ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)> 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2015年3月20日)




2015年3月20日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成27年3月20日(水)10:00~


○場所

厚生労働省専用第22会議室


○出席者

出席委員(18名) 五十音順

◎荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、 石 井 明 子、○一 色 高 明、
  今 井 聡 美、 梅 津 光 生、 生 出 泉太郎、 齋 藤 知 行、
  塩 川 芳 昭、 正 田 良 介、 鈴 木 邦 彦、 武 谷 雄 二、
  田 島 優 子、 千 葉 敏 雄、 寺 崎 浩 子、 中 谷 武 嗣、
  新 見 伸 吾、 濱 口   功 
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人3名

欠席委員(6名)五十音順

川 上 正 舒、 中 島 康 雄、 西 田 幸 二、 菱 田 和 己、
村 上 輝 夫、 桃 井 保 子 

行政機関出席者

神 田 裕 二 (医薬食品局長)
成 田 昌 稔 (大臣官房審議官)
森   和 彦 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
宇 津   忍 (安全対策課長)
矢 守 隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤 明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
佐久間 一 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
佐 藤 岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)
 他

○議題

○参事官 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会を開催いたします。委員の先生方におかれましては、大変御多忙の中御出席いただき、誠にありがとうございます。本日は、医療機器・体外診断薬部会委員24名のうち、予定では18名御出席と聞いておりますが、現時点で14名の委員に御出席いただいております。薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを、まずは御報告いたします。
 次に、本日の議題の公開、非公開の取扱いについて説明いたします。これについては、平成13年1月23日付けの薬事・食品衛生審議会の決議に基づき、本日の議題については、医療機器の承認審査などに関する議題であり、企業情報が入っておりますので、非公開といたします。それでは、以後の議事について、荒井部会長、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 おはようございます。最初に、事務局より配布資料の確認をお願いいたします。
○事務局 議事次第の下に配布資料一覧がありますので、これに従って御確認をお願いいたします。資料1「医療機器Pipeline Flex フローダイバーターシステムの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」。資料2「医療機器ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」。資料3「医療機器S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否及び使用成績評価の指定の要否について」。資料4「医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について」。資料5-1「医療機器セプラフィルムの再審査報告について」。資料5-2「医療機器グラフトマスターの再審査報告について」。資料6「競合品目・競合企業リスト」。参考資料1「薬事分科会審議参加規程」。また、当日配布資料1「本日審議させていただく3品目の専門協議委員リスト」。当日配布資料2「議題3、S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードの正誤表」。当日配布資料3「S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリード、経静脈ICDと本品の比較」。当日配布資料4-1「2月部会で審議させていただいたコアバルブの審議結果報告書」。当日配布資料4-2「同じくサピエンXTの審議結果報告書」になります。資料確認は以上になります。
○荒井部会長 資料はよろしいでしょうか。よろしければ、これより議題に入ります。本日の審議事項に関与された委員と、利益相反に関する申出状況について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 本日の審議事項に関する影響企業の調査について御報告いたします。資料6と参考資料1です。これらの報告については、平成20年12月19日付け、薬事分科会で決定された薬事分科会審議参加規程に基づくものです。過去3年度にわたり、寄付金、契約金等の額について、競合企業と申請企業から申告を頂き、その結果に応じて審議不参加、若しくは議決への不参加という形を審議会規程として定めております。資料6を御覧ください。1ページは議題1、Pipeline Flex フローダイバーターシステムの競合品目・競合企業リストです。申請者は、コヴィディエンジャパン株式会社です。競合品目として、本品と使用目的、効能又は効果が類似する品目が2品目。本品と類似する性能を有する品目が1品目申告されております。
 続いて2ページ、議題2、ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムの競合品目・競合企業リストです。申請者は、日本ゴア株式会社です。競合品目として、胸部大動脈瘤の治療を目的とした胸部大動脈用ステントグラフト1品目が申告されております。
 最後に3ページ、議題3、S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードの競合品目・競合企業リストです。申請者は、ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社です。競合品目として、本品と同一一般的名称の植込み型除細動器3品目が申告されております。本日の審議事項に関する影響企業について、皆様から寄付金、契約金等の受取状況を伺いましたところ、薬事分科会審議参加規程第12条の審議不参加の基準又は、第13条の議決不参加の基準に基づき、議決に御参加いただけない委員は、議題1及び議題3について一色委員となっております。御退室いただく委員はおりません。以上、御報告いたします。
○荒井部会長 ただ今の事務局からの説明について、特段御意見はありますか。よろしいでしょうか。そうしましたら、皆様御了承いただいたものとして、議題に入ります。議題1、医療機器Pipeline Flex フローダイバーターシステムの製造販売承認の可否等について、審議を始めます。本議題の審議に当たっては、参考人として千葉県救急医療センター病院長の小林繁樹先生に御出席いただいております。小林先生、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず審議品目の概要について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 議題1について、資料1に基づき説明いたします。資料1を御覧ください。1枚目が諮問書になります。本議題では、医療機器Pipeline Flex フローダイバーターシステムの製造販売承認の可否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、及び使用成績評価の指定の要否について御審議をお願いいたします。審議品目及び審査の概要については、機構より説明いたします。
○機構 当日配布資料1になります。専門協議委員一覧を御覧ください。本審査に当たり、資料にお示しする3名の専門委員の御意見を頂きました。初めに、本品の概要について説明いたします。資料1の審査報告書の4ページ、2.審議品目の概要を御覧ください。本品は、内頚動脈の錐体部から上下垂体部における大型又は巨大のワイドネック型頭蓋内動脈瘤の親動脈に留置することで、動脈瘤内への血流を調整して、血栓形成を促すと同時に、動脈瘤ネック部に新生内膜形成を誘引して、動脈瘤の破裂リスクを低減させることを目的に開発されたフローダイバーターです。
 本品は、プラチナタングステン合金及びコバルト/ニッケル/クロム/モリブデン合金の素線が編み込まれたフローダイバーターとデリバリーシステムから構成されております。使用時に併用するマイクロカテーテルに移し替え、付属品のサポートカテーテルを介して、標的部位まで送達し、マイクロカテーテルを引き戻すことによりフローダイバーターが自己拡張して、審査報告書5ページ図2のように留置されます。本品は、平成24年2月3日開催の第18回医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会において、早期導入すべき医療機器に指定されております。
 続いて、審査報告書7ページ、(2)外国における使用状況について、4行目より御説明いたします。本品は、欧州では脳動脈瘤に対する血管内塞栓術を適応として、2014年3月にCEマークを取得し、米国では本邦と同じ適応にて2015年1月にPMAを取得しております。本品とフローダイバーター部分は同一で、デリバリーシステムのみが異なる前世代品のCVJ-12-01と合わせて、□□本以上の販売実績があります。
