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2013年3月8日 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会議事録

○日時

平成25年3月8日(金)10:00~12:00


○場所

厚生労働省 共用第8会議室


○出席者

委員

山本委員(部会長)、石田委員、甲斐委員、河野委員、小西委員、寺嶋委員、野田委員、林谷委員、堀江委員、松田委員、丸山委員、山下委員

事務局

新村食品安全部長、森口基準審査課長、滝本監視安全課長、鶴身課長補佐、新谷専門官、仲川専門官

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会乳肉水産食品部会」を開催させていただきます。
 本日は御多忙のところを御参集いただき、まことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、石川委員、木村委員、鈴木委員、西渕委員より御欠席される旨の連絡を受けております。現時点で乳肉水産食品部会委員16名中12名の委員の先生方に御出席をいただいておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。
 続きまして、昨年9月10日付で事務局に人事異動があり、前食品安全部長三浦にかわりまして新村食品安全部長が着任いたしました。また、本年1月に委員の改選があり、初の部会開催となりますので、新村食品安全部長より御挨拶申し上げます。
○新村食品安全部長 それでは、一言御挨拶申し上げます。
 委員の皆様方におかれましては本日の乳肉水産食品部会に御参集賜りまして、まことにありがとうございます。また、日ごろより食品衛生行政に格別のお力添えをいただいておりますことを、この場をおかりしまして厚く御礼申し上げます。
 今年1月28日に開催されました「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」におきまして委員の改選がございました。その結果、新たに石川先生及び丸山先生に本部会の委員として就任いただくことになりました。また、部会長には引き続き山本委員にお願いすることになりました。山本部会長におかれましては今後ともよろしくお願い申し上げます。引き続き継続される委員の先生方におかれましても御協力をお願い申し上げます。
 この乳肉水産食品部会におきましては乳、肉、水産食品の規格基準の策定について御審議いただくこととなっております。直近では生食用食肉及び牛の肝臓の規格基準について御審議いただき、それぞれ平成23年10月、平成24年7月から適用しております。多様化する食文化を守りつつ、どのように国民の健康の保護を図っていくか大変難しい問題に直面していると思いますが、委員の皆様方におかれましては科学的知見に基づき御議論をお願い申し上げます。
 本日は生食用鮮魚介類の加工基準につきまして御審議を賜りたいと考えております。それぞれの専門のお立場からどうか忌憚のない御意見を賜りますようお願い申し上げます。
 簡単ではございますけれども、部会冒頭に当たりましての御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○事務局 ありがとうございました。
 先ほどの新村部長の御挨拶にもございましたが、委員の互選により本部会におきましては山本委員に引き続き部会長をお願いすることとなりました。
 また、今回の改選で2名の委員に新たに御就任いただきましたので、御紹介させていただきます。
 本日は御欠席ですが、社団法人日本医師会常任理事の石川広己委員でございます。
 日本大学生物資源科学部獣医学科教授の丸山総一委員でございます。
 なお、今回の改選とは別に、昨年9月28日付で本部会の委員として御就任いただいております全国消費者団体連絡会事務局長の河野康子委員でございます。
 続きまして、行政側の出席者を紹介させていただきます。
 先ほど御挨拶させていただきました新村食品安全部長でございます。
 基準審査課長の森口でございます。
 監視安全課長の滝本でございます。
 私は基準審査課の新谷でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、山本部会長に議事の進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
