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2015年5月29日 第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成27年5月29日(金)15:00~


○場所

厚生労働省専用第23会議室(6階)


○議事

○事務局 定刻になりましたので、平成 27 年度第1回医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催いたします。本日御出席の委員、参考人の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし喧噪にわたる行為はしないこと」、「座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など、留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日の委員の出欠ですが、望月委員から御欠席の御連絡を受けております。そのほかの委員 4 名からは出席いただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを御報告申し上げます。今回、参考人といたしまして、日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科教授の大久保先生、国立国際医療研究センター産婦人科科長の矢野先生に御出席をいただいております。

 それでは、冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきます。以降の議事の進行は、五十嵐座長にお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、議事をこれから始めます。事務局から審議参加に関する遵守事項について、御説明いただきたいと思います。

○事務局 議事参加について御報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況を御報告いたします。

 本日の議題に関して、競合品目、競合企業については、事前に各委員に資料をお送りして確認を頂いております。五十嵐委員より田辺三菱製薬株式会社より 50 万円以下の受取、遠藤委員よりエーザイ株式会社より 50 万円以下の受取、柿崎委員より第一三共ヘルスケア株式会社、田辺三菱製薬株式会社、ノバルティスファーマ株式会社、エーザイ株式会社より 50 万円以下の受取、大久保参考人より興和株式会社、エスエス製薬株式会社、佐藤製薬株式会社、エーザイ株式会社より 50 万円以下の受取、第一三共ヘルスケア株式会社、田辺三菱製薬株式会社、サノフィ株式会社、久光製薬株式会社 50 万円超 500 万円以下の受取と申告いただいたほかは、受取の申告はございませんでした。よって、全ての委員におかれまして、意見を述べ、議決にも加わることができるとともに、全ての参考人におかれましても、意見を述べることができます。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。審議参加に関する遵守事項についての説明は以上です。

○五十嵐座長 ただいまの事務局からの御説明について、審議参加に関する遵守事項について御検討いただけますでしょうか。いかがでしょうか。特にございませんか。

 それでは、競合品目、競合企業の妥当性を含めまして、御了解を頂いたものとしたいと思います。では、事務局から今日の配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 それでは配布資料の一覧がありますので、そちらで御説明いたします。まず、資料1として「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」、資料1 - 1として「イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物のリスク区分について」、資料1 - 2として「エピナスチン塩酸塩のリスク区分について」、資料1 - 3として「ペミロラストカリウムのリスク区分について」、また、資料1 - 4について「メキタジンのリスク区分について」。参考資料1 - 1として「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」、参考資料1 - 2として「一般用医薬品のリスク区分表」、以上を配布しております。漏れや落丁などがありましたらお申し出ください。

○五十嵐委員 ありがとうございました。いかがでしょうか。資料で不足しているものはありませんか。

 それでは議題1の「一般用医薬品のリスク区分について」の検討に入りたいと思います。個別成分の審議の前に、一般用医薬品のリスク区分の評価手順について、事務局から説明をしていただきます。

○事務局 それでは、一般用医薬品のリスク区分の変更手順とリスク区分について御説明をいたします。参考資料1 - 1「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」を御覧ください。手順としましては3.になりますが、 ( ) として、安全対策調査会の調査審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者等の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は変更案についてパブリックコメントを行う。

( ) として、安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会で調査審議を行い、リスク区分の変更の要否について答申を得るといった手続をすることになっております。

 次に、一般用医薬品のリスク区分を説明させていただきます。参考資料1 - 2「一般用医薬品のリスク区分」を御覧ください。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずる恐れがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、及び新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する文書による情報提供の義務がございます。

 第2類医薬品につきましては、その副作用等により日常生活に支障を来たす程度の健康被害を生ずる恐れがある医薬品で、第1類医薬品を除くものでありまして、厚生労働大臣が指定するものとされております。薬剤師、若しくは登録販売者により販売され、情報提供については努力義務とされております。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては、指定第2類医薬品とされており、薬局開設者等は、情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する。指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨を、購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされておりますが、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務とされております。

 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。

 今回、御審議いただく品目につきましては、資料1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」を御覧ください。現在、リスク評価中であるために第1類医薬品とされております「イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物」「エピナスチン塩酸塩」「ペミロラストカリウム」「メキタジン」の4成分について、製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分の変更の検討をお願いするものとなっております。以上です。