 本品の非臨床試験については、特段の大きな問題は認められませんでしたので、臨床試験成績について御説明いたします。審査報告書15ページ、チ.臨床試験成績に関する資料を御覧ください。添付資料として、海外で実施されたPUFS試験及び国内臨床試験の成績が提出されました。PUFS試験は、内頚動脈の錐体部、海綿静脈洞部又は傍眼動脈部に位置するワイドネック型かつ大型、巨大動脈瘤の血管内治療におけるCVJ-12-01の有効性及び安全性の検討を目的として、108例を対象に米国、ハンガリー及びトルコで実施された多施設共同、単群、前向きコホート試験です。試験結果について御説明いたします。審査報告書18ページの表3を御覧ください。有効性主要評価項目である手技後180日の標的動脈瘤の完全閉塞かつ親動脈の50%以下の狭窄の割合は、72.8%。安全性の主要評価項目である手技後180日までの脳神経疾患関連死又は同側重度脳卒中の発現率は、5.6%でした。いずれも、大型又は巨大動脈瘤に対する血管内治療等の成績に関する文献レビューから設定した客観的性能基準を達成しました。
 続いて、国内臨床試験について御説明いたします。審査報告書20ページ(2)国内臨床試験を御覧ください。国内臨床試験は、CVJ-12-01の国内医療環境への適合性を確認するために、22例を対象に実施された多施設、単群、前向きコホート試験です。選択・除外基準等の基本的治験デザインは、PUFS試験と同じ設定を採用しております。試験結果については、審査報告書22ページの表9を御覧ください。主要評価項目である手技後180日の標的動脈瘤の完全閉塞かつ親動脈の50%以下の狭窄の割合は61.9%であり、95%信頼区間の下限値が38.4%と客観的性能基準50%を下回り、目標を達成できませんでした。また、23ページ表10に示すように、副次的評価項目として設定された安全性評価項目、手技後180日までの脳神経疾患関連死又は同側重度脳卒中の発現率は、9.1%でした。
 続いて、本品の審査における論点について御説明いたします。審査報告書24ページ、機構における審査の概要を御覧ください。一つ目の論点は、(1)PUFS試験をピボタル試験として本邦へ外挿することの妥当性についてです。本品の適応とされる動脈瘤は、その病態の人種差や治療方針等について、国内外で大きな差はないと考えられることから、国内臨床試験にて国内医療環境への適合性を確認できる場合には、PUFS試験をピボタル試験として外挿することはおおむね妥当と判断いたしました。
 続いて、同じく審査報告書24ページ(2)に記載いたしました二つ目の論点であるPUFS試験により示された本品の有効性及び安全性について御説明いたします。機構は、本品を用いた動脈瘤の有効性及び安全性を評価するに際し、動脈瘤が十分に閉塞されていること、治療後の親動脈の狭窄のないこと、本品留置において脳卒中又は神経死の発生リスクが上がらないこと等を評価する必要があると考えます。PUFS試験は、これらの性能を評価可能なプロトコルとなっており、客観的性能基準を満たす結果が示されたこと及び、長期フォローアップについても良好な成績が示されていることから、本品の有効性及び安全性は示されていると判断しました。また、本品と因果関係が否定できない有害事象の種類及びその発生頻度についても、通常の血管内治療と比べて特段の問題はないと判断いたしました。
 続いて、三つ目の論点として、国内臨床試験成績の点推定値がPUFS試験結果と比較して低かったことに対する機構の見解を御説明いたします。審査報告書31ページ3)2.を御覧ください。有効性については、デバイス過伸張が動脈瘤完全閉塞に対する大きなリスク因子でした。国内臨床試験にて、過伸張なくデバイス留置された患者群の主要評価項目の達成立は83.3%と、PUFS試験の成績72.8%と同等以上であり、過伸張を予防することで有効性が確認されるとする申請者の考察は受入れ可能と判断いたしました。さらに、本品の有効性と本品留置手技が密接に関係しており、ラーニングカーブも確認されることから、厳密なトレーニングと段階的な導入を試みることにより、有効性が担保されると判断いたしました。
 安全性については、くも膜下出血による死亡が2例、9.1%発生しております。1例は、留置手技によって回避できた可能性があり、もう1例は術後遠隔期の動脈瘤破裂でした。術後遠隔期の動脈瘤破裂は、海外においてもフローダイバーターの問題点として認識されており、国内特有の破裂リスクが原因と捉える根拠はないと判断いたしました。
 よって、申請者が提案しているように、習熟度の向上のための十分なトレーニング及びプロクター制度を整え、段階的な導入を関連学会と協力して行うことで、安全性及び有効性を担保しながら本邦へ導入することは妥当と判断いたしました。また、治験機器からの改良により、デリバリーシステムにリシース機能が付き、留置位置の再調整を行えるようになったこと、及び捻りを加えずに押すだけで展開可能となったことから、過伸張発現率の低減が見込まれ、完全閉塞率の向上、術後の動脈瘤破裂率の低減が得られるという申請者の考察は妥当と判断いたしました。
 続いて、使用成績評価について御説明いたします。審査報告書35ページ、第2パラグラフを御覧ください。本品は、本邦に初めて導入されるフローダイバーターであり、本邦における普及は段階的に十分な対策を講じて行う必要があることに加え、本邦における長期の術後遠隔期動脈瘤破裂の発生率や、脳神経疾患関連死等の推移に関する成績がないことを踏まえると、市販前に設定されたトレーニング等の充足性並びに、本品の長期的な有効性及び安全性を、本邦承認後使用成績評価により確認する必要があると考えます。調査症例数については、□□□□□□□□□□□□□□120例とすることは妥当と判断いたしました。観察期間としては、本邦における長期の有効性、ラーニングカーブの状況等を把握する必要があることから、患者追跡期間を3年、評価期間を5年とすることが妥当と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会にて御審議いただくことが適切と判断いたしました。本品は、生物由来製品及び特定生物由来製品のいずれにも該当しないと判断しております。なお、薬事分科会では報告を予定しております。機構からの報告は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、参考人の小林先生から何か御意見を頂けますか。
○小林参考人 ただ今説明がありましたように、この本品の適応となる疾患は、破裂率が高いこともありますし、それから周辺にあります視神経と脳神経を圧迫することで、進行性に視力障害が悪化するような、非常に自然経過の悪い疾患です。それに対して、今、いろいろな治療法が工夫されているのですが、その多くが内頚動脈そのものを犠牲にして遮断してしまい、その分バイパスをつないでそれを補うというような、動脈瘤だけを治療するというよりは、内頚動脈というシステム全体をいろいろな形でカバーしながら治療するような方法が多くなっております。その分、治療に対する合併症なども多いのが現状です。
 このフローダイバーター、Pipelineですと、そのケースの中のかなりの部分で劇的に動脈瘤が治癒してしまい、しかも内頚動脈のフローがそのまま保たれることが多いということで、この疾患の治療としては非常に期待される部分が多い画期的なものだと思います。
 ただ、今、機構から説明がありましたように、一つには技術的に留置の仕方が難しいというような問題。それから、新規性が高いこともあり、まだ十分に機序が分かっていない要素もあります。最近では、ある程度時間がたってから再出血したケースなどについての報告があったり、機序が十分解明されていない部分はあります。ただ、先ほども言いましたように、進行性の、自然経過の悪い疾患に対して劇的な治療、治癒が望めること、その疾患は緊急性という意味ではそれほど高くありませんので、その時間を利用してほかの治療法、治療オプションとのリスクベネフィットを十分にインフォームドコンセントして、治療法を選択すること。それから、この技術に関しては、かなり厳しいトレーニングシステムを構築してそれをやっていただくということで、技術的に難しい部分もカバーすることを前提として、是非臨床で使うべきものだと考えております。
○荒井部会長 それでは、委員の皆さんから御意見、御質問を受けたいと思いますが、いかがでしょうか。
○梅津委員 フローダイバーターのシステムを患者に使うことは非常に期待されるデバイスだと思います。それから、機構の今の承認に向けてのロジックは、科学的であると判断いたします。一つお聞きしたかったのは、デリバリーシステムを改良したことによって、それがどのぐらい技術的に楽になるというような、技術をある部分定量的に評価できるようなものが加わって、科学的根拠が生まれて、これが本当にいいかどうかがさらに説明しやすくなると思います。トレーニングのところでは、そういうものをきちんと入れながら、評価基準項目の一つの形で何らか入れていただけたらいいのではないかと考えます。
○荒井部会長 今御指摘のありましたデリバリーのシステムは、要するに俗に言う「半分出したけれども、具合が悪いので引き戻す」ことが今回可能になったわけですね。この辺りの評価を更に突っ込んで、ラーニングカーブも含めて、科学的にデータが出せればという御意見かと思いますが、小林先生、いかがでしょうか。
○小林参考人 科学的にというところが、なかなか微妙なことになると思うのですが、ただ改良によって例えば最初から位置が不十分だったなといったものについては、ある程度リシースして、一旦回収して位置を完全に変えたりという部分での安全性はかなり高くなると思います。ただ、技術的にメッシュをいかに密に置いてくるかというような技術に関しては、その改良では完全に解決できる問題ではありませんので、安全性という意味ではかなり向上するとは思うのですが、それで全てが解決するわけではありません。そう考えますと、定量的な評価というのは少し難しくなるかもしれませんが、至適位置への留置について客観的な評価をすることは可能だと思います。
○梅津委員 今、臨床の現場からですと、そういう答えにしかならないと思うのですが、例えばその部分を特別に作ったようなシリコンのモデル血管のようなものを使ってトレーニングするようなことも、多分専門学会ではいろいろと検討されると思います。何かそういうものも入れてみると、よりはっきりしたものが出るのではないかと考えております。
○機構 梅津委員、ありがとうございます。トレーニングにおいては、シリコンモデルを用いてトレーニングをすること等も実施する予定となっております。また、実際に患者に留置をしないと分からない部分が多いという御意見を、治験を実施した先生方から頂いておりますので、十分に手技の経験がある先生の立会いの下で最低□症例をやることを、今後使用する条件としております。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。技術的な部分で1回出してまた引き戻せるというのは、やっている側としてはかなり具合がいいということが容易に理解され、想像もされます。御指摘のように、定量的、客観的に、にそれが本当にいいということをに評価するという視点は特に臨床側に欠落しているところがあると思われます。学会でも是非そういった点を、客観的な数値あるいは量的に評価できるかなど、御検討いただければと思います。
