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2011年9月28日 予防接種後副反応・健康状況調査検討会

○議事

○飯野課長補佐 定刻となりましたので、ただ今から「予防接種後副反応・健康状況調査検討会」を開催いたします。本日の検討会は公開で行いますが、カメラ撮りは議事に入るまでとします。傍聴の方は、傍聴に際しての留意事項の厳守をお願いいたします。
 構成員の皆様におかれましては、御多忙の中、御出席をいただき誠にありがとうございます。
 本日は、岡部構成員、中園構成員、森構成員の3名から欠席の連絡をいただいております。また、昨年7月の開催以降、久しぶりの開催となりますので、改めて事務局員の紹介をさせていただきます。結核感染症課長の正林でございます。
○正林結核感染症課長 正林でございます。よろしくお願いします。
○飯野課長補佐 課長補佐の林でございます。
○林課長補佐 林です。
○飯野課長補佐 課長補佐の中込でございます。
○中込課長補佐 中込です。
○飯野課長補佐 最後に、私、課長補佐の飯野でございます。よろしくお願いします。
 なお、健康局長の外山は他の公務があり、間に合えばこの検討会に出席させていただきますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。
 それでは、開催に当たり、正林結核感染症課長よりごあいさつを申し上げます。
○正林結核感染症課長 改めまして、この8月から結核感染症課長を拝命いたしております正林でございます。
 もう1年以上前まで、平成18年からずっと結核感染症課に籍を置かせていただいて、新型インフルエンザとか肝炎とかをやってきて、この1年間環境省に出向しておりましたが、8月からまた戻ってまいりました。引き続きよろしくお願いいたします。
 この定期の予防接種による副反応については、主として重篤な症例の把握を目的とした予防接種後副反応報告と、主として比較的軽微で通常起こり得る反応の把握を目的とした予防接種後健康状況調査の2つを実施しており、本検討会においてその評価を行っていただいているところです。
 予防接種対策を推進する上で、まれに発生する健康被害について、その発生状況を分析し適切に対応していくとともに、情報を公開し、国民の皆様の御理解を得ていくためにはこの検討会における評価は重要な位置づけにあると認識しております。
 構成員の皆様には、予防接種の副反応という重要な課題に日々取組んでいただいており、お忙しい中、また事前に副反応報告書等の評価・分析を行っていただきましたことにつきまして、この場を借りて厚く御礼を申し上げたいと思います。
 本日も、先生方の専門的、かつ、大局的見地から貴重な御意見をいただきますようお願い申し上げまして、簡単ではございますけれども、私のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いします。
○飯野課長補佐 カメラ撮りはここまでとさせていただきますので、御協力方よろしくお願いいたします。
 それでは、この後の議事の進行につきましては加藤座長にお願いいたします。
○加藤座長 それでは、本日の議題に入りますが、資料の確認を事務局からお願いいたします。
○飯野課長補佐 本日の資料を確認させていただきます。
 資料1「平成21年度予防接種後副反応報告書集計報告書(案)」。
 資料2「平成22年度予防接種後副反応報告書集計報告書(案)」。
 資料3「平成21年度予防接種後健康状況調査報告書集計報告書(前期)(案)」。
 資料4「平成21年度予防接種後健康状況調査報告書集計報告書(後期)(案)」。
 資料5「平成22年度予防接種後健康状況調査報告書集計報告書(前期)(案)」。
 資料6「平成22年度予防接種後健康状況調査報告書集計報告書(後期)(案)」。
 参考資料1として別にとじさせていただいております。
 以上でございます。資料に不足がございましたら、事務局にお申し付けください。
○加藤座長 ありがとうございました。
 前回の会議から大分空いていること、今回から公開の場の検討会となりますので、まず、事務局から本検討会についての御説明をお願いいたします。
○林課長補佐 お配りしている資料の中で、議事次第に続いて検討会の開催要項というものを御用意いたしております。そちらをごらんくださいませ。
 この検討会の目的、趣旨ということで、副反応・健康状況調査事業を行うに当たり、事業の円滑、かつ、有効な推進を図るために専門家から成る検討会を設けるということで、健康局の中にこのような検討会を設けさせていただいております。
 検討事項としては、副反応報告書の評価であるとか副反応報告基準の検討、健康状況調査の基準の設定、様式の設定、結果の分類・解析と評価、こういったことを行っていただくことになっておりまして、本日は調査の方法等については後ほどの資料の説明の中で御説明いたしますが、副反応報告書の評価、健康状況調査結果の分類・解析・評価といったところを行っていただきたいと考えてございます。
 なお、予防接種の副反応に関する検討の場といたしましては、定期接種にかかるもののほか、子宮頸がん等ワクチン、昨年度までは新型インフルエンザワクチンに関するものについて、年に数回別の場で検討を行っていただいているものがございます。
 定期接種にかかるものにつきましては、長期間の歴史のあるワクチンであるということもございますので、原則としては年に1回、このような場で副反応の発生状況を集計データとして分析していただく、また、特別なことが起きた場合にはこういった場を待つことなく行政で対応をとるという形で、原則として年1回、このような検討会を開催いたしております。
 この検討会は平成6年から実施しておりますけれども、副反応報告に関して個人情報を取扱うようなこともあるということで非公開といたしておりましたが、国民の皆様の御理解をより得ていくために情報公開をより進めるという観点から、個人情報の取扱いに配慮した運営を行うということで今回から公開させていただくことといたしました。
 以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。
 では、議事を進めます。まず、平成21年度及び22年度、予防接種後副反応報告書集計報告書(案)につきまして、事務局より御説明お願いいたします。
○林課長補佐 それでは、資料1、資料2を基に説明させていただきます。
 今回はイレギュラーな形で、平成21年度分、平成22年度分の2年分の報告書のとりまとめをお願いいたしたいと考えております。
 資料1「予防接種後副反応報告制度について」という紙がございます。この報告のそもそもの概要、先生方は既に御承知のことでございますけれども、初めて公開で行う会議でございますので、改めて御紹介をさせていただきたいと思います。
 予防接種後副反応報告は、医師が予防接種後の健康被害を診断した場合、または市町村が予防接種を受けた方もしくはその保護者等から健康被害の報告を受けた場合に、実施要領に基づいて、厚生労働省に報告するものでございます。
 真ん中の辺りに、留意点は以下のとおりであるとございますが、本報告は予防接種法に基づく定期接種として実施された予防接種を対象としており、いわゆる任意の予防接種はこの対象とはなってございません。
