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2012年10月22日 第49回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録
労働基準局勤労者生活課
○日時
平成24年10月22日
○場所
労働基準局第1・第2会議室
○出席者
公益代表委員
勝部会長、内藤委員 |
労働者代表委員
大塚委員、久保委員、早川委員、林委員、宮嵜委員 |
使用者代表委員
市瀬委員、島村委員、清水委員、新田委員 |
(事務局)
山越大臣官房審議官(労働条件政策担当)、木原勤労者生活課長、曽我勤労者生活課課長補佐、小笠原勤労者生活課課長補佐 |
○議事
○勝部会長 ただいまから、「第49回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会」を始めます。本日は、臼杵委員、鹿住委員、西村委員、長谷川委員が御欠席です。本日の議題ですが、第1番目としては「中小企業退職金共済制度の現況及び平成23事業年度決算について」、第2番目は「中小企業退職金共済法施行規則の一部改正について(諮問)」、第3番目として「その他」となっています。本日の議題に入る前に、委員と事務局の異動がありましたので、事務局から説明をお願いします。
○木原勤労者生活課長 委員の異動ですが、労側の鈴木辰男委員の後任として、日本紙パルプ紙加工産業労働組合連合会中央執行委員長の宮嵜孝文委員が就任されておりますので、御紹介申し上げます。事務局にも人事異動がございまして、御紹介させていただきます。大臣官房審議官(労働条件政策担当)の山越です。勤労者生活課課長補佐の曽我です。同じく課長補佐の小笠原です。私、木原は替わっておりませんが、引き続きよろしくお願いします。ここで、審議官の山越から御挨拶を申し上げます。
○山越大臣官房審議官 この度、担当の審議官になりました山越です。どうぞよろしくお願いいたします。本日は、ただいま部会長からもございましたように、中小企業退職金共済制度につきまして、事業の現状、平成23年度の決算について御報告するとともに、省令、中小企業退職金共済法施行規則の改正の諮問を行うこととしております。今回の省令改正は、退職金の請求漏れを防ぐためのものでありまして、このために、被共済者の住所をより的確に把握できるようにすることを目的として行うものでございますので、どうか審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
今年度は、一般の中小企業退職金共済制度につきまして、いわゆる財政再計算を5年ごとに行うことになっておりますが、その年度に当たっております。具体的な審議は、次回以後にお願いをする予定としておりますが、昨今、この制度を取り巻く経済や金融状況は大きく変化をしてきておりまして、これまでにはなかったような動きも生じてきていると感じているところでございます。こうした中で、中小企業退職金共済制度を安定的に運用することが極めて重要だと思っております。
適格退職年金が10年間を経まして、昨年度廃止をされております。こうした中で中小企業退職金共済制度は、労働者の退職後の生活のためにこれまで以上に重要だと思っております。この制度が的確に運用されますように、引き続き皆様の御協力をよろしくお願いしたいと思います。本日は、御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○勝部会長 最初の議題に入りたいと思います。議題1「中小企業退職金共済制度の現況及び平成23事業年度決算について」、事務局から御報告をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○木原勤労者生活課長 御説明申し上げます。資料ですが、大きく2つの束がございまして、両方とも1枚目が横長の表ですが、右肩に「資料1-1」と書いているものを基本的に用いて説明させていただきます。「参考1」と書いてあるものは、適宜、説明の中で参照させていただきます。
資料1-1は「中小企業退職金共済制度の現況」です。1「新規加入状況」の表です。いちばん下の段が平成23年度ですが、左側の共済契約者数、すなわち加入事業主の数で見ますと、平成23年度の新規加入は2万259件、そのうち一般の中小企業退職金共済が1万5,075件、建設業が5,116件、清酒製造業が2件、林業が66件となっております。右側の被共済者、すなわち加入労働者の新規加入数は、平成23年度は合計で55万7,473人となっております。適格退職年金からの移行の最終年度ということもございまして、一般の中小企業退職金共済では、昨年度より共済契約者数・被共済者数ともに増加をしておりますが、その他の業種では横ばい又は減少傾向にございます。
下の表は、2「在籍状況」です。こちらでは、平成23年度末現在、共済契約者数では55万349件の在籍がございます。業種別に見まして、若干減少又は横ばいの状況です。被共済者数は、平成23年度については、清酒製造・林業では僅かに減少しておりますが、一般中退と建設業では増加をしております。全体では昨年度よりも多い620万人余りとなっております。
念のため、下の段の右側の被共済者数の清酒製造業ですが、この5年間を見ますと大変減少をしているように見えます。ここは共済手帳の長期未更新者に対する対策を講じておりまして、そこで現況調査を進めており、本人の意思確認、引き続き就労されますか、それとも引退されますかという意思確認をする中で、退職金をもらって引退するとした方がかなり出たため、このように被共済者数が減っております。平成23年度は、その状況は落ち着いております。