○参事官 先ほどの梅津先生のお話で、使用成績評価で正確な位置に留置できたかというのは、それだけで単独で見るような感じには項目として入っているのですか。それは、あった方がいいと思うのですが。
○機構 留置の成功、不成功と、あとはきちんと詰めておけたかどうかということで、□□を報告するようにお願いしております。
○参事官 そういうことで、市販後にデータを取り、毎年全体で何症例やってどうだったかというのは取るようにいたしますので、それは必要であれば報告したいと思います。
○一色部会長代理 非常に有意義なデバイスだと評価いたします。私は、冠動脈や足でセルフエクスパンダブルのステントを入れてきた立場から質問させていただきたいのですが、セルフエクスパンダブルステントというのは、本来あるべき姿になるように入れて、短くしても伸ばしてもいけないというのが、私たちの常識ではあるわけですね。血管を詰めるという目的ではなく、狭窄を解除するという目的ですから、目的が逆なのですね。技術的な問題もあるとは思うのですが、私たちが詰めてはいけないと言われてきた根拠の一つが、血管面積あたりの金属部分が非常に多くなると、血栓性の閉塞をしやすくなることです。それから、もう一つは、再狭窄やステントの構造上の変形が起こりやすくなることです。データを見ると大きな問題はなさそうには思うのですが、その辺りをどのようにお考えかが一つ目の質問です。
 もう一つは、抗血小板療法について、かなりここの記載が曖昧に見えたものですからお聞きします。私たちは、例えば3mm程度の径の金属性のものを血管内に留置すると、非常に血栓ができやすいので、抗血小板療法は強力にやらなければいけないというのが常識になっております。エビデンスがないと言われると、そこは非常に抵抗感があり、そこはもう少し明快な説明がほしいと感じます。以上の2点についてお願いしたいと思います。
○荒井部会長 これは、小林先生お願いいたします。
○小林参考人 非常に重要な点の御指摘だと思うのですが、今回のフローダイバーターはステントとは目的が違いますし、確かにメタルの部分をどの程度密にするのが一番いいのかというような問題が常に問題になります。現在も、いろいろな実験が行われておりますが、ただこれを留置する場所は必ず曲がっている場所ですので、置き方によって外側のメッシュは開き、内側は密になってしまうというという問題があります。そうすると、動脈瘤がどちら向きに出ているかというようなことで、そこを調節しなければなりません。それから、ブランチが出ている部分で枝自身については閉塞しないことは実験的に分かっているのですが、ただやはりそこが密になるのも好ましくないというようなことを考えますと、その辺りが技術的な難しさになると思います。ある程度経験を積んで、「置きながら詰めていく」「置きながら押し戻す」というような形で、メッシュの密度を調節する場合は全くマニュアルの世界ですので、そこについての技術の中で解決していくしかないと思います。ただ、結果としては過伸張で置かない限りかなり成績がいいということが結果としては出ていることになります。
 それから、抗血小板剤についても大変難しく、特に日本人ではクロピドグレルに抵抗性の方の割合が多いというような問題もあり、ここについても完全にどうするべきか。それから、瘤内の血栓化を期待することと、血小板凝固機能を落とすということをどのように折り合いを付けるかという問題があり、これもなかなか明確にはいかないと思います。現在の段階では、例えば周術期3剤というような形で、それを一定期間後に2剤に減らし、1剤に減らすと、一定のプロトコルの中で市販後の調査の中でそこについては至適なものを出していく形になると思います。
○荒井部会長 機構からは、特によろしいですか。
○機構 事務局からお答えいたします。抗血小板療法に関しては、先生の御指摘のとおりです。これは、Pipelineに限らず、いろいろなものを出すときにコロナリーではかなりしっかりとしたエビデンスがあって推奨されている部分があるのですが、ほかのものはなかなかそういったエビデンスがなく、ただ違和感があるのはこちらもずっと考えているところで、特にPipelineの使用成績調査に関しては、実は国内臨床試験のデータも行われている抗血小板療法との関連もよく調べたのですが、なかなかはっきりした傾向もなく、市販後にきちんと情報を集めて、医療現場に還元する。あるいは、関連学会の先生方とそういった推奨の形ができるかどうかを今後とも継続して御相談させていただければと思っております。
○武谷委員 少し教えていただきたいのですが、審査報告書の23ページに、表11とありますが、そこで因果関係が否定できない有害事象の脳梗塞が40.9%というので、少し驚いたのですが、上段の説明で、全例が術後のMRIで確認された無症候性脳梗塞であり、軽度の事象であったというのですが、これは術前になかったものが術後に発生したとしたら、軽度であっても看過できるものなのでしょうか。
 それから、外国の報告書はその数ページ前にありましたね。19ページですが、表4、表5を見てもほとんど1%前後であり、極めて少ないというので、これはシムプトムベースであり、MRIはやっていないのかどうかも含めて、お答えいただければと思います。
○荒井部会長 術後の脳梗塞とMRIでの確認について、説明をお願いします。
○機構 御指摘ありがとうございます。一般的な頭の脳血管内治療において、普通の動脈瘤コイル塞栓術でも、小さな脳梗塞が現れることは2、3割あると言われております。ですので、それが症候性でないという点に関して言えば、頭の脳血管内治療でいえば大きなものではないと、こちらとしては判断しております。
 また、PUFS試験においては、術後のMRIを撮ることはされておりませんので、こちらに関する成績に関しては症候性の脳梗塞と報告はされております。
○武谷委員 確認するのですが、これは術前にもあったものがたまたま術後に見付かったということなのか、手技によってなかったものが術後に出現したのかと。それに関しては、どちらなのでしょうか。
○機構 術前にはなかったものが、術後に出現したことになっております。
○武谷委員 4割に、程度は軽くても脳梗塞は出現したと結論してよろしいのですね。
○機構 はい。
○武谷委員 これによる長期的な予後というのは、全く4割の方は影響がないと考えてよろしいのですか。
○機構 はい。一般的に影響はないと考えていただいていいと思います。今回MRIで出現しました脳梗塞に関しても、ほんの小さな1センチ程度であったり1mm程度であったりというような脳梗塞も全て含めて報告されております。そちらに関して、長期的な予後に関しては、現在のところ大きな問題はないという報告がされているものが多くありますので、こちらの脳梗塞に関しては無症候性のものは大きなものはないのではないかと判断いたしました。
○武谷委員 問題はないとしても、その脳梗塞は手技に直接起因するものというロジックでよろしいのですか。その手技で説明ができるのかどうかをお聞きしたいのですが。
○小林参考人 追加で補足いたします。PUFS試験、海外の試験では症候的に脳梗塞が発生したものということですが、国内治験の場合には、虚血巣が新しいものが出たかどうかをMRIで非常に高い精度で評価した結果、このぐらいのところで新たな小さい点のような脳梗塞が生じたという結果だと思います。先ほど、機構から説明がありましたように、このPipelineに特異的なものかといいますと、特異的ではなく、血管内治療一般に起こり得る、頚部のステント等でも発生するのと同様のものが出ます。ただ、割合に関しては、他の血管内治療よりも少し高いことは事実だと思います。ただ、いわゆる脳梗塞という言葉の定義が、ここで示されているのはMRI上に新たな虚血巣が見られたものを脳梗塞ということでカウントしたために、割合としては高くなったと解釈しております。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。
○中谷委員 今回の承認に当たって、臨床試験で使用したものを改良したよりよいシステムを、梅津先生も言われたような形で、承認すること自体はいいとは思います。今回新たなもので承認するために、承認条件の3番目に経年解析結果と書かれてありますが、半年ごととかに評価をしていくことをもう少し明確にしておいてやった方がいいのではないかと思います。これまでの臨床試験と成績から多分大きな問題にならないだろうとされているのは分かるのですが、それを担保することももう少し書くべきと思います。ある条件で国内試験がされて、妥当であるということであれば通常のやり方でいいと思うのですが、今回は改良されたものを承認することになりますので、もう少し目を光らせますよというか、チェックしますよという形にしておいた方が、もし何か起こったときにすぐに認識されると思いますので、もう少し明確にしたが方いいのではないかと思います。
○機構 本品は、使用成績評価において□□や□□□で、1年までは結構早めに短期間できちんと病院に通って検査をして、そのあとは1年おきに検査をすることとなっております。それから、もし重篤な疾患等が見付かったらすぐ報告をしてもらうことになっておりますので、申請者も十分に注意をして普及させるということですし。
○中谷委員 それはそうだと思います。私が言いたいのは、例えばそれがきちんと集計されて、例えば半年たった段階で今まで使用してきて特に大きな問題はないから続けるのは問題ないですよという意味の評価を行うことについて、それなりの配慮が必要ではないかということです。
○機構 御指摘ありがとうございます。企業も、国内臨床試験成績が悪いことを踏まえ、段階的導入という形ではっきりそれをトレーニングに書いておりますので、安全性を確認しつつ進めるということで、事務局としては、その結果を協議しながら、例えば施設を広げる、あるいは症例を増やすことを考えております。そういう対応でよろしいでしょうか。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。よろしければ、議決に入ります。なお、一色委員におかれましては、利益相反の申出に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。それでは、医療機器Pipeline Flex フローダイバーターシステムについて、本部会として使用成績評価の対象に指定し、承認を与えて差し支えないでしょうか。また、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要としてよろしいでしょうか。