○五十嵐座長 御説明ありがとうございました。イブプロフェンとブチルスコポラミン臭化物の合剤から審議を始めたいと思います。御説明をお願いします。

○事務局 資料1 - 1を御覧ください。イブプロフェン・ブチルスコポラミン臭化物は、販売名がエルペインコーワ、効能・効果が生理痛の解熱鎮痛薬として承認されております。製造販売後、開始後3年間の安全性に関する調査を終え、今回リスク区分の検討をお願いするものです。

 個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配る形で行われた特別調査では、調査症例数は 3,300 例で、このうち報告された副作用が 13 18 件、副作用発現率は 0.4 %です。内訳は便秘3件、浮動性めまい2件などでした。個別症例の一覧は、資料1 - 1の8ページ及び9ページにございます。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査におきまして、副作用報告は 16 25 件寄せられており、その内容は浮動性めまい3件、悪心3件などでした。個別症例の一覧は、資料1 - 1の 10 ページ及び 11 ページにございます。いずれの調査におきましても、重篤と判断されたものはございませんでした。

 以上により製造販売業者は、これまでに保健衛生上、大きな問題は認められていないと説明しております。

 2ページ目に、添付文書上の「してはいけないこと」の記載を抜粋しておりますが、本配合剤の単剤の添付文書の記載を網羅するような形で記載がされております。

 3ページの表は、副作用発現状況をまとめたものとなっております。本剤で報告された副作用について、副作用の種類別に報告件数をまとめております。なお、本剤について、医薬品医療機器法第 68 条の 10 第1項に基づく副作用報告はございませんでした。

 資料1 - 1の1ページにお戻りください。本配合成分の一般用医薬品のリスク区分につきましては、イブプロフェンが指定第2類、ブチルスコポラミン臭化物が第2類の医薬品へ現在区分されております。説明は以上です。御審議のほど、よろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。本日おいでいただいています参考人として、矢野先生から御意見を頂けますでしょうか。

○矢野参考人 矢野でございます。今回の議題となっているエルペインコーワは、暫定的に今は第1類に分類されています。この薬剤はイブプロフェンとブチルスコポラミン臭化物という薬剤の合剤であり、これらそれぞれは単剤として2ページにありますようにイブA錠、ブスコパンA錠として既に販売されているものであります。イブA錠とブスコパンA錠は、量も実際に医薬品として使われているものに比べまして1日量としては、それよりも少ない量であり、特別調査で重篤な副作用はほとんどみられませんでした。特にイブプロフェンの方は、予想どおり消化器系の副作用がメインでありますが、重篤なものはなく、ブチルスコポラミン臭化物も口渇、便秘、眼の調節障害と予想されたとおり副作用が出ておりますが、重篤なものはないということでありました。

 本剤はこれらの合剤でありますが、量も少なく、実際に効能としては生理痛、特に消化器症状を伴う生理痛に対しては、有効であると思われます。現在イブプロフェンは指定第2類の一般医薬品として販売されていますが、この合剤も指定第2類でよろしいのではないかと考えます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。ただいまの御意見を頂きましたが、委員の先生方、それに対していかがでしょうか。

○柿崎委員 以前にロキソニンの指定区分の議論のときに、第1類に残すか指定第2類にするかということで、イブプロフェンと同効薬ということで一旦、指定第2類になったのですが、安全対策部会で第1類にとどめおくという結論に達した経緯があるのですが、今回の薬に関しましては、医薬品と比べて含有量も少ないので、イブプロフェン同様、指定第2類でいいという解釈でよろしいのですか。

○事務局 御指摘のとおりロキソニンについては第1類として分類されておりますが、イブプロフェンについては指定第2類という状況です。これを第1類とするには、その知見や副作用の報告が必要なわけですが、現在それに至る、第1類にするような根拠といいますか知見もない状況ですので、イブプロフェンについては、指定第2類のままという考えでおります。