 また、報告するかどうかの判断は報告者に行っていただいておりますので、県ごとの報告数のばらつきというのがどうしても発生して、副反応数の発生率などについて分析するのは難しいということでございます。
 3つ目、下線が引いてございますけれども、本報告は、予防接種との因果関係の有無に関係なく予防接種後に健康状況の変化をきたして症例を集計したものであり、これらの症例の中には、予防接種によって引き起こされた反応だけでなく、予防接種との関連性が考えられない偶発事象等も含まれております。集計に当たっては、因果関係がないと思われるものもしくは報告基準の範囲外の報告、例えば軽微なものといったものでございますが、こういったものも排除せず、報告があったものを広く集計に含める形で単純計算をしてまとめてございます。
 4つ目、予防接種健康被害救済制度とは関係のあるものではございません。この報告は広く因果関係があるなしに関わらず報告できるものでございますけれども、救済を求める場合につきましては、別途申請していただいて別の場で審査を行って認定をするという形をとっております。
 目次の後に、予防接種後副反応報告書集計報告1ページ、総論として、長くなりますので読み上げることはできるだけ控えて、ポイントだけを説明させていただきたいと思います。
 1、対象とされたワクチンでございますが、DPT、DT、麻しん、風しん、MR、日本脳炎、ポリオ、BCG、インフルエンザでございます。第1報が提出された日時を基に集計をいたしております。
 期間中の報告数につきましては、3のところにまとめておりますけれども、各ワクチンについての報告の中で御紹介をさせていただきたいと思います。
 まとめに使用した分類という報告基準が、この資料の12~13ページにございますが、これを基本として分類をしております。
 5つ目、死亡・重篤・入院等の重症例につきましては、後ほど、本文の中でその概要を情報公開していくということで、この作成に当たりましては、今日お集まりいただいている先生方に事前に記述をしていただきました。
 その下に、ワクチン別の接種者数というのがございますけれども、これが何回の接種が行われた中でこのような報告があったかという分母に当たるものでございます。各ワクチンこれだけの接種回数、接種者数があったということでございます。
 2ページ目、各論ということで、ここから各ワクチンに関する副反応の平成21年度1年間の報告の概要を先生方にまとめていただいたものでございます。1つ目にDPT、DTワクチンでございます。報告されたDPT、DTワクチンの接種後の副反応報告件数は228件でございました。24時間の以内の報告が91件、1日~3日での報告が137件でございました。年齢別に見ると、0歳代が36件、1歳代が72件、2歳代が61件、3歳代が13件などとなっております。症状別に見ますと、接種局所が肘を超えた異常腫脹というものが106件で36.8%でございました。アナフィラキシーが1件、39℃以上の発熱が19件、全身の発疹が13件、けいれんが4件でございました。
 特記すべき例として挙げていただいたものは、1歳2か月の男の子、1期初回接種2日後の哺乳中、突然ぐったりして救急外来を受診したというもので、けいれん重積があり頭部CTにて脳浮腫、全体的な低吸収域を認めたといったもので、原因となる疾患は不明でありますが、発達遅延、抗てんかん薬投与等も行われて、その後リハビリが行われたというものでございます。
 もう一例は、11か月の男児で、左顔面神経麻痺があったといった事例の報告がございました。
 2つ目、麻しんワクチンでございますけれども、麻しん、風しんの単独ワクチンは接種回数が少なく、副反応報告についてもほとんどないという状況でございました。
 4つ目、MRワクチン、これは麻しんと風しんの混合ワクチンでございます。報告されたMRワクチンの接種後の副反応報告の症例数が48例ございました。1人で複数の症状を認める場合があるため、報告件数としては63件でございまして、件数というのは複数あるものはそれぞれ重複してカウントしたものでございます。副反応の起きた時間としては16件が24時間以内、1~3日が17件、4~7日が8件、8~14日が12件、15~28日が7件、29日以上が3件などとなっております。年齢についても分布が記載されております。
 回復していると報告されたものが48件、回復していないと報告されたのが10件、その他は回復状況不明でございました。回復していないうち2件が脳炎・脳症の入院例、4件はその他の異常反応で、そのうち2件は入院例でした。血小板減少性紫斑病3例の報告があり、その他に1例血小板数が低くなっているという診断がされたものがございました。
 特記すべきものとしては、当日15分後に顔色が悪くなり、全身倦怠感、四肢のしびれ感、冷感、発汗等があった例。それから17歳の男児で当日に意識消失やけいれんがあった例。18歳の男児で5分後にけいれんや意識障害があった例。17歳の女児で1時間後に顔面のむくみ、蕁麻疹、咳、呼吸困難があったという例がございました。
 また、当日より後に起きた事象といたしましては、1歳の女児で9日目にけいれんが重積から脳症、DIC頸部麻痺があった例。1歳の女児で接種の30日目におびえがあり、その後歩行障害、排尿障害、深部腱反射亢進などあり、ADEMと診断された例。1歳の男児で接種の20日目に転倒回数が多く、その後さまざまな症状があって28日目にMRIが撮られADEMと診断された例。5歳の男児で6日目に発熱、その後ろれつが回らないといった症状があり、脳炎・脳症、ADEMと診断されたもの、こういった例がございました。死亡例はございませんでした。
 5つ目に、日本脳炎のワクチンでございます。報告された日本脳炎ワクチンの接種後の副反応の症例数としては31件でございました。症状といたしましては、1件アナフィラキシー、2件全身蕁麻疹というのがございました。また、脳炎・脳症に分類されるものはADEMとされたものが1件ございました。けいれんが1件、その他神経症状として分類されたものが2件ございました。
 記述が間違っているようですが、全身の発疹が合計3件発症いたしました。最も多かったのは39℃以上の発熱で11件、接種24時間以内が8件、3日目以内が3件、その他の異常反応が3件ということでございました。
 次のページ、重篤なものをいくつか挙げていただいておりますが、?として4歳3か月の男児、細胞培養日本脳炎ワクチンの接種15日目から発熱、頭痛、嘔吐、眼球上転、眼振などの症状が相次いで起こりまして、その後、ADEMの診断がされ、プレドニンが投与され回復し、症状の再発がなかったというもの。
 ?として5歳11か月の男児で、ワクチン接種後2日目に発熱、その後さまざまな症状がありまして、無菌性髄膜炎と診断されたもの。
 ?として5歳11か月の男児で、細胞培養ワクチン接種後1週間ごろにヘルパンギーナに罹患し、その後小脳失調を発症し、最終的には回復をしたもの。
 ?として3歳0か月の女児で、接種当日に発熱、けいれんがあったというもの。
 こういったものがございました。
 まとめとしてコメントいただいておりますけれども、全体として日本脳炎ワクチンは積極的干渉の差し控えが終わったという時期でございますので、接種者が増えてきているということ、その報告としては新しい細胞培養ワクチンが多かったということでございます。また、?~?の症例につきまして、それぞれコメントをいただいております。
