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2011年3月9日 第46回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会議事録
労働基準局勤労者生活課
○日時
平成23年3月9日(水)
○場所
中央合同庁舎第5号館 専用第21会議室
○議題
(1)中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の支給率を定める件について(諮問)
(2)一般の中小企業退職金共済事業及び特定業種退職金共済事業における退職金の確実な支給に向けた取組について(報告)
○議事
出席委員:(委員)
公益委員
勝部会長、臼杵委員、鹿住委員、山川委員
労働者代表
久保委員、鈴木委員、高橋委員、林委員、宮本委員、
使用者代表
市瀬委員、清水委員、瀬戸委員、布山委員、室川委員
(事務局)
渡延大臣官房審議官(労働条件政策担当)、三浦勤労者生活課長、
瀧原勤労者生活課調査官、廣瀬勤労者生活課長補佐
(参考人)
勤労者退職金共済機構
小林業務運営部長、久保田建設業事業部次長、山本総務課長
○勝部会長
それでは、時間になりましたので、ただ今から第46回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会を始めたいと思います。
本日は西村委員がご欠席です。
本日の議題ですが、資料の最初のところにございますように2つございまして、1番目といたしまして、「中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の支給率を定める件について」。これは諮問でございます。2番目といたしましては、「一般の中小企業退職金共済事業及び特定業種退職金共済事業における退職金の確実な支給に向けた取組について」。これは報告となっております。
それでは、まず議題1の「中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の支給率を定める件について」に入りたいと思います。この件につきまして、本日、厚生労働大臣から労働政策審議会宛てに諮問がなされておりますので、事務局から説明をお願いいたします。よろしくお願いします。
○三浦勤労者生活課長
おはようございます。
それではご説明をさせていただきます。まず、資料1-1の2ページ目をご覧いただければと思います。
厚生労働大臣から労働政策審議会会長宛ての諮問で、「記」とございますように、平成23年度の支給率は0とするということでございます。詳細につきましては、資料に基づきまして順次ご説明を申し上げます。
まず、付加退職金制度の根拠法令と算定ルールについて、簡単にご説明を申し上げます。
参考資料の1ページの参照条文をご覧いただきたいと思います。少々読みづらいのですが、中小企業退職金共済法第10条第2項に退職金の額についての規定がございます。
第1号は、掛金納付月数が23カ月以下の、いわゆる掛け捨てとされている方々について書いておりまして、納付された掛金の総額を下回る額として、政令で定める額というのが1号でございます。
それから第2号が、掛金納付月数が24カ月以上42カ月以下の方についてで、納付された掛金の総額そのものを退職金の額として定めているということでございます。
第3号は掛金納付月数が43カ月以上の方々についてで、今回の諮問に関わる部分となります。退職金の額は、イ及びロに定める額の合算となっております。
イは、掛金月数及び掛金納付月数に応じて政令で定める額、いわゆる基本退職金です。これは、予定運用利回りを1%として、掛金納付月数に応じて金額が定められております。
ロが今回議論いただく部分でございますけれども、毎年の運用収入に応じまして、今イで申し上げました基本退職金に付加する部分でございます。その付加退職金の額は、各年度計算月というものを定め、掛金納付月数が43カ月、または43カ月に12カ月の整数倍を加えた月数の時点、43の次ですと55カ月目ということになるのですが、その時点で仮に被共済者が退職したものとみなして退職金相当額を計算し、その額にその年度の支給率を乗じて得た付加退職金を毎年度分合算した額となっております。
また、この支給率につきましては、第4項におきまして、厚生労働大臣が各年度ごとに厚生労働省令で定めるところによりまして、前年度末までに労働政策審議会の意見を聞いて定めるものとされております。
2ページ目は、過去に予定運用利回りが変更されたことに伴う経過措置でございます。
3ページ目は施行規則でございまして、第17条におきまして、付加退職金の支給に充てるべき部分の額として、当該年度の前年度の機構の一般の中小企業退職金共済事業等勘定の給付経理の損益計算における利益の見込み額の2分の1とする、とされております。
以上が付加退職金支給率についての定め方の原則でございます。
続きまして、累積欠損金の現状でございますが、累積欠損金の解消につきましては、参考資料の7ページにございますように、平成17年3月11日に意見書を当部会でまとめていただいておりまして、この意見書を基に、労働基準局長から機構に対しまして具体的な累積欠損金の解消計画の策定を指示し、機構が平成17年10月に累積欠損金解消計画を策定したところでございます。
11ページでございますけれども、参考3がその累積欠損金の解消計画でございます。これによりますと、16年度末の累積欠損金、2,284億円を13年間で解消するということで、まず、毎年180億円を年度ごとに解消すべき累積欠損金の額の目安額として、現在の累積欠損金の解消計画が策定されております。
13ページの参考4で、累積欠損金の解消状況をお示ししておりますけれども、平成21年度末における累積欠損金残高は1,956億円でございまして、累積欠損金解消計画における目標残高と比べますと、573億円累積欠損金が多い状況となっております。
以上が現在の累積欠損金の解消状況でございます。
また資料のほうに戻っていただきまして、4ページをご覧いただきたいと思います。
平成23年度の付加退職金の支給率の算定方法についてでございますが、平成22年度の収支については789億円の損失を見込んでおります。見込み額の算定の考え方については、資料の6ページをご覧いただきたいと思います。
現在まだ22年度の途中でございますので、一定の推計を行い、見込み額を算出しております。まず、1つ目の掛金収入、退職金支出等につきましては、昨年11月末までの掛金収入、退職金支出等の実績に12月から3月までの推計値を加えたものでございます。その際には、過去3カ年の平均値を用いて推計を行っております。
2の責任準備金額についても、1の掛金収入、退職金支出等の推計を基に、平成23年3月末に見込まれる各被共済者についての責任準備金を算定して推計しております。
3の運用収入につきましては、比較的変動の大きい委託運用と、それ以外の自家運用の部分を分けて推計しております。
まず(1)の自家運用について、主に国債や政府保証債などで運用しておりますので、昨年12月末時点で保有しております資産につきましては、今年1月から3月の利払い日や償還日が決まっております。したがって、それらを基に推計を行っております。
2の委託運用につきましては、金銭信託等で運用しておりまして、今年1月末時点の時価評価の額を基に、ベンチマーク収益率の過去の統計的データから、3月末の時価評価額を推計しておるところでございます。
これらの推計結果と収支状況の推移をまとめましたのが5ページの表でございます。
平成22年度の収支の見込みは5,124億円となっております。