○事務局 それと、柿崎委員が御指摘のように、去年、安全対策部会でロキソニンのリスク区分の審議があり、ロキソニンについては第1類ということになりました。その部会の審議を経て、私どもは、その次の月に薬事分科会があり部会の審議の要点をまとめて報告しております。そこで私どもから報告した部会の審議内容ですが、医療用ロキソプロフェンは高い頻度で使用されている解熱鎮痛剤であるという点、患者にも広く服用経験があって認知されている医薬品であるから、例えば過去に本剤の服用経験がある女性が妊娠後期の腰痛等のため、禁忌であることを知らず、一般用ロキソプロフェンを安易に購入して服用する潜在的リスクが他剤よりも比較して高まるのではないかという議論があって、第1類ということにしましたと報告しております。そのため、ロキソニンとイブプロフェンは違った見方をしているということで報告をしております。

○柿崎委員 はい。分かりました。

○五十嵐座長 ほかはいかがでしょうか。

○大野委員 今のことに関連しているのですが、エルペインの添付資料の「使用上の注意」には、1番目の次の人には使用しないでくださいという所の ( ) の「出産予定日 12 周以内の妊婦」という所に下線が引いてありますが、これは実際の添付資料にも下線が引いてあるという、強調してあるということですか。イブプロフェンについても。

○五十嵐座長  13 ページですか。

○大野委員  13 ページです。

○事務局 添付文書の左上を御覧ください。 2012 年4月に改訂されたものに関して下線部改訂という形で、そこに下線が引かれている状況です。

○矢野参考人 これは、あくまでも生理痛に使う薬剤でありまして、前提として出産、妊娠中の方が使うことはあり得ません。生理痛以外の痛みに対する鎮痛剤として使う方もおられるので、このようになっているのかと思います。

○大野委員 ありがとうございます。

○五十嵐座長 御指摘ありがとうございます。ほかはいかがですか。よろしいですか。特に御意見がないようでしたら、議決を取りたいと思います。イブプロフェンとブチルスコポラミン臭化物については、指定第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 それでは、異議なしということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。矢野先生、以降の議題については、もしよろしければここで御退席いただいても結構ですので、本日はありがとうございました。

 続きまして、エピナスチン塩酸塩の審議に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 エピナスチン塩酸塩について、製造販売後調査が終了したことに伴いリスク区分の変更、検討をお願いするものとなっております。資料1 - 2を御覧ください。エピナスチン塩酸塩は、販売名がアレジオン 10 、効能・効果が花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、鼻みず、鼻づまり、くしゃみの鼻炎内服薬として承認されております。製造販売開始後3年間の安全性に関する調査を終え、今回リスク区分の検討をお願いするものとなっております。

 個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査では、調査症例数は 3,211 例で、このうち報告された副作用が 114 135 件、副作用発現率は 3.55 %でした。内訳は眠気 43 件、口渇 39 件などでした。個別の症例一覧は、資料1 - 2の9ページ以降にあります。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において副作用報告が 264 416 件寄せられており、その内容は頭痛が 32 件、吐き気が 28 件などでした。個別の症例一覧は、資料1 - 2の 45 ページ以降にあります。

 一般調査において、重篤と判断されたものが2例2件ありました。1例は、てんかん様発作、もう1例は肺炎でした。4ページに記載がありますが、てんかん様発作については使用者の家族からの電話連絡による情報のみで、肺炎についても電話連絡による情報のみです。

 以上により製造販売業者は、現時点では追加の安全対策として特に必要と思われる事項はないと考えられると説明しております。

 2ページに添付文書上の「してはいけないこと」の記載を抜粋しております。3ページは、「副作用の発現状況」をまとめております。医療用医薬品のアレジオン錠ほか、類薬と本剤の特別調査及び一般調査で報告された副作用について、副作用の種類別に報告件数をまとめております。なお、本剤について、医薬品医療機器法第 68 条の 10 第1項に基づく副作用報告として、けいれんが1件ありましたが、こちらも患者からの電話連絡による情報のみでした。

 資料1 - 2の1ページにお戻りください。花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、鼻みず、鼻づまり、くしゃみに係る効能を有する一般用内服薬に含まれる抗ヒスタミン薬の成分のリスク区分については、現在、第2類に区分されております。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 本日は参考人として大久保先生においでいただいておりますので、御意見を頂きたいと思います。よろしくお願いします。