2ページ、3「退職金等支給状況」の表です。ここは御覧のとおりということですが、先ほど御説明した清酒製造業で見ますと、平成22年度に比べて支給件数が少なくなっている一方で、1件当たりの支給金額が大きくなっております。これは先ほど述べた長期未更新者の対策の影響で、平成21年度と平成22年度は、以前加入していて、そのまま退職金の請求をせずにおられた方が集中的に退職金の請求をされて、それで支給件数が増えて1件当たり支給金額は減ったという状況にあるけれども、平成23年度はその状況が落ち着いて、数や金額は戻ってきているということです。
3ページです。4「一般の中小企業退職金共済制度の平均掛金月額の状況」ですが、ここでは平成23年度の掛金月額の平均は9,101円です。ここ数年僅かに減少傾向にあります。右側の5「特定業種退職金共済制度の掛金日額の状況」につきましては、それぞれ日額で、表のとおりに定額で決まっています。
6「運用資産高状況」です。平成23年度の資産運用残高は、合計で約4兆6,559億円となっておりまして、そのうち一般中退が3兆7,774億円を占めております。資産の運用状況については、次のページ以降に詳しい内訳を載せております。
4ページは、一般中退における資産運用状況です。左側に項目を書いておりますが、自家運用と委託運用に分けております。いちばん右側が平成23年度の数字です。自家運用では、国債等の有価証券を中心に運用を行っており、平成23年度の自家運用の利回りは、自家運用計という欄ですが1.45%でした。自家運用につきましては、国債等の満期保有を行っておりますので、平成19年度から見ましても安定した利回りの推移となっております。委託運用につきましては、信託銀行等への運用の委託ですが、平成23年度の利回りは2.23%でした。委託運用においては株式等による運用を行っておりますので、プラスになる年度もあればマイナスになる年度もあるということですが、平成23年度は年度末に株価等が上がりまして、利回りはプラスになっております。一般中退の運用全体で見ますと、資料のいちばん右下の数字ですが、平成23年度の運用利回りはプラス1.80%となっております。
次の5ページは、建設業退職金共済制度事業の資産運用状況です。建設業に関しましては、中小企業のほか、従業員が業界内を動く中で大企業に雇われたときにも退職金の対象とするために、大企業に対する事業も行っております。経理としましても、上の段の中小企業対象の給付経理と、下の段の大企業対象の特別給付経理に区分をしております。給付経理・特別給付経理とも運用状況は御覧のとおりでして、平成23年度の数字を見ますと、図らずも共に1.77%という運用状況です。
6ページは清酒製造業、清退共です。こちらも同様に附帯的事業を行っておりまして、給付経理と特別給付経理に区分をしております。平成23年度の運用利回りは、上の段の給付経理で1.52%、下の段の特別給付経理で1.02%となっております。
7ページは林業、林退共における資産運用状況です。平成23年度の運用利回りは1.95%となっております。
運用につきましては、それぞれの事業において定めている資産運用の基本方針に則り、安全かつ効率を基本として実施しております。8ページの図を御覧ください。「資産運用の管理体制」についてです。資産運用に関しましては、上の段真ん中の資産運用委員会が、機構の運用担当の役職員で構成されて、基本方針や運用計画等の審議、決定を行う資産運用委員会を少なくとも四半期に1回開催するほか、外部の有識者からなるALM委員会や資産運用評価委員会において、資産運用の基本方針の策定に対する助言や資産運用結果に対する評価を行うことにより、運用の適正化を図っております。ALM委員会は今年度からできたもので、その前身としては、一般の中退共に関する(旧)ALM研究会、特定業種に関する(旧)資産運用検討委員会が昨年度までは動いており、それぞれ年1回程度の開催状況でした。資産運用評価委員会は、年3回程度の開催状況です。
委託運用先に関しましては、運用実績の定量評価、リスクの管理体制や情報の公開といった定性評価を行って、一定の基準を満たさない受託機関には、資産配分のシェアの変更や解約も行っております。右下に表を付けておりますが、平成24年度におきましては、一般の中退共において評価の結果、2つのファンドの解約をしております。このように適正な運用に努めているものです。
次に、9ページ以降は「決算」についてです。9ページは機構全体の貸借対照表と損益計算書ですが、これは平成23年10月に移管された財形も含めた数字でして、参考です。10ページ以降に個々の事業についての表を付けております。
10ページは一般の中退共についてです。下の表、損益計算書の右下の数字ですが、平成23年度につきましては316億円の当期利益となりました。しかし、上の貸借対照表の下から3つ目の数字ですが、繰越欠損金が1,755億円ございます。
11ページは、建退共についてです。下の表の右下、平成23年度は当期利益として15億円を計上しております。
12頁は清退共ですが、同じく下の表の右下で、こちらは4,100万円の当期損失となりました。運用がもうひとつだったということかと考えております。清酒製造業も建設業も、貸借対照表では利益剰余金がございます。
13ページは林退共についてです。平成23年度は約1億円の当期利益を計上しました。しかし、貸借対照表の下から3つ目にございますように、繰越欠損金がまだ13億6,900万円ございます。
決算の表の最後として、15ページの「行政サービス実施コスト計算書」です。これは独立行政法人の会計基準に基づき作ることとなっているものでして、納税者である国民が負担するコストを表示するものとして作られております。行政サービス実施コストの算出方法ですが、大まかに申し上げれば、費用から収益をマイナスして算出することになります。平成23年度の行政サービス実施コストは約264億円のマイナスとなっております。費用-収益がこの数字ですので、収益のほうが大きかったことをここでは表しております。