掛金収入等は4,595億円で、平成21年度に比べて増加をしておるところでございます。背景といたしましては、適格退職年金からの移行による加入者の増加がございます。
運用収入等につきましては460億円で、平成21年度の1,870億円と比べますと、かなり減っております。
この背景についてですが、参考資料の15ページのベンチマーク収益率をご覧いただければと思います。こちらにベンチマークの推移のグラフを添付しておりますが、平成22年度は国内株式と外国債券が低調に推移していることなどが、運用収入が減少している原因だと考えられるところでございます。
また先ほどの表に戻りますけれども、支出につきましては5,913億円で、平成21年度より増加しております。内訳の動向を見てみますと、昨年、一昨年に団塊の世代の退職が多くありましたが、今年度はそのピークが過ぎて退職者が減少したことなどを背景に、退職金支出等につきましては減少しておるところでございます。一方で、加入者の増加に伴います将来の退職金支払いのための責任準備金等が増加したこと、先ほどご説明を申し上げましたとおり市場が低迷している中、運用の損失によります運用費用が増加したことなどが要因として考えられまして、収支状況としては789億円の損失の見込みとなっておるところでございます。
資料の4ページに戻らせていただきますけれども、22年度につきましては利益が生じない見込みとなっておりますので、23年度の付加退職金支給率につきましては0とせざるを得ない状況でございます。
以上を基に、厚生労働大臣から労働政策審議会に対する諮問といたしましては、平成23年度の付加退職金の支給率を0とするということで、諮問させていただいておるところでございます。
説明につきましては以上でございます。
○勝部会長
大変ありがとうございました。
それでは、ただ今の説明につきまして、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。
○鈴木委員
789億の損失ということですから、付加退職金支給率について0というのは、これは仕方がないということにならざるを得ないと思うんですよ。
ただ、前回もお話ししましたように、23年度の支給率をこの時期に決めるのがいいのかという部分があります。法律の改正とかいろいろあると思うけれども、やっぱり今の時期に支給率を決めることがよくないのであれば、法律を変える方向で検討しなきければならない部分はあるんじゃないかと思うんですね。結局、推計を行って利益の見込み額を見て、これだけで23年度の支給率を決めてしまうということについては、去年の利益の見込み額だって、駄目だと言いながら、実際にはぐっとよくなった部分があるわけですから、やっぱり見込み額を基にしてこの時期に支給率を決めるということが良いのかということを検討せざるを得ないのではないかと思いますけれども。
○勝部会長
ありがとうございます。
これにつきましては、どなたかご意見、あるいは事務局のほうで。
臼杵委員、よろしくお願いいたします。
○臼杵委員
今のお話も、ごもっともな点はあるかと思います。
運用収入の推計については、先ほどの説明ですと、1月末の時点での運用収益を基に、年度末までの2カ月間の収入を推計するというお話だったと思うんですが。去年の場合は多分、1月末から2月、3月の2カ月間で株価とかが回復して、利益が大きくなったというようなことはたしかあったと思うんです。今年度の推計については、見込んでいる789億円の損失と、1月末の時点での運用収入、費用との関係を教えていただければと思うんですけれども。
○瀧原勤労者生活課調査官
関係といいますのは、相場が上がっているのか上がっていないのかということでしょうか。
○臼杵委員
要するに、1月末の時点での数値から、789億円の損失の見込みが出てきた根拠というんですかね。
○瀧原勤労者生活課調査官
概略的な話になりますけれども、1月末時点は確定した数字が出ています。2月につきましては、ベンチマークの数字が出ており、若干回復傾向にありました。これは、先ほどの参考資料の15ページ参考5の、ベンチマークのグラフの22年度の最後のところをご覧いただければと思うんですけれども、1月から2月にかけて、外国株式と国内株式、バツ印と黒い四角、この2つの部分が上昇し、外国債券はほぼ横ばいですけれども、やや上昇しました。国内債券は、若干ですけれども下がっております。これらの数値をベースに2月の運用収入を推計しております。3月につきましては、過去のベンチマークのデータから平均的な収益率に一定の安全を見込んで計算しているという形になります。
実際には3月には収支が悪化する可能性があるということで推計しておりますので、少し1月末時点の数字よりは低く見ているという形になろうかと思います。
○臼杵委員
そうすると具体的には、1月末とか2月末の途中経過と3月末の見込みというのの差額というのは、どのぐらいになるんですか。
○瀧原勤労者生活課調査官
自家運用の方はほぼぶれもなく計算できるのですが、委託運用の部分が、2月、3月の動きが読めないというところでありますので、2月は若干改善は見込まれるものの、3月においてマイナスになる部分のリスクを考えて、ここの2カ月間では約600億のマイナスという形で計算しております。
○臼杵委員
そういう意味では、去年も同じように2月、3月の2カ月間でマイナスを勘案しておられて、実際には逆にプラスの方に振れたので、蓋をあけてみたら意外にも大きな収益を得られた、という感じをお持ちになった方がいらっしゃると思うんですね。
そういう意味では、そういう安全掛け目をある程度見込んで推計するということ自体は私はいいと思うんですが、ただ、説明の仕方としては、見込みという言葉がいいのかどうか。むしろリスクを織り込んだ上での見込み、とかそういう表現の方が良いのではないかと思います。見込みというと、要するに期待値というんですかね、平均値みたいな印象を受けてしまうので、リスクを見込んだ上で、悪い場合にはこのぐらいになりそうだという、そういう意味での見込みだということをもう少し言ったほうがいいのかなと、私の個人的な意見ですけれども、思います。やり方自体は穏当なもの、妥当なものだというふうには思いますけれども。
それから、先ほどお話があったように、これは将来的な課題なのかもしれませんけれども、普通、企業の決算とか、3月に決算をして、それから配当とかを決めるというようなことで考えると、確かにこの時点で決めるのがいいのかどうかということは、今年は結論としては付加退職金支給率は0ということなんだと思うんですが、将来的には確かにあろうかなという気はしますけれども。
○勝部会長
これにつきましては、鈴木委員は、3月末の確定値を待って付加退職金を決めるべきだとお考えだと思うんですけれども、これは何か支障というのは、やはり4月以降になった場合には、あることなんでしょうか。
○三浦勤労者生活課長
まず、やはり法律上、年度内にと書いてあるというのは非常に大きな原因ではあります。
また、民間のやり方とどこまで平仄を合わせられるかというのはあるのですけれども、今の我々のやり方ですと、6月頃に機構から決算を出していただいて、それを我々の方で受け取って対応しなければいけないということになりますので、確定値を用いることで、新年度の退職者が出て、退職金の支給が始まる時期と、支給率が定まる時期とにかなりタイムラグが出てしまうということがあります。そこをどう考えるのかという問題があるので、確定値を待ってからというのは難しいという事情があるということをご理解いただきたいと思います。
○勝部会長
この点につきましては、よろしいでしょうか。