 6つ目、ポリオワクチンについてでございます。副反応症例として報告された数は12例。男が8例、女が4例でございました。症状といたしましては、麻痺例が4例、その他の異常反応が4件、基準外報告とされているものが4件でございました。
 麻痺として報告があった事例につきまして、具体的には1つ目が10か月の男児でポリオワクチンの服用から14日目に発熱があり、16日目に左足を動かさなくなって、左弛緩性麻痺と診断され、3週間後の時点で回復をしていないというもの。
 2つ目に、1歳3か月の男児で服用から10日目に歩行障害が出現し、その後ポリオウイルスが陰性MRI正常であり、2か月後の報告時点では回復をしたというもの。
 3つ目に、1歳3か月の女児、服用後5日目に左手が動かず、左足の動きも悪くなったが11日目でほぼ回復をしていたというもの。
 4つ目に、1歳2か月の男児、服用後27日目に立ちあがらなくなり、28日目に右足に力が入らない状況で、4か月半の時点で未回復だったというもの。
 こういった報告がございました。
 7番目、BCGでございます。この期間の副反応報告の件数は77件でございました。6ページに副反応の種別としては腋窩リンパ節腫脹が41件、皮膚結核が19件、骨炎が2件、接種局所の膿瘍が1件、腋窩以外のリンパ節腫脹が3件、全身播種性BCG感染症はなかったということでございます。
 まとめの最初のところで、今期の報告事例はリンパ節腫脹が半数以上、残りの大半が皮膚結核様病変ということで、この数年来の傾向と同様であったということでございます。
 8番目、インフルエンザワクチンでございます。平成21年度に定期接種として報告された事例でございますけれども、52症例の52件ということでございました。内訳として即時性全身反応が8例、いずれも全身蕁麻疹であったということです。39℃以上の発熱が5例、全身の発疹が見られたものがそのほかに5例、神経系の副反応として3例が報告されたということでございます。
死亡例が2例出ておりますが、ワクチン接種日の死亡例2例は狭心症患者の急死、食道静脈瘤破裂も疑われるという例でございました。もう一例、死亡例がありまして、これについては接種後19日目でもともと結節性動脈炎肺線維症があったという症例でございます。
 まとめとしては、対象者も高齢者ということでございまして、ワクチン接種後に見られたこれらの症状について、予防接種との関連性が考えられない偶発事象なども含まれている可能性があるというコメントをいただいてございます。
 9ページ以降が資料となっておりまして、副反応報告書の様式、11、12ページが報告基準、13ページ以降がデータとなっておりまして、各ワクチンごとにデータを表にしております。14ページからがDPT、DTでございまして、症状と日数であるとか年齢、予後、回復している、していない、そういったことで分類して集計をいたしております。17ページからが麻しん、20ページからが風しん、23ページからMR、26ページからが日本脳炎、29ページからがポリオ、32ページからがBCG、35ページからがインフルエンザということで集計をまとめております。
 38ページ以降は、これまでこの仕組みで検討を始めてからの累計の数字をまとめているものでございます。
 ここまでが、平成21年度の報告書でございます。
 平成22年度につきましても、同様に報告書をまとめております。資料2の目次の後、2ページからが各論となってございます。
 簡単に概要をお話ししてまいりたいと思いますが、1つ目にDPT、DTワクチンつきまして、この年の副反応報告の件数は256件でございました。分類としては接種局所が肘を超えた異常腫脹が93件(36.3%)、アナフィラキシーが5件、39℃以上の発熱が32件、全身の発疹が13件、けいれん4件ということでございます。
 特記すべき例としては、6か月の女児で接種6時間後にぐったりし、2日後にけいれん重積があったというもの。
 2つ目に1歳7か月の男児で、1期接種3回目の接種翌日に強直性間代性けいれん、無呼吸といったものがあり、脳症と診断されたもの。既往にてんかんがあったということでございます。
 3つ目に13歳2か月の男児で、DT2期接種の43日後にさまざまな症状があって、ADEMと診断され、その後症状は改善したというもの。多発性硬化症の可能性も考えられるという報告でございました。
 2つ目に麻しんワクチン、3つ目に風しんワクチンについては、副反応の報告はございませんでした。
 4つ目、MRワクチンの副反応報告は44例、件数としては57件でございました。日数別、年齢別のコメントの後に回復していると報告されたのが36件、回復していないと報告されたのが9件ということでございました。回復していない9件のうち1件はけいれん、2件はその他の神経障害ということで、特記すべき例としては、13歳男児において29日後に歩行困難、排尿困難等があり、ADEMと診断されたもの。17歳女児で接種11日後に両足首以下のしびれ、歩行障害、膀胱直腸障害等があり、全感覚障害があったというもの。1歳男児において9日後に高熱、強直性けいれん、意識障害を認めたというものがございました。また、血小板減少性紫斑病の報告は5例、いずれも1歳ということでございました。
 5つ目、日本脳炎ワクチンでございます。報告された副反応報告は148件でございました。即時性全身反応が6件、うち1件がアナフィラキシー、5件が全身蕁麻疹です。脳炎・脳症に分類されるものが3件、けいれんが12件、運動障害が3件ということでございました。その他の神経障害として分類された報告が4件でございました。1件目が10歳2か月の女児、接種間もなく接種側と反対のしびれ、同じ方のしびれがあり、その後さまざまな症状があって多発性ニュウロパチーを疑われたというもの。2件目に3歳4か月の女児で、奇異な行動があって、その後自然に症状が消失したというもの。3件目に7歳の男児で、接種26時間後に眼前がぼやけるといった症状があった。更に2日目に頭痛がひどく、立位歩行ができなかったというもの。これは3日目から軽減、回復していったということでございます。4件目は接種3日目に発症した無菌性髄膜炎でございます。最も多かったのは39℃以上の発熱が70件ということで、うち接種後24時間以内が50件ということでございました。
 重篤な副反応の報告を挙げていただいておりますが、1つ目に5歳2か月の男児、接種後7日目からさまざまな症状があり、意識減損、両上下肢のピクツキといったものがあって、脳波異常もあったということで急性脳症と診断されましたけれども、回復との報告があったものでございます。2つ目に5歳2か月の男児、日本脳炎ワクチン1期追加を接種して接種後1~3日目に発熱などの症状がありましたが、その後てんかん発作、複雑部分発作を認めたというもので、入院後も重積発作で重積型脳炎と診断されたというもの。3つ目、9歳2か月の女児、日本脳炎ワクチンの接種45日後からしびれ、意識障害等があり、Rasmussen症候群と診断されたというものでございます。