○山本部会長 皆さん、おはようございます。引き続き部会長として指名されましたので、皆様方の御協力のもと進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最初に配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。
○事務局 それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
 本日御手元にお配りしております資料は、議事次第、その裏面に配付資料一覧がございます。
 その後に委員名簿、座席表がありまして、資料1、2といたしまして「生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料の使用について」に関する資料。
 資料3といたしまして「平成24年度食品、添加物の年末一斉取締まりにおける生食用豚レバー等の提供に対する指導結果について」。
 参考資料1-1、1-2が利益相反に関する資料。
 参考資料2-1~参考資料8までが生食用鮮魚介類等の殺菌料の使用等に関する資料。
 最後になりますが、参考資料9が「豚レバーの提供に関する指導等について」になっております。
 本日御手元にお配りしております資料は以上でございます。不足や落丁等がございましたら、お気づきの際に事務局までお申し出いただきますようお願いいたします。
 なお、参考資料6、7につきましては委員のみの配付とさせていただいております。
○山本部会長 どうもありがとうございました。
 お手元の資料はそろっておりますでしょうか。
 それでは、審議に入る前に事務局から利益相反の取扱いについて御報告があるということです。
 事務局から説明をお願いします。
○事務局 昨年11月の食品衛生分科会におきまして「薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会」における利益相反の取扱いについて明確化されましたので、その報告をさせていただきます。資料は参考1-1と1-2を御覧ください。
 利益相反については、審議の公平性を担保するために、事前に委員の方に確認しておくというものでございます。実際の「食品衛生分科会審議参加規程」については参考1-2ですが、説明については参考1-1の骨子に基づいて説明させていただきます。
 対象となるのは委員、臨時委員、専門委員、参考人ということで、対象となる部会は乳肉水産食品部会など、事業者からの申請や要望に基づいて審議する部会になっております。
 3番ですけれども、申請者又は競合企業からの寄附金・契約金の金額ごとに以下のような取扱いとなっております。
 1として、500万円を超える年度がある場合は、委員の方などにおかれましては審議会場からの退室。
 2といたしまして、50万円を超える年度があり、いずれの年度も500万円以下である場合は、意見を述べることができますが、議決には加われないということ。
 3として、いずれの年度も50万円以下である場合は議決にも加わることができるとなっております。
 4番目として特例が認められておりまして、分科会長に申し出て、部会等が妥当と認める場合は、当該委員の発言が特に必要であることということで審議・議決に参加することができます。
 4番ですが、申請者からの依頼によって作成された申請資料の作成に密接に関与した委員につきましては、当該品目の審議が行われている間は審議会場から退出することになっております。
 6と7なのですけれども、申告対象期間は過去3年度となっておりまして、最も受領額の多い年度について自己申告することになっております。
 今後、部会の運営について関係することですが、各委員の参加の可否につきましては冒頭で事務局から確認状況について報告させていただくとともに、その取扱いを議事録に記録します。なお、事前に各委員から提出された寄附金などの申告書につきましては後日厚生労働省のホームページで公開することとなっております。
 下の表については、先ほど説明しました寄附金の金額による取扱いの違いについてまとめております。
 説明については以上です。御質問があればお願いします。
○山本部会長 どうもありがとうございました。
 ただいまの御説明に対しまして御質問等はございますか。
 よろしいですか。
 それでは、事務局から本日の部会の審議品目に関する利益相反の確認結果について報告をお願いします。
○事務局 本日の議題ですが、議題1の「生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について」は、企業などの要請に基づく審議になりますので利益相反の対象となっております。
 審議参加規程に基づきまして要請のあった団体やそれぞれの関係企業や競合企業について寄附金等について委員の方々に御申告いただきました。その結果、本日御出席の委員において退室が必要あるいは議決に参加できない委員がいないことを確認しております。