法律上の文言の問題と、あるいは決算の出る時期がかなり遅れるということも勘案してということで、臼杵委員からのご説明もありましたように、ある程度はリスクとして可変性が、統計的には、あの数字で出すことはできるということなんですけれども、いかがでしょう。よろしいでしょうか。これからの課題ということもあるかもしれないんですけれども。
○鈴木委員
そうですね。とはいっても、このままじゃちょっと、さっき言ったように、2月、3月に大きく株価が上がるというようなこともあるし、やっぱり検討の課題には上げといてもらいたいという感じがしますけどね。
○勝部会長
それでは、これは今後の検討の課題ということで、よろしいでしょうか。
ほかに何かご意見、あるいはご質問等ございますでしょうか。
○久保委員
2点あるんですけれども。
去年の11月、この部会の議論で、決算での収益が見込みと随分ずれたんじゃないかというやりとりをさせていただいたときに、そもそも見込みでは幅を持って見ていましたというようなご説明だったというふうに思うんですけれども、今回この資料で789億円というふうに、とりあえず見込みというふうにされているんですが、これは今申し上げたような観点から言うと、これも当然、幅を持って見ているということなんでしょうから、うまくいけばどの程度の利益が見込まれるのか、また悪いシナリオでいくと、こんな見方をしていますというようなものがおありであれば、ちょっと教えていただきたいというようなのが1点です。
それと、もう1点は運用で、自家運用と委託運用というようなのがあるというふうにご説明があるわけですけれども、ある程度情勢を見ながら、自家でやる部分と委託でやる部分との割合が変えられているのか。ずっと割合は固定しているということなのか。ちょっと見ていますと、資産運用はだれがやっても難しい話だということは承知しつつも、国内債券は安定的な部分であるということが、ベンチマークのグラフを見ていってもはっきり見える部分もあるわけですから、自家運用と委託運用について、一体どのような取り扱いをされているのか、分かる範囲で教えていただければと思います。
以上です。
○勝部会長
ありがとうございます。
それでは、その2点につきまして、よろしくお願いします。
○三浦勤労者生活課長
まず1点目でございますが、見込みにおいては幅があるというのはそのとおりなんでございますけれども、この幅の真ん中である、平均的なところの数字ということになりますと、23億円のプラスということでございます。これは、半分ぐらいの確率で23億円が利益として出るということでございます。
悪いときの数字というのは789億円ということでございます。この数値は、確率を用いて申しますと、実際の収支はマイナス789億円よりも良くなる確率は約97.5%ですから、実際の収支がマイナス789億円よりも悪化することはまずないだろうというところの数字でございます。
○瀧原勤労者生活課調査官
運用については私のほうからお答えさせていただきます。
まず、自家と委託の区別の部分ですけれども、まず自家運用をしている部分を6割弱ぐらい持っているんですけれども、この割合は、実は余り大きくは変えておりません。自家運用を持っているポイントとしては、一つは、確実な債券の部分については、委託手数料を掛けるまでもなく、ある程度は自分たちで運用するのが効率的であるという部分と、それから退職金の支払いで支出する額が、大体読める部分はあるものの、年や時期によって変動するものですので、今年はちょっと退職する方が多かったから多く払わないといけない、というような場合の退職金の支払いに対応する場合には、ある程度のキャッシュフローを持つ必要がありますので、その部分は自家の部分として持っているということです。
それから、運用の収益をできるだけ高く、でもリスクは余り多くはとるわけにいかないという部分については、どのようなポートフォリオにするかという形で、これは委託、自家ということよりも、国内株式をどれだけ持つか、国内債券をどれだけ持つか、外国の債券、株式をそれぞれどれだけ持つかというところの割合がポイントになるわけですけれども、これについても決して固定的に、もうこれで決めたからずっとやっているということではありません。機構においてALM研究会というものがありまして、この研究会において、どうすれば目指す収益を得られるか、あるいは運用の危険度は高まっていないかというのを、運用の専門の方に入っていただいて検討しておりまして、毎年、債券や株式のリスクが高まっていないかとか、あるいは、外国債券の部分の収益はどう動いているかという、その個々の資産について分析した上で、赤字解消も含めた目標とする利回りに対して、今の資産種類ごとの配分が適切かというのを逐次見直して、必要に応じて変えていくという形をとっております。決して一度決めたポートフォリオで固定的に運用するというような消極的な運用はしていないという状況でございます。
○久保委員
そうすると、自家と委託の割合というものは、今のご説明だと、そんなに変わらずに、ずっとやられているという理解でよろしいんでしょうか。
○瀧原勤労者生活課調査官
全体のポートフォリオのほうも余り極端には変えていない状況で、目標としている利回りに対応して安定的な割合となっておりますので、おっしゃるとおり、自家運用と委託運用の割合に対しても、それほど変わってはいないという状況でございます。
○久保委員
それでは、決算がまとまった時点で見ると、自家で成績がどうだったのか、委託でどうだったのかというようなのは見ることは可能なんでしょうか。
○瀧原勤労者生活課調査官
それは可能です。
○久保委員
では、次のとき、ぜひ見せていただければと思います。
○臼杵委員
私が補足するのもなんなんですけれども、大体運用は、中退の運用に関してもそうですけれども、公的なところで資産を持って運用しているところですと、自家と委託というのをどうやって分けているかについて補足いたします。
大体自家運用というのは国内の債券で運用をしています。国債であれば、例えば中退さんですとか、年金基金でも、要するに自分のスタッフでできるということですから、国債であればそんなにリスクもないですし、特にノウハウも必要ないと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、非常にざっくりした言い方をすると、預金とか貯金と同じような感じで扱えるので、外部に頼むようなこともないだろうというので、国債などの国内の債券で運用しています。当然、国債ですと成績は非常に安定するわけですね。
委託運用は、株式ですとか、もう少しリスクの大きいもの、言い換えると、そういう専門的なノウハウが必要になってくるようなものを外部に委託しますので、そうすると当然、成績は不安定になります。
全て国債にすればいいかというと、中長期的には、それは課題としてあると思うんですが、今の国債ですと1%ぐらいの利回りしかないわけですから、それでは累損を13年で解消できないわけです。もっと長く、20年とか25年かけて、もっとリスクを抑えるという選択は個人的にはあると思いますが、平成17年に決めた方針だと、13年ぐらいで解消するためには、ある程度株式とかも買わなきゃいけないと、そうすると外に委託しなきゃいけないという、そういう理屈になっているんだろうというふうに思います。
○勝部会長
よろしいでしょうか。
100%国債というのも、ある意味で逆のリスクもあると。これからインフレ等の動向、今はデフレですけれども、どうなるかということを世界的に見なくてはいけないかと思います。
よろしいでしょうか。
それでは、どうぞ、お願いいたします。
○瀬戸委員