 まとめとして、日本脳炎ワクチンの接種は平成22年度から接種者が増えたという記載をしていただいてございます。平成22年度のこの報告につきましては、最初の集計報告の1ページ目のところに21年度と違って接種者数の統計がまだ整備されていないということで、数が載ってございませんけれども、日本脳炎につきましては例年の接種者数と大きく変動がありましたので、参考資料1の2ページに御参考までにワクチンメーカーの出荷量を記載させていただいております。
日本脳炎のワクチンの接種者数は平成16年度までは毎年400万回程度の接種がございましたが、積極的干渉の差し控え以降、平成17年度から20年度までは非常に少ない件数となりました。21年度から新たな細胞培養ワクチンが承認されたということで徐々に回復しておりまして、22年度は約500万回分のワクチンが出荷され、ほぼ接種されたと考えてございます。
 こういった接種者数の増加等も踏まえて、報告数も増えているということでございます。
 6つ目にポリオワクチンでございますが、副反応症例として報告されたのが12例でございました。
 麻痺例について御紹介いただいておりますが、1つ目が9か月の女児、ポリオ服用後18日目に発熱し、その後、左上肢麻痺や右上肢・左下肢の筋力低下が出現し、一部回復したものの麻痺や筋力低下が残っているもの。
 2つ目に、1歳10か月の男児で翌日から筋力低下などがありましたが、2日目には自立歩行可能であり、報告時点、発症約1か月後で後遺症なく回復したもの。
 3つ目に、11か月の男児、ポリオ服用後16日目に発熱があり、下半身を動かさないといった症状。その後、弛緩性麻痺などの症状があり、横断性脊髄炎の疑いがあるというもの。
 4つ目に、2歳3か月の男児、これは基礎疾患として脊髄空洞症のある方でございますけれども、ポリオ服用後の44日目、右足に体重をかけると転ぶといったことで、報告時点(発症4か月後)でも麻痺のため歩行が不安定であったというものでございます。
 7つ目にBCGワクチンでございますが、副反応の件数としては92件ございました。副反応の種別としては、腋窩リンパ節腫脹が42件で最も多く、次いで皮膚結核が21件、骨炎が5例、他に接種局所の膿瘍が7例、腋窩以外のリンパ節腫脹が4件、全身性播種性BCG感染症が1例ということでございました。
 重篤なのは全身性播種性BCG感染症でございますが、7ページの真ん中辺りにコメントがございます。このように分類された1例は、生後3か月で接種された男児でございますけれども、左そけい部に難治性の潰瘍で発症し、その後腋窩にも同様の潰瘍が出現しましたが、検査で結果的にこの方は慢性肉芽腫症という免疫不全であったことが、このことをきっかけにしてわかったという方でございました。
 「まとめ」として、今期の報告事例は、リンパ節腫脹が半数以上、残りが皮膚結核が多いということで、この数年来みられるものと同様であったということでございます。
 8つ目にインフルエンザワクチンでございますけれども、平成22年度のインフルエンザワクチンにつきましては、新型インフルエンザワクチンの接種事業と定期接種を一体的に行いましたので、別枠で評価をしていただいております。この年度に報告された事例が幾つかございましたが、これはこの年に接種されたものではなく、その以前に接種されたものが遅れて報告されたものでございました。7例の報告がありまして、発熱が2例、発疹が2例、血圧低下と肝腎障害の死亡例が1例、その他の死亡例が1例ということでございました。
 死亡例の1つ目は、88歳の男性で、ワクチン接種後2時間20分後に熱感が出現し、結果的に38日目に死亡されたもの。
 2つ目は、肺炎で入院治療の途中にインフルエンザワクチンの接種4日目に死亡されたという報告がございました。
 説明が長くなってしまいましたけれども、反応報告についての説明は以上でございます。
○加藤座長 ありがとうございました。ただいまの案につきまして、各委員から御意見がございましたらばお伺いいたしますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○多屋構成員 平成21年度の日本脳炎ワクチンのADEMと報告された症例なんですけれども。
○加藤座長 何ページですか。
○多屋構成員 4ページです。今年度初めてのADEMの症例であると記載がなされている部分なんですが、たしかこの患者さんはこの後、日本小児科学会での御報告で学会抄録をお出しになられた後、別のウイルスが検出されて、そのためによるものと考えられて、たしか演題自体を取り下げられた患者さんではないかと思います。
 ここにこういうふうに残っていきますと、ずっと日本脳炎ワクチンでお一人新しいワクチンになってADEMの患者さんがいらっしゃったことが残ってしまいますので、もし後で否定されたということがあれば、記載がなされるか、診断名がどうであったかという詳細を加えられた方がいいと思ったんですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 ありがとうございます。前回もこれは少し話題にしましたけれども、まとめの段階で各ドクターの意見は、各構成員の意見は書かないというお約束事がありますね。それに抵触する可能性があるかもしれないということでおっしゃっているのではないかと思うんですけれども、同じような意見を私の意見で述べさせていただくと、7ページの前にもう少し明確にありますが、22年の報告書の中の5ページ目のところで、やはり日本脳炎のところなんですけれども、まとめのところで、これは大矢先生だと思うんですけれども、ワクチンとの因果関係は判断できない。2番目も無菌性髄膜炎の症例は、紛れ込みか否かは判断できないと書かれているわけですが、これは報告者がこう言っているのか、であれば問題はないんですけれども、これは大矢先生の御意見だとすると、当初のこの委員会のお約束事と若干違ってきまして、この委員会では上がってきたことを素直に、ただ記載するだけにとどめましょうということになっていたと思うので、その辺のところがちょっとはみ出している気がいたします。
 それから、今、多屋先生がお話になったことも若干、このまとめのところには書かなくても、報告者はADEMと報告したというところでとどめておけば。
○多屋構成員 そのときはそうだったんですが、その後、たしか否定を。
○加藤座長 それは後になってみなければわからないことなので、報告者が報告したことを素直にここで記載するということが、この委員会の趣旨だと思いますので、その理由は何だったかというところまでは追求しないという約束だったと私は考えているんです。
○多屋構成員 残ってしまうのがよいのかなと思ったもので。
○加藤座長 ですから、まとめのところに書かれてしまうと、構成員がそのように考えたという形になってしまうので、その上の方は、少なくとも接種22日目のMRIで、この報告者はADEMと診断したことは間違いのない事実なので、これは報告者が報告したとおりを書いているだけの話ではないかと思いますが、一例一例を追求していくのではなくて。違いますか。気持ちはわかるんですけれども。
 それと同じように、やはりこれは大矢先生のところなんですけれども、7ページのまとめの一番下のところです。この報告書の初めに述べられているようにと書かれてありますので、あえてここのところで、これは稲松先生ですね。報告書の初めに述べられているということが書かれているので、あえてこの死亡例はワクチンとの因果関係は考えにくいという記載ですけれども、ここをあえて書く必要が果たしてあるか。
