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2011年6月28日 第45回労災保険部会議事録

労働基準局労災補償部労災管理課

○日時

平成23年6月28日(火)10:00~


○場所

労働委員会会館 講堂
(東京都港区芝公園1-5-32)



○出席者

委員<公労使別五十音順>

荒木 尚志 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
岩村 正彦 (東京大学大学院法学政治学研究科 教授)
大前 和幸 (慶應義塾大学医学部衛生学公衆衛生学教室 教授)
中窪 裕也 (一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授)
林  真奈美 (読売新聞東京本社社会保障部 記者)
大江 拓実 (全国建設労働組合総連合 書記次長)
黒田 正和 (日本化学エネルギー産業労働組合連合会 事務局長)
齊藤 惠子 (UIゼンセン同盟政策局 部長)
新谷 信幸 (日本労働組合総連合会 総合労働局長)
明石 祐二 (社団法人日本経済団体連合会労働法制本部 主幹)
伊丹 一成 (新日本製鐵株式会社人事・労政部 部長)
小島 政章 (株式会社竹中工務店 安全環境本部長)
長岡 英典 (社団法人大日本水産会 漁政部長)

事務局<順不同>

尾澤 英夫 (労災補償部長)
木暮 康二 (労災管理課長)
瀧原 章夫 (調査官)
野地 祐二 (労災保険財政数理室長)
須永 敏良 (主任中央労災補償監察官)
河合 智則 (補償課長)
渡辺 輝生 (職業病認定対策室長)
若生 正之 (労災保険審理室長)
植松 弘 (労災保険業務課長)
美濃 芳郎 (労働保険徴収課長)
亀澤 典子 (環境改善室長)

○議題

(1)省令改正等(諮問)案件について
 ・労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について(諮問)
 ・労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱(諮問)
(2)東日本大震災への対応に関する特例措置について(報告)
(3)平成23年度第1次補正予算について(報告)
(4)社会復帰促進等事業に係る平成22年度成果目標の実績評価及び平成23年度成果目標について(報告)
(5)労災保険財政検討会の結果報告等について(報告)