資料1-1の5ページ目の収支見込みの推移のところなんですけれども、支出のところの運用費用等で、平成18年と19年の間で見ても6億から1,441億、21年から22年の、22年は見込みですけれども、6億から906億と大幅に増えているのですが、この運用費用等の中身というものがどういうものか。そして、その21年から22年の増加要因というんですか、あるいは18年から19年でもいいんですけれども、かなりの増加ということなんですけれども、これはどういうところに要因があるのか、教えていただければと思います。
○勝部会長
お願いいたします。
○三浦勤労者生活課長
かなり分かりやすく申し上げますと、この18年とか21年では6億円でとどまっているというのは、利益が出ております。運用費用等の中には株式の評価損が入っておりますので、結果として利益が出ている18年とか21年というのは本当にもう費用しか入っていないんですけれども、今、19年とか20年とか、これはまさにリーマンショックのときの影響とか、それから今回もですけれども、かなり市場が、利回りが、ベンチマークをご覧いただいても悪いようなときというのは、やはり株式の評価損が出ておりますので、そのときには運用費用等に計上させていただいているということでございます。
○勝部会長
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、ほかにご質問がなければ、結論としては、この厚生労働大臣からの諮問を適当と認めまして、労働政策審議会会長宛てに報告をいたしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、諮問どおりで適当と認めるということで、労働政策審議会会長宛てに報告をすることにしたいと思います。
事務局のほうで報告案を用意していただいたと聞いておりますので、それを読み上げていただきたいと思います。
○廣瀬勤労者生活課長補佐
それでは、読み上げさせていただきます。
中小企業退職金共済法第10条第2項第3号ロ及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令第2条第1項第3号ロ(1)の支給率について。
平成23年3月9日付け厚生労働省発基0309第1号をもって労働政策審議会に諮問のあった標記については、本部会は、下記のとおり報告する。
記、厚生労働省案は、妥当と認める。
以上でございます。
○勝部会長
ありがとうございました。
ただ今朗読していただきました文案によりまして、労働政策審議会会長宛てに報告をいたすことにしたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。それでは、異議なしと認めます。
なお、労働政策審議会令第7条第9項により、部会の議決をもって分科会の議決とすることができ、同令第6条第9項により、分科会の議決をもって審議会の議決とするということができると定められておりますので、今ご承認いただきましたご報告により、労働政策審議会から厚生労働大臣宛てに答申することにしたいと思います。ありがとうございました。
それでは、議題の2番目に入りたいと思います。
2番目の議題ですが、「一般の中小企業退職金共済事業及び特定業種退職金共済事業における退職金の確実な支給に向けた取組について」でございます。これにつきまして、事務局から説明をお願いいたします。
○小林業務運営部長
それでは、資料2-1に沿いまして、一般の中小企業退職金共済事業における退職金の未請求者に対する取組のご報告をさせていただきます。
8ページをお開き願います。一般の中小企業退職金共済事業においては、退職金の確実な支給に向けまして、以下の取組を実施しているところでございます。
1番として、継続して実施している取組といたしましては、?から?の取組を実施しております。
その1点目は、未請求者に対する請求勧奨でございます。退職後3カ月経過しても未請求のままである者のいる対象事業所に対しまして、事業主から未請求者へ請求手続を行うよう要請する通知を行っております。また、それでも未請求者がいる事業所に対しまして未請求者の住所等の情報を提供するよう依頼し、それにより入手した情報に基づきまして、機構が直接未請求者へ請求手続を行うよう要請をする取組を行っております。
この取組の平成20年度実績の対象といたしましては、平成15年度から18年度に脱退したものの未請求者のままである者がいる事業所、それと200万円以上の未請求者がいる事業所、及び平成13年度に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所を対象として、その住所提供を依頼した事業所は2万5,294事業所、対象者は7万2,582人。そのうち、22年12月末までに提供された住所情報に基づき請求手続を促した請求者は2万130人、平成22年12月末までに請求書の受付を確認した人数は1万3,045人となってございます。
それと、平成21年度実績の対象者は、平成12年度以前に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所で在籍者がいる事業所、これは都市部と都市部以外の一部でございます。それと、平成19年度及び平成20年度に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所、及び平成21年4月から6月に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所を対象といたしまして—次、9ページでございます—その住所情報を依頼した事業所は3万4,805事業所、対象者は6万9,112人。そのうち、22年12月までに提供された住所情報に基づきまして請求手続を促した未請求者は2万1,571人、22年12月末までに請求書の受付を確認した人数は1万2,051人となってございます。
それから平成22年度実績、これは4月から12月末まででございますが、対象は、平成12年度以前に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所で在籍者のいる事業所、これは都市部以外のものでございます。それと、平成21年7月から3月、それから22年4月から6月に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所を対象といたしまして、その住所情報提供を依頼した事業所は2万9,685事業所、対象者は5万7,324人。そのうち、22年12月末までに提供された住所情報に基づきまして請求手続を促した未請求者は1万3,520人、22年12月末までに請求書の受付を確認した人数は9,198人となってございます。
それから、2点目でございますが、フリーコールの設置でございます。これにつきましては、平成19年10月よりフリーコールを設置し、退職者等からの照会に対応しております。
これにつきましては、22年度4月から12月末の電話等照会件数の実績でございますが、これは20年度実績と比べまして3分の1程度の552件、回答必要件数は515件、うち、請求があったものは43件となってございます。
続きまして、10ページをお開き願います。
3点目でございますが、注意喚起文の掲載でございます。これにつきましては、平成20年度から未請求についての注意喚起文をホームページ及び送付書類等に掲載いたしまして、周知を図っているところでございます。
