ホーム> 政策について> 審議会・研究会等> 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)> 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録(2014年11月12日)




2014年11月12日 薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会 議事録

○日時

平成26年11月12日(水)
13:00~


○場所

航空会館702+703会議室


○出席者

出席委員(16名) 五十音順

○荒 井 保 明、 荒 川 義 弘、  石 井 明 子、 梅 津 光 生、
 生 出 泉太郎、 塩 川 芳 昭、◎笠 貫    宏、 正 田 良 介、
 鈴 木  邦 彦、 武 谷 雄 二、  中 谷 武 嗣、 新 見 伸 吾、
  濱 口     功、 菱 田 和 己、  村 上 輝 夫、 桃 井 保 子
(注)◎部会長 ○部会長代理
他参考人4名

欠席委員(8名) 五十音順

今 井 聡 美、 川 上 正 舒、 木 村    剛、 齋 藤 知 行、
田 島 優 子、 千 葉 敏 雄、 寺 崎 浩 子、 西 田 幸 二

行政機関出席者

神 田  裕 二 (医薬食品局長)
成 田  昌 稔 (大臣官房審議官)
森     和 彦 (審査管理課長)
磯 部 総一郎 (大臣官房参事官)
宇 津     忍 (安全対策課長)
矢 守  隆 夫 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)
梅 澤  明 弘 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
佐久間 一 郎 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構副審査センター長)
俵 木 登美子 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)
佐 藤  岳 幸 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役 他)

○議事

○参事官 「薬事・食品衛生審議会 医療機器・体外診断薬部会」を開催いたします。委員の先生方におかれましては、御多忙の中御出席いただきまして、ありがとうございます。

 本日は医療機器・体外診断薬部会委員24名のうち16名御出席の予定なのですが、遅れて来られると思いますが、現時点で13名の御出席をいただいております。薬事・食品衛生審議会令に基づく定足数を満たしておりますことを御報告させていただきます。

 初めに、本日の議題の公開、非公開の取扱いについて御説明いたします。平成13123日付けの薬事・食品衛生審議会決議に基づき、本日の議題については会議を公開で行うこととしたいと思います。これより議事に入りますので、傍聴の方によるカメラ撮りはここまでといたします。御協力のほど、よろしくお願いいたします。以後の進行について、笠貫部会長によろしくお願いいたします。

○笠貫部会長 最初に、事務局から配布資料についての確認をお願いいたします。

○参事官 「議事次第」、「委員名簿」です。事前にもお配りしたのですが、若干の修正もありましたので、当日配布資料として配布しています。当日配布資料の資料1-1「一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子」、当日配布資料2「具体的な見直しの内容について()」、当日配布資料3「一般用検査薬の導入に関する一般原則について」、当日配布資料4「一般用検査薬の承認審査等に係る運用について()」、当日配布資料5「承認時の使用成績評価の対象に係る基本的な考え方について」、当日配布資料6「高度管理医療機器に係る認証基準の整備計画」。以上です。

○笠貫部会長 議題に入ります。議題1「一般用検査薬について」です。本日は、一般用検査薬の導入に関する一般原則について、承認審査等に係る運用について、議論いただきます。これまで何回か、この一般用検査薬については議論を進めていただきましたが、今回は運用の問題の議論を進めたいと思います。

 今回は、新たに承認審査等に係る運用について議論いたしますので、体外診断薬の販売元である製造販売業者として、一般社団法人日本臨床検査薬協会から会長の寺本哲也参考人、常務理事の近見永一参考人、販売を行う販売業者として、日本チェーンドラッグストア協会から第三事業部長の横田敏参考人、公益社団法人全日本医薬品登録販売者協会から専務理事の杉本雄一参考人にお越しいただいております。

 委員の先生方の御議論の中で、関係の団体のお考えをお聞きしたい事項が出ました場合には、御質問をいただければと思っております。前回の御意見を踏まえて、一般用検査薬の導入に関する一般原則の見直しに関する骨子については、私が修正を確認させていただきました。本日は骨子に基づき、一般原則の具体的な見直しの内容について御議論いただきます。事務局より、資料の説明をお願いいたします。

○参事官 まず、当日配布資料1です。部会長からお話がございましたように、前回御議論いただき、若干の文言修正をすべきという御意見を頂き、部会長に取りまとめていただいた資料です。前回の会議の資料からの修正点だけを申し上げます。

 2ページの第2「具体的な内容」の1.「一般用検査薬の検査項目について」です。その中の「検査項目」として、頭が「悪性腫瘍、心筋梗塞や遺伝性疾患など、重大な疾患の診断に係るものは除く」と書いてありますが、前回の資料では「悪性腫瘍、心筋梗塞など」ということで、遺伝性疾患は入れておりませんでしたが、前回の会議で「遺伝性疾患も記載すべき」ということでしたので、遺伝性疾患を加えています。

 3ページの2.「販売時の情報提供等について」のすぐ上の所です。「現状の課題」から続いた最後の所ですが、「これらの体制・仕組みは、すべての関係者の理解と合意のもとで整備される必要がある」とありまして、前のときは「関係者の理解」と書いていましたが、「すべての関係者」ということ、「合意」ということも入れるべきだということでおまとめいただいたので、そのように修正しています。また、入る場所も少し上の方だったのですが、全ての項目はそういう議論だろうということで、ここに入れております。

 4ページです。今の所を直した関係で、第3「終わりに」と書いていますが、この最後の2行ですが、ここにも「課題の整理状況を把握した上で」とあって、「すべての関係者の理解と合意を得ながら、段階的に検討を進める必要がある」という形で先ほどの表現と合わせた修正をしております。当日配布資料1の修正部分は以上です。

 続いて、当日配布資料2の御説明をいたします。まとめていただいた骨子に基づき、一般原則の見直しを具体的にしていくことになりますが、それの主な点を当日配布資料2でまとめています。

 まず、「検体について」です。現状の取扱いから改正後の話として、今までは、尿・糞便が検体として適当であるということでしたが、それに加えて、「鼻汁、唾液、涙液など採取に際して侵襲のないものが検体として適当である」ということで、侵襲のないものということを条件に、これを検体として適当であるということの記載をしております。

 また、侵襲の有る無しに関しては、臨床研究指針のQ&Aにも同様の記載ぶりがありましたので、その書きぶりも使わせていただいて、「検体の採取に採血や穿刺等を伴う行為であれば、『侵襲がある』と考える」ということで、具体的な検体としては、「穿刺血、咽頭拭い液、口腔内擦過検体などが考えられる」ということを記載しております。

 検査項目に関しては、2.「健康状態を把握し、受診につなげていけるもの」ということで、ここに記載した先ほどの重大な疾患の診断に係るものを除く、感染症に係る検査は個別の検査項目ごとに販売方法を含め、慎重に検討を行うというようなことを入れております。

 2ページの「製品への表示等」ということで、添付文書やその表示関係、資材の関係を記載しています。改正後の所では、下線部の所が変わった所ということですが、「使用者向けの文書を含む」製品への表示「等」ということで「検査の目的・意義について説明する」、また「誤判定の可能性など検査の感度に関して説明をすること」、適切に受診を説明するというようなことの記載を入れております。

 3ページですが、2ページの下から「適切な情報等の必要性」とあります。これは販売時にどういう情報提供をしていくのかということですが、これも下線の部分が変更です。上から2行目の辺りですが、「次のような事項について薬剤師等による適切な指導・相談を行うこと」、また研修のことを書いていますが、また、その情報提供が適切に行われるように、「製造販売業者及び販売業者は、販売者に対する研修等を実施するよう努めること」と記載をしております。また、「販売に際しての指導事項」の中で、「適切な受診勧奨を行うこと。特に、医療機関を受診中の場合は、通院治療を続けること」。一番最後の所にありますが、上記に関して、販売者については製品や添付文書などを用いて、購入後も使用者が確認できるように、分かりやすく説明すること。また、使用者に問合せ先を周知するなどして、相談に応じる体制を充実することが望ましい。また、検査項目によっては使用者のプライバシーに配慮した形で、製品の説明をすることが望ましいという記載を入れております。