 御異議がないようですので、このように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することにいたします。ありがとうございました。これで議題1を終了いたします。小林先生におかれましては、どうもありがとうございました。
(小林参考人退席)
○荒井部会長 それでは、続いて、議題2の医療機器ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムの製造販売承認の可否等について審議いたします。本議題の審議に当たって参考人として、山口県立総合医療センター外科診療部部長の善甫宣哉先生にお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、審議品目の概要について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 事務局から御説明いたします。資料2を御覧ください。1枚目が諮問書です。本議題では、医療機器ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムの製造販売承認の可否、生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、及び使用成績評価の指定の要否について御審議をお願いいたします。
 審議品目及び審査の概要については、機構より御説明いたします。
○機構 機構より御説明いたします。当日配布資料1の2ページです。ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムの専門協議委員を御覧ください。本審査に当たり、3名の専門委員から御意見を頂戴しました。では、品目の概要について御説明いたします。
 資料2の灰色タグの審査報告書の4ページ、審議品目の概要です。本品は胸部大動脈瘤、以降、大動脈瘤と略します。その治療用として既に承認されているステントグラフトシステムです。本申請は外傷性胸部大動脈損傷、以降、大動脈損傷と略す適応と、合併症を有する急性期Stanford B型大動脈解離、以降、急性B型解離と略す適応の二つの適応追加を目的とした、製造販売承認事項一部変更承認申請です。
 審査報告書5ページは、本品を用いた治療概要の説明です。大動脈損傷の治療は、大腿動脈、あるいは腸骨動脈を外科的に露出させ、図1のデリバリーシステムを用いて、経カテーテル的にステントグラフトを図2に示すように留置することにより、大動脈の損傷部位を塞ぎ治療します。また、急性B型解離治療において、同様に、図3に示すように、解離した大動脈の中枢に位置するエントリー亀裂と呼ばれる内膜の破綻した部分を閉鎖して、血液が偽腔へ流れることを遮断し、治療します。いずれの場合もステントグラフト内挿術と呼ばれ、既に承認されている本品の使用目的と同様です。
 審査報告書6ページの中段以降を御覧ください。開発の経緯について説明いたします。大動脈損傷は、交通事故又は転落等の高エネルギー事故によって生じるとされ、患者の80~90%は病院到着前に死亡するとされており、残りの約10%の患者が治療対象となります。本邦ではこれまで、外科的開胸術が実施されております。しかし、その侵襲性や死亡率は決して低くないため、近年ステントグラフト内挿術が世界的に実施されています。また、本邦においても、適応外使用ですが、既承認の大動脈瘤用ステントグラフトを用いて治療が行われている現状があります。本品は、このような国内外の医療実態を踏まえて開発されました。
 急性B型解離については、審査報告書7ページの中段以降を御覧ください。急性B型解離の適応は、昨年11月にCook Japan社の1品目が承認を取得しており、本品はそれに続く品目です。したがって、以降は、新効能である大動脈損傷を中心に御説明いたします。
 審査報告書7ページの下段を御覧ください。(2)外国における使用状況ですが、本品は欧州において、既に大動脈損傷及び解離を含む胸部下行大動脈治療の適応で、CEマークを取得しております。また、米国でも同様の適応を取得しております。このほか、計47か国において、□□□□□本の販売実績があります。
 本品の非臨床試験成績については、審査報告書8~13ページに記載しております。本申請では、本品の原材料及び構造等に変更がないため、物理化学的特性、生物学的安全性等の臨床試験に関する資料の提出は省略されております。また、本品の品目仕様については、審査報告書9~11ページを御覧ください。
 審査の結果、既に承認を得ている大動脈瘤で設定した仕様を病態の異なる大動脈損傷及び急性B型解離においても、同一の設定とすることについては、この後に御説明する臨床試験成績も踏まえて、受入れ可能と判断いたしました。
 審査報告書13ページ以降を御覧ください。本品の大動脈損傷治療に関する臨床試験成績です。米国の21施設において、多施設共同単腕試験として、TAG08-02試験、以降、外傷治験と略す治験が実施されました。この試験は治療担当医により修復を要すると判断された大動脈損傷の患者の51例が登録されました。なお、本治験では、統計解析は記述統計のみ行われ、仮説検証試験としては実施されておりません。
 審査報告書15ページの下段の外傷治験の結果について御覧ください。本治験では、対象患者51例に本品が問題なく留置されました。また、本治験における安全性の主要評価項目は、全ての原因による術後30日間の死亡率と設定され、試験の結果、本品治療群の30日死亡率は7.8%、51例中4例でした。この成績は公表論文で報告されているステントグラフト治療による臨床試験成績と同等の成績でした。
 審査報告書16ページ上段の有効性についてを御覧ください。有効性の主要評価項目は、術後30日間の再処置を必要とする主要な機器関連有害事象の非発生率とされ、試験の結果、全例で機器関連有害事象が回避されました。
 審査報告書17ページの表7を御覧ください。機器又は手技関連の重篤な有害事象は、術後12か月までに2件のみが報告されました。その内訳は脳卒中と間欠性跛行がそれぞれが1件ずつですが、いずれも大動脈損傷に対して行われるステントグラフト治療において、既治の事象であり、本品特有ではありませんでした。このほか、ステントグラフト治療に関連した大動脈破裂、エンドリーク及び外科的開胸術への移行は、いずれも認められませんでした。
 合併症を有する急性B型解離治験の成績は、審査報告書18~26ページにお示ししております。本品の治療成績は既承認品目と同等の成績であり、提出された試験成績から本品の有効性及び安全性は確認されたと判断しております。
 本品の審査における主な四つの論点について御説明いたします。一つ目の論点は、外傷治験が仮説検証治験として設計されていなかったことについてです。審査報告書27ページの中段以降の(2)の1.治験デザインの妥当性についてを御覧ください。本品の対象患者は、非常に重篤な高エネルギー外傷の患者であり、臓器損傷の程度や全身状態は患者によって様々です。したがって、本品による介入治療の有用性を急性期死亡率のみで評価する仮説検証試験の実施は難しいと考えます。加えて、緊急治療を要する患者が対象であることに鑑みると、外科的開胸術とステントグラフト治療の比較臨床試験も実施困難と考えます。
 以上を踏まえて機構は、本外傷治験において、仮説検証を実施せず、記述統計による本品の有効性及び安全性を確認することは受入れ可能と判断いたしました。本治験において仮説を設定せず、本品の有効性及び安全性を適切に評価するためには、大動脈損傷治療において、本品に要求される基本的性能を総合的に評価する必要があると考えます。
 本品において評価すべき事項は、以下の3項目と考えました。1点目は、病態へ正確かつ迅速に送達・留置できること。すなわち、手技的成功。2点目は、標的血管周囲を損傷することなく圧着して、かつ外傷部へ血流を遮断し、生命維持に必要な血流を確保できること。すなわち、死亡を含めた急性期の有害事象の回避、3点目は、ステントグラフトとしての耐久性及び安全性を有していること、すなわち、ステントグラフトの移動及び破損、並びにそれに伴うエンドリーク等の非発生、以上の3点です。外傷治験において、プロトコル内で上記の基本的な性能は、評価項目として設計されていること。また、申請者が設定した症例数が51例であれば、一定の確度を持ってこれら3項目を評価できることから、本治験のデザインは受入れ可能と判断いたしました。
 二つ目の論点は、本品の有効性及び安全性についてです。審査報告書29ページ3)の中段以降から御覧ください。機構は先ほど述べた評価すべき事項について、1点目の手技的成功は全例で認められたこと。二つ目の評価項目については、少なくとも30日時点での死亡を含む有害事象は高い頻度で回避できていること。三つ目のステントグラフト自身の性能については、症例数は限られているものの特段問題となる事象は認められなかったことから、本治験成績により本品の有効性及び安全性は確認できたと判断いたしました。
 三つ目の論点は、本品の使用目的についてです。審査報告書33ページ(3)から御覧ください。欧州及び米国では、外傷や大動脈瘤を含むあらゆる胸部大動脈疾患を包含する使用目的とされ、申請者はこれらをまとめて孤立性病変と定義しましたが、機構は現時点では、孤立性病変の全てを適応とする方針は適切ではないと考えます。その理由を、審査報告書34ページの7行目以降に記載しております。
 孤立性病変とされる感染や炎症による大動脈破裂及び大動脈縮窄症については、大動脈瘤、大動脈損傷並びに急性B型解離に起因する病態とは大きく異なり、これらの疾患に対するステントグラフト治療が現在のところ、確立されたものではないと考えるためです。また、専門協議では、基本的には、これらの病態に対して、別途、臨床評価が必要であるとの結論に至りました。したがって、機構は、本品の適応を孤立病変とはせず、個別に取扱うことが妥当と判断いたしました。なお、合併症を有する急性B型解離の適応については、既承認品目と同様に、通常行われる内科的治療が奏効せず、解離の進行が疑われる場合、並びに生命の危機に直結する大動脈破裂及び重篤な臓器虚血を有する急性B型解離患者に使用されると判断しております。
 以上を踏まえ、本品の使用目的を審査報告書34ページの下段以降に記載のとおり、大動脈瘤、大動脈損傷及び合併症を有する急性B型解離患者のうち、介入治療が必要な患者に、本品が使用されるとの内容へ変更することが適切と判断いたしました。
