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2011年4月28日 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会議事録

医薬食品局

○日時

平成23年4月28日(木)


○場所

厚生労働省 専用第12会議室


○出席者

出席委員(15名):五十音順 敬省略

 新 井 洋 由、 奥 田 真 弘、  菊 池   嘉、 清 田   浩、

 黒 木 由美子、 佐 藤 俊 哉、  清 水 秀 行、 鈴 木 邦 彦、

 田 村 友 秀、○土 屋 友 房、  中 島 恵 美、  濱 口   功、

 前 崎 繁 文、 山 口 照 英、  ◎吉 田 茂 昭

(注)◎部会長 ○部会長代理

 他参考人2名

欠席委員(6名):五十音順 敬省略

 庵 原 俊 昭、 大 槻 マミ太郎、 櫻 井 敬 子、 半 田   誠、

 増 井   徹、  山 本 一 彦

行政機関出席者

 平 山 佳 伸 (大臣官房審議官)

 成 田 昌 稔 (審査管理課長)

 内 海 英 雄 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)

 森   和 彦 (独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)

 赤 川 治 郎  (独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)

○議事

○事務局 定刻になりましたので、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を開催させていただきます。
 本日は、お忙しい中御参集いただきありがとうございます。
 まず、先月3月25日に開催されました薬事分科会において、薬事分科会における確認事項の改訂が了承されましたので、その内容につきまして御報告申し上げます。
 お手元の当日配付資料13を御覧ください。
 3月25日の薬事分科会に御報告した資料ですが、「薬事分科会・部会手続きの見直しについて」としまして、確認事項の改訂を行いました。具体的には、「2.改正(案)の内容」を御覧ください。従来の分科会審議品目のうち、今後、新規性の高い新有効成分含有医薬品、新構造医療機器及び新有効成分含有動物用医薬品については部会審議品目(分科会報告)とし、適用・毒性・副作用等の観点から、慎重な審議が必要なものについては、引き続き、分科会審議品目とする等の改正を行う。それから、今回の見直しに伴い、新たに、分科会における委員と同様の専門分野の委員を部会委員として委嘱し、部会における審議を充実させるものとする。また、審議会の透明性を図る観点から、分科会審議の対象となる医薬品・医療機器のうち、社会的関心の極めて高いものについては、原則として、パブリック・コメントを実施するものとする。このような改正を行ったところでございます。
 具体的な改正(案)については、(別添2)を御覧ください。別添2の1枚目が、分科会審議品目のうち社会的関心が極めて高いものについて、パブリック・コメントをする旨の記載をしているものです。
 さらに次のページを御覧いただきまして、右側がこれまでの改訂内容ですが、「新有効成分含有医薬品。ただし、本表の3に該当するものを除く。」つまり、新しい作用機序、あるいは新しい構造の新有効成分含有医薬品について、従来分科会審議としていたところですが、左側の「部会審議」の2にありますように、新有効成分含有医薬品につきましては、部会審議として、慎重に審議する必要があるものについて、1にあるとおりに部会審議とする。このような改正を行ったものです。
 1ページに戻ります。「3.施行時期について(予定)」は、3月25日の確認事項の改正後、医薬品第二部会については、今回からこの見直しに伴った新しい手続きで御審議をお願いするということです。以上です。
 続いて、当部会委員の異動につきまして御報告いたします。3名の先生方に新たに当部会の委員に御就任いただいております。
 まず、財団法人日本中毒情報センターつくば中毒110番施設長の黒木委員です。また、本日御欠席ですが、学習院大学法学部教授の櫻井委員、独立行政法人医薬基盤研究所 難病・疾病資源研究部部長の増井委員にも、新たに御就任いただくことになりました。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 本日の委員の出席についてですが、庵原委員、大槻委員、櫻井委員、半田委員、増井委員、山本委員より御欠席との連絡をいただいております。また、鈴木委員から遅れる旨の連絡をいただいております。
 現在のところ、当部会委員数21名のうち14名の委員の御出席をいただいていますので、定足数に達しておりますことを報告いたします。
 本日のその他事項に関しましては、独立行政法人国立がん研究センター中央病院医長の安藤先生及び独立行政法人国立成育医療研究センター臨床研究センター治験推進室長の中村先生を参考人としてお呼びしています。
 それでは、吉田部会長、以後の進行をお願いいたします。
○吉田部会長 それでは、本日の議題に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と、審議事項に関する競合品目・競合企業リストについて報告を行ってください。
○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会委員の名簿を配付しています。議事次第に記載されている資料1~9をあらかじめお送りしています。このほか、資料10「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料11「専門委員リスト」、資料12「競合品目・競合企業リスト」を配付しています。
 続きまして、本日の審議事項に関する資料12「競合品目・競合企業リスト」について御報告します。各品目の競合品目選定理由については次のとおりです。
 資料12「競合品目・競合企業リスト」の1ページを御覧ください。「シンポニー」です。本品目は、既存治療で効果不十分な関節リウマチを効能・効果としており、同様の効能・効果を有する薬剤として、資料に掲げる品目を競合品目として選定しております。以上です。
○吉田部会長 今の事務局からの説明に特段の御意見等はございますか。よろしいでしょうか。それでは本部会の審議事項に関する競合品目・競合企業リストについては、皆さんの了解を得たものとします。それでは、委員からの申出状況について報告してください。
○事務局 各委員からの申出状況については、次のとおりです。
 議題1の「シンポニー」について、退室委員はいらっしゃいません。議決に参加しない委員は前崎委員です。以上です。
○吉田部会長 本日は、審議事項は1議題、報告事項が7議題、その他の事項が1議題となっています。本日は参考人の先生に来ていただいている関係上、その他の事項から始めたいと思います。それでは、新しい委員の先生方もいらっしゃいますので、検討会議の概要と検討の進捗状況について、事務局より御説明ください。
○事務局 その他事項議題1、資料9「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について」、事務局より説明いたします。
 227ページを御覧ください。「未承認薬・適応外薬に係る開発の要望の公募について」です。欧米では使用が認められているが、国内では承認されていない未承認薬・適応外薬の問題について、解決しなければならないという状況がございまして、資料の2行目に誤った記載がありますが、正しくは一昨年の6~8月に未承認薬等の開発要望について募集を行いました。応募の条件は、真ん中の囲みにございます。結果としては、ページの左下にございますように、374件の要望が寄せられております。
 228ページを御覧ください。こちらは、検討会議の進め方についてです。応募された374件については、昨年2月に設置された医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において検討いただいております。図の真ん中にございます検討会議の囲みの中で、白抜きで囲んでおりますが、「医療上の必要性の評価」、「必要な試験の妥当性又は公知申請への該当性の評価」をこの検討会で行っていただき、公知に該当するというものについて、この囲みの左下の方に「審議会の事前評価」とございますが、本部会において事前評価を行っていただくことになっております。
 そして、矢印を進んでいただいて、事前評価が済みましたら、各企業において必要な試験の実施あるいは公知申請で良いというものについては、申請書の作成等の準備を行っていただき、承認申請を行うことになります。
 229ページを御覧ください。検討会議における進捗状況についてです。今月の18日に第7回の検討会議が開催され、要望のあった374件の医療上の必要性に関する評価については、すべて終了いたしました。表の2番目の欄の「合計」の下に「186」とありますが、こちらが評価結果で、医療上の必要性が高いとなったものの数です。医療上の必要性が高いと評価されたものにつきましては、製薬企業に医薬品の承認に向けて開発要請を行うこととなっており、第7回の検討会議で医療上の必要性が高いと評価された4件を除きまして、既に開発要請を行うか、開発企業の公募を行っております。
 230ページを御覧ください。これまでに2回の開発要請等が行われ、企業からの見解も踏まえまして、検討会議において「公知申請が妥当であるもの」と判断されたものの件数が、各表の上から3番目の欄に記載されております。この公知申請が妥当とされた品目については、本部会において公知申請の事前評価を行っていただいておりまして、本日も7件の評価をお願いいたします。
 本部会において、公知との確認がなされましたら、企業からの承認申請後、迅速に審査を行うこととしております。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生方から何か御質問がございましたらお願いいたします。資料を見ていて少し気になったことがあります。229ページの表に「海外承認等なし」という欄があり、薬が載っているのですが、これは元々ここの検討会の対象外ではないのでしょうか。