 ここら辺が先ほどの骨子の関係で、特に変わる所ですが、それを入れて新旧の形でまとめているのが、当日配布資料3です。最初の1ページから3ページが、先ほどの修正も加えて、もともとまとめられていた一般原則改正の修正を入れ込んだものです。どこが変わったかもありますので、3枚あった後に新旧対照表が横紙で付いていますので、それで御説明いたします。

 左が改正後、右が現行です。導入部分の柱書きの所で記載していますが、「一般用検査薬を正しく用いて健康状態を把握し、速やかな受診につなげることで疾病の早期発見に資するよう、様々な課題を踏まえ、当面、以下の範囲内の検査項目を対象とするとともに、使用者に対して適切な情報を提供できる体制を整えることとする。なお、この一般原則の見直しについては、課題の整理状況等を把握した上で、すべての関係者の理解と合意を得ながら段階的に検討を進めることとする」という書きぶりで、骨子の記載も含めて柱書きに入れる部分を記載しています。

 続いて、次の「検査項目について」の所です。先ほど御説明した当日配布資料2の書きぶりを、実際にこのように記載しています。1ページの下の所に、検体の種類について先ほど申し上げた内容で記載しております。現行が右側にあるものです。

 新旧対照表の2ページです。次に検査項目です。「測定項目」とありましたが、検査項目とか測定項目がいろいろありましたので、「検査項目」に統一しています。先ほど申し上げた当日配布資料2の内容を、ここに記載しています。ウ)の「方法」、エ)の「性能」については、ウ)の「方法」の所で「望ましい」というような書き方がありましたが、ここを省いたというのはありますが、内容的にはほぼ変わっていない部分です。

 2ページの一番下の所の「製品への表示等について」です。先ほど申し上げた部分で、「使用者向けの文書を含む製品への表示等については」ということで記載しています。これが . から . まで記載していて、なお書きで添付文書の項目についても記載しています。添付文書については、現状の取扱いが20年前のものですので、時間とともに添付文書の書き方とか項目も変わってきているので、現在のバージョンにアップデートさせていただいています。また、そのなお書きとして、「使用者が理解しやすく自ら判断できる内容とするため、平易な表現で簡潔に記載する」「図表やイラストを用いる等の工夫をする」ということも記載しています。

 4ページの3.「販売時の情報提供」です。もともとが「使用者に提供されるべき情報」ということでまとめてあったのですが、製品への表示等の問題と情報提供の問題を書き分けた方が分かりやすいだろうということで、この中で記載をしています。

 ここの所では、先ほど申し上げた適切な指導・相談のことと研修のことも記載しております。それから、問合せ先の周知、分かりやすく説明する、使用者のプライバシーに配慮した形ということも記載しています。

 5ページの右側に、「適正な製品管理の必要性」と書いています。これについては、前回の会議で御意見を頂いて、これも20年前のことで記載をしていまして、当時はまだ体外診断薬のGMPも法制化されていない時代でしたので、5ページの右側の「品質管理の必要性」という所については、5ページの一番下の左側の「適切な品質管理」で書かせていただいて、今は薬事関係法令で規定されていますので、「薬事関係法令に基づき適切に行われること」と記載しています。

 そのほか、包装単位のものの場所が4ページの上の方の違う所に入っていましたので、「その他」ということで整理しています。私からは以上です。

○笠貫部会長 これまでの議論を踏まえた上で、案を作らせていただいたということです。委員の先生方から、御意見、御質問をお願いいたします。

○生出委員 資料1-2の3ページのアンダーラインの所に、「製造販売業者及び販売業者は、販売者に対する研修等を実施するよう努めること」と書いていますが、実態として医療用医薬品等と違い一般用医薬品等は、担当するメーカーの人たちも少ないようで、大都市を中心に研修会等が開かれる実態があると思うのですが、この件について、参考人に来られている販売者側の日本チェーンドラッグ協会と、登録販売者協会さんにお尋ねして、要望を聞いてみたいと思うのですが、よろしいでしょうか。

○笠貫部会長 研修について、協会でどのようにお考えになっているかということで、よろしくお願いします。

○杉本参考人 全日本医薬品登録販売者協会の杉本でございます。よろしくお願いいたします。私の認識では、医薬品についての情報というのは、基本的に製造販売業者の責任において策定され、それが、あるいは卸売業者等も含めて、中間過程を経ながら、販売業者の下にその情報が提供されるというラインがあると。

 そして、販売業者が、実際には薬剤師や登録販売者等により、患者さんあるいはお客さんに、その情報が提供された上で、やがてまたそれらの方々から、使用方法についての情報の提供を受け、それをまた製造販売業者さんにお返ししていくという、情報のリンクが想定されているように思います。

 私の実感から申し上げますと、医療用の医薬品の場合には新たな医薬品の販売等に際し、製造販売業者さんが熱心に情報提供をしておいでのことが少なくないような感覚を持っております。

 それに対して一般用医薬品に関しましては、私自身がきちんとした調査をしたわけではありませんが、現場サイドの認識としましては、メーカー側の学術情報系の薬剤師の数を絞るとか、あるいは実際に講師等に出ていくことに様々な制約を加えるというような傾向が、最近は顕著に出ているように思います。これはOTC薬そのものの販売により利益を確保するのが、大変困難なのでしょうか。片方で、我々販売者側は情報提供をきちんとしなさいということで、例えばそのことについて厚生労働省から調査を受けることがあります。ところが、その情報の源というのは製造販売業者さんが作られ、またそこに関わる人々によって情報提供されるということが想定されているように思うのですが、これがきちんとできているかどうかについて、国側の調査は恐らくやられていないのではないだろうかと。

○生出委員 お尋ねしたかったのは、せっかく新しいものがこれから出てこようとしているのに、活用を図るためには研修の体制が大事なので、要望があれば年に何回もいろいろな場所で開いてくれとか、そういう話が出るのかと思ってお尋ねしたのですが、高邁な理想みたいな話で、簡潔に要望を言ってもらえばよかったのだと。

○杉本参考人 我々としては、一般用医薬品に関しては情報を取ること自体に対して、非常に苦労しているという現実がございます。例えば製造販売業者さんに講師の派遣のお願いをしても、お断りを受けるということが非常に増えてきているという現実があり、これが一方に一般論としてあるということです。

 次に、診断薬に関しては、今日もここにいろいろなことが書かれていますが、内服薬等と違った視点で情報提供を考えなければいけないし、そこに関わる研修も考えなければいけない。例えば実際に検査薬のモデル、サンプル等を使った研修をしなければいけないと思うのですが、その体制が今の状況では心許ないというように思います。私は、一般用医薬品の情報の提供の在り方ということについて、もう少し議論を進化させていただきたいということを考えております。

 どこまで質問に対して答えられたか分かりませんけれども、これまでの思いを申し上げました。以上です。

○笠貫部会長 御質問の中で、登録販売者協会からの現状についての問題点を御指摘いただきましたが、製造販売業者、そして販売業者から販売者への情報提供について、これからの問題点があるのではないかという重要な御指摘だったと思います。これについては、ほかの参考人の方からお答えは何かございましたらお願いいたします。

○横田参考人 日本チェーンドラッグストア協会の横田でございます。先生がおっしゃるとおり、製造販売業者及び販売業者は販売者に対する研修等を実施するよう努めること、これについては当然なことと認識しております。体外検査薬について、製造販売業者さんの方だけに責任を負っていただくということではなく、販売業者そのものも研修については実施していく。それによって、より体外検査薬の普及に努めていくという方向に持っていければいいと思っております。