 なお、先ほども説明しましたが、部会後、提出いただいた申告書については厚生労働省のホームページに公表する予定としております。
○山本部会長 ありがとうございました。
 それでは、審議に入りたいと思います。
 議題1の「生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について」を審議したいと思います。
 事務局から御説明をお願いします。
○事務局 議題1につきましては資料1を御覧ください。「生食用鮮魚介類等の加工時における殺菌料等の使用について」です。
 まず経緯ですけども、食品への添加物の使用については「食品、添加物等の規格基準」の第2添加物の部において、ヒトが摂取した際の安全性や必要性等の観点から必要な使用基準が定められております。
 一方、第1食品の部というところで個別食品の規格基準を定めておりまして、生食用鮮魚介類、冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類に限ります)、及び生食用カキについては、その食品の本質から食品添加物は原則使用すべきではないとの考えから、現在、加工基準において例外として殺菌料である次亜塩素酸ナトリウムを除き化学的合成品たる添加物を使用してはならない旨が規定されてきました。言いかえますと、生食用鮮魚介類の加工においては殺菌料である次亜塩素酸ナトリウムしか使えないことになっております。
 平成14年6月に食品添加物として指定されました次亜塩素酸水について関係団体より生食用鮮魚介類等に対して使用を認めるよう要請がありました。それを受けて、本部会において改正要望の内容に関する説明を聴取した上で、平成23年3月に食品安全委員会に意見を求めております。その結果、最終製品の完成前に除去しなければならないとする次亜塩素酸水の使用基準が引き続き適用され、ヒトの健康に影響を及ぼすものではないと考えられることから、食品健康影響評価を行うことが明らかに必要ではないときに該当する旨の回答を得ております。
 その後、平成25年2月1日に亜塩素酸水が食品添加物として指定されましたので、亜塩素酸水についても使用を認めるよう要請がありました。そのほかにも次亜塩素酸ナトリウムを使用する際の水素イオン濃度調整剤としての塩酸の使用を認めるよう要請があったところです。
 以上を受けまして、今般次亜塩素酸ナトリウムに加え、食品添加物として指定されている殺菌料などについて、生食用鮮魚介類等の加工時に使用を認めることについて厚生労働大臣から薬事・食品衛生審議会長宛てに諮問がなされたところです。
 2ページですが、2番については今回関連する食品添加物の使用基準をまとめたものです。一番上の次亜塩素酸ナトリウムが現在生食用鮮魚介類で使用が認められているものです。次亜塩素酸水や塩酸について、対象食品や使用量の最大限度の記載がありませんが、これら食品添加物はどの食品に使ってもいいけれども、最終的に使用制限に書かれてある最終食品の完成前には除去しなければならないという規定を満たさないといけないことになっております。亜塩素酸水については対象食品として精米や豆類など記載がありますが、鮮魚介類も含まれますので、鮮魚介類にも使ってもいいことになっております。
 次は次亜塩素酸水についての詳細ですが、次亜塩素酸水は殺菌料の一種であります。塩酸や塩化ナトリウムを電解することによって得られるものであって、平成14年6月に食品添加物として指定され、平成24年4月に成分規格が改正されております。次亜塩素酸水には強酸性、弱酸性、微酸性の3種類があります。
 次ですが、食品添加物としての指定や改正の審議の際に大腸菌などの細菌やカンジダ、黒コウジカビなどカビに対しても効果があるということを確認しております。
 現在は野菜などの洗浄や殺菌に用いられているところです。
 食品への残留性についてですが、これも食品添加物の改正の際に確認されておりますが、次亜塩素酸水は食品に注入・混和するものではなくて、使用後水ですすげば食品に残留することはないということで、食品中への残留性は低いことが示されております。
 4番目の亜塩素酸水ですが、同様に殺菌料の一種であります。これは平成25年2月に食品添加物として指定されております。
 3ページですけれども、先ほども説明しましたが、使用基準によって対象食品、使用量、使用制限が定められております。
 食品添加物としての指定の審議の際、亜塩素酸水も弱酸性域で特に安定し、広い範囲で殺菌効果があること、あとは大腸菌などの食中毒菌や真菌類、酵母やカビなどに対して効果があることを確認しています。