16ページに、決算の流れを示したものを付けております。法律上、機構が提出した決算書類について、独立行政法人評価委員会の意見を聴いて、大臣が承認するという手続が必要となっております。根拠法は17ページです。平成23年度の決算につきましては、去る9月7日に大臣の承認が行われました。議題1「中小企業退職金共済制度の現況及び平成23事業年度決算について」の説明は、以上です。
○勝部会長 いまの報告につきまして、何か御意見や質問などがありましたら、お願いします。
○林委員 資料の3ページにそれぞれ掛金日額が載っておりまして、特定業種の場合は定額なのですよね。退職金は、建退共では92万円いくらですよね。この間、組織の中でも議論があるのですが、退職金をもらったのはいいのだけれども、100万円にいってない、ちょっと寂しいという意見もかなり強いです。
例えば、掛金日額ですが、これをほかの商品であるように1口目とか、2口目とか、そういうふうに合成していただいて、2口だと620円になるわけですが、10口までは要りませんが、2口、3口とか、そういう掛金設定はできないかと。それによってもらえる退職金も少し増えるという意見なのですが、そういう工夫は難しいでしょうか。
○木原勤労者生活課長 法律を見てみますと、特定業種退職金共済の掛金につきましては、日額制とする。1人につき300円以上800円以下の範囲において特定業種退職金共済規程で定める。更に、日額は特定業種ごとに単一の金額でなければならない。単一の金額というのは、事業主を転々とする期間雇用者が、その業界のどこで働いても同じ掛金で退職金を受け取るという点で、業界の退職金制度という特定業種退職金共済制度の基本的な仕組みの一つかと思っております。
御指摘のように、掛金日額を口数制にしてはどうかという御提案ですが、いま申し上げました法律上、法律改正を要することになると考えられますし、業界退職金という性格から、どう考えるのかという問題もあろうかと思います。また、特定業種ということで、清酒製造業や林業についてはどうなのかというのもあると思います。そのように多くの課題があると考えられますので、特定業種ですので、関係者の皆様の御意見を伺いながら慎重に検討していく必要がある、そういう性格のものかと考えております。
○勝部会長 林委員、よろしいでしょうか。ほかにどなたか。
○島村委員 1ページ、在籍状況を御報告いただいたのですが、これで被共済者数はだいぶ増えて大変喜ばしいことだと思うのですが、そもそもこの数は年齢の分布、例えば20代はこのぐらい、30代はこれぐらいと、ここは本当は並行になっていればいちばんよろしいと思うのですが、この割合はどうなっているのかと。これは分析されていると思うのですが、そうしないと将来の在籍状況などはわからないのではないかと。それと、いま非正規雇用という問題があるではないですか。そうすると、若手の加入はなかなかこれから問題が出てくるのではないか。そうすると、中退共自体の存続も危ぶまれるのではないかと思ったものですから、その分布みたいなものを分析されていたら教えてほしいと思いました。
○木原勤労者生活課長 一般の中退共で5歳刻みで年齢分布が把握できます。
○島村委員 でこぼこはあるのですか。
○木原勤労者生活課長 35~39歳がいちばん多くて16.7%、ここをピークとしてちょうど山のようになっております。30~34歳が12.6%、35~39歳がいま申しました16.7%、40~44歳が15.8%、45~49歳が13.2%、50~54歳が12.5%、55~59歳が11.4%です。2桁に達しておりますのが、いまの30~59歳の範囲内でして、その次が25~29歳で8.5%、20~24歳が3.3%です。次回、資料としてお出しするということでよろしいでしょうか。
○島村委員 はい。若手の人がやはり少ないということですよね。
○木原勤労者生活課長 そうですね、20代が1割強です。
○勝部会長 でも、高齢者にも固まってないということですね。
○島村委員 そうですね。こういう感じですね。
○勝部会長 よろしいですか。
○島村委員 はい。
○勝部会長 ほかに何か質問やコメントはございますか。よろしいでしょうか。それでは、議題2に入りたいと思います。議題2は「中小企業退職金共済法施行規則の一部改正について(諮問)」です。この件につきましては、本日、厚生労働大臣から労働政策審議会宛に諮問がなされております。これにつきまして、事務局から説明をお願いします。
○木原勤労者生活課長 それでは説明させていただきます。資料の19ページに諮問文、20ページに省令案要綱を添付しております。今回の改正は一般の中退共の退職金の未請求対策及び特定業種の共済手帳の長期未更新対策の一環として行うものです。この資料とは別にもう一つの参考の束の15ページをお開きください。
「退職金未請求者に対する取組」の表があります。未請求者・長期未更新者対策として、これまで取り組んでまいりました結果をまとめたものです。15ページは、一般の中退共に関してです。未請求対策としては、新たな未請求を発生させないように、被共済者の加入認識を深めるための対策を行うとともに、退職金未請求者に請求を促すための対策としまして、退職後3カ月を経過した時点でまだ請求されていない方について、事業主に対して住所等の提供を依頼いたしました。その結果得られた情報を基に、本人に退職金の請求手続の要請を行っています。こうした取組の結果、退職後2年経過後の未請求率について表を付けていますが、取組前が3%や2%台後半でしたが、取組後は1%台の後半にまで縮減することができました。
また、退職して5年を経過した長期の未請求者への対策としましては、未請求者全員の住所を調査して、住所情報が得られた場合は請求手続の要請を行いました。この結果、5年経てば時効なのですが、5年の時効処理後に請求があって退職金を支給した件数は、それまで100件単位であったのが、1,000件単位に増加していて、一定の成果を上げることができたと考えております。
