件ありました。前回の4か月間の報告数は、副作用報告が9万8,767件、感染症報告が3件です。

()は、外国での新たな措置報告状況です。この4か月間で412件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は358件です。

()は、研究報告の報告状況です。この4か月間で376件の報告を受け付けております。前回の4か月間の報告数は444件です。

 2は、医薬関係者からの報告です。医薬関係からの報告については、これまで厚生労働省へ直接報告されていましたが、薬事法等の一部を改正する法律の施行により、平成261125日以降は、製造販売業者と同じように機構へ直接報告されることとなりました。平成261125日から平成27年3月31日までの間にワクチン類を除く医薬品の副作用について1,708件、ワクチン類及び予防接種後の副反応について785件の報告を受けております。前回の4か月間の報告は、厚生労働省へ直接報告されたものは、ワクチンを除く医薬品について1,463件、ワクチン類及び予防接種後の副反応について390件です。

 また、今回、医薬関係者からの報告のうち、重篤なもの及び機構調査分の件数をお示ししております。重篤なものの数は、ワクチン類を除く医薬品では846件、ワクチン類及び予防接種後の副反応では280件で、さらに重篤なものの中で機構が自ら調査した件数は、それぞれ424件と6件です。

 3は、薬事法等の一部を改正する法律の施行に伴い、今回からお示しすることとなりました副作用救済給付又は感染症救済給付に係る報告です。平成261125日から平成27年3月31日までの期間を集計しており、副作用救済給付に係る報告数は3件、感染症救済給付に係る報告数は0件です。

 続いて、資料3-2から3-12は、副作用報告、感染症報告、外国措置報告、研究報告等のラインリストです。資料3-2です。この4か月間に報告された医療用医薬品の国内の副作用報告について、医薬品別、副作用名別の件数を整理したものです。薬効分類別に並べておりますが、薬効分類については参考資料3の表を御参照いただければと存じます。

 資料3-2の見方について幾つか注意事項があります。1)として、これらの副作用報告は医薬品との因果関係が不明なものを含めて製造販売業者等から報告されたもので、個々に医薬品との関連性を評価したものではありません。2)として、副作用報告の件数については、平成2612月1日から平成27年3月31日までに報告されたものですが、同一症例に複数の被疑薬が存在して、同じ症例が複数の企業から報告された場合は重複してカウントしておりますので、ここで報告された件数がそのまま症例数にはなりません。3)として、副作用報告の件数です。本報告期間中に報告されたものであっても、本報告期間中に追加情報により因果関係が否定された場合や重篤性が変更となり報告対象外となった場合は、報告件数から除外しております。4)として、報告件数は副作用名別の件数でお示ししており、1症例で複数の副作用を発現する場合がありますので、報告件数を合計した数が報告症例数になるわけではありません。

 続いて、資料3-3から3-6は、それぞれ要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品、化粧品の国内の副作用報告のラインリストです。資料3-7は「国内感染症報告の状況」です。資料3-8は、「外国での新たな措置の報告状況」です。資料3-9は「研究報告の報告状況」です。資料3-10及び3-11は、医薬関係者からの副作用報告及び副反応報告の状況です。先ほど説明申し上げましたとおり、いずれも今回からお示ししているものです。資料3-12は、副作用救済給付の請求に基づく「国内副作用報告の状況」です。こちらも、今回からお示しする資料です。副作用等の報告の状況についての説明は以上です。

○五十嵐部会長 それでは、ただいまの説明について何か御質問はございますか。

○生出委員 資料3-3には要指導医薬品、資料3-4には一般用医薬品といろいろ書いてあります。医薬部外品、化粧品については、副作用のその後の経過ということで転帰が書いてあるのですが、要指導医薬品と一般用医薬品は以前は書いてあると記憶しているのですが、その後どのようになったのかという転帰が全く記されていないので、どのように判断していいのか分からないので、今後、可能な限り記載することができるのであれば記載していただけると助かると思います。

○事務局 御意見ありがとうございます。まずは技術的に可能かどうかも含めて事務局内で検討させていただければと考えております。可能であればお示しすることも考えたいと思います。

○生出委員 確か前は転帰で死亡や軽快ということがあって、それでは、この一般用医薬品は第1類のままに留め置かなければいけないのではないかという議論をしたような覚えがあるので、やはり転帰は必要かと思います。