○議事

○労災管理課長 定刻より若干早いですが、ただいまから第45回労災保険部会を開催します。本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。労災管理課長の木暮です。今回は、委員改選後の初めての部会ですので、部会長選出まで私が議事進行を務めさせていただきます。議事に入る前に、新しく本部会の委員に就任された皆さまをご紹介します。お手元の資料の参考8-1に委員の名簿を配付していますので、適宜ご参照ください。
 順に紹介します。新しく委員に就任された方のみをご紹介します。公益代表荒木尚志委員です。
○荒木委員 東京大学で労働法を担当しています荒木と申します。どうぞよろしくお願いします。
○労災管理課長 続いて大前和幸委員です。
○大前委員 大前です。労働衛生をずっとやっています。よろしくお願いします。
○労災管理課長 林真奈美委員です。
○林委員 読売新聞社会保障部の記者で、林と申します。よろしくお願いします。
○労災管理課長 続いて労働者代表です。大江拓実委員です。
○大江委員 全建総連の大江です。どうぞよろしくお願いします。
○労災管理課長 森下光一委員は新任ですが、欠席です。使用者代表、明石祐二委員です。
○明石委員 明石です。よろしくお願いします。
○労災管理課長 小島政章委員です。
○小島委員 竹中工務店の小島です。よろしくお願いします。
○労災管理課長 長岡英典委員です。
○長岡委員 大日本水産会の長岡と申します。どうぞよろしくお願いします。
○労災管理課長 また、本日は公益代表の小畑委員、使用者代表の萩尾委員、田中委員、労働者側代表の立川委員が欠席です。
 次に部会長の選出について説明します。部会長については、参考8-2でお配りしていますが、労働政策審議会令第7条第6項の規定に基づき選出することになっています。具体的な選考は、公益を代表する労働政策審議会の委員のうちから選挙することとされています。本部会においては、公益を代表する労働政策審議会、本審議会の委員は、岩村委員のみです。したがって、選挙となっていますが、岩村委員に部会長にご就任いただきます。よろしくお願いします。この後の議事進行については、部会長にお願いします。
○岩村部会長 部会長のお役を仰せ付かりました岩村です。委員の皆さまのご協力、ご支援をいただきながら、部会の運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。座って失礼します。
 まず、部会長代理の指名です。労働政策審議会令第7条第8項に基づいて、部会長代理は当該部会に所属する公益を代表する委員又は臨時委員のうちから部会長が指名することとされています。そこで私から指名させていただきます。部会長代理は、大前委員にお願いしたいと考えております。どうぞよろしくお願いします。
 早速、本日の議事に入ります。お手元の議事次第に沿って進めていきます。第1の議題は「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱等について」です。本件は、厚生労働大臣から労働政策審議会会長あての諮問案件です。まず、事務局から資料等に基づいて説明をいただきます。
○労災管理課長 まず、省令案要綱について、読み上げた上で内容を説明します。
○調査官 資料1-1をご覧ください。読み上げます。
 厚生労働省発基労0628第1号
 労働政策審議会会長諏訪康雄殿
 別紙1「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱」及び別紙2「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則附則第 条の厚生労働大臣が定める率を定める告事案要綱」について、貴会の意見を求める。
 平成23年6月28日厚生労働大臣細川律夫
 次の頁をご覧ください。
 別紙1
 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
 第一 東北地方太平洋沖地震に伴うメリット収支率の算定に当たり算入すべき保険給付の額及び労働者災害補償保険特別支給金支給規則の規定による特別支給金の範囲に関する特例
 1 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第12条第3項及び第20条第1項の業務災害に関する保険給付等の額と保険料の額との割合(以下「メリット収支率」という。)の算定に当たり、東北地方太平洋沖地震に伴う業務災害について支給された保険給付については、その額に厚生労働大臣が定める率を乗じて得た額を算入するものとすること。
 2 メリット収支率の算定に当たり、東北地方太平洋沖地震に伴う業務災害について支給された労働者災害補償保険特別支給金支給規則(昭和49年労働省令第30号)の規定による特別支給金の額は算入しないものとすること。
 第二 施行期日
 この省令は、公布の日から施行すること。
 裏をご覧ください。
 別紙2
 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則附則第 条の厚生労働大臣が定める率を定める告示案要綱
 第一 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則附則第 条の厚生労働大臣が定める率
 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和47年労働省令第8号)附則第 条の厚生労働大臣が定める率は、零とすること。
 第二 施行期日
 この告示は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成23年厚生労働省令第 号)の施行の日から適用すること。
 以上です。
○労災管理課長 内容については、参考1-1で説明します。労災保険制度においては、メリット制を設けています。趣旨にあるように、事故の発生状況に応じて-40%から+40%まで保険料を変動させる制度です。この制度の趣旨は、事故を起こした事業主と、そうでない事業主の公平性の観点もありますし、一方で、災害防止努力のインセンティブとする観点があります。今般、3月11日に生じた東北地方太平洋沖地震に伴う業務災害によって、多くの労災保険給付が見込まれますが、地震に伴う業務災害ということで考えると、なかなか災害防止のインセンティブとは関係が薄いであろうということ。もう1つは、労働者の方は被災されて労災保険給付を受けますが、一方で事業主も同様に多くの被害を受けておられる実態に鑑みまして、今般メリット制について特例を設け、今般の地震に伴う業務災害については、メリット収支率の算定に反映させない取扱いをするということです。労災保険給付については、本体給付に加えて、特別支給金も一体としてありますので、この2つについてメリット収支率の算定から今回の業務災害の関係を除外する特例を設けるという内容です。よろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。ただいま説明いただいた省令案要綱についてご意見、あるいはご質問があればいただきます。いかがですか。
○齊藤委員 前回、持ち回り審議のときに、今回の震災に帰因する業務災害について、メリット制が適用されることについては、被災地域における事業活動の継続等に悪影響を及ぼす可能性もあり、メリット制を直ちに適用するということでなく震災による被害としての配慮をお願いしたいと意見を申していました。今回この意見を反映していただき、評価をしたいと思います。1つ質問があります。省令案要綱が適用される対象について、災害救助法は地域による限定がありましたが、今回は地域による限定を行わないということでよいのか確認したいので、よろしくお願いします。
○労災管理課長 今回の震災においては、さまざまな形での被害が生じていますが、特に労働者という点で申し上げると、被災地に出張されていて亡くなった方も非常に多くおられることもあります。必ずしも指定地域以外のところでも、棚が崩れたり、薬品が引っ繰り返ったりして、実際に事故にあわれて労災の申請をされている方が現実に窓口におられます。私どもとしては、そういう実態を考えて、個々の監督署において、これは東北地方太平洋沖地震の地震によるものかどうかということについて確認して、それをシステムに登録して、メリット制の適用の有無について判定をしたいと考えているところです。
○岩村部会長 ありがとうございました。ほかにいかがですか。特段ありませんか。特にご意見もないようですので、諮問のあった本件については、当部会としては妥当と認める旨を労働条件分科会に報告したいと考えますが、いかがですか。