16ページは、特定業種についての未更新対策です。過去3年間共済手帳の更新がない被共済者を中心に、事業主を通じて現況調査を行って手帳の更新や退職金の請求の要請を行っています。掲載の表ですが、ここは建退共については単年度の数字、清退共と林退共につきましては累積での数字ということで、数字の前提が少々異なりますが、どの業種に関しても手帳更新や請求手続を行った成果が一定程度見られる結果となっています。
このように未請求・未更新についてはいろいろな取組を行ってきまして、一定の成果は得られたものとは考えておりますが、未請求の方や現況の分からない長期未更新者は依然として存在しております。そういった請求勧奨や手帳更新の注意喚起のためには、連絡先、住所を把握することが必要となります。先ほど申しましたように、これまで未請求者については退職後3カ月を経過したところで、事業主を通じて住所の提供依頼を行ってまいりましたが、なかなか把握が困難な状況にございます。また、特定業種の場合は期間雇用者で職場を移動しますので、事後的な住所把握は困難な状況にあります。
このようなことから、今回、確実な住所把握に向けた省令改正を予定しているものです。具体的には、諮問文が入っている資料の20ページを御覧ください。第一の一です。一般の中退共に関しては、被共済者が退職したときに、共済契約者である事業主は退職届を機構に提出することになっています。現在、退職届には被共済者に関しては氏名などを記載することになっていますが、今後は新たに被共済者の住所も記載していただくことといたします。
特定業種に関しては、被共済者が新規加入する際や手帳を更新する際に、事業主が退職金共済手帳交付申請書を提出して、手帳を交付することとなっています。現在、この申請書には氏名などを記載することになっていますが、住所はございません。ここに被共済者の住所も加えるものです。2カ月余り先の25年1月の施行を予定しております。この改正によりまして、住所情報を確実に把握して効果的に請求勧奨等を行い、退職金の支給等に繋げていきたいと考えております。
なお、住所把握に関連して、前回の部会においても委員の方から、年金の情報や住基ネット、マイナンバーが活用できないかという御意見がございました。年金の個人情報に関しては、法律によりまして目的外使用が禁止されていて、法律上も活用は困難な状況です。住基ネットに関しては、これは住民基本台帳法の改正が必要となります。これまで所管の総務省とも調整も行ってまいりましたが、なかなか法改正の機会が得られません。これにつきましては、引き続き機会を探っていきたいと考えております。また、マイナンバー法案に関しては、現在、継続審議でまだ成立していませんが、当面の導入分野は税と社会保障、それから防災の分野に限定されていますので、現在の法案では中退共制度は対象となっておりません。マイナンバー法案に関しては、施行後の見直し規定もありますので、その見直し時の状況も見ながら中退共での活用についての検討もしたいと考えております。
このように、ほかの制度に関しましては、現時点ですぐに実現可能な状況にありませんので、まずは中退共制度の中で、いままでよりも確実な住所把握を行うことができるように、今回、省令を改正することとしたものです。
今後の予定としましては、御審議の上、答申をいただけましたら速やかに省令の改正を行い、11月に公布、平成25年1月に施行をしたいと考えております。なお、この省令改正に関しては、行政手続法に基づきまして、いわゆるパブリックコメントの手続で1カ月間御意見募集をしたのですが、特に御意見はございませんでした。説明は以上でございます。
○勝部会長 ありがとうございます。いま省令の改正につきまして説明がございましたが、御意見、御質問等がございますでしょうか。
先ほど年金については目的外使用は禁止ということだったと思うのですが、例えばこれを改正していくということは、方向性としてはないということでよろしいのですか。
○木原勤労者生活課長 これは法律ですので、法改正をすれば、法制度上はというのがあるのでしょうが、年金に関連するものに使うのだということで限定されていますので、なかなか難しい状況と思います。それから、以前、年金の情報のいろいろな問題などがありましたので、そういうことからいっても難しいと言わざるを得ないかと思っております。
○勝部会長 何か御質問、御意見がございますでしょうか。これは省令を変えた場合、どれぐらい増えそうかとか、何か感触みたいなものはありますか。
○木原勤労者生活課長 一般の中退共の場合、3カ月後に住所を教えてくださいとお願いしても、これまで半分も提供がなかったので、それに比べれば、辞めるときにきちんと住所も書いて届けてくださいとしますので住所把握はかなり進むと思います。それによって、請求勧奨も今よりもより多くの方にできることになるのは確実だと思っております。
○勝部会長 よろしいでしょうか。では結論としては、厚生労働大臣からの諮問を適当と認め、労働政策審議会会長宛に報告をいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○勝部会長 ありがとうございます。それでは諮問どおりで適当と認めるということで、労働政策審議会会長宛報告をすることにいたしたいと思います。事務局で報告案を用意していただきましたので、読み上げていただきたいと思います。
○曽我勤労者生活課課長補佐 それでは読み上げさせていただきます。
「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について。平成24年10月22日付け厚生労働省発基1022第1号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告する。記。「中小企業退職金共済法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、厚生労働省案は、妥当と認める。