 四つ目の論点は、市販後安全対策及び使用成績評価についてです。審査報告書36ページ2段目以降を御覧ください。本品の性能を十分に発揮し、より安全に使用するためには、本品や対象疾患の病態について、十分な教育トレーニングを受けた医師により、緊急時の体制と設備が整った施設において使用される必要があると考えます。したがって、従来の大動脈瘤に対する承認条件1及び2を、大動脈損傷及び急性B型解離の適応も含めたものへ変更することが妥当と判断いたしました。
 次に、使用成績評価の指定の要否について、審査報告書36ページの中段より記載しております。機構は、急性B型解離用ステントグラフトが本邦において、承認されてから日が浅く、本邦にて本品を使用した際の情報がないことから、本邦での使用実態や、これに付随する追加治療の実態を評価する目的で、急性B型解離に対する使用成績評価を実施する必要があると判断いたしました。
 症例数設定については、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□、□□□□□□□□□□□□、43例と設定されました。また、評価期間については、長期的な安全性を確認するために、観察期間を5年として、販売準備期間□□□及び症例登録期間□□□□□と想定し、計7年とすることが妥当と判断いたしました。
 大動脈損傷に関しては、審査報告書37ページの2段目以降に記載しております。大動脈損傷の対象患者は、緊急症例や重篤例の頻度が高いと予想されること及び発生頻度の正確な予想が難しいことから、急性B型解離の調査に含めた形で実施し、必要症例数をあらかじめ設定しないことといたしました。加えて、海外で先行して実施された本治験の長期成績については、本邦での適切な安全対策に重要であることから、既承認の大動脈瘤と同様に承認条件3として、当該治験成績の経年報告を課すことが妥当と判断いたしました。
 以上の審査を踏まえ、機構は本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断いたしました。また、本品は、使用成績評価に指定し、評価期間を7年とすることが妥討と判断しております。生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。
 事前に、荒井部会長から破裂性大動脈瘤と大動脈縮窄症は、別途、臨床評価が必要として、本品の適応から外し、別途臨床評価が必要としているが、その適応追加へのアプローチはどのように進めるのか、といった御質問を頂きました。
 この点については、今後も継続して関連学会と連携して、本品の真のニーズを明らかにすること、及びニーズに対してアカデミアと企業と共に一体となって開発を進めることとしております。機構からの御報告は以上でございます。御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○荒井部会長 それでは、参考人の善甫先生から御意見を頂きたいと思います。お願いいたします。
○善甫参考人 主に外傷性の胸部大動脈損傷に対して、CTAG胸部大動脈ステントグラフトの有用性についてお話させていただきます。
 本邦で、実際に年間で胸部大動脈損傷は何百例あるか、細かいデータはありません。胸部外科学会もデータベース2012年がありますが、外傷性に限っては定義されていません。今、NCDというナショナルクリニカルデータベースがあります。日本血管外科学会のデータベースに参加させていただいておりますので、そのデータを見ると、かなり少なく50例程度しか胸部下行及び胸腹部大動脈損傷はありません。しかし、推測すると、数百例は年間に、このような治療が必要になる症例があるのではないかと思います。
 先ほど、機構からも説明がありましたが、高エネルギー外傷では大体90%の患者さんは、頭部、肺挫傷、腹部、骨盤損傷で病院に到着前に死亡されています。残りの10%の患者さんが、大動脈のボタロ1管、胸部を中心として大動脈が損傷し、その中の大半の患者さんが手術的、若しくは血管内治療をしないと救命できないというようになっています。従来のCTAGの前にオリジナルのTAGがあり、欧米、若しくは本邦でも、適応外使用ですが、オリジナルのTAGによる治療がされていました。しかしながら、高齢者の胸部大動脈瘤とは違って、外傷の患者さんは若年で、大動脈径が細く、なおかつ、大動脈弓部が曲率半径がすごく小さく、従来の高齢者の大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術では、なかなかうまくいきませんでした。その理由は、径が小さいために圧が掛かって、大動脈がコラップス、虚脱して、下半身の血圧がなくなってしまう例がありました。
 もう一つは、曲率半径の小さい弓部大動脈にうまくフィットせずに、バードピークと私たち呼んでおりますが、うまくフレキシブルにフィットしないために、やはり浮いてコラプスしてしまい、その二つの問題点を解決するべく、このゴア社がラディアルフォースを強くして、なおかつフレキシブルというか、ゴア側はコンフォーマブル、しなやかに追随するという、コンフォーマブルという言葉を使っておりますが、そのように改良してこの製品ができております。
 CTAGは、最小口径が21mmまでありますので、従来より小さい径まであり、若年者の大動脈損傷に、より適用できるように、なおかつ虚脱を防いで、大動脈の曲率半径の小さい屈曲にうまく追随するように開発されたデバイスです。
 留置に関しては、既に2008年にオリジナルのCTAGが発売され、留置方法もほとんど変わりなく、留置の精度も全く問題ありません。今、1万数千例の胸部ステントグラフトが留置されております。手技に関する問題はないかと思います。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、委員の皆様から御意見、御質問はありますでしょうか。
○一色部会長代理 私から一つだけ質問させていただきます。非常に有意義なことで適応拡大は全く問題ないと思いますが、外傷の場合、特に多発外傷とか、開放性の骨折などがあった場合に、感染のリスクがあると思いますが、このような植込み型の物が血管内に入るということで、この資料の中に感染のデータがほとんど入っていなかったので、その感染予防の観点で、このデバイスが問題ないということは、大体言えるものかどうかについて御説明ください。
○善甫参考人 私の個人的な経験では、胸部ステントグラフトを外傷に適用して、ステントグラフトが感染したことは一例もありません。
 従来の大動脈瘤に比べると、損傷の部位は非常に限られております。ただし、完全断裂とか、部分断裂でありますので、本来の大動脈の組織が欠損している部分は、大動脈瘤に比べるとすごく小さくなっておりますので、もちろん肺挫傷とかが同時にあると、端とかが人工血管に触れる可能性はゼロではありませんけれども、基本的にはないのではと思います。このデータはなかったですか。
○荒井部会長 そのほかはよろしいですか。
○齋藤委員 従来の形を、コンフォーマビリティーを高めるというような構造的な改造をして、外傷性の大動脈瘤まで適応が拡大したということなのでしょうか。
○善甫参考人 はい、そのように解釈して問題はないかと思います。もちろん従来の高齢者の胸部大動脈瘤に対しても、このラディアルフォースが強くなって、なおかつコンフォーマブル、屈曲に追随しやすいのは、いい結果をもたらしております。
○齋藤委員 なるほど、分かりました。
○千葉委員 33、34ページの間にある孤立性病変の取扱いの所ですが、読んでいてちょっと分からなかったのですが、申請者が孤立性病変として称しているものを、全部を否定するわけではないと、これ、読み取れます。孤立性病変ですから、孤立性病変の考え方に申請者と専門家の議論の間に、どうも違いがあるようにこれは見えます。つまり、穿通性の潰瘍とか、こういったものは孤立性病変であるのかないのか、これはないから、これは適応に含めるのだというように私には読めるのですが、ここはいかがでしょうか。
○機構 事務局より説明させていただきます。資料2の青色タグ、添付資料概要を御覧ください。3ページに申請者が申す孤立性病変というのが一覧で記載されています。ここに疾患として、穿通性潰瘍、壁内血腫、大動脈断裂、紡錘状大動脈瘤、嚢状大動脈瘤、仮性動脈瘤、破裂性大動脈瘤、大動脈縮窄症というように記載しておりますが、申請者にここを確認したところ、これらに捕らわれず、広く大動脈の病変、ステントグラフト治療の対象となる病変を、全て孤立性病変とするという回答を頂きました。
 既にこの機器は大動脈瘤に対して、適応を持っています。その適応の中では、穿通性潰瘍と紡錘状大動脈瘤、嚢状大動脈瘤についても含まれており、既に承認しております。
 そのほかの孤立性病変のうち、壁内血腫とか、大動脈断裂とか、仮性動脈瘤に関しては、今回提出された外傷の治験並びに急性大動脈解離に基づく治験で、その症例は含まれており、有効性と安全性が前向きの臨床試験で検証されたと考えております。
 破裂性大動脈瘤や大動脈縮窄症については、先ほどの口頭の説明でも申し上げたように、専門協議でもここは議論したところです。やはり病態が大動脈縮窄症とか、例えば炎症性大動脈瘤破裂や感染性動脈瘤破裂などは、まだステントグラフト治療が確立したものではないというような結論です。手術とステントグラフトではどちらがいいかがよく分かっていない現状で、それらを適応に含めることが妥当かという判断をして、今回は適応から除外した方がよいのではないかというように専門協議で結論付けました。このような説明です。
○荒井部会長 この点につきまして、参考人の善甫先生、何か御意見はありますでしょうか。
○善甫参考人 今の説明でさほど問題はないと考えますが、今の資料の穿通性潰瘍、壁内血腫というのは、イントラミューラルヘマトーマで、ここの定義は、日本と外国の定義は若干違っていて、日本では壁内血腫は余り使わないようにすると言われています。あとは、大動脈断裂は今回の外傷性大動脈損傷で問題はないと思いますし、紡錘系、嚢状大動脈瘤は従来から適応になっています。