 平成26年前期で、登録販売者の方だけに限定しているのですが、勤務者のうち1万人強の研修をしているのですが、これでもまだまだ受講者は少ないわけなのですが、もっと地方ではメーカーさんの協力も得ながら、開催できれば、もっと効率的に研修そのものが徹底できていくのかという感触は持っております。ただ、この件については、メーカーさんとの協議はしておりません。以上です。

○笠貫部会長 販売業者側としてのお話をお聞きしたと思います。製造販売業者としての日本臨床検査薬協会から、今の点について御意見を頂けますでしょうか。

○近見参考人 日本臨床検査薬協会の近見です。我々としても新しいところということで、検査薬の使い方、検査の意義、受診勧奨といった内容を含めて、今後体制作り、今までは我々は医療用の検査薬ということで、MRではなくDMRということで、臨床検査薬の情報担当者というのがありまして、それが医療用の場合は情報提供をしているのですが、一般薬の場合にはまだそこの体制が十分ではありませんので、今後体制作りをきちんとして、検査に関する正しい情報を販売業者様の方にお願いするということで、今後は体制作りをしていきたいと考えております。

○笠貫部会長 よろしいでしょうか。

○生出委員 私の聞き方が悪かったのですが、今のお話でよく分かりました。というのは、ここにいろいろな注意事項が書いてあるように、何の目的でこの検査薬がこれから出てくるのか、そのために購入者の生活者の方々にどういう正しい提供をしなければいけないのかということを、製造販売業者も販売業者も、全員正しい認識を持つためには研修が必要なので、皆さんよろしくお願いしますというような意図で、意見を申し述べました。

○笠貫部会長 私も言葉は足りませんでしたが、情報提供の源となる検査薬協会、販売する側としてのチェーンドラッグストアが、販売者に対して研修する場合にどう情報を提供するのか、あるいは情報収集の問題もあって、情報の提供と収集ということで、体制作りの話も出ました。人材育成と体制作りを進めていただくということで、登録販売者協会、あるいは薬剤師の方に十分に情報提供していただくことですね。研修は非常に大事なことですので、その体制作りを是非強力に進めていただけたらと思います。それ以外に御質問、御意見はございますか。

○正田委員 今の「販売に際しての指導事項」の所で、アンダーラインの下の黒ポチの下から二つ目ですが、「通院治療を続けること」と書いてあるのは、続けることをするのは誰でしょうか。通院治療を販売の人が続けるというように取られないかと気になったのですが。

○参事官 私どもの意図としては、受診をされているのは今回のOTC検査薬をお使いになる方で、それは医療機関の受診ですから、患者さんという意味で使っています。

○正田委員 もちろん分かっていますが、誤解されないかということです。なぜかというと、「何々をしなさい、説明をすること、何々すること」と書いてあるのですが、最後にそこだけ「通院治療を続けること」というのが、誰がどうなのかということを誤解されないかと。販売業者への指導という項目だったので、少し気になりましたので。もし誤解がないのであれば、それで結構です。

○笠貫部会長 ここは誤解のないように考えていただくようお願いいたします。

○参事官 はい。

○笠貫部会長 ほかにはございませんか。

○石井委員 2.「製品への表示等について」の5 . 「誤判定の可能性など検査の感度に関して説明をすること」とあるのですが、「感度や精度」とした方がよろしくないでしょうか。と言いますのは、感度はその製品開発の段階で確保されているような気がいたします。精度とか、検体のその他の成分の影響等で結果がばらつくということで、こういった注意喚起があるのかと思うのです。

○参事官 確かに先生がおっしゃるように、誤判定が出る場合とはどういう場合かということで、後で資料にも出てくるのですが、資料2を御覧ください。2ページの実際に運用するときのガイドラインのイメージで、これは尿糖のケースですが、100 mg 150 mg でカットオフを決めて、こういうような判断をすると。その数値を基にどう考えるかということで、体外検査薬でいけば、感度、特異度、精度ということになると思います。

 誤判定は、我々としては感度の問題が大きいかということで、特記させていただきましたが、石井先生から、誤判定の問題というのは精度に関わるものもあり得るし、精度をどのぐらい説明するかもあると思うのですが、どのぐらいの幅で誤差が出るというところだと思うのです。あと特異度も誤判定が出てきてですね。

 例えば、そういうものも実際の表示の中では記載をすべきだということであれば、書かせていただこうとは思いますが、いろいろ書き出すと複雑かという気もあり、どうしたものかというところだと思います。

○石井委員 分かりました。そうしましたら、「性能」ではどうですか。

○参事官 「性能」の方がいいかもしれません。

○笠貫部会長 この点はいかがでしょうか。見逃しと読み過ぎの問題では、見逃しがスクリーニングとして重要だと思うのですが、読み過ぎで患者さんに不必要な心配をかけるということも問題と思います。この表現の仕方については、一般の人に説明する場合にどうするかということと、専門家の方々にお話をする場合と使い分けが必要かと思います。

 「感度」というと見逃しの問題が強調されるので、読み過ぎということも含めて言いますと、先ほどの「性能」とするか、あるいは「精度」という形にするかですね。

○参事官 今のお話でいくと、多分「性能」という言葉が一番包括的な言葉かという気もするので、あとはどのぐらい分かりやすくそういったことを記載するかということだと思いますので、石井先生がおっしゃるように「性能」という言葉が適切なのかと思っております。

○笠貫部会長 ほかにはございませんか。全体としてなければ、これまで御検討いただいたものにつきまして、これで進めさせていただくということになります。いずれにしても、今回の見直しということについては、今後段階的、それぞれの項目について見直しを進めていくということで、皆さんの合意を得ていると思います。またセルフケアという重要な問題について、今回の見直しの目的を皆さんと共有した上で、次に段階的なロードマップを進めていただけたらと思っております。

○参事官 先ほどの石井先生のお話は「性能」ということでいったのですが、今日はメーカーの方もおられるので、メーカーの方の方がお詳しいと思ったので、資料1-3の2ページの 2. . 「誤判定の可能性」の「検査の感度に関して説明する」というのを、感度以外の「精度」「特異度」など、いろいろあるだろうということだったので、今は「性能」という言葉に変えようということだったのですが、それで特に誤解などはないでしょうか。

○近見参考人 特に問題はないと思います。使用説明書には、妨害物質という言い方もあるのですが、いろいろな要因で検査値も変わることもありますので、その辺を十分に記載するということで、トータルで「性能」という表現でよろしいかと思っています。

○参事官 確認させていただきました。ありがとうございました。

○笠貫部会長 ただ今御指摘がありましたことについては、また修正を加えさせていただきます。ほかに特に御意見がございませんでしたら、本日の御意見も踏まえて、次回、これまでに取りまとめました資料について、御確認をいただきたいと思います。

 次に、もう一つ大きな今日のテーマである運用についてです。説明をお願いいたします。

○参事官 それでは当日配布資料4、右肩に「資料2」と書いてありますが、この資料で御説明したいと思います。先ほど大体おまとめいただいた、一般用検査薬見直しの考え方・内容に基づいて、実際に今後、どのように進めていくのかをまとめている資料です。別紙の方が分かりやすいと思いますので、そちらの方で御説明したいと思います。

 別紙に、「検査項目の検討」というのがあります。先ほどおまとめいただいた一般用検査薬の導入に関する一般原則に該当すると考えられる検査項目を検討する際のフローです。もともと業界の要望を受けてやったということもあり、まずは業界において検討を行ってガイドライン案を作成していただく。先ほどの骨子にもいろいろありましたけれども、一般用検査薬として取り扱う際の注意、使用上の注意、使用方法、検出感度などについてまとめた一種の審査ガイドラインとも言うべきものを作成していただきます。これを厚生労働省に御提出いただいて、PMDA(医薬品医療機器総合機構)において専門協議を開催していただきます。そのガイドライン案の主要な問題点について、外部の専門家とも協議や意見の調整を行った上で、PMDAでの内容の精査、専門協議における外部の専門委員の意見も取り込んで、それを評価結果の報告書という形で、私どもの方に出していただく。

