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2011年7月13日 平成23年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会、第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会及び第1回子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会(合同開催) 議事録

医薬食品局安全対策課

○日時

平成23年7月13日(水)17:00~19:00


○場所

厚生労働省専用第15,16会議室(12F)


○議題

1.インフルエンザワクチンの安全性について
2子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの安全性について

○議事

○事務局 それでは、定刻となりましたので、平成23年度第4回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会、第1回新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会、第1回子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催をさせていただきたいと存じます。
 本日の会議は、これまで同様、公開で行うこととさせていただきますが、カメラ撮りは議事に入るまでといたしますので、マスコミ関係者の方々におかれましては、よろしくお願い申し上げます。
 また、傍聴者の方々におかれましては、傍聴に際しての留意事項、例えば、静粛を旨とし、喧騒にわたる行為をしないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなどの厳守をお願いいたします。
 本日御出席の先生方におかれましては、お忙しい中、また、お暑い中お集まりいただきまして誠にありがとうございます。新型インフルエンザワクチン及び子宮頸がん等ワクチンの安全対策について検討するために、本日は薬事・食品衛生審議会安全対策調査会と健康局長諮問会議でございます新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会、子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会を合同開催させていただきたいと存じます。
 なお、本年度といたしましては第1回の合同開催となりますけれども、本年2月、3月に開催した昨年度の委員会とほぼ変わりございませんので、今回新たに参加いただく参考人の先生のみ冒頭御紹介申し上げたいと存じます。
 本日の合同会議に参加いただきます参考人の先生は、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の参考人としておいでいただきました、山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座の山縣先生でございます。よろしくお願いいたします。
 本日の委員、参考人の出欠状況でございますけれども、安全対策調査会の大野先生が御欠席、予防接種後副反応検討会の永井先生が御欠席ということでございます。また、五十嵐先生は所用によりまして18時めどで御退席という旨承ってございます。
 また、本日議題1について安全対策調査会と新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会の合同開催とさせていただきまして、議題2は同じく安全対策調査会と子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の合同開催とさせていただきますが、それぞれ相互の委員の先生方にはオブザーバーとして参加いただくことにしておりますので、参加委員の構成は最初から最後まで変更はございませんので、冒頭申し上げておきます。
 それでは、これ以降、議事に入りたいと存じますので、カメラ撮りはここまでということでよろしくお願いいたします。
(頭撮りカメラ退室)
○事務局 それでは、以降の進行を松本先生、よろしくお願いいたします。
○松本座長 それでは、まず事務局から審議参加に関する遵守事項について報告してください。
○事務局 それでは、まず冒頭に、薬事分科会の審議参加規程について御報告申し上げます。新型インフルエンザ予防接種後副反応検討会及び子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会の先生方におかれましては、薬食審のルールに準じた対応となりますことを御容赦くださいませ。
 本日御出席されました委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金、契約金等の受取状況の御報告でございます。
 まず、議題1に関しまして、インフルエンザワクチンの製造販売業者でございます学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究所、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社から、また議題2に関しましては、子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの製造販売業者でございますサノフィパスツール株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社からの過去3年度の寄附金等の受取についての申告を頂戴しております。なお、競合品目、競合企業につきまして、事前に各委員に資料をお送りして確認をいただいております。
 各委員からの申し出状況から、今回の審議への不参加の委員はいらっしゃいませんでした。
 なお、受取状況の報告でございますが、五十嵐先生からグラクソ・スミスクライン株式会社、MSD株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取、ノバルティスファーマ株式会社、ファイザー株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、議題1に関しましては議決の場合には御参加いただけないということになります。
 また、遠藤先生からは、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、お知らせいたします。
 参考人におきましては、庵原先生から学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究所、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取。岡田先生からは学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究所、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取。神田先生からはグラクソ・スミスクライン株式会社、ファイザー株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取、財団法人化学及血清療法研究所から50万円以下の受取。
 また、予防接種後副反応検討会の関係では、稲松先生からMSD株式会社から50万円以下の受取。岡部先生からは学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究所、デンカ生研株式会社、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から、それぞれ50万円以下の受取。多屋先生からは学校法人北里研究所、財団法人化学及血清療法研究所、財団法人阪大微生物病研究所、グラクソ・スミスクライン株式会社、サノフィパスツール株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社から50万円以下の受取。鈴木先生からはグラクソ・スミスクライン株式会社、ノバルティスファーマ株式会社から50万円以下の受取との申告がありましたので、お知らせいたします。