 仮性動脈瘤の定義は、どこまでが破裂で、どこまでが仮性なのか難しいのですが、一応、これも従来の嚢状大動脈瘤ということで使います。そうすると、エビデンスがないのは、破裂性の胸部大動脈瘤と感染性大動脈瘤です。これに対しては、胸部ステントグラフトがいいか、従来の開胸手術の方がいいか、まだコントラバーシャルで結論が出ていないと思います。あとは、先天性の結合疾患です。エーラスダンロス、マルファン症候群、これも昨年10月のこの部会でも御説明しましたが、従来手術がいいか、ステントグラフトがいいかは、まだ結論は出ておりません。それで、孤立性病変を全部含めてしまうと、あともう一つ、大動脈縮窄症ですが、これもまだ、このようなセルフエクスパンダブルのカバードステントがいいか、若しくはバルーンエクスパンダブルとか、まだ欧米でも承認されていませんが、そういう大口径のバルーンエクスパンダブルのカバードステンドがいいかはまだデータは出ておりませんので、そういうことで、破裂と感染と先天性の結合式疾患と、大動脈縮窄症に関しては時期尚早ではないかということで、今回、孤立性病変に対する適応使用は、見直した方がいいのではないかというように解釈しております。
○荒井部会長 ありがとうございます。この辺のところは、承認の時にエビデンスがないが故に残ってしまう訳ですが、疾患の頻度にもよりますが、次の承認のハードルがあまりに高くなってしまうと、永久に空白地帯として残ってしまうことが懸念されます。この辺は是非、今後御検討いただくこととして、一応、現時点ではエビデンスが十分ではないという、善甫先生のお話もありましたので、そういう適応ということで孤立性に関しては、制限を加えたという理解でよろしいでしょうか。ほかに御意見がないようでしたら、議決に入ります。よろしいでしょうか。医療機器ゴアCTAG胸部大動脈ステントグラフトシステムについて、本部会として、使用成績評価の対象に指定し、承認を与えて差し支えないでしょうか。また、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要としてよろしいでしょうか。ありがとうございます。
 御異議がないようですので、そのように議決させていただきます。この審議結果については、次の薬事分科会において報告することとさせていただきます。これで、議題2を終了します。参考人の善甫先生、どうもありがとうございました。
(善甫参考人退席)
○荒井部会長 引き続き、議題3医療機器S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードの製造販売承認の可否等について、審議を進めます。本議題の審議に当たりましては、参考人として近畿大学医学部附属病院心臓血管センター教授の栗田隆志先生においでいただいております。よろしくお願いいたします。まず、審議品目の概要について事務局より説明をお願いします。
○事務局 資料3です。1枚目が諮問書です。本議題では医療機器S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードの製造販売の承認の可否、生物由来製品又は特定生物由来製品指定の要否及び使用成績評価の指定の要否について御審議をお願いします。品目は二つありますが、併せて使うものですので2品目併せて御審議をお願いいたします。審議品目及び審査の概要については、機構より御説明いたします。
○機構 当日配付資料1の本品目の専門協議委員一覧をご覧ください。本審査に当たり資料にお示しする3名の専門委員の御意見を頂きました。また、当日配付資料2をご覧ください。事前に配布しました審査報告書に修正がありますので、正誤表にてお示しいたします。お詫び申し上げます。
 始めに既存の植込み型除細動器と本品との異なる点を説明いたします。以降、植込み型除細動器をICDと略します。当日配付資料3をご覧ください。左の列が既存の経静脈ICD、右の列が本品です。まず、植込み位置についてですが、左の列に記載した経静脈ICDは、パルスジェネレータを左前胸部皮下に植込み、リードが静脈内を通り右心室に植え込まれます。一方、右の列に記載した本品は、パルスジェネレータを中腋窩線皮下に植込み、リードは前胸部皮下に植え込まれます。このように経静脈ICDと本品では、植込み位置が大きく異なります。
 更に機能についての比較です。左の列に記載した経静脈ICDでは、通常、抗頻拍ペーシング機能及び徐脈ペーシング機能を有しておりますが、本品はそれらを有しておりません。また、適応については、本品は心室性頻拍性不整脈による心臓当然死の危険性の高い患者に対して用いられる点は、経静脈ICDと同じですが、本品は皮下に植え込まれるため血管の閉塞等により経静脈ICDが使用できない患者にも適用可能です。しかし、本品は抗頻拍ペーシング機能及び徐脈ペーシング機能を有していないため、これらが有効な患者に使用することはできません。また、寸法、質量、容積、除細動ショックエネルギーについては、本品は経静脈ICDよりも大きく、電池寿命は同等程度となっております。本品は植込み位置、機能、適応等が明らかに異なり、新規性が高いため新医療機器として審査いたしました。
 次に品目の概要を説明いたします。審査報告書4ページの審議品目の概要をご覧ください。本品はS-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードから構成される皮下植込み型の除細動器です。以降、S-ICDパルスジェネレータを本品1と略し、S-ICDリードを本品2と略します。審査報告書6ページの図3に植込み位置の模式図を示しております。また、同じページの図4に示すように、本品は患者スクリーニングツールにより体表心電図がプロファイルに収まることを確認するスクリーニングを行います。本品は、本品2のセンシング電極及び本品1の缶を用いて皮下心電図をセンシングし、頻拍が検出された場合には、本品1の缶及び本品2のコイル電極を用いて除細動を行います。
 次に開発の経緯を説明いたします。審査報告書7ページの中段、起原又は発見の経緯をご覧ください。現在、心臓突然死の原因となる心室頻拍及び心室細動を有する患者への一般的な治療法として、経静脈ICDが用いられております。以降、心室頻拍をVT、心室細動をVFと略します。既存の経静脈ICDには、植込み手技に伴う心血管損傷、植込み後の感染による心内リード抜去のリスク等が存在し、また、血管内の残存リードの影響で適用できない患者も存在いたします。そこで、本品の製造元であるCameron Health社は、経静脈リードを用いず植込みが外科的に容易で、より低侵襲なICDとして本品を開発しました。
 次に外国における使用状況を説明いたします。審査報告書7ページの下段、外国における使用状況をご覧ください。本品はEUで2009年6月にCEマーク、米国で2012年9月にPMAを取得しております。2015年2月の時点で本品は約□□台の販売実績があります。
 次に非臨床成績について説明いたします。本品1及び2の安定性及び耐久性については審査報告書10ページの上段、電気的安全性及び電磁両立性については12ページ上段、生物学的安全性については13ページ下段、機械的安全性については14ページ下段、性能を裏付ける試験については15ページ下段、効能を裏付ける試験については16ページ中段に概略を記載しております。以上の非臨床試験の成績に関する資料が提出され、審査の結果、特段の問題がないことが示されました。
 次に臨床試験成績について説明いたします。本品については、国内臨床試験は実施されておらず海外において実施された臨床試験成績が提出されました。審査報告書22ページの上段、S-ICDシステム臨床試験をご覧ください。提出された臨床試験は、致死性心室性不整脈の治療における本品の有効性及び安全性を評価する目的で、米国他3か国で330症例を対象にして実施された多施設共同前向き無対照試験です。次に主要有効性評価項目について説明いたします。審査報告書23ページ1文目からご覧ください。主要有効性評価項目は、植込み手技から退院までに実施した急性期誘発VFコンバージョン成功率とされ、その成功率は100%であり、あらかじめ設定した性能目標を上回りました。
 次に主要安全性評価項目について説明いたします。審査報告書24ページの上から3段落目をご覧ください。主要安全性評価項目は、植込み後180日までに本品によって生じ、かつ侵襲的処置が必要となった臨床事象の非発生率とされ、その非発生率は99%であり、あらかじめ設定した性能目標を上回りました。また、2%以上で認めた臨床事象として、オーバーセンシングによる不適切なショック、不快感、上室性頻拍による不適切なショック、切開部/表在感染等が発現いたしました。
 次に本品の審査における主な五つの論点について説明いたします。一つ目の論点は、臨床的位置づけについてです。審査報告書27ページの上から3段落目をご覧ください。本品は経静脈ICDと同様に植込み型除細動器が必要とされる患者に使用される機器であること、また、リードも含めたシステム全体が皮下に植え込まれるため、血管の閉塞によって経静脈ICDが使用できない患者等においても使用できること。以上のことから本邦の臨床現場において意義のある治療選択肢の一つになると判断いたしました。
 二つ目の論点は、本品の有効性についてです。審査報告書29ページの(3)、上から3段落目をご覧ください。主要有効性評価項目の成績は、あらかじめ設定した性能目標を上回り、その成功率が100%であることから本品の有効性は示されており、VT/VFに対する除細動の原理に基づき、本品の有効性は海外と同様に期待できると判断しました。
三つ目の論点は、本品の安全性についてです。審査報告書30ページの上段、1)をご覧ください。主要安全性評価項目の成績は、あらかじめ設定した性能目標を上回りました。しかし、性能目標の設定の参考とされた文献等には、本臨床試験と定義が異なる合併症の文献も含まれており、妥当性の判断は困難と考えました。一方、本臨床試験で観察された事象に本品特有の事象はなかったことから、本臨床試験で認めた事象の内訳等を確認し、総合的に評価を行いました。
 次に審査において着目した事象について説明いたします。始めに不適切作動について説明いたします。審査報告書31ページの1段落目をご覧ください。本臨床試験において不適切作動の発現割合は12.8%であり比較的、高頻度に認めていますが、経静脈ICDと比較して高率であるとは判断できないこと、また、本品の海外市販後のレジストリにおける発現割合も考慮すると臨床的に許容可能と判断しました。
 次に植込み手技及び植込み位置について説明いたします。審査報告書32ページの中段をご覧ください。本品の植込み手技については、本品1及び本品2がいずれも皮下に留置される特徴があり、植込み位置の決定方法も含めて新規性があることから、本品の植込みを行う医師に対する適切な植込み手技に関する事前のトレーニングが必要であると判断しました。また、植込み位置については、本臨床試験において最適ではない植込み位置への植込み、また、移動の事象が発現していました。したがって、植込み後も本品の位置を確認することが重要であると考え、植込み手技及び植込み後の本品の位置に関する注意喚起をすることが妥当と判断しました。