 医療機器・体外診断薬部会において、この報告書に基づき個々の検査項目に関して、こういう審査の進め方でいいかどうかという確認を御議論いただきます。議論をいただいてまとまった段階で、ガイドラインということでパブリックコメントを実施します。それで意見がなければもう終わりですけれども、いろいろ意見があった場合でも、部会の方でも確認を頂いて、一般用検査薬の検査項目に追加するかどうかを決定していく。その上で個別の製品の申請を出していただければ、その後の申請はスムーズに判断ができるようになろうかと思います。

 個々の検査項目については、一般用検査薬として初めての測定項目で製品が出るときは、審議会の規定に基づき、測定項目又は原理が新しいものはこの部会に報告を行うとされておりますので、本部会に御報告させていただこうと思っております。また検査項目について、医療機器・体外診断薬部会において一般用検査薬の検査項目の追加となった場合は、その一般用検査薬のリスク区分を決める必要があります。これに関しては同じ薬食審の医薬品等安全対策部会において、リスク区分の審議をし、パブリックコメントを実施し、リスク区分を告示するというプロセスが別途必要になっております。このリスク区分の告示が、最終的な個々の製品の承認の前までに準備するという形になろうかと思います。基本的にこういうフローで進めていってはどうかという御提案です。

 1ページ戻っていただきますと、今フローで申し上げましたが、その内容の御説明を縷々書かせていただいております。なぜこういうプロセスを取るのかというのが、1ページの頭にあります。当然、各企業から申請できるわけですけれども、こういう添付文書の書き方はどうするのかとか、感度はどうなのかということで、審査上かなり多くのやり取りが行われてしまいますと、審査もなかなかうまく進められないこともあります。ですから一定の基準を示しておいた方が、申請される方も我々審査する側もスムーズにできるだろうということで、このようなプロセスを提案させていただいているところです。まず、検査項目についての議論をした上で、審査をするというプロセスがいいだろうということです。

 検査項目の検討には1.業界における検討、2.厚生労働省及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)での評価、 . 医療機器・体外診断薬部会における議論があります。この議論の視点としては1ページの下の方にありますように、方法や性能等に関する事項として特によく見るのが、どういうカットオフ値でいいかということを確認いただくのが、一つの部分だと思っております。それと、使用上の注意等の記載内容が適切かどうかということです。

 それから部会後の対応というのは、先ほど申し上げたことです。また、()で記載しているのが「個別の製品の検討」です。実際にガイドラインができた後、個別の品目の申請を受けるわけですが、その点についての話を書いております。これについても特に標準的審査期間、どのぐらいで審査をするのかということで書かせていただいております。これまでの医療用医薬品と同じですが、検査項目に応じた精度が求められることもあり、医療用と同様の取扱いで、通常品目7か月という標準的審査期間を決めてはどうかと。また、これから始まるところですので、いろいろな相談もあろうかと思います。そういうことをPMDAでも受けていただこうということで、相談区分を明確化するということもさせていただこうと。併せて、先ほどおまとめいただいた一般用検査薬の内容の具体的な進め方は、このような形にしてはどうかということで、事務局から提案させていただいたものです。

○笠貫部会長 それでは、運用に関して今の御説明を踏まえて、委員の先生方から御質問、御意見をお願いします。

○鈴木委員 別紙についてです。業界で検討・作成したガイドライン案をPMDAの専門協議で検討し、その報告書を基に、当部会で議論されることになっているわけですが、かつての一般用医薬品部会などの流れを見ても、その過程が見えない場合もあって、我々の方で学会・医会の意見を聞いたりしたという経緯があります。そこでPMDAの中で専門協議を開催し、専門家から意見を聴取するということですが、それがどのような形で当部会に報告されるのか、少し分かりにくい部分もあると思います。どういった議論が行われたかということを確認する意味で、是非、専門協議の議事録をこの部会に提出していただきたいと思います。それと、その専門協議に参加した学会・医会などの専門家の代表者を、参考人として部会に呼んでいただきたいと思います。

 また、下のフローの「個別の製品の検討」においても、PMDAの審査等の実施の部分に関わった学会・医会等の専門家の代表があれば、その方をまた当部会での審議のときに、参考人として呼んでいただきたいと思います。

 それからリスク区分についてです。これまでの議論で指摘されたように、一般用検査薬のリスク区分については、薬剤師の説明義務が課せられるという形が望ましいと考えております。議論の場となるのはここではなく、医薬品等安全対策部会となるわけですが、そちらでの慎重な審議を求めたいと思います。仮に新たな一般用検査薬を第一類にするに当たって、現在許可されている3種類の項目との整合性が求められるということであれば、それらのリスク区分を見直すことも視野に入れるべきではないかと考えます。

○笠貫部会長 ただ今のご意見について、参事官からお願いします。

○参事官 最初の御意見についてです。資料2、別紙のフローチャートで言うと、今の鈴木先生の御意見はちょうど上の方です。厚生労働省からPMDAに評価の依頼をして、評価結果の報告を受けるという形です。その際に専門協議をやるわけですが、その議事録を部会に出すべきではないかということでした。実は、専門協議に関してはほかの専門協議もそうであるように、議事録は作らないという形にさせていただいております。なぜかと申しますと、実際にあった主な意見などは報告書の中に全部書き込み、それで公表するという形を取らせていただいているからです。その上でまた議事録というと、手間もいろいろあるものですから、報告書の中に主な論点とか、あった意見とか、そういったことを記載するという形に代えております。どういう議論があったかということについては、今日もPMDAの方々がたくさんいますので、その内容をよく分かるようにしてもらうように、私からもいろいろとお話をしていきたいと思います。

 あと、専門協議に参加した専門家の代表者を部会に呼ぶことについては、なるべくそういう方向で考えていきたいと思っております。

 もう一つ、個別製品の検討の所です。ちょうど最後の部会の所ですが、ここでも専門協議をやったのであれば、その代表を呼んだ方がいいという御意見です。 我々の感じでいきますと、最初にどういう形で審査をするかをきちんと決めると、個別製品の審査はそれに従って、それに合っているかどうかをチェックするだけになってしまうので、専門協議までやることは、多分ないのではないかと思います。そうすると、呼ぶ方もなかなかいないので、それはそれによって考えさせていただきたいと思います。ガイドラインから外れても認めてくれという議論があったら、また別だと思いますけれども、そうでない限りは専門協議までやらなくてもガイドラインに従って、ある意味、それをチェックしていくという形になると思います。ですから、ここで専門協議の場がない場合は、お呼びするのがなかなか難しいかと思っております。

○安全対策課長 リスク区分については、医薬品等安全対策部会で議論をさせていただきます。このガイドラインについては、その前に必ずこの部会で御審議いただくことになります。当然、どういう情報提供かといった議論や御意見も出ると思いますので、そういう御意見を、その後に開かれるリスク区分の安全対策部会でも御紹介をして、御議論いただくということにしたいと思います。

○鈴木委員 リスク区分の方はそれでよろしいと思います。前半の方ですけれども、議事録を取っていないということであれば、「出してください」と言っても出せないのかもしれません。きちんとその内容を報告書に載せていただかないと、都合のいい所だけで、そうでない所は省略ということでは正確に伝わりません。そういう意味では、参考人にいらしていただいて、直接聞けるということであれば、それでカバーできるのではないかと思いますので、そういう形で参考人を呼んでいただきたいと思います。個別製品のところも、専門協議をしないのではないかというお話ですが、やる場合もあるとすれば、そのときには是非呼んでいただきたいということを要望したいと思います。