4点目でございますが、加入通知の送付でございます。これにつきましては、平成20年4月から、加入被共済者に対しまして加入通知を配布するよう事業所に依頼し、中退共制度加入周知の徹底を図っております。22年度4月から12月までの実績でございますが、新規追加加入被共済者、34万7,724人に対しまして発送してございます。
5点目でございますが、加入状況のお知らせの送付でございます。平成21年度から年に1度、事業所宛てに送付している掛金納付状況票及び退職金試算票を被共済者単位に切り離せる様式に変更いたしまして、中退共制度加入周知を目的といたしまして、「加入状況のお知らせ」を被共済者へ配布するよう事業所に依頼しているところでございます。
6点目でございます。ホームページへの加入事業所名の掲載でございます。
中退共ホームページにおいては、被共済者等が自ら加入事業所を検索することができる事業所名検索機能を平成21年7月から掲載してございます。これまで事業所名の掲載の可否を問う調査を行っていなかった21年2月中旬から22年5月中旬に新規加入いたしました1万9,847所のうち、ホームページへ事業所掲載を承諾した6,122所を平成22年10月28日に追加掲載したところでございます。22年12月末現在の掲載数は29万4,279所となってございます。
また、22年5月下旬から22年12月までの新規加入事業所に対しましては、23年2月15日に掲載の可否を問う調査を行っております。これにつきましては、23年6月に追加掲載を予定してございます。
なお、23年1月からの新規加入事業所の掲載可否につきましては、中退法の施行規則の一部改正に伴う契約申込書の改訂に併せまして、事業主負担軽減を含めた事務処理の簡素化を図るために、契約申込書にホームページへ事業所名掲載の可否を問う欄を設けまして、その結果に基づきまして順次追加掲載することとしております。
7点目でございます。調査、分析でございます。退職金実態調査などの調査を実施しております。その調査結果を取りまとめまして、中退共ホームページに公表しているところでございます。
なお、この調査結果を踏まえまして、在籍中から事業主の意識を中退共制度に向けるべく、平成21年度からは、先ほど継続して実施している取組の5点目の報告にありましたとおり、年に1度の事業所宛てに送付している掛金納付状況票及び退職金試算票について、20年4月からの新規及び追加加入の被共済者に対しましての加入通知の配布を事業所に依頼しているのに加えまして、被共済者単位に切り離せる様式に変更いたしまして、中退共制度の加入周知を目的といたしまして「加入状況のお知らせ」を被共済者へ配布するよう事業所に依頼することで、制度加入周知を図っているところでございます。
なお、平成22年度の退職金実態調査のうち、未請求関係でございますが、中退共制度の周知度等について、共済契約者・被共済者に対しまして調査を行っております。その調査結果は23年5月ごろに中退共ホームページへ公表することとしております。
続きまして、2番の平成22年度実施の新たな取組でございます。
平成22年度、新たな取組といたしましては、平成21年度に住所等の情報提供を依頼し、得られた情報に基づきまして直接被共済者に対しまして請求手続要請を実施いたしましたが、いまだ未請求となっている平成20年度脱退者—4月から10月脱退者でございますが—である628人に対しまして2回目の請求手続要請を行い、平成22年12月末現在での請求書の受付を確認した被共済者は57人となってございます。
続きまして、3番の今後の取組でございます。12ページでございます。
1点目としては、平成23年度、24年度にかけまして、平成12年度以前に脱退したものの未請求のままである者がいる事業所で在籍者のいない対象事業所に対しまして、未請求者の住所等の情報提供を依頼し、入手した情報に基づきまして被共済者に対して請求手続を要請することとしてございます。
2点目でございますが、退職時の被共済者住所の把握につきましては、被共済者が退職した場合に事業主が提出しなければならない書類、被共済者退職届に新たに被共済者住所記入欄を設けまして、平成23年度末までに実施することとしたところでございます。
続きまして13ページ、未請求対策状況でございます。
1点目でございますが、脱退から2年経過後の未請求状況でございます。これにつきましては、第2期中期計画において、請求権が発生した年度における退職者数に対する当該年度からの2年経過後の未請求者数の比率を、平成24年度末までに1%とすることを目標としております。その目標につきましては、新たな未請求退職金の発生を防止するための取組によりまして、退職後の未請求率は、取組を開始する前の3%に対しまして、平成19年度秋以降でございますが、平成21年度までの2年半で1.78%まで縮減してございます。22年12月末時点では1.7%まで減少しております。
2点目でございますが、未請求時効処理状況でございます。これにつきましては、退職金等受給権者のうち時効処理となった件数は、取組を開始する前は3%以上とあったのに対しまして、19年度秋以降、平成21年度までに、2年半で2.0%まで縮減しております。なお、時効処理欄の22年度につきましては、決算数値のためスペースとなってございます。
3点目でございますが、時効処理後の支給状況でございます。これにつきましては、時効処理後支給となった件数につきましては、取組開始する平成19年度以前と比べまして、件数及び金額につきましては、取組の効果もありまして、大幅に増加しております。なお、22年度における時効後の支給は12月末時点で5,476件、9億3,000万と、前年並みの数値と考えてございます。
簡単ですが、以上が中退共からでございます。
○勝部会長
ありがとうございました。
この問題、非常に重要なものだと思いますが、ただ今のご説明につきまして、ご意見あるいはご質問等ございますでしょうか。
○鈴木委員
着実に未払いがなくなってきているということなんですね。この率的に見ますとですね。
○小林業務運営部長
はい。未請求者の発生を防止するための取組と、いわゆる今までの未請求者の退職金の縮減については、これからまた、先ほどの説明の中にありました23年と24年にもう一度、平成12年度以前の脱退者について、もう一回調査をやりますので、それで請求、あるいは住所情報を提供していただいて、またさらに直接本人のほうに請求依頼するということを計画しておりますので、それを見てから、また考えたいと思います。
○鈴木委員
分かりました。
○勝部会長
ほかにございますでしょうか。
これは、時効処理というのは何年でしたでしょうか。
○小林業務運営部長
時効は5年です。
○勝部会長
処理後の支給も可能ということですね。
○小林業務運営部長
そういうことです。
○市瀬委員
時効処理後の支給について、20年度と21年度の状況を見ますと、件数的にはすごく増えておりますが、金額的にはそれほど増えておりません。これは、この間、私どもが取り組んだ、少額の人でも請求手続き要請を行うという形があらわれているという解釈でよろしいのでしょうか。
○小林業務運営部長
そうです、はい。これを見ますと、20年度から平均の支給額を見ますと、20年度が35万7,000円、それから、21年度は件数増になっていますけれども、21年度については17万1,000円、それから22年12年末でございますが、これも16万9,000円と、少額の対象者の支給者が多くなってございます。それで、20年度が10万円未満が55%、21年度が65%で、22年度、12月末でございますが、68%となってございます。
○臼杵委員