 更に海外で実施された本臨床試験に組み入れられた患者は日本人患者よりも大柄な患者が多かったと考えられ、欧米人よりも皮下脂肪が少ない傾向にある日本人において、植込み手技の安全性や植込み位置に関する有害事象の発生リスクが、欧米人よりも高まるなどの問題が生じる可能性があると考えました。そのため、使用成績評価において情報収集を行い適切に臨床現場に情報提供をすることが必要と判断しました。
 次に感染について説明いたします。審査報告書33ページの1番下の段落をご覧ください。本臨床試験における感染症の発現割合は5.6%であり、経静脈ICDと比較して低いとは判断できませんでした。しかし、全身感染に至った症例は認めていないこと、本品全体が皮下に植え込まれるため感染発現時のリスク、また、摘出に伴うリスクが既存の経静脈ICDより低いことが期待されることを考慮すると、感染症発現率は許容可能と判断しました。また、本邦では体格の影響により本品の皮膚表面への露出リスクが、欧米人より高まること等の問題が生じる可能性があると考えました。そのため、使用成績評価において情報収集を行い適切に臨床現場に情報提供をすることが必要と判断しました。以上より本品の安全性について総合的に評価を行った結果、臨床的に許容可能と判断しました。
 四つ目の論点は、市販後の安全対策についてです。審査報告書34ページの中段、1)をご覧ください。本品は経静脈ICDと異なり徐脈ペーシング機能を有さないこと等の新たな注意点があること、また、本品の植込み手技も経静脈ICDと異なることから、医師へのトレーニング及び適切な施設選択が必要と判断しました。よって、本品の適応、使用方法等を十分に理解した医師が扱うこと、また、経静脈ICDの施設基準を満たす施設で、本品が患者に提供されるよう注意喚起を行うことが妥当と判断いたしました。
 五つ目の論点は、使用成績評価についてです。審査報告書35ページの1文目からご覧ください。本臨床試験に組み入れられた患者は、日本人の患者よりも大柄な患者が多かったと考えられ、日本人の体格における安全性について十分な情報がありません。また、日本人患者に一定程度含まれる体重が50kg以下の低体重患者の5例では、いずれの症例でも重大ではないものの臨床事象を認めています。そのため、体格が小さい患者において本品に関連する有害事象が想定外に高率に生じる、重篤化する、予想外の特定の問題が生じる可能性があると考えました。よって、植込み手技の安全性、植込み位置に関連した有害事象、植込み部位局所の皮膚障害及び感染についての日本人における発現状況は、患者背景を踏まえ評価し、得られた知見を適切に臨床現場へ情報提供をする必要があるため、使用成績評価が必要と判断しました。
 使用成績評価における症例数については、発現率2%の臨床事象を95%の信頼度で1例が検出可能な症例数として、150例が設定されました。本臨床試験における感染の発現割合は5.6%、植込み位置に関連した有害事象の発現割合は2.5%、植込み手技当日の最も多い臨床事象の発現割合は2.8%であり、その他の特定の事象が多く観察されることがなかったことから、本邦において本臨床試験と異なる安全性プロファイルが認められるか否かは、150例により判断が可能と判断いたしました。また、使用成績評価期間については、各症例の追跡調査期間を6か月とした上で、使用成績評価期間を3年とすることは妥当と判断しました。
 以上の審査を踏まえ機構は、本品を承認して差し支えないとの結論に達し、本医療機器・体外診断薬部会で御審議いただくことが適切と判断しました。また、本品を使用成績評価の対象に指定し、評価期間を3年とすることが妥当と判断しました。生物由来製品及び特定生物由来製品には該当しないと判断しました。なお、薬事分科会では報告を予定しております。機構からの報告は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ありがとうございました。まず、始めに参考人の栗田先生から御意見を頂きたいと思います。
○栗田参考人 近畿大学の栗田です。今回申請のありましたS-ICDですが、従来の経静脈的ICDと基本的なコンセプトは類似しております。大きく違いますのは、経静脈的なアクセスを必要としないというところです。経静脈的アクセスには、感染症、静脈の閉塞などいろいろな問題があります。特に感染を起こしますと全身性感染症へ発展して、その死亡率が極めて高い状況になります。しかしながら、今回のS-ICDは全てのシステムが皮下に植え込まれますので、万が一感染が起こりましても、その感染は局所にとどまりますし、致死的になる可能性は少ない、そして取り出しも非常に容易であるということから、画期的な新しいICDシステムだと考えております。
 特に過去の既存のペースメーカー、ICDによって静脈の閉塞が起こってアクセスが得られない患者さん、あるいは先天性の心疾患があって静脈からデバイスが入れられない患者さんにとっては、この機械が唯一、VT/VFからの突然死を防ぐという機器になるということから、臨床的な価値も高いと判断しております。
 しかしながら、幾つかの問題もあるのは当然でありまして、心臓から直接シグナルを得られないという問題点、すなわち適切な作動、不適切な作動がどの程度の確率で可能なのかという問題、植込み方法が大きく異なりますので、術者の慣れの問題もクリアしなければならないと思っております。先ほど機構からも説明がありましたように、ICDの植込みに関しては施設認定制度が稼働しており、本機器についても認定施設において植込みが行われるということになります。また、認定施設にはICD植え込み資格をもった心臓血管外科が常勤しておりますので、外科の先生の応援も得やすいという状況下での植込みになるということも一つの安全性の担保だと思っております。
 効果については、過去の米国中心のデータになりますが、非常に高い除細動率の効果を示しています。これについては、従来の経静脈ICDと比べても全く遜色がないものだと判断してよろしいかと思います。
 安全性の問題としては、不適切な作動が若干過去の経静脈ICDに比べると高いということが示されております。これについては、設定の工夫、欧米の経験を基に学習された効果も期待できますし、今後の使用法によっては不適切作動の発生率も従来のICDと変わらない程度に抑制できるという可能性は十分にあると思っております。以上です。
○荒井部会長 ありがとうございます。それでは、委員の先生方から御意見、御質問をお願いいたします。
○梅津委員 審査報告書及び栗田先生のお話で、この臨床の意義はよく分かったと思います。バイオエンジニアとしてではなくて、患者の立場という観点から質問いたします。オーバーセンシングによって不適切な作動が起こると、従来のICDと比べて不快感は大分違うものですか。つまり、ショックのエネルギーが大分違うということは、人の体にとってはどのように感じますか。
○栗田参考人 もしも、不適切作動になりますと患者さんの意識は完全にある状態、つまり完全アウェイクな状態で80Jというショックがかかりますので、かなり痛みはあると思います。経静脈的ICDによる場合の痛みに対するスタディがありましたが、その場合は、大体、15J~20Jを超えるとその痛みについては余り変わらないというデータがあります。例えば5Jと30Jだと、痛みが大分違うと患者さんは感じるようです。20Jを超えますと、それほど大きな変化はないというデータもあります。
 しかしながら、本品はそれよりもさらに倍以上のエネルギーが出力され、さらに体表から骨格筋までの経路をショックが通過するわけですから、筋肉の強い収縮などから生じる不快感は、かなり強いのではないだろうかとは想像されます。したがって、不適切作動をいかに避けるかということが、本品を使用する上で最も重要なポイントの一つになると思っております。
○梅津委員 ですから、この使用成績評価をきちんとやっていただいて、日本人はどちらかというとセンシティブな国民だと思います。そこの辺りがどういう形でこれを評価できるかというのは、とても大事な問題ではないかと考えます。
○栗田参考人 ありがとうございます。
○荒井部会長 そのほかにございますか。
○塩川委員 私は専門外でありますので、この医療機器には特に異論はないのですが、MRIのことについて、添付文書には駄目ということで、添付文書で使われている材料はチタンとかシリコンとか、でも具合が悪いものがあると思いますが、添付文書の7分の5ページぐらいだと、強い磁場で故障することがあると書いてあります。MRIは、絶対に禁忌という機器なのですか。
○栗田参考人 はい。基本的には絶対禁忌と考えていただいて、よろしいと思います。
○塩川委員 私は脳卒中の救急診療もやっている立場なものですので、今はペースメーカーなどでは対応機器もあると思いますが、不整脈を起こす患者さんは、心臓由来の脳塞栓症の非常にハイリスクな方です。本品についてというよりは、今後の不整脈を直す植込み型の機器についてMRIが撮れるかどうかというのは、かなり患者さんにとっては大きな条件なので、ですから、もし技術的に可能ならば多少の調整などで、MRIが撮れるというのが植込み型の不整脈治療の機器には大事かと脳卒中の現場からは思いますが、その辺はいかがですか。
○栗田参考人 本品はMRIの対応はできませんが、おそらく今後は、そのような方向性で技術開発が進んでくるだろうと思っております。現在はペースメーカー、ICD、CRTDまで条件を付けながらMRI対応型の機器がどんどん出てきておりますので、おそらくボストン・サイエンティフィック社もS-ICDについても同様の方向で、現在、検討している最中だと思います。ただ、もう少し時間が必要だと思います。
○荒井部会長 私から一つ、150例の使用成績調査はいいのですが、先ほどのオーバーセンシングの所が、体型が違うためにもしかしたら頻度が高いという辺りになりますと、これはもう少し調べる価値があると思います。先ほど参考人からのお話もありましたように、いわゆる皮膚の感染ということに関しては比較的に臨床現場で対応しやすいものなので、もしその辺を調べるだけだったら150例は本当に必要なのかと疑問を持つのですが、いかがですか。これはオーバーセンシングの点も含めて、機構から御意見ください。
○機構 150例については、不適切作動も含めて調査するということで設定されております。
○荒井部会長 不適切作動が起こるかもしれないということ含めての評価の項目として考えての判断ですね。
○機構 評価の項目としては考えております。