○笠貫部会長 議事録がないという透明性の問題を、最初に鈴木委員が指摘され、それに対する御説明だったと思います。報告書の中にその意見を十分反映させるということと、PMDAの方とは別な観点も含めて、ここで参考人の御意見を聞くということだったと思います。一般用検査薬においては、透明性は国民に見える形が非常に大事だと思いますので、この点については今のような形で進めていただくことでよろしいでしょうか。

 それでは、それ以外に御質問、御意見はありますか。運用のフローチャートは非常に分かりやすく書いてありますし、これも新しい運用の形になりますので、これを適切に進めていただくということをお願いして、この議論は終了とさせていただきますが、よろしいでしょうか。

○鈴木委員 最後に追加として、個々の製品の議論のときに専門協議はしなかったけれども、場合によっては専門家の意見も必要だという意見が出た場合にも、別途呼んでいただければと思います。

○参事官 参考人の方々も来ていますし、運用の仕方については直接影響があるかもしれないので、御意見を伺っていただければと思います。

○笠貫部会長 参考人の方々、それぞれの立場から、運用について御意見がありましたらお聞きしたいと思います。いかがでしょうか。

○寺本参考人 この内容で進めたいと思いますし、私ども業界団体としても、ガイドラインの作成に尽力したいと考えております。

○笠貫部会長 それでよろしいでしょうか。先ほどの鈴木委員からの、個別の製品のときに専門協議が必要な場合には、こちらに参考人に御出席いただくということも、併せてお願いしたいと思います。また、本日の御意見も踏まえて、次回に取りまとめと、資料について御確認していただきたいと思います。それでは、これで議題1を終了とさせていただきます。

 次に議題2「使用成績評価について」を、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 当日配布資料5、右肩に「資料3」とある「承認時の使用成績評価の対象に係る基本的な考え方について」を御説明したいと思います。まず、今回の法改正に関することです。2枚目の「再審査・再評価の見直しについて」という横のスライドについて御説明いたします。薬事法等の一部を改正する法律については、昨年11月に公布されて、その概要はこの部会においても御説明したところですけれども、今月25日に施行され、次回の審議会・部会から新しい制度に基づく運用を図っていきたいということもあり、今回、御説明させていただきたいと思います。

 再審査・再評価の見直しの課題としては、上に二つ挙げております。医療機器は短いサイクルで改善・改良が行われるものが多いこともあり、再審査期間の経過と言いますか、その評価時においては、既に対象製品が市場に存在しないというケースも存在し得ること、また、植え込んで使用される医療機器については、一定の期間情報を収集する必要があるといった課題もあり、今回、法律第23条2の9を再審査・再評価制度に代えて新たに設けました。

 その内容については、四角の中に概要を示しております。再審査・再評価制度に代えて薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、厚生労働大臣が指定する医療機器について、製品の特性に応じて調査期間を設定し、当該期間中に使用成績に関する調査を行い、有効性・安全性を確認するということです。現行と改正後でどのように変わるのかということについては、その下の図で示しております。真ん中に線が入っており、そこより上の部分が現行の取扱いです。医療機器については、再審査は全ての新医療機器を対象に、承認時に、希少疾病用医療機器については7年を超えない範囲で、それ以外の医療機器については4年を超えない範囲で、という法律の規定に基づき再審査の期間を付し、再審査を行ってきたという状況です。

 今回の法改正に伴い、先ほど御紹介した課題に基づき検討した結果、大臣が指定した医療機器を対象とするということになっております。また、その期間についても同様に審議会の意見を聴き、厚生労働大臣が指示する期間調査を行うこととしています。そういう形で見直しを検討したいということになっております。具体的には1ページに戻って御説明したいと思います。

 1.の背景については今、御説明した状況で、最後の4番目ですけれども、改正法の施行が1125日に迫っております。それ以降に承認される品目については、従来の再審査の対象になるのではなく、使用成績評価という今回の新しい評価の対象になるかを判断することになりますので、その基本的な考え方について、これから御説明したいと思います。

 まず2.「使用成績評価の対象となる品目の考え方について」です。通常「新医療機器」と呼んでおりますが、既に製造販売の承認を与えられている医療機器と構造、使用方法、効果又は性能が明らかに異なる医療機器であって、国内外における類似の医療機器がない、又は使用経験が乏しい場合は、今後とも使用成績を一定期間確認することが必要ではないかと。

 ただし、新医療機器であっても次に掲げるような場合には、使用成績評価の対象とする必要がないと考えられるということで、こういった機器は柔軟に判断することも検討してはどうかと考えております。1番目として、海外における使用実績が十分にあり、医療環境の違いなどを考慮する必要がないと思われる場合です。2番目として、国内で使用実績が十分にあり、適応外公知申請というところで、適応外での十分なデータが論文などであるような場合については、新医療機器であっても新しい使用成績評価において調査を行う必要はないと考えられるのではないかと考えております。

 また、2番目の次のマルの部分にありますように、承認時に使用成績評価を受けなければならないとされた新医療機器と構造、使用方法等が同一性を有すると認められる品目については、使用成績評価が必要とされている期間を超えない期間に承認する場合は、品目ごとに調査の必要性を判断する必要があるということで、通常「追っかけ品目」と呼んでおりますが、使用成績評価期間中、最初の品目において承認時に必要と認められたものと同じものであれば、その期間内は同様の評価が必要ではないかというケースも、個別に検討する必要があるのではないかということを記載しております。

 次のページに行ってください。「また」という所があります。そこは新医療機器以外の医療機器や体外診断用医薬品の部分についても、今回、新医療機器に限られないというところで対象となることも想定されますが、基本的な考え方として品質の有効性・安全性の確認は、承認時には一定のレベルに達しているということで承認されるわけです。しかし臨床試験データ等により重大な不具合などが生じることが懸念されるケース、又は何らかの背景を有する一定の患者群においては不具合が生じるなど、十分に認められていない群もあるかもしれません。そういったところにおいても、特に使用成績の確認が必要と判断される場合については、使用成績評価の対象となることも想定され得るのではないか、というところを記載しております。

 では、その品目についてどれくらいの調査期間を考えたら良いかということについては、3番目に記載しております。一定期間後に承認時の品質、有効性・安全性の確認を行うため、使用成績評価の目的を明確にすることが必要ではないかと。それで明確にした目的に従って、調査の計画を策定するということを記載しております。また、次に掲げる場合にあっては、対象となる症例数が限られていることもあり、症例数の設定についてどのように考えるべきか、慎重に検討する必要があるということで、3点挙げております。

 例えば、希少疾病用医療機器などであって、使用実態を踏まえて症例数を設定する必要があると思われる場合です。また、一定の患者背景を有する患者群ごとに症例を収集し、評価する必要があると考えられる場合、又は一定の医療機関において連続使用症例を収集し、全体のうちどれぐらいの頻度で起こり得るかなど、そういった評価を行う必要があり得る場合なども考えられるかと思います。

 今回、使用成績評価において必要な症例数を踏まえて販売されるまでの準備期間、又は患者を登録する期間、フォローアップ期間として追跡期間を考慮し、こういった調査期間を承認時に設定することが考えられるのではないかと思います。こうした考え方が基本的な考え方というところで、具体的に何年かという目安を示す必要があるかと思っております。この具体的な年数の目安については別途検討するということで、次の部会をめどに考え方を御報告できればと思って、今検討しているところです。

 最後の「なお」という所です。年次報告というところで、この調査期間においては現行でも再審査の中で、調査結果を1年ごとに報告するということがありますので、そういった中、又は別途不具合報告などで想定されない課題などが明らかになった場合には、必要に応じて調査期間を延長することも想定されるというのも記載しております。

 最後に、施行直後の再審査の運用をどのように取り扱っていくかについて、2点お示ししております。一つ目は、旧法により再審査を受けなければならないということで、新医療機器の審査を行って再審査期間を設定されたものについては、従来の部会の最後でも報告しておりますとおり、再審査を行ってその結果の報告を行っていきたいと思っております。