 長くなりましたが、以上でございます。
○松本座長 ただいま事務局から説明がありました審議参加に関する遵守事項についてはよろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 特にないようですので、競合品目、競合企業の妥当性を含めて了解いただいたものといたします。ありがとうございました。
 それでは続きまして、事務局から本日の資料の確認をお願いします。
○事務局 それでは、資料の一覧に基づきまして御説明させていただきたいと思います。お手元の資料の1枚目は議事次第をお書きしたもの、2枚目に配付資料の一覧があるかと存じます。表裏になってございます。
 その次に名簿がございますので、これを飛ばしまして、議題1、資料1の関係でございますけれども、資料1-1がインフルエンザワクチンの副反応報告等の状況についての資料。資料1-2は重篤症例の一覧。資料1-3は死亡症例の一覧。資料1-4は死亡症例の概要。資料1-5は昨シーズンの新型インフルエンザワクチンの副反応との比較資料。資料1-6はGBSとADEMの可能性のある症例の一覧。資料1-7はアナフィラキシーの可能性のある症例に関する資料。資料1-8は1-8-1と1-8-2に分かれておりますが、疫学研究の結果概要と研究報告書になっております。資料1-9は調査結果報告書、使用上の注意の改訂に関するものでございます。
 参考資料1-1はインフルエンザワクチンの添付文書。参考資料1-2は非重篤症例の一覧。参考資料1-3は新型インフルエンザの季節性インフルエンザへの移行についてがございます。
 議題1の関係の資料は以上となっております。
 議題2の関係につきましては、資料2-1が子宮頸がん予防ワクチンの副反応の報告状況。資料2-2はヒブワクチンの副反応の報告状況。資料2-3は小児用肺炎球菌の副反応の報告状況となっております。資料2-4は、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの死亡報告の一覧資料となってございます。資料2-5は、死亡症例の概要という資料になっておりまして、こちらの資料で1点だけ御注意をお願い申し上げたいのは、死亡症例の概要に関しましては、症例の関係者からの申し出などによりまして、同時接種の症例1番、同時接種の症例3番、単独接種の症例の2番に関する症例概要は、委員の席のみの配付としておりまして、傍聴者の方の資料には含まれてございませんので、お取扱い並びに御発言には御注意を願えればと存じます。
 それから、資料2の関係の参考資料は、参考資料2-1が事業と薬事法の副反応報告の違い。参考資料2-2は各ワクチンの添付文書。参考資料2-3は、3月24日におまとめいただいた小児用肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンの安全性評価結果について。
 その他といたしまして、資料3にゲフィチニブ副作用報告の報告件数等の資料を用意してございます。
 以上でございます。
○松本座長 よろしいでしょうか。よろしいようでしたら、早速議題1に移りたいと思います。
 議題1は、インフルエンザワクチンの安全性についてです。まず、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、議題1はインフルエンザワクチンの資料1の関係について、資料1-1から資料1-7を中心に御説明させていただきたいと存じます。ただ、参考資料1-3にもございますように、本年3月末をもちまして新型インフルエンザに関して季節性の対策へと移行しておりまして、新型インフルエンザワクチンの接種事業自体も3月末をもって終了ということになっております。前回2月28日の本会議におきまして、1月31日までの報告状況を御報告させていただいておりまして、今回5月末までの更新した情報を御報告するものでございますけれども、御承知のように年が明けてからのワクチン接種はかなり少なくなっておりますので、副反応の報告状況にもそれほど前回から目立った変化はございませんので、変更のある箇所を中心にかいつまんでの御説明とさせていただきます。
 まず、資料1-1でございますが、副反応報告等の状況の概要でございます。
 1枚目に報告全体の集計表がございまして、まず、注意点からでございますけれども、報告頻度の母数につきまして、まず出荷・納入数量からの算出でございますが、前回2月の会議には出荷・納入数量では5,000万回から若干超える程度の報告をしてございましたが、2月、3月にワクチンの未使用分の返品がございましたので、医療機関の納入数量ベースでは4,946万回分ということなってございます。また、接種事業の医療機関での実施の報告に基づいての接種回数の推計では、約4,517万回ということになってございまして、こちらも前回の推計時点よりは下方修正ということになっております。
 それぞれの報告状況につきましては、医療機関からの報告、前回は661例ございましたのが673例ということで、ほとんど数字については動いてございません。死亡症例に関しては製造販売業者からの副反応報告の中の死亡報告が、前回の5から今回は6となってございますが、死亡症例それ自体に関しては前回、死亡症例の一覧、概要を御報告しておりますので、前回御報告した死亡報告以上には今回増えてはいないということでございます。
 2ページ目、3ページ目は、この報告の内訳を毎回お示ししているもので、医療機関からの関連あり・なしに分けたものと、性別・年齢別に分けたものとございますけれども、最終的な報告で特に大きな変更はございませんでした。
 4ページ目が医療機関からの接種者数報告による推定接種者数に基づく報告頻度という資料になってございますけれども、こちらが昨年10月から本年3月までの事業での推定接種者数をまとめたものでございまして、こちらをご覧いただきますとわかりやすいのですが、10月に約1,000万回接種、11月には2,350万回程度、12月には1,011万回打たれておりますが、年が明けて1月以降は3か月まとめても165万回ということで、年が明けてからの接種はぐっと減っているという状況がごらんいただけるかと存じます。
 これらの報告全体に対しまして、あるいは各月別の報告、接種者数に対する接種月別の副反応報告を集計したものが5~9ページまで続いてございますけれども、前回までに御報告しております状況から、特に変わった点はそれほどないのではないかと考えてございます。
 資料1-1に関しましては、以上のような点が前回からの変更点ということになるかと存じます。
 資料1-2が重篤症例の一覧、昨年10月以降の重篤症例を累積してお示ししておりますけれども、医療機関からの報告、それから、製造販売業者からの報告に数件加わったものがございますが、特に報告状況全体として変化があるようなものではございませんので、説明は割愛させていただきたいと存じます。
 資料1-3が死亡症例の一覧でございまして、死亡症例自体には今回、追加はございませんでしたが、症例の7番でございますが、10歳未満の男児の症例でございます。前回は「ライ様症候群の疑い」と経過・死亡原因に記載しておりまして、今回は「の疑い」をとってございますけれども、「ライ様」の「様」もとりまして、正しくはライ症候群と病理検査の結果診断されたというものでございます。
 こちらの症例概要が病理検査の結果を踏まえて更新しまして、専門家の意見も改めて頂戴しておりますので、資料1-4では症例7番のみ簡単に御紹介させていただきたいと存じます。10ページの下から12ページにかけてでございます。
 下線を引きました箇所が、前回御報告して以降、追加された情報になっておりますけれども、11ページの2番、報告医等の意見で、病理解剖を見てライ症候群と診断したという病理解剖結果の追加報告がございました。
 専門家の先生の意見について改めて頂戴してございますが、A先生に関しましては、病理解剖結果からライ症候群と確定診断されている。接種からライ症候群発症までの時間が非常に早いこと、原因確定できていない中枢神経異常を伴う重篤な先天性疾患を基礎疾患として持っていることから、ワクチンが原因となった可能性については否定も肯定もできないという御意見でございます。