8ページのところで、住所情報を事業所に依頼して、それで直接未請求者へ請求手続を行うよう要請しているというふうに書かれていて、その下に、例えば、住所提供を依頼した事業所、2万5,294事業所で、対象者は7万2,582人で、実際に請求したのは2万130人で、受付を確認したのは1万3,000人であると。だんだん人数が減っているんですが、これはどういう理由というふうにお考えでしょうか。
○小林業務運営部長
20年度実績の数字で言いますと、住所提供を依頼した事業所については固定ですが、請求を受付確認した人数につきましては、3年間経過して徐々に増えてきているということで、住所情報に基づいた請求以外にも、事業主さんから直接その本人にお話があって請求された方もいます。だから、全てが住所情報に基づいた請求手続をした人ではないということです。
○臼杵委員
分かりました。21年でも22年でもいいんですが、対象者があって、その請求手続を促した以外でも実際に請求された人がいるという、そういう理解でよろしいですか。
○小林業務運営部長
そういうことです。
○臼杵委員
それから、今のと同じかもしれないんですが、新たな取組の一番、11ページのところで、20年度の脱退者である、いまだ未請求となっている、この628人という数値と最後の57人という数値の関係、それから、この628人はさっきの8ページの7万2,582人の中に入っているかということを、ちょっとお伺いしたい。
○小林業務運営部長
これは、20年度脱退者につきましては、これでいきますと21年度の実績の中に、3ポツ目に20年度脱退者の母数、人数は書いていませんけれども、ここに住所情報提供の依頼も
してございます。そのうち、一度未請求の方の住所情報の提供を依頼いたしまして、事業主から住所情報をもらって、本人に直接請求してくださいと請求勧奨したわけですね。それにもかかわらず請求してこないという被共済者に対しまして、2回目のお願いをしているというのが628人。その628人のうち57人の請求があったということでございます。
○臼杵委員
この8ページの20年度実績で、住所提供を依頼している人が7万2,582人いるわけですよね。それで、請求手続をしてくださいというのが2万130人いて、請求書の受付を確認したのは1万3,045人いるから、この差は7,000人ぐらいありますよね。
○小林業務運営部長
はい。
○臼杵委員
この7,000人に対して11ページのことをやったのかと思ったのですが。
○小林業務運営部長
そういうことです。
○臼杵委員
だけども、628人というのは。
○小林業務運営部長
まだ全てをやっていないということです。
○臼杵委員
これからおやりになる。
○小林業務運営部長
件数の関係で、今回は22年度については、そういう意味では六百何人と。これから増やしてということでございます。
○臼杵委員
分かりました。それで、これは余計かもしれないんですが、628人で57人しか来ないというのは、もう少し来てもいいかなというふうには思うんですが。
ちょっとその辺をお考えいただきたい。最近振込詐欺とか、そういうものがあって、いきなり銀行の口座番号を書いてくださいとか言われて、判子を押してくださいとか言われると、何だろうなという。だから、自分が入った覚えがちゃんとないと、自分の権利だというところが分かっていないと、なかなかそういうところがないのかなと。その辺を少し工夫していただく余地があるのかなと、ちょっと思ったということです。
○小林業務運営部長
分かりました。参考にさせていただきます。
○勝部会長
本日は特退共につきましても、こういった取組の説明があるというふうに聞いておりますので、建退など、かなり未請求者が多いというお話が以前あったかと思いますので、その点についても、ちょっと簡単にご説明お願いいたします。
○久保田建設業事業部次長
それでは、続きまして15ページ、資料2-2をご覧いただきたいと思います。特定業種退職金共済事業におけます共済手帳の長期未更新者に対する取組をご報告申し上げます。
特定業種ということで、建退共、清退共、林退共の3つについて、まとめてご説明申し上げます。基本的には、各事業とも同様の取組をしてございます。
16ページをお開きください。
1番目でございますけれども、長期未更新者調査でございますが、3事業とも実施しております。
過去3年間、共済手帳の更新手続のない被共済者につきまして、直近の更新申請、つまり、平成21年度調査で申し上げますと、平成17年度に最終更新を行って、その後、平成18年度から平成20年度までの3カ年間、更新がなかった被共済者につきまして、事業主を通じて現況調査を実施しております。調査といたしましては、現在も調査対象事業所で就労しているかどうか、就労していない場合には被共済者の住所を調査対象事業所に聞いております。この調査の結果、当該事業所を既に退職している被共済者につきましては、退職金請求をするよう要請しております。また、現在も引き続き当該事業所で就労している被共済者につきましては、事業主に対して証紙の貼付が満了したときには速やかに更新申請を行うよう要請をしております。
平成21年度の実績でございますが、建退共につきましては、調査件数である被共済者数が3万3,690件、そのうち、手帳更新件数が4,053件、退職金請求件数が1,434件でした。清退共につきましては、平成22年12月末現在の実績となってございますが、調査件数が3,861件、うち、手帳更新件数が53件、退職金請求件数が1,416件となってございます。林退共につきましては、同じく平成22年12月末現在の実績となっておりますが、調査件数が5,942件、うち、手帳更新件数が556件、退職金請求件数が2,876件となっております。
平成22年度の実績につきましては、現在調査を実施しているところでございますけれども、建退共については調査件数が3万1,048件となっております。清退共につきましては、調査件数が35件、そのうち、平成22年12月末現在で手帳更新件数が9件、退職金請求件数が3件となっております。林退共につきましては、調査件数が161件、そのうち、手帳更新件数が11件、退職金請求件数が46件となっております。
2番目でございます。加入通知の実施となってございます。
内容といたしましては、新規加入時に共済手帳申込書に被共済者の住所を記入いただき、その住所宛てに文書を送付することにより、加入したことを被共済者に通知することとしております。
17ページに移らせていただきます。
その平成21年度の実績は、建退共は14万4,827件、清退共は155件、林退共は2,778件となっております。
平成22年度実績、こちらは12月末現在となっておりますが、建退共は9万5,386件、清退共は108件、林退共は1,928件となっております。
3番目に移らせていただきます。被共済者に対する注意喚起等でございます。
確実に退職金を支給するための取組として、退職金請求手続・共済手帳の更新手続等に関する問い合わせの呼びかけなどの取組を実施しております。
その平成21年度の実績といたしましては、ホームページへの掲載、専門紙への広告の掲載、関係団体の広報誌への掲載、被共済者向けポスターの備付・配布、共済契約者向けチラシの備付・配布となっております。これらの取組を3事業共通で実施しております。
4番目でございます。被共済者の住所のデータベース化で、内容といたしましては、新規加入時に共済手帳申込書に記入された被共済者の住所情報、長期未更新者調査で判明した被共済者の住所情報をデータベース化しております。
5番目に、共済手帳へ住所欄を追加しております。これは、共済手帳に住所欄を設けて、被共済者が記入する仕組みでございます。これにより、被共済者が事業所を退職したときなどに、共済手帳を本人に渡すことがより確実になることと期待しております。