 次の点ですけれども、旧法により再審査を受けなければならないとされた品目と構造、使用方法等が同一性を有すると認められる品目については、再審査が必要とされている期間を超えない範囲において、新法により承認する場合、再審査に指定されてその調査期間中である場合は、その品目がそれぞれ更に新法下において使用成績評価の対象とすべきかどうかについては、個別の品目ごとに調査の必要性を判断するということを記載しています。こういったところもあり、今後12月以降開催される部会については、使用成績評価の対象となるかどうかについて議論をしていただくことになるということもあり、今回こういった形でまとめて御説明させていただきます。

○笠貫部会長 それではこの議題について、委員の先生方から御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでしょうか。

○荒井部会長代理 この会で度々発言させていただいていますが、承認後の使用成績調査は、特に海外の医療機器の日本への導入等に大きな影響を及ぼします。今回示して頂いた考え方は非常にクリアであり、高く評価できると思います。安全性をどこまで拾うかが、必要な症例数や期間に影響しますが、伺いたいのは、PMDAの安全対策課からの情報の扱いです。いわゆる不具合に関して日本は、相当きちんと拾い上げができていると思われますが、その情報とリンクできないものでしょうか。稀に出てくる不具合でも結構重篤なものがありますので、市販後調査という枠ではなく、不具合報告として出て来たデータを有効活用できないかを御検討いただけないかと考え、提案をさせていただきたいと思います。

○参事官 今の点ですが、確かに使用成績評価という形で、かなり能動的にデータをかき集めてくるというやり方と、企業の方で不具合報告を取る体制がきちんとできていて拾ってくるというやり方があります。実際にそれでも十分にできる場合があるのではないかというご指摘だと思いますが、新規性の程度や使われる条件などで、いろいろと出てくる場合も考えられます。さすがにこれは使用成績調査を掛けなくても、このメーカーのこういう体制であれば、通常の不具合報告が十分できるのではないかというケースについては、資料3の1. . にはまらないけれども、これはいいのではないかというものもあり得ると思うのです。そういった場合は我々の方で、またこの部会にも相談をさせていただいて、個別の判断として使用成績評価は求めないということもあると思っています。そういう個別判断が書けなかったものですから書いていないのですけれども、当然そういう部分はあると思っておりますので、その辺はまた御相談させていただきながらやりたいと思います。

○荒井部会長代理 是非よろしくお願いいたします。

○荒川委員 医療機器の特性として、二つの問題があります。一つは不具合の定義と言いますか、死亡のおそれという類いをどこまで捉えるかというところに対して、一定の基準がないような気がするというのが1点です。

 それに絡んで、調査期間に関しても植込み機器等に関してどこまで取るのかということについては、一定の基準が必要かと思っています。特に海外とその辺の考え方のすり合わせが必要かと思います。現場で言いますと、なぜこのようなものが報告されていなかったのだろうということが平気で起こるわけです。そういうすり合わせがやはり必要ではないかと。日本はそういうことを割ときちんとやってきた方だろうと思うのですが、医療機器に関して私は、海外でもかなり遅れているという認識でいますので、日本がリードしていただいて、是非標準化ということを考えていただきたいと思います。

○笠貫部会長 不具合の標準化についてはよろしいですか。私からお聞きしたいのですが、今の不具合報告制度で実際にどの程度、不具合としてリアルワールドで上がってくるかについては、多少疑問を感じています。その中で学会の症例報告を含めて、学会を使用・市販後調査の中にどう組み込み、枠組みの中に入れられるかは、非常に大事な問題だと思います。そういう意味で、連続使用成績の中でどういう登録システムを作れるか、学会の関与をどうするかということも、是非、御検討いただけたらと思います。それが第1点です。

 第2点としては、再審査報告で私が今まで見てきた範囲の中では、問題になったケースはなかったように思います。その一つには、医療機関の中でラーニングカーブも余り問題にならない非常に優れた医療機関でやると、その結果は審査前のデータよりも大体良い結果が出ているように思うのです。そういう意味で、承認した後のリアルワールドでの安全性を評価するときには、優れた医療機関だけではない一定の医療機関を含めることが必要です。

 施設基準とか、医師基準という承認条件を付けている所がありますけれども、そこで初期に医療機関として導入した連続症例について、ラーニングカーブも評価できるような医療機関を入れます。その医療機器について非常に経験のある所と、初めて承認後に使う所というように、大きく分けてこの二つぐらいだと思うのです。その機器によって違うと思うので、例えば10例でもいいですから、そこで最初から、一定期間連続した症例を上げていただくことです。そういう医療機関の設定の仕方によって、市販後調査の精度が上がるのではないか、あるいはリアルワールドでの安全性をより正確に評価できるのではないかと思いますので、その点も御検討いただけたらと思います。

○参事官 今の部会長のお話は、全くそのとおりだと思います。資料の2枚目にもありますように、特に医療機器について薬と大きく違うのが、手技の影響が非常に大きく成績に関わってくるということかと思います。そういうことで使用成績評価の目的として、手技に関する影響というのもある。手技が非常に難しかったり、手技の問題で健康被害のおそれがあるようなケースもあると思いますので、手技に関する影響を特によく見る。そういったものについては、その影響をよく見るような調査計画を立ててやる必要があると思っております。正しくラーニングカーブと言いましょうか、まだ経験のない所だとどういうことが起こるのかということも含めて、3番目のポツで、「一定の医療機関で連続使用症例を収集する」とあります。必要なものについては、そういったこともきちんと調査できるような形は、当然考えていきたいと思います。

 もう一つの学会の関与の話についてですが、医療機器に関しては承認時に承認条件とか、学会の方でいろいろな講習会をやっていただくとか、承認に当たっては関係の学会の御意見も聞いて、適正使用の協力を頂く場合が多々あります。先生もよく御存じの通りです。そういう中で、今までは確かに使用成績調査の部分については、どういう関わり方というのは余りはっきりしていなかったかと思いますけれども、もともとそういうことで関わっていただいてもおりますし、今の部会長のお話もありましたので、また業界と相談しないといけないと思います。一応どのようなことがあるのか、まずは検討してみたいと思います。

○笠貫部会長 ありがとうございます。

○中谷委員 今、議論になっているところの一つだと思うのですが、例えば植込み型の人工心臓などの場合、使用期間などをどうするかというのは、なかなか大きな問題です。これを見ていると、実際にうまくフォローできるのか、カバーできているのか心配になるところがあります。例えば、埋植型の機械に関するフォローアップをどうするかということで、特に問題になってきたのが整形の人工骨頭等々の問題が、10年かかってでてきたなどという話も出てきていますね。確かに機器によってかなり違うと思うのですけれども、この文章で機器に応じて、あるいは対象に応じて違うというように読み込んでいいのかどうかです。確かにこれまでの審査で7年とか5年とか、それに応じてやっていたと思うのです。しかし、この使用成績評価期間に関して、例えば埋込型に関してはある程度フォローをして、例えば使用成績評価が終わったとしても問題が出てきたら、再度使用成績評価をやるとか、いろいろなことを検討しておくべきと思うのです。その辺の考え方はどうなっているのでしょうか。

○参事官 最初の所にも、植え込んで使用される、埋込型の医療機器の場合にどう考えるかというのが、確かに論点としてあるわけです。ただ、モノによって何年かは違うと思うのですが、今の人工骨など、非常に耐用期間の長い医療機器をずっと使用成績調査の対象にし続けるのも、もしかしたらやり過ぎかもしれません。ただ、使用成績調査の期間は、ある程度の期間を設定してでも、その後もきちんとフォローアップするような形をどう捉えるのか。それは使用成績調査でなければできないのか、それとも通常の不具合報告でも取れるのか。どちらにしてもフォローアップは必要です。特に新しいタイプの人工骨などの場合は、長い期間のフォローアップも必要だと思いますので、具体的にどういうポイントを見るかも含めて、またそういう申請があった場合には、よくよく検討してみたいと思います。