 B先生に関しても、死因に関しては病理解剖所見からライ症候群の診断が得られたものと解釈できる。この誘引に関しては、ウイルス学的検査が行われておりますが、明確なものが認められていない。したがって、ライ症候群の誘引に関しては不明であり、ワクチンとの因果関係は時間的関係、明らかな感染症の兆候が認められていないことから否定できない。ただし、血液培養等の培養検査の成績がいまだ示されていないため重症細菌感染症の否定はできず、依然として重症感染症が死亡原因となった可能性は残されているという御意見でございます。
 C先生に関しましては、最後の3行程度でございますけれども、ライ症候群とワクチンとの因果関係は否定できないという御意見でございますが、インフルエンザワクチンとライ症候群との関係の説明立てが難しいこと、基礎疾患あるいは何らかの感染症罹患等が、このライ症候群の誘因になっていた可能性もあることから判断は大変難しいという御意見を改めていただいてございます。
 死亡症例に関する資料に関しては、以上の症例が修正・変更のあったものでございますので、説明は以上とさせていただきます。
 資料1-5に関しては、昨シーズンの単価の新型インフルエンザワクチンと、昨年10月から今年3月にかけて事業を実施しました今季のインフルエンザワクチンの副反応の報告状況の比較表でございます。前回の御報告では、副反応の件数としまして2009-2010年シーズンの単価のものよりは、今回、昨年10月以降に打った3価のインフルエンザワクチンの方が、約2~2.5倍ぐらい接種回数としては多いわけでございますけれども、副反応の件数としましては、単価のワクチンの水準までにはまだ至っていないという状況でございます。
 報告件数についてはお示ししているとおりでございまして、1月以降報告自体それほど増えておりませんので、目立った変更箇所はございませんので、御説明は割愛いたします。
 資料1-6のギラン・バレー症候群(GBS)とADEMの資料に移らせていただきたいと存じます。1ページにございますように、GBS、ADEMの副反応名で報告されたもの、並びに、GBSの典型症状でございますしびれ、脱力感、神経障害、筋力低下、ものが飲み込みにくいというようなタームの症例をスクリーニングしまして評価をいただいているものでございますが、まず、医療機関からの報告は前回報告以降、ナンバー55~62が追加されてございます。10~11ページに55~62番の医療機関からの報告がございますけれども、このうち57、61、62という症例がGBS、ADEM、62がGBS、ADEMいずれの副反応についての可能性も否定できないという症例でございました。
 12ページが製造販売業者からの報告になっておりますが、19~22番の3症例が検討の対象として追加されておりまして、16ページの22番の症例のみが、GBSとしての可能性を否定できないという新たな症例としてございました。
 17~18ページに、この報告状況の中から副反応として否定できない症例のスクリーニングを取りまとめておりますけれども、医療機関からの報告ではトータル62例の中からGBSとして否定できないもの7例、ADEMとして否定できないもの5例ございました。
 製造販売業者からの報告では、トータル22例をスクリーニングしましたけれども、GBSが3例、ADEMが2例それぞれ否定できないということで、トータルGBSでは10例、ADEMでは7例が、昨年10月からのワクチンの接種に関して可能性が否定できないものとしてございました。報告されている件数の水準としては、昨年の新型インフルエンザの副反応報告あるいはそれ以前の季節性の副反応報告と比較して、特に目立った変化はございませんでした。
 資料1-7が、同じくアナフィラキシーの可能性のある症例についてのスクリーニングをしているものでございますけれども、先ほどのGBS、ADEMは接種後数週間で発現する症例もあるというものでございますが、アナフィラキシーの方は主に接種直後に見られる反応ということで、幸いにして前回1月末に集計して以降は、資料1-7の1ページの左肩に書いてございますけれども、追加して新たにアナフィラキシーとしての報告はございませんでしたので、前回の御報告した資料からは集計時点のみ変更しているということで、内容には変更はございませんでした。
 トータルとしましては、13ページに集計結果がございますが、今季に関しては10万単位で見ても0.1程度の水準ということで、ブライトン分類で見たものの場合ですが、特に問題となる水準にはなかったという状況でございます。
 インフルエンザワクチンの副反応報告の状況に関しての資料につきましては、余り変更点はございませんでしたので、簡単ではございますが、説明は以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、どなたか御質問・御意見ございますか。
 全体的には、報告状況は2月28日の会議で報告されたものと大きな変化はないようですが、死亡症例で症例7の診断が、ライ症候群と確定診断されたということぐらいかと思います。先回もライ様症候群の疑いで検討されておりますので、結論に大きく影響するとは思いませんが、この点に関しても特に御意見ございませんか。よろしいですか。
 あと、GBS、ADEMに関しましては、若干症例が多いみたいなんですが、神田先生、何かコメントいただけますか。
○神田参考人 これを拝見いたしますと、GBSと思われるものが3例、ADEMと思われるものが2例ございます。母数が余り多くないので、比較的よく出ているのかなという感じもいたしますが、全体的な数といたしましては例年のものと比べてそんなに増えているという印象はございません。
○松本座長 ありがとうございます。アナフィラキシーに関しては前回と同じなので、岡田先生、特にコメントはありませんね、よろしいですね。
 インフルエンザ関係につきまして、何か全体を通じて御質問等ございますか。よろしいでしょうか。報告状況や先生方の意見を伺っておりますと、死亡症例及び重篤症例につきまして、重大な懸念は認められないという先回までの評価から変わりはないようですが、それでよろしいでしょうか。御異論ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 御異論ないようですので、先回までの評価と特に変わりはないということにさせていただきます。ありがとうございます。
 それでは、今回審議いただいた2010-2011年の1つ前のシーズンである2009-2010年の新型インフルエンザワクチン予防接種事業で、高齢の基礎疾患保有者、特に呼吸器系での死亡報告がかなり多く見られたことから、疫学調査の必要性についてこの会議でも指摘されたところですが、昨年度の厚生労働科学研究において山梨大学の山縣先生に研究をまとめていただいたとのことです。山縣先生、資料の説明をよろしくお願いいたします。
○山縣参考人 山梨大学の山縣でございます。資料1-8-1を中心に御説明をさせていただきます。
 今、御案内がありましたように、昨年度の厚生労働科学研究費の特別研究といたしまして、A型インフルエンザHAワクチンH1N1株の安全性に関する疫学研究をいたしました。
 研究組織といたしましては、呼吸器系疾患の専門家であります河野先生、それから、今日もいらっしゃっていますが多屋先生に分担研究を担っていただき、研究協力者といたしましては、保健医療科学院の横山先生、北里大学の井上先生は疫学及び統計、それから、栗原先生は呼吸器系疾患の専門家として、それから、山梨大学の横道が生物統計の面からのサポートをしております。
 背景といたしましては、2009-2010年の冬のシーズンに接種された新型インフルエンザの予防接種ですが、基礎疾患を持つ患者から優先接種され、今ございましたように2009年10月19日から翌年6月30日までに接種後の死亡が133例報告されたと。これはワクチンの副反応なのか、それとも基礎疾患の重篤化、増悪がその原因とも考えられるのではないかということで疫学研究が計画されました。
 背景2にありますように、このような疫学研究を行う場合には、基本的にはコホート研究、症例対照研究というのが基本ですが、コホート研究の場合は基本的にすべての基礎疾患の方々についてワクチン接種、非接種がそれぞれの曝露として追跡しながら死亡率を比較するという方法です。症例対照研究は、死亡した方を症例にとり、それに対するコントロールをもって曝露であるワクチン接種の割合を比較するというのが基本的な方法になります。ただし、この研究班を始めた時点でのコホート研究というのは困難ということで、症例対照研究といたしました。
 次は、コホート研究、症例対照研究の基本的なポンチ絵ですので、省略いたします。