 現在は野菜などの洗浄や殺菌に用いられているところです。
 亜塩素酸水の食品中への残留についても、同様に水道水ですすぎ洗いしたものには亜塩素酸水は検出されなかったということで、食品に対する残留性はとても低いと考えられております。
 「5.魚介類に対する殺菌効果」についてです。次亜塩素酸水や亜塩素酸水の食品に対する殺菌効果については、既に食品添加物として指定される際に確認されています。実際に魚介類に対してこれら殺菌料を使った試験において以下のとおりまとめております。
 次亜塩素酸水ですけれども、次亜塩素酸水生成装置により生成し、直ちに流水洗浄に用いることとされております。次亜塩素酸水には3種類ありますが、いずれも同様の殺菌効果があると確認されております。実際に強酸性及び微酸性次亜塩素酸水で処理したものを処理前や水道水で洗浄したものと比べると、殺菌効果が得られているというデータが提出されております。
 1番で強酸性次亜塩素酸水ですが、いろいろな品目、イカ、ホタテ、アサリなどを容器に入れて強酸性次亜塩素酸水で一定の速度で注入しオーバーフロー(流水撹拌)した処理と、次亜塩素酸水ナトリウム溶液で10分間浸漬した処理について、一般生菌数がどれだけ減っているかを比較した試験を行っております。
 試験結果については下の表を御覧ください。イカについて説明いたしますが、次亜塩素酸水の処理は60秒間次亜塩素酸水を注入し、その後に10分ほど浸漬しておくという処理を行っていて、処理前は10の4乗あった一般生菌数ですが、次亜塩素酸ナトリウムですと大体10の2乗、次亜塩素酸水ですと10の1乗ということで、処理しないよりは1,000分の1くらいに細菌が減っていることが分かり、実際に次亜塩素酸ナトリウムよりも効果があることが示されております。
 4ページですけれども、微酸性次亜塩素酸水です。これについてはサンマについて試験を行っており、同様に一定の速度で注入して10分間処理したものを水道水のみで洗ったものとを比較しております。
 結果については下の表を御覧ください。菌数については一番下に示しておりますが、無処理の場合は大体10の4乗あったものが、水道水ですと10の3乗、微酸性次亜塩素酸水で処理をすると大体10の2乗になっておりますので、10分の1もしくは10分の1以上の低減効果があることが示されております。
 「(2)亜塩素酸水」についてですけれども、これは生菌数が10の8乗個以上になるように調整しました菌懸濁液を検体に噴霧しまして、その後亜塩素酸水に浸漬して殺菌効果を検証したものです。同時に品質に対する影響も確認しているものです。
 結果については下の表を御覧ください。生鮮サンマについて説明いたしますが、処理方法は亜塩素酸水に30分~6時間つけておきます。表の見方なのですけれども、○となっているのが10の8乗個あった菌が10個未満になることが確認された場合でありまして、200ppmになりますとほとんどの菌がなくなるという結果が得られております。実際にサンマを200ppmで処理しても品質には特に影響はないことが確認されております。
 「6.水素イオン濃度調整剤としての塩酸の使用について」です。次亜塩素酸含有水溶液の殺菌効果を有する分子はいずれも次亜塩素酸でありますが、次亜塩素酸はpHに依存してその存在状況が異なっております。
 下のグラフを御覧ください。これは次亜塩素酸水がpHの違いによってどのように存在するかを示したものなのですが、pH7であると次亜塩素酸という分子型が多く存在する。アルカリ性に移動するとイオン型が多くなっていることが分かります。次亜塩素酸は分子型のほうがイオン型よりも殺菌効果が高いと言われておりまして、pHによって殺菌効果も異なることが言われております。
 5ページですけれども、現在、生食用鮮魚介類の加工時に使用が認められている次亜塩素酸ナトリウムは、通常使用する場合は大体弱アルカリ性であります。そのため次亜塩素酸イオンの存在比率が高くなっております。次亜塩素酸ナトリウムの使用前に塩酸を混合して、pHを大体6.5~7に傾けることで次亜塩素酸が増え、殺菌力を高めることができます。そのためほかの食品においては使用時に次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を混合して用いる実態があるということです。実際に塩酸を添加するときには常にpH計でpHを確認しているということです。
 最後ですが、塩酸は食品添加物として指定されており、使用基準に対象食品や使用量は定められていませんが、使用制限として最終食品では完全に除去しなければならないとされております。
 まとめですが、次亜塩素酸水及び亜塩素酸水は現在、生食用鮮魚介類等の加工に使用が認められている次亜塩素酸ナトリウムと同等以上の殺菌効果が期待できる。