○勝部会長 ありがとうございました。ただいま朗読していただきました文案によりまして、労働政策審議会会長宛報告をいたすことにしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(異議なし)
○勝部会長 ありがとうございます。異議なしと認めます。なお、御存じのように労働政策審議会令第7条第9項により部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、同令第6条第9項により分科会の議決をもって審議会の議決とすることができると定められておりますので、いま御承認いただきました報告により、労働政策審議会から厚生労働大臣宛に答申をすることとしたいと思います。ありがとうございます。
それでは議題3に入りたいと思います。「その他」につきまして、事務局から説明をお願いたします。
○木原勤労者生活課長 21ページの資料3「独立行政法人改革の状況について」です。これまでの部会でも状況を報告しておりましたが、独立行政法人改革についての現在の状況を御報告いたします。後に閣議決定も付けておりますが、21ページの文章の下の4行にあるとおりに、独立行政法人勤労者退職金共済機構は、金融業務型の成果目標達成法人とされたということは、これまでも御報告申し上げたところです。独立行政法人に関しましては、法人制度そのものも大きく見直されることとされております。独立行政法人の共通ルールを定めました独立行政法人通則法も改正されることとなりまして、先の通常国会に法案が提出されましたが、まだ成立しておらず、現在、継続審議となっております。
その独立行政法人通則法の法案の主な内容は資料の21ページの???のとおりです。?で、名称が「独立行政法人」から「行政法人」になります。ですから、独立行政法人勤労者退職金共済機構も行政法人勤労者退職金共済機構と変わることになります。?で、行政法人全体に共通したルールとして、主務大臣の関与の仕組みや監事の権限、法人の評価の仕組み、理事長の任期などが変わります。?で、これまでの仕組みとかなり異なる行政執行法人という仕組みができるのですが、勤労者退職金共済機構は、これまでと同じ中期目標・中期計画という枠組みの中期目標行政法人です。
なお、下4行の下線を引いた所がありますが、閣議決定では「成果目標達成法人」とされていたのですが、通則法の改正では「中期目標行政法人」と言葉が変わっています。通則法の改正と合わせまして、それぞれの法人の根拠法についても、名称を変えるなどの必要な整備が出てまいりますので、それらを一まとめにした整備のための法案も同じく国会に提出されて、同様に継続審議となっております。
勤労者退職金共済機構に関しても、この「整備法案」で、法人の名称を行政法人に変える、法人分類が中期目標行政法人であることを規定する、理事長の任期が通則法に書かれますので、それを落とすなど、規定の必要な整備を盛り込んでいます。勤労者退職金共済機構そのものに関しては、法律上の必要な措置は、この整備法案で措置済みという整理となっています。
なお、前回も御報告申し上げましたが、23ページのいちばん下に書いてあるように、現在、労働者健康福祉機構が行っている未払賃金立替払事業に関しては、勤労者退職金共済機構に移管することが適当と整理をされておりますが、これに関しては、労働者健康福祉機構を医療関係の法人にする別の法案が準備される予定で、その中で措置される予定となっております。独立行政法人改革の状況についての御報告は以上でございます。
○勝部会長 この件について何か質問等がございますでしょうか。よろしいですか。
これは金融業務型となっていますが、金融庁の検査の導入が将来的には検討されるというふうに。
○木原勤労者生活課長 この閣議決定の中で、金融庁検査が適当とされる法人につきましては、それぞれ金融庁検査を導入するという旨が書かれております。勤労者退職金共済機構については、金融庁検査が必要な法人ということでは整理はされませんでした。ですから、金融業務型の中でも、金融庁検査を行うものと行わないものとに分かれているということでございます。
○勝部会長 何かほかに質問等、コメントがありますか、よろしいでしょうか。それでは次の問題をお願いいたします。
○木原勤労者生活課長 続きまして、資料4、25ページからです。勤労者退職金共済機構の「見直し当初案」についてです。最初の○に書いてありますが、勤労者退職金共済機構は平成24年度末で第二期中期目標期間が終了いたします。2つ目の○で、中期目標期間が終了する際には、通則法第35条等に基づき、組織・業務全般の見直しを行うことになっています。現在、その作業を進めています。※で書いていますが、独立行政法人改革絡みの通則法の改正法が成立すれば、中期目標期間は1年間延長されることになっております。先ほど申しましたように、現在、継続審議ということですので、まだ出来上がっておりません。ですから、現行の法制度を前提に作業を進めているものです。
その組織・業務全般の見直しに当たりましては、これも下に法律の規定を引用していますが、主務大臣が検討を行うわけですが、2にありますように、その際には評価委員会の意見を聴く必要があります。これは厚生労働省の独立行政法人評価委員会でして、その意見を聴いた上で、更に3にありますように、総務省の審議会、具体的には政策評価・独立行政法人評価委員会という名称の審議会なのですが、そこからの勧告という手続もございます。
そのようなことから、厚生労働省として見直し当初案を作って、厚生労働省の評価委員会や総務省の審議会で議論をいただく手続が必要で、現在、総務省の審議会、政策評価・独立行政法人評価委員会の議論をいただいているところでございます。その議論をいただいている見直し当初案の内容が26ページ以降です。