 方法ですが、呼吸器学会認定施設310施設への郵送調査です。それから、診療録に基づくものです。それから、患者の母集団を日本の特発性間質性肺炎の患者、日本のCOPD(肺気腫)の患者に設定した2つの研究を行いました。それから、死亡を症例といたしました。それから、性、年齢、疾患の診断からの期間、施設、症例の死亡日、これをインデックスデートとしてマッチングした対照を設定いたしました。
 特発性間質性肺炎の研究につきましては、組入れ基準としては18歳以上の患者。それから、除外基準としては特に設けず、症例と対照のマッチング項目として性、年齢。年齢はプラスマイナス3歳。それから、診断からの期間、時点を置きました。
 収集した情報といたしましては、死亡日、性、年齢、重症度、新型ワクチンへの曝露の有無と曝露日、季節性ワクチンへの曝露の有無、患者のがんの既往、心疾患の既往、脳卒中の既往、腎疾患の既往、肝機能障害の有無、糖尿病の有無、喫煙の有無です。
 解析といたしましては、後で御説明いたしますが、条件つきオッズ比を推定し、95%信頼区間を算出し、正確な推定を行う検定方法をとりました。
 副次評価といたしましては、糖尿病の有無や心疾患の既往、季節性ワクチン接種の有無などの共変量で調整したオッズ比を算出いたしました。
 結果です。症例対象で75のペアについて解析いたしました。男性の比率が77.3%。年齢は症例対照で72.8歳、72.6歳。診断からは2年半というのが平均です。それから、新型ワクチンの接種が症例で30%、対照で38%。季節性ワクチン接種が症例で13%、対照で34.3%と対照で少し多くなっております。インフルエンザの既往は症例で3例ありました。がんの既往は症例で31%、対照で16%。糖尿病の既往が症例で46%、対照で23%。喫煙がそれぞれ6%、16%です。
 症例の死亡原因としては、特発性間質性肺炎の増悪、それから、肺繊維症、気胸を含めた特発性間質性肺炎の増悪が最も多く57例、肺炎13例、あと心不全、肺がん、骨髄異形成症候群がそれぞれ1例ございました。
 結果3で、新型ワクチンを接種しなかった理由を聞いておりますが、入院中の全身状態の不良というのが症例群で16例、34%。それから、対照では3例で7.5%と大きな開きがございました。あと供給が不足が症例で4%、対照で27.5%。以下、ステロイド使用中、本人の希望、経済的な理由、うつ病、医師が必要としないという例が少しございました。ただ、不明、なぜ打たなかったかがわからなかったのが症例で42%、対照で37%ございました。
 結果4が主要な条件つきオッズ比です。中にあります数字はペアの数でして、例えば、症例で接種し、対照で接種したペアが13、症例で接種し、対照では非接種だったものが10と読みます。結果といたしましては、条件つきオッズ比が0.63、95%信頼区間が0.25~1.47ということで、統計学的有意差はございませんが、死亡のリスクが上がっているとは考えられないという結果でした。
 結果5ですが、いわゆる交絡因子となるであろう共変量による条件つきオッズ比を示したものです。一番左側が総オッズ比で、それぞれのオッズ比を求めたもので、新型ワクチンだけは先ほどお話しした0.63、糖尿病があると3.25とリスクを上げる。それから、全身状態不良であると7.5とリスクを上げる、季節性ワクチン接種は0.33と下げる、がんの既往は2.13と上げる、供給不良に関しては0.71。
 モデル1からモデル4と共変量をどう入れたかですか、最後のモデル4がすべての条件が入っておりますが、これによりますと、新型ワクチンのリスクが1.17と1を超えて上昇します。ただし、95%信頼区間は一応またいで大きく有意差があるとは言えません。糖尿病が3.48と有意差、それから、全身状態不良がやはり7倍と有意差を持っております。以下は有意差はございませんでした。
 モデル4の結果の解釈としましては、今お話ししたように、粗のオッズ比としては0.63とリスクを下げますが、全身状態不良などの共変量を入れると1.17となりリスクを上げる方向でした。しかしながら、いずれも統計的な有意差はなかったということです。
 この全身状態不良に関しては、接種しなかった方にだけ聞いていますので、接種群ではこの情報がない、つまり情報バイアスが生じております。そこで、もしも、この情報を接種群にも聞いた場合にどうだったのかを、下の参考の最終モデルによる条件つきオッズ比が正のバイアスを持つと考えることを検討というので、シミュレーションスタディをやっております。この見方は、新型を接種した患者、つまり、接種した群が今はゼロと想定して1.17というオッズ比が出ておりますが、例えば、全身状態不良でも打った方が10%でもいるとすると0.83と1を切っており、0.2、0.3となるにしたがってオッズ比が小さくなる。つまり、新型インフルエンザを打つことがむしろプロテクトにつながっているという結果です。
 全身状態不良の非接種群の割合が0.23でしたので、0.2または0.3の確率辺りの結果として0.63、0.70辺りのところが妥当ではないかということを考えております。
 他の研究との比較、これまでもありますように、ほかの研究でも死亡例が報告されたりしておりますが明確な関連性は認められておりません。
 今回の研究の限界としましては、郵送310施設のうちの回答が3分の1の110施設、56施設では症例がなかったということで、最終的には75ペアの解析となりました。実はこれは1.05を基準にした非劣性でもしやるとすると、2,300ペアとか膨大なものが必要で、そもそもそれは難しいということで点推定で行ったわけですが、標本が小さかったと。
 それから、情報バイアスといたしましては、症例と対照で重症度が均一に出ない可能性があると。この分類についてはタイプについて予後が異なるわけですが、今回はその分類を使わずに重症度の指標としては糖尿病の既往、全身状態不良、診断からの期間といったものを用いたところです。
 それから、主治医が患者の新型ワクチン接種についての情報を持っていない可能性も考えられましたが、実際の臨床の現場でお話を聞きますと、その可能性は今回は小さいということです。
 最終的に、標本数が小さくて検出力が小さかったということが限界ですが、結論といたしましては、特発性間質性肺炎の患者に対しては新型インフルエンザワクチンがその患者の死亡リスクを上昇させているとは言えないという結果でした。
 COPDにつきましても同様の結果でしたので、説明は省略いたします。
 以上です。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの山縣先生の御説明に対しまして、御質問・御意見等ございますか。よろしいでしょうか。
 山縣先生、若干、重症症例に関する問題点はあるとしても、少なくともインフルエンザクチン接種が患者さんの死亡リスクを上昇させているとは言えないということは言えるわけですか。
○山縣参考人 上昇させているとは言えないが、結論が出せない。
○松本座長 そこまで確実に言うことはできないと。
○山縣参考人 これ一つ一つ見てみますと、それぞれの基礎疾患の増悪が本当にあるのかというのが、一つのリサーチクエスチョンだったと思うんですが、こういう症例対照研究で、これぐらいのペア数ではそこまで詳しい最終的な結論を出すには至らないけれども、少なくとも増悪させているという証拠はないという結論です。
○松本座長 リスクを上昇させているとは言えないということが言えるわけですね。
 何か御意見ございませんか。よろしいでしょうか。大変な研究をやっていただいたわけですが、今回2009-2010年の新型インフルエンザワクチン接種後の死亡に関する症例対照研究についてただいま報告いただきましたが、本研究においてはワクチン接種が死亡リスクを上昇させているとは言えないとの結果であったという御報告でした。御意見がなければ次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。こういう結果であるということを皆さんにお認めいただいたということで、次に進ませていただきたいと思います。山縣先生、どうもありがとうございました。
 それでは、インフルエンザでは最後の資料になりますが、使用上の注意の改訂に関する資料1-9について、事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 では、事務局から資料1-9について御説明させていただきますので、お手元に御用意を願います。