 これを書く必要がないために前段で断り書きがしてあるわけなので、今まではそういう解釈だと思いますが、いかがでしょうか。
 どうぞ。
○大矢構成員 前提がそういうことであれば、これはやはり問題を起こすと思いますので、今の意見に従って大丈夫だと思いますので、訂正したいと思います。
 ただ、今までの中で、一番最初から最後までで少しずつ変わってきた部分があったと思うんですけれども、その記録は前のものもずっと残っていて、一番最初からこのような形ではなされていなかったと思います。
 ただ、今回ここのところで書いた問題としては、ほかのワクチンと違って新しいワクチンができてきているということがありますので、少し詳細に書いたという部分があります。ただ、今、座長がおっしゃるように意見を書かないということであれば、これは当然削除すべきだろうと思いますし、改訂すべきだと思いますので、それに従うつもりでございます。
 ただ、与えられた情報が非常に少ないので、確かにそういう形で決めていただければ、それはそれなりに論理性があると思いますので、これは削除したいと思います。
○加藤座長 ほかに構成員の方で御意見はございますか。
 そうすると、構成員が書かれたことで、自己判断的に書かれたことは削除するということでよろしいですか。事実関係だけを述べると。
○稲松構成員 気持ちの上で、読んだ国民の誤解を避けるために、どうしても何か一言言いたかったから書いたということで、全体の統一性を持たせるために前段に書いてあるから重複は避けるという大前提を立てていただければ、それに従います。
○加藤座長 ほかの構成員の御意見はいかがでしょうか。
 堺先生、何か御意見ありませんか。
○堺構成員 特にコメントはありません。
○加藤座長 どうぞ。
○多屋構成員 それに関連してなんですけれども、こうやって記載物として残っていくことを考えますと、例えば未回復という結果でとどまっている場合については、できれば一定期間の後に、その後の回復状況などを問い合わせるなり、積極的疫学調査に近いものになると思うんですけれども、そういったことができれば、その後、回復されているとか、原因がわかったということももう少し実際の事実に記載が加筆できるんではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○加藤座長 それはまた別問題で、そうではなくて今お話しているのは、各担当の先生が御自分の意見を書いていいかどうかというお話です。書かないことにしませんかという約束ではなかったかというお話です。書くとすれば、ここでディスカッションしないと無理ではないかと。それについていかがでしょうかと質問したんです。先生のは今後のシステムの問題ですね。
○多屋構成員 はい。先生方が書かれたお気持ちというのは、恐らくそうではないかということで書かれていると思うんですけれども、そこを例えば事実に基づくという記載にするという原則にのっとって、未回復の方について、例えばお問い合わせして、今回のことが結果こうだったということがわかれば、その事実だけを書くというところの基準からも外れず、また先生方のお気持ちを書かれることもない、両方がうまく結び付くんではないかと感じましたので申し上げたんですけれども、できるか、できないかは別として、ずっとADEMが1例残ってしまうということについて、ちょっと心配な部分もありましたので意見を申し上げた次第です。
○加藤座長 先生がお気にされているのは、構成員の先生がADEMと書いたことですか。
○多屋構成員 多分、報告書にADEMという記載があったんですね。
○加藤座長 あるんでしょ。だから、それをそうではないとは言えないわけです。
○多屋構成員 言えないと思います。その後、公的な学会などの場でお取り下げされたり、結果が変わって公表されていましたので、そちらの方が反映されずに、こちらはADEMで残り、他方は別のウイルスが検出されたということで取り下げられたということが、この方について確かにあったので、そういうふうに気になったところです。
○加藤座長 だから本当は、もしすべての例でわかれば、このまとめのところにこういう報告があったけれども、実際はそうではなかったと書きたいわけですね。
○多屋構成員 そうですね。
○加藤座長 でもそうはいかないので。
 それでは、事実を淡々と書いていただくというお約束どおりということでよろしいですか。
(「はい」と声あり)
○加藤座長 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。
 事務局、おわかりですね。
○林課長補佐 その目で確認させていただいた上で、最終的には座長に御相談したいと思います。
○加藤座長 ほかにいかがですか。どうぞ。
○多屋構成員 今、Hib肺炎球菌のワクチンと三種混合のワクチンが同時接種されている例も多いかと思うんですけれども、Hibと肺炎球菌の副反応の報告基準の中でADEMにつきましては、報告基準の日数がたしか延びて、7日を21日にしていたと思うんですけれども、この報告基準は特に見直しということはなく、これはこれで7日のままでいくということでよろしいんでしょうか。
○加藤座長 とりあえずのところは、今日の議題に沿ってまず進めてください。
 ほかに、いかがでしょうか。よろしいですか。
 それでは、先に進めさせていただきます。続いて議題の2番目、平成21年度及び22年度の予防接種後健康状況調査集計報告書の案につきまして、事務局より御説明いただきます。
○林課長補佐 それでは、資料3~6に基づいて御説明をさせていただきます。これも2か年分の報告をまとめておりますけれども、資料3が平成21年度の前期のもの、資料4が平成21年度の前期のものと1年分まとめたものを合わせたもの、そして資料5、6がそれぞれ平成22年度のもので、資料5が前期、資料6が後期と累計という構成になっております。
 資料3に基づいて調査の概要を御説明させていただいた上で、あとはかいつまんで報告の内容を御説明させていただこうと思います。
 資料3の1ページ、調査の概要でございます。2の実施主体ということで、厚生労働省が自治体や日本医師会、医療機関等の協力を得て実施をいたしておるものでございます。
 「3 調査対象」としては、?~?にありますように、DPT、DT、ポリオ、MR、それから日本脳炎、BCG、インフルエンザ、こういったワクチンについて、これからのワクチンの接種を受けた方々を対象といたしております。
 「5 実施機関」にありますけれども、各都道府県において、各ワクチンについて医療機関を選定して、あるいは集団接種によって行っているものについては市町村を選定して、その調査を行っていただいております。
 どのように行うかということにつきまして、6の「(1)実施機関」で、医療機関あるいは市町村は「予防接種後健康状況調査表」というものを保護者等に配付して、記入をしていただくことになります。
 そして、保護者から実施機関あてに郵送された調査表を都道府県がとりまとめることになります。
 どのような調査表を用いているかというと、6ページからでございます。それぞれのワクチンについて異なっておりますけれども、代表的な症状について、例えば7ページですとDPTワクチンでございますが、発熱、注射した部位の異常、ひきつけ、嘔吐、下痢、せき・鼻みず、その他の症状といったようなもので、それがあった場合には、その時期や症状の程度といったものについても併せて書いていただくことになっております。