18ページに移らせていただきます。
6番目でございますが、共済手帳重複チェックの実施で、これは建退共が実施しているものでございます。退職金の支払い漏れを防止するために、被共済者重複チェックシステムによって、退職金受給者がほかに共済手帳を保有していないかどうかのチェックを実施しております。このチェックによりまして、退職金受給者がほかに共済手帳を持っていることが判明した場合は、追加して退職金を支給しております。
7番目でございます。全共済契約者に対する要請文書となっておりますが、これは清退共と林退共が実施しております。内容といたしましては、証紙の貼付が満了したときなどには速やかに共済手帳の更新申請を行うこと、被共済者が事業所をやめたときには退職金請求の意思があるかなどを確認していただくことを要請しております。
8番目でございますが、これまで長期未更新者調査の対象とならなかった被共済者に対する長期未更新者調査ということで、建退共のほうで平成20年度と平成21年度に実施しております。調査件数は、共済手帳の最終更新が平成7年度までのもので、5万2,092件となっております。そのうち、手帳更新数が155件、退職金請求件数が1,710件となっております。
9番目でございます。清退共が実施しております被共済者の住所情報のデータベース化です。清退共では、前年度までに共済契約者に対して、長期未更新者3,861件について現況調査を行っておりました。その際に、現況不明という回答がございました被共済者については、共済手帳申込書を基に被共済者の住所情報を整備してデータベース化を図っております。清退共につきましては、設立当初から共済手帳申込書に住所欄を設けておりましたので、その住所情報をデータベース化しております。今申し上げましたデータベースによりまして、現況不明であった被共済者に対して、順次退職金請求等を要請しております。これは、調査件数である被共済者数が1,743件、そのうち、退職金請求件数が552件となっております。
10番目でございます。こちらも清退共が実施しております。過去の調査におきまして、最終更新契約者が不明のものにつきまして、長期未更新者調査ができない部分がございました。この被共済者につきまして、加入時の住所を基に住所の整備・データベース化を図っているところです。データベース化が完了した部分につきましては、更新手続及び退職金請求手続を行うよう働きかけを行っております。これは、調査件数となる被共済者数は3,443件、うち、手帳更新数は14件、退職金請求件数は1,875件となっております。
最後、11番目でございます。共済手帳の更新時における被共済者の住所のデータベース化です。先ほどまでご報告申し上げました取組では、新規加入時の住所情報のデータベース化を進めてまいりましたけれども、ここでは、さらに共済手帳更新時に被共済者住所を記入いただくことによりまして、その住所情報をデータベース化することを実施しております。
以上が特定業種におけます共済手帳の長期未更新者に対する取組のご報告でございます。
○勝部会長
ありがとうございます。
それでは、これも含めまして、何かご意見、あるいはご要望、ご質問があればと思いますが、いかがでしょうか。
○林委員
私どもの組織では、この建退共については事務組合と任意組合、両方持っているんですが、ここで強調されているのは、事業所を通して、事業主を通じて現況調査を実施しているということなんですが、例えば、事業所を通して加入していない、つまり自分で自分の掛金を払っている人たちの調査というのは、どんな方法で考えられているんですかね。
○久保田建設業事業部次長
事業所と申し上げましたけれども、管理は共済契約者番号ということで管理しておりますので、任意組合等も共済契約者番号を付与して管理しておりますので、対象となるものがあれば調査をしていると思われます。実際に、もしなければ、更新をされているのではないかと思います。
○林委員
ということは、任意組合を通して調査されているということですね。
○久保田建設業事業部次長
はい。最初は共済契約者である事業所、または任意組合さんであれば任意組合へ、調査票を送付しております。
○林委員
分かりました。
○瀬戸委員
前に戻って恐縮なんですけれども、9ページのところの真ん中辺の平成22年度実績、この対象と書いてあるところなんですけれども、「平成12年度以前に脱退したものの、未請求のままである者がいる事業所で在籍者のいる対象事業所」。この中の在籍者というのは、退職した以外の、その事業所にまだ勤めていらっしゃる方がいるという意味の在職者なんでしょうか。
○小林業務運営部長
そういうことです。要は、退職者も当然その中にいますけれども、まだ在籍者がいるという意味です。
○瀬戸委員
それともう一つ、中退共の退職金というのは、事業主からの請求で、その個人のほうに退職金が支払われるという制度という理解でよろしいんですよね。事業主が退職金を請求するのではなく。
○小林業務運営部長
請求は被共済者、要は従業員が直接私どもに請求する制度です。
○瀬戸委員
やるんでしたっけ。そういう制度でしたか。
○小林業務運営部長
そういうことです。
○瀬戸委員
前からそういう制度ですか。
○小林業務運営部長
そうです。
○宮本委員
一般中退のことでちょっとお伺いしたいんですが、12ページの今後の取組のところなんですけれども、その住所情報の把握のところで、被共済者退職届に新たに被共済者の住所記入欄を設けるということ。これ、恐らくこういう欄をつくれば必ず書いてくれるものだろうと思うんですが、必須の記入欄といいますか、例えば白紙で返ってきた場合は受付しなくてまた戻すのか。必ずここに書かないともらえないのか、どうなのか。
○小林業務運営部長
今考えているのは、記入していないと、再度こちらから要求することを考えてございます。
○宮本委員
すると、平成23年度末までに実施ということで、こういうのはもう、すぐやれるんじゃないかとか思うんですけれども。
○小林業務運営部長
やはり全体の、今は手帳の中に、退職届というのが中に添付しています。それを全て変えないといけないので、23年度末に一斉更新したいと考えております。
○勝部会長
それでは、鹿住委員、お願いいたします。
○鹿住委員
最近の働き方の変化というか、それから、会社組織の様々な変化というのに、ちょっと制度がもう少し対応していかないといけないのかなという面があると思いまして。具体的には、例えば最近M&Aも大分増えていますが、加入したときはその事業所は中小企業であると、しかし大企業に買収されましたといったような場合に、雇用は継続されたとしても、その中退共の加入要件を失うわけですから、そういった場合、その加入者の方、どういう手続をしたらいいのかとか、被共済者の方、どういう手続をしたらいいのかとか。あるいは、今、個人に向けて加入していますということをお知らせをするということで、注意喚起を促しているという点は非常にいいと思うんですが、じゃ、どういった場合に請求を出せるのかと。
要するに、転職をしたりしていると、自分が中退共の加入対象になる事業所に今勤務しているのかどうかと、雇用されているのかどうか。中小企業の定義も恐らく一般にはそんなに知られていないと思います。中小企業基本法に書いてありますけれども、そういうことも一般の方は余りご存じないと思いますし、自分が就職した会社というのが中退共に加入しているかどうか。データベース化、進められているということですが、入ったときに、すぐそういう意識を持っていらっしゃるかということもちょっと分かりませんので、できるだけ被契約者、被共済者の方に、どういう場合に退職金の請求ができるのか、あるいは契約の継続とかポータビリティーについて、どういうケースにどういう手続をしなきゃいけないのかということを、しっかりお伝えする必要があるのかなと。
