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2014年8月27日 平成26年度第5回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成26年8月27日(水)
17:00~


○場所

厚生労働省専用第17会議室(16階)


○議題

(1)要指導医薬品のリスク評価について
(2)その他

○議事

○事務局 少し時間が早いようですが、委員の先生方がおそろいになりましたので、始めさせていただければと思います。平成26年度第5回医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開催いたします。本日御出席の委員の先生方、あるいは参考人の先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。

 本日の部会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただいておりますので、御理解、御協力のほどよろしくお願いいたします。また、傍聴の方々におかれましては、「静粛を旨とし、喧噪にわたる行為はしないこと。座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うこと」など、留意事項の厳守をお願いいたします。

 本日の委員の出欠ですが、安全対策調査会委員5名全員の出席をいただいておりますので、薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立することを報告申し上げます。また、今回、参考人として日本薬剤師会副会長の生出先生に御出席いただいており、日本医科大学付属病院耳鼻咽喉科教授の大久保先生には少し遅れて御参加いただきます。東京慈恵会医科大学整形外科准教授の斎藤先生、横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学(産婦人科)教授の平原先生に御出席いただいております。なお、事務局の審議官は少し遅れての参加となっております。

 また、事務局の異動がありましたので、簡単に紹介いたします。医薬食品局ですが、安全対策課長として森口の後任に宇津が着任しております。また、医薬品医療機器総合機構ですが、安全管理監として山本の後任に俵木が着任しております。冒頭のカメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。以後の議事の進行は五十嵐座長にお願いいたします。

○五十嵐座長 議事を始めたいと思います。始めに、事務局から審議参加に関する遵守事項について、御説明をお願いします。

○事務局 議事参加について報告いたします。本日御出席の委員及び参考人の方々の過去3年度における関連企業、対象品目及び競合品目の製造販売業者からの寄附金、契約金などの受取状況を報告いたします。

 本日の議題に関して、競合品目・競合企業については、事前に各委員に資料をお送りして確認いただいております。五十嵐委員よりサノフィ株式会社から50万円以下の受取、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下の受取、柿崎委員よりアルフレッサファーマ株式会社より50万円以下の受取、エーザイ株式会社より50万円を超え500万円以下の受取、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下の受取、望月委員より佐藤製薬株式会社より50万円以下の受取、田辺三菱製薬株式会社より50万円以下の受取、大久保参考人より第一三共ヘルスケア株式会社より50万円以下の受取、エスエス製薬株式会社より50万円以下の受取、佐藤製薬株式会社より50万円以下の受取、エーザイ株式会社より50万円以下の受取、サノフィ株式会社より50万円以下の受取、田辺三菱製薬株式会社より50万円を超え500万円以下の受取、斎藤参考人よりエーザイ株式会社より50万円以下の受取、平原参考人より第一三共ヘルスケア株式会社より50万円以下の受取、サノフィ株式会社より50万円以下の受取と申告いただきました。

 よって、メキタジン及びエピナスチン塩酸塩のリスク評価について審議する間は、柿崎委員におかれましては、出席し意見を述べることはできますが、議決には加われないこととなります。これらの申告については、ホームページで公表させていただきます。審議参加に関する遵守事項についての説明は以上です。

○五十嵐座長 ただいま事務局から御説明いただきました審議参加に関する遵守事項については、皆さん御理解いただきましたか。御承認いただけますか。では、御了解いただいたことにしたいと思います。

 次に、事務局から今日の配布資料の確認をお願いします。

○事務局 お手元の資料です。1枚目は座席表です。次に、本日御参加の委員、参考人の一覧です。次に、本日の議事次第です。次に、本日、審議します審議事項に関する品目及び企業の一覧表です。次に、配布資料の一覧です。資料1として「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」です。資料1-1-1として「ロキソプロフェンナトリウム水和物のリスク区分について」、資料1-1-2として、「新一般用医薬品製造販売後調査報告書」という企業の報告書と添付文書をまとめたものです。

 参考資料1-1として「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」、参考資料1-2として「一般用医薬品のリスク区分」、参考資料1-3として、ロキソニン錠60mg等の添付文書です。

 資料2として「要指導医薬品のリスク評価について」、資料2-1-1として「イブプロフェン/ブチルスコポラミン臭化物 配合剤のリスク評価について」、資料2-1-2としてエルペインコーワ等の「新一般用医薬品製造販売後調査報告書」です。資料2-2-1として「メキタジン高用量製剤(1日量6mg)のリスク評価について」、資料2-2-2としてストナリニ・ガード等の「新一般用医薬品製造販売後調査報告書」です。資料2-3-1として「エピナスチン塩酸塩のリスク評価について」、資料2-3-2として、アレジオン10等の「新一般用医薬品製造販売後調査報告書」です。資料2-4-1として「ペミロラストカリウムのリスク評価について」、資料2-4-2として、アレギサール鼻炎等の「新一般用医薬品製造販売後調査報告書」です。

 参考資料2-1として「スイッチOTC薬等のリスク評価について」。参考資料2-2として「スイッチOTC薬に係る要指導医薬品から一般用医薬品への移行の流れ」という模式図です。参考資料2-3として「要指導医薬品と同じ有効成分を含む医療用医薬品の添付文書」のまとめです。資料としては以上ですが、不足等ありましたら事務局に御報告いただければと思います。