 「調査結果報告書」というタイトルでございますけれども、「?.国内におけるこれまでの経緯」をごらんいただければと思いますが、インフルエンザのワクチンは秋から冬にかけまして接種しまして、毎年それを繰り返すわけでございますけれども、毎シーズンの報告を集積しました後には、安全対策の必要性について包括的な検討を行い、使用上の注意の改訂、必要があれば次のシーズンには改訂したもので情報提供するという対応をとっているところでございます。
 今回につきましては、先ほど御審議をいただきました平成20年4月から平成23年3月までの集積状況をまとめまして、改めて添付文書の使用上の注意の改訂・必要性の検討を行ったものでございます。
 「?.機構における調査」でございますけれども、平成20年4月から平成23年3月にありました報告をまとめたものは表1ということで、6~9ページまであります。先ほどの資料の1-5にほぼ相当するものでございますが、各機関別の副反応の集計状況の表でございます。「※」を打ちましたものが未知の副反応、使用上の注意に記載のない症状等の副反応の報告等ということでございます。
 これらについては、先ほどのGBS、ADEMやアナフィラキシーの報告にもありますように、報告されている内容について、それぞれワクチンとの関連性というものはまた別の評価が必要でございまして、報告の集積状況と因果関係の評価などを踏まえまして、注意喚起の検討が必要だと機構が考えた事象が、皮膚粘膜眼症候群、血管炎、食欲減退、髄膜炎だったというものでございまして、表2が10~13ページにかけまして、これら4つの副反応に関する報告があったものをリストとしてお示ししてございます。
 1ページの一番下に戻りまして、それぞれの症状についての検討結果を簡単に御説明します。
 まず、皮膚粘膜眼症候群に関しては平成15年から見ました場合に、平成23年3月末までで5例の報告ということでございました。このうち1例感染の影響、1例情報不足ということで、3例について時間的な関係から因果関係を否定できないということで、専門委員にも御意見をお尋ねしたところ同様の見解であったということと、海外の添付文書の使用上の注意においても皮膚粘膜眼症候群の注意喚起があることから、インフルエンザワクチンの全体の接種状況の頻度から考えますと、かなり低いものでございますが、重大な副反応に注意喚起することが適切であるという御意見をいただいたものでございます。
 血管炎につきましては、同様に平成15年から平成23年3月末まで14例の報告があったということでございます。報告された14例のうち、11例の中で4例が自己免疫性疾患の影響、3例がウイルス感染、11例の中の更に4例が情報不足により判断できないと考えられた症例ということでございました。14から11を引いた残り3例が、ワクチン接種と血管炎発現までの時間的関係から因果関係を否定できないというものでございました。これも同様に専門委員の御意見をお尋ねしておりますけれども、14例中8例に関しての因果関係は否定できないということと、同様に海外でも使用上の注意で注意喚起がされていることから、こちらについても重大な副反応として注意喚起するという結論でございました。
 食欲減退について、同様に平成15年から平成23年3月末までに4例報告があったということで、2例は接種の影響による因果関係は低いというものでしたが、2例は関連を否定できないということ。また、海外添付文書でも注意喚起のあるものでございますので、こちらについてはその他の副反応として注意喚起をしておくということについて機構の見解が支持されたものでございます。
 最後、髄膜炎に関しては、同様に平成15年から平成23年3月末まで13例の報告でございますけれども、内訳は無菌性髄膜炎が6例、髄膜炎が6例、細菌性髄膜炎が1例というものでしたが、無菌性髄膜炎の1例と髄膜炎3例に関しては、接種から髄膜炎発現までの時間的関係並びに髄膜炎リスクが低いと考えられる年齢層での症例であるということから、因果関係は否定できないということが考えられまして、専門委員にも意見を求めてございます。このうち13例中4例は、専門家の見解からも因果関係は否定できないという判断でございましたけれども、不活化ワクチンでございますので、ワクチン接種後のアレルギー反応としての髄膜炎は通常、数日後から数週間後に発現というものでございますが、今回検討したものの多くの症例は接種数日後と比較的短期間に発現していることから、そういった症例での因果関係は否定的ではないかという意見があったということでございます。
 それから、現行の添付文書での脳炎・脳症、脊髄炎の注意喚起が既にあるということで、髄膜炎様症状ということで考えた場合には、予測可能な範囲に含まれるということから、現時点では追記を行わず、今後の報告状況を注視し、集積状況を引き続き注視して対応するということでございました。
 以上のような結果から、別添2が5ページにございますけれども、現行と改訂案の比較表になってございますが、重大な副反応に血管炎と皮膚粘膜眼症候群を追記いたしまして、その他の副反応に食欲減退を追記するという改訂案を取りまとめてございます。
 来季の接種が始まるまでにこれらの使用上の注意の改訂を行えるようにしたいと考えているところでございます。
 資料の説明は以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいま事務局から説明がありましたインフルエンザHAワクチンの添付文書の改訂について御意見・御質問等ございますか。よろしいでしょうか。
 副反応報告の集積も踏まえますと、今回、使用上の注意の改訂を行うことは妥当ではないかと思いますが、よろしいでしょうか。御異論ございませんか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 御異論ないようですので、御了承いただいたものとさせていただきます。ありがとうございました。
 以上で、インフルエンザ関係の議題は終了とさせていただきます。
 続きまして、議題2の子宮頸がん予防ワクチン、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの安全性についてに入りたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 それでは、事務局から後半の子宮頸がん予防ワクチン等の議題につきまして、資料2-4、資料2-5の死亡症例の前まで、資料2-1、資料2-2、資料2-3について、前回からの更新状況などを中心にまとめて御説明させていただきたいと思いますので、まず、資料2-1をお手元に御用意願います。
 子宮頸がん予防ワクチンの副反応の報告状況についてでございます。引き続きこちらについてはサーバリックスというワクチンで接種が行われてございますが、副反応報告の状況でございます。表が1つございますけれども、接種可能延べ人数、回分としてございますが、今回約190万回分ということになっておりまして、前回1月末までの報告から約90万回分程度増えてございます。約倍近くになっているということでございまして、製造販売業者からの報告も、前回の99から193ということで倍程度に増えていると。
 医療機関からの報告については、事業が始まったのが昨年11月からということでございましたので、2月以降の報告でかなり増加はしておりまして、全体の報告は医療機関29例から219例ということに増加しているものでございます。死亡の数はそのうち14ということで、医療機関からの報告中、重篤の報告頻度はそれほど高くないというものでございます。
 2~3ページは、接種事業に基づく医療機関からの実施状況の御報告に基づいて、先ほどの医療機関からの報告を分析したものになりますけれども、報告全体の表に推定接種回数、推定接種者数を記載してございますが、前回1月まででは11月に開始したばかりでございましたので、接種回数2万5,000回というものでございましたが、今回5月末までの接種者の回数としましては75万回ということで、大幅に増加しているものでございます。
 報告頻度につきましては、特に際立った変化はないということになっております。
 「関連あり」として報告されたもの、「関連なし」「評価不能」として報告されたものの内訳を2ページ、3ページに分けまして表をおつけしております。