「中小企業退職金共済事業」に関係する部分について御説明申し上げます。?「事務事業見直し当初案のポイント」です。1つ目が、1「確実な退職金支給のための取組」です。?の、一般の中退共に関しましては、これまで新たな未請求退職金の発生防止と累積した未請求退職金の縮減対策を実施してまいりました。今後につきましては、新たな未請求退職金の発生防止に重点的に取り組むことを考えております。具体的には、先ほど御了承いただきました省令改正によりまして、退職時点で住所把握を確実に行い、これを活用して退職金の請求勧奨を行うことを予定しています。既に退職後5年以上経過している累績した方については、住所が把握できており請求が見込まれる方を中心に請求勧奨するなど、効果の観点からの効率的な取組を実施することを検討してまいります。そのほかホームページや各種広報機会を通じた周知など、全般的な取組は引き続き実施いたします。
次のページの?は、特定業種退職金共済事業についてです。過去3年間共済手帳の更新がない方の現況調査を実施して、手帳の更新や退職金の請求を勧奨してまいりました。こちらに関しては、被共済者の情報を整備し、引退者に確実に退職金を支給できるよう対策を強化する方向を考えております。省令改正とも関係しますが、新規加入時や手帳更新時の住所把握を徹底し、過去3年間及びその後一定期間経過後も未更新の被共済者に退職金請求等を勧奨する。こういった請求勧奨を効果的に実施できるよう、コンピューターシステムの整備も行う予定です。これまで現況調査を行ってきた方に関しては、住所が把握できている方についての対策を行っていきたいと考えております。
次のページで、2つ目の柱は、2「効果的な加入促進対策の実施」です。現在も加入促進は重点的な課題として取り組んでおります。今後につきましては、一般の中退共については、中小企業が多い大都市等での対策を強化するほか、中小企業との関係の深い、地域の金融機関との連携強化を行ってまいります。特定業種に関しては、業界が限定されますので、関係行政機関や関係事業主団体等との連携を強化した加入促進を行うこととしております。
3つ目の柱は、3「財務内容の改善に向けた取組」ということで、現在、勤労者退職金共済機構が定める「累積欠損金解消計画」に沿って解消を進めていますが、リーマンショック等もあり、解消ペースに遅れが生じていますので、今後は安全かつ効率的な資産運用に努めつつ、引き続き着実な累積欠損金の解消を図っていくこととしております。
次ページの中ほど、?「組織・運営の見直し当初案のポイント」としては4点掲げております。1点目が、コールセンターの充実等によるサービスの向上。2点目は、電子化等による業務の効率化と情報セキュリティの強化等、安全・確実性の向上。3点目は、業務運営の効率化等による経費削減。4点目は、災害時の事業継続性の強化です。
この見直しについての今後の流れですが、この見直し当初案を基に、先ほど来申しています総務省の審議会、政策評価・独立行政法人評価委員会と長いので、一般に政独委と呼んでいますが、その政独委において議論が行われて、例年、12月ごろに政独委からどのような改善をすべきかという勧告の方向性が出されますので、これを受ける形で厚生労働省で見直し案を作成し、それを基に次期中期目標を作成していく流れになります。以上、中期目標期間の最終年度の見直しの状況について御報告いたしました。
○勝部会長 ありがとうございます。それでは今の御説明につきまして、何か御質問等がございますか。
○久保委員 お願いをさせていただきたいと思います。御案内のように、たぶん法人企業の99.7%が中小企業だと思います。働いている人でいうと7割弱ぐらいということになっていて、私は中退共制度が中小で働く人たちに与えている意味はすごく大きいと思っております。御案内のように政府の再生戦略の中でも、元気な中小企業を作っていくのだというような位置付けがされたというのは、当を得たものだと思っているところです。今日、最初のほうで説明いただきました加入状況を見ますと、加入企業数が毎年それなりの数はあるのですが、期末の契約者数でいうと、少しずつ減っているということは、やはり実質的に増えていなくて、減り続けているという状況だと思っています。
そうしたときに、やはり中小企業の経営者にとっても働く人にとっても、もう少し魅力的なものをどう作るかという、制度の枠組みそのものを今一度、もう少し検討をいただければなと思いますので、よろしくお願いいたします。
○勝部会長 ありがとうございます。いまの点につきまして、何か事務局から。
○木原勤労者生活課長 いま日本再生戦略などというすごい大きなお話もございまして、中退制度そのものが再生戦略に位置付けられているわけではございませんが、日本再生戦略の中で中小企業の位置付けというのは、大きな位置付けを与えられております。その中小企業の従業員の福祉の増進と中小企業の振興に寄与するのが中退制度の目的ですので、我々としても、そういった重要な中小企業に対する施策をやっているのだという認識を新たにして取り組んでいきたいと思っております。
○勝部会長 よろしいですか、ほかにどうぞ。
○清水委員 2番の「効果的な加入促進対策の実施」の28ページの上の段にございますが、先ほど、金融機関との連携強化ということで、地域の金融機関というように御説明いただいておりますが、この地域のということで金融機関としてイメージをしているものは、どのようなレベルのどういうところが主体ということですか。いままで加入されている方の分析などいろいろなところで、何か絞り込みとか素案で考えておられることがありましたら聞かせていただきたいと思います。