○大野委員 事前に送ってもらったものはあるのですが、今日、配布の資料がないのですけれども。資料2-4以降が。

○事務局 資料2-4-1の「ペミロラストカリウムのリスク評価」でしょうか。

○大野委員 今日新たに机の上には全然なかったのです。

○事務局 申し訳ございません。失礼いたしました。

○五十嵐座長 ほかはありますか。

○大野委員 ほかは持ってきましたので。

○五十嵐座長 ありがとうございます。ほかに資料の過不足はありますか。

 早速ですが、議題1の「一般用医薬品のリスク区分について」、検討に入りたいと思います。御説明をお願いいたします。

○事務局 議題1「一般用医薬品のリスク区分について」、事務局より説明いたします。議題に入る前に、一般用医薬品のリスク区分の変更手順について、簡単に説明いたします。参考資料1-1「一般用医薬品のリスク区分の変更手順について」です。この変更手順は、平成21年5月8日に開催された医薬品等安全対策部会において御審議いただき、御了承いただいたものです。

 リスク区分の変更については、1ページの3に記載があるとおり、医薬品等安全対策部会において、スイッチOTC等の市販後調査の終了に伴うリスク区分の変更等の調査・審議を行うこととされており、その事前整理等を「安全対策調査会」で行うこととされております。手順としては、()安全対策調査会の調査・審議に当たり、必要に応じ、関係学会等の有識者の出席を求め、意見を聴取し、事前整理を行い、その結果、リスク区分等の変更を行う必要があるとされた場合、厚生労働省は、変更案についてパブリックコメントを行う。()安全対策調査会における事前整理の結果、パブリックコメントの結果等について、医薬品等安全対策部会で調査・審議を行い、指定の変更の要否について答申を得る、といった手続をとることとなっています。

 一般用医薬品のリスク区分について、簡単に説明いたします。参考資料1-2「一般用医薬品のリスク区分」です。第1類医薬品は、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって、その使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するもの、及び新一般用医薬品として承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないものとされており、薬剤師により販売され、患者に対する情報提供の義務があります。

 第2類医薬品については、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品(第1類医薬品を除く)であって、厚生労働大臣が指定するものとされています。薬剤師若しくは登録販売者により販売され、情報提供については努力義務という規定になっています。第2類医薬品のうち、特別な注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するものについては指定第2類医薬品とされており、薬局開設者等は情報提供するための設備から7m以内の範囲に陳列する、「指定第2類医薬品を購入する場合は、禁忌を確認すること及び専門家に相談することを勧める旨」を購入者が確実に認識できるようにするなどの措置をとることとされていますが、販売は第2類医薬品と同様、薬剤師又は登録販売者により行われ、情報提供についても努力義務という規定になっています。

 第3類医薬品は、第1類医薬品、第2類医薬品に分類されないもので、薬剤師又は登録販売者により販売されます。

 続きまして、今回、御審議いただく品目の説明に移ります。資料1「製造販売後調査の終了に伴うリスク区分の検討について」です。現在、リスク評価中であるために、第1類医薬品とされていますロキソプロフェンナトリウム水和物錠について、製造販売後調査が終了したことに伴い、リスク区分の変更の検討をお願いするものです。

 資料1-1-1、資料1-1-2を御用意ください。資料1-1-1は品目の概要、資料1-1-2は製造販売業者が実施した製造販売後調査報告書、添付文書及び使用者向け情報提供文書をまとめたものです。また、参考として、参考資料1-3に同有効成分を含む医療用医薬品の添付文書を用意しております。

 資料1-1-1です。ロキソプロフェンナトリウム水和物は、解熱鎮痛薬として、販売名はロキソニンS、その他で承認されております。効能・効果は、「頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽頭痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛、外傷時の鎮痛及び悪寒・発熱時の解熱」となっております。製造販売開始後3年間の安全性に関する調査を終え、今回リスク区分の検討をお願いするものです。

 製造販売後調査の概要ですが、個別に薬局等と契約して、モニター店舗でアンケート調査表を配布し調査を行う特別調査では、調査症例数1万448症例で、このうち報告された副作用が317435件、副作用発現率は3.0%でした。内訳として、腹部不快感131件、傾眠52件、口渇37件などであり、これらの副作用の中で重篤と判断されたものはありませんでした。

 個別の症例一覧は資料1-1-2のページ下方のハイフン付きのページ数で9ページ以降に付けております。また、使用者若しくは薬剤師からの自発報告である一般調査において、副作用報告が276437件寄せられており、内訳として発疹24件、浮腫23件、悪心22件などです。重篤と判断された副作用報告は1418件ありました。個別の症例一覧は、資料1-1-256ページ以降にあります。

 重篤と企業が判断した副作用症例報告の一覧は資料1-1-1の2ページにあります。各症例の概要は、表の一番右の「資料1-1-2ページ」の列に記載されたページ、詳細は87ページ以降にありますので御参照ください。転帰が死亡の症例は1例あり、症例2の喘息発作重積の男性の症例です。アスピリン喘息の既往のある使用者が服用後、喘息発作重積を起こし、死に至ったもので、外国籍の使用者であったため、販売時に言葉の問題により情報伝達を十分に行うことができなかったことが一因と、製造販売業者は考え、外国語版の情報提供用文書の作成、配布を行う対策を講じております。

 転帰が不明とされた症例は、症例7の脳血管発作の症例です。使用者の家族より、以前に使用者が脳卒中と診断されたが、長い間、服用していたロキソプロフェンナトリウム水和物や本剤を含む市販の解熱鎮痛剤が関係あるのかと問合せを受けたことにより、情報を入手した事例です。その後、詳細情報が入手できなかったため、転帰不明となっております。

 ほかの症例は、いずれも軽快又は回復しております。製造販売業者は、収集された重篤な副作用の発現傾向については、医療用医薬品及び一般用の他の解熱鎮痛剤と比較して特記すべき点はないと説明しております。