 4~8ページは、御報告いただいた重篤症例についての症例のラインリストを提示させていただいております。特に企業の報告数が多くなっておりますので、報告状況については9ページ以降に副反応報告状況という資料で、4~8ページの重篤副反応の報告件数の多いもの順に並べ替えたものをお示ししております。
 9ページの医療機関からの報告におきましては、失神寸前の状態というものが4件、悪心、頭痛、浮動性めまいが3件、2件、2件という報告でございまして、比較的報告されている副反応はばらついているというような状況でございます。
 10~11ページは、製造販売業者からの報告状況ということで、製造販売業者が重篤としたものを集計しておりますけれども、副作用の報告例数としては193ということでございますが、内訳としては失神60、意識消失20というところが、ほかのワクチンと比べて特に多く見られるものとなってございます。
 発熱以降は注射部位疼痛やけいれん、これは過去に庵原先生からも御指摘いただきましたが、熱性けいれんとは異なって血管迷走神経反射に伴う可能性のあるものがほとんどでございますが、こういったところの症状、副反応が多く報告されてございます。
 12~13ページに非重篤の医療機関からの報告の一覧をつけてございますけれども、製造販売業者からの報告での失神あるいは意識消失が多いということに関連しますが、例えば、12ページのナンバー2の症例が、副反応名が失神寸前の状態になってございますけれども、右をずっと見ていただきますと、報告医の評価では非重篤、企業評価では重篤となってございます。血管迷走神経反射の関連の副反応としまして、失神やあるいは血管迷走神経反射として報告されてくるわけでございますけれども、1つは失神寸前の状態という副反応名については、血管迷走神経反射ということで医師から報告がございました場合に、MedDRAと申します副反応名の用語集で分類することになっておりますけれども、そちらで分類しますと先生の重篤度あるいは起きている症状にかかわらず血管迷走神経反射という副反応名は失神寸前の状態と集計されることが一つ、それから、報告名として失神あるいは失神寸前の状態という副反応名のものに関しては、製造販売業者での重篤度の判断としまして、報告名がそのようなものは企業としては自動的に重篤と判断するということが背景にございます。
 したがいまして、先ほどの医療機関からの報告の中でも失神あるいは失神寸前の状態というものが非重篤の中にございますけれども、重篤とされるものはその中でかなり限定されていることになりますので、先ほどの10ページにございます失神60件というもののかなりの部分に関しては、報告医の判断では必ずしも重篤でないものが含まれるということに御注意をいただきたいということで、ややこしくなって恐縮ですけれども補足説明させていただきます。
 16ページ以降が、アナフィラキシーが疑われる症例についての集計となってございまして、2月以降5月末までに関しては、アナフィラキシーの副反応名に含まれる報告は7例ございまして、20ページにブライトン分類の評価を集計したものを記載してございますが、2~5月分では7例中2例がブライトン分類が3以上というものでございました。この間約90万回程度の供給がなされておりますので、頻度としましてはそれほど高くないものと考えてございます。
 21ページに関しましては、本ワクチンで特徴的に多い血管迷走神経反射が疑われる症状に関しては、以前御指摘をいただいておりますように、心因性の反応あるいはアナフィラキシーによる反応と血管迷走神経反射による症状の識別・鑑別が困難ということで、アナフィラキシーの可能性について、迷走神経反射で報告されるような低血圧や蒼白、末梢冷感、ショック、神経原性ショックなど、ここに書きました症状が報告中にある症例について、ブライトン分類のアナフィラキシーの分類評価を改めてスクリーニングしてございます。重篤一覧にある症例のうち、今回2~5月のものとして報告されたもの、スクリーニングして65例ございましたが、ブライトン分類で改めて評価しましたところ、この中にはアナフィラキシーの疑われるものはなかったということでございましたので、併せて御報告申し上げます。
 それでは、資料2-2のヒブワクチンの状況に移らせていただきます。
 1ページ目でございますけれども、こちらの副反応報告数に関しまして、まず全体の状況の表でございますが、接種可能延べ人数(回分)につきまして、今回からこちらのワクチンは医療機関への納入数量として集計してございますが、前回の分ではその数に直しますと約289万回でございましたので、2~5月までで110万回分程度供給がなされてございます。
 製造販売業者からの副反応の報告数は、従来まで55件でございましたのが94件ということで、供給数の伸びに比べると企業からの報告は若干増えているという感じでございます。
 医療機関の報告に関しては、報告全体で19件だったものが173件ということで、やはり10倍近くになっているというものでございます。
 死亡の報告を内訳で示してございますが、これは後ほど資料2-4、資料2-5で御審議いただきたいと考えております。
 2ページにまいりまして、事業における接種回数の報告でございますけれども、こちらも1月までの集計では1.6万回でございましたが、5月までの集計では110万回と大幅に事業での接種回数は伸びてございます。
 内訳を示しております表についての御説明は省略いたします。
 4~5ページに先ほどの子宮頸がん予防ワクチン同様、重篤な症例の医療機関並びに企業からの報告のリストを添付してございます。これを7~8ページに件数の上位順に再集計いたしておりますが、ヒブワクチンの医療機関からの報告では、発熱が8件、死亡は後ほど御説明しますが、5件ということでございますが、そのほか熱性けいれん以下は2件というような状況でございます。
 8ページには製造販売業者からの報告状況。同じく発熱、熱性けいれんが30件、15件と多く見られるほかは、多形紅斑やけいれんなどが7件以下という状況になっております。
 また、ヒブワクチンの副反応の報告に関しては、サーバリックスの子宮頸がんワクチンとは異なりまして、接種時期が乳幼児のお子様でございますので、ほかのワクチンと同時接種して、ほかのワクチンでの副反応報告として報告が来るものも重複して計上している可能性がございますということを注釈で付記しております。
 9~11ページまでは医療機関から報告いただいた非重篤の症例の一覧を参考としておつけしております。
 12~13ページにはアナフィラキシーの報告についてでございますが、ヒブワクチンに関しては13ページにございますように、2~5月で約110万回分接種がございますけれども、ブライトン分類で3以上のアナフィラキシーの報告はございませんでした。
 また、ADEM、GBSに相当するものも、先ほどの子宮頸がんワクチンを含めて特に見られなかったという状況でございます。
 資料2-3が、小児用肺炎球菌ワクチンの副反応報告状況でございます。資料の構成は同じようになっておりまして、1ページ目に全体の報告状況、こちらも接種可能延べ人数は医療機関への納入数量ベースに今回改めてございます。前回の数字では179万回ということなりますので、123万回分程度この間供給されてございます。
 製造販売業者からの報告は58件が110件と伸びておりますほか、医療機関の報告では22件が205件ということで、やはり10倍程度の報告数になってございます。これは2ページ目をごらんいただきますと、事業の接種回数とございますが、肺炎球菌の方では前回4,600回分ということでございましたが、今回は122万回まで伸びておりまして、ヒブワクチンでは前回はこちらの方が少なかったわけですが、逆転する結果になってございます。
 4~6ページは同じく重篤症例の一覧を医療機関と企業からのを添付しておりまして、この集計したものが7~8ページでございます。
 医療機関からは7ページにございますけれども、26件中発熱が8件、熱性けいれんが3件、死亡が3件ということでございます。そのほかは血小板減少性紫斑病以下は2件以下の報告となってございます。
 また、8ページの製造販売業者からの110件の報告を集計したものでも、やはり発熱、熱性けいれんが上位にまいりまして、合わせて熱性のないけいれんも3番目に来ているという状況でございます。
 こちらのワクチンに関しても、先ほどのヒブワクチン同様に、複数の製造販売業者から重複した報告として取り扱っている可能性があるという集計になってございます。