○大久保参考人 エピナスチン塩酸塩、アレジオン 10 ですが、この薬剤は日本で創製された1日1回の非鎮静性の抗ヒスタミン薬で、PET等で頭蓋内に薬剤が入って行くのが 20 %以下と確認されています。神経系のトラブルのけいれん、あるいはてんかんなどの副作用は抗ヒスタミン薬によって誘発されるわけですが、実際にその頻度としてはPETのデータなどからも非常に低いと考えていいと思います。

 肺炎については全く不明ですが、実際、薬剤から生じたということは考えにくいと思います。薬理作用からして肺炎誘発が考えにくいとすれば、アレジオン 10 のような頻用性の高い薬剤は第2類、ケトチフェンフマル酸塩あるいは、アゼラスチンと同じような第2類にして問題ないと判断します。

○五十嵐座長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明と大久保参考人の御意見を伺いまして、委員の先生方、御意見はいかがでしょうか。特にありませんか。それでは、議決を取ります。御指摘がありましたように、エピナスチン塩酸塩については第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 それでは、御異議なしということにしたいと思います。ありがとうございました。続きまして、ペミロラストカリウムの審議に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 ペミロラストカリウムについて、製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分の変更の御検討をお願いしたく存じます。資料1 - 3を御覧ください。ペミロラストカリウムは、販売名がアレギサール鼻炎。効能・効果が花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの鼻炎用内服薬として承認されております。製造販売開始後3年間の安全性に関する調査を終え、今回リスク区分の検討をお願いするものです。

 個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査では、調査症例数は 4,571 例で、このうち報告された副作用が 95 126 件、副作用発現率が 2.08 %でした。内訳は、傾眠が 24 件、掻痒症が 8 件などでした。個別の症例一覧は、資料1 - 3の 11 ページ以降にあります。特別調査において、重篤と判断されたものが1例1件で腸炎がありました。4ページにありますが、重篤な副作用の腸炎は、その発現状況から本剤の関連性は明確でないとされております。

 また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用報告が6例 15 件寄せられており、その内容は嘔吐2件などでした。個別症例一覧は、資料1 - 3の 15 ページ以降にあります。一般調査において、重篤と判断されたものはありませんでした。

 以上により、製造販売業者は現時点では追加の安全対策として特に必要と思われる事項はないと考えられると説明しております。

 2ページに添付文書上の「してはいけないこと」の記載をしております。3ページは、「副作用の発現状況」をまとめたものです。現在、ケミカルメディエーター遊離抑制薬を含む一般用内服薬は販売されておりませんので、医療用医薬品のアレギサール錠と本剤の特別調査及び一般調査で報告された副作用について、副作用の種類別に報告件数をまとめております。なお、本剤について医薬品医療機器法第 68 条の 10 第1項に基づく副作用報告はありませんでした。

 資料1 - 3の1ページにお戻りください。ケミカルメディエーター遊離抑制薬の成分を含む一般用医薬品の内服薬は販売されておりませんが、ケミカルメディエーター遊離抑制薬の成分を含有する一般用点鼻薬は第2類医薬品として販売されております。また、花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、鼻みず、鼻づまり、くしゃみに係る効能を有する一般用医薬品の内服薬としては、抗ヒスタミン薬の成分を含有する一般用医薬品が複数承認されており、それらは第2類医薬品へ区分されております。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 大久保先生、御意見をお願いいたします。

○大久保参考人 まず、ペミロラストカリウムですが、これはクロモグリク酸ナトリウム、クロモン核を2つ持っていて粘膜から吸収できない点鼻薬・点眼薬と違って、クロモン核を1個にして粘膜から吸収できるようにしたケミカルメディエーター遊離抑制薬の経口薬です。ですから、多分初めてここのリスク区分に載ってくる薬剤になると思います。実際に今御説明いただいたように抗ヒスタミン作用が全くありませんので、中枢性の傾眠等の関連性は非常に薄いと思われますし、出ている消化器症状も軽度なものが多いと判断します。先ほどの重症な腸炎というのも、因果関係は薬剤の薬効からして直接つながるものとは考えにくいということであれば、こういう眠気のない、いわゆるスイッチ OTC に関しても第2類で問題がないかと考えます。