 4ページですが、副作用発現状況をまとめたものです。医療用医薬品ロキソニン錠60mgの使用成績調査、本剤の特別調査及び一般調査で報告された副作用について、副作用の種類別に報告件数をまとめております。10件以上の報告があった副作用名には下線を、添付文書に記載のない副作用名には*を付けております。腹部不快感等の胃腸障害、口渇、浮腫、傾眠、皮膚障害等が、本剤の特別調査、一般調査で多く報告されておりますが、いずれも添付文書に記載がある事象です。また、医療用医薬品と比較して、発現傾向に大きく差が生じていないと考えています。

 3ページに戻り、添付文書の「してはいけないこと」を抜粋しておりますが、本剤の成分によりアレルギー症状を起こしたことのある人、非ステロイド性解熱鎮痛剤を含む医薬品を服用して喘息を起こしたことのある人、15歳未満の小児、胃・十二指腸潰瘍、肝臓病、腎臓病、心臓病の治療を受けている人、血液異常を医師から指摘されている人、出産予定日12週以内の妊婦は使用してはならないこととされています。また、他の解熱鎮痛薬、風邪薬、鎮痛薬とは併用せず、服用前後の飲酒や長期連用はしないよう記載しております。添付文書の全体は資料1-1-291ページにあります。

 資料1-1-1の3ページに戻ります。一般用医薬品の解熱鎮痛剤に含まれる成分のリスク区分については、アセトアミノフェンは第2類医薬品、イブプロフェン、アスピリン及びエテンザミドは、妊娠後期の婦人が禁忌であり、患者背景に特に注意すべき禁忌がある医薬品として指定第2類医薬品に区分され、流通しております。資料の説明は以上です。御審議のほどよろしくお願いいたします。

○五十嵐座長 参考人の方から御意見を頂きたいと思います。初めに、斎藤先生から御意見をお願いいたします。

○斎藤参考人 整形外科の斎藤と申します。今、御報告いただきましたように、特別調査、一般調査での服作用を拝見しましたが、それ以外に医療用及び一般薬の解熱鎮痛剤と比較して、ロキソプロフェンナトリウム、ロキソニンSについて、特別なものがあるという印象は受けませんでした。また、他の一般医薬品で第2類になっておりますイブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンは、医療用と一般用での用量比較をしても、それぞれほぼ同等の薬剤、同量で一般用として市販されていて、第2類ですので、そういった観点から見ると、ロキソプロフェン、ロキソニンSのみ第1類にしておくという理由は、私の中では余りはっきりしたものはなかったというところです。また、1日用量も2回までとなっております。医療用は3錠ですけれども。私はそのように印象を受けました。

○五十嵐座長 続きまして、平原先生から御意見を頂きたいと思います。

○平原参考人 私は産婦人科ですが、産婦人科領域でもこの薬は月経困難症とか、月経痛で非常によく使われている薬です。今日の資料にもありますが、確かに「してはいけないこと」という中にはいろいろとリストが出ておりますし、妊婦は特段これを後期に使ってはいけないということで注意は出ております。そういったことで、ちゃんと指導なり、適切な情報提供がなされるような状況で行われるというのがふさわしいかなということだと思っております。とりあえずコメントは以上です。

○五十嵐座長 続きまして、生出先生から御意見をお願いいたします。

○生出参考人 日本薬剤師会副会長の生出ででございます。PMSの概要を見させていただきますと、使用者の年齢が大体20代から49歳で、約75%。女性の使用が7576%ということを考えますと、妊娠中であったり、授乳中の女性への使用が起こる可能性も考えられますので、医療用の添付文書にもありますが、妊娠後期における胎児動脈管収縮・閉鎖、妊娠後期における分娩遅延、乳汁中への移行などが報告されておりますので、十分な情報提供、使用者の状態確認が必要になると思います。

 また、使用目的として頭痛の使用が約7割となっていますので、ただ単に販売していると、薬剤乱用性の頭痛などについても十分な情報提供も留意をする必要もあるのではないか。現在、第1類医薬品として、薬剤師が対面で文書を用いて情報提供し、きちんと相互作用等々を説明しているので、PMSの結果においても、このような副作用がない状況があるのではないかと思っております。今後、ネット販売等々が解禁されておりますことも考えますと、もちろん第1類でもネット販売はできるのですが、引き続き第1類医薬品としてあったほうが望ましいと、私は思っております。

○五十嵐座長 事務局の御説明と3名の参考人の先生方の御意見を頂いたわけですが、委員の先生方から御意見、御質問はいかがでしょうか。

○望月委員 特段多いわけではありませんが、症例の中で十二指腸穿孔の方が2例いらっしゃって、片方は使用量とか使用期間が不明となっているのですが、分かっているほうは2か月間、継続して服用されているということになっています。、長期使用に関する注意喚起について、以前に別の機会にお話した記憶があるのですが、添付文書上の注意喚起の仕方が分かりづらい部分があるのかと思っています。今、第1類を販売する場合には、資料1-1-2の最後から4枚目、93ページに「企業が作成した使用者向け情報提供文書」が付いているのですが、ここは割とはっきり右側の欄の上から3つ目ぐらいの○にポイントが指のマークで指してあって、長期連用をしないことについて、分かりやすく注意喚起してあるような気がするのです。この使用者向け情報提供文書は、第1類だから作られていて、例えばこれがほかの鎮痛薬のOTC薬に合わせると、指定第2類に分類されるようなことになったときに、これは使われないとか、その辺のことです。

 もう1つは、ネットで販売するときに、第1類の場合は薬剤師のきちんとした情報提供等が義務化されていますから、ネット上でも自身のいろいろなチェックを伝達できるような作り込みになっていると思うのですが、それがもし指定第2類などにリスク区分が変わると、ネット上の販売の仕方は何もなくどんどん買えてしまうような売り方をしているのか、その辺の実態について、2つ教えていただきたいのですが。