○事務局 227ページに公募する時の条件として、海外の承認ということが挙がっているのですが、この検討会議では、その条件をクリアしていないものも応募されたということです。それらも含めて、104件ということです。
○吉田部会長 検討会の対象外のものも含めて374件きたけれども、実際は270の薬が新規の対象ということですね。
○事務局 はい。270になると思います。
○吉田部会長 よろしいでしょうか。それでは、個別品目の公知申請の事前評価に移ります。それではまず、抗がん領域について、まとめて御説明をお願いしたいと思います。参考人の安藤先生にお願いしたいと思いますが、トラスツズマブについては、安藤先生は利益相反の関係があるとのことですので、事務局から説明いただき、安藤先生には私から求められた場合のみ御発言いただくこととしたいと思います。それでは、説明をお願いします。
○安藤参考人 抗がん剤ワーキンググループの座長をしております安藤と申します。よろしくお願いします。
 その他事項議題1、資料9「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請を行うことが適当と判断された適応外薬の事前評価について」、説明いたします。
 3ページを御覧ください。最初に一般名イマチニブメシル酸塩、販売名グリベック錠のFIP1L1-PDGFRα陽性の慢性好酸球性白血病及び特発好酸球増多症候群に対する効能・効果の追加要望について説明させていただきます。
 要望者は、日本臨床腫瘍学会です。本疾患は、早期診断や心合併症等による治療の進歩により、生存率というのは改善されていますが、依然として難治性の疾患であり、既存の優れた治療というのは無く、医療上の必要性は高いと検討会議で判断いたしました。
 20ページの「(3)要望内容に係る公知申請の妥当性について」を御覧ください。こちらに、この病気に対する治療成績が書いてありますが、イマチニブというのは、一つの海外の第II相臨床試験でFIP1L1-PDGFRα陽性の慢性好酸球性白血病及び特発好酸球増多症候群に対して、95%以上の患者さんで改善が認められたという結果が出まして、それにより欧米で、この効能で承認されております。本疾患は御存じのように稀な疾患であり、本邦での臨床試験の報告はないのですが、症例報告レベルで有効性が認められる報告があります。また、本疾患に用いられている用法・用量というのは、既に既承認の慢性骨髄性白血病等の他がん種に対して承認されている用法・用量の範囲であるために、安全性情報に関しては、十分に蓄積がなされていると判断いたしました。
 今述べました内容と海外等の血液に関する教科書、ガイドライン等の記載事項から、検討会議ではイマチニブのFIP1L1-PDGFRα陽性の慢性好酸球性白血病及び特発好酸球増多症候群に対する有用性について、医学薬学上公知であると判断されました。以上です。
 次に、一般名オクトレオチド酢酸塩、販売名サンドスタチンLAR筋注用についてです。消化管神経内分泌腫瘍に対する効能・効果の追加要望について、説明させていただきます。
 27ページを御覧ください。要望者は、厚生労働科学研究の研究班となっております。本疾患については、非常に稀な疾患ですが、米国のNCCNガイドラインにおいて本剤の使用が奨励されているなど、欧米においては標準的療法に位置付けられております。このために、医療上の必要性は高いと検討会では判断されました。
 50~51ページの「(3)要望内容に係る公知申請の妥当性について」を御覧ください。オクトレオチドというのは、神経内分泌腫瘍に対して、症状の改善目的で欧米及び本邦で承認されております。ただし、消化管の神経内分泌腫瘍に対する治療目的では承認されておりませんが、米国では公的保険というものが適用されております。オクトレオチドというのは従来より、様々な小規模な臨床試験の結果によれば、腫瘍増殖抑制効果も期待されて使用されてきました。それで、こちらに書いてある治験の海外第III相試験、プラセボとオクトレオチドを比較して、無増悪期間が延長されることが示されました。本邦では臨床試験の報告は無いものも、症例報告レベルで有効性が認められたということがございまして、また、本疾患で用いられる用法・用量は、既承認の範囲内のために安全性情報が蓄積されております。
 さらに、消化管神経内分泌腫瘍についての効能・効果なのですが、これは非常に広いように思えるのですが、消化管神経内分泌腫瘍というのは、例えばWHO等様々なところで定義はあるのですが、消化管、膵臓、全部横断的に全部網羅した神経内分泌腫瘍の分類というのが無く、現実的には実臨床でどのように用いられているかというと、オクトレオチドの受容体の免疫染色をすることと、もう一つは神経内分泌腫瘍の中にも、高悪性度のものと低悪性度のものがあり、低悪性度のものが、このオクトレオチドの適応になるということです。ですから、細胞の分化度を病理学的に十分に検討した上で用いているので、検討会ではこの効能で妥当だと判断いたしました。以上の内容及び教科書やガイドラインの記載事項から、検討会議ではオクトレオチドの神経内分泌腫瘍に関する有用性について、医学薬学上公知であると判断されました。以上です。
 続きまして、資料57ページを御覧ください。一般名カルボプラチン、販売名パラプラチン注射液の乳癌に対する効能・効果の追加要望に関して説明いたします。要望者は、有限責任法人日本乳癌学会、日本臨床腫瘍学会等です。カルボプラチンは、欧米では乳癌において承認はありませんが、米国では公的保険が適用されております。また、教科書やガイドラインの記載から、欧米において標準的治療に位置付けられていると判断されました。
 これに関して、様々な臨床試験があるのですが、73ページの「(3)要望内容に係る公知申請の妥当性について」を御覧ください。海外で行われた臨床試験の結果から、カルボプラチンというのはHER2陽性の乳癌患者に対して、トラスツズマブ及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用での有効性が承認されております。カルボプラチンのトラスツズマブ及びタキサン系抗悪性腫瘍薬との併用での日本人での情報は極めて限られておりますが、海外試験の情報、国内の製造販売後調査の成績等から、併用する各薬剤の添付文書をよく読んだ上で、がん化学療法に精通した医師によって適切に副作用が管理され、必要に応じて休薬等が適切に行われるのであれば、本併用療法、つまりカルボプラチンとトラスツズマブとタキサン系抗がん剤の併用投与は忍容可能と検討会では判断されました。
 以上の内容、教科書、海外のガイドライン等を基に検討を行った結果、HER2陽性の乳癌患者に対するカルボプラチンのトラスツズマブ及びタキサン系抗悪性腫瘍薬との併用療法の有用性について、医学薬学上公知であると判断されました。ただし、先ほど申し上げたように、HER2陽性例の患者に対して併用薬としてトラスツズマブを用いていることから、効能・効果では対象がHER2陽性の乳癌患者となりますが、カルボプラチンの作用機序を考慮して、効能・効果にHER2陽性と限定するのは適切ではないと考えまして、用法・用量に、トラスツズマブと併用して使いなさいということを明示することを前提として、効能・効果は乳癌と設定することが妥当と検討会では判断されました。以上です。
○事務局 続いて、事務局よりトラスツズマブに関する2件について説明いたします。資料79ページを御覧ください。HER2過剰発現が確認された乳癌における術前補助化学療法の効能・効果の追加要望についてです。要望者は、有限責任中間法人日本乳癌学会です。本剤による乳癌の術前補助療法については、NCCNガイドラインなどの国際的なガイドラインにおいて推奨されており、欧米において標準的療法に位置付けられていると考えられ、医療上の必要性は高いと判断されました。
 98ページの「7.公知申請の妥当性について」を御覧ください。有効性に関しては、98~99ページにかけて、週1回投与あるいは3週間1回投与による海外での四つの臨床試験成績と、国内での医師主導の治験成績がまとめられています。結論としては、一定の有効性が認められると判断されております。
 安全性に関しては、101ページの上の囲みの中程ですが、海外試験、国内治験で確認された副作用は添付文書に記載されているものと同様で、既に本邦で承認されている術後補助化学療法と大差はないものと考えられました。
 以上の内容及び教科書、ガイドライン等の内容を踏まえまして、検討会議ではトラスツズマブのHER2過剰発現が確認された乳癌における術前補助化学療法に対して、週1回投与、週3回投与、共に医学薬学上公知であると判断されました。
 続いて107ページを御覧ください。トラスツズマブのHER2過剰発現が確認された転移性乳癌に対する3週間1回投与の用法・用量の追加要望についてです。要望者は、有限責任中間法人日本乳癌学会です。本投与方法については、海外の教科書やNCCNガイドラインの記載から、欧米において標準的療法に位置付けられていると判断され、医療上の必要性は高いと判断されました。
 124ページの「(3)要望内容に係る公知申請の妥当性について」を御覧ください。トラスツズマブは四つの海外の試験成績を基に、欧州でHER2陽性の転移性乳癌に対して、3週間1回投与が承認されております。国内でHER2陽性の転移性乳癌に対する3週間1回投与での臨床試験は実施されておりませんが、海外での試験成績や本薬の3週間1回投与がHER2陽性の乳癌に対する術後補助化学療法として既に承認されていることなどを踏まえ、日本人患者でも有効性は期待できると考えられております。
 以上の内容及び教科書、ガイドライン等の記載内容を踏まえて、検討会議ではHER2過剰発現が確認された転移性乳癌に対する3週間1回投与について、医学薬学上公知であると判断されました。以上です。
○吉田部会長 委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。
○奥田委員 パラプラチンの申請に関する内容については、カルボプラチンの後発薬品が既に発売されていると思いますが、今回の承認に関しては、パラプラチンの先発製剤のみに係るものなのかどうかについて、教えてください。
 