○荒井部会長 要は、すごく軽い類いのものを調べるために、いたずらに市販後調査の数が増えるというのは、余り好ましいことではないものですから、それを確認いたしました。そのほかよろしいでしょうか。
○千葉委員 主に2点です。一つは、電池の寿命が5年です。これは5年ごとに交換するということを前提にした装置ですか。
○栗田参考人 基本的には、心室頻拍、心室細動を起こす温床といいますか、素因を継続して有している場合は、ずっとそれを継続して使用しますので、5年おきに本体の交換が必要になります。ただ、この場合は取り出しが容易だということを考えて、例えば、この5年間に発作がなければ、その後は全てのシステムを取り出し、交換は不要と判断される患者さんもあり得るかもしれません。つまり、5年間使用してみて、その間に蓄積された情報や、作動状況などから、致命的不整脈が全くないという条件を満たせば今後それを使わないということも可能なシステムではあります。
 経静脈的なものは、一旦リードが静脈の中に入ってしまいますと、それを抜くのは大変リスクの高い作業です。しかし、本品は皮下ですので非常に容易に取り出すことができます。これまでの経静脈ICDとは違う考え方の適用もあるかもしれません。
○千葉委員 もう1点は、子供の場合は145gで結構重いです。子供の場合は適応や年齢のガイドラインはありますか。先天性心疾患もありますね。
○栗田参考人 小児の適応も視野には入れております。むしろ小児の場合、これから先は経静脈的なアクセスを温存するという意味で、小児により機器が適しているという考え方もあります。ただ、本品はかなり大きい状況ですので、当然、体格を考慮した適用が当然考えられるということではあろうかと思います。幼児は難しい、かなり小学生の高学年以上、それぐらいの成長が必要だと思います。
 もう一つ、これまでの経静脈的なリードは、成長に伴ってリードや本体が伸展される、あるいはディスロッジしてしまうという可能性がある機器です。本品の場合は、もしも成長によって機器の位置などが問題になった場合、皮下に入っておりますので、比較的リードや機器の再挿入は経静脈的なものよりも対応が可能であると考えられます。
○千葉委員 これは、除細動のときはワンポイントでパルスを出すのですか。心臓を挟んだ2点ではないのですか。
○栗田参考人 パルスはコイルと缶の間で電気を流します。ワンポイントではなく2極です。
○千葉委員 パルスジェネレータとリードの先端の間ですか。
○栗田参考人 先端ではなくてコイルがあります。コイルと本体の間で電気を流します。あとは、感知する電極は二つあり、遠位と近位があります。本体との間で幾つかのベクトルで心電図を感知して、それで患者にもっとも適したベクトルを選んで心電図を感知させます。ショックを流すのはコイルと本体の間ということです。
○千葉委員 分かりました。
○荒井部会長 それでは議決に入ります。なお、一色委員におかれましては、利益相反のお申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。
○参事官 今の小児への適用の関係で、確かに小児への使用の問題はあるのですが、添付文書上、表現を今のS-ICDパルスジェネレータの7分の4ページに重要な基本的注意とあります。それの1)の(2)の所に、S-ICDシステムの小児への適用は評価されていないという形を非常にシンプルに書いておりますが、少し書きぶりも含めて、今のお話もあったので、どう読むかもありますし今の範囲もどう考えるかもありますので、少し表現が変わりうることも含めて検討させていただけますでしょうか。
○荒井部会長 それでは、千葉委員から御指摘の、成人ではない人に対する留置に関して、逆にメリットもあるという点について少し検討をいただくという1点を保留いたしまして議決に入りたいと思います。
 医療機器S-ICDパルスジェネレータ及びS-ICDリードについて、本部会として使用成績評価の対象に指定し、承認を与えて差し支えないでしょうか。また、生物由来製品及び特定生物由来製品への指定は不要としてよろしいでしょうか。
 御異議がないようですので、このように議決させていただきます。
 議題3が終了いたしましたので、参考人の栗田先生、どうもありがとうございました。
(栗田参考人退席)
○荒井部会長 引き続き、議題4、医療機器の高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器の指定及び特定保守管理医療機器の指定の要否について審議を進めます。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 既存の一般的名称のいずれにも該当しない医療機器に対して新たに一般的名称を新設する際には、当該一般的名称が高度管理医療機器、管理医療機器、一般医療機器のいずれに該当するかなどについて医薬品医療機器法第2条第5項から第8項に従い、薬事・食品衛生審議会の意見を聞いて指定することとなっております。資料4です。2ページです。新設する一般的名称、「単回使用PDT半導体レーザ用プローブ」の概要を示しています。3ページです。新設する一般的名称(案)について、中段の既存の一般的名称のいずれにも該当しないと考える理由のとおり、本品は光線力学療法(PDT)に用いるPDT半導体レーザ装置に接続し、特定の波長のレーザ光を光感受性物質が集積した腫瘍組織に適切に照射できるよう設計されたPDT専用のプローブであるという理由から、既存の一般的名称のいずれにも該当しないと判断しております。
 5、6ページは、当該一般的名称に該当する品目の該要です。高度管理医療機器、管理医療機器又は一般医療機器への分類については、副作用又は機能の障害が生じた場合において、人の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあることから、その適切な管理が必要と考えられるため、高度管理医療機器クラスIIIに指定されるものと考えております。また、当該一般的名称に該当する品目は、単回使用であるため特定保守管理医療機器の指定については、不要と考えております。説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。
○荒井部会長 ただ今の説明に対しまして、何か御意見、御質問等ございますか。よろしいですか。議決に入ります。単回使用PDT半導体レーザ用プローブについて本部会として、高度管理医療機器として指定し、特定保守管理医療機器に指定しないということでよろしいでしょうか。御異議がないようでしたら、このように議決させていただきます。この審議結果については、次回の薬事分科会において報告いたします。引き続き、議題5、医療機器の再審査結果についてです。事務局より説明をお願いします。
○事務局 議題5、医療機器の再審査結果についてです。資料は5-1、5-2です。再審査は改正前の薬事法第14条の4に基づき、原則新しい医療機器などについて再審査期間を定め、承認後の使用成績等の調査を行わせ、その資料に基づき有効性、安全性などの再確認を行うことを目的とした制度です。
 資料5-1です。1枚目が医療機器の再審査確認等結果通知書です。販売名はセプラフィルム、申請者はサノフィ株式会社で平成9年8月26日に承認された癒着防止吸収性バリアです。本品は、腹部外科手術又は婦人科手術後の癒着の軽減を目的として使用されるフィルム状の合成吸収性癒着防止剤です。本品の使用成績調査は、医療機器の使用実態下における不具合発生状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、平成10年4月から平成12年8月まで観察期間を術後1か月として実施されました。
 次の品目です。資料5-2です。販売名はグラフトマスター、申請者はアボットバスキュラージャパン株式会社で、平成15年6月10日に承認された冠動脈用ステントグラフトです。本品は、冠動脈又は伏在静脈グラフトに生じた破れにより心嚢内への止血困難な血液漏出のある患者に対して、救命のために緊急処置として使用される冠動脈用ステントグラフトです。本品の使用成績調査は、医療機器の使用実態下における不具合発生発現状況、安全性、有効性等を確認することを目的として、平成15年6月から平成18年6月まで、本品使用症例全例の登録が行われまして、観察期間12か月として実施されました。今回お配りしている資料については、事前にお送りしておりますので簡単な説明としております。今回、報告しております2品目については、安全性、有効性について、特段の問題がないと判断されております。
 以上のことより、法第14条第2項第3号イ~ハまでのいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量などの承認事項について変更の必要がないカテゴリー1と判断しております。以上です。
○荒井部会長 本件について、委員の皆様から御意見、御質問はございますか。よろしいですか。ほかに御意見がなければ、これをもちまして議題5を終了いたします。これで本日、予定されました議題は全て終了しましたが、事務局から何かありますか。
○事務局 2月部会の審議品目、コアバルブとサピエンXTに関しまして、頂きました意見に基づいて承認条件の修正を行いました旨を御報告いたします。当日配付資料4-1、審議結果報告書です。先月2月25日の当部会におきまして、御審議いただいたものです。裏面に別添として、頂きました意見を記載した上で表面に承認条件1、2にそれぞれ「関連学会と連携の上で」という文言を追加いたしました。当日配付資料4-2は、サピエンXTについてです。こちらについても同様です。御報告は以上です。
○荒井部会長 今の報告、本件について御意見、御質問はよろしいでしょうか。特に御意見がないということでしたら、事務局からほかに何かありますか。
○参事官 次回の部会は、4月28日(火)の10時から開催を予定しておりますので、よろしくお願いいたします。連絡事項は以上です。
○荒井部会長 よろしいでしょうか。それでは、これをもちまして「薬事・食品衛生審議会医療機器・体外診断薬部会」を閉会いたします。ありがとうございました。

(了)

備考
 本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 室長補佐 佐々木(内線4226)

ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)> 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2015年3月20日)

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