 どちらにしても今回の使用成績評価の場合は、新規性の基軸だけの7年、4年、3年というやり方から、そのものの特性に応じて柔軟に計画を立て、期間を決めていこうというかなり画一的な考え方です。そういう意味で総論的にどうするかというのは、書きづらいのですけれども、今の先生のコメントも含めて、よくよく考えていきたいと思います。もしPMDAから何かございましたら言っていただければと思います。よろしいですか。

○笠貫部会長 ほかにございますか。1125日から改正法の施行ということで、再審査について非常に重要な大きな変革があるわけです。医療機器の特性に応じて、かなりの自由度を持って個々に判断できるということです。そういった意味では非常に大事な基本的な問題だと思います。特に議論がなければ、これで議題2を終了とさせていただきます。

 それでは議題3「高度管理医療機器の認証基準の策定方針について」ということで、事務局から御説明をお願いいたします。

○事務局 高度管理医療機器の認証基準の策定方針について御説明いたします。まず、左肩に当日配布資料6、右肩に資料4と書かれた「高度管理医療機器に係る認証基準の整備計画」という冊子です。一番後ろのページ、医療機器の分類と規制ということで、今回、認証の基準を作成しましょうというものについては、現状、このクラスIIIIII、各部会等でも使用しておりますが、このクラスIIIIIIIVという形で医療機器の分類がされております。現状、このクラスIIと呼ばれるものについては、薬事法上の分類では管理医療機器という形で、これは第三者認証という形で薬事法に規定された登録認証機関、現在は12機関あります。こちらで基準適合性審査の形でJISや国際規格、そういったものに基づいた審査が行われております。現状、クラスIII以上のものについては、高度管理医療機器の区分けで、PMDA、医薬品医療機器総合機構で承認審査を行っております。クラスIIIの一部を法改正により拡充して、認証基準を作成して、登録認証機関において審査をしようということが、今回の法改正で行われました。それに基づいて、では、どのようにして基準を作成していくのかの計画についての御説明です。

 もとのページに戻り、「はじめに」とあり、これまでは今、説明のとおり、クラスII の厚生労働大臣が指定した比較的リスクの低い管理医療機器については、基準を定めたものから、国に登録された民間の第三者認証機関、以下登録認証機関と呼ばれますが、ここで既に827認証基準が策定され、管理医療機器の多くは既に認証移行されています。

 一方、リスクの高いとされる高度管理医療機器については、先ほど申し上げましたPMDAが審査を行い、国が承認を行う仕組みとなっておりますが、平成16年から現在まで、承認審査の高度化、迅速化などを図るための取組として、審査人員の増強、審査相談事業の拡充など、新医療機器、改良医療機器、後発医療機器といった審査品目の審査内容や審査時間に応じた審査体制(3トラック審査)の整備等を行ってまいりました。

 今後、今回の法改正でもソフトウェアが医療機器となったりする場合もありますが、そういった技術の進歩による、それらを活用した革新的な医療機器が開発されることも予想されまして、なお一層の審査相談や審査業務の増加が予想されることから、これまでPMDAで培った審査の視点を基準として明確化して、登録認証機関による基準適合性認証を高度管理医療機器にも適用を拡大するということで、PMDAが革新的な医療機器の審査に注力できるような対策を検討することが必要でした。これについては、規制改革実施会議、これは平成25614日の閣議決定においても、医療機器に係る認証基準の計画的な策定が求められており、今回、この高度管理医療機器に係る認証基準について、当面、申請件数、承認審査の負担が大きいと考えられるような医療機器を優先的に認証基準の整備計画を策定・公表することとされており、その期限が法改正の1125日までに策定するとされたことが、今回この部会において報告させていただく次第です。

 次に今回、この計画を実行する際に、法律、制度の整備が必要でしたので、1ページの2.薬事法の改正による高度管理医療機器の認証基準の策定の環境整備ということで、薬事法等の一部を改正する法律により改正された医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第23条の2の23におきまして、厚生労働大臣が基準を定めて指定する高度管理医療機器についても、登録認証機関の認証を受けなければならないとされ、下の※2に書かれているとおり、法律上の整備も行いました。

 続いて、2番目のポツにありますが、薬事法23条の2の第1項の規定によりまして、厚生労働大臣が基準を定めて指定する医療機器ということで、個々の告示の改正、これも下の※3にありますが、こういう形で告示の改定を行いまして、制度上、要するに法律、告示等、そういった法制上の整備を整えた次第です。これらの改正により、高度管理医療機器の認証移行が法制度上でも整備されまして、認証移行を行う高度管理医療機器の選定条件の設定、基準策定のプロセスの策定の環境が整いました。

 続いて、3ページの 3. 今回御紹介します整備計画については、以下の内容について行いたいと思っております。まず、()は本計画は計画ということでいつまでという期間を設定して行いますが、これについては平成30年度末までの計画としたいということです。

 2番目の実施方法としては、認証基準告示において、指定される選定、プロセスを以下のとおりとしたいということで、 . にあるとおり、高度管理医療機器の選定条件を示すということです。高度管理医療機器の基準に該当する医療機器の選定については、以下の条件ということで、まず、最初に()登録認証機関がこれまで基準適合性認証という形で、規格に基づく審査を行ってきているので、有効性・安全性、品質を確保できる条件を客観的に判断できる明確な高度管理医療機器の基準が作成できるものとして、当該基準に関しては、国際規格であるISO、IECや日本工業規格であるJISなど公的な規格類を基本としたものであること。

()としては、関係業界から、そもそも業界としても認証移行の希望がないものとなると、なかなか基準等が難しいということもありますので、認証移行の希望があり、関係業界で、まず、この高度管理医療機器の基準原案の作成が行われるものであることということです。()としては、()()の条件を満たすもののうち、類似製品の多くが管理医療機器で既に規格等が整備されており、認証移行されており、既に作成された認証基準が十分活用できるようなものは優先的に検討を行うものとする。

()については、同じように()()の条件を満たすもののうち、登録認証機関の認証審査の状況を確認して、高度管理医療機器クラスIIIの中で、比較的リスクの低いもの、例えばこれはFDA等でクラス分類を見直して、本邦の管理医療機器のレベルまで下げられたようなものも実際にありますので、そういったものがきた場合にはそういうものから順次、検討を行うものとしたいということです。

 これについては、実際に審査を進めていく上でやっていくのですが、今回、以前の告示改定のときに二つの基準が既に策定されており、一つはインスリンペンの基準。あとはヘパリン使用の血液の動脈フィルターの基準の二つありますが、こういったものも基準の中に、策定の条件の中に合うものとして進めました。

 そこで実際には基準策定が行われたわけなのですが、そのプロトタイプとして、今回、基準策定プロセスを併せて考えました。それが . です。高度管理医療機器の認証基準の策定プロセスについては以下のとおりとして、まず、()として厚生労働省の医薬食品局の医療機器・再生医療等製品審査管理室、当室ですが、認証基準を策定する高度管理医療機器について、各年度の4月末までに関係業界からの要望を確認して、高度管理医療機器の認証基準策定要望リストを作成します。今回、参考に付けたものが10ページです。10ページ以降に参考資料として、各担当団体に意向を聞いて、出てきた高度管理医療機器の認証基準策定要望のリストです。平成26年は残すところ少ないので、平成2627年度の形で最初の年度は一緒にやりたいと思います。ここに示された1~12ページまでの68、一般的名称でいきますが、その一般的名称に係る基準を作成していこうということで、まず、要望を聞いたものです。