○事務局 事務局より説明させていただきます。開発要請については、公知申請の資料の一番初めに書かれております医薬品に対する会社に要請しております。
 今回のこのカルボプラチンについて開発要請を行ったのは、ブリストル・マイヤーズ株式会社ということになりまして、義務的に公知申請を行っていただくのは、ブリストル・マイヤーズ社のみになります。
 この商品名のものが公知であるということではなく、成分が公知であるということです。そのことから、後発メーカーが、こちらの公知申請の報告書を利用して公知申請を行っていただくことについては、差し支えないと考えており、積極的に行っていただいて良いものと考えております。
 そこで、どうしても同時に公知申請ができなかったというようなケースにつきましても、効能揃えということで通常の後発品と同様の対応を行っていただくことになると思っております。
○吉田部会長 ほかにございますか。オクトレオチドですが、消化管の神経内分泌腫瘍としていますが、そうしてしまうと、肺などに使えなくなるのではないかと思いますが、田村先生、いかがでしょうか。例えば、気管支や肺のカルチノイドなどでは、このような薬が使われる可能性はないのでしょうか。
○田村委員 あるのかもしれませんが、経験はございません。
○吉田部会長 その辺の議論は、どうなっていましたか。
○安藤参考人 私の数少ない経験なのですが、肺の方のものは未分化のものが非常に多く、この治療の適応にはならない症例が多くみられました。
 それから、先ほど申し上げたように、消化管の内分泌腫瘍であれば、何でも最初にオクトレオチドを投与するわけではなくて、最近では病理学的なオクトレオチドの受容体の検討、分化度が高いのかどうかの検討を十分に病理で行った上で使用し、分化度が低ければ、通常のプラチナを含む抗がん剤の治療になるので、適切に使われると私たちは判断いたしました。
○吉田部会長 昔の知識で申し訳ないのですが、なぜオクトレオチドが効くのかというと、カルチノイド腫瘍等の内分泌腫瘍のファンクションを抑え込むことで、腫瘍増殖が減るのだと説明されておりました。つまり、ファンクションを持っているものにしか効かないとされていたのですが、最近は解釈が変わったのでしょうか。
○安藤参考人 オクトレオチド受容体を持っているものには、効くだろうということです。
○吉田部会長 それを病理学的に決めるということで良いのですか。
○安藤参考人 肝臓、膵臓の腫瘍が専門の先生方や病理の先生方に伺いましたが、最近は、オクトレオチド受容体をきちんと確認しているということでした。
○吉田部会長 分かりました。ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、残りの2件について参考人の中村先生、説明をお願いします。
○中村参考人 小児ワーキンググループの座長の中村でございます。よろしくお願いいたします。フルコナゾールの小児用法・用量の追加及び真菌感染症予防の効能追加の2件について、続けて御説明いたします。
 資料129ページを御覧ください。小児用法・用量の追加です。要望者は、社団法人日本感染症学会、日本小児血液学会及び日本小児がん学会です。小児に対する適応を有しております抗真菌剤としては、アムホテリシンB及びミカファンギンナトリウムがありますが、アムホテリシンBは消化管カンジダ症以外には有効性が確認されておらず、ミカファンギンナトリウムはクリプトコッカス症の適応を有していません。また、経口剤が無いため、外来治療が困難であるという状況です。一方、フルコナゾールは先に述べた2剤とは異なるアゾール系の薬剤であり、海外では小児用懸濁液が承認されていることなどを総合的に判断して、医療上の必要性は高いと判断いたしました。
 142~163ページの「5.要望内容に係る国内外の公表文献・成書等について」に記載しておりますが、国内外の文献調査の結果、要望内容に関する文献が公表されていること、教科書や国内外の各種ガイドラインで、本剤が小児の真菌感染症に対する治療薬として推奨されていることから、小児科領域における真菌感染症の治療薬としては確立されたものであり、臨床現場においても使用実績が蓄積されているものと判断しております。
 166~167ページを御覧ください。167ページの上の囲ってある部分なのですが、用法・用量については、海外の添付文書・成書、海外のガイドラインに記載されている用量を参考に、成人と同等の曝露を得られる用量として、カンジダ症は3mg/kg、クリプトコッカス症には3~6mg/kgを通常用法・用量とし、重症または難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できることとしました。ただし、成人の最大用量が400mgですので、それを超えないとすることが適切と判断いたしました。以上、本剤の小児の真菌感染症に対する有効性及び安全性は医学薬学上公知であると判断いたしました。
 なお、先ほど申し上げた懸濁剤については、別途ファイザー社が開発中ということですので、今後承認申請などの手続きが行われるものと思っております。
 続いて予防効能です。175ページを御覧ください。要望者は、日本小児血液学会及び日本小児がん学会です。造血幹細胞移植患者に対する予防適応追加については、海外において既に当該効能、または、効果等により承認されており、海外のガイドラインにおいて推奨されていることから、欧米において標準的治療に位置付けられていると考えられ、医療上の必要性は高いと判断いたしました。
 国内外の文献調査の結果、教科書や国内外の各種ガイドラインで、造血幹細胞移植患者に対する真菌感染症の予防薬として推奨されておりますので、真菌感染症の予防薬として確立されたものであり、臨床現場においても使用実績が蓄積されているものと判断しております。
 217ページを御覧ください。効能・効果についてです。「8.効能・効果及び用法・用量等の記載の妥当性について」の「(1)効能・効果について」の少し下の四角で囲ってある部分ですが、造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防とすることが適切であると判断しております。
 218ページの一番上の四角で囲ってある部分ですが、米国承認用法・用量に合わせ、通常用量として成人は400mg、小児は12mg/kgを1日1回投与と設定することが適切であると判断いたしました。
 220ページの真ん中で、「用法及び用量に関連する使用上の注意」の四角で囲ってある部分ですが、本薬の予防投与については適正使用の観点から、欧米の添付文書を参考に、投与期間について注意喚起をすることが適切と判断いたしました。以上、本剤の真菌感染症予防に対する有効性及び安全性は、医学薬学上公知であると判断いたしました。以上です。
○吉田部会長 委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。フルコナゾールについてですが、新生児の扱いはどのようにするということでまとめられたのですか。
○中村参考人 現場の先生方にもお聞きしたのですが、新生児については、国内での使用実態が余り報告されていないので、製造販売後にしっかりと調査していただくということになっております。
○吉田部会長 メーカーに責任を持たせるのですね。
○中村参考人 そう理解しておりますが、こちらについては少し議論がありました。学会の先生方にお願いするという話もあったのですが、元々適応が無いところで使用実態調査を行おうとしても例が集まらないということから、承認された後にやっていただくことの方が、より適切であると考えております。
○吉田部会長 その辺について事務局に聞きたいのですが、市販後調査などを要求する場合、普通の承認審査であれば承認条件という形になりますが、もう公知だといえば、市販後調査の必要は無いということにはならないのですか。やってくださいと指摘したことに関しては、きちんとやってもらえるのですか。
○事務局 公知申請といえども承認申請を行っていただきますので、その際、承認審査の中で行われることになります。
○吉田部会長 付帯条件を付けることは、十分に可能であるということですね。
○事務局 はい。
○吉田部会長 ほかにございますか。
○清水委員 今説明があったのですが、小児用の懸濁液についてですが、この後、承認の過程において特段優遇されるような要件を持っているのでしょうか。