                 (異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。報告文については、私に一任させていただくということでよろしいですか。
                 (異議なし)
○岩村部会長 第1の議題については、いま承認をいただいたということで、報告文についても私に一任させていただくことに致したところです。次に第2の議題です。「労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について」です。こちらも厚生労働大臣から労働政策審議会会長あての諮問案件です。資料をご提出いただいていますので、説明を事務局からお願いします。
○労災管理課長 これについても省令案要綱について読み上げた上で、内容を説明します。
○調査官 資料2をご覧ください。読み上げます。
 厚生労働省発基労0628第2号
 労働政策審議会会長諏訪康雄殿
 別紙「労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱」について、貴会の意見を求める。
 平成23年6月28日 厚生労働大臣細川律夫
 次の頁をご覧ください。
 別紙 労働者災害補償保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱
 第一 受動喫煙防止対策助成金の創設
 労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第29条の社会復帰促進等事業として、受動喫煙防止対策助成金を創設し、次のいずれにも該当する中小企業事業主に対して3の措置の内容に応じて支給するものとすること。
 ※中小企業事業主とは、その資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5千万円、卸売業を主たる事業とする事業主については1億円)を超えない事業主及びその常時雇用する労働者の数が300人(小売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)を超えない事業主をいう。
 1 食品衛生法施行令(昭和28年政令第229号)第35条第1号に規定する飲食店営業若しくは同条第2号に規定する喫茶店営業又は旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条に規定する旅館業(3において「飲食店営業等」という。)を営む中小企業事業主であること。
 2 あらかじめ3の措置を記載した計画を作成し、当該計画を都道府県労働局長に届け出た中小企業事業主であること。
 3 飲食店営業等を行う事業場の室内又はこれに準ずる環境において、客が喫煙できることを含めたサービスを提供する場合に、2の計画に基づき、当該事業場を空間分煙とするために喫煙のための専用の室を設置する措置を講じた中小企業事業主であること。
 4 3に規定する措置の実施の状況を明らかにする書類を整備している中小企業事業主であること。
 第二 施行期日
 この省令は、平成23年10月1日から施行するものとすること。
 以上です。
○環境改善室長 引き続いて内容について説明します。参考2-1をご覧ください。1番の趣旨です。職場における受動喫煙防止対策については、現在は快適職場形成の一環として行われています。これについて昨年12月に労働政策審議会から建議をいただきました。こちらに若干紹介していますが、一般の事務所・工場等においては、全面禁煙又は空間分煙とすることを事業者の義務とすることが適当とされました。飲食店、ホテル・旅館等においては、顧客が喫煙するために直ちに全面禁煙などの措置が困難な場合には、当分の間、換気等の措置を取ることが適当とされています。また、この資料には紹介していませんが、国が行うべき事項として、顧客が喫煙する飲食店、ホテル・旅館等の中でも空間分煙に取り組む事業者に対して、喫煙室設置にかかる財政的支援を行うべきであるとされています。このような建議を受けて、当分の間、換気等の措置を認められている飲食店、ホテル・旅館等においても、一般の事務所・工場と同様に喫煙室の設置による空間分煙を促進するために、助成金制度を創設することとしたいと考えています。
 具体的な内容は2の概要に書いています。(1)には対象を示しています。対象はイ~ハまでのすべてに該当する中小企業事業主です。イは業種ですが、先ほどの経緯を踏まえて、飲食店等と旅館業に限定しています。このような業種の事業場で、ロにあるとおり喫煙室を設置し、ハにあるように必要な書類を整備していることが条件です。(2)は、設置に要した経費の4分の1を支給することとなっています。支給上限は200万円と書いていますが、詳細については今後確定させていく予定です。助成金の交付開始時期は、3の公布・施行期日にありますとおり、10月1日から交付を開始したいと考えています。申請は、都道府県労働局に対して行っていただく予定です。今年度の予算規模は約2.8億円です。以上、受動喫煙防止対策助成金創設について説明しました。
○岩村部会長 ありがとうございました。ただいまの諮問案件についての事務局の説明についてご意見、あるいはご質問をお願いします。
○新谷委員 昨年12月の労政審の建議に基づき、受動喫煙防止対策が取られることは非常に評価をしたいと思います。私自身はたばこも吸いませんし、喫煙家の方には申し訳ないのですが、受動喫煙による健康被害は非常に重要なテーマになっていますし、これを労災保険の社会復帰促進事業の事業として取り組むことは時宜にかなった内容だと思います。特に、今回の対象となっている、労働者と事業主だけではなく、お客様という第三者が入ってくる中での喫煙対策は、非常に難しく、こういう政策的な助成金をつけて誘導していくことは非常に重要です。そういった意味で、今回の施策がより対象事業主に周知されることを是非お願いしたいと思います。これが1点です。
 ご説明の中にもありました昨年12月の労政審の建議ですが、通常ですと労政審の建議を受けて、労働安全衛生法の改正が通常国会の中で本来諮られるべきだと思いますが、未だに法案要綱の確認もされていない状況です。せっかく三者構成主義である労働政策審議会で、三者構成主義でこれからの労働安全衛生対策の方向を確認したわけですから、もちろん立法府との関係があるのでしょうけれども、行政としても労働安全衛生法の改正に向けて、是非、国会の中で成立に向けて取組みをしていただきたいと思います。
○岩村部会長 ありがとうございました。
○環境改善室長 2点ご指摘いただきました。まず最初の周知ですが、私どもも多くの関係者の方々にできるだけこの助成金を活用していただくように周知していきたいと思っています。2点目です。昨年12月の労政審では、メンタルヘルス対策なども含めて建議いただきました。これについては、現在、労働安全衛生法改正を含めて検討中です。できるだけ早期に国会に提出できるように検討を進めていきたいと思っています。今後ともよろしくお願いします。
○岩村部会長 ほかにいかがですか。特にほかにご意見もないようですので、諮問のありました本件については、当部会としては妥当と認める旨を労働条件分科会に報告したいと考えますが、いかがですか。
                 (異議なし)
○岩村部会長 よろしいですか。ありがとうございます。そのようにさせていただきます。報告文についても私に一任させていただくことでよろしいですか。
                 (異議なし)
○岩村部会長 ありがとうございます。そのように取り計らうことにします。
 第3の議題、第4の議題になります。第3の議題は「東日本大震災への対応に関する特例措置について(報告)」。第4の議題は「平成23年度第1次補正予算について(報告)」です。これについても、事務局で資料等を用意していますので説明をお願いします。
○調査官 東日本大震災に対応に関する特例措置についてです。資料3は、労災保険関連の東日本大震災においての特例措置を講じたものをまとめたものです。私から労災保険給付関連のものを説明します。
 資料の上段ですが、労災保険給付については、5つの特例措置を講じています。1つ目と2つ目は、震災後早期に行った通達による措置です。労災診療や休業補償の請求を医療機関や事業主の証明がなくても受け付けることを認めたことや、業務遂行中に地震による建物の倒壊等により被災した場合には業務災害に当たることを示したものです。
 2つ目は、労災保険給付の請求に関して、労災認定に必要な関連資料を失くされた場合でも、代替資料でも可能とするなどの取扱いを認め、また、全国どの労働局又は労働基準監督署でも労災請求を受け付けることを可能とするなど、柔軟な対応を行うこととしたものです。