○事務局 1つ目の質問につき、まずお答えします。今回、類が変わっても、このような使用者向けの情報提供文書を作成するように必要に応じて指導するといったことは、今までも実施したことはありますし、必要があれば実施可能と考えております。

○望月委員 でも、義務にはならないのですよね。それは指導をするというレベル。

○事務局 情報提供は重要なことですので、こういう文書でお願いするのか、それとも添付文書の記載を変えて、この連用についての注意喚起を分かりやすくするのか、いずれかの方法で御指摘いただければ、企業のほうにそのような趣旨が盛り込まれるように指導していきたいと思います。多分、問題なくそのような対応をしていただけるものと考えております。

○五十嵐座長 ネットのほうの御質問はいかがでしょうか。

○事務局 ネットで、今、第1類で売られていて、第2類、第3類になったら、具体的にどう変わるのかということですが、間に介在するのが薬剤師ではなくて登録販売者でもいいという形になって、確認のところも結局、説明については努力義務になっていますので、その点については確実に応答を何とかして、購入者の質問が全部クリアになってから、やっと送れるという第1類ではなくなるのは事実かと思います。それについても、課長が説明しましたように、特に本剤について、今、御懸念は長期連用等についてですが、こちらについても企業を指導して、必ず使用者に情報提供、注意喚起ができるような形で考えてみたいと思っております。これは仮にリスク区分が変わった場合の話ですが。

○望月委員 多分、長期連用のほうは説明書も重要なのですが、売る際に一遍にまとめ買いをできないようにしておくことも関係してくるのかとか、あるいは始終、薬局とかドラッグストアに買いに来るというのは、対面だとチェックができるのかもしれないのですが、ネットだとそこの辺りがどんな形でチェックができるのかが見えないので、難しいですね。繰り返しになりますが、ざっくり言って、長期連用の防止策は2つあって、売る際に大量買いをさせないという売り方をする。もう1つは添付文書上で長期連用しないという注意喚起をするという2つのやり方です。片方は添付文書のより患者に分かりやすい注意喚起の在り方を検討すればいいですし、もう片方はどういう形なのかがちょっと、ネットのほうについてはよく分からないところがあります。

○事務局 調べさせていただいて、分かりましたら報告したいと思います。

○五十嵐座長 ほかの委員の先生方は御意見、いかがですか。

○柿崎委員 ネットに関連するのですが、指定第2類の場合には、店頭で置く場合には情報を提供するための設備から7m以内の範囲に陳列するということで、通常の第2類と指定第2類で区別しているのですが、ネットのときにはこの区別はどのようにするのですか。指定第2類と第2類の区別は、どのようにしているのでしょうか。

○事務局 参考資料1-2を御覧ください。その7m以下の陳列の下にありますが、指定第2類医薬品については禁忌を確認してくださいとか、専門家に相談してくださいといったことを、購入しようとする方が認識できるような形でサイトなりも作るようにという義務になっております。

○柿崎委員 サイトで本人が読めばいいということ、ただクリックしてしまえばいいということですか。

○事務局 どのような形式になっているかまでは分からないのですが、確実に認識できるような作り込みをするようにということになっております。

○五十嵐座長 購入するときは、ネットの場合でもチェック項目があるという御説明ですね。

○事務局 チェックといいますか、勧めることを認識していただくというのは、実際の店舗とネットでは共通です。

○五十嵐座長 よろしいですか。ほかはいかがでしょうか。同類の薬剤であるイブプロフェンとアスピリンに関しては、ともに妊娠後期の婦人に対して禁忌で、そのため指定第2類の医薬品になっています。一方、妊娠後期の婦人に対して禁忌になっていないアセトアミノフェンに関しては、第2類の医薬品になっています。こうした現状の中で、類似薬であるロキソプロフェンをどうするか判断が今求められています。イブプロフェン、あるいはアスプリンに比べると、ロキソプロフェンがいろいろな副作用等の問題が多いということになると、指定第2類よりはもっと厳しくすべきだということになると思うのですが、今までの御意見だと特にそういう御意見はありませんでした。ただし、情報提供は確実にしていただきたいという要望や、制限をかけていただきたいという御意見はあったと思います。

 そうすると、情報提供を確実に行うという条件付け、あるいは添付文書の書きぶりも非常に分かりやすくするという条件を付けて、指定第2類とするのがいいかと思うのですが、いかがでしょうか。

○遠藤委員 ちょっと戻ってしまうかもしれませんが、リスク区分で第1類であったものを第2類や指定第2類に変更しているのですが、第1類のときの副作用と、第2類などにしたときの副作用の違いなど、何かそういうデータは取っているのでしょうか。

○五十嵐座長 他の薬剤の場合ですね。

○遠藤委員 ほかの薬剤の場合です。

○五十嵐座長 先行した薬剤の場合ですね。

○遠藤委員 はい。それで何か変わって、先ほど生出先生が販売のやり方で、副作用が少ないというお話だったので、もし区分によって変わっていくのであれば、そこも考慮したほうがいいのかと思います。

○事務局 全ての一般用医薬品で、重篤な副作用については随時、副作用報告が上がっている状況です。現時点で特定の薬剤のリスク区分が変更した場合に、副作用報告がどうなったかというデータは手元にないのですが、それは調べて出すことは可能であると思います。分母は分からないため頻度の情報はありませんが、どういう副作用が起こっているかという情報は出すことはできます。

○遠藤委員 一般的に第1類からほかの区分に変わると、売りやすくなる可能性はあるのですかね。

○柿崎委員 アスピリンは平成21年に指定第2類に変わっていて、イブプロフェンは平成24年に変わっているわけですが、アスピリンは5年経過していて、イブプロフェンも2年経過しているわけですが、この前後でというのは取ろうと思えば取れるのですか。