 また、生食用鮮魚介類はその食品の本質から、食品の加工に当たり添加物の使用は必要ないものでありますが、加工時の衛生加工の観点から、食品添加物として使用が認められている殺菌料を使用することは公衆衛生上有益であると考えられます。
 上記の理由などから、食品添加物として使用が認められている次亜塩素酸水及び亜塩素酸水については、生食用鮮魚介類等の加工において使用を認めることとしたいと思います。また、生食用鮮魚介類等の加工において、塩素系殺菌料の水素イオン濃度を調整するために塩酸を使用前に混合して使用することを認めたいと思います。
 資料2を御覧ください。これは現在の生食用鮮魚介類等の加工基準の該当箇所を抜粋したもので、今回これら殺菌料を認めた場合の改正案になります。生食用鮮魚介類の加工基準を読み上げますと、「(4)の処理を行つた鮮魚介類の加工は,その処理を行つた場所以外の衛生的な場所で行わなければならない。また,その加工に当たつては,化学的合成品たる添加物」、下線部は今回の議論を踏まえて追加する部分になりますが、「(亜塩素酸水,次亜塩素酸水及び次亜塩素酸ナトリウム並びに水素イオン濃度調整剤として用いる塩酸を除く。)を使用してはならない」としたいと考えおります。
 また資料1に戻っていただきまして、「8.今後の対応(案)」についてですが、亜塩素酸水及び塩酸については、まだ食品安全委員会の評価依頼を受けていませんので評価依頼をする。その後、次亜塩素酸水とともに規格基準改正のための所要の手続を進めたいと思います。
 なお、今後もほかの殺菌料が食品添加物として指定もしくは既存の食品添加物の使用基準の改正が行われ、鮮魚介類への使用が認められることが想定されます。実際に現在、亜塩素酸ナトリウムという食品添加物について規格基準の改正を検討しようとしているところでございます。ですので、今後は殺菌料の食品添加物の使用基準検討時に鮮魚介類に対する効果を示すデータが提出され、問題ないとされた場合は食品添加物の指定又は改正手続とともに生食用鮮魚介類等の加工基準も同時に改正することとし、本部会はその結果を報告することとしたいと思います。
 説明については以上です。
○山本部会長 ありがとうございました。
 それでは、今、御説明していただいた件に関して、皆様方から御意見をお願いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
 丸山先生、どうぞ。
○丸山委員 教えていただきたいのですが、法的に殺菌料はバクテリアに対してのみ効果があるかどうかを規定しているのでしょうか、あるいはウイルスとかそういったほかの微生物も含めてのことなのでしょうか。その辺を教えていただきたいです。
○事務局 殺菌料という用途自体は法律上には定義はございません。食品添加物の規制において、用途規制はかなり限定的に行われておりまして、その関係で具体的に個別の用途を定義していないところです。殺菌料につきましては一般的には菌あるいはウイルスも含めた殺菌効果を持つようなものと認識されていると理解しております。
○丸山委員 分かりました。
○山本部会長 ほかにございませんか。
 この場合は既に食品添加物として認められているということもありますし、殺菌効果に関しても検証がされている、使用した場合の安全性についての確認も既に行われていることになると思いますので、ほかに特段御意見がなければということなのですが、どうぞ。
○河野委員 1つだけ質問させてください。
 今、先生がおっしゃっているとおりだと理解しております。消費者としましては当然のことながら殺菌は大事だと思っておりますが、生で食べるということで使用制限のところに最終食品の完成前に除去しなければならないと。今の御説明を伺っていますとお水で流すのかなと思ったのですが、除去されたことをどう確認するのかということだけ教えていただければと思います。これは魚介類ですけれども、よくカット野菜等の加工現場等に伺いますと非常に薬品臭がしまして、それも生で食することを考えて衛生管理がされているのだと思いますけれども、この場合どういうふうにするのか教えていただければと思います。
○山本部会長 事務局、よろしいですか。
○事務局 業者から聞いたことですが、例えば亜塩素酸などが残留していないか確認するための簡易キットなども一緒に販売しておりまして、ちゃんと水道で洗って残っていないかということは簡易に確認できるようにしているということです。
○河野委員 それは自主的にやられているのか、残っていないことを証明といいましょうか、何かに残しているのでしょうか。