○木原勤労者生活課長 地域のというよりも、むしろ中小企業と関連の深い地元に密着したと言うべきなのかもしれませんが、そういった中小企業と接触の機会の多い金融機関というイメージでございます。具体的には、例えば信用金庫などが考えられるのかなと思っております。勤労者退職金共済機構とも、どのように進めていくかということも、また御相談していきますが、やっていきたいと思います。
○勝部会長 信金とか信組との連携というのは、具体的に何か動きがもう既に出ているのでしょうか。
○木原勤労者生活課長 見直し案では、これからという形になっていますが、別に来年度から行うから今年度は何もしないという理由はありませんので、既にいくつかの信用金庫に働きかけて、情報提供の協力をいただけませんかという活動もしていると承知をしております。
○勝部会長 ほかに何か質問はありますか。
○大塚委員 いまの話に関連してですが、被共済者数が今の段階で55万7,000人というのは、全体の中小企業、例えば100人未満の方から見ると、5%ぐらいしか加入していないのではないか。確かに退職金制度を持っている企業はありますが、逆に言うと、この数字は分かりませんが、大半が退職金制度も何もないということが言えるのではないかと思いますので、特にこの加入促進で言えば、金融機関がありましょうし、先ほどの未払いの問題もあるのだと思いますが、退職金があるということを、事業主あるいは勤労者にもっと知らしめる手法ですね。1つが各自治体では時々インターネット等で出していますが、これはもう少し何らかの宣伝をしないと、知られていないのではないかなと思います。
○木原勤労者生活課長 確かに一つでも多くの中小、零細企業、一人でも多くの従業員に活用いただきたいという思いがございます。そのために行政としても勤労者退職共済機構としても、いろいろな取組を行っております。まず知っていただくということでは、今月の10月を機構で加入促進強化月間と定めて、集中的なPRも行っておりますし、行政としても広報紙にも中退共を特集しましたし、ちょうどこの月間に合わせてということで、前回の部会で御提案がございまして、厚生労働省の人事・労務のメルマガでも配信をさせていただきました。
ある市のホームページでも10月に中退共制度の紹介が出ていて、勤労者退職金共済機構の取組がここにも現われているなと思ったのです。そのような形で、いろいろな周知に向けた取組を行っていきたいと思っております。加えて加入促進の観点で、全国の業界団体だとか、中小企業と直接に接触する機会の多い職種の団体に加入促進の委託をして、それで少しでも多くの方に加入いただくとか、いろいろな取組も行っており、周知、加入促進、これは良い制度ですので、しっかりと知っていただき、加入をしていただくように取り組んでいきたいと思っております。
○勝部会長 よろしいでしょうか。ほかには何かございますか。
○新田委員 ちょうど今し方、木原課長から御紹介がありましたが、先般の中退共部会で加入促進策の一つとして、厚生労働省が出されている企業の人事労務担当者向けのメールマガジンに、そういう案内を載せたらどうかという御提案をさせていただきました。先ほど御紹介のあったとおり、今月、そういう発信がなされて、私も拝見いたしましたし、何人かの知人から、こういうメルマガを読んだという話もありまして、結構、企業の人事労務担当者の方はメールマガジンを読まれていますので、早速に御対応いただいたことに、まずは感謝を申し上げたいと思います。
併せて、私が最近目にしたのは、『月刊社労士』等々のそういう専門誌でも、かなり積極的に広報活動をやられていると承知しています。これが単発でなくて、継続的にPRしていくことが極めて大事だと思いますので、特にメールマガジンについては、それほど費用的にもかかるものではありません。さまざまほかのこともあると思いますが、強化月間などに限らず、時期を捉えて定期的にPRを是非していただければなと思います。これは感謝のお礼とお願いでございます。
○勝部会長 ありがとうございます。ほかには何かございますか。よろしいでしょうか。それでは、次の報告をお願いいたします。
○木原勤労者生活課長 資料の31ページ、「中小企業退職金共済制度の財政再計算について」です。中退共制度は長期にわたって実施する制度ですので、安定的な制度運営のため、一定期間ごとに将来の財政見通しを推計し、掛金や退職金額について検討する必要があります。この推計と検討を「財政再計算」と呼んでおりまして、法律上、少なくとも5年ごとに検討をすることとなっています。
2つ目の○です。一般の中退共につきましては、前回の財政再計算は平成19年度にこの部会で御検討いただき、「予定運用利回りの見直しは行わないことが適当」との御意見をいただいております。それで5年が経過します今年度、財政再計算を行う必要があります。検討に当たりましては、一般の中退共では累積欠損金がありますので、今後の経済見通しの中での解消見込みなどを踏まえながら、検討をする必要があると思っております。
これまで御説明した内容と重複する部分もございますが、本日は、検討に当たって前提となる現状と課題を御報告して、共通の認識をお持ちいただければということで、先ほど未請求で触れました参考資料の束の17ページ以降に、参考3として関係資料を付けさせていただきました。
17ページの「参考3」の表です。予定運用利回りについては、平成14年度に3%から1%に引き下げたのち、前回の財政再計算の際には据え置きといたしました。現在は1%となっています。平均運用利回りと当期損益金については、年によってかなり変動がある状況です。累積欠損金に関しては、平成17年度にこの部会で御議論をいただきました。28ページ、29ページですが、平成17年度に中退制度の運営改善に関する意見書で、単年度で生ずる利益の配分ルールについて、利益の180億円までは優先的に累積欠損金の解消に充てるといったお考えをお示しいただきました。この意見書も踏まえまして、勤労者退職金共済機構が「累積欠損金解消計画」を作成しました。戻りまして、それが19ページ以降ですが、この累積欠損金解消計画で、平成29年度末を目途に、累積欠損金を解消する計画を策定いたしました。