○事務局 この場で公知と確認していただけましたら、承認申請され、審査は6か月程で行っております。
○吉田部会長 結局、こちらへ戻ってくるということですね。
○事務局 はい。本日のこの後の報告品目でも何件かございます。
○中村参考人 小児の剤形についてですが、この検討会が始まった段階から、小児の剤形を取り扱うのか否かの議論がずっと続いております。現場にて小児剤形に変更している製剤について、すべての製剤の小児剤形を作成するということは、世界中どこを見ても行われておりません。まず不可能だと思われます。フルコナゾールについては、現場で脱カプセルをして投与しているという現実があり、こちらについての検討会は元々の要望について検討するということです。余り膨らました検討をしたりすると、どこまで検討するのか歯止めが利かなくなるというところで整理されていると理解しております。
 ただ、まずは成人用製剤について、小児の適応を取ることの方が先に進みます。その方が、より現場にとってはニーズが高く、ありがたいところがあります。ほかのものについても同じですが、これは私の理解というよりも、事務局との話合いの中では、小児製剤についての検討は別途動いていくということになるのだと理解しております。
○吉田部会長 了解していますね。
○事務局 了解しました。
○吉田部会長 ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、その他事項については御確認いただいたものといたします。参考人の先生方、ありがとうございました。
 それでは、審議事項議題1に移ります。
 議題1について、機構から概要を説明してください。
○機構 審議事項議題1、資料1「医薬品シンポニー皮下注50mgシリンジの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」、機構より説明いたします。
 本剤の有効成分であるゴリムマブ(遺伝子組換え)は、ヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)に対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、可溶型及び膜結合型のヒトTNFαに親和性を有し、TNFαと受容体との結合を阻害することにより、TNFαの生物活性を中和する作用を有する生物製剤です。
 本剤は関節リウマチの治療薬として開発され、今般、「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」に係る効能・効果で申請がなされたものです。海外において、本剤は、2010年10月現在、関節リウマチ等に係る適応で38か国で承認されています。なお、本邦においては本剤と同様の抗TNF製剤であるインフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブが、関節リウマチに係る効能で、既に承認されています。本申請の専門委員としては、資料11に記載されております10名の委員を指名いたしました。
 主な審査内容について簡単に説明いたします。審査報告書、41ページの下段、3)国内第II/III相試験の一つ、JNS012-JPN-03試験の項を御覧ください。
 国内での主要試験の一つとして、日本人関節リウマチ患者261名を対象に、いずれもメトトレキサート(MTX)との併用で、本剤50mg、100mg又はプラセボを4週間隔で皮下投与した際の有効性及び安全性を比較する無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されています。その結果、42ページの中段の表15に示していますように、主要評価項目である投与14週目のACR20%改善率、関節の疼痛や腫張等の症状に関する複合指標であるACRスコアがベースラインから20%以上改善した症例の割合は、プラセボ群27.3%に対し、本剤50mg群では72.1%、本剤100mg群では74.7%であり、本剤群において、関節リウマチにおける関節痛等の症状に対する有意な改善が認められています。
 また、その下の表16に示していますように、レントゲンによる画像所見により評価した関節の構造的損傷の度合いを示す副次的評価項目vdH-Sスコアの総シャープスコア(TSS)のベースラインから24週までの変化量(最小二乗平均のプラセボ群に対する差)は、本剤50mg群で-1.47、本剤100mg群で-2.18であり、本剤群において有意な、関節の構造的損傷の進行抑制が認められています。
 次に、45ページの下段、4)国内第II/III相試験のもう一つ、JNS012-JPN-04試験の項を御覧ください。日本人関節リウマチ患者308名を対象に、この試験ではメトトレキサートを併用せずに、本剤50mg、100mg又はプラセボを4週間隔で皮下投与した際の有効性及び安全性を比較する無作為化二重盲検並行群間比較試験が実施されています。その結果、46ページ上段の表20に示していますように、主要評価項目である投与14週目のACR20%改善率は、プラセボ群19.0%に対し、本剤50mg群では50.5%、本剤100mg群では58.8%であり、本剤群において、関節リウマチにおける関節痛等の症状に対する有意な改善が認められています。
 一方、その下の表21に示していますように、24週時点におけるTSSのベースラインからの変化量は、本剤50mg群で-0.65、本剤100mg群で-0.43であり、統計学的に有意な、関節の構造的損傷の進行抑制は認められませんでした。なお、46ページの本文2行目から記載していますとおり、当初想定していない極端な悪化を示す症例が1例存在したため、追加解析として、外れ値の影響を受けにくいvan der Waerden正規スコアに基づく分散分析により解析を行ったところ、100mg群において有意な関節の構造的損傷の進行抑制が認められました。
 これらの成績により、機構は、関節リウマチに対する本剤の有効性は示されたものと判断いたしました。なお、57ページ中段の「2)本剤単独投与について」を御覧ください。本剤単独投与の有効性は、メトトレキサート併用投与時の有効性よりも低いことが示唆されていること等を勘案すると、本剤の投与は通常メトトレキサートとの併用により行われ、本剤単独投与はメトトレキサート不耐容の患者に対して考慮されることが適切と考えております。
 次に、審査報告書の58ページの「(2)用法・用量について」を御覧ください。まず、メトトレキサート併用下での用法・用量について説明いたします。申請者は、本剤の通常用量を50mgとした上で、疾患活動性の指標の一つであるCRPによる部分集団解析結果に基づき、関節の構造的損傷抑制効果において50mgに対する100mgの優位性が示されたとして、「なお、疾患活動性が高い場合には、1回100mgを使用することができる。」としています。機構は、関節の構造的損傷抑制効果において100mg投与の優位性は認められると考えられるものの、疾患活動性が高い集団においてもメトトレキサート治療下等では関節の構造的損傷の進展がほとんどみられない場合もあることなどから、疾患活動性の高い患者が100mg投与によるベネフィットを得られる患者であると特定することは困難と考え100mg投与に係る規定について、59ページの最終段落でございますが、文言を「なお、患者の状態に応じて1回100mgを使用することができる」等として、患者の症状等を考慮して関節リウマチの診断・治療に精通した医師により100mg投与の適否が慎重に判断されることが適切と判断いたしました。
 続いて、審査報告書60ページの下段でございますが、本剤の単独投与時の用量について、機構は、ACR20%改善率において100mg群に比べて50mg群で劣る傾向が認められていること、TSS変化量において50mg群では有効性を期待し得る成績は得られていないことを踏まえると、メトトレキサート不耐容の患者においても50mgの単独投与によるベネフィットは大きくないと考え、本剤の単独投与時の用量は1回100mgとすることが適切と判断いたしました。
 次に、61ページの中段、「(4)安全性について」の項を御覧ください。本剤は、TNFαの生理活性を抑制することから、免疫機能への影響により発現が懸念される重篤な感染症をはじめ、抗TNF製剤で知られている有害事象の発現傾向について、本邦で既に承認されている抗TNF製剤との比較も含め、検討を行いました。