 3つ目は、法律による特例措置です。参考3-1も併せてご覧ください。労災保険の死亡に係る給付の支給について、特例措置により、震災で行方不明となった方については、民法の規定上行方不明となって1年経たなければ死亡したと認められないところ、3か月経てば死亡したものと推定するとした措置です。労働者の方が震災により行方不明となり、そのご家族の方が生活の維持が困難な際に、遺族補償給付など死亡を支給事由とする給付を速やかに支給するために法的措置を講じました。
 4つ目は、年金給付に関する定期報告書の提出期限を延長する省令改正案件です。資料3-7を併せてご覧ください。適切な給付を行う観点から、労災年金の保険給付を受けている方に対し、毎年1回定期報告書の提出を求めています。定期報告書の提出期限については、告示において、誕生月が1月~6月の方については6月30日と定めていますが、今般の東日本大震災により避難者が多く発生していることから、現行の提出期限までに定期報告書の提出を求めることが困難な場合もあると考えられることから、平成23年の定期報告書の提出期限を特例的に8月31日まで延長する措置となるものです。
 なお、いま説明した3つ目と4つ目の案件については、本来であれば審議会で諮問すべきものです。しかし、緊急的な措置をしなければならないこともあり、今回事後報告となってしまったことをご容赦いただければと思います。
 最後に、保険給付のいちばん下、資料3の上段の5つ目の○です。震災の影響で労働者の賃金が低下してしまい、その後に疾病等が発生して、低下したままの賃金で給付基礎日額を計算すると、給付額が極端に小さくなることが考えられるため、特例的に震災時点で支払われている賃金で給付基礎日額を計算することを認めた、通達による措置です。
 参考3-6をご覧ください。社会復帰促進等事業に要する費用に充てるべき額の特例を定めた省令改正です。東日本大震災で被害を受け、企業が倒産し、賃金が支払われないまま退職を余儀なくされる労働者が多く発生することが懸念されており、そのような場合、社会復帰促進等事業で行っている未払賃金の立替払事業で救済を行っています。
 平成23年度補正予算において、立替払事業に要する費用の増額要求を行ったところですが、一方で、立替払事業を含めた社会復帰促進等事業等に要する費用については、労働者災害補償保険法施行規則第43条において、使える費用の限度が定められており、保険料収入及び積立金から生じる収入の118分の18を限度としています。増額要求後の予算額がこの限度額を超えてしまうため、同条の規定について緊急避難的な特例措置を設ける必要があったところです。
 具体的には、2の内容にありますが、平成23年度から平成25年度までの期間限定で施行規則第43条の特例を設け、立替払事業に要する費用を、同条の社会復帰促進等事業費等に使用できる費用から除外するものです。本来ならば審議会で諮問すべきものですが、緊急的に措置しなければならないこともあり、事後報告になってしまったことをご了承ください。
 参考3-8は、6月24日時点の東日本大震災に伴う労災保険給付に関する相談・請求・支給決定件数をまとめたものです。請求件数は、全国で2,330件。うち遺族補償給付は1,113件となっています。黒い編み掛け部分の被災3県では、合計1,437件。うち遺族補償給付は1,091件となっており、遺族給付についてはほぼこの3県の件数が全体の件数となっています。右側の支給決定件数については、全国で1,835件、うち遺族補償給付は742件となっており、編み掛け部分の被災3県では合計1,034件、うち遺族補償給付は734件となっています。被災3県における遺族補償給付の請求件数は、通常の年ですと年間100数十件程度でありますが、既に現在、通常の年の約8倍の請求が出されており、これからもっと増えていくものと考えています。
 ちなみに、阪神淡路大震災のときには請求件数が472件、認定件数は470件でした。阪神淡路大震災は発生した時間帯が早朝であったのに対し、東日本大震災は、1つは津波による広範囲の被害が出ていること、また、地震・津波の発生した時間が午後3時前後であることから、阪神淡路大震災より多くの労災請求がされています。
 また、被災地域から離れた東京でも請求件数が400件弱と多くなっています。これは東京においても震度5強という大きな揺れがありまして、怪我の程度の差はあるものの、事務所において備品と接触して怪我をしたものも多く含まれています。また、うち30件程度は、被災地域への出張中に地震に遭遇し、怪我をした事案も含まれています。労災保険給付関係については以上です。
○労働保険徴収課長 続いて、労働保険料の徴収関係について、特例措置を報告申し上げます。大きく申し上げると、保険料の免除、申告・納付期限の延長、さらに、納付の猶予があります。
参考3-2は、東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律における労働保険料等の免除の特例措置です。趣旨としては、震災の被害の甚大さに鑑みて、雇用維持の支援の観点等から、労働保険の適用事業等のうち、一定の要件を満たす事業の事業主から申請があった場合に、労働保険料並びに一般拠出金の一部を免除するものです。措置の内容としては、免除の要件として、平成23年3月11日の震災発生時に、適用事業場が特定被災区域に所在していたこと。特定被災区域とは、基本的に災害救助法の適用を受けた区域等です。2点目として、震災被害によって、労働者の賃金支払いに著しい支障が生じている等の事情が生じていることです。免除される労働保険料等ですが、免除対象期間に労働者に支払う賃金等に応じた労働保険料、これは免除の要件に該当した期間、最長で平成23年3月から平成24年2月までの1年間となっています。加えて、平成23年度の石綿健康被害救済法に基づく一般拠出金となっています。
 施行期日等の関係は、公布日である5月2日施行。平成23年3月1日から適用とされています。そのほかの適用徴収関係の措置については、参考3-3をご覧ください。
 労働保険料一般拠出金の申告手続・納付についてのお知らせです。1番は、いま申し上げた免除の関係です。2番目の労働保険料の申告・納付期限の延長の関係については、青森県、茨城県については7月29日(金曜日)まで延長されています。さらに、岩手県、宮城県、福島県については、改めて告示を行う期限まで延長されています。こちらは、国税、並びに社会保険と同様の措置となっています。
 3点目の納付の猶予の関係は、いま申し上げた5県以外の地域においても、震災によって相当な損失、被害を受けた事業者方がおられるので、事業者の方の申請に基づいて労働保険料の納付の猶予を行っています。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。
○労災管理課長 続けて資料4を説明します。資料4は平成23年度第1次補正予算の概要です。労働保険特別会計労災勘定は、当初予算額が1兆1,178億でしたが、補正において、210億円ほどの追加をしています。この中のいちばん大きいところは、社会復帰促進等事業費ですが、163億円のうちの140億円以上は未払賃金立替払いの追加額、あるいは未払賃金の立替払いの請求促進のための費用です。その他、いちばん上にある安全衛生対策費で申し上げると、被害を受けた地域における被災労働者に対する健康診断等の実施経費や、被災によって壊れた労災病院や介護施設の復旧費。あるいは労災保険の給付に必要な相談業務の費用。あるいは、被災に伴う解雇、その他、賃金その他の問題に対応するための総合労働相談窓口の体制の強化の費用を計上しています。細かな事業の内容は、後ほどの議題に出てくる社会復帰促進等事業の関係の中の、参考5-9に事業ベースで整理していますので、ご覧ください。よろしくお願いします。
○岩村部会長 ありがとうございました。いま事務局から説明いただいた議題3と議題4についてご意見、あるいはご質問がありましたらお願いします。
○黒田委員 労災保険関係の特例措置について周知のお願いです。資料3を中心に労災保険給付や労働保険等、いろいろな特例措置を実施していただいています。これらについては、被災者、あるいは事業場、事業主の方へ速やかに周知することが特段必要になるかと考えています。特に、震災による行方不明者の方を3か月で死亡推定することですが、実際いま件数が増加しており、ご遺族の方にとっては大変辛い判断となろうかと思いますが、しっかり周知をお願いしたいと考えています。
○岩村部会長 ありがとうございました。
○補償課長 周知に関しては、いろいろな形で、すべての手段を使って、例えば地元の民放テレビや市町村による広報等以外にも、避難所に直接出張して個々の避難者の方に接触してご説明するなり、事業主を通じて可能な限り連絡を取る形を含めて、全力でやっているところです。今後ともしっかり周知・広報についてはやっていかなければならないと思っています。
○岩村部会長 よろしくお願いします。