 9ページ以降は、非重篤の医療機関からの報告を集計した表をおつけしておりますほか、13ページからアナフィラキシーの症例になっておりまして、2~5月の間に5例報告がございましたうち、15ページにございますように、ブライトン分類3以上は2例ということで、約110万回程度中の2例ということになってございます。
 本ワクチンに関しましても、ギランバレーやADEMとされるものは、この間はございませんでした。
 資料2-1から資料2-3までは説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、御意見・御質問等ございますか。子宮頸がんワクチンでは企業報告で失神が増加しておりますが、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンでは報告内容や傾向に特段の変化は見られないようですけれども、いかがでしょうか。御意見ございませんか。
 3つのワクチンでアナフィラキシーの報告もわずかに見られた程度なんですが、岡田先生、特に問題はないと判断してよろしいですか。
○岡田参考人 はい。頻度が急に増えていることはないと思います。接種数が増えてきましたから、やはり100万に1ぐらいはどうしてもあるのかなという印象はあります。
○松本座長 ありがとうございます。神経系では特に報告はないようですので。
 特に御意見ございませんか。よろしいですか。痛みによるかどうかわかりませんが、失神発作が多いのがちょっと目立ちますけれども、企業報告がすべてを重篤として判断しているためという理由がありますので、そういうものもかなり影響しているのではないかと思います。よろしいでしょうか。
○岡部委員 結構です。ただ、一般論としては、添付文書にも接種時の実際の説明にも書いてありますが、やはり年齢からいっても失神発作や何かが起こりやすいので、接種者は十分に注意していただきたいというアナウンスはしっかりやっておいた方がいいと思います。
○松本座長 そうですね。情報は十分に伝えていただければと思います。
 保坂先生、どうぞ。
○保坂委員 1つ気になっておりますのは、接種してから失神という事象が起きるまでの時間がかなり長い症例があるということを聞いておりまして、先ほど厚生労働省の方にお聞きしたのですが4例ほどがかなり時間が経ってからの症例だったということなので、今一応30分ぐらいは静かにしていくようにということになっておりますが、副反応の報告の失神のところをもうちょっと時間的経過を調べていただけたら、ありがたいなと思います。
○松本座長 そうですね、メカニズムをここで明らかにすることはできませんので、もう少し情報を集めることが重要だろうと思いますので、その点事務局の方でよろしくお願いします。
 ほかに御意見ございませんか。よろしいでしょうか。死亡症例以外の資料についての説明を受けましたけれども、重篤副作用についてはワクチンの安全性において、これまでお聞きする限りでは重大な懸念は認められないというこれまでの判断で御異論ございませんでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 御異論ないようですので、現段階においてワクチンの安全性において重大な懸念は認められないという評価にさせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、死亡症例に関する資料2-4、資料2-5について、事務局から説明をお願いします。
○事務局 それでは、死亡症例に関しまして、2月の会議以降3月3回にわたりまして御検討いただいたところでございますが、まず、資料2-4が症例の一覧でございます。6月4日までの報告分としてまとめさせていただいておりますけれども、現時点でこれがすべてということでございます。3月に御検討いただきましたものは2種類以上のワクチンが同時接種された例の7例目まででございまして、8例目が6月に報告された症例ということになっております。
 それから、単独のワクチンのみが接種された例に関しては、1例目は昨年11月の症例で2月の会議にお諮りしたもの。2例目に関しては、接種再開前の今年1月の症例でございますけれども、報告が4月であったということから今回新たにお諮りすることになってございます。
 資料2-5が症例の概要になってございますので、こちらで御説明させていただきますが、先ほど資料の確認の際に御報告申し上げましたように、同時接種の症例1番と3番、単独接種の症例2番は新しく報告された症例でございますけれども、資料一覧は開示の許諾をいただいておりますが、症例概要は非公表の扱いにという御要望をいただいておりますので、説明の際にも注意させていただきますが、各先生方におかれましても御配慮をよろしくお願いいたします。
 資料2-5に関しまして、1枚めくっていただきますと同時接種の症例1番から始まってございます。症例1番に関しては下線の箇所、症例の経過に関する部分に若干、前回3月以降に情報の更新がございましたので、修正して追加で更新しております。1~2ページの下線箇所が情報が追加された箇所でございます。症例の評価そのものに大きく影響する内容ではございませんので、こちらに関しては専門家の意見の変更はございませんでした。
 修正・追加情報によりまして評価が変わってございますのが、同時接種の症例4番、9ページをごらんいただきたいと思います。こちらは特に公表の扱いに差し支えのない症例になってございますので、傍聴席にも同様の症例概要を御用意しております。行政解剖所見の下線部分に関しましてが今回新たに情報が追加された部分でございまして、10ページをごらんいただければと思いますが、これらの追加の所見からは「シャント血栓症による急性循環不全が死因として最も疑われた」という部分が今回追加情報で最も重要な部分かと存じます。
 専門家の意見を改めて頂戴しておりまして、10~11ページにございますが、A先生におきましては、病理解剖によりシャント血栓症による急性循環不全が死因と推定されたと。ワクチン接種がシャント血栓の原因となる可能性は低いと考えられるということでございますが、ワクチン接種と死亡との間に前後関係はあるが、両者に因果関係はなく、原病であるシャント手術後の先天性心疾患の合併症が死亡原因と判断すると御意見をいただいております。
 B先生におきましては、剖検結果を踏まえまして、ワクチンが直接の死因であったとは言えないと思うという御意見でございます。ただし、この血栓症が生じた原因に関しましては、凝血塊の発生にワクチンが関係していないと論じられているわけではなく、前日の心エコーでシャント血流が認められていることから、この間の状況変化としてワクチン接種があったということは事実でございますので、これが関与していないとは言い切れないと思われるということでございます。したがって、ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できないと判断するという御意見でございました。
 C先生に関しましては、剖検では最後の4行程度が新しくいただいた部分でございますが、シャント血栓症による急性循環不全が死因として最も疑われたことを考えると、基礎疾患や状態による死亡と考えることに大きな違和感はない。しかしながら、時系列を考えると、因果関係は否定も肯定もできないということでございます。
 前回までの状況からは、シャント血栓という部分が新たに明らかになったという症例でございます。
 新規にお諮りするものが19ページ、同時接種の症例8番です。こちらは、傍聴席と委員席と同様の症例概要をお配りしております。6か月未満の男児の症例でございまして、6月3日に肺炎球菌とヒブワクチンの同時接種を行ったものでございまして、翌4日の午前2時には異常はなかったということでございますが、7時半ごろ自宅で心肺停止。救急搬送されましたが心拍は回復せず、8時半に死亡確認という症例でございます。
 行政解剖所見では、死亡原因は乳幼児突然死症候群の疑いとされているものでございます。ここに書かれましたような所見が認められたほか、特にその他死因となる損傷及び病変は認めないという症例でございまして、肺水腫が著明であったことから肺炎の可能性もあるが、CRPは軽度上昇のみであったということで、病理組織学的検査などの各種検査結果はこの後まだ出てくるということで、その後最終的に判断するという御意見でございます。
 ワクチン接種後の治療状況などでは、接種後特に異常は認めなかったというもので、接種医もそういった状況から死亡状況がわからず評価不能。搬送先の担当医はSIDSに当たると思うが、状況が不明のため因果関係の評価は難しいという御意見でございました。