 まず、62ページの表40のとおり、本剤の国内外の臨床試験における、重篤な感染症の発現状況をまとめました。また、62ページの下段からは、既承認の抗TNF製剤の臨床試験等における重篤な感染症の発現率等を記載しています。これらの成績から、本剤投与時にはプラセボと比較して、重篤な感染症の発現率が増加する傾向があり、その発現率や発現事象は既承認の抗TNF製剤と類似していると考えられ、既承認の抗TNF製剤と同様に、十分な注意が必要と考えております。
 次に、64ページ下段以降、同様に、2.重篤なアレルギー反応、次のページにいきまして3.間質性肺疾患、おめくりいただき4.ループス様症候群及び全身性エリテマトーデス、5.脱髄性疾患、6.心不全、7.悪性腫瘍、8.注射部位反応について検討を行いましたが、いずれの有害事象の発現傾向も、既承認のTNF製剤と比べ大きな相違はないと考えられました。
 以上を踏まえまして、69ページ下から2段目ですが、機構は、これらの提出された資料等を踏まえれば、本剤の安全性プロファイルは既存の抗TNF製剤と類似していると考えられ、現時点で本剤特有の安全性の懸念は示されていないと考えております。しかしながら、現時点では、海外も含め本剤の使用経験は限られていることから、今後、特に長期投与時の情報を十分に集積した上で、本剤の安全性プロファイルをさらに明確にしていく必要があると考えます。
 次に、76ページ中段の「(3)製造販売後調査等について」を御覧ください。「申請者は、」からの段落のとおり、製造販売後調査として、記載のような重点調査項目を設定した、観察期間を24週間とする使用成績調査と、観察期間を52週間とする長期特定使用成績調査を実施すること、また、本剤初回投与3年後までの悪性腫瘍の発現状況についても追跡調査を実施することが予定されております。
 なお、既承認の抗TNF製剤については、全例調査の実施を承認条件としてきたところですが、既承認の抗TNF製剤における関節リウマチについての全例調査はいずれも終了しており、当該調査結果等から抗TNF製剤の使用に際し必要な安全対策もおおむね明らかになっていること、本剤の安全性プロファイルは既承認の抗TNF製剤と類似していると考えられ、現時点で本剤特有の安全性上の問題は示唆されていないこと、さらに、本剤の使用に際しては、他の抗TNF製剤と同様に、特に呼吸器感染症等の副作用に対して適切な処置が可能な施設等に限定して納入する制限がなされることを勘案すると、本剤について承認条件として全例調査を義務付ける必要性は低いものと判断しています。
 一方、長期投与時の安全性については、既承認の抗TNF製剤も含め、十分な情報が集積されているとは言えないことから、既承認の抗TNF製剤と同様に、長期投与時の安全性及び有効性データを適切に収集可能な製造販売後調査の実施を承認条件として付すことが適切と判断しました。
 以上の審査を踏まえ、77ページでございますが、記載の承認条件を付した上で、本剤を承認して差し支えないとの結論に達し、本部会で御審議いただくことが適当と判断いたしました。本申請に係る再審査期間は8年、また、原体及び製剤は劇薬に該当し、生物由来製品に該当するものと判断しています。
 薬事分科会では報告を予定しております。
 御審議のほど、お願いいたします。
 なお、本品目につきましては、佐藤委員より事前に質問をいただきましたので、併せて事務局より回答させていただきます。佐藤委員からは、事前に三つの質問をいただきましたが、御説明の都合上、3番目の質問から先に回答させていただきます。
 「3.表の数値について」、「審査報告書とCTD中の以下の表の数値が若干異なっているのはなぜでしょうか。」との御質問をいただいております。例えば42ページの表16と、CTD2.5の51ページに記載されている表2.5.4.1-3の中の数値が若干異なっているのはなぜかとの御質問になります。
 こちらの回答ですが、国内JNS012-JPN-03試験及びJNS012-JPN-04試験では、24週データカットオフ値(Session1)と、52週データカットオフ時(Session2)の2回、関節X線画像の読影が実施されており、Session1において読影した24週時のデータについても、Session2として再度読影が実施されています。CTD2.5「臨床に関する概括評価」では、Session2として読影した24週時のデータに基づいた記載がされておりますが、本剤の審査においては、事前に解析計画書で規定されていたSession1のデータを重視して評価を行ったため、審査報告書ではSession1の読影データを記載しております。
 次の御質問に移ります。「1.効能・効果について」、「『(関節の構造的損傷の防止を含む)』との審査結果ですが、CRP値にもとづく部分集団解析の結果をしめした審査報告書58ページの表37、CTD2.5臨床に関する概括評価53ページの表2.5.4.1-4(JNS012-JPN-03試験)、58ページの表2.5.4.1-8(JNS012-JPN-04試験)をみると、疾患活動性が高いと考えられるベースラインCRP値1.5mg/dL以上の群では、メトトレキサート併用の有無に関わらず、ゴリムマブの『関節の構造的損傷抑制効果』が示されているデータとはなっていないように思いますが、いかがでしょうか。」との御質問をいただいております。
 こちらの回答ですが、審査報告書58ページ、表37のデータを基に御説明いたします。「関節の構造的損傷抑制効果」については、CRP値で区分した部分集団解析ではなく、全体集団での解析結果を重視して審査いたしました。また、事前に解析計画書で規定されていた24週データカットオフ時(Session1)に読影したデータに基づく成績により審査いたしました。
 メトトレキサートを併用したJNS012-JPN03試験については、全体集団において50mg+MTX群、100mg+MTX群のいずれもプラセボ群との有意差が認められていることから、関節の構造的損傷抑制効果は示されているものと判断しております。また、TSS変化量は50mg+MTX群に比べ100mg+MTX群で小さく、臨床的に意義が高いと考えられるTSS変化量が0以下であった被験者の割合、また、SDC(最小検出可能変化量)を超えた被験者の割合については、100mg+MTX群のみプラセボ群との有意差が認められていることから、関節の構造的損傷の進展が特に早い患者などの、一部の患者に対しては100mg+MTXを投与する臨床的意義はあるものと判断し、メトトレキサート併用時の通常用量は50mg、患者の状態に応じて1回100mgを使用可能としております。CRP値での部分集団解析については、これらを補足するデータとして評価しております。
 なお、本剤は基本的にはメトトレキサートと併用されるものと想定され、本剤単独投与はメトトレキサートが副作用により使用できない場合などに限られます。本剤の基本の使用方法となるメトトレキサート併用時において、関節の構造的損傷抑制効果が示されていることから、効能・効果に「(関節の構造的損傷の防止を含む)」を記載することに問題はないと判断しております。
 また、メトトレキサートを併用していないJNS012-JPN04試験については、審査報告書46ページ表21に記載しておりますように、事前に計画された解析ではプラセボ群に対する有意差は50mg群、100mg群共に認められていないものの、58ページ表37に記載しております、外れ値の影響を考慮した追加解析において、100mg群の有意差が示されていることから、関節の構造的損傷抑制効果は示唆されていると考えております。
 最後にもう1点ございます。「2.製造販売後調査について」、「審査報告書76ページに『本剤の投与期間は4週間と比較的長いことから、特に投与初期の有害事象が見逃されることがないよう考慮した計画とすることを求めた』と記述があり、申請者は『投与初期の有害事象も適確に収集できるよう、初回投与から4週後までの間についても調査項目を設定する』となっていますが、これでは初回投与から4週間の有害事象は4週を過ぎないと収集できないように思われます。投与初期に限らず、感染症などが起きた時などには担当医にすぐ連絡するよう患者さんに注意事項をまとめたパンフレットをお渡しする、などの工夫が必要ではないでしょうか。」との指摘をいただきました。