○事務局 一般的に、比べるためには分母があって何パーセント発現率が変わったということで比較できれば一番いいのかと思うのですが、そういう比較のデータはありませんので、全部比較で発現率がどうなったか、副作用が多く出ているか、そういうことの比較は難しいかと思います。

○柿崎委員 分母が分からないわけですが、重篤な副作用の件数が増えたということは特にはないわけですか。数自体は比較できると思いますが。

○事務局 今、速やかに具体的にどうだったのかお答えはできないのですが、集積された副作用については、特に添付文書で注意喚起されていないような副作用などがありましたら、添付文書など、注意喚起等を随時しておりますので、最近それが出たというのは記憶にはないところです。

○五十嵐座長 大野先生、よろしいですか。

○大野委員 結構です。

○五十嵐座長 そうしますと、情報提供を確実に行うことが極めて重要であるという御意見が強かったと思いますので、そういう条件の下で、指定第2類の医薬品と変更することでよろしいでしょうか。皆さんの同意を頂きましたので、異議なしとさせていただきます。今後の事務局の方針について、御説明をお願いします。

○事務局 今後、パブリックコメントを開始するための手続を進めてまいります。御審議ありがとうございました。

○五十嵐座長 ありがとうございました。ここまでの御議論で、何か御意見、御質問は特にありますでしょうか。議題1の審議は以上で終了したいと思います。参考人の先生方、貴重な御意見をどうもありがとうございました。以後の議題については、特に御意見を求める予定のない先生方については御退席されて結構ですので、どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、議題2「要指導医薬品のリスク評価について」、審議したいと思います。説明をお願いいたします。

○事務局 議題2、要指導医薬品のリスク評価について御説明いたします。議題に入る前に、要指導医薬品の一般用医薬品への移行の評価手順について、簡単に御説明いたします。参考資料2-12-2を御用意ください。参考資料2-1「スイッチOTC薬等のリスク評価について」は、リスク評価手続について、平成2512月に開催された医薬品等安全対策部会において審議決定していただいたもので、本日の御審議は、この部会決定に基づいて実施していただくことになります。

 背景から順に御説明します。平成251213日に公布された薬事法及び薬剤師法の一部を改正する法律では、適正使用のために、薬剤師による対面による情報提供や薬学的知見に基づく指導が必要な医薬品として、一般用医薬品とは別に要指導医薬品という新たな医薬品のカテゴリーが設けられることとなりました。スイッチOTCやダイレクトOTCには、それぞれ一定期間の製造販売後調査の実施が義務付けられており、この調査期間中はリスクが確定していないため要指導医薬品とされています。

 1ページの1、要指導医薬品のうち、スイッチOTC薬及びダイレクトOTC薬については、一定の期間が経過、すなわち製造販売後調査が終了すると一般用医薬品に移行することとなるため、移行の際には、一般用医薬品としての販売可否を確認するためのリスク評価を行う必要があります。

 ここで、参考資料2-2にスイッチ直後品目のリスク評価手順をフロー図で示していますので御覧ください。企業は、スイッチOTC薬の場合、原則3年間の製造販売後調査を実施し、その間は要指導医薬品と区分されます。調査期間中、1年ごとに年次報告書が提出され、また、必要に応じて、製造販売開始後2年以上経過し特別調査の目標症例数を集めた時点で、中間報告書が提出されます。新たに実施する要指導医薬品から一般用医薬品への移行時の確認については、この年次報告書、又は中間報告書をもって安全対策調査会で評価することとされています。この要指導医薬品から一般用医薬品に移行する際の確認は、いわゆる承認拒否事由に該当するかどうかや、重篤な副作用が頻発しているなどの、一般用医薬品としての販売を継続させるべきかどうかといった観点で判断することとなります。その後、フロー図では縦の点線で示していますが、3年経過時点での製造販売後調査が終了した時点で、第1類医薬品として一般用医薬品に移行することとなります。安全対策調査会から移行するまでの間、厚生労働省において、副作用情報等を監視し、調査会で確認していただいた評価結果が変わらないことを継続して確認することとしています。製造販売後調査が終了後、最終報告の結果をもって、1年間で調査会、部会での審議を経てリスク区分を決定するという流れは今までと同様です。

 参考資料2-1に戻ります。2は、先ほどの説明のとおり、一般用医薬品としての販売可否に関する評価については、原則3年間の製造販売後調査の終了までに行うこととして、その評価に当たっては、製造販売後調査報告を基に、重篤な副作用の発生状況を評価し、製造販売承認の拒否事由に該当する状況にないことを確認していただくこととなります。 3、医薬品等安全対策部会は、薬事分科会規程において、一般用医薬品の区分の指定及びその変更に関する事項、その他、医薬品の安全性の確保に関する事項を調査審議することとされており、要指導医薬品から一般用医薬品への移行時の販売可否の評価についても所掌することとなります。この確認手続については、迅速な評価を行う必要があることから、医薬品等安全対策部会長の了解を頂いた上で、安全対策調査会、この調査会で行っていただくこととしております。また、本日の審議の結果については、医薬品等安全対策部会に御報告いたします。

 4、要指導医薬品から一般用医薬品への移行は、スイッチOTC薬の場合は原則3年間で実施することとなりますが、リスク区分の評価手続については、これまでどおり実施します。

 5、ダイレクトOTC薬のリスク評価に関してです。ダイレクトOTC薬はスイッチOTC薬と異なり、新規に開発された、いわゆる新薬と同様に人での使用経験がない医薬品ですので、製造販売後調査期間は、これまでと同様に4~8年間の再審査期間で製造販売後評価を行うこととしております。