○労働保険徴収課長 労働保険料の免除等の関係については、特定被災区域の事業主の方には、申請書の書き方と様式集をお送りしています。さらに、別途、地元の新聞紙、地元誌における広報やあるいは地元のラジオにおける広報等も行っていますので、引き続き周知に努めていきたいと思います。
○岩村部会長 よろしくお願いします。そのほかにいかがですか。
○新谷委員 この東日本大震災において、労災保険の運用について、非常に機動的、柔軟な対応をしていただきまして、この点は評価したいと思います。その上で1点確認をさせていただきたいのと、要望を1点申し上げたいと思います。
 資料3-6に「社会復帰促進等事業に要する費用に充てるべき額の特例に関する省令について」ということで、賃金の立替払事業の上限値を上げて、1次補正で140億円以上を積み増し要求したとの説明をいただきました。被災地域において賃金が払えない事業所がたくさん発生しているのではないかと懸念しています。震災後3か月以上経って、現地の監督署は非常に事務が錯綜していると思うのですが、賃金の立替払いの実績値等々がわかれば、教えていただきたいのが1点です。
 もう1つは、資料に入っていないのですが、震災関連ですので、この場を借りて1点要望しておきます。震災に伴って発生した福島第一原発の労働者の安全管理の問題です。福島第一原発の収束に向けて、現在も千名を超える方があの地で懸命に作業をしていただいています。放射線物質による健康被害は晩発性の障害を発生させるため、被曝管理については非常に長期にわたる、かつ大量の作業者のデータの管理をしなければならず、政府もデータベースの構築をするとお聞きしています。昨日、原発作業者の長期健康管理に関する検討会が開催されたとお聞きしています。是非、長期にわたる労働者の健康被害、被曝線量の管理に向けて、政府としても万全の対策を尽していただきたいと要望申し上げます。
○岩村部会長 ありがとうございました。事務局のほうでお答えいただけるものがあればと思いますが。
○事務局 監督課課長補佐です。先ほど新谷委員からご質問がありました、立替払の件数です。被災3県であります岩手県、宮城県、福島県における、申請から実際に立替払いを支給したところまでの件数で説明しますと、独立行政法人労働者健康福祉機構が行った未払賃金の立替払の今年の4月1日から6月15日までの実績です。支給件数は955件で、立替払額は約3億2,500万円です。統計のある昨年の4月1日から6月30日までの状況と比較すると、支給件数は58.9%増、立替払金額は9.6%減となっています。以上です。
○新谷委員 ありがとうございました。いま、ご報告いただいた数字をどう評価するかということなのですが、制度としては枠組ができて163億円の積み増しをしていただいたのですが、まだ実績が上がっていない。なぜなのかというところを是非分析をしていただきたいと思っています。実際に賃金の未払の発生は、かなりの件数にのぼるのではないかと想定されるのですが、申請が上がってまだ支給決定まで至ってなくて、処理が途中で止まっているケースもあるかと思うのですが、いずれにしても立替払金額の実績は少ないのではないかと感じています。対象者に対する周知を是非お願いしたいと思っています。以上です。
○事務局 いまの新谷委員からのご意見ですが、私どもこれまで立替払の周知については、例えばリーフレットの配布や避難場所における掲示板の掲示、出張相談会での周知、出張相談等によって対応してきたところです。また、申請手続の簡略化を図りつつ、申請されたものについては処理の迅速化を一生懸命やってきました。また、今後は、7月3日以降になりますが、毎週1回、全国新聞への新聞広告や、被災3県を中心とした東北地域における地方新聞における新聞広告、現在は新聞よりもインターネットをご覧になっている方が多いことから、インターネットでのバナー広告や携帯でのモバイルのバナー広告等を含めて、周知を徹底していきたいと考えています。以上です。
○岩村部会長 ほかにありますか。よろしいですか。ありがとうございました。
 次の議題に移ります。第5の議題として「社会復帰促進等事業に係る平成22年度成果目標の実績評価及び平成23年度成果目標について」の報告をいただくことになっています。これについても事務局から資料を出していただいていますので、説明をお願いします。
○調査官 議題5について、資料の説明をいたします。資料5からですが、まず、参考5-1をご覧ください。社会復帰促進等事業費の推移についてです。本事業は、平成21年度予算までに平成17年度予算の4分の1を削減するという目標に基づき、計画的な削減を行ってまいり、平成21年度当初予算額で、目標を15億円上回る902億円を達成したところです。しかし、この年は緊急雇用対策の一環とする未払賃金立替払いの請求増加への対応ということで、補正予算で立替払関係経費74億円を計上したために、976億円となったところです。これが、この下のグラフの右から3番目です。
 その後、平成22年度予算については818億円で、対前年度補正後の予算比で16.2%減、また平成23年度予算については、平成22年10月に行われました労働保険特別会計事業仕分けにおいて、本事業が原則廃止という指摘を受けたことを踏まえて、無駄の排除の観点から一層の精査を行った結果、当初予算で764億円となり、対前年度予算比で6.6%減、平成17年度予算の約3分の1を削減した形となっています。しかしながら、先ほどの話にもありましたが、東日本大震災への対応として、補正予算に立替払関係経費等189億円を計上したため、953億円ということで、結果的に対前年度比16.5%増となっています。これが現状です。
 続きまして、参考5-2をご覧ください。これは、平成23年に改定しました社会復帰促進等事業に係る目標管理に関する基本方針です。基本方針は平成20年7月に策定されていましたが、労働保険特別会計事業仕分けの結果を受け、無駄をなくす仕組みを構築する中で、より重点的に監視する体制を構築するために改定したものです。具体的な改定内容は、少し先の資料で恐縮ですが、参考5-7をご覧ください。ここの裏面に、基本方針のポイントを整理させていただいています。基本的な考えの所で4点ほど書いているのがその内容で、ポイントとしては、目標を管理する事業を全事業に拡大すること。それから、下のPDCAという評価、実施のサイクルの透明性を高めることが中心となっています。
 続いて、参考5-3をご覧ください。これは事業評価の考え方で、以前にも説明させていただいているものでありますが、アウトカム指標を用いた政策効果と、アウトプット指標を用いた事業執行率で、縦横の二次元で評価をさせていただいて、結果をA、B、Cでの3類型で評価させていただいています。その評価として、別の資料として参考5-8をご覧ください。この1枚目に、評価対象55事業のうちの全体の外観を示しています。
 平成23年度において、事業見直し等の必要があることが判明した事業は、現在集計中の独法が行う事業を除きますと、13事業、全体の23.6%となっています。このうち、A評価で予算額を適正な水準に見直しする必要があるとされたものが3事業、B評価の中では3事業、C評価の中では7事業という内訳になっています。なお、この参考5-8の2枚目以降が、各事業の個票となっていますが、個々の説明は省略させていただきます。各個票の政策目標を取り出してまとめたものが、先ほどの資料5の総括表になります。
 以下、この総括表のポイントを少し説明させていただきたいと思いますので、資料5に戻ります。こちらが、平成22年度成果目標の実績評価及び平成23年度の成果目標の(案)となっています。平成22年度評価対象となる全55事業を大きく8分類しまして、1頁のいちばん上に記載例がありますとおり、真ん中に平成22年度の成果目標、右側に平成23年度の成果目標。また平成22年度の成果目標については、上段にアウトカム指標、中段にアウトプット指標を載せまして、その右側にそれぞれの達成度合、下段にAからCまでの評価を記載しています。なお、評価の下の括弧書きは、予算執行率です。
 また、いちばん左に◎や☆のマークが付いていますが、これはこの表のいちばん上に小さく書いてありますが、それぞれ重点的目標管理事業等のマークです。このうち■については、先ほど基本方針の説明のときに申し上げましたが、今回対象事業を全事業に拡大したことに伴いまして、昨年度まで目標管理の対象外としていたものについて、■を付しています。以下の事業で、主にB、Cと評価いただいた事業について、簡単に説明させていただきます。