 こちらに関しては、異常が見られた場合にはすぐに医師まで連絡することを含め、本剤の概要及び副作用(症状)等で注意すべき点をまとめた患者用説明冊子を用意するとの回答を申請者より得ており、4週より前に発現した有害事象についても、診察日時点での把握が可能と考えておりますが、先生が御懸念の点については申請者に伝達し、患者様への説明方法等について、分かりやすく十分な対応がなされるよう指導いたします。以上です。
○吉田部会長 ありがとうございました。委員の先生方から御質問、御意見をお願いいたします。まず、佐藤先生からどうぞ。
○佐藤委員 ありがとうございます。製造販売後調査については、そのようにお願いします。それから、効能・効果に「関節の構造的損傷の防止を含む」という括弧書きを含めるかどうかについては、臨床の先生方の御了解が得られれば、そのとおりで結構だと思います。どうもありがとうございました。
○吉田部会長 Session1とSession2は、どのように違うのですか。
○機構 機構より説明いたします。Session1は、24週時で撮ったレントゲン写真を24週の時点で読影したもので、Session2はその後52週のデータが揃った段階で再度読影したものです。
○吉田部会長 プロトコール上は、24週で評価するということになっていましたが、その後のデータも入れたので少し複雑になってしまったのですね。
○機構 はい。
○吉田部会長 ほかの先生方、御意見はございますでしょうか。
○新井委員 こちらの抗体は、可溶性のTNFαと膜結合性と両方結合できるということですが、今まであったものとは違うのでしょうか。これが初めてなのでしょうか。
○機構 こちらの薬理試験の中で、可溶性と膜結合性の双方のTNFαと結合し、かつインフリキシマブと比較をして同様の結果が得られております。
○新井委員 試験の中でも調べていると思うのですが、膜結合型ですとTNFα産生細胞自身に対する細胞傷害活性が出てくると思います。ADCCとは、補体dependentの細胞傷害です。ADCCの方は、認められなかったけれども、補体依存的な方はある程度細胞傷害が認められたということで、理由はTNFα濃度dependenceが違うのではないかとdiscussionされています。ADCCの方は、膜結合体に結合したらシェディングしてしまうのでADCCには至らず、CDCの方は抗体が結合した後補体のポア成分は膜の方に移ってしまうので、シェディングする前に補体のポアが形成されてしまうと考えれば、二つの矛盾は説明できるのではないかと思います。要するに、私が聞きたいことは、TNFα産生細胞に対する傷害活性において、この抗体は、膜結合型に結合しないものの方が本当は良いのではないかと思いました。そちらは、問題無いのですね。
○機構 審査報告書の19ページですが、3.のa)を御覧ください。本薬及びインフリキシマブ共に用量依存的に認められております。さらに、b)のCDC活性に関しても、明らかなCDC活性が認められたこととなっております。
 御指摘のとおり、こういった活性は無い方が望ましいと考えておりますが、実際にこれを人に投与した臨床試験等に関しては、このADCC活性、CDC活性に基づく特段の有害事象の恐れというのは、これまでのところ示されておりません。そのことから、許容可能と考えております。
○新井委員 TNFの産生能力が落ちるのは、この抗体を投与した後ですね。TNFαが減るのは分かると思いますが、次のチャレンジに対する産生能力が落ちるという副作用については考えなくて良いのでしょうか。
○機構 これまで得られている臨床試験成績では、今の先生の御質問に関して答えるデータは持ち合わせていないという状況です。実際に人に投与されてどういった影響が出るかということについては、製造販売後調査等も含めまして、きちんと調査するように申請者に伝達したいと考えております。
○吉田部会長 今のところ大きな問題は無いということですね。分かりました。ほかに、御意見はございますか。
○前崎委員 安全性についてお聞きします。62~63ページに、感染症について記載がありますが、国内臨床試験では、確かに肺炎、敗血症などの感染症は起こっておらず、海外の臨床試験では、長期投与の104週までになると肺炎や敗血症の症例数が増えているように思えます。先ほどの話ですと、長期投与については積極的に情報を収集しないと聞こえたのですが、実際にこの薬剤を長期に投与すると、かなり感染症のリスクが高くなるような気がします。そちらについて、きちんと確認する必要はないのでしょうか。
○機構 審査報告書の76ページですが、製造販売後調査において、観察期間を24週とする使用成績調査を3,000例予定していると聞いております。さらに、52週間の長期特定使用成績調査を300例予定しているとも伺っております。
 こちらを実施することとしておりますので、このような調査の中で重篤な感染症の発現の有無をきちんとみていきたいと考えております。
○前崎委員 表40を見ると、104週までの長期投与の場合、肺炎や敗血症などの重篤なものがかなり増えてきているようです。この薬剤については、原則的に投与期間の設定は無いわけですね。そうすると、例えば100週前後まで投与するような症例の安全性を確認する必要はないのでしょうか。
○機構 本剤初回投与3年後までの悪性腫瘍の発現について、追跡調査を実施することを予定しておりますが、その中で重篤な感染症の発現状況についても調査を検討するように、申請者に指示を出したいと思います。
○前崎委員 さらに、もう1点ございます。結核についてですが、海外の臨床試験では、結核が蔓延しているところで症例が集積されて結核が多いと記載されています。実際には、日本も先進国の中では中等度蔓延国になります。ですから、そのような面ではアメリカ、ヨーロッパに比べると、結核の問題というのは深刻に考える必要があります。日本の臨床試験では、たまたまゼロになっていますが、本当にこれが市販後にゼロになるかどうかというのは、疑わしいところがあります。結核については、別途考えていただいた方が良いのではないかと思います。
○機構 結核に関しましては、添付文書の中でも関連する注意の規定を設けておりまして、投与に当たっては、きちんと安全を確保するように注意喚起していきたいと考えております。
○吉田部会長 今の前崎先生の質問をもう少しフォローさせて頂くと、52週までで300例という話でしたが、104週や3年という時には、どれぐらいの数を見込んだら良いのかということも重要なことだと思います。10人だけというのでは話にならないので、もう少し条件を明確にした方が良いと思います。
○機構 ただ今の御指摘の点につきましてですが、先ほど申し上げました「本剤初回投与3年後までの悪性腫瘍」、当初は「悪性腫瘍」となっていますが、こちらの発現状態についての追跡調査500~600例を予定していると聞いておりますので、こちらの中できちんと見るように指示を出したいと思います。
○吉田部会長 よろしくお願いします。ほかに、御意見はございますか。
○中島委員 細かいことですが、海外の添付文書などを見ますと、患者本人がこれを注射するというような記載があります。冷蔵庫に保存してあったものを出して30分が経ってから注射するというような記述もあったのですが、日本の場合はこれを医師が投与する形になると思います。そのため、どこかに「30分経ってから注射する」という記述が必要ではないかと思います。
○機構 御指摘の点に関しまして、日本の医薬品の添付文書の中では特段の記載を行っておりませんが、これとは別に申請者の方において、医師向けの説明用資材を作成すると聞いておりますので、その中で、きちんと30分間室温に戻してから投与すること等を記載するように指導したいと考えております。
○吉田部会長 ほかに、ございますでしょうか。基本的には、先行するインフリキシマブなどの薬と大きな違いや特徴が無いのかもしれません。そのような状況ですけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、議決に入ります。
 なお、前崎委員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。
 本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。