 その他の症状があったかどうか、そして医師に受診したかどうかということも併せてお尋ねしております。
 ワクチンについて、同様の調査表を設けておりまして、このような調査表を予防接種を受ける対象となるすべての方にお渡しして、御記入をいただいて、一定期間の後に返送いただくということを行うものでございます。
 したがいまして、この調査でわかるものは、冒頭も申し上げたとおり、軽微な副反応も含めて、全体の接種者の中での頻度といったことがわかることになります。
 33ページが、21年度前期の集計報告となっております。この前期のところの総論というところを簡単に御説明をさせていただきます。データについては、前期、後期、累計とありますので、1年分まとめたデータを御紹介したいと思います。
 総論のところでは、調査の方法が書いてございます。今、申し上げたようなところでございますけれども、報告の手順として保護者に対して趣旨を説明し、同意を得た後、台帳に登録し、健康状況調査(ハガキ)をお渡しして、記入要領を説明し、返送されたものをまとめるといったことが書いております。
 34ページ、本調査は、通常の副反応(発熱、発赤、発疹、膨張)や、まれに起こる副反応(アナフィラキシー、脳炎、脳症等)に加えて、これまで予防接種の副反応として考えられていない接種後の症状についても報告できるように設定しております。
 登録者全数から回答ができるだけいただけるように、よく説明をして行っているものでございます。
 8番、この結果は、こういった場で御検討いただいた後、予防接種を実施する関係者に還元し、公表することにしております。
 35ページ以降が各論となっております。ワクチンごとの説明、そしてその後、集計表が47ページから付いております。この資料3が9月までの前期のものでございます。
 資料4が後期のものと累計となっておりまして、103ページまで21年度の後期のものでございます。104ページからが、前期・後期を合わせた集計報告でございますので、主にこちらを御説明させていただこうと思います。
 106ページ、DPT・DTというところから御説明します。
 1つ目に、DPT1期初回1回目で、この調査の対象者数が1,498名、このうち何らかの症状を呈した方が364人、件数、これはさまざまな症状が重複したものもカウントするという意味でございますが、発生件数としては505件でございました。
 症状の内訳としては、37.5℃以上38.5℃未満の発熱が61件(4.1%)、38.5℃以上の発熱が32件(2.1%)、局所反応が150件(10.0%)、けいれんはなかった。嘔吐が合計28件(1.9%)、下痢は57件(3.8%)、せき・鼻みずが合計177件(11.8%)ということでございました。
 DPT1期初回2回目については、対象者数が1,276人、このうち何らかの症状を呈したのが410人、発生件数が540件でした。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱が38件(3.0%)、38.5℃以上の発熱が32件(2.5%)、局所反応が268件(21.0%)、けいれんはない、嘔吐は14件(1.1%)、下痢は39件(3.1%)、せき・鼻みずは149件(11.7%)でございました。
 DPT1期初回3回目については、同様に調査が行われていまして、対象者数が1,107人、何らかの症状を呈したのが342人、発生件数が461件でした。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱が34件(3.1%)、38.5℃以上の発熱が43件(3.9%)などとなっております。同様の構造でございますが、局所反応については、DPTの場合は接種回数が増えるに従って少し増えてくる傾向もございまして、初回の3回目では189件(17.1%)でございました。それ以外の症状については、1回目、2回目とほぼ同様の数字でございました。
 108ページ「4 DPT1期追加」についても1,081人について調査が行われておりまして、何らかの症状を呈したのが552人、発生件数が850件でした。
 多くの症状について、1回目から3回目と同様でございますけれども、局所反応については、合計425件(39.3%)、1期追加接種での局所反応が最も多い結果でございました。
 「6 DT2期」については、2,538人を対象に調査を行いまして、何らかの症状があったのが998人、件数で1,093件でございました。
 37.5℃以上38.5℃未満の発熱が26件(1.0%)、38.5℃以上の発熱が24件(0.9%)、局所反応は941件(37.1%)、けいれんはない、嘔吐は11件(0.4%)、下痢は28件(1.1%)、せき・鼻みずは63件(2.5%)という状況でございました。
 まとめとして、各項目で従来の調査結果と大きな相違はなかったということでございます。
 接種後の嘔吐、下痢、せき、鼻みずにつきましては、28日を通して大きな発生率の相違はなく、このワクチンを接種する年齢に見られる健康状況ではないかといった評価をいただいております。
 110ページ、MRでございます。
 「1 MR1期」は、対象者が12か月~24か月の方でございますけれども、調査の対象が3,888人、うち何らかの症状があったのが836人、発生件数が1,010件でございました。
 このうち発熱が672件で、うち37.5℃以上38.5℃未満のものが231件(5.9%)、38.5℃以上のものが441件(11.3%)、局所反応は64件(1.6%)、けいれんは12件(0.3%)、蕁麻疹は70件(1.8%)、発疹が167件(4.3%)、リンパ節腫脹が19件(0.5%)でございました。
 「2 MR2期」は、対象者は学齢期に入る1年前の学年の方でございまして、年齢で言うと5歳~7歳に当たります。この調査の対象が2,953人、何らかの症状があったものが313人、発生件数が366件でございました。
 発熱については175件(5.9%)報告があり、37.5℃以上38.5℃未満が77件(2.6%)、38.5℃以上が98件(3.3%)、局所反応は77件(2.6%)報告がありました。けいれんが1件(0.0%)、蕁麻疹が37件(1.3%)、発疹が21件(0.7%)、リンパ節腫脹が17件(0.6%)、関節痛が38件(1.3%)報告されました。
 「3 MR3期」は、対象者は中学1年生に当たりますけれども、調査の対象が1,372人、このうち症状の報告があったものが70人、発生件数が79件でございました。
 発熱が30件(2.2%)で、うち37.5℃以上38.5℃未満が18件(1.3%)、38.5℃以上が12件(0.9%)、局所反応は16件(1.2%)、けいれんはなく、蕁麻疹が6件(0.4%)、発疹が14件(1.0%)、リンパ節腫脹が5件(0.4%)、関節痛が8件(0.6%)でございました。
 「4 MR4期」は、高校3年生相当で、調査の対象が778人、何らかの症状があったものが30人(3.9%)でございました。