 続いて、今回御審議を頂く個々の品目の説明に移ります。資料2「要指導医薬品のリスク評価について」を御覧ください。表の4製品は要指導医薬品に指定されており、この度、製造販売後調査の終了見込みに伴い、一般用医薬品としての適切性を確認するためリスク評価をお願いするものです。いずれも、販売開始以降2年間以上の調査を実施し、特別調査では3,000例以上の症例を収集しています。まず、解熱鎮痛薬イブプロフェン/ブチルスコポラミン臭化物配合剤について説明します。資料2-1-12-1-2を御用意ください。議題1と同様、資料2-1-1が品目の概要、資料2-1-2が製造販売後調査報告書、この場合は第3次報告書ですがこれに添付文書、使用者向け情報提供文書を付けたものです。

 資料2-1-1です。販売名はエルペインコーワ他で承認を取っています。効能・効果は「生理痛(主に、軟便を伴う下腹部の痛みがある場合)」とされています。2ページにあるように、イブプロフェン/ブチルスコポラミン臭化物はそれぞれ一般用医薬品に含まれていますが、本剤は初めて解熱鎮痛薬として2成分を配合するものです。用法・用量は1日最大量3回で、他の一般用医薬品におけるイブプロフェン/ブチルスコポラミン臭化物の用量を超えるものではありません。承認日より製造販売後調査を実施していますが、今般、販売開始後以降約2年5か月間調査を実施し、特別調査で3,121例収集しているため、リスク評価の検討をお願いするものです。

 特別調査についてです。個別に薬局等と契約し、モニター店舗でアンケート調査票を配布し調査を行う特別調査は、資料2-1-2、3ページ、表の一番右側の列、承認時以降の累計にあるとおり、調査施設は累計1,498施設、調査症例数は3,121例で、このうち報告された副作用が1318件、副作用発現率は0.4%でした。内訳として、便秘3件、傾眠2件、浮動性めまい2件などでした。重篤と製造販売業者が評価した症例はありません。個別の症例一覧は5ページ以降にあります。

 一般調査です。使用者若しくは薬剤師からの自発報告という形になります。資料2-1-2、8ページから発現症例の一覧があります。1625件の副作用報告があり、内訳は、浮動性めまい、悪心が各3件、下痢2件等でした。重篤と判断したものはありませんでした。

 資料2-1-1に戻ります。薬事法第77条の4の2に基づく報告ですが、第3次報告書のデータロックの5月18日の後に、企業より報告された重篤な副作用報告はなく、医薬関係者からの報告もありません。使用上の注意の改訂の指導について、イブプロフェンの妊婦に対する使用に関して整理が行われた結果、妊娠後期の女性について、イブプロフェンを含む一般用医薬品で一律に禁忌とされましたので、本剤も「次の人は服用しないこと。2、出産予定日12週以内の妊婦」を追記する改定を実施しています。資料の説明は以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○五十嵐座長 ありがとうございました。それでは、参考人の平原先生に御意見を頂きたいと思います。

○平原参考人 本剤のブチルスコポラミンは、結構月経困難症でも使われることが多くて、イブプロフェンと両方合わせると、確かに月経痛には使われる傾向の強くなる薬だろうと思います。その分、女性が多く使われるということですが、先ほども説明があったように、妊娠中の妊娠後期です、特に、妊娠分娩の間近な人というのは赤ちゃんに影響があるということで使わないでくださいというのはイブプロフェンです。現時点でもそれぞれの薬が指定第2類ということですので、イブプロフェンは指定第2類ですね、ブチルスコポラミンは第2類です。少なくとも指定第2類よりも軽くすることはないだろうと思います。少なくとも、妊娠のことが関わると、やはり適切な情報提供をきちんとすることは最低限必要なのではないかと感じます。以上です。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。それでは、事務局からの御説明と平原参考人の御意見に対して、御意見、御質問を頂きたいと思います。特にございませんか。よろしいですか。それでは、議決を取りたいと思います。このイブプロフェン並びにブチルスコポラミン臭化物の配合物については、一般用医薬品として適切と判断してよろしいでしょうか。ほかによろしければ承認可、として報告とさせていただきます。よろしいですか。それでは、異議なしとさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 ここまでの御議論において、御意見、御質問は特にありますか。よろしいですか。平原先生は貴重な御意見をどうもありがとうございました。以降の議題については、特に御意見を求める予定はありませんので、退場いただいても結構です。どうもありがとうございました。

 続いて、鼻炎用経口薬のリスク区分について、事務局から御説明をお願いします。

○事務局 それでは、鼻炎用内服薬3成分を続けて御説明します。まず、資料2-2-12-2-2を御用意ください。資料2-2-1「メキタジン高用量製剤のリスク評価について」を御覧ください。販売名はストナリニ・ガード他で承認を取っています。効能・効果は、「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和、くしゃみ、鼻みず(鼻汁過多)、鼻づまり」とされています。用法・用量は、1日量6mgで、2ページにあるように、メキタジンは1日量4mgまで既に一般用医薬品に使用されていますが、本剤は初めて1日量6mgを含むものとなっています。承認日より製造販売後調査を実施し、販売開始後約2年8か月間調査を実施し、特別調査で3,069症例収集しています。

 特別調査については、資料2-2-2の2ページ、表の一番右側の列、承認時以降の累計にあるとおり、調査施設は累計264施設、調査症例数は3,069例で、このうち報告された副作用が92例、130件、副作用発現率は3.0%でした。内訳は、傾眠75件、口渇39件、倦怠感17件などでした。重篤と製造販売業者が評価した症例はありません。個別の症例一覧は資料2-2-2の3ページ以降にあります。一般調査自発報告において副作用の報告はありませんでした。薬事法に基づく報告ですが、第3次報告書のデータロックの5月18日の後に報告された重篤な副作用報告、医薬関係者からの報告はありません。使用上の注意の改訂の指導もありませんでした。