 まず1枚めくっていただきまして、裏面の2頁をご覧ください。下から2つ目の事業番号61については、アウトプット指標のうち、1の計1,400のトラック事業者等へのセミナーの実施結果が642社であったこと、2の計840のバス事業者等へのセミナーの実施が210社であったことから、B評価としています。目標数以上の事業者にセミナー開催のダイレクトメール等を送付して周知を図ったところですが、昨今の不況の影響で、参加を希望する事業者が少なかったことが、未達成の原因ではないかと分析しています。なお、平成23年度の目標については、事業内容の変更に伴なって、自動車運転者時間管理等指導員の訪問件数を2,000事業場以上とするなどの見直しを行っています。
 続いて、3頁をご覧ください。事業番号74です。アウトプット指標で事業主向けの助成金の支給件数を450件としたものが、結果は260件であったことから、Bの評価としています。本助成金は、事業主がパートタイム労働者を対象とする定期健康診断等の制度を導入して、2年以内に延べ4人以上の方が受診した場合に、制度導入に要した費用に対し助成するものです。一方で、健診費用は平成22年度は半額、平成23年度は全額をそれぞれ事業主が負担しなければならないという、助成金の額と自己負担の額との比較考慮の結果、自己負担が多い、健診費用のほうが上回ってしまうと考えた事業主が、この事業を利用することを差し控えた結果ではないかと分析しています。平成23年度は、この助成金を廃止して、新たに創設した均衡待遇・正社員化推進奨励金の支給件数を180件以上とすることとしています。
 その下の事業番号81-1については、3つの事業があります。そのうち、1番目の労働時間等設定改善援助事業については、アウトカム指標のうち2の「平均所定外労働時間数をおおむね10%以上削減する」に対して、結果が3.9%。また、アウトプット指標のうち、1の「労働時間等設定改善推進助成金の事業実施承認申請件数を33件以上とする」に対し、30件であったことから、評価Cとしています。要因としては、アウトカム指標については、リーマンショック以後の所定外労働時間数が、平成21年には大幅に減少したのですが、平成22年度は平成20年度の減少ペースに戻ったこと。あるいは、アウトプット指標については、相談は寄せられたのですが、具体的な申請に結びつけられなかったことが要因ではないかと分析しています。この助成金については、厚生労働省のホームページで申請様式をダウンロードできるよう利便性を向上するとともに、目標設定の見直しを行っています。なお、1番の労働時間等設定改善援助事業については、平成22年度をもって廃止したところです。
 続きまして、4頁をご覧ください。2.複数年目標事業の中の、事業番号81-2のテレワーク事業です。平成19年に策定されたテレワーク人口倍増アクションプランにおいて、テレワーカーの人口を2010年までに就業人口の2割とすることが盛り込まれ、これに基づいて厚生労働省、経済産業省、国土交通省、総務省の4省で、テレワークの普及促進について施策を進めています。民主党政権交代後は、平成22年6月に新たな情報通信技術戦略工程表が策定され、そこで2015年までに在宅型テレワーカーを700万人とする数値目標が定められたところです。これを受け、この事業において複数年目標管理事業と位置付けているところですが、平成22年度についてはアウトカム指標のうち、アクションプランの数値と同様としていた3の「2010年までに就業人口の2割とする」に対して16.5%。また、アウトプット指標のうち、2の「集客数を平均90名以上とする」ことに対して、平成21年度には71名を上回ったのですが、まだ81名ということで、C評価としています。要因は、セミナー等の周知不足ではないかと分析しています。なお平成23年度は、テレワーク相談センターを東京1箇所に集約したことなどから、各指標の見直しを記載のとおり行っています。
 続いて3.ですが、先ほど少し説明しました■の事業で、昨年度まで目標管理になじみにくいということで対象外としていたものが少しありますので、それについて説明します。例えば、事業番号2、3、4などは、ご覧いただいたとおり労災保険給付と一体として支給される事業であり、予め支給件数を設定して、その件数が達成できたかどうかで実績評価をするのは、必ずしも適当ではないのではないかということです。その結果、昨年までは目標管理対象外としていたわけですが、今回新たに平成23年度成果目標を設置しました。そこにありますが、支給件数の設定ではなくて、「申請から支給決定までに要する期間を1か月以内とし、その期間内に支給決定したものの割合を80%とする」というアウトカム指標を設定するなどの目標設定をしています。その他のものも同様な形で、新たに平成23年度成果目標を設定していますことを、ここでご報告いたします。
 続いて、B、Cの評価として7頁をご覧ください。事業番号30については、アウトカム指標として「具体的な対策の改善措置を講じた事業場の割合を95%以上とする」。これに対して93.6%であったことから、Cとしています。この事業については、事業場が講じる改善措置について、安全一般分野と労働衛生分野の2つに分けられると思うのですが、そのうち安全一般分野は95%ということで目標に達したのですが、労働衛生分野が88%であったために、トータルとしては未達成であったというようなものです。平成23年度は、事業仕分けの結果を踏まえて、個別事業場に対する訪問ではなくて、研修による集団指導方式にするなど事業内容を見直し、平成23年度の新たな目標設定の指標等は記載どおりです。
 31番については、アウトカム指標で、2の「展示コーナーの利用者数を6万5,168人以上とする」とありますが、結果は6万2,494人であったために、Cとなりました。これについては、3月11日の東日本大震災の影響で、来館者数が大きく減ったことによるものと分析しています。この事業も、平成23年度は事業仕分けの結果を踏まえ、展示コーナーを廃止するなど事業内容を見直しまして、目標の指標は記載のとおりとしています。
 続いて8頁です。事業番号35番については、アウトカム指標のうち2の「現在市場に流通しており、本年度中に有効期間が終わる呼吸用保護具のうち、有効期間内に買取試験を実施した型式の割合を100%とする」に対して、90.4%。また、アウトプット指標の「石綿健康管理手帳の新規交付数を3,880件以上とする」に対して3,177件であったことから、Cとしています。要因としては、アウトカム指標に関して、市場に在庫がなかったため、また、石綿の健康管理手帳については、必要とされる方々からの申請に基づき交付をしていますが、引き続き周知に努め、要件を満たす方々への交付を徹底することとしていまして、平成23年度のアウトプット指標は平成23年実績の3,177件としているところです。
 続いて、9頁の51-1です。アウトカム指標のうち、1の事業対象事業場において、「改善措置を講じた事業場の割合を84.6%以上とする」に対し、74%。それから、4の「手すり先行工法を採用すると回答する者の割合を80%以上とする」に対して、71.4%ということです。また、アウトプット指標は、3の256事業場という目標に対して150事業場であったために、評価はCとしています。要因としては、昨今の経済状況の悪化を受けて、措置の実施に慎重な姿勢を取る事業場がみられたためと分析していまして、平成23年度の目標指標は右の欄のとおりです。以上がB、Cの部分です。
 さらにめくっていただきまして、12頁の5.ですが、平成22年度限りで廃止の事業等という形にさせていただきます。個々の説明は省略させていただきますが、これらについては平成22年度の評価をさせていただきつつ、平成23年度の目標は空欄とさせていただいています。14頁以降については、6.、7.は独立行政法人が実施する事業ということで、これらは独立行政法人評価委員会というもので別途評価いただく予定にしていますので、そこでの評価を踏まえつつ、次回にご覧いただく形になろうかと思います。次の17頁の8.は、現在実績を集計中の事業をリストアップしていますが、これも次回報告させていただきたいと思います。
 その他、参考で付いている資料ですが、参考5-4は、本事業について、その根拠となる労災保険法の第29条に基づき、各事業ごとに予算額の推移を整理したものです。次の参考5-5は同様の分類で、平成22年度の予算額、平成23年度の当初予算額、そして今回の補正予算額を対比できるように、事業ごとに一覧にしたものです。参考5-6は、本事業の支出先について、独立行政法人別、あるいは特別民間法人別、公益法人別というような形で、平成19年度の決算額から平成22年度の決算見込額までの推移を整理したものです。
 最後になりますが、参考5-9は、先ほど少し申し上げましたが、社会復帰促進等事業に関する第1次補正予算の概要をまとめた資料となっています。資料の説明は以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。ただいまの社会復帰促進等事業に係る平成22年度成果目標の実績評価及び23年度成果目標について、ご意見、ご質問はありますか。