 専門家の御意見といたしましては、A先生からは、X線検査、CT検査で肺うっ血を認めるのみであり、頭部にも著明な異常所見は認められない。肉眼的解剖所見からも死因と推定できる病変を同定することができないという検査結果からは、SIDSが最も疑われると。ワクチンと死亡との関係は前後関係はあるが、因果関係は不明、または無関係と判断するという御意見でございます。
 B先生に関しても、剖検結果を踏まえて明らかな死因が特定できなければ、搬送先の担当医の判断のようにSIDSの扱いでいいと思うということでございます。ただし、ワクチン同時接種の翌日に発生したイベントであるということから、SIDS、肺炎、いずれの場合もワクチンとの因果関係は否定し切れないという御意見をいただいております。
 C先生に関しましては、死亡までの経緯、解剖所見で特に異常がないことから、典型的SIDSに該当すると思われるという御意見でございました。
 もう一例が、接種再開前の症例でございますけれども、委員の資料といたしましては23~24ページにございます単独接種の症例2番でございます。こちらは症例概要の資料に関しては非公開の扱いでございますので、説明に関しましては症例一覧にある程度の情報のみとさせていただきます。
 6か月未満の女児であるということでございます。肺炎球菌ワクチンの接種5日後に死亡された症例でございまして、こちらは解剖も実施されていないことから、搬送先の担当医などの御意見でも因果関係は不明というものでございます。
 専門家の意見に関しましても、結論部分のみの御紹介にとどめさせていただきますが、A先生に関しては明らかな因果関係は不明。それから、B先生に関しては、5日経過という状況から直接死因となったとは考えにくい。更なる情報が必要であるが、それが明らかになったとしても死亡との因果関係は明らかにできないであろうと。それから、C先生に関しては、現時点の情報からは因果関係は情報不足により評価できないという御意見でございました。
 追加して報告のあったもの、情報の更新されたものの説明は以上でございますが、前回3月24日に死亡事例の評価を取りまとめていただいておりますけれども、その際に死亡報告については諸外国の事例を見ても一定程度あり得るものだということで、10万回接種当たりの報告頻度0.5というものが一つの目安と考えられるという取りまとめをいただいておりますが、接種再開以降、4月1日に再開した以降に関しましては、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、出荷された数量を元に考えますと、4~5月で約60~66万回程度供給されておりまして、6月3日に接種した事例をこれを母数に分子として換算しますと、10万回当たりでは0.17という程度になっております。
 それから、2~3月にかけましての報告が多かったわけでございますが、5月までの供給数量を取りまとめておりますので、12~5月の供給数量に対してその間に報告されている症例をまとめますと、6月の症例を含めない場合にはヒブで0.37、含めた場合で0.42、肺炎球菌の方では6月の症例を含めない場合に0.22、含めた場合で10万回当たり0.28という水準で、0.5に達しているという状況にはございませんということを併せて御報告申し上げます。
 説明は以上でございます。
○松本座長 ありがとうございました。
 ただいまの事務局からの説明につきまして、御質問・御意見等ございますか。このたび新たに接種開始後のヒブ、小児用肺炎球菌ワクチン同時接種で1例、接種再開前のヒブワクチン単独接種例で1例の報告がありましたが、これによって特に何か御意見ございませんでしょうか。今のところ、先ほどの事務局からの説明にありましたように、新たに死亡症例が1例報告されておりますが、新たな死亡症例についてもワクチン接種との直接的な明確な関係は認められないということでよろしいでしょうか。特に御異論ございませんか。
 3月にまとめました安全性の評価について、先ほどヒブワクチン6月4日分を含めると0.42とかなり近くなっておりますが、3月にまとめました安全性の評価結果に基づいて、引き続き報告状況、報告内容に十分に注意が必要ですけれども、現時点で何らかの新たな対応を行う必要はないということで御異論ございませんか。よろしいでしょうか。
(「異議なし」と声あり)
○松本座長 御異論ないようですので、現時点においては何らかの新たな対応を行う状況にないと判断させていただきます。ありがとうございました。
 それでは、子宮頸がん等ワクチンの関係で、最後に1点、事務局から資料の報告があるようですので、よろしくお願いします。
○事務局 特に今日は資料を御用意しておりませんけれども、簡単に御報告だけさせていただきたいと思います。
 新たに承認されましたガーダシルというワクチンでございますが、これにつきましては先般7月8日に厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で御議論いただきまして、当事業の対象とすることについて了承されましたが、供給量等いろいろ確認するようにという御指摘もいただきましたので、それらの御意見も踏まえまして、今後調整の上、対象とするということにさせていただきたいと考えております。
 以上でございます。
○松本座長 ただいまの説明に対しまして、何か御質問・御意見ございませんか。よろしいですか。
 それでは、ガーダシルが事業の対象とされた際には、事務局においてこれまでのワクチン同様、副反応の集計・評価をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で、子宮頸がん予防ワクチン等の関係の議題は終了とさせていただきます。
 次に、その他の議題のイレッサについてに入りたいと思います。事務局から資料の説明をお願いします。
○事務局 それでは、資料3をごらんください。ゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の件数等につきましては、これまでも安全対策部会や安全対策調査会おきまして、機会をとらえて状況を報告させていただいておりますが、今回は平成23年3月末までの状況についてデータが提出されましたので御報告いたします。
 まず、1~2ページが平成23年3月末までのゲフィチニブ服用後の急性肺障害・間質性肺炎等に係る副作用報告の報告例数及び死亡例数の推移を月ごとに示したものです。報告例数は総数2,226。そのうち死亡例数は825となっております。
 また、3ページ目にゲフィチニブに係る新規処方患者数及び継続投与患者数等につきまして、四半期ごとに整理された表をつけておりまして、継続投与では大体8,000人程度、新規投与では大体2,000人程度となっております。
 以上でございます。
○松本座長 ただいまのゲフィチニブの報告につきまして、御質問・御意見ございませんでしょうか。よろしいでしょうか。御報告ありがとうございました。
 本日の議論は終了いたしました。なお、本日会議の終了後、記者向けのブリーフィングを行う予定になっておりますので、座長に御一任いただくよう、よろしくお願いいたします。
 最後に、事務局から何かありますか。
○事務局 特にございません。本日も先生方には貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。いつもと同様、本日の配付資料は一部非公表のものもございますが、それを除きまして厚生労働省のホームページに速やかに掲載したいと考えております。
 また、次回の日程につきましては、改めて調整させていただく予定でございます。よろしくお願いいたします。
○事務局 最後になりましたけれども、医薬食品局長におきましては今日は他の用務がございまして初めから在席できませんでした。申し訳ございませんでした。
 また、健康局長は途中、国会用務のために退席させていただきましたことを先生方にお詫び申し上げるように言いつかっておりますので、最後にお伝えしたいと思います。
 本日は大変ありがとうございました。
○松本座長 それでは、本日の会議はこれで終了といたします。活発な御議論をありがとうございました。


(了)
<照会先>

医薬食品局安全対策課
(代表電話)03-5253-1111

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