 続いて、資料2-3-12-3-2です。資料2-3-1、エピナスチン塩酸塩のリスク評価についてです。販売名はアレジオン10ほか。効能・効果は、「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」で、一般用医薬品として初めてエピナスチン塩酸塩を含むものです。承認日より製造販売後調査を実施し、販売開始後約2年3か月間で、特別調査で3,205例収集しています。特別調査については、調査施設は累計664施設、調査症例数は3,205例で、このうち報告された副作用が112例、133件、副作用発現率は3.49%、内訳として、眠気43件、口渇37件、頭痛7件などでした。重篤と製造販売業者が評価した症例はありません。第4次に収集された36例の個別の症例一覧は資料2-3-2の5ページ以降にあります。

 一般調査については、185291件の報告があり、その内訳は、吐き気24件、頭痛18件、めまい16件などでした。重篤症例は22件あって、てんかん様発作が1件と肺炎が1件です。てんかん様発作については、資料2-3-247ページを御覧ください。就寝前に本剤を服用したところ、夜間に症状が発現したため救急外来を受診。当直医が専門外であったため確定的な診断がなされておらず、また、患者の意向により、点滴加療後に帰宅となったため詳細情報が得られていないという症例です。肺炎については、34ページに概要があります。「担当医への調査は拒否されたため詳細不明ですが、感染性ではないことから、薬剤性の肺炎であった可能性も考えられます」とされています。製造販売業者は、「現時点における本剤との関連性を評価するのは困難であり、今後の症例集積により評価することが適当と考えます」との見解を示しています。

 資料2-3-1に戻り、薬事法に基づく報告です。第4次報告書のデータロックの後に報告された重篤な副作用報告はありません。医薬関係者の報告は1例あって、服用開始後5日後に喉の痛み、喉の渇きが認められ、その後声が出なくなり、耳鼻咽喉科を受診し服用を中止した例です。服用を中止した後少しずつ改善し、約1か月後に回復したと報告されています。使用上の注意の改訂の指導はありませんでした。

 資料2-4-12-4-2です。2-4-1、ペミロラストカリウムのリスク評価についてです。販売名はアレギサール鼻炎他。効能・効果は、「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり」。一般用医薬品として初めてペミロラストカリウムを含むものです。承認日より製造販売後調査を実施していますが、販売開始後約2年4か月間調査を実施し、特別調査で4,338例収集しています。そのため、中間報告が今回提出されて、リスク評価の検討をお願いするものです。特別調査について、調査施設は累計933施設、調査症例数は4,338例で、このうち報告された副作用が90121件、副作用発現率は2.07%でした。内訳として、傾眠23件、そう痒症8件、倦怠感7件などでした。重篤と製造販売業者が評価した症例は1例1件、腸炎がありました。症例一覧表は2-4-2、5ページからです。

 腸炎について、資料2-4-210ページに詳細があります。Iの2)、重篤な副作用。本剤投与7日後に悪寒、発熱、腹部膨満感を発現し、入院後、急性腸炎と診断されている症例で、医療機関から詳細な情報は得られておらず、製造販売業者は、本剤との関連性が明確でなく、本症例以外の報告がないことから、現時点では「使用上の注意」への反映等の措置は行わず、今後とも情報の収集に努めることとするとしています。

 資料2-4-1、一般調査については、6例15件の報告があり、その内訳は、嘔吐2件、口唇炎2件などで、重篤と評価されたものはありませんでした。症例一覧表は、資料2-4-2の9ページにあります。薬事法に基づく報告ですが、中間報告書のデータロック後に報告された副作用報告、医薬関係者からの報告はありませんでした。使用上の注意の改訂の指導もありません。鼻炎用内服薬に関する資料の説明は以上です。よろしく御審議のほどお願いいたします。

○五十嵐座長 それでは、まず、参考人の大久保先生から御意見を頂きたいと思います。

○大久保参考人 まず、資料2-2-1にありますメキタジンからお話をします。メキタジンは、第一世代、あるいは第二世代、中間群ぐらいの性格をもっている抗ヒスタミン薬です。これは、やはり脳内移行をしたり、抗コリン作用を少しもっていますので、抗コリン作用で起こってくる口渇、そして傾眠は、抗ヒスタミン作用の頭蓋内への移行ということで倦怠感等も起こってきている。予想された副作用が起こってきていますが、発現率も3%で重篤なものはないということで、一般用医薬品への移行というのは可能であろうと思います。

 続いて、エピナスチン塩酸塩についてです。これも副作用3%とあります。これはもう第二世代と呼ばれる頭蓋内移行が低い抗ヒスタミン薬になっています。ですから、眠気のほうは少し少なくなってきて、口渇は37件、頭痛は7件とあります。ここで問題になるのはてんかん様発作の47ページの症例ですが、これに関しては、頭蓋内移行が少ないという面から、第一世代の抗ヒスタミン薬よりは安全であろうと考えます。もともとてんかんの既往があった場合に、熱性けいれんとかあった場合、そういう場合に、第一世代の抗ヒスタミン薬を使った場合にはてんかん様発作が起こっても仕方がないと思うのですが、ただ、これは成人であること、そしてほかのはっきりとした診断がついていないことを考えると、偶発症である可能性も否定はできませんので。もちろん、薬剤によるということも否定はできません。ただ、一般の医療用として使われているエピナスチン塩酸塩も既にジェネリックも出ていますし、非常に安全であるということから、これも一般用医薬品に移行が可能であろうと考えています。