○齊藤委員 今回のこの表の中で、平成23年度目標のところでちょっと理解に苦しむところがありますので、意見を述べさせていただきたいと思います。例えば、4頁の下の、昨年度までは目標管理対象外であった事業番号1番ですが、アウトカム指標のところで、会議の出席委員から当該会議が有用であった旨の回答をいただく。あるいは、7頁の事業番号28番のアウトプット指標に、必要な消耗品である書籍やコピー用紙などを購入する。また、8頁の事業番号33、OECD等の国際会議に年1回以上参加する。これはアウトプット指標だと思います。それと、11頁の事業番号80の、アウトカム指標の期間業務職員の勤務状況について、その出勤率を100%とする。こういったものについて、来年の実績評価の際、どのように評価するつもりなのか、指標設定に工夫が必要だと考えています。そもそも、実態の把握や透明性確保の観点での目標管理だと考えていますが、事業の中身によってはアウトプット指標、アウトカム指標にそぐわない事業もあるのではないかと考えていますが、どのようにお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
○労災管理課長 順番にお答えしたいと思いますが、それぞれ各担当から説明申し上げます。最初の社会復帰促進等事業に関する検討会等経費ですが、まさにこれは社会復帰促進等事業全体を検討する、いわば評価委員会の経費で、これをどのように評価するかです。いま指摘がありましたように、そもそも評価に要する経費というものをどう評価するかですので、そういうものはさすがに目標管理の対象から外すという考え方も1つの整理としてあることは認識しています。
 一方で、会議の運営や評価の仕方については、改善をすべきところは改善をしていくスタンスですので、前回6月22日に会議を開きまして、会議の有用性について委員の皆様にアンケートを取ったところです。未だ数字的には集計中ですが、論点を整理して会議を運営しないと、非常に膨大な事業数ですので、効率的な運営ができないという意見もいただきました。あるいは、会議の満足度で申し上げますと、正直なところ不満足というような意見もいただいています。おそらく、この事業評価そのものも、今回が全事業を対象とした初めての試みですので、まさにいまいただいた意見を基に改善を進めていきたいと思っています。いまいただいた意見についても、秋に当然もう一度評価をいただく機会もありますので、それまでに必要であれば見直しをして報告申し上げるということで、総論的に申し上げさせていただきます。以後、個別にご指摘いただいたことについては、担当からお答えを申し上げます。
○事務局 安全衛生部計画課です。ただいま委員からご指摘いただきました事業番号28番について、説明させていただきます。安全衛生等事務費という事業名ですが、こちらについては先ほども説明のありました、昨年までは目標管理の対象外であったものでした。今回新しく平成23年度の目標を立てるにあたり、どのような目標を立てるのか、正直悩みました。中身は、ここに書いてありますとおり、安全衛生対策を進めていく上で必要な消耗品等を購入するための経費ということで、例えば前年に比べて何%増やせばいいとか、何%減らせばいいというような目標も、なかなか難しいと考えたところです。結果として、言葉足らずの面があったかもしれませんが、必要な消耗品等を適切に購入していくことが必要だろうということで、このような記載にさせていただきました。
 もう1つ、事業番号33番についても同様に、昨年まで目標管理の対象外だったところ、どのような形で目標を立てるのがいいのか悩みました。こちらは、OECDの会議に出張することが予定されていますので、きちんと会議に出て検討いただくということで、このような記載とさせていただきました。以上です。
○事務局 労働条件政策課です。事業番号80です。仕事と生活の調和の推進に要する一般行政経費のアウトカムの目標が、出勤率100%とする、これについてのご指摘です。この経費については、いわゆる私どもで進めている仕事と生活の調和推進に係る一般行政事務費、本省で執行する事務経費です。そのほとんどが非常勤職員の人件費、加えてコピー用紙等の事務費です。昨年までは、目標設定になじまないということで外れていましたが、今回すべての「事業」と言っていいのかどうかわかりませんが、事業について目標をこのように設定させていただきました。正直、どのような目標を考えていいのかを悩んだわけなのですが、今回この事務費の中では、非常勤職員を2名雇用して、要は仕事と生活の調和全体を推進するための事務補助をしていただくというものです。私どもで出勤率100%としましたのは、労働条件政策課は仕事と生活の調和、要するに働きやすい職場を作っていかなければならないというようなこともありまして、この非常勤職員の人たちが職場環境に満足して、休むことなく出勤していただける、そのような働きやすい環境を求めたいと。その結果、きちんと意欲を持って働いていただき、もって仕事と生活の調和全体の推進に資するということで、このような目標を立てた次第です。以上です。
○岩村部会長 質問いただいた事項は、これでよろしいですか。いま伺っていて、昨年度まで目標外で、今年度以降目標を設定するところで、事業の経費の性格上、なかなか具体的な目標を設定しにくいというところがあり、試行錯誤の第1段階なのかなとは思います。また来年度以降、検討をいただくことだろうと思いますが、よろしいですか。
○新谷委員 いまの答弁を聞いて、全然理解ができないのですが、行政にかかる費用は、削減すべきところと、削減してはいけない政策的な費用があると思います。こちらから質問させていただいた部分は一般行政経費で、答弁にあったコピー代をどう削減するかというところなのですが、いまの答弁を聞いていたら、予算は付いているからきちんとこれを執行するためにどうしたらいいのだろうと四苦八苦しているようにしか見えません。使用者側委員も来られていますが、民間は、経費をどうやって削減するかものすごく知恵を絞って、コピー代や文房具用品をどう削減するか、いろいろ努力しているのですが、そういう感覚が全くここに出てこないのが不思議だと思いました。一般から見ると非常に珍妙な目標がこのまま厚生労働省の中の行政目標として上がってくることに対して、どういう決裁ルートで、誰がこのような決裁をしているのかを教えていただきたいと思います。
 もう1点は、先ほど労働条件政策課の答弁にあった出勤率という考え方についてです。ワーク・ライフ・バランスを実現するということだったのですが、私の出身の企業ですと、出勤率というと、病欠などもありますが、休暇なども含めての出勤率があります。それは、それぞれの企業によって違うと思うのですが、ここで言っている出勤率100%というのは一体何を意味するのかをはっきりさせないと、それが適当な目標かどうか、全然評価もできないと思いますので教えていただきたいと思います。
○岩村部会長 事務局からお願いします。
○労災管理課長 既に新谷委員は、例えば雇用保険の関係の二事業などもご覧いただいているのでおわかりかと思いますが、厚生労働省の中でも予算の立て方は部署によって違っているのが実情です。労災保険の関係については、いままでまさに全事業を対象とした評価をしていなかったのが実情です。それで、今回目標設定を各担当にお願いして立ててもらったところ、まさに公開の場で説明するにしても、いまのような説明ぶりになるといったときに、それは予算の立て方がもしかしたら悪いのかもしれないと。事業や仕事をすること自体には意味がありますが、予算の立て方が悪いというものかもしれません。そのような中で、当然国民に説明がし難いものであれば、見直していく必要があるだろうということで、私ども労災の勘定元としては、国民に説明できるような内容にしていくように促すという意味で、まさに全部署をこの目標管理の対象にしているということで、いわばさらけ出している状況です。
 そういう意味で、ある意味お見苦しい点をお見せしているかもしれませんが、もしこれによって予算の組み方、その他において改善がなされるのであれば、むしろこのような評価をしたこと自体に非常に意味があったと思っている点もあるわけです。そこは、まさに改善するための1歩とお受け取りいただいて、むしろ積極的にご指摘をいただいたほうがいいと思います。一方で、労働条件関係のさまざまな施策に必要な予算をきちんと付けるのは当然ですので、そういう観点も含めて叱咤いただければありがたいです。個別の点については、担当から報告いたします。
○事務局 出勤率100%の目標の具体的な話ですが、先ほど指摘をいただいた休暇などは当然除外して行いたいと考えています。あくまでも、仕事に来たくないという欠勤を無くしたいということですので、そのような趣旨を踏まえて行いたいと思っています。