○事務局 基本的には添加物の使用基準を守らなくてはいけないというのは事業者側の責任になりますので、それは事業者側が自主的にやられているという形だと思います。あとは簡易キットで塩素濃度をはかったり、pHメーターで中性域にあるなというのをはかったりして、こういった殺菌料が残っていないというのを確認している現状でございます。
○山本部会長 山下先生。
○山下委員 2つ質問があります。
 水産物だと海水で洗浄したり、流通したりする場合があると思うのですけれども、そのときの効果は水道水と同等と考えていいのでしょうか。
 もう一点は、この処理をされた食品の表示はどういう形になるのでしょうか。
○事務局 参考8を見ていただけますか。
 こちらに生食用鮮魚介類の規格基準を記載しております。こちらの2ページになりますが、「2 生食用鮮魚介類の加工基準」というものがございまして、「(1)加工に使用する水は、飲用適の水、殺菌した海水又は飲用適の水を使用した人工海水を使用しなければならない」。あと原料の鮮魚介類、これは加工前の魚介類です。こういったものは飲用適の水とかで十分に洗浄して製品を汚染する恐れのあるものを除去しなければならないことになっておりまして、基本的には殺菌した海水ですとか飲用適の水を使用した人工海水は飲用適の水、水道水と同等の除菌効果があると考えております。
 もう一つの御質問なのですけれども、表示につきましては消費者庁が所管していることなのですけれども、たしか次亜塩素酸ナトリウムとかにつきましては加工助剤ということで最終製品から除去されているものですから、表示義務はかからないという形になっていると記憶しております。
○山本部会長 山下先生、よろしいですか。海水で洗浄したとしても除去されるということを確認されたかったのですね。
 丸山先生。
○丸山委員 先ほど殺菌料の定義をお聞きしたのですけれども、そういった微生物全般にということなのですが、昨今ノロウイルスとかいろいろウイルス性の食中毒が多く占めていると思うのですけれども、要望書の中ではネコカリシウイルスとかヘルペスウイルスとかインフルエンザウイルスとか、そういったウイルスに対する効果が検討されているようです。今回はバクテリアとかカビといったものについて検討されているのですけれども、ほぼ次亜塩素酸と同じと考えてみれば、同じような効果があるのではないかとは思うのですけれども、その辺は大丈夫かというか、多分問題ないとは思うのですけれども、いかがなのでしょうか。
○事務局 資料には実際に添加物部会にデータが提出され、殺菌効果が検証されたもののみを記載しております。ですので、実際に要望書、参考2-1になりますが、こういったウイルスなどにも効果があるということは、きっとそのとおりだと思われるのですが、部会のほうではデータ等を確認して、実際に効果があることを確認しているわけではないので、部会の資料としては参考資料5や6に記載のある微生物やカビなどを記載しているところです。
○山本部会長 丸山先生、よろしいですか。要望書の中にはそのウイルスに対しても効くことが書いてあるということです。
○事務局 部会長、1つよろしいでしょうか。
 次亜塩素酸水ですとか亜塩素酸水につきましては、現在、認められております次亜塩素酸ナトリウムよりも低い濃度で効く、同等以上の性能があることもございまして、使用する際に次亜塩素酸ナトリウムは、先ほど河野委員がおっしゃっておりましたけれども、非常に塩素臭いという現状みたいですが、そういったことにおいも今回の2品目につきましては少なくて、また食品に対する効果等ではないので部会の資料には記載しておりませんが、次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリなので使用する方の肌ですとか、安全面といったところも気をつけなければいけないとのことですが、次亜塩素酸水ですとか亜塩素酸水については弱酸性なので、肌荒れとかも非常に少ないと聞いております。そういったところも使用者のメリットという形でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 ほかに御質問、御意見はございませんか。
 それでは、皆様方からの意見がいただけましたので、議題1については資料1の「今後の対応」ということでいきたいと思うのですけれども、よろしいですか。今後食品安全委員会等に諮問して、その答申が特段問題なければそのまま対応していくことになると思いますが、食品安全委員会の答申を待って資料1をこのまま部会の報告書という形にしたいと思います。よろしいですか。
 それでは、どうもありがとうございました。
 続きまして、「(2)その他」ですけれども、何かございますか。