 御異議が無いようですので、承認を可とし、薬事分科会に報告とさせていただきます。 それでは、報告事項について、説明をお願いします。
○機構 報告事項議題1、資料2「医薬品点滴静注用ホスカビル注24mg/mLの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 サイトメガロウイルス(CMV)感染症は、免疫機能の低下した症例に認められる日和見感染症であり、臓器移植患者及び後天性免疫不全症候群(AIDS)患者における発症が報告されています。
 近年、造血幹細胞移植(hematopoietic[haemopoietic] stem cell transplant:HSCT)術の進展や骨髄バンク・臍帯血バンクの充実等により、HSCTを受ける患者数は急速に増加しており、ウイルス感染症等の治療関連合併症は克服すべき重要な課題となっています。現在、臓器移植におけるCMV感染症に対し適応を取得しているのはガンシクロビル(GCV)及びバルガンシクロビル(VGCV)でありますが、GCV及びVGCVは用量制限因子となる骨髄抑制作用を有するため、骨髄機能の脆弱なHSCT患者には用いにくい場合があります。また、GCV耐性のCMV感染も報告されており、海外の診療ガイドラインでは、GCVの使用が困難又はGCV治療抵抗性のHSCT患者に対する代替薬として本剤の使用が推奨され、標準的療法に位置付けられています。
 本邦でもGCVの使用が困難な症例を中心に適応外使用され、その数は増加してきていると考えられますが、保険適用が無いために十分な情報が無いまま使用されていることが懸念されています。以上を踏まえ、日本造血細胞移植学会は、造血細胞移植における本剤の使用実態の全国調査を行うと共に、本剤の早急な保険適用を求める要望書を2008年4月に厚生労働省へ提出しました。
 今般の申請は、当該要望を受けて、新たに臨床試験を実施することなく、公表論文等を科学的根拠として、本剤の適応症に造血幹細胞移植患者におけるCMV血症及び感染症を追加する製造販売承認事項一部変更承認申請となります。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、資料2に記載いたしました効能・効果及び用法・用量にて、承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題2、資料3「医薬品イムラン錠50mg及びアザニン錠50mgの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 本剤は、6-メルカプトプリンのプロドラッグであるアザチオプリンを有効成分とする免疫抑制剤であり、現在は、「腎移植、肝移植、心移植、肺移植における拒絶反応の抑制、ステロイド依存性のクローン病の緩解導入及び維持療法並びにステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の緩解維持」の効能・効果で承認されております。
 本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月25日に開催された医薬品第二部会における事前評価を踏まえて、グラクソ・スミスクライン株式会社及び田辺三菱製薬株式会社から、「治療抵抗性の下記リウマチ性疾患 全身性血管炎(顕微鏡的多発血管炎、ヴェゲナ肉芽腫症、結節性多発動脈炎、Churg-Strauss症候群、大動脈炎症候群等)、全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、混合性結合組織病、及び難治性リウマチ性疾患」の効能・効果及び用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされました。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題3、資料4「医薬品エサンブトール錠125mg、同錠250mg、エブトール125mg錠及び同250mg錠の製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 エタンブトール塩酸塩(以下、本薬)は、結核菌の核酸合成経路を阻害することで抗結核作用を有する薬剤です。
 Mycobacterium avium-intracellulare complex(MAC)症を含む非結核性抗酸菌症は、進行は緩徐でありますが無治療の場合、最終的に呼吸不全に至る難治性疾患であり、早期の治療開始が望まれる疾病です。現在、本邦における非結核性抗酸菌症に対する治療薬としては、リファブチン、クラリスロマイシンの2剤が承認されておりますが、非結核性抗酸菌症の化学療法では、3剤以上の併用が有用であるとされております。
本薬は、非結核性抗酸菌症に対する治療薬として各種学会診療ガイドライン等で推奨され、国内外での使用実績があることから、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月29日に開催された医薬品第二部会における事前評価を踏まえて、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、資料4に記載いたしました効能・効果及び用法・用量にて、承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題4、資料5「医薬品ミオMIBG-I123注射液の製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 本剤は、3-ヨードベンジルグアニジン(123I)を有効成分とする放射性医薬品であります。  
 本剤については、医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年10月25日に開催された本部会における事前評価を踏まえて、今般、富士フイルムRIファーマ株式会社より、「腫瘍シンチグラフィによる褐色細胞腫の診断」の効能・効果及び当該効能に係る用法・用量を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題5、資料6「医薬品リファジンカプセル150mg及びリファンピシンカプセル150mg『サンド』の製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたします。
 リファンピシン(以下、本薬)は、細菌のDNA依存性RNAポリメラーゼを選択的に阻害することで、抗酸菌、グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して抗菌活性を示す薬剤です。
 本薬は、先の議題3の品目と同様に、非結核性抗酸菌症に対する治療薬として各種学会診療ガイドライン等で推奨され、国内外での使用成績があることから、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において公知申請への該当性に係る報告書が取りまとめられ、平成22年11月29日に開催された医薬品第二部会における事前評価を踏まえて、製造販売承認事項一部変更承認申請が行われました。
 医薬品医療機器総合機構における審査の結果、資料6に記載いたしました効能・効果及び用法・用量にて、承認して差し支えないと判断いたしました。
 報告事項議題6、資料7-1~7-4「医療用医薬品の再審査結果について(エファビレンツ)、(サキナビルメシル)、(ネルフィナビルメシル酸塩)、(乾燥濃縮人C1-インアクチベーター)」報告いたします。これらはいずれも医薬品再審査確認等結果通知書です。
 資料7-1は、一般的名称は「エファビレンツ」、販売名は「ストックリン錠600mg他」のものでございます。
 資料7-2は、一般的名称は「サキナビルメシル酸塩」、販売名は「インビラーゼカプセル200mg」のものでございます。
 資料7-3は、一般的名称は「ネルフィナビルメシル酸塩」、販売名は「ビラセプト錠250mg」のものでございます。
 資料7-4は、一般的名称は「乾燥濃縮人C1-インアクチベーター」、販売名は「ベリナートP静注用500」のものでございます。