○新谷委員 先ほど指摘申し上げたのは、この仕組みを否定するものでもないですし、必要な経費はきちんと付けて予算を執行するのは当然のことです。しかし、一般行政経費のような、いわゆる行政コストにあたるところは、コスト削減に対する取組みがあって然るべきではないかと指摘したのです。それと、先ほど質問したのは、公式の文章がこのような場に出てくるときに、どなたが決裁をされてこれが出てきたのか。コピー用紙を買うなどという当たり前のことが書いてあり、非常に珍妙な目標が出ているわけです。これがこのまま出てくることに対して、労災管理課長に答弁いただいたのですが、省内でどのような決裁ルートで決裁して出てくるのか。先ほど原局とおっしゃったのですが、その辺りの決裁の仕組みを教えていただきたいと思います。
○労災管理課長 これはいまの政策評価の世界では、すべて担当課長が責任者ということで、ほかの政策評価でもそうですが、担当課長が名前を出して行う形になっています。これは、それぞれのシートに責任者の名前までは書いてありませんが、担当課長まではご覧いただいていると、担当をしている課の課長が責任をもっている形での決裁をいただいているところです。
○岩村部会長 先ほども申し上げたように、特に今回初めての所は、新谷委員の厳しいご指摘もありますが、ちょっと手探りというところがあったのだと思います。本日の議論も踏まえつつ、来年度、再来年度以降、こういった一般業務行政経費について、どのような目標設定がいいのかについては、内部的に検討いただきながら、より説得力のある目標を考えていただくということなのだろうと思っています。ほかにいかがでしょうか。
 1、2点私からコメントですが、この種の目標と評価は、これ自体がそうだというわけではありませんが、政府の事業仕分けなどにもみられるように、それ自体が自己目標化してしまって、何のためにやっているのかがよくわからなくなってしまうところがあります。そういう意味で、やはり本来の政策目的に対して、きちんとした対応をしている所については、このような評価を行う際にも事務当局で説明を十分にする、あるいは資料を用意するような工夫をお願いしてやっていただいて、なるべく成果目標の設定とその評価が自己目的化しないように是非やっていただきたいと思います。
 もう1つは、政策的には非常に重要であって取り組むべきだが、実は、例えば関係事業主そのものがあまり乗り気でないというようなこともあります。そうすると、やはりどうしてもなかなか成果は上がらない。だから切ってしまおうということにならないように、これは先ほどのことと結び付くのですが、そういうことも是非事務局で積極的に外部に向かって主張していただければと思います。この件についてはよろしいでしょうか。
○伊丹委員 労災保険勘定については、労使ともより効率的に、より成果につながるよう使っていただきたいと願っているわけですが、東日本大震災で事業の優先順位が大きく変わったり、地域によっては的確に運営できない場合もあると思います。
いま部会長からもお話がありましたが、一つひとつの事業が自己目的化して指標だけが唯一の評価基準になってはならないと思います。特に平成23年度の評価にあたっては、たくさん起きているイレギュラーなことを可能な限り排除するとか、丁寧に見て評価しないと事業の意味がわからなくなってしまうのではないかと懸念します。是非環境変化を踏まえた適正な事業運営とその評価をお願いしたいと思います。
○岩村部会長 よろしいでしょうか。それでは、次の議題に移ります。議事次第の(5)「労災保険財政検討会の結果報告等について」です。これも資料を用意していただいていますので、事務局から説明をお願いします。
○労災保険財政数理室長 資料6、7について説明いたします。資料6は、メリット制の適用拡大を検討する方向性に関する資料です。持ち回りで開催しました3月31日の部会に提出し、確認いただいたものですが、今回委員の皆様がお揃いの場で改めて意見をいただく機会を設けさせていただくものです。なお、参考6-1として、適用拡大の方向性に関して具体的なイメージを持っていただくために、事務局で考え方をまとめた資料を付けています。こちらの資料については、一部文言を修正していますが、3月4日に開催されたこの部会に提出したものです。
 続いて資料7ですが、こちらは労災保険財政検討会の最終報告書です。3月4日に開催された当部会に中間報告をご報告させていただきましたが、その後、本検討会で労災保険の業種区分について検討いただいた結果をとりまとめましたので、今回、最終報告書としてご報告させていただくものです。労災保険の保険率を設定する業種区分は、現在55設けられています。これについて、平成16年度の労災保険料率の設定に関する検討会は、継続的に検討することが望まれると提言していまして、これを受けて今回検討いただいたところです。検討いただいた項目については、大きく4点あります。1つ目は、規模が小さくなった業種が存在することとの関連で、小さい保険集団への対応方法です。2つ目は、業種を見直す際の基準です。平成16年の労災保険料率の設定に関する検討会が、業種区分を見直す際に災害率や事務従事者の割合などを基準として検討していただきました。今回業種区分を見直すに当たって、これらの基準はこのままでよいかどうかを検討いただいたところです。
 3つ目は、平成16年度の労災保険料率の設定に関する検討会の提言に基づいて、「その他の各種事業」から分離・独立した3つの業種について、その後の状況を踏まえて、分離・独立の結果について評価いただいたところです。4つ目は、業種として最大であり、かつさまざまな内容の事業の寄せ集めとなっています現在の「その他の各種事業」について、この業種区分に含まれる業種の中で、分離・独立を検討する候補などについて検討いただきました。これらの検討の結果をまとめた提言が、8頁以降の「今後の業種区分のあり方」です。
「今後の業種区分のあり方」としてとりまとめられた内容をご説明いたしますと、?の業種区分全体については、3点の指摘があります。1つ目は、業種の分離・独立に当たり、業界団体の組織状況を考慮に入れる必要があること。2つ目は、保険集団が大きいことが望ましいこと。3つ目は、保険集団が小さい場合については、激変緩和などの工夫が必要であることについて指摘しています。
 2のその他の各種事業の見直しについては、まず平成18年度に分離した3業種について、現時点では大きな変化がないことから、業種区分の統合や分離・独立を行う必要がないとしています。しかしながら、今後も労災保険率が「その他の各種事業」と変わらないようであれば、再び統合することについて検討が必要であるとも指摘しています。現在の各種事業から新たに分離・独立すべき業種については、一般的な原則として、「その他の各種事業」と労災保険率が同一となるのであれば、分離・独立の意義は小さいが、労災防止の促進などに効果が見込まれるのであれば、分離・独立を検討すべきと提言しています。さらに「情報サービス業」については、分離・独立を検討するために、データの収集・整備を図るべきとしています。また、「医療保健業」の業種区分については、データを「医療」と「福祉」に分離して収集・整備し、その結果や社会政策的な見地などを考慮して検討すべきとしています。「洗たく、洗張又は染物の事業」については、クリーニング工場と取次店の実情を調査して検討することが必要としています。
 以上が最終報告の概要です。参考7-1に、これまで「その他の各種事業」という大きな業種から分離・独立した事業の適用事業場数の推移、それから現在、平成21年度末時点の各業種の事業場数、労働者数についてまとめた表を用意しました。それから、「その他の各種事業」から分離・独立した事業の労災保険率の推移についてまとめた表があります。
 参考7-2については、今回、「その他の各種事業」について検討するときに用いた資料で、「その他の各種事業」に分類されている業種の中をさらに12に細分した個々の事業について、適用事業場数、災害の発生率、それから事務従事者の割合についてわかりやすい表にまとめたものです。以上です。
○岩村部会長 ありがとうございました。いま説明いただいた労災保険財政検討会の結果報告等について、ご意見、ご質問がありましたら、お願いします。よろしいですか。特段発言はないということでよろしいですか。ありがとうございます。本日予定した議題は、以上です。ほかにご意見などがないようでしたら、これをもちまして本日の部会は終了とさせていただきたいと思います。本日の議事録の署名委員は、労働者代表は新谷委員、使用者代表は小島委員にお願いしたいと思います。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございました。これで閉会といたします。


(了)

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