○事務局 お手元の資料3に豚レバーなどの生食に関する調査を行っておりますので、御報告させていただきたいと思います。資料は資料3と参考資料9、一番最後を御覧いただければと思います。
 まず参考資料9のほうから御説明をさせていただきます。
 本部会でも御審議いただいた経緯がございますけれども、冒頭の説明でもございましたように、牛の肝臓については規制の対象とし、昨年7月から施行されております。その後、参考資料9にもございますとおり、従前から牛を含めて獣畜、家禽の内臓については十分加熱して食べるようにという指導をしてきたところですが、一部報道で豚のレバーを生食用として提供しているというようなところがございまして、昨年10月の段階でこの通知を各自治体のほうに発出しております。
 内容は2段目にございますとおり、これまでの食中毒の事例として、やはり食中毒のリスクがあること、一般の細菌だけではなくてE型肝炎のリスクもあるということで、生食しないように改めて周知をしていただくことを各自治体のほうにお願いしたということです。
 その後、毎年度各都道府県で実施しております夏と冬に一斉取締りをやっておりまして、昨年の年末、12月の一斉取締りにおいてその状況等について調査をいたしました。その結果が資料3になります。
 一番下のほうに書いてございますけれども、実施期間としては12月の1カ月間。先ほどの通知に基づいて指導を行った数、今回は豚に関して指導を行った数ということで掲載しております。レバーだけでなくて、その他豚のほかの部位を提供していた施設もあるようです。合計として指導を行った施設は80施設、改善が認められた施設については10施設という結果になっております。
 引き続き、本日の議論等も踏まえて、各自治体のほうに指導の徹底等については周知していきたいと考えております。
 以上でございます。
○山本部会長 ありがとうございました。
 これによると東京、埼玉といったような関東の大きな都市で結構そういう提供がされているという実態が見えてきますが、指導した数80に比べて改善数が随分少ないのですけれども、これは何か原因がありますか。
○事務局 それぞれの報告を見ますと、やはり指導してもなかなか従ってくれないところが多いというのが現実のようです。
○山本部会長 この報告に対しまして、委員の先生方から御意見はございますか。
○野田委員 御説明ありがとうございます。
 1点お聞きしたいのですけれども、資料3で指導した数と改善した数が出ていますけれども、実際に豚レバーが生で提供されている施設の実態数は指導数と大体同じと考えてよろしいのでしょうか、それとも大分乖離しているのでしょうか。
○事務局 どのくらい乖離しているかという程度は分からないですが、やはり通常行っている年末の一斉調査の中で行っていますので、全てを網羅しているかと言われれば必ずしもそうではないと思います。
○山本部会長 ほかに御意見はございますか。
 これを受けての今後の対応ということになりますけれども、事務局から何か御提案はございますか。
○事務局 豚レバーの生食による食中毒の危害要因について、実際E型肝炎だとかサルモネラですとかカンピロバクター等が考えられるのですが、こういったものの発症した際の重篤度ですとか汚染実態、喫食頻度、危害要因の除去方法などを調査、確認した上で法規制の必要性やその手法について検討させていただきたいと思っております。
○山本部会長 現段階では牛レバーと同等にすぐ販売禁止というような形にはならないということなのだと思いますけれども、調査も含めて今後の実態をちゃんと把握しつつ、規制が必要であればそのような方向にデータを示しつつやっていければと思いますので、引き続き対応をお願いしたいと思いますのと、やはりもう一度周知徹底していただいて、生食用としての豚レバーの危険性を広く知らせていただきたいと思います。
 ほかに追加はございますか。
○河野委員 牛レバーの生食が禁止されたときには当然いろいろさまざまデータがあって禁止されたわけですけれども、消費者の間では駆け込み需要とか、なかなかリスクを理解しないような状況がありまして、豚に関しましてもこういうふうな指導をしていただいたのですが、どんなふうに危険があるのかというのを認識していないところだと思います。今、おっしゃってくださったように、すぐに法的規制とかいうことではなくて、通知を出していただいたり、指導を強化していただいたりして、なるべく私たち消費者というか、食べる側の人間が危険をしっかり確認するのと、提供してくださる飲食店等にもこれはリスクがある食材なのだと分かっていただければと思っています。本当にすぐに規制ということではなくて、引き続き実態調査をしていただいて、それから指導も強化していただくということで、私たち消費者も肝に銘じてこの食材に対処していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○山本部会長 やはり消費者に知らせていくというのはかなり大事なことだと思いますので、前に焼き肉店等にこういうものは危ないですよというのを張っていただいたような活動とか、その辺ももし可能であれば引き続き行っていっていただければなとは思います。