 実際には、4ページに戻り、()として、厚生労働省としてはPMDAとともに関係業界と協議の上、このリストに示された医療機器について、基準策定に係る準備として、この . 、先ほどの策定の条件に合うものかどうかを検討して、基準策定の優先順位を決めて進めます。※4)については、基準策定の優先順位の付け方として参考として出しますので、このようなABCDで条件を満たしていて、優先的に進めるものである。あるいは検討したけれども、なかなか難しいものであるなど、そういったものも優先順位付けして進めたいと思っております。

()として、今度、策定作業を進める高度管理医療機器については、基準に必要な事項として、適用範囲、既存品目との同等性を評価すべき主要評価項目とその基準、基本要件基準を満たすために引用可能な規格等一覧ということで、別添ということで6ページです。これはインスリンペンのときです。これは前回、8月の部会でインスリンペンの基準を作成して、当部会にも報告しましたが、こういう形で 1. の所に告示に示されるような基準、これは別表の形で表に示されますが、この基準、通知の形で2.に示される、要するに別表1に規定されたものを細かく解説したようなものになります。こういった基準の形をベースにして、同様に作成します。このように認証基準案を作成していくということです。

 4ページに戻り、当該基準案については、現行の管理医療機器の認証基準の策定手順と同様に、基準案を策定する高度管理医療機器に関して、専門的な知識を持った医学、薬学、工学等の有識者及び関係業界の担当者によって作成されたものということです。原案については、こういう形で作成するものです。基準案については、優先順位に従って検討を行い、この検討についてはPMDA、厚生労働省、業界など全てが参画して検討を行いますが、基準案の作成がどうしてもできなかったものということです。同意ができなかったものについては、その理由を明確にした上で、次年度の要望で継続的に扱う、検討するものとするか、あるいは延長して策定を検討するかどうかの決定等も含めて行うものとしたいと思っております。

()として、厚生労働省としてはこの作成された認証基準案を基に、認証基準の告示、先ほど申しました局長の通知の改正等に必要な手続を進めておき、()として、今まで実際には、高度管理医療機器審査を行っていたのはPMDAですので、当該、認証基準に関して認証を行おうとする登録認証機関に対して、認証審査に関するトレーニングを行うということにしたいと思っております。

()として各年度末にリストに基づいて、認証基準の策定結果、これは基準を策定したものも含めて、あるいは逆に継続的に検討するものも含めて、あるいは逆に今度は策定に至らなかったというものも含めて、この理由も含めて公表していきたいと考えております。

()その他として、この計画全体は当然必要事項においていろいろ整備することがあることから、必要に応じて見直すこととすることにしたいと思っております。報告は以上です。

○笠貫部会長 それでは委員の先生方から御質問、御意見はございますか。

○荒川委員 高度管理医療機器の中で認証の方にのせるということですが、逆に高度管理医療機器の中に含まれるものをレベルダウンするという考え方はないのですか。

○参事官 実はもともとクラス分類を作った平成14年に法律改正、平成17年から施行しました。その間にもともとはGHTFという国際医療機器の規制の整合会議でルールが決まっており、そのルールを適用したのですけれども、中で日本の医療環境、状況も考えて、このとおりでは駄目ではないかというのが2種類ぐらいあったと思います。それはこの部会で議論もいただいて、クラス分類を議論していただいたこともございました。GHTFルールの中では、クラスを上げたり、下げたりいじるというルールがないので、今までやってきていないのですけれども、FDAでは現実にこういうことをやっていることもありますと、今の高度管理医療機器をこういう形でやっていく方法もあれば、なかなか認証基準はできないのだけれども、いろいろリスクを考えたときに、必ずしもクラスIIIでなくてもいいのではないかなど、クラスIIだったけれども、クラスIIIでもいいのではないかなど、そういうものもいろいろあろうかと思いますので、そういったものをいろいろ拾って、今は具体的なルールは思いつきませんが、FDAのやり方なども含めて勉強させていただき、そういうこともまた検討していきたいと思っております。

○笠貫部会長 ほかにはございますか。クラスIIIの一部を認証にということは、今度の改正の中で大きなポイントだと思いますが、その中で登録認証機関の質をどのように担保するのかは同時に大事ではないかと思います。先ほど登録認証機関については、トレーニングをするという話がありましたが、その前にクラスIIIの機器を認証できる機関を選定するシステムはどうか。それからモニタリングというか、本当に質が大丈夫かという監査をどうするか。取消もあるのか。そこが非常に大事ではないかと思うのです。そういう意味で、まだ認証基準が今できて、これをクラスIIIまで拡大するときに、登録認証機関をどのように育てていくかという段階的なプロセスが必要です。段階的にどう質を担保できるか。今の認証でいいという機器を選定していく場合も、そのバランスが大事かと思います。今の登録認証機関の在り方についても、整備計画の中に盛られている方がいいかと思うのですが、この辺については御検討いただいているのでしょうか。

○参事官 実はその点は、既に法律の中で規定されております。今回、高度管理医療機器の認証移行されるものが出てくるということで、もともとハイリスクということもあり、認証機関の監督をより厳格化することが、今回の法律改正の中身に入っております。

 具体的には、今回、各登録認証機関においては、業務規程を作る必要になっております。どういう品目に認証行為を行うのか。それをどういう手順で行うのか。一番大事なのは、実際に認証審査を行う人員の能力をどのように確保するのかなどで、そういった点について、業務規程で規定する必要があります。現在はまだ届出制ですが、法律施行後は厚生労働大臣の認可制に移行します。それで正しく今、部会長がおっしゃったことは非常に大事なので、業務規程をどのように見るのかを先般通知しまして、特に認証審査を行う人員の能力管理は、どういう力量を持った方がやるようにするのか。その手順を作りなさいと。その判定をどのようにするか。それが至らない、できるような人がいない場合は、その認証をやめるとか、もう1回トレーニングし直すなど、そういうような規定を入れ込むようにということで行い、それが我々が見て合理的な、きちんとしたものではなければ認可をしないということで、その分野の認証が行えない形になっております。

 それに加えて、今回のこのトレーニングも入れておりますので、現在、今度の1125日の法律の施行ですが、それに向けて各機関からヒアリングを行っており、業務規程の内容を全部チェックしているところです。今12の登録認証機関がありますが、全ての機関が高度管理医療機器の認証を行うことまでは当面はいかないだろうということで、きちんとトレーニングもして、能力のある審査員を確保、トレーニングも含めた資質の管理ができないかぎり、やらないということです。12は当面はいけないだろうと。幾つかの機関だけが施行の段階でいくような感じになるのではないかということです。これは整備計画と別な話だったので、法律の内容でそうなっていて、かい摘んで御説明すると、そういう状況です。

○笠貫部会長 法からきちんと規制されているということを、お聞きして安心しました。それではほかにはございませんでしょうか。特にございませんでしたら、これで議題3、高度管理医療機器の認証基準の策定方針について、終了いたします。それでは次回についてお話しください。

○参事官 今の当日配布資料、ちょうど今、御審議いただいた内容の高度管理医療機器に係る認証基準の整備計画です。先ほど谷城から御説明しましたが、規制改革会議では、本整備計画については、その施行、1125日までに策定、公表するものであると書いてありますので、今日、一応、報告して御了承いただきましたので、速やかに私どもで公表の手続を取らせていただき、公表したいと思っております。それだけ報告いたします。次回の部会については、追って御連絡いたします。連絡は以上です。

○笠貫部会長 この法改正、1125日に施行ということで、今日は二つの大きなテーマを議論いたしました。医療機器についてのシステムが発展し、改善されているということを非常に実感いたしました。それでは、これをもちまして、本日の医療機器・体外診断薬部会を閉会とします。どうも本日はありがとうございました。


(了)

連絡先:医薬食品局審査管理課 医療機器・再生医療等製品担当参事官室 室長補佐 堀内(内線4226)

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