○五十嵐座長 ありがとうございます。確かに急性腸炎の患者さんは、服薬して1週間後に急性腸炎の症状が出ているのですね。

○大久保参考人 はい。

○五十嵐座長 大分たってからのようです。

○大久保参考人 薬剤との関連性は非常に薄いと考えます。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、事務局の説明と大久保参考人の御意見を頂きましたが、委員の先生方いかがでしょうか。よろしいですか。議決を取ります。御指摘がありましたように本薬剤につきましても第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 ありがとうございました。それでは御異議なしということにしたいと思います。続きまして、メキタジンの審議に移ります。事務局から説明をお願いします。

○事務局 現在、リスク評価中であるために第1類医薬品とされておりますメキタジンについて、製造販売後調査が終了したことに伴いリスク区分の変更の検討をお願いするものです。資料1 - 4を御覧ください。メキタジンは、販売名がストナリニ・ガード。効能・効果が、花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりの鼻炎用内服薬として承認されております。製造販売開始後3年間の安全性に関する調査を終え、今回リスク区分の検討をお願いするものです。なお、低用量の4 mg のメキタジンが既に第2類医薬品として販売されており、本日は高用量の6 mg のメキタジンが審議の対象です。

 個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査票を配って調査を行う特別調査では、調査症例数が 3,144 例で、このうち報告された副作用が 94 139 件、副作用発現率は 3.0 %でした。内訳は、眠気が 77 件、口渇が 39 件などがありました。個別の症例一覧は資料1 - 4の6ページ以降にあります。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告であります一般調査におきまして、副作用報告はありませんでした。いずれの調査におきましても重篤と判断されたものはありません。

 以上により製造販売業者は、現時点では追加の安全対策として特に必要と思われる事項はないと考えられると説明しております。

 2ページに添付文書上の「してはいけないこと」の記載を抜粋しております。3ページは、「副作用の発現状況」をまとめたものです。医療用医薬品のメキタジン錠類薬と本剤の特別調査及び一般調査で報告された副作用について、副作用の種類別に報告件数をまとめております。なお、本剤について医薬品医療機器法第 68 条の 10 第1項に基づく副作用報告はありませんでした。

 資料1 - 4の1ページに戻ります。花粉、ハウスダストなどによる次のような症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりに係る効能を有する一般用医薬品の内服薬に含まれる抗ヒスタミン薬の成分のリスク区分については、現在、第2類医薬品へ区分されております。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 大久保先生、御意見をお願いいたします。

○大久保参考人 このメキタジン錠ですが、高用量、つまり1錠中に含まれるメキタジン3 mg というのは、医療用において先発薬剤であるゼスラン、ニポラジン同様のものです。非常に頻用性が高く医療でも広く使われておりました。ただ、先ほどのエピナスチン錠に比べると中枢移行が高いために、眠気が先ほど御説明がありましたように 77 例、そして、抗コリン作用を持つために口渇の副作用が 30 数例ございました。これは、まだこの世代のものは第1世代に近いために個々に作用を有していると考えられ、その薬効から起こってくる副作用が軽微なものということを判断させていただきますと、類薬と同じように第2類にすることに問題はないかと考えています。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、事務局の説明と大久保先生の御意見を頂きましたが、委員の先生方、御意見はいかがでしょうか。

○柿崎委員 一般用医薬品でメキタジンの低用量と高用量がありますが、低用量と高用量を比べて特段、副作用が増えたとかそういうことはないのですか。

○事務局 低用量については古い薬ですので、本剤のような特別調査や一般調査に相当するものは行われておらず、データとしては存在しないという状況です。

○五十嵐座長 よろしいですか。

○柿崎委員 はい。

○五十嵐座長 ほかに特に御意見はございませんか。議決を取ります。メキタジンについては、第2類医薬品とすることでよろしいでしょうか。

 それでは、御異議なしということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。では、これからの事務局の方針についてお話をいただきたいと思います。

○事務局 御審議いただき、ありがとうございました。本日御審議いただきました結果に基づいて、パブリックコメントの実施のための手続を進めさせていただきます。どうもありがとうございました。

○五十嵐座長 ここまでの御議論におきまして、御意見、御質問等は特にございますか。よろしいですか。それでは、本日、予定しておりました議題は以上です。何か事務局からございますか。

○事務局 特にございません。

○五十嵐座長 それでは、本日の平成27年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を終了いたします。どうもありがとうございました。

 


(了)

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