 これらの品目につきまして、製造販売後の使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験の成績等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げられている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。
○事務局 報告事項議題7、資料8-1、8-2「優先審査指定品目の審査結果について(□□□□□□□□□□□□)(テラビック錠250mg)」報告いたします。
 資料8-1を御覧ください。□□□□□□から申請のあった□□□□□□□□□□、一般名は□□□□□□です。申請効能は、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」です。本品目については評価の結果、優先審査に該当しないと判断しておりますが、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□詳細に説明させていただきます。
 5ページを御覧ください。まず、「1.適応疾病の重篤性」についてです。「□□□□□□□□□□□□□□□□□□」ですので、「生命に重大な影響がある疾患(致死的な疾患)」に該当すると考えられます。
 また、既存の治療法、予防法ですが、□□□□□□□□□□□□□を目的とした既存の予防法は存在しないということです。
 一方で、本薬の有効性について、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□と判断しております。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
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 なお、事前に佐藤委員から御意見をいただいておりますので、御紹介させていただきます。1点目は、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」との御指摘をいただきました。
 2点目ですが、「□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□」との御意見をいただいております。以上です。
 続いて資料8-2「優先審査指定品目の審議結果について」を御覧ください。
 対象品目は販売名テラビック錠250mg、一般名はテラプレビルです。申請者は田辺三菱製薬株式会社です。本剤については、「ペグインターフェロン アルファ-2b(遺伝子組換え)及びリバビリンとの併用によるセログループ1(ジェノタイプI(1a)又はII(1b))のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」の効能で承認申請がなされたものです。事前に取りまとめた医薬品医療機器総合機構の報告書に沿って、本剤の優先審査の該当性について説明いたします。7~8ページの〈総合判断〉の項を御覧ください。
 本剤の対象疾患であるC型慢性肝炎は肝硬変及び肝癌への進展が懸念される重篤な疾患であります。また、C型慢性肝炎患者に対する既存の治療法はあるものの、再燃又は無効例の患者が存在いたします。本剤の臨床試験におきまして、初回治療例におけるPEG-IFNα-2bとリバビリン群の有効性が49.2%であったのに対し、それらと本剤の3剤の併用療法では73.0%であったこと、再燃例、無効例にも一定の有効性が認められたこと、また対象療法の治療期間が48週であったのに対し、本剤の併用療法は24週であったことから、既存の標準治療に対して本剤の医療上の有用性は高いと判断いたしました。
 なお、本剤の併用療法においては、重篤な皮膚症状などが認められることから、その安全性については慎重な評価が必要と考えられるものの、本剤は医療上、特に必要性が高いと認められ、よって優先審査品目に該当すると判断いたしました。
 本剤につきましては、今後、機構での審査を経た後に、改めてこの部会で御審議いただくこととなると思いますので、その際にはどうぞよろしくお願いいたします。以上です。
○吉田部会長 議題7の□□□□□□□□□□については、□□□□□□□□□□□□□□□□□□ことから、優先審査に該当しないという説明がありましたが、これについてはいかがでしょうか。
 佐藤先生からコメントを出していただきましたが、何か御意見はございますか。
○佐藤委員 今、説明いただいたとおりで結構だと思います。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○吉田部会長 田村先生は、いかがでしょうか。
○田村委員 適切な判断だと思います。□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
○吉田部会長 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□厚生労働省のお考えを支持したいと思います。先生方からいくつか御意見をいただきましたので、それを踏まえて、申請者と話を進めていただければと思います。よろしいでしょうか。
 その他について、委員の先生方から御質問等ありましたらお願いします。よろしいでしょうか。特段ございませんか。資料8-1については、優先審査には該当しないということと、もう一度しっかりとした試験を行ってもらうということですね。
○事務局 申請者には、そのように伝えたいと思います。
○吉田部会長 そのようにお願いしたいと思います。ほかに、御意見はございますか。よろしいでしょうか。
 それでは、報告事項については御確認いただいたものといたします。
 本日の議題は以上ですが、事務局から何か報告はありますか。
○事務局 最後に事務局から、肺がんに対する抗がん剤のイレッサの訴訟の判決について、御報告させていただきます。既に報道もされておりますので、要点のみ御説明いたします。
 本年の1月7日に裁判所からの和解勧告がありましたが、国としては和解に応じることは困難と回答させていただきましたところで、その後2月25日に大阪地裁、3月23日に東京地裁の判決が出ております。大阪地裁の判決では、国には損害賠償責任はなしとされましたが、東京地裁の判決では国の責任について、イレッサの承認そのものに違法はないが、承認時の添付文書の記載について規制権限不行使の違法があるとされています。
 大きなポイントは2点ございまして、一つはイレッサ承認時の添付文書の記載では、イレッサを実際に使用する医師には、イレッサによる薬剤性間質性肺炎が従来の抗がん剤と同程度の頻度と重篤度で発症して、致死的となる可能性があるということを認識することは困難であった。
 そのことから、イレッサの承認に当たり、間質性肺炎が発症することを添付文書の警告欄に記載するか、そうでなくても、他の副作用の記載よりも前の方に記載して、致死的となる可能性があることを記載するよう行政指導をすべきであったという判決でございました。
 これについては、国の方で検討させていただきましたが、承認当時のイレッサの添付文書では「重大な副作用」欄に間質性肺炎が記載されていました。これが致死的になり得ることは、医師には理解されていたはずだということです。それから、当時これを警告欄に記載すべきと判断するほどの科学的知見は得られていなかったと考えておりまして、判決を不服として4月5日に東京高裁に控訴しております。報告は、以上です。
○吉田部会長 何か御意見はございますか。よろしいでしょうか。ほかにありましたらお願いします。
○事務局 次回の部会は、既に御案内のように、5月30日(月)の午後3時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。次回については、審議品目数が多いことから、3時間を予定しております。よろしくお願いいたします。
○吉田部会長 それでは、本日はこれで終了させていただきます。
○事務局 本日はどうもありがとうございました。


(了)

備考
本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。

連絡先:医薬食品局 審査管理課 課長補佐 野村(内線2746)

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