○事務局 確認したところ、去年の7月の部会には書いてあったということなので、今、頂いた御意見も踏まえて事務局で検討したいと思います。

○五十嵐部会長 よろしくお願いします。ほかはいかがですか。よろしいですか。それでは、議題4について事務局から説明をお願いします。

○事務局 続きまして、「医薬品の感染症定期報告の状況について」です。資料4-1及び4-2です。感染症定期報告は医薬品医療機器法に基づき、製造販売業者が製品又はその原材料による感染症に関する論文等を報告する制度です。今回は昨年12月から本年3末までに企業から報告された結果を取りまとめており、資料4-2のとおり感染症定期報告が提出されたのは合計で404件です。

 資料4-1です。「感染症定期報告感染症別文献一覧表」は、提出された感染症定期報告のうち、前回の本部会で報告済みのものを除いた文献等を感染症ごとにまとめたものです。新たに報告された文献等は78件です。今回、比較的報告が多かったものとして、2~3ページのエボラ出血熱に関するものが11件、また、5~6ページの炭疽に関するものが10件です。委員の皆様には、当会議の前に資料を送付しておりますが、国立感染症研究所の倉根委員、石井委員、国立医薬品食品衛生研究所の新見委員に資料を御確認いただくとともに、事前にコメント、御意見をお願いしております。その結果、直ちに安全対策措置を講ずる必要があるものはなく、また、今回、特段のコメントをするものもなかったと伺っております。議題4に関する事務局からの説明は以上です。

○五十嵐部会長 何か御意見、御質問はありますか。よろしいですか。それでは、議題5について事務局から説明をお願いします。

○事務局 報告事項議題5「医薬品等の回収報告の状況について」です。資料5-1です。医薬品医療機器法において、医薬品、医薬部外品、化粧品等の製造販売業者、製造業者等は、その製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品や医療機器等を回収するときは、回収に着手した旨及び回収の状況を厚生労働大臣に報告しなければならないとされています。ここで、回収の状況の報告義務については、平成2611月の医薬品医療機器法の施行により、回収着手報告に加えて課されることになりました。

 この規定を受け、施行規則により報告する事項等を規定しておりますが、具体的には平成261121日付けの行政通知、「医薬品・医療機器等の回収について」により、回収に当たっての基本的な考え方や対象範囲、手続の詳細等について明確化を図っています。製造販売業者等から回収着手報告がなされた場合には、全ての事例をインターネット上、機構のホームページに公開しております。本件は医薬品医療機器法第68条の12の規定に基づき、薬事・食品衛生審議会へ報告するものです。

 1「回収件数年次推移」です。平成26年度の1年間において、医薬品が103件、医療機器が365件、医薬部外品が17件、化粧品が81件の合計566件の回収が行われました。再生医療等製品については、1ページの表の下に※で記載のとおり、平成261125日の医薬品医療機器法施行後の回収が報告対象となりますが、回収事例はありません。

 2ページです。回収のクラス別分類です。クラス分類とは回収される製品によりもたらされる健康への危険度の程度により、個別回収ごとにIII又はIIIの数字が割り当てられるものです。クラスIとは、その製品の使用等が重篤な健康被害又は死亡の原因となり得る状況、クラスIIとは、その製品の使用等が一時的な若しくは医学的に治癒可能な健康被害の原因となる可能性があるか又は重篤な健康被害のおそれはまず考えられない状況、クラスIIIとは、その製品の使用等が健康被害の原因となるとはまず考えられない状況、と定義されておりますいます。平成26年度は医薬品について、クラスI回収が20件、クラスII回収が65件、クラスIII回収が18件でした。医薬部外品はクラスI回収が0件、クラスII回収が10件、クラスIII回収が7件です。化粧品は、クラスI回収が0件、クラスII回収が58件、クラスIII回収が23件でした。

 続いて、資料5-2は具体的な回収事例の報告です。1枚目に、クラスI回収の事例が全20件掲載されています。この20件は全てロットを構成しない医薬品、ここでは血液製剤について同種他製品に不良が及ばず、かつ当該医薬品が他社に使用されないことが確実なものの回収です。いずれも献血後に献血者の疾病への罹患情報等が得られたことから、患者さんへの投与前に当該製剤を事前回収、廃棄したものです。