もう一つは、できれば将来的にはいろんなケース、中小企業から大企業に勤務先が変わって、あるいは一時的に自営業になって、また被雇用者になるといったような、様々な働き方に対して制度がどうやって対応していくか。それは長期的な課題ですけれども、まず個人の方に、どういったケースにどういうふうな手続をしなきゃいけないのかということを十分知らせることが重要かなというふうに思います。
○小林業務運営部長
ここにも記載していますけれども、加入通知書を加入時に事業主を通じて渡してもらっているんですね。その中に、基本的には本人が退職した場合、請求してくださいということと、今言ったポータビリティーについて、通算できますよということをうたった文章を記載しております。
それと、合併等により、大企業に吸収合併されると当然、それは中小企業じゃありませんから、私どもの加入はできません。それについては当然、請求していただければ退職金でお支払いいたします。
それと、合併して、合併相手がたまたま中退に入っていたと、吸収合併されてですね。そういう場合は、通算制度がございまして、それは退職した上で通算、要は過去のものを通算できる。そういう制度もございます、中退制度にはですね。
○鹿住委員
それが、加入者、被共済者の方が理解されているかどうかという問題なんですけどね。
○小林業務運営部長
先ほどおっしゃった加入通知書にも、そういう周知はしております。
○山川委員
今の点との関連で、11ページ、資料2-1ですね。加入通知の配布を依頼しているということで、6行目、7行目ぐらいにありますのは、「20年4月からの新規及び追加加入の被共済者に対し」というふうに書かれておりまして、一つは確認なんですけれども、「加入状況のお知らせ」というのは、これは別で、その前のページにも書いてありますけれども、これは全被共済者に配布を依頼しているかどうかという点と、そこにも請求手続についても情報提供がなされているかと。
先ほど臼杵委員の話にもありましたように、事後的な対応というのはかなり手間もかかるので、やっぱり退職時とか加入時とかに請求できるということが周知されていることは非常に有効だと思いますので、この辺り、ちょっと確認とお伺いをしたいと思います。
○小林業務運営部長
1点目は、加入通知書につきましては、これは新規加入あるいは追加加入の、新しく加入した方について加入通知を事業主から配布していただくという点でございます。
それと、2点目の「加入状況のお知らせ」につきましては、これにつきましては在籍者、要は新規加入じゃなくて、もう在籍して納付している人たちに、年1度ですけれども、4月か5月に納付状況等のお知らせを行ってございます。
それと、3点目の退職金の請求手続等につきましては、先ほど言った加入通知には、本人が請求してくださいとうたってございます。
ただ、「加入状況のお知らせ」については、新たに本人に交付することとしましたので、まだ請求手続までは載せておりません。それが現状です。
○山川委員
詳細まではともかく、こういう請求は本人がやる必要があって、ここに問い合わせてくださいとか、何か簡単な情報提供でもご工夫いただければと思います。
○小林業務運営部長
分かりました。参考にさせていただきます。
○山本総務課長
補足ですけれども、現在書かせていただいているものは、従業員の方へということで、今、本制度に加入していただいていることをお知らせするものですということと、あと、詳しくはホームページをご覧くださいということ。あと、機構の代表番号を載せておりますので、もし何かご不明な点があれば、そちらに聞いていただけるんじゃないかというふうに思っております。
○臼杵委員
今のお話と関連するんですが、基本的にやっぱり、年金なんかでもそうですけれども、裁定主義とか、ここですと要するに請求がないと払わないというところが根本の、これを直せというのはちょっと難しいとは思うんですが、そこが非常に大きな問題で。確かに加入したときにそういう、こうやると請求できますよというのを書いていただいても、ある会社に就職したときに、自分が退職したときのことを考えて、それを真剣に読むということは非常に、なかなか人間としては難しいところがあって。むしろ、だから本当は、その請求ができるようになった、さっき合併のお話とかありましたけれども、そこで退職金、合併されて退職金が出るなんて、普通は余り考えていないと思うんですよね。だから、そういう請求ができるようになったときに、もっとそのタイミングで勧奨するようなことを、ちょっと考えていただければというふうには思うんですけれども。
○勝部会長
それについては何か手だてとか考えられますでしょうか。
○小林業務運営部長
やはり電話等で、そういう場合、例えば合併で、退職なのか、それとも解約なのかというお話は確かにあります。その中には当然、先ほど説明したとおり、通算できますよ、できるものはできますよというお答えはしております。
○臼杵委員
問い合わせが来たらというよりも、むしろこっちから積極的に何かこう。
○小林業務運営部長
そのタイミングが、基本的に事業主が、先ほど言った退職届、それは義務づけられていますので、それ来た時点ということで理解してよろしいですか。
○臼杵委員
私も具体的にどうできるかと、今ここできっちり申し上げられる知識もないんですけれども、そういう企業形態の変更とかがあった時点で、何かそちらのほうに情報が行って、それで被共済者のほうに何か、こういう場合はこうなりますと、あなたの会社では今こういう、例えば合併があったとかいうことで、こういうことが可能ですというようなことが、できれば一番いいと思うんですけどね。
○小林業務運営部長
ちょっと検討して、年1度、事業主等につきましては「中退共だより」というのを発行しておりますので、その中を利用するなり、周知方法をちょっと考えて対応していきたいと考えてございます。
○勝部会長
それでは、瀬戸委員、お願いします。
○瀬戸委員
先ほどお伺いすればよかったんですけれども、13ページの未請求対策状況の一覧の中の3ポツの時効処理後支給ということで、これは先ほど、時効は5年というふうにお伺いしたんですけれども、それを過ぎた後の請求でお支払いしたものということですよね。
○小林業務運営部長
はい。
○瀬戸委員
それで、これは何年でも、決まりというんですかね、時効後に支払いができる決まりというのは何かあるんですか。例えば時効後何年以内までの請求であれば支払うとか、そういうような。
○小林業務運営部長
基本的に決済処理では、時効処理については収益に上がるわけです。それで、中期目標に私ども、5年たっても請求してきた場合、お支払いするという目標を立ててございます。
それで、今意見としておっしゃられたものについては、全て、何年であろうと、それはお支払いいたします。
○勝部会長
ほかに何かご意見、ご質問等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、この件につきましては、引き続きいろいろ検討していただきたいというふうに考えております。
特にその他ご意見等がないようであれば、本日はこれで終了したいと思います。
最後に、本日の議事録の署名委員ですけれども、林委員と市瀬委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、本日はこれにて散会といたします。どうもありがとうございました。
(了)
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