 資料2-4-1にあるペミロラストカリウムです。これは少し抗ヒスタミン薬ではなくて、いわゆるDSCGと呼ばれるケミカルメディエータ遊離抑制薬、抗ヒスタミン作用の全くない抗アレルギー薬となります。こういう分野ではインタールというものがあるのですが、それを経口に直すために日本で創製された薬剤になります。ですから、この眠気の23件というのは抗ヒスタミン薬ではないので、やはりこれは偶発症であろうと。こういう薬剤で一番多いのが、どちらかというと胃腸症状なのですが、ここに腸炎1件、重篤なものが出てきていますが、副作用発現頻度が2%、そしてこの腸炎というのもまだ実態が分からず、我々が使用した中ではこういう症例は経験したことがない、製薬会社のほうもそうお話されていると思うのですが、報告がないのでこれも偶発症として考えることも可能だとすると、副作用発現頻度が2%ということであって、これも一般用医薬品に移行することは可能かと考えています。以上です。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。それでは、事務局からの御説明と大久保参考人の御意見を頂きましたが、皆さん、御意見、御質問はいかがでしょうか。特にありませんか。

○望月委員 製品そのものは、今、大久保参考人に御説明を頂いたように、どれも今、OTCにある抗ヒスタミン作用がとても強くて、頭のほうにもたくさん移行するものよりずっと安全というのは、そのように私も思いました。一般用医薬品に移すことについて大きな問題はないと思います。それとは少し違う質問をしたいのです。この報告書を拝見すると、販売名のところに3種類ずつぐらい販売名が載っていまして、一部はまだ販売していないという記述があったり、それから、2社とかからの報告書であれば販売名が2つ3つというのは割と納得できるのですが、1社からのもので、同じ会社で3つの販売名のものを同じ製品についてもっていると見えてしまうのですが、そこはどういうことになっているのですか。

○事務局 実際、これは1社が複数の販売名をもっているということで、例えば、資料2-4-2のアレギサールですが、1~3番まで全て承認を得て、販売しているのはアレギサール鼻炎のみという状況です。現在、このように承認された販売名の製品が全て販売されているという状況ではありませんので、厚生労働省のホームページでは、要指導医薬品として販売されているものが何か、リストを作って公表しています。

○望月委員 実際に販売していないのに、何かどうして商品販売名をいくつも持たなければいけないかというその辺りは、企業として、どういう目的でこういう販売名のものを承認を取ることをしているのでしょうか。

○事務局 これが全ての理由というわけではないと思うのですが、聞いたところによると、例えば、この後販売経路を増やしていくというときに、別の承認を取っている販売名を使用するというケースも考えられます。商業上の理由といったところもあるので一概には言えません。

○事務局 補足ですが、医療用医薬品というのは、基本的に1物2名称とか多名称は駄目で、大体1社が1つの名称だけで販売承認を取ることとなっています。一般用医薬品はそこまで厳しくありませんし、今言ったように、販売戦略ということで効能としてたくさんの種類をもっていて、ターゲットが成人男性とか、あるいは女性用とか、それぞれによって、同じ配合の医薬品ですがターゲットによって販売名を変えてパッケージの色合いとかも変えて売るということもあるので、そこは製造販売業者の売り方の考え次第ですが、複数の名称を取ってそれに応じたマーケティングをしていくというために事前に販売名を取得しておくということがあるかと思います。

○五十嵐座長 よろしいですか。

○望月委員 はい。

○大久保委員 やはり、風邪薬等も関係して、複合剤にしたときとかも販売名をいくつか押さえておかないと、特許とかいろいろなことがあって押さえやすいものを最初から押さえているのだろうと思います。本当に商業的なものだと思います。

○五十嵐座長 どうも補足ありがとうございます。ほかの委員の方からはいかがですか。よろしいですか。それでは、決議を取りたいと思います。このメキタジン及びエピナスチン塩酸塩についての議決に関しては、柿崎委員は参加を御遠慮いただきたいと思います。特に御意見がなかったようですので、この2つのお薬については、一般用医薬品として適切とすることでよろしいでしょうか。ほかによろしければ承認可、として報告とさせていただきます。ありがとうございます。

 それでは、次に、ペミロラストカリウムについて議決を取りたいと思います。これも一般用医薬品として適切と判断してよろしいでしょうか。ほかによろしければ承認可、として報告とさせていただきます。ありがとうございます。

 では、御異議がないということで、この3つのお薬については、一般用医薬品として適切と判断したいと思います。どうもありがとうございました。大久保先生、どうもありがとうございました。今後の事務局の方針についてお話を頂きたいと思います。

○事務局 御審議を頂きありがとうございました。それでは、今後の方針について説明いたします。製造販売後調査終了までの間、報告される副作用報告等を評価し、本日御審議頂いた結果、状況に変化がないことを監視してまいります。どうもありがとうございました。

○五十嵐座長 どうもありがとうございました。それでは、予定されている議題は以上ですが、事務局からほかに何かございますか。

○事務局 事実関係ですが、望月委員から御質問があったネット販売の大量購入の防止のほうです。これは、ネット購入するに当たって、今まで指導で購入制限をしていたものについては、法令で、習慣性のあるものについてかなり成分を限定した形で指定医薬品という形にしております。そのほかについては、今の1類、2類ともにやはり販売に当たるネットの向こう側にいらっしゃる薬剤師、あるいは登録販売者の方が、大量購入とか、あるいはそう思ったときには、購入目的とかを伺ったりなどしながら適正な購入量にしていただくように努力をしているというのが現状です。一部のものに限定して個数を制限していますが、それは習慣性のあるようなものと言われているものです。以上です。

○五十嵐座長 ありがとうございました。よろしいですか。特にほかに御意見がないようでしたら、これで本日の調査会を閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。


(了)

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