 2~17ページは、クラスII回収がリスト化されています。ここには医療機器の329件を除く医薬品65件、医薬部外品10件、化粧品58件の合計133件をホームページ掲載日の順番に時系列で掲載しています。例えば、異物混入や、真菌、カビ等の菌類の検出、化粧品における全成分表示の誤記、有効成分の含量や溶出性等が承認規格から逸脱した等が回収理由です。

18ページ以降に、クラスIII回収がリスト化されています。ここには医療機器の35件を除く医薬品18件、医薬部外品7件、化粧品23件の合計48件をリスト化して掲載しています。例えば、ロット番号や販売名等の表示が誤っていた。粘度等の性状の変化、内容量が不足していた等が回収理由です。簡単ですが以上です。

○五十嵐部会長 これについて、何か御質問、御意見はございますか。

○國頭委員 日赤の医者がこれを言うのは良くないのでしょうけど、クラスIの献血でまずいことが分かって回収したという。これは、患者に投与する前ですね。結局、分かったのだけれど、そのときにはもう使ってしまったというのはどのくらいあるのか分かりますか。

○事務局 血液製剤の回収に関しては、患者さんへの投与前の事前回収の件数になります。

○國頭委員 そうなのですが、やっていないから事前に回収できたわけで、使ってしまったというのがどのくらいあるのかを知りたいです。

○事務局 そういう事例はないと確認しております。

○五十嵐部会長 ほかはございますか。よろしいですか。それでは、最後の議題6について、事務局から説明をお願いします。

○事務局 資料6「市販直後等安全性情報収集事業」について報告いたします。本事業は新たに承認された医薬品のうち、親和性が高いものや国内外において使用経験が少ないものなど、特に市販直後の安全性確保が必要と判断される医薬品について、医療機関での採用から6か月間、その医薬品の販売状況、使用状況及び副作用の発現状況、また、製造販売業者が行う市販直後調査の状況などの情報を毎月1回医療機関より提供していただき、必要な対応を図ることを目的としております。

 今回は、調査が終了いたしましたスーグラ錠について報告いたします。販売名はスーグラ錠25mg、同50mg、一般名はイプラグリフロジンL-プロリン、製造販売業者はアステラス製薬株式会社です。販売開始は平成26年4月17日で、平成2610月末まで市販直後調査が実施されておりました。効能・効果は2型糖尿病です。本事業に御協力いただきました医療機関は、横浜医療センター、済生会和歌山病院、昭和大学病院、八千代病院の4つの医療機関です。これらの医療機関において当該医薬品の使用状況、副作用発生状況、製造販売業者の活動状況等について、平成26年5月から平成2612月まで、各医療機関の採用期間から6か月間の状況について御報告いただきました。

 使用状況については、対象医療機関において合計で190名の患者に使用されております。有害事象・副作用については、対象医療機関において低血糖、頻尿、膀胱炎、外陰部の掻痒感、多形紅斑型薬疹、皮膚白血球破砕性血管炎が認められたとの連絡を頂いております。お手元の資料ですと破砕ではなくて破損になっておりますが、こちらを修正したものを公表いたします。

 製造販売業者の活動状況については、医療機関への訪問頻度、情報提供、副作用情報の収集には一定の評価がありましたが、一方で薬剤部への情報提供が少なかったとの意見を頂きました。こちらの内容を踏まえて調査期間終了後、製造販売業者に対し情報提供の体制、その活動等について聴き取りを行ったところ、情報提供及び副作用情報の収集に当たり、適切な頻度で訪問し、適正使用のお願い、副作用情報の収集に努めていたとの報告がありました。また、医療機関から御指摘を受けました薬剤部の情報提供については、指摘を踏まえ改善に努めるとの報告を頂いております。以上です。

○五十嵐部会長 ただいまの説明に何か御質問はございますか。よろしいですか。本日、予定しておりました議題は以上です。事務局から、ほかに何かありますか。

○事務局 特にございません。次回の部会の開催は12月4日()を予定しております。

○事務局 先ほど、國頭委員から資料5-15-2について、実際に血液製剤が使われていた事例が何例あるかという御質問を頂きました。先ほどないのではないかという回答をしたのですが、詳しい情報について後日、確認して個別に御報告したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○五十嵐部会長 それでは、調査をしてからもう一度回答を頂きたいと思います。よろしいでしょうか。それでは、「平成27年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会」を終了いたします。どうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 安全対策課 課長補佐 清原(内線2752)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会)> 薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会議事録(2015年7月31日)

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