この解消計画に基づいて解消を進めていますが、18ページにグラフでお示しをしていますとおり、平成18年度までは順調に解消していましたが、その後サブプライムローン問題があり、リーマンショックがあり、更には東日本大震災がありといったような状況もありまして、この斜めに引いた実線がこのように減少させていくという目標でして、斜線の入っている棒グラフが現在の累積欠損金です。平成23年度末で見ますと、目標に比べて解消が718億円遅れているということです。このように累積欠損金の解消に遅れがあるという状況もあります。
なお、先ほども言及しました総務省の政独委からも、累積欠損金の問題には関心が寄せられております。資産の運用の点では長期の利回り、10年国債の金利などがよく参照されますが、最近では0.8%を切るような状況にもなっております。このようないろいろな現状等を踏まえまして、財政についての御議論をいただきたいと考えております。
とは言え、現在、必要な将来推計等のデータを準備しているところですので、後日改めまして日程調整をさせていただき、準備状況にもよりますが、できれば年内にもと考えておりますが、次回の部会において財政再計算について御議論いただければと考えております。以上でございます。
○勝部会長 これから行うということの報告でございますが、ただいまの御報告につきまして、何か御意見、コメント等がございましたらお願いいたします。
○島村委員 基本的なことで申し訳ないのですが、そもそもこの再計算というのはどのような基準でやられるのか。ここに「累積欠損金の解消見込み等」となっていますが、例えばいままでの収益状況だとか、その辺も含めて再計算というのは計算するものなのでしょうか。
○木原勤労者生活課長 資料の31ページの2つ目の○の上に、条文を引用していますが、掛金及び退職金等の額の検討ということで、「退職金等の支給に要する費用及び運用収入の額の推移及び予想等を基礎として」ということで、脱退の見込みだとか、ですから退職金がどれだけ支払われるかとか、あるいは掛金の収入がどれだけあるか、更には運用がどうかといった諸々の要素を参考に、将来的な財政の推計をしていって、それを御覧いただき検討いただくということで、資料を準備するように考えております。
○島村委員 分かりました。
○勝部会長 ほかに何かございますでしょうか。こちらの参考資料の19ページで「累積欠損金解消計画」というのがあって、これでは平成29年度末までの13年間とするとあります。これは生きていると考えるのか。あるいはこの財政再計算において、またその基準を変えるということなのか、この辺について教えてください。
○木原勤労者生活課長 そもそも、この累積欠損金解消計画は、平成17年3月の部会での意見書を基に勤労者退職金共済機構において策定したものです。累積欠損金についてどう考えていくのかという御議論をいただき、その御議論の中で、これはこのように直していくべきではないかということがございましたら、またこの計画についても見直しを考えていく。そのように、こちらの議論と密接に関連するものと考えています。
○久保委員 「年度」という単語が使われているので、この再計算の結果を受けて、年度内に結論を出さなければいけないと考えたほうがよろしいのですか。
○木原勤労者生活課長 私どもとしましては、前回、19年度末の平成20年3月に御意見をいただいていることもありまして、そこから5年が経ったところで御意見をいただければと考えております。
○勝部会長 そうすると今年度内ということですか。
○木原勤労者生活課長 はい。
○勝部会長 何か御質問、コメント等がありますでしょうか。そうすると、年内にやるというのは、次回、それについての議論を行って、それでそのルール自体も年度内に決めるということですか。
○木原勤労者生活課長 状況によってはその配分のルールも含めてとなるのかもしれませんが、今これをこうしてはどうでしょうかというものがあるわけではありませんが、また、次回に数字を出して御議論をいただければと思っております。
○勝部会長 基準金利も含めてということですか。
○木原勤労者生活課長 はい。予定運用利回りも大きな要素かと思っております。その予定運用利回りであるとか、利益の配分ルールだとかいったこともテーマになってくるのかなと思っております。
○勝部会長 そうすると、かなり大きな考え方といいますか、そのルールを考えていくということでよろしいのですか。
○木原勤労者生活課長 はい。
○勝部会長 10年以上、1%で予定運用利回りとしていますが、この水準等についても、他の年金あるいは退職金等々との違いとか、そういったデータ等も次回にいただくという理解でよろしいでしょうか。
○木原勤労者生活課長 他の制度との比較のデータも出したいと思っております。
○勝部会長 何か御意見がございますか。そうすると、次回、それについてデータをいただいて、それが大きく議論になるということで、年度内にこの部会で一応方向性を決めるということでよろしいのでしょうか。
○木原勤労者生活課長 そうしていただければと考えております。
○勝部会長 はい、分かりました。よろしいでしょうか。それでは皆さんそのつもりでよろしくお願いいたします。ほかに報告事項はございますか。
○木原勤労者生活課長 ございません。
○勝部会長 特にないようであれば、本日少し時間が早く終わりましたが、これで終了したいと思います。最後に、本日の議事録の署名委員として、久保委員と新田委員にお願いしたいと思います。それでは、本日はこれにて散会といたします。どうもありがとうございました。
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