 ほかに。
○堀江委員 事例として今、5例挙げてありますけれども、参考資料9ですけれども、食中毒が毎年何千件か起こっておりますけれども、生のレバーを提供した店舗による食中毒の発生頻度もどの程度あるのかということを、後ほどでもいいのですけれども発生頻度の確率、要は食中毒を起こす場合にどこまで規制するかということは非常に重要だと思うのですが、発生頻度が極めて少ないのにそれをどの程度重大と認識して規制するかということも非常に大切だと思いますので、もし生食のレバーを提供している店舗による発生頻度が分かれば示していただければと思っております。
○山本部会長 なかなか難しい御質問です。
○事務局 事実関係として食中毒の数ですけれども、先ほど御指摘にもありましたけれども、昨年牛レバー、牛肝臓の関係で駆け込み的なところもあって、カンピロバクター等の食中毒があったという事例は幾つかございます。ただ、豚のレバーによる食中毒は昨年はなかったと認識しています。御指摘の頻度は、やはり喫食数、母数がなかなか出ないものですから、頻度は難しいところがあろうかなと思っております。なので、実態調査的なところが全体の汚染頻度を示す割合になるのかなという感じはしております。
○山本部会長 どうぞ。
○林谷委員 教えていただきたいのですけれども、このデータを見ると過去豚レバーによる感染事例が5例がありますが、豚レバーの刺身を提供する飲食数は、昨年牛レバーの提供をやめたことの代替として多くなっているのですしょうか、それとも、以前から提供されていたのがこれだけあると考えてたほうが、よろしいのでしょうですか。
○事務局 参考資料9にも報道などでは代替としてと書かれていますけれども、おおむねそういった方々はどちらかといいますとこういったリスクがありますよという指導に対して比較的素直に指導を聞いていただけるのではないかなと思います。むしろ根拠もなくて出し続けていた方のほうが大丈夫だと誤った認識が多いのかなと感じています。
○山本部会長 ほかにございますか。
 なかなか豚レバーによる食中毒の実態を完全に把握するのは難しいところだと思いますけれども、たとえ頻度が少なくてもハザードのほうがどうなのかというのを考えていくというのが、こういう頻度の低いものに対する取組みだと思うのです。ですから、ハザードの程度というか、重篤性を加味しながら考えていかないと、頻度が低いからいいのだとも言えないですし、その辺は牛生レバーを禁止したときの考え方はO157はそんなに頻度は高くとれてこないけれども、重篤性を考えたらそういうものを提供し続けるのは無理があるだろうということで禁止したという経緯があります。ですから、その辺をもう少しデータ的にも裏づけるようなことが今後必要なのかなとは考えておりますので、一応文献的にはE型肝炎とかほかの細菌性食中毒の原因となるようなものが明らかにとれてきますので、その頻度等を見ながらも考えていくのを続けていければなと思います。その辺のことも含めて実態調査も今後やっていかなければいけないかなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ほかにございますか。
 それでは、豚レバーについてはこれで今後も周知徹底して、危険を皆さんに知っていただくことを続けるということでまとめたいと思います。
 その他報告事項等はございますか。
○事務局 特にございません。
○山本部会長 ありがとうございました。
 それでは、次回の予定について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 次回の本部会の日程につきましては、御審議いただく項目がまとまり次第改めて調整させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山本部会長 ありがとうございました。
 それでは、以上をもちまして本日の部会を終了したいと思います。どうもありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局食品安全部基準審査課乳肉水産基準係 仲川
(03-5253-1111 内線2489)

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