 観察期間中に発熱があったものが10件(1.3%)で、うち37.5℃以上38.5℃未満が4件(0.5%)、38.5℃以上が6件(0.8%)、局所反応は11件(1.4%)、けいれんが1件(0.1%)、蕁麻疹が2件(0.3%)、発疹が2件(0.3%)、リンパ節腫脹が3件(0.4%)、関節痛が4件(0.5%)報告されました。
 次に日本脳炎でございます。
 日本脳炎の1期初回1回目は、対象者数は1,499人、接種された年齢は0歳~7歳でございます。何らかの健康異常を来した方は168人で対象者の11.2%を占めました。
 発現された症状で見ますと、37.5℃以上の発熱が128件、接種部位の局所反応が30件、蕁麻疹が12件、その他の発疹が13件、けいれんはなかったということでございます。
 1期初回2回目は、対象者数は865人のうち健康異常の報告があったものが85人(9.8%)でした。
 症状としては、37.5℃以上の発熱が最も多く、そのほか接種部位の局所反応が2.1~5.0%、蕁麻疹が6件、発疹が5件、けいれんが1件、脳炎・脳症の報告はなかったということでございます。
 1期追加でございますけれども、428人の対象者で、健康異常があったのが43人(49件)で10.0%、発熱がその中では最も多く、そのほか接種部位の局所反応、蕁麻疹、発疹も若干みられたということでございます。
 114ページの日本脳炎ワクチンの2期でございます。対象者数は305人、年齢は9~12歳でございますが、何らかの健康異常があった方が5.2%、発熱が7件、接種部位の局所反応が7件、そのほかの発疹が3件でございました。
 まとめとして、今回も従来と同様、副反応の主なものは発熱、局所反応、発疹であるということ。接種年齢が若いほど発熱、局所反応が多いが、年齢が高くなるにつれ発熱は少なく、むしろ局所反応は増加する傾向があったということでございます。
 次にポリオでございます。
 ポリオ1回目は、接種対象者数が3,118人、このうち658人(21.1%)の方から何らかの健康異常の報告があり、846件ございました。うち発熱が371件、けいれんが4件、嘔吐が100件、下痢が371件でございました。
 ポリオ2回目は、接種対象者数が2,656人、このうち551人(20.7%)の方から何らかの健康異常の報告があり、752件ございました。うち発熱が370件、けいれんが4件、下痢が285件でございました。
 全体で見ますと、35日までの観察期間中、無症状が78.9%、38.5℃以上の発熱が8%、けいれんが0.15%、嘔吐が3.4%、下痢が11.3%、これらの結果はこれまでとほぼ同様の傾向であり、大きな変化はないということでございます。
 BCGでございます。
 調査対象者数が4,285人、これらの方のうち45人(1.1%)に何らかの異常がございました。その異常の種別について見ますと、リンパ節腫脹が30人、局所の湿潤が16人、けいれんは見られなかったということでございます。
 接種局所の針痕に関する観察が行われておりまして、全体では15~18個の方が75.0%であったということでございます。
 全体としては、このような報告となっておりまして、その後、集計表が付いております。まず、118ページからがワクチンごとの年齢別、性別の健康異常の発生状況でございます。
 129ページからが、年齢別プラス症状別の発生状況となってございます。
 142ページからは、発現日別と症状別という集計になってございます。
 171ページから、今度は製造所別の集計ということで、これらの副反応がメーカー別にどのようであったかということを記載しております。
 172~178ページまで文書でまとめをいただいておりますけれども、ややこしくなりますので表の方をごらんいただきますと、179ページについてはDPTについて、それぞれ武田薬品、北里、化血研、微研の4社につきまして、調査の対象者数と健康状況のそれぞれの項目の報告の頻度が記載されてございます。大きな差がある場合は、こういった形でわかりやすくなってございます。
 186ページ以降は、更にこれが発現日別に集計されているものでございます。
 これで1年分、平成21年度の集計となりますけれども、後ろの方には更に、255ページ以降でございますが、平成8年度~平成21年度の累計で、これまでの調査結果をすべてプールして合計するとどうであったかという集計を付けさせていただいております。
 資料5と資料6が、平成22年度のものになります。資料5が前期のもの、資料6の前半が後期のもの、そして資料6の102ページから後が平成22年度の1年分をまとめたものとなってございます。平成22年度のものにつきましては、すべて読み上げるとまたお時間もかかりますので、それぞれごらんいただければと考えてございます。報告書の構成としては同じようなっておりまして、104ページからがDPT、DTについての健康状況について報告、107ページからがMRについて、110ページからが日本脳炎について、112ページからがポリオについて、114ページからがBCGについてということでございます。それぞれ数値についておまとめいただいているとともに、例年と大きな相違はなかったといったコメントをいただいております。
 製造所別の集計につきましても、この年も行っておりまして、169ページからが製造所別の集計となっております。集計表は177ページ以降でございますけれども、メーカー別にどのような報告状況であったかということがわかるようになってございます。
 説明は以上でございます。
○加藤座長 どうもありがとうございました。ただいま御説明いただきました案につきまして、各構成員の方々から御意見がございましたらばいただきたいと思います。
 どうぞ。
○堺構成員 資料4の182ページの製造所別で、MR3期と4期しかありませんが、後ろの方の資料6の180ページのところは、MR1期、2期、3期、4期そろっていて、だから、MRの1期と2期が抜けてますね。足しておいてください。
○林課長補佐 大変申し訳ございませんでした。単純に抜けているということでございますので、追加をさせていただきます。データにつきましては、一応更に細かいデータにはなってしまいますが、211ページから発現日別の更に細かい集計になってございますが、集計してございますので、データについては確かにございます。
○加藤座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。
 特にないようでしたらば、今日、予定いたしました議事は以上でございまして、議事は終了ということになりますが、その前に、どうぞ。
○正林結核感染症課長 先ほどの多屋先生からの御指摘がずっと気になっていて、今後ではなくて、先ほどの日本脳炎のADEMのケースなんですけれども、ここの場の方針として余り構成員の評価というか意思が入らないような形でファクトをまとめていく方針は賛成なんですけれども、これは報告があった時点ではADEMで報告が来てしまっているので、それはファクトとして書くんですけれども、まとめのところでも、先ほどのお話では、この方は学会等でADEMでないということ、ほかの原因だということが。
○多屋構成員 小児科学会雑誌の方に、そういうことのために取り下げるという文章が載っておりました。
○正林結核感染症課長 ということなんですね。取り下げるというファクトがわかっていて、確かにあえてそれを載せていることに何か不自然さを感じるというか、そうであればまとめのところにファクトとしてこのケースについては取り下げがあったことを書く必要はないでしょうか。
○加藤座長 それは、だから、先ほども申し上げたとおりで、すべてがそれで議論されていればきれいなんですが、そのものだけにわかっている症例なので、そこだけをまとめとしてファクトとして書くと片手落ちになる可能性も中にはあるので、まとめの中に書かない方がいいだろうというのが私の考え方です。
○正林結核感染症課長 どこか別のところに。
○加藤座長 いえいえ、まとめの中に、あえてまたここでADEMであったということを構成員の先生が書く必要はないでしょうと。報告書が上がってきたことは事実ですから、これは書かざるを得ないですね。このシステム上。だけれども、その因果関係があるかどうかということは別ですということは、ADEMではなかったということですね。
○多屋構成員 別のウイルスが検出されたために、演題自身を取り下げるという明記がされていたのは事実だと思います。
○正林結核感染症課長 構成員の先生方の見解が入るわけではなくて、取り下げたという事実があったということを書くのは、そんなにおかしくないような気がするんですけれども。
○加藤座長 どうぞ。
○堺構成員 私は座長の意見に賛成です。全部をフォローすることは不可能で、たまたまそういうのが学会に出てきたということだけで、それだけをここの報告書のどこかに載せるということ自体不自然というか、やはり整合性がないように思います。
 前回の座長の御指示で、ここに出てきたデータだけについて述べるようにということでございまして、そういうやり方というのは一度決めたら変えるべきではないと思っております。
 やはりいろいろなファクターを盛り込み切れないだろうと思います。回復したかどうかを後からもう一回追跡することも恐らく不可能だと思います。予防接種後副反応報告のまとめは出てきたものを、その時点で集計しているというやり方です。私は平成6年からこの委員会の委員をずっとやらせていただいておりますこのようなやり方で来たので、途中でやり方は変えるべきではないし、この集計を継続していることの意味は、そこにあると思います。同じやり方でずっとやってきて、動きがわかっている。それでいいと私は思っております。
○正林結核感染症課長 わかりました。
○加藤座長 という意見で、私ももうそろそろ辞めたいんですが、平成6年から同じことをやっているので、そういう約束事できているわけなんですね。あるワンポイントだけがクリアーになったので、そこだけ入れますよとなると、例えば先ほどお話ししたようなまとめの中で構成員が紛れ込みか否かは判断できませんと書いてあるのが、実はそうではなくて本当だったということが出てくるかもしれないということもあり得るので、一部では取り上げて、一部ではファジーにしておくということが起きるので、今まではそういうことはやらなかった。今後の課題かとは思いますけれども。
○正林結核感染症課長 わかりました。報告書としての編集方針としては、そのやり方で、あとは事務局がこれを公表する段階での発信の仕方の工夫かなと思いますので、了解しました。
○加藤座長 よろしゅうございますか。
 そうすると、今日、用意いたしました議事は終了でございますけれども、何か事務局からございましたらば、どうぞ。
○飯野課長補佐 健康局長の外山から一言ごあいさつ申し上げたいと思います。
○外山健康局長 健康局長の外山です。ほとんどの方、ごあいさつしたことあると思いますけれども、国会の方に呼ばれまして遅れて済みませんでした。
 本日は、平成21年度、22年度の副反応報告書と健康状況調査の集計を行っていただきましたけれども、お忙しい中、本当にありがとうございました。
 先ほど集計の仕方というか、お話を横で聞いておりましたけれども、一定の約束事で報告することになっていることであれば、そのとおり報告していただいて、ありがたいというか、それで結構だと思っています。それは我が方がそれを受けてどうするかというのは、また別の話でありますので、ありがたくちょうだいしたいと思っております。
 それから、現在この副反応報告制度を含めまして、今回、ほかもオープンにしたということで、プライバシーに気を付けながら今回オープンになったわけでございますけれども、現在、加藤先生の予防接種部会の方で予防接種制度の抜本改革を今、検討しておりまして、その中で副反応報告の取扱いにつきましてもいろいろ検討すべき課題になっておりますので、今後ともこういった副反応報告の取扱いにつきましても、更にいい方向で評価・分析できるようにいろいろ改善できることがあれば改善したいと思っておりますので、その際に先生方の御意見も賜りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○加藤座長 どうぞ。
○多屋構成員 ちょっと議題にはないんですけれども、前回のこの検討会が公開ではなかったんですが、前回の検討会のときに報告基準についてこの構成員の中で見直そうということで、各先生方担当の疾病について報告基準を見直しして、これでいきましょうというところでたしか終わっていたと思うんですが、それについては今後はどのようになりますでしょうか。
○加藤座長 それは今、局長がおっしゃったように、今後部会で行われるか、どこで行われるかわかりませんけれども、全体の副反応報告の在り方について検討した上で決定していくということでよろしいですか。
○外山健康局長 報告だけではなくて、予防接種制度全体の制度設計の中で、他の制度とも比較しながら議論していって、その際また必要があれば先生方の御意見も聞きたいと思いますけれども、そういう手順を踏みたいと思っております。
○加藤座長 先ほどの先生のADEMの21日とか、そういう話ですね。そういう話もひっくるめて。
○多屋構成員 その話も含めて議論中と。
 あともう一つあるんですけれども、インフルエンザの副反応報告が今年度から体制が変わって、たしか定期に関わらず、1つのルートで報告することになったと聞いているんですけれども、こちらの方の報告書については、この平成22年度分までで、平成23年度分からこの報告書の中にインフルエンザは出てこないというふうになるんでしょうか。それとも、そちらに報告されたものが別途こちらでもインフルエンザとしてまとめられる、継続性を持ってまとめられることになるんでしょうか。
○加藤座長 それは事務局からお願いします。
○正林結核感染症課長 繰り返しになりますが、そういうことも含めて今、予防接種部会で議論していただこうと思っています。
○多屋構成員 わかりました。
○加藤座長 ほかになければ、では事務局、どうぞ。
○飯野課長補佐 本検討会のまとめにつきましては、近日中に副反応報告書集計報告書及び健康状況調査報告書集計報告書を自治体に配付するとともに、厚生労働省ホームページにも掲載いたしますので、よろしくお願いいたします。
 また、本検討会の次回の開催につきましては未定でございますので、改めて事務局より皆様に御連絡差し上げます。
 本日は、長時間にわたり御議論をいただき、誠にありがとうございました。これをもちまして、本日は終了といたします。


(了)

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